JP2009236708A - センサ素子およびガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサ製造時の組み立てや測定精度に影響を及ぼすことが無く、かつ、大きな強度をもつセンサ素子、および、このようなセンサ素子を用いて製造するガスセンサを提供する。
【解決手段】長尺の板状体形状のセンサ素子101において、センサ素子101の長手方向について、一端部からセンサ素子の長さの27分の8の位置から、他端部に至る区間である第1区間In1において、厚さ方向における曲がりの程度を表すパラメータである曲がり量が、センサ素子101の長手方向の長さに対して1360分の1以上670分の1以下であるようにする。上記の曲がり量は、センサ素子101の長手方向の位置をX、表面の厚み方向の変位をYとして、XとYとの関係を測定し、これらXおよびYを2変数としたX−Y平面上での散布図から、最小二乗法により算出した回帰直線の上側および下側の領域における回帰直線から最大の距離となる点の距離の和で規定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、NOxセンサや酸素センサのようなガスセンサにおいて、被測定ガス中の所定ガス成分の検出に用いるセンサ素子、および、このようなセンサ素子を用いて製造するガスセンサに関する。
従来、被測定ガス中の所望ガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質の層上にPt電極およびRh電極を形成したセンサが公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平8−271476号公報 特開2004−37473号公報
特許文献1および特許文献2に開示されているようなガスセンサにおいて、被測定ガス中の所定ガス成分の検出に用いられるセンサ素子は、例えば、酸素イオン伝導性を有する固体電解質であるジルコニアをセラミックス成分とした複数のセラミックスグリーンシートのそれぞれに、所定の回路パターンをスクリーン印刷等により形成し、それらを積み重ねて一体化させることで積層体を形成し、さらに、該積層体を素子単位にカットした後に焼成を行うことによって製造される。
このように、センサ素子は、セラミックスグリーンシートに対して多数の処理が施され製造されており、製造されたセンサ素子の中には製造工程での処理に起因した曲がりやねじれといった変形が生じてしまうものがある。
特に、積層体を素子単位にカットしたもの(焼成前のセンサ素子)は、焼成によって収縮(焼成収縮)することになるが、この焼成収縮は、他の工程(例えば、セラミックスグリーンシートへの回路パターンの印刷を行う工程や、該印刷後の乾燥を行う工程など)で生じる収縮と比較して大きなものとなっている。このため、センサ素子の製造工程において、焼成工程では、他の工程と比較して曲がりやねじれといった変形がセンサ素子に生じやすくなっている。
焼成工程での収縮等によって、製造されたセンサ素子に大きな変形が生じた場合、センサ素子を用いて製造するガスセンサの組み立てが精度よく行えないおそれや、センサの測定精度に影響が出るおそれがある。センサ素子およびガスセンサを製造するうえで、焼成収縮等によって生じるセンサ素子の変形は歩留まり低下の原因の1つとなっている。
一方で、センサ素子を用いて製造したガスセンサを自動車エンジン等の内燃機関の排気系に取り付けて、実際にガスセンサとして使用する際に、ガスセンサは様々な要因によって衝撃を受けることとなる。このような衝撃によって破損しないように、ガスセンサには衝撃に対する一定以上の強度(以下、単に強度とも称する)も必要となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ガスセンサ製造時の組み立てや測定精度に影響を及ぼすことが無く、かつ、大きな強度をもつセンサ素子、および、このようなセンサ素子を用いて製造するガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、被測定ガス中の所定ガス成分を検出する長尺の板状体形状のセンサ素子であって、前記センサ素子外部の空間から前記センサ素子内に被測定ガスを取り込むためのガス導入口が前記センサ素子の長手方向の一端部に設けられてなり、前記センサ素子の厚さ方向における曲がりの程度を表すパラメータである曲がり量を、以下の定義(a)によって規定したとき、前記センサ素子の長手方向について、前記一端部から前記センサ素子の長さの27分の8の位置から、センサ素子他端部に至る区間を第1区間として、前記第1区間の曲がり量が、センサ素子の長手方向の長さに対して1360分の1以上670分の1以下であることを特徴とする。定義(a):対象区間における前記センサ素子の長手方向の位置をX、前記センサ素子表面の前記厚さ方向の変位をYとしてXとYとの関係を測定し、これらXおよびYを2変数としたX−Y平面上に前記測定したデータ点をプロットした散布図から最小二乗法により回帰直線を算出し、前記X−Y平面上での前記回帰直線の上側および下側のそれぞれの領域において、前記対象区間で前記回帰直線からの距離が最大となるデータ点を上側最大変位点および下側最大変位点としたとき、前記回帰直線から前記上側最大変位点および前記下側最大変位点までのそれぞれの距離の和の値。
