JP6294800B2 - ガスセンサ素子、ガスセンサ及びガスセンサ素子の製造方法 - Google Patents

ガスセンサ素子、ガスセンサ及びガスセンサ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被測定ガスを検出するガスセンサ素子、このようなガスセンサ素子を備えるガスセンサ、及び、ガスセンサ素子の製造方法に関する。
ガスセンサ素子に関して、例えば、特許文献1には、1つの層内に固体電解質体(後述する電解質部)と絶縁部材(後述する絶縁部)とが存在する複合層を有するガスセンサ素子が開示されている。この特許文献1では、固体電解質体の厚さ寸法と絶縁部材の厚さ寸法との寸法差を電極(導体層)の厚さ寸法以下としている。これにより、電極のうち固体電解質体に積層された部分と絶縁部材に積層された部分とは、少なくとも一部で互いに接触した状態となり、固体電解質体と絶縁部材との境界部分において電極が断線するのを防止できる。
特開2007−278941号公報
しかしながら、この特許文献1のガスセンサ素子では、固体電解質体(電解質部)と絶縁部材(絶縁部)との境界に階段状の段差が生じているので、これらに跨がって形成した電極(導体層)では、この境界部分でクラックや断線が発生しやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、電解質部と絶縁部とを有する複合セラミック層を備え、電解質部と絶縁部とに跨がって形成された導体層を有しながらも、これらの境界で導体層にクラックや断線が生じにくく、信頼性の高いガスセンサ素子、及び、このようなガスセンサ素子を備えたガスセンサを提供する。また、このようなガスセンサ素子の製造方法を提供する。
本発明の一態様は、厚み方向に貫通する貫通孔が形成された絶縁性セラミックからなる板状の絶縁部、及び上記貫通孔内に配置されると共に、固体電解質セラミックからなる板状の電解質部、を有する複合セラミック層と、上記絶縁部の上記厚み方向に交差する第1絶縁主面と、上記電解質部の上記厚み方向に交差する第1電解質主面とに跨って形成された第1導体層と、を備えるガスセンサ素子であって、上記電解質部の厚みは、上記絶縁部の厚みよりも薄く、上記電解質部の上記第1電解質主面は上記絶縁部の上記第1絶縁主面よりも厚み方向内側に位置してなり、上記絶縁部は、その上記第1絶縁主面側に、上記電解質部の上記第1電解質主面に重なって、上記貫通孔の内側に向かって突出する突出部を有してなり、上記突出部は、上記貫通孔の上記内側ほど厚みが薄く、上記突出部の上記厚み方向外側の突出面は、上記貫通孔の上記内側ほど上記厚み方向内側に位置する形態を有し、上記第1導体層は、上記突出面と、上記第1電解質主面とに跨がって形成されてなるガスセンサ素子である。
上述のガスセンサ素子の複合セラミック層では、電解質部の第1電解質主面が絶縁部の第1絶縁主面よりも厚み方向内側に位置している。しかも、絶縁部は、その第1絶縁主面側に、電解質部の第1電解質主面に重なり、貫通孔の内側ほど厚みが薄く突出面が厚み方向内側に位置する突出部を有している。即ち、絶縁部の第1絶縁主面と電解質部の第1電解質主面との間の段差は、突出部において緩和されている。
従って、第1絶縁主面のうち突出部上の部位と第1電解質主面上の部位とに跨がって形成された第1導体層は、第1絶縁主面のうち突出部上と第1電解質主面上との境界でクラックや断線を生じ難く、信頼性の高いガスセンサ素子となる。
なお、ガスセンサ素子は、複合セラミック層及び第1導体層を備えている。このガスセンサ素子には、複合セラミック層のほかに、他の絶縁セラミック層、素子内に空間を構成する貫通孔や切り欠きや溝を形成したスぺーサ用絶縁セラミック層、他の複合セラミック層、導体層などを積層した形態のガスセンサ素子も含み得る。
また、ガスセンサ素子としては、第1導体層との間で電解質部を介して電池素子あるいはポンプ素子を構成する第2導体層を、電解質部のうち第1電解質主面とは逆の第2電解質主面に形成した形態のほか、第1電解質主面に形成した形態、即ち、第1電解質主面に第1導体層及び第2導体層を形成した形態も挙げられる。
さらに複合セラミック層において、電解質部の第2電解質主面が、絶縁部の第2絶縁主面よりも厚み方向外側に位置する、即ち、突出している形態としても良い。また、電解質部の第2電解質主面が、絶縁部のうち第1絶縁主面とは逆の第2絶縁主面よりも厚み方向内側に位置する、即ち凹んでいる形態としても良いが、次述するように、電解質部の第2電解質主面が、絶縁部の第2絶縁主面と面一である形態とするのが好ましい。
絶縁部の突出部は、貫通孔の全周にわたって形成されていても良いが、貫通孔の周方向一部にのみ形成されていても良い。
また、第1導体層としては、例えば、第1電解質主面上に形成された第1電極層と、この第1電極層から第1絶縁主面上に延びる第1延出層とを含む形態が挙げられる。このうち第1電極層は、その周縁全体が絶縁部の(突出面を含む)第1絶縁主面の内周縁よりも貫通孔の内側に引き下がった形状とすると良い。また、第1電極部の周縁の一部または全部が、第1絶縁主面の内周縁に届いていても良い。また、第1延出層としては、例えば、第1電極層の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する帯状のリード層など、第1電極層の外周縁の一部から貫通孔の外側に向けて延びて、第1絶縁主面上を延びる形態が挙げられる。このほか、第1電極層が全周にわたり第1絶縁主面上にまで拡がった形態、即ち、第1電極層の全周縁から、貫通孔の外側に向けて、第1絶縁主面上を延び、第1電極層を囲んだ形態も挙げられる。
上述のガスセンサ素子であって、前記第1電解質主面のうち、前記突出部が前記厚み方向外側から重なる重なり面は、前記貫通孔の前記外側ほど、前記厚み方向内側に位置する形態を有するガスセンサ素子とすると良い。
このガスセンサ素子では、電解質部の第1電解質主面の重なり面が、貫通孔の外側ほど厚み方向内側に位置する形態、つまり、貫通孔外側ほど第2電解質主面に近づく形態を有している。このため、重なり面のいずれかの部位を起点に突出部内にクラックが発生するのを抑制できる。
なお、重なり面が貫通孔の外側ほど厚み方向内側に位置する形態、つまり、貫通孔の外側ほど第2電解質主面に近づく形態としては、例えば、重なり面の断面が、貫通孔の外側かつ厚み方向外側の斜め外側に向かって凸の円弧となる形状が挙げられる。また、重なり面の断面が、外側に向かって凸の円弧の一部に直線を有する形態や、全体が直線となる形態も含まれる。
さらに、上述のガスセンサ素子であって、前記電解質部は、電解質グリーンシートを焼成したものであるガスセンサ素子とすると良い。
電解質部の厚みは、電解質部、第1導体層などで構成する電池素子やポンプ素子などの素子の特性に大きな影響を与える。これに対し、上述のガスセンサ素子では、電解質部は、シート製造時(焼成前)及び焼成後の厚さの制御が容易な電解質グリーンシート(具体的には、これからなる未焼成電解質部)を焼成したものであるので、電解質部の厚さを揃えやすく、この電解質部及び第1電極層で構成する酸素濃淡電池の特性を、ガスセンサ素子同士間で揃えることができる。
しかも、電解質部は絶縁部よりも薄いので、製造時に積層などのために未焼成の複合セラミック層に、厚み方向に圧力をかけた場合でも、電解質部となる未焼成電解質部には圧力がかかりにくく、圧縮による、電解質部の厚みの変動が生じにくい。このため、ガスセンサ素子同士間の特性の変動を小さくすることができる。
さらに、上述のいずれかのガスセンサ素子であって、前記絶縁部のうち前記第1絶縁主面とは逆側の第2絶縁主面と、前記電解質部のうち前記第1電解質主面とは逆側の第2電解質主面とに跨って形成された第2導体層、を備え、上記第2絶縁主面と上記第2電解質主面とは面一にされてなるガスセンサ素子とすると良い。
上述のガスセンサ素子では、電解質部の第2電解質主面と絶縁部の第2絶縁主面とが面一である。このため、第2電解質主面及び第2絶縁主面に跨がって形成された第2導体層は、第2電解質主面と第2絶縁主面との境界上でクラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサ素子となる。
なお、第2導体層は、その一部が第2電解質主面上に形成されていれば良いが、電解質部を介して第1導体層の一部と対向する位置に配置するのが好ましい。固体電解質セラミックからなる電解質部を挟んで、第1導体層の一部(前述の第1電極部)と第2導体層の一部(次述する第2電極部)とを、電極間距離が小さくかつ大きな電極面積で対向させると、特性の良好な酸素濃淡電池などの電池素子や酸素ポンピングなどを行うポンプ素子などの素子を構成することができる。
また、第2導体層は、第2電解質主面と第2絶縁主面とに跨がって形成されている。即ち、第2導体層は、貫通孔の全周にわたって跨がっていても、周方向一部のみを跨がっていても良い。第2導体層としては、例えば、第2電解質主面上に形成された第2電極層と、この第2電極層から第2絶縁主面上に延びる第2延出層とを備える形態が挙げられる。このうち第2電極層は、その周縁全体が電解質部の第2電解質主面の外周縁よりも貫通孔の内側に引き下がった形状としても良いし、その周縁の一部または全部が、第2電解質主面の外周縁(絶縁部の第2絶縁主面)に届いていても良い。また、第2延出層としては、例えば、第2電極層の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する帯状のリード層など、第2電極層の周縁の一部から貫通孔の外側に向けて第2絶縁主面上まで延びている形態が挙げられる。このほか、第2電極層が全周にわたり第2絶縁主面上にまで拡がった形態、即ち、第2電極層の全周縁から、貫通孔の外側に向けて、第2絶縁主面上を延び、第2電極層を囲んだ形態も挙げられる。
さらに、上述のガスセンサ素子であって、前記第1導体層は、前記第1電解質主面上に形成された第1電極層を含み、前記第2導体層は、前記第2電解質主面上に形成された第2電極層を含み、上記第2導体層は、電極ペーストをスクリーン印刷した後に焼成してなり、上記ガスセンサ素子は、その使用時に、上記第1電極層に基準ガスが接触し、上記第2電極層に被測定ガスが接触する構成とされてなるガスセンサ素子とすると良い。
ガスセンサ素子のうち、2つの電極層及びこれらの間に介在する電解質部で酸素濃淡電池を構成し、一方の電極層に被測定ガスを、他方の電極層に基準ガスを接触させる素子では、被測定ガスに接触する電極層(一方の電極層)の厚みは、基準ガスに接触する電極層(他方の電極層)の厚みに比して、当該素子の特性に大きな影響を与えることが判ってきた。
上述のガスセンサ素子では、第1電極層は、第1絶縁主面よりも厚み方向内側に位置する第1電解質主面上に形成されている。このため、未焼成あるいは焼成済みの電解質部の第1電解質主面に電極ペーストをスクリーン印刷した後に焼成して、第1電極層を形成する場合、周囲の第1絶縁主面より低位の第1電解質主面にスクリーン印刷を行うこととなるので、その厚みをコントロールすることが難しく、その厚みにばらつきが生じやすい。
一方、上述のガスセンサ素子の第2電極層は、第2絶縁主面と面一に配置された第2電解質主面上に形成されている。このため、スクリーン印刷の際、第2絶縁主面上の電極ペーストの厚みと共に第2電解質主面上の電極ペーストの厚みを制御しやすい。従って、焼成後の第2電極層の厚みを適切にコントロールすることができる。かくして、第1電極層に基準ガスを接触させる一方、スクリーン印刷で形成した第2電極層に被測定ガスを接触させる上述のガスセンサ素子では、素子同士間で酸素濃淡電池の特性を揃えることができる。
