JPH1096707A - 酸素センサ - Google Patents
酸素センサInfo
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- JPH1096707A JPH1096707A JP9085908A JP8590897A JPH1096707A JP H1096707 A JPH1096707 A JP H1096707A JP 9085908 A JP9085908 A JP 9085908A JP 8590897 A JP8590897 A JP 8590897A JP H1096707 A JPH1096707 A JP H1096707A
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Abstract
始できる酸素センサを提供する。 【解決手段】 ヒータ素子60と接している多孔質保護
層70が、ヒータ素子60により直接加熱されるため、
短時間で高熱に達する。そして、エンジン始動直後の排
気ガス中のH2 、CO等が、加熱された多孔質保護層7
0を介して多孔質測定電極15に達するため、該多孔質
保護層70中にてH2 O、CO2 へ酸化され、酸素セン
サ100がH2 、COによってλズレしなくなる。この
ため、エンジン始動直後から酸素濃度を正確に測定する
ことが可能となる。
Description
ス中に含まれる酸素の濃度を検出する酸素センサに関す
るものである。
標値に制御し、排気ガス中のCO、NOx 、HCを軽減
するために、排気系に酸素センサを設け、空燃比と相関
関係を持つ排気中の酸素濃度に応じて、燃料供給量をフ
ィードバック制御することが知られている。酸素センサ
は、酸素イオン伝導性固体電解質体の板状素子の両面に
多孔質の電極を配設し、一方の電極を排気ガス中に晒す
と共に、他方の電極を基準となる大気中に晒し、この大
気と排気ガス中の酸素濃度差によって両電極間に生じる
電圧に基づき酸素濃度を測定している。
の有害成分の削減は、エンジンの暖気が完了した後に開
始している。即ち、上記酸素センサは、所定温度以上に
加熱して酸素イオン伝導性固体電解質体の活性を高めた
後でなければ、動作し得ないからである。このため、酸
素センサに加熱用のヒータを配設し、エンジン始動後に
可能な限り早く(10秒以下が望ましい)動作を開始さ
せている。
ック制御を開始する以前には、エンジンを停止させない
ように空燃比をリッチ側に制御しているため、相対的に
高い濃度のCO、HCが排出されている。この高濃度の
有害成分の排出を短時間で完了させるため、極力早い時
点から酸素センサが動作し得るようにする技術が種々提
案されている。この技術の一つとして、特開昭60−1
28348号公報にて、酸素センサ加熱用のヒータに比
較的大きな電流を流し得るように構成することで、短時
間で加熱を完了させる酸素センサが提案されている。
する。酸素センサは、板状固体電解質体110の両面に
電極114、115を配設し、一方の電極114をスリ
ット113中の大気に晒し、他方の電極115を多孔質
層119を介して排気ガス中に晒し、両電極114、1
15間に発生する電位から排気ガスの酸素濃度を測定す
る。ここで、板状固体電解質体110に、多孔質層11
9を介在させてヒータ板160を取り付けることで、ヒ
ータ配線133と板状固体電解質体110との間に高い
絶縁性を保つ。これにより、ヒータ配線133に大きな
電流を流すことを可能ならしめ、短時間で板状固体電解
質体110を加熱、活性化させるように構成されてい
る。
より板状固体電解質体の活性を短時間で高め酸素センサ
を動作可能にしても、エンジン始動直後は、正確に酸素
濃度が測定し得ないことが判明した。この原因を本発明
者は、酸素センサの所謂「λズレ」にあるとの知見を得
た。このλズレについて、図8を参照して説明する。図
8において、縦軸に酸素センサ出力を、横軸に酸素濃度
を取り、横軸の中央をλ(ストイキ)に、右側をリーン
に、左側をリッチにしてある。図8(A)は、酸素セン
サが適正に動作している際の出力特性を示している。図
中に示すように、酸素センサは、ストイキ雰囲気にてス
テップ状に出力が反転する。ここで、排気ガス中に水素
が多く含まれると、図8(B)に示すように、出力特性
がリーン側にシフトする。これは、酸素と水素の拡散程
度が異なる事が原因と考えられる。また、排気ガス中に
COが含まれると、図8(C)に示すように、リーン状
態での出力が高まっている。
の燃焼が完全には行い得ないので、上述したように比較
的高濃度のHC、H2 、COが排出されている。このた
