JP5500148B2 - ガスセンサ素子とその製造方法並びにガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子とその製造方法並びにガスセンサ Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも酸素イオン伝導性を有する固体電解質体の両表面に形成した一対の電極層と通電により発熱する発熱体とを具備し、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を測定するガスセンサ素子とその製造方法並びにガスセンサに関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関の燃焼排気流路に、該燃焼排気中に含まれる酸素、窒素酸化物、アンモニア、水素等の特定ガス成分の濃度を検知するガスセンサ素子を配設して、内燃機関の燃焼制御や排ガス浄化装置の制御を行っている。
このようなガスセンサ素子として、例えば、特許文献1には、固体電解質体の一方の面に被測定ガスに曝される被測定ガス側電極が設けてあり、他方の面に基準ガスに曝されると共に基準ガス室と対面する基準ガス側電極が設けてあると共に、一体的にヒータが積層されているガスセンサ素子が開示されている。
このようないわゆる積層型のガスセンサ素子ではセンサ部とヒータ部とを一体的に焼成することにより、ガスセンサ部の固体電解質体をすばやく加熱し、早期の活性化を図っている。
また、特許文献2には、積層技術により検知部と発熱部を絶縁層を介して一体となる固体電解質酸素センサ素子において、発熱体が測定電極面上の固体電解質層上に配置され、かつ測定電極を囲んで、測定電極外周部と幾何学的に平行に配置されており、測定電極外周部と発熱体内周部との間隔が、リード引き出し部をのぞいて0.2〜1.5mmである酸素センサ素子が開示されている。
特許文献2にあるような従来の酸素センサ素子では、検知部と発熱部との間に積層技術によって形成した絶縁層を介装することによって、早期の活性化と発熱部からの漏れ電流の防止を図っている。
さらに、特許文献3には、先端が閉じられた中空円筒状に形成された絶縁物からなる中軸と、この中軸の上記先端部分に近接する周部に、上記中空部に連通するように形成した開口部と、この開口部に嵌め合せ設定されるように形成され、上記中空部および上記中軸の外側部分にそれぞれ対応する両面に、それぞれ電極を形成した板状の固体電解質物質からなる酸素濃度検出素子と、上記中軸の外周に巻付設定され、上記酸素濃度検出素子部分に対応して開口を形成した絶縁物シートに、金属薄膜によるヒータ配線を含む電極リード線を形成したシート部材と、このシート部材の上記開口部分を含んで上記中軸の先端部外周部に被覆形成された通気孔を有する絶縁物による保護層とを具備し、上記中軸とシート部材とは一体に焼成され、上記酸素濃度検出部材のそれぞれ電極を有する両面は、上記中軸の中空部の基準気体雰囲気、及び上記保護層を介して測定気体雰囲気にそれぞれ接触されるようにしたことを特徴とする酸素濃度検出装置が開示されている。
ところが、図8に比較例1として示す特許文献1にあるような従来のガスセンサ素子10zにおいては、発熱体140zと固体電解質層100との間に、基準ガス室130z内に導入された断熱性の高い大気が介在し、発熱体140zへの通電を開始しても、直ちに、発生した熱が固体電解質体100zの活性化に利用されず不可避的にガスセンサが検出可能となるまでに遅れを生じることになる。
また、従来のいわゆる積層型のガスセンサ素子10zは、略平板状に形成されているため、形状的に熱ストレスによる割れを起こし易く、耐久性向上を図るために絶縁層150z、160zを厚く形成する必要があり、素子の体格が大きくなり易く、それだけ熱効率が悪くなり、早期に活性化するのが困難となっていた。
一方、特許文献2にあるような、従来の酸素センサ素子では、ヒータ部とセンサ部との電気絶縁性を確保するための絶縁膜層が、シート成形、又は、スクリーン印刷等で形成されている。
この絶縁膜層が薄い場合には、製造過程で不可避的にピンホール等の欠陥が形成され、ピンホールを介して被測定ガスがヒータ部に到達して、被測定ガス中の含まれる汚染物質等と反応や昇華等によってヒータの劣化を招く虞がある。
このような劣化を防止すべく、絶縁層を厚くして、ヒータ部の酸化防止を図ろうとすると、ガスセンサ素子の体格が大きくなり、絶縁層の加熱にエネルギを奪われ、固体電解質層の加熱に時間がかかり、早期活性化が困難となる虞がある。
さらに、特許文献3にあるように、一端を閉塞した中空円管形状の絶縁性セラミックスの側面に貫通孔を形成し、その貫通孔に固体電解質を設置する際に、固体電解質を固定するために段付き形状に形成し、両面に電極を形成した固体電解質体をその段部に嵌め込むようにした場合、電極の取り出し構造が複雑で、電極リードの焼成クラック、セラミック基体・固体電解質のクラック等の製造不良が発生し易くなる虞もある。
また、特許文献3の図6等にあるように、電極シートとヒータ部シートとを分割して、筒状の絶縁性セラミック基体に貼り付けた場合、電極部と発熱部が分割されているために、発熱部で発生した熱が電極部に伝わり難くなり、早期活性化が困難となる虞もある。
さらに、製造上、電極シートとヒータシートとの複数のシートを重ならないように貼る必要があるため、工程が複雑になるといった問題も考えられる。
そこで、本願発明は、かかる実情に鑑み、被測定ガス中の特定ガス成分を検出するガスセンサに用いられるガスセンサ素子において、早期の活性化が可能で、耐久性に優れ、かつ、構造が簡素で製造容易なガスセンサ素子及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明では、少なくとも、特定のイオンに対して導電性を有する固体電解質材料からなる固体電解質体と、
該固体電解質体の互いに対向する表面の、被測定ガスに接する位置に設けた測定電極と、基準ガスに接する位置に設けた基準電極と、
通電により発熱し、上記固体電解質体の活性化を図る発熱体とを具備し、被測定ガス中の特定成分を検出するガスセンサ素子であって、
略平板状に形成され、焼成後に上記固体電解質体となる未焼成固体電解質シートと、高い電気絶縁性と高い熱伝導率とを有するセラミックス材料からなり、上記固体電解質体と同一の厚さで、略平板状に形成され、焼成後に絶縁性セラミック基体となる未焼成セラミックシートとを重ね合わせた状態で、一の金型により、上記未焼成固体電解質シートと上記未焼成セラミックシートとを同時に打ち抜き、上記未焼成性セラミックシートに所定形状の貫通孔を穿設すると共に、該貫通孔と同一形状に打ち抜かれた上記未焼成固体電解質シートを上記貫通孔の内側に配設せしめて、一体となした固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体と、
上記固体電解質体の一方の表面と同一面上の上記絶縁性セラミック基体の表面で、上記基準電極との電気絶縁距離を確保した位置に配設した上記発熱体とを具備することを特徴とする。
請求項2の発明では、高い電気絶縁性と高い熱伝導率とを有するセラミックス材料からなり、一端が開口し他端が閉塞する有底筒状で、内側に基準ガスとして大気を導入する基準ガス室を具備する筒状セラミック基体と、該筒状セラミック基体の側面に穿設され上記基準ガス室に連通する貫通孔に上記固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体に設けた上記基準電極が対向するように積層せしめた上記固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体と、上記筒状セラミック基体と上記絶縁性セラミック基体との接合面に配設せしめた上記発熱体とを具備する
請求項3の発明では、上記電気絶縁距離として、上記固体電解質体の外周縁と上記発熱体の外周縁との距離を0.1mm以上、3mm以下に設定する。
請求項4の発明では、上記固体電解質材料が部分安定化ジルコニアである。
請求項5の発明では、上記絶縁性セラミックス材料がアルミナである。
請求項6の発明では、少なくとも、上記固体電解質体と、上記測定電極と、上記基準電極と、上記発熱体とを含ガスセンサ素子と、上記基準電極及び上記測定電極と外部に設けた検出回路とを繋ぐ一対の信号線と、外部に設けた電源から上記発熱体への通電を制御する通電制御装置と、該通電制御装置と上記発熱体とを繋ぐ一対の通電線と、上記ガスセンサ素子の検出部を被測定ガス中に配設すると共に、上記一対の信号線と上記一対の通電線とを保持収容するハウジングとを具備するガスセンサであって、上記ガスセンサ素子が、請求項1ないし5のいずれかに記載のガスセンサ素子であることを特徴とする。
