JP6169989B2 - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するためのガスセンサ素子、およびそのようなガスセンサ素子を備えるガスセンサに関する。
測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガスセンサ素子を備えるガスセンサの一例としては、内燃機関の排気管等の排気流路に設置されて、排気ガス中の酸素濃度を検出して内燃機関の燃焼制御に利用される酸素センサが知られている。また、他のガスセンサとしては、NOx濃度を検出するNOxセンサ、空燃比等を検出する空燃比センサなどがある。
このようなガスセンサは、例えば、筒状の主体金具を備えて、その主体金具によりガスセンサ素子を保持するものがある。
また、ガスセンサ素子としては、例えば、板型形状のガスセンサ素子がある。このガスセンサ素子は、一対の電極部が表面に配置された板型の固体電解質体と、固体電解質体に積層されるとともに、測定対象ガスまたは大気を導入するための中空部の壁面の少なくとも一部を形成する緻密体と、を備えて構成される。
なお、ガスセンサ素子は、セラミックスからなる未焼成積層体を焼成することで製造されており、未焼成積層体は、固体電解質体となる未焼成固体電解質シートに、電極部となる金属を主成分とする未焼成電極部、中空部の壁面となる未焼成壁面シート等を印刷及び積層することで形成される。
このようなガスセンサ素子においては、製造時における脱脂工程での加熱による体積収縮や焼成工程の初期段階での、セラミックスと金属との温度変化による熱収縮率差などに起因して未焼成固体電解質シートに小さな破損(生切れ)が生じることがある。そして、この生切れが発生した部位が熱衝撃下においてクラック起点となり、焼成後の固体電解質体にクラックが発生してガスセンサ素子の機能が損なわれる場合がある。
これに対して、電極部の端部を緻密体に挟み込む構成を採ることで、未焼成電極部の収縮を抑制して、生切れを抑制するガスセンサ素子が提案されている(特許文献1)。
特許第4223471号公報 特許第3635191号公報
しかし、上記従来のガスセンサ素子においては、電極部のうち緻密体に挟み込まれる部分への酸素供給が不十分となる可能性があり、その結果、固体電解質体にブラックニングが発生する虞がある。
例えば、図18に示すガスセンサ素子507は、多孔質電極587の端部が絶縁スペーサ593と固体電解質体583とに挟み込まれる構成であるが、固体電解質体583のうち多孔質電極587の端部に接する領域584において、ブラックニングが発生する虞がある。なお、ガスセンサ素子507は、一対の多孔質電極585,587が固体電解質体583に積層されると共に、固体電解質体583,絶縁スペーサ593,絶縁部材596によって形成される中空部591を備える。
なお、ブラックニングとは、固体電解質体の外観が変色する現象(薄黄色〜黒色に変色)であり、固体電解質体の内部の酸素が取り除かれることで結晶構造が乱れる現象である。ブラックニングが発生した固体電解質体は、電子伝導性を発現してセンサ精度の悪化を招くことがあり、ブラックニングの程度がひどい場合にはクラックの起点となることがある。
このようなブラックニングを抑制するためには、例えば、電極部の端部を挟み込む部材を緻密体ではなく多孔質材料に置き換えることで、電極部の端部への酸素供給を行うことが考えられる。例えば、特許文献2に記載のように、電極部の端部を多孔質体(第1拡散抵抗体)と固体電解質層との間で挟み込む構成が考えられる。
しかし、特許文献2に記載のガスセンサ素子では、電極部の端部が多孔質体と緻密体との境界部分に到達するように配置されており、電極部と緻密体とが当接する構成であるため、固体電解質体のうちこの当接部位において「生切れ」が発生する可能性がある。特に、電極部と緻密体とでは材質の違いによる熱収縮量に違いがあるため、固体電解質体のうちこの当接部位において「生切れ」が発生する可能性がある。
そこで、本発明は、固体電解質体のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体におけるクラックを抑制できるガスセンサ素子を提供すること、およびそのようなガスセンサ素子を備えるガスセンサを提供することを目的とする。
(1)本発明の第1局面におけるガスセンサ素子は、固体電解質体と緻密体とを備えて、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガスセンサ素子であって、中空部には、中空部側電極部の端部のうち少なくとも一部を固体電解質体との間で挟み込む多孔質体が備えられる。
なお、固体電解質体は、金属を主成分とする一対の電極部が表面に配置された板型のセラミックスからなる部材であり、緻密体は、固体電解質体に積層されるとともに、測定対象ガスまたは大気を導入するための中空部の壁面の少なくとも一部を形成する。
中空部側電極部は、一対の電極部のうちの一方であり、中空部に面する状態で配置される。また、中空部側電極部は、緻密体から離れて配置される。
このガスセンサ素子は、中空部に、中空部側電極部を部分的に覆う多孔質体を備える。この多孔質体は、中空部側電極部の上から、当該中空部側電極部の端部を越えて、固体電解質体のうち中空部に露出する面上まで形成されたセラミックスからなる。
つまり、中空部側電極部の端部の少なくとも一部が、固体電解質体と多孔質体との間で挟み込まれる構成であることから、中空部側電極部は、その挟み込まれた部分の移動(収縮による移動)が制限される。このため、製造時における脱脂工程での加熱時や焼成工程の初期段階において、中空部側電極部の収縮を抑制でき、固体電解質体に生切れが生じるのを抑制できる。これにより、焼成後の固体電解質体において、生切れに起因するクラックの発生を抑制できる。
また、中空部側電極部の端部が固体電解質体と多孔質体との間で挟み込まれることから、中空部側電極部の端部が緻密体と固体電解質体との間で挟み込まれる構成とは異なり、中空部側電極部の端部は多孔質体を介して酸素供給を受けることが可能となる。これにより、酸素の欠乏が発生しがたくなり、固体電解質体にブラックニングが発生するのを抑制できる。
さらに、中空部側電極部は、緻密体から離れて配置されることから、中空部側電極部と緻密体との当接部位が存在せず、固体電解質体において、中空部側電極部と緻密体との収縮量の違いに起因する応力が生じることを抑制できる。これにより、中空部側電極部と緻密体との収縮量の違いに起因して、固体電解質体に「生切れ」が発生するのを抑制できる。この結果、焼成後の固体電解質体におけるクラックを抑制できる。
よって、本発明のガスセンサ素子によれば、固体電解質体のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体におけるクラックを抑制できる。
(2)本発明の他の局面におけるガスセンサ素子においては、中空部側電極部は、自身の長手方向における両端のそれぞれが、多孔質体と固体電解質体との間で挟み込まれる、という構成を採ることができる。
