JP4025561B2 - 酸素センサ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ素子に関し、特に自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサ素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】
現在、自動車等の内燃機関においては、排出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御することにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、HC、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】
この検出素子として、主として酸素イオン導電性を有するジルコニアを主成分とする固体電解質からなり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそれぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素センサが用いられている。この酸素センサの代表的なものとしては、図9の概略断面図に示すように、ZrO2固体電解質からなり、先端が封止された円筒管31の内面には、センサ部として白金からなり空気などの基準ガスと接触する基準電極32が、また円筒管31の外面には排気ガスなどの被測定ガスと接触される測定電極33が形成されている。
【0004】
このような酸素センサにおいて、一般に、空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、いわゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電極33の表面に、保護層としてセラミック多孔質層34が設けられており、所定温度で円筒管31両側に発生する酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。この際、理論空燃比センサは約700℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのために、円筒管31の内側には、センサ部を作動温度まで加熱するため棒状ヒータ35が挿入されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年排気ガス規制の強化傾向が強まり、エンジン始動直後からのCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。このような要求に対して、上述のように、ヒータ35を円筒管31内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素センサでは、センサ部が活性化温度に達するまでに要する時間(以下、活性化時間という。)が遅いために排気ガス規制に充分対応できないという問題があった。
【0006】
近年、この問題を回避する方法として、図10の概略断面図に示すように、ジルコニア固体電解質からなる平板状の基板36の外面および内面に基準電極38と測定電極37をそれぞれ設けると同時に、アルミナセラミックスからなるセラミック絶縁層39の内部に白金やタングステンのヒータ40を埋設したヒータ一体型の酸素センサ素子が提案されている。
【0007】
しかしながら、このヒータ一体型酸素センサは、上述の従来の間接加熱方式と異なり、直接加熱方式であるために急速昇温が可能ではあるが、形状が平板形状であるため、耐久性、耐熱性が悪く、その結果、急速昇温の繰り返しにより素子が破壊するという問題があった。
【0008】
そのため、本出願人は、センサ素子の耐熱性、耐久性について研究を重ね、セラミック絶縁層を固体電解質と熱膨張係数が近い、AlとMgの複合酸化物、またはAlと,Yあるいは希土類元素との複合酸化物で形成することにより耐久性および耐熱性を高めることができることを見出し、これを円筒状のヒータ一体型センサ素子に適応した酸素センサ素子を特開平2001−41922号にて提案した。
【0009】
しかしながら、上記の素子構造においては、上記セラミック絶縁層がセンサ素子表面に露出しているため、水蒸気を含有する1000℃に近い高温度の排気ガスに接するような状況でセンサ素子をエンジン中で長時間運転すると水蒸気により上記セラミック絶縁層が徐々に分解し、その結果、センサ素子が破壊する場合があるという問題が発生することがわかった。
【0010】
しかも、上記の円筒型形状の場合、平板型に比較して熱的安定性には優れるが、製造工程が非常に煩雑であるという問題がある。しかしながら平板型酸素センサ素子の場合、発熱体を埋設したヒータ部をセンサ素子の一方の表面側に形成するために、電極の形成領域内での熱的なバランスがとれにくく、また耐久性にも問題があった。
【0011】