請求項7の発明では、少なくとも、電気絶縁性を有するセラミックス材料からなり、略平板状に形成され、焼成後に絶縁性セラミック基体となる未焼成セラミックシートに貫通孔を設けると共に、該貫通孔の内側に特定のイオンに対して導電性を有する固体電解質材料からなり、上記絶縁性セラミック基体と同一の厚さに形成され、焼成後に固体電解質体となる未焼成固体電解質シートを埋設せしめる固体電解質体埋設工程と、焼成後に上記固体電解質体となる上記未焼成固体電解質シートの一方の表面に被測定ガスに対向する測定電極を形成する測定電極形成工程と、他方の表面に基準ガスに対向する基準電極を形成する基準電極形成工程と、上記固体電解質体の上記基準電極を形成する面と同一面上であって、焼成後に上記絶縁性セラミック基体となる上記未焼成セラミックシートの表面に発熱体を形成する発熱体形成工程と、電気絶縁性を有する絶縁性セラミックス材料からなり、一端が開放し、他端が閉塞する略有底筒状に形成し、閉塞端側の側面に貫通孔を設けられ、焼成後に筒状セラミック基体となる筒状セラミック基体成形体を形成する筒状セラミック基体形成工程と、上記基準電極を上記筒状セラミック基体成形体の貫通孔に対向せしめて、上記貫通孔に上記未焼成固体電解質シートを埋設した上記未焼成セラミックシートを上記筒状セラミック基体成形体に巻き付けるセラミック基体巻付け工程と、これらを一体的に焼成する焼成工程と、を具備するガスセンサ素子の製造方法であって、上記固体電解質体埋設工程において、略平板状に形成した上記未焼成固体電解質シートと略平板状に形成した上記未焼成セラミックシートとを重ね合わせた状態で、一の金型により、上記未焼成固体電解質シートと上記未焼成セラミックシートとを同時に打ち抜き、上記未焼成セラミックシートに所定形状の貫通孔を穿設すると共に、該貫通孔と同一形状に打ち抜かれた上記固体電解質シートを上記貫通孔の内側に配設せしめることを特徴とする。
本発明は上記の問題を解決するために、早期に活性化が可能で、センサ品質が安定しており、かつ安定的に製造できるガスセンサ素子及びその製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、早期に固体電解質体の活性化を図ると共に、発熱体の劣化を抑制し、センサとしての品質が安定化されたガスセンサ素子が得られることを見出した。
即ち、請求項1の発明によれば、極めて精度良く、上記固体電解質体が上記絶縁性セラミック基体内に埋設され一体化されており、上記固体電解質体と上記発熱体との間に高い電気絶縁性有する絶縁性セラミック基体が介在しているので、上記発熱体に通電を行ったときに、絶縁性セラミック基体によって上記基準電極との絶縁距離が短くても十分な電気絶縁性が確保され、発熱体からの漏れ電流によって検出結果が不安定となるのを抑制できる。
また、上記発熱体に通電を行ったときに、高い熱伝導率を有する上記絶縁性セラミック基体を介した熱伝導によって上記固体電解質体が加熱されるので速やかに活性化され、被測定ガス中の特定ガス成分の検出が可能となる。
さらに、上記発熱体が上記基準電極と同一面側に設けてあるので、上記絶縁性セラミック基体が、上記発熱体を形成するための基板として機能すると共に、上記発熱体を被測定ガスから隔離し、保護するための保護層としても機能するので、ガスセンサ素子の体格を小さくできる上に、上記発熱体が被測定ガスに晒され劣化する虞がないので、長期に渡って安定した性能を維持できる。
しかも、上記固体電解質体は、同一の厚みで平板状に形成した上記未焼成固体電解質シートと上記未焼成セラミックシートとを重ね合わせ、一の金型で打ち抜くことで上記未焼成セラミックシートへの貫通孔の形成とその貫通孔への上記未焼成固体電解質シートの埋設とを同時に行った後に焼成されているため、極めて精度良く一体化されている。
このため、予め絶縁性セラミック基体に貫通孔を成形して、その貫通孔に、固体電解質材料からなるスラリーを流し込んで、有機溶剤を揮発除去する方法で作成した固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体のように、スラリーの乾燥収縮に伴う、固体電解質体の膜厚の変動や固体電解質体と絶縁性セラミック基体との境界に生じる間隙等の問題を生じることがないため、優れた耐久性を発揮できる。
請求項2の発明によれば、上述の効果に加え、上記発熱体が上記絶縁性セラミック基体と上記筒状セラミック基体とによって覆われているので、上記発熱体が被測定ガスに晒される虞がなく、より安定した品質を維持できる。加えて、上記筒状セラミック基体が筒状に形成されているので、ガスセンサ素子を平板状に形成した場合に比べ機械的強度に優れ、被水等の熱衝撃に対して強い耐久性を発揮できる。
請求項3の発明によれば、上記固体電解質体及び上記基準電極と上記発熱体との充分な電気絶縁性を確保しつつ、早期の活性化を図ることができる。
本発明の範囲を外れ、上記電気絶縁距離が0.1mmより短い場合には、上記発熱体に通電したときに上記固体電解質体、又は、上記基準電極に漏れ電流が流れ、センサの検出結果が不安定となる。
また、本発明の範囲を外れ、上記電気絶縁距離が3mmより長い場合には、ガスセンサ素子としての体格が大きくなる上に、上記発熱体に通電したときに上記固体電解質体が活性化されるまでの時間が長くなり、早期の活性化が困難となる虞がある。
請求項4の発明によれば、熱伝導率の低いジルコニアを用いたガスセンサ素子において、早期に活性化を図ることが可能で、耐久性に優れたガスセンサ素子が実現できる。
請求項5の発明によれば、上記絶縁性セラミック基体と上記筒状セラミック基体とが、高い電気絶縁性と高い熱伝導率を有して、上記固体電解質体を早期に活性化可能で、上記発熱体が被測定ガスから保護されているので、耐久性に優れ、かつ、構造が簡素で製造容易なガスセンサ素子を実現できる。
請求項6の発明によれば、早期に活性化が可能でしかも耐久性に優れ、構造が簡素、製造が容易な上に、小型化が容易なガスセンサ素子を用いることにより、極めて信頼性の高いガスセンサを実現できる。
請求項7の発明によれば、上記未焼成セラミックシートに貫通孔を成形し、かつ、上記未焼成固体電解質シートをその貫通孔と同一の形状に打ち抜くと同時にその貫通孔に埋設することができるので、極めて容易に、しかも、極めて精度良く、上記固体電解質体上記絶縁性セラミック基体内に埋設された状態とすることができ、早期に活性化が可能で耐久性に優れたガスセンサ素子の製造が可能となる。
本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子の概要を示し、(a)は、底面側から見た一部切り欠き斜視図、(b)は、発熱体のみを示す斜視図、(c)は、本図(a)中A−Aに沿った断面図、(d)は、温度分布を示す模式図。 図1のガスセンサ素子を備えたガスセンサの全体概要を示す縦断面図。 図1のガスセンサ素子の製造方法に係り、固体電解質体の埋設工程の一例を(a)〜(d)の順を追って示す説明図で、左側列(a−1)〜(d―1)は、断面図、右側列(a−2)〜(d−2)は、斜視図。 本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子の概要及び製造方法を説明するための展開斜視図。 図1のガスセンサ素子の製造途中の状態を示し、(a)は、平面図、(b)は、縦断面図、(c)は、下面図、(d)は、巻付工程を示す断面図。 本発明のガスセンサ素子の変形例を示し、(a)は、発熱体の変形例を示す下面図、(b)は、縦断面図、(c)は、平面図、(d)は、横断面図、(e)は、巻付工程後の一部省略横断面図。 本発明の他の変形例を示し、(a)は、電極端子部の下面図、(b)は、電極端子部の平面図、(c)は、信号接続部並びに電源及び演算部の概要を示す模式図、(d)は、接続端子金具の一例を示す縦断面図。 比較例1として、従来のガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、A−A平面に沿った要部断面図、(c)は、温度分布を示す模式図。 比較例2として、従来のガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、要部断面図、(c)は、温度分布を示す模式図。 比較例3におけるガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、要部断面図、(c)は、温度分布を示す模式図。 比較例4におけるガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、要部断面図。 比較例5におけるガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、要部断面図。 比較例6におけるガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、要部断面図。 比較例7におけるガスセンサ素子を示し、(a)は、展開斜視図、(b)は、要部断面図。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子10の概要について説明する。
本発明のガスセンサ素子10は、例えば、内燃機関から排出される燃焼排気を被測定ガスとして、被測定ガス中の酸素濃度を検出して空燃比制御を行うλセンサや、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)等の特定ガス成分の濃度を検出する各種のガスセンサに適用することができる。
以下の説明においては、このようなガスセンサの典型例として酸素イオンに対して伝導性を有するジルコニアからなる固体電解質体を含む酸素センサに用いられるガスセンサ素子を例として説明する。
