JP2003149196A - 酸素センサ - Google Patents

酸素センサ

Info

Publication number
JP2003149196A
JP2003149196A JP2001388429A JP2001388429A JP2003149196A JP 2003149196 A JP2003149196 A JP 2003149196A JP 2001388429 A JP2001388429 A JP 2001388429A JP 2001388429 A JP2001388429 A JP 2001388429A JP 2003149196 A JP2003149196 A JP 2003149196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
sensor
oxygen sensor
heater
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001388429A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahide Akiyama
雅英 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001388429A priority Critical patent/JP2003149196A/ja
Publication of JP2003149196A publication Critical patent/JP2003149196A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒータ基板からセンサ基板に効率よく熱を伝達
して、センサ基板の温度の均一にすることにより、ガス
応答性の優れ、さらには所定の温度到達までの時間や活
性化までの時間を短縮した酸素センサを提供する。 【解決手段】ジルコニア固体電解質基体3の少なくとも
内外面の対向する位置に一対の多孔質の基準電極4、測
定電極5を形成してなるセンサ形成部Aを備えたセンサ
基板1と、発熱体8を内蔵するアルミナ絶縁体7からな
るヒータ基板2とを積層、固定してなる酸素センサにお
いて、測定電極5の長さをa、発熱体8の長さをbとし
た時、b/aが1.05〜1.5を満足することを特徴
とし、さらに発熱体8からセンサ基板1が固定される側
のヒータ基板2表面までの距離Lを100〜600μ
m、センサ基板1とヒータ基板2の反りをそれぞれ0.
2mm以下、センサ基板1とヒータ基板2との隙間Sを
0.5mm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関における空気と燃料の比率を制御するための酸素セン
サに関するものであり、具体的にはセンサ基板とヒータ
基板を固定し係結した酸素センサに関する。
【0002】
【従来技術】現在、自動車等の内燃機関においては、排
出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて
内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御するこ
とにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】このような酸素濃度を検出する酸素センサ
として、図5に示すように酸素イオン導電性を有するジ
ルコニアを主分とする固体電解質41に白金電極42を
形成し、固体電解質41内部にPt等の発熱体43を埋
設した薄いセラミック絶縁層44からなるヒータ45を
一体化した酸素センサが提案されている。(特開平2−
276857号公報等)一方、図6に示すように、酸素
イオン導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解
質51に白金電極52が形成されたセンサ基板53と、
発熱体54を有するアルミナからなるヒータ基板55と
をセラミック多孔質層56を介して接合したものも提案
されている。このような酸素センサにおいては発熱体5
4による熱がセラミック多孔質層56を伝わりセンサ基
板53が加熱される仕組みとなっている。
【0004】このセラミック多孔質層56は、センサ基
板53とヒータ基板55の隙間にグリーンシートで挿入
するか、またはペーストを充填した後、センサ基板53
とヒータ基板55とセラミック多孔質層56とを同時に
焼成して作製される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなヒータを焼成一体化した図5の酸素センサでは、
セラミック絶縁層44の絶縁性が低いため、漏れ電流の
影響により検出精度が悪くなるという問題があった。
【0006】また、センサ基板53とヒータ基板55と
をセラミック多孔質層56で接合した図6の酸素センサ
では、電気絶縁性は優れるものの、アルミナは熱伝導が
優れるため発熱体面積が小さくなり、その結果、センサ
基板53に形成されたセンサ部の温度分布が不均一にな
りガス応答性が悪いという欠点があった。
【0007】従って、本発明は、センサ基板とヒータ基
板とを積層、固定された酸素センサにおいて、ヒータ基
板からセンサ基板に効率よく熱を伝達して、センサ基板
の温度の均一にすることにより、ガス応答性の優れ、さ
らには所定の温度到達までの時間や活性化までの時間を
短縮した酸素センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題に
ついて検討した結果、ジルコニア固体電解質基体の少な
くとも内外面の対向する位置に基準電極と測定電極を形
成してなるセンサ基板と、発熱体を内蔵するアルミナ絶
縁体からなるヒータ基板とを積層、固定してなる酸素セ
ンサにおいて、前記測定電極の長手方向の長さをa、前
記発熱体の長手方向の長さをbとした時、b/a=1.