め、酸素センサが動作を開始しても、λズレにより酸素
濃度を正確に測定し得ず、空燃比を適切に制御すること
ができなかった。また、燃料組成により、このHC、H
2 、CO濃度も変化する上に、排気ガス温度、圧力等に
よっても変化する。そのため、酸素センサのλズレの程
度が変動する。
効率を高めるためストイキになるよう一般に空燃比が制
御されているが、耕運機、或いは、船外機等の小さなエ
ンジンでは、高出力を得られるようにリッチ側で空燃比
が制御されることがある。ここで、大気浄化のため、係
る小型エンジンにも排気ガス中の有害成分を最小に抑え
ることが求められている。このため、リッチ側で空燃比
が制御されるエンジンに、酸素センサを用いて空燃比を
制御することが検討されているが、リッチ雰囲気中で用
いると酸素センサに耐久性の問題が発生した。
白金を用いるため、リッチ雰囲気中で用いると、排気ガ
ス中のCOが、炭素として白金電極と反応し、白金電極
に所謂体積膨張を生ぜしめ、電極が、板状固体電解質体
から剥離するという問題が発生した。
なされたものであり、その目的とするところは、エンジ
ンの始動から短時間で正確に測定を開始できる酸素セン
サを提供することにある。
ためになされたものであり、その目的とするところは、
空燃比がリッチ側で制御される際にも長期に渡って安定
して動作し得る酸素センサを提供することにある。
め、請求項1の酸素センサでは、基板と、両面に電極を
配設した板状固体電解質体と、多孔質層と、ヒータ配線
を配設して成る前記電極よりも広い面積を有するヒータ
板と、を積層した酸素センサであって、前記板状固体電
解質体の一方の電極と基板との間に基準となる酸素を導
入して該電極を基準酸素にさらし、前記板状固体電解質
体の他方の電極と、前記ヒータ板との間に前記多孔質層
を介在させ、該多孔質層を介して当該他の電極を測定ガ
ス中にさらしたことを技術的特徴とする。
を配設した板状固体電解質体と、多孔質層と、ヒータ配
線を配設して成る前記電極よりも広い面積を有するヒー
タ板と、を積層した酸素センサであって、前記板状固体
電解質体の一方の電極と基板との間に空洞部を形成し、
該空洞部に大気を導入して該電極を大気にさらし、前記
板状固体電解質体の他方の電極と、前記ヒータ板との間
に前記多孔質層を介在させ、該多孔質層を介して当該他
の電極を測定ガス中にさらしたことを技術的特徴とす
る。
て、前記基板と前記板状固体電解質体と前記ヒータ板と
が主として同質の材料からなり、かつ、セラミックス多
孔質層を積層後、一体焼成された事を技術的特徴とす
る。
て、前記多孔質層としてZrO2 を用い、その厚みを5
0〜500μmとしたことを技術的特徴とする。
て、前記多孔質層に、0.05〜15mol%の触媒貴金属
を含有させたことを技術的特徴とする。
と接している多孔質層が、電極よりも広い面積を有する
ヒータ板により直接加熱されるため、短時間で高熱に達
する。そして、エンジン始動直後の排気ガス中のH2 、
CO等が、加熱された多孔質層の断面から積層面に平行
に拡散して測定用の電極に達するため、該多孔質層中に
て燃焼が促進されH2 O、CO2 へ酸化され、未燃焼の
H2 、COが削減されるため、酸素センサのλズレがな
くなる。このため、エンジン始動直後から酸素濃度の測
定を正確に開始することが可能となる。また、基準とな
る酸素源としては固体電解質体の両電極間に電圧を加え
排ガス中の酸素を導入する方式と、大気と連通する空洞
を設ける方式とがある。
始以前の状態で、排気ガス中のCOはセンサ電極近傍に
於いて、酸素センサが加熱されたときに炭素となって、
電極を構成する多孔質の白金と結合し、所謂体積膨張を
発生させる。しかしながら、該白金電極は、広い面積を
有するヒータ板に多孔質層を介して押さえ付けられてい
るので、体積膨張しなくなる。このため、COを多く含
むリッチ雰囲気中で用いることが可能となる。
板、ヒータ板により多孔質層を強固に押さえ込む方法と
して構成される積層体を主成分が同一となる同種材質と
し、一体焼結する事により確実となる。その際固体電解
質体としては使用中での熱応力に対し安定なY2 O3 2
〜8mol%入りZrO2 が良い。
0〜500μmとしてあるため、板状固体電解質体をヒ
ータ板にて短時間で温め得ると共に、排気ガスを容易に
通過させ酸素センサの高い応答性を実現できる。
属を含有させてある。このため、排気ガス中のH2 、C
O等を、該多孔質層中の触媒貴金属にてH2 O、CO2
へ酸化してから電極側に通すため、酸素センサにH2 、
COによるλズレを発生させない。ここで、触媒貴金属
の含有率が0.05mol%未満では触媒効果が低く、エン
