JP6762145B2 - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子およびガスセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP6762145B2
JP6762145B2 JP2016117709A JP2016117709A JP6762145B2 JP 6762145 B2 JP6762145 B2 JP 6762145B2 JP 2016117709 A JP2016117709 A JP 2016117709A JP 2016117709 A JP2016117709 A JP 2016117709A JP 6762145 B2 JP6762145 B2 JP 6762145B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas sensor
sensor element
layer
solid electrolyte
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016117709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017223488A (ja
JP2017223488A5 (ja
Inventor
哲哉 伊藤
哲哉 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2016117709A priority Critical patent/JP6762145B2/ja
Publication of JP2017223488A publication Critical patent/JP2017223488A/ja
Publication of JP2017223488A5 publication Critical patent/JP2017223488A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6762145B2 publication Critical patent/JP6762145B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

本発明はガスセンサ素子およびガスセンサに関する。
内燃機関から排出される排気ガス中の特定成分の濃度、例えば、酸素の濃度を測定信号として出力するガスセンサ素子を備えるガスセンサが知られている。ガスセンサ素子には、一般的に、濃度測定のために用いられる固体電解質を有するセンサセル、固体電解質の温度を活性化温度まで上昇させるためのヒータが備えられている(例えば、特許文献1および2)。
特許第4716286号公報 特許第4007892号公報
しかしながら、従来のガスセンサ素子では、センサセルとヒータとの間に大気導入のための空間が配置されていたり、センサセルとヒータとの距離が離れていた。この結果、ヒーターの熱エネルギーはセンサセルに効率よく伝達されず、固体電解質を活性化して特定成分の濃度を測定可能となるまでに時間を要するという問題があった。
したがって、センサセルの温度を効率良く上昇させる技術が望まれている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することが可能である。
第1の態様は、ガスセンサ素子を提供する。第1の態様に係るガスセンサ素子は、発熱体を含む発熱層と、前記発熱層と接して配置され、被測定ガスが導入される測定室を有する第1のセラミック層と、前記第1のセラミック層に接して配置され、固体電解質部と、前記固体電解質部における前記測定室に面する面に少なくとも一方の電極が配置されている一対の電極とを有するセンサセル層と、前記センサセル層に接して配置され、前記測定室よりも容積の大きな空間部を有する第2のセラミック層と、を備える。
第1の態様に係るガスセンサ素子は、被測定ガスが導入される測定室を有する第1のセラミック層が発熱層と接して配置され、固体電解質部および固体電解質部における測定室に面する面に少なくとも一方の電極が配置されている一対の電極を有するセンサセル層が第1のセラミック層と接して配置されている。一方、測定室よりも容積の大きな空間部を有する第2のセラミック層はセンサセル層における第1のセラミック層と接する面とは反対側の面に接して配置されている。したがって、発熱層と固体電解質部との間には、空間部よりも容積の小さな測定室が介在するに止まり、発熱層と固体電解質部との間に、容積の大きな空間部が介在する場合と比較して、センサセルの温度を効率良く上昇させることができる。
第1の態様係るガスセンサ素子において、前記ガスセンサ素子は長尺板状であり、前記ガスセンサ素子長手方向に対する直交断面における、前記空間部の断面積は前記測定室の断面積よりも大きくても良い。この場合には、断面積において測定室よりも大きな空間部が発熱層と固体電解質部との間に介在しないので、センサセルの温度を効率良く上昇させることができる。
第1の態様に係るガスセンサ素子において、前記空間部は、大気が導入される大気導入室であっても良い。この場合には、大気が導入される構成をガスセンサ素子が備える場合においても、センサセルの温度を効率良く上昇させることができる。