図1(a)、(b)に示すように、ガスセンサ素子10は、固体電解質体100、測定電極110、測定電極リード部111、測定電極端子部121、基準電極120、基準電極リード部121、基準電極端子部122、発熱体140、発熱体リード部141、142、被測定ガス導入室170、拡散抵抗層180、被測定ガス導入斜面181、遮蔽層190、緩衝層191、絶縁性セラミック基体200によって一体のシート状に形成したセンサ部発熱部一体化シート20を基準ガス室130、周壁部131、貫通孔132、閉塞端133からなる有底筒状に形成した筒状セラミック基体13に巻き付けるようにして構成されている。
固体電解質体100の一方の表面には、被測定ガスに接する測定電極110が設けられ、他方の表面であって測定電極110に対向する位置には、基準ガスとして導入された大気に接する基準電極120を設けられており、固体電解質体100と測定電極110と基準電極120とによってセンサ部を構成している。
本発明において、絶縁性セラミック基体200は、アルミナ等の電気絶縁性を有するセラミックス材料からなり、固体電解質体100と同一の厚さに形成されており、絶縁性セラミック基体200に穿設された貫通孔201には、固体電解質体100が埋設されている。
筒状セラミック基体13は、アルミナ等の電気絶縁性を有するセラミックス材料からなり一端(133)が閉塞し、他端が開放する略有底筒状に形成され、内側に基準ガスとして大気を導入する基準ガス室130が区画され、閉塞端側の側壁131に貫通孔132が穿設されている。
絶縁性セラミック基体200は、筒状セラミック基体13の外周を覆うように巻き付けられており、貫通孔201と貫通孔132とは互いに連通する位置に配設されている。
さらに、固体電解質体100の一方の表面に設けた基準電極120は、貫通孔132に対向し、基準ガス室130内に基準ガスとして導入された大気に接している。
固体電解質体100の他方の表面に設けた測定電極110は、測定電極110の表面を覆うように区画された被測定ガス導入室170に対向し、被測定ガス導入室170内に導入された被測定ガスに接している。
測定電極110、基準電極120には、それぞれ、測定電極111、基準電極リード部121が接続され、外部に設けた図略の電源及び検出回路部に接続されている。
本実施形態において、発熱体140は、固体電解質体100の基準電極120の設けられた側の表面と同一面上の絶縁性セラミック基体200の表面で、基準電極120及び固体電解質体100との電気絶縁距離dを確保した位置において、測定電極110の外側を取り囲むように略コ字型に形成されている。
発熱体140は、筒状セラミック基体13と絶縁性セラミック基体200との接合面に配設されている。
発熱体140の両端は、発熱体リード部141、142及び発熱体端子部143、144を介して外部に設けた図略の電源及び通電制御回路に接続され、通電により発熱し、センサ部を加熱活性化する。
測定ガス導入空間170を覆うように、所定の拡散抵抗を有する多孔質の拡散抵抗層180が形成され、被測定ガス導入斜面181を残して、拡散抵抗層180の表面を覆うように遮蔽層190が形成されている。
本実施形態においては、拡散抵抗層180の先端側の端部に、被測定ガスを導入するために遮蔽層190で覆われていないテーパ面状の被測定ガス導入斜面181が形成されている。
遮蔽層190及び緩衝層191は、測定電極リード部111が被測定ガスに晒されるのを防ぐと共に、拡散抵抗層180内を移動する被測定ガスが外部に漏れるのを防いでいる。
本発明者等は、後述する鋭意試験により、以下の知見を得た。
本発明のように、固体電解質体100を絶縁性セラミック基体200内に埋設し、基準電極120と同一面上で、電気絶縁距離として、固体電解質体100の外周縁と発熱体140の外周縁との距離を所定の絶縁距離d(望ましくは、0.1mm以上、3mm以下)を隔てて、固体電解質体100の周囲を覆うように設けられた発熱体140に通電したときに、図1(c)に示すように、絶縁性セラミック基体200を介した熱伝導により、固体電解質体100が直接的に加熱され、速やかに活性化を図るとことができる。
このとき、固体電解質体100に用いられている部分安定化ジルコニアは、熱伝導率が低い(2〜3W/m・K)が、熱伝導率の高いアルミナ(20〜30W/m・K)を用いた絶縁性セラミックス基体200内に埋設することにより、熱伝導率の低い固体電解質体100の範囲が測定電極110と基準電極120とが形成された最小限の領域に限られるので、素子全体としての熱伝導率が相対的に高くなり、効率的に素子温度を昇温させることができる。さらに、アルミナは絶縁性が高いため、固体電解質体100と発熱体140との絶縁距離dを短くしても、発熱体140へ通電したときにセンサ部への漏れ電流を抑制することが可能で、固体電解質体100に接近した位置から加熱することができるので、より早期に活性化することができる。
加えて、発熱体140が、絶縁性セラミック基体200と筒状セラミック基体13との間に埋設されているので、被測定ガスに一切触れることがなく、発熱体140が被測定ガス中に含まれる被毒成分による劣化の防止を図ることができ、センサとしての品質が安定化されたガスセンサ素子10が得られる。
また、発熱体140を測定電極110の形成された面と同一面側の絶縁性セラミック基体200の表面に形成したのでは、発熱体140を被測定ガスから隔絶するための保護層を形成する必要が生じ、素子の体格が増加する虞があるが、本発明のような構造とすることによって、そのような保護層を形成する必要がなく、素子の体格を小さくすることができる。
さらに、筒状セラミック基体13が筒状に形成されているので、従来のように、ガスセンサ素子10を平板状に形成した場合に比べ、機械的強度に優れ、被水等の熱衝撃に対して強い耐久性を発揮できる。
なお、上記実施形態において酸素センサに用いられるガスセンサ素子10を例に説明したが、本発明において、検出対象となる被測定ガス中の特定成分を特に限定するものではなく、固体電解質材料として公知のSrZrO、SrCeO等のプロトン伝導性を有する公知のABO型遷移金属酸化物を用いても良いし、発熱体として公知の炭化タングステン、窒化珪素、酸化ルテニウム等を用いても良いし、絶縁性セラミックス材料として公知のチタニア、スピネル等を用いても良い。
さらに、ガスセンサ素子10の表面に、アルミナやスピネル等の耐熱性セラミックス粒子を用いてディッピングやプラズマ溶射等の公知の方法により、被水割れや被毒による劣化防止を図るための多孔質保護層を形成する等については、適宜変更可能である。
図2を参照して、本発明のガスセンサ素子10を有するガスセンサ1の概要について説明する。
ガスセンサ素子10は、センサ部と発熱部とを一体的に設けたセンサ部発熱部一体化シート20が巻き付けられ、有底筒状に形成された筒状セラミック基体13の閉塞端133を先端側とし、開口端を基端側とするように配設され、アルミナ等の電気絶縁性セラミックス材料を略筒状に形成したインシュレータ41内に挿通保持され、セラミックセメント又は耐熱ガラス等の耐熱性接着部材40によって固定され、略筒状のハウジング30内に保持収容され、先端側の検出部が被測定ガスに晒される位置に配設されるようになっている。
インシュレータ41は、タルク等の封止部材42を介して、ステンレス等の金属材料を略筒状に形成したハウジング30内に挿通保持されている。
ハウジング30の先端側には、ガスセンサ素子10の先端を覆い、ガスセンサ素子10を保護する有底筒状のカバー体50、60が配設され、カバー体50、60の基端側に設けたフランジ部51、61を加締め部35によって加締め固定している。
ケーシング47は、ステンレスなどの金属材料からなり、略筒状に形成され、ハウジング30の基端側に設けたボス部31に挿入固定され、内側に、ガスセンサ素子10の基端側に引き出した測定電極端子112、基準電極端子122、通電端子145、146に接続端子113、123、147、148及び接続金具114、124、149、150を介して接続され、外部に出力を伝達する信号線81、82及び、外部から発熱体140に通電するための通電線83、84をインシュレータ43によって絶縁性を確保した状態で保持、固定すると共に、基端側を封止ゴム46、撥水フィルタ45、支持部材44等を介して、気密に保持している。
さらに、ケーシング47には、基準ガス導入孔471が穿設されており、基準ガス導入孔471、封止ゴム貫通孔461、撥水フィルタ45、支持部材貫通孔441を介して、水の侵入を阻止しつつ、ケーシング47の内側に導入した大気を、基準ガス室130内に導入可能としている。
カバー体50、60は、有底筒状に形成され、ガスセンサ素子10と同心に配設された二重筒構造となっており、それぞれの側面53、63及び底面54、64に穿設された複数の開孔52、55、62、65によって、被測定ガスの流速を制御しつつ、ガスセンサ素子10の先端に導入、導出している。
ハウジング30の先端側外周には、ネジ部34が形成され、被測定ガス流路70に螺結され、ガスセンサ素子10の先端側を被測定ガス700に晒すよう保持固定している。
