JP4272962B2 - セラミック構造体およびその製造方法、並びにガスセンサ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の排ガス中の酸素濃度を検出するための酸素センサ素子に代表されるガスセンサ素子などの用途に使用される構造部品として好適なセラミック構造体および該セラミック構造体の製造方法、並びにガスセンサ素子に関する。
一般に、板型形状を有する自動車用酸素センサ等に用いられるセラミック構造体は、ドクターブレード法、押し出し成形法、カレンダー法等の公知の技術により成形されたセラミックグリーンシートを積層して、所定の形状を有する積層体を作製した後、所定の熱処理工程を経て得られる。
上記セラミックグリーンシートの表面には、必要に応じて、スクリーン印刷法により導体ペーストが印刷され、回路配線や電極等が形成される。また、前記積層体は、同様のセラミックグリーンシートを、通常2層以上積層し形成される場合が一般的である。グリーンシートの積層手法としては、特許文献1等に記載の熱圧着法や、セラミック粉末と有機バインダからなる接着液等をグリーンシートに塗布した後、加圧接着する接着材法が知られている。
ところで、自動車用酸素センサ等に使用される構造部品としては、例えば内部空間を有するセラミック構造体が用いられている。図11は、このセラミック構造体を用いた自動車用酸素センサ素子の一例を示す断面図である。図11に示すように、この酸素センサ素子は、固体電解質からなり両面に一対の電極80,80を印刷形成したグリーンシート81と、内部空間82を形成するための貫通部が形成されたグリーンシート83と、絶縁性グリーンシート84の内部に発熱体85が配置されたヒータ基板とを積層一体化し、焼成することによって得られる(例えば、特許文献2参照)。
この酸素センサ素子では、一対の電極80,80間に電圧を印加した際に、固体電解質を通じて酸素イオンが一方の電極から他方の電極へ流れる。この酸素イオンが流れる速度、すなわち電流値が酸素濃度に依存することを利用して、被測定雰囲気中の酸素濃度を測定することができる。
ところが、上記のような酸素センサ素子には、基準ガスの通路として内部空間82が形成されているため、セラミック構造体の強度が低くなり、場合によってはクラックや破壊が生じることもある。また、酸素濃度を測定する際には、酸素イオンの導電性を高めるために発熱体85を備えたヒータ基板により固体電解質を400〜1000℃程度の高温に加熱する必要があるが、内部空間82が形成されているため、セラミック構造体の熱伝導性が低下し、十分な急速加熱ができないという問題がある。
特開2001−126852号公報 特開2002−236104号公報
本発明の課題は、優れた強度および熱伝導性を有するセラミック構造体およびその製造方法、並びにガスセンサ素子を提供することである。
上記課題を解決するための本発明のセラミック構造体およびその製造方法、並びにガスセンサ素子は、以下の構成からなる。
(1) 複数のセラミック層を積層した積層体からなり、この積層体の内部に内部空間を備えたセラミック構造体であって、前記内部空間の内壁面が平滑であるとともに、前記内部空間の垂直断面の幅が前記積層体の上部から下部に向かって減少していることを特徴とするセラミック構造体。
(2) 前記垂直断面における前記内部空間の形状が三角形または台形である(1)記載のセラミック構造体。
(3) 前記台形の下部側にある2つの内角θ1,θ2が、同一または異なって、90°を超え175°以下の範囲にある(2)記載のセラミック構造体。
(4) 第1のセラミックグリーンシート上に、貫通部が形成された第2のセラミックグリーンシートを少なくとも1層積層して、上面に凹部を有する積層体を形成する工程と、少なくとも先端部分の幅が上部から下部に向かって減少しかつ表面が平滑な凸部を有する具を前記凹部に圧入して、前記凹部の幅を前記積層体の上部から下部に向かって減少させるとともに、前記凹部の内壁面を平滑処理する工程と、前記凹部の上部開口を塞ぐように前記積層体上に第3のセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
(5) 前記具における凸部の高さが前記凹部の深さに応じて調節可能である(4)記載のセラミック構造体の製造方法。
(6) 単一のセラミックグリーンシートの表面または複数のセラミックグリーンシートの積層体の表面に対し、加工刃の回転数Xを800rpm≦X≦3000rpmとし、かつ前記加工刃の直線運行速度Yを1cm/分≦Y≦10cm/分として前記加工刃を回転運動させながら直線運動させる切削加工を施して、幅が上部から下部に向かって減少する凹部を形成する工程と、この凹部の上部開口を塞ぐように、単一の前記セラミックグリーンシート上または前記積層体上にセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