請求項2の発明は、請求項1に記載のセンサ素子において、前記第1区間の曲がり量が前記センサ素子の厚さに対して72分の5以上146分の5以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のセンサ素子において、前記センサ素子の長手方向について、前記一端部から前記センサ素子の長さの27分の8の位置に至る区間を第2区間とし、前記センサ素子の長手方向について、前記他端部から前記センサ素子一端部の向きに前記センサ素子の長さの27分の4の位置に至る区間を第3の区間としたときに、前記第2区間を対象区間としたセンサ素子の曲がりの程度を表すパラメータである第2区間の曲がり量が、定義(a)に従って規定したときに、センサ素子の長手方向の長さに対して1340分の21以下であり、前記第3区間を対象区間としたセンサ素子の曲がり量程度を表すパラメータである第3区間の曲がり量が、定義(a)に従って規定したときに、センサ素子の長手方向の長さに対して1675分の6以下であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載のセンサ素子において、前記第1区間の曲がり量は、前記センサ素子の製造に際してなされる焼成が該焼成前のセンサ素子の表面を加圧した状態で行われることにより、制御されることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3に記載のセンサ素子において、前記第2区間の曲がり量および第3区間の曲がり量は、前記センサ素子の製造に際してなされる焼成が該焼成前のセンサ素子の表面を加圧した状態で行われることにより、制御されることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4または請求項5に記載のセンサ素子において、前記押圧力は、前記焼成前のセンサ素子の表面上に所定の質量の部材を載置することにより付与されることを特徴とする。
請求項7の発明は、前記所定ガス成分が窒素酸化物ガスであり、ジルコニアを主成分として構成される請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のセンサ素子、を用いて製造されるガスセンサである。
請求項1ないし請求項7の発明によれば、センサ素子の第1区間の曲がり量をセンサ素子の長手方向の長さに基づいて好適な範囲のものとすることで、センサ素子の厚さ方向の曲がりを抑えつつ、かつ、大きな強度を持つセンサ素子を得ることができる。
請求項2の発明によれば、センサ素子の曲がり量を、センサ素子の厚さおよび長手方向の長さに基づいて好適な範囲のものとすることで、センサ素子の厚さ方向の曲がりを抑えつつ、かつ、大きな強度を持つセンサ素子を得ることができる。
請求項3の発明によれば、センサ素子の第2区間の曲がり量および第3区間の曲がり量を、センサ素子の厚さおよび長手方向の長さに基づいて好適な範囲のものとすることで、センサ素子の強度を大きなものとしつつ、かつ、センサ素子の各区間および全区間における曲がり量を、センサ素子を用いて製造するガスセンサの組み立てに好適なものとすることができる。
請求項4ないし請求項6の発明によれば、センサ素子を製造する際に行われる焼成が該焼成前のセンサ素子の表面を押圧しつつ行われることにより、センサ素子の曲がり量が制御されるので、センサ素子の曲がり量を好適なものとすることができる。
<ガスセンサの構成概要>
図1は、本実施の形態に係るガスセンサ100の構成を概略的に示す断面模式図である。ガスセンサ100は、測定対象とするガス(被測定ガス)中の所定のガス成分を検出し、さらにはその濃度を測定するためのものである。本実施の形態においては、ガスセンサ100が窒素酸化物(NOx)を検出対象成分とするNOxセンサである場合を例として説明を行うが、本発明は、NOx以外のガス成分を測定対象とするガスセンサにおいても適用可能である。ガスセンサ100は、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質からなるセンサ素子101を有する。
図1に例示するセンサ素子101は、それぞれが酸素イオン伝導性固体電解質からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する、細長な長尺の板状体形状の素子である。係るセンサ素子101は、例えば、上述したように、各層に対応するセラミックグリーンシートに所定の加工およびパターン印刷などを行った後に、それらを積層し焼成することによって製造される。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。ガス導入口10と、緩衝空間12と第1内部空所20と第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画された内部空間である。第1拡散律速部11と第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位を、ガス流通部(また、ガス導入口10、緩衝空間12、第1内部空所20および第2内部空所40の空間を含む領域をキャビティ部とも称する)とも称する。
また、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、基準ガス導入空間43が設けられてなる。基準ガス導入空間43は、上部をスペーサ層5の下面で、下部を第3基板層3の上面で、側部を第1固体電解質層4の側面で区画された内部空間である。基準ガス導入空間43には、基準ガスとして、例えば大気が導入される。
ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれる。
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
緩衝空間12は、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によって生じる被測定ガスの濃度変動を、打ち消すことを目的として設けられてなる。
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第2拡散律速部13に導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられる。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の内側ポンプ電極22と対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成される電気化学的ポンプセルである。内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、平面視矩形状の多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2のサーメット電極)として形成される。なお、内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間にセンサ素子101外部に備わる可変電源24により所望のポンプ電圧Vp1を印加して、外側ポンプ電極23と内側ポンプ電極22との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip1を流すことにより第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20から第2内部空所40に導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された該被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられる。NOx濃度の測定は、測定用ポンプセル41が作動することによって可能となる。
測定用ポンプセル41は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる基準電極42と、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって、第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。基準電極42と測定電極44は、いずれも平面視ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極である。なお、基準電極42の周囲には、多孔質アルミナからなり、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられてなる。測定電極44は、被測定ガス成分たるNOxを還元し得る金属と、ジルコニアからなる多孔質サーメットにて構成される。これによって、測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。
さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。第4拡散律速部45は、アルミナを主成分とする多孔質体によって構成される膜であり、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担う。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44と基準電極42との間に、直流電源46を通じて一定電圧であるポンプ電圧Vp2が印加されることによって、NOxを還元し、これによって発生した第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間43に汲み出せるようになっている。この測定用ポンプセル41の動作によって流れるポンプ電流Ip2は、電流計47によって検出されるようになっている。
また、第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素分圧が調整された後、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに、補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、ガスセンサ100においては、高精度でのNOx濃度測定が実現される。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全面に設けられた補助ポンプ電極51と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、基準電極42とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
