JP5867461B2 - 記録材消費装置のための記録材供給システム、回路基板、構造体、および、インクカートリッジ - Google Patents

記録材消費装置のための記録材供給システム、回路基板、構造体、および、インクカートリッジ Download PDF

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Description

本願は、2009年5月15日に出願された日本出願2009−118175の優先権を主張しており、その開示内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、記録材消費装置のための記録材供給システム、回路基板、構造体、および、インクカートリッジに関するものである。
印刷装置には、インクカートリッジやインク収容部が、印刷装置に着脱可能に装着される。インクカートリッジやインク収容部には、種々のデバイスが装着される。デバイスとしては、例えば、インクに関する情報を格納する記憶装置が知られている。また、記憶装置といったデバイスの電源電圧と比べて高い電圧の印加に基づいて応答信号を出力する高電圧回路(例えば、インク残量センサとして用いられる圧電素子)も知られている。このようなデバイスは、印刷装置の制御部(外部)と電気的に接続される。例えば、デバイスと制御部とが接点端子を介して電気的に接続される場合がある。
特開2002−198627号公報 国際公開第2006/25578号 特開2006−15733号公報 特開平10−230603号公報 特開平11−320857号公報 特開2007−196664号公報 米国特許第6435676号明細書 米国特許第6502917号明細書 国際公開第99/59823号
ところが、接点端子を介する電気的接続を利用する場合には、接触不良や誤接続等の接続異常に起因する種々の不具合が生じ得る。例えば、印刷装置から記憶装置等のデバイスへの電源の供給が遮断されて、記憶装置等のデバイスが誤動作したり動作不能となる場合があった。
なお、このような問題は、デバイスとして記憶装置を利用する場合に限らず、他のデバイスを利用する場合にも共通する問題であった。また、このような問題は、インクを消費する印刷装置に限らず、種々の記録材(例えば、トナー)を消費する装置にも共通する問題であった。
本発明の主な利点は、記録材消費装置の端子と接触する接点端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる技術を提供することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
<第1の形態>
(1)本願発明の第1の形態は、複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に装着可能な記録材供給システムであって、
記録材を収容し、記録材供給ポートを備える記録材収容部と、
記憶装置と、
前記記憶装置に電気的に接続された複数の第1端子と、
前記記録材供給システムが前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、
を備え、
前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記記録材供給システムが前記記録材消費装置に装着された状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
前記複数のラインは第1ラインを含み、
前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は前記第1ラインに配置され、
前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
前記記録材供給ポートは、開口を含み、
前記第1のラインは、前記複数のラインのうちで前記開口に最も近い、記録材供給システムである。
この形態によれば、第1ラインに、装着検出に使用される第2端子のうち一方と他方の接触部が配置され、それらの間に電源端子の接触部が配置されるので、装着検出が確認された状態では電源端子の電気的接続も達成されている可能性が高い。この結果、電源端子の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。また、電源端子に対応する電気接触部材が、第1ライン以外の意図しないラインの端子と接触することを防止できるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
(2)上記記録材供給システムにおいて、
前記2つの第2端子のうち一方の第2端子の接触部は、前記第1ラインの一端に配置され、前記2つの第2端子のうち他方の第2端子の接触部は前記第1ラインの他端に配置されていてもよい。
この形態によれば、2つの第2端子の接触部が第1ラインの両端に配置されているので、記記録材消費装置への装着に関する誤検出の可能性を低減できる。
(3)上記記録材供給システムにおいて、
前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部回路への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含んでいてもよい。
この形態によれば、データ端子等の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
(4)上記記録材供給システムにおいて、
前記記憶装置は、前記接地電位とは異なるレベルのリセット信号を受けて動作し、
前記複数の第1端子は、前記リセット信号を受けるためのリセット端子を含み、
前記リセット端子は、前記第1ラインとは異なるラインに配置されているものとしてもよい。
この形態によれば、記憶装置が誤って動作する可能性を低減できる。
(5)上記記録材供給システムは、さらに、
側壁と、
前記側壁と交差する底壁と、を備え、
前記複数の端子は前記側壁に設けられ、
前記記録材供給ポートは前記底壁に設けられ、
前記記録材供給ポートは、前記底壁の前記側壁側に偏った位置に配置されており、
前記記録材消費装置に対する前記記録材供給システムの装着方向は、重力方向の下向きであるものとしてもよい。
この形態によれば、複数の端子の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
(6)上記記録材供給システムにおいて、
前記第1ラインの前記接触部の総数は、前記複数のラインのうちの他の任意の1つのラインの前記接触部の総数よりも、多いものとしてもよい。
この形態によれば、記録材消費装置の電気接触部材が、意図しない端子と接触する可能性を低減できる。
<第2の形態>
本発明の第2の形態は、複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に電気的に接続可能な回路基板であって、
基板と、
前記基板上に配置された複数の端子であって、記憶装置に電気的に接続可能な複数の第1端子と、
前記回路基板が前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、
を備え、
前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記回路基板が前記記録材消費装置に装着された状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
前記複数のラインは第1ラインを含み、
前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は、前記第1ラインに配置され、
前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
前記第1ラインは、前記回路基板が前記記録材消費装置に接続された状態で、前記複数のラインのうちで前記記録材消費装置の記録材供給針に最も近い、回路基板である。
<第3の形態>
本発明の第3の形態は、複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に装着可能な構造体であって、
本体と、
前記本体に設置された基板と、
を備え、
前記基板は、記憶装置に電気的に接続可能な複数の第1端子と、前記構造体が前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、を含み、
前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記構造体が前記記録材消費装置に装着された状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
前記複数のラインは第1ラインを含み、
前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は、前記第1ラインに配置され、
前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
前記第1ラインは、前記構造体が前記記録材消費装置に装着された状態で、前記複数のラインのうちで前記記録材供給針に最も近い、構造体である。
<第4の形態>
本発明の第4の形態は、複数の電気接触部材を備える印刷装置に装着可能なインクカートリッジであって、
インクを収容し、インク供給ポートを備えるインク収容部と、
記憶装置と、
前記記憶装置に電気的に接続可能な複数の第1端子と、
前記インクカートリッジが前記印刷装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、
を備え、
前記複数の第1端子は、前記印刷装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記インクカートリッジが前記印刷装置に装着された状態で前記印刷装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触可能な接触部を含み、
前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
前記複数のラインは第1ラインを含み、
前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は、前記複数のラインのうちの第1ラインに配置され、
前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
前記インク供給ポートは開口を含み、
前記第1ラインは、前記複数のラインのうちで前記開口に最も近い、インクカートリッジである。
本発明による第1の適用例は、複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に装着可能な記録材供給システムであって、
記録材を収容し、記録材供給ポートを備える記録材収容部と、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続された複数の第1端子と、前記記録材供給システムが前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、を含む複数の端子と、
を備え、
前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
前記複数の端子のそれぞれは、前記記録材供給システムが前記記録材消費装置に正しく装着された装着状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
前記複数の端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
前記2つの第2端子の2つの接触部は、前記複数のラインのうちの第1ラインに配置され、
前記電源端子の前記接触部は、前記第1ライン上の前記2つの第2端子の2つの接触部の間に配置されている。
この構成によれば、第1ラインに、装着検出に使用される第2端子の2つの接触部が配置され、それらの間に電源端子の接触部が配置されるので、装着検出が確認された状態では電源端子の電気的接続も達成されている可能性が高い。この結果、電源端子の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
適用例2は、適用例1記載の記録材供給システムであって、
前記前記2つの第2端子の2つの接触部は、前記第1ラインの一端と他端に配置される。
この構成によれば、第2端子の接触部が第1ラインの両端に配置されているので、記記録材消費装置への装着に関する誤検出の可能性を低減できる。
適用例3は、
適用例1又は2に記載の記録材供給システムであって、
前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含み、
前記第1ラインは、他のラインに対して、前記記録材供給システムが所定の方向に移動しながら前記記録材消費装置へ装着される際の先頭側に、配置されている。
この構成によれば、データ端子等の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。また、電源端子に対応する電気接触部材が、第1ライン以外の意図しないラインの端子と接触することを防止できるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
適用例4は、
適用例1〜3のいずれか一つに記載の記録材供給システムであって、
前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含み、
前記記録材供給ポートは、開口を含み、
前記複数のラインのうちの前記開口に最も近いラインは、前記第1ラインである。
この構成によれば、データ端子等の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。また、電源端子に対応する電気接触部材が、第1ライン以外の意図しないラインの端子と接触することを防止できるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
適用例5は、
適用例1〜4のいずれか一つに記載の記録材供給システムであって、
前記記憶装置は、前記接地電位とは異なるレベルのリセット信号を受けて動作し、
前記複数の第1端子は、前記リセット信号を受けるためのリセット端子を含み、
前記リセット端子は、前記第1ラインとは異なるラインに配置されている。
この構成によれば、記憶装置が誤って動作する可能性を低減できる。
適用例6は、
適用例1〜5のいずれか一つに記載の記録材供給システムであって、さらに、
側壁と、
底壁とを備え、
前記複数の端子は前記側壁に設けられ、
前記記録材供給ポートは前記底壁に設けられ、
前記記録材供給ポートは、前記底壁の前記側壁側に偏った位置に配置されており、
前記記録材消費装置に対する前記記録材供給システムの装着方向は、重力方向の下向きである。
この構成によれば、複数の端子の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
適用例7は、
適用例1〜6のいずれか一つに記載の記録材供給システムであって、
前記第1ラインの前記接触部の総数は、他のラインの前記接触部の総数よりも、多い。
この構成によれば、記録材消費装置の電気接触部材が、意図しない端子と接触する可能性を低減できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、記録材供給システムや、記録材供給システムに利用される回路基板や、記録材供給システムに利用される構造体や、それらの回路基板と構造体との少なくとも一方を含む記録材供給システムや、インクカートリッジ、等の態様で実現することができる。
