JP2004117099A - 酸素センサ素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大気導入孔3を有する長尺平板状のジルコニア固体電解質基体2における大気導入孔3の内壁面に基準電極4を、測定電極4と対向する基体2外表面に測定電極5を形成してなるセンサ部Aと、セラミック絶縁層7内に発熱体6を埋設したヒータ部Bを具備する酸素センサ素子において、ヒータ部Bが、ジルコニア固体電解質基体2によって挟まれており、前記ヒータ部における発熱体が、センサ全体厚み100%に対して、前記測定電極形成面側から40〜70%の位置に存在することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒータを一体化した板状の酸素センサ素子の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、環境問題がクローズアップされ、各業界にて地球環境を最優先とする取り組みがなされている。とりわけ、自動車業界においては、アメリカのカルフォルニア州の排ガス規制に代表されるように年々、排気ガス中のCO2、CO、HC、NOx量を低減していくことが世の中の流れになってきている。その中で、更なる排ガス中の上記ガスを低減するためには、如何に効率よく燃料を燃焼させるかが重要であって、そのためには排ガス中の残存酸素量を瞬時に測定し、その情報を燃焼系に速くフィードバックできる酸素センサ素子の要望が高まりつつある。
【0003】
このような酸素センサ素子はこれまで、排気ガスの熱を利用して、コップ状のセンサを昇温し、センサ機能を出現させてきた。しかし、センサ機能が出現するまでの間の、排ガスは垂れ流しの状態にあり、昨今の厳しい排ガス規制には対応しきれなくなってきたため、コップ内にヒータを収納して、コップ状のセンサを積極的に加熱し、センサ機能を速く出現できるようになり、よりレスポンス良く、情報をフィードバックできるようになってきた。
【0004】
しかしながら、コップ状のセンサにおいては、サイズが大きく、更に、ヒータとの間隔も大きいために、より速くセンサ機能を出現させるためには限界があった。そこで、最近では、図4の概略断面図に示すように、大気導入孔30aを有する板状の固体電解質基体30の大気導入孔30aの内壁と、それに対向する外表面に一対の電極31、32を形成してセンサ部を形成するとともに、このセンサ部と一体化してセラミック絶縁層33内に発熱体34を内蔵したヒータ部を形成した板状のヒータ一体化の酸素センサ素子が提案されている(例えば、特開平2−276857号公報)。このような板状酸素センサは、小型化とともに、ヒータ部を一体化したことで、昇温スピードが高まり、より速くセンサ機能を出現できるようになりつつある。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−276857号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の板状酸素センサ素子においては、センサ部を形成するジルコニアなどの固体電解質のセラミックグリーンシートと、タングステンなどの発熱体を埋設したアルミナなどのセラミックグリーンシートとを積層密着して、脱脂、焼成すると、両者の焼成収縮挙動の相違や、熱膨張特性の相違によって焼成時に反りが発生するという課題があった。また、反りに伴い、製造歩留まりが低下し、セラミック材料、電極材料等を無駄にすることになり、コストアップにつながるという課題があった。さらには、酸素センサ素子の作動時の昇温降温の繰り返しによって応力が発生しこれによって酸素センサ素子が破損するなどの問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、反りの発生を抑制するとともに、熱サイクルに対しても優れた耐久性を有する酸素センサ素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題に対して検討を重ねた結果、セラミック絶縁層中に発熱体を内蔵するヒータ部を固体電解質基体によって挟持するか、または内部に形成するとともに、そのヒータ部を酸素センサ素子の中央部付近に位置させることにより、反りを効果的に解消できるとともに熱サイクルへの耐久性をも向上できることを見出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明の酸素センサ素子は、大気導入孔を有する長尺平板状のジルコニア固体電解質基体における前記大気導入孔の内壁面に基準電極を、該測定電極と対向する基体外表面に測定電極を形成してなるセンサ部と、セラミック絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備してなり、前記ヒータ部が、前記ジルコニア固体電解質基体によって挟まれており、該ヒータ部における発熱体がセンサ全体厚み100%に対して、前記測定電極形成面から40〜70%の位置に存在することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記センサ全体厚みが0.8〜1mmであって、前記ヒータ部の厚みが8〜100μmであることが応力の発生の低減を図る上で適当である。