従って、本発明は、平板形状からなり、耐久性、耐熱性に優れ、且つ長時間運転に対してもセンサ素子が破壊することのない優れた安定性を有する長尺平板状の酸素センサ素子を提供するとことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題について検討した結果、ヒータ部を形成するセラミック絶縁層を少なくともAlとMgとを含む焼結体、またはAlと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種とを含む焼結体によって形成するとともに、そのヒータ部を露出しないようにジルコニア固体電解質層によって周囲を覆うとともに、ヒータ部を覆うジルコニア固体電解質層の最小厚みsを50〜1240μmとし、セラミック絶縁層内に埋設された発熱体からジルコニア固体電解質層までのセラミック絶縁層の最小厚みtを2〜2000μmとすることによってセラミック絶縁層の水蒸気による分解を抑制出来るばかりでなく、平板形状のセンサ素子の問題点である耐熱性、耐久性も同時に改善されることを見出した。
【0013】
即ち、本発明の酸素センサ素子は、長尺平板状のジルコニア固体電解質からなる基板の少なくとも対向する両面に白金から成る一対の電極対を有するセンサ部と、セラミック絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備する酸素センサ素子において、前記ヒータ部が露出しないように、ジルコニア基板内部に完全に埋設されて前記センサ部と一体的に形成されているとともに、前記ヒータ部を覆う前記ジルコニア固体電解質層の最小厚みsが50〜1240μmであり、前記セラミック絶縁層内に埋設された発熱体から前記ジルコニア固体電解質層までのセラミック絶縁層の最小厚みtが2〜2000μmであり、前記ヒータ部におけるセラミック絶縁層が、AlとMgの複合酸化物を主体とする焼結体からなり、AlとMgとの2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Mgを酸化物換算で10〜80モル%の割合で含有すること、またはAlと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との複合酸化物を主体とする焼結体からなり、Alと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種とを、AlとYおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で10〜80モル%の割合で含有することを特徴とするものである。
【0014】
なお、前記発熱体は、WまたはPtを主成分とすることが適当である。
【0017】
さらに、素子の先端付近にセンサ部の一対の電極対が形成され、素子の後端付近に端子を接続するための電極パッドを備えており、前記電極パッド形成部分における長手方向に対して直交する方向の幅、素子先端の幅よりも大きく、具体的には前記素子の幅、素子先端から後端に向かって連続的、または不連続的に大きくすることによってセンサ部の小型化とともに耐久性を高めることができる。
【0018】
なお、前記センサ部と前記ヒータ部とは、同時焼成して形成するか、または前記センサ部と、前記ヒータ部とそれぞれ別体で形成された後、接合材によって接合し一体化してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸素センサ素子の基本構造の例を図面をもとに説明する。
図1は、本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図、図2に他の例を説明するための概略断面図である。
【0020】
これらは、一般的に理論空撚比センサ素子と呼ばれるものであり、図1、図2の例ではいずれもセンサ部1とヒータ部2を具備するものである。
【0021】
図1の酸素センサ素子においては、ジルコニア固体電解質からなる酸素イオン導電性を有し、内部に先端が封止された大気導入孔3aが形成された基板3と、この基板3における大気導入孔3aの内壁と基板3の対向する両面には、空気に接する基準電極4と、排気ガスと接する測定電極5とが形成されており、酸素濃度を検知する機能を有するセンサ部1を形成している。
【0022】
また、排気ガスによる電極の被毒を防止する観点から、測定電極5表面には電極保護層としてセラミック多孔質層6が形成されていてもよい。
【0023】
一方、ヒータ部2は、セラミック絶縁層7の内部に、発熱体8が埋設されており、このヒータ部2は露出しないようにジルコニア固体電解質層3’によって周囲が覆われている。
【0024】
本発明においては、このヒータ部2を形成するセラミック絶縁層7をa)少なくともAlとMgとを含む複合酸化物を主体とする焼結体、またはb)Alと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との複合酸化物を主体とする焼結体によって構成することが重要である。
【0025】
また、本発明においては、セラミック絶縁層7を構成するAlとMgとの複合酸化物を主成分とする焼結体は、AlとMgとの酸化物換算による2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Mgを酸化物換算で10〜80モル%の割合で含有することが重要である。これは、上記Mg量が10モル%より少ないか、Al量が90モル%よりも多いと、焼結性が悪くなり、その結果、センサ素子が熱サイクルにより破損しやすくなる。また、Mg量が80モル%を越えるか、またはAl23が20モル%よりも少ないと、同様に焼結性が悪くなり、素子が熱サイクルにより破壊しやすくなる。
