JP2002257784A - 空燃比センサ素子 - Google Patents

空燃比センサ素子

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JP2002257784A JP2001055328A JP2001055328A JP2002257784A JP 2002257784 A JP2002257784 A JP 2002257784A JP 2001055328 A JP2001055328 A JP 2001055328A JP 2001055328 A JP2001055328 A JP 2001055328A JP 2002257784 A JP2002257784 A JP 2002257784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】センシング部とポンピング部とが狭い空間を介
して対向した構造を具備する空燃比センサ素子におい
て、製造時に電極間が短絡することのない製造歩留りの
高い空燃比センサ素子を提供する。 【解決手段】固体電解質円筒型基体2の内面および外面
の互いに対向する位置に基準電極3と測定電極4からな
る第1の電極対を形成してなるセンシング部と、測定電
極4の外面に空間部5を介して配設された固体電解質層
8の空間部5の内面および外面の互いに対向する位置に
内側電極9と外側電極10からなる第2の電極対を形成
してなるポンピング部とを具備してなる空燃比センサ素
子において、ポンピング部の内側電極9が10〜20m
2であって、センシング部の測定電極4の面積をポン
ピング部の内側電極9の面積の0.3〜0.8倍とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関における空気と燃料の比率を制御するための空燃比セ
ンサ素子に関するものであり、具体的には発熱体とセン
サ部が一体化されてなり、製造歩留りの高い発熱体を一
体化した空燃比センサ素子に係わる。
【0002】
【従来技術】現在、自動車等の内燃機関においては、排
出ガス中の酸素濃度を検出して、その検出値に基づいて
内燃機関に供給する空気および燃料供給量を制御するこ
とにより、内燃機関からの有害物質、例えばCO、H
C、NOxを低減させる方法が採用されている。
【0003】この検出素子として、主として酸素イオン
導電性を有するジルコニアを主分とする固体電解質から
なり、一端が封止された円筒型基体の外面および内面に
それぞれ一対の電極層が形成された固体電解質型の酸素
センサ素子が用いられている。
【0004】このような酸素センサにおいて、一般に、
空気と燃料の比率が1付近の制御に用いられる、いわゆ
る理論空燃比センサ素子(λセンサ)では、外側の測定
電極の表面に保護層となる多孔質層が設けられており、
所定温度で円筒型基体両側に発生する酸素濃度差を検出
し、エンジン吸気系の空燃比の制御が行われている。
【0005】一方、広範囲の空燃比を制御するために用
いられている、いわゆる広域空燃比センサ素子(A/F
センサ)は、測定電極の表面に微細な細孔を有するガス
拡散律速層となるセラミック多孔質層を設け、固体電解
質からなる円筒型基体に一対の電極に通じて印加電圧を
加え、その際得られる限界電流値を測定して空燃比を直
接制御するものである。
【0006】上記理論空燃比センサ素子および広域空燃
比センサ素子ともセンシング部を約700℃付近の作動
温度までに加熱する必要があり、そのために、円筒型基
体からなる酸素センサ素子の内側には、センシング部を
作動温度まで加熱するため棒状のセラミックヒータが挿
入されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年排
気ガスの規制強化の傾向が強まり、エンジン始動直後か
らのCO、HC、NOxの検出が必要になってきた。こ
のような要求に対して、上述のように、セラミックヒー
タを円筒型基体内に挿入してなる間接加熱方式の円筒型