なお、本発明のガスセンサ素子10を用いる限りにおいて、インシュレータ41、ハウジング30、ケーシング47、カバー体50、60等を上記実施形態に限定する物ではなく、公知の形態を適宜採用し得るものである。
本発明のガスセンサ1は、外部に設けた図略の通電制御装置によって発熱体140に通電されると、発熱体140が発熱し、絶縁性セラミック基体200を介して発熱体140で発生した熱が固体電解質体100に伝達され、固体電解質体100が活性化されると、拡散抵抗層180を介して被測定ガス導入室170内に導入され測定電極110に接する被測定ガス中の酸素濃度と、基準ガス室130内に導入され基準電極120に接する大気中の酸素濃度との差によって両電極間に電位差が生じ、この電位差を測定することによって、あるいは、測定電極110と基準電極120との間に電圧を印加し、固体電解質体100に流れる電流を検出することにより、被測定ガス中の酸素濃度を検出できる。
ここで、図3、図4、図5を参照して、本発明のガスセンサ素子10の製造方法について簡単に説明する。
本発明の素子の製造方法では、絶縁性セラミック材料からなるシート状の絶縁性セラミック基体200に貫通孔201を形成し、その貫通孔201内に固体電解質材料からなる固体電解質体100を埋設し、固体電解質体100の互いに対向する面に測定電極110と基準電極120とを設け、基準電極120が形成された側の絶縁性セラミック基体200の表面に発熱体140を形成したセンサ部発熱部一体化シート20を、基準ガス室130を備えた筒状セラミックス基体13に接着・接合することを特徴としている。センサ部発熱部一体化シート20に検出部の機能と発熱部の機能とが一体的に備わっており、少なくとも、固体電解質体100、測定電極110、基準電極120、発熱体140、絶縁性セラミック基体200を含み、1枚ないし2枚のシートで構成されたセンサ部発熱部一体化シート20を筒状セラミック基体13に接着、焼成するだけで、ガスセンサ素子10を得ることができ、極めて製造が簡便である上に、電極パターンを平面状のセラミックスシートの表面に印刷形成するので通電不良及び接着不良を生じ難く、ガスセンサ素子10の信頼性を向上させることができる。
より具体的な製造法について詳述する。
固体電解質材料には、ジルコニア(二酸化ジルコニウム、ZrO)を主成分とし、イットリア(Y、4〜8mol%)を添加してなるものとすることができる。
また、ジルコニア材料は、ジルコニア、イットリア以外にも、アルミナ、シリカ、マグネシア、カルシア等を含有させることもできる。これらの助剤は、ジルコニアの焼結性向上を図ったり、絶縁性セラミック基体200との収縮率や熱膨張係数の一致を図ったり、固体電解質体100と、絶縁性セラミック基体200、筒状セラミック基体13及び測定電極110、基準電極120との密着強度の向上を図ったりする効果がある。
絶縁性セラミックス材料には、熱伝導率及び電気絶縁が高いアルミナ(酸化アルミニウム、Al)を主成分とする(例えば90wt%以上含有する)ものが望ましい。また、アルミナ材料は、ジルコニア、イットリア、マグネシア、カルシア、シリカ等を含有することができる。これらの助剤は、アルミナの焼結性向上を図ったり、固体電解質体100との収縮率や熱膨張係数の一致を図ったり、絶縁性セラミック基体200及び筒状セラミック基体13と、固体電解質体100、測定電極110、測定電極リード部111、測定電極端子1112、基準電極120、基準電極リード部121、基準電極端子122との密着強度の向上を図ったりする効果がある。
まず、焼成後に絶縁性セラミック基体200となる未焼成セラミックシート(具体的には、未焼成アルミナシートであり、以下、適宜アルミナシートと称す。)SH200を作製する。
アルミナシートSH200は、アルミナ粉末にマグネシア粉末等の焼結助剤とブチラール樹脂等の結合材及びBBP等の可塑剤を配合し、さらに有機溶媒を混合して、アルミナスラリーを調整し、これをドクターブレード法によりシート状に塗工し、有機溶媒を揮発させることにより形成することができる。
さらに、アルミナシートSH200には、固体電解質体100を埋設する貫通孔201と必要に応じてビア導体144、122、143を形成するためのスルーホール202、203、204を穿設する。
また一方で、焼成後に固体電解質体100となる未焼成固体電解質シート(具体的には、未焼成ジルコニアシートであり、以下、適宜、ジルコニアシートと称す。)SH100を作製する。
ジルコニアシートSH100は、ジルコニア粉末にイットリア粉末とブチラール樹脂等の結合材、及び、BBP(フタル酸ブチルベンジル)等の可塑剤を配合し、さらに有機溶媒を混合して、ジルコニアスラリーを調整し、これをドクターブレード法によりシート状に塗工し、有機溶媒を揮発させることにより形成することができる。
なお、ジルコニアシートSH100とアルミナシートSH200とは、同一膜厚(例えば、焼成後の膜厚として200μm)に形成してあり、焼成時の収縮率が互いに一致するように、それぞれの原料の粒度分布及び配合比等が調整されている。
さらに、ジルコニアシートSH100を、アルミナシートSH200に形成した貫通孔201と同一形状(例えば、矩形)に打ち抜いて形成し、アルミナシートSH200の貫通孔201に埋設する。
このとき、図3に示すような手順をとることによって、ジルコニアシートSH100をアルミナシートSH200に設けた貫通孔201内に極めて精度良く、しかも、極めて簡易に、互いに密着状態で埋設することができる。
具体的な固体電解質体埋設工程の手順について、一例を挙げて、図3を参照して説明する。
本図(a―1)、(a―2)に示すように、アルミナシートSH200及びジルコニアシートSH100を重ね合わせた状態で、上ダイDUP、上パンチPUP、下ダイDLO、下パンチPLO、ベース部BS等からなる金型にセットする。
本図(b−1)、(b−2)に示すように、上ダイDUPを下降させ、アルミナシートSH200に貫通孔201を打ち抜くと同時に、貫通孔201と全く同一形状でジルコニアシートSH100が打ち抜かれて、下パンチPLOに支持された状態で、焼成後に固体電解質体100となる部分が貫通孔201内に配設される。
このとき、アルミナシートSH200の貫通孔201を打ち抜きカスWST200は、上スプリングSPUPを縮めながら上パンチPUPを押し上げ、上ダイスDUP内に収容される。
ジルコニアシートSH100の枠部分は、下スプリングSPLOを縮めながら下ダイDLOを押し下げる。
さらに、本図(c−1)、(c−2)に示すように、上ダイDUPを引き上げると、アルミナシートSH200内に埋設され固体電解質体100となる部分以外の枠状となったジルコニアシートSH100を介して下ダイDLOによって持ち上げられ、上ダイDUP内に収容された打ち抜きカスWST200は、上パンチPUPの下降により上ダイDUPから排出される。
その結果、本図(d−1)、(d−2)に示すように、アルミナシートSH200内に焼成後に固体電解質体100となる部分が埋設された状態で一体となった固体電解質体埋設シート(20)を得ることができる。
なお、本実施形態においては、極めて簡単な構造の金型を用いて、アルミナシートSH200とジルコニアシートSH100とを重ね合わせて同時に打ち抜くことで、アルミナシートSH200に貫通孔201を形成すると同時にジルコニアシートSH100の固体電解質体100となる部分を貫通孔201内に埋設する方法を示したが、金型の構造を工夫し、上下軸方向の動きを精度良く調整可能な多段プレス等を用いることで、同時に、アルミナシートSH200にビア導体144、122、143を形成するためのスルーホール202、203、204を穿孔したり、外形を所定形状に切り出したりすることも可能となる。
また、上述のように、予めシート状に形成したアルミナシートSH200とジルコニアシートSH100とを同時に打ち抜いて、アルミナシートSH200に穿設した貫通孔201にジルコニアシートSH100を埋設することにより、極めて簡便に、絶縁性セラミック基体200内に固体電解質体100を埋設させることができるが、この方法以外にも、例えば、アルミナシートSH200に穿設した貫通孔201内にジルコニアシートSH100を形成するためのジルコニアスラリーを流し込んで、有機溶剤を揮発除去することによって、貫通孔201内に焼成後に固体電解質体100となるジルコニアシートを形成することも可能である。
但し、このように予め穿設した貫通孔201内にジルコニアスラリーを流し込んだ場合、乾燥収縮により、固体電解質体100となる部分の中心部の膜厚が薄くなり易いので、ジルコニアスラリーの表面張力を利用して、中心部の膜厚を厚めに設定する等、焼成後の膜厚が均一となるように留意しなければならない。
さらに、上述の方法より手間が掛かる虞があるが、予め貫通孔201を穿設したアルミナシートSH200に、貫通孔201とほぼ同一形状で、挿入クリアランスを設けるために極僅かに小さく形成したジルコニアシート(100)を貫通孔201内に挿入した後、アルミナシートSH200とジルコニアシート(100)との隙間に、ジルコニアスラリーとアルミナスラリーとを混合して有機溶媒で希釈したスラリーを接着剤として含浸させるようにしても良い。