【0026】
この場合、用いる組成と焼成温度にもよるが、得られるセラミック絶縁層4中の結晶相としては、Al23相、MgO・Al23(スピネル)相、MgO相のうちの2種または3種の結晶から構成されている。上記の組成範囲のうち、Al量が酸化物換算50〜80モル%、Mg量が酸化物換算で20〜50モル%の範囲が特に好ましい。
【0027】
また、セラミック絶縁層7がAlと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との複合酸化物の場合、希土類元素としては、具体的にLa、Yb、Nd、Dy、Sc、Sm、Scが好適に用いられる。Yおよび希土類元素量は、Alとの酸化物換算による2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Yおよび希土類元素を10〜80モル%の範囲からなることが重要である。これは、Yおよび希土類元素の上記量比が10モル%より少ない、またはAl23が90モル%よりも多いと、焼結性が悪くなりその結果センサ素子の耐熱衝撃性が悪くなり、Yおよび希土類元素量が80モル%を越える、またはAl23量が20モル%よりも少ないと、同様に焼結性が悪くなり、その結果、センサ素子の耐熱衝撃性が悪くなる。望ましくは、Al量が50〜80モル%、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種を20〜50モル%からなることが望ましい。
【0028】
また、この時の結晶相としては、Al23と、AlとYまたは希土類元素との複合酸化物、Yまたは希土類元素酸化物のうちの2種または3種から構成される。例えば、複合酸化物としては、例えば、Al23とY23を用いた場合、3Y23・5Al23、2Y23・Al23、およびY23等の結晶を組み合わせた結晶相からなる。
【0029】
なお、この発熱体8を埋設するセラミック絶縁層7を構成する焼結体は、相対密度が80%以上、特に90%以上、さらには95%以上、開気孔率が5%以下、特に3%以下の緻密質な焼結体によって構成することによって、セラミック絶縁層7を介したヒータ部2の強度を高め、素子全体の強度を高めることができる。
【0030】
また、このセラミック絶縁層7中には、上記の成分以外に、焼結性を改善する目的で、前記主成分以外の成分として、Mg、Caなどのアルカリ土類金属の酸化物や、SiO2の群から選ばれる少なくとも1種を総和で1〜10質量%含有していてもよい。しかし、Na、K等のアルカリ金属は、マイグレーションしてヒータ部2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で総量で50ppm以下に制御することが望ましい。
【0031】
本発明においては、このセラミック絶縁層7を前記a)b)の焼結体によって形成することによって、センサ素子の耐熱衝撃性を改善することができ、その結果、ヒータ寿命の長いセンサ素子を提供することができる。
【0032】
また、本発明によれば、かかるセラミック絶縁層7を具備するヒータ部2を露出しないように完全にジルコニア固体電解質層3’によって覆うことが重要である。このようにヒータ部2をジルコニア固体電解質層3’によって覆うことによってセラミック絶縁層7が外気と接することがなく、外気中の水蒸気により上記セラミック絶縁層7が徐々に分解することを防止することができる。
【0033】
さらに、本発明においては、ヒータ部2を覆うジルコニア固体電解質層3’の最小厚を50〜1240μmとすることが重要である。これは、ジルコニア固体電解質層3’の内部に気孔が存在する場合があり、この気孔を経由して水蒸気が浸入する場合があることから、上記最小厚sを上記の範囲に設定することによって、水蒸気のヒータ部2への浸入をより完全に防止することができるのである。
【0034】
なお、このジルコニア固体電解質層3’は、センサ部1が形成される基板3を構成するジルコニア固体電解質と同じ材質からなることが望ましく、相対密度が90%以上、特に95%以上の緻密体からなることが望ましい。
【0035】
また、セラミック絶縁層7内に埋設された発熱体8と、ジルコニア固体電解質層3’までの最小厚みtは、2〜2000μmであることが重要であり、特に10〜1000μmであることが望ましい。これは、この最小厚みが2μmよりも薄いと、セラミック絶縁層7の電気絶縁性が保てなくなる場合があるためである。また、ヒータ部2の最小厚みが2000μmを超えると、セラミック絶縁層7とジルコニア基板3との熱膨張係数の違いによりセンサ素子が破壊しやすくなる。
【0036】
上記セラミック絶縁層7の内部に埋設される発熱体8は、白金あるいはタングステンを含み、例えば、白金の場合は、ロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる少なくとも1種との合金、タングステンの場合は、モリブデン、レニウムの群から選ばれる少なくとも1種との合金であってもよい。
【0037】