脱脂工程や焼成工程初期段階において中空部側電極部が収縮する場合、中空部側電極部の長手方向に垂直な方向の収縮量に比べて、中空部側電極部の長手方向の収縮量が大きくなることから、固体電解質体の生切れは、中空部側電極部のうち長手方向の両端で発生しやすくなる。
これに対して、中空部側電極部の長手方向における両端のそれぞれが、多孔質体と固体電解質体との間で挟み込まれる構成を採ることで、固体電解質体の生切れをより効果的に抑制できる。
(3)本発明のさらに他の局面におけるガスセンサ素子においては、外部から中空部までのガス導入経路に多孔質状の拡散抵抗部が備えられており、多孔質体の拡散抵抗は、拡散抵抗部の拡散抵抗以下である、という構成を採ることができる。
つまり、多孔質体の拡散抵抗が、拡散抵抗部の拡散抵抗と同じあるいは拡散抵抗部の拡散抵抗よりも小さい構成であれば、多孔質体において特定ガス(酸素など)の拡散が律速されることがなくなる。これにより、多孔質体を介した特定ガス(酸素など)の供給量を充分に確保でき、固体電解質体でのブラックニングをより一層抑制することができる。
(4)本発明のさらに他の局面におけるガスセンサ素子においては、中空部側電極部は、多孔質電極であり、中空部側電極部の拡散抵抗は、拡散抵抗部の拡散抵抗以上である、という構成を採ることができる。
このように、中空部側電極部の拡散抵抗が拡散抵抗部の拡散抵抗と同じあるいは拡散抵抗部の拡散抵抗よりも大きい構成であれば、中空部側電極部での特定ガス(酸素など)の拡散を律速することができ、中空部側電極部による特定ガス(酸素など)のポンピングを適切に実現できる。
これにより、ガスセンサ素子による特定ガスの検出精度を向上できる。
(5)本発明のさらに他の局面におけるガスセンサは、中空部が、測定対象ガスが導入される測定室であってもよい。
(6)本発明のさらに他の局面におけるガスセンサは、中空部は、大気が導入される大気室であってもよい。
(7)本発明のさらに他の局面におけるガスセンサは、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガスセンサ素子を備えるガスセンサであって、ガスセンサ素子として、上述のガスセンサ素子を備える。
このように、上述のいずれかのガスセンサ素子を備えるガスセンサは、ガスセンサ素子における固体電解質体のブラックニングを抑制できると共に、ガスセンサ素子の製造時における固体電解質体の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体におけるクラックを抑制できる。
本発明のガスセンサ素子およびガスセンサは、固体電解質体のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体におけるクラックを抑制できる。
実施形態の空燃比センサを軸方向に沿って破断した状態を示す断面図である。 ガスセンサ素子を示す斜視図である。 ガスセンサ素子を分解して示す斜視図である。 図2のガスセンサ素子におけるA−A視端面を表す端面図である。 図4のガスセンサ素子におけるB−B視端面を表す端面図である。 ガスセンサ素子の成形体の製造方法に関する説明図である。 ガスセンサ素子の製造途中段階を示す説明図である。 第2ガスセンサ素子における内部構造を表す端面図である。 図8の第2ガスセンサ素子におけるC−C視端面を表す端面図である。 図9の第2ガスセンサ素子におけるE−E視端面を表す端面図である。 第3ガスセンサ素子における内部構造を表す端面図である。 図11の第3ガスセンサ素子におけるF−F視端面を表す端面図である。 第4ガスセンサ素子における内部構造を表す端面図である。 図13の第4ガスセンサ素子におけるG−G視端面を表す端面図である。 図14の第4ガスセンサ素子におけるJ−J視端面を表す端面図である。 第5ガスセンサ素子における内部構造を表す端面図である。 第2多孔質体のうち多孔質電極との重なり部分の大きさを説明するための説明図である。 従来のガスセンサ素子におけるブラックニングを説明するための説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、以下に示す実施形態では、ガスセンサの一種である酸素センサのうち全領域空燃比センサ(以下単に、空燃比センサともいう)を例に挙げる。具体的には、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガス(酸素)を検出するガスセンサ素子(検出素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される空燃比センサを例に挙げて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
本実施形態のガスセンサ素子が使用される空燃比センサの全体の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、空燃比センサの内部構成を表す断面図である。
図1に示す様に、本実施形態における空燃比センサ1は、排気管に固定するためのネジ部3が外表面に形成された筒状の主体金具5と、軸線方向(空燃比センサ1の長手方向:図1の上下方向)に延びる板状形状のガスセンサ素子7と、ガスセンサ素子7の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ9と、軸線方向に貫通する挿通孔11の内壁面がガスセンサ素子7の後端部の周囲を取り囲む状態で配置される絶縁コンタクト部材13(セパレータ13)と、ガスセンサ素子7とセパレータ13との間に配置される5個(図1には2個のみ図示)の接続端子15と、を備えている。
ガスセンサ素子7は、後に詳述する様に、長手方向に伸びる直方体形状の素子本体部70と、素子本体部70の先端側を覆う多孔質の保護層17と、を備える。素子本体部70は、その先端側に、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出する検知部90を備える。また、ガスセンサ素子7は、後端側(図1の上方:長手方向後端部)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1主面21および第2主面23に、電極パッド25,27,29,31,33(詳細は、図2,図3参照)が形成されている。
接続端子15は、ガスセンサ素子7の電極パッド25,27,29,31,33にそれぞれ電気的に接続されるとともに、外部からセンサの内部に配設されるリード線35にも電気的に接続されており、リード線35が接続される外部機器と電極パッド25,27,29,31,33との間に流れる電流の電流経路を形成する。
主体金具5は、軸線方向に貫通する貫通孔37を有し、貫通孔37の径方向内側に突出する棚部39を有する略筒状形状に構成されている。この主体金具5は、検知部90を貫通孔37の先端よりも先端側に配置し、電極パッド25,27,29,31,33を貫通孔37の後端よりも後端側に配置する状態で、貫通孔37に挿通されたガスセンサ素子7を保持するよう構成されている。
また、主体金具5の貫通孔37の内部には、ガスセンサ素子7の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ41、滑石リング43、滑石リング45、及び上述のセラミックスリーブ9が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。
