JP2001041922A - ヒータ一体型酸素センサ素子 - Google Patents
ヒータ一体型酸素センサ素子Info
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Abstract
性化時間が短く、耐熱性、耐久性に優れた酸素センサ素
子を提供する。 【解決手段】酸素イオン導電性を有するセラミック固体
電解質からなる円筒管1を介して一対の基準電極2およ
び測定電極3が形成され、前記円筒管1の外面にセラミ
ック絶縁層4を積層するとともに、該セラミック絶縁層
4内に発熱体6を埋設してなるヒータ一体型酸素センサ
素子であって、前記セラミック絶縁層4を0.5〜3μ
mの平均結晶粒子径を有するアルミナで形成する。
Description
関における空気と燃料の比率を制御するためのヒータ一
体化された型酸素センサ素子に関するものであり、耐熱
性および耐久性を改善する方法に関係する。
排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づい
て内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御する
ことにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。この検
出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジル
コニアを主成分とする固体電解質からなり、一端が封止
された円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層
が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられてい
る。この酸素センサの代表的なものとしては、ZrO2
固体電解質からなり、先端が封止された円筒管の内面に
は、白金からなり空気などの基準ガスと接触する基準電
極が、また円筒管の外面には排気ガスなどの被測定ガス
と接触する測定電極が形成されている。また、測定電極
の表面には種々のセラミック多孔質層が形成されてい
る。
空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、い
わゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電
極の表面に、保護層となるセラミックの多孔質層が設け
られており、所定温度で円筒管両側に発生する酸素濃度
差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われて
いる。
いられている、いわゆる広域空燃比センサ(A/Fセン
サ)は、測定電極の表面に微細な細孔を有するガス拡散
律速層となるセラミック多孔質層を設け、固体電解質か
らなる円筒管内外に一対の電極を通じて印加電圧を加
え、その際得られる限界電流値を測定して希薄燃焼領域
の空燃比を制御するものである。
ンサともセンシング部を約700℃付近の作動温度まで
に加熱する必要があり、そのために、円筒管の内側に
は、センシング部を作動温度まで加熱するため棒状ヒー
タが挿入されている。
向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NO
xの検出が必要になってきた。このような要求に対し
て、上述のように、ヒータを円筒管内に挿入してなる間
接加熱方式の円筒型酸素センサでは、センシング部が活
性化温度に達するまでに要する時間(以下、活性化時間
という)が遅いために排気ガス規制に充分対応できない
という問題があった。
固体電解質の表面に測定電極、基準電極を形成した酸素
センサ素子に対してセラミック絶縁体中に発熱体を埋設
したヒータを積層一体化してなる平板形状の積層型酸素
センサ素子が実用化されている。
よび外面に基準電極、測定電極が設けられ、測定電極の
表面に、ガス透過性の多孔性の絶縁層を設け、さらにそ
の中のガス透過性の低いガス非透過層中に白金発熱体を
設けた円筒状のヒータ一体型の酸素センサ素子も特開平
10−206380号公報に記載されている。
来の間接加熱方式と異なり、直接加熱方式であるために
急速昇温が可能であり、センシング部の活性化時間が早
いという特徴を有する。
型の積層型酸素センサ素子は、形状が平板形状であるた
めに、耐久性、耐熱性が悪く、その結果作動時において
センサが破壊するという問題があった。
記載されるように、固体電解質部を焼成により、電極を
メッキまたはスパッタ法により、電極保護層をプラズマ
溶射また、絶縁体層をプラズマ溶射法により順次形成し
て作製される円筒状のヒータ一体型の酸素センサ素子
は、製造方法が複雑で、且つ工程数が多く、その結果、
歩留りが悪く、製造コストが高いという問題がある。こ
れに加えて、測定電極の全面に多孔質の絶縁層が形成さ
れ、さらにその絶縁層中に発熱体が埋設された構造のた
めに、ヒータ部の接合強度が弱く、耐久性、耐熱性に欠
けるという問題があった。
め、ヒータ一体型センサ素子の耐熱性および耐久性につ
いて研究を重ねた結果、所定の厚みのセラミック絶縁層
を結晶粒子径の小さなアルミナ結晶、またはAlとMg
の複合酸化物、またはAlと希土類元素の複合酸化物で
形成することにより上記の問題が解決され、従来にない
耐熱性を有するヒータ一体型酸素センサ素子を発明する
に至った。
セラミック固体電解質からなる円筒管を介して一対の基
準電極および測定電極が形成され、前記円筒管の外面に
セラミック絶縁層を積層するとともに、該セラミック絶
縁層内に発熱体を埋設してなるヒータ一体型酸素センサ
