JP4980996B2 - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガスのガス濃度を検出したり、空燃比を検出するのに好適なガスセンサ素子及びガスセンサに関する。
従来から、自動車等の内燃機関やボイラー等の排気ガス中に含まれる酸素や窒素酸化物等の各種ガス成分を検出したり、空燃比を検出するセンサ素子が知られている。一般に、このようなガス検出素子は、固体電解質層の表面に1対の電極を形成したセルを用いて、ガス成分を検出している。そして、固体電解質層を早期に活性させるため、ヒータ絶縁材料(セラミック層)内にヒータを埋設し、セルと一体に積層して焼成している。
ところで、一般に固体電解質層には酸素イオン導電性能を持つC相のジルコニア系の材料が用いられ、ヒータ絶縁材料にはアルミナ系材料が用いられるが、ジルコニアとアルミナの熱膨張差に起因して、焼成後の素子にクラックが生じることがある(C相ジルコニアの熱膨張係数は約10×10-6/℃、アルミナの熱膨張係数は約8×10-6/℃)。
このようなことから、固体電解質層中にC相のジルコニアとM相のジルコニアを混在させることにより、固体電解質層全体の熱膨張係数を低下させる技術が提案されている(特許文献1参照)。これは、M相のジルコニアの熱膨張係数が約4×10-6/℃と小さいために、C相単相のジルコニアよりも、C相とM相が混在したジルコニアは熱膨張係数を小さくできるためである。
又、固体電解質層と熱膨張係数が近くなるよう、ヒータ絶縁材料をAlと,Yあるいは希土類元素との複合酸化物で形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。この技術においては、ヒータ絶縁材料から構成されたセラミック絶縁層が高温度の排気ガスに曝されて分解するのを防止するため、ヒータ絶縁材料を含むヒータ全体(セラミック絶縁層全体)をジルコニア固体電解質層で覆っている。
特開平9−26409号公報 特開2003−270202号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術の場合、M相のジルコニアを含むことから、センサの実使用時の冷熱サイクルによって、M相とT相の相変態が生じ、固体電解質層にクラックが発生する可能性があった。
又、特許文献2記載の技術の場合、ヒータ全体をジルコニア固体電解質層で覆う必要があるため、製造工程が増えてコストアップを招く。とりわけ、特許文献2記載の技術の場合、ヒータ絶縁材料をAlと、Yを含む希土類元素との複酸化物で形成するものであるが、選択する希土類元素(例えば、YやYb)によっては、焼成後のセラミック絶縁層が緻密にならず、そのために上述したようにセラミック絶縁層全体をジルコニア固体電解質層で覆う必要があった。
一方、固体電解質層のC相ジルコニアにアルミナを混在させると、固体電解質層の熱膨張係数が低下することが知られているが、アルミナは絶縁体であり固体電解質層の導電率を低下させるため、アルミナ添加量は20mol%程度が上限である。しかしながら、20mol%程度のアルミナ添加量では固体電解質層の熱膨張係数の低下が十分とはいえず、固体電解質層とヒータ絶縁材料とを積層して焼成した後のクラックを抑制できない。
又、固体電解質層にアルミナを混在させると強度が高くなるが、それに応じてヒータ絶縁材料から構成されるセラミック絶縁層の強度をも向上させつつ、このセラミック絶縁層を緻密化させることが必要となる。これは、特許文献2の技術のようにセラミック絶縁層全体をジルコニア固体電解質層で覆うことなく、固体電解質層とセラミック絶縁層の幅寸法を同じにし、両者を一体化したガスセンサ素子を得るためである。
従って、上記課題を解決するため、本発明は、発熱体を挟持したセラミック絶縁層と固体電解質層との熱膨張係数の差を小さくしつつ、ヒータを構成するセラミック絶縁層を緻密化して当該セラミック絶縁層の周りを固体電解質層にて覆う必要のないガスセンサ素子及びガスセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、発熱体を挟持するセラミック絶縁層に混在させる希土類元素の種類や割合を厳密に規定することにより、セラミック絶縁層の熱膨張係数を、ジルコニアを主成分とする固体電解質層の値に近づけ、且つ、セラミック絶縁層を緻密化させることに成功した。