本発明の一実施例としての印刷装置を示す説明図である。 印刷装置とインクカートリッジとの電気的な構成を示す説明図である。 印刷装置とインクカートリッジとの電気的な構成を示す説明図である。 キャリッジの斜視図である。 キャリッジの一部の拡大図である。 インクカートリッジの斜視図である。 インクカートリッジの正面図を示している。 インクカートリッジをキャリッジに装着する様子を示す説明図である。 キャリッジにインクカートリッジが装着された状態を示す説明図である。 回路基板の斜視図である。 接点機構の説明図である。 接点機構の斜視図である。 接触部材と端子との接触を示す説明図である。 カートリッジの検出処理の手順を示すフローチャートである。 記憶装置の構成を示す説明図である。 記憶装置の動作を示すタイミングチャートである。 装着されたインクカートリッジのホルダ内における動きを示す説明図である。 接触部の近傍の拡大図である。 比較例を示す説明図である。 他の構成を示す説明図である。 インク供給ポートの中心軸(センターラインCL)と接触部との位置関係を示す説明図である。 インク供給システムの斜視図である。 インク供給システムの斜視図である。 アダプタとインク収容部とがホルダに装着された状態を示す断面図である。 インク供給システム(記録材供給システム)の第3実施例を示す斜視図である。 インク供給システム(記録材供給システム)の第3実施例を示す斜視図である。 インク供給システム(記録材供給システム)の第4実施例の説明図である。 インク供給システム(記録材供給システム)の第5実施例の説明図である。 インク供給システム(記録材供給システム)の第6実施例の説明図である。 印刷装置を示す説明図である。 インクカートリッジの斜視図である。 ホルダの斜視図である。 回路基板の別の実施例を示す説明図である。 回路基板の別の実施例を示す説明図である。 回路基板の別の実施例を示す説明図である。 回路基板の別の実施例を示す説明図である。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.実施例の構成:
C.第2実施例:
D.第3実施例:
E.第4実施例:
F.第5実施例:
G.第6実施例:
H.第7実施例:
I.回路基板の変形例:
J.変形例:
A.第1実施例:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷装置を示す説明図である。印刷装置は、記録材消費装置の一例である。記録材消費装置は、記録材を消費して記録を実行するものである。印刷装置1000は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、ヘッド駆動機構を有している。副走査送り機構は、図示しない紙送りモータと、その紙送りモータによって駆動される紙送りローラ10と、を含んでいる。副走査送り機構は、紙送りローラ10を用いて印刷用紙Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモータ2の動力を用いて、駆動ベルト1に接続されたキャリッジ3を主走査方向に往復動させる。キャリッジ3は、ホルダ4と印刷ヘッド5とを含んでいる。ヘッド駆動機構は、印刷ヘッド5を駆動してインクを吐出する。吐出されたインクによって、印刷用紙Pにドットが形成される。印刷装置1000は、さらに、上述した各機構を制御する主制御回路40を備えている。主制御回路40は、フレキシブルケーブル37を介してキャリッジ3と接続されている。
ホルダ4は、後述する複数のインクカートリッジを装着可能に構成され、印刷ヘッド5の上に配置されている。印刷装置1000の通常使用時(印刷時)には、ホルダ4にインクカートリッジが装着されており、印刷装置1000は、インクカートリッジを備えている。図1に示す例では、ホルダ4には、6つのインクカートリッジが装着可能である。例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロ、ライトシアン、ライトマゼンタの6種類のインクカートリッジが1つずつ装着される。印刷ヘッド5の上面には、さらに、インクカートリッジから印刷ヘッド5にインクを供給するためのインク供給針6が配置されている。図1では、1つのインクカートリッジ100が、ホルダ4に装着されている。
図2、図3は、印刷装置1000とインクカートリッジ100との電気的な構成を示す説明図である。図2は、主制御回路40とキャリッジ回路500とインクカートリッジ100との全体に注目して描かれている。図3には、複数のインクカートリッジを代表する1つのインクカートリッジ100に関する構成が示されている。電気的な構成は、他のインクカートリッジにも、共通である。
主制御回路40及びキャリッジ回路500は、印刷装置1000の内部に備えられ、印刷の実行のために印刷装置1000の各種機構を制御するための制御回路であり、以降、両者をまとめて印刷装置1000の制御部ともいう。また、制御部は、インクカートリッジ100に備えられるデバイスからみると外部の装置となるので、制御部とデバイスとの動作の説明において、デバイスからみた場合に外部装置ということもある。
図2に示すように、キャリッジ回路500とインクカートリッジ100との間は、複数の配線で接続されている。複数の配線は、リセット信号線LR1と、データ信号線LD1と、クロック信号線LC1と、電源線LCVと、接地線LCSと、第1センサ駆動信号線LDSNと、第2センサ駆動信号線LDSPとを含んでいる。5種類の配線LR1、LD1、LC1、LCV、LCSのそれぞれは、分岐して全てのインクカートリッジ100に接続されている(バス接続)。センサ駆動信号線LDSN、LDSPは、各インクカートリッジ100毎に設けられている。
図3に示すように、インクカートリッジ100は、回路基板200と、センサ104とを有している。回路基板200は、デバイスとしての半導体記憶装置203(以下、単に「記憶装置203」とも呼ぶ。)と、7つの端子210〜270とを、有している。回路基板200は、印刷装置1000の制御部と電気的に接続する端子が配置された接続体であり、印刷装置1000の制御部と、インクカートリッジ100に備えられるデバイスやセンサと、を電気的に接続するためのものである。電源端子220と、リセット端子260と、クロック端子270と、データ端子240と、接地端子230とは、記憶装置203の電源端子パッドPvdd(以降、電源パッドという。)、リセット端子パッドPrst(以降、リセットパッドという。)、クロック端子パッドPsck(以降、クロックパッドという。)、データ端子パッドPsda(以降、データパッドという。)、接地端子パッドPvss(以降、接地パッドという。)に、それぞれ電気的に接続されている。記憶装置203としては、種々のメモリを採用可能である。本実施例では、記憶装置203の内部でクロック信号に基づいて生成されるアドレスに基づいて、ワード単位でアクセス(読み出しと書き込み)の対象のメモリセルが選択されるメモリ(例えば、EEPROMや、強誘電体をメモリセルアレイとして用いたメモリ)が採用されている。記憶装置203は、インクカートリッジ100に収容されるインクに関する情報を、格納する。なお、記憶装置203としては、少なくとも、データ(情報)を格納するメモリ機能を備えていればよく、メモリ機能に加え、CPUなどを備えていてもよい。例えば、CPUとプログラム記憶部とを含んでもよい。
センサ104は、インク残量を検出するためのセンサである。本実施例では、センサ104として、2つの電極で圧電体を挟んだ圧電素子が採用されている。圧電素子(センサ104)は、インクカートリッジ100の筐体に固定されている。圧電素子に駆動電圧を印加すると、圧電素子が変形する(この現象は、逆圧電効果と呼ばれる)。この逆圧電効果を利用して、圧電素子を強制的に振動させることができる。そして、駆動電圧の印加の停止後に、圧電素子の振動が残り得る。残留振動の周波数は、圧電素子と共に振動する周囲の構造体(例えば、インクカートリッジ100の筐体とインク)の固有振動数を表している。インクカートリッジ100に残存するインク量(センサ104の近傍のインク流路にインクが残っているいか否か)に応じて、残留振動の周波数は変化する。従って、残留振動の周波数から、インク残量が所定量以上であるか否かを特定することができる。残留振動の周波数は、圧電効果によって生じる電圧の振動周波数を測定することによって、取得される。第1センサ端子210と第2センサ端子250とは、センサ104(圧電素子)の一方の電極と他方の電極とに、それぞれ、電気的に接続されている。また、残留振動の振幅も、インク残量に応じて変化する。従って、圧電効果によって生じる電圧の変動振幅から、インク残量が所定量以上であるか否かを特定してもよい。
印刷装置1000は、接点機構400と、キャリッジ回路500とを含んでいる。接点機構400とキャリッジ回路500とは、キャリッジ3(図1)に設けられている。キャリッジ回路500は、キャリッジ3上に設けられた制御基板上に実装されている。制御基板は、フレキシブルケーブル37を介して主制御回路40と電気的に接続される。
キャリッジ回路500は、メモリ制御回路501と、センサ駆動回路503と、7つの端子510〜570とを、有している。電源端子520と、リセット端子560と、クロック端子570と、データ端子540と、接地端子530とは、メモリ制御回路501に電気的に接続されている。接地端子530は、メモリ制御回路501と主制御回路40とを介して接地されている(印刷装置1000のグランドに接続されている)。これらの端子520、530、540、560、570は、インクカートリッジ100の端子220、230、240、260、270と、接点機構400(接触部材420、430、440、460、470)を介して、それぞれ接続される。すなわち、ユーザが回路基板200を印刷装置1000に装着したときには、印刷装置1000が、回路基板200の端子に、電気的に接続される。なお、接触部材420は図2の電源線LCVの一部に相当し、接触部材460はリセット信号線LR1の一部に相当し、接触部材470はクロック信号線LC1の一部に相当し、接触部材440はデータ信号線LD1の一部に相当し、接触部材430は接地線LCSの一部に相当する。
これらの端子を介して、メモリ制御回路501は、記憶装置203を制御して、記憶装置203に対してデータの読み書きを行う。具体的には、電源端子520を通じて、電源電位(電源電圧)VDDが、メモリ制御回路501から記憶装置203に供給される。リセット端子560を通じて、リセット信号RSTが、メモリ制御回路501から記憶装置203に供給される。クロック端子570を通じて、クロック信号SCKが、メモリ制御回路501から記憶装置203に供給される。データ端子540は、メモリ制御回路501と記憶装置203との間のデータ信号SDAの伝送(送信と受信)に利用される。接地端子530を通じて、接地電位VSSが、メモリ制御回路501から記憶装置203に供給される(インクカートリッジ100の接地端子230は、インクカートリッジ100が印刷装置1000(ホルダ4)に正しく(位置ズレ無く)装着された状態で印刷装置1000のグランドと導通する端子である)。また、電源電位VDDは、印刷装置1000の接地電位(グランド)とは異なっている。
なお、本実施例では、各インクカートリッジ100の記憶装置203には、互いに異なるID番号(識別番号)が予め割り当てられている。このID番号は、メモリ制御回路501が、バス接続されている複数の記憶装置203を特定するための識別番号である。メモリ制御回路501は、データ信号線LD1に、制御対象の記憶装置203のID番号を表すデータを供給し、続けて、コマンドを表すデータを供給する。そのID番号に対応する記憶装置203は、コマンドに応じた処理を実行する(例えば、データリードやデータライト)。指定されたID番号とは異なるID番号の記憶装置203は、コマンドに対する応答をせずに、自己のID番号が指定されることを待つ(詳細は後述)。
なお、本実施例では、メモリ制御回路501と記憶装置203とは、後述するインク残量検出時に圧電素子に印加される電圧と比べて低い電圧(本実施例では、最大約3.3V)で動作する低電圧回路である。なお、メモリ制御回路501の構成としては、記憶装置203に適合する種々の構成を採用可能である。
キャリッジ回路500の第1センサ端子510と第2センサ端子550とは、センサ駆動回路503に電気的に接続されている。これらの端子510、550は、インクカートリッジ100の端子210、250と、接点機構400(接触部材410、450)を介して、それぞれ接続される(図3の接触部材450は図2の第2センサ駆動信号線LDSPの一部に相当し、接触部材410は第1センサ駆動信号線LDSNの一部に相当する)。これらの端子を介して、センサ駆動回路503は、センサ104に電圧を印加するとともに、センサ104からの出力信号(応答)を受信する。センサ駆動回路503は、カートリッジ検出回路503aと、インク残量検出回路503bとを含んでいる。
カートリッジ検出回路503aは、これらの端子510、550を介して、インクカートリッジがホルダ4に装着されているか否かの検査時に所定信号(電圧)を出力する。そして、カートリッジ検出回路503aは、出力された信号(電圧)に対する応答を端子510、550を介して取得することによって、回路基板200が印刷装置に接続されているかどうか、すなわち、印刷装置にインクカートリッジ100が装着されているか否かを検出する。また、インク残量検出回路503bは、これらの端子510、550を介して、駆動電圧を出力する。そして、インク残量検出回路503bは、圧電素子の電極間の電圧が表す波形の周波数又は振幅を端子510、550を介して取得することによって、インク残量を検出する。これらの処理の詳細については、後述する。なお、本実施例では、センサ104は、記憶装置203と比べて高い電圧(本実施例では最大約40V)を受ける高電圧回路である。また、カートリッジ検出回路503aとインク残量検出回路503bとの構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、論理回路を組み合わせて得られる構成を採用してもよい。この代わりに、コンピュータを用いてセンサ駆動回路503を構成してもよい。なお、本実施例では、キャリッジ回路500(センサ駆動回路503を含む)は、ASICを用いて構成されている。
キャリッジ回路500は、フレキシブルケーブル37(図1)を含むバスBを介して、主制御回路40に接続されている。キャリッジ回路500は、主制御回路40の指示に従って、動作する。なお、本実施例では、印刷装置1000は、複数のインクカートリッジのそれぞれに対応して、接点機構400を有している。すなわち、6つのインクカートリッジ100がキャリッジ3(図1)に装着されるので、6つの接点機構400が、キャリッジ3に設けられている。また、本実施例では、1つのキャリッジ回路500が、6つのインクカートリッジ100に共通に利用される。キャリッジ回路500は、複数のインクカートリッジ100を1つずつ処理する。メモリ制御回路501は、ID番号(識別番号)を利用して、処理対象の1つの記憶装置203を選択する(詳細は後述)。センサ駆動回路503は、キャリッジ回路500に設けられた図示しないスイッチ回路によって、処理対象の1つのセンサ104を選択する。
主制御回路40は、CPUとメモリ(ROM、RAM等)とを含むコンピュータである。メモリには、カートリッジ検出モジュールM10と、インク残量検出モジュールM20と、メモリ制御モジュールM30と、が格納されている。以下、これらのモジュールM10〜M30を、第1モジュールM10、第2モジュールM20、第3モジュールM30とも、それぞれ呼ぶ。これらのモジュールM10〜M30は、CPUによって実行されるコンピュータプログラムである。以下、モジュールに従ってCPUが処理を実行することを、単に、「モジュールが処理を実行する」とも表現する。各モジュールM10〜M30の処理の詳細については、後述する。
図2、図3に示すように、主制御回路40は、バスBを介して、キャリッジ回路500に接続されている。主制御回路40は、このバスBを介して、電源電位、接地電位、データ(例えば、主制御回路からキャリッジ回路への処理要求を示すコマンドや、その処理に必要なデータ、ID番号など。)を、キャリッジ回路500に供給する。また、キャリッジ回路500は、このバスBを介して、データを主制御回路40に供給する。
図4は、キャリッジ3の斜視図である。図5は、図4に示すキャリッジ3の一部の拡大図である。図4では、1つのインクカートリッジ100がキャリッジ3に装着されている。図中には、X、Y、Z方向が示されている。以下、X方向を「+X方向」とも呼び、X方向の逆方向を「−X方向」とも呼ぶ。Y方向、Z方向についても、同様である。
