JP2003294698A - 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ - Google Patents

積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ

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JP2003294698A JP2002097566A JP2002097566A JP2003294698A JP 2003294698 A JP2003294698 A JP 2003294698A JP 2002097566 A JP2002097566 A JP 2002097566A JP 2002097566 A JP2002097566 A JP 2002097566A JP 2003294698 A JP2003294698 A JP 2003294698A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 早期測定開始でき、少消費電力であり、高耐
熱性であり、容易に小型化できる積層型ガスセンサ素子
及びその製造方法並びにガスセンサを提供する。 【解決手段】 ヒータ113を有する第1絶縁性基部1
1と、第2セル部用固体電解質体131、一対の第2セ
ル部用電極132及び133を備える第2セル部13
と、内室15と、第1セル部用固体電解質体121、一
対の第1セル部用電極122及び123を備える第1セ
ル部12と、通気性を有する多孔質部161を備える第
2絶縁性基部16と、をこの順に積層して備え、第1セ
ル部用固体電解質体121は、第2絶縁性基部16の1
/2倍以下の厚さであり、且つ、素子の長手方向におい
て第2絶縁性基部16よりも小さい素子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層型ガスセンサ素
子及びその製造方法並びにガスセンサに関する。更に詳
しくは、耐熱衝撃性等の熱的強度に優れる積層型ガスセ
ンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサに関する。
本発明の積層型ガスセンサ素子及びガスセンサは、自動
車等の内燃機関の排気ガス中のガス成分の検知及び測定
に使用されるラムダセンサ素子、空燃比センサ素子、窒
素酸化物センサ素子及び炭化水素ガスセンサ素子等のガ
スセンサ素子及びこのようなガスセンサ素子を備えるガ
スセンサとして好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平9−26409号公報等に
開示されているように、センサ素子内に内室を備えるセ
ンサ素子が知られている。更に、特開平11−3162
11号公報等に開示されているように、2つの固体電解
質体と内室とを備えるセンサ素子が知られている。これ
らのセンサ素子では、固体電解質体がセンサ素子を構成
する構造部材としても機能するように厚く形成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、内燃機関からの
排気ガスの調査を内燃機関の始動直後から開始しようと
するためにガスセンサでは早期始動できることが強く望
まれている。また、同時に更なる小型化も望まれてい
る。このようにガスセンサの早期始動を実現するために
は、固体電解質体を活性温度にまで極短時間で昇温させ
る必要がある。しかし、固体電解質体を構成する材質は
一般に熱伝導率が低く、また、熱衝撃に比較的弱い。こ
のため、固体電解質体が大きいことは、ガスセンサ素子
の早期始動性を向上させるうえや、クラックや割れを防
止するうえでも不利である。
【0004】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、従来に比べて内燃機関の始動後早期に測定を開
始でき、高い耐熱衝撃性を発揮でき、より小型化するこ
とが可能である積層型ガスセンサ素子を提供することを
目的とする。また、このような積層型ガスセンサ素子を
安定して得ることができる積層型ガスセンサ素子の製造
方法を提供することを目的とする。更に、このような積
層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ素子を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型ガスセン
サ素子は、絶縁性セラミックスから形成された第1絶縁
性基部と、固体電解質からなる第1セル部用固体電解質
体及び該第1セル部用固体電解質体の表面に形成された
一対の電極である第1セル部用電極を備える第1セル部
と、絶縁性セラミックスから形成され、且つ、該第1セ
ル部用電極のうちの一方の電極と被測定雰囲気とが接す
るように配置された通気性を有する多孔質部を備える第
2絶縁性基部と、がこの順に積層されて備えられ、該第
1セル部用固体電解質体は、該第2絶縁性基部の1/2
倍以下の厚さであり、且つ、長手方向において該第2絶
縁性基部よりも小さいことを特徴とする。
【0006】また、本発明の積層型ガスセンサ素子は、
上記第1セル部用固体電解質体は、幅方向において上記
第2絶縁性基部よりも小さいものとすることができる。
更に、上記第1絶縁性基部は、発熱部及び該発熱部に連
接されたヒータリード部を備えるヒータを表面又は内部
に有し、該発熱部は該第1絶縁性基部の長手方向の一端
側に配置され、該発熱部の投影像は上記第1セル部用固
体電解質体の投影像と重なるものとすることができる。
また、上記第1絶縁性基部と上記第2絶縁性基部との間
に大気導入室又は検知室となる内室を備え、上記第1セ
ル部用電極のうちの他方は該内室内の雰囲気と接するよ
うに配置され、且つ、該第1セル部用固体電解質体は、
幅方向において該内室と同じ大きさか又は該内室よりも
小さいものとすることができる。更に、上記内室を隔て
て上記第1セル部用固体電解質体と対向する固体電解質
からなる第2セル部用固体電解質体と、一方の電極が該
内室内の雰囲気と接するように該第2セル部用固体電解
質体の表面に各々形成された一対の電極である第2セル
部用電極と、を有する第2セル部を備えるものとするこ
とができる。また、上記第2セル部用固体電解質体は、
長手方向及び幅方向において上記第1セル部用固体電解
質体よりも小さいものとすることができる。更に、焼成
されて上記第1絶縁性基部となる未焼成第1シート及び
焼成されて上記第2絶縁性基部となる未焼成第2シート
の各々の焼成収縮率は、焼成されて第1セル部用固体電
解質体となる未焼成第1セル部用固体電解質体の焼成収
縮率と同じか若しくは大きいものとすることができる。
【0007】本発明の積層型ガスセンサ素子の製造方法
は、上記第1絶縁性基部となる未焼成第1シートを備え
る第1積層体と、上記第2絶縁性基部となる未焼成第2
シート及び上記第1セル部用固体電解質体となる未焼成
第1セル部用固体電解質体を備える第2積層体と、を積
層した後、焼成する工程を備え、該未焼成第1シートの
焼成収縮率及び該未焼成第2シートの焼成収縮率を、該
未焼成第1セル部用固体電解質体の焼成収縮率と同じに
するか若しくは大きくすることを特徴とする。本発明の
ガスセンサは、本発明の積層型ガスセンサ素子を備える
ことを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】本発明の積層型ガスセンサ素子による
と、各固体電解質体を必要な温度にまで昇温させるため
の時間が短縮でき、より早期の始動が可能となる。ま
た、従来に比べてより小型の積層型ガスセンサ素子を容
易に得ることができる。更に、内部抵抗を低減させ消費
電力を少なくできる。また、内部抵抗の低減により印加
電圧が低くなり、固体電解質体を分解(ブラックニン
グ)させることなく広い範囲(例えば、A/F値におい
て)での測定が可能となる。更に、高い耐熱性(クラッ
ク及び割れ等を防止できる)を発揮できる。更に、第1
セル部用固体電解質体が幅方向において第2絶縁性基部
よりも小さいことにより、更に早期始動性に優れ、高い
耐熱性を発揮できる。また、必要な部分にのみ固体電解
質体を形成した場合には、電極リード部等における電流
のリークを危惧する必要がなく、固体電解質体の一部表
面に絶縁層等の絶縁手段を形成する必要がないため、製
造工程上簡便である。更に、第1絶縁性基部が所定の位
置にヒータを有することで特に早期始動性に優れる。ま
た、大気導入室又は検知室となる内室を備え、第1セル
部用固体電解質体が幅方向において内室と同じ大きさで
あるか又は小さいことにより、更に早期始動性に優れ、
高い耐熱性を発揮できる。
【0009】更に、第2セル部を備えることにより、測
定に2つ以上のセルを必要とする空燃比センサ素子や窒
素酸化物センサ素子等においても、同様に早期始動性に
優れ、高い耐熱性を発揮できる。また、第1セル部用固
体電解質体よりも第2セル部用固体電解質体が小さいこ
とにより、測定に2つ以上のセルを必要とするガスセン
サ素子において、更に早期始動性に優れ、高い耐熱性を
発揮できる。未焼成第1シート及び未焼成第2シートの
各々の焼成収縮率が未焼成第1セル部用固体電解質体の
焼成収縮率と同じか若しくは大きいことにより、特に高
い耐熱性及び機械的強度を発揮できるガスセンサ素子と
なる。
【0010】本発明のガスセンサ素子の製造方法による
と、従来に比べて早期に測定を開始でき、高い耐熱性及
び機械的強度を発揮でき、更には小型化されたガスセン
サ素子を安定して、確実に得ることができる。また、本
発明のガスセンサによると、小型であって、早期に測定
を開始でき、高い耐久性を発揮できる。
【0011】
【発明の実施の形態】[1]本発明の素子を構成する部
分 本発明の積層型ガスセンサ素子は、第1絶縁性基部と、
第1セル部と、第2絶縁性基部と、の少なくとも3つの
部分を備える。以下、これら部分、及び、その他、本発
明の積層型ガスセンサ素子が備えることができる部分に
ついて説明する。
【0012】(1)第1絶縁性基部 上記「第1絶縁性基部」は、後述する第2絶縁性基部と
共に積層型ガスセンサ素子(以下、単に「素子」ともい
う)全体を支える部分である。この第1絶縁性基部の形
状及び大きさ等は特に限定されない。また、その厚さも
特に限定されないが、例えば、0.1mm以上(好まし
くは0.2〜1.5mm、更に好ましくは0.5〜1.