すなわち、本発明のガスセンサ素子は、長手方向に延びる固体電解質層と該固体電解質層の表面に設けられる一対の電極とを有するセルと、発熱体と長手方向に延びると共に該発熱体を挟持する1対のセラミック絶縁層とを有して前記セルに積層されるヒータとを備え、前記固体電解質層はジルコニアを主成分とし、かつアルミナを含有し、前記セラミック絶縁層は、アルミナを主成分とし、Yよりイオン半径の大きい1種以上の希土類元素の酸化物を酸化物換算で合計3〜20mol%含有してなり、前記固体電解質層と前記セラミック絶縁層との長手方向に直交する向きの幅寸法が同じであることを特徴とする。
このような構成とすると、セラミック絶縁層の熱膨張係数を、固体電解質層の値に近づけることができる。これにより、両者の熱膨張係数の差による焼成時のクラックを抑制することができる。また、セラミック絶縁層を構成する材料としての希土類元素を、Yよりイオン半径の大きい1種以上から選択し、且つ、その含有割合を酸化物換算で合計3〜20mol%とすることで、セラミック絶縁層の緻密化を図ると共に、強度向上を図ることができる。その結果、セラミック絶縁層全体を、従来のようにジルコニア固体電解質層にて覆うことなくヒータを構成することができる。これにより、ヒータを構成するセラミック絶縁層とセルを構成する固体電解質層との長手方向に直交する向きの幅寸法を同じにした構成のガスセンサ素子となり、信頼性が高く、比較的安価なガスセンサ素子を提供することができる。


前記希土類元素は、Nd、Sm及びGdの群から選ばれる1種以上であることが好ましく、前記希土類元素は、Ndを少なくとも含むことが好ましい。
本発明のガスセンサは、前記ガスセンサ素子を有する。
この発明によれば、発熱体を挟持したセラミック絶縁層と固体電解質層との熱膨張係数の差を小さくし、これらを一体に積層して焼成した後のクラックの発生を抑制することができるガスセンサ素子を得ることができる。それに加え、この発明によれば、セラミック絶縁層の緻密化、強度向上が図れ、セラミック絶縁層全体を従来のようにジルコニア固体電解質層にて覆うことなくヒータを構成することができ、ヒータを構成するセラミック絶縁層とセルを構成する固体電解質層との長手方向に直交する向きの幅寸法を同じにしたガスセンサ素子を採用することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサ300の長手方向に沿った断面図を示す。このガスセンサ300は、自動車の排気管(図示しない)に取り付けられ、排ガス中の酸素濃度を検知するものであり、図1の下方(プロテクタ24側)をガスセンサ300の先端側とし、上方を基端側とする。
ガスセンサ300は、ガスセンサ素子100、ガスセンサ素子100を内側に保持する筒状の主体金具30、主体金具30の先端側の所定部位に装着されたプロテクタ24、主体金具30の基端側の所定部位に接続された筒状の外筒25等から構成されている。
ガスセンサ素子100は、後述するセラミック絶縁層と固体電解質層とを積層してなる長尺板状の積層型素子であり、検出部を先端側に備えている。
主体金具30は、SUS430等のステンレスからなり、ガスセンサ100を排気管に取り付けるための雄ネジ部31と、取り付け時に工具を係合させる六角係合部32とを外側に有する。また、主体金具30の内側には、径方向内側に向かって突出する内側段部33が設けられ、内側段部33は、ガスセンサ素子100を保持する有底円筒状の金属ホルダ34を外側から支持している。
そして、この金属ホルダ34の内側には、ガスセンサ素子100を所定の位置に配置するためのセラミックホルダ35と滑石充填層36とが先端側から順に配置されている。さらに滑石充填層36は、先端側から順に第1滑石充填層37、第2滑石充填層38の2層からなる。第2滑石充填層38の基端側には、アルミナ製の多段円筒状のスリーブ39が配置されている。そして、セラミックホルダ35、滑石充填層36及びスリーブ39の軸孔391にガスセンサ素子100が内挿されている。主体金具30の基端には、スリーブ39の基端に被さるように加締部301が延びており、加締部301を内側に折り曲げることにより、ステンレス製のリング部材40を介して、スリーブ39が主体金具30の先端側に押圧され、セラミックホルダ35、滑石充填層36等によってガスセンサ素子100が締め付け保持されるようになっている。