このセラミックスリーブ9と主体金具5の後端部47との間には、加締パッキン49が配置され、一方、セラミックホルダ41と主体金具5の棚部39との間には、滑石リング43やセラミックホルダ41を保持するための金属ホルダ51が配置されている。なお、主体金具5の後端部47は、加締パッキン49を介してセラミックスリーブ9を先端側に押し付けるように、加締められている。
更に、主体金具5の先端部53の外周には、ガスセンサ素子7の突出部分を覆う金属製(例えば、ステンレスなど)の二重構造とされたプロテクタ55が溶接等によって取り付けられている。
一方、主体金具5の後端側外周には、外筒57が固定されている。また、外筒57の後端側の開口部には、各電極パッド25,27,29,31,33とそれぞれ電気的に接続される5本のリード線35(図1では3本が図示)が挿通されるリード線挿通孔59が形成されたグロメット61が配置されている。
なお、セパレータ13の外周には、鍔部63が形成されており、鍔部63は、保持部材65を介して外筒57に固定されている。
[1−2.ガスセンサ素子の構成]
次に、本実施形態の要部であるガスセンサ素子7の構成について、図2〜図5に基づいて詳細に説明する。
図2は、ガスセンサ素子7の外観を表す斜視図である。
図2に示す様に、ガスセンサ素子7は、長手方向(Y軸方向)に延びる長尺の板材である。なお、図2において、長手方向がガスセンサの軸線方向に沿う形態となる。また図2のZ軸方向は、長手方向に垂直な厚さ方向であり、X軸方向は、長手方向及び厚さ方向に垂直な幅方向である。
ガスセンサ素子7は、長手方向に伸びる直方体形状の素子本体部70と、素子本体部70の先端側(図2における下側)を覆う多孔質の保護層17と、を備える。素子本体部70は、長手方向に伸びる板状の素子部71と、同じく長手方向に延びる板状のヒータ73と、が積層されて構成されている。素子本体部70は、その先端側に、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出する検知部90を備える。保護層17は、少なくとも検知部90を覆うように、素子本体部70の先端面127及び側面(第1主面21,第2主面23,第1側面111、第2側面113)上に設けられる。
図3に、ガスセンサ素子7を分解した斜視図を示す。なお、図3では、保護層17、および後述する第1長辺面取り部121,第2長辺面取り部122,第3長辺面取り部,第4長辺面取り部の図示を省略している。
ガスセンサ素子7の素子本体部70は、図3に分解して示す様に、積層方向の一方の側(図3の上側)に配置されて、長手方向に伸びる板状の素子部71と、素子部71の反対側(裏側)に配置されて、同じく長手方向に延びる板状のヒータ73と、を備える。
このうち、素子部71は、酸素濃淡電池セル81と、酸素ポンプセル89と、絶縁スペーサ93と、絶縁基板97と、を備えて構成される。
酸素濃淡電池セル81は、固体電解質体75と、多孔質電極77と、リード部77aと、多孔質電極79と、リード部79aと、を備える。
固体電解質体75は、ジルコニアを主体とした板型形状の部材である。一対の多孔質電極77、79は、固体電解質体75を挟み込むように、固体電解質体75の表面および裏面に配置される。
リード部77aは、一端が多孔質電極77に接続されると共に、ガスセンサ素子7(素子本体部70)の長手方向(図3では、左右方向)に延びるように配置される。リード部79aは、一端が多孔質電極79に接続されると共に、ガスセンサ素子7(素子本体部70)の長手方向(図3では、左右方向)に延びるように配置される。
酸素ポンプセル89は、固体電解質体83と、多孔質電極85と、リード部85aと、多孔質電極87と、リード部87aと、を備える。
固体電解質体83は、ジルコニアを主体とした板型形状の部材である。一対の多孔質電極85、87は、固体電解質体83を挟み込むように、固体電解質体83の表面および裏面に配置される。
リード部85aは、一端が多孔質電極85に接続されると共に、ガスセンサ素子7(素子本体部70)の長手方向(図3では、左右方向)に延びるように配置される。リード部87aは、一端が多孔質電極87に接続されると共に、ガスセンサ素子7(素子本体部70)の長手方向(図3では、左右方向)に延びるように配置される。
固体電解質体75,83は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアで形成されている。
多孔質電極77,79,85,87およびリード部77a,79a,85a,87aは、Ptを主体に形成されている。
絶縁スペーサ93は、アルミナを主体とした板型形状の部材であり、中空のガス測定室91を備える。絶縁スペーサ93は、酸素濃淡電池セル81と酸素ポンプセル89との間に積層される。これにより、絶縁スペーサ93は、ガス測定室91の壁面の少なくとも一部を形成している。ガス測定室91の内側には、酸素濃淡電池セル81の一方の多孔質電極77と、酸素ポンプセル89の一方の多孔質電極87と、が露出するように配置されている。
また、ガス測定室91の内部には、2つの多孔質体92が配置される。多孔質体92は、例えば、アルミナ等からなる多孔質体で構成されている。2つの多孔質体92は、多孔質電極87の端部および多孔質電極77の端部に重なるように配置される。なお、多孔質体92の詳細については後述する。
素子部71の側面(絶縁スペーサ93の側面)には、排ガス(測定対象ガス)の取り込み口となる2つのガス導入部94が形成されており、ガス導入部94は、ガス測定室91に連通している。2つのガス導入部94からガス測定室91までの各経路には、拡散律速部95が形成されている。拡散律速部95は、例えば、アルミナ等からなる多孔質体で構成されており、測定対象ガスがガス測定室91へ流入する際の律速を行う。拡散律速部95は、その一部がガス導入部94から外部に露出する状態で備えられている。
つまり、このガスセンサ素子7においては、ガス導入部94は、素子本体部70の最外面において異なる2方向に向けて形成されており、拡散律速部95は、異なる2方向に向けて露出している。
絶縁基板97は、アルミナを主体とした板型形状の部材であり、厚さ方向に貫通する空間部97aを備える。この絶縁基板97の空間部97aには、拡散律速部95と同様の多孔質体で構成された通気部99が埋設されている。この通気部99は、酸素ポンプセル89の多孔質電極85を測定対象ガスに晒している。
なお、ガス測定室91は、素子本体部70(詳細には、素子部71)のうち先端側(図3における左側)に位置するように形成されている。素子部71の長手方向のうち、ガス測定室91の形成領域およびガス測定室91よりも先端側となる領域は、酸素を検知するための検知部90として備えられる。
一方、ヒータ73は、アルミナを主体とする絶縁基板101、103の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターン105が挟み込まれて形成されている。
このようなガスセンサ素子7では、第1主面21の後端側(図3における右側)に3個の電極パッド25,27,29が形成され、第2主面23の後端側に2個の電極パッド31、33が形成されている。