また、発熱体8中には、金属粒子の焼成を防止する観点から、アルミナ、スピネル、フォルステライト、あるいはセラミック絶縁層と同一の材料を体積換算で10〜60体積%含有分散させることが望ましい。
【0038】
図1の酸素センサ素子においては、ヒータ部2は、センサ部1を有する基板3の下部に内蔵されることによって、ジルコニア固体電解質によって覆われており、センサ部1とともに焼成によって一体化された構造からなるものであるが、図2の酸素センサ素子に示すように、センサ部1とヒータ部2とは、それぞれ別体で形成し、ヒータ部2の周囲にジルコニア固体電解質層3’を形成し、それらを接合材9によって接合された構造からなるものであってもよい。接合材9としては、ガラスなどの無機接着材が適当である。
【0039】
また、本発明によれば、図3に示すように、センサ素子の幅に関して、素子の先端付近にセンサ部1の一対の電極対5が形成され、素子の後端付近に端子を接続するための電極パッド11を備えており、前記素子後端の長手方向に対して直交する方向の幅L1が、素子先端の幅L2よりも大きいことが望ましい。あるいは、前記センサ素子の幅が、素子先端から後端に向かって連続的、または不連続的に大きくなっていることが望ましい。
【0040】
なお、この場合の、酸素センサ素子の具体的な構造としては、具体的には、図3(a)に示すように、素子の先端部から後端部にわたって連続して幅が大きくなるように、言い換えれば幅が広くなるようなもの、図3(b)に示すように、先端部から後端部の間で段差部vを境に素子の幅が広くなるようなもの、図3(c)に示すように、先端部から後端部の間でテーパ部pを設け、部分的に連続して幅が広くなるもの等が挙げられる。
【0041】
このように、電極パッド11が設けられる部分の幅を広くし、電極パッド11を形成している部分の幅L1を素子先端部の幅L2よりも大きくすることによって、センサ部の小型化とともに、電極パッド11にコネクタや金属ピンなどを容易に且つ強固に取り付けることができる。
【0042】
また、本発明によれば、素子の小型化とともに優れたガス応答性を図る上で、測定電極5の電極面積が8〜18mm であることが望ましい。一方、電極パッド11が形成される後端部における最大幅は、3.7〜5mm、特に4.0〜4.5mmであることが適当である。
【0043】
本発明によれば、測定電極5の面積および素子の幅を上記の範囲に制御することによって、ヒータによる測定電極5の急速昇温性を高め、センサによるガス応答性を改善することができる。
【0044】
また、ヒータ部2における発熱体8の配置としては、通常、図1に示すように、断面における一対の発熱体は、同一平面内に形成してもよいが、同一平面の場合には、小型化に伴い、ヒータパターンの形状が非常に制約されることから、図2に示すように、ヒータ部2の長手方向に対して直交する方向の断面における一対の発熱体8がセラミック絶縁層7aを介して形成すると、ヒータ部の小型化を図ることができる。
【0045】
より具体的には、図4の発熱体パターンの構造を説明する概略透過図に示すように、長尺状のセラミック絶縁層7内において、一端側からリード8a1が長手方向に伸び、セラミック絶縁層7の他端部付近のセンサ部1の電極形成部と対向する部分に発熱部8b1が形成され、素子の他端部で折り返された後、発熱部8b2を経由してリード8a2に接続されている。本発明においては、少なくとも発熱部8b1と8b2とがセラミック絶縁層7aを介して上下に形成されており、この発熱部8b1、8b2は、他端部においてセラミック絶縁層7aを貫通するビア8cなどの接続体によって電気的に接続されている。
【0046】
図4の発熱体パターンは、ミアンダ構造(波形)のパターンから構成され、発熱体の幅をxとした場合、図4のミアンダ構造では、発熱体8の幅xは、その波形の最大振幅に相当する。この発熱部8b1、8b2がそれぞれ所定の幅xを有する場合、一般に、これらを同一平面内に形成すると、素子全体の幅wは、発熱部8b1、8b2を絶縁層7内に埋設するためのしろ部分や発熱体8b1、8b2間のショートを防止するために、素子全体の幅wは、w≧3x程度は必要となる。
【0047】
これに対して、発熱部8b1、8b2をそれぞれ異なる層間に形成すると、平面的にみて、発熱部8b1、8b2が重なっていてもセラミック絶縁層7aによって絶縁性が保たれているために、素子全体の幅wは、3xよりも小さくできる。特に小型化を図る上で、w≦2.5x、さらにはw≦2xを満足することが望ましい。
【0048】
なお、上下の発熱部8a1、8b2間のセラミック絶縁層7aの厚みとしては、電気絶縁性の観点から1〜300μm、特に5〜100μm、さらには、5〜50μmが好ましい。
【0049】
なお、図4の例では、発熱体8は、素子の長手方向に直交する方向で折り返しを有するミアンダ(波形)形パターンからなるものであったが、この発熱体パターンは、これに限定されるものではなく、例えば、図5の発熱体のパターン図に示すように、素子の長手方向で折り返しを有するミアンダ形パターンであってもよい。
【0050】
さらに、本発明によれば、上記図3(c)の酸素センサ素子を用いて、例えば、図6に示すように、酸素センサ素子をホルダーに取り付ける場合の取り付け治具12をテーパ部pの部分に取り付けることができる。
