JP2003270202A - 酸素センサ素子 - Google Patents
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Abstract
つ長時間運転に対してもセンサ素子が破壊することのな
い優れた安定性を有する長尺平板状の酸素センサ素子を
提供する。 【解決手段】長尺平板状のジルコニア基板3の少なくと
も対向する両面に白金から成る一対の電極対4、5を有
するセンサ部1と、セラミック絶縁層7内に発熱体8を
埋設したヒータ部2を具備し、ヒータ部2が、ジルコニ
ア固体電解質層3’によって全体が覆われており、セン
サ部1と一体的に形成されているとともに、ヒータ部2
におけるセラミック絶縁層7を、AlとMgとを含有す
る酸化物焼結体、またはAlと、Yおよび希土類元素の
群から選ばれる少なくとも1種とを含有する酸化物焼結
体によって形成する。
Description
関し、特に自動車等の内燃機関における空気と燃料の比
率を制御するための酸素センサ素子に関するものであ
る。
出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて
内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御するこ
とにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。
導電性を有するジルコニアを主成分とする固体電解質か
らなり、一端が封止された円筒管の外面および内面にそ
れぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素セ
ンサが用いられている。この酸素センサの代表的なもの
としては、図9の概略断面図に示すように、ZrO2固
体電解質からなり、先端が封止された円筒管31の内面
には、センサ部として白金からなり空気などの基準ガス
と接触する基準電極32が、また円筒管31の外面には
排気ガスなどの被測定ガスと接触される測定電極33が
形成されている。
空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられている、い
わゆる理論空燃比センサ(λセンサ)としては、測定電
極33の表面に、保護層としてセラミック多孔質層34
が設けられており、所定温度で円筒管31両側に発生す
る酸素濃度差を検出し、エンジン吸気系の空燃比の制御
が行われている。この際、理論空燃比センサは約700
℃付近の作動温度までに加熱する必要があり、そのため
に、円筒管31の内側には、センサ部を作動温度まで加
熱するため棒状ヒータ35が挿入されている。
気ガス規制の強化傾向が強まり、エンジン始動直後から
のCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。この
ような要求に対して、上述のように、ヒータ35を円筒
管31内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型酸素セン
サでは、センサ部が活性化温度に達するまでに要する時
間(以下、活性化時間という。)が遅いために排気ガス
規制に充分対応できないという問題があった。
10の概略断面図に示すように、ジルコニア固体電解質
からなる平板状の基板36の外面および内面に基準電極
38と測定電極37をそれぞれ設けると同時に、アルミ
ナセラミックスからなるセラミック絶縁層39の内部に
白金やタングステンのヒータ40を埋設したヒータ一体
型の酸素センサ素子が提案されている。
サは、上述の従来の間接加熱方式と異なり、直接加熱方
式であるために急速昇温が可能ではあるが、形状が平板
形状であるため、耐久性、耐熱性が悪く、その結果、急
速昇温の繰り返しにより素子が破壊するという問題があ
った。
性、耐久性について研究を重ね、セラミック絶縁層を固
体電解質と熱膨張係数が近い、AlとMgの複合酸化
物、またはAlと,Yあるいは希土類元素との複合酸化
物で形成することにより耐久性および耐熱性を高めるこ
とができることを見出し、これを円筒状のヒータ一体型
センサ素子に適応した酸素センサ素子を特開平2001
−41922号にて提案した。
は、上記セラミック絶縁層がセンサ素子表面に露出して
いるため、水蒸気を含有する1000℃に近い高温度の
排気ガスに接するような状況でセンサ素子をエンジン中
で長時間運転すると水蒸気により上記セラミック絶縁層
が徐々に分解し、その結果、センサ素子が破壊する場合
があるという問題が発生することがわかった。
に比較して熱的安定性には優れるが、製造工程が非常に
煩雑であるという問題がある。しかしながら平板型酸素
センサ素子の場合、発熱体を埋設したヒータ部をセンサ
素子の一方の表面側に形成するために、電極の形成領域
内での熱的なバランスがとれにくく、また耐久性にも問
題があった。
久性、耐熱性に優れ、且つ長時間運転に対してもセンサ
