一実施形態では、本発明は、下記の構造式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、A環およびC環は、置換もしくは非置換の単環、縮合環もしくは多環のアリールまたは(複素)環式環系;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素;あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり;
B環は、
であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Xは、単結合、NH、炭素数1〜5の炭化水素、O、またはSであり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
任意選択で、A環およびC環は、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、およびNO2からなる群から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
iは、0〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;
B環がベンゼン環、チオフェン環、フラン環またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではなく;およびA環はインドールではなく;
B環がインドールである場合、XはOではなく;および
B環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態では、式Iの化合物におけるA環はインドリルである。別の実施形態では、A環は2−インドリルである。別の実施形態では、A環はフェニルである。別の実施形態では、A環はピリジルである。別の実施形態では、A環はナフチルである。別の実施形態では、A環はイソキノリンである。別の実施形態では、式Iの化合物におけるC環はインドリルである。別の実施形態では、C環は2−インドリルである。別の実施形態では、C環は5−インドリルである。別の実施形態では、式Iの化合物におけるB環はチアゾールである。別の実施形態では、式Iの化合物におけるB環はチアゾーであり;YはCOであり;およびXは単結合である。式Iの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−2−イル)メタノン(8)、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−5−イル)メタノン(21)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(Ia)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、A環は、置換もしくは非置換の単環、縮合環もしくは多環のアリールもしくは(複素)環式環系;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環;置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素;あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり;
B環は、
であり、
R1、R2、およびR3は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Xは、単結合、NH、炭素数1〜5の炭化水素、O、またはSであり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
任意選択で、A環は、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、およびNO2からなる群から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
Iは、0〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;
mは、1〜3の整数であり;
B環がベンゼン環、チオフェン環、フラン環またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではなく;およびA環はインドールではなく;
B環がインドールである場合、XはOではなく;および
B環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、B環は、
であり、
R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Xは、単結合、NH、炭素数1〜5の炭化水素、O、またはSであり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
Iは、0〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;
nは、1〜3の整数であり;
mは、1〜3の整数であり;
B環がインドールである場合、XはOではなく;および
B環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、B環は、
であり、
R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Xは、単結合、NH、炭素数1〜5の炭化水素、O、またはSであり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
iは、0〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;
nは、1〜3の整数であり;
B環がインドールである場合、XはOではなく;および
B環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(IV)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、A環はインドリルであり;
B環は、
であり、
R1およびR2は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Xは、単結合、NH、炭素数1〜5の炭化水素、O、またはSであり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
任意選択で、A環は、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2で置換され;
iは、0〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;
mは、1〜4の整数であり;
B環がベンゼン環、チオフェン環、フラン環またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではなく;および
B環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
別の実施形態では、式IVの環Aのインドリルがその1〜7位のいずれかでXに、あるいはXが結合である(すなわち、無い)場合にはBに直接結合する。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式IV(a)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
B環は、
であり、
R1、R2、R4、およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Xは、単結合、NH、炭素数1〜5の炭化水素、O、またはSであり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
iは、0〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;
nは、1〜2の整数であり;
mは、1〜4の整数であり;
B環がベンゼン環、チオフェン環、フラン環またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではなく;および
B環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(V)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
B環は、
であり、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
iは、1〜5の整数であり;
lは、1〜2の整数であり;および
nは、1〜3の整数である。
別の実施形態では、式VのB環は、チアゾール
ではない。別の実施形態では、式VのB環は、オキサゾールではない。別の実施形態では、式VのB環は、オキサゾリンではない。別の実施形態では、式VのB環は、イミダゾールではない。別の実施形態では、式VのB環は、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリン、またはイミダゾールではない。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(VI)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり;
nは、1〜3の整数であり;および
iは、1〜5の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物3aに関する。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物3bに関する。
一実施形態では、本発明は、式(VII)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、-(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(VIII)で表される化合物に関する
式中、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
Qは、S、O、またはNHであり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜3の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される式(IX)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
A’環は、水素;置換もしくは非置換単環、縮合環もしくは多環のアリールまたは(複素)環式環系;置換もしくは非置換の飽和および不飽和N−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和S−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和O−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和環状炭化水素;あるいは、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり;
任意選択で、A’環は、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、およびNO2からなる群から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
iは、1〜5の整数であり;および
nは、1〜3の整数である。
一実施形態では、式IXの化合物は、下記の構造式で表される。
一実施形態では、式IXのA’はフェニルである。別の実施形態では、式IXのA’は置換フェニルである。別の実施形態では、式IXのA’はハロゲンである。別の実施形態では、A’の置換がハロゲンである。別の実施形態では、置換は4−Fである。別の実施形態では、置換は3,4,5−(OCH3)3である。別の実施形態では、式IXのA’は置換もしくは非置換5−インドリルである。別の実施形態では、式IXのA’は置換もしくは非置換2−インドリルである。別の実施形態では、式IXのA’は置換もしくは非置換3−インドリルである。別の実施形態では、式IXの化合物が図16Aで表される。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式(IXa)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
A’環は、水素;置換もしくは非置換単環、縮合環もしくは多環のアリールまたは(複素)環式環系;置換もしくは非置換の飽和および不飽和N−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和S−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和O−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和環状炭化水素;あるいは、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり;
A’環は、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、およびNO2からなる群から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
iは、1〜5の整数であり;および
nは、1〜3の整数である。
一実施形態では、式IXaのA’はフェニルである。別の実施形態では、式IXのA’は置換フェニルである。別の実施形態では、式IXのA’はハロゲンである。別の実施形態では、A’の置換がハロゲンである。別の実施形態では、置換は4−Fである。別の実施形態では、置換は3,4,5−(OCH3)3である。別の実施形態では、式IXaのA’は置換もしくは非置換5−インドリルである。別の実施形態では、式IXのA’は置換もしくは非置換2−インドリルである。別の実施形態では、式IXのA’は置換もしくは非置換3−インドリルである。
別の実施形態では、式IXaの化合物が1−クロロ−7−(4−フルオロフェニル)イソキノリンである。別の実施形態では、式IXaの化合物が7−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−インドール−5−イル)イソキノリンである。別の実施形態では、式IXaの化合物が7−(4−フルオロフェニル)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態では、式IXaの化合物が1,7−ビス(4−フルオロフェニル)イソキノリン(40)である。別の実施形態では、式IXaの化合物が1,7−ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態では、式IXaの化合物が1−(4−フルオロフェニル)−7−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態では、式IXaの化合物が1−(1H−インドール−5−イル)−7−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態では、式IXaの化合物が1−クロロ−7−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、Xは、単結合、NH、またはSであり;
Qは、O、NH、またはSであり;
A環は、置換もしくは非置換単環、縮合環もしくは多環のアリールまたは(複素)環式環系;置換もしくは非置換の飽和および不飽和N−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和S−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和O−複素環;置換もしくは非置換の飽和および不飽和環状炭化水素;あるいは、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり;
任意選択で、A環は、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、およびNO2からなる群から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
iは、0〜5の整数であり;および
QがSである場合、Xは単結合ではない。
一実施形態では、式XIの化合物のA環はPhである。別の実施形態では、式XIの化合物のA環は置換Phである。別の実施形態では、置換は4−Fである。別の実施形態では、置換は4−Meである。別の実施形態では、式XIの化合物のQはSである。別の実施形態では、式XIの化合物のXはNHである。式XIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5a)、(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5b)、(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5c)、(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Ha)、(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hb)、(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hc)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XI(a)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XI(b)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XI(c)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XI(d)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である;
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XI(e)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
別の実施形態では、式XIの化合物は、下記の構造式で表される化合物55である。
別の実施形態では、式XIの化合物は、下記の構造式で表される化合物17yaである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式で表される化合物を提供する。
当然のことながら、窒素原子が3未満の結合である本発明で述べられる構造においては、窒素の原子価を満たすために、H原子が存在している。
一実施形態では、式I、I(a)、IV、IX、IX(a)、およびXIのA、A’、および/またはC基は、互いに独立して、置換および非置換フラニル、インドリル、ピリジニル、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ジフェニルメタン、アダマンタン−イル、フルオリン−イル、ならびにその他のこれらの特定されたものなどの複素環類似体(ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリジニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、フニニル、ピリリウム、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェン−イル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオフェン−イル、チエピニル、チアナフテニル、オキサチオラニル、モルフォリニル、チオキサニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル)である。
一実施形態では、最も好適なA、A’、および/またはC基は、置換および非置換フェニルである。一実施形態では、最も好適なA、A’、および/またはC基は、置換および非置換イソキノリニルである。一実施形態では、A、A’、および/またはC基として、置換および非置換インドリル基が挙げられ;最も好適には、置換および非置換3−インドリルおよび5−インドリルが挙げられる。
一実施形態では、式I、I(a)、IV、IX、IX(a)、およびXIの最も好適なA、A’、および/またはC基は、置換もしくは非置換することができる。したがって、前記段落で列挙された例示的な基は非置換であるが、これらの基を1以上、2以上、3以上、および最高5までの置換基(水素以外)で置換できることは当業者に評価されるはずである。
一実施形態では、最も好適なA、A’、および/またはC基は、3,4,5−トリメトキシフェニルで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、アルコキシで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、メトキシで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、アルキルで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、メチルで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、ハロゲンで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、Fで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、Clで置換される。別の実施形態では、A、A’、および/またはC基は、Brで置換される。
式I、I(a)、IV、IX、IX(a)、およびXIのこれらのA、A’および/またはC基の置換基は、互いに独立して、水素(例えば、特定の位置での置換なし)、ヒドロキシル、脂肪族直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜10の炭化水素、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アルキル−CN、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、COOH、C(O)Ph、C(O)−アルキル、C(O)O−アルキル、C(O)H、C(O)NH2、−OC(O)CF3、OCH2Ph、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、メシルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、NHC(O)−アルキル、尿素、アルキル−尿素、アルキルアミド(例えば、アセトアミド)、ハロアルキルアミド、アリールアミド、アリール、ならびに炭素数5〜7のシクロアルキル、アリールアルキル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの置換基は、オルト位、メタ位、またはパラ位に存在できる。2つ以上の置換基が存在する場合、その1つは、必ずしもそうあるべきではない;が、好適にはパラ位に存在する。
一実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、置換もしくは非置換のチアゾール、チアゾリジン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、ベンゼン、ピリミジン、イミダゾール、ピリジン、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、ピペリジン、ピラゾール、インドール、およびイソキノリンから選択され、当該B環は、XおよびYに環の任意の2つの位置を介して結合するか、またはフェニル、インドリルA、および/またはC環に直接結合する。
一実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は非置換である。別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
である。
別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は置換される。別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
である。式中、R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2である。
別の実施形態では、B基は、
である。別の実施形態では、B基は、
である。別の実施形態では、B基は、
である。別の実施形態では、B基は、
である。別の実施形態では、B基は、
である。別の実施形態では、B基は、
である。
一実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基はR10およびR11で置換される。別の実施形態では、R10およびR11は、両方とも水素である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CH2CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNHCH3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OC(O)CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルアミノである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖アミノアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OCH2Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NHCO−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は
であり、式中、R10およびR11は、互いに独立して、Hであり、lは1である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CH2CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNHCH3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OC(O)CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルアミノである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖アミノアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OCH2Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NHCO−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は
であり、式中、R10およびR11は、互いに独立して、Hであり、lは1である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CH2CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNHCH3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OC(O)CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルアミノである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖アミノアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OCH2Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NHCO−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は
であり、式中、R10およびR11は、互いに独立して、Hであり、lは1である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、CH2CNである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNHCH3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iNH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OC(O)CF3である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖ハロアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルアミノである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖アミノアルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、OCH2Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NHCO−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Phである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)NH2である。別の実施形態では、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびXIのX架橋は、単結合である。別の実施形態では、X架橋はNHである。別の実施形態では、X架橋は炭素数1〜5の炭化水素である。別の実施形態では、X架橋はCH2である。別の実施形態では、X架橋は−CH2CH2−である。別の実施形態では、X架橋はOである。別の実施形態では、X架橋はSである。
別の実施形態では、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、VI、およびVIIのY架橋はC=Oである。別の実施形態では、Y架橋はC=Sである。別の実施形態では、Y架橋はC=N(NH2)−である。別の実施形態では、Y架橋は−C=NOHである。別の実施形態では、Y架橋は−CH−OHである。別の実施形態では、Y架橋は−C=CH−(CN)である。別の実施形態では、Y架橋は−C=N(CN)である。別の実施形態では、Y架橋は−C=CH(CN3)2である。別の実施形態では、Y架橋は−C=N−OMeである。別の実施形態では、Y架橋は−(C=O)NH−である。別の実施形態では、Y架橋は−NH(C=O)−である。別の実施形態では、Y架橋は−(C=O)−Oである。別の実施形態では、Y架橋は−O−(C=O)である。別の実施形態では、Y架橋は−(CH2)1−5−(C=O)である。別の実施形態では、Y架橋は−(C=O)−(CH2)1−5である。別の実施形態では、Y架橋はSである。別の実施形態では、Y架橋はSOである。別の実施形態では、Y架橋はSO2である。別の実施形態では、Y架橋は−CH=CH−である。別の実施形態では、Y架橋は−(SO2)−NH−である。別の実施形態では、Y架橋は−NH−(SO2)−である。
式Ia、II、III、IV、IV(a)、V、VI、VIII、IX、IX(a)、XI(b)、XI(c)、XI(d)、およびXI(e)のR1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Fである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Clである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Brである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Iである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、CH2CNである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、(CH2)iNHCH3である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、(CH2)iNH2である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、OC(O)CF3である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、アルキルアミノである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、アミノアルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、CH2Phである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、NHCO−アルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C(O)Phである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C(O)NH2である。別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、NO2である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、PおよびQは、互いに独立して、Hまたは
であり;
Wは、C=O、C=S、SO2、またはS=Oであり;
QおよびPの少なくとも一方は水素ではなく;
R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R1およびR4の少なくとも一方は水素ではなく;
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
mは、1〜4の整数であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XIIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、Zは、OまたはSであり;
R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R1およびR4の少なくとも一方は水素ではなく;
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
mは、1〜4の整数であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XIVで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;R1およびR4の少なくとも一方は水素ではなく;
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
mは、1〜4の整数であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR1はOCH3である。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR1は4−Fである。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR1はOCH3であり、mは3である。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は4−Fである。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4はOCH3である。別の実施形態では、式XIVの化合物のR4はCH3である。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は4−Clである。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は4−N(Me)2である。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4はOBnである。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は4−Brである。別の実施形態では、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は4−CF3である。式XIVの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12dc)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)メタノン(12fc)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XIVaで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;R1およびR4の少なくとも一方は水素ではなく;
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R9は、水素、直鎖もしくは分岐鎖の置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、CH2Ph、置換ベンジル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、置換もしくは非置換SO2−アリール、置換もしくは非置換−(C=O)−アリールまたはOHであり;
置換基は、互いに独立して、水素(例えば、特定の位置での置換なし)、ヒドロキシル、脂肪族直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜10の炭化水素、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アルキル−CN、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、COOH、C(O)Ph、C(O)−アルキル、C(O)O−アルキル、C(O)H、C(O)NH2、−OC(O)CF3、OCH2Ph、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、メシルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、NHC(O)−アルキル、尿素、アルキル−尿素、アルキルアミド(例えば、アセトアミド)、ハロアルキルアミド、アリールアミド、アリール、ならびに炭素数5〜7のシクロアルキル、アリールアルキル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され;
mは、1〜4の整数であり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XIVaの化合物のR9はCH3である。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR9はCH2Phである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR9は(SO2)Phである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR9は(SO2)−Ph−OCH3である。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR9はHである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4はHである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4はCH3である。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4はOCH3である。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4はOHである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4は4−Clである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4は4−N(Me)2である。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR4はOBnである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR1はOCH3であり;mは3であり、ならびにR2はHである。別の実施形態では、式XIVaの化合物のR1はFであり;mは1であり、ならびにR2はHである。式XIVaの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11af)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb)、(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11db)、(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ha)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11jb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gba)、(1−ベンジル−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12daa)、(1−メチル−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12dab)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cba)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XVで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XVの化合物のR4はHである。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はFである。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はClである。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はBrである。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はIである。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はN(Me)2である。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はOBnである。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はOCH3である。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はCH3である。別の実施形態では、式XVの化合物のR4はCF3である。式XVの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ea)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha)、(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ia)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ja)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XVIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R3は、I、Br、Cl、またはFであり;
iは、0〜5の整数であり;および
nは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XVIの化合物のR3はハロゲンである。別の実施形態では、R3はFである。別の実施形態では、R3はClである。別の実施形態では、R3はBrである。別の実施形態では、R3はIである。別の実施形態では、R4はHである。別の実施形態では、R4はOCH3である。別の実施形態では、R4はOCH3であり;nは3であり、ならびにR5はHである。別の実施形態では、R4はCH3である。別の実施形態では、R4はFである。別の実施形態では、R4はClである。別の実施形態では、R4はBrである。別の実施形態では、R4はIである。別の実施形態では、R4はN(Me)2である。別の実施形態では、R4はOBnである。別の実施形態では、R3はFであり;R5は水素であり;nは1であり、ならびにR4は4−Clである。別の実施形態では、R3はFであり;R5は水素であり;nは1であり、ならびにR4は4−OCH3である。別の実施形態では、R3はFであり;R5は水素であり;nは1であり、ならびにR4は4−CH3である。別の実施形態では、R3はFであり;R5は水素であり;nは1であり、ならびにR4は4−N(Me)2である。別の実施形態では、R3はFであり;R5は水素であり;nは1であり、ならびにR4は4−OBnである。式XVIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、(4−フルオロフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12eb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XVIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4は、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R1およびR2は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