(7) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載のセラミック構造体と、このセラミック構造体の下面に取り付けられたヒータとを備え、少なくとも前記セラミック構造体における前記内部空間の上部に面するセラミック層が固体電解質層であり、この固体電解質層の上面には測定電極が形成され、前記固体電解質層の下面には基準電極が形成されているガスセンサ素子。
前記(1)記載のセラミック構造体によれば、内部空間の幅が積層体の上部から下部に向かって減少しているので、従来のセラミック構造体が有する略直方体形状の内部空間と比較して、内部空間の上部を形成するセラミック層の下面の面積が従来と同じであっても、内部空間全体の容積を小さくすることができる。これにより、セラミック構造体の強度および熱伝導性を向上させることができる。したがって、このセラミック構造体を、例えば酸素センサ素子などのガスセンサ素子の構造部品として用いる場合であっても、基準電極の面積を変えることなく、ガスセンサ素子の強度と熱伝導性を向上させることができる。
また、記内部空間の内壁面が平滑であることから、内部空間の内壁面における熱伝導が均一となるので、該内壁面に不均一な応力集中が生じるのを抑制することができる。これにより、セラミック構造体の熱に対する耐久性を向上させることができる。したがって、セラミック構造体を高温に加熱しても、クラックや破壊が生じるのを防止することができる。
前記(2)記載のようにセラミック構造体における内部空間の垂直断面形状は三角形または台形であるのが好ましい。このように内部空間の垂直断面形状を三角形または台形のような単純な形状とすることで、垂直断面の幅が上部から下部に向かって減少する内部空間を容易に形成することができる。
また、前記(3)記載のように、前記台形の下部側にある内角θ1,θ2が上記範囲にあることにより、セラミック構造体の強度と熱伝導性を向上させることができるとともに、セラミック構造体を例えばガスセンサ素子として用いる場合であっても、内部空間の容積が過度に小さくなるのを防止することができるので、基準ガスの通路としての内部空間の機能が損なわれない。
前記(4)記載のセラミック構造体の製造方法によれば、上記した具を用いて、凹部の幅を積層体の上部から下部に向かって減少させるとともに、凹部の内壁面を平滑処理するので、内部空間の内壁面の平滑性が優れたセラミック構造体を容易に得ることができる。しかも、具が凸形状であるので、平滑処理した後、具を凹部から抜き取る際に、凹部の内壁面と具との間にほとんど摩擦が生じない。これにより、凹部の内壁面(側面および底面)や、凹部の側面と底面が交わる角部にかかる応力を低減することができるので、凹部の内壁面や角部にクラックが生じるのを防止することができる。
前記(5)記載のセラミック構造体の製造方法によれば、具における凸部の高さを凹部の深さに応じて調節可能であるので、セラミックグリーンシートの厚みばらつきなどにより凹部の深さが変動した場合であっても、平滑処理工程において凹部の深さに応じて凸部を最適な高さに合わせることができる。これにより、具の凸部を凹部に常に適合させることができる。
本発明のセラミック構造体は、前記(6)記載のような方法により製造することもできる。この場合、加工刃の回転数Xを前記(6)記載の範囲にすることにより、加工刃がセラミックグリーンシートに与える衝撃を低減させることができるので、凹部のエッジにチッピングが発生するのを防止することができるとともに、凹部の内壁面に高い平滑性を付与することができる。また、加工刃の直線運行速度Yを前記(6)記載の範囲にすることにより、凹部のエッジに切屑が付着あるいは接着したりチッピングが生じたりするなどの不具合が発生するのを防止することができる。
前記(7)記載のガスセンサ素子は、上記のようなセラミック構造体を用いているので、優れた強度および熱伝導性を備えているとともに、クラックや破壊が生じにくく信頼性に優れている。
以下、本発明のセラミック構造体およびその製造方法並びにガスセンサについて、図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態にかかるセラミック構造体を示す斜視図であり、図1(b)はそのA−A線断面図である。
図1(a),(b)に示すように、本発明のセラミック構造体1は、複数のセラミック層11,12,13,14,15を積層した積層体19からなり、この積層体19の内部に内部空間16を備えている。この内部空間16の垂直断面の形状は、相対する2辺が積層体19の上面と略平行でかつ前記2辺のうち長辺が上部に位置する台形である。これにより、前記断面における内部空間16の幅が積層体19の上部から下部に向かって減少している。
このように、本発明では、内部空間16の幅が積層体19の上部から下部に向かって減少していることが重要である。したがって、前記台形の下部側にある2つの内角θ1,θ2は、90°を超え175°以下、好ましくは95°〜125°、より好ましくは105°〜115°の範囲にあるのがよい。また、内角θ1,θ2は同一角度であってもよく、異なっていてもよい。