第1の態様に係るガスセンサ素子において、前記固体電解質部は、前記測定室に面する第1の面と、前記空間部に面する第2の面とを有し、前記一対の電極は、前記固体電解質部の前記第1の面および前記第2の面にそれぞれ配置されている第1の電極および第2の電極を備えても良い。この場合には、簡易な構成によって被測定ガス成分の濃度を測定することができる。
第1の態様に係るガスセンサ素子において、前記第1のセラミック層は、前記第1のセラミック層に平行で多孔質部を有する導入路であって、前記測定室と連通する導入路を備えても良い。この場合には、多孔質部を、所定の律速条件で被測定ガスを測定室に導入する拡散律速層として用いることができる。
第1の態様に係るガスセンサ素子において、前記固体電解質部は、前記センサセル層に設けられている貫通領域に配設されていても良い。この場合には、センサセル層の厚さ方向の寸法を一層の厚みとすること、すなわち、固体電解質部がセンサセル層に埋設されていない場合と比較して、ガスセンサ素子の厚みを薄くすることができる。
第1の態様に掛かるガスセンサ素子において、前記空間部の少なくとも一部に多孔材が配置されていても良い。この場合には、容積の大きな空間部に多孔材があることによりガスセンサ素子の強度を向上させることができる。
第2の態様は、ガスセンサを提供する。第2の態様に係るガスセンサは、第1の態様に係るガスセンサ素子を備える。この場合には、ガスセンサにおける、被測定ガスの濃度の測定が可能になるまでの立ち上がり時間を短縮することができる。
本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ1を軸線AXに沿う平面によって切断した縦断面図である。 ガスセンサ素子を構成する各部材を示す分解斜視図である。 ガスセンサ素子の外観図である。 図3における4−4切断線で切断した、ガスセンサ素子を構成する各部材の積層状態を模式的に示す縦断面図である。 図3における5−5切断線で切断した、ガスセンサ素子を構成する各部材の積層状態を模式的に示す横断面図である。 比較例としてのガスセンサ素子の横断面を模式的に示す説明図である。 解析対象1と解析対象2における昇温効率を検証するための説明図である。
第1の実施形態:
図1は、本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ1を軸線AXに沿う平面によって切断した縦断面図である。ガスセンサ1は、例えば、内燃機関の排気管に装着され、酸素センサとして使用される。以下では、ガスセンサ1の検出端側(センサセルが配置されている側)を先端側DL1、リード線78、79が延伸する側を基端側DL2として説明する。
ガスセンサ1は、ガスセンサ素子10と主体金具20とを主に備える。ガスセンサ素子10は長尺板状の素子であり、被測定ガスである排ガス中の酸素濃度を測定するためのセンサセルを有している。ガスセンサ素子10は、センサセルが配置されている先端部10sとリード線78、79と電気的に接続されるセンサパッド部15、ヒータパッド部17が配置されている基端部10kとを有する。ガスセンサ素子10は、先端部10sが主体金具20の先端側よりも突出し、基端部10kが主体金具20の基端側よりも突出した状態で、主体金具20によって保持されている。ガスセンサ素子10は、また、長手方向DLに沿うガスセンサ素子10の中心線とガスセンサ1の軸線AXとが一致するようにガスセンサ1内に配置されている。
主体金具20は、ガスセンサ素子10を内部に保持する筒状の金具である。主体金具20の先端側には、金属製の外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32が配置され、ガスセンサ素子10の先端部10sを覆っている。外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32は複数のガス導入孔31h、32hを有している。外部プロテクタ31の外部の被測定ガスは、ガス導入孔31h、32hを通じて内部プロテクタ32の内側に配置されているガスセンサ素子10の先端部10sの周囲に導入される。
主体金具20の内部には、ガスセンサ素子10の外周を取り囲むように環状のセラミックホルダ21と、粉末充填層22、23(以下、滑石リング22、23ともいう。)と、セラミックスリーブ24とが、この順に先端側DL1から基端側DL2にかけて配置されている。セラミックホルダ21や滑石リング22の外周には金属ホルダ25が配置されている。また、セラミックスリーブ24の基端側には加締パッキン26が配置されている。主体金具20の基端部27は、加締パッキン26を介してセラミックスリーブ24を先端側に押し付けるようにして加締められている。
主体金具20の基端側には、ガスセンサ素子10の基端部10kを取り囲むように筒状の外筒51が配置されている。さらに、外筒51の内側には、セパレータ60が配置されている。セパレータ60は、ガスセンサ素子10の基端部10kの周囲を取り囲むと共に、4本のリード線78、79(図1では2本のみ図示)の先端に取り付けられている4つの端子部材75、76(図1では2つのみ図示)を互いに離間して保持する。セパレータ60は、軸線AX方向に貫通する挿入孔62を有している。この挿入孔62には、ガスセンサ素子10の基端部10kが挿入される。挿入孔62内には、4個の端子部材75、76が互いに離間して配置されており、それぞれガスセンサ素子10のセンサパッド部14、15およびヒータパッド部16、17に弾性的に当接し電気的な接続を実現している。外筒51の基端側には、外筒51の基端開口部を閉塞するグロメット73がはめ込まれている。4本のリード線78、79は、このグロメット73を貫通している。なお、ガスセンサ素子10の基端部10kと大気とは図示しない連通路によって連通されている。
