JP5945113B2 - ガスセンサ用電極、及びガスセンサ素子 - Google Patents

ガスセンサ用電極、及びガスセンサ素子 Download PDF

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Description

本発明は、被測定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子が備える固体電解質体上に、上記被測定ガスに曝されるように形成されるガスセンサ用電極、及び該ガスセンサ用電極を用いたガスセンサ素子に関する。
例えば混合ガス中から特定の被測定ガスの濃度を検出するために、種々のガスセンサが用いられている。具体的には、例えば排気ガス中の酸素濃度を検出するための空燃比センサ、NOx濃度を検出するためのNOxセンサ、水素濃度を検出するための水素センサなどがある。これらのガスセンサは、固体電解質体と、該固体電解質体上に被測定ガスに曝されるように形成された被測定ガス側電極とを少なくとも備えるガスセンサ素子を有するものが用いられている(特許文献1参照)。
空燃比センサ用のガスセンサ素子の構成の一例を図8に示す。
同図に示すように、ガスセンサ素子9は、例えば酸素イオン伝導性の固体電解質体91と、該固体電解質体91の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極92及び基準ガス側電極93と、被測定ガス側電極92を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質のガス拡散層94と、該ガス拡散層94における被測定ガスを導入する外側面に形成された触媒層95とを有する。
固体電解質体91上に形成される被測定ガス側電極92には、固体電解質体91に対する密着性と導電性との両立が要求される。そこで、被測定ガス側電極92としては、例えば白金粉末と、ジルコニア粉末とを焼成してなる酸素センサ用電極が用いられる(特許文献2参照)。白金粉末と、例えば固体電解質体91と同成分のジルコニア粉末とを所定の割合で配合することにより、密着性と導電性を兼ね備えた被測定ガス側電極92を形成することができる。
特開平6−229976号公報 特開平10−26603号公報
ところで、上記構成のガスセンサ素子9において、酸素が過多なリーンガスの被測定ガスは、固体電解質体91上に形成される被測定ガス側電極92において酸素分子から酸素原子になり、さらに酸素イオンになってこの酸素イオンが固体電解質体91に送られる。被測定ガス側電極92においては、被測定ガスを分子から効率的にイオンに変えることにより、センサ特性の向上が可能になる。
また、上記構成のガスセンサ素子9において、炭化水素や一酸化炭素などの可燃性ガスが過多なリッチガスの被測定ガスは、固体電解質体91上に形成される被測定ガス側電極92に吸着し、可燃性ガス分子と固体電解質体91を通じて供給された酸素分子とが反応する。被測定ガス側電極92においては、固体電解質体91を通じて供給された酸素イオンを効率的に酸素分子に変えることにより、センサ特性の向上が可能になる。
しかしながら、従来の被測定ガス側電極においては、被測定ガスを分子からイオン又はイオンから分子に変える効率が十分とはいえず、更なる改良の余地がある。
被測定ガス分子をイオンに又はイオンを被測定ガス分子に効率よく変えるためには、被測定ガス側電極の面積を大きくしたり、電極温度をより高くしたりする手法が想定される。しかし、電極面積を大きくすると、高価な貴金属の使用量が増大し、ガスセンサ素子の製造コストが高くなる。一方、電極温度を高くすると、ヒータの消費電力が大きくなり、ランニングコストが高くなり、車載用のガスセンサにおいては燃費を悪化させてしまうという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであって、コストの上昇を抑制しつつ、センサ特性を向上させることが可能なガスセンサ用電極、及びガスセンサ素子を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、被測定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子が備える固体電解質体上に、上記被測定ガスに曝されるように形成される多孔質のガスセンサ用電極であって、該ガスセンサ用電極は、貴金属粒子と固体電解質粒子とが相互に複数結合してなり、上記貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均をLμmとし、上記ガスセンサ用電極の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足し、上記固体電解質粒子又は上記固体電解質体と上記貴金属粒子と上記被測定ガスとの三相界面長さは1.7μm/10μm を超えることを特徴とするガスセンサ用電極にある(請求項1)。