素子が破壊することのない優れた安定性を有する長尺平
板状の酸素センサ素子を提供するとことを目的とするも
のである。
について検討した結果、ヒータ部を形成するセラミック
絶縁層を少なくともAlとMgとを含む焼結体、または
Alと、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくと
も1種とを含む焼結体によって形成するとともに、その
ヒータ部をジルコニア固体電解質層によって全体を覆う
ことによってセラミック絶縁層の水蒸気による分解を抑
制出来るばかりでなく、平板形状のセンサ素子の問題点
である耐熱性、耐久性も同時に改善されることを見出し
た。
板状のジルコニア基板の少なくとも対向する両面に白金
から成る一対の電極対を有するセンサ部と、セラミック
絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ部を具備する酸素セ
ンサ素子において、前記ヒータ部が、ジルコニア基板内
部に完全に埋設されて前記センサ部と一体的に形成され
ているとともに、前記ヒータ部におけるセラミック絶縁
層が、AlとMgの複合酸化物を主体とする焼結体から
なり、AlとMgとの2成分基準で、Alを酸化物換算
で20〜90モル%、Mgを酸化物換算で10〜80モ
ル%の割合で含有すること、またはAlと、Yおよび希
土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との複合酸化
物を主体とする焼結体からなり、Alと、Yおよび希土
類元素の群から選ばれる少なくとも1種との2成分基準
で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Yおよび希
土類元素の群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算
で10〜80モル%の割合で含有することを特徴とする
ものである。
分とすることが適当である。
ア基板の厚さを10μm以上とすることによって、水蒸
気によるセラミック絶縁層の分解を抑制することができ
る。
た発熱体から前記ジルコニア固体電解質層までのセラミ
ック絶縁層の最小厚みtが2〜2000μmであること
が発熱体からのリーク電流を防止する上で望ましい。
の電極対が形成され、素子の後端付近に端子を接続する
ための電極パッドを備えており、前記電極パッド形成部
分における長手方向に対して直交する方向の幅が、素子
先端の幅よりも大きく、具体的には前記素子の幅が、素
子先端から後端に向かって連続的、または不連続的に大
きくなっており、前記一対の電極対のうち、被測定ガス
と接触する電極の面積が8〜18mm2であり、且つ素
子の長手方向に対して直交する方向の幅が、素子先端か
ら少なくとも5mm以上を2.0〜3.5mmとするこ
とによってセンサ部の小型化とともに耐久性を高めるこ
とができる。
同時焼成して形成するか、または前記センサ部と、前記
ヒータ部とそれぞれ別体で形成された後、接合材によっ
て接合し一体化してもよい。
基本構造の例を図面をもとに説明する。図1は、本発明
の酸素センサ素子の一例を説明するための概略断面図、
図2に他の例を説明するための概略断面図である。
と呼ばれるものであり、図1、図2の例ではいずれもセ
ンサ部1とヒータ部2を具備するものである。
ニア固体電解質からなる酸素イオン導電性を有し、内部
に先端が封止された大気導入孔3aが形成された基板3
と、この基板3における大気導入孔3aの内壁と基板3
の対向する両面には、空気に接する基準電極4と、排気
ガスと接する測定電極5とが形成されており、酸素濃度
を検知する機能を有するセンサ部1を形成している。
る観点から、測定電極5表面には電極保護層としてセラ
ミック多孔質層6が形成されていてもよい。
の内部に、発熱体8が埋設されており、このヒータ部2
は、ジルコニア固体電解質層3’によって全体が覆われ
ている。
するセラミック絶縁層7をa)少なくともAlとMgと
を含む複合酸化物を主体とする焼結体、またはb)Al
と、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1
種との複合酸化物を主体とする焼結体によって構成する
ことが重要である。
層7を構成するAlとMgとの複合酸化物を主成分とす
る焼結体は、AlとMgとの酸化物換算による2成分基
準で、Alを酸化物換算で20〜90モル%、Mgを酸
化物換算で10〜80モル%の割合で含有することが重
要である。これは、上記Mg量が10モル%より少ない
か、Al量が90モル%よりも多いと、焼結性が悪くな
り、その結果、センサ素子が熱サイクルにより破損しや
すくなる。また、Mg量が80モル%を越えるか、また
はAl2O3が20モル%よりも少ないと、同様に焼結性
が悪くなり、素子が熱サイクルにより破壊しやすくな
る。
が、得られるセラミック絶縁層4中の結晶相としては、
Al2O3相、MgO・Al2O3(スピネル)相、MgO