mは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XVIIの化合物のR4はハロゲンである。別の実施形態では、R4はFである。別の実施形態では、R4はClである。別の実施形態では、R4はBrである。別の実施形態では、R4はIである。別の実施形態では、R4はOCH3である。別の実施形態では、R4はCH3である。別の実施形態では、R4はN(Me)2である。別の実施形態では、R4はCF3である。別の実施形態では、R4はOHである。別の実施形態では、R4はOBnである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はハロゲンである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はFである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はClである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はBrである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はIである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はOCH3である。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はOCH3であり、mは3であり、ならびにR2はHである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR1はFであり、mは1であり、ならびにR2はHである。別の実施形態では、R4はFであり;R2は水素であり;nは3であり、ならびにR1はOCH3である。別の実施形態では、R4はOCH3であり;R2は水素であり;nは3であり、ならびにR1はOCH3である。別の実施形態では、R4はCH3であり;R2は水素であり;nは3であり、ならびにR1はOCH3である。別の実施形態では、R4はClであり;R2は水素であり;nは3であり、ならびにR1はOCH3である。別の実施形態では、R4はN(Me)2であり;R2は水素であり;nは3であり、ならびにR1はOCH3である。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR4はハロゲンであり、R1はHであり、ならびにR2はハロゲンである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR4はハロゲンであり、R1はハロゲンであり、ならびにR2はHである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR4はアルコキシであり、R1はハロゲンであり、ならびにR2はHである。別の実施形態では、式XVIIの化合物のR4はメトキシであり、R1はハロゲンであり、ならびにR2はHである。式XVIIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12dc)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン(13fa)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)。
別の実施形態では、式XVIIの化合物は、下記の構造式で表される化合物12fbである。
別の実施形態では、式XVIIの化合物は、下記の構造式で表される化合物12cbである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XVIIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、Wは、C=O、C=S、SO2、またはS=Oであり;
R4およびR7は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R5およびR8は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
nは、1〜4の整数であり;
iは、0〜5の整数であり;および
qは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XVIIIの化合物のWはC=Oである。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のWはSO2である。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のR4はHである。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のR4はNO2である。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のR4はOBnである。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のR7はHである。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のR7はOCH3である。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のR7はOCH3であり、ならびにqは3である。式XVIIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(12aba)、(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aaa)、2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10a)、2−(4−ニトロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10x)、2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10j)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XIXで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、Wは、C=O、C=S、SO2、またはS=Oであり;
R1、R4、およびR7は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R2、R5、およびR8は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
mは、1〜4の整数であり;
nは、1〜4の整数であり;
iは、0〜5の整数であり;および
qは、1〜4である。
一実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、Hである。別の実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、ハロゲンである。別の実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、OHである。別の実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、アルキルである。別の実施形態では、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、OCH2Phである。一実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、Hである。別の実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、ハロゲンである。別の実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、CNである。別の実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、OHである。別の実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、アルキルである。別の実施形態では、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、OCH2Phである。別の実施形態では、式XIXのR5、R2、およびR8はHであり、R4は4−N(Me)2であり、R1はOCH3であり、mは3であり、ならびにR7はOCH3である。別の実施形態では、式XIXの化合物のR5、R2、R7、およびR8はHであり;R4は4−Brであり、R1はOCH3であり、mは3である。別の実施形態では、WはSO2である。別の実施形態では、WはC=Oである。別の実施形態では、WはC=Sである。別の実施形態では、WはS=Oである。式XIXの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11gaa)、(2−(4−ブロモフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11la)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb)、(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11af)、(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11db)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ha)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11jb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gba)。
別の実施形態では、式XIXの化合物は、下記の構造式で表される化合物11cbである。
別の実施形態では、式XIXの化合物は、下記の構造式で表される11fbである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XXで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、R4は、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;および
iは、0〜5の整数である。
一実施形態では、式XXの化合物のR4はHである。別の実施形態では、式XXの化合物のR4はハロゲンである。別の実施形態では、R4はFである。別の実施形態では、R4はClである。別の実施形態では、R4はBrである。別の実施形態では、R4はIである。別の実施形態では、R4はアルキルである。別の実施形態では、R4はメチルである。式XXの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ea)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha)、(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ia)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ja)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)。
別の実施形態では、式XXの化合物は、下記の構造式で表される化合物12daである。
別の実施形態では、式XXの化合物は、下記の構造式で表される化合物12faである。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XXIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、A環はインドリルであり;
Qは、NH、O、またはSであり;
R1およびR2は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
iは、0〜5の整数である;
任意選択で、A環は、置換もしくは非置換O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、置換もしくは非置換−SO2−アリール、置換もしくは非置換の炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アミノアルキル、−OCH2Ph、置換もしくは非置換−NHCO−アルキル、COOH、置換もしくは非置換−C(O)Ph、置換もしくは非置換C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、NO2、またはそれらの組み合わせで置換され;
iは、0〜5の整数であり;および
mは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XXIの化合物のR1はOCH3であり;mは3であり、ならびにR2は水素である。別の実施形態では、R1はFであり;mは1であり、ならびにR2は水素である。一実施形態では、式XXIの化合物のQはOである。別の実施形態では、式XXIの化合物のQはNHである。別の実施形態では、式XXIの化合物のQはSである。
一実施形態では、式XXIの化合物のA環は置換5−インドリルである。別の実施形態では、置換は−(C=O)−アリールである。別の実施形態では、アリールは3,4,5−(OCH3)3−Phである。
別の実施形態では、式XXIの化合物のA環は3−インドリルである。別の実施形態では、式XXIの化合物のA環は5−インドリルである。別の実施形態では、式XXIの化合物のA環は2−インドリルである。式XXIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa);(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa);2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya);(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(62a);および(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(66a)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XXIaで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、Wは、C=O、C=S、SO2、またはS=Oであり;
A環はインドリルであり;
R1およびR2は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
R7およびR8は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり;
任意選択で、A環は、置換もしくは非置換O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、置換もしくは非置換−SO2−アリール、置換もしくは非置換の炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アミノアルキル、−OCH2Ph、置換もしくは非置換−NHCO−アルキル、COOH、置換もしくは非置換−C(O)Ph、置換もしくは非置換C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、NO2、またはそれらの組み合わせで置換され;
iは、0〜5の整数であり;
mは、1〜4の整数であり;および
qは、1〜4の整数である。
一実施形態では、式XXIaの化合物のR1はOCH3であり;mは3であり、ならびにR2は水素である。別の実施形態では、R1はFであり;mは1であり、ならびにR2は水素である。別の実施形態では、式XXIaの化合物のA環は置換5−インドリルである。別の実施形態では、式XXIaの化合物のA環は3−インドリルである。式XXIaの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa);(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17yaa)。
一実施形態では、本発明は、下記の構造式XXIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形、代謝物、互変異性体もしくは異性体に関する。
式中、A環はインドリルであり;
任意選択で、A環は、置換もしくは非置換O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、置換もしくは非置換−SO2−アリール、置換もしくは非置換の炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アミノアルキル、−OCH2Ph、置換もしくは非置換−NHCO−アルキル、COOH、置換もしくは非置換−C(O)Ph、置換もしくは非置換C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、NO2、またはそれらの組み合わせで置換され;および
iは、0〜5の整数である。
一実施形態では、式XXIIの化合物のA環は置換5−インドリルである。別の実施形態では、置換は−(C=O)−アリールである。別の実施形態では、アリールは3,4,5−(OCH3)3−Phである。
別の実施形態では、式XXIIの化合物のA環は3−インドリルである。式XXIIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa);2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)。
別の実施形態では、式XXIまたはXXIIの化合物は、下記の構造式で表される化合物17yaである。
一実施形態では、式XIIの化合物のQはHであり、Pは
である。別の実施形態では、式XIIの化合物のPはHであり、Qは
である。別の実施形態では、式XIIの化合物のPは
であり、QはSO
2−Phである。一実施形態では、式XIIの化合物のQはHであり、Pは
である。式中、WはC=Oである。別の実施形態では、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWはC=Oである。別の実施形態では、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWはSO2である。別の実施形態では、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWはC=Sである。別の実施形態では、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWはS=Oである。
一実施形態では、式XIIIの化合物のZは酸素である。別の実施形態では、式XIIIの化合物のZは硫黄である。
一実施形態では、式XII〜XVI、XVIII、またはXIXの化合物のR5は水素であり、nは1であり、ならびにR4はパラ位に位置する。
一実施形態では、式XIII〜XXの化合物のR4はアルキルである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はHである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はメチル(CH3)である。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はO−アルキルである。別の実施形態では、式XII〜XIXの化合物のR4はOCH3である。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はIである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はBrである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はFである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はClである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はN(Me)2である。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はOBnである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はOHである。別の実施形態では、式XII〜XXの化合物のR4はCF3である。
一実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は水素であり、R1はOCH3、ならびにmは3である。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は水素であり、mは1であり、ならびにR1はパラ位に位置する。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は水素であり、mは1であり、ならびにR1はIである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は水素であり、mは1であり、ならびにR1はBrである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は水素であり、mは1であり、ならびにR1はFである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は水素であり、mは1であり、ならびにR1はClである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1はIである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1はBrである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1はClである。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1はFである。
一実施形態では、式XIIの化合物のQはHであり、Pは
である。式中、WはC=Oである。式XII〜XVII、およびXX〜XXIIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa);(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ab);(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ac);(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ad);(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ae);(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af);(3−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ag);(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(p−トリル)メタノン(12ah);(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(m−トリル)メタノン(12ai);(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba);(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca);(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb);(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da);(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db);(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン塩酸塩(12db−HCl);(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12dc);(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ea);(4−フルオロフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12eb);(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa);(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb);(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)メタノン(12fc);(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga);(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb);(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha);(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12hb);(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ia);(4−フルオロフェニル)(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ib);(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ja);(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb);(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka);(2−(4−(ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12kb);(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la);(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa);(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)(2−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(13ea);(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン(13fa);および2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン(13ha)。
一実施形態では、式XIIの化合物のPは
であり、QがSO2−Phである式XIIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11ab);(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11ac);(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(p−トリル)メタノン(11ah);(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11af);(3−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11ag);(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb);(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11da);(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11db);(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ea);(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11eb);(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb);(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ga);(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11gb);(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ha);(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11hb);(1−(フェニルスルホニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ia);(1−(フェニルスルホニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11ib);(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11jb);(2−(4−ブロモフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11la);(1−(フェニルスルホニル)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11pa)。
一実施形態では、式XIII〜XVIの化合物のR4およびR5は水素である。R4およびR5が水素である式XIII〜XVIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa);(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ab);(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ac);(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ad);(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ae);(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af);(3−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ag);(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(p−トリル)メタノン(12ah);および(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(m−トリル)メタノン(12ai)。
一実施形態では、式XIIの化合物のPはHであり、Qは
である。別の実施形態では、WはC=Oである。別の実施形態では、式XVIIIの化合物のWはC=Oである。WがC=Oである式XVIIIの非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(12aba)および(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aaa)。
別の実施形態では、式XVIIIの化合物のWはSO2である。WがSO2である式XVIIIの化合物の非限定的な例は次の群から選択される。すなわち、2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10a);2−(4−ニトロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10x);および2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10j)。
本願明細書で使用される場合、「単環、縮合環もしくは多環のアリールまたは(複素)環式環系」は、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフチル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロジエニル、フルオレン、アダマンタンなどを含むが、これに限定されるものではなく、任意の環であってもよい。
「飽和もしくは不飽和N−複素環」は、アジリジニル、アゼチジニル、ジアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ビペラジニル、およびアゾカニルなどのアザ−およびジアザ−シクロアルキル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラアジニル、ピロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリジニル、シンノリニル、キノロリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニルなどを含むが、これに限定されるものではなく、任意のN含有複素環であってもよい。
「飽和もしくは不飽和O−複素環」は、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、フラニル、ピリリウム、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリルなどを含むが、これに限定されるものではなく、任意のO含有複素環であってもよい。
「飽和もしくは不飽和S−複素環」は、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェン−イル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオフェン−イル、チエピニル、チアナフテニルなどを含むが、これに限定されるものではなく、任意のO含有複素環であってもよい。
「飽和もしくは不飽和混合複素環」は、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアジオリルなどを含むが、これに限定されるものではなく、2つ以上のS−、N−、またはO−ヘテロ原子を含む任意の複素環であってもよい。
本願明細書で使用される場合、「脂肪族直鎖もしくは分岐鎖炭化水素」とは、炭素が1つの鎖上に存在するか、分岐鎖上に存在するかにかかわらず、ともに1個の炭素と定義された上限の数までの炭素を含むアルキレン基のほかに、2個の炭素と上限の数までの炭素を含むアルケニル基およびアルキニル基のことも言う。明確に特定されない;かぎり、炭化水素は炭素数が最高約30の炭化水素、または炭素数が最高約20の炭化水素、または炭素数が最高約10の炭化水素を含んでもよい。アルケニル基およびアルキニル基は、一価不飽和あるいは多価不飽和であってもよい。別の実施形態では、アルキルは1〜6個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜8個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜10個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜12個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜5個の炭素を含む。
本願明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、多に特に規定がなければ、最高約30個の炭素を含む任意の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であってもよい。別の実施形態では、アルキルは1〜6個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜8個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜10個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜12個の炭素を含む。別の実施形態では、アルキルは1〜20個の炭素を含む。別の実施形態では、環式アルキル基は3〜8個の炭素を持つ。別の実施形態では、分岐アルキルは、1〜5個の炭素のアルキル側鎖で置換されたアルキルである。
アルキル基は唯一の置換基であってもよく、また、アルコキシ、ハロアルキル、アリールアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミド、アルキル尿素などの大きな置換基の構成要素であっても良い。好適なアルキル基は、メチル、エチル、およびプロピルであり;および、したがって、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、ハロエチル、ジハロエチル、トリハロエチル、ハロプロピル、ジハロプロピル、トリハロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、アリールメチル、アリールエチル、アリールプロピル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルアミド、アセトアミド、プロピルアミド、ハロメチルアミド、ハロエチルアミド、ハロプロピルアミド、メチル尿素、エチル尿素、プロピル尿素などである。
本願明細書で使用される場合、用語「アリール」とは、別の基に直接結合する任意の芳香族環のことを言う。アルキル基は唯一の置換基であってもよく、また、アリールアルキル、アリールアミノ、アリールアミドなどの大きな置換基の構成要素であっても良い。典型的なアリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、フラニル、ナフチル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チオフェン−イル、ピロリル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルアミノ、フェニルアミドなどが挙げられ、これに限定されるものではない。
本願明細書で使用される場合、用語「アミノアルキル」とは、上記で定義されたアルキル基によって置換されたアミノ基のことを言う。アミノアルキルとは、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、またはトリアルキルアミノのことを言う。アミノアルキル基の非限定的な例は、−N(Me)2、−NHMe、または−NH3である。
別の実施形態では、「ハロアルキル」基は、上記で定義されたアルキル基のことを言い、このアルキル基が1つ以上のハロゲン原子、例えばF、Cl、Br、またはIで置換される。ハロアルキルの非限定的な例は、CF3、CF2CF3、またはCH2CF3である。
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれらの組み合わせを提供する。一実施形態では、本発明は、本発明の化合物の異性体を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の代謝物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物は薬学的に許容される塩を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の医薬品を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の互変異性体を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の水和物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物のN−酸化物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の多形を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の結晶を提供する。別の実施形態では、本発明は、本書に記載の通り、本発明の化合物を含む組成物を提供し、あるいは、別の実施形態では、本発明の化合物の異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、または結晶を提供する。
一実施形態では、用語「異性体」として、光学異性体および類似体、構造異性体および類似体、配座異性体および類似体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
一実施形態では、本発明の化合物は、純(E)−異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、純(Z)−異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、(E)と(Z)異性体の混合物である。一実施形態では、本発明の化合物は、純(R)−異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、純(S)−異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、(R)と(S)異性体の混合物である。
本発明の化合物は、実質上同量の立体異性体を含むラセミ混合物の形態で存在してもよい。別の実施形態では、本発明の化合物は、その対応する立体異性体を実質上含まない;立体異性体を得るように、公知の手順を用いて調製、あるいは分離できる。実質上純粋というのは、立体異性体は少なくとも約95%の純度であり、好適には少なくとも約95%の純度であり、最も好適には少なくとも約99%の純度であることである。
本発明の化合物は、水和物の形態であってもよい。このことは、化合物が、非共有分子間力によって結合した化学量論量または非化学量論量の水をさらに含むことを意味する。
本発明の化合物は、1個以上の予想される互変異性体の形態で存在する場合があり、特定の条件によっては、互変異性体の一部またはすべてを個別および異なる実体に分離できる場合がある。当然のことながら、本書では、エノールおよびケトの互変異性体を含む予想される互変異性体のすべて、および/または異性体が含まれる。例えば、以下の互変異性体が含まれるが、これに限定されるものではない。
本発明には、本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」が含まれ、この塩は、本発明の化合物と酸または塩基との反応によって生成することができる。特定の化合物、特に酸性基または塩基性基を有する化合物は、塩、好適には薬学的に許容される塩の形態で存在することもできる。用語「薬学的に許容される塩」とは、生物学的効果および遊離塩基または遊離酸の特性(生物学的、非生物学的を別にして好ましくない)を維持する塩のことを言う。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキシル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインなどの有機酸とで作られる。他の塩は当業者にとって公知であり、本発明にしたがった使用に容易に合わせることができる。
本発明の方法の化合物のアミンの好適な薬学的に許容される塩は、無機酸または有機酸から調製できる。一実施形態では、アミンの無機塩の例としては、重硫酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、ヘミ硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩(スルホン酸ヒドロキシエタン)、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸(スルホン酸アルキル、スルホン酸アリール、ハロゲン置換スルホン酸アルキル、ハロゲン置換スルホン酸アリール)、スルホン酸塩、およびチオシアン酸塩である。