本発明の他の態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うと共に上記被測定ガスを透過させる多孔質のガス拡散層とを有するガスセンサ素子であって、
上記被測定ガス側電極として、上記ガスセンサ用電極を採用してあることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項5)。
上記ガスセンサ用電極は、被測定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子が備える固体電解質体上に形成されるものであって、該固体電解質体上において上記被測定ガスに曝されて用いられる。即ち、上記ガスセンサ用電極は、所謂被測定ガス側電極として用いられる。
また、上記ガスセンサ用電極は、貴金属粒子と固体電解質粒子とが相互に複数結合してなり、上記ガスセンサ用電極における上記貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均をLμmとし、上記ガスセンサ用電極の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足する。即ち、上記ガスセンサ用電極においては、上記粒径の平均と気孔率との関係が図1で示す範囲内にある。同図において斜線で示す領域が上述の関係を満足する範囲である。
上述の関係を満足するガスセンサ用電極においては、上記固体電解質粒子又は上記固体電解質体と上記貴金属粒子と被測定ガス(気相)との三相界面が十分に大きくなる。即ち、上記被測定ガスの分子がイオンに変わる反応点が多くなる。そのため、上記被測定ガスを効率的にイオンに変えることができ、ガスセンサのセンサ特性の向上が可能になる。
また、上記のごとく、被測定ガスを効率よくイオンに変換することができるため、上記ガスセンサ用電極を用いると、上記固体電解質体上に形成する電極面積を小さくすることが可能になる。そのため、上記ガスセンサ素子の製造コストを減らすことが可能になる。さらに、比較的低温でも効率よく被測定ガスをイオンに変換することができるため、上記ガスセンサ素子を加温するための消費電力を小さくすることができる。そのため、ランニングコストを減らすことができ、自動車に搭載するガスセンサ素子に用いる場合には、燃費の向上につながる。
また、上記ガスセンサ素子においては、上記被測定ガス側電極として、上記ガスセンサ用電極を採用してある。そのため、上記被測定ガスを効率的にイオンに変えることができ、センサ特性の向上が可能になる。
実施例1における、ガスセンサ用電極(被測定ガス側電極)における貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均L(μm)、及び気孔率P(%)が満足する所定範囲を示す説明図。 ガスセンサ用電極(被測定ガス側電極)における貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均L(μm)、及び気孔率P(%)が満足するより好ましい範囲を示す説明図。 実施例1における、ガスセンサの断面構造を示す説明図。 実施例1における、ガスセンサ素子の断面構造を示す説明図。 実施例1における、ガスセンサ素子の固体電解質体上に形成されたガスセンサ用電極(被測定ガス側電極)の構成を示す説明図。 実施例1における、ガスセンサ用電極(被測定ガス側電極)の走査型電子顕微鏡写真を模式的に示す説明図。 実施例1における、ガスセンサ用電極(被測定ガス側電極)における貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均、ガスセンサ用電極の気孔率、及び有効三相界面長さの関係を示す説明図。 背景技術における、ガスセンサの断面構造を示す説明図。
次に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
上記ガスセンサ用電極は、複数の貴金属粒子と複数の固体電解質粒子とが相互に結合してなる。該ガスセンサ用電極は、多孔質であり、内部に複数の気孔を備える。
上記ガスセンサ用電極における上記貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均をLμmとし、上記ガスセンサ用電極の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足する。
L≦4又は4<L≦5、即ちL≦5においてP<10の場合には、多孔質の上記ガスセンサ用電極において気孔が十分に連通しないため、上記ガスセンサ用電極の外部と連通した気孔に存在する上記固体電解質粒子又は上記固体電解質体と上記貴金属粒子と上記被測定ガス(気相)との三相界面を十分に増大させることができない。そのため、被測定ガスを効率よくイオンに変換することが困難になる。
また、L≦4においてP>50の場合には、貴金属粒子同士が十分に連結されず、上記ガスセンサ用電極の導電性が低下してしまうおそれがある。