酸素センサ素子では、センシング部が活性化温度に達す
るまでに要する時間(以下、活性化時間という。)が遅
いために排気ガス規制に充分対応できないという問題が
あった。
【0008】それに対して、本発明者らは、先に円筒型
基体の対向する内面と外面に、基準電極および測定電極
を形成してセンシング部を設け、またセンシング部の測
定電極の上面に狭い空間部を挟んで、両面に一対の電極
を設けた固体電解質層を形成してなるポンピング部を設
けるとともに、空間部の周囲に発熱体を埋設したセラミ
ック絶縁層からなるヒータ部を配設することによって加
熱効率を高め、活性化時間を短縮できる空燃比センサ素
子を提案した。この空燃比センサ素子は、センシング
部、ポンピング部およびヒータ部をすべて同時焼成して
形成するものである。
【0009】ところが、上述したようにセンシング部の
測定電極と、ポンピング部の内側電極が10〜40μm
の狭い空間部を介して対向しているため、これらの構造
を同時焼成して製造する場合において、両者の周辺部が
焼成時に接して短絡し不良品となる製造上の大きな問題
があった。
【0010】従って、本発明は、上記センシング部とポ
ンピング部とが狭い空間を介して対向した構造を具備す
る空燃比センサ素子において、製造時に電極間が短絡す
ることのない製造歩留りの高い空燃比センサ素子を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題について検討した結果、円筒状の空燃比センサ素子に
関して、センシング部の測定電極と空間を介して接する
ポンピング部の電極を、測定電極より小さな特定の面積
で形成することにより、上記の問題が解決され、目的の
素子を歩留まりよく製造できることを見出し本発明に至
った。
【0012】即ち、本発明の空燃比センサ素子は、固体
電解質円筒型基体の内面および外面の互いに対向する位
置に基準電極と測定電極からなる第1の電極対を形成し
てなるセンシング部と、前記測定電極の外面に空間部を
介して配設された固体電解質層の空間部の内面および外
面の互いに対向する位置に内側電極と外側電極からなる
第2の電極対を形成してなるポンピング部とを具備して
なる空燃比センサ素子において、前記ポンピング部の内
側電極の面積が10〜20mm2であるとともに、前記
センシング部の測定電極の面積が、前記ポンピング部の
内側電極の面積の0.3〜0.8倍であることを特徴と
する。
【0013】また、前記第1の電極対および第2の電極
対を加熱するために前記空間部の周囲に発熱体を配設し
たセラミック絶縁層を配設することによって空燃比セン
サ素子の加熱効率を高め、活性化時間を短縮することが
できる。
【0014】また、空間部にガスを導入するガス拡散孔
は固体電解質層に形成することが望ましい。なお、第2
の電極対を具備する前記固体電解質層は、前記第1の電
極対を具備する前記円筒型基体の表面に巻き付け形成さ
れ、同時焼成によって形成されたものであることを特徴
とする。
【0015】本発明の空燃比センサ素子は、後述するよ
うに、製造にあたって、固体電解質からなる円筒型基体
を具備するセンサ素体の表面に、前記セラミック絶縁
層、前記第2の電極対を具備する前記固体電解質層を巻
き付けて、同時焼成して作製することができるために、
従来のように、センサ素子とヒータ素子とをそれぞれ個
別に作製し、円筒状の酸素センサ素子中にセラミックヒ
ータを挿入して使用する従来の酸素センサ素子に比べ
て、組み立て工程が少なく、製造コストが極めて安価に
なり、経済性の観点からも優れている。
【0016】しかしながら、上述の製造方法における欠
点としては、測定電極と、空間を介して対向する位置に
形成されたポンピング部は、両者とも同じ大きさで作製
されていたため、両者の端の部分が焼成時に接触して短
絡しやすいために歩留まりが悪かった。
【0017】それに対して、本発明ではポンピング部に
おける固体電解質層に形成する内側電極の大きさを10
〜20mm2とし、測定電極の面積をその0.3〜0.