【0051】
また、本発明の酸素センサ素子は、素子強度の観点から、素子全体の厚さとしては、0.8〜3mm、特に1〜2mm、素子の長さとしては45〜55mm、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0052】
また、本発明は基準電極が大気に接しない、固体電解質中に埋設したセンサ素子構造にも適用できることは言うまでも無い。
【0053】
また、本発明の酸素センサ素子は、図7のようなワイドレンジセンサ素子に対しても適用される。図7は、その代表的な構造を説明するための概略断面図である。この図7の酸素センサ素子によれば、基板3の対向する面に基準電極4、測定電極5の電極対が形成され、測定電極5の上側には基板13によって空間部14が形成されており、この基板13には排気ガスを取り込むための0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔15が開けられている。
【0054】
かかる酸素センサにおいては、基板3を挟む一対の電極対4、5によってポンピングセルが形成されており、排気ガス中の酸素濃度に対応して電極対間に流れる電流を制御して排気ガス中の空燃比を制御する。
【0055】
なお、上記空間部14内には素子の強度を持たせるため多孔質のセラミックスを充填することもできる。また、上記の拡散孔15は、素子上面の他、側面や先端に形成することもできる。さらには、拡散孔15は空間内に一定の排気ガスを取り込むための孔として作用する。そのため、拡散孔15は、多数個の孔で形成してもよいし、またセラミック多孔質層で形成してもよい。
【0056】
また、基板3の下面に形成された基準電極4は、大気導入孔3aの内壁に形成されている。大気導入孔3aの直下には、さらにWあるいはPtからなる発熱体8を埋設したセラミック絶縁層7がジルコニア固体電解質層3’によって覆われている。この発熱体8を加熱することにより、基板3と電極対4、5を加熱する仕組みとなっている。本発明は、他の例として、ポンピング電極の他にセンシング電極を形成したワイドレンジセンサにも応用することができる。
【0057】
本発明の酸素センサ素子における基板3やジルコニア固体電解質層3’を形成するジルコニア固体電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、安定化剤として、Y23およびYb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23の群から選ばれる少なくとも1種を1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられる。また、ZrO2中のZrを1〜20原子%をCeで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効果もある。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al23やSiO2を添加含有させることができるが、多量に含有させると、高温におけるクリープ特性が悪くなることから、Al23およびSiO2の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0058】
基板3の表面に被着形成される基準電極4、測定電極5は、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時の電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で上記電極中に混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0059】
また、測定電極5の表面に形成されるセラミック多孔質層6は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。この多孔質層6の厚さが10μmより薄いか、あるいは気孔率が50%を超えると、電極被毒物質P、Si等が容易に電極に達して電極性能が低下する。それに対して、多孔質層6の厚さが800μmを超えるか、あるいは気孔率が10%より小さくなるとガスの多孔質層6中の拡散速度が遅くなり、電極のガス応答性が悪くなる。特に、多孔質層6の厚さとしては気孔率にもよるが100〜500μmが適当である。
【0060】
ヒータ部2におけるセラミック絶縁層7内に埋設されたヒータ8およびリード8a1、8a2は、金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金、またはW単体、あるいはWとMo、Reの群から選ばれる1種の合金を用いることができる。
【0061】
ヒータとして白金ヒータを用いる場合は、焼成中の白金の粒成長を防止する観点からアルミナの他に、セラミック絶縁層を形成する同じセラミック粉末を全量に対して、10〜40体積%、特に20〜30体積%添加することが好ましい。この場合、ヒータ8とリード8a1,8a2の抵抗比率は、いずれの場合も室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。