一実施形態では、アミンの有機塩の例は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環、カルボン酸、およびスルホン酸類から選択でき、それらの例は、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アントラニル酸塩、アルギン酸塩、カルボン酸アルカン、置換カルボン酸アルカン、アルギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸エステル塩、重硫酸塩、酪酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、桂皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、二塩酸塩、デカン酸塩、エナンタート、エタンスルホン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、ギ酸塩、フッ化物、ガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グルカ酸、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルセプテート、グリコリルアルサニレート、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、フッ化水素酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メチレンビス(β−オキシナフトエート)、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、スルホン酸メチル、マレイン酸カリウム、ムチン酸塩、モノカルボン酸塩、硝酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、ナフシレート、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、オクタン酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、酢酸フェニル、ピクリン酸塩、安息香酸フェニル、ピバレート、プロピオン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ペクチン酸塩、プロピオン酸フェニル、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ピルビン酸塩、クインネート、サリチル酸塩、コハク酸塩、ステアリン酸塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、酢酸テオフィリン、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、トリフルオロ酢酸塩、テレフタル酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、トリハロ酢酸塩、トリエチオダイド、トリカルボン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩である。
一実施形態では、カルボン酸またはヒドロキシルの無機塩の例は、アンモニウムと、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを含むアルカリ金属と;カルシウム、マグネシウム、アルミニウムを含むアルカリ土類金属と;亜鉛と、バリウムと、コリンと、第4級アンモニウムとから選択できる。
別の実施形態では、カルボン酸またはヒドロキシルの有機塩の例は、アルギニンと、脂肪族有機アミン、脂環式有機アミン、芳香族有機アミン、ベンザチン、t−ブチルアミン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドラバミン、イミダゾール、リジン、メチルアミン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ニコチンアミド、有機アミン、オルニチン、ピリジン、ピコリル、ピペラジン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トロメタミン、および尿素を含む有機アミンとから選択できる。
一実施形態では、塩は、塩が溶けない溶媒または媒体、または水などの溶媒の中で生成物の形態の遊離塩基または遊離酸を1つ以上の同等の適切な酸または塩基に反応させるなど、従来の手段で形成できる。これらの溶媒は、真空、または凍結乾燥、または既存の塩のイオンを別のイオンまたは好適なイオン交換樹脂に交換することで取り除かれる。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の調製のための工程を提供する。一実施形態では、アリール−イミダゾールは、適切に置換されたベンズアルデヒドをエチレンジアミンと反応させて、イミダゾリン環を作り、続いて、酸化剤によってイミダゾリンを対応するイミダゾールに酸化することによって調製される。別の実施形態では、酸化剤は、ジアセトキシヨードベンゼン、ブロモトリクロロメタン、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、炭素−O2系、またはパラジウム−炭素系である。別の実施形態では、アリール−イミダゾールは、イミダゾール環を作るために、ヨウ素と炭酸カリウムの存在下で適切に置換された適切に置換されたベンズアルデヒドをエチレンジアミンと反応させて、続いて、ジアセトキシヨードベンゼン、ブロモトリクロロメタン、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、炭素−O2系、またはパラジウム−炭素系による触媒作用を受けたイミダゾリン環の対応するイミダゾールへの酸化によって調製される。別の実施形態では、アリール−イミダゾールは、イミダゾール環を作るために、ヨウ素と炭酸カリウムの存在下で適切に置換された適切に置換されたベンズアルデヒドをエチレンジアミンと反応させて、続いて、ジアセトキシヨードベンゼンによる触媒作用を受けたイミダゾリン環の対応するイミダゾールへの酸化によって調製される。別の実施形態では、アリール−イミダゾールは、イミダゾール環を作るために、ヨウ素と炭酸カリウムの存在下で適切に置換された適切に置換されたベンズアルデヒドをエチレンジアミンと反応させて、続いて、ブロモトリクロロメタンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)による触媒作用を受けたイミダゾリン環の対応するイミダゾールへの酸化によって調製される。一実施形態では、アリール−イミダゾールは、イミダゾール環を作るために、適切なベンズアルデヒドのエタノール溶液をオキサルアルデヒドおよび水酸化アンモニウムと反応させて調製される。
一実施形態では、本発明のアリール−ベンゾイル−イミダゾール化合物は、アリール−イミダゾールを保護し、続いて、適切に置換された塩化ベンゾイルとカップリングし、続いて、保護基を取り除いて調製される。別の実施形態では、保護基が、フェニルスルホニル基、フタルイミド、ジ−tert−ブチルジカルボネート(Boc)、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、またはモノメトキシトリチル(NMT)である。別の実施形態では、N−スルホニル保護アリール−イミダゾールを得るために、アリール−イミダゾールをフェニルで保護する。別の実施形態では、保護アリール−イミダゾール化合物は、アリール−イミダゾールを、塩化フェニルスルホニルおよび水素化ナトリウムのTHF溶液と反応させて調製される。別の実施形態では、保護アリール−イミダゾールは、図7および8にしたがって調製される。
一実施形態では、アリール−ベンゾイルイミダゾールを得るために、保護アリール−イミダゾールが、適切に置換された塩酸ベンゾイルとカップリングされる。別の実施形態では、アリール−フェニルスルホニル(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンを得るために、アリール−イミダゾールが、tert−ブチルリチウムの存在下で適切に置換された塩酸ベンゾイルとカップリングされる。別の実施形態では、(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンは、それぞれ、図7および8のステップeおよびcにしたがって調製される。
一実施形態では、アリール−ベンゾイル−イミダゾールは、アリール−ベンゾイル−イミダゾールの保護基を取り除くことで調製される。別の実施形態では、保護基の除去は使用される保護基によって左右され、当業者には公知の条件で取り除くことができる。別の実施形態では、フェニルスルホニル保護基は、フッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液で取り除かれる。別の実施形態では、フェニルスルホニルは、図7および8にしたがって取り除かれる。
一実施形態では、式I、Ia、II、III、V、およびXIの化合物は、図1にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、V、VI、VII、およびXIの化合物は、図2にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、V、およびVIの化合物は、図3にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、V、およびVIの化合物は、図4にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IV、IVa、V、VIおよびXIの化合物は、図5にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、VIII、およびXIの化合物は、図6にしたがって調製される。
一実施形態では、式XIIおよびXVIIIの化合物は、図9にしたがって調製される。別の実施形態では、式XII、XIII、XIV、XIVa、XV、XVI、XVII、XIX、またはXXの化合物は、図10にしたがって調製される。別の実施形態では、式XIVaおよびXIXの化合物は、図11にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、IV、IVa、XI、XXI、XXIa、およびXXIIの化合物は、図12にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、IV、IVa、XI、XIb、XXI、XXIa、およびXXIIの化合物は、図13にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、V、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVII、XIX、およびXXの化合物は、図14にしたがって調製される。別の実施形態では、式I、Ia、II、IV、IVa、XI、およびXIcの化合物は、図15にしたがって調製される。
一実施形態では、式IXおよびIXaの化合物は、図16にしたがって調製される。
医薬組成物
本発明の別の態様は、薬学的に許容される担体と、本発明の態様にしたがった化合物とを含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、1つ以上の本発明の上記化合物を含むことができる。典型的には、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩のほか、薬学的に許容される担体も含むことになる。用語「薬学的に許容される担体」とは、任意の好適な補助剤、担体、賦形剤、または安定剤のことを言い、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、またはエマルションなど固体状であっても、液体状であってもよい。
典型的には、化合物は、約0.01〜99%、好適には約20〜75%の活性化合物を、補助剤、担体、および/または賦形剤とともに含むことになる。個々のニーズは変わる場合があるが、各化合物の有効量の最適範囲の決定は、技能の範囲内である。典型的には、用量は、約0.01〜100mg/kg×体重を含む。好適な用量は、約0.1〜100mg/kg×体重を含む。最も好適な用量は、約1〜100mg/kg×体重を含む。本発明の化合物の投与の治療計画は、一般の当業者が容易に決定することもできる。すなわち、投与頻度および用量は、所定の最適化によって規定でき、好適には副作用を最小限に抑えながら規定できる。
固形単位剤形は、従来の種類であってもよい。固形は、一般のゼラチンタイプ含有の本発明の化合物および担体(例えば、潤滑剤、および乳糖、蔗糖、またはコーンスターチなどの不活性充填剤)などのカプセルなどであってもよい。別の実施形態では、化合物は、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチンのような結合剤と、コーンスターチ、じゃがいも澱粉、またはアルギン酸などの崩壊剤と、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤との併用で、乳糖、蔗糖、またはコーンスターチなどの従来の錠剤ベースで錠剤化される。
錠剤、カプセルなどは、トラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチンなどの結合剤;第二リン酸カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、じゃがいも澱粉、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;および蔗糖、乳糖、またはサッカリンなどの甘味料も含んでもよい。単位剤形がカプセルである場合、上記の種類の物質に加えて、脂肪油などの液体担体を含んでもよい。
その他のさまざまな物質が、コーティングとして、または剤形の物理的形状を修正するために存在することがある。例えば、錠剤は、セラック、砂糖、またはその両方でコーティングしてもよい。シロップは、有効成分に加えて、甘味料としての蔗糖と、保存剤としてメチルおよびプロピルパラベンと、染料と、チェリーまたはオレンジ香味料などの香味料とを含んでもよい。
経口治療的投与のために、活性化合物を賦形剤に組み込むことができ、そして錠剤、カプセル、エリキシル剤、サスペンション、シロップなどの剤形で使用できる。当該組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含む必要がある。もちろん、これらの組成物中の化合物の割合は変わる可能性があり、好都合には、単位重量の約2%〜約60%であってもよい。当該治療上有用な活性化合物の量は、適切な用量が得られる量である。本発明にしたがった好適な組成物は、経口剤形が約1mg〜800mgの活性化合物を含むように調製される。
本発明の活性化合物は、例えば、不活性希釈剤または吸収可能食用担体とともに経口投与される場合があり、または、ハードまたはソフトシェルカプセルに包んでもよく、錠剤に圧縮してもよく、あるいは食品に直接組み込んでもよい。
注射用に適した医薬品形態には、無菌注射剤または分散剤を準備なしで調製できるように、無菌水溶液または分散剤および無菌粉末を含む。すべての場合で、剤形は無菌であり、容易に注射可能な流動性が存在するような程度の液体である必要がある。製造および保存の条件の下で安定していて、細菌や菌類などの微生物の汚染作用に対して保護する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および植物油を含む溶剤または分散剤であってもよい。
本発明の化合物または医薬組成物は、補助薬、担体、または賦形剤とともに生理学的に許容される希釈剤にこれらの物質を含んだ溶液またはサスペンションによる注射可能な剤形で投与されることもある。前記補助剤、担体、および/または賦形剤としては、界面活性剤および他の薬学的および生理学的に許容される成分の添加の有無にかかわらず、水および油などの無菌液が挙げられるが、これに限定されるものではない。実例となる油は、石油、動物、食物、または合成起源のものであり、例えば、ピーナッツ油、大豆油、または鉱物油である。一般的に、水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、ならびに、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、好適な担体であり、特に注射剤に好適である。
これらの活性化合物は、非経口で投与される場合もある。これらの活性化合物の溶液またはサスペンションは、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混ぜられた水で調製できる。分散液も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物を含む油で調製できる。実例となる油は、石油、動物、食物、または合成起源のものであり、例えば、ピーナッツ油、大豆油、または鉱物油である。一般的に、水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、ならびに、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、好適な担体であり、特に注射剤に好適である。保管および使用の通常条件の下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐ保存料を含む。
エアロゾルとして使用する場合、本発明の化合物の溶液またはサスペンションは、従来の補助剤とともに、適切な高圧ガス(例えば、プロパン、ブタン、またはイソブテンのような炭化水素高圧ガス)と一緒に加圧エアロゾル容器に包装されることがある。本発明の物質は、ネブライザーまたはアトマイザーなどから非加圧で投与されることもある。
一実施形態では、本発明の化合物は、抗癌剤との併用で投与される。一実施形態では、抗癌剤はモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、モノクローナル抗体が、癌の診断、モニタリング、または処置に使用される。一実施形態では、モノクローナル抗体が、癌細胞の特定の抗原に対して反応する。一実施形態では、モノクローナル抗体は、癌細胞受容体アンタゴニストとして機能てする。一実施形態では、モノクローナル抗体は、患者の免疫反応を高める。一実施形態では、モノクローナル抗体が細胞増殖因子に対して反応し、したがって、癌細胞の増殖を妨げる。一実施形態では、抗癌モノクローナル抗体は、抗癌剤、放射性同位体、他の生物反応修飾物質、他の毒素、またはそれらの組み合わせと共役結合または共有結合される。一実施形態では、抗癌モノクローナル抗体は、本願明細書で上述した本発明の化合物と共役結合または共有結合される。
本発明のさらにもう1つの態様は、癌の処置を必要とする被検体の選択と、効果的に癌を処置する条件の下で被検体に本発明の最初の態様にしたがった化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の被検体への投与とを含む癌を処置する方法に関する。
本発明の化合物を投与する場合、全身投与してよく、あるいは、癌細胞または前癌細胞が存在する特定部位に直接投与してもよい。したがって、投与は、化合物または医薬組成物を癌細胞または前癌細胞に送達するのに効果的な任意の方法で行ってもよい。典型的な投与方法としては、化合物または組成物の経口投与、局所投与、非経口投与、皮下投与、静脈投与、筋肉内投与、腹腔内投与、鼻腔内注入投与、腔内または膀胱内注入投与、眼球内投与、動脈内投与、病巣内投与、または鼻、喉、および気管支の粘膜など粘膜への塗布による投与が挙げられるが、これに限定されるものではない。
生物活性
一実施形態では、本発明は、本書に記載のあらゆる実施形態を含む、本発明のあらゆる方法に使用するための化合物および組成物を提供する。一実施形態では、本発明の化合物、またはこれを含む組成物を使用することには、当業者には公知の通り、被験体の望まれる反応の阻害、抑制、増進、または刺激において有用性がある。別の実施形態では、組成物は追加有効成分をさらに含み、この成分の活性は、本発明の化合物が投与される特定の用途に有益である。
一実施形態では、本発明は、癌の処置に有効な条件の下で本発明の化合物を、癌を患う被検体に投与することを含む、癌の処置、抑制、重症度軽減、進行リスクの削減、または阻害の方法に関する。
薬剤耐性は、癌化学治療失敗の主な原因である。多剤耐性の主な原因の1つは、P−糖タンパク質(P−gp)の過剰発現である。このタンパク質は、細胞膜輸送体のATP−結合カセットファミリーの臨床的に重要な輸送タンパク質である。ATP−依存機構を通じて、腫瘍細胞の外に抗癌剤を含む物質を送り出すことができる。
一実施形態では、本発明は、以下のための方法を提供する。すなわち、a)薬剤耐性腫瘍の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;b)転移性癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;c)薬剤耐性癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;d)癌がメラノーマである薬剤耐性癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;e)癌が前立腺癌である薬剤耐性癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;f)転移性メラノーマの処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;g)前立腺癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害;h)被検体が、当該被検体に本発明の化合物および/または当該化合物の異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、または結晶、またはそれらの組み合わせを投与するステップを含む、化学療法、放射線療法、または生物学的療法による処置を以前受けたことがある、被検体の癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または阻害。
本発明の化合物は、癌、転移性癌、薬剤耐性腫瘍、薬剤耐性癌、およびさまざまな形態の癌の処置、重症度軽減、リスク軽減、または阻害に有用である。好適な実施形態では、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、肺癌、大腸癌、白血病、リンパ腫、頭頸部癌、膵臓癌、食道癌、腎臓癌、CNS癌(例えば、神経膠腫、膠芽細胞腫)である。これらのさまざまな癌の処置は、本願明細書の実施例で対応している。さらに、チューブリン阻害剤としての作用形態に基づき、癌の他の形態は、患者への本発明の化合物または組成物の投与により、同様に処置可能または予防可能であると考えられている。本発明の好適な化合物は、癌細胞に選択的に破壊的な影響を与え、癌細胞の除去を行うが、好適には正常細胞の除去は行わない。意義深いことに、かなり低濃度の本発明の化合物の存在下で癌細胞が崩壊しやすいため、正常細胞への被害は最小限に抑えられる。
一部の実施形態では、本発明は、被検体の癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、多形、N−酸化物、水和物、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、癌は副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹癌、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、松果体部腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、大腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、腫瘍のユーイングファミリー(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌腫、喉頭癌、白血病、急性リンパ性白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞リンパ腫、AIDS−関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)リンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉種、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻咽腔癌、神経芽細胞種、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、膵臓外分泌腺癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T−細胞リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、腎芽細胞種、またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態では、被検体は、化学療法、放射線療法、または生物学的療法による処置を以前受けたことがある。
一部の実施形態では、本発明は、被検体の転移性癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、多形、N−酸化物、水和物、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、癌は副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹癌、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、松果体部腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、大腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、腫瘍のユーイングファミリー(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌腫、喉頭癌、白血病、急性リンパ性白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞リンパ腫、AIDS−関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)リンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉種、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻咽腔癌、神経芽細胞種、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、膵臓外分泌腺癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T−細胞リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、腎芽細胞種、またはそれらの任意の組み合わせである。
一部の実施形態では、本発明は、被検体の薬剤耐性癌または耐性癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、多形、N−酸化物、水和物、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、癌は副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹癌、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、松果体部腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、大腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、腫瘍のユーイングファミリー(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌腫、喉頭癌、白血病、急性リンパ性白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞リンパ腫、AIDS−関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)リンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉種、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻咽腔癌、神経芽細胞種、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、膵臓外分泌腺癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T−細胞リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、腎芽細胞種、またはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、「転移性癌」とは、癌の発生部位から体の別の領域に広がった(転移した)癌のことを言う。ほぼすべての癌には、広がる可能性がある。転移が進行するかどうかは、癌の種類、腫瘍細胞の成熟(分化)の度合い、癌が存在する期間のほか、他の完全に分かっていない因子も含む多くの腫瘍細胞因子の複雑な相互作用に依存する。転移は、腫瘍から周囲の組織への局所進展による、離れた部位への血流を通じて、または近隣または離れたリンパ節へのリンパ系を通じての3つの方法で広がる。各種の癌には、典型的な広がる経路がある。腫瘍は、原発部位によって呼ばれる(例えば、脳に広がった乳癌は、脳への転移性乳癌と呼ばれる)
一実施形態では、「薬剤耐性癌」とは、化学療法に対する耐性を獲得する癌細胞のことを言う。癌細胞は、薬剤標的の突然変異または過剰発現、薬剤の不活性化、または細胞からの薬剤の排除を含む、さまざまな機構によって化学療法に対する耐性を獲得することがある。化学療法に対する初期反応の後に再発する腫瘍は、複数の薬剤に耐性を持つ可能性がある(すなわち、多剤耐性)。薬剤耐性の従来の見解では、腫瘍集団の中の1つまたは複数の細胞が、薬剤耐性を授与する遺伝子変化を獲得する。したがって、薬剤耐性の理由はとりわけ以下である。すなわち、a)化学療法で殺されない細胞の一部が突然変異(変化)して、薬剤耐性になる。それらが増殖すれば、化学療法に敏感な細胞よりも多くの耐性細胞が存在する可能性がある;b)遺伝子増幅。癌細胞が数百の特定遺伝子の複製を作ることがある。この遺伝子が、抗癌剤を効かない状態にするタンパク質の過剰生産を引き起こす;c)p−糖タンパク質と呼ばれる分子を用いると、通常よりも速く、癌細胞が薬剤を細胞の外に送り出すことがある;d)細胞壁全体に薬剤を輸送するタンパク質が機能を停止するため、癌細胞が薬剤の取り込みを停止することがある;e)癌細胞が、一部の抗癌剤によって生じたDNA切断を修復する方法を学習することがる;f)癌細胞が、薬剤を不活性化させる機能を開発することがある。多剤耐性の主な原因の1つは、P−糖タンパク質(P−gp)の過剰発現である。このタンパク質は、細胞膜輸送体のATP−結合カセットファミリーの臨床的に重要な輸送タンパク質である。ATP−依存機構を通じて、腫瘍細胞の外に抗癌剤を含む物質を送り出すことができる。したがって、化学療法で使用される抗癌剤に対する耐性が、悪性疾患での処置失敗の主な原因であり、腫瘍が耐性になることを引き起こすことになる。薬剤耐性は、癌化学治療失敗の主な原因である。
一実施形態では、「耐性癌」とは、本願明細書の上述の薬剤耐性癌のことを言う。別の実施形態では、「耐性癌」とは、化学療法、放射線療法、または生物学的療法などの処置に対する耐性を獲得する癌細胞のことを言う。
一実施形態では、本発明は、被検体の癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制を対象とし、当該被検体は化学療法、放射線療法、または生物学的療法による処置を以前受けたことがある。
一実施形態では、「化学療法」とは、癌細胞を直接殺す薬剤など、癌の化学的処置のことを言う。前記薬剤は、「抗癌」剤または「抗腫瘍」剤と呼ばれる。現在の治療では、癌の処置に100以上の薬剤を使用する。特定の癌を治療するためにである。化学療法は、治療が不可能な場合には腫瘍増殖を抑えるために;手術または放射線治療前に腫瘍を縮ませるために;そして、手術で既知の腫瘍が取り除かれた後に存在する可能性がある顕微鏡サイズの癌細胞を破壊するために、使用される。可能性がある癌再発を防止するために、補助的治療が行われる。
一実施形態では、「放射線療法」とは、疾患を処置する高エネルギーX線および同様の線(電子など)のことを言う。癌を患う多くの人は、その処置の一部として放射線療法を受けることになる。これは、X線を用いた体外からの外部放射線療法として、または内部放射線療法として体内からのいずれかで行われる。放射線療法は、処置領域の癌細胞を破壊することで機能する。放射線療法によって正常細胞も損傷を受ける可能性があるが、通常、修復できる。放射線療法を用いた処置によって、一部の癌を治療でき、手術後に癌が再発する可能性を減らすこともできる。癌症状を軽減するために使用されることがある。
一実施形態では、「生物学的療法」とは、癌細胞を殺すために体内で自然に発生する物質のことを言う。モノクローナル抗体、癌増殖阻害剤、ワクチン、および遺伝子治療を含む、いくつかの種類の処置がある。生物学的療法は、免疫療法としても知られている。
一実施形態では、本発明は、前立腺癌、転移性前立腺癌、耐性前立腺癌、または薬物耐性前立腺癌を患う被検体を処置する方法を提供し、当該方法は、前記被検体に本発明の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせ、あるいは被検体の前立腺癌を処置するのに有効な量のこれらを含む組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
一実施形態では、本発明は、被検体の前立腺癌、転移性前立腺癌、耐性前立腺癌、または薬物耐性前立腺癌の抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延、または抑制の方法を提供し、当該方法は、被検体に本発明の化合物、および/またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせ、あるいはこれらを含む組成物を投与することを含む。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
一実施形態では、本発明は、乳癌、転移性乳癌、耐性乳癌、または薬物耐性乳癌を患う被検体を処置する方法を提供し、当該方法は、前記被検体に本発明の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせ、あるいはこれらを含む組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、被検体は男性または女性である。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
一実施形態では、本発明は、被検体の乳癌、転移性乳癌、耐性乳癌、または薬物耐性乳癌の抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延、または抑制の方法を提供し、当該方法は、前記被検体に本発明の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせ、あるいはこれらを含む組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、被検体は男性または女性である。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、被検体の卵巣癌、転移性卵巣癌、耐性卵巣癌、または薬剤耐性卵巣癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
一実施形態では、本発明は、被検体のメラノーマ、転移性メラノーマ、耐性メラノーマ、または薬物耐性メラノーマの処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制の方法を提供し、当該方法は、被検体に本発明の化合物、および/またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせを投与することを含む。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、肺癌、転移性肺癌、耐性肺癌、または薬剤耐性肺癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、非小細胞肺癌、転移性小細胞肺癌、耐性小細胞肺癌、または薬剤耐性小細胞肺癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、大腸癌、転移性大腸癌、耐性大腸癌、または薬剤耐性大腸癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、白血病、転移性白血病、耐性白血病、または薬剤耐性白血病の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、リンパ腫、転移性リンパ腫、耐性リンパ腫、または薬剤耐性リンパ腫の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、頭頸部癌、転移性頭頸部癌、耐性頭頸部癌、または薬剤耐性頭頸部癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、膵臓癌、転移性膵臓癌、耐性膵臓癌、または薬剤耐性膵臓癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、食道癌、転移性食道癌、耐性食道癌、または薬剤耐性食道癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、腎臓癌、転移性腎臓癌、耐性腎臓癌、または薬剤耐性腎臓癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、本発明は、CNS癌、転移性CNS癌、耐性CNS癌、または薬剤耐性CNS癌の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、進行遅延または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、水和物、N−酸化物、多形、結晶、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
一部の実施形態では、本発明は、被検体の薬物耐性癌性腫瘍の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制のための、本願明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、互変異性体、多形、N−酸化物、水和物、またはそれら任意の組み合わせの使用法を提供する。別の実施形態では、癌は副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹癌、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、松果体部腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、大腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、腫瘍のユーイングファミリー(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌腫、喉頭癌、白血病、急性リンパ性白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞リンパ腫、AIDS−関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)リンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉種、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻咽腔癌、神経芽細胞種、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、膵臓外分泌腺癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T−細胞リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、腎芽細胞種、またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、腫瘍は前立腺癌腫瘍である。別の実施形態では、腫瘍は卵巣癌腫瘍である。別の実施形態では、腫瘍はメラノーマ腫瘍である。別の実施形態では、腫瘍は多剤耐性(MDR)メラノーマ腫瘍である。
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を提供し、接触した癌性細胞を破壊するのに有効な条件下で、化合物を用いて癌性細胞と接触することを含む、癌性細胞を破壊する方法に関する癌性細胞を破壊するさまざまな実施形態によれば、破壊される細胞を、体内または体外(すなわち、培地内)のいずれかに置いてもよい。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
別の実施形態では、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、肺癌、大腸癌、白血病、腎臓癌、CNS癌、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明のさらなる態様は、本発明の化合物を提供し、その後、癌症状の処置または予防に有効な方法で、患者に有効量の化合物を投与することを含む、癌症状を処置または予防する方法に関する。
一実施形態によれば、処置される患者は、前癌症状が存在することを特徴とし、化合物の投与は、前癌症状の癌症状への進行を防ぐことに有効である。癌状態へのそのさらなる進行の前またはそれと同時に、癌細胞を破壊することで行うことができる。
別の実施形態によれば、処置される患者は、癌症状が存在することを特徴とし、化合物の投与は、癌症状を後退させること、または癌症状の進行を阻害すること(すなわち、その進行を完全に停止させること、または進行速度を遅らせること)のいずれかに有効である。好適には、患者体内のその位置に関係なく、癌細胞を破壊することで行う。すなわち、癌細胞が原発腫瘍部位にあろうが、癌細胞が転移し、患者体内に二次性腫瘍を作ったかには関係ない。
本願明細書で使用される場合、被検体または患者とは、ヒトおよび他の霊長類、犬、猫、馬、牛、羊、豚、ラット、マウス、およびその他の齧歯類を含むあらゆる哺乳類患者のことを言い、これに限定されるものではない。一実施形態では、被検体は雄である。別の実施形態では、被検体は雌である。一部の実施形態では、一方で、本願明細書に記載の方法が、雄または雌のいずれかの処置に有用であることがある。
本発明の化合物を投与する場合、全身投与してよく、あるいは、癌細胞または前癌細胞が存在する特定部位に直接投与してもよい。したがって、投与は、化合物または医薬組成物を癌細胞または前癌細胞に送達するのに効果的な任意の方法で行ってもよい。典型的な投与方法としては、化合物または組成物の経口投与、局所投与、非経口投与、皮下投与、静脈投与、筋肉内投与、腹腔内投与、鼻腔内注入投与、腔内または膀胱内注入投与、眼球内投与、動脈内投与、病巣内投与、または鼻、喉、および気管支の粘膜など粘膜への塗布による投与が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の化合物は、さまざまな形態の癌、特に、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、肺癌、大腸癌、白血病、腎臓癌、およびCNS癌(例えば、神経膠腫、膠芽細胞腫)の処置または予防に有用である。これらのさまざまな癌の処置は、本願明細書の実施例で対応している。さらに、チューブリン阻害剤としての作用形態に基づき、癌の他の形態は、患者への本発明の化合物または組成物の投与により、同様に処置可能または予防可能であると考えられている。本発明の好適な化合物は、癌細胞に選択的に破壊的な影響を与え、癌細胞の除去を行うが、好適には正常細胞の除去は行わない。意義深いことに、かなり低濃度の本発明の化合物の存在下で癌細胞が崩壊しやすいため、正常細胞への被害は最小限に抑えられる。
本発明の化合物は、癌、転移性癌、耐性癌、または薬剤耐性癌の処置、重症度軽減、リスク軽減、または阻害に有用である。別の実施形態では、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、肺癌、大腸癌、白血病、リンパ腫、頭頸部癌、膵臓癌、食道癌、腎臓癌、またはCNS癌である。これらのさまざまな癌の処置は、本願明細書の実施例で対応している。さらに、チューブリン阻害剤としての作用形態に基づき、癌の他の形態は、患者への本発明の化合物または組成物の投与により、同様に処置可能または予防可能であると考えられている。本発明の好適な化合物は、癌細胞に選択的に破壊的な影響を与え、癌細胞の除去を行うが、好適には正常細胞の除去は行わない。意義深いことに、かなり低濃度の本発明の化合物の存在下で癌細胞が崩壊しやすいため、正常細胞への被害は最小限に抑えられる。別の実施形態では、化合物は化合物12dbである。別の実施形態では、化合物は化合物11cbである。別の実施形態では、化合物は化合物11fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12daである。別の実施形態では、化合物は化合物12faである。別の実施形態では、化合物は化合物12fbである。別の実施形態では、化合物は化合物12cbである。別の実施形態では、化合物は化合物55である。別の実施形態では、化合物は化合物6bである。別の実施形態では、化合物は化合物17yaである。
本願明細書で使用される場合、被検体または患者とは、ヒトおよび他の霊長類、犬、猫、馬、牛、羊、豚、ラット、マウス、およびその他の齧歯類を含むあらゆる哺乳類患者のことを言い、これに限定されるものではない。一部の実施形態では、一方で、本願明細書に記載の方法が、雄または雌のいずれかの処置に有用であることがある。
一実施形態では、化合物は、本願明細書に記載の化合物を単独で、または他の薬剤との組み合わせで投与することで、抗癌剤との併用で投与される。
癌症状の処置、抑制、重症度軽減、リスク軽減、または抑制のために本発明の化合物または医薬組成物を投与する場合、医薬組成物は、さまざまな種類の癌の処置のための現在公知である、または今後開発される他の治療薬または治療計画を含んでもよく、またはこれらとの併用で投与してもよい。他の治療薬または治療計画の例としては、放射線療法、免疫療法、化学療法、外科的処置、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
以下の実施例は、本発明の好適な実施形態をさらに十分に説明するために提供される。しかしながら、本発明の幅広い範囲を制限するものと解釈されることは全くない。