相のうちの2種または3種の結晶から構成されている。
上記の組成範囲のうち、Al量が酸化物換算50〜80
モル%、Mg量が酸化物換算で20〜50モル%の範囲
が特に好ましい。
よび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種との複
合酸化物の場合、希土類元素としては、具体的にLa、
Yb、Nd、Dy、Sc、Sm、Scが好適に用いられ
る。Yおよび希土類元素量は、Alとの酸化物換算によ
る2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜90モル
%、Yおよび希土類元素を10〜80モル%の範囲から
なることが重要である。これは、Yおよび希土類元素の
上記量比が10モル%より少ない、またはAl2O3が9
0モル%よりも多いと、焼結性が悪くなりその結果セン
サ素子の耐熱衝撃性が悪くなり、Yおよび希土類元素量
が80モル%を越える、またはAl2O3量が20モル%
よりも少ないと、同様に焼結性が悪くなり、その結果、
センサ素子の耐熱衝撃性が悪くなる。望ましくは、Al
量が50〜80モル%、Yおよび希土類元素の群から選
ばれる少なくとも1種を20〜50モル%からなること
が望ましい。
と、AlとYまたは希土類元素との複合酸化物、Yまた
は希土類元素酸化物のうちの2種または3種から構成さ
れる。例えば、複合酸化物としては、例えば、Al2O3
とY2O3を用いた場合、3Y 2O3・5Al2O3、2Y2
O3・Al2O3、およびY2O3等の結晶を組み合わせた
結晶相からなる。
絶縁層7を構成する焼結体は、相対密度が80%以上、
特に90%以上、さらには95%以上、開気孔率が5%
以下、特に3%以下の緻密質な焼結体によって構成する
ことによって、セラミック絶縁層7を介したヒータ部2
の強度を高め、素子全体の強度を高めることができる。
記の成分以外に、焼結性を改善する目的で、前記主成分
以外の成分として、Mg、Caなどのアルカリ土類金属
の酸化物や、SiO2の群から選ばれる少なくとも1種
を総和で1〜10質量%含有していてもよい。しかし、
Na、K等のアルカリ金属は、マイグレーションしてヒ
ータ部2の電気絶縁性を悪くするため酸化物換算で総量
で50ppm以下に制御することが望ましい。
7を前記a)b)の焼結体によって形成することによっ
て、センサ素子の耐熱衝撃性を改善することができ、そ
の結果、ヒータ寿命の長いセンサ素子を提供することが
できる。
絶縁層7を具備するヒータ部2を完全にジルコニア固体
電解質層3’によって覆うことが重要である。このよう
にヒータ部2をジルコニア固体電解質層3’によって覆
うことによってセラミック絶縁層7が外気と接すること
がなく、外気中の水蒸気により上記セラミック絶縁層7
が徐々に分解することを防止することができる。
覆うジルコニア固体電解質層3’の最小厚さsが10μ
m以上、特に100μm以上とすることが望ましい。こ
れは、ジルコニア固体電解質層3’の内部に気孔が存在
する場合があり、この気孔を経由して水蒸気が浸入する
場合があることから、上記最小厚さsを上記の範囲に設
定することによって、水蒸気のヒータ部2への浸入をよ
り完全に防止することができるのである。
は、センサ部1が形成される基板3を構成するジルコニ
ア固体電解質と同じ材質からなることが望ましく、相対
密度が90%以上、特に95%以上の緻密体からなるこ
とが望ましい。
発熱体8と、ジルコニア固体電解質層3’までの最小厚
みtは、2〜2000μm、特に10〜1000μmで
あることが望ましい。これは、この最小厚みが2μmよ
りも薄いと、セラミック絶縁層7の電気絶縁性が保てな
くなる場合があるためである。また、ヒータ部2の最小
厚みが2000μmを超えると、セラミック絶縁層7と
ジルコニア基板3との熱膨張係数の違いによりセンサ素
子が破壊しやすくなる。
る発熱体8は、白金あるいはタングステンを含み、例え
ば、白金の場合は、ロジウム、パラジウム、ルテニウム
の群から選ばれる少なくとも1種との合金、タングステ
ンの場合は、モリブデン、レニウムの群から選ばれる少
なくとも1種との合金であってもよい。
防止する観点から、アルミナ、スピネル、フォルステラ
イト、あるいはセラミック絶縁層と同一の材料を体積換
算で10〜60体積%含有分散させることが望ましい。
部2は、センサ部1を有する基板3の下部に内蔵される
ことによって、ジルコニア固体電解質によって覆われて
おり、センサ部1とともに焼成によって一体化された構
造からなるものであるが、図2の酸素センサ素子に示す
ように、センサ部1とヒータ部2とは、それぞれ別体で
形成し、ヒータ部2の周囲にジルコニア固体電解質層
3’を形成し、それらを接合材9によって接合された構
造からなるものであってもよい。接合材9としては、ガ
ラスなどの無機接着材が適当である。
に、センサ素子の幅に関して、素子の先端付近にセンサ
部1の一対の電極対5が形成され、素子の後端付近に端