なお、このようなガスセンサ素子には、酸素濃淡電池を1つ有するガスセンサ素子、センサセルとポンプセルの2つの酸素濃淡電池を有するガスセンサ素子、3つの酸素濃淡電池(2つのセンサセルと1つのポンプセル)を有するガスセンサ素子などが挙げられる。また、第2電極層には、未焼成の複合セラミック層の電解質部上に電極ペーストをスクリーン印刷し焼成(同時焼成(コファイア))して形成したもの、焼成済みの複合セラミック層の電解質部上に電極ペーストをスクリーン印刷し焼成(ポストファイア)して形成したものが含まれる。
また、基準ガスとしては、例えば、酸素イオン伝導性の固体電解質セラミック(例えばジルコニア)を用いた場合、外気(大気)や基準室に蓄えられた酸素ガスが挙げられる。
または、上述のガスセンサ素子であって、前記第1電極層に外気を導く外気導入路を構成する外気導入路構成材と、前記第2電極層に被測定ガスを導くガス導入路を構成するガス導入路構成材と、を備えるガスセンサ素子とすると良い。
上述のガスセンサ素子では、ガス導入路を通じて導かれた被測定ガスが第2電極層に接触する一方、外気導入路を通じて導かれた外気が第1電極層に接触する。これにより、第1電極層、第2電極層及び電解質部で酸素濃淡電池素子が構成され、第2電極層に接触する被測定ガスと第1電極層に接触する外気との間の酸素濃度差に応じた起電力が、第1電極層と第2電極層との間に発生する。従って、この酸素濃淡電池素子の出力を、被測定ガス中の酸素の有無や酸素濃度、NOx,COなど酸素原子を含む酸素含有気体の濃度の検知に利用することができる。
なお、ガス導入路は、外部の被測定ガスをガスセンサ素子内を通って第2電極層に導く、被測定ガスの通気路である。具体的には、例えば、中空の通気路のみから構成されたガス導入路、通気路の途中をガス流通可能な多孔質体で塞いだ形態のガス導入路、通気路全体をガス流通可能な多孔質体で構成した形態のガス導入路が挙げられる。また、ガス導入路構成材には、自身のみであるいは自身と複合セラミック層とで、中空のガス導入路(通気路)を構成する気密性(緻密質)の絶縁セラミック層などの壁材や、通気路の一部または全部を塞ぐ、ガス流通可能な多孔質セラミック体からなる多孔質体が含まれる。
また、外気導入路は、外気をガスセンサ素子内を通って第1電極層に導く、外気(大気)の通気路である。具体的には、例えば、中空の通気路のみから構成された外気導入路のほか、外気の流通が可能な多孔質の金属体からなり、第1電極層に接続する第1延出層を兼用する通気路兼用第1延出層など、通気路の一部または全部を、外気が流通可能な金属やセラミックからなる多孔質体で塞いだ形態の外気導入路も挙げられる。また、外気導入路構成材には、自身のみであるいは自身と複合セラミック層とで、中空の外気導入路(通気路)を構成する気密性(緻密質)の絶縁セラミック層などの壁材や、通気路の一部または全部を塞ぐ、外気流通可能な多孔質金属体、外気流通可能な多孔質セラミック体などの多孔質体が含まれる。
さらに、本発明の他の一態様は、前述のいずれかのガスセンサ素子を備えるガスセンサである。
上述のガスセンサは、前述したガスセンサ素子を備えるため、第1絶縁主面と第1電解質主面との間で、第1導体層にクラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサとすることができる。
さらに、本発明の他の一態様は、厚み方向に貫通する貫通孔が形成された絶縁性セラミックからなる板状の絶縁部、及び上記貫通孔内に配置されると共に、固体電解質セラミックからなる板状の電解質部、を有する複合セラミック層と、上記絶縁部の上記厚み方向に交差する第1絶縁主面と、上記電解質部の上記厚み方向に交差する第1電解質主面とに跨って形成された第1導体層と、を備え、上記電解質部の厚みは、上記絶縁部の厚みよりも薄く、上記電解質部の上記第1電解質主面は上記絶縁部の上記第1絶縁主面よりも厚み方向内側に位置してなり、上記絶縁部は、その上記第1絶縁主面側に、上記電解質部の上記第1電解質主面に重なって、上記貫通孔の内側に向かって突出する突出部を有してなり、上記突出部は、上記貫通孔の上記内側ほど厚みが薄く、上記突出部の上記厚み方向外側の突出面は、上記貫通孔の上記内側ほど上記厚み方向内側に位置する形態を有し、上記第1導体層は、上記突出面と、上記第1電解質主面とに跨がって形成されてなるガスセンサ素子の製造方法であって、上記絶縁性セラミックを含み、シート厚み方向に貫通するシート貫通孔が形成された板状の未焼成絶縁部の上記シート貫通孔内に、上記固体電解質セラミックからなり、上記未焼成絶縁部よりも薄い板状の未焼成電解質部を、上記未焼成電解質部の第1電解質シート主面が上記未焼成絶縁部の第1絶縁シート主面よりもシート厚み方向内側に位置するように、挿入する挿入工程と、上記未焼成絶縁部の前記第1絶縁シート主面を押圧し、上記未焼成絶縁部を上記厚み方向に圧縮する圧縮工程と、上記未焼成絶縁部の上記第1絶縁シート主面、及び上記未焼成電解質部の上記第1電解質シート主面を跨ぐ未焼成第1導体層を形成する第1印刷工程と、上記未焼成絶縁部、上記未焼成電解質部、及び上記未焼成第1導体層を焼成して、上上記絶縁部及び上記電解質部を有する上記複合セラミック層及び上記第1導体層を形成する焼成工程と、を備え、上記圧縮工程は、上記未焼成絶縁部の上記第1絶縁シート主面側に、上記未焼成電解質部の上記第1電解質シート主面に重なって、上記シート貫通孔の内側に向かって突出すると共に、上記内側ほど厚みが薄い未焼成突出部を形成するガスセンサ素子の製造方法である。
上述のガスセンサ素子の製造方法のうち、圧縮工程では、第1絶縁シート主面を押圧し、未焼成絶縁部をシート厚み方向に圧縮する。すると、シート貫通孔が縮径し、シート貫通孔内に挿入されている未焼成電解質部の電解質シート外周面に、シート貫通孔をなすシート貫通孔内周面を密着させることができる。
また、 圧縮工程により、未焼成突出部を形成することで、焼成後の複合セラミック層を、容易に突出部を有する形態とすることができる。
またこれにより、形成した第1導体層が、第1電解質主面と第1絶縁主面との境界上でクラックや断線が生じ難い、信頼性の高いガスセンサ素子を製造できる。
さらに、請求項8に記載のガスセンサ素子の製造方法であって、前記ガスセンサ素子は、前記第1電解質主面のうち、前記突出部が前記厚み方向外側から重なる重なり面は、前記貫通孔の前記外側ほど、前記厚み方向内側に位置する形態を有し、前記圧縮工程は、前記第1電解質シート主面のうち、前記未焼成突出部が前記シート厚み方向外側から重なる未焼成重なり面を、前記シート貫通孔の前記外側ほど、前記シート厚み方向内側に位置する形態に形成するガスセンサ素子の製造方法とすると良い。
この製造方法では、圧縮工程において、未焼成電解質部の第1電解質シート主面の未焼成重なり面を、シート貫通孔の外側ほどシート厚み方向内側に位置する形態に形成する。このため、焼成後の複合セラミック層において、重なり面のいずれかの部位を起点に突出部内にクラックが発生するのを適切に抑制できる。
さらに、上述のガスセンサ素子の製造方法であって、前記ガスセンサ素子は、前記絶縁部のうち前記第1絶縁主面とは逆側の第2絶縁主面と、前記電解質部のうち前記第1電解質主面とは逆側の第2電解質主面とに跨って形成された第2導体層、を備え、上記第2絶縁主面と上記第2電解質主面とは面一にされてなり、前記挿入工程は、前記未焼成電解質部のうち前記第1絶縁シート主面とは逆側の第2絶縁シート主面側が、前記未焼成絶縁部の前記シート貫通孔から突出するように、上記未焼成電解質部を挿入し、前記圧縮工程は、前記未焼成絶縁部の上記第2絶縁シート主面と、前記未焼成電解質部の前記第1電解質シート主面とは逆側の第2電解質シート主面とが、面一となるように圧縮し、前記焼成工程に先だって、上記未焼成絶縁部の上記第2絶縁シート主面上、及び、上記未焼成電解質部の上記第2電解質シート主面上を跨ぐ未焼成第2導体層をスクリーン印刷により形成する第2印刷工程と、を備えるガスセンサ素子の製造方法とすると良い。
挿入工程では、未焼成電解質部を、未焼成絶縁部の第2絶縁シート主面よりも外側に突出するように、シート貫通孔内に挿入する。このため、圧縮工程において突出している未焼成電解質部がシート貫通孔内に押し込まれ、未焼成電解質部の第2電解質シート主面と未焼成絶縁部の第2絶縁シート主面とを容易に面一にできる。かくして、電解質部の第2電解質主面が、絶縁部の第2絶縁主面と面一にされた複合セラミック層を有するガスセンサ素子を、容易に形成できる。
またこれにより、第2絶縁主面と第2電解質主面とに跨がって形成した第2導体層も、2つの主面上の境界でクラックや断線が生じ難く、さらに信頼性の高いガスセンサ素子を製造できる。
その上、第2電解質シート主面が第2絶縁シート主面と面一となっているので、スクリーン印刷により形成した未焼成第2導体層の厚みを、従って、焼成後の第2導体層の厚み(特に第2電極層の厚み)を容易に制御できる。
なお、未焼成電解質部が、未焼成絶縁部の第2絶縁シート主面よりも、シート貫通孔から突出した形態とは、換言すると、未焼成電解質部の第2電解質シート主面が、未焼成絶縁部の第2絶縁シート主面よりも、シート厚み方向外側に位置する形態である。
実施形態にかかるガスセンサの縦断面図である。 実施形態にかかるガスセンサ素子の平面図である。 実施形態にかかるガスセンサ素子の分解斜視図である。 実施形態にかかるガスセンサ素子の拡大断面図(図2のB−B矢視断面図)である。 実施形態にかかるガスセンサ素子の拡大断面図(図2のC−C矢視断面図)である。 実施形態にかかるガスセンサ素子の拡大断面図(図2のD−D矢視断面図)である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、貫通孔形成工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、貫通孔形成工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、貫通孔形成工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、挿入工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、圧縮工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、圧縮工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、圧縮工程の説明図である。 実施形態及び変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法のうち、第1印刷工程,第2印刷工程の説明図である。 実施形態にかかるガスセンサ素子の製造方法の説明図である。 変形形態にかかるガスセンサの縦断面図である。 変形形態にかかるガスセンサ素子の平面図である。 変形形態にかかるガスセンサ素子の分解斜視図である。 変形形態にかかるガスセンサ素子構造を示す拡大断面図(図17のG−G矢視断面図)である。 変形形態にかかるガスセンサ素子のうち、拡大断面図(図17のH−H矢視断面図)である。 変形形態にかかるガスセンサ素子のうち、拡大断面図(図17のI−I矢視断面図)である。 変形形態にかかるガスセンサ素子のうち、拡大断面図(図17のJ−J矢視断面図)である。 変形形態にかかるガスセンサ素子の製造方法の説明図である。
(実施形態)
まず、本実施形態にかかるガスセンサ素子10を備えるガスセンサ1について説明する。図1は、実施形態にかかるガスセンサ1を軸線AXに沿って切断した縦断面図である。図2は、実施形態にかかるガスセンサ素子10の平面図である。図3は、ガスセンサ素子10の分解斜視図である。図4は、図2のB−B矢視断面図である。