後述の実施例は一例にすぎず、決して、本発明の範囲を限定することは意図していない。
材料および方法:
全般。すべての試薬を、Sigma-Aldrich Chemical Co., Fisher Scientific(Pittsburgh、PA)、AK Scientific(Mountain View、CA)、Oakwood Products(West Columbia、SC)、などから購入し、さらに精製することなく使用した。水分に敏感な反応は、アルゴン雰囲気下で行った。ABT−751は、Yoshino等26が報告した方法にしたがって調製した。普通の薄層クロマトグラフィー(TLC)を、アルミニウム補強Uniplate(Analtech、Newark、DE)で行った。融点を、Fisher-Johns融点測定装置(未補正)で測定した。Bruker AX 300(Billerica,MA)分光計またはVarian Inova-500(VernonHills,Illinois)でNMRスペクトルを得た。CDCl3中のTMSと比べて、ppmとして化学シフトが報告されている。Bruker ESQUIREエレクトロスプレー/イオントラップ機器を用いて、陽イオンおよび陰イオンモードで質量スペクトルを収集した。Atlantic Microlab Inc.が元素分析を行った。
前立腺癌およびメラノーマの細胞培養および細胞毒性分析。すべての細胞株をATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手した。一方、細胞培養補助材料はCellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。4つのヒト前立腺癌細胞株(LNCaP,DU 145,PC−3,およびPPC−1)と2つのヒトメラノーマ細胞株(A375およびWM−164)で、抗チューブリン化合物の増殖抑制作用を調べた。P−gp(NCI/ADR−RES)を過剰発現するヒト卵巣細胞株OVCAR−8およびその耐性細胞株を、MDRモデルとして使用した。両方の卵巣細胞株を、National Cancer Institutes(NCI)から入手した。すべての細胞株を検査し、ATCCまたはNCIのいずれかで確認した。10%ウシ胎仔血清(FBS)を添加して、すべての前立腺癌および卵巣癌細胞株をRPMI 1640で培養した。5%FBS、1%抗生物質/抗真菌薬混合物(Sigma-Aldrich,Inc.,St.Louis,MO,USA)および牛のインシュリン(5μg/mL;Sigma-Aldrich)を添加して、DMEMでメラノーマ細胞を培養した。処置96時間後に、スルホローダミンB(SRB)アッセイを用いて、抗チューブリン化合物の細胞毒性能を評価した。
水溶解度。LC−MS/MSに連結されたマルチスクリーン溶解度フィルタープレート(Millipore Corporate,Billerica,MA)で、薬剤の溶解度を測定した。手短に言うと、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4)198μLを96ウェルプレートに載せ、10mMテスト化合物(DMSO溶液)2μLを分注し、室温で、1.5時間、軽く揺すりながら(200〜300rpm)、混合した(N=3)。5分間、800gでプレートを遠心分離し、濾液を用いて、後述のLC−MS/MSでそのテスト化合物の濃度と溶解度を測定した。
薬物動態研究。雌のSprague-Dawleyラット(n=3または4;254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。ラット胸部頸静脈カテーテルを、Braintree Scientific Inc.(Braintree,MA)から購入した。動物は、動物施設に到着すると、処置の前に12時間の明/暗サイクルで、温度管理された部屋(20〜22℃)で3日間順応させた。化合物1hを、2.5mg/kg(DMSO/PEG300溶液、2/8)の用量で頸静脈カテーテルに静脈投与(i.v.)した。一方で、化合物5Haおよび5Hcは、5mg/kg(DMSO/PEG300溶液、1/9)の用量で投与した。取り出される血液と置き換えるために、同量のヘパリン添加生理食塩水を注入した。そして、10、20、30分、および1、2、4、8、12、24時間の時点で頸静脈カテーテルを通じて血液検体(250μL)を採取した。10mg/kg(Tween80/DMSO/H2O、2/1/7)の用量で、強制経口投与で化合物1h、5Ha、および5Hcを与えた。経口投与後のすべての血液検体(250μL)を、30分、60分、90分、120分、150分、180分、210分、240分、8時間、12時間、24時間の時点で頸静脈カテーテルを通じて採取した。血液採取前に、ヘパリン添加シリンジおよびバイアルを調製した。5分間、8,000gで血液検体を遠心分離することで、血漿検体を調製した。すべての血漿検体を、分析するまで−80℃ですぐに保管した。
内部標準((3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン)を200nM含む200μLのアセトニトリルを加えた100μLの血漿から、被分析物を抽出した。検体を十分に混合し、遠心分離し、そして有機抽出物をLC−MS/MS分析用のオートサンプラーに移した。多重反応モニタリング(MRM)モード(m/z356→188(化合物1h)、m/z371→203(化合物5Ha)、m/z389→221(化合物5Hc)、およびm/z309→171(内部標準)のスキャニング)を使用して、最も感度の良い信号を得た。非区画解析(WinNonlin,Pharsight Corporation,Mountain View,CA)を用いて、薬物動態パラメータを測定した。
分析方法。検体溶液(10μL)を、AgilentシリーズHPLCシステム(Agilent 1100シリーズAgilent 1100 Chemstation、Agilent Technology Co.,Ltd.)に注入した。すべての被分析物を、小径C18カラム(Alltech AlltimaHP,2.1×100mm,Fisher,Fair Lawn,NJ)で分離した。2つのグラジエントモードを使用した。グラジエントモードを使用して、300μL/分の流量で移動相A[0.1%ギ酸を含むCAN/H2O(5%/95%,v/v)]と、移動相B[0.1%ギ酸を含むCAN/H2O(95%/5%,v/v)]との混合物を用いた被分析物の分離を行った。移動相Aは、0〜1分の間、15%で使用し、続いて6分以内に100%の移動相Bになる線形的にプログラムしたグラジエントを行った。100%の移動相Bを、15%の移動相Aに素早く引き上げる前の0.5分間維持した。分析終了に向けて、移動相Aをさらに12分間維持した。
インビトロチューブリン重合試験。牛の脳のチューブリン(0.4mg、純度97%超)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMのテスト化合物に混ぜ、pH6.9で、100μLのチューブリン緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、および1mM GTP)中でインキュベートした。SYNERGY 4マイクロプレートリーダー(Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)で、20分間、1分ごとに340nmの波長の吸光度をモニタリングしたチューブリン重合のために、分光光度計を37℃に設定した。
TurboIonSprayイオン源とともに操作するトリプル四重極型質量分析計、API Qtrap 400(商標)(Applied Biosystems/MDS SCIEX,Concord,Ontario,Canada)を使用した。ポジティブモードに対しては、スプレーニードル電圧を5kVに設定した。カーテンガスを10に設定した;ガス1とガス2を50に設定した。衝突支援解離(CAD)ガスを中に設定し、イオン源ヒータープローブ温度を500℃に設定した。Analyst(商標)ソフトウェア、バージョン1.4.1(Applied Biosystems)を用いて、データ収集と定量処理を行った。
最終化合物の純度は、フォトダイオードアレイ検出器に設置されたWaters 2695HPLCシステムのRP−HPLCを通じて試験した。常温で、0.7mL/分の流量でSupelco Ascentis(商標)5μM C−18カラム(250×4.6mm)を用いて、2つのRP−HPLCメソッドを実施した。HPLC1:グラジエント:溶媒A(水)および溶媒B(メタノール):0〜20分には40〜100%B(線形)、20〜27分には100%B。HPLC2:グラジエント:溶媒A(水)および溶媒B(メタノール):0〜15分には40〜100%B(線形)、15〜25分には100%B。254nmでUV検出。
図1〜17にしたがって、本発明の化合物を調製した。
実施例1 B環変種化合物の合成
図1および2にしたがって、B環変種化合物を合成した。
オキサゾールB環:
(2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(36a)の合成(図1):
(2R)−2−4,5―ジヒドロ―オキサゾール―4−カルボン酸エステル(32a)。氷冷メタノール(30mL)に塩化アセチル(6.8mL)を滴下した。L−セリン(0.48mmol)の添加後、反応混合物を室温(RT)に温め、一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、白色固体の(2R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルHCl塩を得た。次のステップで精製を行わずに、これを使用した。ベンゼンカルボイミド酸エチル塩酸塩(11.6g、62.8mmol)のCH2Cl2(150mL)溶液にトリエチルアミン(11mL、72.3mmol)をゆっくりと添加した。室温で30分間、反応混合物を攪拌し、(2R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルHCl塩(13.5g、79.6mmol)を分けて添加した。その結果生じる混合物を48時間攪拌し、減圧下で濃縮した。化合物32aを、黄色のオイル(12.3g、95.9%)としてフラッシュカラムから分離した。1H NMR(CDCl3)δ7.99〜7.38(m,5H),4.97(dd,1H,J=7.8Hz,J=10.5Hz),4.70(t,1H,J=8.7Hz),4.62(dd,1H,J=8.7Hz,J=10.5Hz),3.82(s,3H);MS(ESI)m/z206.1(M+H)+。
(2R)−2−フェニル−4,5―ジヒドロ―オキサゾール―4−カルボン酸(33a)。32aのMeOH/H2O氷冷溶液に、攪拌しながらLiOH(2.5当量)を添加した。白色固体(95.85)として酸33aを提供するため、混合物を室温で1時間温め続け、真空下で濃縮し、その後、白色固体をH2Oに溶解し、1N HClでpH2.0に酸性化し、MgSO4で抽出し、濾過し、真空下で濃縮した。1H NMR(CDCl3)δ7.98(d,2H),7.57〜7.42(m,3H),5.04(dd,1H,J=7.8Hz,J=10.8Hz),4.80(t,1H,J=8.7Hz),4.70(dd,1H,J=9.0Hz,J=10.8Hz);MS(ESI)m/z191.9(M+H)+,189.7(M−H)−,145.8(M−COOH)−。
(2R)−2−フェニル−4,5―ジヒドロ―オキサゾール―4−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(34a)。33a(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5mmol)、およびEt3N(5mmol)の混合物のCH2Cl2(50mL)溶液に、HNCH3OCH3(5mmol)を添加し、室温で6〜8時間、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物34aを得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これをカラムクロマトグラフィーで白色固体(61.0%)として精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.98〜7.36(m,5H),7.57〜7.42(m,3H),5.35(br,t,1H),4.81(br,t,1H),4.52(dd,1H,J=8.7Hz,J=10.2Hz),3.90(s,3H),3.27(s,3H);MS(ESI)m/z257.0(M+H)+。
(2R)−(2−フェニル−4,5―ジヒドロ―オキサゾール―4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(35a)。n−BuLi(1.6M,0.713mL)のTHF溶液8mLに、3,4,5−トリメトキシブロモベンゼン(1.09mmol)のTHF溶液3mLを−78℃で添加した。混合物を2時間攪拌し続け、ワインレブアミド34a(1.14mmol)のTHF溶液3mLを入れた。室温まで温度を上げ、一晩攪拌し続けた。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、白色固体(47.9%)として精製化合物35aを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.97〜7.94(m,2H),7.62(s,2H),7.54〜7.37(m,3H),5.61(q,1H,J=7.5Hz,9.9Hz),5.12(t,1H,J=7.5Hz),4.57(q,1H,J=7.8Hz,9.9Hz),3.96(s,6H),3.95(s,3H);MS(ESI)m/z364.1(M+Na)+,340.1(M−H)−。
(2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(36a)。35a(1.48mmol)、CBrCl3(2.59mmol)、およびDBU(2.97mmol)の混合物のCH2Cl2(20mL)溶液を、一晩攪拌した。要望通り(61.6%)に精製36aを得るために、シリカゲルに反応混合物を吸着させ、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ8.37(s,1H),8.14〜8.12(m,2H),7.74(s,2H),7.52〜7.49(m,3H),3.97(s,9H);MS(ESI)m/z362.1(M+Na)+。
ベンゼン、ピリミジン、ピリジン、フラン、チオフェン、チアゾール、ピラゾール、およびピペリジンのB環変種(図2):対応する酸(37a〜37d、37k)からB環変種(1a〜1d、1k)を手に入れた。B環位置にチオフェンを有する化合物1fは、フラッシュカラムを用いて、1fと、グリニャール試薬結合副生成物の3,4,5,3’4’5’−ヘキサメトキシビフェニルとの混合物からは分離できない。そのため、別の方法を用いて、1fを調製した。すなわち、アルコール40fが得られる3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロマイドとさらに反応し、かつフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて3、4、5、3’、4’、5’−ヘキサメトキシビフェニルから簡単に分離できる対応するアルデヒドに、ワインレブアミド38fを変換した。重クロム酸ピリジニウム(PDC)またはDMSOによる酸化では、優れた収率で第二級アルコール40fから得られなかった。しかし、酸化剤としてDess-Martinペリオディナン試薬を用いると、望ましいケトン化合物1fの形成に成功した。同様の方法を用いて、1eおよび1iをアルコール40eおよび40iから調製した。化合物1gは、ピペリジン41gおよび3,4,5−トリメトキシ安息香酸から、カップリング反応を通じて手に入れた。
ベンゼンB環:
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1a)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチルビフェニル−3−カルボキサミド(38a)。37a(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5mmol)、およびNMM(11mmol)の混合物のCH2Cl2(50mL)溶液に、HNCH3OCH3HCl塩(5mmol)を添加し、室温で2時間、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。無色のオイルを得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを次のステップに使用した(58.4%)。MS(ESI)m/z264.0(M+Na)+。
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1a)。38a(図2)(0.174g,0.72mmol)のTHF溶液5mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,1.08mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、白色固体(43.8%)として精製化合物1aを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ8.02(t,1H),7.84〜7.74(m,2H),7.64〜7.38(m,6H),7.11(s,2H),3.95(s,3H),3.88(s,6H);MS(ESI)m/z371.1(M+Na)+。
ピリミジンB環:
(6−フェニルピリミジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1b)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド(38b)。37b(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5mmol)、およびNMM(11mmol)の混合物のCH2Cl2(50mL)溶液に、HNCH3OCH3HCl塩(5mmol)を添加し、室温で一晩、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、黄色固体(62.3%)として精製化合物38bを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ9.28(s,1H),8.14〜8.06(m,2H),7.96(br,s,1H),7.54〜7.50(m,3H),5.35(br,t,1H),4.81(br,t,1H),4.52(dd,1H,J=8.7Hz,J=10.2Hz),3.79(s,3H),3.42(s,3H);MS(ESI)m/z266.0(M+Na)+。
(6−フェニルピリミジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1b)。38b(0.243g,1mmol)のTHF溶液5mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,5.6mL,1.4mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物1b(52.3%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ9.40(d,1H,J=1.5Hz),8.29(d,1H,J=1.5Hz),8.22〜8.18,7.57〜7.54(m,5H),7.46(s,2H),3.96(s,3H),3.91(s,6H);MS(ESI)m/z351.1(M+H)+。
ピリジンB環:
(6−フェニルピリミジン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1c)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−6−フェニルピコリンアミド(38a)。37c(1.77mmol)、EDCI(2.12mmol)、HOBt(1.86mmol)、およびNMM(3.54mmol)の混合物のCH2Cl2(20mL)溶液に、HNCH3OCH3HCl塩(1.86mmol)を添加し、室温で一晩、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(40mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、無色オイル(51.2%)として精製化合物38cを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ8.02(d,1H,J=7.0Hz),7.86〜7.81(m,2H),7.55(br,1H),7.48(t,2H),7.44〜7.41(m,1H),3.82(s,3H),3.44(s,br,3H);MS(ESI)m/z265.0(M+Na)+。
(6−フェニルピリミジン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1c)。38c(0.210g,0.86mmol)のTHF溶液5mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,3.5mL,1.73mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、水で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、白色針状結晶(78%)として精製化合物1cを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ8.10(d,br,2H),8.02〜8.00(m,1H),7.97〜7.96(m,2H),7.66(s,2H),7.49〜7.43(m,3H),3.97(s,3H),3.89(s,6H);MS(ESI)m/z372.6(M+Na)+。
フランB環:
(5−フェニルフラン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1d)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−5−フェニルフラン−2−カルボキサミド(38d)。37d(10mmol)、EDCI(12mmol)、HOBt(11mmol)、およびNMM(21mmol)の混合物のCH2Cl2(20mL)溶液に、HNCH3OCH3HCl塩(10.5mmol)を添加し、室温で一晩、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物38d(95.2%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.82(d,1H,J=7.0Hz),7.46〜7.43(t,2H),7.37〜7.34(m,1H),7.25(d,1H,J=4.0Hz),6.78(d,1H,J=4.0Hz),3.86(s,3H),3.41(s,3H);MS(ESI)m/z254.1(M+Na)+。
(5−フェニルフラン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1d)。38d(0.231g,1mmol)のTHF溶液5mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,4.0mL,2mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、水で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、白色結晶(35.5%)として精製化合物1dを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.85〜7.82(m,1H),7.48〜7.36(m,4H),7.35(s,2H),7.25(d,1H,J=4.0Hz),6.86(d,1H,J=4.2Hz),3.96(s,3H),3.95(s,6H);MS(ESI)m/z339.1(M+H)+。
チアゾールB環:
(2−フェニルチアゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1e)の合成(図2)
(2−フェニルチアゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(40e)。2−フェニルチアゾール−5−カルバルデヒド38b(0.567g,3mmol)のTHF溶液15mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,6.5mL,3.25mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物40e(72.9%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.90(m,2H),7.64(s,1H),7.41(m,3H),6.69(s,br,2H),6.04(s,1H),3.86(s,6H),3.85(s,3H),1.57(d,1H,J=5.5Hz);MS(ESI)m/z358.1(M+Na)+。
(2−フェニルチアゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1e)。40e(0.357g,1mmol)の無水CH2Cl2溶液40mLに、Dess−Martin試薬(0.848g,2mmol)を添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和Na2S2O3溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物1e(80.1%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ8.33(s,1H),8.04(m,2H),7.51(m,3H),7.18(s,2H),3.96(s,3H),3.93(s,6H);MS(ESI)m/z378.1(M+H)+。
チオフェンB環:
(5−フェニルチオフェン−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1f)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−5−フェニルチオフェン−3−カルボキサミド(38f)。37f(2.5mmol)、EDCI(2.9mmol)、HOBt(2.6mmol)、およびNMM(5.3mmol)の混合物のCH2Cl2(30mL)溶液に、HNCH3OCH3HCl塩(2.6mmol)を添加し、室温で一晩、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物38f(90.8%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ8.28(d,1H,J=1.5Hz),7.69(d,1H,J=1.5Hz),7.64(d,2H,J=7.0Hz),7.44(t,2H,J=7.0Hz),7.35〜7.32(m,1H),6.78(d,1H,J=4.0Hz),3.86(s,3H),3.41(s,3H);MS(ESI)m/z270.0(M+Na)+。
(5−フェニルチオフェン−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(40f)。−78℃で、38f(2.5mmol)のTHF溶液5mLに、アルゴン保護の下で、LiAlH4のTHF溶液(1N,1.42mL)を添加し、−20℃で1時間、攪拌し続けた。混合物を氷浴に置き、H2SO4溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。5−フェニルチオフェン−3−カルバルデヒド(図示せず)(84.8%)を得るために、減圧下で溶媒を取り除き、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ9.98(s,1H),8.04(d,1H,J=1.5Hz),7.86(br,1H),7.61〜7.58(br,2H),7.47〜7.33(m,3H),7.35〜7.32(m,1H),6.78(d,1H,J=4.0Hz);MS(ESI)m/z210.9(M+Na)+。5−フェニルチオフェン−3−カルバルデヒド(0.195g,1.04mmol)のTHF溶液5mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,2.3mL,1.14mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物40f(70.5%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.55〜7.52(m,2H),7.40〜7.35(m,3H),7.30(br,1H),7.20(br,1H),6.72(s,2H),6.01(d,1H,J=3.9Hz),3.86(s,6H),3.85(s,3H),2.42(d,1H,J=3.9Hz);MS(ESI)m/z339.1(M−OH)−。
(5−フェニルチオフェン−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1f)。40f(0.260g,0.73mmol)の無水CH2Cl2溶液20mLに、Dess−Martin試薬(0.465g,1.36mmol)を添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和Na2S2O3溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、淡黄色結晶(60.9%)として精製化合物1fを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.97(d,1H,J=1.5Hz),7.82(d,1H,J=1.5Hz),7.59〜7.57(m,2H),7.45〜7.34(m,3H),7.19(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,6H);MS(ESI)m/z355.1(M+H)+。
ピペリジンB環:
(4−フェニルピペリジン−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1g)の合成(図2)
(4−フェニルピペリジン−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1g)。41g(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5.5mmol)、およびNMM(6mmol)の混合物のCH2Cl2(50mL)溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニル安息香酸(5.3mmol)を添加し、室温で一晩、攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物1g(57.9%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.35〜7.21(m,5H),6.66(s,2H),4.84(br,1H),3.95(br,1H),3.88(s,6H),3.86(s,3H),3.20〜2.87(br,2H),2.85〜2.74(tt,1H,J=3.6Hz,J=15.6Hz)1.92(br,2H),1.70(br,2H);MS(ESI)m/z378.1(M+Na)+。
イソオキサゾールB環:
(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1i)の合成(図2)
(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(40i)。5−フェニルイソキサゾール−3−カルバルデヒド38i(0.365g,2.1mmol)のTHF溶液15mLに、3,4,5−トリメトキフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N,5.5mL,2.74mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、白色固体(48.8%)として精製化合物40iを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.78〜7.77(m,2H),7.48〜7.46(m,3H),6.74(s,2H),6.45(s,1H),5.98(d,1H,J=3.5Hz)3.89(s,6H),3.86(s,3H),2.77(d,1H,J=3.5Hz);MS(ESI)m/z364.1(M+Na)+。
(5−フェニルイソキサゾール−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1i)。40i(0.110g,0.73mmol)の無水CH2Cl2溶液8mLに、Dess−Martin試薬(0.274g,0.645mmol)を添加した。30分間、混合物を攪拌し続け、飽和Na2S2O3溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物1i(70.1%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(CDCl3)δ7.87〜7.85(m,2H),7.72(s,2H),7.53〜7.49(m,3H),7.05(s,1H),7.82(d,1H,J=1.5Hz),3.97(s,3H),3.96(s,6H);MS(ESI)m/z362.1(M+H)+。
ピラゾールB環:
(3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1k)の合成(図2)
3−フェニル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸から化合物1cを得るために使用されたものと同じ方法を用いて、(3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1k)を調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3δ10.97(br,1H),7.77(s,br,2H),7.48〜7.38(m,5H),7.14(s,br,1H),3.96(s,3H),3.94(s,6H);MS(ESI)m/z361.1(M+Na)+,337.0(M−H)−。
実施例2 さまざまなYリンカーを有する本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、さまざまなYリンカーを有する。さまざまなYリンカーを有する前記化合物を、図3および4にしたがって合成した。
化合物1hを、前記3つのステップを通じて2−フェニル−4,5−ジヒドロ−チアゾール−4−カルボン酸42aから合成した(Lu, Y.; Wang, Z.; Li, C. M.; Chen, J.; Dalton, J. T.; Li, W.; Miller, D. D., Synthesis, in vitro structure-activity relationship, and in vivo studies of 2-arylthiazolidine-4-carboxylic acid amides as anticancer agents. Bioorg Med Chem 2010, 18, (2), 477-95 which is incorporated herein by reference in its entirely)。ヒドロキシルアミン、NH2OH、またはNH2OCH3との反応によって、1hをオキシム異性体2e−cis,transおよび2f−cis,transに変換した。後述の通り、化学的データおよびスペクトルデータに基づいて割り当てを行った。改良ベックマン転位によって、塩化トシルとの反応、およびその後の塩基性酸化アルミニウムカラムとを通じて、2つの幾何学的立体異性体2e−cisおよび2e−transから転位アミド2gおよび2hを簡単に生成した。エタノール中で1hをヒドラジン水和物と混合し、24時間還流することで、ヒドラジド誘導体2d−cisおよび2d−transを調製した。1hとジエチルシアノメチルホスホネートのウィッティヒ反応から、アクリロニトリル2c−trans,cisを得た。Cucciaによって説明された手順を用いて、シアノイミン2jを調製した(Cuccia, S. J.; Fleming, L. B.; France, D. J., A novel and efficient synthesis of 4-phenyl-2-chloropyrimidines from acetophenone cyanoimines. Synthetic Communications 2002, 32, (19), 3011-3018., incorporated herein by reference in its entirely)。図3に示すように、化合物1hのカルボニル基も第二級アルコール2bに還元するか、アルケン(2a)に変換した。
図4に示すように、1hのB環とC環の間のカルボニル基を移動させようとすると、化合物2iを形成することになる。cis−およびtrans−二重結合をカルボニルの位置に導入すると、化合物(3aおよび3b)を形成した。これは、2−フェニルチアゾール−4−カルバルデヒドとのウィッティヒ反応から合成した。カルボノジチオアート52aを得るために、最初のザンドマイヤー反応、続いて、CuI触媒カップリング反応およびm−CPBA酸化を通じて、開始物質として3−アミノビフェニルを用いて、硫化物化合物4a、スルホン4b、およびスルホキシド4Cを調製した。Net3のDMF溶液の存在下で、3−ビフェニルスルホニルクロライドと3,4,5−トリメトキシアニリンの反応から、スルホンアミド結合化合物4dを調製した。
(2−フェニル−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(1h)の合成(図3)
(2−フェニル−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(1h)。2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(5mmol)、EDCI(6mmol)、およびHOBt(5mmol)の混合物のCH2Cl2(50mL)溶液を、10分間攪拌した。この溶液に、NMM(5mmol)およびHNCH3OCH3(5mmol)を添加し、6〜8時間、室温で攪拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミドを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(1当量)のCH2Cl2溶液を0℃に冷却し、蒸留DBU(2当量)を添加した。その後、10分間かけて、シリンジを用いてブロモトリクロロメタン(1.7当量)を滴下した。反応混合物を室温まで温め続け、一晩攪拌した。飽和NH4Cl(2×50mL)での洗浄の際、EtOAc(3×50mL)で水層を抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4によって乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。必要に応じて、残留物をフラッシュクロマトグラフィーで生成し、2−フェニルチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(73.6%)を提供した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.01(s,1H),7.99〜7.96(m,2H),7.47〜7.44(m,3H),3.88(s,3H),3.49(s,3H)。MS(ESI)m/z271.0(M+Na)+。3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.5M,3mL)のTHF溶液2mLに、2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(1mmol)のTHF溶液3mLを0℃で入れた。アミドがTLCプレート上から見えなくなるまで、30分間、混合物を攪拌した。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物1hを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。収率:27.3%.1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.29(s,1H),8.03(q,2H),7.80(s,2H),7.49〜7.47(m,3H),3.96(s,6H),3.97(s,3H)。MS(ESI)m/z378.1(M+Na)+。
4−(2−メチル−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロプ−1−エニル)−2−フェニルチアゾール(2a)の合成(図3)
4−(2−メチル−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロプ−1−エニル)−2−フェニルチアゾール(2a)[図3]。−78℃で、イソプロピルトリフェニルホスホニウムヨージド(0.52mmol)223mgのTHF溶液5mLに、1.6N n−BuLiのヘキサン溶液0.4mLをAr2保護の下で滴下した。そして、40分間、0℃で混合物を攪拌した。140mg(0.39mmol)の1hのTHF溶液5mLを0℃で滴下し、室温で1時間、混合物を攪拌した。反応混合物を、飽和NH4CL溶液で処理した。通常の試薬の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)によって化合物2a(86mg,57.3%)を生成した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.98〜7.97(m,2H),7.45〜7.40(m,3H),6.77(s,1H),6.48(s,2H),3.86(s,3H),3.82(s,6H),2.15(s,3H),1.81(s,3H)。MS(ESI)m/z404.1(M+Na)+。
(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール (2b)の合成[図3]
2−フェニル−4,5―ジヒドロチアゾール―4−カルボン酸(42a)。ベンゾニトリル(40mmol)を、L−システイン(45mmol)のMeOH/pH6.4 リン酸緩衝液1:1溶液100mLに組み合わせた。3日間、40℃で反応物を攪拌した。濾過によって沈殿物を取り除き、回転蒸発によってMeOHを取り除いた。0℃で、残った溶液に1M HClを添加し、pH=2に調整した。白色固体の2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸42aを得るために、生じた沈殿物を濾過した。これを、生成せずに次のステップに直接使用した。
2−フェニルチアゾール−4−カルバルデヒド(42b)。−78℃で、2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(1当量)のTHF溶液に、LiAlH4(1当量、1N THF溶液)を添加し、−20℃で1時間、攪拌した。混合物を氷浴に置き、H2SO4溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。42b(45.8%)を得るために、減圧下で溶媒を取り除き、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ10.1(s,1H),8.17(s,1H),8.02〜8.00(m,2H),7.50〜7.48(m,3H)。MS(ESI)m/z244.1(M+Na+MeOH)+。
(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(2b)[図3]。0℃で、42b(0.55mmol,1当量)104mgのTHF溶液6mLに、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.5N THF溶液,2.9mL)を添加した。アルデヒドがTLCプレート上から見えなくなるまで、30分間、混合物を攪拌した。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物(2b)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.95〜7.92(m,2H),7.44〜7.43(m,4H),6.97(s,1H),6.76(s,2H),5.93(d,1H,J=3.6Hz),3.86(s,9H)。MS(ESI)m/z402.1(M+Na)+。
(Z)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−trans)および(E)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−cis)の合成[図3]
(Z)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−trans)。2.5N n−BuLiのヘキサン溶液0.4mLと、THF10mLに、ジエチルシアノメチルホスホネート177mg(1mmol)のTHF溶液5mLを、Ar2下、0℃で滴下した。氷浴を取り外し、40分間、25℃で混合物を攪拌した。200mg(0.56mmol)の1hのTHF溶液10mLを0℃で滴下し、室温で1時間、混合物を攪拌した。反応混合物を、飽和NH4CL溶液で処理した。通常の試薬の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)によって化合物2c−trans(86mg)および2c−cis(76mg)を生成した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.01〜7.99(m,2H),7.44〜7.40(m,3H),7.21(s,1H),6.74(s,2H),6.67(s,1H),3.93(s,3H),3.89(s,6H)。MS(ESI)m/z401.1(M+Na)+。