素子であって、前記セラミック絶縁層が0.5〜3μm
の平均結晶粒子径を有するアルミナからなることが大き
な特徴である。この際、セラミック絶縁層の厚みが2〜
50μmであること、およびアルミナ中のマグネシアの
含有量が30〜1000ppmであることが望ましい。
縁層内に発熱体を埋設してなるヒータ一体型酸素センサ
素子であって、前記セラミック絶縁層がAlとMgの複
合酸化物、またはAlと希土類元素の複合酸化物からな
ることも特徴としている。この際、前記セラミック絶縁
層の厚みとしては、2〜50μmであることが望まし
い。また、前記セラミック絶縁層がAlとMgとの複合
酸化物からなる場合には、Mgの量比が酸化物換算で全
量中10〜80モル%であることが望ましい。また、前
記セラミック絶縁層がAlと希土類元素の複合酸化物の
場合には、希土類元素の量比が酸化物換算で全量中10
〜80モル%であることが望ましい。
造に関して、前記セラミック絶縁層が前記測定電極の一
部または全部が露出するように積層されていること、お
よび前記発熱体が露出された前記測定電極の周囲に埋設
されていることが特徴である。
ば、円筒型の固体電解質の外面に発熱体を内蔵したセラ
ミック絶縁層を被覆し、しかもその発熱体を測定電極の
周囲に配置したことによって、発熱体によるセンシング
部の加熱効率を高め、急速昇温を行うことができる結
果、センサ活性化時間を短縮することができる。従来の
平板型に比較しても、発熱体をセンシング部近傍に形成
できるため、センサ活性化時間を短縮でき、優れたセン
サ応答性を有する。
タが一体化された円筒形状を有するため、平板形状の積
層型酸素センサ素子に比較して、あらゆる方向からの応
力に対して高い強度を有するとともに応力の集中が少な
いことから、本質的に耐熱性および耐久性に優れる。
ミック絶縁層をアルミナ、またはAlとMgの複合酸化
物あるいはAlと希土類元素の複合酸化物で形成し、さ
らにそれらセラミック絶縁層の厚みを2〜50μmの範
囲の制御することにより、ジルコニアとセラミック絶縁
層との熱膨張の差に起因する内部応力を小さくした。そ
の結果、本発明のセンサ素子は従来のセンサ素子に比較
して、特に急激な温度サイクル等の熱衝撃に強い、耐熱
性に優れた素子とできる。
質、電極、発熱体およびセラミック絶縁層等を同時に焼
成して作製されるため、酸素センサ内にヒータを勘合し
て使用する酸素センサ素子に比べて製造コストが極めて
安価になり、経済性の観点からも優れている。
を、図1(a)に示す概略斜視図と図1(b)のX1−
X1断面図およびその他の実施形態のX1−X1断面で
ある図1(c)を用いて示す。
(b)に示すように、酸素イオン導電性を有するセラミ
ック固体電解質からなり、先端が封止された円筒管1、
即ち断面がU字状の円筒管1の内面に、第1の電極とし
て、空気などの基準ガスと接触される基準電極2が被着
形成され、また、基準電極2と対向するように、円筒管
を介して第2の電極として、排気ガスなどの被測定ガス
と接触する測定電極3が被着形成されている。
形成された測定電極3の表面またはその周囲にはセラミ
ック絶縁層4が被着形成されている。そして、このセラ
ミック絶縁層4には、測定電極3の一部または全部が露
出するように所定の開口部5が形成されており、開口部
5の周囲のセラミック絶縁層4中には発熱体6が埋設さ
れている。
て端子電極8と接続されており、これらを通じて発熱体
4に電流を印加することにより、発熱体4が加熱され、
測定電極3、円筒管1および基準電極2からなるセンシ
ング部を所定の温度に急速昇温できるように構成されて
いる。また、セラミック絶縁体層4表面には、発熱体6
からの熱の放散を防止するため固体電解質と同じ材料か
らなるセラミック保温層11が形成されている。
示す。この実施形態では、少なくとも発熱体6下部の円
筒管1の表面に、固体電解質層と同じ材料からなる10
〜200μmの厚さのセラミック層10が接合されてい
ることが特徴である。
いは、後で述べる素子の製造工程の違いにより生じる。
センサ素子の機能性の観点からは、両者に大きな違いは
ない。
素子の詳細な構造について説明する。
ック絶縁層4の内部に発熱体6を埋設してなるヒータ部
の構造は内部に発熱体6が埋設されたアルミナ等のセラ
ミック絶縁層4を形成し、さらにそのセラミック絶縁層
4の外面に、セラミック保温層11が形成されている。
このセラミック保温層11は、発熱体6からの熱の放散
防止と、固体電解質からなる円筒管1および発熱体6と
セラミック絶縁層4間の熱膨張差や焼成収縮の差に起因
する内部応力を緩和させるためのものである。
は、発熱体6とその上下のセラミック保温層11または
ジルコニア円筒管1との最短距離と定義する。セラミッ
ク絶縁層4の厚みとしては、発熱体6の上下とも2〜5
0μmの範囲が望ましい。セラミック絶縁層4の厚みが
2μmより薄いと固体電解質あるいはセラミック保温層
11への発熱体6からの漏れ電流が発生し、素子が所定
の起電力を示さない。また、セラミック絶縁層4の厚み
がそれぞれ50μmを越えると、アルミナと固体電解質
との焼成収縮の違いや、それら材料間の熱膨張差に起因
する内部応力が大きくなり、その結果素子作製時や温度
サイクルにより素子自体が壊れ易い。発熱体6の上下の
セラミック絶縁層4の厚みとしては、それぞれ10〜3
0μmの範囲が特に望ましい。
ミック絶縁層4に設けられた開口部5の周囲に埋設され
ているものであるが、この開口部5の形状としては、図
1(a)に示すように測定電極3が露出するよう形成し
た縦長の長方形状であってもよいし、その他に横長の長
方形状であってもよいし、または縦長または横長の楕円
