JP5832016B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は耐熱性と耐水性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においてはその要求特性が年々高度になってきており、たとえば半導体の駆動温度の上昇による周辺材料の高Tg化等が要求されてきている。
エポキシ樹脂は一般的に高Tg化すると、吸水率が上昇する(非特許文献1)。これは架橋密度が向上することによる影響である。しかしながら、低吸湿が求められる半導体周辺材料への高Tg化が要求される中、この相反する特性を有する樹脂の開発が急務であった。
また、同様に一般的に高Tg化すると、電気信頼性が下がる傾向にある。すなわち、誘電率、誘電正接が悪化する。電気電子材料用途への展開において高Tgを保ちながら誘電率、誘電正接を下げることは電気信頼性の向上の面で必要である。
小椋一郎、「エポキシ樹脂の化学構造と特性の関係」、DIC Technical Review No.7、日本、2001年、7頁
本発明はこのような問題を解決すべく検討の結果なされたものであり、その硬化物が高耐熱性で、吸水性、誘電率が低いエポキシ樹脂を提供するものである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は
(1)ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させることで得られ、ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させる際の前記ナフトール中、αナフトールの比率が1〜10重量%であることを特徴とするナフトール-クレゾールノボラック型フェノール樹脂をグリシジル化させることで得られるエポキシ樹脂、
(2)(1)に記載のナフトール−クレゾールノボラック型フェノール樹脂において、ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させる際のナフトールとクレゾールの重量比率が65:35〜85:15であり、かつ得られたナフトール−クレゾールノボラック型フェノール樹脂の軟化点が100℃〜150℃であることを特徴とする(1)に記載のエポキシ樹脂、
(3)13C−NMRにおいて74−76ppmのピークの面積の総量と68〜71ppmのピークの面積の総量が60:40〜80:20であり、かつ軟化点が85℃〜100℃であることを特徴とする(1)または(2)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂、
(4)(重量平均分子量 Mw)/(数平均分子量 Mn)が1.4〜2.5である(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂、
(5)(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(6)(5)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物、
を提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂を使用するエポキシ樹脂組成物は耐熱性と耐水性を同時に達成することのできる硬化物を与え、電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。特に半導体素子を保護する半導体封止材料や積層板材料にきわめて有用である。
本発明のエポキシ樹脂は式(1)
Figure 0005832016
(式中、nは平均の繰り返し数を示す。また、複数存在するAr、Rはそれぞれ独立して存在し、Rはメチル基もしくは水素原子を、Arは上記に示すとおり、1−ナフトール、2−ナフトール、クレゾールを示す。)
で表されるナフトール−クレゾールノボラック型フェノール樹脂(NCN)をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂である。
NCNは、通常、ナフトールとクレゾールとホルムアルデヒド(もしくはその等価体)を酸性、あるいは塩基性条件下で反応させることで得られる。
具体的にはナフトールとクレゾールとホルムアルデヒド(もしくはその等価体)、触媒を同時、もしくは逐次的に添加し、0〜150℃、好ましくは10〜130℃で反応を行うことで得ることができる。ここで、低温で反応を行うことでナフトール優先的に反応を進行させることも可能となる。
この際、0℃以下だと反応の進行が遅く、多大な時間がかかり、生産性に乏しい、また150℃を越えると一気に反応が進行してしまい、反応に関与しないナフトールが多くなってしまう。前述の範囲内で反応させることでナフトールを比較的優先させることで残留ナフトール量の少ない化合物とすることができる。
尚、通常反応時間は5〜150時間である。
このようにして得られNCNは用途によって、精製せずに用いることもできるが、通常、反応終了後に反応混合物を中和してから、加熱減圧下において未反応原料及び溶媒類を除去する事で精製して使用する。なお、この中和工程は、各種塩基類、リン酸塩等の塩やバッファー等を添加してもよいし、水洗などでも可能であるが、両者を併用するとより簡便で効果的である。また、反応により、ナフトールが十分消費されていない場合、薄膜蒸留、窒素等の不活性ガスのバブリング等により、残留ナフトール量を1%以下にすることが好ましい。
NCNの合成において使用できる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、単独でも2種以上併用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用量はナフトールとクレゾールの総量100重量部に対し、通常5〜500重量部、好ましくは10〜300重量部の範囲である。
触媒としては酸性、塩基性いずれの触媒でも使用できる。
用いうる酸性触媒の具体例としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類;シュウ酸、トルエンスルホン酸、酢酸等の有機酸類;タングステン酸等のヘテロポリ酸、活性白土、無機酸、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄等、その他酸性を示す有機、無機酸塩類、等のノボラック樹脂製造用に通常使用される酸性触媒などが挙げられる。
