JP4189242B2 - 酸素センサ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ素子に関し、特に自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサ素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
この検出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジルコニアを主成分とする固体電解質からなり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。この酸素センサの代表的なものとしては、図4の概略断面図に示すように、ZrO固体電解質からなり、先端が封止された円筒管41の内面には、センサ部として白金からなり空気などの基準ガスと接触する基準電極42が、また円筒管41の外面には排気ガスなどの被測定ガスと接触される測定電極43が形成されている。
【0004】
このような酸素センサにおいて、一般に、空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、いわゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電極43の表面に、保護層としてセラミック多孔質層44が設けられており、所定温度で円筒管41両側に発生する酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。この際、理論空燃比センサは約700℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのために、円筒管41の内側には、センサ部を作動温度まで加熱するため棒状ヒータ45が挿入されている。
【0005】
しかしながら、近年排気ガス規制の強化傾向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。このような要求に対して、上述のように、棒状ヒータ45を円筒管41内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素センサでは、センサ部が活性化温度に達するまでに要する時間(以下、活性化時間という。)が遅いために排気ガス規制に充分対応できないという問題があった。
【0006】
近年、この問題を回避する方法として、図5の概略断面図に示すように、ジルコニア固体電解質からなる平板状の基板46の外面および内面に基準電極48と測定電極47をそれぞれ設けると同時に、アルミナセラミックス等からなるセラミック絶縁層49の内部に白金やタングステンのヒータ50を埋設したヒータ一体型の酸素センサ素子が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−540399号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002−236104号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示すような平板状のヒータ一体型酸素センサは、図4の間接加熱方式と異なり、直接加熱方式であるために、ヒータ50によるセンサ部の急速昇温が可能ではあるが、形状が平板形状であり、またジルコニア固体電解質の基板46とアルミナ絶縁層49との熱膨張係数が異なるため、このような急速昇温の繰り返しによって、ジルコニア固体電解質基板46とアルミナ絶縁層49の界面にクラックが発生し、このクラックの進展によって最終的には破壊に至る場合が発生するなどの問題があった。
【0010】
従って、本発明は、アルミナ絶縁層中に発熱体を埋設したヒータ部とセンサ部とが一体化してなり、耐久性、耐熱性に優れ、且つ長時間運転に対してもクラックの発生や破壊することのない優れた安定性を有する酸素センサ素子を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、大気導入孔を有する長尺平板状のジルコニア固体電解質基体における前記大気導入孔の内壁面とそれと対向する外表面に一対の電極対を有するセンサ部と、アルミナ絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備し、前記アルミナ絶縁層と前記ジルコニア固体電解質基体とが同時焼結によって形成され、その接合界面に厚みが2〜20nm、SiO含有量が0.5〜5.0mol%のアモルファス層を形成したことを特徴とする酸素センサ素子によって、セラミック絶縁層とジルコニア固体電解質基体の接合力を高め、平板形状の酸素センサ素子の問題点である急速昇温時の素子の破壊を防止するとともに、耐熱性、耐久性を改善できることを見出した。
【0012】
また、本発明の酸素センサ素子は、前記アルミナ絶縁層が、アルカリ土類金属を酸化物換算で1〜10質量%、Siを酸化物換算で0.02〜0.2質量%の割合で含有することが前記アモルファス層を形成する上で望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸素センサ素子の基本構造の例を図面をもとに以下に説明する。
【0014】
図1は、本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図である。これらは、一般的に理論空撚比センサ素子と呼ばれるものであり、図1の例ではいずれもセンサ部1とヒータ部2を具備するものである。
【0015】
図1の酸素センサ素子においては、ジルコニア固体電解質からなる酸素イオン導電性を有し、内部に先端が封止された大気導入孔3aが形成された基体3と、この基体3における大気導入孔3aの内壁と基体3の対向する両面には、空気に接する基準電極4と、排気ガスと接する測定電極5とが形成されており、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部1を形成している。
【0016】