05〜1.5を満足することによって、基板同士の熱膨
張係数の差に起因する熱応力を回避し、さらにセンサ基
板の温度分布を均一にすることができることを見出し
た。
【0009】また、前記測定電極の表面に、絶縁体によ
って閉塞された空間部を形成するとともに、該空間部に
排気ガスを導入するために前記絶縁体に小さな孔を形成
してなる酸素センサであってもよい。
【0010】また、前記発熱体は、W、Mo、Reの少
なくとも1種の導体から形成することによって、該発熱
体をアルミナ絶縁体と同時焼成によって形成することが
できる。
【0011】さらに、前記発熱体から前記センサ基板が
固定される側のヒータ基板表面までの距離を100〜6
00μmとすることによってヒータ基板の耐熱衝撃性を
高め、さらに前記ヒータ基板の少なくともセンサ基板に
接する側の角部に、0.2mm以上のC面、または半径
Rが0.1mm以上のR面を設けることによって熱衝撃
に対する耐久性を高めることができる。また、センサ基
板およびヒータ基板の反りを0.2mm以下とし、ま
た、前記センサ基板とヒータ基板とを0.5mm以下の
隙間をもって積層することによって、センサ部に対する
加熱効率を高めることができる。
【0012】さらに、前記センサ基板と前記ヒータ基板
とを無機接着剤によって接着することによって、センサ
基板とヒータ基板との熱膨張差による破壊を防止しつ
つ、両者を固定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸素センサの基本
構造の一例を図1に示す。図1は、一般的に理論空撚比
センサ(λセンサ)と呼ばれるもので、この酸素センサ
は、センサ基板1とヒータ基板2とから構成されてい
る。
【0014】センサ基板1は、ジルコニアからなる酸素
イオン導電性を有するセラミック固体電解質基板3と、
この固体電解質基板3の対向する表面には、基準電極
4、測定電極5とが形成されており、酸素濃度を検知す
るセンサを形成している(以下、センサ形成部Aとい
う)。
【0015】即ち、固体電解質基板3は先端が封止され
た平板状の中空形状からなり、この中空部が大気導入孔
3aを形成している。そして、この中空内壁に、空気な
どの基準ガスと接触する基準電極4が被着形成され、こ
の基準電極4と対向する固体電解質基板3の外面に、排
気ガスなどの被測定ガスと接触する測定電極5が形成さ
れている。
【0016】基準電極4および測定電極5はいずれも多
孔質の白金電極からなる。排気ガスによる電極の被毒を
防止する観点から、測定電極5表面には電極保護層とし
てセラミック多孔質層6が形成されている。
【0017】一方、ヒータ基板2は、上記のセンサ基板
1と同様に、平板形状を有しており、アルミナを主成分
とするセラミック絶縁体7中には、W、Mo、Reの群
から選ばれる少なくとも1種からなる発熱体8が埋設さ
れ、発熱体形成部Bを形成している。また、セラミック
絶縁体7内には、適宜、発熱体8に接続するリード部
(図示せず)が埋設、形成されている。
【0018】本発明によれば、図1に示すように、セン
サ基板1におけるセンサ形成部Aの長さ、言い換えれ
ば、測定電極5の長手方向の長さをa、発熱体形成部
B、言い換えれば、発熱体8の長手方向の長さをbとし
た時、b/aで表される比率を1.05〜1.5とする
ことによって、センサ基板1のセンサ形成部Aにおける
温度分布を均一にすることができる。
【0019】つまり、この比率がb/aが1.05より
小さいと、センサ形成部Aの温度が不均一になりガス応
答性が悪くなり、逆に、b/aが1.5を超えると、発
熱体8の電気容量が大きくなりセンサ形成部Aの温度が
高くなり、さらにはセンサ基板1の強度劣化が大きく熱
衝撃により破壊しやすくなる。b/aの値としては1.