0mm、通常2.0mm以下)とすることができる。但
し、ヒータを内部に有するためには、厚さは0.2mm
以上であることが好ましい。この厚さが0.1mm未満
であると素子強度の保障を十分に行うことが困難となる
場合がある。また、特に製造時に第1絶縁性基部となる
未焼成第1シート上に他部材を積層する工程を要する場
合には、この工程を行うことが困難となる場合がある。
また、第1絶縁性基部は単層体であっても複層体であっ
てもよい。
【0013】また、第1絶縁性基部は上記「絶縁性セラ
ミックス」から構成されて十分な絶縁性を発揮できる。
その絶縁性は特に限定はされないが、例えば、後述のよ
うに表面又は内部にヒータを備える場合には、このヒー
タと素子が備える電極(第1セル部用電極等)との間の
電気抵抗値が1MΩ(好ましくは10MΩ)以上となる
ことが好ましい。このような絶縁性を発揮させることが
できる絶縁性セラミックスとしては、アルミナ、ムライ
ト、スピネル、ステアタイト及び窒化アルミニウム等の
うちの1種又は2種以上を主成分とするものを挙げるこ
とができる。中でもアルミナは安価であり、成形も容易
である。このアルミナを用いる場合には十分な絶縁性及
び耐熱性(耐熱衝撃性等)を発揮させるために、第1絶
縁性基部全体に対してアルミナを70質量%以上(より
好ましくは80質量%以上、更に好ましく90質量%)
含有することが好ましい。
【0014】一方、残部として第1絶縁性基部に直接接
して積層される部位を構成する成分を1〜20質量%含
有させることができる。これにより第1絶縁性基部とこ
れに直接接して積層される部位との間の熱膨張差を緩和
できる。しかし、特に高い絶縁性を発揮させようとする
場合には、第1絶縁性基部全体に対してアルミナを90
質量%以上(より好ましくは95質量%以上、更に好ま
しくは99.99%以上)含有し、且つシリカ成分の含
有量を10000ppm以下(より好ましくは1000
ppm以下、更に好ましくは50ppm以下)含有する
か又はシリカ成分を含有しない(測定限界以下)ことが
好ましい。このような第1絶縁性基部では、後述するヒ
ータを第1絶縁性基部の内部及び/又は表面に備える場
合等に特に効果的に電流のリークを防止できる。
【0015】(2)第1セル部 上記「第1セル部」は、第1セル部用固体電解質体と一
対の電極である第1セル部用電極とを備え、所定のイオ
ン又は気体を一方の電極の側から他方の電極の側へ移動
させることができる部分である。この第1セル部は、例
えば、被測定ガスの濃度を電位差等として出力できる濃
淡電池部や、一対の電極へ電圧を印加することにより一
方の電極の側から他方の電極の側へ所定のイオン又は気
体等を移動させることができるポンプセル部等として機
能させることができる。この第1セル部は、第1セル部
用固体電解質体と一対の第1セル部用電極のみからなっ
ていてもよいが、その他にも例えば、第1セル部用固体
電解質体の内部抵抗を測定するための内部抵抗測定用電
極等の他の部分を備えることができる。尚、被測定ガス
は、被測定雰囲気を構成するガスであって、本発明の素
子による測定目的ガスであり、1種又は2種以上の成分
からなるものである。
【0016】(2−1)第1セル部用固体電解質体 上記「第1セル部用固体電解質体」は、イオン導電性を
有するものであれば特に限定されることなく用いること
ができる。この第1セル部用固体電解質体としては、例
えば、ジルコニア系焼結体(イットリア等の安定化剤を
含有できる)、LaGaO系焼結体等を挙げることが
できる。これらの中でも、酸素イオンを導電させる場合
には、酸素イオン導電性に特に優れたジルコニア系焼結
体(イットリア等を安定化剤として含有)を用いること
が好ましい。
【0017】更には、第1セル部用固体電解質体を構成
するジルコニア結晶は、キュービック相(以下、単に
「C相」という)及びテトラゴナル相(以下、単に「T
相」という)の2相を主体とするものであることが好ま
しい。特に、モノクリニック相(以下、単に「M相」と
いう)は、下記式を満たす程度に微量であるか又は測
定限界以下であることが好ましい。
【数1】
【0018】この第1セル部用固体電解質体は、第1絶
縁性基部及び/又は第2絶縁性基部に直接接して積層さ
れていてもよく、第1セル部用電極やその他の部材を介
して間接的に積層されていてもよい。但し、第1セル部
用固体電解質体が第1絶縁性基部及び/又は第2絶縁性
基部に直接接して積層される場合には、第1セル部用固
体電解質体全体の80質量%以下(より好ましくは50
質量%以下)の第1絶縁性基部及び/又は後述する第2
絶縁性基部を構成する成分を含有させることができる。
【0019】また、第1セル部用固体電解質体の形状及
び大きさは特に限定されないが、その厚さは、後述する
第2絶縁性基部の厚さの1/2倍以下(好ましくは1/
5倍以下、より好ましくは1/10倍以下、通常20μ
m以上)である。この厚さが、第2絶縁性基部が薄いた
めに1/2倍を超える場合は、素子強度の保障を十分に
行うことが困難となる場合がある。また、特に製造時に
第2絶縁性基部となる未焼成第2シート上に他部材を積
層する工程を要する場合には、この工程を行うことが困
難となる場合がある。一方、この厚さが、第1セル部用
固体電解質体が厚いために1/2倍を超える場合は、第
1セル部を構成する電極間の内部抵抗が過度に大きくな
り、短時間で固体電解質体を十分なイオン導電性が発揮
される程度にまで加熱し難く、早期始動が困難となる。
【0020】更に、厚さは前述のように第2絶縁性基部
の厚さに対しては1/2倍以下であれば、具体的な厚さ
は特に限定されないが、例えば、300μm以下(好ま
しくは200μm以下、更に好ましくは150μm以
下、特に好ましくは50μm以下、通常20μm以上)
とすることができる。但し、上記の第1セル部用固体電
解質体と第2絶縁性基部との厚さの相関は、第1セル部
用固体電解質体の最も厚い領域と第2絶縁性基部の最も
薄い領域とを比較した場合の相関である。
【0021】この第1セル部用固体電解質体を300μ
m以下と薄くした場合には素子を小型化でき、また熱伝
導率がアルミナ等に比べて小さいのが通常である固体電
解質体の体積を小さくでき、素子内の熱伝導性が向上
し、熱が第1セル部に伝わり易くなるため素子の更なる
早期始動が可能となる。更に、その温度の保持に要する
エネルギー量もより少なく抑えることが可能となる等、
種々の優れた効果を発揮させることができる。この第1
セル部用固体電解質体は300μmを超えて厚い場合で
あっても素子としての機能は失われないが上記の優れた
効果は得られ難くなる。一方、20μmより薄い場合に
は作製が困難となり、また、イオン導電性が十分に得ら
れ難くなる傾向にある。
【0022】(2−2)第1セル部用電極 上記「第1セル部用電極」は、第1セル部用固体電解質
体の表面に形成された電極である。この第1セル部用電
極のうちの一方のみは、後述する第2絶縁性基部の備え
る多孔質部を介して被測定雰囲気と接することができる
電極である。また、他方の電極は、大気雰囲気や一定圧
力の参照ガスと接し、被測定雰囲気とは接しない電極で
ある。また、第1セル部用電極は、各々第1セル部用固
体電解質体の一面と他面に形成されることで対向して配
置されていてもよく、また、第1セル部用固体電解質体
の一面側に両方の電極が相互に接触しないように配置さ
れていてもよい。また、第1セル部用電極の各々の形状
は特に限定されないが、例えば、幅広に形成された電極
部と、幅細に形成された電極リード部とから構成するこ
とができる。また、これらの電極の大きさも特に限定さ
れない。
【0023】これら第1セル部用電極を構成する材質は
特に限定されないが、例えば、白金、金、銀、パラジウ
ム、イリジウム、ルテニウム及びロジウムのうちの少な
くとも1種を主成分(通常、各電極全体の70質量%以
上)にすることができ、通常、白金を主成分とすること
が好ましい。また、第1セル部用固体電解質体を構成す
る主成分を含有していてもよい。更に、第1セル部用電
極の一方の電極と他方の電極とは異なる材質からなるも
のであっても、同じ材質からなるものであってもよい。
【0024】(3)第2絶縁性基部 上記「第2絶縁性基部」は、第1絶縁性基部と共に素子
全体を支える部分である。この第2絶縁性基部の形状及
び大きさ等は特に限定されない。また、この第2絶縁性
基部の厚さは上記の第1セル部用固体電解質層体の厚さ
との関係を満たせば特に限定されないが、例えば、0.