図中のZ方向は、インクカートリッジ100の装着方向を示している。Z方向へのインクカートリッジ100の移動によって、インクカートリッジ100がキャリッジ3に装着される。ホルダ4の底壁4wb(+Z方向の壁)には、インク供給針6が配置されている。インク供給針6は、−Z方向に向かって、突出している。また、ホルダ4の前壁4wf(−Y方向の壁)には、接点機構400が配置されている。Y方向は、装着方向Zと垂直な方向を示している。本実施例では、6つのインク供給針6と、6つの接点機構400とが、それぞれ、X方向に沿って(−Xから+Xに向かって)並んで、配置されている。X方向は、装着方向ZとY方向との両方と垂直な方向である。そして、6つのカートリッジは、X方向に並んで、装着される(図示省略)。
図6は、インクカートリッジ100の斜視図を示し、図7は、インクカートリッジ100の正面図を示している。図中のX、Y、Z方向は、インクカートリッジ100をキャリッジ3(図4)に装着した状態での方向を示している。インクカートリッジ100の+Z方向の面(Z方向と垂直な面。図6(A)中の底壁101wb)は、キャリッジ3(図4)の底壁4wbと対向する。インクカートリッジ100の−Y方向の面(Y方向と垂直な面。図6(A)中の前壁101wf)は、キャリッジ3の接点機構400と対向する。
インクカートリッジ100は、筐体101と、センサ104と、回路基板200と、を含んでいる。筐体101の内部には、インクを収容するインク室120が形成されている。センサ104は、筐体101の内部に固定されている。筐体101は、前壁101wf(−Y方向の壁)と、底壁101wb(+Z方向の壁)と、後壁101wbk(+Y方向の壁)を含んでいる。前壁101wfは、底壁101wbと交差(本実施例では、実質的に直交)している。回路基板200は、前壁101wfに固定されている。回路基板200の外表面(印刷装置1000の接点機構400(図4)と対向する面)には、端子210〜270が形成されている。インク供給口は、底壁の、前壁101wfとこれに対向する後壁wbk(+Y方向の壁)とのうち、より前壁に近い位置に配置されている。
前壁101wfには、2つの突起P1、P2が形成されている。これらの突起P1、P2は、−Y方向に突出している。回路基板200には、これらの突起P1、P2をそれぞれ受け入れる穴H1と切り欠きH2とが、形成されている。突起P1、P2と穴H1と切り欠きH2とは、回路基板をインクカートリッジに装着する際の装着位置ずれを防止するためのもので、位置ずれ防止部となる。穴H1は、回路基板200の下端(+Z方向の端)の中央に形成され、切り欠きH2は、回路基板200の上端(−Z方向の端)の中央に形成されている。回路基板200が前壁101wfに装着された状態では、突起P1、P2は、穴H1、切り欠きH2に、それぞれ挿入される。前壁101wf上における回路基板200の位置ズレは、穴H1が突起P1と接触し、切り欠きH2が突起P2と接触することによって、制限される。回路基板200が前壁101wfに装着された後には、これらの突起P1、P2の先端が潰される。すなわち、突起P1、P2の先端に熱をかけこれを潰す、熱かしめにより、突起P1,P2と回路基板を密着させる。これにより、回路基板200は、前壁101wfに固定される。
さらに、前壁101wfには、係合突起101eが設けられている。係合突起101eとホルダ4(図4)との係合によって、インクカートリッジ100がホルダ4から意図せずに外れることが、防止される。
底壁101wbには、記録材供給ポートであるインク供給ポート110が形成されている。インク供給ポート110は、インク室120と連通している。インク供給ポート110とインク室120との全体を、「インク収容部130」と呼ぶ。インク供給ポート110の開口110opは、フィルム110fによって、封がされている。これにより、インク供給ポート110からのインクの漏れを防止できる。インクカートリッジ100をキャリッジ3(図4)に装着することによって、封(フィルム110f)が破られ、インク供給針6がインク供給ポート110に挿入される。インク室120(図6(A))に収容されているインクは、インク供給針6を介して、印刷装置1000に供給される。なお、図7(B)に示すセンターラインCLは、インク供給ポート110の中心軸を示している。インクカートリッジ100がキャリッジ3に正しく(位置ズレ無く)装着された状態においては、センターラインCLは、インク供給針6の中心軸と同じである。なお、インクカートリッジ100は、インク供給システム(より一般的には、記録材供給システム)に相当する。
図8は、インクカートリッジ100をキャリッジ3に装着する様子を示す説明図である。図9は、キャリッジ3にインクカートリッジ100が装着された状態を示す説明図である。これらの図には、インクカートリッジ100とキャリッジ3との断面が示されている。この断面は、X方向と垂直な断面である。
インクカートリッジ100を装着する際には、まず、ホルダ4の上方向(−Z方向)に、インク供給ポート110がインク供給針6に対向するように、インクカートリッジ100が配置される。そして、インクカートリッジ100を装着方向Zに移動させることによって、インクカートリッジ100がホルダ4に装着される。これにより、インクカートリッジ100の係合突起101eが、ホルダ4の係合突起4eと係合する。また、インク供給ポート110にインク供給針6が挿入される。インク供給ポート110の開口110opには、リング状のシール部材112が設けられている。シール部材112は、ゴム等の弾性材料で形成されており、インク供給針6と接触してインク漏れを防止する。このように、シール部材112は、インク供給ポート110(開口110op)とインク供給針6との接触部分を形成する。
図8に示すように、シール部材112の上流側には、弁体113が配置されている。この弁体113は、図示しないバネによってシール部材112に向かって付勢されている。インクカートリッジ100がホルダ4から外されている場合には、弁体113がシール部材112に接触してインク供給ポート110が閉じられる。これにより、一旦インクカートリッジ100がホルダ4に装着されてフィルム110fが破られた後に、インクカートリッジ100がホルダ4から外された場合であっても、インク供給ポート110からインクが漏洩する可能性を低減できる。
図9に示すように、ホルダ4にインクカートリッジ100が装着された状態において、回路基板200の前方向(−Y方向)には、接点機構400が配置されている。そして、接点機構400の−Y方向には、基板500bが配置されている。基板500bには、キャリッジ回路500が実装されている。接点機構400によって、回路基板200の端子210〜270と、キャリッジ回路500の端子510〜570は、それぞれ電気的に接続される(詳細は後述)。なお、装着方向Zは、回路基板200が印刷装置1000に装着(接続)される際の装着方向にも、相当する。
インクカートリッジ100がホルダ4に装着されると、インク供給針6が弁体113を押し上げて、弁体113がシール部材112から離間する。これにより、インク室120とインク供給針6とが連通し、インク室120内のインクが印刷装置1000に供給可能となる。
図10(A)、10(B)は、回路基板200の斜視図である。図10(C)は、回路基板200をY方向に沿って(−Yから+Yに向かって)見る正面図を示し、図10(D)は、回路基板200を−X方向に沿って(+Xから−Xに向かって)見る側面図を示し、図10(E)は、回路基板200を−Y方向に沿って(+Yから−Yに向かって)見る背面図を示している。図中のX、Y、Z方向は、インクカートリッジ100をキャリッジ3(図4)に装着した状態での方向を示している。
回路基板200は、絶縁体である基板205に端子210〜270と記憶装置203を配置したものである。基板205は、基板205の裏側BSに固定された記憶装置203と、基板205の表側FSに形成された端子210〜270と、を含んでいる。基板205は、Y方向と垂直な平板であり、その形状は、X方向と平行な辺とZ方向と平行な辺とを有する略矩形状である。表側FSは、前方向(−Y方向)の表面を示し、裏側BSは、後方向(+Y方向)の表面を示している。穴H1と切り欠きH2とは、基板205に形成されている。端子220、230、240、260、270は、記憶装置203のパッドPvdd、Pvss、Psda、Prst、Psck(図3)と、図示しない導電路によって、それぞれ接続されている。導電路は、例えば、基板205に開けられたスルーホールと、基板205の表面や内部に形成された導電パターンと、その導電パターンと記憶装置203のパッドとを接続するボンディングワイヤと、を含み得る。なお、本実施例では、基板205に固定された記憶装置203の表面は、樹脂RCで覆われている。
図10(C)は、回路基板200の表側FSを示している。7つの端子210〜270は、それぞれ、略矩形状に形成されている。これらの端子210〜270は、インクカートリッジ100のホルダ4への装着方向Zとは垂直なX方向に沿って(−Xから+Xに向かって)延びる2つのラインL1、L2を形成するように、配置されている。第1ラインL1は、挿入方向Zにほぼ垂直であり、第1センサ端子210が接触部材410と接触する接触部210cと、第2センサ端子250が接触部材450と接触する接触部250cと、を含む複数の接触部210c〜250cで形成又は規定される仮想的な直線(線分)である。第2ラインL2は、挿入方向Zにほぼ垂直であり、リセット端子260が接触部材460と接触する接触部260cと、クロック端子270が接触部材470と接触する接触部270cとで形成又は規定される仮想的な直線(線分)である。第1ラインL1は、装着方向Zに関する先頭側(装着の際の移動方向の、他のライン(ここでは第2ラインL2)に対する先頭側)に配置されたラインである。また、インクカートリッジ100(図8、図9)がホルダ4に正しく(位置ズレ無く)装着された状態で、複数のラインのうちのインク供給ポート110(開口110op)に最も近いラインは、第1ラインL1である。第1ラインL1を形成する接触部を有する端子は、図中の左(−X方向の端)から順番に、第1センサ端子210、電源端子220、接地端子230、データ端子240、第2センサ端子250、である。第2ラインL2を形成する端子は、図中の左から順番に、リセット端子260、クロック端子270、である。なお、2つのセンサ端子210、250は省略可能である。この場合には、第1ラインL1を形成する接触部の端子は、記憶装置203に接続される端子のうちの電源端子220と、接地端子230と、データ端子240の3つの端子となる。この例のように、第1ラインL1は、記憶装置203に接続される端子の一部又は全部の端子の接触部で形成されるものとしてもよい。
図10(E)は、回路基板200の裏側BSを示している。裏側BSには、2つの端子210b、250bが形成されている。これらの端子210b、250bは、表側FSの端子210、250と、それぞれ導通する。端子210bには、センサ104の一方の電極が接続され、端子250bには、センサ104の他方の電極が接続される。
図11(A)は、接点機構400を−Y方向に沿って(+Yから−Yに向かって)見る背面図であり、図11(B)は、接点機構400を−X方向に沿って(+Xから−Xに向かって)見る側面図である。また、図12は、接点機構400の斜視図である。接点機構400は、支持部材400bと、7つの接触部材410〜470とを含んでいる。支持部材400bには、第1スリット401と第2スリット402とがX方向に沿って(−Xから+Xに向かって)交互に並んで形成されている。第2スリット402は、第1スリット401に対して、−Z方向にシフトしている。これらのスリット401、402には、回路基板200の端子210〜270(図10(C))に対応するように、接触部材410〜470が、はめ込まれている。接触部材410〜470は、それぞれ、導電性と弾性とを有している。なお、+X側の第2スリット402aと、−X側の第2スリット402bとは、利用されないので、省略してもよい。
図11(B)に示すように、接触部材410〜470の一端は、支持部材400bから+Y方向に突出している。この突出した一端は、回路基板200に向かって付勢されており、回路基板200の端子210〜270のうちの対応する端子と接触する。図11(A)には、接触部材410〜470における、端子210〜270と接触する部分410c〜470cが示されている。これらの接触部410c〜470cは、印刷装置1000と、回路基板200の端子210〜270とを、電気的に接続するための装置側端子として機能する。以下、これらの接触部410c〜470cを、装置側端子410c〜470cとも呼ぶ。
一方、図11(B)に示すように、接触部材410〜470の他端は、支持部材400bから−Y方向に突出している。この突出した他端は、基板500bに向かって付勢されており、基板500bに設けられた端子510〜570(キャリッジ回路500の端子510〜570)のうちの対応する端子と接触する。図示は省略するが、キャリッジ回路500の端子510〜570も、図10(C)に示す端子210〜270と同様に、配置されている。また、これらの端子510〜570は、基板500bの接点機構400と対向する面に、形成されている。
図13は、インクカートリッジ100(図8)の装着時における、接触部材410〜470と、端子210〜270との接触を示す説明図である。図13(A)〜13(E)には、−X方向に沿って(+Xから−Xに向かって)見た接点機構400と回路基板200とが示されている。装着時には、回路基板200が装着方向Zに移動する。回路基板200と接点機構400との位置関係は、図13(A)〜13(E)の順番に、変化する。
まず、図13(B)に示すように、回路基板200の基板205の下端LE(+Z方向の端)は、接触部材410〜450に対し−Z方向にシフトして配置された2つの接触部材460、470に、接触する。そして、基板205が+Z方向に移動することによって、接触部材460、470が、−Y方向に押される。接触部材460、470は弾性を有しており、接触部460c、470cは、+Y方向に付勢されている。従って、接触部材460、470(接触部460c、470c)が基板205の表側FSと接した状態で、基板205は+Z方向に移動する。
次に、図13(C)に示すように、基板205の下端LEは、+Z方向にシフトして配置された5つの接触部材410〜450に、接触する。これらの接触部材410〜450も弾性を有しており、接触部410c〜450cは、+Y方向に付勢されている。従って、接触部材410〜450(接触部410c〜450c)が基板205の表側FSと接した状態で、基板205は+Z方向に移動する。図13(D)は、図13(C)から、さらに、基板205が+Z方向に移動した状態を示している。図13(D)の状態は、接触部材460と接触部材470の間を端子230が移動している状態である。
最後に、図13(E)に示すように、インクカートリッジ100の装着が完了する。この状態で、接触部材410〜470(接触部410c〜470c)は、回路基板200の端子210〜270と、それぞれ、接触する。
図13(E)には、2つの距離Ds1、Ds2が示されている。第1距離Ds1は、接触部材410〜450が、基板205の表側FSの上を擦る距離を示している。第2距離Ds2は、接触部材460、470が、基板205の表側FSの上を擦る距離を示している。図示するように、第1距離Ds1<第2距離Ds2である。このように、装着方向Zの先頭位置(先頭側)に配置された第1ラインL1(図10(C))に対応する接触部材410〜450に関しては、他の接触部材460、470と比べて、表側FSの上を擦る距離が短い。従って、他の接触部材460、470と比べて、接触部材410〜450には、表側FS上の埃等の異物が付着し難い。すなわち、他の接触部材460、470と比べて、接触部材410〜450と端子210〜250との間の接続不良の可能性は小さい。
以上、説明した構成は、全てのインクカートリッジに共通である。
A2.カートリッジ検出:
図14は、カートリッジの検出処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、印刷装置1000による、インクカートリッジが装着されているか否かを確認する処理である。この処理は、カートリッジ検出(第1)モジュールM10とキャリッジ回路500(センサ駆動回路503)とによって実行される(図3)。図14の手順は、1つのインクカートリッジに関する処理である。第1モジュールM10とキャリッジ回路500は、ホルダ4(図4)への装着が想定されている全てのインクカートリッジのそれぞれに、この処理を実行する。これにより、第1モジュールM10は、全て(6つ)のインクカートリッジの装着を確認する。なお、第1モジュールM10は、種々のタイミングで、この処理を実行してよい。例えば、定期的に処理が実行されてもよく、所定の条件が満たされた時(例えば、印刷装置1000の電源が投入された時や、インクカートリッジ100が交換された時や、印刷開始時)に処理が実行されてもよく、ユーザの指示に応じて処理が実行されてもよい。