形状であってもよい。
に示すように、固体電解質からなる円筒管1の先端の封
止部表面に測定電極3を形成し、先端近傍の側面部に、
発熱体6を埋設したセラミック絶縁層4を設けてもよ
い。この場合、先端部が開口部5となる。
ように、多数の楕円形、円形あるいは長方形状の開口部
5を設けて、それぞれの開口部5から測定電極3を露出
させ、その開口部5の周囲に発熱体6を埋設することも
可能である。
に大面積で形成し、その表面に積層されたセラミック絶
縁層4に設けられた開口部5より一部の電極部分を露出
させてもよいし、セラミック絶縁層4の開口部5に位置
する部分のみに測定電極3を形成して測定電極3の全部
を開口部5より露出させてもよい。
に形成される基準電極2は、少なくとも測定電極3に対
向する部分に形成する必要がある。測定電極3の露出部
分に対向する部分を含むように大面積、例えば、内面全
面に形成されていても特に問題はない。
に説明する。
2 を主成分とするセラミックスからなり、具体的にはY
2 O3 およびYb2 O3 、Sc2 O3 、Sm2 O3 、N
d2O3 、Dy2 O3 等の希土類酸化物を酸化物換算で
1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部
分安定化ZrO2 あるいは安定化ZrO2 が用いられて
いる。また、ZrO2 中のZrを1〜20原子%をCe
で置換したZrO2 を用いることにより、固体電解質の
電子伝導性が大きくなり、応答性がさらに改善されると
いった効果がある。
的で、上記ZrO2 に対して、Al2 O3 やSiO2 を
添加含有させることができるが、多量に含有させると、
高温におけるクリープ特性および電気伝導性が悪くなる
ことから、Al2 O3 およびSiO2 の添加量は総量で
5重量%以下、特に2重量%以下に制御することが望ま
しい。
2および測定電極3は、いずれも白金、ロジウム、パラ
ジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種、ま
たは2種以上の合金が用いられる。また、これら金属の
粒成長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固
体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大す
る目的で、上述のセラミック固体電解質成分を体積換算
で1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で電極
中に混合してもよい。
しては、アルミナ、AlとMgの複合酸化物、またはA
lと希土類元素の複合酸化物が好適に用いられる。
結晶の平均結晶粒子径0.5〜3μmのものが優れてい
る。アルミナの結晶粒子径を上記の範囲に定めた理由
は、平均結晶粒子径が0.5μmより小さいとアルミナ
とジルコニア円筒管あるいはジルコニアシートとの接合
強度が弱くなり、温度サイクルにより酸素センサ素子9
が破損しやすい。それに対して、アルミナの結晶粒子径
が3μmを越えると、セラミック絶縁体層4の機械的強
度が悪くなり同様に温度サイクルにより酸素センサ素子
9が破損しやすい。アルミナの平均結晶粒子径としては
1〜2μmの範囲が特に好ましい。
影響を与える。本発明においては、アルミナ中のMg量
としては、MgO換算で30〜1000ppmが優れ
る。MgO量が30ppmより少ない場合、および10
00ppmを越えるとMgOの添加効果が見られない。
アルミナ中のMgO量としては100〜500ppmの
範囲が特に好ましい。
層4として、AlとMgの複合酸化物およびAlと希土
類元素の複合酸化物を用いることができる。セラミック
絶縁層4がAlとMgの複合酸化物の場合は、MgOの
量比として全量中10〜60モル%の範囲が優れる。M
gOの量比が10モル%より少ないと、焼結性が悪くな
り、その結果センサ素子が熱サイクルにより破損しやす
くなる。それに対して、MgOの量比が80モル%を越
えると酸素センサ素子9が水蒸気中で破壊する。この場
合、用いる組成と焼成温度にもよるが、得られるセラミ
ック絶縁層4中の結晶相としてはアルミナとスピネルと
マグネシアとの2ないしは3種の結晶から構成されてい
る。上記の組成範囲のうち、MgOの量比が全量中20
〜50モル%の範囲が特に好ましい。
元素の複合酸化物の場合、希土類元素としては、具体的
にY、La、Yb、Nd、Dy、Sc、Sm、Scが好
適に用いられる。希土類元素の量比としては、酸化物換
算で10〜80モル%の範囲が優れる。この際、上記の
複合酸化物は希土類元素の少なくとも二種以上の元素を
含む複合酸化物あってもかまわない。この場合、希土類
元素の量比が酸化物換算で10モル%より少ないと、焼
結性が悪くなりその結果センサ素子の耐熱性が悪くな
り、希土類元素の量比が80モル%を越えるとセンサ素
子の水蒸気安定性が悪くなる。希土類元素の量比として
は、20〜50モル%の範囲が特に好ましい。
の複合酸化物からなる場合、結晶相としてはアルミナ
と、Alと希土類元素の複合酸化物から構成される。例
えば、Al2 O3 とY2 O3 を用いた場合、本発明の組
成範囲においては、Al2 O3、3Y2 O3 ・5Al2
O3 、2Y2 O3 ・Al2 O3 、およびY2 O3 等の結
晶を組み合わせた結晶相からなる。
以上、開気孔率が5%以下の緻密質であることが望まし
い。これは、セラミック絶縁層4が緻密質であることに
より絶縁層の強度が高くなる結果、酸素センサ素子自体
の機械的な強度を高めることができるためである。