ジン回転数によりフィードバック値λがばらつく。他
方、15mol%を越えると、含有した貴金属に吸着したC
Oにより貴金属が体積膨張し保護層中にキレ、クラック
等を生じ易くする。このため、多孔質層に0.05〜1
5mol%の触媒貴金属を含有させる。ここで、触媒貴金属
としては、パラジウム、白金、ロジウム等が挙げられ
る。
様について図を参照して説明する。図1は本発明の一実
施態様に係る酸素センサ100を示している。酸素セン
サ100は、センサ素子50と、ヒータ素子60とから
成り、該ヒータ素子60は、多孔質層70を介してセン
サ素子50に取り付けられている。このヒータ素子60
は、ジルコニア(部分安定化ジルコニアを含む)、マグ
ネシア、アルミナ等のセラミックから成り内部に発熱体
(ヒータ配線)が配設され、図示しないコントローラに
よって電流が印加され、該センサ素子50の温度を設定
値(約800°C)に維持する。
センサ素子50は、酸素イオン伝導性固体電解材料であ
る安定化または部分安定化ジルコニア(Y2 O3 の添加
されたZrO2 の磁器)により形成された板状固体電解
質体10の表面と裏面とに、白金にAl2 O3 を20%
混入して成る多孔質基準電極14及び多孔質測定電極1
5を配設して成る。多孔質基準電極14は、スペーサ
(接合)部材11に形成されたスリット13を臨み、該
スリット13内に満たされる大気中に晒される。多孔質
測定電極15は、多孔質層70に覆われ、該多孔質層7
0を介して排気ガスに晒される。ヒータ素子60は、該
多孔質層70を介してセンサ素子50を加熱するよう配
設されている。
該酸素センサの展開図である図3を参照して更に詳細に
説明する。空所を形成する上記スリット13は、板状固
体電解質体10と同様な固体電解質体材料から成る空所
形成用のスペーサ(接合)部材11、及び、第1の支持
部材12にて構成されている。スペーサ(接合)部材1
1に穿設された該スリット13は、基部13a側から大
気を導入するため長手方向へ延在するように形成されて
いる。
電解質体10との間には、Al2 O3 から成る絶縁膜1
6が設けらている。また、測定電極15の下面には、触
媒貴金属として白金が3mol%添加された多孔質のジルコ
ニアZrO2 からなる多孔質層17(図2に示す多孔質
層70の一部を形成する)が設けられている。
ら、スルーホール14bを介して端部15bと導通が取
られ、φ0.2mmの白金線18(Rh13wt%混入)
へ接続され、また、測定電極15は、リード部15aか
ら白金線18へ接続され、外部との接続が取られてい
る。この白金線18を固定するための固定板19(触媒
貴金属として白金が3mol%添加された多孔質のジルコニ
アZrO2 から構成され、図2に示す多孔質層70の一
部を形成する)は、Al2 O3 から成る第2の絶縁膜2
0を備え、板状固体電解質体10との間に該白金線18
を挟持している。
に、前記多孔質層を前記測定電極に押し付け該測定電極
の剥離を防止し、更に多孔質層及び測定電極を外部から
保護する為のヒータ素子60の構成について述べる。白
金にAl2 O3 を10重量%添加してなる発熱体33
を、電気絶縁性の高いAl2 O3 から主として成る絶縁
層31、32で挟持させた積層体を構成する。この積層
体を、Y2 O3 を5mol%添加したZrO2 の磁器等の固
体電解質体材料から成る平板状の第2の支持部材30
と、同じく固体電解質体材料から成る第1の被覆層34
との間に挟持させる。
3aを介し、φ0.2mmの白金線(Rh13wt%混
入)36によって外部と接続される。この白金線36
は、固体電解質体の材料から成るそり防止層36を備え
た第2の被覆層35によって、第2の支持部30との間
に挟持される。該酸素センサ100は、幅4mm、長さ3
2mmに形成されている。又、スリット13を設けず、電
極14、15により排気ガス中より保護層17、19を
介してO2 をポンピングさせ、外孔質電極14内に酸素
を供給して基準となる酸素源を生成する事もできる(こ
れを基準生成と呼ぶ)。
センサ装置に取り付けられた状態を示す一部切り欠き側
面図であり、図4(B)は、キャップ84を外した状態
での図4のB矢視図である。該酸素センサ100は、上
記基準生成を用いたものであり、ガラス質部82を介し
てホルダ80に固定される。酸素センサ100の先端部
側には、排気ガスを通過させるための通孔86の穿設さ
れたキャップ84が配設されている。酸素センサ100
のヒータ素子60への給電は、リード線88により行わ
れ、また、酸素センサ100によって検出された酸素濃
度に対応する電位は、リード線89を介して図示しない