図2は、ガスセンサ素子を構成する各部材を示す分解斜視図である。図3は、ガスセンサ素子の外観図である。図4は、図3における4−4切断線で切断した、ガスセンサ素子を構成する各部材の積層状態を模式的に示す縦断面図である。図5は、図3における5−5切断線で切断した、ガスセンサ素子を構成する各部材の積層状態を模式的に示す横断面図である。図2〜図4では、左側がガスセンサ1の先端側DL1となり、右側が基端側DL2になる。
ガスセンサ素子10は、厚さ方向(積層方向ともいう)DTに積層されている複数のセラミック層及び導体層を備えている。具体的には、ガスセンサ素子10は、センサセル層110、第1の絶縁性セラミック層120、第2の絶縁性セラミック層130および発熱層140を備えている。各層は、図2において、発熱層140の上側に第1の絶縁性セラミック層120、第1の絶縁性セラミック層120の上側にセンサセル層110、センサセル層110の上側に第2の絶縁性セラミック層130の順序で積層配置されている。また、各層110、120、130および140は、アルミナ等の絶縁性セラミックからなり、外形寸法(少なくとも幅および長さ)の等しい矩形板状を有している。
センサセル層110は、被測定ガス中の酸素濃度の検出に用られるセンサセル111を有する。センサセル層110は、センサセル層110の基体112を厚さ方向DTに貫通する、平面視矩形状の貫通領域112hを先端側に、平面視円形状の貫通孔112xを基端側に備えている。貫通領域112hの開口面積は、貫通孔112xの開口面積よりも十分に大きい。センサセル層110はさらに、貫通領域112h内に配置されている固体電解質(ジルコニア)セラミックからなる板状の固体電解質部113とを備える。基体112は、第1の絶縁性セラミック層120に面する第1の基体面112aおよび第2の絶縁性セラミック層130に面する第2の基体面112bを有している。固体電解質部113は第1の基体面112aと同一面をなす第1の固体電解質面113aおよび第2の基体面112bと同一面をなす第2の固体電解質面113bを有している。第1の基体面112aおよび第2の基体面112bには、一対の薄膜状の第1の電極114および第2の電極115がそれぞれ配置されている。第1の電極114および第2の電極115は、それぞれ幅広の電極部114m、115mと線状(帯状)のリード部114n、115nとを有し、電極部114mは第1の固体電解質面112a上に配置され、電極部115mは第2の固体電解質面112b上に配置されている。本明細書においては、固体電解質部113、第1の電極114および第2の電極115によってセンサセル111が構成されている。第1の電極114および第2の電極115は、白金等の貴金属、遷移金属およびこれらのうち2種類以上を含む合金等によって形成され得る。第1の電極114は貫通孔112xを介して後述するセンサパッド部14と電気的に接続される。なお、第1および第2の固体電解質面113a、113bはそれぞれ、特許請求の範囲における固体電解質部の第1および第2の面に相当する。
第1の絶縁性セラミック層120は、被測定ガスが導入される測定室121を有する。第1の絶縁性セラミック層120は、長手方向に並ぶ第1の基体122mおよび第1の基体よりも大きな第2の基体122nと、第1の基体122mおよび第2の基体122nとの間に配置されている2つの絶縁性セラミックからなる多孔部123とを備えている。測定室121は、第1および第2の基体122m、122nと、2つの多孔部123と、発熱層140と、第1の基体面112aとによって区画形成される。測定室121の容積は、第1および第2の基体122m、122nと、発熱層140と、第1の基体面112aと、2つの多孔部123の外側面により区画される空間の容積である。つまり、2つの多孔部123は存在しないと仮定した場合の容積を測定室121の容積と定める。測定室121には、多孔部123を介して被測定ガスが導入され、多孔部123は、ガスセンサ素子10の外部から測定室121内に、被測定ガスを所定の律速条件で導入する拡散律速層である。測定室121は、積層方向において、センサセル層110が備える固体電解質部113と対向する位置に形成されている。すなわち、固体電解質部113は測定室121を覆うように配置されている。なお、第1の絶縁性セラミック層120は、他の層よりも薄い厚みを有している。