る発熱体6としては、白金、ロジウム、パラジウム、ル
テニウムの群から選ばれる1種の金属、または2種以上
の合金からなることが望ましく、特に、セラミック絶縁
層4等との同時焼成の観点から、そのセラミック絶縁層
4の焼成温度よりも融点の高い金属または合金を選択す
ることが望ましい。この際、発熱体6中には、金属粒子
の焼成を防止する観点から、アルミナ、スピネル、フォ
ルステライト等を体積換算で10〜60体積%含有分散
させることが望ましい。
表面にはセラミック保温層11が形成されている。この
保温材料としては、セラミック絶縁体4との熱膨張の差
を緩和する観点から固体電解質と同じ材料を用いること
が好ましい。具体的には、ZrO2 を含有するセラミッ
クスからなり、具体的にはY2 O3 およびYb2 O3、
Sc2 O3 、Sm2 O3 、Nd2 O3 、Dy2 O3 等の
希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましく
は3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは
安定化ZrO2 が用いられている。また、焼結性を改善
する目的で、上記ZrO2 に対して、Al2 O3 やSi
O2 を添加含有させることができるが、多量に含有させ
ると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、
Al2 O3 およびSiO2 の添加量は総量で5重量%以
下、特に2重量%以下であることが望ましい。
に示すように、測定電極3のセラミック絶縁層6に形成
された開口部5を通じて露出している部分に、セラミッ
ク多孔質層14を50〜200μm形成することができ
る。
って測定電極3が被毒して出力電圧が低下するのを防止
するために、露出した測定電極3の表面にジルコニア、
アルミナ、マグネシアあるいはスピネル等を用いポーラ
スな保護層として設けることができる。このようなセラ
ミック保護層14を設けた酸素センサは、一般的には理
論空燃比センサ(λセンサ)素子として用いることがで
きる。この場合に、セラミック保護層14としては開気
孔率が10〜40%の多孔質体からなることが望まし
い。
面に微細な細孔を有するジルコニア、アルミナ、スピネ
ル、マグネシアまたはγ−アルミナの群から選ばれる少
なくとも1種を用いたガス拡散律速層として、セラミッ
ク多孔質層を形成することもできる。このようなガス拡
散律速層としては、開気孔率が5〜30%の多孔質体が
望ましい。また、このガス拡散律速層の表面には、さら
に排気ガスの被毒を防止する観点から、前述したアルミ
ナあるいはスピネルからなる前記セラミック保護層14
を設けることが望ましい。この様なヒーター体化酸素セ
ンサ素子は、広域空燃比センサ素子(A/Fセンサ)と
して応用することが可能である。
を、図1(b)に示す酸素センサ素子9を製造する場合
を例にとり、図5の概略の製造工程図に基づき詳細を説
明する。
するには、まず図5(a)に示すような円筒管15を作
製する。この円筒管15は、ジルコニア等の酸素イオン
伝導性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適
宜、成形用有機バインダーを添加して押出成形や、静水
圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知
の方法により一端が封止された直径3〜10mmの中空
の円筒状成形体を作製する。
は、ジルコニア粉末に対して、安定化剤としてY2 O3
およびYb2 O3 、Sc2 O3 、Sm2 O3 、Nd2 O
3 、Dy2 O3 等の希土類酸化物粉末を酸化物換算で1
〜30モル%、好ましくは3〜15モル%の割合で添加
した混合粉末、あるいはジルコニアと上記安定化剤との
共沈原料粉末が用いられる。また、ZrO2 中のZrを
1〜20原子%をCeで置換したZrO2 粉末、または
共沈原料を用いることもできる。さらに、焼結性を改善
する目的で、上記固体電解質粉末に、Al2 O3 やSi
O2 を5重量%以下、特に2重量%以下の割合で添加す
ることも可能である。
る円筒管15の内面に基準電極16を形成するには、上
記の白金等を含有する導電性ペーストを用いてペースト
を充填、排出して、内面全面あるいは測定電極を対向す
る所定の位置に塗布して形成する。
に、測定電極となるパターン17を例えば、白金を含有
する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、ある
いはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で形成す
る。
粉末に、適正な成形用の有機バインダーを添加して、ド
クターブレード法、押出し法あるいはプレス法等の周知
の方法により、図5(b)に示すようにジルコニアのグ
リーンシート18を作製する。次に、セラミック絶縁層
19をなす上部セラミック絶縁層22はアルミナ等の粉
末を用いて、適宜成形用有機バインダーを添加してスラ
リーを調製し、スクリーン印刷等により塗布する。その
後、グリーンシート表面に発熱体23と発熱体リード部
21としてPt粉末を含む導電性ペーストをスクリーン
印刷法、パット印刷法、ロール転写法等により印刷した
後、さらにその上に上記と同じ材料からなる下部セラミ
ック絶縁層20を塗布し、測定電極に対応する部分はパ
ンチング等により開口し、シート状積層体24を得る。
(c)に示すように、上記の円筒管15に巻き付け円筒
状積層体25を作製する。この際、シート状積層体24
を円筒管15に巻き付けるには、円筒管15とシート状