また、4<L≦5において、P≦210−40×L、即ちL≦(210−P)/40を満たさない領域では、上記貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均Lが大きいため、三相界面長さが短くなる。そのため、被測定ガスを効率よくイオンに変換することが困難になる。
上記ガスセンサ用電極は、貴金属粒子及び固体電解質粒子を含有するペースト状の電極材料を、固体電解質体上に塗布し、焼成することにより形成させることができる。このとき、カーボンなどの炭素材料からなる焼失材を電極材料に添加することにより、多孔質のガスセンサ用電極を形成させることができる。
上述のL≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足させるためには、原料として用いる貴金属粒子の粒径及び固体電解質粒子の粒径を調整すると共に、焼失材の配合割合や粒径を調整することができる。
また、L≦4.75かつ10≦P≦20、あるいは4.75<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足することが好ましい(請求項2)。
具体的には、上記ガスセンサ用電極においては、上記粒径の平均と気孔率との関係が図2で示す範囲内にあることが好ましい。同図において斜線で示す領域が上述の関係を満足する範囲である。この場合には、被測定ガスの分子からイオンへの変換効率に優れると共に、導電性及び固体電解質体への密着性を高いレベルで兼ね備えたガスセンサ用電極を実現することが可能になる。
上記貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均は、上記ガスセンサ用電極の断面の走査型電子顕微鏡写真について画像処理、具体的にはラインインターセプト法を行うことにより測定することができる。また、気孔率は、走査型電子顕微鏡写真において、画像処理により気孔部分の面積率を算出することにより求めることができる。
上記貴金属粒子としては、例えば白金、パラジウム、及びロジウムなどから選ばれる1種以上の貴金属の粒子を採用することができる。
好ましくは、上記貴金粒子は白金を主成分とすることがよい(請求項3)。
この場合には、上記ガスセンサ用電極の導電性をより向上させることができると共に、被測定ガスの分子からイオンへの変換効率をより向上させることができる。
上記ガスセンサ用電極において、固体電解質粒子はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなることが好ましい(請求項4)。
この場合には、被測定ガスの分子からイオンへの変換効率をより向上させることができる。
また、上記ガスセンサ用電極における上記固体電解質粒子は、上記ガスセンサ用電極を形成させる上記固体電解質体と同成分の材料からなることが好ましい。
この場合には、上記ガスセンサ用電極の上記固体電解質体に対する密着性を向上させることができる。
上記ガスセンサ用電極は、空燃比センサ、NOxセンサ、及び水素センサなどのガスセンサ素子に適用することができる。好ましくは空燃比センサ用のガスセンサ素子に適用することが好ましい。上記ガスセンサ用電極は、上記ガスセンサ素子の固体電解質体上に形成して用いられる。特に、上記ガスセンサ用電極は、上記被測定ガスに曝されるように上記固体電解質体上に形成して用いられる。
次に、上記ガスセンサ素子は、固体電解質体、被測定ガス側電極、基準ガス側電極、及びガス拡散層を少なくとも備える。
上記固体電解質体としては、酸素イオン伝導性の材料からなることが好ましい。具体的には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアなどからなることが好ましい。この場合には、上記ガスセンサ素子を空燃比センサ及びNOxセンサなどに好適な構成にすることができる。
上記ガスセンサ素子において、上記被測定ガス側電極及び上記基準ガス側電極は、上記固体電解質体上に形成される。上記被測定ガス側電極及び上記基準ガス側電極は、例えば上記固体電解質体の対向する一対の面にそれぞれ形成することができる。上記被測定ガス側電極としては、上記ガスセンサ用電極を採用することができる。
上記ガス拡散層は、被測定ガス側電極を覆うように形成される。また、上記ガス拡散層は、多孔質体からなり、上記被測定ガスを透過させることができる。
また、上記ガス拡散層における被測定ガスを導入する外側面に、必要に応じて触媒層を形成することができる。該触媒層は、Pt、Pd、Rh等の貴金属触媒粒子と、アルミナ等からなる担体粒子とから形成することができる。なお、上記触媒層を形成しない構成も可能である。
(実施例1)
次に、本発明の実施例にかかるガスセンサ用電極、これを用いたガスセンサ素子、及びガスセンサについて説明する。
本例においては、特に、空燃比センサ用のガスセンサ素子に適用するガスセンサ用電極について説明する。
まず、本例のガスセンサの構成について、説明する。なお、本例においては、ガスセンサを例えば車両等の排気系等に挿入する側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