子を接続するための電極パッド11を備えており、前記
素子後端の長手方向に対して直交する方向の幅L1が、
素子先端の幅L2よりも大きいことが望ましい。あるい
は、前記センサ素子の幅が、素子先端から後端に向かっ
て連続的、または不連続的に大きくなっていることが望
ましい。
的な構造としては、具体的には、図3(a)に示すよう
に、素子の先端部から後端部にわたって連続して幅が大
きくなるように、言い換えれば幅が広くなるようなも
の、図3(b)に示すように、先端部から後端部の間で
段差部vを境に素子の幅が広くなるようなもの、図3
(c)に示すように、先端部から後端部の間でテーパ部
pを設け、部分的に連続して幅が広くなるもの等が挙げ
られる。
部分の幅を広くし、電極パッド11を形成している部分
の幅L1を素子先端部の幅L2よりも大きくすることに
よって、センサ部の小型化とともに、電極パッド11に
コネクタや金属ピンなどを容易に且つ強固に取り付ける
ことができる。
もに優れたガス応答性を図る上で、測定電極5の電極面
積が8〜18mm2であり、素子の先端から5mm以
上、特に10mm以上の部分における長手方向に対して
直交する方向の幅が、2.0〜3.5mmであることが
望ましい。一方、電極パッド11が形成される後端部に
おける最大幅は、3.7〜5mm、特に4.0〜4.5
mmであることが適当である。
先端部の幅を上記の範囲に制御することによって、ヒー
タによる測定電極5の急速昇温性を高め、センサによる
ガス応答性を改善することができる。
としては、通常、図1に示すように、断面における一対
の発熱体は、同一平面内に形成してもよいが、同一平面
の場合には、小型化に伴い、ヒータパターンの形状が非
常に制約されることから、図2に示すように、ヒータ部
2の長手方向に対して直交する方向の断面における一対
の発熱体8がセラミック絶縁層7aを介して形成する
と、ヒータ部の小型化を図ることができる。
構造を説明する概略透過図に示すように、長尺状のセラ
ミック絶縁層7内において、一端側からリード8a1が
長手方向に伸び、セラミック絶縁層7の他端部付近のセ
ンサ部1の電極形成部と対向する部分に発熱部8b1が
形成され、素子の他端部で折り返された後、発熱部8b
2を経由してリード8a2に接続されている。本発明に
おいては、少なくとも発熱部8b1と8b2とがセラミ
ック絶縁層7aを介して上下に形成されており、この発
熱部8b1、8b2は、他端部においてセラミック絶縁
層7aを貫通するビア8cなどの接続体によって電気的
に接続されている。
(波形)のパターンから構成され、発熱体の幅をxとし
た場合、図4のミアンダ構造では、発熱体8の幅xは、
その波形の最大振幅に相当する。この発熱部8b1、8
b2がそれぞれ所定の幅xを有する場合、一般に、これ
らを同一平面内に形成すると、素子全体の幅wは、発熱
部8b1、8b2を絶縁層7内に埋設するためのしろ部
分や発熱体8b1、8b2間のショートを防止するため
に、素子全体の幅wは、w≧3x程度は必要となる。
れぞれ異なる層間に形成すると、平面的にみて、発熱部
8b1、8b2が重なっていてもセラミック絶縁層7a
によって絶縁性が保たれているために、素子全体の幅w
は、3xよりも小さくできる。特に小型化を図る上で、
w≦2.5x、さらにはw≦2xを満足することが望ま
しい。
ラミック絶縁層7aの厚みとしては、電気絶縁性の観点
から1〜300μm、特に5〜100μm、さらには、
5〜50μmが好ましい。
長手方向に直交する方向で折り返しを有するミアンダ
(波形)形パターンからなるものであったが、この発熱
体パターンは、これに限定されるものではなく、例え
ば、図5の発熱体のパターン図に示すように、素子の長
手方向で折り返しを有するミアンダ形パターンであって
もよい。
の酸素センサ素子を用いて、例えば、図6に示すよう
に、酸素センサ素子をホルダーに取り付ける場合の取り
付け治具12をテーパ部pの部分に取り付けることがで
きる。
度の観点から、素子全体の厚さとしては、0.8〜3m
m、特に1〜2mm、素子の長さとしては45〜55m
m、特に45〜50mmが急速昇温性と素子のエンジン
中への取付け具合との関係から好ましい。
い、固体電解質中に埋設したセンサ素子構造にも適用で
きることは言うまでも無い。
ようなワイドレンジセンサ素子に対しても適用される。
図7は、その代表的な構造を説明するための概略断面図
である。この図7の酸素センサ素子によれば、基板3の
対向する面に基準電極4、測定電極5の電極対が形成さ
れ、測定電極5の上側には基板13によって空間部14
が形成されており、この基板13には排気ガスを取り込
むための0.1〜0.5mmの大きさの拡散孔15が開
けられている。
む一対の電極対4、5によってポンピングセルが形成さ
れており、排気ガス中の酸素濃度に対応して電極対間に
流れる電流を制御して排気ガス中の空燃比を制御する。
持たせるため多孔質のセラミックスを充填することもで