積層体24との間にアクリル樹脂や有機溶媒などの接着
剤を介在させて接着させたり、あるいはゴムローラ等で
圧力を加えながら機械的に接着することができる。
4の合わせ目は、焼成時の収縮を考慮し、シート状積層
体の端部同志をきちんと合わせるか、あるいは所定の間
隔をおいて接着することが好ましい。
ることにより、固体電解質、発熱体、セラミック絶縁層
および電極が一体化された焼結体を作製することができ
る。例えば、アルゴンガス等の不活性雰囲気中あるいは
大気中1300〜1700℃で1〜10時間程度焼成す
ればよい。
酸素センサ素子を作製する場合には、それぞれ円筒状積
層体25の焼成後、測定電極の表面に、アルミナ、スピ
ネル、ジルコニア等の粉末をゾルゲル法、スラリーディ
ップ法、スクリーン印刷法あるいは転写法などによって
印刷塗布し、焼き付け処理したり、上記セラミックスを
スパッター法あるいはプラズマ溶射法により被覆してセ
ラミック保護層14やガス拡散律速層を形成する。ま
た、他の方法としては、円筒状積層体25を作製する際
に予め測定電極表面にセラミック保護層14やガス拡散
律速層を形成し、円筒状積層体25と、同時に焼成し形
成することも可能である。
ンサ素子を製造する方法を図6に示した概略の製造工程
図に基づき詳細を説明する。
作製するには、図5(a)に示すような円筒管15を作
製し、基準電極2を形成する。
シート28の表面に測定電極36と電極リード部37を
Pt等のペーストを用い、所定の位置に所定の大きさス
クリーン印刷、パッド印刷、ロール転写法等の周知の方
法により形成する。その後、測定電極36を除く部分に
セラミック絶縁層33のうち、下部セラミック絶縁層3
1を形成する。この後、図6(b)に示すように発熱体
パターン30、発熱体リード部29および上部セラミッ
ク絶縁層32を設けた後、さらに上記の上部ジルコニア
シート34を積層したシート状積層体35を作製する。
この際、保温層としてのジルコニアシートについては、
測定電極に当たる部分は予めパンチング等により開口し
ておく必要がある。
ート状積層体35を上記の円筒管15に巻き付け円筒状
積層体37を作製する。この際、シート状積層体35と
円筒管15に巻き付けるには、円筒管15とシート状積
層体35との間にアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤
を介在させて接着させたり、あるいはローラ等で圧力を
加えながら機械的に接着すればよい。
5の合わせ目は、焼成時の収縮を考慮し、シート状積層
体の端部同志をきちんと合わせるか、あるいは所定の間
隔をおいて接着することが好ましい。
焼成することにより、固体電解質、発熱体、セラミック
絶縁層および電極が一体化された焼結体を作製すること
ができる。例えば、固体電解質としてジルコニアを用い
た場合には、アルゴンガス等の不活性雰囲気中あるいは
大気中1300〜1700℃で1〜10時間程度焼成す
ればよい。
酸素センサ素子を作製する場合には、上述のように円筒
状積層体37の焼成後、測定電極36の表面に、アルミ
ナ、スピネル、ジルコニア等の粉末をゾルゲル法、スラ
リーディップ法、スクリーン印刷法あるいは転写法など
によって印刷塗布し、焼き付け処理したり、上記セラミ
ックスをスパッター法あるいはプラズマ溶射法により被
覆してセラミック保護層14やガス拡散律速層の多孔質
層を形成する。また、他の方法としては、円筒状積層体
37を作製する際に予め測定電極表面にセラミック保護
層14やガス拡散律速層を形成し、円筒状積層体37
と、同時に焼成し形成することも可能である。
しては、図5および図6に示す円筒状積層体27、37
を作製する際に形成してもよいが、基準電極を除く円筒
状積層体27、37を同時焼成した後、円筒管15の内
部および表面開口部に電極ペーストをそれぞれ注入し、
熱処理して形成することもできる。また、同時焼成した
後にスパッタ法やメッキ法にて形成することもできる。
記の多孔質層としては測定電極の表面に、アルミナ、ス
ピネル、ジルコニア等の粉末をゾルゲル法、スラリーデ
ィップ法、印刷法などによって印刷塗布し、焼き付け処
理したり、上記セラミックスをスパッタ法あるいはプラ
ズマ溶射法により被覆してセラミック保護層14やガス
拡散律速層を形成する方法を採用する必要がある。
電解質からなる円筒管1の形状に関して、封止された一
端は、先端が球状でも良いし、円筒管1は先端に向かっ
てテーパ状に細くなるような構造のものであってもよ
い。また、一端の封止方法としては、両端が開放された
中空の円筒管1の一端に同じ材料の円柱状の成形体を挿
入し熱処理により接合し封止してもよい。
(b)のセンサ素子を例にとり本発明の効果を説明す
る。
なるアルミナ粉末と、共沈法により作製した5モル%Y
2 O3 含有のジルコニア粉末と、アルミナを10体積%
含有する白金ペーストおよび5モル%Y2 O3 含有のジ
ルコニア粉末を20体積%含有する白金ペーストそれぞ
れ準備した。まず、5モル%Y2 O3 含有のジルコニア
粉末にポリビニルアルコール溶液を添加して坏土を作製
し、押出成形により外径が約5mm、内径が3mmの一
端が封じた図5(a)に示す円筒管15を作製した。
コニア粉末にアクリル系のバインダーを所定量添加し、
スラリーを作製した後、ドクターブレード法により25
0μmの厚みのジルコニアのグリーンシート18を作製
した。
する白金ペーストを用い、上記の円筒管15の内側に基
準電極2を、外側に測定電極3を焼成後約10μmの厚
みになるようにそれぞれスラリーディップ法およびロー
ル転写法により形成した。
従い行った。ジルコニアからなるグリーンシート18の