1〜1.3が特に好ましい。
【0020】また、測定電極5および発熱体8の幅方向
に対しては、基板の端面の近傍であるために均熱性は比
較的保たれることから、特に限定するものではないが、
望ましくは、測定電極5の幅方向の長さa’と発熱体の
幅方向の長さb’は、基本的に同じか、望ましくは、
b’>a’であることが同様な理由から望ましい。
【0021】また、本発明においては、センサ形成部A
を効率良く過熱するために、発熱体8からセンサ基板1
に接するヒータ基板2表面までの距離Lが100〜60
0μmであることが好ましい。この距離Lが100μm
より薄いとヒータ基板2の耐熱性、耐熱衝撃性が悪くな
り、また、距離Lが600μmを超えるとヒータ基板2
からセンサ形成部Aへの熱の伝達が悪くなり、その結
果、酸素センサのガス応答性が低下する傾向があるから
である。発熱体8からヒータ基板2表面までの距離Lと
しては、特に300〜400μmが望ましい。
【0022】また、本発明の酸素センサにおいては、ヒ
ータ基板2からセンサ基板1に効率よく熱を伝達される
ことに伴い、ヒータ基板2を急速昇温することが可能と
なる。その結果、ヒータ基板2は高い熱衝撃性を有する
ことが望まれる。そのような熱衝撃性を高める方法とし
て、前記ヒータ基板2の少なくともセンサ基板1に接す
る側の角部が、0.2mm以上のC面、または半径Rが
0.1mm以上のR面を設けることが望ましい。C面ま
たはR面の大きさとしては、C面の場合0.4mm以
上、R面の場合0.2mm以上が特に望ましい。
【0023】また、本発明のセンサ基板1とヒータ基板
2のそれぞれの反りは、熱伝達効率を高めるため0.2
mm以下、特に0.1mm以下にすることが望ましい。
また、センサ基板1とヒータ基板2の発熱体形成部Bお
よびセンサ形成部Aにおける両基板の隙間Sが0.5m
m以下、特に0.1mm以下、さらには0.07mm以
下の隙間をもって積層されていることが望ましい。
【0024】上記の反りが0.2mmを超えると、隙間
が0.5mmよりも大きくなり、センサ基板1のヒータ
基板2の発熱体形成部Bによる加熱効率が低下し、セン
サ形成部Aにおける温度分布が悪くなりガス応答性が低
下する傾向がある。
【0025】また、センサ基板1の全体厚さt1として
は、素子強度と熱伝達の観点から0.6〜1.5mm、
特に0.8〜1.2mmの大きさが好ましい。また、ヒ
ータ基板2の全体厚さt2としては0.7〜2mm、特
に1〜1.5mmが強度の観点から好ましい。ヒータ基
板2の厚さt2が0.7mmより薄くなると基板強度が
低くなり、2mmを超えるとヒータ基板2およびそれに
隣接するセンサ基板1を加熱するため大きな電気量が必
要になるためである。
【0026】また、本発明の酸素センサは、図2によう
な広域空燃比センサ(A/Fセンサ)に対しても適用さ
れる。図2は、その代表的な構造を説明するための概略
断面図である。なお、図1の酸素センサと同じ機能を有
する部分には、同じ符号を付した。この図2の酸素セン
サによれば、図1のセンサ基板1の固体電解質基板3に
おける測定電極5の上面に、固体電解質基板11によっ
て空間部12が形成されており、この固体電解質基板1
1には排気ガスを取り込みための0.1〜0.5mmの
大きさの拡散孔13と呼ばれる小さな孔が開けられてお
り、その両面に一対の電極14、14が形成されてい
る。
【0027】かかる酸素センサにおいては、固体電解質
基板3と測定電極5、基準電極4によってセンシングセ
ルが形成され、固体電解質基板11と一対の電極14、
14によってポンピングセルが形成されている。かかる
構造の酸素センサによって、A/Fセンサを形成してい
る。なお、上記空間部12内には素子の強度を持たせる
ため多孔質のセラミックスを充填することもできる。
【0028】かかる酸素センサにおいても、センシング
セルにおける測定電極5の長さをa、発熱体8の長さを
bとした時、b/aの比率を1.05〜1.5、特に
1.1〜1.3の比率とすることによって、上記と同様
の効果が発揮される。
【0029】さらに、本発明の酸素センサにおいては、
他の例として、図2のA/Fセンサにおいて、電極1
4、14を形成しない酸素センサにおいても同様に適用
することができる。 (固体電解質)本発明の酸素センサにおいて用いられる
固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからな
り、安定化剤として、Y23およびYb23、Sc
23、Sm 23、Nd23、Dy23等の希土類酸化物
を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モ
ル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2
が用いられている。また、ZrO2中のZrを1〜20
原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、
イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善される