8倍の大きさに形成することにより、同時焼成によって
形成する場合においても、センシング部の測定電極とポ
ンピング部の内側電極との短絡が効果的に防止され、空
燃比センサ素子を歩留まりよく作製することができる。
【0018】また、本発明の空燃比センサ素子によれ
ば、センシング部とポンピング部、さらにはヒータ部が
円筒体として一体化されたものであるために、熱応力が
素子全体に渡り均等に分散されるため、熱応力の集中が
防止され、平板型素子では得られない優れた熱衝撃性が
得られる。また、本発明の空燃比センサ素子によれば、
空間部の周囲のセラミック絶縁層内に発熱体を埋設した
ヒータ部を形成することによって、固体電解質からなる
円筒型基体の外面の空間部付近に形成した第1の電極対
および第2の電極対を効率的に加熱することができる結
果、急速昇温を行うことができ、センサの活性化時間、
即ち、所定の温度までの到達時間を短縮することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空燃比センサ素子
の基本構造一例を図1の概略斜視図、図2に示す図1の
空燃比センサ素子におけるX1−X1断面図をもとに説明
する。
【0020】図1乃至2の空燃比センサ素子1によれ
ば、酸素イオン導電性を有するセラミックスからなる、
固体電解質の円筒型基体2(以下、円筒管2という。)
を具備しており、その内面および外面の互いに対向する
位置には、センサ素子を構成するための第1の電極対が
形成されている。具体的には、円筒管2の内面に、空気
などの基準ガスと接触される基準電極3が形成され、ま
た円筒管2の基準電極3と対向する外面には、排気ガス
などの被測定ガスと接触する測定電極4が形成されてお
り、センシング部を形成している。
【0021】そして、この測定電極4の上面には、空間
部5を介して、酸素イオン導電性を有する固体電解質層
8が形成されており、この固体電解質層8の空間部5側
の内面と、それに対向する固体電解質層8外面にはポン
ピング電極として内側電極9と外側電極10からなる第
2の電極対が形成されており、ポンピング部を形成して
いる。
【0022】また、ポンピング部を形成している第2の
電極対9、10を具備する固体電解質層8には、被測定
ガスとなる排気ガスを取りこむための小さなガス拡散孔
11が形成されている。
【0023】本発明によれば、上記の測定電極4は、こ
のポンピング部の内側電極9より小さな面積となるよう
に形成される。測定電極4の面積は、内側電極9の面積
の0.3〜0.8倍であることが重要である。これは、
測定電極4の面積が内側電極9の0.8倍よりも大きい
と、両電極間が短絡しやすくなり製造歩留りが大幅に低
下する。また、0.3倍よりも小さいと、センシング機
能が低下し、ガス応答性が悪くなる傾向を示す。測定電
極4の大きさとしては、ポンピング部の内側電極9の
0.5〜0.7倍が特に望ましい。
【0024】なお、両電極の接触による短絡は、測定電
極4、内側電極9のいずれか一方を小さくすることによ
って解消できるが、前記内側電極9を測定電極4よりも
小さくすると、単位面積当たりのポンピング電流が大き
くなり、その結果、ポンピングの外側電極10と内側電
極9が劣化しやすくなるといった問題あるために、測定
電極4側を小さくすることが必要となるのである。
【0025】また、本発明によれば、ポンピング部にお
ける内側電極9の面積は、10〜20mm2であること
が必要である。この内側電極9の面積が10mm2より
小さいと、電極9、10間に流れる電流密度が高くな
り、固体電解質層が還元されやすくなる。また、その面
積が20mm2を越えると、これを形成するため素子自
体の大きさが大きくなり素子の急速昇温が難しくなる。
内側電極9の大きさとしては、12〜18mm2の範囲
が特に望ましい。
【0026】また、円筒管2と固体電解質層8との間に
は、空間部5の周囲に発熱体6が埋設されたセラミック
絶縁層7が配設されている。セラミック絶縁層7中に配
設された発熱体6は、リード電極12を経由して端子電
極13と接続されており、これらを通じて発熱体6に電
流を流すことにより発熱体6が加熱され、基準電極3お
よび測定電極4を具備する固体電解質からなるセンシン
グ部および上述の第2の電極対9、10を具備する固体
電解質層8からなるセンシング部を加熱する仕組みとな
っている。
【0027】この際、素子全体の大きさとしては、外径