最初のステップS100では、第1モジュールM10は、検査対象のインクカートリッジのセンサ端子510、550から信号(電圧)を出力する。具体的には、第1モジュールM10は、カートリッジ検出回路503aに、信号出力の指示を供給する。この指示は、インクカートリッジのID番号を含んでいる。カートリッジ検出回路503aは、指示に従って、ID番号に対応付けられたセンサ端子510、550を選択するようにスイッチ回路を切り替え、選択されたセンサ端子510、550に信号(電圧)を出力する。インクカートリッジ100が装着されている場合には、センサ104の2つの電極の間に電圧が印加される。これにより、センサ104が充電される。
次のステップS110では、第1モジュールM10は、センサ端子510、550を利用して応答信号(電圧)を取得する。具体的には、第1モジュールM10は、カートリッジ検出回路503aに、信号(電圧)取得の指示を供給する。カートリッジ検出回路503aは、指示に従って、電圧印加を停止し、そして、2つのセンサ端子510、550の間の電圧を測定する。カートリッジ検出回路503aは、測定した電圧を、第1モジュールM10に通知する。
次のステップS120では、第1モジュールM10は、測定された電圧が、所定の閾値よりも高いか否かを判断する。インクカートリッジ100が装着されている場合には、充電されたセンサ104の電圧が測定される。この測定電圧の絶対値(第1電圧と呼ぶ)は、ゼロよりも高い。インクカートリッジ100が装着されていない場合には、測定電圧は、ほぼゼロである。閾値は、ゼロと第1電圧との間に、予め実験的に設定されている。従って、測定電圧の絶対値が閾値より高い場合には、第1モジュールM10は、インクカートリッジ100が装着されていると判断する(ステップS130)。測定電圧の絶対値が閾値以下である場合には、第1モジュールM10は、インクカートリッジ100が装着されていないと判断する(ステップS140)。そして、第1モジュールM10は、処理を終了する。
少なくとも1つの装着位置にインクカートリッジが装着されていない場合には、第1モジュールM10は、カートリッジの未装着に関する処理を実行することが好ましい。このような処理としては、例えば、印刷を保留する処理や、カートリッジの未装着をユーザに通知する処理を採用してよい。
A3.メモリ制御:
図15は、本実施例における記憶装置203の構成を示す説明図である。記憶装置203は、入出力回路IOCと、ロジックモジュールMLMと、不揮発性のメモリセルアレイMCAと、5つのパッド(入出力端子)Pvdd、Prst、Psck、Psda、Pvssとを含む半導体チップである。ロジックモジュールMLMは、ID比較部MLM1と、アドレス生成部MLM2と、読み書き制御部MLM3とを含んでいる。ロジックモジュールMLMは、外部装置(例えば、図3の印刷装置1000の制御部(主制御回路40とキャリッジ回路500との全体))からの指示に応じて、メモリセルアレイMCAへのデータの書き込みと、メモリセルアレイMCAからのデータの読み出しとを、実行する(詳細は後述)。入出力回路IOCは、5つのラインLvdd、Lrst、Lsck、Lsda、Lvssと、3つのバッファ回路MBrst、MBsck、MBsdaと、保護回路PCと、を含んでいる。パッドPvdd、Prst、Psck、Psda、Pvssは、ラインLvdd、Lrst、Lsck、Lsda、Lvssによって、ロジックモジュールMLMにそれぞれ接続されている。電源ラインLvddは、電源電位VDDを受けるためのラインである。リセットラインLrstは、リセット信号RSTを受けるためのラインである。リセットラインLrstには第1バッファ回路MBrstが設けられている。クロックラインLsckは、クロック信号SCKを受けるためのラインである。クロックラインLsckには第2バッファ回路MBsckが設けられている。データラインLsdaは、データ信号SDAの送信と受信とのためのラインである。データラインLsdaには、第3バッファ回路MBsdaが設けられている。接地ラインLvssは、接地電位VSSを受けるためのラインである。パッドPvdd、Prst、Psck、Psda、Pvssは、回路基板200の端子220、260、270、240、230に、それぞれ電気的に接続されている。
保護回路PCは、パッドへの静電気などの異常入力から、記憶装置203の内部回路(ロジックモジュールMLMとメモリセルアレイMCAとを含む)を保護する。本実施例では、保護回路PCは、保護ダイオードD1〜D6を含んでいる。3つのダイオードD1、D3、D5のカソードは電源パッドPvdd(電源ラインLvdd)に接続されている。これらのダイオードD1、D3、D5のアノードは、パッドPrst、Psck、Psda(ラインLrst、Lsck、Lsda)に、それぞれ接続されている。3つのダイオードD2、D4、D6のアノードは接地パッドPvss(接地ラインLvss)に接続されている。これらのダイオードD2、D4、D6のカソードは、パッドPrst、Psck、Psda(ラインLrst、Lsck、Lsda)に、それぞれ接続されている。
図16は、記憶装置203の動作を示すタイミングチャートである。図中には、記憶装置203(図15)のパッド上の信号(電源電位VDDと、リセット信号RSTと、クロック信号SCKと、データ信号SDA)と、記憶装置203の動作とが示されている。本実施例では、記憶装置203のメモリセルアレイMCAからのデータ読み出しと、メモリセルアレイMCAへのデータ書き込みとの両方が、図16に示すチャートのように実行される。図中において、Hレベルは高電位(約3.3V)を示し、Lレベルは低電位(ゼロV)を示している(これらの電位の基準は、接地電位VSSである)。また、信号を表す符号の下に示された矢印は、信号(データ)の流れる方向を示している。右向きの矢印は、メモリ制御回路501(図3)から記憶装置203へ向かう流れを示し、左向きの矢印は、記憶装置203からメモリ制御回路501へ向かう流れを示している。データ信号SDAは、双方向に流れ得る。
本実施例では、記憶装置203(図15:メモリセルアレイMCA)へのアクセスは、シーケンシャルなアクセスである。アクセス対象のメモリアドレスは、クロック信号SCKに基づき、所定の開始アドレスから所定の順番に更新される。本実施例では、メモリセルアレイへの書き込み、メモリセルアレイからの読み出しは行単位で一括して実行されるため、メモリアドレスは行を指定するアドレスとなる。メモリセルアレイMCAの第0行から1つずつ順番に、メモリセルがアクセスされる。1つの行(1つのワードに相当する)のデータサイズは、nビットである(nは1以上の整数。例えば、n=32)。アドレス生成部MLM2は、クロック信号SCKのn個のクロックパルスを受信する毎に、アクセス対象のメモリアドレスを、第0行、第1行、第2行・・・の順番に更新する。なお、第0行には、記憶装置203のID番号が予め格納されている。本実施例では、ID番号は3ビットで表されている。なお、行のメモリセルアレイ上の物理的な配置は、行のアクセス順通りでなくともかまわない。
記憶装置203(図15)にアクセスする場合には、メモリ制御回路501(図3)は、まず、電源電位VDDをHレベルに設定する。次に、メモリ制御回路501は、リセット信号RSTをHレベルに設定する。本実施例では、リセット信号RSTがHレベル(接地電位VSSとは異なる所定のレベル)にある状態で、記憶装置203は、クロック信号SCKに同期して動作する。リセット信号RSTがHレベル以外のレベル(例えば、Lレベル(接地電位VSSと同じ電位))である場合には、記憶装置203は、動作を停止する。メモリ制御回路501は、後にリセット信号RSTをHレベルからLレベルに変更することによって、全ての記憶装置203の動作をリセットすることができる(詳細は後述)。
次に、メモリ制御回路501(図3)は、クロック信号SCKを、回路基板200(図15)のクロック端子270に供給する。また、メモリ制御回路501は、クロック信号SCKに同期して、nビット分のデータ信号SDAをデータ端子240に供給する。nビットのデータのうちの最初の3ビットは、アクセス対象の記憶装置203のID番号を表している。続く1ビットは、コマンドを表している。コマンドは、データリード(R)とデータライト(W)とのいずれか一方である(例えば、LレベルがRを表し、HレベルがWを表す)。残りのビットは、ダミーデータである。
最初のn個のクロックパルスCP1を受信する間に、ロジックモジュールMLM(図15)は、以下の処理を実行する。アドレス生成部MLM2(図15)は、第0行を表すメモリアドレスを生成する。読み書き制御部MLM3は、生成されたアドレスのデータ(第0行データ)をメモリセルアレイMCAから読み出す(図16:ステップ10)。次に、ID比較部MLM1は、メモリセルアレイMCAから読み出された自己のID番号が、メモリ制御回路501(図3)によって指定されたID番号と同じか否かを判断する(ステップS20)。自己のID番号が、指定されたID番号と異なっている場合には、ロジックモジュールMLMは、処理を停止して、リセット信号RSTを監視する動作モードに移る(スタンバイ)。自己のID番号が、指定されたID番号と同じ場合には、ロジックモジュールMLMは、処理を続行する。ID番号に応じた処理の切換により、メモリ制御回路501によって指定された記憶装置203が、メモリ制御回路501の指示に応じた処理を実行する。次のステップS30では、読み書き制御部MLM3は、データ信号SDAで指定されたコマンドが、データリード(R)とデータライト(W)とのいずれであるかを判断する。最初のn個のクロックパルスの受信後、ロジックモジュールMLMは、コマンドに応じた処理を開始する。
コマンドがデータリードである場合には、ロジックモジュールMLM(図15)は、クロック信号SCKに同期してステップS41〜S4kの処理を実行する。上述したように、アドレス生成部MLM2(図15)は、n個のクロックパルスを受信する毎に、メモリアドレスを第0行から1行ずつインクリメントする。読み書き制御部MLM3は、アドレス生成部MLM2によって指定されたアドレスのデータをメモリセルアレイMCAから読み出す。そして、読み書き制御部MLM3は、クロック信号SCKに同期して1ビットずつ、読み出したデータを、データ信号SDAを利用して出力する。例えば、2番目のn個のクロックパルスCP2に応じて、読み書き制御部MLM3は、第1行のデータを出力する(S41)。詳述すると、2番目のn個のクロックパルスCP2のうち、最初のクロックパルスのときに読み書き制御部MLM3は、メモリセルアレイの第1行を読み出し、n個のクロックパルスCP2の各々のクロックパルスに同期して、読み出したnビットのデータをメモリ制御回路501に出力する。メモリ制御回路501(図3)は、クロック信号SCKに同期して、メモリセルアレイMCAに格納された第1行〜第k行のデータを、1ビットずつ受信する(kは1以上の整数)。図16の実施例では、第k行のデータを受信した後、メモリ制御回路501はクロック信号SCKの供給を停止する。
コマンドがデータライト(W)である場合には、ロジックモジュールMLM(図15)は、クロック信号SCKに同期してステップS51〜S5kの処理を実行する。メモリ制御回路501(図3)は、データ信号SDAを利用して、クロック信号SCKに同期して、メモリセルアレイMCAに格納するためのデータを1ビットずつロジックモジュールMLMに供給する。読み書き制御部MLM3は、受信したデータを、メモリセルアレイMCAの、アドレス生成部MLM2によって指定されたアドレスに、格納する。例えば、読み書き制御部MLM3は、2番目のn個のクロックパルスCP2に同期して受信したデータを、メモリセルアレイMCAの第1行に格納する(S51、S51w)。図16の実施例では、第k行のメモリセルへのデータ格納(S5kw)の後、メモリ制御回路501はクロック信号SCKの供給を停止する。
なお、後述するように、ホルダ4内で、インクカートリッジ100の位置が正しい位置からずれる可能性がある。このような位置ずれによって、回路基板200(図2)のデータ端子240が、接点機構400の接触部材440から離れたと仮定する。ここで、記憶装置203(図15)に電源電位VDDとリセット信号RSTとクロック信号SCKとが正常に供給される場合には、ロジックモジュールMLMは、データラインLsdaの電位に従ったデータ(誤ったデータ)を、メモリセルアレイMCAに書き込み得る(データラインLsdaの電位は、例えば、接地ラインLvssと同じであり得る)。このような要因に限らず、種々の要因に起因して、記憶装置203は、誤動作したり動作不能となり得る(詳細は後述)。
クロック信号SCKの供給停止の後、メモリ制御回路501(図3)は、リセット信号RSTをHレベルからLレベルに変更する。これにより、全ての記憶装置203は、自己の動作をリセットする。具体的には、アドレス生成部MLM2は、メモリアドレスを第0行にリセットする。また、ロジックモジュールMLMは、次にリセット信号RST(Hレベル)とクロック信号SCKとデータ信号SDAとを受信した場合には、図16のステップS10からの処理を実行する。なお、メモリ制御回路501は、リセット信号RSTをLレベルに設定した後、電源電位VDDをLレベルに設定する。これにより、全ての記憶装置203は、動作を停止する。
なお、メモリ制御回路501(図3)は、メモリ制御(第3)モジュールM30の指示に従って動作する。第3モジュールM30は、ホルダ4(図4)に装着された6つのインクカートリッジ100毎に、記憶装置203にアクセスする。記憶装置203に格納される情報としては、インクカートリッジ100に収容されるインクに関する種々の情報を採用可能である。例えば、インクの種類を表す情報を採用してもよい。第3モジュールM30は、記憶装置203からインク種類情報を読み出して、適切なインクカートリッジ100が装着されていることを確認してよい。また、インクカートリッジが印刷装置1000に装着されてからのインク消費量(例えば、ドット数)を採用してもよい。第3モジュールM30は、印刷時や、ノズルクリーニングの実行後や、ユーザが印刷装置1000に電源オフの指示を入力した時等に、記憶装置203に格納されたインク消費量を更新すればよい。こうすれば、第3モジュールM30は、記憶装置203からインク消費量を読み出すことによって、インク残量を推定することができる。なお、第3モジュールM30は、種々のタイミングで、記憶装置203にアクセスしてよい。
B.実施例の構成:
以上説明した第1実施例は、種々の構成(features)を有している。以下、それらの構成について説明する。
B1.構成1:
本実施例は、以下の構成を有している。
記憶装置203に電源電位VDDを供給する電源端子220の接触部220cが、第1ラインL1に配置されている(図10(C))。記憶装置203は、この電源端子220の接触部220cを介して、電源電位VDDを受ける。
ここで、第1ラインL1は、他のライン(本実施例では、第2ラインL2)に対して、先頭位置(先頭側)に配置されているラインである。先頭位置は、インクカートリッジ100が方向付けられて印刷装置1000に装着される際の先頭位置を示している。すなわち、先頭位置(先頭側)は、装着方向Zの先頭位置(先頭側)である。
次に利点について説明する。図17は、装着されたインクカートリッジ100の、ホルダ4内における位置ズレを示す説明図である。図17(A)、図17(B)には、インクカートリッジ100とホルダ4との断面(X方向と垂直な断面)が示されている。インクカートリッジ100のインク供給ポート110には、ホルダ4のインク供給針6が挿入される。従って、インクカートリッジ100のインク供給ポート110は、ホルダ4のインク供給針6に固定される。その結果、インクカートリッジ100は、インク供給ポート110の周りで、揺れ動き得る。なお、インク供給ポート110の開口110opでは、シール部材112が、インク供給針6に、接触している。従って、インクカートリッジ100の動きの中心MCは、センターラインCL上の、シール部材112とインク供給針6とが接触している部分の近傍である。