ガスセンサ1は、内燃機関の排気管(図示しない)に装着されて使用される酸素センサである(図1参照)。このガスセンサ1は、被測定ガスである排ガス中の酸素濃度を検出可能なガスセンサ素子10のほか、このガスセンサ素子10を自身の内部に保持する筒状の主体金具20を備える。また、この主体金具20の先端側(図1中、下方)には、外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32が、後端側(図1中、上方)には、筒状の外筒51がそれぞれ配置されている。さらに、外筒51の内側に配置されてガスセンサ素子10の周囲を取り囲むと共に、4本のリード78,78,79,79の先端に取り付けられた4つの端子部材75,75,76,76を互いに離間して保持するセパレータ60を備える(図1参照)。
このうち主体金具20は、ガスセンサ素子10の先端部10sを自身よりも先端側(図1中、下方)に突出させると共に、ガスセンサ素子10の後端部10kを自身よりも後端側(図1中、上方)に突出させた状態で、ガスセンサ素子10を保持している。また、金属製の外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32は、ガスセンサ素子10の先端部10sを覆っている。外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32は複数の孔31h、32hを有しており、この孔31h、32hを通じて、外部プロテクタ31の外部の被測定ガスを、内部プロテクタ32の内側に配置されたガスセンサ素子10の先端部10sの周囲に導入することができる。
セパレータ60は、軸線AX方向に貫通する挿入孔62を有している(図1参照)。この挿入孔62には、ガスセンサ素子10の後端部10kが挿入される。また、挿入孔62内には、4個の端子部材75,75,76,76が互いに離間して配置されており、それぞれガスセンサ素子10の後述するパッド部14〜17に弾性的に当接し電気的に接続している。
なお、本実施形態のガスセンサ1では、外筒51の後端側(図1中、上方)の後端開口部51cを閉塞するグロメット73に、撥水性及び通気性を兼ね備えるフィルタ74fで被覆した金属パイプ74が嵌め込まれている。これにより、このガスセンサ1は、ガスセンサ1の外部に存在する大気を、フィルタ74fを通じて外筒51内に導入することができ、さらに後述するように、ガスセンサ素子10の後端部10kの周囲にまで導入することができる。
ガスセンサ素子10は、長手方向DL(図1,2中、上下方向)に長い矩形板状である。このガスセンサ素子10は、自身の中心が軸線AXに一致する形態でガスセンサ1内に配置されている(図1参照)。ガスセンサ素子10は、厚み方向DTの他方側DT2(図2中、紙面奥向き、図3中、下方)を向く第2素子主面10b上でかつ後端部10k内に、2つのヒータパッド部14,15を有している。また、これとは逆の厚み方向一方側DT1(図3,4中、上方)を向く第1素子主面10a上でかつ後端部10k内に、2つのセンサパッド部16,17を有している。このうち、ヒータパッド部14,15は、ガスセンサ素子10内で後述するヒータパターン181に導通、接続している。また、センサパッド部16は、ガスセンサ素子10内で第1導体層150(第1延出層152,第1電極層151)に導通、接続し、センサパッド部17は同じくガスセンサ素子10内で第2導体層155(第2延出層157,第2電極層156)に導通、接続している。
このガスセンサ素子10は、厚み方向DTに積層された複数のセラミック層及び導体層からなる。具体的には、図3,4に示すように、絶縁部112及び電解質部131を含む複合セラミック層111を有するほか、この複合セラミック層111の厚み方向他方側DT2(図4中、下方)には、第1導体層150、導入路形成層170、ヒータ層180が、この順に積層されている。
一方、複合セラミック層111の厚み方向一方側DT1(図4中、上方)には、第2導体層155、保護層160が積層されている。
複合セラミック層111は、アルミナからなる矩形板状で、自身を厚み方向DTに貫通する平面視矩形状の貫通孔112hを有する絶縁部112と、酸素イオン伝導性のジルコニアセラミックからなる板状で、絶縁部112の貫通孔112h内に配置された電解質部131とを備える(図3参照)。絶縁部112は、厚み方向DTに直交(交差)する、具体的には、厚み方向他方側DT2(図3,4中、下方)を向く第1絶縁主面113、及び、これとは逆に厚み方向一方側DT1(図3,4中、上方)を向く第2絶縁主面114を有している。また、貫通孔112hをなす貫通孔内周面115(図5,図6参照)を有している。また、電解質部131は、厚み方向DTに直交(交差)する,具体的には、厚み方向他方側DT2を向く第1電解質主面133、及び、これとは逆に厚み方向一方側DT1を向く第2電解質主面134を有している。また、絶縁部112の貫通孔内周面115に密着した電解質外周面135(図5,図6参照)を有している。
第1導体層150は、電解質部131の第1電解質主面133上に、貫通孔112hよりも内側に引き下がって形成された矩形状の第1電極層151と、この第1電極層151から長手方向後端側DL2(図2中、上方、図3中、右方)に延びる帯状の第1延出層152とからなる。即ち、この第1延出層152は、第1電解質主面133と、第1絶縁主面113とに跨がって形成されている(図5参照)。なお、後述するように、第1延出層152は、第1電解質主面113から、突出部122の突出面122sを通じて、第1絶縁主面113上に延びている。
一方、第2導体層155は、電解質部131の第2電解質主面134上に、貫通孔112hよりも内側に引き下がって形成された矩形状の第2電極層156と、この第2電極層156から後端側DL2に延びる帯状の第2延出層157とからなる(図2,3参照)。即ち、この第2延出層157は、第2電解質主面134と、第2絶縁主面114とに跨がって形成されている(図6参照)。
また、複合セラミック層111の厚み方向一方側DT1には、第2導体層155を覆って、保護層160が積層されている。この保護層160は、第2電極層156及び複合セラミック層111の電解質部131を覆う多孔質セラミックからなる多孔質部162と、この多孔質部162を囲んで収容する貫通孔161hが穿孔され、複合セラミック層111の絶縁部112に重なってこれを保護する緻密質セラミックの保護部161とからなる(図3参照)。
また、保護部161上には、前述したセンサパッド部16,17が設けられている(図2,3参照)。センサパッド部16は、スルーホール112m,161mを通じて、第1延出層152の後端側DL2の端部152eに電気的に導通している。センサパッド部17は、スルーホール161nを通じて、第2延出層157の後端側DL2の端部157eに電気的に導通している。
導入路形成層170は、緻密質のセラミックからなり、この導入路形成層170をその厚さ方向に貫通する導入溝175が形成されている(図3参照)。この導入溝175は、導入路形成層170のほか、複合セラミック層111及びヒータ層180(絶縁層182)に囲まれて、第1電極層151に大気を導入する大気導入路ADを構成する。さらに詳細には、導入溝175は、平面視矩形状の基準室溝176と、この基準室溝176よりも幅細で基準室溝176から後端側DL2に延び、導入路形成層170の後端(図3において右端)に開口する通気溝177とからなる。このうち、基準室溝176は、導入路形成層170のほか、複合セラミック層111の電解質部131及びヒータ層180に囲まれて、基準室KSを構成する一方、通気溝177は、導入路形成層170のほか、複合セラミック層111の絶縁部112及びヒータ層180に囲まれて、通気路TRを構成する。なお、基準室KSには、電解質部131上に形成された第1電極層151が露出している。
ヒータ層180は、アルミナからなる2枚の板状の絶縁層182,183と、これらの間に埋設された、ヒータパターン181とを備える(図3,4参照)。ヒータパターン181は、蛇行状の発熱部181d、及び、この発熱部181dの両端にそれぞれ接続され、直線状に延びる第1リード部181b及び第2リード部181cからなる。第1リード部181bの後端側DL2の端部181eは、スルーホール183mを通じてヒータパッド部14と、第2リード部181cの後端側DL2の端部181fは、スルーホール183nを通じてヒータパッド部15とそれぞれ電気的に導通している(図3参照)。
かくして、本実施形態に係るガスセンサ素子10では、ガスセンサ素子10の後端部10kの周囲の大気が、前述した大気導入路ADを通じて、第1電極層151に到達する。
一方、ガスセンサ素子10の先端部10sの周囲の被測定ガスは、保護層160の貫通孔161hに配置された多孔質部162を通じて、第2電極層156に到達する。保護層160(保護部161)の貫通孔161hは、第2電極層156に外部の被測定ガスを導くガス導入路GDとなっており、保護部161及び多孔質部162は、ガス導入路GDを構成するガス導入路構成材である。
なお、第1電極層151と第2電極層156との間には、電解質部131が配置されているので、第1電極層151に接触する大気の酸素濃度に対し、第2電極層156に接触する被測定ガスの酸素濃度が異なる場合、第1電極層151と電解質部131と第2電極層156とで酸素濃淡電池が構成され、第1電極層151と第2電極層156との間に電位差が生じる。本実施形態のガスセンサ1では、この電位差を用いて被測定ガス中の酸素濃度を検知する。
次いで、本実施形態に係るガスセンサ素子10の複合セラミック層111のうち、絶縁部112と電解質部131との境界付近の形態について詳述する。本実施形態では、図5,6に示すように、電解質部131の厚みT2が絶縁部112の厚みT1よりも薄くされている(T2<T1)。この電解質部131の厚みT2は、この電解質部131がなす酸素濃淡電池の特性に大きく影響する。ところで、後述するように、ガスセンサ1(ガスセンサ素子10)の製造時、未焼成複合層211を厚み方向DTに圧縮する。そこで、電解質部131となる電解質グリーンシートを薄くしておくことで、圧縮の際に電解質部131に圧力がかかりにくくなり、圧縮による厚みT2の変動が生じにくい。従って、電解質部131の厚みT2の変動に伴う、特性の変動を抑えたガスセンサ素子10とすることができる。
また、電解質部131の第2電解質主面134は、絶縁部112の第2絶縁主面114と面一にされている(図5,6参照)。一方、電解質部131の第1電解質主面133は、絶縁部112の第1絶縁主面113よりも、厚み方向一方側DT1(厚み方向内側DTN、図5,6中、上方)に位置している。
そして、絶縁部112は、そのうち第1絶縁主面113側に、電解質部131の第1電解質主面133に重なって、貫通孔112hの内側DR1(図2,5,6参照)に向かって突出する突出部122を有している。この突出部122は、貫通孔112hの内側DR1ほど(図5,6において、左方に進むほど)厚みが薄い形態、即ち、先細の形態を有している。なお、本実施形態では、突出部122は、貫通孔112hの全周にわたって形成されている。
その上、絶縁部112の第1絶縁主面113は、突出部122の突出面122sにおいて、貫通孔112hの内側DR1に進むほど、厚み方向内側DTN(ここでは、厚み方向一方側DT1)に位置し、第1電解質主面133に近づく形態を有する。即ち、突出部122の突出面122sは、図5中、左に進むほど上方に位置する、なだらかな斜面であり、絶縁部112の第1絶縁主面113と電解質部131の第1電解質主面133との間の段差は、突出部122において緩和されている。従って、第1導体層150の第1延出層152は、なだらかに長手方向DLに延びている。