1mm以上(好ましくは0.2〜1.5mm、更に好ま
しくは0.5〜1.0mm、通常2.0mm以下)とす
ることができる。この第2絶縁性基部は単層体であって
も複層体であってもよい。但し、ヒータを内部に有する
ためには、厚さは0.2mm以上であることが好まし
い。この厚さが0.1mm未満であると素子強度の保障
を十分に行うことが困難となる場合がある。また、特に
製造時に第2絶縁性基部となる未焼成第2シート上に他
部材を積層する工程を要する場合には、この工程を行う
ことが困難となる場合がある。また、第2絶縁性基部は
単層体であっても複層体であってもよい。
【0025】この第2絶縁性基部は絶縁性セラミックス
から形成される(第2絶縁性基部を構成する多孔質部と
非多孔質部との両方がこの絶縁性セラミックスから形成
されている)。この絶縁性セラミックスとしては、第1
絶縁性基部と同様なものを用いることができるが、第1
絶縁性基部と第2絶縁性基部を形成する絶縁性セラミッ
クスは同一の組成であってもよく、異なる組成であって
もよい。また、第2絶縁性基部の多孔質部と非多孔質部
とを形成する絶縁性セラミックスは同一の組成であって
もよく、異なる組成であってもよい。
【0026】(3−1)多孔質部 上記「多孔質部」は、第2絶縁性基部の一部であって、
第1セル部を構成する第1セル部用電極のうちの一方と
素子外の被測定雰囲気とを接触させるための部分であ
る。この多孔質部は、電極を構成する金属がリン、鉛及
びケイ素等により被毒されることを防止する作用や、素
子外における被測定ガスの流速に関わらず電極に接触す
る時点での被測定ガスの流速を略一定にする律速作用等
を発揮することができる。この多孔質部はこれらの作用
を十分に発揮できるために、気孔率5%以上(より好ま
しくは20%以上、更に好ましくは40以上、通常80
%以下)であることが好ましい。気孔率が5%未満であ
ると、十分な気孔率の多孔質部を備える素子に比べると
応答性が十分に向上しない傾向にある。また、この多孔
質部の形状は特に限定されず、更に、大きさも特に限定
されないが、多孔質部の大きさが大きくなると、素子全
体の強度が低下する傾向にあるため、過度に大きく形成
する必要はない。
【0027】また、本発明の積層型ガスセンサ素子で
は、この多孔質部は、その側面の一部又は全部が第2絶
縁性基部を構成する非多孔質部により囲まれているもの
とすることができる。この多孔質部の側面の一部又は全
面を取り囲む枠部の幅は最狭部において少なくとも0.
2mm以上であることが好ましい。この枠部の最狭部に
おける幅が0.2mm未満となると、焼成時や使用時の
冷熱間サイクルや衝撃等に対する耐久性が十分に得られ
難くなる傾向にある。また、製造時における未焼成体の
取り扱いも難しくなる場合がある。
【0028】(4)素子を構成することができるその他
の部分 本発明の素子は、これまでに述べた第1絶縁性基部と第
1セル部と第2絶縁性基部以外にも、素子を構成する他
の部分を備えることができる。その他の部分としては、
例えば、固体電解質体を加熱するヒータ、検知室や大気
導入室等となる内室、内室内に被測定ガスを律速させて
導入するための律速導入部、第1セル部と同様にイオン
導電性を発揮できる他のセル部、各部分の層間の高さを
調節する層間調節層及び第2絶縁性基部の多孔質部と非
多孔質部との境界が細い導電層と接触することを防止す
る中間層等を挙げることができる。
【0029】(4−1)ヒータ 本発明の素子を稼働させるためには第1セル部の備える
第1セル部用固体電解質体(後述のように複数のセル部
を備える場合にはこれらのセル部が有する各固体電解質
体も同様)を所定の温度にまで加熱しないとイオン導電
性が十分に発揮され難い。このため、ヒータを備えない
素子を用いる場合、例えば、内燃機関の排気ガス中の成
分の測定を行う素子では、素子を高温になる排気管内に
設置することで素子は自然に所定の温度にまで加熱され
る場合もある。しかし、内燃機関の作動状態等に依存す
ることなく、常に正確な測定を行うためには第1セル部
用固体電解質体を加熱するヒータを備えることが好まし
い。
【0030】このヒータは、通常、発熱部とヒータリー
ド部とを備える。このうち発熱部は電力の供給により実
際に昇温する部位であり、ヒータリード部は外部回路か
らの電力を発熱部まで導く部位である。これらの形状は
特に限定されないが、例えば、発熱部はヒータリード部
と比較して幅細に形成することができる。また、素子内
におけるヒータの位置も特に限定されないが、例えば、
第1絶縁性基部の表面及び/又は内部や、第2絶縁性基
部の表面や内部等とすることができる。更に、発熱部及
びヒータリード部を構成する材質は特に限定されず、例
えば、貴金属、モリブデン及びレニウムの少なくとも1
種により構成することができる。また、発熱部とヒータ
リード部とは同じ材質からなっていてもよく、異なる材
質からなっていてもよい。
【0031】(4−2)内室 本発明の素子をラムダセンサ等の酸素センサとして使用
する場合等には、検知室は必要とせず、また、参照ガス
を導入する必要も特にないので参照ガス導入室も必要と
しない。しかし、本発明の素子を空燃比センサや窒素酸
化物ガスセンサ等として使用する場合には検知室及び/
又は参照ガス導入室となる内室を1つ又は2つ以上必要
とする場合がある。この内室の形状及び大きさは特に限
定されないが、積層方向の高さは1.0mm以下(より
好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.1mm
以下、通常0.02mm以上)であることが好ましい。
【0032】また、素子内においてこの内室を備える位
置は特に限定されないが、例えば、図3〜5、図20及
び図21のように、第1絶縁性基部と第1セル部との間
に内室を備え、この内室を参照ガス導入室又は検知室と
して機能させることができる。更に、例えば、図6〜1
9、図22及び図23のように、後述する第1セル部に
加えて第2セル部を備える2セル型の素子では、第1セ
ル部と第2セル部との間に内室を備え、この内室を検知
室として機能させることができる。
【0033】この内室は全方向に閉じたものであっても
よく、また、少なくとも一方向で素子外に開放されたも
のであってもよい。このうち全方向に閉じた形状の内室
は参照ガス室として機能させることができる。即ち、第
1セル部の一方の電極がこの全方向に閉じた内室内に面
し、他方の電極が例えば酸素を含有する被測定雰囲気に
面し、第1セル部用固体電解質体をポンプセルとして機
能させることで、内室内に酸素を充填することができ
る。これにより、内室内の雰囲気を参照ガスとして利用
することができる。
【0034】(4−3)律速導入部 上記のように内室を備える場合であって、例えば、上記
のように内室が少なくとも一方向で素子外に開放される
ことにより、内室内に被測定ガスを律速させて導入する
必要がある場合には、律速導入部を備えることができ
る。この律速導入部は、どのように形成されていてもよ
く、例えば、被測定ガスを律速させて導入できる程度の
通気性を有する律速導入用多孔質部(図6等における1
51及び152)や、被測定ガスを律速させて導入でき
る程度に小さな貫通孔(図15及び図16における15
7)等により形成することができる。この様な律速導入
用多孔質部としては、気孔率が5〜40%(より好まし
くは5〜30%、更に好ましくは10〜20%)である
ものが挙げられる。一方、被測定雰囲気を構成する被測
定ガスを律速させて導入できる程度に小さな貫通孔とし
ては、素子外表面における開口面積が0.5mm以下
の貫通孔を挙げることができる。
【0035】(4−4)他のセル部 また、本発明の素子はイオン導電部として第1セル部の
みを備えるもの(図1〜5、図22及び図23)とする
ことができるが、その他にもイオン導電性を発揮できる
セル部を備えることができる。例えば、第1セル部以外
に他のセル部を1つ(以下、「第2セル部」という)の
み備える素子としては図6〜19、図22及び図23に
示すような素子を挙げることができる。また、第1セル
部以外に他のセル部を2つ(以下、一方を「第2セル
部」、他方を「第3セル部」という)を備える素子を挙
げることができる。
【0036】このうち第2セル部は、前述の第1セル部
と同様に、第2セル部用固体電解質体と一対の第2セル
部用電極とを備える。また、第3セル部は、第3セル部
用固体電解質体と一対の第3セル部用電極とを備える。
これら第2セル部用固体電解質体及び第3セル部用固体
電解質体に関しては、第1セル部用固体電解質体と同様
であるが、これらを構成する固体電解質体の大きさ、形
状、厚さ及び組成等は各々異なっていても同じであって
もよい。また、第2セル部用電極及び第3セル部用電極
についても、第1セル部用電極と同様であるが、これら
を構成する電極の大きさ、形状、厚さ及び組成等は各々
異なっていても同じであってもよい。
【0037】(4−5)層間調節層 また、本発明の素子は、素子の備える各部分間の層間の
高さ等を調節する目的で層間調節層を備えることができ
る。この層間調節層の大きさ、形状、厚さ及び組成等は
特に限定されない。この層間調節層としては、例えば、
図21及び図23に示すように、第1セル部12と第2
セル部13との間に形成された内室15と他部の高さを
あわせるために層間調節層153及び154を備えるこ
とができる。
【0038】(4−6)中間層 更に、本発明の素子は、第2絶縁性基部の多孔質部と非
多孔質部との境界が、第2絶縁性基部の層下に配置され
るセル部の備える電極と直接接することを防止するため
に、中間層(例えば、図21及び図23における17)
を備えることができる。電極は幅広に形成された電極部
と幅細に形成された電極リード部とから形成することが
できる。しかし、特にこのような幅細の電極リード部が
第2絶縁性基部の多孔質部と非多孔質部との境界と接す
ると、製造過程における積層時や焼成時において細線化
されたり、切断されることが危惧される。このため、第
2絶縁性基部の多孔質部と非多孔質部との境界部分に生
じ易い段差をできる限り平坦化して取り除くために、こ