上述のようにして、アルミナシートSH200の貫通孔201内にジルコニアシート(100)が埋設された固体電解質体埋設シート(20)に、図4、図5に示すように、センサ部を構成するための測定電極110、測定電極リード部111、測定電極端子部112、基準電極120、基準電極リード部121、基準電極ビア導体122、基準電極端子部123、発熱体140、発熱体リード部141、142、発熱体ビア導体143、144、発熱体端子部145、146、被測定ガス導入室170、拡散抵抗層180、遮蔽層190、緩衝層191を厚膜印刷等の公知の方法により形成して、センサ部発と熱部とを一体化したセンサ部発熱部一体化シート20を得ることができる。
なお、具体的な測定電極形成工程、基準電極形成工程、発熱体形成工程の各工程には、公知の厚膜印刷法を適宜用いることができる、
測定電極110、測定電極リード部111、測定電極端子部112、基準電極120、基準電極リード部121、基準電極ビア導体122、基準電極端子部123、発熱体リード部141、142、発熱体ビア導体143、144、発熱体端子部145、146には、例えば、金、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、又は、これらの合金等の公知の導体材料を用いることができ、さらに、これらの導体材料に、固体電解質体100の主成分であるジルコニア、又は、絶縁性セラミック基体200の主成分であるアルミナを含有させたのでも良い。
発熱体140には、例えば、白金、ロジウム、タングステン、レニウム、又は、これらの合金等の公知の抵抗発熱材料を用いることができ、さらに、これらの抵抗発熱材料に、絶縁性セラミック基体200を構成するアルミナを含有させたものでも良い。
図4、図5(a)、図5(b)に示すように、測定電極110は、固体電解質体100の一方の表面を覆うように略矩形に印刷形成されている。
測定電極110の基端側の端縁に接続して、基端側に向かって伸びる測定電極リード部111が絶縁性セラミック基体200の測定電極側の表面に印刷形成されている。
測定電極リード部111の基端側に接続して、絶縁性セラミック基体200の基端側において測定電極側表面に測定電極端子部112が印刷形成されている。
図4、図5(b)、図5(c)に示すように、基準電極120は、測定電極110に対向する位置において、固体電解質体100の表面を覆うように印刷形成されている。
基準電極120の基端側の端縁に接続して、基端側に向かって伸びる基準電極リード部121が絶縁性セラミック基体200の基準電極側表面に印刷形成されている。
絶縁性セラミック基体200に穿設され、基準電極側表面と測定電極側表面とを貫通するスルーホール203内には、基準電極リード部121の基端側に接続するビア導体122が吸引印刷等の公知の方法により形成されている。
ビア導体122に接続して、絶縁性セラミック基体200の基端側において、測定電極側表面には基準電極端子部123が印刷形成されている。
本実施形態においては、絶縁性セラミック基体200の基準電極側の表面には、図5(c)に示すように、基準電極120及び固体電解質体100と一定の絶縁距離d(例えば、0.1mm以上、3mm以下)を隔てて、基準電極120の周囲を取り囲むように略コ字型に発熱体140が印刷形成されている。
発熱体140の両端のそれぞれに接続して、基端側に伸びる発熱体リード部141、142が絶縁性セラミック基体200の基準電極側の表面に印刷形成されている。
絶縁性セラミック基体200に穿設され、基準電極側表面と測定電極側表面とを貫通するスルーホール202、204内には、発熱体リード部141、142のそれぞれの基端側に接続するビア導体143、144が吸引印刷等の公知の方法により形成されている。
ビア導体143、144に接続して、絶縁性セラミック基体200の基端側において、測定電極側の表面には発熱体電極端子部145、146が印刷形成されている。
被測定ガス導入室170は、焼成により焼失する結合材と有機溶剤とからなる焼失ペーストを用いて、図4、図5(b)、(d)に示すように、測定電極110の表面を覆うように略矩形に印刷形成されている。
さらに、本実施形態における拡散抵抗層180は、焼成後に所定の拡散抵抗を有する多孔質層となるように、アルミナ粉末、樹脂粉末及びバインダを配合し、さらに有機溶媒を混合してなる、拡散層ペーストを用いて、被測定ガス導入室170を覆いつつ、絶縁性セラミック基体200の先端側の端縁まで伸びるように印刷形成されている。
また、拡散抵抗層180には、図4、図5(a)、(b)に示すように、先端側において、被測定ガスを導入するために遮蔽層190で覆われていないテーパ面状の被測定ガス導入斜面181が切削、研磨等の方法により形成されている。
被測定ガス導入斜面181を設けることにより、ガスセンサ素子10の長手軸方向に対して直交する方向に流れる被測定ガスに対して斜めに開口する被測定ガス導入斜面181から拡散抵抗層180内に導入され、さらに拡散抵抗層180よりも拡散抵抗の小さい被測定ガス導入室170内に導入されることになる。
なお、被測定ガス導入斜面181をテーパ状に加工するのは、センサ部発熱部一体化シート20を筒状セラミック基体13に巻き付ける前に行っても良いし、巻付け後に行っても良いし、焼成後に行っても良い。
図4、図5(a)、(b)に示すように、拡散抵抗層180の表面を覆いつつ、基端側に伸びるように、アルミナ等の絶縁体ペーストを用いて遮蔽層190、及び、緩衝層191が印刷形成されている。
なお、上述のアルミナシートSH200を用いて遮蔽層190を形成しても良い。
以上のような工程を経て、固体電解質体100、測定電極110、基準電極120、発熱体140、被測定ガス導入室170、拡散抵抗層180、遮蔽層190、絶縁性セラミック基体200等が一体となった、略平板状のセンサ部発熱部一体化シート20ができあがる。
一方、筒状セラミック基体13は、アルミナ等の絶縁性セラミックス材料を用いて、筒状セラミック基体形成工程として、例えば、押出成形、射出成形、CIP、HIP等の公知の成形方法を用いることが可能で、略筒状(例えば、外径φ2.5mm、内径φ2.1mm、長さ50mm)に伸び、基端側が開口し、先端側が閉塞して、内側に基準ガスとして大気を導入する基準ガス室130を区画した有底筒状に形成されており、閉塞端側の側面に周壁131を貫通し、略矩形に形成された側面貫通孔132が穿設されている。
なお、筒状セラミック基体13を押出成形によって形成する場合には、アルミナ粉末にバインダ・離形剤・純水を配合し、杯土とし、これを押出成形により中空円管形状に連続的に成形し、得られた未焼成の筒状セラミック基体を所定の長さにカットし、その一方の端部を同材質の坏土を用いて封止し、乾燥して成形体の強度を高くした状態で側面貫通孔132を穿設する。
一方、筒状セラミック基体13を射出成形、CIP、HIPによって成形する場合には、分割金型及び中子を用いることにより、基準ガス室130、周壁部131、側面貫通孔132、閉塞端133を同時に形成することができる。
上述のセンサ部発熱部一体化シート20を図5(d)に示すように、筒状セラミック基体13に巻き付けて、所定の温度で焼成する(例えば、大気雰囲気下、400℃で4時間加熱し脱脂。その後1500℃で2時間焼成。)焼成工程を経ることにより、本発明のガスセンサ素子10が完成する。
このとき、基準電極110が、筒状セラミック基体13に穿設した側面貫通孔132に対向するように巻付位置に留意する。
また、セラミック基体巻付工程として、センサ部発熱部一体化シート20を筒状セラミック基体13に巻き付ける際には、基準電極120を除く絶縁性セラミック基体200の基準電極側表面に、アルミナとバインダを有機溶剤に分散させた接着ペーストを塗布して接着するのが望ましい。
さらに、センサ部発熱部一体化シート20の筒状セラミック基体13への巻付けは、筒状セラミック基体13の乾燥後、脱バインダ後、仮焼後、焼成後のいずれかに行うことができる。
筒状セラミック基体13を乾燥することによって筒状セラミック基体13の強度が増し、センサ部発熱部一体化シート20の巻付けが容易となる。
また、筒状セラミック基体13の脱バインダ後の場合には、筒状セラミック基体13が多孔質となり、接着ペーストが含浸してセンサ部発熱部一体化シート20が強固に接着されるので、焼成時にデラミネーションが起こり難くなる。
さらに、筒状セラミック基体13を焼成温度よりも低い温度で仮焼することにより、筒状セラミック基体13を構成するアルミナの粒子間にネックグロスを生じさせ、筒状セラミック基体13の強度が高くなるので、センサ部発熱部一体化シート20の巻付け工程において、さらに破損を生じ難くなる。
一方、筒状セラミック基体13を焼成した後、センサ部発熱部一体化シート20を巻き付けた場合、筒状セラミック基体13の強度が高く、シートの巻き付けが極めて容易にとなる。
また、ガスセンサ素子を完成させるための焼成の段階での収縮率を小さくできるので、センサ部発熱部一体化シート20に与える熱ストレスを小さくし、クラックやデラミネーションの発生を抑制することができる。
但し、筒状セラミック基体13を複数回焼成することとなるので、過焼成とならないよう留意する必要がある。
図6、図7を参照して本発明のガスセンサ素子の幾つかの変形例について説明する。