といった効果がある。さらに、焼結性を改善する目的
で、上記ZrO2に対して、Al23やSiO2を添加含
有させることができるが、多量に含有させると、高温に
おけるクリープ特性が悪くなることから、Al23およ
びSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量
%以下であることが望ましい。 (電極)固体電解質基板3や固体電解質基板11の表面
に被着形成される基準電極4、測定電極5、さらには電
極14は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、
パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種
との合金が用いられる。また、センサ動作時の電極中の
金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒
子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を
増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1
〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極
中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形
でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μ
m、特に5〜10μmが好ましい。 (アルミナ絶縁体)一方、発熱体8を埋設するアルミナ
絶縁体7としては、アルミナセラミックスからなる相対
密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラ
ミックスによって構成されており、焼結性を改善する目
的でMg、Ca、Siを総和で1〜10重量%含有して
いてもよいが、Na、K等のアルカリ金属は、マイグレ
ーションしてヒータ基板2の電気絶縁性を悪くするため
酸化物換算で0.1重量%以下に制御することが望まし
い。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、
基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強
度を高めることができるためである。 (セラミック多孔質層)また、測定電極5の表面に形成
されるセラミック多孔質層6は、厚さ10〜800μm
で、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ
−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも
1種によって形成されていることが望ましい。この多孔
質層6の厚さが10μmより薄いか、あるいは気孔率が
50%を超えると、電極被毒物質P、Si等が容易に電
極に達して電極性能が低下する。それに対して、多孔質
層6の厚さが800μmを超えるか、あるいは気孔率が
10%より小さくなるとガスの多孔質層6中の拡散速度
が遅くなり、電極のガス応答性が悪くなる。特に、多孔
質層6の厚さとしては気孔率にもよるが100〜500
μmが適当である。 (発熱体)ヒータ基板2に埋設された発熱体8は、耐熱
性と製造コストの関係からW、Mo、Reの群から選ば
れる少なくとも1種から構成されることが望ましい。発
熱体8の組成は、発熱容量と昇温速度により好適に選択
すればよい。この場合、発熱体8とリード部の抵抗比率
は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御すること
が好ましい。発熱体8の構造としては、左右で折り返す
構造と長手方向で折り返す構造のいずれも用いることが
可能である。
【0030】なお、ヒータ基板2における発熱体8の発
熱パターンとしては、後述する図3に示されるように、
長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみ
ならず、図4に示すようなミアンダ構造であってもよ
い。 (製造方法1)次に、本発明の酸素センサの製造方法に
ついて、図1の酸素センサの製造方法を例にして説明す
る。
【0031】まず、センサ基板1の作製方法について説
明する。まず、ジルコニアのグリーンシート20を作製
する。このグリーンシート20は、ジルコニアの酸素イ
オン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対し
て、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブ
レード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)
あるいはプレス形成などの周知の方法により作製され
る。
【0032】次に、上記のグリーンシート20の両面
に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパター
ン21やリードパターン22などを例えば、白金を含有
する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、ある
いはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形
成する。なお、この時に測定電極5となるパターンの表
面に、多孔質層6を形成するための多孔質スラリーを印
刷塗布形成してもよい。
【0033】次に、上記パターン21、22を印刷した
グリーンシート20に対して、大気導入孔23を形成し
たグリーンシート24、さらにグリーンシート25をア
クリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あ
るいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着するこ
とによりセンサ基板1の積層体を作製する。その後、こ
のセンサ基板1用の積層体を焼成する。この焼成は、大
気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1500
℃の温度範囲で1〜10時間行う。この際、焼成時のセ
ンサ基板1の反りを抑制するため、錘として平滑なアル
ミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低
減することができる。
【0034】次に、ヒータ基板2の作製法について説明
する。アルミナ組成物に、適宜、成形用有機バインダー
を添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧
成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の
方法によりアルミナグリーンシート26、27を作製す
る。そして、グリーンシート27の表面に、W、Mo、
Reの群から選ばれる少なくとも1種を含有する導電性
ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリ
ーン印刷、パット印刷、ロール転写で発熱体8のパター
ン28や、リードパターン29に印刷塗布した後、アク
リル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させてグリーン
シート26、27を接着させるか、あるいはローラ等で
圧力を加えながら機械的に接着することによりヒータ基
板2の積層体を作製し、これを焼成する。
【0035】ヒータ基板2の焼成は、発熱体8の酸化を
防止する観点から水素等と含有するフォーミング等の還
元ガス雰囲気中、1400℃〜1600℃の温度範囲で
5〜10時間行う。この際、焼成時のヒータ基板2の反
りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を
積層体の上に加重を加えるように置くことにより反り量
を低減することができる。
【0036】この後、別体で作製した上記センサ基板1
とヒータ基板2とを位置合わせして積層し、必要に応じ
てガラスなどの接着剤によって貼り合わたり、治具を用
いて単に積層した状態で固定することによって、図1の
酸素センサを作製することができる。 (製造方法2)また図2の酸素センサを作製する場合に
は、図4に示すように、図3のパターン21、22が形
成されたグリーンシート20の上面に、空間部12を形
成したグリーンシート30、拡散孔13、および両面に
ポンピング電極14用のパターン31やリードパターン
32が形成されたグリーンシート33を積層して、グリ
ーンシート24、25とともに上記と同様な条件で焼成
することによってセンサ基板1を作製することができ
る。なお、排気ガスを導入するための拡散孔13は、焼
成前の積層体を作製する時点で作製してもよいし、焼成
後に超音波加工やレーザ加工により形成してもよい。
【0037】その後、図3の製造方法と同様に、上記の
別途作製されたヒータ基板2とを位置合わせして積層
し、必要に応じてガラスなどの接着剤によって貼り合わ
せたり、治具を用いて単に積層した状態で固定すること
によって、図2の酸素センサを作製することができる。
【0038】
【実施例】実施例1 図1に示すλセンサを図3に基づき、以下のようにして
作製した。まず、市販のSi、Mg、Caを5重量%含
むアルミナ粉末と、Siを0.1重量%含む5モル%Y
23含有のジルコニア粉末と、8モル%のイットリアか
らなるジルコニア粉末を30体積%含有する白金粉末
と、W粉末をそれぞれ準備した。
【0039】まず、5モル%Y23含有のジルコニア粉
末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製
し、押出成形により焼結後厚さが0.4mmになるよう
なジルコニアのグリーンシート20を作製した。その
後、グリーンシート20の両面にジルコニア粉末を含有
する白金をスクリーン印刷して、測定電極5と基準電極
4のパターン21、リードパターン22を印刷形成した
後、大気導入孔23を形成したグリーンシート24、お