第2の絶縁性セラミック層130は、一の面がセンサセル層110と対向して接する枠体層130aと、枠体層130aの他の面と対向して接する保護層130bとを備えている。保護層130bの外側面、すなわち、枠体層130aと対向しない面はガスセンサ素子10の一の外面を構成する。枠体層130aは、基準ガスとしての大気が導入される大気導入室131aおよび大気導入室131aに対してガスセンサ1の外部から大気を導く大気導入部131bに相当する空間領域を有している。大気導入室131aおよび大気導入部131bは、保護層130bおよび第2の基体面112bとによって空間領域が塞がれることによって区画形成される。大気導入室131aおよび大気導入部131bの少なくともいずれか一方は、第2の絶縁性セラミック層130が備える空間部に相当する。空間部の容積は、大気導入室131a並びに大気導入部131bの少なくともいずれか一方の容積である。なお、枠体層130aにおける大気導入部131bについては、保護層130bの基端側端面および基体112の基端側端面を結ぶ仮想面により大気導入部131bの開口部が塞がれることによって空間部が区画される。大気導入部131bは、既述のように図示しない連通路を介してガスセンサ1の外部(大気)と連通し、その内部に多孔材134が配置されている。ここで、測定室121の容積と同様、大気導入部131bも多孔材134が存在しないと仮定した容積を大気導入部131bの容積とする。なお、大気導入室131aの容積は測定室121の容積よりも大きく、図5に示すようにガスセンサ素子10の長手方向に対する直交断面における、大気導入室131aの断面積は測定室121の断面積よりも大きい。枠体層130aの基端側および保護層130bの基端側にはそれぞれ、平面視円形状の貫通孔132x、132y、133x、133yが形成されている。貫通孔132x、133xは、センサセル層110に形成されている貫通孔112xに対応する位置に形成されている。貫通孔132y、133yは、第2の電極115と後述するセンサパッド部15と電気的に接続するために用いられる。
発熱層140は、第1の発熱層140a、第2の発熱層140bおよび第1の発熱層140aと第2の発熱層140bとの間に配置される発熱体141を備えている。第1の発熱層140aの一の面は第1の絶縁性セラミック層120と対向して接しており、他の面は発熱体141および第2の発熱層140bの一の面と対向して接している。第2の発熱層140bの一の面、すなわち、内側面は第1の発熱層140aの他の面および発熱体141と対向して接しており、他の面、すなわち、外側面はガスセンサ素子10の他の外面を構成する。第2の発熱層140bの基端側には、平面視円形状の貫通孔142x、142yが形成されている。第2の発熱層140bの外側面における貫通孔142x、142yにはヒータパッド部16、17が配置されている。
発熱体141は、蛇行状のパターンを有する発熱部141m、発熱部141mの両端にそれぞれ接続され、直線状に延びる2つのリード部141nを備えている。発熱体141の発熱部141mは、リード部141n、貫通孔142x、142yを介してヒータパッド部16、17と電気的に接続されている。発熱体141は、酸素濃度測定時に、ヒータパッド部16、17と電気的に接続されている2本のリード線79を通じて発熱部141mに電流を供給し発熱させることで、固体電解質部113を加熱し活性化させる。
本実施形態に係るガスセンサ素子10は、その構成上、大気導入室131aと測定室121との間にセンサセル111が配置される。したがって、発熱層140は、センサセル層110に対して、測定室121を介して、あるいは、大気導入室131aを介して配置されることとなる。すなわち、発熱層140は、第1の絶縁性セラミック層120におけるセンサセル層110と面していない外側、あるいは、第2の絶縁性セラミック層130におけるセンサセル層110に面していない外側に配置されることとなる。本実施形態においては、発熱体141による固体電解質部113の加熱効率を向上させるために、発熱層140は、より容積の小さな空間、すなわち、大気導入室131aよりも容積の小さな測定室121を間に挟んで配置されている。この結果、本実施形態に係るガスセンサ素子10は、発熱層140、第1の絶縁性セラミック層120、センサセル層110、第2の絶縁性セラミック層130の順に積層されている積層体を構成する。
各貫通孔112x、132xおよび133x、132yおよび133y、並びに142xおよび142yの内部には導体が埋め込まれている。したがって、センサパッド部14は貫通孔112x、132xおよび133x内に埋め込まれている導体を介して第1の電極114のリード部114nと導通し、センサパッド部15は貫通孔132yおよび133y内に埋め込まれている導体を介して第2の電極115のリード部115nと導通している。ヒータパッド部16および17は、それぞれ、貫通孔142xおよび142yの内部に埋め込まれている導体を介して発熱体141のリード部141nと導通している。
以上説明した第1の実施形態に係るガスセンサ素子10は、第1の絶縁性セラミック層120におけるセンサセル層110と面していない外側に発熱層140を備えている。すなわち、発熱層140と固体電解質部113との間には、大気導入室131aよりも容積の小さな測定室121が配置されている。図6は比較例としてのガスセンサ素子の横断面を模式的に示す説明図である。この結果、図6に示す、測定室44よりも容積の大きな大気導入室41が発熱体421を含む発熱層42と固体電解質部43との間に配置されているガスセンサ素子40と比較して、固体電解質部113の昇温効率を向上させることができる。すなわち、空気の熱伝導率は0.0241(W/m・K)であり、熱伝導率が72(W/m・K)である白金、3(W/m・K)であるジルコニアと比較して極めて熱伝導率が低い。したがって、昇温対象である固体電解質部と発熱体との間に容積の大きな空気室が存在する場合には、昇温効率が低下、昇温対象の温度の上昇に時間、電力(エネルギ)を要することとなる。