一方、主体金具30の先端外周には、主体金具30の先端から突出するガスセンサ素子100の先端部を覆い、金属製のプロテクタ24が溶接されている。プロテクタ24は、有底円筒状で外側に位置する外側プロテクタ41と、有底円筒状で内側に位置する内側プロテクタ42とからなる二重構造をなし、外側プロテクタ41及び内側プロテクタ42には、それぞれ排気ガスを内側に取り入れるためのガス取入穴241が複数設けられている。
主体金具30の基端側外周には、SUS430からなる筒状の外筒25が溶接され、外筒25の内側には、円筒状のセパレータ50が配置されている。セパレータ50は、複数のリード線111〜114をそれぞれ分離して保持する挿通孔を有すると共に、セパレータ50先端側にガスセンサ素子100の基端側を収容する中心孔を有する。セパレータ50の中心孔を囲むように複数の接続端子金具116が配置され、接続端子金具116はガスセンサ素子100の基端側表面に形成された後述する電極パッドと電気的に接続するようになっている。又、各接続端子金具116から延びる4本のリード線111〜113(もう1本はリード線111の紙面奥に配置される関係から図示されていない)がガスセンサ100の基端側外部に取出されている。なお、セパレータ50先端の外周には、外側に向かって拡開する円筒バネ状の保持部材51が配置され、保持部材51が拡開して外筒25内面に当接すると共に、セパレータ50の突出部501を基端側に押圧することにより、この保持部材51と後述するゴムキャップ25の先端面との間でセパレータ50が挟持固定されている。
セパレータ50の基端には、外筒25の基端側開口252を閉塞する円柱状のゴムキャップ52が配置され、ゴムキャップ52が外筒25に装着された状態で外筒25の外周を径方向内側に加締めることにより、外筒25にゴムキャップ52が固定されている。ゴムキャップ52には、4本のリード線111〜113を挿通するための複数の挿通孔521が設けられている。
次に、図2、図3を参照してガスセンサ素子100の構成について説明する。
図2は、ガスセンサ素子100の長手方向に直交する断面図を示す。ガスセンサ素子100は、酸素濃度を検知可能なセル(酸素濃淡電池素子)1と、セル1を加熱するヒータ2とを備える。
セル1は、例えばイットリア部分安定化ジルコニア焼結体からなる固体電解質層11と、固体電解質層11の表面(図2の上方を便宜上、表面とする)に形成された検知電極131と、固体電解質層11の裏面に形成された基準電極132とを有する。
一方、ヒータ2は、抵抗発熱体21と、抵抗発熱体21を挟持する1対のセラミック絶縁層22、23とを有し、セラミック絶縁層22側が固体電解質層11の裏面に積層されている(積層界面をSで表示)。
そして、検知電極131の表面を覆うように多孔質からなる電極保護層5が形成されている。電極保護層5は、検知電極131の被毒を防止し、外部と酸素を出入させる。さらに、これらの積層体の排ガスに晒されることになる先端側の露出部分をすべて覆う多孔質保護層4が形成されている。この多孔質保護層4は、排ガス中に含まれる凝縮水等の水滴が、積層体の表面に直に接触するのを防止するための機能を果たすものである。
ここで、検知電極131、基準電極132は、例えば金、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム又はこれらの合金を用いることができ、さらに、固体電解質層を構成する主成分材料を共材として混合してもよい。抵抗発熱体21は、例えば、白金、ロジウム、タングステン、レニウム又はこれらの合金を用いることができ、さらに、セラミック絶縁層を構成する主成分材料を共材として混合してもよい。
又、多孔質保護層4及び電極保護層5としては、ジルコニア、アルミナ、スピネル等の多孔質体を用いることができる。
固体電解質層11及びセラミック絶縁層22、23については後述する。