(E)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−cis)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.07〜8.05(m,2H),7.49〜7.46(m,4H),6.66(s,2H),5.64(s,1H),3.91(s,3H),3.86(s,6H)。MS(ESI)m/z401.1(M+Na)+。
(Z)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−cis)および(E)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−trans)の合成[図3]
(Z)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−cis)。1h(230mg,0.65mmol)のCH2Cl2溶液3mLとエタノール3mLの混合物に、ヒドラジン水和物(2mL)を添加した。一晩、混合物を還流した。反応終了後、残留物をシリカゲルに吸着し、カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2d−cis(80mg)および2d−trans(56mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.01〜7.98(m,2H),7.49〜7.46(m,5H),7.33(s,1H),6.82(s,2H),3.87(s,3H),3.85(s,6H)。MS(ESI)m/z370.1[M+H]+。
(E)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−trans)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.04〜8.01(m,2H),7.44〜7.40(m,3H),6.95(s,1H),6.65(s,2H),5.62(s,2H),3.93(s,3H),3.87(s,6H)。MS(ESI)m/z370.1[M+H]+。
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−cis)および(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−trans)の合成[図3]
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−cis)。1h(210mg,0.59mmol)のエタノールサスペンション10mLに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(127mg,1.83mmol)の水溶液(2mL)を添加した。その後、反応混合物に1N NaOH2mLを滴下し、3時間、55℃で混合物を攪拌した。反応終了後、残留物をシリカゲルに吸着し、カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2e−cis(85mg)および2e−trans(50mg)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.95(s,1H),8.35(s,1H),7.91〜7.89(m,2H),7.50〜7.44(br,3H),6.85(s,2H),3.73(s,6H),3.70(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+Na)+;368.9(M-H)−。
(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−trans)。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.49(s,1H),7.92〜7.89(m,2H),7.64(s,1H),7.51〜7.49(m,3H),7.34(s,1H),6.75(s,2H),3.75(s,6H),3.72(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+Na)+;368.9(M-H)−。
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−cis)および(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−trans)の合成[図3]
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−cis)。1h(110mg,0.59mmol)のピリジンサスペンション10mLに、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(52mg,0.63mmol)を添加し、一晩、60℃で混合物を攪拌した。反応物を1N HCl溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物2f−cis(41mg)および2f−trans(33mg)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.13(s,1H),7.96〜7.94(m,2H),7.45〜7.44(m,3H),6.94(s,2H),4.13(s,3H),3.91(s,6H),3.88(s,3H)。MS(ESI)m/z407.2(M+Na)+。
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−trans)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.00〜7.98(m,2H),7.44〜7.43(m,3H),7.28(s,1H),6.70(s,2H),4.08(s,3H),3.91(s,6H),3.85(s,3H)。MS(ESI)m/z407.0(M+Na)+。
2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド(2g)の合成[図3]
2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド(2g)。2e−cis(21mg,0.06mmol)のCH2Cl2溶液5mLに、p−トルエンスルホニルクロリド(23mg,0.12mmol)とNaH(5mg,60%軽油)を添加した。その後、20分間、反応混合物を攪拌した。反応終了後、残留物をシリカゲルに吸着し、Al2O3カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2g(15mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.22(s,1H),8.19(s,1H),8.02〜7.99(m,2H),7.52〜7.50(m,3H),7.07(s,2H),3.92(s,6H),3.85(s,3H)。MS(ESI)m/z371.1[M+H]+。
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−フェニルチアゾール−4−イル)ベンズアミド(2h)の合成[図3]
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−フェニルチアゾール−4−イル)ベンズアミド(2h)2e−trans(26mg,0.07mmol)のCH2Cl2溶液5mLに、p−トルエンスルホニルクロリド(27mg,0.14mmol)とNaH(5mg,60%軽油)を添加した。その後、20分間、反応混合物を攪拌した。反応終了後、残留物をシリカゲルに吸着し、Al2O3カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2h(15mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.88(s,1H),7.94〜7.91(m,2H),7.83(s,1H),7.48〜7.46(m,3H),7.18(s,2H),3.97(s,6H),3.94(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+Na)+。
N−((2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)シアナミド(2j)の合成[図3]
N−((2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)シアナミド(2j)。1h(0.28mmol,1当量)100gを、塩化メチレン10mLに溶かした。四塩化チタンの塩化メチレン溶液(1.0N,0.7mL,2.5当量)を0℃で滴下し、30分間攪拌した。ビス−トリメチルシリルカルボジイミド(2.4当量)の塩化メチレン溶液2mLを添加し、反応物を空気と水分から保護しながら、一晩攪拌した。反応物を氷水混合物で処理し、続いて、塩化メチレンで抽出した。未処理アセトフェノンシアノイミンを得るために、硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、セライトで濾過し、濃縮した。これを、3:7の比率の異性体として、フラッシュカラムで精製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.72(br,0.3H),8.63(s,0.7H),8.09〜8.07(m,1.4H),7.99(br,0.6H),7.58〜7.56(br,3H),7.26(s,1.4H),7.18(s,0.6H),3.84,3.83(s,s,6H),3.82(s,3H)。MS(ESI)m/z402.1(M+Na)+。
N−((4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メチレン)シアナミド(32)の合成
2jの合成の副産物として、N−((4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メチレン)シアナミド(32)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.23(s,1H),8.02(m,2H),7.92(s,2H),7.55(m,3H),6.02(s,1H),3.99(s,6H)。MS(ESI)m/z364.1[M+H]+。
(Z)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3a)および(E)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3b)の合成[図4]
(Z)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3a)。トリフェニルホスフィン(3.41g,13mmol)を、5−(ブロモメチル)−1,2,3−トリメトキシベンゼン(2.61g,10mmol)の乾燥THF溶液(30mL)に添加した。6時間、混合物を攪拌しながら、還流させた。96.4%の収率で生成物3,4,5−トリメトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイドを得るために、結果として生じる白色固体を濾過し、エーテル/ヘキサンで洗浄した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.77〜7.73,7.65〜7.61(m,15H),6.44(d,2H,J=1.5Hz),5.37(d,2H,J=14Hz),3.76(s,3H),3.51(d,6H);MS(ESI)m/z443.1(M−Br)+。−78℃で、n−BuLi(0.42mL,2.5Nヘキサン溶液)を、3,4,5−トリメトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド(500mg,0.96mmol)のTHF溶液10mLに添加した。2時間、室温で攪拌した後、アルデヒド42b(109mg,0.58mmol)のTHF溶液3mLを入れ、30分間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4CL溶液で処理した。通常の試薬の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)によって化合物3a(57mg)および3b(99mg)を生成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.90〜7.89(m,2H),7.42〜7.40(m,3H),7.07(s,1H),6.71(s,2H),6.66(s,1H),3.87(s,6H),3.75(s,3H);MS(ESI)m/z376.1(M+Na)+。
(E)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3b)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.03〜8.01(m,2H),7.52(d,1H,J=16Hz),7.47〜7.44(m,3H),7.16(s,1H),7.05(d,1H,J=16Hz),6.79(s,2H),3.92(s,6H),3.88(s,3H)。MS(ESI)m/z354.1[M+H]+。
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルファン(4a)、3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニル)ビフェニル(4b)、および3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニル)ビフェニル(4c)の合成[図4]
S−ビフェニル−3−イルO−エチル−カルボノジチオエート(52a)。0℃で、ビフェニル−3−アミン(1g,5.92mmol)1当量の水溶液(7.3mL)に濃塩酸(1mL)を添加した。硝酸ナトリウムの1.1当量(450mg,6.5mmol)の冷水溶液(3mL)をゆっくりと添加し、15分間攪拌した。45℃で、キサントゲン酸エチルカリウムの1.3当量(1.16g,1.3mmol)の水溶液(1.3mL)に、ジアゾニウム冷溶液をゆっくりと添加した。45℃でさらに45分間、反応混合物を攪拌し、その後、室温まで冷却した。ジエチルエーテル(3×50mL)で、反応混合物を抽出した。組み合わせた有機抽出物を、1N NaOH溶液(100mL)、水(3×50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4によって乾燥させ、減圧下で蒸発させた。精製せずに、結果として生じる未処理キサントゲン酸塩52aを次のステップで直接使用した。MS(ESI)m/z275.0[M+H]+。
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルファン(4a)。52a(1.1g,粗化合物)のエタノール溶液(8mL)に、水酸化カリウム(2.1g,12mL)を添加し、加熱し、一晩、還流させた。溶液を室温に冷却し、減圧下でエタノールを蒸発させた。残留物を水に溶かし、ジエチルエーテル(10mL)で洗浄した。2N HClで水層を酸性化し、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。未処理ビフェニル−3−チオール生成物0.85g(77.3%)を得るために、有機抽出物を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4によって乾燥させ、減圧下で蒸発させた(全体で3ステップ)。マグネットスターラーで攪拌しながら、tert−ブトキシドナトリウム0.1g(1.04mmol)とヨウ化銅83mg(0.43mmol)を丸底フラスコに入れた。反応容器を密閉後、4−メトキシベンゼンチオール0.13g(0.71mmol)と5−ヨード−1,2,3−トリメトキシベンゼン0.19g(0.65mmol)のトルエン溶液3.0mLをセプタムから注入した。一晩、110℃で、反応混合物を加熱した。フラッシュクロマトグラフィーで精製を行い、非結晶固体を得た(収率40%)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.54〜7.52(m,3H),7.44〜7.41(m,3H),7.37〜7.33(m,2H),7.23(s,br,1H),6.69(s,2H),3.86(s,3H),3.80(s,6H)。MS(ESI)m/z353.2[M+H]+。
3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニル)ビフェニル(4b)。化合物4aの60mg(0.17mmol)とジクロロメタン5mLの溶液に、m−CPBAの2当量を非常にゆっくりと3時間にわたり添加した。薄層クロマトグラフィーで、スルホキシド形成をモニタリングした。フラッシュクロマトグラフィーカラムで精製を行い、(4b)の非結晶粉末を得た(収率73%)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.14(br,1H),7.89(d,1H),7.78(d,1H),7.59〜7.56(m,3H),7.49〜7.39(m,3H),7.19(s,2H),3.89(s,6H),3.87(s,3H)。MS(ESI)m/z385.0(M+Na)+。
3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルフィニル)ビフェニル(4c)。0℃で、化合物(4a)の500mg(1.42mmol)とジクロロメタン5mLの溶液に、m−CPBAの1当量を非常にゆっくりと3時間にわたり添加した。薄層クロマトグラフィーで、スルホキシド形成をモニタリングした。フラッシュクロマトグラフィーカラムで精製を行い、(4c)の非結晶粉末を得た(収率87%)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.92(br,1H),7.71(d,2H),7.62〜7.60(m,3H),7.58〜7.40(m,4H),6.94(s,2H),3.79(s,3H),3.74(s,6H)。MS(ESI)m/z369.1[M+H]+。
N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ビフェニル−3−スルホンアミド(4d)の合成[図4]
N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ビフェニル−3−スルホンアミド(4d)。ビフェニル−3−スルホニルクロリド65mg(0.25mmol)、3,45−トリメトキシアニリン44mg(0.24mmol)、およびトリエチルアミン0.3mmolのDNF溶液5mLの混合物を一晩攪拌した。反応混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。通常の試薬の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)によって化合物(4d)88mg(91.7%)を生成した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.96(t,1H,J=1.8Hz),7.81〜7.74(m,2H),7.57〜7.40(m,6H),6.33(s,2H),3.86(s,3H),3.80(s,6H)。MS(ESI)m/z422.1(M+Na)+。
2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール(2i)[図4]
2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール(2i)。攪拌した1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エタノン(210mg,1mmol)のエタノール溶液(30mL)に、臭素(160mg,1mmol)を滴下し、1時間、0℃で溶液を攪拌し、その後、沈殿物を生成するために水の中に注いだ。ブロモアセトフェノン(70%)を得るために、これをエタノールから再結晶化させ、次のステップで直接使用した。ブロモアセトフェノン(288mg,1mmol)とベンゾチオアミド(137mg,1mmol)の混合物のエタノール溶液を1時間、還流させた。2i(167mg,51.1%)を得るために、反応混合物を真空下で濃縮し、フラッシュカラムで精製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.05〜8.03(m,2H),7.48〜7.44(m,3H),7.41(s,1H),7.22(s,2H),3.97(s,6H),3.89(s,3H)。MS(ESI)m/z350.1(M+Na)+。
実施例3 まさざまな「A」環および/または置換「A」環を有するメトキシベンゾイルチアゾール化合物の合成
本発明の化合物は、ベンゾイルまたはインドリルなどのさまざまな置換または非置換A環を有する。前記化合物を、図5および6にしたがって合成した。
フェニルA環のパラ位にヒドロキシルおよびアミノメチルを導入したほか、フェニルを5−インドリルおよび2−インドリル環に置き換えた。開始物質としてアリールニトリルを用いて、図5に示した手順によって、ワインレブアミド57a、61a、65a、および67aを調製した。標準的な手順にしたがって、2−シアノ−インドール60aを調製した(Pletnev, A. A.; Tian, Q.; Larock, R. C., Carbopalladation of nitriles: synthesis of 2,3-diarylindenones and polycyclic aromatic ketones by the Pd-catalyzed annulation of alkynes and bicyclic alkenes by 2-iodoarenenitriles. J Org Chem 2002, 67, (26), 9276-87. incorporated herin by reference in its entirely)。調製では、ヒドロキシル(TBDMSCl)、インドリル(PhSO2Cl)、およびアミノ(Boc2O)基の保護を用いた。TBAF/THF溶液を用いた一段階で、TBDMSの脱保護とチアゾリン(58a)からチアゾール(2l)への酸化とを行った。チアゾリンワインレブアミドとグリニャール試薬の反応で、このチアゾリン−チアゾール酸化を自発的に行った。インドール化合物62aと66aの調製中に、同じ現象が見られる。
さらに酸化させる必要なく、3,4,5−トリメトキシフェニルリチウムとの反応後に、精製チアゾール化合物として化合物62aを分離した。加熱したNaOHエタノール溶液中でフェニルスルホニル保護基を取り除くことで、化合物66aを得た。ワインレブ58aおよび68aからの同様のグリニャールによって、2lおよび2rのA環にパラ−OHおよびNH2を得た。NaH/MeI条件と、HCHO/NaBH3CN条件下でのジメチルアミン2uを用いて、化合物2rを、HCl塩(2r−HCl)とモノメチルアミン2s−HClのHCl塩にさらに変換した。
置換A環:
(2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2l)の合成[図5]
38dに使用したものと同じ方法を用いて、(R)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メトキシ−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(57a)を合成した。定量的収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.56(d,2H,J=8.5Hz),6.84(br,1H),6.73(d,2H,J=8.5Hz),5.64(t,br,1H),3.87(s,3H),3.30(s,3H)。MS(ESI)m/z289.0(M+Na)+,264.9(M-H)−。
(35a)に使用したものと同じ方法を用いて、(R)−2−(4−(tert−ブチルジメチルトリルオキシ)フェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(58a)を合成した(実施例1を参照)。収率67.0%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.73(d,2H,J=8.7Hz),7.61(s,2H),6.83(d,2H,J=8.7Hz),5.95(dd,1H,J=8.1Hz,9.0Hz),4.09,(dd,1H,J=7.8Hz,11.1Hz),3.95(s,3H),3.94(s,6H),3.55(dd,1H,J=9.3Hz,11.1Hz),0.97(s,9H),0.19(s,6H)。MS(ESI)m/z510.4(M+Na)+,486.0(M-H)−。
(2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2l)。0℃で、58a(0.2mmol)のCH2Cl2溶液5mLに、テトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF(1N,0.6mmol)溶液を添加し、TLCモニターで反応が終了するまで、14時間、室温で攪拌した。収率67.0%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ10.1(s,1H),8.51(s,1H),7.85(d,2H,J=8.50Hz),7.62(s,2H),6.91(d,2H,J=8.5Hz),3.86(s,6H),3.79(s,3H)。MS(ESI)m/z394.1(M+Na)+,369.9(M-H)−。
(2−(4−(アミノメチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2rまたは2r−HCl)[図5]
(R)−tert−ブチル 4−(4−(メトキシ(メチル)カルバモイル−4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル)ベンジルカルバメート(67a)。4−(アミノメチル)ベンゾニトリル(25.09g,0.149mol)とL−システイン(18.1g,0.149mol)を、MeOHとpH6.4の緩衝液の溶液(1:1)500mLに懸濁させ、室温で3日間攪拌した。トリエチルアミン(30mL)を混合物に添加し、この混合物にBoc2O(68g,0.31mol)を添加し、2時間攪拌した。白色固体の(r)−2−(4−((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)フェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(38.4g,76.8%)を得るために、溶媒を取り除き、濾過した。38dに使用したものと同じ方法にしたがって、この酸から化合物67aを得た。収率:84.4%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.75〜7.77(d,2H,J=7.5Hz),7.27〜7.26(d,2H,J=7.5Hz),7.23(s,1H),5.62(br,1H),4.87(br,1H),4.30(br,2H),3.86(s,3H),3.78(t,J=10.0Hz,1H),3.48〜3.4(m,1H),3.25(s,3H),1.42(s,9H)。MS(ESI)m/z402.1(M+Na)+,378.0(M−H)−。
tert−ブチル 4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)ベンジルカルバメート(68a)。67a(2.5mmol)、CBrCl3(3.2mmol)、およびDBU(5.0mmol)の混合物のCH2Cl2(20mL)溶液を、一晩攪拌した。中間体チアゾールワインレブアミドを得るために、シリカゲルに反応混合物を吸着させ、カラムクロマトグラフィーで精製した。(3,4,5−トリメトキシフェニル)マグネシウムブロマイド(0.5M,5.5.mL)のTHF溶液に、中間体チアゾールワインレブアミド(1.83mmol)のTHF溶液10mLを0℃で添加し、30分間攪拌した。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、淡黄色固体(32.3%)として精製化合物を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(300M,CDCl3)δ8.27(s,1H),7.98(d,2H,J=8.1Hz),7.78(s,2H),7.39(d,2H,J=8.1Hz),7.27〜7.26(d,2H,J=7.5Hz),7.23(s,1H),4.93(br,1H),4.37(br,d,1H),3.96(s,3H),3.95(s,6H),1.47(s,9H);MS(ESI)m/z507.1(M+Na)+。
(2−(4−(アミノメチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2rまたは2r−HCl)。0℃で、68a(200mg)のCH2Cl2溶液10mLに、1,4−ジオキサン(4N,2mL)のHCl溶液を添加し、4時間、室温で攪拌した。沈殿物(2r)を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。収率:81.3%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.68(s,1H),8.38(br,3H),8.10(d,2H,J=8.4Hz),7.66(d,2H,J=8.4Hz),7.62(s,2H),4.11(s,2H),3.87(s,6H),3.80(s,3H)。MS(ESI)m/z385.1[M+H]+。
(2−(4−((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2uまたは2u−HCl)[図5]
tert−ブチルメチル(4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)ベンジル)カルバメート(71a)。0℃で、化合物68a(100mg,0.2mmol)のDMF溶液5mLに水素化ナトリウム(10mg,0.2mmol)を添加し、その後、ヨードメタン(77mg,0.4mmol)を反応混合物に添加し、一晩、室温で攪拌した。混合物を飽和NaHCO3溶液で急冷し、酢酸エチルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物71aを手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。収率:61.3%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.30(s,1H),8.02(d,2H,J=8.0Hz),7.82(s,2H),7.36(br,2H),4.50(s,2H),4.00(s,3H),3.98(s,6H),2.90(d,br,3H),1.50(s,9H)。MS(ESI)m/z521.2(M+Na)+,496.9(M-H)−。
(2−(4−(メチルアミノ)メチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2sまたは2s−HCl)。0℃で、71a(60mg)のCH2Cl2溶液5mLに、1,4−ジオキサン(4N,2mL)のHCl溶液を添加し、一晩、室温で攪拌した。残留物(2s−HCl)を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。収率:81.3%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.0(s,1H),8.29(s,1H),8.05(d,2H,J=6.0Hz),7.74(s,2H),7.72(d,2H,J=6.0Hz),4.15(s,2H),3.99(s,3H),3.96(s,6H),2.61(s,3H)。MS(ESI)m/z399.1[M+H]+。
(2−(4−(ジメチルアミノ)メチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2uまたは2u−HCl)。2r(53mg,0.14mmol)のCH2Cl2溶液5mLに、ホルムアルデヒド溶液(37%水溶液,340mg,4.2mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(34mg,0.55mmol)を添加し、反応混合物をシリカゲルに吸着し、フラッシュカラムの後、遊離塩基を精製した(41mg,70.9%)。0℃で、遊離塩基(41mg)のCH2Cl2溶液5mLに、1,4−ジオキサン(4N,2mL)のHCl溶液を添加し、一晩、室温で攪拌した。沈殿物(2r)を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。収率:71.3%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ13.0(s,1H),8.34(s,1H),8.13(d,2H,J=7.0Hz),7.82(d,2H,J=7.5Hz),7.75(s,2H),4.24(s,2H),3.99(s,3H),3.97(s,6H),2.83(s,6H)。MS(ESI)m/z413.1[M+H]+。
2−(4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトニトリル(2n)。
テレフタロニトリルとシステインから、化合物1hに使用したものと同じ方法を用いて、2−(4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトニトリル(2n)を精製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.30(s,1H),8.04(d,2H),7.76(s,2H),7.46(d,2H),3.97(s,3H),3.95(s,6H),3.83(s,2H)。
(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2o)の合成。
4−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリルとシステインから、化合物1hに使用したものと同じ方法を用いて、2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2o)を精製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(s,1H),7.88(d,2H),7.80(s,2H),6.73(d,2H),3.96(s,3H),3.95(s,6H),3.05(s,6H);MS(ESI)m/z421.1(M+Na)+。
インドリルA環:
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(62a)の合成[図5]
1H−インドール−2−カルボニトリル(60a)。インドール−2−カルボン酸(2.0g,12.4mmol)の無水Et2O冷溶液に、SOCl2を1.9mL(26mmol)添加した。室温で40分間攪拌した後、減圧下、35℃を超えない温度で、エーテルを取り除いた。得られた塩化アシルを40mLの無水Et2Oに溶かし、生じた溶液を、攪拌した液体アンモニアの80mLのEt2O溶液にすぐに添加した。24時間、室温で反応混合物を攪拌した。その後、減圧下で溶媒を蒸発させ、50%EtOH水溶液から白色のインドール−2−カルボキサミドを結晶化させ、空気中で乾燥させた。その後、POCl3に溶かし、5分間、還流下で加熱した。冷却した溶液をクラッシュアイスに注ぎ、塩基性のpHを維持するために、NH4OH水溶液を添加した。Et2Oで水性混合物を抽出し、Na2SO4によって抽出物を乾燥させ、蒸発させた。茶色のインドール−2−カルボニトリル 60a(インドール−2−カルボン酸からの全体収率63.3%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.56(br,s,1H),7.68(d,1H,J=8.0Hz),7.43〜7.34(m,2H),7.24〜7.21(m,2H)。MS(ESI)m/z144.0(M+H)+,140.8(M−H)−。
38dに使用したものと同じ方法を用いて、(R)−2−(1H−インドール−2−イル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(61a)を合成した。収率67.1%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.06(s,br,1H),7.64(d,2H,J=8.1Hz),7.36〜7.24(m,2H),7.12(dt,1H,J=8.1Hz,1.2Hz),6.95(d,1H,J=1.8Hz),5.60(t,br,1H,J=8.7Hz),3.86(s,3H),3.78(t,1H,J=10.2Hz),3.58(dd,1H,J=9.0Hz,10.2Hz),3.30(s,3H)。MS(ESI)m/z312.1(M+Na)+,287.9(M-H)−。
35aに使用したものと同じ方法を用いて、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(62a)を合成した。収率45.8%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.26(s,1H),8.11(s,1H),7.66(d,1H,J=8.0Hz),7.46(s,2H),7.42(d,1H,J=8.0Hz),7.29(t,1H,J=7.5Hz),7.16(t,1H,J=7.5Hz),7.10(s,1H),3.97(s,3H),3.93(s,6H)。MS(ESI)m/z417.1(M+Na)+,392.9(M-H)−。
(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(66a)の合成[図5]
(R)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−5−イル)−4,5―ジヒドロチアゾール―4−カルボン酸(64a)。1H−インドール−5−カルボニトリルから38dを得るために使用したものと同じ方法を用いて、そしてさらに精製せずに、(R)−2−(1H−インドール−5−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸63aを合成した。0℃で、63a(1mmol)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.15mmol)のトルエン溶液(10mL)に、50%水酸化ナトリウム水溶液(10mL)と、スルホニルクロリド(2mmol)を添加した。6時間、室温で結果として得られた溶液を攪拌した。その後、混合物をpH=2に酸性化するために、1N HClを添加し、CH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、乾燥させた(MgSO4で);その後、64aを得るために、蒸発乾固した。これは、さらに精製せずに次のステップで使用した。
38dに使用したものと同じ方法を用いて、64aから、(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−5−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(65a)を合成した。収率57.1%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.92(m,2H),7.77(m,3H),7.51(d,1H,J=3.0Hz),7.46(t,1H),7.35(t,1H),6.61(d,1H),5.58(br,t,1H)3.82(s,3H),3.73(t,1H),3.43(m,1H),3.21(s,3H)。MS(ESI)m/z452.1(M+Na)+。
(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(66a)。n−BuLi(1.6M,1.7mL)のTHF溶液8mLに、3,4,5−トリメトキシブロモベンゼン(2.47mmol)のTHF溶液3mLを−78℃で添加した。混合物を2時間攪拌し続け、ワインレブアミド65a(1.24mmol)のTHF溶液3mLを入れた。室温まで温度を上げ、一晩攪拌し続けた。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、脱保護化合物66aを得るために、1N NaOHのエタノール溶液5mL中で還流させ、淡黄色固体(36.3%)として精製化合物を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(300M,CDCl3)δ8.36(br,s,1H),8.31(s,1H),8.21(s,1H),7.92,7.89(dd,1H,J=1.8,2.7Hz),7.46(d,1H,)7.62(s,2H,J=8.7Hz),7.29(t,1H,J=2.7Hz),6.64(br,1H),3.97(s,6H),3.97(s,3H);MS(ESI)m/z417.1(M+Na)+,392.9(M−H)−。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−2−イル)メタノン(8)の合成。
2−(1H−インドール−2−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸とシステインから、化合物1hに使用したものと同じ方法を用いて、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−2−イル)メタノン(8)を調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ9.39(s,1H),8.54(s,1H),8.46(s,1H),8.06(s,1H),8.03(dd,1H),7.66(d,1H),7.51(d,1H),7.41(d,1H),7.33(t,1H),7.29(d,1H),7.15(t,1H),7.09(d,1H),6.72(s,1H)。MS(ESI)m/z366.1(M+Na)+,341.9(M−H)−。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−5−イル)メタノン(21)の合成。
2−(1H−インドール−2−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸とシステインから、化合物1hに使用したものと同じ方法を用いて、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−5−イル)メタノン(21)を調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ9.60(s,1H),9.26(s,1H),8.31(s,1H),8.03(s,1H),7.83(dd,1H),7.69(d,1H),7.53〜7.49(m,2H),7.41(t,1H),7.33(t,1H),7.21〜7.18(m,2H),7.13(s,1H)。MS(ESI)m/z366.1(M+Na)+,341.9(M−H)−。
実施例4 窒素リンカー(X=NH)を有する本発明の化合物の合成
バイオアベイラビリティを向上させるため、Aフェニル環とBチアゾール環の間にNHリンカーを導入した。図6に示した通り、この新しい一連の化合物を合成した。65℃で、エタノール中での3−ブロモ−2−オキソプロパン酸エチルエステルとアリールチオ尿素の反応によって、2−(アリールアミノ)−チアゾール−4−カルボン酸73a〜cを高い収率で生成した。これらの酸をワインレブアミド74a〜cに変換し、続いて、アニリン結合5a〜cを得る3,4,5−トリメトキシフェニルリチウムと反応させた。これをHCl塩5Ha〜cに変換できる。
(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン誘導体(5a〜c)とそのHCl塩の合成[図6]
2−(アリールアミノ)チアゾール−4−カルボン酸(37a〜c)の合成の一般的手順。N−アリールチオ尿素(0.01mol)とブロモピルビン酸エチル(0.011mol)をエタノール3mLに溶かし、2時間、還流し続けた。反応物を冷却し、濾過によって結晶のエチル2−(置換フェニルアミノ)チアゾール−4−カルボキシレートを収集し、エタノールで洗浄した。エチルエステルとNaOH−エタノール溶液の混合物を還流させて、次のステップで直接使用する最終化合物73a〜cを得た。
38dに使用したものと同じ方法を用いて、N−メトキシ−N−メチル−2−(アリールアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド(74a〜c)を合成した(実施例1、図2を参照)。
N−メトキシ−N−メチル−2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド(74a)。収率90.2%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.39(s,2H),7.38(br,1H),7.36〜7.33(m,br,4H),7.09(t,br,1H),3.77(s,3H),3.43(s,3H),2.33(s,3H)。MS(ESI)m/z286.0(M+Na)+。
N−メトキシ−N−メチル−2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド(74b)。収率93.3%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.35(s,1H),7.31(br,1H),7.22(d,2H),7.16(d,2H),3.76(s,3H),3.42(s,3H),2.33(s,3H)。MS(ESI)m/z278.0[M+H]+。
2−(4−フルオロフェニルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド(74c)。収率89.7%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.36(s,1H),7.36〜7.31(m,2H),7.07〜7.04(m,6H),3.76(s,3H),3.42(s,3H)。MS(ESI)m/z282.0(M+Na)+,280.8(M-H)−。