補助ポンプ電極51は、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と基準電極42との間にセンサ素子101外部に備わる直流電源52を通じて一定電圧Vp3を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間43に汲み出せるようになっている。
また、センサ素子101においては、内側ポンプ電極22と基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって電気化学的センサセルである制御用酸素分圧検出センサセル60が構成されている。
制御用酸素分圧検出センサセル60は、第1内部空所20内の雰囲気と基準ガス導入空間43の基準ガス(大気)との間の酸素濃度差に起因して生じる内側ポンプ電極22と基準電極42との間に発生する起電力V1に基づいて、第1内部空所20内の雰囲気中の酸素分圧を検出できるようになっている。検出された酸素分圧は可変電源24をフィードバック制御するために使用される。具体的には、第1内部空所20の雰囲気の酸素分圧が、第2内部空所40において酸素分圧制御が行え得る程度に十分低い所定の値となるように、主ポンプセル21に印加されるポンプ電圧が制御される。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74とを備えている。
ヒータ電極71は、第1基板層1の下面において、基準ガス導入空間43側の素子端部付近に形成されてなる電極である。ヒータ電極71を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、固体電解質層を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101全体を上記固体電解質が活性化する温度に加熱して保温できるようになっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2および第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性、つまり、センサ素子101の各電極とヒータ72との電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
また、センサ素子101においては、コネクタ電極80が、第2固体電解質層6の上面において、基準ガス導入空間43側の素子端部付近に形成されている。
コネクタ電極80は、上述のセンサ素子101の各電極(内側ポンプ電極22、外側ポンプ電極23、基準電極42、測定電極44および補助ポンプ電極51)と接続されており(接続については図示省略)、これらの各電極間に印加する電圧や各電極を流れる電流の検出は、コネクタ電極80を通じてセンサ素子101外部より制御される。
すなわち、ガスセンサ100を使用するにあたって、ポンプ電圧Vp1、Vp2およびVp3やポンプ電流Ip1の制御、また、起電力V1の検出やポンプ電流Ip2の検出の制御は、コネクタ電極80を通じてセンサ素子101外部より行われることとなる。
また、センサ素子101を用いてガスセンサ100を製造するにあたっては、コネクタ電極80(あるいは、コネクタ電極80およびヒータ電極71)には、センサ素子101の外部とコネクタ電極80(あるいは、コネクタ電極80およびヒータ電極71)とを接続するためのコネクタ部品が接触する態様にて接続されることとなる。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。従って、NOxの還元によって発生する酸素が汲み出されることによって測定用ポンプセル41を流れるポンプ電流Ip2は、還元されるNOx濃度に比例することになる。これに基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
<センサ素子の寸法>
次に、センサ素子101の主要な部分の寸法について、図2および図3を参照しつつ説明する。図2は、図1と同方向から見たセンサ素子101の側面(素子面101A)図である。
図2において、長さL1は、センサ素子101の長手方向の長さである。係るセンサ素子101において長さL1は67.0±5.0mmである。
また、長さL2は、センサ素子101の厚さである。センサ素子101の厚さは、図1における第1基板層1の下面から第2固体電解質層6の上面に至る距離を表す。係るセンサ素子101において長さL2は1.4±1.0mmである。
また、係る実施の形態においては、センサ素子101の曲がりの程度を評価する際に(詳細は後述する)、センサ素子101の構造、および、センサ素子101を用いてガスセンサ100を製造するときに用いる部品とセンサ素子101との接触箇所を考慮して、センサ素子101を長手方向(長さL1)に、第1区間In1と、第2区間In2と、第3区間In3との3つの区間に分けて考えている。
第1区間In1は、センサ素子101を用いてガスセンサ100を製造する際に用いられる、センサ素子101をガスセンサ100の所定の位置に固定するための部品(封止固定するためのガス封止材)、あるいは、センサ素子101を外部と電気的に接続するための部品(コネクタ電極80やヒータ電極71とセンサ素子101外部とを接続するコネクタ部品)が、センサ素子101表面において接触する箇所を含む区間である。係るセンサ素子101において第1区間In1は、センサ素子101のガス導入口10側の端部からコネクタ電極80側の端部へ長手方向に20mmの位置から、センサ素子101のコネクタ電極80側の端部までの長手方向の区間である。