上記実施形態においては、発熱体140を基準電極120の周囲を覆うように略コ字型に形成した例を示したが、図6(a)に示すように、発熱体140aを例えば、蛇腹状にパターン化して印刷形成したものであっても良い。
また、上記実施形態においては、被測定ガス導入斜面181をガスセンサ素子10の長手軸方向に対して先端側下方に向かって開口するように形成したが、図6(b)、(c)、(d)、(e)に示すように、ガスセンサ素子10の長手軸方向に対して直交するように側面方向に開口するように形成しても良い。
さらに、上記実施形態においては、図2に示したように、測定電極端子部112、基準電極端子部123、発熱体端子部145、146が、筒状セラミック基体200の基端側で、周方向に対して、センサ部の設けられた方向に偏りをもって配設された例を示したが、図7に示すように、絶縁性セラミック基体200の基端側において、各端子部が均等に並ぶように配設し、筒状セラミック基体13に巻き付けたときに、周方向に対して均等な位置に並ぶようにしても良い。このような配置をすることによって、外部との接続を図る接続金具を図7(d)に示すような、板バネ状に形成して、各端子部112b、123b145b、146bに対して接点部113b、124b、147b、148bが弾性的に接触するようにすることもできる。このような構成とすることによって、ガスセンサ素子10bをガスセンサ1に組み付ける作業が容易となる上に、外部からの振動に対しての耐久性を向上させることもできる。
なお、本図(d)に示すように、発熱体端子部145b、146bは一対の通電端子149b、150b及び通電線を介して発熱体通電制御部に接続されており、発熱体140への通電を制御する発熱体通電制御部は、電源+Bからの通電を開閉するMOSFETやSCRやIGBT等の半導体スイッチSWと、例えば、PWM制御やオンオフ制御等を実行するため、半導体スイッチSWを開閉駆動するドライバDRVとによって構成されている。
また、測定電極110と基準電極120とは、一対の信号線を介して電源及び検出回路DTCに接続され、測定電極110と基準電極120との起電力の差や、測定電極110と基準電極120との間に流れる電流を検出し、被測定ガス中の特定成分の濃度を算出する。
ここで、図8〜図13を参照し、比較例1〜6として示した従来構造のガスセンサ素子10z、10g、10f、及び、本発明の効果を発揮し得ない技術的臨界を示すガスセンサ素子10c、10d、10eの問題点について詳述する。
図8は、比較例1として、特許文献1にあるような、従来のいわゆる積層型ガスセンサ素子10zの典型例を示すものである。
以下の説明において、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてzの記号を付したので、詳細な説明を省略し、本発明との違いを中心に説明する。
比較例1においては、平板状に形成された固体電解質体100zの一方の面には、測定電極110z、測定電極リード部111z、測定電極端子部112z、被測定ガス導入室170z、拡散抵抗層180z、遮蔽層190z、緩衝層191z、基準電極端子部123zが、形成され、他方の面には、基準電極120z、基準電極リード部121zが形成され、固体電解質体100zに設けたスルーホール101z内には、基準電極リード部121zの端部と基準伝挙k右端支部123zとを繋ぐビア電極122zが形成されている。
さらに、基準電極側に積層して、基準ガス室130zを区画する略コ字型に伸びる基準ガス室形成層131zが設けられ、さらに、基準ガス室形成層131zに積層して、基準ガス室130zの底部を構成すると共に発熱体140zとの絶縁を図る平板状に形成された絶縁層150zが設けられ、さらに、発熱体140zと一対の発熱体リード部141z、142zが形成された平板状のヒータ基体160zが設けられ、ヒータ基体160に穿設したスルーホール161z、162zには、発熱体リード部141z、142zと発熱体端子部145z、146zとの導通を図るビア導体144z、143zが形成されている。
さらに、遮蔽層181zの側面には被測定ガス導入斜面181zが形成されている。
このような積層構造をした比較例1として示す従来のガスセンサ素子10zでは、本図(c)に示すように、発熱体140zで発生した熱は、絶縁層150zを介して、基準ガス室130z内に導入された大気を加熱すると共に、加熱された大気、及び、基準ガス室形成層131zを介して、伝達された熱が固体電解質体100zに伝わる。
基準ガス室130z内に導入された大気層が介在している。大気層は断熱性が高く、熱伝導率が低い(0.15〜0.25W/m・k)。
通電により発熱体140zが発熱すると、その熱エネルギの一部は、熱伝導率の高いアルミナ(20〜30W/m・K)からなる絶縁層150z及び基準ガス形成層131zを介して熱伝導により固体電解質体100zに伝達されるが、熱伝導率が低い(2〜3W/m・K)ジルコニアからなる固体電解質体100z自体を介して、検出部を構成する測定電極110z及び基準電極120zの形成された部分が加熱されることになる。
また、発熱体140zで発生した熱エネルギの多くは、一旦、基準ガス室130z内の熱伝導率の低い大気の加熱に用いられ、その後、温度の上昇した大気によって固体電解質100zが加熱されることになる。
さらに、発熱体140zからの輻射熱は直接的に固体電解質層100z伝達されるが、一般的に、固体電解質層100zに用いられるイットリア安定化ジルコニアは、白色系の色を呈しており、輻射熱を反射し易くなっている。
したがって、発熱体140zへの通電を開始しても、直ちに、発生した熱が固体電解質体100zの活性化に利用されず不可避的にガスセンサが検出可能となるまでに遅れを生じることになる。
また、比較例1のように、ヒータ絶縁層150z、160zの間に発熱体140zを埋設してヒータ部を形成し、基準ガス室130zを挟んで積層方向の一方の側にセンサ部(100z、110z、120z、130z)を、他方にヒータ部(140z、150z、160z)を積層した場合、センサ部に較べてヒータ部の温度が高くなるので、必然的にセンサ部に比べてヒータ部側の熱膨張が大きくなり、ヒータ部の外面に引張応力が発生し、ヒータ絶縁層150z、160zやヒータリード部141z、142z等に亀裂が発生する虞があった。
このような亀裂を避けるべく、ヒータ絶縁層150z、160zを厚くし、熱応力を吸収するなどの対応がなされてきたが、センサ素子10zの体格が大きくなるので、加熱体積の増大を招き、ガスセンサの早期活性化が困難となる虞もあった。
さらに、比較例1のように、固体電解質体100zを先端側から基端側まで伸びる平板状に形成されていると、測定電極リード部111z、基準電極リード部121z、測定電極端子部112z、ビア導体122z、基準電極端子部123zが導電性を有する固体電解質体100zに形成されることになるので、測定電極端子112zと基準電極端子123zとの間に電圧を印加したときに、固体電解質体100zの導電性による電流が流れ、検出精度の低下を招く虞もある。
図9を参照して、比較例2として示す特許文献2にあるようなガスセンサ素子10gについて説明する。
比較例2においては、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてgの記号を付してある。
本発明においては、固体電解質体100を絶縁積セラミック基体200内に埋設しているが、比較例2においては、対向する両面のそれぞれに測定電極110g、測定電極リード部111g、測定電極端子部112g、基準電極120g、基準電極121g、ビア導体部122g、基準電極端子部123gを形成した平板状の固体電解質体100gを、基準電極120gが貫通孔132gに対向するように筒状セラミック基体13gに巻付け、さらに測定電極110gの外周側に絶縁層150gを介して、発熱体140g、発熱体リード部141g、142g、発熱体端子部145g、146gを設け、絶縁層150gの測定電極110gに対向する位置に測定ガス導入空間170gを区画するように開口部151gを設け、開口部151gに露出する測定電極110gを覆うように積層して、拡散抵抗層180gを形成し、さらに、その外周を覆うように遮蔽層190gが形成してある。このような構成とすることにより、測定電極110gと発熱体140gの端縁との絶縁距離dを短くして、早期に固体電解質体100gの活性化を図ることも可能であるが、発熱体140と固体電解質体100gとの絶縁を確保するためには、絶縁層150gの膜厚t150を厚くして、充分な絶縁距離(例えば、100μm以上)を設ける必要がある。
さらに、固体電解質体100gが筒状セラミック基体13gの外周を全周に渡って覆うように形成されているので、必然的に、絶縁層150gはその外周を全周に渡って覆うように形成することになり、さらに、遮蔽層190gは絶縁層150gの外周を全周に渡って覆うように形成することになり、先端側に、被測定ガスを導入するための被測定ガス導入斜面181gを形成することになる。
このため、本図(b)に示すように、ガスセンサ素子10gの外径が太くなり、素子全体としての熱容量が大きくなる虞がある。