図17(A)、図17(B)は、インクカートリッジ100が、Z軸に対して+Y方向に傾いた状態を示している。このように傾いた状態は、種々の原因によって引き起こされる。例えば、ユーザがインクカートリッジ100をホルダ4(印刷装置1000)に装着する際に、傾いた状態でインクカートリッジ100をホルダ4に装着してしまう場合がある。また、インクカートリッジの図心CFがセンターラインCLを基準として+Y側にあることによって、インクカートリッジの端子210〜270が、接触部材410〜470から離れる方向に傾きやすい。この点については後に詳述する。
図17(A)には、第1ラインL1の接触部210c〜250cの移動距離daが示されている。図中の角度AGは、インク供給ポート110を中心とするインクカートリッジ100の傾き(回転角度)を示している。第1距離Raは、インク供給ポート110(回転中心MC)と、接触部210c〜250cとの距離を示している。
図17(B)には、第2ラインL2の接触部260c、270cの移動距離dbが示されている。第2距離Rbは、インク供給ポート110(回転中心MC)と、接触部260c、270cとの距離を示している。インクカートリッジ100の回転角度は、図17(A)と同じ、角度AGである。
角度AGが大きい場合には、接触部210c〜270cが接触部材410〜470から離れ得る。ここで、第1ラインL1は、第2ラインL2と比べて、接触部材から離れにくい。この理由は、以下の通りである。本実施例では、開口110opは、複数の端子210〜270の複数の接触部210c〜270cと比べて装着方向Z側に配置されている(図7、図17)。また、第1ラインL1は、他のライン(本実施例では、第2ラインL2)に対して、装着方向Zの先頭側に配置されている(本実施例では、複数のラインのうちのインク供給ポート110の開口110opに最も近いラインは第1ラインL1である、ということもできる(図7))。すなわち、第1距離Raは、第2距離Rbよりも、短い。ここで、角度AGが同じ場合には、第1ラインL1と接触部材410〜450との距離(第1移動距離da)は、第2ラインL2と接触部材460、470との距離(第2移動距離db)よりも、短い。なお、「開口110opが接触部210c〜270cと比べて装着方向Z側に配置されている」とは、装着方向Zと平行な方向の位置に関して、開口110opの位置が、接触部210c〜270cのそれぞれの位置と比べて、装着方向Z側にあることを意味している。
図18は、接触部210c〜270cの近傍の拡大図である。図18は、図17(A)、図17(B)のようにインクカートリッジ100が傾いた状態を示している。図示するように、角度AGの増大によって、第2ラインL2が、第1ラインL1よりも先に、接触部材から離れる。
このように、回路基板200に設けられた複数のラインL1、L2のうち、接触部材との接続不良の可能性が最も小さいラインは、第1ラインL1である。従って、回路基板200に設けられる複数の接触部のうちの、接続不良に起因する不具合の重大性が高い接触部を、第1ラインL1に配置することが好ましい。そこで、本実施例では、電源電位VDDのための接触部220cが、第1ラインL1に配置されている(図10(C))。
図19は、比較例を示す説明図である。図中には、回路基板の端子210〜270と、記憶装置203とが示されている。図19の構成では、電源電位VDDのための接触部が、第2ラインL2に配置され(接触部270c)、リセット信号RSTのための接触部と、データ信号SDAのための接触部とが、第1ラインL1に配置されている(接触部230c、240c)。具体的には、電源パッドPvddが端子270に接続され、リセットパッドPrst、データパッドPsdaが、端子230、240に、それぞれ接続されている。
図19の構成において、インクカートリッジが傾斜し、第2ラインL2と接触部材460、470(図18)との接触が切れている仮定する。そして、この状態で、メモリ制御回路501(図3)が記憶装置203にアクセスすると仮定する(図16)。この場合には、端子270を通じた記憶装置203への電源電位VDDの供給が、遮断される。その代わり、リセット信号RSTが、保護ダイオードD1を通じて、記憶装置203の電源ラインLvddに供給される。ただし、供給される電圧は、リセット信号RSTと比べて、保護ダイオードD1の順方向電圧(例えば、0.6V)だけ低い。
ここで、記憶装置203の動作電圧の許容範囲が2.7V〜3.3Vであると仮定する。この場合、メモリ制御回路501(図3)から端子230に供給されるリセット信号RSTの電圧も、2.7V〜3.3Vであり得る。リセット信号RSTの電圧が3.3Vである場合には、電源ラインLvddに2.7Vの電圧が供給される。この状態で、記憶装置203は動作し得る。しかし、電源ラインLvddの電圧が許容範囲の下限に近いので、記憶装置203の動作も不安定になり得る。また、リセット信号RSTの電圧が低い場合には(たとえば、2.7V)、記憶装置203が動作できなくなる場合もある。このような状況下では、ロジックモジュールMLMが、メモリセルアレイMCAに対する正しい制御信号を生成することができない可能性がある。例えば、ライト要求に応じて、ロジックモジュールMLMが、正しいライトデータDwとは異なる誤ったデータDweをメモリセルアレイMCAに格納する可能性がある。また、リード要求に応じて、ロジックモジュールMLMが、正しいリードデータDrとは異なる誤ったデータDreを出力する可能性がある。このように、一見正常に見える動作が、実際には誤動作であり得る。
そこで、本実施例では、記憶装置203に電源電位VDDを供給する接触部が、第1ラインL1に配置されている(接触部220c)。その結果、上述のような動作電圧の不安定さに起因する誤動作の可能性を低減できる。
また、図13(E)に示すように、本実施例では、装着方向Zの先頭位置に配置された第1ラインL1(図10(C))に対応する接触部材410〜450に関しては、他の接触部材460、470と比べて、表側FSの上を擦る距離が短い(Ds1<Ds2)。従って、第1ラインL1の接続不良の可能性は、他のラインと比べて、小さい。この観点からも、接続不良に起因する誤動作の重大性が高い接触部(例えば、電源電位VDDを受ける接触部)を、第1ラインL1に配置することが好ましい。
なお、リセット端子260とクロック端子270とのいずれかに接続不良が生じた場合には、記憶装置203が初期化される、もしくは、記憶装置203の動作が停止するので、電源端子220の接続不良が生じた場合と比べて、誤ったデータが書き込まれる可能性が小さい。そこで、本実施例では、これらの端子260、270の接触部260c、270cを、先頭ラインではない他のライン(本実施例では、第2ラインL2)に配置している。
また、図17(A)、図17(B)に示すように、本実施例では、インクカートリッジ100の1つの側壁(前壁101wf)に接触部210c〜270c(端子210〜270)が設けられている。そして、インク供給ポート110は、インクカートリッジ100の底壁101wbに設けられている。ここで、インク供給ポート110は、底壁101wbの前壁101wf側に偏った位置に配置されている。具体的には、本実施例では、底壁101wbにおける、前壁101wfに最も近い第1端E1(前壁101wfとの接続位置)と、第1端E1の反対側の第2端E2(後壁101wbkとの接続位置)との間の中間位置IPからみて、前壁101wf側に、インク供給ポート110が配置されている。また、装着方向Zは、重力方向の下向きと同じである。これらの結果、インクカートリッジ100の図心CFは、センターラインCL(中心MC)を基準として、+Y側にある(接点機構400のある側とは反対側)。図心CFは、+Xから−Xに向かってインクカートリッジ100を見たときの、インクカートリッジ100の輪郭の図心である。また、中間位置IPは、図心CFを装着方向Zに沿って底壁101wbに投影した位置とほぼ同じである。以上の構成により、インクカートリッジ100は、接触部210c〜270cが接触部材410〜470から離れる方向に、傾きやすい。このような状況下において、上述の構成1を採用すれば、その利点が顕著である。また、インク供給ポート110が第2端E2(後壁101wbk)よりも第1端E1(端子210〜270)に近いので、インク供給ポート110が第1端E1よりも第2端E2に近い場合と比べて、同じ角度AGに対する移動距離da、dbを小さくすることができる。従って、インクカートリッジ100が傾いた場合の、端子210〜270(接触部210c〜270c)と接触部材410〜470との接触不良の可能性を低減できる。
B2.構成2:
本実施例は、さらに、以下の構成を有してもよい。
外部装置(印刷装置1000の制御部(主制御回路40とキャリッジ回路500との全体))からのデータ信号SDAの受信と、外部(印刷装置1000の制御部)へのデータ信号SDAの送信とを行うデータ端子240の接触部240cが、第1ラインL1に配置されている(図10(C))。記憶装置203は、このデータ端子240の接触部240cを介して、データ信号SDAを受信し、そして、データ信号SDAを送信する。
図20は、構成2とは異なる構成を示す説明図である。図中には、回路基板の端子210〜270と、記憶装置203とが示されている。図20の構成では、データ信号SDAのための接触部が、第2ラインL2に配置されている(接触部270c)。具体的には、データパッドPsdaが端子270に接続されている。
図20の構成において、インクカートリッジが傾斜し、端子270と接触部材470(図18)との接触が切れたと仮定する。そして、この状態で、メモリ制御回路501(図3)が記憶装置203にアクセスすると仮定する(図16)。この状態では、端子270を通じたデータ信号SDAの双方向の伝送(送信と受信)が、遮断される。従って、記憶装置203は、電源電位VDDとリセット信号RSTとクロック信号SCKとを受けている場合には動作し得るが、正常に動作することができない。例えば、ライト要求に応じて、記憶装置203が、正しいライトデータDwとは異なる誤ったデータDweを格納する可能性がある。記憶装置203は、印刷装置1000の接触部材470から電気的に接続がとれておらず、接触部材から離れたデータパッドPsda(図15:データラインLsda)の電位に従ったデータ(誤ったデータ)に基づいて動作する。データラインLsdaの電位は、例えば、Lレベルであり得る。この場合、誤ったデータDweは、全ビットがLレベルに設定されたデータである。同様に、リード要求に応じてメモリ制御回路501によって受信されるデータが、正しいリードデータDrとは異なる誤ったデータDreである可能性がある(例えば、全ビットがLレベルに設定されたデータ)。このように、一見正常に見える動作が、実際には誤動作であり得る。
そこで、本実施例では、データ信号SDAを送受信するためのデータ端子の接触部が、第1ラインL1に配置されてもよい(接触部240c)。その結果、上述のような誤動作の可能性を低減できる。
B3.構成3:
本実施例は、さらに、以下の構成を有してもよい。
クロック信号SCKを受けるためのクロック端子270の接触部270cが、第1ラインL1とは異なるライン(本実施例では、第2ラインL2)に配置されている(図10(C))。
本実施例の記憶装置203は、クロック信号SCKの供給が遮断されている場合には、動作を停止する。従って、クロック端子270の接続不良が生じた場合には、電源端子220やデータ端子240に接続不良が生じている場合と比べて、記憶装置203に誤ったデータが書き込まれる可能性が小さい。そこで、本実施例のように、クロック端子270の接触部270cを第1ラインL1とは異なるライン(例えば、第2ラインL2)に配置すれば、記憶装置203に誤ったデータが書き込まれる可能性を高くせずに、複数の接触部を複数のラインに分散できる。これにより、複数の接触部を1つのラインに配置した場合と比べて、各ラインの長さを短くすることができる(すなわち、装置の小型化が可能である)。
B4.構成4:
本実施例は、さらに、以下の構成を有してもよい。
リセット信号RSTを受けるためのリセット端子260の接触部260cが、第1ラインL1とは異なるライン(本実施例では、第2ラインL2)に配置されている(図10(C))。
本実施例の記憶装置203は、リセット信号RSTの供給が遮断されている場合には、記憶装置203はリセットパッドから入力される信号がハイレベルよりも低い電位の信号となり、記憶装置203は動作を停止するか、記憶装置203は自身をリセットする。従って、リセット端子260の接続不良が生じた場合には、電源端子220やデータ端子240に接続不良が生じた場合と比べて、記憶装置203に誤ったデータが書き込まれる可能性が小さい。そこで、本実施例のように、リセット端子260の接触部260cを第1ラインL1とは異なるライン(例えば、第2ラインL2)に配置すれば、記憶装置203に誤ったデータが書き込まれる可能性を高くせずに、複数の接触部を複数のラインに分散できる。これにより、複数の接触部を1つのラインに配置した場合と比べて、各ラインの長さを短くすることができる(すなわち、装置の小型化が可能である)。
B5.構成5:
本実施例は、さらに、以下の構成を有してもよい。
複数の接触部210c〜270cは、同じ平面上に配置されている(図10(C))。その平面と垂直な方向(Y方向)に沿って(+Yから−Yに向かって)インク供給ポート110の中心軸(センターラインCL)をその平面上に投影したときに、中心軸CLから最も遠い位置に配置されている接触部は、センサ端子210、250の接触部210c、250cである(図10(C))。
センサ端子210、250は、印刷装置1000の主制御回路40およびキャリッジ回路500が、インクカートリッジ100が装着されている否かを検出するための信号を回路基板200に供給する端子である(図3)。また、図21に示すように、インクカートリッジ100の位置がズレた場合には、センターラインCLから遠い位置での位置ズレ(d1、d5)が、センターラインCLに近い位置での位置ズレ(d2、d3、d4)よりも、大きい。従って、センターラインCLに近い端子230が、対応する接触部430cと正しく(位置ズレ無く)接触している場合であっても、センターラインCLから遠い端子210、250が、対応する接触部410c、450cと接触していないことがある。そこで、センターラインCLから最も遠い位置に、センサ端子210、250の接触部210c、250cを配置すれば、インクカートリッジ100の装着に関する誤検出の可能性を低減できる。例えば、インクカートリッジ100の位置がずれていて、装着が適切では無い場合に、誤って「装着」が検出される可能性を低減できる。センサ端子210、250は、印刷装置1000の制御部(主制御回路40とキャリッジ回路500)が、印刷装置1000にインクカートリッジ100が正しく装着されたかどうか、あるいは、印刷装置の制御部が、自身と回路基板の端子が正しく接続されているかどうかを検出するための機能を持つので、カートリッジ装着検出端子ともいえる。
また、装着検出用の2つの接触部210c、250cの間に電源端子230の接触部230cが配置されているので、装着検出が確認された状態では、電源端子230の電気的接続も達成されている可能性が高い。この結果、電源端子230の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
また、センサ端子210、250は、他の端子220〜240、260、270と比べて、高い電圧を受ける(高い電圧が印加される)ための端子である(図3)。このような端子210、250の接触部210c、250cを、センターラインCLから最も遠い位置に配置すれば、それらの接触部210c、250cが端に配置されることになるので、接触部210c、250cに近い他の接触部の数を低減できる。従って、高い電圧を出力し得る接触部材410、450が、意図しない端子(例えば、記憶装置203に接続された端子)と接触する可能性を低減できる。このような意図しない接触は、インクカートリッジ100の装着(あるいは、取り外し)の最中に生じ得る。また、意図しない接触は、回路基板200に付着したインクやゴミ等を介して、生じ得る。
なお、複数の接触部210c〜270cは、必ずしも同一平面上に配置されている必要はなく、略平面上に配置されていればよい。
B6.構成6:
本実施例は、さらに、以下の構成を有してもよい。