【0011】
なお、本発明は、前記センサ部と前記ヒータ部とを同時焼成して形成する場合に特に有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の酸素センサ素子の一例について、図1の(a)概略平面図と、(b)p−p断面図をもとに説明する。
【0013】
図1の酸素センサ素子1によれば、板状の固体電解質からなる基体2には、一端が封止された中空の大気導入孔3が設けられており、その大気導入孔3の内壁の一部には基準電極4が被着形成され、その基準電極4と対向する固体電解質基体2の外側表面には、被測定ガスと接触する測定電極5が形成されており、センサ部Aを形成している。また、基体2の表面または大気導入孔3の内壁には、一端が基準電極4や測定電極5と電気的に接続された電極リード51や電極パッド52が形成されている。
【0014】
一方、基体2の大気導入孔3の基準電極4が形成されていない側の基体2の内部には、発熱体6を内蔵したセラミック絶縁層7が設けられており、この発熱体6およびセラミック絶縁層7によってヒータ部Bを形成している。
【0015】
本発明においては、セラミック絶縁層7に発熱体6を内蔵したヒータ部Bが、固体電解質基体2の内部に内蔵されており、しかも、このヒータ部Bがセンサ素子全体の中央部付近に形成されていることが大きな特徴である。
【0016】
従来、発熱体6を内蔵するセラミック絶縁層7は、酸素センサ素子1の大気導入孔3の一方側に形成されるために、ヒータ部Bは、酸素センサ素子1全体からみるとかなり偏った位置に形成されている。そのために、焼成時の固体電解質からなる基体2とセラミック絶縁層7との焼成収縮挙動や、熱膨張係数の違いによって酸素センサ素子1全体からみると、センサ部Aを形成した付近とヒータ部Bを形成した付近との間で歪が発生し、この歪によって反りが発生したり、繰り返し熱サイクルによって破損などが発生しやすくなる。
【0017】
これに対して、本発明に基づき、ヒータ部Bを固体電解質基体2の内部に内蔵させるとともに、ヒータ部Bを中央部に配置することによって、酸素センサ素子1におけるヒータ部Bとセンサ部Aとの焼成収縮の挙動や、熱膨張特性のバランスが保たれる結果、反りの発生や熱サイクル印加による破損の発生等を防止することができる。
【0018】
なお、ヒータ部Bを形成する位置は、ヒータ部Bにおける発熱体6が、酸素センサ素子全体厚みx(=100%)に対して、測定電極5形成面側から発熱体6までの距離yが40〜70%、特に45〜65%、さらには40〜50%の位置に存在することが重要である。
【0019】
つまり、ヒータ部Bが中央部よりも外側に位置する場合、言い換えれば、ヒータ部Bにおける発熱体6が、センサ素子全体厚み100%に対して、測定電極5形成面側から70%を超える位置に存在する場合、焼成収縮の挙動や、熱膨張特性のバランスがくずれ、反りが大きくなったり、熱サイクル印加によるクラックの発生が増加するためである。また、40%よりも小さい場合、大気導入孔3の形成が難しくなり、センサ部の設計が難しくなるためである。
【0020】
また、本発明によれば、ヒータ部Bにおいて、発熱体6は、セラミック絶縁層7の略中央部に形成されていることによってヒータ部B内部における歪みの発生を防止することができる。
【0021】
なお、酸素センサ素子の全体厚みxは、0.8〜2mm、特に1〜1.7mmであって、セラミック絶縁層7内に発熱体6を内蔵したヒータ部Bの全体厚みtは、8〜100μm、特に10〜60μmであることが望ましい。
【0022】
上記の図1では、理論空燃比酸素センサ(λセンサ)について例示したが、本発明は、ワイドレンジセンサ素子に対しても適用される。図2は、その代表的な構造を説明するための概略断面図である。この図2の酸素センサ素子によれば、固体電解質基体2aの対向する面に基準電極4、測定電極5の電極対が形成され、測定電極5の上側には固体電解質基体2bによって空間部10が形成されている。また、この空間部10は、固体電解質基体2cによって閉塞されており、この固体電解質基体2cには、排気ガスを取り込むための0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔11が開けられている。このような構成によれば、拡散孔11を通過した排気ガス中の酸素濃度に対応して電極対間に流れる電流を制御して排気ガス中の空燃比を制御する。
【0023】
なお、かかる酸素センサにおいては、基体2cを挟む両面に一対の電極を形成してこれをポンピングセルとして機能させてもよい。
【0024】