このうち、第1主面21の1つの電極パッド29(図2の右側電極パッド)は、図3に示すように、絶縁基板97に設けられるスルーホール161、固体電解質体83に設けられるスルーホール165、絶縁スペーサ93に設けられるスルーホール171、リード部77aを介して、酸素濃淡電池セル81の多孔質電極77に電気的に接続される。また、この電極パッド29は、絶縁基板97に設けられるスルーホール161、固体電解質体83に設けられるスルーホール165、リード部87aを介して、酸素ポンプセル89の多孔質電極87にも電気的に接続される。よって、多孔質電極77と多孔質電極87とは、同電位で電気的に接続される。
また、他の電極パッド27(図2の中央電極パッド)は、図3に示すように、絶縁基板97に設けられるスルーホール162、固体電解質体83に設けられるスルーホール166、絶縁スペーサ93に設けられるスルーホール172、固体電解質体75に設けられるスルーホール176、リード部79aを介して、酸素濃淡電池セル81の多孔質電極79と電気的に接続される。更に他の電極パッド25(図2の左側電極パッド)は、図3に示すように、絶縁基板97に設けられるスルーホール163、リード部85aを介して、酸素ポンプセル89の多孔質電極85と電気的に接続されている。
また、電極パッド31、33は、図3に示すように、絶縁基板103に設けられたスルーホール181,182を介して、発熱抵抗体パターン105の両端に、各々電気的に接続されている。
図2に戻り、上述した構成のガスセンサ素子7は、長尺の略直方体形状の板材であるので、その径方向の外周側の角部には、その長手方向(図2のY方向)に沿って伸びる4つの辺(長手稜線)H1、H2、H3、H4を備えている。
詳しくは、ガスセンサ素子7は、ガスセンサ素子7の長手方向に沿って延びる4つの外周壁として、第1主面21および第2主面23と、第1主面21および第2主面23に連接された第1側面111および第2側面113と、を備えている。また、第1主面21と第1側面111との間の稜線である第1辺H1と、第1主面21と第2側面113との間の稜線である第2辺H2と、第2主面23と第2側面113との間の稜線である第3辺H3と、第2主面23と第1側面111との間の稜線である第4辺H4とを備えている。
第1辺H1,第2辺H2,第3辺H3,第4辺H4には、それぞれC面取り量0.2mmのC面取りが施されて形成された第1長辺面取り部121,第2長辺面取り部122,第3長辺面取り部,第4長辺面取り部が設けられている。なお、図2では、第3長辺面取り部および第4長辺面取り部が現れないため、第3長辺面取り部および第4長辺面取り部についての符号による図示は省略している。
ガスセンサ素子7の後端側(図2の上方)は、その中央に(長手方向と垂直な)後端面129を残す様にして、後端面129の周囲の四方の稜線に対してC面取りを施すことで、後端側C面取り部131が形成されている。
保護層17は、多孔質状のアルミナで構成されており、素子本体部70のうち少なくとも検知部90を覆うように形成されている。
[1−3.ガスセンサ素子の先端側における内部構造]
次に、ガスセンサ素子7の先端側における内部構造について説明する。
図4に、図2のガスセンサ素子7におけるA−A視端面を表す端面図であって、ガスセンサ素子7の先端側における内部構造を示す端面図を示す。なお、図4では、保護層17の図示を省略している。
図4に示すように、ガスセンサ素子7は、2つのセル(酸素濃淡電池セル81、酸素ポンプセル89)を備えており、これら2つのセルが、絶縁スペーサ93を介して積層される構成である。
酸素濃淡電池セル81は、一対の多孔質電極77および多孔質電極79が固体電解質体75の表面および裏面にそれぞれ配置されて構成されている。酸素ポンプセル89は、一対の多孔質電極85および多孔質電極87が固体電解質体83の表面および裏面にそれぞれ配置されて構成されている。
ガス測定室91は、上面が酸素濃淡電池セル81で形成され、下面が酸素ポンプセル89で形成され、側壁が絶縁スペーサ93で形成された空間である。
ガス測定室91の内側には、酸素濃淡電池セル81の多孔質電極77と、酸素ポンプセル89の多孔質電極87と、が露出するように配置されている。
また、ガス測定室91の内部には、2つの多孔質体92が配置される。多孔質体92は、例えば、アルミナ等のセラミックスからなる多孔質体で構成されている。2つの多孔質体92は、多孔質電極87の長手方向における先端および後端に重なるように配置される。また、2つの多孔質体92は、多孔質電極77の長手方向における先端および後端に重なるように配置される。つまり、多孔質体92は、多孔質電極77を部分的に覆うとともに、多孔質電極77の上から、当該多孔質電極77の端部を越えて、固体電解質体75のうちガス測定室91に露出する面上まで形成されている。
ここで、図5に、図4のガスセンサ素子7におけるB−B視端面を表す端面図を示す。
図4および図5に示すように、2つの多孔質体92は、絶縁スペーサ93の内部に形成されるガス測定室91のうち先端(図5における左側端部)および後端(図5における右側端部)にそれぞれ配置されている。
また、2つの多孔質体92は、多孔質電極87のうち長手方向における先端(図5における左側端部)および後端(図5における右側端部)に重なるように配置される。つまり、図4に示すように、多孔質体92は、多孔質電極87の端部のうち少なくとも一部を固体電解質体83との間で挟み込む状態で、ガス測定室91に配置されている。
このような構成の多孔質電極87は、多孔質体92と固体電解質体83とに挟み込まれた部分の移動(収縮による移動)が制限される。このため、ガスセンサ素子7の製造時における脱脂工程での加熱時や焼成工程の初期段階において、多孔質電極87の収縮を抑制でき、固体電解質体83に生切れが生じるのを抑制できる。
また、多孔質電極87の端部が固体電解質体83と多孔質体92との間で挟み込まれることから、多孔質電極の端部が緻密体と固体電解質体との間で挟み込まれる構成とは異なり、多孔質電極87の端部は多孔質体92を介して酸素供給を受けることが可能である。
同様に、2つの多孔質体92は、多孔質電極77のうち先端および後端に重なるように配置されており、多孔質体92は、多孔質電極77の端部のうち少なくとも一部を固体電解質体75との間で挟み込む状態で、ガス測定室91に配置されている(図4参照)。
このため、多孔質電極77についても、多孔質電極87と同様に、多孔質体92と固体電解質体75とに挟み込まれた部分の移動(収縮による移動)が制限されるため、多孔質電極77の収縮を抑制でき、固体電解質体75に生切れが生じるのを抑制できる。また、多孔質電極77についても、多孔質電極87と同様に、多孔質体92を介して酸素供給を受けることが可能な構成である。
また、図4および図5に示すように、多孔質電極87および多孔質電極77は、ガス測定室91の断面積よりも小さく形成されており、絶縁スペーサ93から離れた状態で配置されている。
このように、多孔質電極87と絶縁スペーサ93との当接部位が存在しないことから、固体電解質体83において、多孔質電極87と絶縁スペーサ93との収縮量の違いに起因する応力が生じることを抑制できる。