第1の実施形態に係るガスセンサ素子10における昇温効率の向上について図7を参照して更に詳細に説明する。図7は解析対象1と解析対象2における昇温効率を検証するための説明図である。昇温効率の検討は、解析シミュレーションにより行った。図7において、横軸は発熱体に対する供給電力(W)を示し、縦軸は固体電解質部の両面に配置されている一対の電極のうち発熱体から遠い位置に位置する電極の平均温度(℃)を示す。図7において特性線L1は解析対象1の解析結果を示し、特性線L2は解析対象2の解析結果を示す。なお、解析対象1は本実施例に係るガスセンサ素子10に対応し、解析対象2は比較例に係るガスセンサ素子40に対応する。
解析対象1は、発熱体(発熱体141)、一の電極(第1の電極114)、固体電解質部(固体電解質部113)、他の電極(第2の電極115)、および大容量室(大気導入室131a)の積層順序をシミュレートし、解析対象2は、発熱体(421)、大容量室(41)、一の電極(431)、固体電解質部(43)、および他の電極(432)の積層順序をシミュレートする。なお、()内はそれぞれ、第1の実施形態に係るガスセンサ素子10、比較例に係るガスセンサ素子40における対応構成を示す。具体的には、各解析対象の積層順序に、電極を形成する白金の熱伝導率、固体電解質部を形成するジルコニアの熱伝導率、および大容量室に相当する空気の熱伝導率を当てはめ、発熱体により与えられる熱量(電力)に対する、一対の電極のうち発熱体から遠い位置に位置する他の電極の平均温度をシミュレートした。他の電極は、発熱体から遠い固体電解質部の面に配置され、固体電解質部を介して熱が伝導されるので、他の電極の温度によって固体電解質部の温度を見積もることができる。図7から明らかなように、同じ発熱量(電力(W))に対して、発熱体と固体電解質部との間に大容量室が存在しない解析対象1(特性線L1)は、発熱体と固体電解質部との間に大容量室が存在する解析対象2(特性線L2)よりも高い温度を示しており、固体電解質部の昇温効率の向上を確認することができた。この結果、より低い電力にて同等の温度上昇を実現することができ、昇温効率を向上させることができる。また、より短い時間にてより低い電力にて同等の温度上昇を実現することができ、昇温効率を向上させることができる。
・変形例:
(1)上記第1の実施形態においては、各層110、120、130および140は、アルミナ等の絶縁性セラミックから形成されているが、ジルコニア等の導電性セラミックから形成されていても良い。この場合には、各層110、120、130および140間には絶縁層が配置される。
(2)上記第1の実施形態においては、ガスセンサ素子10の長手方向(水平方向)に延伸する大気導入部131bによって大気導入室131aには大気が導入されているが、大気導入部131bの途中から長手方向と交差する方向(例えば、垂直方向)に延伸する大気導入部が用いられても良い。すなわち、積層方向において固体電解質部113と重複する大気導入室131aが配置されていれば上記第1の実施形態による昇温効率の向上の利益を享受することが可能であり、大気導入室131aに大気を導く導入経路については種々の態様を取り得る。
(3)上記第1の実施形態においては、測定室121は、第1の基体122mおよび第2の基体122nと、2つの多孔部123とによって区画形成されているが、多孔部123を備えることなく、一の基体に貫通領域を設け、測定室121としても良い。この場合、被測定ガスは、例えば、別途形成されている積層方向に貫通しガスセンサ素子10の外部と連通する連通路を介して測定室121に導入され得る。
(4)上記第1の実施形態においては、ガスセンサ素子10が測定する測定ガス成分として酸素の濃度を測定する例について説明したが、酸素以外の他のガス成分が検出されても良い。
(5)上記第1の実施形態においては、大気導入室131aと大気導入部131bとを分けて説明したが、全長にわたり幅が等しい大気導入路のみが備えられていても良い。この場合であっても、大気導入部131bの容積は測定室121の容積よりも大きく、第1の実施形態に係るガスセンサ素子10による効果をえることができる。
(6)上記第1の実施形態においては、大気導入部131bに多孔材134が配置されているが、多孔材134は配置されていなくても良い。また、多孔材134は、大気導入部131bではなく大気導入室131aに配置されていても良いし、大気導入室131aおよび大気導入部131bの双方に配置されていても良い。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…ガスセンサ
10…ガスセンサ素子
10k…基端部
10s…先端部
14、15…センサパッド部
16、17…ヒータパッド部
20…主体金具
21…セラミックホルダ
22…粉末充填層
22…滑石リング
24…セラミックスリーブ
25…金属ホルダ
26…加締パッキン
27…基端部
31…外部プロテクタ
31h…ガス導入孔
32…内部プロテクタ
40…ガスセンサ素子
41…大気導入室
42…発熱層
421…発熱体
43…固体電解質部
44…測定室
51…外筒
60…セパレータ
62…挿入孔
73…グロメット
75…端子部材
78、79…リード線
110…センサセル層