の境界と電極との間に薄い層(但し、第2絶縁性基部の
通気性を阻害しない)を形成することができる。
【0039】[2]素子を構成する各部分の相関 これまでに述べたように、本発明の素子は、上述の各部
分を備えることができるが、以下では、これらの各部分
の素子内での大きさ、配置、及び、これら大きさと配置
とが反映される各部分の投影像の位置関係により、素子
を構成する各部分の相関を説明する。
【0040】(1)第1セル部用固体電解質体と第2絶
縁性基部との相関 本発明の素子は、前述のように第1セル部用固体電解質
体が第2絶縁性基部よりも厚さが薄いことに加えて、素
子の長手方向において第1セル部用固体電解質体の方が
第2絶縁性基部よりも短いものである。このような態様
であることにより、第1セル部は早期に安定して所定の
温度にまで加熱され、少ないエネルギー量でこの温度が
保持できる。この素子の長手方向における第1セル部用
固体電解質体の長さは、第2絶縁性基部の1/2倍以下
(より好ましくは1/4倍以下、更に好ましくは1/8
倍以下、通常1/20倍以上)であることが好ましい。
【0041】また、素子の幅方向においては、第1セル
部用固体電解質体と第2絶縁性基部との相関は特に限定
されず、例えば、第1セル部用固体電解質体の方が第2
絶縁性基部よりも小さくても(図2、図4〜図9、図1
1〜図13、図17及び図18)、第1セル部用固体電
解質体と第2絶縁性基部とが同じ大きさ(図1、図3、
図10、図14、図15、図16及び図19)であって
もよい。しかし、第1セル部用固体電解質体と第2絶縁
性基部とが同じ大きさである場合に比べて、長手方向に
おけると同様に第1セル部を早期に安定して所定の温度
に加熱し、少ないエネルギー量で所定の温度を保持でき
るため、第1セル部用固体電解質体の方が第2絶縁性基
部よりも短いことが好ましい。この素子の幅方向におけ
る第1セル部用固体電解質体の幅は、第2絶縁性基部の
3/4倍以下(より好ましくは2/3倍以下、更に好ま
しくは1/2倍以下、通常1/5倍以上)であることが
好ましい。
【0042】更に、素子の長手方向における第1セル部
用固体電解質体と第2絶縁性基部の多孔質部との相関は
特に限定されない。従って、第1セル部用固体電解質体
の方が多孔質部よりも小さくてもよく、大きくてもよ
く、第1セル部用固体電解質体と多孔質部とが同じ大き
さであってもよい。しかし、同じ大きさであるか又は第
1セル部用固体電解質体の方が多孔質部よりも小さいこ
とが好ましく、更には、第1セル部用固体電解質体の方
が多孔質部よりも小さいことがより好ましい。
【0043】同様に、素子の幅方向においても、第1セ
ル部用固体電解質体と多孔質部との相関は特に限定され
ず、例えば、第1セル部用固体電解質体の方が多孔質部
よりも小さくても(図2、図4〜図9及び図13)、大
きくても(図1、図10、図11、図14、図15、図
16及び図19)、第1セル部用固体電解質体と多孔質
部とが同じ大きさ(図12)であってもよい。しかし、
同じ大きさであるか又は第1セル部用固体電解質体の方
が多孔質部よりも小さいことが好ましく、更には、第1
セル部用固体電解質体の方が多孔質部よりも小さいこと
がより好ましい。これらの第1セル部用固体電解質体と
多孔質部との相関が好ましい理由は、前述の通りであ
る。
【0044】更に、第1セル部用固体電解質体の投影像
の外周線は、多孔質部の投影像の外周線と少なくとも一
部で重ならないことが好ましく、全周で重ならないこと
がより好ましい。これは、素子を構成する各部分の外周
線は他部に比べてクラックや割れの起点となる確率が高
い部分であるため、各部分の外周線は相互に接触しない
ように位置していることが好ましいからである。即ち、
このような態様であることにより、クラックや割れの起
点となる可能性のある部位を素子内で分散させることと
なり、素子のクラックや割れが効果的に防止できる。従
って、前述のように早期に安定して所定の温度にまで加
熱され、少ないエネルギー量でこの温度が保持できるこ
とに加えて、クラックや割れを防止できるため、第1セ
ル部用固体電解質体は多孔質部よりも小さく、且つ、第
1セル部用固体電解質体の投影像の外周線は多孔質部の
投影像の外周線の内側に位置することが好ましい。
【0045】(2)第1セル部用固体電解質体とヒータ
との相関 本発明の素子では、素子の長手方向において第1セル部
用固体電解質体をどの位置に備えていてもよいが、例え
ば、長板状の素子では素子の長手方向の一端側に配置さ
れたものとすることができる。このような素子におい
て、第1絶縁性基部の表面又は内部にヒータを備える場
合、ヒータの発熱部の投影像は第1セル部用固体電解質
体の投影像と少なくとも一部で重なるように配置されて
いることが好ましく、発熱部の投影像の外周縁の内側に
第1セル部用固体電解質体の投影像が位置するように配
置されていることがより好ましい。同様に、第1セル部
用固体電解質体が素子の一端側に配置された素子におい
て、第2絶縁性基部がその表面又は内部にヒータを備え
る場合には、このヒータの発熱部の投影像も第1セル部
用固体電解質体の投影像と少なくとも一部で重なること
が好ましく、発熱部の投影像の外周縁の内側に第1セル
部用固体電解質体の投影像が位置することがより好まし
い。このような態様であることにより、素子は加熱を要
するイオン導電部を効率よく(時間も消費電力も)加熱
及び保温することができる。
【0046】(3)第1セル部用固体電解質体と内室と
の相関 本発明の素子が前述のように内室を備える場合に、第1
セル部用固体電解質体と内室との相関は特に限定され
ず、第1セル部用固体電解質体の方が内室よりも小さく
てもよく(図4、図6〜図9、図13、図17及び図1
8)、大きくてもよく(図3、図5、図10、図11、
図14〜図16及び図19)、第1セル部用固体電解質
体と内室とが同じ大きさ(図12)であってもよい。し
かし、前述のようにより早期に安定して所定の温度にま
で加熱され、より少ないエネルギー量でこの温度が保持
できるためには、第1セル部用固体電解質体と内室とは
同じ大きさであるか、又は第1セル部用固体電解質体の
方が内室よりも小さいことが好ましく、更には、第1セ
ル部用固体電解質体の方が内室よりも小さいことがより
好ましい。
【0047】また、第1セル部用固体電解質体の投影像
の外周線と第1セル部用固体電解質体と面する内室の投
影像の外周線とは少なくとも一部で重ならないことが好
ましく、全周で重ならないことがより好ましい。この理
由は第1セル部用固体電解質体と多孔質部との相関にお
けると同様であり、クラックや割れの起点となる可能性
のある部位が素子内で分散されるためである。これによ
り、第1セル部用固体電解質体は内室である空間とこの
空間を形作る層間調節層等の緻密層とを跨がない構造と
なり、素子は製造段階における焼成時や、使用段階にお
ける冷熱間サイクル時にクラックや割れを生じ難いとい
う高い耐熱性を発揮できることとなる。この相関は、素
子内にイオン導電部を第1セル部しか有さない素子(即
ち例えば、図3に示すような断面構造を有する素子)だ
けでなく、素子内に2つのイオン導電部を有し且つこれ
らイオン導電部が内室を介して対向する構造を有する素
子(即ち例えば、図6に示すような断面構造を有する素
子)においても同様である。
【0048】従って、早期に安定して所定の温度にまで
加熱され、少ないエネルギー量でこの温度が保持できる
ことに加えて、クラックや割れを防止できるため、第1
セル部用固体電解質体は内室よりも小さく、且つ、第1
セル部用固体電解質体の投影像の外周線は内室の投影像
の外周線の内側に位置することが好ましい。尚、図22
では第2セル部固体電解質体131は、内室15と層間
調節層154とを跨いで形成されている。これは第1セ
ル部用固体電解質体121に比べて第2セル部用固体電
解質体131は、その積層方向(内室15及び層間調節
層154に面する)の表面積が小さい。このため、内室
15と層間調節層154とを跨いで形成されていても、
上記のような第1セル部用固体電解質体と内室との場合
におけるような問題は生じないものとすることができ
る。
【0049】(4)第1セル部用固体電解質体と第2セ
ル部用固体電解質体との相関 また、本発明の素子では第1セル部と第2セル部との2
つのイオン導電部を備えることができる。このような素
子では、第1セル部用固体電解質体と第2セル部用固体
電解質体との大きさの相関は特に限定されず、第1セル
部用固体電解質体の方が第2セル部用固体電解質体より
も大きくてもよく(図7〜図9)、小さくてもよく(図
6、図10〜図12及び図15〜図18)、第1セル部
用固体電解質体と第2セル部用固体電解質体とが同じ大
きさであってもよい(図13、図14及び図19)。
【0050】しかし、素子の長手方向及び幅方向の少な
くとも一方の方向において第1セル部用固体電解質体よ
りも第2セル部用固体電解質体の方が小さいことが好ま
しい。更には、素子の長手方向及び幅方向の両方の方向
において第1セル部用固体電解質体よりも第2セル部用
固体電解質体の方が小さいことがより好ましい。また、
特に第2セル部用固体電解質体の投影像の外周線が第1
セル部用固体電解質体の投影像の外周線の内側に位置す
ることが特に好ましい。このような態様であることによ
り、素子は早期始動性に優れるものとなる。
【0051】(5)内室と多孔質部との相関 更に、本発明の素子では、第1絶縁性基部と第2絶縁性
基部とを他の各部分に比べて相対的に厚く形成すること
ができる。このような場合であって、本発明の素子が内
室を備える場合には、第2絶縁性基部の多孔質部と非多
孔質部との境界面のうち第2絶縁性基部の第1絶縁性基
部に対向する側の表面に現れる境界線の投影像と、内室
のうち第2絶縁性基部側に位置する内室の外周線の投影
像とは少なくとも一部で重ならないことが好ましく、そ
の全周で重ならないことがより好ましい。これにより、
前述の第1セル部用固体電解質体と多孔質部との相関に
おけると同様にクラックや割れの起点となる確率が高い
外周線が相互に接触しないように配置され、素子のクラ