第2区間In2は、上述したガス流通部(ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位)を含む区間であって、また、ガスセンサ100を製造するうえで他の部品との接触のない区間である。係るセンサ素子101において第2区間In2は、センサ素子101のガス導入口10側の端部からコネクタ電極80側の端部へ長手方向に20mmの区間である。
第3区間In3は、第1区間In1において、特に、コネクタ部品との接触がある区間である。すなわち、第3区間In3は、コネクタ電極80(および、ヒータ電極71)を含む区間でもある。係るセンサ素子101において第3区間In3は、センサ素子101のコネクタ電極80側の端部からガス導入口10側の端部へ長手方向に10mmの区間である。
図3は、図2を第2固体電解質層6側から見た平面(素子面101B)図である。なお、上述した長さL1、L2および第1区間In1、第2区間In2、第3区間In3は、図2と図3とにおいて同様のものを示す。
長さL3は、図3に示すように、センサ素子101の幅である。幅は、センサ素子101を第1基板層1上方からみたときの短手方向の長さを表す。係るセンサ素子101において長さL3は4.2±0.5mmである。
また、図3において、領域Aはガス流通部を含む領域であり、ガス流通部のおおよその位置を示す。なお、図3においてはコネクタ電極80を図示しており、また、第1基板層1の下面においてコネクタ電極80と対応する位置にはヒータ電極71が形成されている。
<変位測定装置>
次に、センサ素子101の素子面101B表面の変位を測定する変位測定装置200について説明する。なお、ここでは、変位測定装置200がレーザ式の変位計である場合を例として説明する。
図4は、変位測定装置200の構成を概略的に示す図である。変位測定装置200は、素子面101Bとヘッド部210との距離を測定するものであり、主として、ヘッド部210と、測定用光源220と、水平駆動機構(図示省略)とを備えている。
ヘッド部210は、測定用光源220より発せられた変位測定用の光を投光、および、受光可能に構成されている。
変位測定にあたっては、ヘッド部210は、測定用光源220より与えられる測定用の光を素子面101Bに照射するとともに、その測定用の光の素子面101Bからの反射光を受光する。ヘッド部210が受光した反射光に基づいて、ヘッド部210からの素子面101B表面への距離が導出される。
なお、図4には、素子面101Bへ照射された光をILとして示し、反射されヘッド部210に受光される光をRLとして示している。
また、測定用光源220とヘッド部210とは一体的に構成され、図示しない水平駆動機構に接続されている。この水平駆動機構は、センサ素子101の長手方向に平行な方向である図中の方向D1に、ヘッド部210(および測定用光源220)を水平移動させることができる。
以上のような構成の変位測定装置200を用いて、ヘッド部210から素子面101Bへの距離をセンサ素子101の長手方向に沿って測定することができる。得られた測定結果、すなわち、ヘッド部210と素子面101B表面との距離の素子長手方向の変化から、素子面101B表面の変位がわかることとなる。
図5は、ヘッド部210と素子面101Bとの距離を変位測定装置200で測定した結果の一例を示す図である。図5においては、変位測定装置200によって、ヘッド部210と素子面101Bとの距離をセンサ素子101の長手方向に20μm間隔で測定し、その結果をプロットしてある。縦軸はヘッド部210から素子面101Bへの距離を示し、横軸はセンサ素子101の長手方向に沿った位置を示す。横軸の0mmはガス導入口10側の素子端部を示し、横軸の値が大きいほど基準ガス導入空間43側の素子端部に近い位置を示す(図1参照)。
図5において、センサ素子101の厚み方向に変位が見られるが、このような変位は、センサ素子101を構成する固体電解質とその他の部位との焼成時の収縮差により生じたものである。
<曲がり量の算出方法>
次に、センサ素子101の厚さ方向の曲がりの程度を表す量(以下、単に曲がり量とも称する)を算出する方法について説明する。
まず、「曲がり量」の定義は、以下の通りである。
定義(a): 「曲がり量」とは、
1) 対象区間における前記センサ素子の長手方向の位置をX、センサ素子表面の厚さ方向の変位をYとしてXとYとの関係を測定し、
2) これらXおよびYを2変数としたX−Y平面上に前記測定したデータ点をプロットした散布図から最小二乗法により回帰直線を算出し、
3) 前記X−Y平面上での前記回帰直線の上側および下側のそれぞれの領域において、前記対象区間で前記回帰直線からの距離が最大となるデータ点を上側最大変位点および下側最大変位点としたとき、
4) 前記回帰直線から前記上側最大変位点および前記下側最大変位点までのそれぞれの距離の和の値を、「曲がり量」とする。
本実施の形態において、曲がり量は、第1区間In1、第2区間In2および第3区間In3の各区間においてそれぞれ算出される。
第1区間In1は、センサ素子101をガスセンサ100の所定の位置に固定するための部品(ガス封止材)、あるいは、センサ素子101を外部と電気的に接続するための部品(コネクタ部品)が、センサ素子101表面において接触する箇所が含まれる区間であるため、この区間の曲がり量が所定以上であると、ガスセンサ100を組み立てる際に部品と素子との接触による曲げ応力などを生じるおそれがある。