エンジン制御ユニット側へ送られる。このキャップ84
が、エンジンから三元素触媒まで送られる排気管内に突
出するように、該酸素センサ装置は取り付けられる。更
に、ホルダ80によりシリコンゴムグロメット90を狭
圧し、酸素センサ100の防水及び飛石対策がなされ
る。
て図1及び2を参照して説明する。説明を簡単にするた
め、素子の説明には図4の基準生成のタイプの素子では
なく大気を導入するタイプの素子を用いる。酸素センサ
100は、スリット13に満たされる大気側の多孔質基
準電極14と排ガス側の多孔質測定電極15との間に、
酸素濃度差に応じた電圧を発生する。ここで、エンジン
が始動されると、発熱体33に大電流が流され、短時間
で板状固体電解質体10を加熱して、活性を高める。こ
こで、本実施態様では、ヒータ素子60と、センサ素子
50との間に、比較的高い絶縁性を有するジルコニアか
ら成る多孔質層を介在させてあるため、センサ素子50
側に漏電することなく、発熱体33に大電流を流して、
短時間で板状固体電解質体10を加熱し、センサ素子5
0を動作可能な状態にすることができる。
に暖気されていない間は、排気ガス中にH2 、CO等の
未燃焼ガスが含まれる。係る排気ガスは、相対的に薄い
多孔質層70を通過してから、排ガス濃度測定側の多孔
質測定電極15に到達する。該多孔質層70は、ヒータ
素子60に直接触れており、ヒータ素子60にて高い温
度まで加熱されている。また、この多孔質層70には触
媒貴金属(白金)が含有されている。このため、排気ガ
ス中のH2 、CO等の未燃焼ガスは、該多孔質層70を
通過する際にH2 O、CO2 へ酸化されるので、図8
(B)、図8(C)のようなλズレを生じさせることが
ない。
について試験を行った結果について、図5の図表を参照
して説明する。この実施態様では、多孔質層は気孔率2
0%程度のジルコニア質材料からなる。種々の厚みの多
孔質層を持つ酸素センサについて、追従性(追従周波
数)と、ヒータに通電を開始してから酸素センサが測定
可能になるまでの暖気時間とを測定した。
ルのエンジンを用い、2000rpmの固定下で、酸素セ
ンサを該エンジンから1m 離して配設し、空燃比0.9
と1.1との雰囲気中に晒し、この0.9と1.1との
雰囲気を0.5Hzで切り換え、図9に示すように、空燃
比を0.9へ切り替えてから、酸素センサ出力が500
m Vになるまでの時間(1)と、空燃比を1.1へ切り
替えてから、酸素センサ出力が350m Vに達するまで
の時間(2)とを求め、(時間(1)+時間(2)を算
出して、これを追従周波数とした。
上あれば、必要とされる0.8Hz以上の追従周波数を得
られることが明らかになった。厚みが厚いほど、該多孔
質層70を介して排気ガスが通過し易くなり、追従周波
数は高まるが、厚みを50μm以上とすることで、必要
な追従性が得られることが分かった。なおここで、ヒー
タへの印可電圧は、10Vととした。
バーナを用いて、ガス温度をエンジン始動直後の排気ガ
ス温度に相当する350°Cに保つと共に、ヒータ素子
60に14Vの電圧を印加した。ここで、多孔質層70
の厚みが大きくなるほど、センサ素子50への熱伝導性
が下がり、測定開始までの時間が長くなるが、番号
〔ト〕に示す500μmの厚みまでなら、必要とされる
7.0秒の範囲内に納まることが分かった。以上の実験
結果から、多孔質層70の厚みは、50〜500μmが
望ましく、100〜300μmが最適な値であることが
判明した。
として設けてある欄は、図10に示す従来技術の酸素セ
ンサを用いた測定値である。この従来技術の酸素センサ
は、多孔質層の厚みは300μmであるが、ヒータ素子
は、本実施態様と反対側、即ち、排ガス側電極15の反
対側に取り付けられている。この従来技術の酸素センサ
では、測定を開始するまでに9.3秒必要となってい
る。本例でのヒータ常温抵抗値は、全て10Ω±0.2
Ωであった。
(保護層17、保護層19)の白金(触媒貴金属)の含
有率について試験を行った結果について、図6に示す図
表を参照して説明する。 ここでは、酸素センサのλず
れを測定した。λズレの試験においては、追従性試験と
同様、4気筒2リットルエンジンを用い、各種センサで
のフィードバック制御を1000rpm 、2000rpm 下
で、かつ、センサ素子のヒータへの印加電圧を6Vとし
た状態での各λと差を求めた。λの値はλ測定器(分析
用)を酸素センサの取り付け位置下流30cmに取り付た
読み取り値である。ここで、印加電圧6Vは、10V印
加時での1000rpm 時の約3秒迄に於ける素子温度に
相当する温度を安定に継続し得る電圧である。図6中
で、番号の最下段に〔比〕として設けてある欄は、図1