かくして、本実施形態に係るガスセンサ素子10では、第1絶縁主面113のうち突出部122上の突出面122sと第1電解質主面133とに跨がって形成された第1導体層150(第1延出層152)は、第1絶縁主面113のうち突出部122の突出面122s上と第1電解質主面133上との境界でクラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサ素子10となる。
しかも、電解質部131の第1電解質主面133のうち、突出部122が厚み方向外側DTO(厚み方向他方側DT2)から重なる重なり面133sは、貫通孔112hの外側DR2ほど、厚み方向内側DTN(ここでは、厚み方向一方側DT1)に位置する形態を有する。即ち、重なり面133sは、外側DR2ほど、第2電解質主面134に近づく,つまり傾きが大きくなる形状を有している。本実施形態では、具体的には、第1電解質主面133のうち重なり面133sが、外側DR2かつ厚み方向外側DTOの斜め外側(図5中、右下)に凸の円弧状に丸められた形態をなしている。
つまり、このガスセンサ素子10では、絶縁部112の突出部122が重なる、電解質部131の第1電解質主面133の重なり面133sが円弧状に変形しており、絶縁部112の突出部122が電解質部131の重なり面133sに密着したガスセンサ素子10となっている。これにより、電解質部131のうち突出部122が重なる部位に角部が形成されず、重なり面133sのいずれかの部位を起点に、突出部122内にクラックが発生するのを抑制できる。
また、電解質部131は、シート製造時(焼成前)及び焼成後の厚さの制御が容易な電解質グリーンシートからなる未焼成電解質部231(後述する)を焼成したものであるので、電解質部131の厚さT2を揃えやすく、この電解質部131と第1電極層151及び第2電極層156で構成した酸素濃淡電池の特性を、ガスセンサ素子10同士間で揃えることができる。
しかも、本実施形態では、電解質部131は絶縁部112よりも薄い(T2<T1)ので、製造時に未焼成電解質部231と未焼成絶縁部212との密着や積層などのために未焼成複合層211に厚み方向DTに圧力をかけた場合でも、電解質部131となる未焼成電解質部231には圧力がかかりにくく、圧縮による、電解質部131の厚みの変動が生じにくい。このため、ガスセンサ素子10同士間の特性の変動をさらに小さくすることができる。
また、図6に示すように、電解質部131の第2電解質主面134と絶縁部112の第2絶縁主面114とは面一である。このため、第2電解質主面134と第2絶縁主面114とに跨がって形成された第2導体層155(第2延出層157)は、段差無く長手方向DLに延びており、第2電解質主面134上と第2絶縁主面114上との境界でクラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサ素子10となる。
また、本実施形態のガスセンサ素子10は、第1電極層151、第2電極層156及びこれらの間に介在する電解質部131で酸素濃淡電池を構成し、第2電極層156に被測定ガスを、第1電極層151に大気(基準ガス)を接触させる。このようなガスセンサでは、被測定ガスに接触する側の第2電極層156の厚みの大小(ばらつき)は、基準ガスに接触する第1電極層151の厚みの大小(ばらつき)に比して、ガスセンサ素子10の特性に対してより大きな影響を与える。
本実施形態のガスセンサ素子10では、第1電極層151は、第1絶縁主面113よりも厚み方向内側DTNに位置する第1電解質主面133上に形成されている。このため、後述するように、周囲の第1絶縁主面113より低位の第1電解質主面133に電極ペーストをスクリーン印刷し、その後に焼成して第1電極層151を形成する場合、第1電極層151(電極ペースト)の厚みをコントロールすることが難しく、ばらつきが生じやすい。
一方、ガスセンサ素子10の第2電極層156は、第2絶縁主面114と面一に配置された第2電解質主面134上に形成されている。このため、焼成後に第2電極層156となる未焼成第2電極層256(後述する)をスクリーン印刷する際、電極ペースト(未焼成第2電極層256)の厚みを制御しやすい。かくして、基準ガス(大気)を第1電極層151に接触させ、被測定ガスが第2電極層156に接触させる構成の本実施形態のガスセンサ素子10では、ガスセンサ素子10同士間での、酸素濃淡電池の特性ばらつきを抑え、特性を揃えることができる。
また、本実施形態に係るガスセンサ素子10では、ガス導入路である多孔質部162を通じて導かれた被測定ガスが第2電極層156に接触する一方、大気導入路ADを通じて導かれた大気が第1電極層151に接触する。これにより、第2電極層156に接触する被測定ガスと第1電極層151に接触する大気との間の酸素濃度差に応じた起電力を用いて、被測定ガス中の酸素の有無を検知することができる。
また本実施形態に係るガスセンサ1は、上述したガスセンサ素子10を備えるため、第1導体層150(第1延出層152)にクラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサ1となる。
次に、本実施形態に係るガスセンサ1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。まず、ドクタブレード法で形成した厚さ230μmの未焼成絶縁部用シート212s(絶縁グリーンシート)と、これよりも薄い、厚さ200μmの未焼成電解質部用シート231s(電解質グリーンシート)とを予め用意する。
次に、未焼成絶縁部用シート212sに、シート厚み方向STに貫通するシート貫通孔212hを形成する(貫通孔形成工程)。この貫通孔形成工程ではいずれも金属製で、下型加工孔302を有する下型301、上型加工孔304を有する上型303及びパンチ305を用いる(図7(a)参照)。なお、下型加工孔302、上型加工孔304、及びパンチ305は、断面がいずれも、角部が丸められた矩形状である。
まず、下型加工孔302を覆うように、下型301上に未焼成絶縁部用シート212sを配置する(図7(a)参照)。次に、未焼成絶縁部用シート212s上に上型303を配置して、上型303と下型301とで未焼成絶縁部用シート212sを挟み、続いて、パンチ305を加工孔302,304に挿入して、未焼成絶縁部用シート212sを打ち抜き(図7(b)参照)、シート貫通孔212hを設けた未焼成絶縁部212を形成する(図8参照)。
この未焼成絶縁部212は、後述する焼成工程の後、前述した複合セラミック層111の絶縁部112となる。この未焼成絶縁部212は、シート厚み方向他方側ST2を向く第1絶縁シート主面213、シート厚み方向一方側ST1を向く第2絶縁シート主面214、及びシート貫通孔212hを有する。この未焼成絶縁部212のうち、シート貫通孔212hの内周面をシート貫通孔内周面215とする(図8参照)。
なお、シート貫通孔212hは、他方側ST2(図中、下方)に向かって先細りの形態となる。例えば、図8のE部の拡大断面図である図9に示すように、シート貫通孔212hは、内周面215が、図9中、右上方を向いて傾斜した形態となる。図7に示すように、下型加工孔302及び上型加工孔304に比して、パンチ305の外形寸法(寸法)がわずかに小さく、隙間が生じているためである。
引き続いて金型301,303,305を用いて、未焼成絶縁部212のシート貫通孔212h内に、未焼成電解質部231を挿入する挿入工程を行う(図10参照)。下型301上に配置した状態の未焼成絶縁部212の上に、未焼成電解質部用シート231sを重ねる。次いで、下型301と上型303とで未焼成絶縁部212及び未焼成電解質部用シート231sを挟む(図10(a)参照)。上型303の下面303Bよりもわずかに他方側ST2(図中、下方)までパンチ305の下面305Bを下降させ、未焼成電解質部用シート231sから未焼成電解質部231を打ち抜くと共に、未焼成絶縁部212のシート貫通孔212h内に未焼成電解質部231を挿入する。詳細には、図10(b)に示すように、パンチ305の下面305Bが上型303の下面303Bよりも下で、かつ、未焼成絶縁部212の第2絶縁シート主面214より上に位置するまで、パンチ305を他方側ST2に移動させる。これにより、未焼成電解質部231の一方側ST1(図中、上方)を向く第2電解質シート主面234が、未焼成絶縁部212の第2絶縁シート主面214よりも一方側ST1(シート厚み方向外側STO)に位置する(突出する)と共に、他方側ST2(図中、下方)を向く第1電解質シート主面233が、未焼成絶縁部212の第1絶縁シート主面213よりも一方側ST1(シート厚み方向内側STN)に位置するように、シート貫通孔212h内に未焼成電解質部231を挿入する(図10(b)参照)。
次に、圧縮工程を行う(図11参照)。この圧縮工程では、未焼成絶縁部212をシート厚み方向STに圧縮して、未焼成絶縁部212とシート貫通孔212h内に挿入された未焼成電解質部231とを密着させる。この圧縮工程では、平坦な第1圧縮面313を有する第1圧縮型311と、平坦な第2圧縮面317を有する第2圧縮型316とを用いる。但し、第1圧縮型311は、平坦な第1圧縮面313をなす矩形板状ゴム(ゴム状弾性体)からなるゴム板部312と、このゴム板部312を支持する本体部315とを有している。一方、第2圧縮型316は、金属体からなり、図11中、上下方向に移動可能となっている。
まず、未焼成絶縁部212及びシート貫通孔212hに挿入された未焼成電解質部231を、第1圧縮型311上に、第1電解質シート主面233及び第1絶縁シート主面213が第1圧縮面313を向くように(図中、下向きに)配置する。そして、第2圧縮型316を、一方側ST1(図中、上方)から他方側ST2(下方)に移動させ、第1圧縮面313と第2圧縮面317とで未焼成絶縁部212をシート厚み方向STに圧縮して未焼成複合層211を形成する(図12参照)。
なお、第2圧縮型316は平坦な金属からなるため、突出していた未焼成電解質部231は、シート貫通孔212h内に押し込まれて、未焼成絶縁部212の第2絶縁シート主面214と、未焼成電解質部231の第2電解質シート主面234とは面一となる(図12,13参照)。一方、未焼成電解質部231の第1電解質シート主面233は、一方側ST1(内側STN)に、即ち、シート貫通孔212h内に位置する。
前述したように、未焼成絶縁部212は、未焼成電解質部231よりも厚いので、未焼成絶縁部212は強く圧縮される。これに伴い、未焼成絶縁部212がシート厚み方向STに直交する拡がり方向(図13中、左右方向)に拡がり、シート貫通孔212hが縮径するように変形する。このため、未焼成電解質部231の電解質シート外周面235に、未焼成絶縁部212のシート貫通孔内周面215が密着する。
加えて、第1圧縮型311のゴム板部312は、弾性を有するゴムからなるので、押圧により、ゴム板部312自身が変形する。即ち、図13に拡大して示すように、ゴム板部312は、未焼成絶縁部212を押圧すると共に、未焼成電解質部231の第1電解質シート主面233と対向する部分が変形して、これに接するようにシート貫通孔212h内にまで進入する。
このゴム板部312の変形及び圧縮により、未焼成電解質部231及び、未焼成絶縁部212も変形する。
具体的には、未焼成絶縁部212のうち、第1絶縁シート主面213側(図中、下方)の、シート貫通孔内周面215と第1絶縁シート主面213とがなす角部C1(図13中に破線で示す部位)は、シート貫通孔212h内に進入し、未焼成電解質部231を覆うように変形して、未焼成突出部222となる。この未焼成突出部222は、焼成後に絶縁部112の突出部122となる部位であり、未焼成電解質部231の第1電解質シート主面233に重なって、シート貫通孔212hの内側DR1(図中、左方)に向かって突出すると共に、内側DR1ほど厚みが薄い形態となっている。