これにより、内部空間16の容積を小さくして、セラミック構造体1の強度および熱伝導性を向上させることができるとともに、セラミック構造体1を例えばガスセンサ素子として用いる場合であっても、内部空間16の容積が過度に小さくなるのを防止することができるので、内部空間16が基準ガスの通路としての機能を損なうことがない。また、内部空間16の角部(内角θ1,θ2の付近)に、応力集中によるクラックが発生しにくくなる。
また、内部空間16の内壁面は平滑にする。具体的には、内壁面の凹凸の最大幅Rmaxが60μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは20μm以下であるのがよい。このように内部空間16における内壁面が高い平滑性を有していることにより、内部空間16の内壁面における熱伝導が均一となるので、該内壁面に不均一な応力集中が生じるのを抑制することができる。凹凸の最大幅Rmaxは、例えば図1(b)に示す垂直断面でセラミック構造体1を切断し、内部空間16を形成する線分(図1(b)の場合、台形を形成する辺)の凹凸を、表面粗さ計により測定し、最も高い箇所と最も低い箇所の差を算出することにより得られる。
一方で、凹凸の最大幅が60μmを超えると、表面変形に起因した熱伝導の不均一性が、急速昇温、冷却時に応力の不均一な集積部を発生させ、結果として、セラミック構造体1にクラックや破壊等の重大な不具合が生じ、信頼性の低下を引き起こすおそれがある。このように内部空間16の内壁面における凹凸の最大幅を上記範囲に低減することによって、この内部空間16に対して局所的または全体的に非定常的な加熱環境下に曝された場合、特に500℃以上に加熱された場合においても、応力を分散させ、耐久性を高めることができる。
以下、本実施形態にかかるセラミック構造体1の製造方法について説明する。
<第1の製造方法>
図2は、セラミック構造体1の第1の製造方法を説明するための分解斜視図である。第1の製造方法では、まず、セラミック粉末と有機バインダとを混合し、さらに補助的な材料として可塑剤、消泡剤、分散剤などを有機溶媒とともに混合することにより有機−無機混合体を作製し、この混合体をドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法、押し出し成形法などによって厚さ2〜2000μm、特に100〜600μmにシート化する。ついで、貫通部16aを金型打ち抜き加工により形成し、コ字形のセラミックグリーンシート12a〜14aを得る。グリーンシート12a〜14aの各貫通部16aの幅は、グリーンシート12aが最も大きく、グリーンシート14aが最も小さくなるようにする。
ついで、貫通部16aが設けられていないセラミックグリーンシート11a,15aでセラミックグリーンシート12a〜14aを挟持し積層して積層体19aを作製する。一般に、図2に示すように内部空間が複数層のセラミックグリーンシートから形成されている場合、積層界面で段差が発生し易い。そのため、積層時におけるセラミックグリーンシートのセット位置や金型打ち抜きを精度良く行い、これらのばらつきを低減することが重要である。
上記の各セラミックグリーンシート11a〜15aを積層する際には、グリーンシートの降伏応力値以上の圧力を加えながら積層することにより、スプリングバック現象によるグリーンシート間での剥離や積層欠陥の発生をより確実に防止することができる。圧力印加手法としては、一軸プレス法、等方加圧法(乾式、湿式法)等の公知の技術を用いることができる。
また、内部空間16の上部の角部17,18は鋭角であることにより応力が集中しやすいので、積層時に過度の圧力が加わると、角部17,18付近にクラック等の不具合が生じる場合がある。このような場合には、セラミックグリーンシート12a〜15aをグリーンシートの降伏応力値以上の圧力を加えながら積層した後で、得られた積層体の上部にセラミックグリーンシート11aを、グリーンシートの降伏応力値未満でかつ剥離が生じない程度の圧力を加えながら積層してもよい。具体的には、セラミックグリーンシート12a〜15aを60〜90℃に加熱し50〜100MPa程度の圧力を加えながら積層した後で、得られた積層体の上部にセラミックグリーンシート11aを室温で0.01〜3MPa程度の圧力を加えながら積層する。これにより、内部空間16の上部の角部17,18付近にクラック等の不具合が発生するのをより確実に防止することができる。
また、セラミックグリーンシート11a〜15a間には、必要に応じて接着材層を設けてもよい。接着材層としては、例えばセラミック粉末と有機バインダと有機溶媒との混合物などが挙げられる。セラミック粉末としては、セラミックグリーンシートで使用したものと同じセラミック粉末を用いるのが好ましい。具体的には、接着材としては、セラミック粉末0〜85体積%と、有機バインダ15〜100体積%からなる固形成分100質量部に、有機溶媒を20〜10000質量部の割合で添加混合してなるスラリーが挙げられる。このスラリーをグリーンシート表面に塗布して積層、接着すればよい。このような接着材層を各セラミックグリーンシート間に介在させることにより、セラミック粒子が焼成時に結合層を形成するため、グリーンシートの接合部に欠陥が発生し難く、安定した積層体19aを形成し易い。