きる。また、上記の拡散孔15は、素子上面の他、側面
や先端に形成することもできる。さらには、拡散孔15
は空間内に一定の排気ガスを取り込むための孔として作
用する。そのため、拡散孔15は、多数個の孔で形成し
てもよいし、またセラミック多孔質層で形成してもよ
い。
4は、大気導入孔3aの内壁に形成されている。大気導
入孔3aの直下には、さらにWあるいはPtからなる発
熱体8を埋設したセラミック絶縁層7がジルコニア固体
電解質層3’によって覆われている。この発熱体8を加
熱することにより、基板3と電極対4、5を加熱する仕
組みとなっている。本発明は、他の例として、ポンピン
グ電極の他にセンシング電極を形成したワイドレンジセ
ンサにも応用することができる。
ジルコニア固体電解質層3’を形成するジルコニア固体
電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、
安定化剤として、Y2O3およびYb2O3、Sc2O3、S
m2O3、Nd2O3、Dy2O3の群から選ばれる少なくと
も1種を1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含
有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用い
られる。また、ZrO 2中のZrを1〜20原子%をC
eで置換したZrO2を用いることにより、イオン導電
性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった効
果もある。さらに、焼結性を改善する目的で、上記Zr
O2に対して、Al2O3やSiO2を添加含有させること
ができるが、多量に含有させると、高温におけるクリー
プ特性が悪くなることから、Al2O3およびSiO2の
添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下である
ことが望ましい。
4、測定電極5は、いずれも白金、あるいは白金と、ロ
ジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ば
れる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時の
電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わ
る白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面
の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質
成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で
上記電極中に混合してもよい。また、電極形状として
は、四角形でも楕円形でもよい。また、電極の厚さは、
3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
ミック多孔質層6は、厚さ10〜800μmで、気孔率
が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナ
およびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によっ
て形成されていることが望ましい。この多孔質層6の厚
さが10μmより薄いか、あるいは気孔率が50%を超
えると、電極被毒物質P、Si等が容易に電極に達して
電極性能が低下する。それに対して、多孔質層6の厚さ
が800μmを超えるか、あるいは気孔率が10%より
小さくなるとガスの多孔質層6中の拡散速度が遅くな
り、電極のガス応答性が悪くなる。特に、多孔質層6の
厚さとしては気孔率にもよるが100〜500μmが適
当である。
に埋設されたヒータ8およびリード8a1、8a2は、
金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジ
ウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金、また
はW単体、あるいはWとMo、Reの群から選ばれる1
種の合金を用いることができる。
焼成中の白金の粒成長を防止する観点からアルミナの他
に、セラミック絶縁層を形成する同じセラミック粉末を
全量に対して、10〜40体積%、特に20〜30体積
%添加することが好ましい。この場合、ヒータ8とリー
ド8a1,8a2の抵抗比率は、いずれの場合も室温に
おいて、9:1〜7:3の範囲に制御することが好まし
い。
パターンとしては、長手方向に伸び、長手方向の端部で
折り返した構造のみならず、ミアンダ構造であってもよ
い。
を、図1の酸素センサ素子の製造方法を例にして、発熱
体としてPtを、またセラミック絶縁層として、Al、
Mgを含有する酸化物焼結体を用いた場合について、図