なお、多孔質電極77についても同様に、多孔質電極77と絶縁スペーサ93との当接部位が存在しないことから、固体電解質体75において、多孔質電極77と絶縁スペーサ93との収縮量の違いに起因する応力が生じることを抑制できる。
ここで、ガス導入部94に備えられる拡散律速部95の拡散抵抗を1.0とした場合、2つの多孔質体92の拡散抵抗は、それぞれ0.1〜1.0であり、多孔質電極87および多孔質電極77の拡散抵抗は、それぞれ1.0〜100程度となるように設定される。
つまり、ガスセンサ素子7においては、多孔質体92の拡散抵抗は、拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも小さい。
このように、多孔質体92の拡散抵抗が、拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも小さい構成であれば、多孔質体92において特定ガス(酸素など)の拡散が律速されることがなくなる。これにより、多孔質体92を介した特定ガス(酸素など)の供給量を充分に確保でき、固体電解質体83および固体電解質体75でのブラックニングをより一層抑制することができる。
また、ガスセンサ素子7においては、多孔質電極87の拡散抵抗は、拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも大きい。
このように、多孔質電極87の拡散抵抗が拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも大きい構成であれば、多孔質電極87での特定ガス(酸素など)の拡散を律速することができ、多孔質電極87による特定ガス(酸素など)のポンピングを適切に実現できる。これにより、ガスセンサ素子7による特定ガス(酸素など)の検出精度を向上できる。
多孔質電極77についても、多孔質電極87と同様に、拡散抵抗が拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも大きい構成であるため、多孔質電極77での特定ガス(酸素など)の拡散を律速することができ、多孔質電極77による特定ガス(酸素など)のポンピングを適切に実現できる。
[1−4.ガスセンサの製造方法]
本実施形態の空燃比センサ1の製造方法について、図6〜図7に基づいて説明する。
図6は、ガスセンサ素子の成形体141の製造方法に関する説明図であり、図7は、ガスセンサ素子の製造途中段階を示す説明図である。
ガスセンサ素子7を製造する場合、まず、公知のガスセンサ素子7の材料となる各種積層材料、即ち、素子部71の固体電解質体75、83となる未焼成固体電解質シートや、素子部71の絶縁基板97となる未焼成絶縁シートや、ヒータ73の絶縁基板101、103となる未焼成絶縁シートなどを積層状態とし、未圧着積層体を得る。なお、この未圧着積層体には、電極パッド25,27,29,31,33となる未焼成電極パッドなどが形成されている。
これらのうち、例えば、未焼成固体電解質シートを形成する場合、まず、ジルコニアを主体とするセラミック粉末に対して、アルミナ粉末やブチラール樹脂などを加えて、さらに混合溶媒(トルエン及びメチルエチルケトン)を混合して、スラリーを生成する。そして、このスラリーをドクターブレード法によりシート状とし、混合溶媒を揮発させることで未焼成固体電解質シートが作製される。
また、未焼成絶縁シートを形成する場合、まず、アルミナを主体とするセラミック粉末に対して、ブチラール樹脂とジブチルフタレートとを加えて、更に混合溶媒(トルエン及びメチルエチルケトン)を混合して、スラリーを生成する。そして、このスラリーをドクターブレード法によりシート状とし、混合溶媒を揮発させることで未焼成絶縁シートが作製される。
さらに、未焼成の拡散律速部を形成する場合、まず、アルミナ粉末,気孔化剤(カーボン粉末など),可塑剤を湿式混合により分散したスラリーを生成する。可塑剤はブチラール樹脂及びDBPを有する。このスラリーを用い、焼成後に拡散律速部95や通気部99となる部位に、未焼成の拡散律速部を形成する。
また、未焼成の多孔質体を形成する場合、まず、アルミナ粉末,気孔化剤(カーボン粉末など),バインダを湿式混合により分散したペーストを生成する。バインダはブチラール樹脂を用いる。このペーストを用い、焼成後に多孔質体92となる部位に、未焼成の多孔質体を形成する。
このとき、ペーストにおけるバインダ量や固形分の組成比、気孔化剤の添加量などを調整することで、焼成後の拡散律速部95,通気部99,多孔質体92におけるそれぞれの拡散抵抗を任意に調整することが可能となる。
また、未焼成の多孔質電極およびリード部を形成する場合、白金と部分安定化ジルコニア、バインダを湿式混合により分散したペーストを生成する。このペーストを用いて、焼成後に多孔質電極およびリード部となる部位に、未焼成の多孔質電極およびリード部を形成する。このとき、バインダ量や固形分の組成比、気孔化剤の添加量などを調整することで、焼成後の多孔質電極およびリード部におけるそれぞれの拡散抵抗を任意に調整することが可能となる。
そして、この未圧着積層体を1MPaで加圧することにより、図6に示す様な圧着された成形体141を得る。なお、加圧前の未圧着積層体を得るまでの製造方法については、公知のガスセンサ素子の製造方法と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、加圧により得られた成形体141を、所定の大きさで切断することにより、ガスセンサ素子7の素子部71およびヒータ73と大きさが略一致する複数(例えば10個)の未焼成積層体を得る。
その後、この未焼成積層体を樹脂抜きし(脱脂工程)、さらに焼成温度1500℃にて、1時間で本焼成して(焼成工程)、図7に示す様な焼成積層体143を得る。
次に、この焼成積層体143の長手方向に伸びる4辺(第1辺H1,第2辺H2,第3辺H3,第4辺H4)に対して面取りを行い、第1長辺面取り部121,第2長辺面取り部122,第3長辺面取り部,第4長辺面取り部を形成する(図2参照)。具体的には、焼成積層体143の長手方向に伸びる4辺(第1辺H1,第2辺H2,第3辺H3,第4辺H4)を回転砥石に当接して、周知のC面取りを行う。これにより、素子本体部70を得る。
このようにして素子本体部70を得た後、この素子本体部70の先端側の周囲に、焼成後に保護層17(図2参照)となる未焼成保護層を形成する。
その後、未焼成保護層の熱処理を行う。具体的には、未焼成保護層が形成された素子本体部70を、熱処理温度1000℃、熱処理時間3時間で熱処理を行い、保護層17が形成されたガスセンサ素子7を得る。
このようにしてガスセンサ素子7を得た後、ガスセンサ素子7を主体金具5に組み付ける組付工程を行う。
即ち、この工程では、上記製造方法で作製されたガスセンサ素子7を金属ホルダ51に挿入し、さらにガスセンサ素子7をセラミックホルダ41、滑石リング43で固定し、組み立て体を作製する。その後、この組み立て体を主体金具5に固定し、ガスセンサ素子7の軸線方向後端部側を滑石リング45、セラミックスリーブ9に挿通させつつ、これらを主体金具5に挿入する。