【0062】
なお、ヒータ部2における発熱体8の発熱パターンとしては、長手方向に伸び、長手方向の端部で折り返した構造のみならず、ミアンダ構造であってもよい。
【0063】
次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法を、図1の酸素センサ素子の製造方法を例にして、発熱体としてPtを、またセラミック絶縁層として、Al、Mgを含有する酸化物焼結体を用いた場合について、図8の分解斜視図をもとに説明する。
【0064】
まず、固体電解質のグリーンシート21を作製する。このグリーンシート21は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製される。
【0065】
次に、上記のグリーンシート21の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン22やリードパターン23、電極パッド16やスルーホール17などを例えば、白金を含有する導体ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で形成した後、大気導入孔24を形成したグリーンシート25およびグリーンシート26をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に接着することによりセンサ部用の積層体Aを作製する
さらに、この時に使用する白金を含有する導体ペーストとしては、ジルコニアを1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で包含する白金粒子に、エチルセルロース等の有機樹脂成分を含有するものを用いることによって、電極の感度を高めることできる。なお、この時に測定電極5となるパターンの表面には、セラミック多孔質層6を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成してもよい。
【0066】
次に、図8に示すようにジルコニアグリーンシート27表面に、Al23粉末とMgO粉末とを所定の比率で混合した混合粉末、またはAl23粉末とMgO粉末とを所定の比率で混合したものを予め高温で仮焼処理して複合酸化物を作製し粉砕した粉末に有機樹脂および溶剤を加え混合した絶縁性ペーストをスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷し、セラミック絶縁層28aを形成する。
【0067】
次に、セラミック絶縁層28の表面に、白金やタングステンなどの導体ペーストによって、図2で示したようなヒータパターン29およびリードパターン30を印刷塗布する。そして、上記絶縁性ペーストを塗布してセラミック絶縁層28bを形成する。その後セラミック絶縁層28a,28bを固体電解質で被覆するために、ジルコニア粉末からなるペーストを用いて、セラミック絶縁層28a、28bの周囲に、セラミック絶縁層28a、28bとほぼ同じ高さにジルコニア固体電解質層31を印刷形成する。そして、再度、ジルコニアグリーンシート32を積層して、ヒータ部2の積層体Bを作製する。
【0068】
また、合わせてグリーンシート27の裏面には、ヒータパターン29およびリードパターン29と接続される電極パッド18およびスルーホール19を上記導体ペーストを用いて形成する。
【0069】
上記のヒータ部2の積層体を作製するにあたり、セラミック絶縁層18a、18b、18cは、上記のように絶縁性ペーストの印刷塗布によって形成する他に、セラミックのスラリーを用いてドクターブレード法などのシート成形方法によって絶縁性シートを形成して積層することもできる。
【0070】
また、図2の酸素センサ素子のように白金ヒータを異なる面に形成する場合には、上側のヒータパターンおよびリードパターンと、上側のヒータパターンおよびリードパターンとを分離し、下側のヒータパターンおよびリードパターンを形成後に、セラミック絶縁層を塗布形成した後、上側のヒータパターンおよびリードパターンを形成すればよい。なお、下側のヒータパターンと上側ヒータパターンとは、介在するセラミック絶縁層に貫通孔を形成し、上側ヒータパターン形成時にこの貫通孔内に導電性ペーストを充填すればよい。または、介在するセラミック絶縁層の先端部を切り欠き、その切り欠き部に導電性ペーストを塗布して接続し、一本に繋がった白金ヒータを形成する。
【0071】
この後、センサ部1の積層体Aとヒータ部2の積層体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両者を機械的に接着することにより接着一体化した後、これらを焼成する。焼成は、大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反り量を低減することができる。
【0072】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極の表面に、プラズマ溶射法等により,アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスを形成することによってヒータ部が一体化された酸素センサ素子を形成することができる。
