JP6212328B2 - ガスセンサー電極形成用の金属ペースト - Google Patents

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本発明は、酸素センサー、NOxセンサー等のガスセンサーの感応部を構成するセンサー電極を製造するための金属ペーストに関する。
酸素センサー、NOxセンサー、排気温度センサー等の各種のガスセンサーのセンサー電極、ヒーター電極を構成する電極として、従来から金属ペーストを焼成したものが用いられている。これらの電極製造に金属ペーストが適用されるのは、複雑な電極パターンにも対応できることの他、セラミック基板を形成するグリーンシート上に金属ペーストを塗布し焼成することで、基板と電極を同時に製造することができ製造効率の観点からも好ましいからである。
電極形成用の金属ペーストの構成としては、溶剤に、貴金属等の導電性粒子とAl、ZrO等のセラミック粉末を混合したものが知られている。金属ペーストにセラミック粉末を混合するのは、上記のようにグリーンシートに金属ペーストを塗布・焼成して基板と電極を同時に製造する際、金属ペーストとグリーンシートとの収縮率差を修正し、基板の反りや変形の問題を解消して、電極の密着性を向上させるためである。もっとも、セラミック粉末は、電極膜の成形性を確保する一方で、製造される電極膜の抵抗値を上昇させ、バルク金属の電極よりも大きく上昇させるというデメリットもある。そのため、セラミック粉末の使用については、成形性確保と電極の抵抗低減とのバランスのもと、その最適な使用形態や混合量の模索が検討事項であった。
本発明者等は、上記検討事項に関し、低抵抗の電極膜を製造可能であり、且つ、基板への密着性・追従性に優れた金属ペースト及びこれにより製造される電極を開示している(特許文献1)。この本発明者等による金属ペーストは、導電性粒子の構成について、貴金属からなるコア粒子の外表面にセラミック粉末を結合・被覆させたコア/シェル構造を有するものを適用する。そして、導電性粒子をコア/シェル構造とすることにより、金属ペーストの焼成過程においてセラミック粉末を微細な状態で分散させて抵抗上昇の要因となるセラミック粉末の粗大化を抑制することで抵抗の低い電極を形成するものである。
特許第4834170号明細書
上記の本発明者等による金属ペーストにより形成される電極は、リード線やヒーター電極等への適用においては所望の特性を発揮しその有用性が確認されている。しかし、本発明者等の検討の結果、各種ガスセンサーの感応部となるセンサー電極として十分な性能を発揮し難いことが確認された。ガスセンサーのセンサー電極においては、検査ガス中の測定目的となるガス種に応じた電極活性が要求されるが、従来の金属ペーストによる電極はこの電極活性に劣るというものである。
そこで、本発明は、各種ガスセンサーのセンサー電極として、十分な電極活性を有する電極を形成できる金属ペーストを提供する。
本発明者等は、上記課題解決のため、まず、ガスセンサーのセンサー電極にとって好適な構成を再検討することとした。図1は、一般的なガスセンサーの例として酸素センサーの構成を説明するものである。図1において、ガスセンサーの感応部は、アノード及びカソードのセンサー電極が固体電解質を挟んで設定される。ガスセンサーによるガス分析では、カソード電極に導入された測定ガス(酸素)は電極内部を透過して固体電解質に到達する。このとき、カソード電極中の導電性金属粒子相(白金等)の作用により酸素分子がイオン化し、固体電解質を通過し、これによる電流変化に基づき酸素濃度が検出される。この計測プロセスにおいて、酸素分子検出のための反応は、導電性金属と固体電解質と測定ガスとが共有する三相界面において生じる(図2)。
従って、センサー電極の電極活性は、電極中の三相界面の形成量に依存するといえる。そして、電極内部に三相界面を十分形成するためには、電極の構造を多孔質とすることが考えられる。ここで上記した本発明者等によるコア/シェル構造を有する金属ペーストについてみると、これにより形成される電極は低抵抗ではあるが、多孔性については考慮されておらず比較的緻密なものとなっている。そして、センサー電極としてみればこの緻密さが却って障害となり電極内部に十分な三相界面が形成されておらず、これにより電極活性が得られないと考えられる。