(2−(アリールアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5a〜c)の合成の一般的手順。−78℃で、5−ブロモ−1,2,3−トリメトキシベンゼン(1.235g,5.0mmol)のTHF溶液30mLに、Ar2保護下でn−BuLiのヘキサン溶液(2.5N,2.4mL,6mmol)を入れ、10分間攪拌した。ワインレブアミド74a〜c(1mmol)のTHF溶液10mLをリチウム試薬に添加し、2時間、室温で攪拌し続けた。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物(5a〜c)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。
(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5a)。収率33.3%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ10.4(s,1H),7.85(s,1H),7.68(d,2H,J=8.0Hz),7.31(t,2H,J=8.0Hz),6.98(t,1H,J=8.0Hz),3.83(s,6H),3.78(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+H)+,368.9(M−H)−。
(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5b)。収率40.6%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.48(s,1H),7.47(s,2H),7.30(br,1H),7.27(d,2H,J=8.5Hz),7.17(d,2H,J=8.5Hz),3.93(s,3H)。3.90(s,6H),2.34(s,3H)。MS(ESI)m/z385.1(M+H)+,382.9(M−H)−。
(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5c)。収率39.6%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.52(br,1H),7.49(s,1H),7.45(s,2H),7.40〜7.37(q,2H,J=4.5Hz),7.08〜7.04(t,2H,J=8.0Hz),3.93(s,3H),3.89(s,6H)。MS(ESI)m/z389.3(M+H)+,386.9(M−H)−。
塩酸塩(5Ha〜c)の合成の一般的手順。0℃で、5a〜c(0.1mmol)のCH2Cl2溶液5mLに、1,4−ジオキサン(4N,2mL)のHCl溶液を添加し、一晩、室温で攪拌した。沈殿物5Ha〜cを収集し、ジエチルエーテルで洗浄した。
(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Ha)。収率91.6%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ12.9(br,1H),7.49〜7.46(m,2H),7.42〜7.40(m,2H),7.37〜7.34(m,br,2H),7.11(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,6H)。MS(ESI)m/z389.1[M+H]+。
(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hb)。収率39.6%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.30〜7.25(m,br,5H),7.12(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,6H),2.38(s,3H)。MS(ESI)m/z389.1[M+H]+。
(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hc)。収率89.3%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.55(s,1H),7.85(s,1H),7.72〜7.69(q,2H,J=4.5Hz),7.50(s,2H),7.18〜7.15(t,2H,J=8.5Hz),4.30(br,1H),3.82(s,6H),3.78(s,3H)。MS(ESI)m/z389.3[M+H]+。
実施例5 選択したアリール−ベンゾイル−イミダゾール化合物の合成
2−アリール−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール14b,15c,14xの調製(図7)。
適切なベンズアルデヒド8(b,c,x)をt−BuOH溶液(300mL)に溶かした溶液に、エチレンジアミン(66mmol)を添加し、室温で30分間、撹拌した。炭酸カリウム(75mmol)とヨウ素(180mmol)を、反応混合物に順番に添加し、続いて、3時間、70℃で撹拌した。硫酸ナトリウム(Na2SO3)を添加し、混合物をクロロホルムで抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール 20:1)で精製した。収率:50〜60%。
2−アリール−1H−イミダゾールの調製(9a〜j,x;図7および8)。
方法A(9b、9xのみに必須、図7):2−アリール−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール化合物14b、x(35mmol)をDMSO(100mL)溶液に溶かした溶液に、炭酸カリウム(38.5mmol)とジアセトキシヨードベンゼン(38.5mmol)を添加した。暗所にて一晩、反応混合物を撹拌した。水を添加し、続いてジクロロメタンで抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:2)にさらした。収率:30〜50%。
方法B(9cのみに必須、図7):2−アリール−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール化合物14c(50mmol)をDMF(70mL)に溶かした溶液に、DBU(55mmol)とCBrCl3(55mmol)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、飽和NaHCO3(水)溶液を添加し、続いて、ジクロロメタンで抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール 50:1)にさらした。収率:7%。
方法C(9a、9d〜j、9pのみに必須;図8):0℃で、適切なベンズアルデヒド(8a、8d〜j、8p)(100mmol)をエタノール(350mL)に溶かした溶液に、オキサルアルデヒドの40%水溶液(12.8mL,110mmol)と水酸化アンモニウムの29%水溶液(1000mmol,140mL)を添加した。室温で2〜3日間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、黄色粉末として題記化合物を得るために、残量物を、溶離液としてジクロロメタンを含むフラッシュカラムにさらした。収率:20〜40%。
2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾールの調製(10a〜j,p,x;図7および8)。
0℃で、2−アリール−1H−イミダゾール9a〜j、p、x(20mmol)を無水THF溶液(200mL)に溶かした溶液に、水素化ナトリウム(60%分散鉱油、1.2g、30mmol)を添加し、30分間撹拌した。塩化ベンゼンスルホニル(2.82mL,22mmol)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。飽和NaHCO3溶液(水性)100mLで希釈した後、酢酸エチル(500mL)で反応混合物を抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。青白い固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)で精製した。収率:50〜70%。
アリール(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンの調製(11aa〜ai、ba、ca、cb、da、db、ea、eb、fa、fb、ga、gb、ha、hb、ia、ib、ja、jb、pa;図7および8)。
−78℃で、2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(6.0mmol) 10a〜j、p、xを無水THF溶液(30mL)に溶かした溶液に、1.7M tert−ブチルリチウムのペンタン溶液(5.3mL,9.0mmol)を添加し、10分間撹拌した。−78℃で、適切な置換塩化ベンゾイル(7.2mmol)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)100mLで希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 4:1)で精製した。収率:15〜40%。
アリール(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン調製の一般的手順(12aa〜ai、ba、ca、cb、da、db、ea、eb、fa、fb、ga、gb、ha、hb、ia、ib、ja、jb、pa;図7および8)。
アリール(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(2.0mmol)11aa〜ai、ba、ca、cb、da、db、ea、eb、fa、fb、ga、gb、ha、hb、ia、ib、ja、jb、paをTHF溶液(20.0mL)に溶かした溶液に、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオライド(4.0mmol)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)50mLで希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)で精製するか、水とメタノールから再結晶させた。収率:80〜95%。
(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−チアゾール−4−イル)(アリ−ル)メタノンの調製(12ka,12kb;図8)。
(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(アリール)メタノン12jaまたは12jb(1mmol)をAcOH溶液(20mL)に溶かした溶液に、濃塩酸(2mL)を添加し、一晩還流させた。溶媒の除去後、黄色固体として題記化合物を得るために、ジクロロメタンから残留物を再結晶させた。収率:70〜85%。
(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン13ea、13fa、13haの調製(図8)。
アリール(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン12ea、12fa、または12ha(0.5mmol)をCH2Cl2(6.0mL)に溶かした溶液に、1.0M BBr3(2mmol)のCH2Cl2溶液を添加し、室温で1時間撹拌した。過剰なBBr3を壊すために、水を添加した。沈殿した固体を濾過し、黄色固体を得るために、MeOHから再結晶させた。収率:60〜80%。
アリール(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン塩酸塩(12db−HCl)の調製。
12db(0.5mmol)をメタノール溶液(20mL)に溶かした溶液に、塩化水素(5mmol)のエチルエーテル2M溶液を添加し、室温で一晩撹拌した。題記化合物を得るために、反応混合物を濃縮し、残留物をCH2Cl2で洗浄した。収率:95%。
アリール(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メタノンの調製(12aba、12aaa;図9)。
2−フェニル−1H−イミダゾール9a(10mmol)をTHF溶液(20mL)に溶かした溶液に、0℃でNaH(15mmol)と置換塩化ベンゾイル(12mmol)を添加した。反応混合物を一晩撹拌し、飽和NaHCO3溶液で希釈し、続いて、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製した。収率:12〜16%。
1−置換−(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)−アリール−メタノンの調製(12dc、12fc、12daa、12dab、12cba、11gaa、12la;図10〜11)。
12dc、12fc、および12daa、12dab、および12cbaの合成は、図10にまとめている。上記の合成と、図7および8とにしたがって、化合物12da、12cb、および12faを合成した。塩化アルミニウムによる12daおよび12faの処理によって、3,5−ジメトキシを損なうことなく、パラ−脱メチル化12dc、12fcを提供した。12daのN−1位のベンジル化によって、化合物12daaを調製した。一方、12daおよび12cbのN−1位のメチル化によって、それぞれ化合物12dabおよび12cbaを得た。
12dc、12fc、12daa、12dab、および12cbaの合成:方法D。(12dcおよび12fc)[図10]:
12daおよび12fa(200mg)をTHF溶液(20mL)に溶かした溶液に、塩化アルミニウム(10当量)を添加した。反応混合物を一晩撹拌した。水を添加し、続いて酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。黄白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)にさらした。収率:60〜80%。
12daa、12dab、12cbaの合成、方法E:[図10]:
氷浴中の12daおよび12cb(100mg)をTHF溶液(10mL)に溶かした溶液に、水素化ナトリウム(1.2当量)を添加し、続いてヨウ化メチル(12dab、12cba用)または臭化ベンジル(12daa用)(2当量)を添加した。還流条件の下で5時間、生じた反応混合物を撹拌した。飽和NaHCO3溶液(水性)50mLで希釈した後、酢酸エチル(100mL)で反応混合物を抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)で精製した。収率:50〜98%。
11gaaおよび12laの合成(図11):
イミダゾール骨格を作るために、水酸化アンモニウムおよびグリオキサルの存在下で、置換ベンズアルデヒド化合物8(l,g)を化合物9(l,g)に変換した。化合物9(l,g)のイミダゾール環を適切なフェニルスルホニル基で保護し、続いて、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロライドと結合させて、化合物11(la,gaa)を得た。保護基を取り除くtert−ブチルアンモニウムフルオライドによる11laの処理によって、12laを得た。
(1−ベンジル−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12daa)の構造的性質(図11)。
収率:92.8%;融点135〜137℃。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.81(s,1H),7.80(d,J=6.5Hz,2H),7.58(d,J=8.0Hz,2H),7.41〜7.45(m,3H),7.31〜7.33(m,2H),7.20(d,J=7.0Hz,2H),5.33(s,2H),3.99(s,3H),3.98(s,6H),2.47(s,3H)。MS(ESI):C27H26N2O4に対して計算.442.2,検出443.1[M+Na]+。HPLC1:tR 4.28分、純度>99%。
(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gba)の構造的性質。
収率:34.1%;融点147〜149℃。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ8.07(q,J=8.5Hz,5.5Hz,2H),7.78(d,J=9.0Hz,2H),7.41(d,J=8.5Hz,2H),7.39(s,1H),7.23(t,J=8.5Hz,2H),6.91(d,J=9.0Hz,2H),6.68(d,J=9.0Hz,2H),3.89(s,3H),3.08(s,3H)。MS(ESI):C25H22FN3O4Sに対して計算,479.1,検出502.1[M+Na]+。HPLC2:tR 18.6分、純度96.9%。
(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)の合成(図11)
9l、9gの合成:0℃で、適切なベンズアルデヒド(81および8g、100mmol)をエタノール溶液(400mL)に溶かした溶液に、オキサルアルデヒド(グリオキサル)の40%水溶液(1.1当量)と水酸化アンモニウムの29%水溶液(10当量)とを添加した。室温で2〜3日間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、黄色粉末として題記化合物を得るために、残量物を、溶離液としてジクロロメタンを含むフラッシュカラムクロマトグラフィーにさらした。収率:10〜30%。
10la、10gbの合成:0℃で、イミダゾール(9a,9g)(10mmol)を無水THF溶液(200mL)に溶かした溶液に、水素化ナトリウム(60%分散鉱油、1.2当量)を添加し、20分間撹拌した。4−メトキシ塩化ベンゼンスルホニル(10gb用)または塩化ベンゼンスルホニル(その他用)(1.2当量)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。飽和NaHCO3溶液(水性)200mLで希釈した後、酢酸エチル(600mL)で反応混合物を抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。青白い固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)で精製した。収率:40〜95%。
11la、11gaaの合成:−78℃で、2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10la,10gb)(5.0mmol)を無水THF溶液(30mL)に溶かした溶液に、1.7M tert−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.2当量)を添加し、10分間撹拌した。−78℃で、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロライド(1.2当量)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)100mLで希釈し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)で精製した。収率:5〜45%。
12laの合成:(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11la)(2.0mmol)をTHF(25.0mL)に溶かした溶液に、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオライド(2当量)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)60mLで希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 4:1)で精製するか、水とメタノールから再結晶させた。収率:80〜98%。
(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)の合成(図7)。
(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb,872mg,2.0mmol)をTHF(20.0mL)に溶かした溶液に、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオライド(4.0mL,4.0mmol)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)50mLで希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物を水とメタノールから再結晶化させた。収率:90%;融点245〜247℃。
(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)の合成(図8)。
(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11da,492mg,1.0mmol)をTHF(15.0mL)に溶かした溶液に、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオライド(2.0mL,2.0mmol)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)30mLで希釈し、酢酸エチル(80mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物を水とメタノールから再結晶化させた。収率:88.5%。
(2−(4−クロロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)の合成(図8および14)。
2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール(9f):0℃で、4−クロロベンズアルデヒド(8f)(100mmol)のエタノール溶液(350mL)に、オキサルアルデヒドの40%水溶液(12.8mL,110mmol)と水酸化アンモニウムの29%水溶液(1000mmol,140mL)を添加した。室温で2〜3日間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、黄色粉末として題記化合物を得るために、残量物を、溶離液としてジクロロメタンを含むフラッシュカラムにさらした。収率:19.8%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ13.60(br,1H),7.94(d,J=8.5Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.27(s,1H),7.03(s,1H)。MS(ESI):C9H7ClN2に対して計算,178.0,検出178.9[M+H]+。
2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10f):0℃で、2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール(9f)(20mmol)を無水THF(200mL)に溶かした溶液に、水素化ナトリウム(60%分散鉱油、1.2g、30mmol)を添加し、30分間撹拌した。塩化ベンゼンスルホニル(2.82mL,22mmol)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。飽和NaHCO3溶液(水性)100mLで希釈した後、酢酸エチル(500mL)で反応混合物を抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。青白い固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)で精製した。収率:54.9%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.65(d,J=2.0Hz,1H),7.58(t,J=7.5Hz,1H),7.43(d,J=8.5Hz,2H),7.38(t,J=8.0Hz,2H),7.34−7.36(m,4H),7.12(d,J=1.5Hz,1H)。MS(ESI):C15H11ClN2O2Sに対して計算,318.0,検出341.0[M+Na]+。
2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11fa):−78℃で、2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10fa)(6.0mmol)を無水THF(30mL)に溶かした溶液に、1.7M tert−ブチルリチウムのペンタン溶液(5.3mL,9.0mmol)を添加し、10分間撹拌した。−78℃で、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロライド(7.2mmol)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)100mLで希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 4:1)で精製した。収率:36.8%;1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.05(d,J=7.5Hz,2H),7.77(t,J=7.5Hz,1H),7.62(t,J=8.0Hz,2H),7.48(s,1H),7.44(d,J=9.0Hz,2H),7.39(d,J=8.5Hz,2H),7.37(s,2H)。MS(ESI):C25H21ClN2O6Sに対して計算,512.1,検出513.1[M+H]+。
2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa):(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11fa)(2.0mmol)をTHF(20.0mL)に溶かした溶液に、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオライド(4.0mmol)を添加し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)50mLで希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)で精製するか、水とメタノールから再結晶させた。収率:80〜95%。収率:36.9%;融点193〜195℃。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.75(br,1H),7.96(d,J=8.5Hz,2H),7.83(s,1H),7.47(d,J=9.0Hz,2H),7.23(s,2H),3.97(s,3H),3.94(s,6H),2.43(s,3H)。MS(ESI):C19H17ClN2O4に対して計算,372.1,検出395.1[M+Na]+,370.9[M-H]−。HPLCグラジエント:溶媒A(水)および溶媒B(メタノール):0〜15分には40〜100%B(線形グラジエント)、15〜25分には100%B。tR 16.36分、純度>99%。
(2−(4−クロロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)の合成(図8)。
(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb,440mg,1.0mmol)をTHF(12.0mL)に溶かした溶液に、1.0Mテトラブチルアンモニウムフルオライド(2.0mL,2.0mmol)を添加し、一晩攪撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)20mLで希釈し、酢酸エチル(60mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物を水とメタノールから再結晶化させた。収率:83.7%。
実施例6 選択したインドール−ベンゾイル−イミダゾール化合物の合成
図12で、15xaaの合成の概要を示す。この経路は元々12xaの合成用に設計されたが、インドール−2位およびインドール−4位でのベンゾイル化の非選択性によって、15xaaを形成することになり、これは、密接に関連しているが、大量の11xaa類似体である。中間体8xaを得るために、インドール−5−カルボキシアルデヒド8aを、インドールNHのフェニルスルホニル基で保護した。8xaをグリオキサルと水酸化アンモニウムに反応させ、2−アリール−イミダゾール9xaを生成した。フェニルスルホニルによるイミダゾールNHの保護によって、16xaaを生成するために3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロライドと結合させる中間体10xaaを得た。16xaaから保護基を取り除くことで、15xaaを提供した。
1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−5−カルバルデヒド(8xa)の合成。室温で、インドール−3−カルボキシアルデヒド(100mmol)をエタノール(500mL)に溶かした溶液に、水酸化カリウム(110当量)を添加し、全部が溶けるまで、混合物を撹拌した。真空下でエタノールを完全に取り除き、アセトン(250mL)、続いてベンゼンスルホニルクロライド(110当量)を添加した。白色固体を得るために、沈殿物を濾過し、濾液を濃縮し、メタノールから再結晶化させた。収率:32.6% 1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.17(s,1H),8.25〜8.39(m,2H),7.97〜8.09(m,3H),7.69(t,J=7.33Hz,1H),7.59(t,J=7.5Hz,2H),7.39〜7.54(m,2H)。MS(ESI):C15H11NO3Sに対して計算,285.1,検出286.0[M+H]+。
(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa)の合成。(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa)(1mmol)をエタノール(20mL)に溶かした溶液に、水酸化ナトリウム(10当量)を添加し、暗所にて一晩撹拌した。反応混合物を、水50mLで希釈し、酢酸エチル(250mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)で精製するか、水とメタノールから再結晶させた。収率:30〜95%。
5−(1H−イミダゾール−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール (9xa)。収率:12.0%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.33(d,J=2.9Hz,2H),8.13(d,J=7.8Hz,2H),7.98〜8.04(m,1H),7.62〜7.67(m,1H),7.55(d,J=7.82Hz,2H),7.22〜7.34(m,4H)。MS(ESI):C17H13N3O2Sに対して計算,323.1,検出324.0[M+H]+。
1−(フェニルスルホニル)−5−(1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール(10xaa)。収率:23.6%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.01(d,J=8.5Hz,1H),7.95(d,J=7.5Hz,2H),7.73(d,J=1.0Hz,1H),7.70(d,J=4.0Hz,1H),7.63〜7.66(m,2H),7.52〜7.56(m,3H),7.31〜7.34(m,3H),7.22(t,J=8.5Hz,2H),7.17(s,1H),6.14(d,J=3.5Hz,1H)。MS(ESI):C23H17N3O4S2に対して計算,463.1,検出464.0[M+H]+。
(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa)。収率:15.9%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.18〜8.25(m,3H),8.04(d,J=8.1Hz,2H),7.70〜7.78(m,2H),7.61〜7.69(m,3H),7.55(t,J=7.7Hz,3H),7.50(s,1H),7.38(s,2H),7.34(s,2H),6.94(s,1H),3.99〜4.06(m,12H),3.94〜3.99(m,6H)。MS(ESI):C43H37N3O12S2に対して計算,851.2,検出852.1[M+H]+。
(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa)。収率:45.9%;融点239〜241℃。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.45(s,1H),9.44(s,1H),8.41(s,1H),8.04(d,J=8.5Hz,1H),7.86(s,1H),7.61(d,J=8.5Hz,1H),7.29(s,2H),7.26(s,2H),3.99(s,3H),3.95〜3.97(m,15H)。MS(ESI):C31H29N3O8に対して計算,571.2,検出572.2[M+H]+。HPLC2:tR 4.09分、純度96.3%。
実施例7 (2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)の合成[図13]
1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−カルバルデヒド(8ya)の合成:室温で、インドール−3−カルボキシアルデヒド(8y)(100mmol)をエタノール(500mL)に溶かした溶液に、水酸化カリウム(1.1当量)を添加した。全部が溶けるまで、混合物を撹拌した。真空下でエタノールを完全に取り除き、アセトン(250mL)に残留物を溶かし、続いてベンゼンスルホニルクロライド(1.1当量、110mmol)を添加した。30分間、反応混合物を撹拌した。白色固体を得るために、沈殿物を濾過し、濾液を濃縮し、メタノールから再結晶化させた。収率:33%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.17(s,1H),8.25〜8.39(m,2H),7.97〜8.09(m,3H),7.69(t,J=7.33Hz,1H),7.59(t,J=7.5Hz,2H),7.39〜7.54(m,2H)。MS(ESI):C15H11NO3Sに対して計算,285.1,検出286.0[M+H]+。
3−(1H−イミダゾール−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(9ya)の合成。0℃で、1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−カルボキシアルデヒド(8ya)(100mmol)をエタノール(400mL)に溶かした溶液に、オキサルアルデヒド(グリオキサル)の40%水溶液(1.1当量、110mmol)と水酸化アンモニウムの29%水溶液(10当量、1000mmol)を添加した2。室温で2〜3日間撹拌した後、反応混合物を水で急冷し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を真空によって取り除き、黄色粉末として題記化合物を得るために、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(4:1〜2:1)を含むフラッシュカラムクロマトグラフィーに残量物をさらした。収率:12%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.33(d,J=2.9Hz,2H),8.13(d,J=7.8Hz,2H),7.98〜8.04(m,1H),7.62〜7.67(m,1H),7.55(d,J=7.82Hz,2H),7.22〜7.34(m,4H)。MS(ESI):C17H13N3O2Sに対して計算,323.1,検出324.0[M+H]+。
1−(フェニルスルホニル)−3−(1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール(10ya)の合成:0℃で、3−(1H−イミダゾール−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(9ya)(20mmol)の無水THF溶液(300mL)に、水素化ナトリウム(60%分散鉱油、1.2当量、24mmol)を添加し、20分間撹拌した2。塩化ベンゼンスルホニル(1.2当量,24mmol)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。飽和NaHCO3溶液(水性)200mLで希釈した後、酢酸エチル(600mL)で反応混合物を抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 5:1)で精製した。収率:40%。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.02〜8.08(m,4H),7.72(d,J=1.5Hz,1H),7.35〜7.60(m,8H),7.23(d,J=1.5Hz,1H),7.10〜7.16(m,3H)。MS(ESI):C23H17N3O4S2に対して計算,463.1,検出486.0[M+Na]+。
(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17yaa)の合成:−78℃で、1−(フェニルスルホニル)−3−(1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール(10ya)(5.0mmol)の無水THF溶液(100mL)に、1.7M tert−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.2当量、6.0mmol)を添加し、10分間撹拌した。−78℃で、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロライド(1.2当量、6.0mmol)のTHF溶液を添加し、一晩撹拌した2。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(水性)100mLで急冷し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。白色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)で精製した。収率:30%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.09(d,J=10Hz,1H),8.04(d,J=10Hz,2H),7.91(s,1H),7.76(d,J=5Hz,2H),7.65(t,J=10Hz,1H),7.55〜7.58(m,5H),7.40(s,2H),7.33〜7.36(m,3H),7.25(t,J=10Hz,1H),4.05(s,3H),4.03(s,6H)。MS(ESI):C33H27N3O8に対して計算,657.0,検出680.1[M+Na]+。
(2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)の合成:(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17yaa)(1mmol)のエタノール(40mL)と水(4mL)の溶液に、水酸化ナトリウム(10当量、10mmol)を添加し、暗所にて、還流条件の下、一晩撹拌した。反応混合物を、水50mLで希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。硫酸マグネシウムによって有機層を乾燥させ、濃縮した。黄色固体を得るために、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)で精製した。収率:60%。1H NMR(500MHz,CD3OD)δ8.31(d,J=6.5Hz,1H),7.99(s,1H),7.90(s,1H),7.48〜7.52(m,3H),7.24〜7.28(m,2H),4.00(s,6H),3.93(s,3H)。MS(ESI):C21H19N3O4に対して計算,377.1,検出400.1[M+Na]+。融点208〜210℃。
実施例8 (2−(1H−インドール−5−イルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物55)の合成[図15]。
エタノール(50mL)に溶解された5−ニトロ−1H−インドール(11g,67.9mmol)とPd/C(5%;1g)の混合物を、40psiで3時間、水素化した。反応混合物を濾過し、減圧下で過剰なエタノールを蒸発させた。精製化合物である5−アミノインドール(55−1)を得るために、ヘキサンから固体生成物を再結晶させた。収率:92.5%。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ7.96(br,1H),7.20(d,1H),7.13(s,1H),6.95(s,1H),6.67(dd,1H),6.37(s,1H),3.50(s,2H)。MS(ESI)m/z133.0[M+H]+。
室温で4時間、5−アミノインドール(8g,60.6mmol)のアセトン溶液(150ml)を、ベンゾイルイソチオシアネート(9.88g,60mmol)に反応させた。生じた固体を濾過し、2N NaOHのTHF溶液(120mL)で処理した。約6時間、混合物を還流させ、室温に温め続けた。真空下で溶媒を蒸発させた。残留物を水(20mL)で希釈し、1N HClでpH7に中和した。5−インドリルチオ尿素(55−2)を得るために、生じた固体を濾過し、真空下で乾燥させた。5−インドリルチオ尿素(0.01mol)とブロモピルビン酸エチル(0.011mol)をエタノール3mLに溶かし、2時間、還流し続けた。反応物を冷却し、濾過によって結晶のエチル2−(1H−インドール−5−イルアミノ)チアゾール−4−カルボキシレート(55−3)を収集し、エタノールで洗浄した。エチルエステルとNaOH−エタノール溶液の混合物を還流させて、次のステップで直接使用する2−(1H−インドール−5−イルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸(55−4)を得た。粗製酸(2.5mmol)、EDCI(2.9mmol)、HOBt(2.6mmol)、およびNMM(5.3mmol)の混合物のCH2Cl2(30mL)溶液に、HNCH3OCH3HCl塩(2.6mmol)を添加し、室温で一晩、撹拌し続けた。反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、連続的に水、飽和NaHCO3、塩水で洗浄し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物2−(1H−インドール−5−イルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド(55−5)(5つのステップ全体で収率45.6%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。−78℃で、5−ブロモ−1,2,3−トリメトキシベンゼン(1.235g,5.0mmol)を30mLのTHFに溶かした溶液に、Ar2保護下でn−BuLiのヘキサン溶液(2.5N,2.4mL,6mmol)を入れ、10分間撹拌した。ワインレブアミド(1mmol)を10mLのTHFに溶かした溶液を、リチウム試薬に添加し、2時間、室温で撹拌し続けた。反応混合物を飽和NH4Clで急冷し、エチルエーテルで抽出し、MgSO4によって乾燥させた。粗生成物を得るために、減圧下で溶媒を取り除いた。これを、精製化合物55(収率51.7%)を手に入れるために、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.29(br,1H),7.68(d,1H),7.46(s,2H),7.39(s,1H),7.36(s,1H),7.28〜7.26(m,1H),7.15〜7.12(m,1H),6.55(m,1H),3.93(s,3H),3.89(s,6H)。MS(ESI)m/z432.1(M+Na)+,408.0(M−H)−。
実施例9 キノリンおよびイソキノリン−アリール化合物の合成(図16)
7−ブロモ−1−クロロイソキノリンとさまざまなアリールボロン酸の鈴木カップリングによって、一連の化合物を調製した。
1−クロロ−7−(1H−インドール−5−イル)−イソキノリン(6d)の合成(図16C):
ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら、30分間、7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(0.50mg,2.1mmol)、5−インドールボロン酸(0.40g,2.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.035g,0.08mmol)、炭酸カリウム(2.1mL,2M,4.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(11mL)の混合物を撹拌した。その後、室温で冷却し続けるまでの16時間、混合物を還流させた。シリカゲル床に通して混合物を濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL,10%水溶液)、水(5×30mL、有機層と水層との界面に、屈折率の変化がもう見られなくなるまで)、および塩化アンモニウム(20mL,飽和)で洗浄した。その後、黄色固体0.14g(25%)を得るために、シリカゲルに有機層を吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に通した。MS(ESI):C17H11ClN2に対して計算,278.1,検出301.0[M+Na]+。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ6.56〜6.58(m,1H),7.44(t,J=2.77Hz,1H),7.57〜7.59(m,2H),7.93(m,1H),8.04(s,1H),8.13〜8.20(m,1H),8.27〜8.31(m,2H),8.43(m,1H),11.25(brs,1H)。