を3〜6mm、特に3〜4mmとすることにより、素子
の消費電力を低減するとともに、センシング性能を高め
ることができる。
【0028】本発明において用いられるセラミック固体
電解質は、ZrO2を含有するセラミックスからなり、
安定化剤として、Y23およびYb23、Sc23、S
23、Nd23、Dy23等の希土類酸化物を酸化物
換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有
する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いら
れている。
【0029】また、ZrO2中のZrを1〜20原子%
をCeで置換したZrO2を用いることにより、電子伝
導性が大きくなり、応答性がさらに改善されるといった
効果がある。
【0030】さらに、焼結性を改善する目的で、上記Z
rO2に対して、Al23やSiO2を添加含有させるこ
とができるが、多量に含有させると、高温におけるクリ
ープ特性が悪くなることから、Al23およびSiO2
の添加量は総量で5重量%以下、特に2重量%以下であ
ることが望ましい。
【0031】一方、発熱体6を埋設するセラミック絶縁
層7としては、アルミナ、スピネル、フォルステライ
ト、ジルコニア、ガラス等のセラミック材料が好適に用
いられる。さらに、セラミック絶縁層7としてガラス絶
縁層にはガラスを用いることができるが、この場合は耐
熱性の観点から、BaO、PbO、SrO、CaO、C
dOのうちの少なくとも1種を5重量%以上含有するガ
ラスであり、特に結晶化ガラスであることが望ましい。
【0032】また、このセラミック絶縁層7は、相対密
度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミ
ックスによって構成されていることが望ましい。これ
は、セラミック絶縁層7が緻密質であることにより絶縁
層の強度が高くなる結果、酸素センサ素子自体の機械的
な強度を高めることができるためである。
【0033】また、上記セラミック絶縁層7の内部に埋
設される発熱体6としては、白金、ロジウム、パラジウ
ム、ルテニウムの群から選ばれる1種の金属、または2
種以上の合金からなることが望ましく、特に、セラミッ
ク絶縁層7との同時焼結性の点で、そのセラミック絶縁
層7の焼成温度よりも融点の高い金属または合金を選択
することが望ましい。
【0034】また、発熱体6中には上記の金属の他に焼
結防止と絶縁層との接着力を高める観点からアルミナ、
スピネル、アルミナ/シリカの化合物、フォルステライ
トあるいは上述の電解質となり得るジルコニア等を体積
比率で10〜80%、特に30〜50%の範囲で混合す
ることが望ましい。
【0035】空間部5を閉塞する固体電解質層8は、空
間部5を覆うように、セラミック絶縁層7表面に形成さ
れている。この固体電解質層8は、円筒管2と同様に、
酸素イオン伝導性を有する前記円筒管2を構成する固体
電解質と同様な材質によって構成される。特に、この固
体電解質層8は、円筒管2を構成する固体電解質と同一
の材質からなることが望ましい。
【0036】また、セラミック絶縁層7の外表面に形成
された固体電解質層8は、発熱体6からの熱の放散を防
止する。また、セラミック絶縁層7の上下面に同様の固
体電解質が形成されることになる結果、固体電解質から
なる円筒管2とセラミック絶縁層7間の熱膨張差や焼成
収縮差等に起因する応力を緩和させ、熱応力をできる限
り小さくする作用もなす。
【0037】なお、発熱体6は、円筒管2や空間部5上
部の固体電解質層8および第2の電極対9、10に対し
て直接接することなく、セラミック絶縁層7内に埋設さ
れていることが必要であって、発熱体6と円筒管2およ
び固体電解質層8との間のセラミック絶縁層7の厚みは
少なくとも2μm以上、好ましくは5μm以上であるこ
とが望ましい。
【0038】空間部5の形状としては、特に限定するも
のではないが、円筒管2の外面に形成する上で、円筒管
2の長手方向の長さが長い長方形状あるいは楕円形状で
あることが好ましいが、空間部5が長方形状の場合は、
その角部は緩やかな曲面によって形成することによって
空間部5の角部への熱応力の集中を緩和することができ
る。また、空間部の高さとしては10〜50μm、特に
20〜30μmが優れる。
【0039】図1乃至図2の空燃比センサ素子におい
て、空間部5の上部に形成した固体電解質層8に形成し