表面に、上記の粉末粒子径の異なるアルミナ粉末からな
るスラリーを焼成後約1〜95μmの厚みになるように
塗布した後、アルミナ層の表面に発熱体23として上述
のアルミナを含有する白金ペーストをスクリーン印刷に
より形成した。この後、アルミナ粉末からなるスラリー
を焼成後約1〜95μmとなるように塗布した。
管15の表面に、上記シート状積層体24を接着剤とし
てアクリル系樹脂を用いて巻き付け円筒状積層体を作製
した。その後、この円筒状積層体を大気中にて、155
0℃で1〜7時間焼成し、一体化した。
からなる気孔率が約30%のセラミック保護層を約10
0μmの厚みになるよう測定電極表面に形成して理論空
燃比センサ素子を作製した。
中室温から約20秒で1000℃まで昇温した後、室温
まで空冷するという温度サイクルを1サイクルとして、
これを20万回行った後の素子の破損率を表1および表
2に示した。この際、比較のため市販の平板状のヒータ
一体型酸素センサ素子9についても破損率を測定した。
個とした。表1中のセラミック絶縁層19の厚さについ
ては、測定電極部の中央部断面にある発熱体23を埋設
したすべてのセラミック絶縁層19に関して、操作型電
子顕微鏡を用い発熱体23と上下のジルコニアとの最短
距離を測定し、得られた数値を平均した値をセラミック
絶縁体層19の厚さとして採用した。また、表1のアル
ミナ結晶の平均結晶粒子径は、同様に測定電極部中央の
断面をダイヤモンドペーストで鏡面研磨した後、120
0〜1400℃の温度範囲で熱処理して結晶粒界をエッ
チング(いわゆるサーマルエッチ)した後、そのセラミ
ック絶縁層19の断面を操作型電子顕微鏡で写真撮影
し、その写真を用いたインタセプト法により平均結晶粒
子径を求めた。この際、測定には200個以上の結晶粒
子を用いた。
では温度サイクルにおける破損率が88%と極めて高い
ことがわかる。また、本発明に関して、アルミナの平均
結晶粒子径が0.5μmより小さな試料No.1、およ
び結晶粒子径が3μmを越える試料No.8およびN
o.9では素子の破損率が高かった。それに対して、結
晶粒子径が0.5〜3μmである本発明の試料No.2
〜No.7ではいずれも破損率が50%以下と低いこと
が分かる。
μmより薄い試料No.17では、酸素センサ素子9の
破損率が高いことがわかる。また、セラミック絶縁層1
9の厚みが50μmを越える試料No.24でも同様に
破損率が高かった。それに対して、セラミック絶縁層1
9の厚みが2〜50μmの試料No.18〜No.23
では酸素センサ素子9の破損率が50%以下と良好であ
った。
500ppm含有するアルミナ粉末を用い、実施例1に
従い図1(b)に示すセンサ素子を作製した後、同様に
実施例1に従い温度サイクルにおける素子の破損率を測
定した。この際、ゼラミック絶縁層19中のMgOの含
有量は、測定電極中央部断面のセラミック絶縁層19に
ついて、検量線を用いたX線マイクロアナライザで求め
た。MgO含有量はセラミック絶縁層19の中心部を1
0点測定しその平均値とした。
い試料No.31、および1000ppmより高い試料
No.39では破損率がそれぞれ35%および47%で
破損率に対する改善効果が見られない。それに対して、
MgO含有量が50〜1000ppmの範囲の試料は全
て破損率が18〜28%と低いことが分かる。その中で
MgOの含有量が100〜500ppmのものは特に改
善の効果が著しい。
市販のAl2 O3 、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 、E
r2 O3 、Nd2 O3 、Dy2 O3 、Sc2 O3 、Sm
2 O3 粉末それぞれを準備した。Al2 O3 とMgO、
およびAl2 O 3 とY2 O3 、Yb2 O3 、Er
2 O3 、Nd2 O3 、Dy2 O3 、Sc2 O3、Sm2
O3 とをそれぞれ所定の比率に配合しジルコニアボール
を用いた回転ミルにて24時間混合した後、大気中12
00〜1400℃の温度で仮焼し、さらにジルコニアボ
ールを用いて48時間粉砕した。得られた混合粉末の粒
子径はマイクロトラック法にて測定した結果、0.7〜
0.9μmであった。
粉末を用い、実施例1に従い図1(b)に示す酸素セン
サ素子9を作製した後、実施例1に従い温度サイクルに
おける酸素センサ素子9の破損率を測定した。また、本
実施例では、素子10個を800℃において5%水蒸気
を含む水素ガス中に1000時間保持した後、素子の破
損状況を調査し10個中5個以上破損した場合は×、1
〜4個破損した場合は△、10個とも破損しなかった場
合○とした。また、セラミック絶縁層中のMgO、Y2
O3 等の量比は測定電極中央部の断面のセラミック絶縁
層19について、検量線を用いたX線マイクロアナライ
ザで決定した。この際、測定位置はセラミック絶縁層1
9の中心部とした。
O3 とMgOから構成される場合、MgOの量比が10
モル%より少ない試料No.45では温度サイクルによ
る素子の破損率が高いことがわかる。それに対して、M
gOの量比が60モル%より多い試料No.51では水
蒸気中で酸素センサ素子9が破損した。MgOの量比が
10〜60モル%の範囲の酸素センサ素子9は熱サイク
ルによる破損率が低く、また水蒸気中での安定性に優れ
ることが分かる。
とY2 O3 および希土類酸化物から構成される場合、Y
2 O3 およびEr2 O3 の量比が10モル%より少ない
試料No.52およびNo.59では温度サイクルによ
る酸素センサ素子9の破損率が高い。また、Y2 O3 お
よびYb2 O3 の量比が80モル%を越える試料No.