本例のガスセンサ4は、図3に示すごとく、ガスセンサ素子1のほか、この素子1を内側に挿通保持する絶縁碍子41と、絶縁碍子41を内側に挿通保持するハウジング42と、ハウジング42の基端側においてハウジング42を径方向内側に向かってかしめてなる大気側カバー43と、ハウジング42の先端側に配されてガスセンサ素子1を覆う素子カバー44とを有する。
素子カバー44は、例えば外側カバー441と内側カバー442とからなる二重構造によって形成されており、それぞれの側面や底面に被測定ガスを導通するための導通孔443を有している。
次に、ガスセンサ素子1について説明する。
ガスセンサ素子1は、図4に示すように、固体電解質体11、被測定ガス側電極12、基準ガス側電極13、及びガス拡散層14を少なくとも備える。
固体電解質体11は、イットリア安定化ジルコニアからなり、その一方の面と他方の面にはそれぞれ被測定ガス側電極12及び基準ガス側電極13が形成されている。これらの電極12、13は、固体電解質体の対向する一対の面にそれぞれ形成されている。そして、固体電解質層11における被測定ガス側電極12を設けた側の面には、被測定ガス室160を形成するための被測定ガス室形成層16及びガス拡散層14が順次積層されている。また、ガス拡散層14における被測定ガス室形成層16とは反対側の面には、遮蔽層17が積層されている。
一方、固体電解質層11における基準ガス側電極13を設けた側の面には、基準ガス側電極13に面する基準ガス室180を形成するための基準ガス室形成層18が積層されている。そして、この基準ガス室形成層18には、さらに、通電によって発熱する発熱部171を内蔵するヒータ基板190が積層されており、ヒータ19を形成している。
本例において、図5に示すごとく、被測定ガス側電極12は多孔質であり、被測定ガス側電極12においては、貴金属粒子121と固体電解質粒子122とが相互に複数結合している。貴金属粒子121は白金からなり、固体電解質粒子122は、固体電解質体11と同じ材質のYSZからなる。また、本例の被測定ガス側電極において、貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均をLμmとし、上記ガスセンサ用電極の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足する。かかる関係を満足する貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均(μm)、及び気孔率(%)との関係を図1に示す。同図において斜線で示す領域が上述の関係を満足する範囲である。
また、基準ガス側電極13は、被測定ガス側電極と同様に、固体電解質体11と同様のYSZからなる固体電解質粒子及び貴金属粒子から構成されている(図4参照)。
また、図4に示すガスセンサ素子1において、ヒータ基板190、基準ガス室形成層18、被測定ガス室形成層16、及び遮蔽層17は、アルミナを主成分とする緻密な焼結体からなる。一方、ガス拡散層14は、アルミナを主成分とする多孔質の焼結体からなり、被測定ガスが拡散して透過できるように構成されている。これにより、被測定ガス側電極12への被測定ガスの供給量を調整して、酸素等の特定の被測定ガスの検出を正確に行うことができるように構成してある。
また、図4に示すように、ガス拡散層14における被測定ガスを導入する外側面には、触媒層15を形成することができる。本例において、触媒層15は、白金、パラジウム、及びロジウムから選ばれる1種以上の貴金属触媒と、アルミナを含有する。触媒層15は、アルミナ粒子間に多数の気孔を保持した状態でアルミナ粒子同士が相互に焼結してなり、触媒層15においてはアルミナ粒子間に貴金属触媒が担持されている。
上記ガスセンサ素子の作製にあたっては、まず、ガス拡散層14、遮蔽層17、固体電解質体11、被測定ガス室形成層16、基準ガス室形成層18、ヒータ基板190の各セラミック層を形成するために、ドクターブレード法などによりセラミックシートを形成する。そして、固体電解質体用のセラミックシートの一方の面に被測定ガス側電極用の導電ペースト材料を塗布し、他方の面には基準ガス側電極の導電ペースト材料を塗布する。導電ペースト材料は、白金からなる貴金属粒子、YSZからなる固体電解質粒子、及びカーボンや樹脂材等からなる焼失材を含有すると共に、有機バインダ及び有機溶剤等のビヒクルを含有する。
次いで、これらのセラミックシートを、図4に示す構成の積層体となるように、互いに積層して未焼の積層体を形成し、この積層体を焼成して積層焼成体を得る。
次に、ガス拡散層14用のセラミックシートの外側面に触媒層15を形成するための触媒ペーストを印刷形成する。次いで、積層焼成体の全体を熱処理することにより、ガスセンサ素子1を得ることができる。