また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極5表面には電極保護層としてセラミック多孔質層6が形成されていてもよい。
【0017】
一方、ヒータ部2は、アルミナを主成分とする絶縁層7の内部に、白金などからなる発熱体8が埋設されており、図1の酸素センサ素子においては、このヒータ部2はジルコニア固体電解質基体3の一部となるジルコニア固体電解質層9によりその周囲が覆われており、アルミナ絶縁層7は、ジルコニア固体電解質基体3(ジルコニア固体電解質層9)との接合界面を有する。
【0018】
本発明の酸素センサ素子におけるジルコニア固体電解質基体3やジルコニア固体電解質層9は、ZrOを含有するセラミックスからなり、安定化剤として、YおよびYb、Sc、Sm、Nd、Dyの群から選ばれる少なくとも1種を1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrOあるいは安定化ZrOが用いられる。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrOに対して、SiOを添加含有させることができるが、多量に含有させると高温におけるクリープ特性が悪くなることから、SiOの添加量は総量で5質量%以下、特に2質量%以下であることが望ましい。
【0019】
さらに、本発明においては、ヒータ部2を覆うジルコニア固体電解質層9の最小厚さSが20μm以上、特に50μm以上、さらには100μm以上とすることが望ましい。これは、ジルコニア固体電解質層9の内部に気孔が存在する場合があり、この気孔を経由して水蒸気が浸入することを防止すると同時に、固体電解質間の接合力を強化する目的で形成される。
【0020】
なお、このジルコニア固体電解質層9は、センサ部1が形成される基板3を構成するジルコニア固体電解質と同じ材質からなることが望ましく、相対密度が90%以上、特に95%以上の緻密体からなることが望ましい。
【0021】
図1の酸素センサ素子は、ヒータ部2は、センサ部1を有する基板3の下部に内蔵されることによって、ジルコニア固体電解質によって覆われており、センサ部1とともに焼成によって一体化された構造からなるものである。
【0022】
本発明においては、このヒータ部2を形成するセラミック絶縁層7は、アルミナを主体とする焼結体としては、アルミナを90質量%以上含有し、さらには、焼結性を改善する目的で、前記主成分以外の成分として、Mg、Caなどのアルカリ土類金属の酸化物の群から選ばれる少なくとも1種を総和で1〜10質量%含有する。これらの添加物によってジルコニア固体電解質基体との同時焼結性を高めることができる。
【0023】
この場合、用いる組成と焼成温度にもよるが、得られるセラミック絶縁層4中の結晶相としては、Al相以外に、MgO・Al(スピネル)相、MgO相のうちの2種または3種の結晶から構成されている。
【0024】
本発明によれば上記の酸素センサ素子において、アルミナ絶縁層7のジルコニア固体電解質基体3(ジルコニア固体電解質層9)との接合界面に、厚みが2〜20nm、SiO含有量が0.5〜5.0mol%のアモルファス層10が形成されていることが重要である。
【0025】
このアモルファス層10の形成によって、アルミナ絶縁層7のジルコニア固体電解質との間で発生する応力を緩和する作用をなしながら、セラミック絶縁層7と固体電解質の接合力を高め、平板形状のセンサ素子の問題点である急速昇温時の素子の破壊を防止するとともに、耐熱性、耐久性を改善できる。
【0026】
かかるアモルファス層10の存在は、接合界面を透過型電子顕微鏡写真によって容易に検出することができる。なお、このアモルファス層10の厚みが2nmよりも小さいと、結晶二面間の接合強度が低く剥離しやすいため、耐久試験の破損率が高くなる。また20nmを超えて存在すると、接合強度がアモルファス層自体の強度が支配的となるため耐久試験の破損率が高くなる。アモルファス層10の厚みは、特に4〜10nmであることが望ましい。
【0027】
また、SiO含有量が0.5mol%より少ないと、アモルファス層10が形成されにくく、5.0mol%よりも多いと著しくアモルファス層10の厚い組織となってしまう。SiO量は特に2〜4mol%であることが望ましい。
【0028】
本発明においては、このようなアモルファス層10を形成する上で、アルミナ絶縁層7中に、上記の焼結助剤に加え、SiOを0.02〜0.2質量%、特に0.05〜0.15質量%の割合で含有することが重要である。かかるSiOの含有によってアルミナ絶縁層7の強度を高めることができるとともに、上記のアモルファス層10の形成を促進することができる。従って、このSiO量が0.02質量%よりも少ないと、アモルファス層10中におけるSiO量が0.5mol%よりも少なくなり、0.2質量%よりも多いとアモルファス層のSiO量が5mol%を超えてしまう。
【0029】
なお、アルミナ絶縁層7を構成する焼結体は、相対密度が80%以上、特に90%以上、さらには95%以上、開気孔率が5%以下、特に3%以下の緻密質な焼結体によって構成することによって、アルミナ絶縁層7を介したヒータ部2の強度を高め、素子全体の強度を高めることができる。
【0030】
また、このセラミック絶縁層7中には、Na、K等のアルカリ金属は、マイグレーションしてヒータ部2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で総量で50ppm以下に制御することが望ましい
基体3の表面に被着形成される基準電極4、測定電極5は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0031】
ヒータ部2におけるアルミナセ絶縁層7内に埋設された発熱体8およびリード8a1、8a2は、金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金、またはW単体、あるいはWとMo、Reの群から選ばれる1種の合金を用いることができる。
【0032】