さらに、角部C1の変形に伴い、未焼成電解質部231のうち、シート貫通孔内周面215と対向する電解質シート外周面235と第1電解質シート主面233とがなす角部C2(図13中に破線で示す部位)も変形する。具体的には、第1電解質シート主面233のうち、未焼成突出部222がシート厚み方向外側STO(他方側ST2)から重なる重なり面233sが、シート貫通孔212hの外側DR2ほど、シート厚み方向内側DTN(ここでは、シート厚み方向一方側ST1)に位置する形態を有する。本実施形態では、角部C2が、外側に凸の1/4円状に丸められた形状に変形している。
次に、第1印刷工程を行う。この第1印刷工程では、スクリーン印刷法により、未焼成電解質部231の第1電解質シート主面233、及び、未焼成絶縁部212の第1絶縁シート主面213に跨がって、未焼成第1導体層250(未焼成第1電極層251及び未焼成第1延出層252)を形成する(図14参照)。なお、この未焼成第1導体層250(未焼成第1延出層252)は、未焼成絶縁部212を貫通するスルーホール112mに接続している(図15参照)。
続いて、第2印刷工程を行う。この第2印刷工程でも、スクリーン印刷により、未焼成電解質部231の第2電解質シート主面234、及び、未焼成絶縁部212の第2絶縁シート主面214に跨がって、未焼成第2導体層255(未焼成第2電極層256及び未焼成第2延出層257)を形成する(図14参照)。
次いで、図15に示すように、未焼成絶縁層283,282、未焼成導入路形成層270、未焼成複合層211、未焼成保護層260を、この順に積層して、未焼成積層体210を形成する。なお、未焼成絶縁層283には、未焼成ヒータパターン281及びスルーホール183m,183nを形成しておく。未焼成導入路形成層270には、未焼成基準室溝276及び未焼成通気溝277を含む未焼成導入溝275を形成しておく。また、未焼成保護層260は、焼成後に多孔質部162となる未焼成多孔質部262、及び、これを囲み、焼成後に保護部161となる未焼成保護部261からなる。未焼成保護層260の後端側DL2には、未焼成保護部261を貫通して、スルーホール112m及び未焼成第2導体層255に接続するスルーホール161m,161nを形成しておく。また、未焼成積層体210に、焼成後にヒータパッド部14,15及びセンサパッド部16,17となる未焼成パッド部(図示しない)を印刷する。
次いで、公知の手法により、未焼成積層体210(図15参照)を焼成し、複合セラミック層111、第1導体層150及び第2導体層155を備えるガスセンサ素子10を作製した(図2〜4参照)。
本実施形態に係るガスセンサ素子10の製造方法では、圧縮工程で、未焼成絶縁部212をシート厚み方向STに圧縮し、シート貫通孔212hを縮径させて、未焼成電解質部231の電解質シート外周面235に、シート貫通孔内周面215を密着させる。
しかも、未焼成突出部222を形成することで、焼成後の複合セラミック層111を、容易に突出部122を有する形態とすることができる(図5参照)。これにより、未焼成第1導体層250を焼成した第1導体層150が、第1電解質主面133と第1絶縁主面113との間でクラックや断線が生じ難い、信頼性の高いガスセンサ素子10を製造できる。
この製造方法では、圧縮工程において、未焼成電解質部231の第1電解質シート主面233の未焼成重なり面233sを、シート貫通孔212hの外側DR2ほどシート厚み方向内側STNに位置する形態に形成する。このため、焼成後の複合セラミック層111において、重なり面133sのいずれかの部位を起点に突出部122内にクラックが発生するのを適切に抑制できる。
また、挿入工程では、未焼成電解質部231を、未焼成絶縁部212の第2絶縁シート主面214よりもシート厚み方向一方側ST1(シート厚み方向外側STO)に突出するように、シート貫通孔212h内に挿入する。このため、圧縮工程において、第2圧縮型316の平坦な第2圧縮面317で押圧することで、突出している未焼成電解質部231がシート貫通孔212h内に押し込まれ、未焼成電解質部231の第2電解質シート主面234を、未焼成絶縁部212の第2絶縁シート主面214と容易に面一にできる。かくして、電解質部131の第2電解質主面134が、絶縁部112の第2絶縁主面114と面一にされた複合セラミック層111を有するガスセンサ素子10を、容易に形成できる。
またこれにより、第2絶縁主面114と第2電解質主面134とに跨がって形成した未焼成第2導体層255を焼成した第2導体層155も、2つの主面の境界上でクラックや断線が生じ難い、さらに信頼性の高いガスセンサ素子10を製造できる。
その上、第2電解質シート主面234が第2絶縁シート主面214と面一となっているので、スクリーン印刷により形成した未焼成第2導体層255の厚みを、従って、焼成後の第2導体層155の厚み(特に第2電解質主面134上における第2電極層156の厚み)を容易に制御できる。
(変形形態)
次に、変形形態にかかるガスセンサ401について、図7−14,16−23を参照しつつ説明する。本変形形態のガスセンサ401は、ガスセンサ素子410に、2つの複合セラミック層(後述する検出用複合セラミック層511,ポンプ用複合セラミック層611)を備えるいわゆる2セルタイプの素子を用いる点で、1セルタイプの素子10を用いた実施形態のガスセンサ1と異なる。そこで、実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容の部材、部位には同番号を付して説明する。
ガスセンサ401は、図16に示すように、ガスセンサ1と近似した形態を有し、ガスセンサ素子410と、このガスセンサ素子410を自身の内部に保持する主体金具20とを備える。なお、実施形態のガスセンサ1と異なり、ガスセンサ素子410は、5つのパッド部14,15,416,417,418を備えているので、セパレータ460は、これらパッド部14,15,416,417,418にそれぞれ弾性的に当接する5個の端子部材475,475,476,476,476を保持している(図16〜19参照)。また、実施形態のガスセンサ1では、グロメット73にフィルタ74fで被覆した金属パイプ74が嵌め込まれていたが、本変形形態のグロメット473には、フィルタ等は設けられていない。即ち、ガスセンサ401外の大気を内部に導入しない形態となっている。
ガスセンサ素子410も、長手方向DL(図16,17中、上下方向)に長い矩形板状を有する。このガスセンサ素子410も、自身の中心が軸線AXに一致する形態でガスセンサ401内に配置されている(図16参照)。ガスセンサ素子410は、厚み方向他方側DT2(図18,19中、下方)を向く第2素子主面410b上でかつ後端部410k内に、2つのヒータパッド部14,15を有している。また、これとは逆の厚み方向一方側DT1(図18,19中、上方)を向く第1素子主面410a上でかつ後端部410k内に、3つのセンサパッド部416,417,418を有している。
このガスセンサ素子410も、厚み方向DTに積層された複数のセラミック層及び導体層からなる。具体的には、被測定ガス中の酸素濃度の検出に用いる検出用複合セラミック層511と、これよりも厚み方向一方側DT1(図18,19中、上方)に位置し、測定室SPにおける被測定ガス中の酸素濃度の調整に用いるポンプ用複合セラミック層611とを有している。また、これら検出用複合セラミック層511及びポンプ用複合セラミック層611の間には、絶縁層570が配置されている。検出用複合セラミック層511の厚み方向他方側DT2(図18,19中、下方)には、第1導体層550が、一方側DT1(同図中、上方)には第2導体層555がそれぞれ形成されている。また、ポンプ用複合セラミック層611の一方側DT1には、第1導体層650が、他方側DT2には、第2導体層655がそれぞれ形成されている。さらに、検出用複合セラミック層511及び第1導体層550の他方側DT2には、実施形態と同様のヒータ層180が、ポンプ用複合セラミック層611及び第1導体層650の一方側DT1には、保護層560が、それぞれ積層されている(図18,19参照)。
これらのうち検出用複合セラミック層511は、アルミナからなる矩形板状で、自身を厚み方向DTに貫通する平面視矩形状の貫通孔512hを有する検出用絶縁部512と、ジルコニアセラミックからなる板状で、検出用絶縁部512の貫通孔512h内に配置された検出用電解質部531とを備える(図18参照)。検出用絶縁部512は、他方側DT2を向く第1絶縁主面513、一方側DT1を向く第2絶縁主面514、及び、貫通孔512hをなす貫通孔内周面515を有している。また、検出用電解質部531は、他方側DT2を向く第1電解質主面533、一方側DT1を向く第2電解質主面534、及び、検出用絶縁部512の貫通孔内周面515に密着した電解質外周面535を有している(図20,21参照)。
第1導体層550は、検出用電解質部531の第1電解質主面533上に、貫通孔512hよりも内側に引き下がって形成された矩形状の第1電極層551と、この第1電極層551から長手方向後端側DL2に延びる帯状の第1延出層552とからなる(図18参照)。第1延出層552は、第1電解質主面533と第1絶縁主面513とに跨がって、第1電解質主面533上から第1絶縁主面513上まで延びている(図21参照)。また、第2導体層555は、第1導体層550と同様、検出用電解質部531の第2電解質主面534上に、貫通孔512hよりも内側に引き下がって形成された矩形状の第2電極層556と、この第2電極層556から後端側DL2に延びる帯状の第2延出層557とからなる(図18参照)。第2延出層557は、第2電解質主面534と第2絶縁主面514とに跨がって、第2電解質主面534上から第2絶縁主面514上まで延びている(図20参照)。
一方、ポンプ用複合セラミック層611も、アルミナからなる矩形状で、自身を厚み方向DTに貫通する平面視矩形状の貫通孔612hを有するポンプ用絶縁部612と、ジルコニアセラミックからなる板状で、ポンプ用絶縁部612の貫通孔612h内に配置されたポンプ用電解質部631とを備える(図18参照)。ポンプ用絶縁部612は、厚み方向一方側DT1を向く第1絶縁主面613、厚み方向他方側DT2を向く第2絶縁主面614、及び、貫通孔612hをなす貫通孔内周面615を有している。また、ポンプ用電解質部631は、一方側DT1を向く第1電解質主面633、他方側DT2を向く第2電解質主面634、及び、ポンプ用絶縁部612の貫通孔内周面615に密着した電解質外周面635を有している(図20,22参照)。
第1導体層650は、ポンプ用電解質部631の第1電解質主面633上に、貫通孔612hよりも内側に引き下がって形成された矩形状の第1電極層651と、この第1電極層651から後端側DL2に延びる帯状の第1延出層652とからなる(図18参照)。第1延出層652は、第1電解質主面633と第1絶縁主面613とに跨がって、第1電解質主面633上から第1絶縁主面613上まで延びている(図22参照)。第2導体層655は、第1導体層650と同様、ポンプ用電解質部631の第2電解質主面634上に、貫通孔612hよりも内側に引き下がって形成された矩形状の第2電極層656と、この第2電極層656から後端側DL2に延びる帯状の第2延出層657とからなる(図18参照)。第2延出層657は、第2電解質主面634と第2絶縁主面614とに跨がって、第2電解質主面634上から第2絶縁主面614上まで延びている(図20参照)。