1,7−ビス−(1H−インドール−5−イル)−イソキノリン(6b)(図16E):
ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら、30分間、7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(0.20mg,2.1mmol)、5−インドールボロン酸(0.80g,5.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.19g,0.16mmol)、炭酸カリウム(2.1mL,2M,4.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(11mL)の混合物を撹拌した。その後、室温で冷却し続けるまでの16時間、混合物を還流させた。シリカゲル床に通して混合物を濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL,10%水溶液)、水(5×30mL、有機層と水層との界面に、屈折率の変化がもう見られなくなるまで)、および塩化アンモニウム(20mL,飽和)で洗浄した。その後、黄色固体0.29g(39%)を得るために、シリカゲルに有機層を吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に通した。MS(ESI):C25H17N3に対して計算、359.1、検出360.2[M+H]+382.1[M+Na]+、および358.0[M−H]−。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ6.46〜6.50(m,1H)6.52〜6.59(m,1H)7.34〜7.36(m,1H)7.36〜7.41(m,2H)7.42〜7.52(m,3H)7.58(d,J=8.30Hz,1H)7.81(dd,J=5.49,5.00Hz,2H)7.92(s,1H)8.08〜8.17(m,2H)8.33(s,1H)8.54(d,J=5.61Hz,1H)11.18(br.s.,1H)11.30(br.s.,1H)ppm。
1−(4−フルオロ−フェニル)−7−(1H−インドール−5−イル)−イソキノリン(6c)(図16D):
ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら、30分間、6d(0.20g,0.72mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(0.12g,0.86mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.033g,0.03mmol)、炭酸カリウム(0.72mL,2M,1.4mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(22mL)の混合物を撹拌した。その後、室温で冷却し続けるまでの16時間、混合物を還流させた。シリカゲル床に通して混合物を濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL,10%水溶液)、水(5×30mL、有機層と水層との界面に、屈折率の変化がもう見られなくなるまで)、および塩化アンモニウム(20mL,飽和)で洗浄した。その後、黄色固体0.038g(16%)を得るために、シリカゲルに有機層を吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に通した。MS(ESI):C23H15FN2に対して計算,338.12,検出339.2[M+H]+,361.2[M+Na]+。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ6.47〜6.55(m,1H),6.80(d,J=9.16Hz,2H),7.38〜7.45(m,2H),7.47〜7.62(m,3H),7.72(d,J=8.85Hz,2H),7.79〜7.96(m,3H),11.18(br.s.,1H)。
1,7−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−イソキノリン(40)(図16A)
MS(ESI):C21H13F2Nに対して計算,317.10,検出318.1[M+H]+、340.1[M+Na]+,およぞ315.9[M-H]−。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ7.31(br.s.,1H)7.31〜7.37(m,2H)7.39(br.s.,1H)7.41(t,J=8.54Hz,2H)7.72〜7.77(m,2H)7.78〜7.84(m,2H)7.89(br.s.,1H)7.90〜7.99(m,1H)8.09〜8.19(m,3H)8.59(br.s.,1H)8.60〜8.65(m,1H)ppm。
7−ブロモ−1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(43)および1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1−(1H−インドール−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(41)の合成。(図16B)。
80℃で3時間、7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(0.60g,2.8mmol)を、4−フルオロフェニルスルホニルクロライド(1.65g,8.49mmol)のピリジン溶液(5ml)とともに撹拌した。化合物43の茶色固体(81%)を845mg得るために、混合物を冷却、濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(SiO2上にEtOAc/ヘキサン)に通した。C15H13BrFNO2S、368.98、検出394.0[M+Na]+、および367.8[M-H]−。1H NMR(500MHz,CDCl3−d)δ1.58〜1.67(m,2H)2.41(t,J=6.71Hz,2H)3.72〜3.82(m,2H)6.89(d,J=8.30Hz,1H)7.08〜7.17(m,2H)7.18〜7.24(m,1H)7.59〜7.68(m,2H)7.92〜8.01(m,1H)ppm。
ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら、30分間、43(0.46g,1.3mmol)、5−インドールボロン酸(0.26g,1.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.031g,0.03mmol)、炭酸カリウム(1.35mL,2M,2.7mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(135mL)の混合物を撹拌した。その後、室温で冷却し続けるまでの16時間、混合物を還流させた。シリカゲル床に通して混合物を濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL,10%水溶液)、水(5×30mL、有機層と水層との界面に、屈折率の変化がもう見られなくなるまで)、および塩化アンモニウム(20mL,飽和)で洗浄した。その後、化合物41の白色結晶性固体0.38g(77%)を得るために、シリカゲルに有機層を吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に通した。MS(ESI):C23H19FN2O2Sに対して計算,406.12,検出404.9[M−H]−,および429.1[M+Na]+。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ1.56〜1.66(m,2H)2.48(t,J=6.59Hz,2H)3.76〜3.86(m,2H)6.46〜6.56(m,1H)7.14(m,J=7.81Hz,1H)7.33〜7.37(m,1H)7.38〜7.45(m,4H)7.49(m,J=8.54Hz,1H)7.66〜7.74(m,2H)7.74〜7.81(m,1H)7.85〜7.94(m,1H)11.17(br.s.,1H)ppm。
7−ブロモ−2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン(42)(図16B)
収率23%。C15H13BrFNO2S、369.0、検出392.0[M+Na]+、および367.7[M-H]−。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ2.75〜2.82(m,2H)3.32(t,J=6.10Hz,2H)4.24(s,2H)7.07(d,J=8.30Hz,1H)7.29〜7.37(m,1H)7.37〜7.43(m,1H)7.47(t,J=8.79Hz,2H)7.87〜7.93(m,2H)ppm。
2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−7−(1H−インドール−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン(44)
収率77%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ2.84〜2.91(m,2H)3.35(t,J=5.98Hz,2H)4.30(s,2H)6.44〜6.48(m,1H)7.17(d,J=7.81Hz,1H)7.32〜7.40(m,2H)7.41〜7.51(m,3H)7.75〜7.79(m,1H)7.89〜7.96(m,1H)11.13(br.s.,1H)ppm。
実施例10 アリール−ベンゾイル−イミダゾール(ABI)化合物の水溶解度(図17)
水溶解度の測定。水溶解度を測定するため、各化合物1mgを水1mLに懸濁させ、室温(RT)で48時間振とうした。懸濁液を10分間、10,000rpmで遠心分離し、0.22μmフィルターで濾過した。HP S1100 HPLC機器(Agilent,Foster ceity,CA)およびポジティブイオンモードのエレクトロスプレー/イオントラップ機器を搭載したBruker ESQUIRE MS検出器(Briker,Fremont,CA)からなるLC−MSで、各化合物の濃度を測定した。HPLCには、逆相Nova-pak C18カラム(150mm×3.9mm,Waters,Milford,MA)を使用した。移動相は、20:80v/vの水/アセトニトリルから構成した。質量分析(MASS)では、382m/z(イミダゾール化合物用)と399m/z(チアゾール化合物用)のそれぞれでピークを抽出した。以下の校正方程式にしたがったMSピーク面積によって、各化合物の濃度を計算した。すなわち、y=1.3295x + 114.24 (R2=1.00)。方程式を導き出す検量線(図17)を作るため、各100μg/mL、10μg/mLのABI化合物12gaを50、100μL、およびその対応するチアゾール類似体のほか、CA−4(構造については、図19を参照)のアセトニトリル溶液をHPLCに注入し、質量分析計でモニタリングした。図17の検量線を作成するため、各注入量(ng)をその相対質量ピーク面積に対してプロットした。
1mL/分の流量での80/20 メタノール/水の移動相、および逆相カラムを用いて、ABI化合物12gaのHPLC保持時間(1.5分)を、その対応するチアゾール類似体(2.2分)と比較し、イミダゾール誘導体がその対応するチアゾール類似体よりも親水性が高いことが分かった。ABI化合物12gaと対応するチアゾール類似体の算出logP値は、それぞれ2.9と4.4だった。化合物12gaの水に対する溶解度は13μg/mLであり、そのチアゾール対応物(72ng/mL)の約200倍であった。
実施例11 本発明の化合物の生物的評価
実施例11A:インビトロ細胞増殖阻害
前立腺癌およびメラノーマの細胞培養および細胞毒性分析。すべての細胞株をATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手した。一方、細胞培養補助材料はCellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。4種類のヒト前立腺癌細胞株(LNCaP,DU 145,PC−3,およびPPC−1)と2種類のヒトメラノーマ細胞株(A375およびWM−164)で、抗チューブリン化合物の増殖抑制作用を調べた。P−gp(NCI/ADR−RES)を過剰発現するヒト卵巣細胞株OVCAR−8およびその耐性細胞株を、MDRモデルとして使用した。両方の卵巣細胞株を、National Cancer Institutes(NCI)から入手した。すべての細胞株を検査し、ATCCまたはNCIのいずれかで確認した。10%ウシ胎仔血清(FBS)を添加して、すべての前立腺癌および卵巣癌細胞株をRPMI 1640で培養した。
5%FBS、1%抗生物質/抗真菌薬混合物(Sigma-Aldrich,Inc.,St.Louis,MO,USA)および牛のインシュリン(5μg/mL;Sigma-Aldrich)を添加して、DMEMでメラノーマ細胞を培養した。処置96時間後に、スルホローダミンB(SRB)アッセイを用いて、抗チューブリン化合物の細胞毒性能を評価した。
報告した化合物のすべてを先ず、マウスメラノーマ細胞株B16−F1、ヒトメラノーマ細胞株(A375およびWN−164)、および前立腺癌細胞株(DU145,PC−3,LNCaP,PPC−1)における細胞毒性について評価した。コルヒチン部位結合剤の例としての試験で、化合物1hと、さまざまな癌患者の処置に関して第II相臨床試験に入ったABT−751(E7010,Abbott Laboratories/Eisai Co Ltd)とを培養した。細胞増殖阻害に関するIC50値を表1,2,および3に示す。
代替「B」環分子のSAR。チアゾール「B」環の代替物に対して、最初の一連の化合物を対象にした。それに応じて、一連の複素環「B」環を調べた。表1に示した通り、チアゾールの置き換え成功したのは、ピリジン1c、フラン1d、およびチオフェン1fだった。IC50(前立腺癌に対して12nM〜35nM)は、チアゾール化合物1hに近い。フェニル(1a)、オキサゾリン(35a)、およびオキサゾール(36a)を導入することで、数百ナノモルの範囲に活性を維持した。しかし、ピリミジン(1b、IC50:3.7〜8.3μM)の導入によって、反転した2,5−チアゾールおよび3.5−イソオキサゾール(1eおよび1i、IC50:>10μM)は明らかに有効性を失った。ピペリジン(1g)の飽和環に対する「B」環の修正でも、全体的に活性を無効にした(IC50>20μM)。
代替リンカーのSAR。インビトロでの肝代謝安定性研究から、主にカルボニルの還元によって、SMART化合物の「B」環と「C」環の間のカルボニルリンカーの半減期が短くなる(5〜17分)ことが分かった。不活性ヒドロキシルリンカー化合物2bに対するこのケトン還元を防ぐために、2番目の一連の化合物のカルボニルリンカーを修正した(表2)。カルボニルリンカーを、二重結合(2a、3a、および3b)、アミド(2g、2h)、オキシム(2e−cis、trans、および2f−cis、trans)、ヒドラジン(2d−cis、2d−trans)、アクリロニトリル(2c−trans、2c−cis)、シアノイミン(2j)、スルホニルアミド(4d)、硫黄エーテル(4a)、スルホニルおよびスルフィニル化合物(4b、4c)に置き換えた。「B」環と「C」環との間にリンカーのない直接結合化合物2iも調製した。これらのリンカー修飾の間で、シアノイミンリンク(2j)のみが、カルボニル化合物1hと比べて有効性を低下させる(20〜60nM)ことが分かったが、インビトロでの代謝研究から、ヒトの肝臓ミクロソームでの2jの半減期は5分未満であることが分かった。これは、ケトン還元は防がれるが、化合物2jの新たな代謝障害を取り入れる可能性があることを意味する。二重結合、オキシム、およびヒドラジンを含む化合物の異性体の対を分離した。化合物3aは、2つのアリール環の間にcis−C=Cを含むCA−4の構造(図19)を模倣するように設計されたが、残念ながら、3aおよび他の異性体の対は、C=Oリンカーの置換後に活性を失った。1つの興味深い現象としては、そのアンチ異性体2e−trans(>10μM)よりも10倍高い活性を示した2e−cis(0.1〜0.3μM)のシン異性体である。ヒト肝臓ミクロソームにおける2e−cisの半減期は35分に延びるが、化合物2dの半減期は、55分に延長することができる。しかし、2dの活性低下(最大1μM)によって、その有効性も低下させた。
実施例11B:本発明の化合物の水溶解度
LC−MS/MSに連結されたマルチスクリーン溶解度フィルタープレート(Millipore Corporate,Billerica,MA)で、薬剤の溶解度を測定した。すなわち、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4)198μLを96ウェルプレートに載せ、10mMテスト化合物(DMSO溶液)2μLを分注し、室温で、1.5時間、軽く揺すりながら(200〜300rpm)、混合した(N=3)。5分間、800gでプレートを遠心分離し、濾液を用いて、後述のLC−MS/MSでそのテスト化合物の濃度と溶解度を測定した。
抗チューブリン薬への極性基およびイオン化基の導入。SMART剤の主な制限事項の1つが、低い水溶解度である。インビボでのSMARTの挙動を研究するために、Tween80などの界面活性剤を使用し、それによって、好ましい結果が得られた。しかし、これらの界面活性剤は生物学的に活性であり、多くの副作用に関与する。さらに、1hの低い水溶解度によって、経口バイオアベイラビリティが低くなると考えた(3.3%、表4)。3番目の一連の化合物では、ヒドロキシルおよびインドリルのような極性基を導入することで、有効性に影響を及ぼさずに、水溶解度を上げることに成功した。さらに、アミノ基およびアルキルアミノ基のようなイオン化基も、「A」環パラ位に導入した。図5および表3に示した通り、「A」環にインドリル基、特に5−インドリル(66a、7〜25nM)を導入することで、4−OH化合物21(76〜116nM)と比べて、有効性を高めた「A」環パラ位のアミノメチル−CH2NH2も有効性を維持したが(2r、13〜80nM)、p−NHMe(2s)またはp−NMe2(2u)は活性を無くした。図18に示した通り、水溶解度を予想するための分析的測定から、インドリル化合物66aのPBSでの溶解度が1.1μg/mL(化合物1h)から3.8μgに高くなることが分かった。アミノメチル化合物2rをHCl塩に変換した。これによって、溶解度を35倍以上に高めた(>35μg/mL)。化合物2rは満足のいく水溶解度を示したが、薬物動態研究からは、この化合物はまだバイオアベイラビリティが非常に悪い(F%=0.2%)ことが分かった化合物2rは胃でイオン化され、そのために循環器系に吸収されないと考えた。
実施例11C:薬物動態研究
薬物動態研究。雌のSprague-Dawleyラット(n=3または4;254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。ラット胸部頸静脈カテーテルを、Braintree Scientific Inc.(Braintree,MA)から購入した。動物は、動物施設に到着すると、処置の前に12時間の明/暗サイクルで、温度管理された部屋(20〜22℃)で3日間順応させた。化合物1hを、2.5mg/kg(DMSO/PEG300、2/8)の用量で頸静脈カテーテルに静脈投与(i.v.)した。一方で、化合物5Haおよび5Hcは、5mg/kg(DMSO/PEG300、1/9)の用量で投与した。取り出される血液と置き換えるために、同量のヘパリン添加生理食塩水を注入した。そして、10、20、30分、および1、2、4、8、12、24時間の時点で頸静脈カテーテルを通じて血液検体(250μL)を採取した。10mg/kg(Tween80/DMSO/H2O、2/1/7)の用量で、経口胃管栄養法で化合物1h、5Ha、および5Hcを与えた(p.o.)。経口投与後のすべての血液検体(250μL)を、30分、60分、90分、120分、150分、180分、210分、240分、8時間、12時間、24時間の時点で頸静脈カテーテルを通じて採取した。血液採取前に、ヘパリン添加シリンジおよびバイアルを調製した。5分間、8,000gで血液検体を遠心分離することで、血漿検体を調製した。すべての血漿検体を、分析するまで−80℃ですぐに保管した。
内部標準((3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン)を200nM含む200μLのアセトニトリルを加えた100μLの血漿から、被分析物を抽出した。検体を十分に混合し、遠心分離し、そして有機抽出物をLC−MS/MS分析用のオートサンプラーに移した。多重反応モニタリング(MRM)モード(m/z356→188(化合物1h)、m/z371→203(化合物5Ha)、m/z389→221(化合物5Hc)、およびm/z309→171(内部標準)のスキャニング)を使用して、最も感度の良い信号を得た。非区画解析(WinNonlin,Pharsight Corporation,Mountain View,CA)を用いて、薬物動態パラメータを測定した。
結果:
経口バイオアベイラビリティを向上させるための置換メトキシベンゾイルアリールチアゾール(SMART)分子の修飾。タキサンおよびビンブラスチンのような多くの実績のあるチューブリン標的抗癌剤は、経口バイオアベイラビリティが低いために、経口投与を必要とする。経口バイオアベイラビリティは、溶解度、透過性、および代謝安定性などの多くの化学過程および生理学的過程を伴う複雑なパラメータである。5a〜c(図6)のような「A」環と「B」環の間にアミノリンカーを挿入することで、これらのチューブリン阻害剤の溶解度が向上された。表3からは、NH架橋化合物(5a〜c)は、高い溶解度(それぞれ、5aおよび5cに対して15および19μg/mL、図18)で、1hと同様の有効性(35〜65nM)を有するが、ABT−751より20倍以上高い活性があることが分かる(ABT−751の構造については、表3および図19を参照)。
これらの新しい化合物が化合物1hと比べて高いバイオアベイラビリティを示すかを研究するために、ラット薬物動態研究を行った(表4)。データから、5Hc(5cのHCl塩)は、1hと比較して、経口投与によって4.3倍を上回る高い暴露(AUC)を示すことがはっきりと分かり、アミノリンカーによって水溶解度を向上させることで、経口バイオアベイラビリティの向上に成功したことを示す。さらに、経口投与によって5Haおよび5Hcの最高濃度(Cmax)は、それぞれ814および1,262ng/mLだった。一方、1hのCmaxはたった212ng/mLだった。全般的に、5Haおよび5Hcのバイオアベイラビリティが、1hの3.3%から、それぞれ11%および21%に上昇した(表4)。化合物5Hcは、並のクリアランス、並の分布容量、および許容される経口バイオアベイラビリティを示した。新たな合成アミノ結合化合物が、経口投与可能な抗チューブリン剤の新たな分類として開発されるべき有効性とPKを有することが、このデータから示された。
実施例11D:本発明の化合物によるインビトロチューブリン重合阻害
インビトロチューブリン重合試験。牛の脳のチューブリン(0.4mg、純度97%超)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMのテスト化合物に混ぜ、pH6.9で、100μLの通常のチューブリン緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、および1mM GTP)中でインキュベートした。SYNERGY 4マイクロプレートリーダ(Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)で、20分間、1分ごとに340nmの波長の吸光度をモニタリングした。チューブリン重合のために、分光光度計を37℃に設定した。
結果:
選択した強力な化合物1c、2j、66a、および5aによるチューブリン重合の阻害を、3種類の設計方法すべて(代替B環、新規リンカー、および溶解部分)で調査し、1hと比較した。チューブリン重合に対する効果をテストするために、牛の脳チューブリン(純度97%超)を個々の化合物(10μM)とともにインキュベートした(図20)。20分のインキュベーション後、賦形剤と比較して、1hによってチューブリン重合を47%阻害した。1cと2jの両方が、異なる阻害パターンによって、20分で重合を64%阻害した。化合物5aおよび66aは、それぞれ78%および81%と高い阻害を示した。これらのデータから、これらの化合物は、細胞毒性とよく一致する強い抗チューブリン重合活性を示すことが分かる。
実施例11E:置換メトキシベンゾイルアリールチアゾール(SMART)化合物はP−糖タンパク質媒介多剤耐性を克服する。
P−糖タンパク質(P−gp)系は、ATP依存薬物排出ポンプとして作用する多剤耐性(MDR)の主要な生理学的機序であると考えられ、さまざまな構造的に多様な細胞毒性化合物を積極的に取り除く。これらの化合物の流出を増加させることで、それらの細胞内蓄積を減らし、そのためそれらの細胞毒性を下げる。そのため、薬剤耐性の影響を受けやすくない新規化合物は、治療的および経済的な価値が高い可能性がある。P−gpに加えて、臨床的に使用される抗チューブリン剤は、微小管動態の変化、およびタキサンに対する感受性を制限することが公知であるβ−チューブリンの突然変異などの他の耐性機構を有する。本発明の抗チューブリン化合物を、卵巣癌細胞株OVCAR−8(パーセント)およびP−gp過剰発現NCI/ADR−RES細胞株に対して試験した(表5)。
結果:
特に、本発明の抗チューブリン化合物は、OVCAR−8およびNCI/ADR−RES細胞株に対して等しい抗増殖効果を実証し、それらがP−gp基質ではなく、P−gpから独立した方法で機能することを示す。この特徴は、NCI/ADR−RES細胞においてパクリタキセル、ビンブラスチン、およびコルヒチンと違う。
許容される経口バイオアベイラビリティと、多剤耐性腫瘍細胞株において等しい活性を持つ一連の新たなチューブリン重合阻害剤を見つけ出した。医化学の取り組みは、SMART化合物1hを最適化することから始まっている。インビトロでの癌細胞に対する生物的評価に基づいて、「B」環の異なる置換アリールの化学的修飾と、「B」環と「C」環の間の連結とを調査した。SAR研究によって、最適な「B」環は、インビトロでの優れた有効性を維持するピリジン(1c)、チオフェン(1f)、およびフラン(1d)を含むことが明らかになった。「B」環と「C」環の間のカルボニルリンカーをシアノイミン(2j)に置き換えることで、活性を高めることになる。水溶解度およびバイオアベイラビリティを高める構造修飾を行った。「A」環と「B」環の間にアミノを導入することで化合物5a〜cが得られた。これらは、試験した癌細胞のほか、MDR(+)およびMDR(−)細胞株に対しても同様のインビトロ抗増殖性効能を示し、1hのバイオアベイラビリティを上回るインビボバイオアベイラビリティを大幅に向上した。そのため、これらの新しい抗チューブリン化合物は、癌の処置に非常に有用な可能性がある化合物の新たな群を意味する。
実施例12 本発明の化合物の抗増殖作用
本発明の方法で調製される類似体の抗増殖作用を表6および6Aに示す。
実施例13 本発明のイソキノリン誘導体の生物的評価
細胞培養
LNCaP、PC−3、DU−145、PPC−1、MES−SA、およびMES−SA/DX5を、当初はATCC(Roclville,MD)から入手した。すべての細胞株が同じバッチの細胞の凍結バイアルから2〜3ヶ月ごとに再開できるように、ATCCから入手したすべての細胞をすぐに広げ、冷凍させた。インビボ異種移植片研究の場合、研究前の4ヶ月以内にResearch Animal Diagnostic Laborayory(Columbia,MO)でPC−3の認証を受けた。PCRで種間汚染を試験し、遺伝子プロファイルを作成することで細胞株の身元を検証した。10%ウシ胎仔血清(FBS)が添加された2mM L−グルタミンを含むMcCoyの5A培地中でMES−SAおよびMES−SA/DX5を維持した。他のすべての細胞は、2mM L−グルタミンと10%FBSを含むRPMI−1640培地中で維持した。
増殖阻害試験
スルホローダミンB(SRB)アッセイを用いて、いくつかの細胞株で試験化合物の細胞毒性または抗増殖作用を調査した。培養した細胞を96ウェルプレートに入れ、さまざまな濃度の試験化合物を含む培地で96時間インキュベートした。細胞をSRB溶液で染色した。マイクロプレートリーダ(Dynex Technologies,Chantilly,VA)によって、540nmで光学密度を測定した。薬剤濃度に対する細胞増殖阻害の割合のプロットを作成し、WinNonlinソフトウェア(Pharsight Corporation,Cary,NC)を用いて、非線形最小二乗回帰によって、未処置対照(IC50)に対して細胞増殖を50%阻害した濃度を測定した。
細胞周期分析
ヨウ化プロピジウム(PI)染色によって細胞周期分布を測定した。処置済み細胞をPBSで洗浄し、70%氷冷エタノールで一晩固定させた。その後、37℃で30分間、RNase A(300μg/mL)の存在下で固定済み細胞を20μg/mLのPIで染色した。テネシー大学健康科学センター、TNの蛍光活性化細胞分類(FASC)分析スコアサービスによって、細胞周期分布を分析した。
インビトロ代謝研究
両方の第I相試験で、65mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中のインキュベーション混合物は、1mg/mLの肝臓ミクロソームタンパク質、3mM NADPH、0.5μM 試験化合物からなる。メタノール(基質の溶解に使用される)の濃度は1%(v/v)だった。インキュベーションの総量は200μLで、反応混合物を37℃でインキュベートした。試験化合物の安定性曲線を作成するため、化合物残存分析のため、10、20、30、60、および90分でさまざまなインキュベーションを停止させた。すべての反応を、200μL氷冷アセトニトリルを添加することで停止させた。その後、検体を5分間、3000gで遠心分離し、上澄みをLC−MS/MSで分析した。
マウスでの薬物動態研究
雄ICRマウス(生後5〜6週間、20〜25g)を用いた。6a、6b、および6cに対して、用量5mg/kgを静脈内、腹腔内、および経口を通じて投与した。静脈内投与は、尾静脈を通じて行った。経口投与は、経口胃管栄養法によって行った。各時点で、イソフルラン(Baxter Healthcare,Deerfield,IL)によって3〜4匹のマウスを安楽死させ、後部大静脈から血液検体(最高各600μL)を採取した。血漿検体は、分析前に−20℃で保管した。100μLのマウス血漿にアセトニトリル(150μL、内部標準を含む)を添加することで、血漿タンパク質を沈殿させた。検体をボルテックスミキサーにかけ、その後、10分間、8000gで遠心分離した。分析のために、質量分析計に注入できるように、上澄みをきれいなバイアルに移した。
インビボ抗腫瘍効果研究
PC−3細胞(2.5×106細胞/部位)に加えてマトリゲル(BD biosciences,San Jose,CA)を、雄nu/nuマウスの横腹に皮下注射した。2〜4日ごとにノギスを用いて腫瘍の大きさを測定し、V=π/6x(長さ)x(幅)2として計算した[13]。腫瘍が約100〜150mm3の容積に達すると、薬剤処置を開始した。対照群を、賦形剤(20% Captex200のTween80溶液)で処置した。処置中、2〜4日ごとに腫瘍の大きさと体重を測定した。
白血球計数
有効性研究終了時にヌードマウスから全血を採取した。血球計を用いて白血球(WBC)を計数するために、全血検体10μLを2%酢酸190μLで希釈した。照明を適切に調整すると、白血球は血球計上で黒点として見えた。希釈後1時間以内に各検体中のWBCを2回計数し、平均を計算した。
結果
腹腔内注射後の異種移植片モデルにおける6bおよび6cの効果および忍容性を測定した(図34)。3週間、PC−3異種移植片を賦形剤(qd)、6b(40mg/kg、qd)、または6c(40mg/kg、qd)で処置した。投与する賦形剤は、20%Captex200のTween80溶液からなる。時間に対して腫瘍容積(mm3)をプロットした。この腫瘍容積は、8匹の動物から得た平均±標準偏差(SD)である。腫瘍容積と生存率または体重を図34Aに示す。3週間の処置後、各ヌードマウスの肝臓サイズ(g)を測定した。結果を図34Bに示す。3週間の処置後の動物から採取した全血中の白血球の数を計数した。結果を図34Cに示す。
実施例14 本発明の選択ABI化合物の抗増殖作用
細胞培養細胞毒性試験
材料および方法
3種類のメラノーマ細胞株(A375およびWN−164、ヒトメラノーマ細胞株;B16−F1、マウスメラノーマ細胞株)、および4種類のヒト前立腺癌細胞株(LNCaP,DU145,PC−3,およびPPC−1)におけるABI化合物の抗増殖作用を研究した。これらすべての細胞株は、PPC−1細胞株を除いてATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA)から購入した。MDA−MB−435およびMDA−MB−435/LCCMDR1細胞株は、ジョージタウン大学薬学部(Washington,DC)のDr.Robert Clarkeのご厚意により提供されたものである。メラノーマ細胞をDMEM(Cellgro Mediatech,Inc.,Herndon,VA)中で培養し、前立腺癌細胞を、10% FBS(Cellgro Mediatech)添加RPMI 1640(Cellgro Mediatech,Inc.,Herndon,VA)で培養した。5%のCO2を含む加湿雰囲気で、37℃に培養物を維持した。増殖速度に応じて96ウェルプレートの各ウェルに1,000〜5,000の細胞を入れ、3〜5の複製で、48時間(高速増殖メラノーマ細胞)または96時間(低速増殖前立腺癌細胞)、さまざまな濃度の試験化合物にさらした。スルホローダミンB(SRB)アッセイによって、薬剤処置終了時の細胞数を測定した。すなわち、細胞を10%トリクロロ酢酸で固定し、0.4%SRBで染色し、プレートリーダー(DYNEX Technologies,Chantilly,VA)を用いて540nmの吸光度を測定した。薬剤濃度に対する細胞の生存率をプロットし、GraphPad Prism(GraphPad Software,San Diego,CA)を用いた非線形回帰分析によって、IC50(未処置対象の50%で細胞増殖を阻害した濃度)値を入手した。
結果
3種類のメラノーマ細胞株(A375およびWM−164、マウスメラノーマ細胞株:B16−F1、ヒト転移性メラノーマ細胞株)、および4種類のヒト前立腺癌細胞株(LNCaP,PC−3,DU145,およびPPC−1)を用いた本発明の化合物のインビトロ抗増殖作用の結果を表11〜13にまとめた。
表11では、化合物12aa〜12aiが、μM(7種類の細胞株すべての平均)の範囲のIC50値のほどほどの活性を示した。この一連の化合物のうち一番強力なのは、160nMの平均IC50値を示した12aaだった。C環の3,4,5−トリメトキシからメトキシ基の1つを取り除くことで(12ad、12ae)、活性を有意に下げることになった(12aeの場合、IC50>10μM、12adの場合、平均IC50が3.1μM)。C環に4−フルオロを持つ化合物(12af)も相対的に良好な活性を示し(IC50=0.91μM)、重要な関係があることが分かった。これは、トリメトキシ部分を4−フルオロ基に置き換えることで、良好な活性をもたらし、代謝安定性を向上されることがあるためである。C環におけるフッ素の位置は活性に対して非常に重要だった。これは、4−フルオロまたは3−フルオロから移動すると、活性が完全に失われたためである(12afの0.91μMと比べて、12agではIC50>10μMだった)。この結果は、潜在的な水素結合供与体がこの環の4位の近くに存在することを示した。
表11に明確に示された通り、A環とC環の位置は非常に重要だった。イミダゾール環(B環)の4位から1位にC環部分が単に移動することで、活性が完全に失われることになる(12aba、12aaa、10a、10x、10jで、IC50>10μM)。
表12では、C環に3,4,5−トリメトキシおよび4−フルオロ置換がある化合物は、A環のさまざまな置換によって、良好な活性を示した。これらの化合物は、WM164細胞株に対して8.0nM程度のIC50値の優れた抗増殖作用を実証した(12da)。一般的に、A環のパラ位の単一置換を取り入れる化合物は、12ca、12cb、12da、12db、12fa、12fb、12ga、および12gbの活性から明らかなように、より一層効果があった(IC50=7.9〜110nM)。12db−HCl塩(IC50=172nM)は、遊対応する離塩基12dbと比べて、活性のわずかな低下を示した(IC50=109nM)。A環とC環のパラ位に単一のハロゲン置換がある化合物12fb(IC50=63.7nM)は効果があることを示し、メトキシ部分を欠いていた。A環に3,4,5−トリメトキシ置換を持つ化合物は完全に活性を失い(12ea、12ebで、IC50>10μM)、A環とB環の近くの非常に異なる結合環境を示した。A環から5−メトキシ置換を取り除くと、活性を有意に向上させた(12ha、12eaに対して、それぞれIC50=330nMおよび>10μM)。3,4,5−トリメトキシを脱メチル化することで、43nM(12fa)から3.89μM(13fa)に著しく活性を下げた。A環またはC環のいずれかの置換基の脱メチル化によって、同様の結果が13ea、12ka、12kb、および12haに見られた。A環の電子供与基(4−メトキシ、4−ジメチルアミノ、4−メチル)と電子求引基(4−クロロ、2−トリフルオロメチル)は、活性に実質的な違いを示さなかった。A環のオルト位にトリフルオロメチル基を導入することで、活性を完全に失うことになった(12ia、12ibに対して、IC50>10μM)。A環のパラ位にベンゾイルオキシ基が存在することで(12jbに対して、IC50=75nM)、パラ−ヒドロキシ化合物12kb(IC50=33μM)と比較した場合に活性を440倍高めることになった。C環に4−フルオロを有する化合物12jbには、C環に3,4,5−トリメトキシ基を有する対応する化合物12jaより優れた活性(IC50は12jbで75nM、12jaで7.3μM)があることは注目に値する。
表13では、イミダゾール環の窒素に結合したフェニルスルホニル保護基を有する化合物(11cb、11db、11fb、11ga、11gb、11ha、11jb)も、nMの範囲のIC50で非常に有効であった(表13)。一般的に、これらの化合物の効果は、11cb(43nM)、11db(111nM)、11fb(72nM)、11ga(285nM)、11gb(87nM)、11ha(268nM)、および11jb(61nM)の効果を、それらの対応する未保護化合物12cb(36nM)、12db(109nM)、12fb(64nM)、12ga(131nM)、12gb(72nM)、12ha(330nM)、および12jb(75nM)と比較することで例示されるように、それらの対応する未保護化合物に匹敵する。その他の化合物(11ab〜11ag、11ea、11eb、11hb、11ia、および11ib、1〜50μM)は一般的に、それらの対応化合物(12ab〜12ag、12ea、12eb、12hb、12ia、および12ib、1〜50μM)と一致して効果が低い。
実施例15 薬剤耐性メラノーマ細胞におけるアリール−ベンゾイル−イミダゾール(ABI)化合物の活性
P−糖プロテイン(P−gp)−媒介薬物排出は、有効な抗癌細胞内薬物濃度の蓄積を妨げるための癌細胞に対する主要機構である。ABI化合物の活性を、多剤耐性(MDR)メラノーマ細胞(MDA−MB−435/LCCMDR1)およびその親非耐性癌細胞(MDA−MB−435)に対して比較した。MDA−MB−435は元々、乳癌細胞株として指定されたが、M14メラノーマ細胞株から生じることが決定的に示された。コルヒチン、パクリタキセル、およびビンブラスチンを含むその他のチューブリン標的薬剤と一緒に化合物12da、12fb、12cb、11cb、および11fbを、MDRメラノーマ細胞株およびその親メラノーマ細胞株の両方に対して試験した(表14)。パクリタキセルおよびビンブラスチンは、細胞チューブリンを標的にすることが公知である臨床使用される抗癌剤である。コルヒチンは癌処置用のFDA承認薬ではないが、そのプロドラッグであるZD6126は固形腫瘍に関する臨床試験中である。ボルテゾミブは最初の治療用プロテアソーム阻害剤であり、多発性骨髄腫用として2003年にFDAの承認を受けた。ABT−751は、チューブリンコルヒチン結合部位を標的にすることが公知である。これは、再発性または難治性神経芽細胞腫の子供の患者用の臨床試験で有望な薬剤候補である。化合物12da、12fb、12cb、11cb、11fbは、コルヒチン(65.8)、パクリタキセル(69.3)、およびビンブラスチン(27.5)よりも優れた耐性指数(12daで3.0、12fbで0.9、12cbで1.3、11cbで0.8、11fbで0.7)を有した。コルヒチン、パクリタキセル、およびビンブラスチンは非耐性メラノーマ細胞株で優れた活性を示したが(0.5〜10nM)、これらの化合物はMDRメラノーマ細胞株では効果が有意に低かった(277〜658nM)。その一方、12cb、11cb、11fbは、MDR(12da、12fb、12cb、11cb、および11fbに対して、それぞれ15nM、38nM、30nM、30nM、35nM)および非耐性メラノーマ細胞株(12da、12fb、12cb、11cb、および11fbに対して、それぞれ5nM、41nM、24nM、38nM、50nM)の両方に同等の効果があった。化合物12daは、A375およびWM−164細胞に対してパクリタキセルおよびコルヒチンよりもより活性であった。
表14の結果からは、細胞株MDA−MB−435/LCCMDR1が、コルヒチン、パクリタキセル、およびビンブラスチンに非常に耐性があることを示した。しかし、本発明のABIは、薬剤耐性細胞株と感受性親細胞株に同等の効果を示した。この結果は、ABIはP−gpの基質ではないことを強く示唆している。したがって、これらの化合物は、MDA−MB−435/LCCMDR1で見られる多剤耐性を克服した。用量反応曲線を、12fb、12da、および12cbに関して図21に示す。
実施例16 インビトロ微小管重合アッセイ
材料および方法
牛の脳のチューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMの試験化合物に混ぜ、pH6.9で、110μLの一般的なチューブリン緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、および1mM GTP)中でインキュベートした。SYNERGY 4マイクロプレートリーダ(Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)で、15分間、1分ごとに340nmの吸光度をモニタリングした。チューブリン重合のために、分光光度計を37℃に設定した。
結果
アリール−ベンゾイル−イミダゾール(ABI)化合物によるチューブリン重合の阻害を調べた。チューブリン重合に対するこれらABI化合物の効果を測定するために、牛の脳チューブリン(純度97%超)を、10μMの濃度の3つの効果があるABI化合物12cb、12da、および12dbとともにインキュベートした(図22)。化合物12daによってチューブリン重合を完全に阻害した。一方、化合物12cbおよび12dbでは、インキュベーション中に最高80%の阻害が見られた。
この微小管不安定化効果は、コルヒチンおよびビンブラスチンのものと同様であるが、パクリタキセルのものと反対であった。この結果は、ABIがチューブリンと直接相互作用できることを確認するだけでなく、コルヒチン(またはビンブラスチン)と同じ結合部位を共有することがあることも示した。
実施例17 インビトロでのメラノーマ阻害
材料および方法
B16−F1メラノーマ細胞を、0.8%ベース寒天の上にコロニー形成密度(6ウェルプレートにウェルあたり2,000個の細胞)で入れた。細胞を、95%空気および5%CO2の雰囲気中、37℃でウシ胎仔血清と抗生物質−抗真菌性溶液を添加したDMEM培地とともに0.4%寒天中で増殖させた。細胞を、さまざまな濃度(20、100、および500nM)の化合物12da、12cb、および12fbで処置した。1−mM DMSOの原液から調製された培地に化合物を添加し、対応するDMSOの希釈液を対照として使用した。14日間、細胞を増殖させた。プレートの写真を撮り、Artek 880自動コロニー計数器(Artek Systems Corporation,Farmingdale,NY)でコロニー数を測定した。
結果
4枚の典型的な写真を図23に示す。14日間のインキュベーション後、対照(未処置)中に約130の検出可能なコロニー(直径100μm以上)を形成した。
化合物12cbおよび12daは、最低の試験濃度である20nMでもB16−F1メラノーマコロニー形成を効果的に阻害した(対照と比較して、p<0.05)。12fbは、100nMで効果的な阻害を示した。3つの試験化合物のすべてが、0.5μMでコロニー形成の完全な阻害を示し、さらに、ABIの抗メラノーマ効果を示した。
実施例18 インビボ抗腫瘍活性
材料および方法
動物:生後4〜6週間の雌C57/BLマウスを、Harlan Laboratories(Harlan Laboratories Inc.,Indianapolis,IN)から購入した。動物の飼育は、実験動物管理公認協会の仕様を満たした。我々の実験動物委員会のガイドラインにしたがって、すべての手順を行った。