但し、センサー電極は、単に多孔質であれば良いというわけではなく、前提として導電体としての電気導電性(低抵抗であること)が必要である。そして、この電気導電性と多孔性との両立は困難である。電極の多孔性のみを目指すのであれば、導電性粒子とセラミック粉末とを混合してなる一般的な金属ペーストについても達成できる。例えば、一般的な金属ペーストにおいて、導電性粒子の粒径を大径化することで電極の構造を調整して多孔質にすることはできる。しかし、この場合、焼成後の導電性金属が過度に粗大となるため、導電性金属の間隔が大きくなり抵抗値は大幅に上昇する。このような大粒径の導電性粒子を含む金属ペーストでは、厚膜としなければ導電性を有しない。電極の厚膜化は、センサー素子の大型化に繋がるばかりか、金属(白金等の貴金属)使用量の増大にも繋がりコスト面でも不利になる。このように、電極の電気導電性を確保しつつ、構造を調整することは容易なことではない。
本発明者等は、センサー電極にとって好適な多孔質構造を有しながら、導電性粒子の粗大化を抑制することができる金属ペーストについて鋭意検討を行った。そして、電極緻密化の可能性のあるコア/シェル構造の導電性粒子を使用することなく、溶剤に導電性粒子とセラミック粉末を混合・分散させた一般的な構成の金属ペーストを利用しつつ、これに対して、導電性粒子の焼結の抑制効果を有する無機酸化物粒子と、焼成後の電極に対して孔を形成させるための不溶性粒子の双方を添加することとして本発明に想到した。
即ち、本発明は、Pt又はPt合金からなる導電性粒子と、ジルコニア若しくは安定化ジルコニア、又は、これらのいずれかとLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Hfの酸化物とからなるセラミック粉末と、が溶剤に分散してなるガスセンサー電極形成用の金属ペーストであって、更に、アルミナよりなる無機酸化物粒子、及び、カーボン又はダイヤモンド粉のいずれかよりなる不溶性粒子を含み、導電性粒子とセラミック粉末と無機酸化物粒子と不溶性粒子とからなる固形分の質量基準で、無機酸化物粒子を0.5質量%以上3.0質量%以下、不溶性粒子を5.0質量%超15.0質量%以下分散してなるガスセンサー電極形成用の金属ペーストである。
以下、本発明の構成について、より詳細に説明する。上記の通り、本発明に係るガスセンサー電極形成用の金属ペーストは、導電性粒子とセラミック粉末を溶剤に混合・分散させた金属ペーストを基本とし、ここに無機酸化物粒子と不溶性粒子の双方を添加するものである。尚、上記の通り、本発明において、導電性粒子、セラミック粉末、無機酸化物粒子、及び、不溶性粒子の含有量を規定するための基準としては、それら固形分の合計質量が適用される。
導電性粒子は、Pt又はPt合金からなる。これらの金属は導電性が良好であり、また、耐熱性や耐食性にも優れる。各種センサーの中には、自動車の排気センサーのように高温下で使用されるものもあることから、それらの電極材料として好適である。導電性粒子としてPt、Pt合金のいずれを用いるかは、その用途及び要求される特性により選択できる。PtはPt合金に比して抵抗が低いため、低抵抗化が優先して求められる電極に好適である。一方、Pt合金は、Ptよりも抵抗は高めになるが、抵抗温度係数(TCR)が低いため、低TCRが要求される電極に好適である。
また、Pt合金を適用する場合、Ptと合金化する金属としては、Pd、Au、Ag、Rhが好ましい。また、Pdを含むPt−Pd合金は、基板となるセラミックとの相性が良好であり、ペーストとしたときの濡れ性が良好である点からも好ましい。尚、Pt−Pd合金については、Pd含有量を30質量%以下とするのが好ましい。Pd含有量が過大となると、焼成過程でPd酸化物が析出しやすくなり、電極の信頼性を低下させることとなるからである。
導電性粒子の粒径については、5nm〜2μmとするのが好ましい。5nm未満の粒子は、分散性に劣り均質な金属ペーストを製造するのが困難となる。また、2μmを超える導電性粒子は、焼結抑制剤として添加される無機酸化物粒子の存在下にあっても粗大粒子を形成し易く、電極の抵抗を上昇させる傾向がある。尚、導電性粒子の混合量は、固形分の質量基準で72〜88.5質量%とするのが好ましい。