111…センサセル
112…基体
112a…第1の基体面
112b…第2の基体面
112h…貫通領域
112x…貫通孔
113…固体電解質部
113a…第1の固体電解質面
113b…第2の固体電解質面
114…第1の電極
114m…電極部
114n…リード部
115…第2の電極
115m…電極部
115n…リード部
120…第1の絶縁性セラミック層
121…測定室
122m…第1の基体
122n…第2の基体
123…多孔部
130…第2の絶縁性セラミック層
130a…枠体層
130b…保護層
131a…大気導入室
131b…大気導入部
131x、131y、132x、132y…貫通孔
134…多孔材
140…発熱層
140a…第1の発熱層
140b…第2の発熱層
141…発熱体
141m…発熱部
141n…リード部
142x…貫通孔
AX…軸線
DL…長手方向
DL1…先端側
DL2…基端側
DT…厚さ(積層)方向
L1…特性線
L2…特性線

Claims (7)

  1. ガスセンサ素子であって、
    発熱体を含む発熱層と、
    前記発熱層と接して配置され、被測定ガスが導入される測定室を有する第1のセラミック層と、
    前記第1のセラミック層に接して配置され、固体電解質部と、前記固体電解質部における前記測定室に面する面に少なくとも一方の電極が配置されている一対の電極とを有するセンサセル層と
    前記センサセル層に接して配置され、前記測定室よりも容積の大きな空間部を有する第2のセラミック層と、を備え
    前記ガスセンサ素子は長尺板状であり、
    前記ガスセンサ素子の長手方向に対する直交断面における、前記空間部の断面積は前記測定室の断面積よりも大きい、ガスセンサ素子。
  2. ガスセンサ素子であって、
    発熱体を含む発熱層と、
    前記発熱層と接して配置され、被測定ガスが導入される測定室を有する第1のセラミック層と、
    前記第1のセラミック層に接して配置され、固体電解質部と、前記固体電解質部における前記測定室に面する面に少なくとも一方の電極が配置されている一対の電極とを有するセンサセル層と
    前記センサセル層に接して配置され、前記測定室よりも容積の大きな空間部を有する第2のセラミック層と、を備え、
    前記空間部は、大気が導入される大気導入室である、ガスセンサ素子。
  3. 請求項1または2に記載のガスセンサ素子において、
    前記固体電解質部は、前記測定室に面する第1の面と、前記空間部に面する第2の面とを有し、
    前記一対の電極は、前記固体電解質部の前記第1の面および前記第2の面にそれぞれ配置されている第1の電極および第2の電極を備える、ガスセンサ素子。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載のガスセンサ素子において、
    前記第1のセラミック層は、前記第1のセラミック層に平行で多孔質部を有する導入路であって、前記測定室と連通する導入路を備える、ガスセンサ素子。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載のガスセンサ素子において、
    前記固体電解質部は、前記センサセル層に設けられている貫通領域に配設されている、ガスセンサ素子。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載のガスセンサ素子において、
    前記空間部の少なくとも一部に多孔材が配置されている、ガスセンサ素子。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載のガスセンサ素子を備える、ガスセンサ。
JP2016117709A 2016-06-14 2016-06-14 ガスセンサ素子およびガスセンサ Active JP6762145B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016117709A JP6762145B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 ガスセンサ素子およびガスセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016117709A JP6762145B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 ガスセンサ素子およびガスセンサ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017223488A JP2017223488A (ja) 2017-12-21
JP2017223488A5 JP2017223488A5 (ja) 2019-01-17
JP6762145B2 true JP6762145B2 (ja) 2020-09-30

Family

ID=60686910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016117709A Active JP6762145B2 (ja) 2016-06-14 2016-06-14 ガスセンサ素子およびガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6762145B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6979387B2 (ja) * 2018-04-27 2021-12-15 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ
JP6917349B2 (ja) * 2018-08-23 2021-08-11 株式会社Soken ガスセンサ素子
JP7055079B2 (ja) * 2018-08-31 2022-04-15 株式会社Soken ガスセンサ、及びガス検出システム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63174059U (ja) * 1986-10-28 1988-11-11
JPH0781982B2 (ja) * 1987-05-25 1995-09-06 株式会社日立製作所 酸素濃度検出器
JPH0348760A (ja) * 1989-07-17 1991-03-01 Toyota Motor Corp ヒータ付酸素濃度センサ
JPH04151550A (ja) * 1990-10-15 1992-05-25 Kyocera Corp ヒータ付酸素センサ
JPH04329352A (ja) * 1991-04-30 1992-11-18 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサ
JP2002139472A (ja) * 2000-11-02 2002-05-17 Nissan Motor Co Ltd 積層型空燃比センサ素子
JP4502991B2 (ja) * 2001-08-30 2010-07-14 京セラ株式会社 酸素センサ
DE102004027630A1 (de) * 2004-06-05 2006-01-05 Robert Bosch Gmbh Sensorelement zur Bestimmung einer physikalischen Eigenschaft eines Messgases
JP2009265002A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Denso Corp ガスセンサ素子
JP5835092B2 (ja) * 2012-05-11 2015-12-24 株式会社デンソー ガスセンサ素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017223488A (ja) 2017-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6762145B2 (ja) ガスセンサ素子およびガスセンサ
JP6425960B2 (ja) 積層型のガスセンサ素子、ガスセンサ、及びその製造方法
JP6491016B2 (ja) ガスセンサ
JPS60108745A (ja) 電気化学的装置
JPS61134655A (ja) 酸素センサ素子
JP6382768B2 (ja) ガスセンサ素子、ガスセンサ、および、ガスセンサ素子の製造方法
JP6814086B2 (ja) ガスセンサ素子およびガスセンサ
CN105699460B (zh) 气体传感器元件及气体传感器
JP6485364B2 (ja) ガスセンサ
JP2017223488A5 (ja)
JP6443415B2 (ja) ガスセンサ
JP6154306B2 (ja) ガスセンサ素子およびガスセンサ
US9176093B2 (en) Gas sensor
CN105466990B (zh) 气体传感器、气体传感器元件及其制造方法
US10481122B2 (en) Gas sensor element and gas sensor
JP4494283B2 (ja) ガスセンサおよびガスセンサの製造方法
US10247698B2 (en) Gas sensor element, gas sensor, and method for manufacturing gas sensor element
JP6540640B2 (ja) ガスセンサ
JP6320363B2 (ja) ガスセンサ素子、ガスセンサ、および、ガスセンサ素子の製造方法
JP7091787B2 (ja) 燃料電池の発電評価装置
JPS61137055A (ja) 酸素センサ素子
WO2016129661A1 (ja) ガスセンサ
JP2006153703A (ja) ガスセンサ
JP7206123B2 (ja) センサ素子及びガスセンサ
JP6655515B2 (ja) ガスセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181203

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190924

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200722

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6762145

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250