よびグリーンシート25をアクリル樹脂の密着剤により
積層した。その後、この積層体を大気中1500℃で1
時間焼成して、センサ基板1を作製した。
【0040】なお、測定電極5と発熱体8の長手方向の
長さa、bによるb/aを表1のように設定した。ま
た、測定電極5と発熱体8の幅方向の長さa’、b’に
ついては、同一長さに設定した。また、長手方向の長さ
は基準電極4は、測定電極5と同じとした。なお、焼成
の際、積層体には重さの異なる平滑なアルミナ基板を乗
せて焼成した。基板の反りは表面粗さ計を用いて測定し
た。
【0041】一方、アルミナ粉末にポリビニルアルコー
ル溶液を添加して坏土を作製し、厚さが焼成後0.1〜
0.8mmの厚さに成るように押出し成形で種々アルミ
ナのグリーンシート26、27を作製した。この後、グ
リーンシート27に発熱体8の長さbの異なるW発熱体
を約40μmの厚さになるようスクリーン印刷で印刷し
た後、さらにアクリルの密着剤を用いてアルミナのグリ
ーンシート26を重ねて積層体を形成した後、1500
℃で10時間水素を10%含む窒素ガス中で焼結し、ヒ
ータ基板2を作製した。この時ヒータの抵抗は、室温で
約3オームであった。なお、このヒータ基板2のセンサ
基板1と接合される側の角部を0.4mmのC面加工を
施した。
【0042】この後、上記のセンサ基板1とヒータ基板
2を積層しセンサ形成部Aとは反対の端部付近でガラス
を用いて固定し酸素センサを作製した。
【0043】各酸素センサにおける発熱体に12Vを印
加したした時のセンサ基板1表面の測定電極5の4コー
ナーと電極中央部の温度測定を赤外感熱温度計を用いて
行い、電極内の温度分布を求め、その最低温度と細孔温
度との温度差を表1に示した。また、素子を700℃に
なるようにして、水素、メタン、窒素、酸素の混合ガス
を用いて空燃比を、14から15に変化させた時の素子
の起電力変化に対して、起電力が初期値の63%になる
までの時間をガス応答性の時間として求め、結果を表1
に示した。なお、本実験では比較のため、市販の平板型
のヒータが一体化されたλセンサについても同様の測定
を行った。 実施例2 図2に示す空燃比センサ素子を図4に基づき以下のよう
にして酸素センサを作製した。実施例1と同様にして作
製したジルコニアグリーンシート33の両面に、ジルコ
ニア粉末を含有する白金をスクリーン印刷して、ポンピ
ング電極14として外側電極と内側電極のパターン3
1、リードパターン32、さらに排気ガスを取り込むた
めの拡散孔13を形成した。また、グリーンシート30
に対して空間部12を形成した。そして、実施例1と同
様にして、グリーンシート20、24、25とともにア
クリル樹脂の密着剤により積層し、大気中1500℃で
1時間焼成して、センサ基板を作製した。
【0044】一方、実施例1で作製したアルミナのグリ
ーンシート27に発熱体の長さbの異なるW発熱体8を
約40μmの厚さになるようスクリーン印刷で印刷した
後、さらにアクリルの接着剤を用いてアルミナグリーン
シート26を重ねて積層体を形成した後、1500℃で
10時間水素を10%含む窒素ガス中で焼結し、ヒータ
基板を作製した。この時ヒータの抵抗は、室温で約3オ
ームであった。なお、このヒータ基板のセンサ基板と接
合される側の角部を半径0.2mmのR面加工を施し
た。
【0045】この後、実施例1と同様にして、測定電極
5における温度分布とガス応答性を測定した。また、本
実験では比較のため、市販の平板型のヒータが一体化さ
れたA/Fセンサについても同様の測定を行った。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果からb/aが1.05より小さ
な試料No.2、10では、電極内の温度分布が市販の
センサ素子に比べて悪く、その結果、ガス応答性が遅か
った。また、b/aが1.5を超える試料No.8、1
5では実験終了時にセンサ基板素子にクラックが発生し
た。
【0048】実施例3 実施例1のNo.4のλセンサにおいて、ヒータ基板2
におけるグリーンシート26の厚さを変更することによ
って、発熱体8とヒータ基板2表面までの距離Lを種々
変更した。また、センサ基板1およびヒータ基板2を焼
成するにあたり、積層体に重さの異なる平滑なアルミナ
基板を乗せて焼成し、反り量を種々変化させた。なお、
センサ基板1およびヒータ基板2の反りは表面粗さ計を
用いて測定した。なお、上記距離Lおよび反り量を変化
させる以外は、全く同様な酸素センサである。
【0049】かかる酸素センサに対して、発熱体に12
Vを印加したした時のセンサ基板の電極中央部の温度測
定を行い、中央部の温度が400℃に達するまでの到達
時間を求めた。また、本実験では比較のため、市販のヒ
ータが一体化された酸素センサについても同様の測定を
行った。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果から、到達時間の観点からは、
発熱体8とヒータ基板2表面までの距離Lが600μm
以下において市販のヒータ一体化酸素センサと同等以上
の到達時間を有することがわかる。また、センサ基板1