なお、上記空間部10内には素子の強度を持たせるため多孔質のセラミックスを充填することもできる。また、上記の拡散孔11は、素子上面の他、側面や先端に形成することもできる。さらには、拡散孔11は空間内に一定の排気ガスを取り込むための孔として機能すればよく、そのため、拡散孔11は、多数個の孔で形成してもよいし、またセラミック多孔質層で形成してもよい。
【0025】
本発明によれば、図2の酸素センサ素子においても、セラミック絶縁層7内に発熱体6を内蔵したヒータ部Bを酸素センサ素子全体の厚みの中央部、具体的には、ヒータ部Bにおける発熱体6が、センサ素子全体厚みx(=100%)に対して、測定電極5形成面側から発熱体6までの距離yが40〜70%、特に45〜65%、さらには40〜60%の位置に形成する。
【0026】
また、この酸素センサ素子においては、ヒータ部Bは、固体電解質基体2eと固体電解質基体2dによって挟まれた構造からなるものである。このような挟まれた構造であっても、同様の効果を得ることができ、またかかる構造は図1の酸素センサ素子に適用することも当然可能である。
【0027】
本発明の酸素センサ素子1において基体2として用いられる固体電解質は、ZrO2やTiO2など、公知のセラミック固体電解質によって形成できるが、その性能の点からジルコニア固体電解質からなることが望ましい。ジルコニア固体電解質は、安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、Sm2O3、Nd2O3、Dy2O3等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0028】
固体電解質基体2の表面または大気導入孔3の内壁に被着形成される基準電極4、測定電極5、さらには電極リード51、電極パッド52は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が好適に用いられる。また、センサ動作時における電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極4、5中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極4、5の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0029】
また、測定電極5の表面には、図1(b)に示すように、保護のためにセラミック多孔質層9を形成することが望ましい。このセラミック多孔質層9は、厚さ10〜800μm、特に100〜500μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
【0030】
一方、発熱体6を埋設するセラミック絶縁層7としては、Al2O3、ムライト、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが望ましく、特にAl2O3セラミックスが望ましい。上記セラミックス中には、焼結性を改善する目的で種々の焼結助剤、例えばAl2O3セラミックスの場合、Mg、Ca、Siの酸化物を総和で1〜10質量%含有していてもよいが、このセラミック絶縁層7中において、Na、K等のアルカリ金属の含有量としては、マイグレーションしてヒータ部Bにおける一対のヒータ間の電気絶縁性を悪くするため酸化物重量換算で50ppm以下に制御することが望ましい。また、相対密度を上記の範囲とすることによって、基板強度が高くなる結果、酸素センサ自体の機械的な強度を高めることができるためである。
【0031】
ヒータ部Bにおけるセラミック絶縁層7内に埋設された発熱体6や、発熱体6へのリード(図示せず)は、金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金を用いることができる。この場合、発熱体6とリードの抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。
【0032】
また、本発明の酸素センサ素子1は、素子全体の厚みとしては、0.8〜2mm、特に1〜1.7mm、素子の長さとしては40〜60mm、特に45〜55mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0033】
次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法について、図1の酸素センサ素子を例にとってその製造方法を図3の分解斜視図をもとに説明する。
【0034】
まず、固体電解質のグリーンシート20を作製する。このグリーンシート20は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製する。尚、薄く作製したグリーンシートを所定の厚みになるように複数枚重ねて積層したものを使用することもできる。
【0035】