また、第2区間In2は、ガス流通部(ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位)を含む区間であるため、このような空間構造に依存した曲がりが生じるおそれがある。
第3区間In3は、第1区間In1において、特に、コネクタ部品との接触がある区間であるため、所定以上の曲がり量であると、応力が発生し折損するなどの不具合を生じるおそれがある。
従って、第1区間In1、第2区間In2および第3区間In3のそれぞれにおいて曲がり量を算出し、ガスセンサ100を組み立てる上で、算出された曲がり量を適切な範囲のものとする必要がある。
図6は、第1区間In1、第2区間In2および第3区間In3のそれぞれの曲がり量の算出方法を説明するための図である。図6においてプロットしてあるデータ点は図5のものと同様のものである。
以下、それぞれの区間における曲がり量の算出方法について説明する。第1区間In1においては、まず、該区間におけるデータ点に対して最小二乗法を用いて回帰直線LS1を算出する。続いて、該回帰直線LS1によって分割される2つの領域のうち、図面視で回帰直線LS1の上側の領域において、回帰直線LS1からの距離が最大となるデータ点(上側最大変位点)と該回帰直線LS1との距離をM1とし、下側の領域において、回帰直線LS1からの距離が最大となるデータ点(下側最大変位点)と該回帰直線LS1との距離を距離m1とする。これらの距離M1およびm1の和を用いて、第1区間In1における曲がり量(第1区間の曲がり量)B1を、
B1=M1+m1
として算出する。
第2区間In2においても、第1区間In1での曲がり量B1の算出と同様に、まず、第2区間In2におけるデータ点に対して最小二乗法を用いて回帰直線LS2を算出する。続いて、該回帰直線LS2によって分割される2つの領域のうち、図面視で回帰直線LS2の上側の領域において、回帰直線LS2からの距離が最大となるデータ点(上側最大変位点)と該回帰直線LS2との距離をM2とし、下側の領域において、回帰直線LS2からの距離が最大となるデータ点(下側最大変位点)と該回帰直線LS2との距離を距離m2とする。これらの距離M2およびm2の和を用いて、第2区間In2における曲がり量(第2区間の曲がり量)B2を、
B2=M2+m2
として算出する。
第3区間In3においても、第1区間In1および第2区間In2での曲がり量の算出と同様に、まず、第3区間In3におけるデータ点に対して最小二乗法を用いて回帰直線LS3を算出する。続いて、該回帰直線LS3によって分割される2つの領域のうち、図面視で回帰直線LS3の上側の領域において、回帰直線LS3からの距離が最大となるデータ点(上側最大変位点)と該回帰直線LS3との距離をM3とし、下側の領域において、回帰直線LS3からの距離が最大となるデータ点(下側最大変位点)と該回帰直線LS3との距離を距離m3とする。これらの距離M3およびm3の和を用いて、第3区間In3における曲がり量(第3区間の曲がり量)B3を、
B3=M3+m3
として算出する。
第1区間の曲がり量B1、第2区間の曲がり量B2および第3区間の曲がり量B3はそれぞれ、ガスセンサ100を製造する際に、それらの区間において必要な部品との接触や接続が良好になされるように、また、他の部品との干渉が生じないように、(すなわち、組み立て精度が落ちないように)好適な範囲とする必要がある。係るガスセンサ100においてこのような範囲は、第1区間の曲がり量B1は0.6mm以下、第2区間の曲がり量B2は1.05mm以下、第3区間の曲がり量B3は0.24mm以下である。
<曲がり量と落下強度との関係>
次に、センサ素子101の第1区間の曲がり量と強度との関係について説明する。係る実施の形態においては、センサ素子101の第1区間の曲がり量と落下強度との関係を、以下に説明する試験で評価する。
まず、センサ素子101において、上述した方法で、第1区間の曲がり量を算出する。続いて、曲がり量B1を算出したセンサ素子101を用いて、ガスセンサ100を製造する。ガスセンサ100は、センサ素子101に対して、ガスセンサ100におけるセンサ素子101のガス封止材による固定や、コネクタ電極80(およびヒータ電極71)とコネクタ部品との接続、さらにケーシングなどが行われることにより、製造される。
次に、曲がり量B1が既知であるこのガスセンサ100を所定の高さより落下させ、ガスセンサ100(およびセンサ素子101)に衝撃を与える。
続いて、落下させた後のガスセンサ100において、センサ素子101の状態を評価する。具体的には、センサ素子101が折損していたり、センサとしての測定精度が著しく低下するような亀裂や破損が生じているかどうかの判定を行う。
このような判定を、種々の曲がり量B1をもつセンサ素子101を有するガスセンサ100に対し、種々の高さから落下させて行う。センサ素子101が折損したり、亀裂や破損が生じたときの落下高さが高いものほど、落下強度が大きいセンサ素子101であるといえる。
図7は、上述の試験によって得られた結果を示しており、センサ素子101の第1区間の曲がり量B1と落下強度との関係である曲線C1を示す図である。図7において、横軸はセンサ素子101の曲がり量B1を示す。