ックや割れが効果的に防止される。また、このような態
様であることに加えて、内室が素子の長手方向及び幅方
向の各々の方向で多孔質部よりも小さいことが好まし
い。このような態様であることにより、素子の機械的強
度を向上させることができる。
【0052】(6)第1セル部用電極と多孔質部との相
関 本発明の素子では、第1セル部を構成する一対の電極の
うちのいずれか一方のみが多孔質部を介して被測定雰囲
気と接するように配置されている。即ち、一対の電極の
うちの一方の電極の外周線の投影像が多孔質部の外周線
の投影像と少なくとも一部で重なることを意味する。こ
の重なりは第1セル部用電極の30%以上(より好まし
くは60%以上、更に好ましくは全面)であることが好
ましい。
【0053】(7)第1セル部用電極と第2セル部用電
極との相関 本発明の素子において、内室を隔てて第1セル部と対向
する第2セル部を備えることができる。このような素子
においては、第1セル部用電極のうちの内室に面する電
極の実電極領域と、第2セル部用電極のうちの内室に面
する電極の実電極領域とは、少なくとも一部で対向(4
0%以上、更に好ましくは60%以上)していることが
好ましく、特に第1セル部用電極のうちの内室に面する
電極の投影像は、第2セル部用電極のうちの内室に面す
る電極の投影像内にすべて含まれるように配置されてい
ることが好ましい。このような態様の素子は応答性に優
れ、測定雰囲気の変化が激しい場合であっても応答遅れ
を生じ難いものとなる。
【0054】尚、上記でいう実電極領域とは、電極のう
ち各セル部内において実際にイオンを導電させる機能に
関与する領域である。即ち、第1セル部用電極の内室に
面する電極においては、一面側で固体電解質体と接し、
他面側で内室に面している領域である。一方、第2セル
部用電極の内室に面する電極においても、一面側で固体
電解質体と接し、他面側で内室に面している領域であ
る。例えば、図19における第1セル部用電極123と
第2セル部用電極132とにはそれぞれ、実電極領域と
非実電極領域がある。
【0055】[3]本発明の素子の具体的な構成 本発明の素子は、上記[1]において説明した各部分を
備え、更にこれらの各部分は上記[2]において説明し
たような相関を有することができる。このような素子の
具体的な構成は特に限定されないが、例えば、以下のよ
うな、イオン導電部を1つ備える素子、イオン導電部を
2つ備える素子、及び、イオン導電部を3つ備える素子
等を挙げることができる。
【0056】(1)イオン導電部を1つのみ備える素子 例えば、第1絶縁性基部、1つの内室、第1セル部及び
第2絶縁性基部の各々をこの順に積層して備えるイオン
導電部を1つのみ備える素子である。この素子は、更に
例えば、第1セル部を構成する第1セル部用固体電解質
体として酸素イオン導電性を有するものを用いてこの第
1セル部を酸素濃淡電池として機能させ、内室を参照ガ
ス導入室として用いることで、酸素センサや空燃比セン
サ等として用いることができる。尚、この素子でいう参
照ガス導入室は、測定に際して基準となるガスを導入す
るための室である。この基準となるガスとしては、大気
や一定濃度に保たれた各種の気体等を用いることができ
る。
【0057】このような素子としては、図3(幅方向断
面図)、図20(長手方向断面図)及び図21(分解斜
視図)に示すような具体的構成とすることができる。
尚、図20は図3のA−A’における模式的な断面図で
あり、図3は図20のB−B’における模式的な断面図
である。即ち、第1絶縁性基部11は、第1絶縁性基部
下部111と第1絶縁性基部上部112との間に発熱部
114及びヒータリード部115を備え、スルーホール
116を介してヒータ取出パッド117から外部と導通
されるヒータ113を備えるものとすることができる。
また、第1内室15は層間調節層153により形成する
ことができる。更に、第1セル部12は、第1セル部用
固体電解質体121と、この第1セル部用固体電解質体
の表面に形成された一対の第1セル部用電極122及び
123と、層間調節層124とを備えるものとすること
ができる。
【0058】これらの第1セル部用電極のうちの一方の
電極123は、層間調節層124の端部に形成されたス
ルーホール125を介し、更に後述する中間層非多孔質
部172に形成されたスルーホール174を介し、後述
する第2絶縁性基部非多孔質部162の端部に形成され
たスルーホール163を介して電極取出パッド165に
接続して、外部回路へと導出することができる。一方、
電極122は、後述する中間層非多孔質部172の端部
に形成されたスルーホール173を介し、後述する第2
絶縁性基部非多孔質部162の端部に形成されたスルー
ホール163を介して電極取出パッド164に接続し
て、外部回路へと導出することができる。
【0059】また、多孔質材から形成された中間層多孔
質部171及び非多孔質材から形成された中間層非多孔
部172を有する中間層を備えることができる。更に、
多孔質材から形成された第2絶縁性基部多孔質部161
及び非多孔質材から形成された第2絶縁性基部非多孔部
162を有する第2絶縁性基部を備えることができる。
この第2絶縁性基部多孔質部161と第2絶縁性基部非
多孔質部162との境界167は、この中間層多孔質部
171と中間層非多孔質部172との境界176と接し
ないことが好ましい。
【0060】(2)イオン導電部を2つ備える素子 また、例えば、第1絶縁性基部、第2セル部、1つの内
室、第1セル部及び第2絶縁性基部の各々をこの順に積
層して備えるイオン導電部を2つ備える素子である。こ
の素子は、更に例えば、第1セル部及び第2セル部の各
々を構成する固体電解質体として酸素イオン導電性を有
するものを用い、第2セル部を酸素濃淡電池として機能
させ、第1セル部を酸素ポンプとして機能させ、内室を
検知室として用いることで、空燃比センサ等として用い
ることができる。尚、この素子でいう検知室は、被測定
雰囲気中に含有される酸素を第1セル部の酸素ポンプ作
用により導入及び導出でき、また、第2セル部の濃淡電
池作用により、室内の酸素濃度を測定することができる
室である。このような素子としては、図6(幅方向断面
図)、図22(長手方向断面図)及び図23(分解斜視
図)に示すような具体的な構成とすることができる。
尚、図22は図6のA−A’における模式的な断面図で
あり、図6は図22のB−B’における模式的な断面図
である。また、この素子については、後述する実施例で
詳細に説明する。
【0061】(3)イオン導電部を3つ備える素子 更に、例えば、第1絶縁性基部、第3セル部、第2内室
及び第3内室、第2セル部、第1内室、第1セル部及び
第2絶縁性基部の各々をこの順に積層して備えるイオン
導電部を3つ備える素子である。この素子は、第1セル
部、第2セル部及び第3セル部の各々を構成する固体電
解質体として酸素イオン導電性を有するものを用い、第
1セル部及び第3セル部を酸素ポンプセルとして機能さ
せ、第2セル部を酸素濃淡電池として機能させ、第1内
室を検知室として用い、第2内室を第1内室に連通する
一酸化窒素分解室とし、第3内室を参照ガス室として用
いることで、窒素酸化物センサ素子として用いることが
できる。
【0062】[4]本発明の素子の製造方法 以下では、本発明の素子の製造方法について説明する。
本発明の素子を得る方法は特に限定されず、例えば、第
1絶縁性基部となる未焼成第1シート又は第2絶縁性基
部となる未焼成第2シートの一面側に、焼成されて各部
となる未焼成部分(未焼成第1セル部や、未焼成第2シ
ート又は未焼成第1シート等)を順次積層し、得られる
未焼成素子を焼成して得ることができる。
【0063】また、本発明の製造方法のように第1積層
体と第2積層体とに分けて積層する工程を経る製造方法
により得ることもでき、この製造方法においては更に第
1絶縁性シート及び第2絶縁性シートを除く他の部分と
なる未焼成部分は、第1積層体及び第2積層体のいずれ
の積層体中に形成されていてもよい。以下で説明する第
1積層体と第2積層体とに分けて積層する工程を備え、
且つ、第2積層体側に未焼成第1セル部を形成する工程
を備える製造方法は、特にイオン導電部を2つ以上備え
る素子の製造に適している。
【0064】上記「未焼成第1シート」は、焼成されて
第1絶縁性基部となるものである。この未焼成第1シー
トを構成し、焼成されて絶縁性セラミックスとなる未焼
成絶縁性セラミックスは、焼成されて十分な絶縁性を発
揮できるものであれば特に限定されない。その形成方法
も特に限定されないが、例えば、セラミック原料粉末
(例えば、アルミナ、ムライト、スピネル、ステアタイ
ト及び窒化アルミニウム等のうちの1種又は2種以上か
らなる粉末又はこれらを主成分とする粉末)、バインダ
及び可塑剤等から調合されたペーストをドクターブレー
ド法等により、シート状に成形した後、乾燥させて、得
られるグリーンシートを所望の大きさに切り出すことに
より得られる素シートとして、又は、この素シートを複
数枚積層したものとして得ることができる。
【0065】上記「第1積層体」は、未焼成第1シート
のみからなるか、又は、未焼成第1シートとその他の未
焼成部分を備えるものである。その他の未焼成部分と
は、焼成されて第2絶縁性基部となる未焼成第2シート
及び第1セル部となる未焼成第1セル部を除く他の部分
である。その他の未焼成部分としては、例えば、焼成さ
れて層間調節層となる未焼成層間調節層や、複数のイオ
ン導電部を備えることとなる未焼成素子を形成する場合
には、焼成されて第2セル部や第3セル部となる未焼成
イオン導電部等を挙げることができる。
【0066】上記「未焼成第2シート」は、焼成されて
第2絶縁性基部となるものである。この未焼成第2シー
トを構成し、焼成されて非多孔質部となる未焼成非多孔
質部を構成する絶縁性セラミックスは、上記で述べた未
焼成第1シートにおける未焼成絶縁性セラミック部と同
様なものとすることができる。一方、焼成されて多孔質
部となる未焼成多孔質部を構成する絶縁性セラミックス
は、焼成されて十分な通気性を発揮できるものであれば