【0073】
なお、上記の方法では、ヒータ部1はセンサ部2と同時焼成して形成した場合について説明したが、センサ部1とヒータ部2とはそれぞれ別体で焼成した後、ガラスなどの適当な無機接合材によって接合することによって一体化することも可能である。
【0074】
ヒータをWで形成する場合、積層体の作製方法は、上述の白金ヒータを用いた場合と同様であるが、焼成は、還元雰囲気または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する必がある。
【0075】
【実施例】
(実施例1)
図1に示す理論空燃比センサ素子を、図8に従い以下のようにして作製した。
【0076】
まず、1)MgOとAl23との混合粉末と、2)Al23とY23、Yb23、Er23、Nd23、Dy23、Sc23、Sm23との混合粉末と、3)アルミナとシリカをそれぞれ0.1重量%含む5モル%Y23含有のジルコニア粉末と、4)平均粒子径が0.1μmで8モル%のイットリアからなるジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末と、5)アルミナを10体積%含有する白金粉末をそれぞれ準備した。
【0077】
まず、3)のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニアグリーンシート21を作製した。
【0078】
その後、ジルコニアグリーンシート21の両面に、4)の白金粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン22、リードパターン23を印刷形成した後、大気導入孔24を形成したジルコニアグリーンシート25、およびジルコニアグリーンシート26をアクリル樹脂の接着剤により積層しセンサ部用積層体Aを得た。
【0079】
次に、3)のジルコニア粉末のスラリーを用いて作製した焼結後の厚みが250μmになるようなジルコニアグリーンシート27表面に、セラミック絶縁層用の1)MgOとAl23の混合粉末と、2)Al23とY23や希土類酸化物との混合粉末からなる絶縁性ペーストを作製して、厚みが焼成後20μmとなるようにスクリーン印刷してセラミック絶縁層28aを形成した後、その表面に5)の白金粉末のペーストを用いてヒータパターン29およびリードパターン30をスクリーン印刷した。
【0080】
さらに、このヒータパターン29、リードパターン30の表面に、1)または2)と同じ組成の絶縁性ペーストを焼成後20μmになるようにスクリーン印刷してセラミック絶縁層28bを形成した。また、セラミック絶縁層28a,28bをジルコニア固体電解質層中に埋設するため、5モル%Y23含有のジルコニア粉末からなるペーストを用い、スクリーン印刷によりセラミック絶縁層28a、28bの周囲に250μmの幅で3)のジルコニア粉末のスラリーを用いてジルコニア固体電解質層31を印刷形成した。
【0081】
そして、このセラミック絶縁層28a,28b、白金ヒータ29、リード30およびジルコニアを印刷したジルコニアシート表面に、さらにジルコニアシート32を積層して、セラミック絶縁層28a、28bと白金ヒータ29とを埋設したヒータ部用積層体を作製した。
【0082】
この際、比較のためセラミック絶縁層28a,28bが外周面の端面に露出するようにセラミック絶縁層28を印刷したヒータ部用積層体も合わせて作製した。
【0083】
この後、前述の製造方法に従いセンサ部用積層体Aとヒータ部用積層体Bを接合してヒータ一体化センサ素子の積層体を1500℃、1時間焼成してヒータを一体化したセンサ素子をそれぞれ50個づつ作製した。
【0084】
なお、いずれの試料についても、ヒータ部におけるジルコニア固体電解質層の最小厚みは50μmとした。
【0085】
その後、作製したセンサ素子、各20個について、室温から約20秒で1000℃まで昇温した後、ファンで強制的に室温まで急冷するという温度サイクルを1サイクルとして、これを20万回行った後の破損率を求め、表1に示した。
【0086】
また、センサ素子の雰囲気安定性として、5%水蒸気を含む水素ガス中に1000℃で1000h保持し、セラミック絶縁層の分解による素子の破損率を求め、表1に示した。この際、素子の数量はそれぞれ各20本とした。
【0087】
【表1】
Figure 0004025561
【0088】
表1より、MgOおよびY23の量比が10モル%より低い試料No.1、試料No.9、MgOとY23の量比が80モル%を越える試料No.8、No.14は、素子の破損率が高いことが分かる。
(実施例2)
実施例1の試料No.3とNo.11の組成系の酸素センサ素子において、ジルコニア固体電解質層の最小厚みsおよびヒータ部の発熱体からジルコニア固体電解質層までの最小厚みtを変化させた試料を実施例1に従いそれぞれ20個づつ作製した。また、評価は実施例1と同様に大気中での温度サイクルによる耐久性と、水蒸気雰囲気中での安定性を調べた。
【0089】
結果を表2に示した。
【0090】
【表2】
Figure 0004025561
【0091】