ヒータとして白金ヒータを用いる場合は、焼成中の白金の粒成長を防止する観点からアルミナの他に、セラミック絶縁層を形成する同じセラミック粉末を全量に対して、10〜40体積%、特に20〜30体積%添加することが好ましい。
【0033】
この場合、発熱体8とリード(図示せず)の抵抗比率は、いずれの場合も室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。
【0034】
また、測定電極5の表面に形成されるセラミック多孔質層6は、厚さ10〜800μm、特に100〜500μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。
【0035】
また、本発明の酸素センサ素子は、図2のようなワイドレンジセンサ素子に対しても適用される。図2は、その代表的な構造を説明するための概略断面図である。この図2の酸素センサ素子によれば、基体3の対向する面に基準電極4、測定電極5の電極対が形成され、測定電極5の上側には基板13によって空間部14が形成されており、この基板13には排気ガスを取り込むための0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔15が開けられている。
【0036】
かかる酸素センサにおいては、基体3を挟む一対の電極対4、5によってポンピングセルが形成されており、排気ガス中の酸素濃度に対応して電極対間に流れる電流を制御して排気ガス中の空燃比を制御する。
【0037】
なお、上記空間部14内には素子の強度を持たせるため多孔質のセラミックスを充填することもできる。また、上記の拡散孔15は、素子上面の他、側面や先端に形成することもできる。さらには、拡散孔15は空間内に一定の排気ガスを取り込むための孔として作用する。そのため、拡散孔15は、多数個の孔で形成してもよいし、またセラミック多孔質層で形成してもよい。
【0038】
また、基体3の下面に形成された基準電極4は、大気導入孔3aの内壁に形成されている。大気導入孔3aの直下には、さらにWあるいはPtからなる発熱体8を埋設したアルミナセラミック絶縁層7がジルコニア固体電解質層9によって覆われている。この発熱体8を加熱することにより、基体3と電極対4、5を加熱する仕組みとなっている。本発明の酸素センサにおいては、他の例として、上記の基板11の両面にポンピング電極を形成することもできる。
【0039】
かかる酸素センサ素子においても、アルミナセラミック絶縁層7とジルコニア固体電解質層9との間に、前記接合界面にアモルファス層を形成することにより接合強度を高めることができる。
【0040】
次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法を、図1の酸素センサ素子の製造方法を例にして、発熱体としてPtを用いた場合について、図3の分解斜視図をもとに説明する。
【0041】
まず、固体電解質のグリーンシート21を作製する。このグリーンシート21は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
【0042】
次に、上記のグリーンシート21の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン22やリードパターン23やスルーホール(図示せず)などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成した後、大気導入孔24を形成したグリーンシート25およびグリーンシート26をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ部用の積層体Aを作製する
さらに、この時に使用する白金を含有する導電性ペーストとしては、ジルコニアを1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で包含する白金粒子に、エチルセルロース等の有機樹脂成分を含有するものを用いることによって、電極の感度を高めることできる。なお、この時に測定電極5となるパターンの表面には、セラミック多孔質層6を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成してもよい。
【0043】
次に、図3に示すようにジルコニアグリーンシート27表面に、グリーンシート21を形成するジルコニア粉末組成物上に、アルカリ土類酸化物を1〜10質量%、およびSiOを0.02〜0.2質量%含有するAl粉末に有機樹脂および溶剤を加え混合し作製したグリーンシートを積層し、アルミナ絶縁層29aを形成する。
【0044】
次にアルミナ絶縁層29aの表面に、ヒータパターン30およびリードパターン31を印刷塗布する。そして、上記グリーンシートを積層してアルミナ絶縁層29bを形成しヒータ部2の積層体Bを作製する。
【0045】
上記のヒータ部2の積層体を作製するにあたり、アルミナ絶縁層29a,29bは、上記のようにドクターブレード法などのシート成形方法の他に、絶縁性ペーストの印刷塗布によって形成する方法、セラミックのスラリーによってシート化して積層することもできる。
【0046】
この後、センサ部1の積層体Aとヒータ部2の積層体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを焼成する。
【0047】
焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、焼成温度1350〜1500℃で焼成時間0.5〜5.0時間で焼成するが、本発明によれば、アモルファス層の形成促進のためには、所定の焼成温度において、焼成時間を比較的長くし、その後の降温速度を早く、例えば、1000℃までを100℃/hr以上、特に300℃/hr以上の速度で降温することが望ましい。
【0048】
かかる条件で、アルミナ絶縁層中に含まれているSiO成分が、高温での焼成によってジルコニアに吸いよせられて界面付近ににじみ出し、これを急速に高温することでアモルファス化することができる。
【0049】
なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0050】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極の表面に、プラズマ溶射法等により,アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスを形成することによってヒータ部が一体化された酸素センサ素子を形成することができる。
【0051】
【実施例】
図1に示す理論空燃比センサ素子を、図3に従い以下のようにして作製した。
【0052】
まず、800ppmのSiOを含有するアルミナ粉末と、アルミナとシリカをそれぞれ0.1重量%含む5モル%Y含有のジルコニア粉末と、平均粒子径が0.1μmで8モル%のイットリアからなるジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末と、アルミナを10体積%含有する白金粉末をそれぞれ準備した。
【0053】
まず、アルミナとシリカをそれぞれ0.1重量%含む5モル%Y含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニアグリーンシート21を作製した。
【0054】
その後、ジルコニアグリーンシート21の両面に、平均粒子径が0.1μmで8モル%のイットリアからなるジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン22、リードパターン23を印刷形成した後、大気導入孔24を形成したジルコニアグリーンシート25、およびジルコニアグリーンシート26をアクリル樹脂の接着剤により積層しセンサ部用積層体Aを得た。
【0055】
次に、上記ジルコニアグリーンシート27表面に、MgO+CaOが5質量%、
0.01〜0.15質量%のSiOを含有するアルミナ粉末からなるグリーンシートを作製して、厚みが焼成後80μmとなるよう絶縁層29aを形成した。そして、その表面にアルミナを10体積%含有する白金粉末のペーストを用いてヒータパターン30およびリードパターン31をスクリーン印刷した。
【0056】
さらに、このヒータパターン30、リードパターン31の表面に、上記アルミナグリーンシートを焼成後80μmになるようにスクリーン印刷してセラミック絶縁層29bを形成し、再度、上記気孔形成剤を含むジルコニアのスラリーを焼成後5〜400μmとなるように積層形成して多孔質ジルコニア層28bを形成した。
【0057】
そして、この積層体の周囲に、5モル%Y含有のジルコニア粉末からなるペーストを用い、スクリーン印刷により積層体と同じ高さとなるように塗布してジルコニア固体電解質層32を形成した。そして、さらにジルコニアシート33を積層して、セラミック絶縁層29a、29b間にヒータパターン30を埋設したヒータ部用積層体を作製した。
【0058】
その後、センサ部積層体とヒータ部積層体とを積層し、表1に示す焼成条件で焼成して、ヒータを一体化した酸素センサ素子を作製した。
【0059】
作製した酸素センサ素子におけるアルミナ絶縁層とジルコニア固体電解質との接合界面を透過型電子顕微鏡写真で観察を行い、10箇所の測定箇所のアモルファス層の厚みを測定し、その平均を表1に示した。
【0060】
また、各酸素センサ素子をそれぞれ20個ずつ作製し、室温から約20秒で1000℃まで昇温した後、ファンで強制的に室温まで急冷するという温度サイクルを1サイクルとして、これを20万回程度行った後の破損率を求めた。また、この際10箇所についてはEDSによる組成分析によりアモルファス層中のSiOの含有量(mol%)を求めた。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0004189242
【0062】
表1より、本発明のセラミック絶縁層の周囲に所定のアモルファス層を形成した試料は素子の破損率が低いことがわかる。その中で、アルミナ中のSiO量が500〜1000ppmの試料については特に破損率が低かった。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、ジルコニア固体電解質層(ジルコニア固体電解質基体)とアルミナ絶縁層の間に、SiOを含有するアモルファス層を形成することによって、長時間運転に対してもクラックの発生や破壊することのない優れた安定性を有する平板状の酸素センサ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の酸素センサ素子のさらに他の例を説明するために概略断面図である。
【図3】図1の酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図4】従来のヒータ一体型酸素センサ素子の構造を説明するための概略断面図である。
【図5】従来の他のヒータ一体型酸素センサ素子の構造を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 センサ部
2 ヒータ部
3 基板
4 基準電極
5 測定電極
6 セラミック多孔質層
7 セラミック絶縁層
8 発熱体
9 ジルコニア固体電解質層
10 多孔質ジルコニア固体電解質層

Claims (2)

  1. 大気導入孔を有する長尺平板状のジルコニア固体電解質基体における前記大気導入孔の内壁面とそれと対向する外表面に一対の電極対を有するセンサ部と、アルミナ絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備し、前記アルミナ絶縁層と前記ジルコニア固体電解質基体が同時焼結によって形成され、その接合界面に厚みが2〜20nm、SiO含有量が0.5〜5.0mol%のアモルファス層を形成したことを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 前記アルミナ絶縁層が、アルカリ土類金属を酸化物換算で1〜10質量%、Siを酸化物換算で0.02〜0.2質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子。
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