用いうる塩基性触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシド等が挙げられる。
またアミン系の触媒を使用することもでき、トリエチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。特にアミン系の触媒を使用する場合は溶媒として兼用することもできる。
これら触媒は、前述に挙げた物に限定されるものではなく、単独でも2種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、ナフトールとクレゾールの総量に対し、通常0.005〜2.0倍モル、好ましくは0.01〜1.1倍モルの範囲である。なお、触媒を溶媒として使用する場合は、ナフトールとクレゾールの総量に対し、30〜200重量%程度添加することが好ましい。
このように、ナフトールとクレゾールとホルムアルデヒドを反応させて得られるナフトール−クレゾールノボラック型フェノール樹脂は、ランダム重合により得られているため、ナフタレン骨格とフェノール骨格がランダムに配列している。
本発明においてはナフトールとしてはβ−ナフトールとα−ナフトールを併用し、クレゾールとしてはオルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、もしくはいずれか2つ以上の混合体を用いることができる。
ここで、反応に用いるナフトール中、αナフトールの比率が1〜10重量%であることが好ましい。
反応に使用するナフトールとクレゾールの重量比率は65:35〜85:15であり、好ましくは62:38〜80:20、特に好ましくは62:38〜76:24である。一方、高耐熱と低吸水の特性を出すのに好ましい比率は、71:29〜85:15である。ナフトール量が62重量%未満の時、目的とする高耐熱と低吸湿の特性を出すのが困難であり、ナフトール量が85重量%を超えると反応の制御が困難となり、残留するナフトールが多くなってしまう。ナフトールの残留は臭気、毒性、また硬化物の耐熱性の問題から好ましくない。
さらに本発明においては、ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させる際のナフトール中、β−ナフトールとα−ナフトールの比率はナフトールの総量に対し、α−ナフトールの比率が1〜10重量%使用する。α−ナフトールが1重量%未満の場合、耐熱性が上がらず、α−ナフトールが10重量%を超えると、反応の制御が難しくなり、残存のナフトール量が増加する。またいったんナフトールもしくはクレゾールのメチロール化を行った後に縮合させることで分子量制御し、残留ナフトールを減少させる手法もあるが、製造が煩雑であり、生産性がわるく好ましくないばかりか、分布が少ないために耐熱性が足りない。
なお、この際のNCNは軟化点が100〜150℃となる。本骨格の特徴はその分子量の大きさにあり、軟化点が100℃以上の分子のつながりがないと目的とする耐熱性を出すことが困難となる。また、軟化点150℃を超えると取り扱いが困難となり、残留するナフトールを減らすのが困難となるため、好ましくない。なお、ナフトールの残留は使用者の安全上好ましくない。本発明においては少なくとも1%以下であることが重要である。
NCNとエピハロヒドリンとの反応において使用するエピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン、γ-メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられ、本発明においては、工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、NCNの水酸基1モルに対し通常3.0〜10モルであり、好ましくは3.5〜8モルである。
上記エポキシ化反応においては、アルカリ金属水酸化物を使用することが好ましい。該アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。なお、アルカリ金属水酸化物を、固形物として利用してもよいし、その水溶液として利用してもよい。例えば、アルカリ金属水酸化物を水溶液として使用する場合においては、アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に、減圧下又は常圧下で連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法によりエポキシ化反応を行うことができる。また固形を使用する場合、その取り扱いやすさ、溶解性等の問題からフレーク状の物を使用することが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、NCNの水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モルであり、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
上記エポキシ化反応においては、反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加することが好ましい。4級アンモニウム塩の使用量は、NCNの水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
上記エポキシ化反応においては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
上記アルコール類を使用する場合、その使用量は、エピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50質量%であり、好ましくは4〜20質量%である。一方、上記非プロトン性極性溶媒を用いる場合、その使用量は、エピハロヒドリンの使用量に対し通常5〜100質量%であり、好ましくは10〜80質量%である。