そして、主体金具5の後端部47にてセラミックスリーブ9を加締め、下部組立体を作製する。なお、下部組立体には、あらかじめプロテクタ55が取付けられている。
一方、外筒57、セパレータ13、グロメット61などを組みつけ、上部組立体を作製する。そして、下部組立体と上部組立体とを接合し、空燃比センサ1を得る。
[1−5.効果]
以上説明したように、本実施形態の空燃比センサ1におけるガスセンサ素子7は、多孔質電極87の端部のうち少なくとも一部が多孔質体92と固体電解質体83との間で挟み込まれる構成であることから、多孔質電極87は、多孔質体92と固体電解質体83とで挟み込まれた部分の移動(収縮による移動)が制限される。
このため、ガスセンサ素子7の製造時における脱脂工程での加熱時や焼成工程の初期段階において、多孔質電極87の収縮を抑制でき、固体電解質体83に生切れが生じるのを抑制できる。これにより、焼成後の固体電解質体83において、生切れに起因するクラックの発生を抑制できる。
また、多孔質電極87の端部が固体電解質体83と多孔質体92との間で挟み込まれることから、多孔質電極の端部が緻密体と固体電解質体との間で挟み込まれる構成とは異なり、多孔質電極87の端部は多孔質体92を介して酸素供給を受けることが可能である。これにより、酸素の欠乏が発生しがたくなり、固体電解質体83にブラックニングが発生するのを抑制できる。
なお、2つの多孔質体92は、多孔質電極87の他に、多孔質電極77のうち先端および後端に重なるように配置されており、多孔質体92は、多孔質電極77の端部のうち少なくとも一部を固体電解質体75との間で挟み込む状態で、ガス測定室91に配置されている(図4参照)。
このため、多孔質電極77についても、多孔質電極87と同様に、多孔質体92と固体電解質体75とに挟み込まれた部分の移動(収縮による移動)が制限されるため、多孔質電極77の収縮を抑制でき、固体電解質体75に生切れが生じるのを抑制できる。これにより、焼成後の固体電解質体83において、生切れに起因するクラックの発生を抑制できる。
なお、多孔質電極77についても、多孔質電極87と同様に、多孔質体92を介して酸素供給を受けることが可能な構成であるため、酸素の欠乏が発生しがたくなり、固体電解質体83にブラックニングが発生するのを抑制できる。
次に、多孔質電極87は、ガス測定室91の断面積よりも小さく形成されており、絶縁スペーサ93から離れた状態で配置されている。このように、多孔質電極87と絶縁スペーサ93との当接部位が存在しないことから、固体電解質体83において、多孔質電極87と絶縁スペーサ93との収縮量の違いに起因する応力が生じることを抑制できる。
これにより、多孔質電極87と絶縁スペーサ93との収縮量の違いに起因して、固体電解質体83に「生切れ」が発生するのを抑制でき、生切れに起因して焼成後の固体電解質体83にクラックが生じることを抑制できる。
なお、多孔質電極77についても同様に、多孔質電極77と絶縁スペーサ93との当接部位が存在しないことから、多孔質電極77と絶縁スペーサ93との収縮量の違いに起因して、固体電解質体75に「生切れ」が発生するのを抑制でき、生切れに起因して焼成後の固体電解質体75にクラックが生じることを抑制できる。
よって、ガスセンサ素子7によれば、固体電解質体83および固体電解質体75のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体83および固体電解質体75の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体83および固体電解質体75におけるクラックを抑制できる。
次に、ガスセンサ素子7においては、多孔質体92の拡散抵抗は、拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも小さい。このように、多孔質体92の拡散抵抗が、拡散律速部95の拡散抵抗と同じあるいは拡散律速部95の拡散抵抗よりも小さい構成であれば、多孔質体92において特定ガス(酸素など)の拡散が律速されることがなくなる。これにより、多孔質体92を介した特定ガス(酸素など)の供給量を充分に確保でき、固体電解質体83および固体電解質体75でのブラックニングをより一層抑制することができる。
また、ガスセンサ素子7においては、多孔質電極87の拡散抵抗は、拡散律速部95の拡散抵抗よりも大きい。このように、多孔質電極87の拡散抵抗が拡散律速部95の拡散抵抗よりも大きい構成であれば、多孔質電極87での特定ガス(酸素など)の拡散を律速することができ、多孔質電極87による特定ガス(酸素など)のポンピングを適切に実現できる。これにより、ガスセンサ素子7による特定ガス(酸素など)の検出精度を向上できる。
多孔質電極77についても、多孔質電極87と同様に、拡散抵抗が拡散律速部95の拡散抵抗よりも大きい構成であるため、多孔質電極77での特定ガス(酸素など)の拡散を律速することができ、多孔質電極77による特定ガス(酸素など)のポンピングを適切に実現できる。
[1−6.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
多孔質電極77および多孔質電極79が一対の電極部の一例に相当し、多孔質電極85および多孔質電極87が一対の電極部の一例に相当し、絶縁スペーサ93が緻密体の一例に相当し、ガス測定室91が中空部の一例および測定室の一例に相当する。
多孔質電極77および多孔質電極87がそれぞれ中空部側電極部の一例に相当し、拡散律速部95が拡散抵抗部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態として、多孔質体が多孔質電極の周方向全体にわたり配置される第2ガスセンサ素子107を備える酸素センサについて説明する。
第2実施形態の酸素センサは、第1実施形態の空燃比センサ1におけるガスセンサ素子7を第2ガスセンサ素子107に置き換えるとともに、接続端子15やリード線35などの数量変更や、セパレータ13やグロメット61などの形状変更などが実施されることで構成される。
第2ガスセンサ素子107は、図8,9,10に示すように、第2素子本体部170の大気室191において、多孔質電極87の周方向全体にわたり配置される第2多孔質体192を備えている。
なお、図8は、第2ガスセンサ素子107における内部構造を表す端面図であり、図9の第2ガスセンサ素子107におけるD−D視端面を表す端面図に相当する。図9は、図8の第2ガスセンサ素子107におけるC−C視端面を表す端面図であり、図10は、図9の第2ガスセンサ素子107におけるE−E視端面を表す端面図である。
このような第2多孔質体192を備える第2ガスセンサ素子107は、多孔質電極87の周方向全体の端部が第2多孔質体192と固体電解質体83との間で挟み込まれる構成である。
なお、第2ガスセンサ素子107は、上述のガスセンサ素子7のような2セル構造(酸素濃淡電池セル81、酸素ポンプセル89)ではなく、1セル構造(固体電解質体83、多孔質電極85、多孔質電極87を有する酸素ポンプセル)である。第2ガスセンサ素子107の大気室191は、固体電解質体83、絶縁スペーサ93、絶縁基板196によって形成されている。大気室191は、第2ガスセンサ素子107の後端部で開口する空間として形成されており、後端部の開口から大気を導入可能に構成されている。また、第2ガスセンサ素子107は、多孔質電極87に接続される第2リード部87bが、上述のガスセンサ素子7のリード部87aに比べて幅寸法が細く形成されている。
1セル構造の第2ガスセンサ素子107は、大気室191に基準ガスとしての大気を導入した状態で、多孔質電極85が測定対象ガスに接するように配置されることで、多孔質電極85と多孔質電極87との間に起電力を生じる。この起電力は、測定対象ガスにおける酸素濃度(特定ガス濃度)と、大気における酸素濃度との比率によって変化する。このため、第2ガスセンサ素子107の多孔質電極85と多孔質電極87との間に生じる起電力を用いることで、測定対象ガスにおける酸素の検出が可能となる。
なお、第2ガスセンサ素子107のうちガスセンサ素子7と同一の構成については、同一符号で表している。
この第2ガスセンサ素子107は、上述のガスセンサ素子7と同様に、固体電解質体83のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体83の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体83におけるクラックを抑制できる。
つまり、ガスセンサ素子は、多孔質体が多孔質電極の長手方向における先端および後端に配置される構成(ガスセンサ素子7)に限られることはなく、多孔質体が多孔質電極の周方向全体にわたり配置される構成(第2ガスセンサ素子107)であっても良い。
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
多孔質電極85および多孔質電極87が一対の電極部の一例に相当し、絶縁スペーサ93および絶縁基板196が緻密体の一例に相当し、大気室191が中空部の一例および大気室の一例に相当する。第2多孔質体192が多孔質体の一例に相当し、多孔質電極87が中空部側電極部の一例に相当し、拡散律速部95が拡散抵抗部の一例に相当する。
[3.第3実施形態]
第3実施形態として、外部から中空部(ガス測定室)までのガス導入経路が1カ所に形成される第3ガスセンサ素子207を備える酸素センサについて説明する。
第3実施形態の酸素センサは、第1実施形態の空燃比センサ1におけるガスセンサ素子7を第3ガスセンサ素子207に置き換えることで構成される。
第3ガスセンサ素子207は、図11、12に示すように、外部からガス測定室91までの第2ガス導入部194を1カ所のみ備える。なお、第2ガス導入部194は、第3素子本体部270の側面ではなく、第3素子本体部270の先端(図11における左端)に設けられている。第2ガス導入部194には、アルミナ等からなる多孔質体で構成された第2拡散律速部195が備えられる。
なお、図11は、第3ガスセンサ素子207における内部構造を表す端面図である。図12は、図11の第3ガスセンサ素子207におけるF−F視端面を表す端面図である。
また、第3ガスセンサ素子207は、第3素子本体部270のガス測定室91において、多孔質電極87の端部のうち長手方向に垂直な幅方向における両端(図12における左右両端)に配置される2つの第3多孔質体292を備えている。
このような2つの第3多孔質体292を備える第3ガスセンサ素子207は、多孔質電極87の端部が2つの第3多孔質体292と固体電解質体83との間で挟み込まれる構成である。また、第3ガスセンサ素子207は、多孔質電極77の端部が2つの第3多孔質体292と固体電解質体75との間で挟み込まれる構成である。
なお、第3ガスセンサ素子207は、上述のガスセンサ素子7と同様の2セル構造(酸素濃淡電池セル81、酸素ポンプセル89)である。第3ガスセンサ素子207のガス測定室91は、固体電解質体83、第2絶縁スペーサ193、固体電解質体75によって形成されている。なお、第3ガスセンサ素子207のうち上述のガスセンサ素子と同一の構成については、同一符号で表している。
この第3ガスセンサ素子207は、上述のガスセンサ素子7と同様に、固体電解質体83および固体電解質体75のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体83および固体電解質体75の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体83および固体電解質体75におけるクラックを抑制できる。
つまり、ガスセンサ素子は、外部から中空部(ガス測定室)までのガス導入経路を複数備える構成(ガスセンサ素子7)に限られることはなく、ガス導入経路を1カ所備える構成(第3ガスセンサ素子207)であってもよい。
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
多孔質電極77および多孔質電極79が一対の電極部の一例に相当し、多孔質電極85および多孔質電極87が一対の電極部の一例に相当し、第2絶縁スペーサ193が緻密体の一例に相当し、ガス測定室91が中空部の一例および測定室の一例に相当する。第3多孔質体292が多孔質体の一例に相当し、多孔質電極77および多孔質電極87が中空部側電極部の一例に相当し、第2拡散律速部195が拡散抵抗部の一例に相当する。
[4.第4実施形態]
第4実施形態として、多孔質体が多孔質電極の端部における4辺のうち3辺に配置される第4ガスセンサ素子307を備える酸素センサについて説明する。
第4実施形態の酸素センサは、第1実施形態の空燃比センサ1におけるガスセンサ素子7を第4ガスセンサ素子307に置き換えることで構成される。
第4ガスセンサ素子307は、図13,14,15に示すように、第4素子本体部370のガス測定室91において、多孔質電極87の端部における4辺のうち3辺に配置される第4多孔質体392を備えている。
なお、図13は、第4ガスセンサ素子307における内部構造を表す端面図であり、図14の第4ガスセンサ素子307におけるH−H視端面を表す端面図に相当する。図14は、図13の第4ガスセンサ素子307におけるG−G視端面を表す端面図であり、図15は、図14の第4ガスセンサ素子307におけるJ−J視端面を表す端面図である。
このような第4多孔質体392を備える第4ガスセンサ素子307は、多孔質電極87の端部における4辺のうち3辺の端部が第4多孔質体392と固体電解質体83との間で挟み込まれる構成である。また、第4ガスセンサ素子307は、多孔質電極77の端部における4辺のうち3辺の端部が第4多孔質体392と固体電解質体75との間で挟み込まれる構成である。
また、この第4ガスセンサ素子307は、第3ガスセンサ素子207と同様に、外部からガス測定室91までの第2ガス導入部194を1カ所のみ備える。
なお、第4ガスセンサ素子307は、上述のガスセンサ素子7と同様の2セル構造(酸素濃淡電池セル81、酸素ポンプセル89)である。第4ガスセンサ素子307のガス測定室91は、固体電解質体83、第2絶縁スペーサ193、固体電解質体75によって形成されている。
なお、第4ガスセンサ素子307のうち上述のガスセンサ素子と同一の構成については、同一符号で表している。