特に限定されず、その形成方法も特に限定されない。例
えば、セラミック原料粉末(例えば、アルミナ、ムライ
ト、スピネル、ステアタイト及び窒化アルミニウム等の
うちの1種又は2種以上からなる粉末又はこれらを主成
分とする粉末)、多孔質化粉末(例えば、カーボン粉
末、テオブロミン等のキサンチン誘導体等からなる粉末
又はこれらを主成分とする粉末)、バインダ及び可塑剤
等から調合されたペーストをドクターブレード法等によ
り、シート状に成形した後、乾燥させて、得られるグリ
ーンシートを所望の大きさに切り出すことにより得られ
る素シートとして、又は、この素シートを複数枚積層し
たものとして得ることができる。
【0067】上記「未焼成第1セル部用固体電解質体」
は、焼成されて第1セル部の第1セル部用固体電解質体
となる部分である。この未焼成第1セル部用固体電解質
体は、前述のように焼成されてイオン導電性を発揮でき
るものであれば特に限定されないが、酸素イオンを導電
させるためにジルコニア系焼結体を第1セル部用固体電
解質体として用いる場合には、セラミック原料粉末とし
て、ジルコニア粉末及びイットリア粉末等が配合された
ものを用いることができる。
【0068】この未焼成第1セル部用固体電解質体の形
成方法は特に限定されないが、例えば、セラミック原料
粉末(例えば、ジルコニア粉末及びイットリア粉末等か
らなる粉末又はこれらを主成分とする粉末)、バインダ
及び可塑剤等から調合されたペーストをドクターブレー
ド法により成形した後、乾燥させて得られるグリーンシ
ートを所定の大きさに切り出して得ることができる。ま
た、同様なペーストをスクリーン印刷法により成形した
後、乾燥させて得ることができる。
【0069】また、第1セル部用固体電解質体と共に第
1セル部を構成することとなる、一対の第1セル部用電
極は、未焼成第1セル部用電極として形成することがで
きる。この未焼成第1セル部用電極は、焼成されて導電
性を発揮できるものであれば特に限定されない。その形
成方法も特に限定されないが、例えば、白金、金、銀、
パラジウム、イリジウム、ルテニウム及びロジウムのう
ちの少なくとも1種の金属を含有する原料粉末、バイン
ダ及び可塑剤等から調合されたペーストをスクリーン印
刷法等により、未焼成第1セル部用固体電解質体の表面
に、所望の形状に薄く塗布した後、乾燥させて得ること
ができる。また、この未焼成第1セル部用電極を、未焼
成第1セル部用固体電解質体の表面に上記の形成方法等
により形成することで未焼成第1セル部を得ることがで
きる。
【0070】上記「第2積層体」は、未焼成第2シート
及び未焼成第1セル部のみからなるか、又は、未焼成第
2シート及び未焼成第1セル部とその他の未焼成部分を
備えるものである。このその他の未焼成部分とは、焼成
されて第1絶縁性基部となる未焼成第1シートを除く他
の部分の未焼成体であれば特に限定されないが、例え
ば、焼成されて層間調節層となる未焼成層間調節層や、
複数のイオン導電部を備えることとなる未焼成素子を形
成する場合には、焼成されて第2セル部や第3セル部と
なる未焼成イオン導電部等を挙げることができる。
【0071】また、検知室や参照ガス導入室等となる内
室の形成方法は特に限定されないが、例えば、内室とな
る積層面にスペーサを介して第1積層体と第2積層体と
を接合することで、焼成後に内室を得ることができる。
また、焼成により焼失するペーストを充填したり、この
ようなペーストから得られる未焼成シートを積層するこ
とにより、焼成後に内室を得ることができる。
【0072】更に、本発明の素子では第1絶縁性基部又
は第2絶縁性基部の表面にヒータを備えることができる
が、このような第1絶縁性基部及び第2絶縁性基部は、
例えば、1枚の素シート又は複数枚の素シートが積層さ
れた複層素シートの表面に焼成されてヒータとなる未焼
成ヒータを形成することにより得ることができる。ま
た、本発明の素子では第1絶縁性基部又は第2絶縁性基
部の内部にヒータを備えることができるが、このような
第1絶縁性基部及び第2絶縁性基部は、例えば、焼成後
にヒータとなる未焼成ヒータを素シート又は複層素シー
トの一面に形成し、次いで、この未焼成ヒータを覆うよ
うに、更に別の素シート又は別の複層素シートを積層圧
着し、乾燥させることにより得ることができる。
【0073】この未焼成ヒータは、焼成後に通電により
発熱する導電層であればよく、その形成方法は特に限定
はされないが、例えば、貴金属、モリブデン及びレニウ
ムの少なくとも1種の金属を含有する原料粉末、バイン
ダ及び可塑剤等から調合されたペーストをスクリーン印
刷法等により所望の形状に成形した後、乾燥させること
で得ることができる。
【0074】[5]本発明の素子及び製造方法における
各未焼成体の焼成収縮 未焼成第1シート(第1絶縁性基部となる)、未焼成第
2シート(第2絶縁性基部となる)、未焼成第1セル部
用固体電解質体(第1セル部用固体電解質体となる)及
び未焼成第2セル部用固体電解質体(第2セル部用固体
電解質体となる)の各々の焼成収縮率は特に限定され
ず、また、これらの焼成収縮率の相関も特に限定されな
い。従って、未焼成第1シートの焼成収縮率と未焼成第
2シートの焼成収縮率とは同じであっても、異なってい
てもよい。同様に、未焼成第1セル部用固体電解質体の
焼成収縮率と未焼成第2セル部用固体電解質体の焼成収
縮率とは同じであっても、異なっていてもよい。
【0075】しかし、未焼成第1シート及び未焼成第2
シートの両方の焼成収縮率が、未焼成イオン導電部用固
体電解質体の焼成収縮率よりも大きく(より好ましくは
0.3〜6%大きく、更に好ましくは0.3〜3%大き
く、特に好ましくは0.5〜1.5%大きく)すること
が好ましい。但し、複数の未焼成イオン導電部用固体電
解質体を備える場合には少なくとも最も大きい未焼成イ
オン導電部用固体電解質体の焼成収縮率よりも大きいこ
とが好ましい。このような焼成収縮率の相関とすること
により、各絶縁性基部による残留応力を適度に固体電解
質体に付加した状態を焼成後に保つことができ、クラッ
ク及び割れの防止に極めて効果的である。
【0076】尚、上記にいう焼成収縮率(%)とは、未
焼成体の所定位置の長さをLとし、温度1300〜1
600℃において焼成して得られた焼成体の同じ位置の
長さをLとした場合に、下記式から算出される割合
X(%)をいうものとする。 X(%)={(L−L2)/L)}×100 ・・・ また、上記にいう一方の焼成収縮率が他方の焼成収縮率
よりもX%大きいとは、未焼成第1シート及び未焼成
第2シートのうちの小さい方の焼成収縮率をX %と
し、未焼成イオン導電部用固体電解質体の焼成収縮率
(複数の未焼成イオン導電部用固体電解質体を備える場
合には最も大きい焼成収縮率)をX%とした場合に、
=X−Xであることをいうものとする。
【0077】更に、未焼成第2シートにおける、未焼成
多孔質部と未焼成非多孔質部との焼成収縮率は、特に限
定されず、同じであってもよく、異なっていてもよい
が、未焼成多孔質部の焼成収縮率は、未焼成非多孔質部
の焼成収縮率よりも小さく(より好ましくは0.3〜
1.5%小さく、更に好ましくは0.3〜1.1%小さ
く、特に好ましくは0.3〜0.7%小さく)すること
が好ましい。未焼成多孔質部の焼成収縮率が未焼成非多
孔質部の焼成収縮率よりも小さいことにより、焼成時に
未焼成非多孔質部の方が未焼成多孔質部よりも大きく収
縮するため、多孔質部と非多孔質部とがより強固に接合
され、得られる素子全体の熱的強度及び機械的強度を他
の場合に比べて向上させることができる。尚、上記にい
う焼成収縮率(%)とは、上記式から算出される割合
X(%)をいうものとする。また、上記にいう一方の焼
成収縮率が他方の焼成収縮率よりもX%小さいとは、
未焼成多孔質部の焼成収縮率をX%とし、未焼成非多
孔質部の焼成収縮率をX%とした場合に、X=X
−Xであることをいうものとする。
【0078】[6]ガスセンサ 本発明のガスセンサは、本発明の素子を備える。本発明
のガスセンサは、これら以外についての構成は特に限定
されないが、例えば、以下のようなものとすることがで
きる。即ち、素子1は、ホルダ211、タルク粉末等か
らなる緩衝材212及びスリーブ213(素子1とスリ
ーブ213との間に、素子1と後述するリード線26と
を電気的に接続するリードフレーム25を介する)等の
熱による膨張収縮を緩和できる治具類に固定され、更
に、これら全体が主体金具22に固定された構造とする
ことができる。また、主体金具22の一端側には被測定
ガスを導入できる複数の孔を有し、且つ素子1の検知部
(図24においては発熱部、濃淡電池用固体電解質体及
びポンプセル用固体電解質体等を備える一端側部)近傍
を覆ってガスセンサ2の一端側を保護するプロテクタ2
3を配設し、主体金具22の他端側にはガスセンサ2の
他端側を保護する外筒24を配設することができる。更
に、外筒24の一端側からは、素子1を外部回路へと接
続するためのリード線26を分岐挿通する貫通孔が設け
られたセパレータ27及びガスセンサ2内への水等の侵
入を防止するグロメット28を備えることができる。
【0079】このようなガスセンサ2を用いて内燃機関
から排出される排気ガスを測定しようとする場合には、
例えば、主体金具22の側面に螺子形状などの取付部2
21を設けることにより排気ガスの流通する排気管に素
子1の検知部が突出するように取り付け、素子1の検知
部を被測定ガスに曝して測定を行うことができる。
【0080】
【実施例】以下、本発明の素子のうち2つのイオン導電
部を有する素子について、図6、図22及び図23を用
いて更に詳しく説明する。尚、以下では解かり易さのた
めに各部の符号を焼成前後で同じにした。 [1]積層型ガスセンサ素子の製造(図6及び図22に
示される模式的な断面構造を有する素子) 〈1〉第1積層体の作製(第1積層体形成工程) (1)未焼成第1シート11の作製 素シート111及び112の作製 アルミナ粉末、ブチラール樹脂、ジブチルフタレート、
トルエン及びメチルエチルケトンを用いてスラリーを得
た。その後、このスラリーをドクターブレード法により