1、2より、ジルコニア固体電解質層の厚みsは0μm以上、発熱体からジルコニア固体電解質層までの最小厚みtが2〜2000μmの範囲であれば、高温度の水蒸気中での素子の安定性が優れることが分かる。特にジルコニア固体電解質層の厚みが100〜700μmの範囲が特に優れる。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の酸素センサ素子においては、ヒータ部を形成するセラミック絶縁層を、少なくともAlとMgとを含む、またはAlと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種とを含む酸化物焼結体によって形成するとともに、そのヒータ部を露出しないようにジルコニア固体電解質層によって周囲を覆い、ヒータ部を覆うジルコニア固体電解質層の最小厚みを50〜1240μmとし、セラミック絶縁層内に埋設された発熱体からジルコニア固体電解質層までのセラミック絶縁層の最小厚みを2〜2000μmとすることによってセラミック絶縁層の水蒸気による分解を抑制出来るばかりでなく、平板形状のセンサ素子の問題点である耐熱性、耐久性も同時に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の酸素センサ素子の他の例を説明するために概略断面図である。
【図3】本発明における酸素センサ素子の概略平面図である。
【図4】図2の酸素センサ素子の発熱体パターンの構造を説明するための概略斜視図である。
【図5】図2の酸素センサ素子の発熱体パターンの他の構造を説明するための概略斜視図である。
【図6】図3(c)の酸素センサ素子の応用例を説明するための概略斜視図である。
【図7】本発明の酸素センサ素子のさらに他の例を説明するために概略断面図である。
【図8】図1の酸素センサ素子の製造方法を説明するための分解斜視図である。
【図9】従来のヒータ一体型酸素センサ素子の構造を説明するための概略断面図である。
【図10】従来の他のヒータ一体型酸素センサ素子の構造を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 センサ部
2 ヒータ部
3 基板
3’ジルコニア固体電解質層
4 基準電極
5 測定電極
6 セラミック多孔質層
7 セラミック絶縁層
8 発熱体

Claims (5)

  1. 長尺平板状のジルコニア固体電解質からなる基板の少なくとも対向する両面に白金から成る一対の電極対を有するセンサ部と、セラミック絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備する酸素センサ素子において、
    前記ヒータ部が、露出しないようにジルコニア固体電解質層によって周囲が覆われ、前記センサ部と一体的に形成されているとともに、前記ヒータ部を覆う前記ジルコニア固体電解質層の最小厚みが50〜1240μmであり、前記セラミック絶縁層内に埋設された前記発熱体から前記ジルコニア固体電解質層までのセラミック絶縁層の最小厚みが2〜2000μmであり、前記ヒータ部におけるセラミック絶縁層が、AlとMgとを2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Mgを酸化物換算で10〜80モル%の割合で含有する焼結体からなることを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 長尺平板状のジルコニア固体電解質からなる基板の少なくとも対向する両面に白金から成る一対の電極対を有するセンサ部と、セラミック絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備する酸素センサ素子において、
    前記ヒータ部が、露出しないようにジルコニア固体電解質層によって周囲が覆われ、前記センサ部と一体的に形成されているとともに、前記ヒータ部を覆う前記ジルコニア固体電解質層の最小厚みが50〜1240μmであり、前記セラミック絶縁層内に埋設された前記発熱体から前記ジルコニア固体電解質層までのセラミック絶縁層の最小厚みが2〜2000μmであり、前記ヒータ部におけるセラミック絶縁層が、Alと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種とを、AlとYおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で10〜80モル%の割合で含有する焼結体からなることを特徴とする酸素センサ素子。
  3. 前記発熱体が、WまたはPtを主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素センサ素子。
  4. 素子の先端付近にセンサ部の一対の電極対が形成され、素子の後端付近に端子を接続するための電極パッドを備えており、前記電極パッド形成部分における長手方向に対して直交する方向の幅が、素子先端の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか記載の酸素センサ素子。
  5. 前記素子の幅が、素子先端から後端に向かって連続的、または不連続的に大きくなっていることを特徴とする請求項記載の酸素センサ素子。
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