上記構成のガスセンサ素子1において、被測定ガスは、触媒層15を通ってガス拡散層14において拡散しながら被測定ガス室160に導入される(図4参照)。そして、被測定ガス室160に導入された被測定ガス(酸素)は、被測定ガス側電極において、酸素分子から酸素イオンに変換される(図5参照)。このとき、図5に示すごとく、酸素イオンへの変換は、固体電解質粒子122又は固体電解質体11と貴金属粒子121と気相との三相界面において起こる。したがって、三相界面が多くなると被測定ガスを効率的にイオンに変えることができ、ガスセンサのセンサ特性の向上が可能になる。なお、気相は、図5において被測定ガス室160内に存在する被測定ガスである。
本例のガスセンサ素子1においては、被測定ガス側電極12における貴金属粒子121の粒径と固体電解質粒子122の粒径との平均をLμmとし、被測定ガス側電極12の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足する。即ち、被測定ガス側電極12においては、貴金属粒子121及び固体電解質粒子の粒径の平均と、被測定ガス側電極12の気孔率との関係が図1で示す範囲内にある。
そのため、被測定ガス側電極12においては、固体電解質粒子122又は固体電解質体11と貴金属粒子121と被測定ガス(気相)との三相界面が十分に大きくなり、被測定ガスの分子がイオンに変わる反応点が多くなる。それ故、被測定ガスを効率的にイオンに変えることができる。したがって、ガスセンサのセンサ特性を向上させることができる。
また、上記ガスセンサ素子1においては、上記のように被測定ガスを効率よくイオンに変換することができるため、固体電解質体上に形成する被測定ガス側電極12の電極面積を小さくすることが可能になる。そのため、ガスセンサ素子1の製造コストを減らすことが可能になる。さらに、比較的低温でも効率よく被測定ガスをイオンに変換することができるため、ガスセンサ素子1を加温するための消費電力を小さくすることができる。そのため、自動車搭載用の本例のガスセンサ素子1においては、燃費の向上を実現できる。
次に、本例においては、上述のL≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係の意義を示すために、貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均、及び被測定ガス側電極の気孔率を変えて複数の被測定ガス側電極を固体電解質体上に形成し、これらの有効三相界面長さを比較する。
具体的には、まず、貴金属粒子の粒径、固体電解質粒子の粒径、焼失材の粒径及び配合割合を変えて複数の導電ペースト材料を作製した。導電ペースト材料は、貴金属粒子、固体電解質粒子、及び焼失材のほかに、有機バインダ及び有機溶剤などからなるビヒクルを含有する。そして、YSZからなる固体電解質体を形成するためのセラミックシート上に、これらの導電ペースト材料を印刷し、その後温度1400℃以上で焼成した。導電性ペースト材料は、焼成後の厚みが10μmとなるように印刷した。このようにして、固体電解質体上に種々の被測定ガス側電極を形成した。本例においては、貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径の平均が約3μm、4μm、又は5μmとなるように、被測定ガス側電極を形成した。
次に、固体電解質体上に形成した各被測定ガス側電極において、貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均の測定方法について説明する。
具体的には、まず、被測定ガス側電極を樹脂で埋め、脱泡し、表面を鏡面研磨する。そして、倍率5000倍の走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製の「S3400」)により研磨面を観察する。そのSEM画像の一例を模式的に図6に示す。同図に示すごとく、被測定ガス側電極12は、貴金属粒子121と固体電解質粒子122とが焼結してなり、これらの粒子121、122間には多数の気孔120が形成されている。
次に、三谷商事(株)の画像処理ソフト「WinROOF」を用いて、ラインインターセプト法に基づいて、被測定ガス側電極における貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均(平均粒径)を算出する。すなわち、倍率5000倍の走査電子顕微鏡(SEM)写真の画像を取得し、さらにその画像上に複数の直線(測定線)を描き、貴金属粒子及び固体電解質粒子の各結晶粒を横切る直線部分の長さの平均値を算出する。このとき、画像端面に達した測定線は含まないものとする。平均値の算出にあたっては、1つのSEM画像あたりに100本の測定線を描き、測定線が合計で1000本以上となるように、異なる部位のSEM画像を解析する。
なお、貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径の平均(平均粒径)の算出にあたっては、体積を考慮するために、下記の式(1)及び式(2)に基づいて算出を行う。式(1)及び式(2)において、d:平均粒径、l:測定線の長さ、n:測定線数である。