セラミック粉末は、従来の金属ペーストと同様の作用を有し、金属ペーストと基板との収縮率差を修正し、密着性を向上させて電極の成形性を確保する必須の成分である。このセラミック粉末としては、ジルコニア(ZrO)を含むセラミックが適用できる。具体的には、純ジルコニアの他、イットリアやカルシア等の酸化物を数%添加した安定化ジルコニアが挙げられる。安定化ジルコニアを適用する場合、イットリア等の配合量については特に制限されることはなく、部分安定化ジルコニアであってもよい。尚、金属ペーストのセラミック粉末は、基本的に塗布される基板に使用されているセラミックと同じ材質であることが好ましいことから、ZrO以外の酸化物イオン伝導性を有するセラミックス(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Hf等の酸化物など)を含んでいても良い。
本発明に係るセンサー電極において、セラミック粉末の分散量(含有率)は、固形分の質量基準で10〜20質量%であるものが好ましい。10質量%未満では、その本来の作用(基板の収縮率への追従作用)を発揮し難く、また、電極の多孔質構造を得るための骨格として不足が生じる。一方、20質量%を超えると、電極内部での導電性金属の近接状態が得られ難くなり抵抗が上昇し電極として機能を失うおそれがある。また、セラミック粉末の粒径は、100〜500nmとするのが好ましい。粗大なセラミック粉末は電極中の導電性粒子の分散を阻害することになるからである。また、セラミック粉末は、電極の骨格として作用することから、あまりに細かなものは電極の多孔性に影響を及ぼすこととなる。
そして、本発明に係る金属ペーストでは、上記の導電性粒子、セラミック粉末と共に、無機酸化物粒子と不溶性粒子を添加することを特徴とする。
無機酸化物粒子は、導電性粒子の焼結を抑制して導電性粒子が粗大化することを防ぐために添加される。導電性粒子の粗大化は電極の抵抗に影響を及ぼすことから、いわば無機酸化物粒子は電極の低抵抗化を図るために添加される構成である。この導電性粒子の焼結抑制剤として適用する無機酸化物粒子は、アルミナ(Al)よりなる。本発明者等によれば、この無機酸化物が、焼成過程のペースト中で導電性粒子同士が焼結するのを抑制することができる。
この無機酸化物粒子の添加量については、固形分の質量基準で0.5〜3.0質量%とする必要がある。0.5質量%未満では導電性粒子の焼結抑制効果が不十分となる。また、3.0質量%を超えると、酸化物イオン導電性を阻害するため好ましくない。
そして、無機酸化物粒子の粒径は、5〜500nmとするのが好ましい。5nm未満ではペースト中で均一に分散することが困難であり、導電性粒子の局所的な粗大化が懸念される。また、無機酸化物粒子も焼成過程で焼結することから、粒径の大きい無機酸化物粒子は、粗大化することで導電性粒子の焼結抑制効果を均一に発揮できなくなるため500nmを上限とするのが好ましい。無機酸化物粒子の粒径は、本発明における作用を考慮すると、小さすぎても大きすぎても十分に機能しない可能性がある。
次に、本発明のもう一つの特徴である不溶性粒子について説明する。「不溶性」とは、金属ペーストの各構成を混合・分散させる溶剤に対して不溶解性であるとの意義である。本発明における「不溶性粒子」は、高温焼失性を有する粒子であり、金属ペースト中では固体状態で分散し基板に塗布された後もこの状態を維持するが、電極を形成する場合の焼成過程(約1300〜1600℃)で焼失する。従って、焼成後の電極において不溶性粒子が存在していた部分に孔が形成される。かかる作用により電極に多孔質構造を付与して三相界面の形成、電極活性の向上を図る。つまり、不溶性粒子は、電極活性向上の因子として金属ペーストに添加される構成である。
この多孔質構造の付与に適用する不溶性粒子としては、カーボン又はダイヤモンド粉を用いる。本発明におけるカーボンとしては、カーボンブラック等の無定形炭素質に加え、層状構造のグラファイト等も適用できる。また、不溶性粒子の添加量は、固形分の質量基準で5.0質量%超15.0質量%以下とする。添加量5.0質量%以下でも多孔質構造の付与は可能であるが、5.0質量%超添加した場合、特に導電性及び電極活性の良好な電極となりやすい。添加量が15.0質量%を超えると、導電性及び電極活性が低下する傾向となる。また、不溶性粒子の粒径は、0.5〜3μmとするのが好ましい。0.5μm未満では電極に形成する孔が小さいため充分にガスが拡散しにくく、3μmを超えると孔が大きくなり膜全体に充分な孔を形成しにくい。