0に示す従来技術に係る酸素センサにおける値である。
属)の含有率が0.05mol%以上になると1000rpm
、2000rpm の各λは、1.000近傍に制御され
ているが、0.02mol%未満では1.003(1000
rpm 時)以上となり好ましくない。又、1000rpm 、
2000rpm でのλ差は、0.05mol%以上の時、0.
001未満となり、非常に安定なλ制御となることが判
る。即ち、エンジンの回転数に依らず一定値となること
が判った。。以上の試験結果より、多孔質層70中の白
金(触媒貴金属)の含有率は、0. 05mol%以上が望ま
しいことが判明した。
85近傍でのリッチ雰囲気下で耐カーボン特性試験を行
った結果について図7に示す。各資料は、5本ずつ10
0hrs とし、ヒータへの印加電圧は6Vとした。また、
エンジンとしてはV形6気筒3リッターエンジンを用
い、1500rpm の一定条件での一日5時間の運転を2
0日間続けた。図7の図表中で、コートの剥離として示
すのは、5本中で障害の発生した本数を示している。番
号〔15〕では、図2に示す酸素センサの保護層19に
クラックが入り、また、保護層17にも僅かにクラック
が入った。更に、番号〔20〕では、保護層17と保護
層19との間にクラックが入ると共に、保護層19側へ
クラックが入った。
含有量が15mol%を越えると、保護層にクラックが発生
し易くなる。また、番号〔15〕に見られるように、耐
久性のλも1.000から離れてくる傾向がある。以上
の試験結果から、多孔質層70中の白金(触媒貴金属)
の含有率は、15mol%以下が望ましいことが判明した。
なお、図6及び図7に示す試験では、触媒貴金属として
白金を用いたが、白金の代わりに、パラジウム、ロジウ
ム等を用いても同様な傾向を示す。
ータ素子とを一体焼成することにより強固にこれらを接
合したが、センサ素子とヒータ素子とを別々に焼成し、
ガラス等により接合することも可能である。なお、気孔
率は10〜30%が好ましく15〜25%がより好まし
い。また、多孔質層の気孔率を変化(小さく)させ、拡
散限界方式センサとして広範囲の酸素濃度に対応させる
事もできる。その際は、気孔率は15%以下が望まし
い。
ンサでは、ヒータ板と接している多孔質層が、ヒータ板
によって直接加熱されるため、短時間で高熱に達する。
そして、エンジン始動直後の排気ガス中のH2 、CO等
が、加熱された多孔質層を介して測定用の電極に達する
ため、該多孔質層中にてH2 O、CO2 へ酸化され、酸
素センサがH2 、COによってλズレしなくなる。この
ため、エンジン始動直後から酸素濃度を正確に測定する
ことができる。
層を介して白金電極が押さえ付けられているので、排気
ガス中のCOにて白金電極が体積膨張することを抑えら
れる。このため、酸素センサをCOを多く含むリッチ雰
囲気中で用いることができる。請求項2の酸素センサで
はセンサ素子とヒータ素子を主として同質の材料を用
い、また、一体焼成することにより電極のはく離が生じ
ない、より強固な酸素センサとすることができる。
みを50〜500μmととすることで、板状固体電解質
体をヒータ板にて短時間で温め得ると共に、排気ガスを
容易に通過させ酸素センサの高い応答性を実現できる。
媒貴金属を含有させてある。このため、排気ガス中のH
2 、CO等を、該多孔質層中の触媒貴金属にてH2 O、
CO2 へ酸化してから電極側に通すため、酸素センサに
H2 、COによるλズレを発生させない。
す斜視図である。
であり、図4(B)は図4(A)の酸素センサからキャ
ップを外した状態のB矢視図である。
数及び測定開始時間との関係を示す図表である。
含有量との関係を示す図表である。
示す図表である。
ラフであって、正規の出力状態を、図8(B)は、水素
によりλズレの生じた酸素センサの出力特性のグラフで
あり、図8(C)は、一酸化炭素により変移した酸素セ
ンサの出力特性のグラフである。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板と、両面に電極を配設した板状固体
電解質体と、多孔質層と、ヒータ配線を配設して成る前
記電極よりも広い面積を有するヒータ板と、を積層した
酸素センサであって、 前記板状固体電解質体の一方の電極と基板との間に基準
となる酸素を導入して該電極を基準酸素にさらし、 前記板状固体電解質体の他方の電極と、前記ヒータ板と
の間に前記多孔質層を介在させ、該多孔質層を介して当
該他の電極を測定ガス中にさらしたことを特徴とする酸
素センサ。 - 【請求項2】 基板と、両面に電極を配設した板状固体