また、図7において横軸に示す、正方向曲がり量と負方向曲がり量とは、第1区間の曲がり量B1の値は同じであっても、実際のセンサ素子101においては、曲がり方に向きがあるのでそれを区別するためのものである。この区別は、厚さ方向の曲がりの向き(電極のある側の曲がりか、あるいは電極の内側の曲がりかの違い)によるものである。なお、曲線C1は、縦軸に対しておよそ左右対称になることが発明者によって確認されている。
また、図7において、縦軸は、センサ素子101が折損していたり、センサとしての測定精度が著しく低下するような亀裂や破損が生じたときの、ガスセンサ100を落下させた高さ(複数のガスセンサ100についての高さの平均値)を示す。ガスセンサ100に亀裂や破損が生じたときに落下させた位置の高さが高いほど、センサ素子101の落下強度は強いといえ、縦軸のより上方がより落下強度が大きいことを示す。
図7の曲線C1は、第1区間の曲がり量B1が小さくなるほどセンサ素子の強度は大きくなる傾向がことを示す。これは、曲がり量B1が大きくなるほど、落下等によりガスセンサ100(およびセンサ素子101)に衝撃が加わる際に、該衝撃がセンサ素子101の一点に集中しやすくなるためであると思われる。
また、一方で、曲線C1は、第1区間の曲がり量B1の値が100μm〜50μmのときに落下強度が極大となった後、50μm〜0μmの範囲付近においては曲がり量B1が小さくなると落下強度が小さくなる傾向を示す。
このことは、センサ素子が真っ直ぐであると組み立て部品とセンサ素子101とがほぼ垂直に衝突し、少しの曲がり量であれば角度がついて衝撃が分散されるためであると推測される。従って、極大値付近の50μm〜100μm程度の第1区間の曲がり量B1を有するセンサ素子101が、第1区間の曲がり量B1が0μmに近いセンサ素子101より大きな強度を有するものと思われる。
従って、高い強度を得るためには、センサ素子101の長手方向の長さ(67.0±5.0mm)に対して好適な第1区間の曲がり量B1の比率は、1360分の1以上670分の1以下である。さらに、センサ素子101の厚さ(1.4±1.0mm)に対して好適な第1区間の曲がり量B1の比率は72分の5以上146分の5以下である。
以上から、係るガスセンサ100においては、上述したように、第1区間曲がり量B1は0.60mm以下(センサ素子101の長手方向の長さに対して335分の3以下)、第2区間曲がり量B2は1.05mm以下(センサ素子101の長手方向の長さに対して1340分の21以下)、第3区間曲がり量B3は0.24mm以下(センサ素子101の長手方向の長さに対して1675分の6以下)の範囲とし、さらに、第1区間の曲がり量B1を50μ〜100μmの範囲とすることで、ガスセンサ100の組み立てを精度よく行うことができ、かつ、衝撃に強いガスセンサ100を製造することができる。
<曲がり量の制御>
次に、上述したような好適な範囲の曲がり量を実現するために、焼成収縮の際に生じるセンサ素子101の変形を制御する方法について説明する。
一つには、センサ素子101を構成する部材(例えば、基準電極42や測定電極44等の電極や、固体電解質の各層1〜6)の寸法や材質を考慮して、センサ素子101各部の焼成収縮の調整することによって、焼成収縮によってセンサ素子101に生じる曲がりやねじれを制御し低減することができる。
また、さらに、焼成前のセンサ素子101の表面を押圧しつつ焼成することによって、焼成収縮によるセンサ素子101の変形を低減することが可能である。本実施の形態においては、焼成前のセンサ素子101が平面上に載置された状態で、そのセンサ素子101の表面(焼成時に上面とする面の表面)上の複数の位置にそれぞれ、所定の質量を持つ長尺棒材W(以下、荷重棒Wと称する)を載置して焼成することで、センサ素子101の変形を制御し抑制するようにしている。なお、押圧を行う方法は、荷重棒Wの載置に限られるものではなく、既述したような好適な数値範囲の曲がり量が得られるように、焼成前のセンサ素子101を押圧する位置と、その押圧力の大きさとを実験的に特定することができる。
図8は、焼成前のセンサ素子101への荷重棒Wの載置方法を例示する図である。図8においては、複数の焼成前のセンサ素子101の素子面101B上の所定の位置に、荷重棒Wの長手方向とセンサ素子101の長手方向が垂直となるように、所定の間隔をおいて複数の荷重棒Wが載置される様子を例示するものである。なお、図8は荷重棒Wの載置方法の一例を示すものであって、載置方法はこれに限られるものではない。焼成前のセンサ素子101の所望の位置に所望の力を作用させることができるように、荷重棒Wの載置位置および載置方向は適宜に調整されてよい。
荷重棒Wを載置する位置は、特に、第1内部空所20や第2内部空所40を含む第2空間In2、スルーホール73やコネクタ電極80を含む第3区間In3、各電極が形成されている部分に、所定の力を作用させられるように載置されるのが好適である。すなわち、センサ素子101において固体電解質ではない部分は、固体電解質との収縮の差が起きやすい部分、つまり、素子の変形が大きくなりやすい部分であるので、この部分に荷重棒Wを載置することが好ましい。
また、上述したように、センサ素子101を用いてガスセンサ100を製造する際に用いられる、センサ素子101をガスセンサ100の所定の位置に固定するための部品(ガス封止材)、あるいは、センサ素子101を外部と電気的に接続するための部品(コネクタ部品)が、センサ素子101表面において接触する箇所がある。センサ素子101において、上記のような封止材やコネクタ部品との接触箇所の変形が大きいと、ガスセンサ100を組み立てる際に、接触箇所で部品とセンサ素子101との間に隙間が生じたり、接触箇所のある点に力が集中してかかってしまうといったおそれがある。したがって、このような接触箇所に荷重棒Wを載置することで、焼成収縮によるセンサ素子101の変形を抑制することができ、ひいてはガスセンサ100の組み立て精度を向上させることとなる。