厚さ0.5mmのグリーンシート2枚に成形した。次い
で、一方のグリーンシートはそのまま未焼成第1シート
の一部である素シート112(焼成後、第1絶縁性基部
上層112となる)とした。他方のグリーンシートに
は、その一端側の所定位置に2つのスルーホール116
を設けて素シート111(焼成後、第1絶縁性基部下層
111となる)とした。
【0081】 未焼成ヒータ113の形成 白金粉末とアルミナ粉末とを配合した混合粉末、ブチラ
ール樹脂及びブチルカルビトールを用いてスラリーを得
た。このスラリーを素シート111の一面に所定の形状
にスクリーン印刷し、発熱部114となる幅細の未焼成
発熱部114及びヒータリード部115となる幅広の未
焼成ヒータリード部115を備える未焼成ヒータ113
を形成した。
【0082】 未焼成ヒータ取出パッド117の形成
及び未焼成ヒータ113との接続 上記と同様にスラリーを得た。このスラリーを未焼成
ヒータ113が形成された素シート111の一面とは反
対の他面側に、スルーホール116上を通過するように
スクリーン印刷し、未焼成ヒータ取出パッド117を形
成した。次いで、同様なスラリーをスルーホール116
内に流し込むようにして、未焼成ヒータリード部115
と未焼成ヒータ取出パッド117とを焼成後に導通でき
るように接続した。
【0083】 素シート111及び112の張り合わ
せ 上記までに得られた一方の素シート111の未焼成ヒ
ータ113が形成された一面に、上記で得られた他方
の素シート112をその一面に第2ブタノールとブチル
カルビトールとの混合液を塗布した後、積層し、圧着し
て未焼成ヒータ113を内部に備える未焼成第1シート
11を得た。
【0084】(2)未焼成第2セル部13の形成 この未焼成第2セル部13は焼成されて酸素濃度検知セ
ルとして機能する。 未焼成第2セル部用電極133の形成 白金粉末とジルコニア粉末とを配合した混合粉末、ブチ
ラール樹脂及びブチルカルビトールを用いてスラリーを
得た。このスラリーを上記(1)で得られた積層体の素
シート112の表面にスクリーン印刷し、焼成されて電
極部となる幅広の未焼成電極部と、焼成されて電極リー
ド部となる幅細の未焼成電極リード部とを備える未焼成
第2セル部用電極133を形成した。この電極は焼成後
に、第2セル部の参照電極となる。
【0085】 未焼成第2セル部用固体電解質体13
1の形成 ジルコニア粉末とアルミナ粉末とを配合した混合粉末、
分散剤、ブチルカルビトール、ジブチルフタレート及び
アセトンを用いてスラリーを得た。このスラリーを上記
(2)で形成された未焼成第2セル部用電極133上
に厚さ30μmでスクリーン印刷し、乾燥させて未焼成
第2セル部用固体電解質体131を得た。
【0086】 未焼成層間調節層(第2セル部用)1
34の形成 アルミナ粉末、ブチラール樹脂、ジブチルフタレート、
トルエン及びメチルエチルケトンを用いてスラリーを得
た。このスラリーを上記(2)で形成された未焼成第
2セル部用固体電解質体131を除く、素シート112
及び未焼成第2セル部用電極133の未焼成電極リード
部上に、未焼成第2セル部用固体電解質体131の表面
と高さが合うようにスクリーン印刷し、乾燥させて未焼
成層間調節層134を得た。但し、後に未焼成電極13
3の未焼成電極リード部と未焼成電極取出パッド166
とを接続するためのスルーホール135が形成されるよ
うに印刷を行った。
【0087】 未焼成第2セル部用電極132の形成 上記(2)と同様にスラリーを得た。このスラリーを
未焼成第2セル部用固体電解質体131及び未焼成層間
調節層134の表面に印刷し、乾燥させて、焼成されて
電極部となる幅広の未焼成電極部(この未焼成電極部は
未焼成第2セル部用固体電解質体131の表面に形成し
た)と、焼成されて電極リード部となる幅細の未焼成電
極リード部(この未焼成電極リード部は未焼成層間調節
層134の表面に形成した)を備える未焼成第2セル部
用電極132を形成した。この電極は焼成後に第2セル
部の検知電極となる。このようにして未焼成第2セル部
13を、未焼成第1シート11上に積層し、上記(1)
及び上記(2)により第1積層体を得た。
【0088】〈2〉内室15及び未焼成律速導入部15
1及び152の形成 (1)未焼成層間調節層(内室形成用)153及び15
4の形成 上記〈1〉(2)と同様にスラリーを得た。このスラ
リーを上記〈1〉(2)までに形成された第1積層体の
未焼成第2セル部用電極132と未焼成層間調節層13
4上にスクリーン印刷し、乾燥させて未焼成層間調節層
153及び154を得た。但し、後に未焼成第2セル部
用電極132の未焼成電極リード部と未焼成電極取出パ
ッド165と接続するためのスルーホール155が形成
され、また、未焼成第2セル部用電極133の未焼成電
極リード部と未焼成電極取出パッド166と接続するた
めのスルーホール156が形成されるように印刷を行っ
た。更に、焼成後に内室15が形成されるように未焼成
層間調節層を153と154との2つの部位に分け、そ
の間に空間が形成されるように印刷を行った。
【0089】(2)未焼成律速導入部151及び152
の形成 アルミナ粉末(焼成後に空隙を残存させることができる
粒径)、ブチラール樹脂、ジブチルフタレート、トルエ
ン及びメチルエチルケトンを用いてスラリーを得た。こ
のスラリーを第1積層体の未焼成層間調節層134上で
あって、未焼成層間調節層153及び154の形成され
ていない部分に図23に示すような形状にスクリーン印
刷し、乾燥させて未焼成律速導入用多孔質部151及び
152を得た。尚、未焼成層間調節層153及び154
並びに未焼成律速導入部151及び152に囲まれた図
23中の内室15は検知室となる。
【0090】〈3〉第2積層体の作製 (1)未焼成第2シート16の作製 アルミナ粉末、ブチラール樹脂、ジブチルフタレート、
トルエン及びメチルエチルケトンを用いて非多孔質部用
スラリーを得た。このスラリーをドクターブレード法に
より厚さ500μmの非多孔質部用のグリーンシートに
成形した。一方、アルミナ粉末、カーボン粉末、ブチラ
ール樹脂、ジブチルフタレート、トルエン及びメチルエ
チルケトンを用いて多孔質部用スラリーを得た。このス
ラリーをドクターブレード法により厚さ500μmの多
孔質部用のグリーンシートに成形した。これら2種のグ
リーンシートから図23に示すような非多孔質部となる
未焼成非多孔質部162となるシートの一端側に多孔質
部161となる未焼成多孔質部161を備えるシートを
形成した。次いで、スルーホール163となる孔を3つ
設けて未焼成第2シート16を得た。
【0091】(2)未焼成中間層17の形成 上記〈3〉(1)と同様の多孔質部用及び非多孔質部用
の2種のスラリーを得た。このうち多孔質部用のスラリ
ーを、上記〈3〉(1)で得られた未焼成第2シート1
6の備える未焼成多孔質部161を覆うようにスクリー
ン印刷し、乾燥させて中間層17の多孔質部171とな
る未焼成中間層多孔質部171を形成した。次いで、非
多孔質部用のスラリーを未焼成第2シート16上であっ
て、未焼成中間層多孔質部171が形成されていない表
面にスクリーン印刷し、乾燥させて中間層17の非多孔
質部172となる未焼成中間層非多孔質部172を形成
した。但し、後に未焼成第2セル部用電極133と未焼
成電極取出パッド166とを接続するためのスルーホー
ル175が形成され、また、未焼成第2セル部用電極1
32及び未焼成第1セル部用電極123と未焼成電極取
出パッド165とを接続するためのスルーホール174
が形成され、更に、未焼成第1セル部用電極122と未
焼成電極取出パッド164とを接続するためのスルーホ
ール173が形成されるように印刷を行った。
【0092】(3)未焼成第1セル部12の形成 この未焼成第1セル部12は焼成されて酸素ポンプセル
として機能する。 未焼成第1セル部用電極122の形成 上記〈1〉(2)と同様にスラリーを得た。このスラ
リーを上記で得られた未焼成中間層17の表面にスクリ
ーン印刷し、焼成されて電極部となる幅広の未焼成電極
部1221と、焼成されて電極リード部となる幅細の未
焼成電極リード部1222を備える未焼成第1セル部用
電極122を形成した。
【0093】 未焼成第1セル部用固体電解質体12
1の形成 上記〈1〉(2)と同様にスラリーを得た。このスラ
リーを上記で得られた未焼成第1セル部用電極122の
未焼成電極部上に30μmの厚さにスクリーン印刷し、
乾燥させて未焼成第1セル部用固体電解質体121を得
た。
【0094】 未焼成層間調節層124(第1セル部
用)の形成 上記〈1〉(2)と同様にスラリーを得た。このスラ
リーを上記で得られた未焼成第1セル部用固体電解質体
121を除く、未焼成中間層17及び未焼成第1セル部
用電極122の未焼成電極リード部上に、未焼成第1セ
ル部用固体電解質体121の表面と高さが合うようにス
クリーン印刷し、乾燥させて未焼成層間調節層124を
得た。但し、後に未焼成第2セル部用電極133と未焼
成電極取出パッド166とを接続するためのスルーホー
ル126が形成され、また、未焼成第2セル部用電極1
32及び未焼成第1セル部用電極123(この時点では
未形成)と未焼成電極取出パッド165とを接続するた
めのスルーホール125が形成されるように印刷を行っ
た。
【0095】 未焼成第1セル部用電極123の形成 上記〈1〉(2)と同様にスラリーを得た。このスラ
リーを未焼成第1セル部用固体電解質体121及び未焼
成層間調節層124の表面に印刷し、乾燥させて、焼成
されて電極部となる幅広の未焼成電極部(この未焼成電
極部は未焼成第1セル部用固体電解質体121の表面に
形成した)と、焼成されて電極リード部となる幅細の未
焼成電極リード部(この未焼成電極リード部は未焼成層
間調節層124の表面に形成した)を備える未焼成第1
セル部用電極123を形成した。このようにして、上記
(1)〜(3)により第2積層体を得た。
【0096】〈4〉第1積層体と第2積層体との接合 一面側に内室15と未焼成律速導入部151及び152
等が形成された第1積層体のこの面と、第2積層体の未