上記エポキシ化反応において、反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。一方、反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。これらのエポキシ化反応の反応物は、水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去することにより精製され得る。また、更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収した反応物をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて、副生成物の閉環反応を行い、副生成物であるハロヒドリンの閉環を確実なものにすることもできる。
この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は、エポキシ化に使用したNCNの水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モルであり、好ましくは0.05〜0.2モルである。また、反応温度は通常50〜120℃であり、反応時間は通常0.5〜2時間である。
上記エポキシ化反応においては、反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
このようにして得られるエポキシ樹脂は以下のような条件を満たすことが好ましい。
軟化点は80〜100℃が好ましく、より好ましくは85〜100℃、特に好ましくは85〜97℃である。好ましい軟化点を得るには、反応に使用するナフトール、クレゾール、ホルマリン(もしくはその合成等価体)の重量比によって調整でき、ナフトール及びクレゾールは前記好ましい範囲を適用することで実現可能であり、ホルマリンの量はフェノール性水酸基1当量につき0.5〜1.1モル、より好ましくは0.60〜1.1モルを添加することで得ることができる、尚、ホルマリンは一括で添加しても、分割で添加しても構わない。
そして、エポキシ当量は200〜300g/eq.が好ましく、より好ましくは210g/eq.〜260g/eq.である。エポキシ当量は、反応に使用するエピハロヒドリンの量、原料のナフトール、クレゾールの量、分子量で調整され、好ましいエポキシ当量を有する本発明のエポキシ樹脂は、分子量は前記軟化点の調整に記載の手法と同じ手法を採用し、エピハロヒドリン量は前記の好ましい量を適用することで得ることができる。
また13C−NMRにおいて74−76ppmのピークの面積の総量と68〜71ppmのピークの面積の総量が60:40〜80:20である。74−76ppm、68〜71ppmのピークというのはそれぞれナフトール、クレゾール構造に結合したグリシジル基のオキシラン構造が結合したメチレン部位のピークに相当する。
さらに、本発明のエポキシ樹脂の平均分子量は、下記の条件を満たすものが好適である。
数平均分子量は500〜1000が好ましく、より好ましくは500〜800である。また、重量平均分子量は600〜2000が好ましく、より好ましくは600〜1700である。好ましい平均分子量を有する本発明のエポキシ樹脂を得るためには、反応に使用するナフトール、クレゾール、ホルマリン(もしくはその合成等価体)の重量比によって調整でき、ナフトール、クレゾールに対するホルマリンの量が少なければ、分子量を大きくすることができる、またエピハロヒドリンが少ない程分子量を大きくすることができる。
分子量が小さすぎると耐熱性が出ず、分子量が大きすぎると粘度が高すぎるため取扱いが困難となり、また溶剤への溶解性も乏しくなるため好ましくない。
また本発明においては分子量分布が重要となる。分子量分布が狭すぎる場合、十分な耐熱性の向上、吸水率の低下は望めない。このことは熱硬化の段階で架橋させる際の架橋密度による耐熱性の向上は、架橋時に水酸基を出すことから吸水率の上昇に影響する。本発明においては、母骨格におけるメチレン鎖での結合が多くすることで耐熱性だけでなく吸水率の低下も同時に達成できている。
具体的な分子量分布としては(重量平均分子量 Mw)/(数平均分子量 Mn)が1.4以上である。またあまりに分子量分布が広すぎる場合、粘度が高くなりすぎるなど課題が生じるため、その最大値は2.5となる。
分子量分布はナフトール、クレゾール ホルマリン(もしくはその合成等価体)の重量比、および、反応に使用するエピハロヒドリンの量で調整することができる。具体的には、ナフトール比率が多いほど分子量分布を狭くしやすく、またホルマリンの添加を分割で添加することでより狭くすることができる。またエピハロヒドリンの量を数なくすることで分子量分布を広くすることができ、逆に多くすることで分子量分布を狭くできる。また、NCR製造時、80〜150℃で再配列反応を行うことで、メチレン結合をいったん切断し、再度結合させる再配列反応を行うことでより分子量分布を広くすることもできる。また、再配列においてはフェノール性水酸基1当量につき0.005〜0.1当量のホルマリン(もしくはその合成等価体)を添加することが好ましい。
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、全エポキシ樹脂中、本発明のエポキシ樹脂の割合は50重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
前記他のエポキシ樹脂としては代表的なものとしてノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)またはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物;前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物;前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物;前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物またはアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン等のアミン系化合物;ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンや、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、フルフラールとの重縮合物であるノボラック樹脂や、フェノールまたはクレゾールとフェニレンジメチロール体、ジメトキシメチル体もしくはハロゲン化メチル体との反応物または、フェノールまたはクレゾールとビスクロロメチルビフェニル、ビスメトキシメチルビフェニルもしくはビスヒドロキシメチルビフェニルとの反応物または、フェノールとベンゼンジイソプロパノール、ベンゼンジイソプロパノールジメチルエーテルもしくはベンゼンビス(クロロイソプロパン)との反応物であるフェノールアラルキル樹脂及びこれらの変性物や、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類や、テルペンとフェノール類の縮合物等のフェノール系化合物、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明においては、耐熱性、耐薬品性、電気信頼性の面から、フェノール系化合物を硬化剤とすることが好ましく、特に難燃性から、ノボラック樹脂、中でもフェノールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂や、フェノールアラルキル樹脂が好ましい。また本発明においては、その軟化点が50〜100℃の硬化剤を用いのが好ましい。軟化点が低い方が流動性及び難燃性は向上する傾向があるが、耐熱性を上げるには軟化点が高いもの使用することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.8〜1.1当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.8当量に満たない場合、あるいは1.1当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。また本発明においてエポキシ樹脂と硬化剤の好ましい組み合わせとしては軟化点45〜70度のエポキシ樹脂(より好ましくは50〜65℃)と軟化点50〜100℃(好ましくは55〜85℃)の硬化剤である。流動性、難燃性、耐熱性の面でバランスの取れた特性を有する樹脂組成物となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、硬化促進剤を含有させても差し支えない。使用できる硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル系化合物;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。
しかしながら、環境問題、および電気特性の懸念から前述のようなリン酸エステル系化合物の使用量はリン酸エステル系化合物/エポキシ樹脂≦0.1(重量比)が好ましい。さらに好ましくは0.05以下である。特に好ましくは硬化促進剤として添加する以外は、リン系化合物は添加しないことが良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は無機充填剤を含有してもよい。無機充填剤としては溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、マイカ、ガラス、石英、雲母などが挙げられる。さらに難燃効果を付与するため、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を使用することも好ましい。ただし、これらに限定されない。また2種以上を混合して使用しても良い。これら無機充填剤のうち、溶融シリカや結晶性シリカなどのシリカ類はコストが安く、電気信頼性も良好なため好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、無機充填剤の使用量は内割りで通常60重量%〜95重量%、好ましくは70重量%〜95重量%、より好ましくは75重量%〜90重量%の範囲である。少なすぎると難燃性の効果が得られず、多すぎると封止する半導体素子が銅系リードフレームに搭載されている場合に封止樹脂とフレームの線膨張率が合わなくて、ヒートショックなどの熱応力による不具合が発生する可能性がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には成形時の金型との離型を良くするために離型剤を配合することができる。離型剤としては従来公知のものいずれも使用できるが、例えばカルナバワックス、モンタンワックスなどのエステル系ワックス、ステアリン酸、パルチミン酸などの脂肪酸およびこれらの金属塩、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。これら離型剤の配合量は全有機成分に対して0.5〜3重量%が好ましい。これより少なすぎると金型からの離型が悪く、多すぎるとリードフレームなどとの接着が悪くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には無機充填剤と樹脂成分との接着性を高めるためにカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては従来公知のものをいずれも使用できるが、例えばビニルアルコキシシラン、エポキアルコキシシラン、スチリルアルコキシシラン、メタクリロキシアルコキシシラン、アクリロキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、イソシアナートアルコキシシランなどの各種アルコキシシラン化合物、アルコキシチタン化合物、アルミニウムキレート類などが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。カップリング剤の添加方法は、カップリング剤であらかじめ無機充填剤表面を処理した後、樹脂と混練しても良いし、樹脂にカップリング剤を混合してから無機充填剤を混練しても良い。
更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにカーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に分散混合できる従来公知のいかなる手法を用いても製造することができる。例えば各成分を全て粉砕して粉砕化しヘンシェルミキサーなどで混合後、加熱ロールによる溶融混練、ニーダーによる溶融混練、特殊混合機による混合、あるいはこれら各方法の適切な組み合わせを用いることで調製される。また、本発明の半導体装置はリードフレームなどに搭載された半導体素子を、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形などにより樹脂封止することで製造することができる。