図3は、ガスセンサ素子100の分解斜視図である。矩形状をなす検知電極131、基準電極132は、それぞれ固体電解質層11の先端側に対向して配置されている。そして、検知電極131、基準電極132から基端に向いガスセンサ素子100の長手方向に、それぞれリード部133、134が一体に形成されている。リード部133の基端は接続端子金具116と接続される電極パッドとなる。又、リード部134の基端は、固体電解質層11を貫通するスルーホール導体15を介して、電極パッド14に接続されている。
一方、抵抗発熱体21は、検知電極131及び基準電極132の直下に配置され蛇行状に延びる発熱部212と、発熱部212の端部にそれぞれ接続され、ガスセンサ素子100の長手方向に延びるヒータリード部213とを有している。ヒータリード部213の各基端211は、セラミック絶縁層23を貫通する2個のスルーホール導体231を介して、2個の電極パッド232にそれぞれ接続されている。
なお、矩形状の電極保護層5は検知電極131の周囲のみを覆い、固体電解質層11の表面(リード部133を含む)のうち、電極保護層5で覆われていない部分は強化保護層52で覆われている。但し、リード部133の基端及び電極パッド14は強化保護層52で覆われずに露出している。
次に、本発明の特徴部分である、固体電解質層11及びセラミック絶縁層22、23について説明する。
本発明においては、発熱体を挟持するセラミック絶縁層がセルに積層され、これらが一体に焼成されてガスセンサ素子を構成している。そのため、セラミック絶縁層と固体電解質層との熱膨張係数の差に起因して、これらを焼成した後にクラックが生じる可能性がある。
そこでセラミック絶縁層に混在させる希土類元素の種類や含有量を厳密に規定することにより、セラミック絶縁層の熱膨張係数や強度を、固体電解質層の値に近づけるだけでなく、セラミック絶縁層を緻密化させている。これは、ヒータ絶縁材料を、Alと、Yを含む希土類元素との複酸化物で形成する場合、選択する希土類元素(例えば、YやYb)によっては、焼成後のセラミック絶縁層が緻密にならず、そのためにセラミック絶縁層全体をジルコニア固体電解質層で覆う必要が生じ、生産性を低下させるからである。
なお、本発明において、「セルにヒータが積層される」とは、セルを構成する固体電解質層(固体電解質層上の電極を含んでもよい)に、ヒータを構成するセラミック絶縁層が直接又は所定の中間層(例えば、ジルコニア50体積%、アルミナ50体積%とから構成される中間層)を介して接していることをいう。これは、中間層が介在しても、固体電解質層とセラミック絶縁層とに同じ冷熱サイクルが加わるので、固体電解質層とセラミック絶縁層との間の熱膨張係数の差がクラック発生に影響を及ぼすからである。
又、上記した実施形態において、ヒータ2を構成するセラミック絶縁層22,23はセル1を構成する固体電解質層11と同一寸法の表面を有しており、セラミック絶縁層の表面全体が固体電解質層の表面全体と接するようになっている。つまり、固体電解質層11とセラミック絶縁層22,23との長手方向に直交する向きの幅寸法が同じとなっている(図2参照)。本実施形態では、具体的にセラミック絶縁層22,23と固体電解質層11との幅寸法を、4.2mmとしている。このため、例えば特開2003−270202号公報記載の技術のように、固体電解質層よりセラミック絶縁層を小さくし、ヒータ全体をジルコニア固体電解質層で覆うような余分な工程が不要である。なお、このように固体電解質層11とセラミック絶縁層22,23との長手方向に直交する向きの幅寸法を同じとできるのは、抵抗発熱体21を挟持するセラミック絶縁層22,23に混在させる希土類元素の種類や含有量を厳密に規定することで、セラミック絶縁層22,23を緻密化させ、また強度向上を図っているからである。このことについては、後述する。
固体電解質層としては、C相ジルコニアにアルミナを混在させたものを用いる。これにより、固体電解質層の熱膨張係数が低下すると共に、強度が向上する。但し、アルミナは絶縁体であり、固体電解質層の導電率を低下させるため、アルミナ添加量は25mol%(酸化物換算)を上限とする。一方、アルミナ添加量の下限は制限されないが、2mol%(酸化物換算)とするのが好ましい。なお、アルミナ添加量については、10mol%より多く、20mol%以下の範囲内(酸化物換算)とすることが好ましい。
