JP2003301031A - フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びその製法、樹脂組成物 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びその製法、樹脂組成物

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JP2003301031A
JP2003301031A JP2002107454A JP2002107454A JP2003301031A JP 2003301031 A JP2003301031 A JP 2003301031A JP 2002107454 A JP2002107454 A JP 2002107454A JP 2002107454 A JP2002107454 A JP 2002107454A JP 2003301031 A JP2003301031 A JP 2003301031A
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resin
phenol
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JP2002107454A
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English (en)
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Kenichi Kuboki
健一 窪木
Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Sumio Ichimura
純夫 市村
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビフェニル−フェノール縮合型樹脂であって、
その長期保存中の結晶化を防ぎ、またこのフェノール樹
脂から誘導されるエポキシ樹脂の溶剤溶解性を向上させ
ること。 【解決手段】式(1) 【化1】 (式中nは繰り返し数を表す。)で表されるフェノール樹
脂であって、水酸基に対してo位にメチレン基が結合し
ているベンゼン環の総モル数(o−配位数)と水酸基に
対してp位にメチレン基が結合しているベンゼン環の総
モル数(p−配位数)が、o−配位数/p−配位数>
1.2の関係を満たすフェノール樹脂及び該フェノール
樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂。このフェ
ノール樹脂を得る一つの方法として、フェノールと4,
4’−ビスクロロメチルビフェニルの縮合時に塩基性物
質を使用する方法がある。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は高信頼性半導体封止用を始めとす
る電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配
線板、ビルドアップ基板)やCFRP(炭素繊維強化プ
ラスチック)、光学材料を始めとする各種複合材料、接
着剤、塗料等に有用なエポキシ樹脂組成物を与えるフェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂及び該組成物の硬化物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬
化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水
性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗
料等の分野で幅広く用いられている。
【0003】しかし、近年電気・電子分野においてはそ
の発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、
密着性、誘電特性、フィラーを高充填させるための低粘
度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等
の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材と
しては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途など
において軽量で機械物性の優れた材料が求められてい
る。更に、近年難燃剤としてハロゲン系エポキシ樹脂と
三酸化アンチモンが特に電気電子部品の難燃剤として多
用されているが、これらを使用した製品はその廃棄後の
不適切な処理により、ダイオキシン等の有毒物質の発生
に寄与することが指摘されている。上記の問題を解決す
る方法の一つとして、下記式(1)で表されるフェノー
ル樹脂やそのエポキシ化物の使用が特開平11−140
277や特開平11−140166等に記載されてい
る。しかしながら、この構造の樹脂は結晶性が強いた
め、製造時の樹脂の取り出し状況や保管状態によって
は、結晶が析出してしまい溶融粘度が増加してしまう。
また、溶剤に溶解した場合にも結晶が析出、沈殿してし
まい、組成物としての使用上極めて問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、下記
式(1)の樹脂において、従来の同一構造の樹脂と難燃
性や流動性は同等ながら、結晶の析出を抑え組成物の製
造時における作業性や、品質の管理に長じる為、電気電
子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び
積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やC
FRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有
用なフェノール樹脂やエポキシ樹脂を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成した。即
ち、本発明は、式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(式中nは繰り返し数を表し、1〜20の
整数を示す。)で表されるフェノール樹脂であって、水
酸基に対してo位にメチレン基が結合しているベンゼン
環の総モル数(o−配位数)と水酸基に対してp位にメ
チレン基が結合しているベンゼン環の総モル数(p−配
位数)が、o−配位数/p−配位数>1.2の関係を満
たすフェノール樹脂、(2)o−配位数/p−配位数≧
1.5×V+1(Vは150℃における溶融粘度で、単
位はPa・sを示す)である前記(1)記載のフェノー
ル樹脂、(3)o−配位数/p−配位数≧1.5×V+
1.2(Vは150℃における溶融粘度で、単位はPa
・sを示す)である前記(1)記載のフェノール樹脂、
(4)前記式(1)で表されるフェノール樹脂におい
て、下記式(2)、式(3)
【0008】
【化4】
【0009】で表される成分の存在割合oo/pp(o
oは式(3)の化合物の総モル数、ppは式(2)の化合物
の総モル数)が、−0.03×D+2.7(Dは、フェ
ノール樹脂中のn=1の分子の含有割合(重量%)を示
す)以上であるフェノール樹脂、(5)oo/ppが、
−0.03×D+3.7以上である前記(4)記載のフ
ェノール樹脂、(6)4,4’−ビスクロロメチルビフ
ェニルとフェノールとを、塩基性物質を用いて反応させ
ることを特徴とする式(1)で表されるフェノール樹脂
の製法、(7)塩基性物質がアルカリ金属水酸化物また
はアルカリ金属メトキサイドである前記(6)記載のフェ
ノール樹脂の製法、(8)前記(1)〜(5)のいずれ