さらに、本図(c)に示すように、発熱体140gが、外周方向から固体電解質体100gを加熱することになるので、比較例1と同様に、必然的に熱伝導率の低い固体電解質体100gを通過して検出部の両側面方向から熱エネルギが伝達されることになる。
また、発熱体140gがガスセンサ素子10gの外周に近い位置に配設されているので、素子の周囲に存在する被測定ガスへ多くのエネルギが発散され、素子の中心に設けられた基準ガス室130g内の大気の加熱が不十分となる虞もある。
したがって、比較例2のような構成では、エネルギ効率が低く、早期に活性化するのが困難となる虞がある。
図10を参照して、比較例3として示すガスセンサ素子10fについて説明する。比較例2においては、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてfの記号を付してある。
比較例3においては、固体電解質体100を絶縁性セラミック基体200f内に埋設し、さらに、基準電極120の設けられた側に発熱体140fを形成してある点は、本発明と同様であるが、本発明のように、筒状セラミック基体13を用いるのではなく、略コ字型に形成した基準ガス室形成層131f及び平板状の絶縁層150fを積層することによって基準ガス室130fを区画している。
このような構成とすることによって、本図(b)に示すように、縦断面は、本発明の第1の実施形態の断面と同様の構造となるが、本図(c)に示すように、横断面が平板状となっている点が相違する。
このため、本発明と同様、発熱体140fを絶縁性セラミック基体200fの基準電極120と同一面側に設けることによって高い熱伝導率を有する絶縁性セラミック基体200fを介して早期に固体電解質体100を加熱活性化できると期待される。
しかし、絶縁性セラミック基体200fが平板状であり、しかも、基準電極120fの両側に所定の絶縁距離を隔てて発熱体140fが形成されているので、横幅の広い形状となる。
このため、外部から被水等の熱ストレスに対して弱い構造となり、耐久性の低下を招く虞がある。
図11を参照して、比較例4として示すガスセンサ素子10cについて説明する。比較例4においては、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてcの記号を付してある。
比較例4は、基本構造は、図1に示した本発明のガスセンサ素子10と同様であるが、固体電解質体100の端縁と発熱体140cとの絶縁距離dが本発明の範囲をはずれ、0.1mmより短い構成である。
比較例4では、早期の活性化が可能である点は図1に示した実施例と同様であるが、絶縁距離dが短いため、発熱体140dへ通電したときに、漏れ電流が発生し、センサの出力に重畳して検出されることになり、センサ本来の機能が不安定となる虞がある。
図12を参照して、比較例5として示すガスセンサ素子10dについて説明する。比較例5においては、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてdの記号を付してある。
比較例5は、固体電解質体100dを絶縁性セラミック基体200d内に埋設して、その対向する両面に測定電極110dと基準電極120dとを形成して、筒状セラミック基体13dに巻き付けてある点は共通するが、発熱体140dを絶縁性セラミック基体200dの測定電極110dと同一面上に形成し、被測定ガスに晒されないよう発熱体140dの表面を覆うように保護層として膜厚20μmの絶縁層192d、193dを印刷形成した点が相違する。
このような構成とすることで、測定電極110dと発熱体140dの端縁との絶縁距離dを短くして、早期に固体電解質体100dの活性化を図ることも可能であるが、印刷形成された発熱体140dを覆う絶縁層192、193dの膜厚が薄いので、ピンホールの影響を避けることができず、被測定ガス中の被毒成分によって発熱体140dの劣化を招く虞がある。
また、比較例2と同様に、発熱体140dが素子の外周側に設けてあるため、発熱体140dで発生した熱エネルギが固体電解質体100dの加熱や、基準ガス室130d内に導入された大気の加熱よりも、外部に放出されて無駄となってしまう虞もある。
図13を参照して、比較例6として示すガスセンサ素子10eについて説明する。比較例6においては、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてeの記号を付してある。
比較例6は、固体電解質体100eを絶縁性セラミック基体200e内に埋設して、その対向する両面に測定電極110eと基準電極120eとを形成して、筒状セラミック基体13eに巻き付けてある点は共通するが、発熱体140eを絶縁性セラミック基体200eの測定電極110eと同一面上に形成し、被測定ガスに晒されないよう発熱体140eの表面を覆うように保護層としてドクターブレード法により成形された膜厚220μmの絶縁層192e、193eを貼り合わせた点が相違する。
このような構成とすることで、測定電極110eと発熱体140eの端縁との絶縁距離dを短くして、早期に固体電解質体100eの活性化を図ることも可能であり、比較例5のようなピンホールによる悪影響が避けられるが、比較例2や比較例5と同様、発熱体140eが素子の外周側に設けてあるため、発熱体140eで発生した熱エネルギが固体電解質体100eの加熱や、基準ガス室130e内に導入された大気の加熱よりも、外部に放出されて無駄となってしまう虞もある。
特に、比較例6では、絶縁層192e、193eの膜厚が厚いので、発熱体140eで発生した熱が絶縁層192e、193eに奪われ早期の活性化を阻害することになる。
図14を参照して、比較例7として示すガスセンサ素子10fについて説明する。比較例4においては、本発明のガスセンサ素子10と類似の構成に対して同じ符号を付し、枝番としてfの記号を付してある。
比較例4は、基本構造は、図1に示した本発明のガスセンサ素子10と同様であるが、固体電解質体100の端縁と発熱体140fとの絶縁距離dが本発明の範囲を0.5mm外れ、3.5mmとした構成である。
比較例7では、絶縁距離dが長いため、発熱体140dへ通電したときに、固体電解質100fの加熱に時間がかかり、早期活性が遅くなる虞がある。
ここで、本発明の効果を確認するために行った試験結果について説明する。
図1に示した第1の実施形態におけるガスセンサ素子10と、比較例1〜比較例6に示したガスセンサ素子10z、10f、10g、10c、10d、10eを用いて、(1)早期活性化時間の測定、(2)発熱体耐久試験、(3)被水割れ試験を行い、比較した。
(1)早期活性化時間として、ガスセンサ素子の発熱体には、6.5vの電圧を印加し、測定電極と基準電極との間には0.4vの電圧を印加し、検出される電流値が安定した電流の±2%に入るまでの時間を測定し、6秒未満を良好とした。
(2)発熱体耐久試験として、発熱体に6.5vの電圧を印加し、1000時間の耐久試験後の抵抗値変化を測定し、抵抗値の悪化がないことを良好な素子とした。
(3)被水割れ試験として、ガスセンサ素子の発熱体に通電をした状態で、水滴を滴下して被水割れが生じた滴下量を計測し、比較例1として示した従来野ガスセンサ素子10zにおける滴下量を10とし相対比較で表した。
被水割れが生じるまでの滴下量が多いほど、素子の強度は強いといえる。
表1に、本発明の実施例及び比較例1〜7の試験結果を示す。
本発明の実施例においては、早期活性化時間が4秒であり、発熱体に通電開始時の抵抗値は1.9Ωで、1000時間の耐久試験後の抵抗値も1.9Ωであった。また、被水割れ試験の結果、割れに至る滴下量は、比較例1の割れ滴下量を10とした場合、はるか多い滴下量であった。したがって、実施例1においては、耐久背において、比較例1と同等の効果が見られ、早期活性化及び耐被水割れ強度に顕著な効果が見られたので、総合評価として優位な効果ありと判断し、○印を付した。
比較例1においては、早期活性化時間が10秒であった。これよりも早期活性化時間を短くできた場合を効果ありとして評価した。発熱体に通電開始時の抵抗値は2.0Ωで、1000時間の耐久試験後の抵抗値も2.0Ωであった。
比較例1の被水割れ試験結果を10として、実施例及び他の比較例を評価した。
比較例2においては、早期活性化時間は6秒で、比較例1よりは早期活性化されているが本発明の実施例よりも長い時間であった。耐久試験前後の抵抗値は、実施例とほぼ同様の1.9Ωと2.0Ωであった。被水割れ試験の結果は、素子の外径が本発明の実施例より太いにも拘わらず割れに至る滴下量は少なくなっている。これは、発熱体が素子の外周表面に近い位置に配設されているため、表面温度が高く、被水時の熱ストレスが大きいためと考えられる。比較例2においては、早期活性化時間に改善が見られたものの、耐被水割れ強度が比較例1より低下しており、総合評価として優位な効果なしと判断し、×印を付した。
比較例3においては、早期活性時間は4秒で、本発明の実施例と同程度であった。耐久試験前後の抵抗値は、実施例とほぼ同様2.0Ωと1.9Ωであった。被水割れ試験の結果は、比較例1の半分近くに悪化した。
これは、断面形状がより幅広な平板状とであるので熱ストレスに対する耐久性が低くなったためと考えられる。