セラミック絶縁層22,23としては、アルミナを主成分とし、Yよりイオン半径の大きい1種以上の希土類元素を酸化物換算で3〜20mol%含有する組成のものを用いる。これらの希土類元素をセラミック絶縁層22,23に加えると、セラミック絶縁層22,3の熱膨張係数を固体電解質層の値に近づけることができる。
ここで、Yよりイオン半径の大きい希土類元素は、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy及びHoが挙げられる。
又、希土類元素としてよく用いられるYについて、本発明者らが検討したところ、焼結性が悪化してセラミック絶縁層が緻密化せず、セラミック絶縁層の強度の低下が生じる傾向にあることが判明した。これは、希土類元素のイオン半径が小さいほど耐熱性が高く、焼成し難いためと考えられる。従って、Yよりイオン半径の大きい希土類元素を用いることにより、焼成が十分に進行し、セラミック絶縁層が緻密になり、強度を向上させることができる。
一方、Yよりイオン半径が大きい希土類元素を用いると、セラミック絶縁層中にReAlO3相(Reは希土類元素)が存在するようになり、焼成しやすくなり、緻密で強度の高いセラミック絶縁層が得られる。
なお、セラミック絶縁層の成分は、アルミナ、希土類元素であり(ただし、極微量の不可避不純物は許容される)、特に、アルミナを主成分とし、Alと、希土類元素の少なくとも1種とを2成分基準で、Alを酸化物換算で80〜97mol%の割合とし、希土類元素を酸化物換算で3〜20mol%の割合であると良い。
また、本発明において、「主成分」とは、各層に占める最も含有量が高い成分を指すものとする。
セラミック絶縁層22,23中の上記希土類元素の含有量が酸化物換算で3mol%未満であると、セラミック絶縁層22,23の熱膨張係数が十分に高くならず、固体電解質層11と積層後に焼成するとクラックが発生する。
セラミック絶縁層22,23中の上記希土類元素の含有量が酸化物換算で20mol%を超えると、セラミック絶縁層22,23の強度が低下することがある。
次に、本発明の酸素センサ素子の製造方法の一例を説明する。
まず、セルを構成する固体電解質層11のグリーンシートを作製し、このグリーンシートの両面に、検知電極、基準電極、それらのリード、電極パッド、スルーホール導体などを、導体ペーストをスクリーン印刷して形成し、セル1の積層体を作製する。
同様に、ヒータを構成するセラミック絶縁層23のグリーンシートを作製し、このグリーンシート表面に、発熱体及びリードなどを、導体ペーストをスクリーン印刷して形成する。同様にセラミック絶縁層22のグリーンシートを作製し、セラミック絶縁層22,23となる各グリーンシートを積層して、ヒータ2の積層体を作製する。
そして、セル1の積層体とヒータ2の積層体を圧着し、両者を一体に積層した後、全体を焼成(同時焼成)する。焼成条件は、例えば、大気中(または不活性ガス雰囲気中)、焼成温度1300〜1700℃、焼成時間1〜10時間とすることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、本発明のガスセンサとしては酸素センサ、空燃比センサ、NOxセンサ、CO2センサなどが挙げられる。
1.セラミック絶縁層の製造
平均粒径0.3μmのアルミナ原料粉末と、平均粒径1μmの希土類元素酸化物粉末とを、それぞれ表1に示す量比となるように秤量した。
10mmφのアルミナボールを使用したボールミルに各粉末を投入し、エタノール中で16時間混合した後、湯煎及び乾燥してセラミック絶縁層の混合粉末を得た。この混合粉末を、大気中1300℃で4時間の条件で仮焼後、再度ボールミルで粉砕混合を行った。得られた仮焼粉を6×9×40mmに仮成形後に150MPaの静水圧プレスで成形し、次に大気雰囲気下1525℃で1時間の条件で焼成した。
2.セラミック絶縁層の評価
得られたセラミック焼結体を研磨加工後、JIS-R-1602に規格する3点曲げ強度試験、及びJIS-R-1607のIF法に規格する破壊靱性試験を行った。