また、絶縁層570は、貫通孔512h,612hと重なるように、自身を貫通する矩形状の貫通孔570hを有している。この貫通孔570hは、絶縁層570のほか、検出用複合セラミック層511(検出用電解質部531)及びポンプ用複合セラミック層611(ポンプ用電解質部631)に囲まれて、中空の測定室SPを構成する(図19参照)。この絶縁層570は、緻密なアルミナからなる本体部571と、多孔質セラミックからなり、貫通孔570hのうち長手方向DLに沿って延びる2辺の一部をそれぞれ構成し、側方(長手方向DL及び厚み方向DTに直交する方向)に露出する2つの多孔質部572,572とからなる(図18参照)。この多孔質部572は、ガスセンサ素子410の外部から測定室SP内に、被測定ガスを所定の律速条件で導入する拡散律速層である。
また、ポンプ用複合セラミック層611の厚み方向一方側DT1には、第1導体層650を覆って、保護層560が積層されている。この保護層560は、第1電極層651及びポンプ用電解質部631を覆う多孔質部562と、この多孔質部562を囲んで収容する貫通孔561hが穿孔され、ポンプ用絶縁部612に重なってこれを保護する緻密質セラミックの保護部561とからなる(図18参照)。
保護部561上には、前述した3つのセンサパッド部416,417,418が形成されている。センサパッド部416は、スルーホール561m,612m,571m,512mを通じて、第1延出層552の後端側DL2の端部552eに導通している。センサパッド部417は、スルーホール561nを通じて、第1延出層652の後端側DL2の端部652eに導通している(図18参照)。さらに、センサパッド部418は、スルーホール561p,612p,571pを通じて、第2延出層557の端部557eと、第2延出層657の端部657eとに導通している(図18参照)。
本変形形態に係るガスセンサ素子410では、多孔質の第1電極層551内に予め酸素を供給して基準ガスを形成しておく。その上で、検出用電解質部531を挟む第1電極層551と第2電極層556との間に生じる電位差が所定の値(測定室SP内の酸素濃度が一定)となるように、ポンプ用電解質部631で測定室SPから多孔質部562に酸素を汲み出しあるいは逆に汲み入れるべく、ポンプ用電解質部631を挟む第1電極層651と第2電極層656との間に流れる電流の方向及び大きさを調整する。なお、第1電極層651と第2電極層656との間に流れる電流の大きさは、多孔質部572を通じて測定室SP内に流入する被測定ガス中の酸素濃度に応じた値となるため、この電流の大きさから被測定ガス中の酸素濃度を検知することができる。
次いで、本変形形態に係る素子410の検出用複合セラミック層511のうち、検出用絶縁部512と検出用電解質部531との境界付近の形態について詳述する。図20,21に示すように、検出用電解質部531の厚みT4(160μm)は、検出用絶縁部512の厚みT3(180μm)よりも薄くされている(T4<T3)。但し、検出用電解質部531のうち第2電解質主面534は、検出用絶縁部512の第2絶縁主面514と面一にされている。一方、検出用電解質部531は、その第1電解質主面533が、検出用絶縁部512の第1絶縁主面513よりも、厚み方向一方側DT1(検出用複合セラミック層511の厚み方向内側DTN1、図20,21中、上方)に位置している。
そして、検出用絶縁部512は、そのうち第1絶縁主面513側に、検出用電解質部531の第1電解質主面533に重なって、貫通孔512hの内側DR1に向かって突出する突出部522を有している。この突出部522は、貫通孔512hの内側DR1ほど(図20,21において、左方に進むほど)厚みが薄い形態、即ち、先細の形態を有している。なお、本変形形態でも、突出部522は、貫通孔512hの全周にわたって形成されている。
その上、検出用絶縁部512の第1絶縁主面513は、突出部522の突出面522sにおいて、貫通孔512hの内側DR1に進むほど、厚み方向内側DTN1(ここでは、厚み方向一方側DT1)に位置し、第1電解質主面133に近づく形態を有する。即ち、突出部522の突出面522sは、図20,21中、左に進むほど上方に位置するなだらかな斜面であり、検出用絶縁部512の第1絶縁主面513と電解質部531の第1電解質主面533との間の段差は、突出部522において緩和されている。従って、図21に示すように、第1導体層550の第1延出層552は、なだらかに長手方向DLに延びている。
次いで、ポンプ用複合セラミック層611について検討する。また、図20,22に示すように、ポンプ用複合セラミック層611もまた、ポンプ用電解質部631の厚みT6(160μm)が、ポンプ用絶縁部612の厚みT5(180μm)よりも薄くされている(T6<T5)。但し、ポンプ用電解質部631のうち第2電解質主面634は、ポンプ用絶縁部612の第2絶縁主面614と面一にされている。一方、ポンプ用電解質部631の第1電解質主面633は、ポンプ用絶縁部612の第1絶縁主面613よりも、厚み方向他方側DT2(ポンプ用複合セラミック層611の厚み方向内側DTN2、図20,22中、下方)に位置している。
そして、ポンプ用絶縁部612は、そのうち第1絶縁主面613側に、ポンプ用電解質部631の第1電解質主面633に重なって、貫通孔612hの内側DR1に向かって突出する突出部622を有している。この突出部622は、貫通孔612hの内側DR1ほど(図20,22において、左方に進むほど)厚みが薄い形態、即ち、先細の形態を有している。なお、本変形形態でも、突出部622は、貫通孔612hの全周にわたって形成されている。
その上、ポンプ用絶縁部612の第1絶縁主面613は、突出部622の突出面622sにおいて、貫通孔612hの内側DR1に進むほど、厚み方向内側DTN2(ここでは、厚み方向他方側DT2)に位置し、第1電解質主面633に近づく形態を有する。即ち、突出面622sは、図20,22中、左に進むほど上方に位置するなだらかな斜面であり、ポンプ用絶縁部612の第1絶縁主面613と電解質部631の第1電解質主面633との間の段差は、突出部622において緩和されている。従って、図22に示すように、第1導体層650の第1延出層652も、なだらかに長手方向DLに延びている。
かくして、本変形形態に係るガスセンサ素子410では、第1電解質主面533と第1絶縁主面513とに跨がって形成された第1導体層550(第1延出層552)に、クラックや断線が生じ難い。さらに、第1電解質主面633とび第1絶縁主面613とに跨がって形成された第1導体層650(第1延出層652)にも、クラックや断線が生じ難い。かくして、信頼性の高いガスセンサ素子410とすることができる。
しかも、検出用電解質部531の第1電解質主面533のうち、突出部522が厚み方向外側DTO1から重なる重なり面533sは、貫通孔512hの外側DR2ほど、厚み方向内側DTN1(ここでは、厚み方向他方側DT2)に位置する形態を有する。即ち、重なり面533sは、外側DR2ほど、第2電解質主面534に近づく,つまり傾きが大きくなる形状を有している(図21参照)。
つまり、このガスセンサ素子10では、検出用複合セラミック層511において、第1電解質主面533の重なり面533sが円弧状に変形しており、検出用絶縁部512の突出部522が検出用電解質部531の重なり面533sに密着したガスセンサ素子10となっている。これにより、検出用電解質部531のうち突出部522が重なる部位に角部が形成されず、重なり面533sのいずれかの部位を起点に、突出部522内にクラックが発生するのを抑制できる。
また、ポンプ用複合セラミック層611においても、ポンプ用電解質部631の第1電解質主面633のうち、突出部622が厚み方向外側DTO2から重なる重なり面633sは、貫通孔612hの外側DR2ほど、厚み方向内側DTN2(ここでは、厚み方向他方側DT2)に位置する形態を有する。即ち、重なり面633sは、外側DR2ほど、第2電解質主面634に近づく,つまり傾きが大きくなる形状を有している(図22参照)。
このように、ポンプ用複合セラミック層611においても、第1電解質主面633の重なり面633sが円弧状に変形しており、ポンプ用絶縁部612の突出部622がポンプ用電解質部631の重なり面633sに密着したガスセンサ素子10となっている。これにより、ポンプ用電解質部631のうち突出部622が重なる部位に角部が形成されず、重なり面633sのいずれかの部位を起点に、突出部622内にクラックが発生するのを抑制できる。
また、検出用電解質部531は、電解質グリーンシートからなる未焼成検出用電解質部731(後述)を焼成したものであるので、検出用電解質部531の厚さT4を揃えやすく、この検出用電解質部531と第1電極層551及び第2電極層556で形成した酸素濃淡電池(センサセル)の特性を、ガスセンサ素子410同士間で揃えることができる。
しかも、検出用電解質部531は検出用絶縁部512よりも薄い(T4<T3)ので、製造時に厚み方向DTに圧力をかけても、検出用電解質部531となる未焼成検出用電解質部731には圧力がかかりにくく、検出用電解質部531の厚みの変動が生じにくい。このため、ガスセンサ素子410同士間の特性の変動をさらに小さくすることができる。
ポンプ用電解質部631も、上述の検出用電解質部531と同様、電解質グリーンシートからなる未焼成ポンプ用電解質部831(後述)を焼成したものであるので、ポンプ用電解質部631の厚さT6を揃えやすく、この電解質部631と第1電極層651及び第2電極層656とで形成した酸素濃淡電池(ポンプセル)の特性を、ガスセンサ素子410同士間で揃えることができる。さらに、ポンプ用電解質部631はポンプ用絶縁部612よりも薄い(T6<T5)ので、検出用電解質部531と同様、圧縮によるポンプ用電解質部631の厚みの変動が生じにくく、ガスセンサ素子410同士間において特性の変動をさらに小さくできる。
また、検出用電解質部531の第2電解質主面534と検出用絶縁部512の第2絶縁主面514とは面一であるため、第2電解質主面534と第2絶縁主面514とに跨がって形成された第2導体層555(第2延出層557)は、段差無く長手方向DLに延びている(図19,20参照)。同じく、ポンプ用電解質部631の第2電解質主面634とポンプ用絶縁部612の第2絶縁主面614とは面一であるため、第2電解質主面634と第2絶縁主面614とに跨がって形成された第2導体層655(第2延出層657)も、段差無く長手方向DLに延びている(図19,20参照)。従って、第2導体層555(第2延出層557)も、第2導体層655(第2延出層657)も、クラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサ素子410となる。
また、本変形形態のガスセンサ素子410では、第2電極層556は、第2絶縁主面514と面一に配置された第2電解質主面534上に形成されている。このため、焼成により第2電極層556となる未焼成第2電極層756(後述)をスクリーン印刷で形成する際、その厚みをコントロールし易い。かくして、基準ガスを第1電極層551に接触させ、測定室SP内の被測定ガスを第2電極層556に接触させる本変形形態のガスセンサ素子410は、ガスセンサ素子410同士間でセンサセルの特性ばらつきを抑え、特性を揃えることができる。
加えて、第2電極層656も、第2絶縁主面614と面一に配置された第2電解質主面634上に形成されている。このため、焼成により第2電極層656となる未焼成第2電極層856(後述)をスクリーン印刷する際、その厚みをコントロールし易い。かくして、測定室SP内の被測定ガスを第2電極層656に接触させる本変形形態のガスセンサ素子410は、ガスセンサ素子410同士間でポンプセルの特性ばらつきを抑え、特性を揃えることができる。