およびヒータ基板2の反りが0.2mm以下において到
達時間10秒以下の良好な特性が得られた。 実施例4 実施例3の試料No.21と同一作製ロットの試料10
個を用いて、800℃まで30秒で昇温し、800℃で
1分間保持した後、室温まで空冷する温度サイクルを1サ
イクルとして、これを10万回繰り返した時のヒータ基
板2またはセンサ基板1の破損率を求めた。比較のた
め、市販のヒータ一体化酸素センサ10個についても同
様な実験を行った。その結果、本発明の酸素センサの破
損率は10%以下であった。それに対して、市販のヒー
タ一体化酸素センサの破損率は60%であった。これよ
り、本発明は急激な熱衝撃に対して、優れた特性を有す
ることが分かる。 実施例5 実施例3のNo.21の酸素センサにおいて、この後、
上記のセンサ基板1とヒータ基板2をガラスの厚さを調
製して隙間を表3のように変化させた。センサ基板1と
ヒータ基板2の隙間Sは、側面から写真を撮影して写真
から測定した。
【0052】そして、空燃比が14と15の混合ガス中
を2Hzの周期で変えながら、ヒータに12Vを印加し
て素子の温度を上昇させ、素子の起電力が初めて0.6
Vと0.3Vを示すまでの時間を活性化時間と測定し
た。また、実験では比較のため、市販のNo.16の酸
素センサについても同様な測定を行った。
【0053】
【表3】
【0054】表3の結果から、センサ基板とヒータ基板
の間の隙間Sが0.5mm以下において、活性化時間は
10秒以下と良好な特性を示した。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、測
定電極の長さとヒータ基板の発熱体の長さを制御するこ
とによって、測定電極内での温度分布を均一化できるこ
とによってガス応答性に優れた酸素センサを提供するこ
とができる。また、発熱体からヒータ基板表面までの距
離L、各基板の反りやセンサ基板とヒータ基板との隙間
を制御することによって、酸素センサにおける所定温度
までの到達時間を短縮することができるとともに、活性
化時間をも短縮した高い性能の酸素センサを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサの一例を説明するための概
略断面図である。
【図2】本発明の酸素センサの他の例を説明するための
概略断面図である。
【図3】図1の酸素センサを製造する方法を説明するた
めの分解斜視図である。
【図4】図2の酸素センサを製造する方法を説明するた
めの分解斜視図である。
【図5】従来の酸素センサの一例を示す概略断面図を示
す。
【図6】従来の酸素センサの他の例を示す概略断面図を
示す。
【符号の説明】
1 センサ基板 2 ヒータ基板 3 固体電解質基板 4 基準電極 5 測定電極 7 アルミナ絶縁体 8 発熱体 A センサ形成部 B 発熱体形成部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 327J

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニア固体電解質基板の少なくとも内
    外面の対向する位置に基準電極および測定電極を形成し
    てなるセンサ基板と、発熱体を内蔵するアルミナ絶縁体
    からなるヒータ基板とを積層、固定してなる酸素センサ
    において、前記測定電極の長手方向の長さをa、前記発
    熱体の長手方向の長さをbとした時、b/aが1.05
    〜1.5を満足することを特徴とする酸素センサ。
  2. 【請求項2】前記測定電極の表面に、絶縁体によって閉
    塞された空間部を形成するとともに、該空間部に排気ガ
    スを導入するために前記絶縁体に小さな孔を形成してな
    ることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ。
  3. 【請求項3】前記発熱体が、W、Mo、Reの少なくと
    も1種の導体から形成されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の酸素センサ。
  4. 【請求項4】前記発熱体から前記センサ基板が固定され
    る側のヒータ基板表面までの距離が100〜600μm
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か記載の酸素センサ。
  5. 【請求項5】前記ヒータ基板の少なくともセンサ基板に
    接する側の角部に、0.2mm以上のC面、または半径
    Rが0.1mm以上のR面を設けたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれか記載の酸素センサ。
  6. 【請求項6】前記センサ基板と、前記ヒータ基板の反り
    がそれぞれ0.2mm以下であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項5のいずれか記載の酸素センサ。
  7. 【請求項7】前記センサ基板とヒータ基板とが0.5m
    m以下の隙間をもって積層されてなることを特徴とする