次に、上記のグリーンシート20の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン21やリードパターン22や電極パッドパターン23などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーディップ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。また、グリーンシート20には適宜、スルーホール(図示せず)等を形成して導電性ペーストを充填し、シート表裏間の電極等を接続を行う。
【0036】
次に、大気導入孔24を形成したグリーンシート25を作製する。大気導入孔24は、パンチング等によって開口するか、またはプレス成形によって大気導入孔24を形成した型を用いてプレス成形する。また、前記グリーンシート20と同一の材質からなる大気導入孔24の反対側を塞ぐためのグリーンシート27を作製する。
【0037】
なお、この時に測定電極5となるパターン21の表面には、図1のセラミック多孔質層9を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成してもよい。
【0038】
次に、グリーンシート20と同様にして作製されたジルコニアグリーンシート28a表面に、セラミック絶縁体、例えば、アルミナ、ムライト、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスを含む絶縁性ペーストをスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写などで印刷し、セラミック絶縁層29aを形成する。
【0039】
次に、このセラミック絶縁層29aの表面に、発熱体6を形成するためのヒータパターン30を印刷塗布する。そして、再度、ヒータパターン30の上に、前記絶縁性ペーストを塗布してセラミック絶縁層29bを形成することにより、ヒータ部Bの積層体を作製する。
【0040】
また、ジルコニアグリーンシート28、セラミック絶縁層29a、29bには、ヒータパターンを外部に導出するための電極パッド(図示せず)と接続するために適宜、導体ビアを形成することもできる。
【0041】
なお、上記のヒータ部Bを作製するにあたり、セラミック絶縁層29a、29bは、上記のように絶縁性スラリーの印刷塗布によって形成する他に、絶縁性スラリーを用いてドクターブレード法などのシート成形方法によって絶縁性シートを形成して積層することもできる。
【0042】
本発明によれば、上記ヒータ部B形成にあたり、ヒータ部Bがセンサ素子全体厚みxの中央部に位置するように基体となるセラミックグリーンシート28の厚みを調整する。調整にあたっては、厚みの大きい単一シート28を作製するか、または図3に示すように、複数のグリーンシート28a、28b、28cを積層して調整することが容易である。
【0043】
そして、上記の各グリーンシート20、25、27、28を有機樹脂や有機溶媒などの接着材を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に積層、接着する。
【0044】
この後、上記の各グリーンシートをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着材を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを同時に焼成する。
【0045】
焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時の反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反りをさらに低減することができる。
【0046】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極5の表面に、プラズマ溶射法等により、アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種の多孔質層を形成することによって、センサ部Aとヒータ部Bが一体化された酸素センサ素子を形成することができる。
【0047】
【実施例】
図1の酸素センサ素子を図3に従って以下に作製した。まず、平均粒径0.8μmのジルコニア粉末に対して、アクリル系バインダー、溶剤およびメディアをを混合し、48時間撹拌して、スラリーを得た。その後、ドクターブレード成形にて前記スラリーを成形、乾燥させて、厚さ360μmのグリーンシート20を作製した。
【0048】
次に、平均粒径1μmの白金粉末に対して、アクリル系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した電極ペーストおよび発熱体ペーストを得た。
【0049】
得られた前記電極ペーストを用いて、前記グリーンシート20に測定電極5および基準電極4となるパターン21やリードパターン22や電極パッドパターン23をスクリーン印刷にて形成し、その後、乾燥させて、電極が形成されたグリーンシート20を得た。