有効性のインビボ評価。5×106生存細胞/mLの濃度で、FBSフリーDMEM培地(Cellgro Mediatech)中でマウスメラノーマB16−F1細胞を調製した。各マウスの右背側の横腹に、細胞懸濁液(100μL)を皮下注射した。細胞接種の約7日後、腫瘍の大きさが約100〜150mm3に達すると、腫瘍の大きさに基づいて、腫瘍を有するすべてのマウスを対照群と処置群に分けた(n=5匹/群)。各群は同様の平均腫瘍サイズを有した。対照群(陰性対照)のマウスに、1日1回、50μLの賦形剤のみ、または60mg/kgのDTIC(陽性対照)を腹腔内注射した。トレーサビリティ付き電子デジタルノギス(Fisher Scientific, Inc.,Pittsburgh,PA)で2日ごとに腫瘍の大きさを測定し、式a×b2×0.5を用いて計算した。式中、aおよびbは、それぞれ大きい方の径と小さい方の径を表した。腫瘍の大きさを立方ミリメートルで表した。データを、各群に対する平均±標準誤差(SE)として表し、時間の関数としてプロットした。実験の終わり(処置開始の14日後)の腫瘍減少の割合を、式100−100×[(T−T0)/(C−C0)]で計算した。式中、Tは、特定の日の処置群の腫瘍の大きさの平均を表し、T0は、処置初日の同じ群の腫瘍の大きさの平均を表し、Cは、特定の日の対照の腫瘍の大きさの平均を表し、そしてC0は、処置初日の同じ群の腫瘍の大きさの平均を表す。化合物の毒性を評価するために、全実験期間中、各群の動物の活動と平均体重をモニタリングした。処置終了時に、すべてのマウスをCO2、続いて頸椎脱臼によって安楽死させ、さらに研究するために腫瘍を摘出した。
結果
インビボでABI類似体の有効性を評価するため、悪性メラノーマ処置の至適基準であり、陽性対照(図24A)として使用されたDTICに対して、マウスメラノーマB16−F1異種移植片に対する化合物12cbの抗腫瘍活性を試験した。20匹の雌C57/BLマウスを以下の4つの群に分けた。すなわち、賦形剤対照群、DTIC(60mg/kg)処置群、12cb(10mg/kg)処置群、および12cb(30mg/kg)処置群。各マウスに、50万個のB16−F1メラノーマ細胞を皮下注射した。腫瘍接種7日後、毎日、静脈注射される各化合物によって処置が開始した(図24)。14日間の処置後、腫瘍容積は、12cb(10mg/kg)、DTIC(60mg/kg)、および12cb(30mg/kg)に対して、それぞれ47%、51%、および73%と有意(p<0.05)に減少した。実験中、処置群のいずれにも有意な体重減は見られなかった。
2つの用量レベル、15および45mg/kgを選択した。陽性対照として、60mg/kgのDTICを使用した。研究のため、C57BL/6マウスに対するB16−F1メラノーマ同種移植片モデルを最初に選択した。13日間の処置後(図24B)、化合物12fbは、メラノーマ腫瘍増殖(TGI値)を15kg/mgでは32%、45mg/kgでは82%阻害した。対照と比較した45mg/kgの12fbのスチューデントt検定p値は0.001未満で、有意な減少を示した。対照と比較した15mg/kgの12fbのt検定p値は0.08で、この用量では効果がないことを示した。51%のTGIを有する45mg/kgの12fbを60mg/kgのDTICに比較すると、t検定p値は約0.001で、12fbがDTICよりも大幅に高い活性を有することを示した。対照と12fbの15mg/kg処置群では、実験期間を通じて平均体重がわずかに増加した。
ABIのインビボ活性をさらに確認するため、SHOマウスでのA375ヒトメラノーマ異種移植片モデルを使用し、25mg/kgの12fbを試験した。再び、陽性対照として、60mg/kgのDTICを使用した。31日間の処置後(図24C)、DTICが52%増殖を阻害した一方で、12fbは、メラノーマ腫瘍増殖(TGI値)を69%阻害した。対照群に対する12fb処置群のt検定p値は0.001未満で、12fbが、25mg/kgでメラノーマ腫瘍増殖を有意に阻害することを示した。DTIC群に対する12fb処置群のt検定p値は0.05未満で、12fbがDTICよりも優れた活性を有することを再び示した。実験期間を通じて、すべての群の平均体重がわずかに増加した。マウスの身体活動も正常に見え、25mg/kgはSHOマウスにとって十分に耐量であることを示した。
実施例19 コルヒチンへの結合
材料および方法
各試験化合物を、20×G−PEM緩衝液(Cytoskeleton Inc.,Denver,CO)の濃度で調製し、続いて、試験化合物10μLを96ウェルプレートにピペットで入れた。トリチウム標識コルヒチン(Perkin-Elmer,Waltham,MA)10μLを、各試験ウェルに加えた。その後、ビーズ/チューブリン(GE Healthcare Bio-Sciences Corp.,Piscataway,NJ)懸濁液180μLを各ウェルに加えた。Topcount NXTプレートリーダー(Perkin-Elmer,Waltham,MA)で読み取る前に、37℃で45分間、プレートをインキュベートした。非放射性標識「低温」コルヒチンを陽性対照として、パクリタキセルを陰性対照としてインキュベートした。これは、パクリタキセルがチューブリンの異なる部位に結合し、コルヒチン部位結合と競合しないためである。GraphPad Prismソフトウェアを用いて、データを処理した。
細胞周期分析
細胞周期位相分布を研究するために、フローサイトメトリー分析を行った。コンフルエンスが約80%になるまで、10cmの組織培養皿でA375細胞を培養し、その後、細胞を、増殖培地で24時間、0、10、50、200、および1000nMのコルヒチン、12da、12fb、および12cbで処置した。ヨウ化プロピジウムを50μg/mL、およびRNase Aを100μg/mL含むPBSで、細胞DNAを染色した。10,000の細胞数を記録できるBD LSR−IIサイトメーター(BD Biosciences,San Jose,CA)を用いて、細胞周期を測定した。データを解析し、Modfit 2.0プログラム(Verity Software House,Topsham,ME)を用いてグラフを準備した。
結果
チューブリンα/β−ヘテロ二量体の3つのリガンド結合部位が以下のように報告されている。すなわち、パクリタキセル結合部位、ビンブラスチン結合部位、およびコルヒチン結合部位。3H−標識コルヒチンおよび競合的結合シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いて、化合物12cbの結合親和性を測定した。結果から、3.4±1.5μMの結合親和性を有する12cbの強力な結合を確認した(図25A)。コルヒチンは、これらの条件下で1.8±0.5μMのIC50値でチューブリンに結合した。これらの結果によって、ABI化合物はチューブリン重合を効果的に阻害することを明確に示した。
結合グラフ(図25A)は、ABIがチューブリンコルヒチン結合部位に競合的に結合し得ることを示す。3つの試験化合物の濃度が0.03Mから100μMに高くなるにつれて、トリチウム化コルヒチンがチューブリンから競合的に剥ぎ取られることが増え、SPA数が少なくなった。陰性対照であるパクリタキセルは平らな線のみを示した。これは、チューブリンのコルヒチン結合部位には理論的に結合しないためである。2番目のABIは、チューブリンコルヒチン結合部位に対して相対的に高い結合親和性を有した。結合に関してGraphPad Prismの計算したIC50値から、12daが最高の結合親和性を有することが分かった。結合親和性は、インビトロ抗メラノーマ活性に正に相関した;結合親和性が高いほど、抗メラノーマ活性は高くなる。
ABIは、チューブリンを標的にすることから、G2/M相での細胞周期分析によって細胞を拘束することを示した。A365細胞に対して、陽性対照としてのコルヒチンとともに、化合物12da、12fb、および12cbを試験した(図25B)。用量効果を示すために、4つの異なる濃度、10、50、200、および100nMの各化合物を選択した(図25Cおよび25D)。干渉のない対照(未処置)では、G2/M相にA375細胞の約16%が分配された。コルヒチン処置群では、濃度が10nMから50nMに上がるにつれて、G2/M相に分配された細胞の割合は14%から85%に増加した。ABIは、用量依存的な方法でG2/M相に拘束することにおいて、A375細胞に対して同様の結果を示した。G2/M相に細胞を拘束することでのさまざまな濃度の有効性は、インビトロ活性に正に相関した。
実施例20 化合物17ya、12fa、および55のインビトロおよびインビボ薬効薬理
材料および方法
前立腺癌の細胞培養および細胞毒性分析。すべての前立腺癌細胞株(LNCaP、PC−3、DU145,およびPPC−1)を、ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手した。ヒトPC−3_TxRはパクリタキセルに耐性があり、PC−3と比較してMDRモデルを使用した。細胞培養補助材料を、Cellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。スルホローダミンB(SRB)アッセイによって化合物17ya、12fa、および55の抗増殖作用を試験するために、すべての細胞株を使用した。すべての癌細胞株を、2mMグルタミンおよび10%ウシ胎仔血清(FBS)とともにRPMI−1640培地中で維持した。
インビトロ微小管重合試験。豚の脳のチューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、1および5μMの試験化合物または賦形剤(DMSO)に混ぜ、100μLの緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、pH 6.9および1mM GTP)中でインキュベートした。15分間、1分ごとに波長340nmの吸光度をモニタリングした(SYNERGY 4マイクロプレートリーダ、Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)。チューブリン重合のために、分光光度計を37℃に維持した。
代謝インキュベーション。振とう水槽中、37℃で、反応緩衝液[0.2M リン酸緩衝液(pH 7.4)、1.3mM NADP+、3.3mM グルコース−6−ホスフェート、および0.4U/mL グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ]中で、1mg/mLのミクロソームタンパク質を含有する総反応量1mLにて、0.5μMの試験化合物をインキュベートすることで、代謝安定性研究を行った。NADPH再生系(溶液AおよびB)を、BD Biosciences(Bedford,MA)から入手した。グルクロン酸抱合研究のため、前述のよう、2mM UDP−グルクロン酸(Sigma,St. Louis,MO)補因子の脱イオン水溶液を、8mM MgCl2、アラメチシン(Sigma,St. Louis,MO)25μgの脱イオン水溶液、およびNADPH再生溶液(BD Biosciences,Bedford,MA)とともにインキュベートした。反応溶液中の総DMSO濃度は約0.5%(v/v)だった。代謝安定性を測定するために使用された反応混合物から、一定分量(100μL)を5、10、20、30、60、および90分にサンプリングした。反応を抑え、タンパク質を沈殿させるために、200nMの内部標準を含むアセトニトリル(150μL)を添加した。検体を、室温で30分間、4000gで遠心分離し、上澄みをLC−MS/MSで直接分析した。
分析方法。検体溶液(10μL)を、AgilentシリーズHPLCシステム(Agilent 1100シリーズAgilent 1100 Chemstation、Agilent Technology Co.,Ltd.)に注入した。すべての被分析物を、小径C18カラム(Alltech Alltima HP,2.1×100mm,3μm,Fisher,Fair Lawn,NJ)で分離した。2つのグラジエントモードを使用した。代謝安定性研究のため、グラジエントモードを使用して、300μL/分の流量で移動相A[0.1%ギ酸を含むACN/H2O(5%/95%,v/v)]と、移動相B[0.1%ギ酸を含むACN/H2O(95%/5%,v/v)]との混合物を用いた被分析物の分離を行った。移動相Aは、0〜1分の間、10%で使用し、続いて4分以内に100%の移動相Bになる線形的にプログラムしたグラジエントを行った。100%の移動相Bを、10%の移動相Aに素早く引き上げる前の0.5分間維持した。分析終了に向けて、移動相Aをさらに10分間維持した。
TurboIonSprayイオン源とともに操作するトリプル四重極型質量分析計、API Qtrap 4000(商標)(Applied Biosystems/MDS SCIEX,Concord,Ontario,Canada)を使用した。ポジティブモードに対しては、スプレーニードル電圧を5kVに設定した。カーテンガスを10に設定した;ガス1とガス2を50に設定した。衝突支援解離(CAD)ガスを中に設定し、イオン源ヒータープローブ温度を500℃に設定した。多重反応モニタリング(MRM)モード(m/z378→210(17ha)、m/z373→205(12fa)、m/z410→242(55)、およびm/z309→171(内部標準)のスキャニング)を使用して、最も感度の良い信号を得た。Analyst(商標)ソフトウェア、バージョン1.4.1(Applied Biosystems)を用いて、データ収集と定量処理を行った。
水溶解度。LC−MS/MSに連結されたマルチスクリーン溶解度フィルタープレート(Millipore Corporate,Billerica,MA)で、薬剤の溶解度を測定した。すなわち、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4)198μLを96ウェルプレートに載せ、10mMテスト化合物(DMSO溶液)2μLを分注し、室温で、1.5時間、軽く揺すりながら(200〜300rpm)、混合した(N=3)。10分間、800gでプレートを遠心分離し、濾液を用いて、前述のLC−MS/MSでそのテスト化合物の濃度と溶解度を測定した。
薬物動態研究。生後6〜8週間の雄ICRマウス(n=3匹/群)を、Harlan Inc.から購入し、17ya、12fa、および55の薬物動態(PK)の調査に使用した。すべての化合物(10mg/kg)をDMSO/PEG300(1/9)に溶解し、単回静脈内(i.v.)注射(50μL)で尾静脈に投与した。i.v.投与後5、15、および30分、1、1.5、2、3、4、8、12、および24時間に血液検体を採取した。各試験化合物の経口バイオアベイラビリティを評価するために、各試験化合物を20mg/kg(Tween80/DMSO/H2O溶液、2/2/6)の用量で、経口胃管栄養法(p.o.)でマウスに与えた。p.o.投与後0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、および24時間に血液検体を採取した。
雌のSprague-Dawleyラット(n=3;254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。ラット胸部頸静脈カテーテルを、Braintree Scientific Inc.(Braintree,MA)から購入した。動物は、動物施設に到着すると、処置の前に12時間の明/暗サイクルで、温度管理された部屋(20〜22℃)で3日間順応させた。化合物17ya、12fa、および55を、5mg/kg(DMSO/PEG300溶液、1/9)の用量で胸部頸静脈にi.v.投与した。取り出される血液と置き換えるために、同量のヘパリン添加生理食塩水を注入した。そして、10、20、30分、および1、2、4、8、12、24時間の時点で頸静脈カテーテルを通じて血液検体(250μL)を採取した。各試験化合物の経口バイオアベイラビリティを評価するために、各試験化合物を10mg/kg(Tween80/DMSO/H2O溶液、2/2/6)の用量で、経口胃管栄養法(p.o.)でラットに与えた。経口投与後のすべての血液検体(250μL)を、30分、60分、90分、120分、150分、180分、210分、240分、8時間、12時間、24時間の時点で頸静脈カテーテルを通じて採取した。血液採取前に、ヘパリン添加シリンジおよびバイアルを調製した。5分間、8,000gで血液検体を遠心分離することで、血漿検体を調製した。すべての血漿検体を、分析するまで−80℃ですぐに保管した。
内部標準を200nM含む200μLのアセトニトリルを加えた100μLの血漿から、被分析物を抽出した。検体を十分に混合し、遠心分離し、そして有機抽出物をLC−MS/MS分析用のオートサンプラーに移した。
PC−3_TcR異種移植片研究。PC−3_TxR細胞(10×107/mL)を、10%FBSを含むRPMI1640増殖培地で調製し、1:1の比率でマトリゲル(BD Biosciences,San Jose,CA)に混ぜた。100μLの混合物(5×106細胞/動物)を生後6〜8週間の雄無胸腺ヌードマウスの横腹に皮下(s.c.)注射することで、腫瘍を作った。腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍の容積(mm3)を式、π/6×L×W2で計算した。式中、長さ(L)および幅(W)はmm単位で測定した。腫瘍容積が300mm3に達すると、PC−3_TxR腫瘍を有する動物を、賦形剤[Tween80/DMSO/H2O(2/2/6)]または17ya(10mg/kg)で経口にて処置した。投与スケジュールは、4週間、週に3回だった。
結果
表15 前立腺(PC−3)および薬物耐性(PC−3_TxR)細胞株に対する17ya、12fa、および55のインビトロ有効性(n=3、平均±標準誤差)。パクリタキセルを、陽性対照として使用した。
化合物17yaおよび55は、多剤耐性癌細胞株の増殖を阻害する。SRBアッセイを用いて、癌細胞株の増殖を阻害する17yaおよび55の能力を評価した。表15に示した通り、17yaおよび55の両方が、低いナノモルの範囲のIC50値で4種類の前立腺癌株の増殖を阻害した。これらのデータから、両方の化合物がパクリタキセルに匹敵する細胞毒性を示すことが分かった。さらに、PC−3およびPC−3_TxR細胞株での17yaおよび55の効果も評価した(表15)。17yaおよび55の両方は、MDR細胞(PC−3_TxR)および親細胞株(PC−3)に対して等しく効力があった。パクリタキセルは、20倍の相対耐性値を示した。これらのデータは、17yaおよび55がP−gp媒介薬剤耐性を回避することを示す。
17yaおよび55は、微小管重合を阻害する。チューブリン重合に対する効果をテストするために、豚の脳チューブリン(純度97%超)を個々の化合物17yaおよび55(1および5μM)とともにインキュベートした(図26)。化合物17yaは、1および5μMで、それぞれ13%および47%、チューブリン重合を阻害した。化合物55は、1および5μMで、それぞれ11%および40%、チューブリン重合を阻害した。5μMのコルヒチンを陽性対照として使用し、チューブリン重合に対して32%の阻害を示した。これらのデータから、17yaおよび55の両方は、チューブリン重合に対してコルヒチンよりもわずかに強く阻害を行い、用量依存的な方法で阻害することを示した。
化合物17yaは、ヒト肝臓ミクロソームで安定している。化合物12faおよび55は、許容される代謝安定性を示す。
表16に示した通り、17yaは第I相反応で80分の半減期を有し、17yaは第I相代謝過程で安定していることを示した。UDP−グルクロン酸の存在下での半減期(90分)は、存在しないときに見られる半減期と同様だった。これらのデータは、17yaがヒト肝臓ミクロソームで安定していることを示した。そして、ヒトで低いクリアランスおよび長い半減期が得られることが期待された。一方で、55は、UDP−グルクロン酸の存在および不在の場合の半減期として、それぞれ30分および43分を示した。化合物12faは、第I相で44分の半減期を示すこれらのデータは、3つの化合物すべてが、ヒト肝臓ミクロソームで許容される安定性を示すことを示唆した。そして、17yaは、12faおよび55よりも安定している。これらの代謝を調査する際に、12faおよび55が高いレベルのケトン還元(データは示されず)を示すことが分かり、12faおよび55は17yaよりも不安定であることを示す。
化合物17yaは、優れた水溶解度を示し、12faおよび55は許容される溶解度を示した。
化合物17yaはイミダゾール環を含有し、この環は水溶解度を向上し、75μg/mLを超える水溶解度を生じた(表16)。化合物12faおよび55は低い水溶解度を示し、それぞれ、12および19μg/mLを示した。全般的に、17yaは高い水溶解度を実証し、12faおよび55は許容される水溶解度を示し、1hよりも向上した。
化合物17ya、12fa、および55すべてが、マウスおよびラットで優れた薬物動態特性およびバイオアベイラビリティを示した。
17ya、12fa、および55の単回静脈内ボーラス投与を、ICRマウスおよびSprague-Dawleyラットに行った。これらのPKパラメータを表16にまとめている。マウスにおいて、17ya、12fa、および55のインビボ総クリアランスは、それぞれ19、61、および40mL/分/kgだった。ラットにおいて、17ya、12fa、および55のインビボ総クリアランスは、それぞれ9.5、16、および10mL/分/kgだった。化合物17yaは、マウスとラットの両方で低いクリアランスを示した。化合物12faおよび55もラットで低いクリアランスを示したが、マウスでは並のクリアランスを示した。これらのクリアランス値は、すべての化合物が初回通過代謝を克服でき、経口薬になる可能性が高いことを示した。マウスおよびラットでそれぞれ、17yaから2.9および1.8L/kgの分布の中間容量が得られた;12faからは4および1.9L/kgが得られ、55からは1.3および1.0L/kgが得られた。マウスおよびラットにおいて、17yaからの経口バイオアベイラビリティは36%および21%だった。一方、マウスおよびラットでそれぞれ、12faは62%および35%の経口バイオアベイラビリティを有し、55は34%および33%の経口バイオアベイラビリティを示した。これらのデータは、化合物17ya、12fa、および55は経口使用できる可能性があることを示した。
化合物17yaはパクリタキセル耐性前立腺異種移植片増殖を阻害する。
マウスのパクリタキセル耐性前立腺癌PC−3_TxR腫瘍を、容積が300mm3に達するまで置いておき、その後、腫瘍を有するマウスを、10mg/kgの17yaで経口処置した。図27に示した通り、対照群の腫瘍容積は13日間にわたって1521±335mm3(平均±標準誤差)に増加した。賦形剤群のマウスは体重を20%以上失い、第13日に犠牲にされた。17ya処置群の腫瘍容量は第6日の前にわずかに増加した。しかし、これらの腫瘍の大きさはその元々の腫瘍の大きさより減り、処置群によって部分的退行が得られたことを示す。さらに、それらの体重は時間とともに増加し、処置が明らかな毒性を示さなかったことを示唆する。
実施例21 本発明の化合物の薬物動態
実施例22 4−置換メトキシベンゾイル−アリール−チアゾール(SMART)の生物活性:活性微小管阻害剤
材料および方法
インビトロ微小管重合試験。ウシの脳のチューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMの試験化合物または賦形剤(DMSO)に混ぜ、100μLの緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、pH 6.9および1mM GTP)中でインキュベートした。15分間、1分ごとに波長340nmの吸光度をモニタリングした(SYNERGY 4マイクロプレートリーダ、Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)。チューブリン重合のために、分光光度計を37℃に維持した。
MS競合結合試験。コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセル(各1.2μM)を、チューブリン(1.2 mg/mL)とともに、インキュベーション緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、pH 6.9)中、37℃で1時間インキュベートした。コルヒチン−、ビンブラスチン−、およびパクリタキセル−チューブリン結合と個別に競合するように、1h(0.5〜125μM)を調べた。30k Daの分子カットオフサイズを持つ限外濾過法(微小濃縮器)(Microcon,Bedford,MA)を用いて、チューブリンまたは微小管から遊離形態のリガンドを分離した。LCMS/MS法によって、コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセルを測定した。リガンドの結合を阻害する1hの能力を、競合相手の存在しない中での対照結合の割合として表した。各反応を3回行った。
前立腺癌およびメラノーマの細胞培養および細胞毒性分析。すべての前立腺およびメラノーマ細胞株をATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手した。一方、細胞培養補助材料はCellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。4種類のヒト前立腺癌細胞株(LNCaP,DU 145,PC−3,およびPPC−1)と2種類のヒトメラノーマ細胞株(A375およびWM−164)で、化合物の増殖抑制作用を調べた。P−gp(NCI/ADR−RES)を過剰発現するヒト卵巣細胞株OVCAR−8およびその耐性細胞株を、MDRモデルとして使用した。両方の卵巣細胞株を、National Cancer Institutes(NCI)から入手した。10%ウシ胎仔血清(FBS)とともに、すべての前立腺癌細胞株を培養した。
細胞周期分析。細胞周期分布に対する化合物の効果を研究するために、フローサイトメトリーを行った。PC−3およびA375細胞を、示した濃度の化合物1h、2k、および2lとともに増殖培地で24時間処置した。細胞周期分布を測定するために、PBS中で、100μg/mLのヨウ化プロピジウムおよび100μg/mLのRNase Aで細胞DNAを染色し、フローサイトメトリーを行った。
ELISAによるアポトーシス検出。製造者の指示にしたがって、アポトーシス(細胞死検出ELISA PLUS、Roche、Germany)を誘導する化合物の能力を測定するために、細胞質中のモノ−およびオリゴヌクレオゾームの濃縮の定量を用いた。
薬物動態研究。生後6〜8週間の雄ICRマウス(n=3または4匹/群)を、Harlan Inc.から購入し、化合物の薬物動態(PK)の調査に使用した。1h、2k、および2l(15mg/kg)をPEG300/DMSO(1/4)に溶解し、単回i.v.注射で尾静脈に投与した。投与後2、5、15、および30分、1、2、4、8、16、および24時間に血液検体を採取した。雌のSprague-Dawleyラット(n=4;254±4g)は、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。1hおよび2kを、2.5mg/kg(DMSO/PEG300溶液、1/4)の用量で頸静脈カテーテルに静脈内投与した。10、20、および30分、1、2、4、8、12、24、および48時間後に血液検体(250μL)を採取した。検体調製のために、タンパク質沈殿法を使用した。100μLの血漿に、一定分量(200μL)のアセトニトリル(ACN)を添加し、その後、15秒間、ボルテックスミキサーでしっかりと混ぜた。遠心分離後、液体クロマトグラフィータンデム質量分析計(LC−MS/MS)で上澄みを分析した。非区画解析(WinNonlin,Pharsight Corporation,Mountain View,CA)を用いて、PKパラメータを測定した。
PC−3およびA375腫瘍異種移植片研究。PC−3およびA375細胞(5×107/mL)を、10%FBSを含むフェノールレッド不含培地で調製し、1:1の比率でマトリゲル(BD Biosciences,San Jose,CA)に混ぜた。100μLの混合物(2.5×106細胞/動物)を生後6〜8週間の雄無胸腺ヌードマウスの横腹に皮下(s.c.)注射することで、腫瘍を作った。腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍の容積(mm3)を式、π/6×L×W2で計算した。式中、長さ(L)および幅(W)はmm単位で測定した。腫瘍容積が150mm3に達すると、PC−3腫瘍を有する動物を、21日間、賦形剤[Captex200/Tween80(1/4)]、1h(5および15mg/kg)、2k(5および15mg/kg)、2l(50mg/kg)で腹腔内処置した。陽性対照としてビンブラスチン(0.5mg/kg)を使用し、賦形剤[DMSO/PEG300(1/9)]とともに投与(q2d)した。一方、A375腫瘍を有するマウスを、34日間、賦形剤[Captex200/Tween80(1/4)]、1h(20mg/kg)、または2k(15mg/kg)で処置した。用量は、それぞれ最高30mg/kgおよび15mg/kg投与し、連続4日の腹腔内投与の後に10%以上の体重減少を生じなかったことを示すICRマウスでの1hおよび2kの急性毒性研究(n=2匹/群)に基づいて選択した。
インビボ抗腫瘍活性[腫瘍増殖阻害(% T/C)、腫瘍増殖遅延(T−C値)、および腫瘍細胞死滅(殺細胞数の常用対数値合計)]。薬剤の効果の証拠は、以下のパラメータで説明される。すなわち、%T/C=[Δ処置群の腫瘍容積]/[Δ対照群の腫瘍容積]×100%。T−C値(腫瘍増殖遅延)は、処置群(T)および対照群(C)に必要な、所定の大きさ(本研究では600mm3)に達する平均時間(単位:日)に基づいた。その後、以下の方程式にしたがった腫瘍細胞死滅の定量にこれらの値を使用した。すなわち、殺細胞数の常用対数値=(T−C)/(3.32×Td)。Tdは、日単位の腫瘍容積倍増時間である。本研究では、300から600mm3に増加するのに腫瘍に必要な倍増時間を定義した。
ロータロッド試験。ICRマウスは、12rpmで、120秒を上回る時間(>120秒)にわたって、回転棒に留まることができるように、2日間、1日3回のトレーニングを受けた。その後、マウスを、回転棒に留まることができた時間の長さで無作為抽出し、マウス7〜8匹/群に分けた。Captex200/Tween80(1/4)溶液として5または15mg/kgの用量で1hを腹腔内注射で投与した。同じ条件の下、陽性対照としてビンブラスチンを0.5mg/kg/日の用量で使用した。週に2回、ロータロッド試験を行った。第31日に処置を中止し、処置終了後の第1週、第2週、および第4週に事後観察を行った。回転棒の速度を、5分間で40rpmから59rpmに上げた。成績を、マウスが回転棒に留まることができる時間の長さとして測定した。
インビボ薬物耐性研究。PC−3異種移植片研究の終了時に、対照群および1h処置(15mg/kg)群からの固体腫瘍を除去し、0.1%のコラゲナーゼ(タイプI)および50mg/mLのDNAse(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ)で消化した。分散細胞をRPMI培地+10%FBSのプレートに入れ、37℃でインキュベートし、付着するように24時間、5%CO2の下に置いた。PC−3異種移植片に残っている腫瘍細胞が薬剤に対する感受性を維持しているかを判断するために、1hの抗増殖効果を比較した。ATCCから得たPC−3細胞を、インビトロ対照として使用した。簡素なt検定を用いて、統計分析を行った。
結果
構造−活性相関研究に基づいて、生物学的特性化のために3つの化合物(図28A)を選択した。1hおよび2kが、低いナノ分子細胞毒性作用を持つ有効性の高い分子である一方、溶解度が向上した潜在力のある代謝物として合理的に設計された2lは、最も効力の弱い抗増殖効果を有した(表18)。
SMARTは、チューブリンのコルヒチン結合部位に結合することで微小管重合を阻害する。
チューブリン重合に対する効果をテストするために、牛の脳チューブリン(純度97%超(>97%))を個々の化合物(10μM)とともにインキュベートした(図28B)。1hおよび2kがチューブリン重合を90%阻害した一方、2lは重合を55%しか阻害しなかった。以前の研究では、1hによるチューブリン重合の濃度依存的な阻害を示した。さらに、同じ実験条件の下、1hのIC50(4.23μM)はコルヒチン(4.91μM)よりも小さい。これらのデータから、化合物は、細胞毒性とよく一致する強い抗チューブリン重合活性を示すことが分かる(表18)。我々の研究所で開発した新規のMS競合結合試験を用いて、チューブリンの既知の結合部位に競合する化合物の能力を測定した。チューブリンの3つの結合部位に対応する3つのチューブリンリガンド、コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセルを、これらの競合結合研究に使用した。0.1〜125μMの濃度範囲にわたり、1hが、チューブリンに結合するコルヒチンと特に競合したが、チューブリンに結合するビンブラスチンまたはパクリタキセルのいずれかには競合しなかった(図28C)。
SMART化合物は、多剤耐性癌細胞株の増殖を阻害する。
SRBアッセイを用いて、癌細胞株の増殖を阻害する化合物の能力を評価した。表18に示した通り、化合物が、低いナノモルの範囲のIC50値で4種類の前立腺癌株および2種類のメラノーマ細胞株を含む、数種類のヒト癌細胞株の増殖を阻害した。3種類の化合物のうち、2lが最も効力が弱かった(IC50 76〜116nM)。2kは、前立腺癌およびメラノーマ細胞株で6〜43nMのIC50値で最良の抗増殖効果を示した。さらに、OVCAR−8およびNCI/ADR−RES細胞株での化合物の効果も評価した(表18)。化合物は、MDR細胞(NCI−ADR−RES)および親細胞株(OVCAR−8)に対して等しく効力があった。パクリタキセル、ビンブラスチン、およびコルヒチンは、それぞれ1333、149、および65倍の相対耐性値を示した(表18)。これらのデータは、化合物がP−gp媒介薬剤耐性を回避することを示す。
SMART化合物は、細胞周期のG2/M相にPC−3(前立腺)およびA375(メラノーマ)細胞を拘束し、細胞アポトーシスを誘導する。PC−3およびA375細胞を、24時間、10、50、200、および1000nMの化合物にさらした。SMART化合物による処置によって、G0/G1相の細胞割合の同時減少とともに、G2/M相にPC−3およびA375細胞の濃度依存的な集積を生じた(図29Aおよび29B)。50〜200nMの1h、2k、および2lによって処置した場合、G2/M相の細胞の割合は有意に増加した。その後、24時間の処置後のPC−3およびA375細胞中の細胞質DNA−ヒストン複合体の濃度を測定することで、アポトーシスを調べた。SMART化合物の濃度を上げると、PC−3およびA375細胞中の細胞質DNA−ヒストン複合体の濃度を増加させた(図29C)。効果は、PC−3細胞よりもA375細胞においてより顕著だったが、アポトーシスは両方の種類の細胞で明らかだった。1hおよび2kは、50nMの濃度で並のアポトーシスを誘導した。一方、2lは、200nM以上の濃度に限ってアポトーシスを誘導した。
SMART化合物のインビボPKプロファイル。薬物動態を明らかにするため、各化合物の単回投与ボーラス(15mg/kg)を、ICRマウスへの尾静脈注射によって投与した(図30A)。1hおよび2kは同様のPK特性を示したが、2lは、2lの低いクリアランスの1hおよび2kが示すものよりわずかに大きなAUCを示した(表19)。2lは、1hおよび2kよりも2〜3倍高いVssも有した。3種類の化合物すべてのクリアランス値はマウスの肝血流量で90mL/分/kg以上であった。そのため、肝除去に加えて、他の分解経路が化合物の排出に関与する可能性があることを示す。1hおよび2k(2.5mg/kg)の薬物動態を、ラットでも調べた(図30B)。面白いことに、両方の化合物で低いクリアランス値および肝抽出速度が得られ、これらの化合物がクリアランスの種差を示すことを示唆する。ラットでは、静脈内投与した場合、1hは、低いクリアランス(6mL/分/kg)、並の分布量(7.6L/kg)、長い半減期(24時間)、および高い暴露(AUC、5.8時間*μg/mL)である好適な薬物動態特性を示した(表19)。
表19のSMART−Hは1hであり;表19のSMART−Fは2kであり;表19のSMART−OHは2lである。
SMART化合物は、神経毒性なしに前立腺およびメラノーマ異種移植片増殖を阻害する。マウスの前立腺癌PC−3およびメラノーマA375腫瘍を、容積が150mm3に達するまで置いておき、その後、腫瘍を有するマウスを、SMART化合物で処置した。図31Aに示した通り、対照群の腫瘍容積は、研究期間の21日間にわたって680mm3に増加した。1h処置群の腫瘍容積は、第21日までに370mm3(5mg/kg処置)および176mm3(15mg/kg処置)に増加し、これらの化合物の強い抗腫瘍活性を示す。2k処置動物の腫瘍は、269mm3(5mg/kg処置)および292mm3(15mg/kg処置)に増加した。一方、2l(50mg/kg)処置群は第21日に331mm3の腫瘍を有した。腫瘍容積のこの減少は、SMART化合物の使用中止によって反転した(データは示されず)。表20では、SMART化合物のインビボ有効性(%T/C、T−C値、および殺細胞数の常用対数値)をまとめた。
1hは、5および15mg/kg(すべての投与は腹腔内(i.p.)だった)の処置で、それぞれ%T/C=29%および4%の腫瘍を誘発した。一方で、2kは、5および15mg/kgの治療で、それぞれ21%および24%の%T/Cを誘発した。高用量の2l(50mg/kg)では、34%の%T/Cを誘発した。陽性対照であるビンブラスチンは、PC−3異種移植片において第22日に29%の%T/Cを示した(図31B)。毒性をモニタリングするための体重測定から、1h(15mg/kg)で処置された8匹のマウスのうち1匹、および2k(15mg/kg)で処置された7匹のマウスのうち2匹は、15%以上体重を失ったことが分かった。PC−3前立腺腫瘍に対する化合物の抗腫瘍効果に加えて、1h(29mg/kg)および2k(15mg/kg)は、A375腫瘍の有意な削減を実証した。図31Cに示した通り、1hおよび2k処置群の14の容積は、それぞれ775mm3および722mm3に増加した一方で、対照群の腫瘍容積は2183mm3に増加した。1hおよび2kの処置によって、それぞれ28%および29%の%T/Cを引き起こした。1hのインビボ神経毒性効果を調べるために、ロータロッド試験を行った。インビボ有効性実験の結果に基づき、運動協調性を研究するために5または15mg/kg[腹腔内投与、Captex200/Tween80(1/4)]の1hを選択した。同じ条件の下、陽性対照としてビンブラスチンによる0.5mg/kgの処置を使用した。図31Dに示した通り、ビンブラスチンは、マウスが回転棒に留まる時間(秒単位)を徐々に短くして、賦形剤群と比べて第27日および第31日までに有意性を実現した(p<0.05)しかし、1h処置群では有意な違いは見られず、1hは、抗腫瘍効果に関係する用量でICRマウスに神経毒性を引き起こさなかったことを示す。
1hは、PC−3腫瘍を持つマウスで薬剤耐性を生じなかった。賦形剤(n=3)または15mg/kgの1h(n=3)による処置21日後のヌ―ドマウスからPC−3腫瘍を摘出した。方法の項で述べたように、固形腫瘍を消化し、細胞に分散した。ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)からのPC−3細胞株を、対照として使用した。IC50値は、ARCCからのPC−3細胞、賦形剤からの解離細胞、および1h処置腫瘍において、それぞれ29.1±1.1、29.1±0.8、および30.4±0.5nMだった。これらのデータは、1hが、1hによる21日間連続処置の後、PC−3腫瘍に薬剤耐性を誘導しなかったことを実証する。
実施例23 分子モデリング
方法
Dell Limuxワークステーションで動作するSchrodinger Molecular Modeling Suite 2008(Schrodinger LLC,New York,NY)によって、すべての分子モデリング研究を行った。ABI化合物の大きさは、DAMA−コルヒチンよりもABT−751の大きさに非常に近いため、モデリングシステムとしてABT−751(PDBコード:3KHC)を含むチューブリン複合体を選択した。Ligprepモジュールを用いてABIを作成し、準備した。そして、Schrodinger SuiteのGlideモジュールを用いてABT−751にドッキングさせた。最良のドッキング複合体は、OPLS−2005力場とともにMacromodelモジュールを用いて、あらゆる応力を緩和する拘束分子動力学の影響を受けた。リガンドとその周辺15Å内の残留基は自由に動くことができるようにした。一方、半径15Åの外の残留基は固定したままに保った。
結果
チューブリンにABI化合物を結合する分子モデリングを研究した。PDBデータバンクには、Dorleans等からの最新のものとともに、リガンド−チューブリン複合体のいくつかの結晶構造が用意されている。一般的に、コルヒチン結合ポケットは、さまざまな分子構造を容認し、これはリガンド結合での実質的構造変化を示すことがある。実際に、Dorleans等は、空のチューブリン二量体およびリガンド−チューブリン複合体の両方の結晶構造を解明した。リガンドが存在せず、β−モノマーのループ7(T7、残留基244〜251、図32)は、結合ポケットを塞ぐように畳み込み、一方、リガンド結合時には飛び出すことを、彼等は発見した。リガンド結合時に、関連する螺旋7(H7、残留224〜243)および螺旋8(H8、残留252〜260)を移動させた。T7を移動させる程度は、個々のリガンドの大きさに依存することが考えられる。この柔軟性によって、実際の結晶構造を解明せずに、個々のリガンドの精密な結合モードを理解するかなりの課題を示す。それでも、考え得る結合モードを注意深く解析することで、さまざまなリガンドの結合に関する見解を提供できた。
12cbおよび11cbの結合モード(スティックモデル)を、図32Aおよび32Bに示す。比較のために、図32AのABI−12cb/チューブリン複合体とともに、ABT−751およびDAMA−コルヒチンの結晶構造複合体(ワイヤーモデル)を表示する。明確にするため、β−チューブリンの結合ポケットを形成する関連二次構造を図32Aに示す。12cb、ABT−751、およびDAMA−コルヒチンの全体構造は、結合ポケットに非常によく重なり合った。化合物12cbとチューブリンの間のいくつかの可能性のある水素結合相互作用を確認した。12cbのカルボニル基は、チューブリンβ−モノマーのH8でのLeu−252の骨格NHと、T7でのAsp−251の側鎖との2つの水素結合相互作用を生じるのに十分近接していた。C環のパラ−フッ素置換基は、T7のCys241およびS6のTyr202の側鎖に近く、1つまたは2つの水素結合を形成する可能性がある。イミダゾール電子は非常に近く、チューブリンα−モノマーのT5ループ(残留基173〜182)のThr179への水素結合を形成する可能性がある(図32A)。芳香環によって提供される疎水性相互作用と一緒に、これらの水素結合の形成の可能性は、チューブリン二量体に対する高い結合親和性に寄与し、高い抗増殖有効性を生じることになる。
3つの芳香環のうち2つがβ−モノマーの結合ポケットを占有するため、11cbの結合モードは、おそらく、あまり明確にされない。一方で、3番目の環は、DAMA−コルヒチンの側鎖が結合する様子と同様に、α/β−モノマーの接合部分に向けて延びることがある。我々のモデリングによって、保護基がチューブリン二量体接合部分に延びる可能性があり、一方で、11cbのA環およびC環が、12cbと同様の結合ポケットおよび方向を占有することを示す(図32B)。11cbが追加の環系を有しているにしても、これによって、2つ化合物間の同様の活性を説明できる。図32Aおよび32Bに示した分子モデリング研究から、水素結合供与体は、α/β−チューブリン二量体のβ−サブユニットのループ7のCys−241にあるチオール基である可能性が高い。
ABI 12fbの結合モードをモデル化し(図示せず)、α/β−チューブリンヘテロ二量体のDAMA−コルヒチン(コルヒチンの構造に関しては、図19を参照)と比較した。12fbとDAMA−コルヒチンの全体的な構造は非常に良く重なり合った。p−フルオロフェニル部分が、β−サブユニットのT7ループと相互作用するトリメトキシフェニル部分に重なり合う。同様に、p−クロロフェニル部分は、メトキシ部分が相互作用するポケットを占有する塩素原子とともに、DAMA−コルヒチン結合の7員環があるポケットのもう一方の側を占有する。
実施例24 微小管画像化
材料および方法
細胞内部でのチューブリンと相互作用するABIの視覚的に完治できるほどの証拠を入手するために、セロミクス細胞骨格再構築キット(Thermo Scientific,Rockford,IL)を使用した。コラーゲンコート96ウェルプレート(Becton Dickinson Labware,Bedford,MA)を用いて、WM−164メラノーマ細胞を、18hの各化合物で処置を繰り返した。その後、細胞を4%パラホルムアルデヒド(Thermo Scientific,Rockford,IL)で固定し、キットに含まれる浸透性緩衝液を用いて浸透処理を行った。続いて、チューブリンの一次抗体および蛍光標識二次抗体を細胞に添加した。細胞核をDAPIで染色した。全細胞グリーン染色も、すべての細胞に適用した。すべての画像を、チューブリン(赤)、核(青)、および全細胞(緑)の別々の画像から重ね合わせるOlympus IX71倒立蛍光顕微鏡(Olympus Corp.,Tokyo,Japan)で取得した。比較のため、ABIとともにパクリタキセル、コルヒチン、およびABT−751を含めた。
結果
細胞内部でチューブリンと相互作用するABIの視覚的証拠を調べた。さまざまな化合物による処置を受けたヒトメラノーマWM−164細胞における微小管の再構築を図33に示す。微小管画像は、5つの試験化合物すべてが細胞骨格再構築を引き起こすことをはっきりと示した。パクリタキセルと他の4つの化合物(コルヒチン、ABT−751、12cb、および12da)の間には、有意な違いがあったパクリタキセルによる処置では、多少と比較して、核の回りに規則正しくある微小管の濃縮を引き起こし、微小管を安定化させるその作用機序と一致する。一方、コルヒチン、ABT−751、12cb、および12daによる処置では、微小管に対して同様の効果があり、ある程度の微小管分解を生じ、微小管を不安定化させるそれらの共通の作用機序と一致する。これらの結果からも、ABIがコルヒチンと同じ細胞標的を共有し、同じ細胞効果を誘導することを確認した。
本願明細書で述べた特徴のすべて(添付された請求の範囲、要約、および図面の一切を含む)、および/または開示されたあらゆる方法またはプロセスのステップのすべては、前記特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互排他的である組み合わせを除き、あらゆる組み合わせで上記態様のいずれと組み合わせてもよい。本願明細書では、詳細に好適な実施形態を示し、説明してきたが、本発明の精神に反することなく、さまざまな修正、追加、置き換えなどを行うことができることは当業者には明らかであり、そのため、後述の請求の範囲で定義されるように、これらの内容は本発明の範囲内であると考えられる。