ところで、セラミックグリーンシート11a〜15a間に接着材層を介在させ積層体19aを形成する場合、接着材中の有機溶媒はセラミックグリーンシート中に浸透、拡散する場合が多く、その結果、セラミックグリーンシートが膨潤し軟化することがある。したがって、セラミック構造体1において、積層する各グリーンシートの位置精度が100μm以下、特に50μm以下の厳しい公差を要求する場合は、このグリーンシートの上記軟化は位置精度を劣化させる1つの要因となる。このような場合は、積層シート間にセラミックおよび/または有機バインダもしくは有機溶媒からなる接着材層を介在させることなく積層する。
接着材層を介在させない場合には、例えばセラミックグリーンシートに使用する有機バインダのガラス転移点Tgが−50℃〜0℃、特に−50℃〜−10℃のとき、具体的には例えばアクリル系有機バインダを使用するとき、加圧積層時の温度をTgよりも30℃以上、好ましくは50℃以上付与しつつ、加圧圧力を降伏応力値以上の圧力とするのがよい。これにより、積層するセラミックグリーンシート中の有機バインダが積層界面において互いに移動するので、積層欠陥のないセラミックグリーンシートの積層体19aをより確実に得ることができる。
一方、セラミックグリーンシートに使用する有機バインダのガラス転移点Tgが0℃以上、例えばポリビニルブチラール等のようにTg>50℃以上の場合でも、可塑剤を使用する場合は、有機バインダのガラス転移点Tg以上の温度、好ましくはTgよりも50℃以上、より好ましくは90℃以上の温度を付与しつつ、降伏応力値以上の圧力を加えることで、積層するセラミックグリーンシート中の可塑剤が、セラミックグリーンシート表層に滲出し、セラミックグリーンシート表層のバインダを再溶解させ、その結果、積層欠陥なくセラミックグリーンシート積層体19aが得られる。そして、得られた積層体19aを800〜1600℃程度で焼成することにより、垂直断面の幅が積層体19の上部から下部に向かって減少している内部空間16を有するセラミック構造体1を得ることができる。
なお、セラミックグリーンシート11aおよび/またはセラミックグリーンシート15aを二層以上の積層体によって形成する場合には、予め、グリーンシート11aおよび/またはセラミックグリーンシート15aを積層処理してそれぞれ作製した後に、上記貫通部16aを形成したセラミックグリーンシート12a〜14aと積層することによって、シート間の剥離を確実に防止することができる。
一般に、金型等によりセラミックグリーンシートを開孔すると、金型打ち抜き等の切断法は押し切り作用に基づく切断手法であるため、内部空間の内壁面となる開孔壁面が粗面になり易く、さらにバリ等の欠陥を生じ易い。この傾向はグリーンシートの降伏応力値が増大すると顕著になる。一般にセラミックグリーンシートの降伏応力値が増大する場合、ヤング率も向上するからである。このように開孔壁面が粗面になったりバリ等の欠陥が生じる場合には、以下の第2の製造方法を用いるとよい。
<第2の製造方法>
図3(a)〜(d)は、セラミック構造体1の第2の製造方法を示す断面図である。第2の製造方法では、まず、前記した第1の方法と同様にしてセラミックグリーンシート11a〜15aを作製する。ついで、図3(a)に示すように、セラミックグリーンシート15a(第1のセラミックグリーンシート)の表面に、内部空間16を形成するための貫通部16aが形成されたコ字形のセラミックグリーンシート12a〜14a(第2のセラミックグリーンシート)を積層することにより、凹部16a’を有する積層体19a’を形成する。
次に、図3(b)に示すように、幅が上部から下部に向かって減少しかつ表面が平滑な凸部32とこれを支持する上パンチ30とからなる凸型プレス用パンチ(具)31を、凹部16a’に圧入することにより、凹部16a’の幅を所定の寸法で積層体19a’の上部から下部に向かって減少させるとともに、凹部16a’の内壁面を平滑処理する。凸部32の表面は、表面粗さRaが1μm以下、特に0.4μm以下であるのが好ましい。これにより、図3(c)に示すように、凹部16a’の内壁面の幅を上部から下部に向かって減少させるとともに、内壁面を平滑処理することができる。また、凹部16a’の内壁面における凹凸の最大幅Rmaxは、60μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは20μm以下となるように形成されるのがよい。
セラミックグリーンシート12a〜15aは加圧用の臼34および平面を有する下パンチ33で形成される空間内に収容された状態で、凸形プレス用パンチ31により平滑処理されるので、積層体19a’が変形するのを効果的に抑制することができる。ここで、凸部32と凹部16aの公差、および臼34と積層体19a’の公差は、積層体19a’に付与する機能が損なわれない範囲に設定すればよい。特に、スクリーン印刷した発熱体を有するヒータや、スクリーン印刷した電極を有する酸素センサ等に関しては、公差0〜150μm、好ましくは公差0〜100μm、より好ましくは公差0〜50μmであれば、前記印刷体の変形、破断等が生じず、目的の機能が効果的に保護される。