57とNo.65では水蒸気中で酸素センサ素子9が破
壊した。それに対して、Y2 O3 、Yb2 O3 、Er2
O3 等の量比が10〜80モル%の範囲の酸素センサ素
子9はいづれも熱サイクルによる破損率が低く、水蒸気
中でも安定している。
素センサ素子9を例にとり、本発明の効果を説明する。
径が3mmの一端が封じた円筒管15を作製した。
ニア粉末にアクリル系のバインダーを所定量添加し、ス
ラリーを作製した後、ドクターブレード法により50μ
mと250μmの厚みのグリーンシート28を作製し
た。
0μmとなるようにジルコニアを含有する白金ペースト
を用いたスラリーディップ法により形成した。
従い行った。上述の50μmの厚みのジルコニアグリー
ンシート28の表面に、スクリーン印刷法により焼成後
約10μmとなるようにジルコニアを含有する白金ペー
ストで測定電極を形成した後、下部のセラミック絶縁層
32として上記の粉末粒子径の異なるアルミナ粉末から
なるスラリーを測定電極36を形成する部分以外に焼成
後約1〜100μmとなるように塗布した。さらに、そ
のアルミナ層の表面に上述のアルミナを含有する白金ペ
ーストを発熱体30としてスクリーン印刷により形成し
た後、上部セラミック絶縁層としてアルミナ粉末からな
るスラリーを塗布した。その後、その表面にセラミック
保温層として測定電極36に対応する部分が開口した2
50μmの厚みのジルコニアからなるグリーンシート3
4を張り付け、シート状積層体35を得た。
管15の表面に、接着剤としてアクリル系樹脂を用いて
シート状積層体35を巻き付け円筒状積層体37を作製
した。その後、この円筒状積層体37を大気中にて、1
550℃で1〜6時間焼成し、一体化した。
μmのスピネルからなる気孔率が約30%のセラミック
保護層を測定電極表面に形成して理論空燃比センサ素子
を作製した。
1に従い、温度サイクルによる破損率を測定し、合わせ
て表1および表2に示した。この際、平均結晶粒子径お
よびセラミック絶縁層33の厚み測定は実施例1に従い
行った。
μmより小さな試料No.10および結晶粒子径が3μ
mを越える試料No.15では素子の破損率が高かっ
た。それに対して、結晶粒子径が0.5〜3μmである
本発明の試料No.11〜14ではいずれも破損率が5
0%以下と低いことが分かる。また、表2よりセラミッ
ク絶縁層33の厚みが2μmより薄い試料No.25で
は、破損率が高いことがわかる。また、絶縁層33の厚
みが50μmを越える試料No.30でも同様に破損率
が高い。それに対して、セラミック絶縁層33の厚み
が、2〜50μmの試料No.26〜No.29では酸
素センサ素子9の破損率が50%以下と優れたものであ
った。
l2 O3 、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 、Er
2 O3 、Nd2 O3 、Dy2 O3 、Sc2 O3 、Sm2
O3 粉末を用いた。Al2 O3 とMgOおよびAl2 O
3 とY2 O3 、Yb2O3 、Er2 O3 、Nd2 O3 、
Dy2 O3 、Sc2 O3 、Sm2 O3 とをそれぞれ所定
の比率に配合しジルコニアボールを用いた回転ミルにて
24時間混合した後、大気中1200〜1400℃の温
度で仮焼し、さらにジルコニアボールを用いて48時間
粉砕した。得られた混合粉末の粒子径はマイクロトラッ
ク法にて測定した結果、0.5〜0.7μmであった。
の異なるセラミック絶縁層33を有する酸素センサ素子
9を実施例4に従い作製した。また、実施例1に従い温
度サイクルにおける素子の破損率と、実施例3に従い8
00℃における水蒸気安定性を調べた。この際、セラミ
ック絶縁層33のMgO等の量比の測定は実施例3に従
った。
ク絶縁層33がAl2 O3 とMgOから構成される場
合、表5からMgOの量比が10モル%より少ない試料
No.66では熱サイクルによる酸素センサ素子9の破
損率が高いことが分かる。また、MgOの量比が60モ
ル%を越える試料No.72では水蒸気安定性が低かっ
た。それに対して、MgO量比が10〜60モル%の範
囲の試料は全て、熱サイクルによる破損率が低く、水蒸
気中においても安定であった。特に、MgO量比が30
〜50モル%の試料は全て良好な性能を示した。また、
表6よりセラミック絶縁層33の厚みが2μmより薄い