Figure 0005945113
Figure 0005945113
また、被測定ガス側電極の気孔率は、次のようにして測定することができる。
即ち、まず、上述のように、鏡面研磨を行った被測定ガス側電極について、倍率5000倍の走査電子顕微鏡(SEM)写真の画像を得る。そして、三谷商事(株)の画像処理ソフト「WinROOF」を用いて、被測定ガス側電極12のSEM画像において、気孔120が占める面積率(%)を測定することにより気孔率を算出した(図6参照)。
次に、被測定ガス側電極12において、貴金属粒子121と固体電解質粒子122と気相との三相界面125の長さ(有効三相界面長さ)を測定する。図5に示す断面図においては、三相界面125は点で表されるが、三次元的には三相界面は線で表される。この線状の三相界面の長さ(有効三相界面長さ)を以下のようにして測定する。
即ち、まず、上述のようにして固体電解質体上に形成した各被測定ガス側電極を樹脂で埋め、脱泡し、表面を鏡面研磨する。そして、FIB(集束イオンビーム)−SEM装置(FEI社製の「FEI Helious 600 Nanolab」)を用いて、被測定ガス側電極のSEM画像を厚さ方向に0.1μm刻みで得る。ここで、SEM画像としては10μm×10μmの範囲の画像を100枚得る。このようにして、被測定ガス側電極の三次元画像データ(10μm×10μm×10μm)を得る。そして、画像処理により、固体電解質粒子122と貴金属粒子121と気相との三相界面125の長さ(有効三相界面長さ)を測定する。
被測定ガス側電極において、貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均(平均粒径)、ガスセンサ用電極の気孔率、及び有効三相界面長さの関係を図7に示す。
同図より知られるごとく、貴金属粒子の粒径と固体電解質粒子の粒径との平均をLμmとし、ガスセンサ用電極の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lを満足する被測定ガス側電極においては、1.7μm/10μm3を超える大きな有効三相界面長さを形成できることがわかる。かかる被測定ガス側電極においては、被測定ガスを効率的にイオンに変えることができ、ガスセンサのセンサ特性の向上が可能になる。
以上のように、本例によれば、L≦4、かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5、かつ10≦P≦210−40×Lを満足するガスセンサ用電極(被測定ガス側電極)を形成することにより、被測定ガスを効率的にイオンに変えることができ、ガスセンサのセンサ特性の向上が可能になることがわかる。
1 ガスセンサ素子
11 固体電解質体
12 被測定ガス側電極
121 貴金属粒子
122 固体電解質粒子

Claims (5)

  1. 被測定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子が備える固体電解質体上に、上記被測定ガスに曝されるように形成される多孔質のガスセンサ用電極であって、
    該ガスセンサ用電極は、貴金属粒子と固体電解質粒子とが相互に複数結合してなり、
    上記貴金属粒子の粒径と上記固体電解質粒子の粒径との平均をLμmとし、上記ガスセンサ用電極の気孔率をP%とすると、L≦4かつ10≦P≦50、あるいは4<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足し、
    上記固体電解質粒子又は上記固体電解質体と上記貴金属粒子と上記被測定ガスとの三相界面長さは1.7μm/10μm を超えることを特徴とするガスセンサ用電極。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ用電極において、L≦4.75かつ10≦P≦20、あるいは4.75<L≦5かつ10≦P≦210−40×Lという関係を満足することを特徴とするガスセンサ用電極。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサ用電極において、上記貴金属粒子は、白金を主成分とすることを特徴とするガスセンサ用電極。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサ用電極において、固体電解質粒子はイットリア安定化ジルコニアからなることを特徴とするガスセンサ用電極。
  5. 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極を覆うと共に上記被測定ガスを透過させる多孔質のガス拡散層とを有するガスセンサ素子であって、
    上記被測定ガス側電極として、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ用電極を採用してあることを特徴とするガスセンサ素子。
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