8の分解斜視図をもとに説明する。
作製する。このグリーンシート21は、例えば、ジルコ
ニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質
粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加して
ドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバ
ープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により
作製される。
に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパター
ン22やリードパターン23、電極パッド16やスルー
ホール17などを例えば、白金を含有する導体ペースト
を用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印
刷、パット印刷、ロール転写で形成した後、大気導入孔
24を形成したグリーンシート25およびグリーンシー
ト26をアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を介在さ
せるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら機械的に
接着することによりセンサ部用の積層体Aを作製するさ
らに、この時に使用する白金を含有する導体ペーストと
しては、ジルコニアを1〜50体積%、特に10〜30
体積%の割合で包含する白金粒子に、エチルセルロース
等の有機樹脂成分を含有するものを用いることによっ
て、電極の感度を高めることできる。なお、この時に測
定電極5となるパターンの表面には、セラミック多孔質
層6を形成するための多孔質スラリーを印刷塗布形成し
てもよい。
ンシート27表面に、Al2O3粉末とMgO粉末とを所
定の比率で混合した混合粉末、またはAl2O3粉末とM
gO粉末とを所定の比率で混合したものを予め高温で仮
焼処理して複合酸化物を作製し粉砕した粉末に有機樹脂
および溶剤を加え混合した絶縁性ペーストをスラリーデ
ッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロー
ル転写で印刷し、セラミック絶縁層28aを形成する。
金やタングステンなどの導体ペーストによって、図2で
示したようなヒータパターン29およびリードパターン
30を印刷塗布する。そして、上記絶縁性ペーストを塗
布してセラミック絶縁層28bを形成する。その後セラ
ミック絶縁層28a,28bを固体電解質で被覆するた
めに、ジルコニア粉末からなるペーストを用いて、セラ
ミック絶縁層28a、28bの周囲に、セラミック絶縁
層28a、28bとほぼ同じ高さにジルコニア固体電解
質層31を印刷形成する。そして、再度、ジルコニアグ
リーンシート32を積層して、ヒータ部2の積層体Bを
作製する。
には、ヒータパターン29およびリードパターン29と
接続される電極パッド18およびスルーホール19を上
記導体ペーストを用いて形成する。
たり、セラミック絶縁層18a、18b、18cは、上
記のように絶縁性ペーストの印刷塗布によって形成する
他に、セラミックのスラリーを用いてドクターブレード
法などのシート成形方法によって絶縁性シートを形成し
て積層することもできる。
ヒータを異なる面に形成する場合には、上側のヒータパ
ターンおよびリードパターンと、上側のヒータパターン
およびリードパターンとを分離し、下側のヒータパター
ンおよびリードパターンを形成後に、セラミック絶縁層
を塗布形成した後、上側のヒータパターンおよびリード
パターンを形成すればよい。なお、下側のヒータパター
ンと上側ヒータパターンとは、介在するセラミック絶縁
層に貫通孔を形成し、上側ヒータパターン形成時にこの
貫通孔内に導電性ペーストを充填すればよい。または、
介在するセラミック絶縁層の先端部を切り欠き、その切
り欠き部に導電性ペーストを塗布して接続し、一本に繋
がった白金ヒータを形成する。
2の積層体Bをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着剤を
介在させるか、あるいはローラ等で圧力を加えながら両
者を機械的に接着することにより接着一体化した後、こ
れらを焼成する。焼成は、大気中または不活性ガス雰囲
気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時
間焼成する。なお、焼成時には、焼成時のセンサ部Aの
反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板
を積層体の上に置くことにより反り量を低減することが
できる。
の表面に、プラズマ溶射法等により,アルミナ、ジルコ
ニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラ
ミックスを形成することによってヒータ部が一体化され
た酸素センサ素子を形成することができる。
サ部2と同時焼成して形成した場合について説明した
が、センサ部1とヒータ部2とはそれぞれ別体で焼成し
た後、ガラスなどの適当な無機接合材によって接合する
ことによって一体化することも可能である。
方法は、上述の白金ヒータを用いた場合とどうようであ
るが、焼成は、還元雰囲気または不活性ガス雰囲気中、
1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成
する必用がある。
子を、図8に従い以下のようにして作製した。
と、2)Al2O3とY2O3、Yb2O3、Er2O3、Nd
2O3、Dy2O3、Sc2O3、Sm2O3との混合粉末と、
3)アルミナとシリカをそれぞれ0.1重量%含む5モ
ル%Y2O3含有のジルコニア粉末と、4)平均粒子径が
0.1μmで8モル%のイットリアからなるジルコニア
を30体積%結晶内に含有する白金粉末と、5)アルミ
ナを10体積%含有する白金粉末をそれぞれ準備した。
アルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形
により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニ
アグリーンシート21を作製した。
両面に、4)の白金粉末を含有する導電性ペーストをス
クリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン2
2、リードパターン23を印刷形成した後、大気導入孔
24を形成したジルコニアグリーンシート25、および
ジルコニアグリーンシート26をアクリル樹脂の接着剤
により積層しセンサ部用積層体Aを得た。
用いて作製した焼結後の厚みが250μmになるような
ジルコニアグリーンシート27表面に、セラミック絶縁
層用の1)MgOとAl2O3の混合粉末と、2)Al2
O3とY2O3や希土類酸化物との混合粉末からなる絶縁
性ペーストを作製して、厚みが焼成後20μmとなるよ
うにスクリーン印刷してセラミック絶縁層28aを形成
した後、その表面に5)の白金粉末のペーストを用いて
ヒータパターン29およびリードパターン30をスクリ
ーン印刷した。
パターン30の表面に、1)または2)と同じ組成の絶
縁性ペーストを焼成後20μmになるようにスクリーン
印刷してセラミック絶縁層28bを形成した。また、セ
ラミック絶縁層28a,28bをジルコニア固体電解質
層中に埋設するため、5モル%Y2O3含有のジルコニア
粉末からなるペーストを用い、スクリーン印刷によりセ
ラミック絶縁層28a、28bの周囲に250μmの幅
で3)のジルコニア粉末のスラリーを用いてジルコニア
固体電解質層31を印刷形成した。
8b、白金ヒータ29、リード30およびジルコニアを
印刷したジルコニアシート表面に、さらにジルコニアシ
ート32を積層して、セラミック絶縁層28a、28b
と白金ヒータ29とを埋設したヒータ部用積層体を作製
した。
a,28bが外周面の端面に露出するようにセラミック
絶縁層28を印刷したヒータ部用積層体も合わせて作製
した。
積層体Aとヒータ部用積層体Bを接合してヒータ一体化
センサ素子の積層体を1500℃、1時間焼成してヒー
タを一体化したセンサ素子をそれぞれ50個づつ作製し
た。
におけるジルコニア固体電解質層の最小厚みは50μm
とした。
ついて、室温から約20秒で1000℃まで昇温した
後、ファンで強制的に室温まで急冷するという温度サイ
クルを1サイクルとして、これを20万回行った後の破
損率を求め、表1に示した。
5%水蒸気を含む水素ガス中に1000℃で1000h
保持し、セラミック絶縁層の分解による素子の破損率を
求め、表1に示した。この際、素子の数量はそれぞれ各
20本とした。
0モル%より低い試料No.1、試料No.9、MgO
とY2O3の量比が80モル%を越える試料No.8、N
o.14は、素子の破損率が高いことが分かる。 (実施例2)実施例1の試料No.3とNo.11の組
成系の酸素センサ素子において、ジルコニア固体電解質
層の最小厚みsおよびヒータ部の発熱体からジルコニア
固体電解質層までの最小厚みtを変化させた試料を実施
例1に従いそれぞれ20個づつ作製した。また、評価は
実施例1と同様に大気中での温度サイクルによる耐久性
と、水蒸気雰囲気中での安定性を調べた。
sは10μm以上、発熱体からジルコニア固体電解質層
までの最小厚みtが2〜2000μmの範囲であれば、
高温度の水蒸気中での素子の安定性がさらに優れること
が分かる。特にジルコニア固体電解質層の厚みが100
〜700μmの範囲が特に優れる。
サ素子においては、ヒータ部を形成するセラミック絶縁
層を、少なくともAlとMgとを含む、またはAlと、
Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1種と