本発明において、無機酸化物粒子と不溶性粒子は双方添加していることを要し、いずれか一方のみの添加では本発明における効果を発揮しない。両添加剤は、それぞれ異なる機構により、異なる効果(導電性粒子の粗大化抑制、電極構造の多孔質化)を発揮するものだからである。
本発明に係る金属ペーストは、上記導電性粒子、セラミック粉末、及び、無機酸化物粒子、不溶性粒子を溶剤に分散してなるものである。ここで、本発明で金属ペースト製造に適用可能な溶剤としては、従来から使用されている溶剤が使用できる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、ケロシン、パラフィン、γ―ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ブチルカルビトール、テレピン油、α―テルピネオール、タービネオール等の一般的なものが適用できる。
金属ペーストにおいて、溶剤と固形分(導電性粒子、セラミック粉末、及び、無機酸化物粒子、不溶性粒子)との混合量については、固形分をペースト全体に対して50〜90質量%とするのが好ましい。50%質量未満では、電極膜が薄くなりすぎ、90質量%を超えるとペースト化が困難となるからである。
また、金属ペーストに粘度やチクソトロピーを持たせるために通常使用されている樹脂を添加しても良い。この樹脂としては、天然樹脂、アミノ系樹脂、アルキド樹脂等が一般的である。特には、エチルセルロースのようなものが好適である。
本発明に係る金属ペーストは、導電性粒子、セラミック粉末、無機酸化物粒子、及び、不溶性粒子と溶剤とを混合することにより製造できる。このとき、予め導電性粒子、セラミック粉末、及び、無機酸化物粒子、不溶性粒子の各粉末を混合し、混合粉末を溶媒に分散させても良いし、溶剤に順次各粉末を添加・分散しても良い。溶剤と固形分との混合においては、三本ロールミル等で十分混合・混練し均一化を図るのが好ましい。
本発明に係る金属ペーストにより電極を製造する場合、焼成温度は、1300〜1600℃とするのが好ましい。十分に焼結して抵抗値の低いものが得られるからである。このようにして形成される電極膜は、微細粒子が分散しつつ適度な孔を有する多孔質構造を有する。
以上説明したように、本発明に係るセンサー電極形成用の金属ペーストによることで、ガスセンサー電極として好適な活性及び導電性を有する電極を形成することができる。この電極は、反応場として必要な三相界面を適切に含む多孔質構造を有しつつ、適度に微細な導電性粒子及びセラミック粉末が分散しており、高活性でありつつ抵抗値が低くなっている。
一般的な酸素センサーの構造を説明する図。 酸素センサーの電極内部(三相界面)を詳説する図。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、導電性粒子としてPt(粒径0.7μm)を63wt%、セラミック粉末としてYSZ(イットリア安定化ジルコニア:粒径0.2μm)を15wt%(8mol)、無機酸化物粒子としてアルミナ(粒径10nm又は200nm)を2.3wt%、不溶性粒子としてダイヤモンド(トーメイダイヤ株式会社製MD800)又はグラファイト(SECカーボン株式会社製SGP−3)を混合した金属ペーストを製造した。そして、それら金属ペーストを基板に塗布・焼成して電極を形成し、その電気特性を評価した。
金属ペーストの製造は、各粉末を混合し、これを溶剤であるターピネオールに投入し、更に、ジアミン系界面活性剤及びエチルセルロースを添加して、3本ロールミルにて混合・混練してペースト化した。混合粉末の混合量はペースト全体に対して80質量%とした。
金属ペースト製造後、電極を形成してその評価を行った。電極の形成は、99質量%YSZグリーンシート(厚さ0.3mm)上に金属ペーストをスクリーン印刷にて塗布した。そして、1450℃で1時間焼成処理し電極を形成した。電極は焼成後に2mm×4mm、10±3μm厚になるように作製した。
形成した電極の評価は、導電性(抵抗)評価のため、700℃の大気中で直流電圧(300mV)を負荷した状態での電流値に基づき評価した。評価は、測定された電流値に基づき、電流値5mA未満を「×」、電流値5mA以上5.5mA未満を「△」、電流値5.5mA以上6mA未満を「○」、電流値6mA以上を「◎」と評価した。