<変形例>
荷重棒Wの載置方法としては、上述した態様以外に、例えば、焼成前のセンサ素子101の全面に均一な力が作用するように、センサ素子101全面を覆うように各素子の上に荷重棒Wを載置してもよい。このような載置方法を用いて焼成前のセンサ素子101の焼成を行った場合、焼成前のセンサ素子101全体に力を作用させることが可能であるので、素子全体の変形を抑制することができる。
ガスセンサ100の構成を概略的に示す断面模式図である。 センサ素子101の主要な部分の寸法を示すためのセンサ素子101の側面図である。 センサ素子101の主要な部分の寸法を示すためのセンサ素子101の平面図である。 変位測定装置200の構成を概略的に示す模式図である。 素子面101Bとヘッド部210との距離を変位測定装置200で測定した結果の例を示す図である。 第1、第2および第3区間の曲がり量の算出方法を説明するための図である。 第1区間の曲がり量と落下強度との関係を示す図である。 荷重棒Wの載置方法の一例を示す模式図である。
符号の説明
12 緩衝空間
20 第1内部空所
40 第2内部空所
71 ヒータ電極
73 スルーホール
80 コネクタ電極
100 ガスセンサ
101 センサ素子
101B 素子面
200 変位測定装置
In1 第1区間
In2 第2区間
In3 第3区間
L1 センサ素子101の長手方向の長さ
L2 センサ素子101の厚さ
L3 センサ素子101の幅
W 荷重棒

Claims (7)

  1. 被測定ガス中の所定ガス成分を検出する長尺の板状体形状のセンサ素子であって、
    前記センサ素子外部の空間から前記センサ素子内に被測定ガスを取り込むためのガス導入口が前記センサ素子の長手方向の一端部に設けられてなり、
    前記センサ素子の厚さ方向における曲がりの程度を表すパラメータである曲がり量を、以下の定義(a)によって規定したとき、
    前記センサ素子の長手方向について、前記一端部から前記センサ素子の長さの27分の8の位置から、センサ素子他端部に至る区間を第1区間として、前記第1区間の曲がり量が、センサ素子の長手方向の長さに対して1360分の1以上670分の1以下であることを特徴とするセンサ素子。
    定義(a): 対象区間における前記センサ素子の長手方向の位置をX、前記センサ素子表面の前記厚さ方向の変位をYとしてXとYとの関係を測定し、これらXおよびYを2変数としたX−Y平面上に前記測定したデータ点をプロットした散布図から最小二乗法により回帰直線を算出し、前記X−Y平面上での前記回帰直線の上側および下側のそれぞれの領域において、前記対象区間で前記回帰直線からの距離が最大となるデータ点を上側最大変位点および下側最大変位点としたとき、前記回帰直線から前記上側最大変位点および前記下側最大変位点までのそれぞれの距離の和の値。
  2. 請求項1に記載のセンサ素子において、
    前記第1区間の曲がり量が前記センサ素子の厚さに対して72分の5以上146分の5以下であることを特徴とするセンサ素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンサ素子において、
    前記センサ素子の長手方向について、前記一端部から前記センサ素子の長さの27分の8の位置に至る区間を第2区間とし、
    前記センサ素子の長手方向について、前記他端部から前記センサ素子一端部の向きに前記センサ素子の長さの27分の4の位置に至る区間を第3区間としたときに、
    前記第2区間を対象区間としたセンサ素子の曲がりの程度を表すパラメータである第2区間の曲がり量が、定義(a)に従って規定したときに、センサ素子の長手方向の長さに対して1340分の21以下であり、
    前記第3区間を対象区間としたセンサ素子の曲がり量程度を表すパラメータである第3区間の曲がり量が、定義(a)に従って規定したときに、センサ素子の長手方向の長さに対して1675分の6以下であることを特徴とするセンサ素子。
  4. 請求項1または請求項2に記載のセンサ素子において、
    前記第1区間の曲がり量は、前記センサ素子の製造に際してなされる焼成が該焼成前のセンサ素子の表面を加圧した状態で行われることにより、制御されることを特徴とするセンサ素子。
  5. 請求項3に記載のセンサ素子において、
    前記第2区間の曲がり量および第3区間の曲がり量は、前記センサ素子の製造に際してなされる焼成が該焼成前のセンサ素子の表面を加圧した状態で行われることにより、制御されることを特徴とするセンサ素子。
  6. 請求項4または請求項5に記載のセンサ素子において、
    前記押圧力は、前記焼成前のセンサ素子の表面上に所定の質量の部材を載置することにより付与されることを特徴とするセンサ素子。
  7. 前記所定ガス成分が窒素酸化物ガスであり、ジルコニアを主成分として構成される請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のセンサ素子、を用いて製造されるガスセンサ。
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