比較例3においては、早期活性化時間に顕著な改善が見られたものの、耐被水割れ強度が比較例1より著しく低下しており、総合評価として優位な効果なしと判断し、×印を付した。
比較例4においては、早期活性化時間は4秒で、実施例と同程度であるが、発熱体からの漏れ電流により、大きなノイズが検出され、検出電流が±2%に安定しなかった。
また、耐久試験前後の抵抗値は1.9Ωと1.9Ωで実施例と同程度であった。また、被水割れ試験の結果は、実施例と同程度であった。
比較例4においては、早期活性化時間及び耐被水割れ強度に著しい改善が見られたものの、ノイズが大きく、センサとしての信頼性に欠け、総合評価として優位な効果なしと判断し、×印を付した。
比較例5においては、早期活性化時間は4秒で、実施例と同程度であるが、耐久試験前後の抵抗値は2.0Ωから28Ωと大きく変化している。
これは、保護層192d、193dが薄いため被測定ガスの影響により、発熱体140dが劣化したものと考えられる。
また、被水割れ試験の結果は、実施例と同程度であった。
比較例5においては、早期活性化時間及び耐被水割れ強度に著しい改善が見られたが、耐久試験において抵抗値の著しい劣化が見られ、総合評価として優位な効果なしと判断し、×印を付した。
比較例6においては、早期活性化時間が6秒と実施例よりも遅い値であった。これは、発熱体が外周部に近い位置に設けられているのに加え、厚い保護層に熱を奪われたためと考えられる。また、耐久試験前後の抵抗値は、2.0Ωと1.9Ωで実施例と同程度であった。
また、被水割れ試験の結果は、実施例と同程度であった。
比較例6においては、耐被水割れ強度に著しい改善がみられ、早期活性化時間にやや改善が見られ、耐久性には問題がなかったので、総合評価として、やや効果ありと判断し、△印を付した。
比較例7においては、早期活性化時間が6秒と実施例よりも遅い値であった。
これは、発熱体が固体電解質から離れた位置に設けられているためと考えられる。
ガスセンサ素子が略円筒状に形成されているので、絶縁距離の僅かな違いでも、発熱体140fで発生した熱が固体電解質体100fに伝達されるまでの通過容積が大きくなり、その分、早期活性化時間が長くなったものと考えられる。
また、耐久試験前後の抵抗値は、1.9Ωと2.0Ωで実施例と同程度であった。被水割れの結果は、実施例と同程度であった。
比較例7においては、耐被水割れ強度に著しい改善がみられ、早期活性化時間にやや改善が見られ、耐久性には問題がなかったので、総合評価として、やや効果ありと判断し、△印を付した。
以上により、本発明のように、固体電解質体100を絶縁性セラミック基体200内に埋設し、一端(133)が閉塞し、他端(134)が開口する筒状セラミック基体13の内側に形成した基準ガス室130に穿設した貫通孔132巻き付けて、固体電解質体100の一方の表面に形成した測定電極を被測定ガスに対向させ、他方の表面に形成した基準電極120を貫通孔132に露出させ基準ガス室130に対向させ、発熱体140を素子10の中心に近い、基準電極120の形成された面と同一面上に形成することにより、早期に活性化が可能でしかも耐久性に優れたガスセンサ素子を形成できることが確認された。
1 ガスセンサ
10 ガスセンサ素子
100 固体電解質体
110 測定電極
120 基準電極
13 筒状セラミック基体
130 基準ガス室
131 周壁部
132 貫通孔
133 閉塞端
134 開口端
140 発熱体
170 被測定ガス導入室
180 拡散抵抗層
190 遮蔽層
20 センサ部発熱部一体化シート(固体電解質埋設シート)
200 絶縁性セラミック基体
201 貫通孔
特開2002−228626号公報 特開平1‐253649号公報 特公平6‐48258号公報

Claims (7)

  1. 少なくとも、特定のイオンに対して導電性を有する固体電解質材料からなる固体電解質体と、
    該固体電解質体の互いに対向する表面の、被測定ガスに接する位置に設けた測定電極と、基準ガスに接する位置に設けた基準電極と、
    通電により発熱し、上記固体電解質体の活性化を図る発熱体とを具備し、被測定ガス中の特定成分を検出するガスセンサ素子であって、
    略平板状に形成され、焼成後に上記固体電解質体となる未焼成固体電解質シートと、高い電気絶縁性と高い熱伝導率とを有するセラミックス材料からなり、上記固体電解質体と同一の厚さで、略平板状に形成され、焼成後に絶縁性セラミック基体となる未焼成セラミックシートとを重ね合わせた状態で、一の金型により、上記未焼成固体電解質シートと上記未焼成セラミックシートとを同時に打ち抜き、上記未焼成性セラミックシートに所定形状の貫通孔を穿設すると共に、該貫通孔と同一形状に打ち抜かれた上記未焼成固体電解質シートを上記貫通孔の内側に配設せしめて、一体となした後、焼成した固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体と、
    上記固体電解質体の一方の表面と同一面上の上記絶縁性セラミック基体の表面で、上記基準電極との電気絶縁距離を確保した位置に配設した上記発熱体とを具備することを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 高い電気絶縁性と高い熱伝導率とを有するセラミックス材料からなり、一端が開口し他端が閉塞する有底筒状で、内側に基準ガスとして大気を導入する基準ガス室を設けた筒状セラミック基体と、
    該筒状セラミック基体の側面に穿設され上記基準ガス室に連通する貫通孔に上記固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体に設けた上記基準電極が対向するように積層せしめた上記固体電解質体埋設絶縁性セラミック基体と、
    上記筒状セラミック基体と上記絶縁性セラミック基体との接合面に配設せしめた上記発熱体とを具備する請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 上記電気絶縁距離として、上記固体電解質体の外周縁と上記発熱体の外周縁との距離を0.1mm以上、3mm以下に設定した請求項1又は2に記載のガスセンサ素子。
  4. 上記固体電解質材料が、部分安定化ジルコニアである請求項1ないし3のいずれかに記載のガスセンサ素子。
  5. 上記絶縁性セラミックス材料が、アルミナである請求項1ないし4のいずれかに記載のガスセンサ素子。
  6. 少なくとも、
    上記固体電解質体と、上記測定電極と、上記基準電極と、上記発熱体とを含むガスセンサ素子と、
    上記基準電極及び上記測定電極と外部に設けた検出回路とを繋ぐ一対の信号線と、
    外部に設けた電源から上記発熱体への通電を制御する通電制御装置と、該通電制御装置と上記発熱体とを繋ぐ一対の通電線と、
    上記ガスセンサ素子の検出部を被測定ガス中に配設すると共に、上記一対の信号線と上記一対の通電線とを保持収容するハウジングとを具備するガスセンサであって、
    上記ガスセンサ素子が、請求項1ないし5のいずれかに記載のガスセンサ素子であることを特徴とするガスセンサ。
  7. 少なくとも、
    電気絶縁性を有するセラミックス材料からなり、略平板状に形成され、焼成後に絶縁性セラミック基体となる未焼成セラミックシートに貫通孔を設けると共に、該貫通孔の内側に特定のイオンに対して導電性を有する固体電解質材料からなり、上記絶縁性セラミック基体と同一の厚さに形成され、焼成後に固体電解質体となる未焼成固体電解質シートを埋設せしめる固体電解質体埋設工程と、焼成後に上記固体電解質体となる上記未焼成固体電解質シートの一方の表面に被測定ガスに対向する測定電極を形成する測定電極形成工程と、
    他方の表面に基準ガスに対向する基準電極を形成する基準電極形成工程と、上記固体電解質体の上記基準電極を形成する面と同一面上であって、焼成後に上記絶縁性セラミック基体となる上記未焼成セラミックシートの表面に発熱体を形成する発熱体形成工程と、
    電気絶縁性を有する絶縁性セラミックス材料からなり、一端が開放し、他端が閉塞する略有底筒状に形成し、閉塞端側の側面に貫通孔を設けられ、焼成後に筒状セラミック基体となる筒状セラミック基体成形体を形成する筒状セラミック基体形成工程と、
    上記基準電極を上記筒状セラミック基体成形体の貫通孔に対向せしめて、上記貫通孔に上記未焼成固体電解質シートを埋設した上記未焼成セラミックシートを上記筒状セラミック基体成形体に巻き付けるセラミック基体巻付け工程と、
    これらを一体的に焼成する焼成工程と、を具備するガスセンサ素子の製造方法であって、
    上記固体電解質体埋設工程において、略平板状に形成した上記未焼成固体電解質シートと略平板状に形成した上記未焼成セラミックシートとを重ね合わせた状態で、一の金型により、上記未焼成固体電解質シートと上記未焼成セラミックシートとを同時に打ち抜き、上記未焼成セラミックシートに所定形状の貫通孔を穿設すると共に、該貫通孔と同一形状に打ち抜かれた上記固体電解質シートを上記貫通孔の内側に配設せしめることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
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