また本変形形態に係るガスセンサ401は、上述したガスセンサ素子410を備えるため、第1導体層550,650(第1延出層552,652)にクラックや断線が生じ難く、信頼性の高いガスセンサ1とすることができる。
次に、本変形形態に係るガスセンサ401の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。ドクタブレード法で形成した厚さ230μmの2つの未焼成絶縁部用シート(絶縁グリーンシート)212s,212sと、これよりも薄い、厚さ200μmの2つの未焼成電解質部用シート(電解質グリーンシート)231s,231sとを予め用意する。
次に、実施形態と同様にして、各未焼成絶縁部用シート212s,212sに、自身のシート厚み方向STに貫通するシート貫通孔712h,812hをそれぞれ形成する(貫通孔形成工程,図7参照)。
未焼成検出用絶縁部712および未焼成ポンプ用絶縁部812は、それぞれ、シート厚み方向他方側ST2を向く第1絶縁シート主面713,813、シート厚み方向一方側ST1を向く第2絶縁シート主面714,814、シート貫通孔712h,812hの内周面をなすシート貫通孔内周面715,815を有している(図8参照)。
なお、シート貫通孔712h,812hは、いずれも実施形態と同様、厚み方向他方側DT2に向かって先細りの形態となる(図8,9参照)。
引き続いて、未焼成絶縁部712,812のシート貫通孔712h,812h内に、未焼成電解質部731,831を挿入する挿入工程を行う。
実施形態と同様にして、下型301及び上型303で、未焼成絶縁部712,812と未焼成電解質部用シート231sとを挟むと共に、パンチ305を用いて、未焼成電解質部用シート231sから未焼成電解質部731,831を打ち抜くと共に、この未焼成電解質部731,831を未焼成絶縁部712,812のシート貫通孔712h,812h内に挿入した(図10参照)。これにより、未焼成電解質部731,831を、未焼成電解質部731,831の一方側ST1(図中、上方)を向く第2電解質シート主面734,843が、未焼成絶縁部712,812の第2絶縁シート主面714,814よりも、一方側ST1(シート厚み方向外側STO)に位置させる(突出させる)と共に、他方側DT2を向く第1電解質シート主面733,833が、未焼成絶縁部712,812の第1絶縁シート主面713,813よりも、一方側ST1(シート厚み方向内側STN)に位置するように配置した(図10(b)参照)。
次に、圧縮工程を行う。この圧縮工程では、未焼成絶縁部712,812をシート厚み方向STに圧縮し、未焼成絶縁部712,812とシート貫通孔712h,812h内に挿入された未焼成電解質部731,831とからなる未焼成複合層711,811を形成する。
なお、この圧縮工程では、前述した第1圧縮型311及び第2圧縮型316を用い、実施形態と同様に行う(図11参照)。
これにより、実施形態の未焼成複合層211と同様、未焼成複合層711,811は、それぞれ一方側ST1を向く未焼成絶縁部712,812の第2絶縁シート主面714,814と未焼成電解質部731,831の第2電解質シート主面734,834とが、面一となる(図12,13参照)。一方、未焼成電解質部731,831の第1電解質シート主面733,833は、未焼成絶縁部712,812の第1絶縁シート主面713,813よりも、シート厚み方向内側STN(シート厚み方向一方側ST1)に、即ち、シート貫通孔712h,812h内にそれぞれ位置する形態となる。
具体的には、未焼成絶縁部712,812のうち、第1絶縁シート主面713,813側の、シート貫通孔内周面715,815と第1絶縁シート主面713,813とがなす角部C1は、圧縮による変形で、未焼成電解質部731,831の第1電解質シート主面733,833に重なって、シート貫通孔712h,812hの内側DR1(図中、左方)に向かって突出すると共に、内側DR1ほど厚みが薄い形態の未焼成突出部722,822となっている。さらに、角部C1の変形に伴い、未焼成電解質部731,831のうち、電解質シート外周面735,835と第1電解質シート主面733,833とがなす角部C2も変形して、第1電解質シート主面733,833のうち、未焼成突出部722,822が外側STO(他方側ST2)から重なる重なり面733s,833sが、シート貫通孔712h,812hの外側DR2ほど、シート厚み方向内側STN(ここでは、シート厚み方向一方側ST1)に位置する形態を有する。本実施形態では、角部C2が、外側に凸の1/4円状に丸められた形状に変形している。
次に、第1印刷工程において、スクリーン印刷法により、第1電解質シート主面733,833と第1絶縁シート主面713,813とに跨がって、未焼成第1導体層750,850(未焼成第1電極層751,851及び未焼成第1延出層752,852)を形成する(図14参照)。
続いて、第2印刷工程において、スクリーン印刷法により、第2電解質シート主面734,834と第2絶縁シート主面714,814とに跨がって、未焼成第2導体層755,855(未焼成第2電極層756,856及び未焼成第2延出層757,857)を形成する(図14参照)。
次いで、図23に示すように、未焼成絶縁層283,282、未焼成検出用複合層711、未焼成絶縁層770、未焼成ポンプ用複合層811、未焼成保護層760を、この順に積層して、未焼成積層体710を形成する。なお、積層にあたり、未焼成ポンプ用複合層811及びこの上に形成した未焼成第1導体層850及び未焼成第2導体層855は、上下反転させて積層する(図19〜23参照)。未焼成絶縁層283には、実施形態と同じく、未焼成ヒータパターン281及びスルーホール183m,183nを形成しておく。未焼成絶縁層770は、焼成により緻密質の本体部571となる未焼成本体部771のほか、焼成により多孔質の多孔質部572となる未焼成多孔質部772とからなり、矩形状の貫通孔770hを有している。未焼成多孔質部772は、貫通孔770hのうち長手方向DLに延びる2辺の一部を構成し、側方(長手方向DL及び厚み方向DTに直交する方向)に露出している。未焼成保護層760は、焼成後に多孔質部562となる未焼成多孔質部762、及び、これを囲み、焼成後に保護部561となる未焼成保護部761からなる。未焼成保護層760の後端側DL2には、未焼成保護部761を貫通して、スルーホール612m,612p及び未焼成第1導体層850に接続するスルーホール561m,561n,561pを形成しておく。また、未焼成積層体710に、焼成後にヒータパッド部14,15及びセンサパッド部416,417,418となる未焼成パッド部(図示しない)を印刷する。
次に、未焼成積層体710(図23参照)を焼成する焼成工程を行うい、検出用複合セラミック層511、第1導体層550及び第2導体層555と、ポンプ用複合セラミック層611、第1導体層650及び第2導体層655を備えるガスセンサ素子410を作製した(図17参照)。
本変形形態に係るガスセンサ素子410の製造方法でも、圧縮工程で、未焼成絶縁部712,812をシート厚み方向STに圧縮し、シート貫通孔712h,812hを縮径させる。これにより、未焼成電解質部731,831の電解質シート外周面735,835に、シート貫通孔内周面715,815を密着させる。
しかも、未焼成突出部722,822を形成することで、焼成後の複合セラミック層511,611を、容易に突出部522,622を有する形態とすることができる。
またこれにより、未焼成第1導体層750,850を焼成した第1導体層550,650が、クラックや断線が生じ難い、信頼性の高いガスセンサ素子410を製造できる。
この製造方法では、圧縮工程において、未焼成電解質部731,831の第1電解質シート主面733,833の未焼成重なり面733s,833sを、シート貫通孔712h,812hの外側DR2ほどシート厚み方向内側STNに位置する形態に形成する。このため、焼成後の複合セラミック層511,611において、重なり面533s,633sのいずれかの部位を起点に突出部522,622内にクラックが発生するのを適切に抑制できる。
また、挿入工程では、未焼成電解質部731,831を、未焼成絶縁部712,812の第2絶縁シート主面714,814よりも外側STO(一方側ST1)に突出した形態としつつ、シート貫通孔712h,812h内に挿入する(図10(b)参照)。このため、圧縮工程において、第2圧縮型316の平坦な第2圧縮面317で押圧することで、未焼成電解質部731,831の第2電解質シート主面734,834を、未焼成絶縁部712,812の第2絶縁シート主面714,814と容易に面一にできる。かくして、電解質部531,631の第2電解質主面534,634が、絶縁部512,612の第2絶縁主面514,614と面一にされた複合セラミック層511,611を有するガスセンサ素子410を、容易に形成できる。
またこれにより、未焼成第2導体層755,855を焼成した第2導体層555,655も、2つの主面の境界上でクラックや断線が生じ難い、さらに信頼性の高いガスセンサ素子410を製造できる。
その上、第2電解質シート主面734,834が第2絶縁シート主面714,814と面一となっているので、スクリーン印刷により形成した未焼成第2導体層755,855の厚みを、従って、焼成後の第2導体層555,655の厚み(特に第2電解質主面534,634上における第2電極層556,656の厚み)を容易に制御できる。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
1,401 ガスセンサ
10,410 ガスセンサ素子
78,79,478,479 リード線
111,511,611 複合セラミック層
112,512,612 絶縁部
112h (絶縁部の)貫通孔
113,513,613 第1絶縁主面
114,514,614 第2絶縁主面
115,515,615 貫通孔内周面
121,521,621 貫通孔内周部
122,522,622 突出部
122s,522s,622s (突出部の)突出面
131,531,631 電解質部
133,533,633 第1電解質主面
133s,533s,633s (第1電解質主面のうち)重なり面
134,534,634 第2電解質主面
135,535,635 電解質外周面
150,550,650 第1導体層
151,551,651 第1電極層
152,552,652 第1延出層
155,555,655 第2導体層
156,556,656 第2電極層
157,557,657 第2延出層
152e,157e,552e,557e,652e,657e (延出層の)端部
161 保護部(ガス導入路構成材)
161h (保護部の)貫通孔(ガス導入路)
162 多孔質部(ガス導入路構成材)
170 導入路形成層(外気導入路構成材)
175 大気導入溝(外気導入路)
182 絶縁層(外気導入路構成材)
211 未焼成複合層(未焼成複合セラミック層)
212 未焼成絶縁部
212h,712h,812h シート貫通孔
212s 未焼成絶縁部用シート(絶縁グリーンシート)
213 第1絶縁シート主面
214 第2絶縁シート主面
215,715,815 シート貫通孔内周面
222,722,822 未焼成突出部
222s,722s,822s (未焼成突出部の)未焼成突出面
231,731,831 未焼成電解質部
231s 未焼成電解質部用シート(電解質グリーンシート)
233,733,833 第1電解質シート主面
233s,733s,833s 未焼成重なり面
234 第2電解質シート主面
235,735,835 電解質シート外周面
250 未焼成第1導体層
251 未焼成第1電極層
252 未焼成第1延出層
255 未焼成第2導体層
256 未焼成第2電極層
257 未焼成第2延出層
311 第1圧縮型
312 ゴム板部