を含む酸化物焼結体によって形成するとともに、そのヒ
ータ部をジルコニア固体電解質層によって全体を覆うこ
とによってセラミック絶縁層の水蒸気による分解を抑制
出来るばかりでなく、平板形状のセンサ素子の問題点で
ある耐熱性、耐久性も同時に改善することができる。
の概略断面図である。
めに概略断面図である。
ある。
を説明するための概略斜視図である。
構造を説明するための概略斜視図である。
るための概略斜視図である。
するために概略断面図である。
めの分解斜視図である。
明するための概略断面図である。
造を説明するための概略断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】長尺平板状のジルコニア固体電解質からな
る基板の少なくとも対向する両面に白金から成る一対の
電極対を有するセンサ部と、セラミック絶縁層内に発熱
体を埋設したヒータ部を具備する酸素センサ素子におい
て、 前記ヒータ部が、ジルコニア固体電解質層によって周囲
が覆われ、前記センサ部と一体的に形成されているとと
もに、前記ヒータ部におけるセラミック絶縁層が、Al
とMgとを2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜9
0モル%、Mgを酸化物換算で10〜80モル%の割合
で含有する焼結体からなることを特徴とする酸素センサ
素子。 - 【請求項2】長尺平板状のジルコニア基板の少なくとも
対向する両面に白金から成る一対の電極対を有するセン
サ部と、セラミック絶縁層内に発熱体を埋設したヒータ
部を具備する酸素センサ素子において、 前記ヒータ部が、ジルコニア固体電解質層によって全体
が覆われ、前記センサ部と一体的に形成されているとと
もに、前記ヒータ部におけるセラミック絶縁層が、Al
と、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも1
種とを2成分基準で、Alを酸化物換算で20〜90モ
ル%、Yおよび希土類元素の群から選ばれる少なくとも
1種を酸化物換算で10〜80モル%の割合で含有する
焼結体からなることを特徴とする酸素センサ素子。 - 【請求項3】前記発熱体が、WまたはPtを主成分とす
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素
センサ素子。 - 【請求項4】前記ヒータ部を覆う前記ジルコニア固体電
解質層の厚さが10μm以上であることを特徴とする請
求項1乃至請求項3のいずれか記載の酸素センサ素子。 - 【請求項5】前記セラミック絶縁層内に埋設された発熱
体から前記ジルコニア固体電解質層までのセラミック絶
縁層の最小厚みtが2〜2000μmであることを特徴
とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の酸素セン
サ素子。 - 【請求項6】素子の先端付近にセンサ部の一対の電極対
が形成され、素子の後端付近に端子を接続するための電
極パッドを備えており、前記電極パッド形成部分におけ
る長手方向に対して直交する方向の幅が、素子先端の幅
よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項5の
いずれか記載の酸素センサ素子。 - 【請求項7】前記素子の幅が、素子先端から後端に向か
って連続的、または不連続的に大きくなっていることを
特徴とする請求項6記載の酸素センサ素子。 - 【請求項8】前記一対の電極対のうち、被測定ガスと接
触する電極の面積が8〜18mm2であり、且つ素子の
長手方向に対して直交する方向の幅が、素子先端から少
なくとも5mm以上が2.0〜3.5mmであることを
特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載の酸素
センサ素子。 - 【請求項9】前記センサ部と前記ヒータ部とが同時焼成
して形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求
項8のいずれか記載の酸素センサ素子。 - 【請求項10】前記センサ部と、前記ヒータ部とそれぞ
れ別体で形成された後、接合材によって接合し一体化さ
れていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいず
れか記載の酸素センサ素子。
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-
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- 2002-03-15 JP JP2002073054A patent/JP4025561B2/ja not_active Expired - Fee Related
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