センサ端子210、250の接触部210c、250cを含むライン(第1ラインL1)は、複数のラインのうちの最も長いラインである(図10(C))。ここで、ラインの長さとは、各ラインにおける接触部の位置が最も端の2つの接触部間の長さのことである。図10(C)に示す例では、ラインL1,ラインL2の長さのことである。
この構成は、センサ端子210、250の接触部210c、250cの間の距離が、他のラインの両端の距離よりも、長いことを示している。これにより、回路基板200の位置ズレ(ホルダ4(図4)に対するインクカートリッジ100の位置ズレ)が大きい場合に、2つの接触部210c、250cの少なくとも一方の接点機構400に対する位置ズレも大きくなる。また、接触部210c、250cを、1つのラインの両端に配置することによって、接触部210cに近い他の接触部の数と、接触部250cに近い他の接触部の数と、の少なくとも一方を低減できる。また、この構成6は、前述した構成5と同様の利点を有する。すなわち、インクカートリッジ100の装着に関する誤検出の可能性を低減できる。また、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。さらに、高い電圧を出力し得る接触部材410、450が、意図しない端子(例えば、記憶装置203に接続された端子)と接触する可能性を低減できる。
B7.構成7:
第2ラインL2の接触部(260c、270c)のための接触部材(460、470)は、インクカートリッジ100の装着(あるいは、取り外し)の最中に、回路基板200の先頭ライン(第1ラインL1)の端子と接触する可能性がある。従って、他のラインの接触部の総数を、第1ラインL1の接触部の総数よりも少なくすれば、印刷装置1000の接触部材が、回路基板200の意図しない端子と接触する可能性を低減できる。その結果、回路基板200の故障の可能性を低減できる。ここで、他のラインの総数が2以上であってもよい。この場合には、先頭ラインの接触部の総数が、他のラインの全体における接触部の総数よりも多いことが好ましい。
また、図17、図18の構成1で説明したように、先頭の第1ラインL1は、他のラインと比べて、接続不良の可能性が小さい。従って、第1ラインL1の接触部の総数を多くすれば、複数の接触部の全体の接続不良の可能性を低減できる。
C.第2実施例:
図22、図23は、インク供給システム(記録材供給システム)の第2実施例を示す斜視図である。図6(A)、図6(B)に示す実施例との差違は、インクカートリッジ100における要素のうち、インク収容部130(インク供給ポート110とインク室120との全体)が、他の要素から分離している点だけである。印刷装置1000の構成は、上述の第1実施例の構成と同じである。
このインク供給システムSIは、構造体100A(以下「アダプタ100A」とも呼ぶ)と、インク収容部100Bとを、含んでいる。インク収容部100Bは、インクを収容する筐体101Bと、インク供給ポート110と、を含んでいる。筐体101Bの内部には、インクを収容するインク室120Bが形成されている。インク供給ポート110は、筐体101Bの底壁101Bwb(+Z方向の壁)に、形成されている。インク供給ポート110は、インク室120Bに連通している。インク供給ポート110の構成は、上述のインクカートリッジ100のインク供給ポート110の構成と、同じである(図6〜図9)。
アダプタ100Aは、本体101Aと、回路基板200とを含んでいる。本体101Aの内部には、インク収容部100Bを受け入れる空間101ASが形成されている。本体101Aの上部(−Z方向)には、空間101ASへ通じる開口101ASopが設けられている。また、本体101Aは、前壁101Awfと、底壁101Awbとを含んでいる。前壁101Awfは、−Y方向の壁であり、底壁101Awbは、+Z方向の壁である。前壁101Awfは、底壁101Awbと交差(本実施例では、実質的に直交)している。
前壁101Awfの構成は、上述のインクカートリッジ100の前壁101wfと同じである(図6〜図9)。前壁101Awfに回路基板200が固定されている。底壁101Awbの構成は、開口101AHを有する点を除いて、上述のインクカートリッジ100の底壁101wbと同じである。インク収容部100Bが空間101ASの中に収められた状態では、インク供給ポート110が、開口101AHを通じて、アダプタ100Aの外へ突出する。なお、開口101AHは、回路基板200の複数の端子210〜270の複数の接触部210c〜270cよりも、装着方向Z側に配置されている。また、開口101AHは、装着方向Zに貫通する開口である。また、「開口101AHが複数の接触部210c〜270cよりも装着方向Z側(すなわち、装着する際の印刷装置1000に対するアダプタ100Aの移動方向側)に配置されている」とは、装着方向Zと平行な方向の位置に関して、開口101AHの位置が、接触部210c〜270cのそれぞれの位置と比べて、装着方向Z側にあることを意味している。
図24は、アダプタ100Aとインク収容部100Bとがホルダ4に装着された状態を示す断面図である。この断面図は、図9と同様の断面図を簡略化したものである。アダプタ100Aは、インクカートリッジ100と同様に、装着方向Zへの移動を通じて、ホルダ4に装着される。そして、インク収容部100Bも、装着方向Zへの移動を通じて、ホルダ4に装着される。インク収容部100Bは、アダプタ100Aに収められた状態で、ホルダ4に装着される。
アダプタ100Aの開口101AHは、アダプタ100Aがホルダ4に装着された場合に、インク供給針6と対向するように構成されている。これは、アダプタ100Aがホルダ4に装着された状態で、インク供給針6が開口101AHに向かって突出することを意味している。ここで、アダプタ100Aのホルダ4への装着によって、インク供給針6の先端が、開口101AHを通り抜けてもよい。この代わりに、アダプタ100Aがホルダ4に装着された状態で、インク供給針6の先端が開口101AHの手前に配置されてもよい。いずれの場合も、開口101AHから+Z方向に突出したインク供給ポート110に、インク供給針6が挿入される。
本実施例では、センサ104(図3)は省略され、その代わりに、回路基板に設けられたキャパシタがセンサ端子210、250に接続されている。そして、カートリッジ検出回路503aは、キャパシタを利用して、図14と同じ手順に従って、アダプタ100Aが装着されているか否かを検出する。
また、本実施例では、インク収容部100Bは、上述のインクカートリッジ100と同様に、インク供給ポート110の周りで揺れ動き得る。この場合、アダプタ100Aも、インク収容部100Bと接触して、インク供給ポート110の周りで揺れ動き得る。従って、本実施例のインク供給システムSIに関しても、上述のインクカートリッジ100と同様の種々の不具合が生じ得る。そこで、本実施例では、アダプタ100Aの構成が、上述のインクカートリッジ100と同じである(インク室120Bとインク供給ポート110とが省かれている点を除く)。すなわち、アダプタ100Aは、上述のインクカートリッジ100と同じ構成を有している(例えば、構成1〜構成7)。その結果、本実施例のインク供給システムSIは、上述のインクカートリッジ100と同様の種々の利点を有する。
なお、ホルダ4に装着された状態では、アダプタ100Aの位置は、インク収容部100Bによって決まる(制限される)。すなわち、アダプタ100Aは、インク収容部100Bによって支持されている、ということができる。また、アダプタ100Aは、一度ホルダ4に装着された後は、交換不要である。インク収容部内のインクがなくなった場合には、アダプタ100Aを外さずに、空になったインク収容部100B取り外し、インクが充填された新品のインク収容部を装着するように、インク収容部を交換してよい。
なお、本実施例に関しては、上述の構成1〜構成7は、以下のように修正される。すなわち、回路基板200上の端子(接触部)とインク供給ポート110の中心軸(センターラインCL)との位置関係の代わりに、端子(接触部)と、「アダプタ100Aが印刷装置1000に位置ズレ無く(正しく)装着された状態におけるインク供給針6の中心軸(センターラインCL)」との位置関係が採用される。また、第1ラインL1が開口101AHに近いことは、アダプタ100Aとインク収容部100Bとが印刷装置1000に装着された状態において、第1ラインL1がインク供給ポート110の開口110opに近いこと、を意味している。また、本実施例では、アダプタ100Aが印刷装置1000に正しく(位置ズレ無く)装着された状態で、複数のライン(接触部のライン)のうちのインク供給針6に最も近いラインは第1ラインL1である、と言うこともできる。
D.第3実施例:
図25、図26は、インク供給システム(記録材供給システム)の第3実施例を示す斜視図である。図22、図23に示す実施例との主な差違は、アダプタ100Aa(構造体100Aa)のX方向の壁(X方向と垂直な壁)が省略されている点である。アダプタ100Aaの本体101Aaは、前壁101Aawfと、底壁101Aawbと、後壁101Aawbkとを有している。インク供給システムSIaの他の構成は、図22、図23に示すインク供給システムSIの構成と、同様である。図25、図26では、インク供給システムSI(図22、図23)の要素と同じ要素には、同じ符号が割り当てられている。前壁101Aawfには、回路基板200が固定されている。
アダプタ100Aaの前壁101Aawfの内面(インク収容部100Ba側の面)には、装着方向Zと平行な第1レールRL1が設けられている。インク収容部100Baの前壁101Bawfには、第1レールRL1に対応する第1溝G1が形成されている。アダプタ100Aaの後壁101Aawbkの内面(インク収容部100Ba側の面)には、装着方向Zと平行な第2レールRL2が設けられている。インク収容部100Baの後壁101Bawbkには、第2レールRL2に対応する第2溝G2が形成されている。第1レールRL1を第2溝G2に挿入し、第2レールRL2を第2溝G2に挿入することによって、インク収容部100Baは、アダプタ100Aaに装着される。この状態で、インク収容部100Baのインク供給ポート110は、アダプタ100Aaの底壁101Aawbの開口101AaHを通り抜けて、アダプタ100Aaの外へ突出する(図示省略)。
インク供給システムSIaは、図24に示すインク供給システムSIと同様に、ホルダ4に装着される。本実施例においても、アダプタ100Aaは、インク収容部100Baと接触して、インク供給ポート110の周りで揺れ動き得る。従って、本実施例のインク供給システムSIaに関しても、上述の各実施例と同様の種々の不具合が生じ得る。一方、本実施例のインク供給システムSIaは、上述のインク供給システムSIと同様の構成(例えば、構成1〜構成7)を有している。その結果、インク供給システムSIaは、上述のインク供給システムSIと同様の種々の利点を有する。
E.第4実施例:
図27は、インク供給システム(記録材供給システム)の第4実施例の説明図である。図25、図26のインク供給システムSIaとの差違は、後壁101Bawbkが省略されている点である。インク供給システムSIbの他の構成は、図25、図26のインク供給システムSIaの構成と同じである。図27には、図24と同様の断面図が示されている。アダプタ100Ab(構造体100Ab)の本体101Abは、前壁101Aawfと、底壁101Aawbとを有している。アダプタ100Abは、インク収容部100Baと接触して、インク供給ポート110の周りで揺れ動き得る。また、このインク供給システムSIbは、上述のインク供給システムSIと同様の構成(例えば、構成1〜構成7)を有している。その結果、インク供給システムSIbは、上述のインク供給システムSIと同様の種々の利点を有する。
F.第5実施例:
図28は、インク供給システム(記録材供給システム)の第5実施例の説明図である。図27に示すインク供給システムSIbとの差違は、底壁101Aawbが省略されている点である。インク供給システムSIcの他の構成は、インク供給システムSIbの構成と同じである。図28には、図27と同様の断面図が示されている。アダプタ100Ac(構造体100Ac)の本体101Acは、前壁101Aawfを有している。アダプタ100Acは、インク収容部100Baと接触して、インク供給ポート110の周りで揺れ動き得る。また、このインク供給システムSIcは、上述のインク供給システムSIと同様の構成(例えば、構成1〜構成7)を有している。その結果、インク供給システムSIcは、上述のインク供給システムSIと同様の種々の利点を有する。なお、本実施例では、アダプタ100Acは、インク収容部100Baに装着された状態で、利用される。この装着のための構成としては、任意の構成を採用可能である。例えば、インク収容部100Baに突起を設け、アダプタ100Acに凹部を設け、その突起をその凹部に挿入することによって、アダプタ100Acをインク収容部100Baに装着してよい。
G.第6実施例:
図29は、インク供給システム(記録材供給システム)の第6実施例の説明図である。図28に示すインク供給システムSIcとの差違は、記憶装置203が、回路基板ではなく、インク収容部に設けられている点と、記憶装置203と、回路基板に設けられた端子とを接続するための導電路が追加されている点である。インク供給システムSIdの他の構成は、インク供給システムSIcの構成と同じである。図29には、図28と同様の断面図と、回路基板200dの周辺の拡大図とが示されている。アダプタ100Ad(構造体100Ad)の本体101Adは、前壁101Adwfを有している。前壁101Adwfには、回路基板200dが固定されている。また、インク収容部100Bdには、記憶装置203が固定されている。図29では、図28のインク供給システムSIcの要素と同じ要素には、同じ符号が割り当てられている。
回路基板200dは、基板205と、基板205上に形成された複数の端子とを有している。複数の端子は、図10(C)に示す端子210〜270と同じである。図中には、代表して電源端子220とリセット端子260とが示されている。電源端子220には、導電路E2cが接続されている。導電路E2cは、基板205と、アダプタ100Adの前壁101Adwfとを貫通している。導電路E2cは、電源端子220から+Y方向に延びて端子E2aへ至る。端子E2aは、前壁101Adwfの内表面(インク収容部100Bdと対向する面)に露出している。リセット端子260にも、導電路E2cと同様の構成を有する導電路E6cが接続されている。記憶装置203のための他の端子(端子230、240、270)にも、同様の導電路が接続されている(図示省略)。なお、前壁101Adwfの構成は、導電路E2c、E6cの通る孔が形成されている点を除いて、図28の前壁101Aawfの構成と同じである。
インク収容部100Bdの前壁101Bdwfには、基板203sが固定されている。基板203sの裏面(前壁101Bdwfと対向する面)には、記憶装置203が固定されている。基板203sの反対側の面(アダプタ100Adと対向する面)には、複数の端子が設けられている。図29には、代表して2つの端子E2b、E6bが示されている。基板203sに設けられた複数の端子は、記憶装置203の複数のパッド(図3:Pvdd〜Pvss)に、それぞれ接続されている。端子E2bには、電源パッドPvddが接続され、端子E6bには、リセットパッドPrstが接続されている。また、端子E2bは、端子E2aと対向する位置に配置されている。端子E6bは、端子E6aと対向する位置に配置されている。
アダプタ100Adが、正しい位置でインク収容部100Bdに装着(接触)した状態で、インク供給システムSIdがホルダ4に正しく装着された場合には、端子E6aが端子E6bと接触し、端子E2aが端子E2bと接触する。これにより、リセット端子260にはリセットパッドPrstが接続され、電源端子220には電源パッドPvddが接続される。図示が省略された記憶装置203のパッドと基板205の端子との他の組み合わせについても、同様に、接続される。その結果、印刷装置1000は、基板205の端子を介して、記憶装置203にアクセス可能である。
本実施例のインク供給システムSIdも、図28に示すインク供給システムSIcと同様の種々の構成(例えば、構成1〜構成7)を有している。その結果、インク供給システムSIdは、インク供給システムSIcと同様の種々の利点を有する。