さらに、セラミック焼結体の吸水率を、式:(含水質量-乾燥質量)/乾燥質量×100%で求めた。ここで、含水質量とはセラミック焼結体を水に浸漬し、水中で真空脱泡した後、焼結体表面に付着した水分のみをふき取って測定した質量を示す。吸水率が小さいほど緻密で強度が高く、吸水率が大きくなると開気孔が多いことを示す。
3.固体電解質層とセラミック絶縁層の積層及び焼成
ZrO2粉末とAl2O3粉末とを80mol%ZrO2-20mol%Al2O3の割合になるよう秤量し、10mmφのアルミナボールを使用したボールミルに各粉末を投入し、エタノール中で16時間混合した後、湯煎及び乾燥して混合粉末を得た。この混合粉末2gを、20mmφの一軸プレス金型に充填し、仮成形して未焼成の固体電解質層を得た。
上記1.と同様にして、表1に示す量比のセラミック絶縁層の混合粉末の仮焼粉を調製した。この仮焼粉を上記一軸プレス金型に続けて充填し、未焼成の固体電解質層上にセラミック絶縁層を仮成形して積層体を得た。
得られた積層体を150MPaの静水圧プレスで成形し、次に大気雰囲気下1525℃で1時間の条件で同時焼成した。
得られた焼成体を赤い水溶液のインクに浸し、その後焼結体表面のインクを取り除いて、焼結体のクラックの有無を目視で判定した。
Figure 0004980996
実施例1〜6の場合、セラミック絶縁層の強度がいずれも450MPa以上であり、破壊靭性値も高く、吸水率が0%と低く、緻密で強度の高いセラミック絶縁層が得られた。又、セラミック絶縁層を固体電解質層と積層及び焼成しても、クラックが発生しなかった。
セラミック絶縁層に希土類元素を含有しなかった比較例1、及び希土類元素の含有量が3mol%未満である比較例2の場合、セラミック絶縁層を固体電解質層と積層及び焼成すると、クラックが発生した。このことより、セラミック絶縁層中の希土類元素の含有量を3mol%以上とする必要があることがわかる。
セラミック絶縁層中の希土類元素の含有量が20mol%を超えた比較例3〜7の場合、セラミック絶縁層の強度が450MPa未満であった。このことより、セラミック絶縁層中の希土類元素の含有量を20mol%以下とする必要があることがわかる。
Y、及びYよりイオン半径の小さな希土類元素をセラミック絶縁層中に含有させた比較例8〜11の場合、吸水率が約3%以上と高く、緻密なセラミック絶縁層が得られなかった。
又、セラミック絶縁層中の希土類元素としてYを10mol%含有させた比較例12の場合、緻密なセラミック絶縁層とならず、又、セラミック絶縁層の強度が450MPa未満であった。
本発明の実施形態に係るガスセンサの構成を示す断面図である。 ガス検出素子の構成を示す断面図である。 ガス検出素子の構成を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 セル
2 ヒータ
11 固体電解質層
21 発熱体
22,23 セラミック絶縁層
100 ガスセンサ素子
131 検知電極
132 基準電極
300 ガスセンサ
S セラミック絶縁層とセルの積層界面

Claims (4)

  1. 長手方向に延びる固体電解質層と該固体電解質層の表面に設けられる一対の電極とを有するセルと、
    発熱体と長手方向に延びると共に該発熱体を挟持する1対のセラミック絶縁層とを有して前記セルに積層されるヒータと、を備えるガスセンサ素子であって、
    前記固体電解質層はジルコニアを主成分とし、かつアルミナを含有し、
    前記セラミック絶縁層は、アルミナを主成分とし、Yよりイオン半径の大きい1種以上の希土類元素の酸化物を酸化物換算で合計3〜20mol%含有してなり、
    前記固体電解質層と前記セラミック絶縁層との長手方向に直交する向きの幅寸法が同じであるガスセンサ素子。
  2. 前記希土類元素は、Nd、Sm及びGdの群から選ばれる1種以上である請求項1記載のガスセンサ素子。
  3. 前記希土類元素は、Ndを少なくとも含む請求項1又は2記載のガスセンサ素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のガスセンサ素子を有するガスセンサ。
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