平滑処理前の凹部16aの内壁面に凹凸が存在する場合には、この凹凸が凸部32の表面に沿って塑性変形して平滑な面を形成するに十分な圧力を加えて平滑処理する。この時の圧力もセラミックグリーンシートの降伏応力値以上の圧力を付与することが望ましい。また、この時、50℃〜150℃の温度に加熱しながら加圧してもよい。
次に、凹部16a’の上部開口を塞ぐようにセラミックグリーンシート11a(第3のセラミックグリーンシート)を積層することにより、内部空間16aを備えた積層体19aを形成し(図3(d))、得られた積層体19aを800〜1600℃程度で焼成することにより、垂直断面の幅が積層体19の上部から下部に向かって減少している内部空間16を有するセラミック構造体1を得ることができる。
セラミックグリーンシート11aを積層する際の圧力は、セラミックグリーンシートの降伏応力値以上、降伏応力値の10倍以下であるのがよい。ただし、内部空間16の上部の角部に応力が集中して、この角部付近にクラック等の不具合が生じるおそれがある場合には、セラミックグリーンシート12a〜15aをグリーンシートの降伏応力値以上の圧力を加えながら積層し、セラミックグリーンシート11aを、グリーンシートの降伏応力値未満でかつ剥離が生じない程度の圧力を加えながら積層するのがよい。
また、上記した凸型プレス用パンチ31に代えて、図4に示すように、凸部32’の高さを凹部16aの深さに応じて調節可能な凸型プレス用パンチ31’を用いてもよい。この凸型プレス用パンチ31’では、凸部32’を上パンチ30’に設けられた貫通穴に通して保持することで、凸部32’の高さを変化させることができる。これにより、グリーンシート12a〜15aの厚みのばらつきに対して、凸部32’の高さを適合させることができるように自在に調節することができる。従って、量産時、多数個取りになった際に、加圧処理時に凸部32’の高さが可変することにより、凹部の深さのばらつきを吸収でき、凸部32’と凹部16aを常に適合させることができる結果、内部空間16の内壁面における凹凸の最大幅を量産時においても常に60μm以下に制御することができる。なお、凸部32’の上下動は、サーボシリンダにより動作制御するか、あるいは緩衝材を設けて均圧になるように制御できるようにしてもよい。
<第3の製造方法>
図5(a)〜(c)は、セラミック構造体1の第3の製造方法を示す説明図である。この第3の製造方法では凹部16b’を切削加工によって形成する。まず、図5(a)に示すように、前記した第1の方法と同様にしてセラミックグリーンシート11b〜15bを作製する。ついで、これらのうちセラミックグリーンシート12b〜15bを積層し、前述の加圧積層手法により、予め一体的に積層した積層体19b’を作製する(図5(b))。
次に、得られた積層体19b’の表面を加工刃41で切削加工することにより、凹部16b’を形成する(図5(c))。切削加工による凹部16b’の形成にあたっては、加工刃41が回転且つ直線運動する加工によって行うことが望ましい。特に、予め加工刃41の運行内容をプログラミングにより制御可能な加工機器(例えば、NCドリル、NCボール盤、マシニング機器等)に接続した加工刃41により切削することが望ましい。中でも、NCドリルを用いて加工することが望ましい。このような手法で得られた凹部16b’の内壁面は、表面の平滑性が切削加工精度のみで定めることができるために、平滑性を容易に制御することができる。
また、上記切削加工では、加工刃41の回転数をXとするとき、800rpm≦X≦3000rpmであれば、凹部16bのエッジが加工刃41によるチッピング等の損傷を受けないので好ましい。特に、表面を平滑にするには1300rpm≦X≦2000rpm、さらには1500rpm≦X≦1800rpmであるのが望ましい。
一方、3000rpm<Xの場合は、回転した加工刃41がグリーンシートに与える衝撃が増大し、凹部16bのエッジにチッピングが多発する不具合が抑制不能となるおそれがある。また、X<800rpmの場合は、加工刃41の回転速度が遅いことに起因し、グリーンシートの切削面が粗面となり易い。また、加工刃41に過剰な剪断応力が発生し、加工刃41が折れる場合がある。
また、加工刃41の直線運行速度をYとすると、1cm/分≦Y≦10cm/分であるとき、凹部16b’のエッジにチッピング、切り屑の接着、付着等の不具合がなく好ましい。さらに凹部16b’の内壁面の平滑性をより向上させるには2cm/分≦Y≦6cm/分、特に3cm/分≦Y≦4cm/分であることが望ましい。
一方、Y<1cm/分では、切削時の切り屑が加工刃41とグリーンシートの間にかみ込み易く、その際に摩擦熱で切り屑が軟化し内壁面に付着する不具合が生じるおそれがある。また、10cm/分<Yでは、前述のように、回転した加工刃41がグリーンシートに与える衝撃が増大し、凹部16b’のエッジにチッピングが多発する不具合が生じるおそれがある。