また、本実施例の構成(記憶装置203が、回路基板200dではなくインク収容部100Bdに固定されている)は、図28のインク供給システムSIcに限らず、図22〜図27に示すインク供給システムSI、SIa、SIbのそれぞれに適用可能である。一般には、印刷装置1000の接触部材410〜470(図11)に接触するための端子を有する回路基板の構成としては、基板と、その基板上に配置された複数の端子とを有する種々の構成を採用可能である。ここで、端子は、記憶装置203に電気的に接続されるための端子を含んでいる。
H.第7実施例:
図30は、第7実施例における印刷装置1000Kを示す説明図である。図1に示す印刷装置1000との差違は、インクカートリッジ100Kを受けるホルダ4Kが、印刷ヘッドを含むキャリッジ(図示せず)ではなく、印刷装置1000Kの筐体に固定されている点である。ホルダ4Kと印刷ヘッドとは、図示しないインクチューブによって接続されている。インクカートリッジ100Kのインクは、このチューブを介して、印刷ヘッドに供給される。
図31は、インクカートリッジ100Kの斜視図である。インクカートリッジ100Kは、筐体101Kと、回路基板200と、インク供給ポート110Kと、を有している。筐体101Kは、前壁101Kwfと底壁101Kwbとを含んでいる。前壁101Kwfは、底壁101Kwbと交差(本実施例では、実質的に直交)している。筐体101Kの内部には、インクパック101Pが収められている。
回路基板200は、上述の各実施例の回路基板200と同じである。回路基板200は、筐体101Kの前壁101Kwfに固定されている。前壁101Kwfのうちの、回路基板200が固定される部分の形状(例えば、突起P1、P2)は、上述の実施例の前壁101wfと同じである(図6(A))。
インク供給ポート110Kの構成は、上述の各実施例のインク供給ポート110の構成と同じである。インク供給ポート110Kは、筐体101Kの底壁101Kwbに設けられている。インク供給ポート110Kは、インクパック101Pと連通している。
底壁101Kwbには、さらに、位置決め穴127、128と、加圧穴17と、が形成されている。加圧穴17に空気を供給することによって、インクパック101Pに圧力を加えることができる。このような加圧は、インク供給の促進のために、行われる。
図32は、ホルダ4Kの斜視図である。本実施例では、ホルダ4Kは、インクカートリッジ100K毎に設けられている。ホルダ4Kは、可動支持部102Kと、接点機構400Kと、インク供給針6Kと、位置決め突出部103Ka、103Kbと、回動レバー108Kと、を含んでいる。可動支持部102Kは、インクカートリッジ100Kの底壁101Kwb(図31)と接触することによって、インクカートリッジ100Kを支持する。可動支持部102Kには、位置決め突出部103Ka、103Kbが固定されている。位置決め突出部103Ka、103Kbは、−Z方向に突出しており、インクカートリッジ100Kの位置決め穴127、128に、それぞれ挿入される。可動支持部102Kの前方向(−Y方向)には、接点機構400Kが固定されている。この接点機構400Kの構成は、上述の接点機構400の構成と同じである(図11)。図示は省略するが、各接点機構400Kには、キャリッジ回路500(図3)と同様の回路が接続されている。
本実施例では、インクカートリッジ100Kを装着方向Zに移動させることによって、インクカートリッジ100Kがホルダ4Kに装着される。ここで、インクカートリッジ100Kが可動支持部102Kに押しつけられることによって、可動支持部102Kが+Z方向に移動する。図32中の2つめのホルダ4K(4Ka)は、インクカートリッジ100Kが装着される前の状態を示している。3つめのホルダ4K(4Kb)は、インクカートリッジ100Kが装着された状態を示している(インクカートリッジ100Kの図示は省略されている)。以下、ホルダ4Kbによって示される可動支持部102Kの位置を「装着位置」とも呼ぶ。可動支持部102Kが+Z方向に移動することによって、インク供給針6Kが、可動支持部102Kの−Z方向に現れる。そして、インク供給針6Kは、インクカートリッジ100Kのインク供給ポート110K(図31)に挿入される。
インクカートリッジ100Kを装着する際には、インクカートリッジ100K(可動支持部102K)は、一旦、装着位置よりも深い位置(+Z方向にシフトした位置)まで押し込まれる。これにより、回動レバー108Kの先端に設けられたピン112Kが、インクカートリッジ100Kの図示しない係止部に係合する。そして、インクカートリッジ100K(可動支持部102K)が、装着位置に保持される。インクカートリッジ100K(可動支持部102K)を、再び、装着位置よりも深い位置まで押し込むと、ピン112Kの係合が解除される。そして、インクカートリッジ100Kは、ホルダ4Kから排出される。このような回動レバー108Kと係止部との構成としては、既知の種々の構成を採用可能である。
本実施例では、インクカートリッジ100Kは、第1実施例のインクカートリッジ100と同様に、インク供給ポート110Kの周りで揺れ動き得る。従って、本実施例においても、上述の第1実施例のインクカートリッジ100と同様の種々の不具合が生じ得る。そこで、本実施例では、インクカートリッジ100Kに、上述のインクカートリッジ100と同様の回路基板200とインク供給ポート110Kとを設けている。回路基板200とインク供給ポート110Kの構成は、第1実施例の回路基板200とインク供給ポート110の構成と、それぞれ同じである。また、回路基板200の第1ラインL1(図10(C))は、他のラインと比べて、インク供給ポート110Kの開口に近い。すなわち、インクカートリッジ100Kは、第1実施例のインクカートリッジ100と同じ構成を有している(例えば、構成1〜構成7)。その結果、本実施例のインクカートリッジ100Kは、第1実施例のインクカートリッジ100と同様の種々の利点を有する。
I.回路基板の変形例:
図33は、回路基板の別の実施例を示す説明図である。図10(C)に示す回路基板200との差違は、7つの端子210G〜270Gが、X方向に延びる1つのラインを形成するように配置されている点である。各端子210G〜270Gは、第1実施例の端子210〜270と比べて、Z方向に長い略矩形状に形成されている。なお、端子210G〜270Gの接触部210Gc〜270Gcの配置は、第1実施例の接触部210c〜270cの配置と、同じである。従って、上述の各実施例において回路基板200、200dの端子210〜270の代わりにこの回路基板200Gの端子210G〜270Gを採用する場合も、上述の種々の利点を得ることができる。
図34は、回路基板の別の実施例を示す説明図である。図10(C)に示す回路基板200との差違は、各端子210H〜270Hの形状が、不規則に定められている点である。この実施例においても、端子210H〜270Hの接触部210Hc〜270Hcの配置は、第1実施例の接触部210c〜270cの配置と、同じである。従って、上述の各実施例において回路基板200、200dの端子210〜270の代わりにこの回路基板200Hの端子210H〜270Hを採用する場合も、上述の種々の利点を得ることができる。
図35は、回路基板の別の実施例を示す説明図である。図10(C)に示す回路基板200との差違は、各端子210J〜270Jの形状が、不規則に定められている点である。また、この実施例の回路基板200Jでは、上述の回路基板200、200Gとは異なり、装着方向Zに沿って(−Zから+Zに向かって)見たときに、複数の端子が重なるように、端子210J〜270Jの形状が定められている。この実施例においても、端子210J〜270Jの接触部210Jc〜270Jcの配置は、第1実施例の接触部210c〜270cの配置と、同じである。従って、上述の各実施例において回路基板200、200dの端子210〜270の代わりにこの回路基板200Jの端子210J〜270Jを採用する場合も、上述の種々の利点を得ることができる。
図36は、回路基板の別の実施例を示す説明図である。5つの端子210K〜250Kは、図10(C)の端子210〜250と同じ導電部分に加えて、−Z方向に向かって延びるライン状の導電部分を含んでいる。2つの端子260K、270Kは、図10(C)の端子260、270と同じ導電部分に加えて、+Z方向に向かって延びるライン状の導電部分を含んでいる。この実施例においても、端子210K〜270Kの接触部210Kc〜270Kcの配置は、第1実施例の接触部210c〜270cの配置と、同じである。従って、上述の各実施例において回路基板200、200dの端子210〜270の代わりにこの回路基板200Kの端子210K〜270Kを採用する場合も、上述の種々の利点を得ることができる。
J.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
図21に示す実施例において、電源端子220の接触部220cが、センターラインCLと重なる位置に配置されていてもよい。また、回路基板200の全体が、センターラインCLと重ならない位置に配置されてもよい。また、装着方向Zに沿って(−Zから+Zに向かって)見たときに、一部の接触部が他の接触部と重なるように配置されてもよい。
いずれの場合も、電源端子の接触部が、先頭のライン(第1ラインL1)に配置されていることが好ましい。こうすれば、電源端子の接続不良の可能性が低減されるので、端子を介する電気的接続を利用する場合の不具合の可能性を低減できる。
変形例2:
上述の各実施例において、インクカートリッジ100、100Kやアダプタ100A、100Aa、100Ab、100Ac、100Adに搭載されるデバイスとしては、種々のデバイスを採用可能である。例えば、センサ104は、インクカートリッジ100内のインクに電圧を印加して、その抵抗値を測定するセンサであってもよい。抵抗値から、インクの性状や、量を検出することができる。また、インクカートリッジ100、100Kやアダプタ100A、100Aa、100Ab、100Ac、100Adの装着の検出に利用されるデバイスとしては、圧電素子に限らず、種々のデバイスを採用可能である。例えば、圧電素子の代わりにキャパシタを採用してもよい。また、2つの端子を接続(短絡)する導電経路を採用してもよい。導電経路を採用する場合には、2つの端子間の導通を確認することによって、装着を検出することができる。また、インク残量を検出するセンサとは別に、装着の検出に利用されるデバイスを設けてもよい(この場合、追加デバイスのための端子が追加される)。また、上述の各実施例において、インク残量を検出するセンサを省略してもよい。
また、記憶装置203の構成としては、図15に示す構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、記憶装置203が寄生ダイオードを含む場合には、その寄生ダイオードと同等の回路を形成する保護ダイオードを省略してもよい。また、クロック信号に基づきメモリアドレスを生成せず外部装置(例えば、図3の印刷装置1000の制御部(主制御回路40とキャリッジ回路500との全体))から、データ信号線を利用して、コマンド、メモリアドレスを受信するシリアルメモリを、記憶装置203として採用してもよい。あるいは、印刷装置の制御部に複数の記憶装置がバス接続で接続されるのではなく、印刷装置の制御部と複数の記憶装置が各々接続されてもよい。この場合、印刷装置の制御部は、リセット信号に替えて、チップセレクト信号をアクセス対象の記憶装置に送信し、チップセレクト信号のレベルによりリセット状態と動作状態を制御してもよい。このようなメモリの動作(例えば、メモリ内部のカウンタ、レジスタの値)は、チップセレクト信号の変化に応じてリセットされる。従って、チップセレクト信号は、「リセット信号」に相当する。また、上記実施例の記憶装置からリセット端子パッドを省略し、電源パッドに供給される電源電位のレベルの変化に基づき、上記実施形態の記憶装置のリセット信号のレベル変化によって記憶装置で実行される動作が実行されるようにしてもよい。この場合、電源電位が供給されたことに基づき、記憶装置が動作状態となり、電源電位の供給が止まると、記憶装置はリセットされる。また、記憶装置203に限らず、データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行う種々のデバイスを採用可能である。例えば、データの更新が禁止されたメモリ(例えば、ROM)を採用してもよい。このようなメモリは、インクの種類を表す情報を格納してよい。また、CPUとメモリとを有するエンベディッドメモリを採用してもよい。こうすれば、CPUによるデータ処理のアルゴリズムに応じた柔軟な制御が可能である。いずれの場合も、デバイスとしては、記録材消費装置(例えば、図3の印刷装置1000)から電源電位を受けて動作する種々のデバイスを採用可能である。電源電位の供給を受けて動作するデバイスを利用する場合には、電源電位供給の遮断が重大な不具合(例えば、誤動作)を引き起こし得る。従って、電源電位を受けるための接触部が、先頭のラインに配置されていることが好ましい。
さらに、デバイスの配置としては、任意の配置を採用可能である。例えば、記憶装置203(図3)が、基板とは異なる他の部材(例えば、図6の筐体101や、図22の本体101Aや、図31の筐体101K)に直接に固定されていてもよい。
また、端子の総数としては、利用されるデバイスに応じた任意の数を採用可能である。そして、複数の接触部を、3以上のラインを形成するように配置してもよい。また、先頭ライン以外のラインが、先頭ラインと比べて接触部の総数が多いラインを含んでもよい。いずれの場合も、複数の接触部を複数のラインに分散して配置すれば、図21に示すように各接触部とセンターラインCLとの距離を短くできる。その結果、各接触部の位置ズレを低減できる。
変形例3:
上述の各実施例において、インク供給システムの構成としては、図6〜図9、図22〜図23、図25〜図26、図27、図28、図29、図31に示す構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、1つのインクカートリッジに、複数のインク収容部(インク室とインク供給ポートとのセット)が設けられていてもよい。
また、複数の端子の少なくとも一部を、基板とは異なる他の部材(例えば、図6の前壁101wfや、図22の前壁101Awfや、図31の前壁101Kwf)上に直接に形成してもよい。なお、前壁上に直接に端子が形成されている場合に限らず、前壁に装着された基板上に端子が形成されている場合にも、「端子が前壁に設けられている」、ということができる。
なお、記録材消費装置(例えば、図3の印刷装置1000)に電気的に接続される回路基板を、記録材消費装置に装着(接続)するための構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、図6(A)や図31に示す実施例のように、回路基板をインクカートリッジに固定してもよい。また、図22〜図29に示す実施例のように、回路基板を構造体(アダプタ)に固定してもよい。ここで、構造体(アダプタ)の構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、図22〜図27に示す実施例のように、単独で記録材消費装置に装着され得る構成を採用してもよい。また、図28、図29に示す実施例のように、構造体が記録材収容部(例えば、図28のインク収容部100Ba)に固定された状態で、その記録材収容部とともに構造体が記録材消費装置に装着されてもよい。いずれの場合も、構造体の位置が記録材収容部によって決まる(制限される)場合、すなわち、記録材収容部の動きに起因して構造体も動く場合には、構造体は記録材収容部に支持されているということができる。
変形例4:
印刷装置が同時に利用可能なインクカートリッジの総数は、6に限らず任意の数(例えば、1、4、8)を採用可能である。また、利用可能なインクの種類としても、種々の種類を採用可能である。例えば、ブラックインクよりも明るいグレーインクを採用してもよい。また、スポットカラーインク(例えば、レッドインクやブルーインク)を採用してもよい。また、着色剤を含まないインクを採用してもよい(例えば、インクドットを保護する成分を含む無色透明なインク)。
また、上述の各実施例において、記録材としては、インクに限らず、種々の記録材を採用可能である。例えば、トナーを採用してもよい。また、記録材消費装置としては、印刷装置に限らず、記録材を消費する種々の装置を採用可能である。