試料No.87では、熱サイクルによる酸素センサ素子
9の破損率が高く、セラミック絶縁層33の厚みが50
μmを越える試料No.94では水蒸気中で酸素センサ
素子が容易に破壊した。
とY2 O3 等の複合酸化物からなる場合、表5よりY2
O3 およびEr2 O3 の量比が10モル%より少ない試
料No.73およびNo.80では熱サイクルによる酸
素センサ素子9の破損率が高いことがわかる。それに対
して、Y2 O3 およびYb2 O3 の量比が80モル%を
越える試料No.78およびNo.86では水蒸気中で
酸素センサ素子9が容易に破損する。また、表6よりセ
ラミック絶縁層33がAl2 O3 とY2 O3 等の複合酸
化物からなる場合、セラミック絶縁層33の厚みが2μ
m未満であるNo.87、94は、熱サイクルテストに
おける破損率が50%以上となり好ましくない。また、
セラミック絶縁層33の厚みが60μmを越えるNo.
94、100は、セラミック絶縁層33とジルコニアの
熱膨張差により発熱体が疲労断線して破損率が高くなる
ので、好ましくない。これに対し、セラミック絶縁層3
3の厚みが2〜50μmの試料は全て熱サイクルによる
破損率が低く、優れた水蒸気安定性を有することが分か
る。
ヒータ一体型の酸素センサ素子9は、耐熱性、耐久性に
優れたものであることが充分理解される。
素子によれば、素子が円筒型をなし、発熱体を埋設する
セラミック絶縁層に上述したアルミナ系材料を用いるこ
とにより、酸素センサ素子の耐熱性および耐久性が従来
よりさらに改善される。また、本発明の酸素センサ素子
は、電極に隣接してヒータを設けたために、昇温速度が
早くなり、平板形状の積層型センサ素子と同等以上にセ
ンサ応答性に優れる。しかも製造工程を簡略化できるた
めに製造コストが安価になり、経済性の観点からも優れ
ている。
は概略斜視図、(b)は(a)中のX1−X1断面図、
(c)は他の実施形態のX1−X1相当断面図である。
は概略斜視図、(b)は(a)中のX2−X2断面図、
(c)は他の実施形態のX2−X2相当断面図である。
斜視図である。
断面図である。
製造工程を示す図である。
他の製造工程を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】酸素イオン導電性を有するセラミック固体
電解質からなる円筒管の内外面に一対の基準電極および
測定電極が形成され、前記円筒管の外面にセラミック絶
縁層を積層するとともに、該セラミック絶縁層内に発熱
体を埋設してなるヒータ一体型酸素センサ素子であっ
て、前記セラミック絶縁層が0.5〜3μmの平均結晶
粒子径を有するアルミナを主成分とすることを特徴とす
るヒータ一体型酸素センサ素子。 - 【請求項2】前記セラミック絶縁層であるアルミナ中の
マグネシアの含有量が30〜1000ppmであること
を特徴とする請求項1記載のヒータ一体型酸素センサ素
子。 - 【請求項3】酸素イオン導電性を有するセラミック固体
電解質からなる円筒管の内外面に一対の基準電極および
測定電極が形成され、前記円筒管の外面にセラミック絶
縁層を積層するとともに、該セラミック絶縁層内に発熱
体を埋設してなるヒータ一体型酸素センサ素子であっ
て、前記セラミック絶縁層がAlとMgの複合酸化物、
またはAlと希土類元素の複合酸化物からなること特徴
とするヒータ一体型酸素センサ素子。 - 【請求項4】前記セラミック絶縁層がAlとMgとの複
合酸化物からなり、Mg量比が酸化物換算で全量中10
〜80モル%であることを特徴とする請求項3記載のヒ
ータ一体型酸素センサ素子。 - 【請求項5】前記セラミック絶縁層がAlと希土類元素
の複合酸化物からなり、希土類元素の量比が酸化物換算
で全量中10〜80モル%であることを特徴とする請求
項3記載のヒータ一体型酸素センサ素子。 - 【請求項6】前記セラミック絶縁層の厚みが、2〜50
μmであることを特徴とする請求項1または3記載のヒ
ータ一体型酸素センサ素子。 - 【請求項7】前記セラミック絶縁層が前記測定電極の一
部または全部が露出するように積層されてなる求項1ま
たは3記載のヒータ一体型酸素センサ素子。 - 【請求項8】前記発熱体が、露出された前記測定電極の
周囲に埋設されてなる請求項7記載のヒータ一体型酸素
センサ素子。
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