このようにして幅が所定の寸法で積層体19b’の上部から下部に向かって減少した凹部16b’を形成することができる。
次に、凹部16b’の上部開口を塞ぐようにセラミックグリーンシート11bを積層することにより、内部空間16bを備えた積層体19bを形成する(図5(d))。セラミックグリーンシート11bを積層する際の圧力は、セラミックグリーンシートの降伏応力値以上、降伏応力値の10倍以下であるのがよい。ただし、内部空間16bの上部の角部に応力が集中して、この角部付近にクラック等の不具合が生じるおそれがある場合には、セラミックグリーンシート11bを、グリーンシートの降伏応力値未満でかつ剥離が生じない程度の圧力を加えながら積層するのがよい。そして、上記で得られた積層体19bを800〜1600℃程度で焼成することにより、セラミック構造体1を得ることができる。
図6は、本発明の他の実施形態にかかるセラミック構造体を示す断面図である。このセラミック構造体は、複数のセラミック層11,12’,13’,14’,15を積層した積層体20からなり、この積層体20の内部に内部空間16’を備えている。この内部空間16’の垂直断面の形状は逆三角形である。これにより、前記断面における内部空間16’の幅が積層体20の上部から下部に向かって減少している。
上記のように、本発明のセラミック構造体では、内部空間の形状は特に限定されることはなく、その幅が上部から下部に向かって減少していればよい。また、内部空間は、上記実施形態で示した台形や三角形のように、その幅が必ずしも連続的に減少している必要はなく、一部に幅が変化しない部分があってもよい。
<酸素センサ素子>
以下、本発明の一実施形態にかかる酸素センサ素子(ガスセンサ素子)について説明する。図7は、本実施形態の酸素センサ素子を示す断面図であり、図8は、その分解斜視図である。この酸素センサ素子は、内部に大気導入孔(内部空間)63を有する本発明のセラミック構造体61と、このセラミック構造体61の下面に取り付けられたヒータ部72とを備えている。
セラミック構造体61は、複数のセラミック層を積層した積層体、すなわち大気導入孔63の上部に面する固体電解質層64と、セラミック層65,66とを積層した積層体からなる。固体電解質層64の上面には測定電極62が形成され、固体電解質層64の下面には基準電極67が形成されている。大気導入孔63の垂直断面形状は、相対する平行な2辺のうち長辺が上部に位置する台形である。これにより、前記断面における大気導入孔63の幅は上部から下部に向かって減少している。
測定電極62および基準電極67には電極リード68,69がそれぞれ接続されている。電極リード68は固体電解質層64の表面に形成された引出電極70に接続され、電極リード69は固体電解質層64の厚み方向に形成されたスルーホール(図示せず)を通じて、固体電解質層64の表面に形成された引出電極71に接続されている。
測定電極62、基準電極67、電極リード68,69および引出電極70,71は、焼成後に固体電解質層64となるセラミックグリーンシートにスクリーン印刷などにより電極材料を印刷することによって形成することができる。電極材料としては、例えば白金、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテチウムおよび金からなる群より選ばれる1種との合金などが使用可能である。
ヒータ部72は給電リード73とともに、セラミック層66の下面に配置した絶縁層74,75に挟持され、ヒータ基板76に取り付けられている。給電リード73は、絶縁層75およびヒータ基板76に形成されたスルーホール77を通じて、ヒータ基板76の下面に取り付けられた給電パッド78に電気的に接続されている。
固体電解質層64は固体電解質で形成されている。本発明で使用可能な固体電解質としては、ジルコニアを含有するセラミックスからなり、安定化剤としてY23、Yb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23などの希土類酸化物を酸化物換算で3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2または安定化ZrO2、アルカリ土類元素を固溶させたZrO2などが挙げられる。また、セラミック層65,66およびヒータ基板76の材質としては、固体電解質層64と同様の固体電解質やアルミナ含有材料等の種々のセラミック材料が使用可能である。また、絶縁層74,75は、セラミック層66と、ヒータ基板76上のヒータ部72および給電リード73との間を、電気的に絶縁するためにアルミナ含有材料などの絶縁材料により構成されている。なお、セラミック層66およびヒータ基板76として、例えばアルミナ含有材料等の絶縁材料を用いている場合には、絶縁層74,75は設けなくてもよい。