本発明の半導体装置は前記の本発明のエポキシ樹脂組成物で封止されたもの等の本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を有する。半導体装置としては、例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、QFP(クワッドフラットパッケージ)、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)、SOP(スモールアウトラインパッケージ)、TSOP(シンスモールアウトラインパッケージ)、TQFP(シンクワッドフラットパッケージ)等が挙げられる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
ここで、各物性値の測定条件は下記の通りである。
13C−NMR
測定装置:VARian NMR system 400MHz
溶剤:重クロロホルム
・エポキシ当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・軟化点
JIS K−7234に準拠した方法で測定し、単位は℃である。
・弾性率(DMA)
動的粘弾性測定器:TA−instRuments、DMA−2980
測定温度範囲:−30〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)
Tg:DMA測定に於けるTan−δのピーク点をTgとした
・吸水率
直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で72時間煮沸した後の重量増加率(%)
実施例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらナフトール−クレゾールノボラック樹脂(ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させる際に、ナフトール及びクレゾール中ナフトール含有量70重量%、全ナフトール中α−ナフトール5重量%で反応させて得られた樹脂、軟化点110℃)160部、エピクロロヒドリン370部(4モル当量 対 フェノール樹脂)、ジメチルスルホキシド37部を加え、撹拌下で溶解し、40〜45℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム41部を90分かけて分割添加した後、更に40℃で2時間、70℃で1時間反応を行った。反応終了後,水500部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン500部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP1)196部を得た。
得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は233g/eq.軟化点93℃、150℃における溶融粘度(ICI溶融粘度 コーン#1)は1.3Pa・sであった。また、13C−NMRにおいて74−76ppmのピークの面積の総量と68〜71ppmのピークの面積の総量の比率は、64:36であった。
合成例1
βナフトール282部を600部のメチルイソブチルケトンに溶解し、30重量%水酸化ナトリウム53部を加えた。この溶液にパラホルムアルデヒドを67部添加し、20℃で3時間反応を行った。反応終了後、35%塩酸を加え中性(pH6〜7)にすることで、β−ナフトールの1−メチロール体含有溶液を得た。
得られた溶液に対し、オルソクレゾール108部を加えた後、35%塩酸2部を加え、30℃で1時間、70℃で6時間反応を行った。その後、反応液が中性になるまで水洗を行い、有機層から溶媒等を留去し、比較用のNCN樹脂を420部得た。得られた樹脂の軟化点は90℃、水酸基当量は140g/eq.であった。
合成例2
実施例1においてナフトール−クレゾールノボラック樹脂の代わりに、合成例1で得られたNCN樹脂140部を用い、同様にしてエポキシ樹脂を合成した。
得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量210g/eq.軟化点68℃、150℃における溶融粘度は0.12Pa・sであった。(EP2)また、13C−NMRにおいて74−76ppmのピークの面積の総量と68〜71ppmのピークの面積の総量の比率は、81:19であった。
試験例1〜10
前記で得られたエポキシ樹脂、および各種のエポキシ樹脂を、エポキシ当量1モル当量に対し、硬化剤としてフェノールノボラック(軟化点83℃、水酸基当量106g/eq)を等当量で配合し、触媒としてトリフェニルホスフィンをエポキシ樹脂100重量部に対し、1重量部となる割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、評価に使用したエポキシ樹脂の詳細は、以下、表2に示す。
Figure 0005832016
Figure 0005832016
Figure 0005832016
表3をみると明確だが、一般的なエポキシ樹脂を用いた硬化物(試験例2〜9)は基本的にはTgが上がれば吸水率が上がるという相関を有する。これに対し、本発明のエポキシ樹脂を用いた硬化物は高い耐熱性を有しているにもかかわらず、吸水率が低く、上記の関係性から大きく外れることが確認できた。

Claims (3)

  1. ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させることで得られ、ナフトールとクレゾールをアルデヒドで反応させる際の前記ナフトール中、αナフトールの比率が1〜10重量%であるナフトール‐クレゾールノボラック型フェノール樹脂をグリシジル化させることで得られるエポキシ樹脂であって、(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)が1.4〜2.5であるエポキシ樹脂。
  2. 請求項1に記載のエポキシ樹脂と硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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