変形例5:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図3のインク残量検出モジュールM20の機能を、論理回路を有するハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
1…駆動ベルト
2…キャリッジモータ
3…キャリッジ
4…ホルダ
4K…ホルダ
4e…係合突起
4Kb…ホルダ
4wb…底壁
4wf…前壁
5…印刷ヘッド
6…インク供給針
6K…インク供給針
10…ローラ
17…加圧穴
37…フレキシブルケーブル
40…主制御回路
100、100K…インクカートリッジ
100A、100Aa、100Ab、100Ac、100Ad…アダプタ
100B、100Ba、100Bd…インク収容部
101Kwb…底壁
101Bwb…底壁
101ASop…開口
101Awb…底壁
101Kwf…前壁
101Awf…前壁
101…筐体
101A…筐体
101B…筐体
101K…筐体
101P…インクパック
101e…係合突起
101AH…開口
101AS…空間
101wb…底壁
101wf…前壁
102K…可動支持部
103Ka…位置決め突出部
104…センサ
108K…回動レバー
110…インク供給ポート
110K…インク供給ポート
110f…フィルム
110op…開口
112…シール部材
112K…ピン
120…インク室
120B…インク室
127…位置決め穴
130…インク収容部
200、200G、200H、200J、200K…回路基板
203…記憶装置
205…基板
210〜270、210G〜270G、210H〜270H、210J〜270J、210K〜270K…端子
210b…端子
210c〜270c、210Gc〜270Gc、210Hc〜270Hc、210Jc〜270Jc、210Kc〜270Kc…接触部
400…接点機構
400K…接点機構
400b…支持部材
401…第1スリット
402…第2スリット
402a…第2スリット
402b…第2スリット
410〜470…接触部材
410c〜470c…接触部
500…キャリッジ回路
501…メモリ制御回路
503…センサ駆動回路
503a…カートリッジ検出回路
503b…インク残量検出回路
510〜570…端子
1000…印刷装置
1000K…印刷装置
P…印刷用紙
P1…突起
P2…突起
H1…穴
H2…切り欠き
D1〜D6…保護ダイオード
LE…下端
SI…インク供給システム
BS…裏側
FS…表側
M10…カートリッジ検出モジュール
M20…インク残量検出モジュール
M30…メモリ制御モジュール

Claims (26)

  1. 複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に装着可能な記録材供給システムであって、
    記録材を収容し、記録材供給ポートを備える記録材収容部と、
    記憶装置と、
    前記記憶装置に電気的に接続された複数の第1端子と、
    前記記録材供給システムが前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、
    を備え、
    前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記記録材供給システムが前記記録材消費装置に装着された状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
    前記複数のラインは第1ラインを含み、
    前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は前記第1ラインに配置され、
    前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
    前記記録材供給ポートは、開口を含み、
    前記第1ラインは、前記複数のラインのうちで前記開口に最も近い、
    記録材供給システム。
  2. 請求項1記載の記録材供給システムであって、
    前記2つの第2端子のうち一方の第2端子の接触部は、前記第1ラインの一端に配置され、前記2つの第2端子のうち他方の第2端子の接触部は前記第1ラインの他端に配置されている、記録材供給システム。
  3. 請求項1又は2に記載の記録材供給システムであって、
    前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部回路への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
    前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含む、
    記録材供給システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録材供給システムであって、
    前記記憶装置は、前記接地電位とは異なるレベルのリセット信号を受けて動作し、
    前記複数の第1端子は、前記リセット信号を受けるためのリセット端子を含み、
    前記リセット端子は、前記第1ラインとは異なるラインに配置されている、
    記録材供給システム。
  5. 請求項3又は4に記載の記録材供給システムであって、さらに、
    側壁と、
    前記側壁と交差する底壁と、を備え、
    前記複数の端子は前記側壁に設けられ、
    前記記録材供給ポートは前記底壁に設けられ、
    前記記録材供給ポートは、前記底壁の前記側壁側に偏った位置に配置されており、
    前記記録材消費装置に対する前記記録材供給システムの装着方向は、重力方向の下向きである、
    記録材供給システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録材供給システムであって、
    前記第1ラインの前記接触部の総数は、前記複数のラインのうちの他の任意の1つのラインの前記接触部の総数よりも、多い、
    記録材供給システム。
  7. 複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に電気的に接続可能な回路基板であって、
    基板と、
    前記基板上に配置された複数の端子であって、記憶装置に電気的に接続可能な複数の第1端子と、
    前記回路基板が前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、
    を備え、
    前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記回路基板が前記記録材消費装置に装着された状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
    前記複数のラインは第1ラインを含み、
    前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は、前記第1ラインに配置され、
    前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
    前記第1ラインは、前記回路基板が前記記録材消費装置に接続された状態で、前記複数のラインのうちで前記記録材消費装置の記録材供給針に最も近い、
    回路基板。
  8. 請求項7記載の回路基板であって、
    前記2つの第2端子のうち一方の第2端子の接触部は前記第1ラインの一端に配置され、前記2つの第2端子のうち他方の第2端子の接触部は前記第1ラインの他端に配置されている、回路基板。
  9. 請求項7又は8に記載の回路基板であって、
    前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部回路への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
    前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含む、
    回路基板。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の回路基板であって、
    前記記憶装置は、前記接地電位とは異なるレベルのリセット信号を受けて動作し、
    前記複数の第1端子は、前記リセット信号を受けるためのリセット端子を含み、
    前記リセット端子は、前記第1ラインとは異なるラインに配置されている、
    回路基板。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項に記載の回路基板であって、
    前記第1ラインの前記接触部の総数は、前記複数のラインのうちの他の任意の1つのラインの前記接触部の総数よりも、多い、
    回路基板。
  12. 複数の電気接触部材を備える記録材消費装置に装着可能な構造体であって、
    本体と、
    前記本体に設置された基板と、
    を備え、
    前記基板は、記憶装置に電気的に接続可能な複数の第1端子と、前記構造体が前記記録材消費装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、を含み、
    前記複数の第1端子は、前記記録材消費装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記構造体が前記記録材消費装置に装着された状態で前記記録材消費装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触する接触部を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
    前記複数のラインは第1ラインを含み、
    前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は、前記第1ラインに配置され、
    前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
    前記第1ラインは、前記構造体が前記記録材消費装置に装着された状態で、前記複数のラインのうちで前記記録材消費装置の記録材供給針に最も近い、
    構造体。
  13. 請求項12記載の構造体であって、
    前記2つの第2端子のうち一方の第2端子の接触部は前記第1ラインの一端に配置され、前記2つの第2端子のうち他方の第2端子の接触部は前記第1ラインの他端に配置されている、構造体。
  14. 請求項12又は13に記載の構造体であって、
    前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部回路への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
    前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含む、
    構造体。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の構造体であって、
    前記記憶装置は、前記接地電位とは異なるレベルのリセット信号を受けて動作し、
    前記複数の第1端子は、前記リセット信号を受けるためのリセット端子を含み、
    前記リセット端子は、前記第1ラインとは異なるラインに配置されている、
    構造体。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の構造体であって、
    前記第1ラインの前記接触部の総数は、前記複数のラインのうちの他の任意の1つのラインの前記接触部の総数よりも多い、
    構造体。
  17. 複数の電気接触部材を備える印刷装置に装着可能なインクカートリッジであって、
    インクを収容し、インク供給ポートを備えるインク収容部と、
    記憶装置と、
    前記記憶装置に電気的に接続可能な複数の第1端子と、
    前記インクカートリッジが前記印刷装置に装着されているか否かを検出するために使用する信号を受けるための2つの第2端子と、
    を備え、
    前記複数の第1端子は、前記印刷装置の接地電位とは異なる電源電位を受けるための電源端子を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子のそれぞれは、前記インクカートリッジが前記印刷装置に装着された状態で前記印刷装置の前記複数の電気接触部材のうちの対応する電気接触部材と接触可能な接触部を含み、
    前記複数の第1端子および前記2つの第2端子の接触部は、複数のラインを形成するように配置され、
    前記複数のラインは第1ラインを含み、
    前記2つの第2端子のうち一方と他方の接触部は、前記複数のラインのうちの第1ラインに配置され、
    前記電源端子の接触部は、前記第1ラインにおいて前記2つの第2端子のうち前記一方と他方の接触部の間に配置され、
    前記インク供給ポートは開口を含み、
    前記第1ラインは、前記複数のラインのうちで前記開口に最も近い、
    インクカートリッジ。
  18. 請求項17記載のインクカートリッジであって、
    前記2つの第2端子のうち一方の第2端子の接触部は、前記第1ラインの一端に配置され、前記2つの第2端子のうち他方の第2端子の接触部は前記第1ラインの他端に配置されている、インクカートリッジ。
  19. 請求項17又は18に記載のインクカートリッジであって、
    前記記憶装置は、クロック信号に同期して、データ信号の外部回路への送信と外部からの受信との少なくとも一方を行うことが可能であり、
    前記複数の第1端子は、前記データ信号の送信と受信との少なくとも一方を行うためのデータ端子と、前記クロック信号を受けるためのクロック端子と、接地電位を受けるための接地端子と、を含む、
    インクカートリッジ。
  20. 請求項17〜19のいずれか一項に記載のインクカートリッジであって、
    前記記憶装置は、前記接地電位とは異なるレベルのリセット信号を受けて動作し、
    前記複数の第1端子は、前記リセット信号を受けるためのリセット端子を含み、
    前記リセット端子は、前記第1ラインとは異なるラインに配置されている、
    インクカートリッジ。
  21. 請求項19又は20に記載のインクカートリッジであって、さらに、
    側壁と、
    前記側壁と交差する底壁と、を備え、
    前記複数の端子は前記側壁に設けられ、
    前記インク供給ポートは前記底壁に設けられ、
    前記インク供給ポートは、前記底壁の前記側壁側に偏った位置に配置されており、
    前記印刷装置に対する前記インクカートリッジの装着方向は、重力方向の下向きである、
    インクカートリッジ。
  22. 請求項17〜21のいずれか一項に記載のインクカートリッジであって、
    前記第1ラインの前記接触部の総数は、前記複数のラインのうちの他の任意の1つのラインの前記接触部の総数よりも、多い、
    インクカートリッジ。
  23. 請求項3を引用する請求項4に記載の記録材供給システムであって、
    前記データ端子は、前記第1ラインに配置され、
    前記クロック端子は、前記第1ラインとは異なる前記ラインに配置されている、
    記録材供給システム。
  24. 請求項9を引用する請求項10に記載の回路基板であって、
    前記データ端子は、前記第1ラインに配置され、
    前記クロック端子は、前記第1ラインとは異なる前記ラインに配置されている、
    回路基板。
  25. 請求項14を引用する請求項15に記載の構造体であって、
    前記データ端子は、前記第1ラインに配置され、
    前記クロック端子は、前記第1ラインとは異なる前記ラインに配置されている、
    構造体。
  26. 請求項19を引用する請求項20に記載のインクカートリッジであって、
    前記データ端子は、前記第1ラインに配置され、
    前記クロック端子は、前記第1ラインとは異なる前記ラインに配置されている、
    インクカートリッジ。
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