JP4272962B2 - セラミック構造体およびその製造方法、並びにガスセンサ素子 - Google Patents
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Description
(1) 複数のセラミック層を積層した積層体からなり、この積層体の内部に内部空間を備えたセラミック構造体であって、前記内部空間の内壁面が平滑であるとともに、前記内部空間の垂直断面の幅が前記積層体の上部から下部に向かって減少していることを特徴とするセラミック構造体。
(2) 前記垂直断面における前記内部空間の形状が三角形または台形である(1)記載のセラミック構造体。
(3) 前記台形の下部側にある2つの内角θ1,θ2が、同一または異なって、90°を超え175°以下の範囲にある(2)記載のセラミック構造体。
(4) 第1のセラミックグリーンシート上に、貫通部が形成された第2のセラミックグリーンシートを少なくとも1層積層して、上面に凹部を有する積層体を形成する工程と、少なくとも先端部分の幅が上部から下部に向かって減少しかつ表面が平滑な凸部を有する治具を前記凹部に圧入して、前記凹部の幅を前記積層体の上部から下部に向かって減少させるとともに、前記凹部の内壁面を平滑処理する工程と、前記凹部の上部開口を塞ぐように前記積層体上に第3のセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
(5) 前記治具における凸部の高さが前記凹部の深さに応じて調節可能である(4)記載のセラミック構造体の製造方法。
(6) 単一のセラミックグリーンシートの表面または複数のセラミックグリーンシートの積層体の表面に対し、加工刃の回転数Xを800rpm≦X≦3000rpmとし、かつ前記加工刃の直線運行速度Yを1cm/分≦Y≦10cm/分として前記加工刃を回転運動させながら直線運動させる切削加工を施して、幅が上部から下部に向かって減少する凹部を形成する工程と、この凹部の上部開口を塞ぐように、単一の前記セラミックグリーンシート上または前記積層体上にセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
(7) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載のセラミック構造体と、このセラミック構造体の下面に取り付けられたヒータとを備え、少なくとも前記セラミック構造体における前記内部空間の上部に面するセラミック層が固体電解質層であり、この固体電解質層の上面には測定電極が形成され、前記固体電解質層の下面には基準電極が形成されているガスセンサ素子。
<第1の製造方法>
図2は、セラミック構造体1の第1の製造方法を説明するための分解斜視図である。第1の製造方法では、まず、セラミック粉末と有機バインダとを混合し、さらに補助的な材料として可塑剤、消泡剤、分散剤などを有機溶媒とともに混合することにより有機−無機混合体を作製し、この混合体をドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法、押し出し成形法などによって厚さ2〜2000μm、特に100〜600μmにシート化する。ついで、貫通部16aを金型打ち抜き加工により形成し、コ字形のセラミックグリーンシート12a〜14aを得る。グリーンシート12a〜14aの各貫通部16aの幅は、グリーンシート12aが最も大きく、グリーンシート14aが最も小さくなるようにする。
図3(a)〜(d)は、セラミック構造体1の第2の製造方法を示す断面図である。第2の製造方法では、まず、前記した第1の方法と同様にしてセラミックグリーンシート11a〜15aを作製する。ついで、図3(a)に示すように、セラミックグリーンシート15a(第1のセラミックグリーンシート)の表面に、内部空間16を形成するための貫通部16aが形成されたコ字形のセラミックグリーンシート12a〜14a(第2のセラミックグリーンシート)を積層することにより、凹部16a’を有する積層体19a’を形成する。
図5(a)〜(c)は、セラミック構造体1の第3の製造方法を示す説明図である。この第3の製造方法では凹部16b’を切削加工によって形成する。まず、図5(a)に示すように、前記した第1の方法と同様にしてセラミックグリーンシート11b〜15bを作製する。ついで、これらのうちセラミックグリーンシート12b〜15bを積層し、前述の加圧積層手法により、予め一体的に積層した積層体19b’を作製する(図5(b))。
以下、本発明の一実施形態にかかる酸素センサ素子(ガスセンサ素子)について説明する。図7は、本実施形態の酸素センサ素子を示す断面図であり、図8は、その分解斜視図である。この酸素センサ素子は、内部に大気導入孔(内部空間)63を有する本発明のセラミック構造体61と、このセラミック構造体61の下面に取り付けられたヒータ部72とを備えている。
固体電解質層64の材料としては、5モル%のY2O3を固溶させたジルコニア(5YSZ)を用いた。また、セラミック層65,66およびヒータ基板76の材料としては、Al2O3を用いた。
図9,10に示す酸素センサ素子を製造するにあたり、ジルコニア粉末に、所定量の有機バインダ、さらに2重量部のジブチルフタレートおよび2重量部のジオクチルフタレートを添加し、70〜110重量部のトルエンを添加した後、ボールミルによって混合し、スラリー混合物を作製した。その後、このスラリーを減圧下で、撹拌脱泡し、ドクターブレード法により、厚み300μmのジルコニアグリーンシート64を作製した。