たガス拡散孔11は、直径が100〜500μmである
ことが望ましく、このガス拡散孔の小さなガス拡散孔1
1は、1個または2個以上であってもよい。
【0040】なお、この図1乃至図2の空燃比センサ素
子においては、ガス拡散孔11を固体電解質層8に形成
したが、このガス拡散孔11は、空間部5内に被測定ガ
スを導入できるものであれば、その形成場所が問わな
い。例えば、ガス拡散孔11を円筒管2の長手方向に形
成し空燃比センサ素子1の先端部付近から被測定ガスを
導入したり、空間部5から先端側にガス透過性を有する
多孔質体を形成し、この多孔質体内の気孔をガス拡散孔
として空間部5に被測定ガスを導入することができる。
【0041】また、この空間部5内部には、ガス拡散孔
11の近傍に多孔質の拡散律速体16を設け、ガス拡散
孔11と拡散律速体16により空間部5内部に流入する
排気ガスを制御することが望ましい。この拡散律速体1
6は、ガス拡散孔11と、内側電極9、測定電極4との
間に介在しており、図2に示すように、ガス拡散孔11
と整合する孔を有する円筒体からなる。この拡散律速体
16の材質としては、上記の固体電解質材料と同じ材料
が用いられる他、アルミナ、スピネル等が用いられる。
なお、この拡散律速体16は、ガス拡散孔11を通過し
た排気ガスが、直接、測定電極4や内側電極9に触れな
いようにする保護する機能も併せ持っている。
【0042】本発明の空燃比センサ素子1における第1
電極対3、4、第2電極対9、10を形成する各電極
は、いずれも白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム
および金の群から選ばれる1種、または2種以上の合
金、特に白金が好適に用いられる。
【0043】また、センサ動作時の電極中の金属の粒成
長を防止する目的と、応答性に係わる金属粒子と固体電
解質とガスとの、いわゆる3相界面の接点を増大する目
的で、上述の円筒管2または固体電解質層8を構成する
固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積
%の割合で上記電極中に混合することが望ましい。
【0044】なお、第1の電極対3、4のうち、円筒管
2の内面に形成される基準電極3は、測定電極4の前記
空間部5に露出する部分に対向する内面部分に形成され
ていればよく、測定電極4の露出部面積よりも大きい面
積、例えば、円筒管2の内面全面に形成されていてもよ
い。
【0045】さらに、上記の電極のうち、被測定ガスと
接触する3つの電極4、9、10に対しては、適宜、電
極が被毒することを防止するために、表面に、ジルコニ
ア、アルミナ、マグネシアおよびスピネルの群から選ば
れる少なくとも1種からなる開気孔率が10〜40%の
多孔質体からなる厚みが10〜200μm、特に50〜
150μmの電極保護層を形成してもよい。
【0046】さらには、空間部5内には、上記の電極
4、9を保護する役目と、空間部5の強度を高めるため
に、拡散律速体16よりも気孔率の大きい多孔質体を充
填することも可能である。
【0047】次に、本発明の空燃比センサ素子の製造方
法について、図1、2の空燃比センサ素子の製造方法を
例にして、図3をもとに説明する。 (1)まず、図3に示すように、円筒管2を形成するた
めに、一端が封止された中空の円筒管素体20を作製す
る。この円筒管素体20は、ジルコニア等の酸素イオン
伝導性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適
宜、成形用有機バインダーを添加して押出成形や、静水
圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知
の方法により作製される。 (2)そして、図3のように上記固体電解質からなる円
筒管素体20の内面に、基準電極3となる電極パターン
21を例えば、白金を含有する導電性ペーストを円筒管
素体20内部に充填して排出して内面全面に塗布形成す
る。このようにしてセンサ素体Aを作製する。 (3)次に、図3に示すように、円筒管20を形成する
固体電解質のスラリーを用いてグリーンシート22を形
成し、このグリーンシート22の測定電極を形成しない
領域に、アルミナなどの絶縁性スラリーを塗布して絶縁
層23aを形成した後、リードパターンを含む発熱体パ
ターン25を印刷形成し、再度、絶縁性スラリーを塗布
形成して絶縁層23bを形成して発熱体パターン25を