また、各電極の電極活性を評価するため、単位面積あたりの白金重量に対する電極抵抗を交流インピーダンス法にて測定した。評価条件は、上記と同様条件でジルコニアグリーンシート両面にペーストを印刷し、加工及び焼成した電極を作製し、700℃大気雰囲気中において、DCバイアス無し振幅20mVで周波数100kHz〜100mHzまでの電圧に対する電流の周波数応答を測定した。そして、20Ω越えを「×」とし、15Ω越え20Ω以下を「△」とし、10Ω越え15Ω以下を「○」とし、10Ω以下を「◎」と評価した。これらの電極特性の評価結果を表1に示す。
Figure 0006212328
まず、無機酸化物粒子及び不溶性粒子の添加効果について検討すると、試験No.1、2と試験No.3〜15との対比から、金属ペーストに両成分を添加することで好適な電極特性を示すことが確認できる。無機酸化物粒子及び不溶性粒子は、双方添加しない場合は勿論、一方のみを添加しても電極特性が不十分となる。無機酸化物粒子の添加量についてみると、本実施形態で検討した範囲(0.5〜3.0質量%)において、有効な電極として作用する(試験No.3〜5)。
また、不溶性粒子としては、ダイヤモンド及びカーボンの双方が使用できた(試験No.3〜14、15)。その添加量については今回の検討範囲(5.0質量%超15.0質量%以下)で良好な電極特性が確認された(試験No.6〜10、15)。そして、粒径についてみると、0.5〜3.0μmにおいて好適な特性を示す(試験No.13〜15)。粒径0.2μmの微小なものは、電極特性にやや不足があることから(試験No.12)、これより大きいものが好ましい。
本発明によれば、導電性金属及びセラミック粉末を微細な状態で分散させながら、多孔質の電極膜を形成することができる。本発明は、酸素センサー電極、NOxセンサー等のガスセンサーのセンサー電極を形成するための金属ペーストとして好適であり、また、電極膜の薄膜化を図ることが可能であることから、各種センサー機器のコストダウンを図ることができる。

Claims (5)

  1. Pt又はPt合金からなる導電性粒子と、ジルコニア若しくは安定化ジルコニア、又は、これらのいずれかとLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Hfの酸化物とからなるセラミック粉末と、が溶剤に分散してなるガスセンサー電極形成用の金属ペーストであって、
    更に、アルミナよりなる無機酸化物粒子、及び、カーボン又はダイヤモンド粉のいずれかよりなる不溶性粒子を含み、
    前記無機酸化物粒子の粒径は、5〜500nmであり、前記不溶性粒子の粒径は、0.5〜3μmであり、
    前記導電性粒子と前記セラミック粉末と前記無機酸化物粒子と前記不溶性粒子とからなる固形分の質量基準で、前記無機酸化物粒子を0.5質量%以上3.0質量%以下、前記不溶性粒子を5.0質量%超15.0質量%以下分散してなるガスセンサー電極形成用の金属ペースト。
  2. 導電性粒子は、Pt、又は、30質量%以下のPdを含むPt−Pd合金のいずれかからなる請求項1記載のガスセンサー電極形成用の金属ペースト。
  3. 導電性粒子の粒径は、5nm〜2μmである請求項1又は請求項2記載のガスセンサー電極形成用の金属ペースト。
  4. セラミック粉末の分散量は、固形分の質量基準で10〜20質量%である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のガスセンサー電極形成用の金属ペースト。
  5. 溶剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、ケロシン、パラフィン、γ―ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ブチルカルビトール、テレピン油、α―テルピネオール、タービネオールのいずれか1種以上である請求項1〜請求項4のいずれかに記載のガスセンサー電極形成用の金属ペースト。
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