【0050】
一方、厚さ540μmのジルコニアグリーンシートに、金型プレスによって検知部分が幅1.6mm、長さ11mmを有する溝形状に打ち抜き、大気導入孔24を有するグリーンシート25を得た。また、大気導入孔24の反対側を塞ぐための厚さ180μmのグリーンシート27を作製した。
【0051】
一方、平均粒径0.5μmのアルミナ粉末に対して、アクリル系バインダーおよびテルピネオールを調合し、3本ロールにて10回パス混合した後、テルピネオールにて希釈し、粘度調整した絶縁層ペーストを得た。
【0052】
得られた前記絶縁層ペーストを用いて、厚さ900μmのグリーンシート28にセラミック絶縁層29aを焼成後の厚みが18μmとなるようにスクリーン印刷にて塗布、乾燥させた後、前記発熱体ペーストを焼成後の厚みが15μmとなるようにスクリーン印刷にて塗布、乾燥させてヒータパターン30を形成した後、更にその上に上記絶縁層ペーストを用いてセラミック絶縁層29bを焼成後の厚みが18μmとなるようにスクリーン印刷にて塗布、乾燥させて、ヒータ部Bを表面に有するグリーンシート28を得た。
【0053】
その後、グリーンシート28のヒータ部形成面とは反対側の面に、さらに厚みが180μmのジルコニアグリーンシートを所定枚数準備し、各種グリーンシートを位置決めして、密着液を用いて密着積層し、加圧プレスして積層体を得た。
【0054】
そして、この積層体を1400℃にて2時間焼成して、酸素センサ素子を作製した。
【0055】
得られた各酸素センサ素子1について、断面から測定電極5形成面から発熱体6中心までの厚みtと、センサ素子全体厚みxを5箇所づつ測定して得た平均厚みt、xによってt×100/x(%)を表1に示した。
【0056】
各試料につき、50個の酸素センサ素子において、測定電極形成面の反りを表面粗さ計によって測定しその平均値を表1に示した。
【0057】
さらに、各試料につき、50個の酸素センサ素子に対して、室温から約20秒で1000℃まで昇温した後、ファンで強制的に室温まで急冷するという温度サイクルを1サイクルとして、これを2万回行った後、クラックの発生による破損率を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
表1の結果、セラミック絶縁層中に発熱体を内蔵したヒータ部における発熱体が、センサ全体厚み100%に対して、前記測定電極形成面側から40〜70%の位置に存在せしめた本発明品は、いずれも反りが100μm以下であり、熱サイクル印加後における破損率も20%以下と良好な特性を示した。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、セラミック絶縁層内に発熱体を内蔵したヒータ部をジルコニア固体電解質基体によって挟み、且つ該ヒータ部がセンサ素子全体の厚み方向における中央部に形成することによりセンサ素子の反りの発生を抑制するとともに、熱サイクルに対する耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための(a)概略平面図、(b)p−p断面図である。
【図2】本発明の酸素センサ素子の他の例を説明するための概略断面図である。
【図3】本発明の酸素センサ素子の製造方法として、図1の酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図4】従来の酸素センサ素子を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 酸素センサ素子
2 固体電解質基体
3 大気導入孔
4 基準電極
5 測定電極
6 発熱体
7、8 セラミック絶縁層
A センサ部
B ヒータ部
Claims (3)
- 大気導入孔を有する長尺平板状のジルコニア固体電解質基体における前記大気導入孔の内壁面に基準電極を、該測定電極と対向する基体外表面に測定電極を形成してなるセンサ部と、セラミック絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備する酸素センサ素子において、前記ヒータ部が、前記ジルコニア固体電解質基体によって挟まれており、前記ヒータ部における発熱体が、センサ全体厚み100%に対して、前記測定電極形成面側から40〜70%の位置に存在することを特徴とする酸素センサ素子。
- 前記センサ全体厚みが0.8〜2mmであって、前記ヒータ部の厚みが8〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子。
- 前記センサ部と前記ヒータ部とが同時焼成して形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素センサ素子。
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