次に、ヒータ基板76用のグリーンシート76上に、平均粒径2μmの白金粉末とマグネシア−アルミナ複合酸化物材料とを用いて調合した白金ペーストを、所定の抵抗値となるようにスクリーン印刷し、ヒータ部72および給電リード73を形成し、70℃で乾燥させた。給電リード73は白金ペーストが充填されたスルーホール77を介して、グリーンシート76の裏面に印刷された給電パッド78に接続した。
平均粒径が0.1μmで8モル%のイットリアを含有するジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末を用いて調合した電極用白金ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、固体電解質板用セラミックグリーンシート64の表裏面に測定電極62、基準電極67および電極リード68,69をそれぞれ配設した。なお、基準電極67は、電極リード69とスルーホール(図示なし)を介して固体電解質64の表面に設けた電極パッド70,71と電気的に接続した。
大気導入孔63の内壁面の性能を評価するため、種々の手法によって大気導入孔63の下部に位置する内角の異なる種々の酸素センサ素子を作製した。
グリーンシート65に対して、大気導入孔63を形成するために所定の形状に金型打ち抜き手法で貫通部を形成した。ついで、貫通部を形成したグリーンシート65、貫通部を形成していないグリーンシート66、およびヒータ部72等を印刷済みのヒータ基板76を、図3に示すような80℃に予熱した臼34と、平面を有する下パンチ33で形成される空間内にセットし、80℃で余熱したテーパー付凸部32を有する上パンチ30を用いて、圧力40MPaで、1分間の熱圧着を実施した。続いて、ジルコニア材料と有機バインダからなる接着材層を加圧後の凹部の開口上側面に塗布し、この上に、固体電解質層64を載せ、室温下で、3MPaの圧力を1分間保持し積層体を得た。
貫通部を形成していないグリーンシート65,66および印刷済みのヒータ基板76を、80℃、圧力40MPaで1分間の熱圧着を実施した。続いて、超硬製のドリルを用いてNC加工機器で、図5(c)に示すように切削し、凹部を形成した。ドリルの回転数は1600rpm、運行速度は3cm/分とした。最後に、上述の接着材層を切削後の凹部の開口上面に塗布し、この上に、固体電解質層64を乗せ、室温下で、3MPaの圧力を1分間保持し積層体を得た。
上記のようにして作製した酸素センサ素子用の各積層体を、1500℃で、2時間焼成し、酸素センサ素子をそれぞれ得た。得られた酸素センサ素子(各条件20本)に、染色およびX線、超音波探傷法で酸素センサ素子の大気導入孔63における下部の角部(内角θ1,θ2の付近)のクラック発生状況を評価した。結果を表1に示す。
11〜15 セラミック層
16 内部空間
19 積層体
61 セラミック構造体
62 測定電極
63 大気導入孔(内部空間)
64 固体電解質層(セラミック層)
65,66 セラミック層
67 基準電極
68,69 電極リード
70,71 引出電極
72 ヒータ部
73 給電リード
74,75 絶縁層
76 ヒータ基板
77 スルーホール
78 給電パッド
Claims (7)
- 複数のセラミック層を積層した積層体からなり、この積層体の内部に内部空間を備えたセラミック構造体であって、前記内部空間の内壁面が平滑であるとともに、前記内部空間の垂直断面の幅が前記積層体の上部から下部に向かって減少していることを特徴とするセラミック構造体。
- 前記垂直断面における前記内部空間の形状が三角形または台形である請求項1記載のセラミック構造体。
- 前記台形の下部側にある2つの内角θ1,θ2が、同一または異なって、90°を超え175°以下の範囲にある請求項2記載のセラミック構造体。
- 第1のセラミックグリーンシート上に、貫通部が形成された第2のセラミックグリーンシートを少なくとも1層積層して、上面に凹部を有する積層体を形成する工程と、
少なくとも先端部分の幅が上部から下部に向かって減少しかつ表面が平滑な凸部を有する治具を前記凹部に圧入して、前記凹部の幅を前記積層体の上部から下部に向かって減少させるとともに、前記凹部の内壁面を平滑処理する工程と、
前記凹部の上部開口を塞ぐように前記積層体上に第3のセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、
この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。 - 前記治具における凸部の高さが前記凹部の深さに応じて調節可能である請求項4記載のセラミック構造体の製造方法。
- 単一のセラミックグリーンシートの表面または複数のセラミックグリーンシートの積層体の表面に対し、加工刃の回転数Xを800rpm≦X≦3000rpmとし、かつ前記加工刃の直線運行速度Yを1cm/分≦Y≦10cm/分として前記加工刃を回転運動させながら直線運動させる切削加工を施して、幅が上部から下部に向かって減少する凹部を形成する工程と、
この凹部の上部開口を塞ぐように、単一の前記セラミックグリーンシート上または前記積層体上にセラミックグリーンシートを積層して、内部空間を有する積層体を形成する工程と、
この積層体を焼成する工程とを備えたことを特徴とするセラミック構造体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック構造体と、
このセラミック構造体の下面に取り付けられたヒータとを備え、
少なくとも前記セラミック構造体における前記内部空間の上部に面するセラミック層が固体電解質層であり、
この固体電解質層の上面には測定電極が形成され、前記固体電解質層の下面には基準電極が形成されているガスセンサ素子。
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