焼成第2セル部用電極132が形成された面とに、第2
ブタノールとブチルカルビトールとの混合液を塗布した
後、接合し、圧着して未焼成素子1を得た。
【0097】〈5〉脱脂及び焼成 上記〈4〉までに得られた未焼成素子1を、大気雰囲気
において、脱脂処理を行った。その後、大気雰囲気にお
いて1300〜1600℃で焼成し積層型ガスセンサ素
子1を得た。
【0098】〈6〉ガスセンサの製造 上記〈5〉までに得られた素子1を用いて図24に示す
ガスセンサ2を製造した。このガスセンサ2において、
素子1は主体金具22内に収められたセラミックホルダ
211、タルク粉末212及びセラミックスリーブ21
3(センサ素子1とセラミックスリーブ213との間に
はリードフレーム25を介し、センサ素子1の上端はセ
ラミックスリーブ213内に位置する)に支持されて固
定されている。この主体金具22の下部には、センサ素
子1の下部を覆う複数の孔を有する2重構造の金属製の
プロテクタ23が取設され、主体金具22の上部には外
筒213が取設されている。また、外筒24の上部に
は、センサ素子1を外部回路と接続するためのリード線
26を分岐挿通する貫通孔が設けられたセラミックセパ
レータ27及びグロメット28を備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の積層型ガスセンサ素子の幅方向
の模式的な断面図である。
【図2】本発明の他例の積層型ガスセンサ素子の幅方向
の模式的な断面図である。
【図3】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図4】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図5】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図6】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図7】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図8】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図9】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の幅
方向の模式的な断面図である。
【図10】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図11】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図12】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図13】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図14】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図15】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図16】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図17】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図18】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図19】本発明の更に他例の積層型ガスセンサ素子の
幅方向の模式的な断面図である。
【図20】本発明の一例の積層型ガスセンサ素子の長手
方向の模式的な断面図である。
【図21】本発明の一例の積層型ガスセンサ素子の模式
的な分解斜視図である。
【図22】本発明の一例の積層型ガスセンサ素子の長手
方向の模式的な断面図である。
【図23】本発明の一例の積層型ガスセンサ素子の模式
的な分解斜視図である。
【図24】本発明のガスセンサの一例の模式的な断面図
である。
【符号の説明】
1;積層型ガスセンサ素子、11;第1絶縁性基部、1
11;第1絶縁性基部上部、112;第1絶縁性基部下
部、113;ヒータ、114;発熱部、115;ヒータ
リード部、117;ヒータ取出パッド、118;ヒータ
取出線、12;第1セル部、121;第1セル部用固体
電解質体、122、123;第1セル部用電極、12
4;層間調節層(第1セル部用)、125、1271、
1272;絶縁層、13;第2セル部、131;第2セ
ル部用固体電解質体、132、133;第2セル部用電
極、134;層間調節層(第2セル部用)、15;内室
(第1内室)、151、152、157;律速導入部、
153、154;層間調節層(第1内室形成用)、1
6;第2絶縁性基部、161;第2絶縁性基部多孔質
部、162;第2絶縁性基部非多孔質部、164、16
5、166;電極取出パッド、167;第2絶縁性基部
の多孔質部と非多孔質部との境界、17;中間層、17
1;中間層多孔質部、172;中間層非多孔質部、17
6;中間層の多孔質部と非多孔質部との境界、181;
内室(第2内室)、2;ガスセンサ、211;ホルダ、
212;緩衝材、213;スリーブ、22;主体金具、
221;取付用螺子部、23;プロテクタ、24;外
筒、25;リードフレーム、26;リード線、27;セ
パレータ、28;グロメット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 325J 27/58 B 27/46 331 (72)発明者 平岩 雅道 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 森 茂樹 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BC02 BD05 BE10 BE22 BJ02 BM07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性セラミックスから形成された第1
    絶縁性基部と、固体電解質からなる第1セル部用固体電
    解質体及び該第1セル部用固体電解質体の表面に形成さ
    れた一対の電極である第1セル部用電極を備える第1セ
    ル部と、絶縁性セラミックスから形成され、且つ、該第
    1セル部用電極のうちの一方の電極と被測定雰囲気とが
    接するように配置された通気性を有する多孔質部を備え
    る第2絶縁性基部と、がこの順に積層されて備えられ、 該第1セル部用固体電解質体は、該第2絶縁性基部の1
    /2倍以下の厚さであり、且つ、長手方向において該第
    2絶縁性基部よりも小さいことを特徴とする積層型ガス
    センサ素子。
  2. 【請求項2】 上記第1セル部用固体電解質体は、幅方
    向において上記第2絶縁性基部よりも小さい請求項1記
    載の積層型ガスセンサ素子。
  3. 【請求項3】 上記第1絶縁性基部は、発熱部及び該発
    熱部に連接されたヒータリード部を備えるヒータを表面
    又は内部に有し、該発熱部は該第1絶縁性基部の長手方
    向の一端側に配置され、該発熱部の投影像は上記第1セ
    ル部用固体電解質体の投影像と重なる請求項1又は2に
    記載の積層型ガスセンサ素子。
  4. 【請求項4】 上記第1絶縁性基部と上記第2絶縁性基
    部との間に大気導入室又は検知室となる内室を備え、 上記第1セル部用電極のうちの他方は該内室内の雰囲気
    と接するように配置され、且つ、該第1セル部用固体電
    解質体は、幅方向において該内室と同じ大きさか又は該
    内室よりも小さい請求項1乃至3のうちのいずれか1項
    に記載の積層型ガスセンサ素子。
  5. 【請求項5】 上記内室を隔てて上記第1セル部用固体
    電解質体と対向する固体電解質からなる第2セル部用固
    体電解質体と、一方の電極が該内室内の雰囲気と接する
    ように該第2セル部用固体電解質体の表面に各々形成さ
    れた一対の電極である第2セル部用電極と、を有する第
    2セル部を備える請求項4記載の積層型ガスセンサ素
    子。
  6. 【請求項6】 上記第2セル部用固体電解質体は、長手
    方向及び幅方向において上記第1セル部用固体電解質体
    よりも小さい請求項5に記載の積層型ガスセンサ素子。
  7. 【請求項7】 焼成されて上記第1絶縁性基部となる未
    焼成第1シート及び焼成されて上記第2絶縁性基部とな
    る未焼成第2シートの各々の焼成収縮率は、焼成されて
    第1セル部用固体電解質体となる未焼成第1セル部用固
    体電解質体の焼成収縮率と同じか若しくは大きい請求項
    1乃至6のうちのいずれか1項に記載の積層型ガスセン
    サ素子。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のうちのいずれか1項に
    記載の積層型ガスセンサ素子の製造方法であって、上記
    第1絶縁性基部となる未焼成第1シートを備える第1積
    層体と、上記第2絶縁性基部となる未焼成第2シート及
    び上記第1セル部用固体電解質体となる未焼成第1セル
    部用固体電解質体を備える第2積層体と、を積層した
    後、焼成する工程を備え、 該未焼成第1シートの焼成収縮率及び該未焼成第2シー
    トの焼成収縮率を、該未焼成第1セル部用固体電解質体
    の焼成収縮率と同じにするか若しくは大きくすることを
    特徴とする積層型ガスセンサ素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のうちのいずれか1項に
    記載の積層型ガスセンサ素子を備えることを特徴とする
    ガスセンサ。
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