絶縁層23a,23b内に埋設させる。そして、その絶
縁層23a、23bを形成していない開口26を含む絶
縁層23b表面にグリーンシート22を形成した固体電
解質スラリーを塗布して開口26内に固体電解質体27
を充填する。そして、固体電解質体27の表面に測定電
極パターン28と適宜、拡散律速層となる多孔質の円柱
体29をスラリー塗布などによって形成してヒータ素体
Bを形成する。
【0048】さらに、ガス導入孔32を形成した固体電
解質グリーンシート33の両面にポンピング用の電極パ
ターン30、31と印刷塗布してポンピング素体Cを形
成する。
【0049】そして、これらヒータ素体B、ポンピング
素体Cをセンサ素体Aの表面に、上記のようにして作製
した積層体のグリーンシート23側をセンサ素体Aの表
面に巻き付け処理した後、同時焼成することによって形
成することができる。
【0050】焼成は、例えば、固体電解質としてジルコ
ニア、セラミック絶縁層としてアルミナを用いた場合に
は、アルゴンガス等の不活性雰囲気中あるいは大気中で
1300〜1700℃で1〜10時間程度焼成すればよ
い。
【0051】なお、上記の製造方法では、固体電解質グ
リーンシート22の表面にスラリー塗布によって発熱体
パターン25を埋設したセラミック絶縁層23a、23
bを形成したが、固体電解質グリーンシート22を用い
ることなく、セラミック絶縁層23a、23bをグリー
ンシートの積層体によって形成することも可能である。
【0052】また、上記の製造方法においては、開口2
6内に固体電解質体27を充填形成する際に、セラミッ
ク絶縁層23bの表面まで被覆したが、開口26のみで
も問題はない。
【0053】なお、ガス拡散孔11の形成は、上記の製
造工程においていずれの段階でも形成すればよい。例え
ば、図3に示すように、巻き付け処理前の積層体Bの固
体電解質層グリーンシート23に貫通孔29を形成する
か、あるいは焼成後の固体電解質層にマイクロドリル等
を用いて孔を開けてもよいが、作業性および歩留まりの
観点からは焼成前に形成することが好ましい。
【0054】また、必要に応じて、焼成前に電極の表面
に多孔質のスラリーを塗布するか、または上記焼成後に
溶射法によって多孔質体からなる保護層を形成すること
も可能である。
【0055】
【実施例】まず、5モル%Y23含有のジルコニア粉末
にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製
し、押出成形により焼結後、外径が約4mm、内径が1
mmになるように一端が封じた円筒管素体を作製し、こ
の成形体の内部全面に白金ペーストを塗布して基準電極
を形成してセンサ素体Aを作製した。
【0056】また、5モル%Y23含有のジルコニア粉
末にアクリル系バインダーとトルエン溶液を加えてスラ
リーを作製し、ドクターブレード法により厚みが約20
0μmのジルコニアグリーンシートを作製した。
【0057】その後、このジルコニアグリーンシートの
測定電極を形成しない領域表面に、アルミナ粉末を含む
スラリーをスクリーン印刷で焼成後に約10μmの厚み
になるように塗布後、白金ペーストを用いて焼成後の厚
みが10μmの発熱体パターンを印刷形成し、再度、発
熱体パターンが埋設されるように上記アルミナのスラリ
ーを塗布し、ジルコニアグリーンシートの表面に発熱体
を埋設したアルミナ絶縁層を形成した。
【0058】そして、ジルコニアグリーンシートのアル
ミナ絶縁層を形成していない電極形成領域に、5モル%
23含有のジルコニア粉末のスラリーを塗布、充填し
た後、その表面に、測定電極として前記電極ペーストを
塗布形成し、また、厚みがμmとなるように拡散律速体
を印刷によって形成した。
【0059】なお、測定電極および基準電極の厚みは焼
成後に約10μmとなるように調整した。測定電極の面
積は焼成後、表1に示す大きさとした。
【0060】次に、上記と同様にして作製した別のジル
コニアグリーンシートの両面に、内側電極、外側電極の
ポンピング電極対およびリード線を形成した後、片方の
電極表面に拡散律速層となる8モル%Y23含有のジル
コニア粉末を厚み30μmとなるように形成した。この
時、内側電極、外側電極の大きさは、焼成後、表1とな
るように調整した。なお、内側電極と外側電極は実質的
に同じ面積とした。
【0061】そして、上記のセンサ素体Aの表面に、上
記ヒータ素体Bおよびポンピング素体Cを順次を巻き付
けて円筒状積層体を作製した。なお、巻き付けにあたっ
て素体間の接合には接着材としてアクリル系バインダを
用いた。その後、この円筒状積層体を1500℃、大気
中で2時間焼成して、測定電極およびポンピング部の内
側電極の大きさが異なるセンサ素子をそれぞれ50個づ
つ完成させた。
【0062】作製した空燃比センサ素子の評価は、大気
中800℃でポンピング部の電極間に0.5Vを印加し
て空間内の酸素を大気中に汲み出し、空間内の酸素分圧
が所定の数値(起電力で400〜500mV)を示す素
子を良品としてその割合(良品率)を調べた。
【0063】
【表1】
【0064】表1より、ポンピング部の内側電極面積と
測定電極面積の比率が0.8より大きな従来の試料N
o.1および測定電極面積が内側電極面積よりも大きな
No.14は良品率が低いことがわかる。また、測定電
極面積が0.3倍より小さな試料No.7ではセンシン
グが認められなかった。
【0065】これに対して、本発明に従い、測定電極面
積が内側電極面積より0.8倍より小さいと良品率が向
上することがわかる。特に、実験より、内側電極面積が
10mm2より小さな試料No.8では測定中に固体電
解質層にクラックが入るものが多かった。また、内側電
極面積が20mm2を越える試料No.3では、素子は
作製できたものの800℃まで昇温できないものが多か
った。
【0066】従って、本発明のポンピング部の内側電極
面積が10〜20mm2で、測定電極の面積比率が内側
電極の0.3〜0.8倍とすることによって良品率が高
いことがわかる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の空燃比セン
サ素子によれば、センシング部の測定電極の面積と、ポ
ンピング部の内側電極との面積比率を制御することによ
り、急速昇温などの熱衝撃性に優れた空燃比センサ素子
が歩留まりよく提供できる。したがって、製造コストが
極めて安価になり、経済性の観点からも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空燃比センサ素子の一例を説明するた
めの概略斜視図である。
【図2】図1の空燃比センサ素子におけるX1−X1縦断
面図である。
【図3】本発明の空燃比センサ素子の製造方法を説明す
るための図であって、センサ素体を作製する工程を示す
図である。
【符号の説明】
1は空燃比センサ素子、2は円筒管、3は基準電極、4
は測定電極、5は空間部6は発熱体、7はセラミック絶
縁層、8は固体電解質層、9は内側電極、10は外側電
極、11はガス拡散孔、12はリード電極、13は端子
電極、14は多孔質体、16は拡散律速体をそれぞれ示
す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質円筒型基体の内面および外面の
    互いに対向する位置に基準電極と測定電極からなる第1
    の電極対を形成してなるセンシング部と、前記測定電極
    の外面に空間部を介して配設された固体電解質層の空間
    部の内面および外面の互いに対向する位置に内側電極と
    外側電極からなる第2の電極対を形成してなるポンピン
    グ部とを具備してなる空燃比センサ素子において、前記
    ポンピング部の内側電極の面積が10〜20mm2であ
    るとともに、前記センシング部の測定電極の面積が、前
    記ポンピング部の内側電極の面積の0.3〜0.8倍で
    あることを特徴とする空燃比センサ素子。
  2. 【請求項2】前記第1の電極対および第2の電極対を加
    熱するために前記空間部の周囲に発熱体を配設したセラ
    ミック絶縁層を配設してなる請求項1記載の空燃比セン
    サ素子。
  3. 【請求項3】前記固体電解質層が、ガス拡散孔を具備し
    てなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    空燃比センサ素子。
  4. 【請求項4】前記第2の電極対を具備する前記固体電解
    質層が、前記第1の電極対を具備する前記円筒型基体の
    表面に巻き付け形成されてなることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれか記載の空燃比センサ素子。
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