なお、上記実施形態では、本発明のセラミック構造体を酸素センサに適用した場合について説明したが、本発明のセラミック構造体は酸素センサ素子の他、種々のガスセンサ素子に適用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の手順で、図9,10に示すような構成の酸素センサ素子を作製し、種々の評価を行った。
固体電解質層64の材料としては、5モル%のY23を固溶させたジルコニア(5YSZ)を用いた。また、セラミック層65,66およびヒータ基板76の材料としては、Al23を用いた。
(1)グリーンシートの作製
図9,10に示す酸素センサ素子を製造するにあたり、ジルコニア粉末に、所定量の有機バインダ、さらに2重量部のジブチルフタレートおよび2重量部のジオクチルフタレートを添加し、70〜110重量部のトルエンを添加した後、ボールミルによって混合し、スラリー混合物を作製した。その後、このスラリーを減圧下で、撹拌脱泡し、ドクターブレード法により、厚み300μmのジルコニアグリーンシート64を作製した。
同様にして、アルミナ粉末に、所定量の有機バインダ、さらに2重量部のジブチルフタレートおよび2重量部のジオクチルフタレートを添加し、70〜110重量部のトルエンを添加した後、ボールミルによって混合し、スラリー混合物を作製した。その後、このスラリーを減圧下で、撹拌脱泡し、ドクターブレード法により、アルミナグリーンシート65,66,76を作製した。なお、グリーンシート65の厚みは400μm、グリーンシート66、76の厚みは200μmとした。
(2)ヒータの作製
次に、ヒータ基板76用のグリーンシート76上に、平均粒径2μmの白金粉末とマグネシア−アルミナ複合酸化物材料とを用いて調合した白金ペーストを、所定の抵抗値となるようにスクリーン印刷し、ヒータ部72および給電リード73を形成し、70℃で乾燥させた。給電リード73は白金ペーストが充填されたスルーホール77を介して、グリーンシート76の裏面に印刷された給電パッド78に接続した。
(3)電極の形成
平均粒径が0.1μmで8モル%のイットリアを含有するジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末を用いて調合した電極用白金ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、固体電解質板用セラミックグリーンシート64の表裏面に測定電極62、基準電極67および電極リード68,69をそれぞれ配設した。なお、基準電極67は、電極リード69とスルーホール(図示なし)を介して固体電解質64の表面に設けた電極パッド70,71と電気的に接続した。
(4)大気導入孔の形成
大気導入孔63の内壁面の性能を評価するため、種々の手法によって大気導入孔63の下部に位置する内角の異なる種々の酸素センサ素子を作製した。
(4-1)凸型パンチ一軸プレス
グリーンシート65に対して、大気導入孔63を形成するために所定の形状に金型打ち抜き手法で貫通部を形成した。ついで、貫通部を形成したグリーンシート65、貫通部を形成していないグリーンシート66、およびヒータ部72等を印刷済みのヒータ基板76を、図3に示すような80℃に予熱した臼34と、平面を有する下パンチ33で形成される空間内にセットし、80℃で余熱したテーパー付凸部32を有する上パンチ30を用いて、圧力40MPaで、1分間の熱圧着を実施した。続いて、ジルコニア材料と有機バインダからなる接着材層を加圧後の凹部の開口上側面に塗布し、この上に、固体電解質層64を載せ、室温下で、3MPaの圧力を1分間保持し積層体を得た。
(4-2)NC加工機切削
貫通部を形成していないグリーンシート65,66および印刷済みのヒータ基板76を、80℃、圧力40MPaで1分間の熱圧着を実施した。続いて、超硬製のドリルを用いてNC加工機器で、図5(c)に示すように切削し、凹部を形成した。ドリルの回転数は1600rpm、運行速度は3cm/分とした。最後に、上述の接着材層を切削後の凹部の開口上面に塗布し、この上に、固体電解質層64を乗せ、室温下で、3MPaの圧力を1分間保持し積層体を得た。
(5)酸素センサ素子の焼成および評価
上記のようにして作製した酸素センサ素子用の各積層体を、1500℃で、2時間焼成し、酸素センサ素子をそれぞれ得た。得られた酸素センサ素子(各条件20本)に、染色およびX線、超音波探傷法で酸素センサ素子の大気導入孔63における下部の角部(内角θ1,θ2の付近)のクラック発生状況を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004272962
表1から、本発明の範囲外である試料No.10〜12はいずれも角部のクラック発生割合が40%以上と高いことがわかる。一方、本発明の範囲内である試料No.1〜9およびNo.13〜15は、内部空間形成方法にかかわらず、クラック発生割合が15%以下と低く、信頼性の高い素子を作製可能であることがわかる。