電解質体と、多孔質層と、ヒータ配線を配設して成る前
記電極よりも広い面積を有するヒータ板と、を積層した
酸素センサであって、 前記板状固体電解質体の一方の電極と基板との間に空洞
部を形成し、該空洞部に大気を導入して該電極を大気に
さらし、 前記板状固体電解質体の他方の電極と、前記ヒータ板と
の間に前記多孔質層を介在させ、該多孔質層を介して当
該他の電極を測定ガス中にさらしたことを特徴とする酸
素センサ。 - 【請求項3】 前記基板と前記板状固体電解質体と前記
ヒータ板とが主として同質の材料からなり、かつ、セラ
ミックス多孔質層を積層後、一体焼成された事を特徴と
する請求項1乃至2の酸素センサ。 - 【請求項4】 前記多孔質層としてZrO2 を用い、そ
の厚みを50〜500μmとしたことを特徴とする請求
項1乃至3の酸素センサ。 - 【請求項5】 前記多孔質層に、0.05〜15mol%の
触媒貴金属を含有させたことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれかに記載の酸素センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9085908A JPH1096707A (ja) | 1996-07-31 | 1997-03-18 | 酸素センサ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21781696 | 1996-07-31 | ||
JP8-217816 | 1996-07-31 | ||
JP9085908A JPH1096707A (ja) | 1996-07-31 | 1997-03-18 | 酸素センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1096707A true JPH1096707A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=26426915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9085908A Pending JPH1096707A (ja) | 1996-07-31 | 1997-03-18 | 酸素センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1096707A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000081411A (ja) * | 1998-09-04 | 2000-03-21 | Denso Corp | 酸素センサ素子 |
JP2002296224A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Kyocera Corp | ヒータ一体型酸素センサ素子 |
JP2003107035A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-09 | Kyocera Corp | 酸素センサ |
JP2003194762A (ja) * | 2001-12-21 | 2003-07-09 | Kyocera Corp | 酸素センサ |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP9085908A patent/JPH1096707A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000081411A (ja) * | 1998-09-04 | 2000-03-21 | Denso Corp | 酸素センサ素子 |
JP2002296224A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Kyocera Corp | ヒータ一体型酸素センサ素子 |
JP2003107035A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-09 | Kyocera Corp | 酸素センサ |
JP4721593B2 (ja) * | 2001-09-27 | 2011-07-13 | 京セラ株式会社 | 酸素センサ |
JP2003194762A (ja) * | 2001-12-21 | 2003-07-09 | Kyocera Corp | 酸素センサ |
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