この第4ガスセンサ素子307は、上述のガスセンサ素子7と同様に、固体電解質体83および固体電解質体75のブラックニングを抑制できると共に、製造時における固体電解質体83および固体電解質体75の生切れを抑制して焼成後の固体電解質体83および固体電解質体75におけるクラックを抑制できる。
つまり、ガスセンサ素子は、多孔質体が多孔質電極の長手方向における先端および後端に配置される構成(ガスセンサ素子7)に限られることはなく、多孔質体が多孔質電極の端部における4辺のうち3辺に配置される構成(第4ガスセンサ素子307)であっても良い。
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
多孔質電極77および多孔質電極79が一対の電極部の一例に相当し、多孔質電極85および多孔質電極87が一対の電極部の一例に相当し、第2絶縁スペーサ193が緻密体の一例に相当し、ガス測定室91が中空部の一例および測定室の一例に相当する。第4多孔質体392が多孔質体の一例に相当し、多孔質電極77および多孔質電極87が中空部側電極部の一例に相当し、第2拡散律速部195が拡散抵抗部の一例に相当する。
なお、第4ガスセンサ素子307の変形例として、図16に示すような第5多孔質体492を備える第5ガスセンサ素子407が挙げられる。
第5ガスセンサ素子407は、図16に示すように、第5素子本体部470のガス測定室91において、多孔質電極87の端部における4辺のうち、多孔質電極87の長手方向における両側面および後端の3辺に配置される第5多孔質体492を備えている。
つまり、ガスセンサ素子は、多孔質体が多孔質電極の長手方向における先端および両側面の3辺に配置される構成(第4ガスセンサ素子307)に限られることはなく、多孔質体が多孔質電極の端部における両側面および後端の3辺に配置される構成(第5ガスセンサ素子407)であっても良い。
この場合、第5多孔質体492が多孔質体の一例に相当する。
[5.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、多孔質体、多孔質電極、拡散律速部のそれぞれの拡散抵抗は、上記数値に限定されるものではなく、本発明が適用される数値範囲において、任意の数値を採ることができる。
つまり、多孔質体および拡散律速部(拡散抵抗部)のそれぞれの拡散抵抗は、多孔質体の拡散抵抗が拡散律速部(拡散抵抗部)の拡散抵抗以下となる態様において、任意の数値を採ることができる。また、多孔質電極(中空部側電極部)および拡散律速部(拡散抵抗部)のそれぞれの拡散抵抗は、多孔質電極(中空部側電極部)の拡散抵抗が拡散律速部(拡散抵抗部)の拡散抵抗よりも大きくなる態様において、任意の数値を採ることができる。
また、多孔質体のうち、中空部側電極部との重なり部分の大きさは、上記の各実施形態に示される大きさに限定されるものではなく、多孔質体と固体電解質体との間で中空部側電極部を挟み込むことができる態様において、任意の大きさを採ることができる。
例えば、第2ガスセンサ素子107においては、第2多孔質体192のうち多孔質電極87との重なり部分の大きさは、図17の図中上側領域に示す寸法L1のような小さい範囲としてもよく、図17の図中下側領域に示す寸法L2のような大きい範囲としてもよい。図17では、第2多孔質体192のうち多孔質電極87との重なり部分が小さい場合の構成を図中上側領域に示し、第2多孔質体192のうち多孔質電極87との重なり部分が大きい場合の構成を図中下側領域に示している。
なお、第2多孔質体192と多孔質電極87との重なり部分が大きい場合であっても、多孔質電極87は、絶縁スペーサ93に接触することなく、絶縁スペーサ93から離れて配置される。
1…空燃比センサ、7…ガスセンサ素子、17…保護層、70…素子本体部、71…素子部、73…ヒータ、75…固体電解質体、77…多孔質電極、79…多孔質電極、81…酸素濃淡電池セル、83…固体電解質体、85…多孔質電極、87…多孔質電極、89…酸素ポンプセル、90…検知部、91…ガス測定室、92…多孔質体、93…絶縁スペーサ、94…ガス導入部、95…拡散律速部、107…第2ガスセンサ素子、191…大気室、192…第2多孔質体、193…第2絶縁スペーサ、194…第2ガス導入部、195…第2拡散律速部、207…第3ガスセンサ素子、292…第3多孔質体、307…第4ガスセンサ素子、392…第4多孔質体、407…第5ガスセンサ素子、492…第5多孔質体492。

Claims (7)

  1. 金属を主成分とする一対の電極部が表面に配置された板型のセラミックスからなる固体電解質体と、
    前記固体電解質体に積層されるとともに、測定対象ガスまたは大気を導入するための中空部の壁面の少なくとも一部をなすセラミックスからなる緻密体と、
    を備えて、前記測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガスセンサ素子であって、
    前記一対の電極部のうち一方は、前記中空部に面する状態で配置される中空部側電極部であり、
    前記中空部側電極部は、前記中空部の壁面から離れて配置され、
    前記中空部には、前記中空部側電極部を部分的に覆う多孔質体であって、前記中空部側電極部の上から、当該中空部側電極部の端部を越えて、前記固体電解質体のうち前記中空部に露出する面上まで形成されたセラミックスからなる多孔質体が備えられること、
    を特徴とするガスセンサ素子。
  2. 前記中空部側電極部は、自身の長手方向における両端のそれぞれが、前記多孔質体と前記固体電解質体との間で挟み込まれること、
    を特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 外部から前記中空部までのガス導入経路に多孔質状の拡散抵抗部が備えられており、
    前記多孔質体の拡散抵抗は、前記拡散抵抗部の拡散抵抗以下であること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ素子。
  4. 前記中空部側電極部は、多孔質電極であり、
    前記中空部側電極部の拡散抵抗は、前記拡散抵抗部の拡散抵抗以上であること、
    を特徴とする請求項3に記載のガスセンサ素子。
  5. 前記中空部は、前記測定対象ガスが導入される測定室であること、
    を特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
  6. 前記中空部は、大気が導入される大気室であること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ素子。
  7. 測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガスセンサ素子を備えるガスセンサであって、
    前記ガスセンサ素子として、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のガスセンサ素子を備えること、
    を特徴とするガスセンサ。
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