313 第1圧縮面
※315 本体部
316 第2圧縮型
317 第2圧縮面
511 検出用複合セラミック層(複合セラミック層)
512 検出用絶縁部(絶縁部)
512h (検出用絶縁部の)貫通孔
513 (検出用絶縁部の)第1絶縁主面
514 (検出用絶縁部の)第2絶縁主面
531 検出用電解質部(電解質部)
533 (検出用電解質部の)第1電解質主面
534 (検出用電解質部の)第2電解質主面
550 (検出用複合層の)第1導体層
551 (検出用複合層の)第1電極層
552 (検出用複合層の)第1延出層
555 (検出用複合層の)第2導体層
556 (検出用複合層の)第2電極層
557 (検出用複合層の)第2延出層
611 ポンプ用複合セラミック層(複合セラミック層)
612 ポンプ用絶縁部(絶縁部)
612h (ポンプ用絶縁部の)貫通孔
613 (ポンプ用絶縁部の)第1絶縁主面
614 (ポンプ用絶縁部の)第2絶縁主面
631 ポンプ用電解質部(電解質部)
633 (ポンプ用電解質部の)第1電解質主面
634 (ポンプ用電解質部の)第2電解質主面
650 (ポンプ用複合層の)第1導体層
651 (ポンプ用複合層の)第1電極層
652 (ポンプ用複合層の)第1延出層
655 (ポンプ用複合層の)第2導体層
656 (ポンプ用複合層の)第2電極層
657 (ポンプ用複合層の)第2延出層
711 未焼成検出用複合層(未焼成複合セラミック層)
712 (未焼成検出用複合層の)未焼成検出用絶縁部(未焼成絶縁部)
713 (未焼成検出用絶縁部の)第1絶縁シート主面
714 (未焼成検出用絶縁部の)第2絶縁シート主面
731 (未焼成検出用複合層の)未焼成検出用電解質部(未焼成電解質部)
733 (未焼成検出用電解質部の)第1電解質シート主面
734 (未焼成検出用電解質部の)第2電解質シート主面
750 (未焼成検出用複合層の)未焼成第1導体層
751 (未焼成検出用複合層の)未焼成第1電極層
752 (未焼成検出用複合層の)未焼成第1延出層
755 (未焼成検出用複合層の)未焼成第2導体層
756 (未焼成検出用複合層の)未焼成第2電極層
757 (未焼成検出用複合層の)未焼成第2延出層
811 未焼成ポンプ用複合層(未焼成複合セラミック層)
812 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成ポンプ用絶縁部(未焼成絶縁部)
813 (未焼成ポンプ用絶縁部の)第1絶縁シート主面
814 (未焼成ポンプ用絶縁部の)第2絶縁シート主面
831 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成ポンプ用電解質部(未焼成電解質部)
833 (未焼成ポンプ用電解質部の)第1電解質シート主面
834 (未焼成ポンプ用電解質部の)第2電解質シート主面
850 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成第1導体層
851 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成第1電極層
852 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成第1延出層
855 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成第2導体層
856 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成第2電極層
857 (未焼成ポンプ用複合層の)未焼成第2延出層
DT (ガスセンサ素子の)厚み方向
DT1 厚み方向一方側
DT2 厚み方向他方側
DTN,DTN1,DTN2 (複合セラミック層の)厚み方向内側
DTO,DTO1,DTO2 (複合セラミック層の)厚み方向外側
DR1 貫通孔の)内側
DR2 貫通孔の)外側
ST (未焼成絶縁部の)シート厚み方向
ST1 シート厚み方向一方側
ST2 シート厚み方向他方側
STN (未焼成複合セラミック層の)厚み方向内側
STO (未焼成複合セラミック層の)厚み方向外側
AD 大気導入路(外気導入路)
GD ガス導入路
KS 基準室
T1,T2,T3,T4,T5,T6 厚み
T1 (絶縁部の)厚み
T2 (電解質部の)厚み
T3,T5 (未焼成絶縁部の)厚み
T4,T6 (未焼成電解質部の)厚み
TR 通気路

Claims (10)

  1. 厚み方向に貫通する貫通孔が形成された絶縁性セラミックからなる板状の絶縁部、及び上記貫通孔内に配置されると共に、固体電解質セラミックからなる板状の電解質部、を有する複合セラミック層と、
    上記絶縁部の上記厚み方向に交差する第1絶縁主面と、上記電解質部の上記厚み方向に交差する第1電解質主面とに跨って形成された第1導体層と、を備える
    ガスセンサ素子であって、
    上記電解質部の厚みは、上記絶縁部の厚みよりも薄く、
    上記電解質部の上記第1電解質主面は上記絶縁部の上記第1絶縁主面よりも厚み方向内側に位置してなり、
    上記絶縁部は、その上記第1絶縁主面側に、上記電解質部の上記第1電解質主面に重なって、上記貫通孔の内側に向かって突出する突出部を有してなり、
    上記突出部は、上記貫通孔の上記内側ほど厚みが薄く、上記突出部の上記厚み方向外側の突出面は、上記貫通孔の上記内側ほど上記厚み方向内側に位置する形態を有し、
    上記第1導体層は、上記突出面と、上記第1電解質主面とに跨がって形成されてなる
    ガスセンサ素子。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ素子であって、
    前記第1電解質主面のうち、前記突出部が前記厚み方向外側から重なる重なり面は、前記貫通孔の前記外側ほど、前記厚み方向内側に位置する形態を有する
    ガスセンサ素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガスセンサ素子であって、
    前記電解質部は、
    解質グリーンシートを焼成してなる
    ガスセンサ素子。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガスセンサ素子であって、
    前記絶縁部のうち前記第1絶縁主面とは逆側の第2絶縁主面と、前記電解質部のうち前記第1電解質主面とは逆側の第2電解質主面とに跨って形成された第2導体層、を備え、
    上記第2絶縁主面と上記第2電解質主面とは面一にされてなる
    ガスセンサ素子。
  5. 請求項4に記載のガスセンサ素子であって、
    前記第1導体層は、前記第1電解質主面上に形成された第1電極層を含み、
    前記第2導体層は、前記第2電解質主面上に形成された第2電極層を含み、
    上記第2導体層は、電極ペーストをスクリーン印刷した後に焼成してなり、
    上記ガスセンサ素子は、
    その使用時に、上記第1電極層に基準ガスが接触し、上記第2電極層に被測定ガスが接触する構成とされてなる
    ガスセンサ素子。
  6. 求項5に記載のガスセンサ素子であって、
    前記第1電極層に外気を導く外気導入路を構成する外気導入路構成材と、
    前記第2電極層に被測定ガスを導くガス導入路を構成するガス導入路構成材と、を備える
    ガスセンサ素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ素子を備えるガスセンサ。
  8. 厚み方向に貫通する貫通孔が形成された絶縁性セラミックからなる板状の絶縁部、及び上記貫通孔内に配置されると共に、固体電解質セラミックからなる板状の電解質部、を有する複合セラミック層と、
    上記絶縁部の上記厚み方向に交差する第1絶縁主面と、上記電解質部の上記厚み方向に交差する第1電解質主面とに跨って形成された第1導体層と、を備え
    上記電解質部の厚みは、上記絶縁部の厚みよりも薄く、
    上記電解質部の上記第1電解質主面は上記絶縁部の上記第1絶縁主面よりも厚み方向内側に位置してなり、
    上記絶縁部は、その上記第1絶縁主面側に、上記電解質部の上記第1電解質主面に重なって、上記貫通孔の内側に向かって突出する突出部を有してなり、
    上記突出部は、上記貫通孔の上記内側ほど厚みが薄く、上記突出部の上記厚み方向外側の突出面は、上記貫通孔の上記内側ほど上記厚み方向内側に位置する形態を有し、
    上記第1導体層は、上記突出面と、上記第1電解質主面とに跨がって形成されてなる
    ガスセンサ素子の製造方法であって、
    上記絶縁性セラミックを含み、シート厚み方向に貫通するシート貫通孔が形成された板状の未焼成絶縁部の上記シート貫通孔内に、上記固体電解質セラミックからなり、上記未焼成絶縁部よりも薄い板状の未焼成電解質部を、上記未焼成電解質部の第1電解質シート主面が上記未焼成絶縁部の第1絶縁シート主面よりもシート厚み方向内側に位置するように、挿入する挿入工程と、
    上記未焼成絶縁部を上記シート厚み方向に圧縮する圧縮工程と、
    上記未焼成絶縁部の上記第1絶縁シート主面、及び上記未焼成電解質部の上記第1電解質シート主面を跨ぐ未焼成第1導体層を形成する第1印刷工程と、
    上記未焼成絶縁部、上記未焼成電解質部、及び上記未焼成第1導体層を焼成して、上記絶縁部及び上記電解質部を有する上記複合セラミック層及び上記第1導体層を形成する焼成工程と、を備え、
    上記圧縮工程は、
    上記未焼成絶縁部の上記第1絶縁シート主面側に、上記未焼成電解質部の上記第1電解質シート主面に重なって、上記シート貫通孔の内側に向かって突出すると共に、上記内側ほど厚みが薄い未焼成突出部を形成する
    ガスセンサ素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載のガスセンサ素子の製造方法であって、
    前記ガスセンサ素子は、
    前記第1電解質主面のうち、前記突出部が前記厚み方向外側から重なる重なり面は、前記貫通孔の前記外側ほど、前記厚み方向内側に位置する形態を有し、
    前記圧縮工程は、
    前記第1電解質シート主面のうち、前記未焼成突出部が前記シート厚み方向外側から重なる未焼成重なり面を、前記シート貫通孔の前記外側ほど、前記シート厚み方向内側に位置する形態に形成する
    ガスセンサ素子の製造方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載のガスセンサ素子の製造方法であって、
    前記ガスセンサ素子は、
    前記絶縁部のうち前記第1絶縁主面とは逆側の第2絶縁主面と、前記電解質部のうち前記第1電解質主面とは逆側の第2電解質主面とに跨って形成された第2導体層、を備え、
    上記第2絶縁主面と上記第2電解質主面とは面一にされてなり、
    前記挿入工程は、
    前記未焼成電解質部のうち前記第1絶縁シート主面とは逆側の第2絶縁シート主面側が、前記未焼成絶縁部の前記シート貫通孔から突出するように、上記未焼成電解質部を挿入し、
    前記圧縮工程は、
    前記未焼成絶縁部の上記第2絶縁シート主面と、前記未焼成電解質部の前記第1電解質シート主面とは逆側の第2電解質シート主面とが、面一となるように圧縮し、
    前記焼成工程に先だって、
    上記未焼成絶縁部の上記第2絶縁シート主面上、及び、上記未焼成電解質部の上記第2電解質シート主面上を跨ぐ未焼成第2導体層をスクリーン印刷により形成する第2印刷工程と、を備える
    ガスセンサ素子の製造方法。
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