    請求項1乃至請求項6のいずれか記載の酸素センサ。
  8. 【請求項8】前記センサ基板と前記ヒータ基板とが、無
    機接着剤によって接着されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項7記載の酸素センサ。
JP2001388429A 2001-08-30 2001-12-20 酸素センサ Pending JP2003149196A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388429A JP2003149196A (ja) 2001-08-30 2001-12-20 酸素センサ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001262464 2001-08-30
JP2001-262464 2001-08-30
JP2001388429A JP2003149196A (ja) 2001-08-30 2001-12-20 酸素センサ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006256986A Division JP4502991B2 (ja) 2001-08-30 2006-09-22 酸素センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003149196A true JP2003149196A (ja) 2003-05-21

Family

ID=26621350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001388429A Pending JP2003149196A (ja) 2001-08-30 2001-12-20 酸素センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003149196A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005049115A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Kyocera Corp 酸素センサ
JP2010019736A (ja) * 2008-07-11 2010-01-28 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ素子及びガスセンサ
JP2019203844A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005049115A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Kyocera Corp 酸素センサ
JP2010019736A (ja) * 2008-07-11 2010-01-28 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ素子及びガスセンサ
JP2019203844A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030146093A1 (en) Oxygen sensor
JP4502991B2 (ja) 酸素センサ
JP3572241B2 (ja) 空燃比センサ素子
JP2004327255A (ja) セラミックヒータ構造体の製造方法、並びにセラミックヒータ構造体
JP2003344348A (ja) 酸素センサ素子
JP2003279528A (ja) 酸素センサ素子
JP2004325196A (ja) 酸素センサ素子
JP2003149196A (ja) 酸素センサ
JP3860768B2 (ja) 酸素センサ素子
JP4324439B2 (ja) セラミックヒータおよびセラミックヒータ構造体
JP4610127B2 (ja) 空燃比センサ素子
JP2005005057A (ja) セラミックヒータ、並びにセラミックヒータ構造体
JP3748408B2 (ja) 酸素センサおよびその製造方法
JP2001041922A (ja) ヒータ一体型酸素センサ素子
JP2004117099A (ja) 酸素センサ素子
JP2003315303A (ja) 酸素センサ素子
JP3935059B2 (ja) 酸素センサ素子
JP4721593B2 (ja) 酸素センサ
JP4698041B2 (ja) 空燃比センサ素子
JP2003279529A (ja) 酸素センサ素子
JP2004241148A (ja) セラミックヒータ構造体および検出素子
JP2004296142A (ja) セラミックヒータおよびそれを用いた検出素子
JP2003194762A (ja) 酸素センサ
JP3987708B2 (ja) 理論空燃比センサ素子
JP4530529B2 (ja) ヒータ一体型酸素センサ素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061121