図4に示す高さ調節可能な可変型凸型パンチ一軸プレス機を用いた他は実施例1と同様の手法で酸素センサ素子を作製し、実施例1の一体型凸型パンチ一軸プレス機を用いた場合と比較した。この際、大気導入孔63の下方に位置する角部の内角は100°に固定し、各条件とも試料を20本ずつ作製した。焼成後の酸素センサ素子の断面を観察し、セラミックグリーンシートの厚みの最大ばらつきtmaxと、大気導入孔63の角部に発生するクラックの相関性を評価した。結果を表2に示す。なお、グリーンシートの厚みの最大ばらつきtmaxとは、大気導入孔63を形成するグリーンシート65における最大厚みと最小厚みの差を意味する。
Figure 0004272962
表2の結果から明らかなように、一体型凸型パンチ一軸プレス機の場合(試料No.16〜19)、セラミックグリーンシートの厚みの最大ばらつきtmaxが大きくなると大気導入孔角部のクラック発生割合が大きくなる傾向があった。一方、可変型凸型パンチ一軸プレス機を使用した場合(試料No.20〜23)、たとえセラミックグリーンシートの厚みの最大ばらつきtmaxが大きくなっても、クラック発生割合は変化することはなく、良好であった。
(a)は、本発明の一実施形態にかかるセラミック構造体を示す斜視図であり、(b)はそのA−A線断面図である。 図1に示すセラミック構造体の第1の製造方法を説明するための分解斜視図である。 (a)〜(c)は、セラミック構造体の第2の製造方法を示す断面図である。 第2の製造方法の他の実施形態を示す断面図である。 (a)〜(c)は、セラミック構造体の第3の製造方法を示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかるセラミック構造体を示す断面図である。 本実施形態の酸素センサ素子を示す断面図である。 本実施形態の酸素センサ素子を示す分解斜視図である。 実施例での評価に用いた酸素センサ素子を示す断面図である。 実施例での評価に用いた酸素センサ素子を示す分解斜視図である。 従来の酸素センサ素子を示す断面図である。
符号の説明
1 セラミック構造体
11〜15 セラミック層
16 内部空間
19 積層体
61 セラミック構造体
62 測定電極
63 大気導入孔(内部空間)
64 固体電解質層(セラミック層)
65,66 セラミック層
67 基準電極
68,69 電極リード
70,71 引出電極
72 ヒータ部
73 給電リード
74,75 絶縁層
76 ヒータ基板
77 スルーホール
78 給電パッド

Claims (7)

  1. 複数のセラミック層を積層した積層体からなり、この積層体の内部に内部空間を備えたセラミック構造体であって、前記内部空間の内壁面が平滑であるとともに、前記内部空間の垂直断面の幅が前記積層体の上部から下部に向かって減少していることを特徴とするセラミック構造体。
  2. 前記垂直断面における前記内部空間の形状が三角形または台形である請求項1記載のセラミック構造体。
  3. 前記台形の下部側にある2つの内角θ1,θ2が、同一または異なって、90°を超え175°以下の範囲にある請求項記載のセラミック構造体。
  4. 第1のセラミックグリーンシート上に、貫通部が形成された第2のセラミックグリーンシートを少なくとも1層積層して、上面に凹部を有する積層体を形成する工程と、
    少なくとも先端部分の幅が上部から下部に向かって減少しかつ表面が平滑な凸部を有する具を前記凹部に圧入して、前記凹部の幅を前記積層体の上部から下部に向かって減少させるとともに、前記凹部の内壁面を平滑処理する工程と、
    前記凹部の上部開口を塞ぐように前記積層体上に第3のセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、
    この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
  5. 前記具における凸部の高さが前記凹部の深さに応じて調節可能である請求項記載のセラミック構造体の製造方法。
  6. 単一のセラミックグリーンシートの表面または複数のセラミックグリーンシートの積層体の表面に対し、加工刃の回転数Xを800rpm≦X≦3000rpmとし、かつ前記加工刃の直線運行速度Yを1cm/分≦Y≦10cm/分として前記加工刃を回転運動させながら直線運動させる切削加工を施して、幅が上部から下部に向かって減少する凹部を形成する工程と、
    この凹部の上部開口を塞ぐように、単一の前記セラミックグリーンシート上または前記積層体上にセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、
    この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のセラミック構造体と、
    このセラミック構造体の下面に取り付けられたヒータとを備え、
    少なくとも前記セラミック構造体における前記内部空間の上部に面するセラミック層が固体電解質層であり、
    この固体電解質層の上面には測定電極が形成され、前記固体電解質層の下面には基準電極が形成されているガスセンサ素子。
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