か1項に記載のフェノール樹脂とエピハロヒドリンとを
反応させて得られるエポキシ樹脂、(9)前記(1)〜
(5)のいずれか1項に記載のフェノール樹脂及び/ま
たは前記(8)記載のエポキシ樹脂を含有する硬化性樹
脂組成物、(10)前記(1)〜(5)のいずれか1項
に記載のフェノール樹脂及び前記(8)記載のエポキシ
樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物、(11)前記
(9)〜(10)のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組
成物を用いて得られる電気・電子部品、(12)前記
(9)〜(10)のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成
物の硬化物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフェノール樹脂、
エポキシ樹脂について説明する。式(1)で表されるフ
ェノール樹脂は、一般的に特許第3122834号や特
開2001−40053に記載されているような方法で
合成される。この方法で得られた式(1)の樹脂は製造
時に、溶融状態から徐冷固化すると結晶が析出してしま
う傾向が強く、急冷固化した樹脂状のものと比較すると
溶融粘度が高くなる。溶融粘度が高くなると、例えば半
導体封止材料に使用した場合、流動性の低下を招いてし
まう。また、式(1)をエポキシ化したエポキシ樹脂
は、溶剤に溶解した状態で保管した場合、結晶が析出し
てしまう。これは、特に液状の硬化性樹脂組成物に使用
された場合、製造時には組成物中で有機成分が均一状態
であったものが、冷蔵保管時に結晶が析出することによ
り、成分の偏在化が起こってしまい、硬化不良や、設計
通りの硬化物物性が得られないなどの不具合が生じる。
本発明者らの検討によればこのような結晶化は、式
(1)の構造において、メチレン基と水酸基の結合の位
置関係が、パラである割合が多いほど顕著に発生し、特
に式(2)の化合物が多い場合に顕著であることが確認さ
れた。このため、式(1)の構造において、メチレン基
と水酸基の結合の位置関係が、パラである割合を低下さ
せたり、式(2)の成分を少なくしたりすれば結晶化を防
止することができる。一方フェノール樹脂の溶融粘度を
上げる、すなわち式(1)においてn=1である成分を
少なくすれば結晶性は低下していく傾向があるため、結
晶性は溶融粘度に依存するものと言える。しかしながら
使用用途によっては粘度を上げることはできないことも
多いため、低溶融粘度すなわちn=1成分が多く存在す
るフェノール樹脂においても、式(1)の構造におい
て、メチレン基と水酸基の結合の位置関係が、パラであ
る割合を低下させたり、式(2)の成分を少なくしたりす
ることにより結晶化を防止することが必要となる。
【0011】本発明のフェノール樹脂は、上記式(1)
で表されメチレン基と水酸基の結合の位置関係がオルソ
であるベンゼン環の総モル数(以下、o−配位数)とパ
ラであるベンゼン環の総モル数(以下、p−配位数)の
比が1.2を超えるものであれば特に制限はなく、全て
の位置関係がオルソであってもよい。本発明のフェノー
ル樹脂を合成する方法の一つとしては、4,4’−ビス
クロロメチルビフェニルとフェノールとの反応の際に、
副生する塩化水素を中和するための塩基性物質を系中に
存在させる方法が挙げられる。
【0012】4,4’−ビスクロロメチルビフェニルの
使用量は、フェノール10モルに対し、通常1〜9モ
ル、好ましくは2〜8モルの範囲である。
【0013】用いうる塩基性物質の具体例としては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化
物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属酸化物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、蓚酸ナ
トリウム、蓚酸カリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸アンモニ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、
クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、酒石酸ナ
トリウム、酒石酸カリウム、燐酸ナトリウム、トリポリ
燐酸ナトリウム、燐酸一水素ナトリウム、燐酸二水素ナ
トリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウム−tert−ブトキシド、カリウムエトキ
シド等のアルカリ金属メトキシド、ナトリウムフェノキ
シド、カリウムフェノキシド等が挙げられるがこれらに
限定されることはない。また、これらは単独で用いて
も、2種以上併用しても良い。これら塩基性物質の使用
量は、4,4’−ビスハロゲノメチルビフェニル1モル
に対し、通常0.02モル〜2.0モル、好ましくは
0.05〜2.0モルの範囲である。
【0014】この反応は、無溶剤でも溶剤を用いても良
い。使用されうる溶剤の具体例としては、メタノール、
エタノール、プロパノール等のアルコール類、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ト
ルエン、キシレン、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、酢酸等が挙げられるがこれらに限定されるこ
とはない。また、これらは単独で用いても、2種以上併
用しても良い。これらの使用量は、フェノール100重
量部に対して、通常5〜200重量部、好ましくは10
〜100重量部の範囲である。
【0015】反応は、通常フェノールと前記の塩基性物
質を仕込み、これに徐々に4,4’−ビスクロロメチル
ビフェニルを添加するのが好ましい。その際の温度は、
通常50℃〜150℃、好ましくは60〜120℃の範
囲で、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜4時間で
ある。4,4’−ビスハロゲノメチルビフェニル添加終
了後、前記温度で通常0.5〜10時間、好ましくは1
〜5時間更に反応させる。尚、この時反応溶液のpHが
酸性でないと反応の進行が妨げられ、高分子化しない場
合がある。この場合、p−トルエンスルホン酸、塩酸、
硫酸等の酸性物質を反応系に添加する。反応終了後、加
熱減圧下において過剰のフェノールを留去する。その
後、通常非水溶性の溶剤に溶解して水洗を繰り返して塩
を除去し、溶剤を留去することにより本発明のフェノー
ル樹脂が得られる。尚、下記する本発明のエポキシ樹脂
の原料として使用する場合は、フェノールを留去したも
のをそのまま使用しても良い。
【0016】こうして得られた本発明のフェノール樹脂
は、前記した通りo−配位数/p−配位数>1.2とな
り、通常の方法、即ち上記方法において塩基性物質を使
用しなかったり、ビスメトキシビフェニルとフェノール
を酸触媒で縮合したりする方法(特許3122834号
記載の方法)によるよりもo−配位数の含有割合が高く
なり、結果として結晶の析出が抑制できる。
【0017】本発明のフェノール樹脂において、その溶
融粘度とo−配位数/p−配位数の関連は前記したとお
り重要で、o−配位数/p−配位数≧1.5×V+1
(Vは150℃における溶融粘度で、単位はPa・sを
示す)であるものが好ましく、o−配位数/p−配位数
≧1.5×V+1.2であるものが特に好ましい。ま
た、n=1である成分が多く存在するフェノール樹脂に
おいては、本発明の目的を達成するためには、フェノー
ル樹脂中の式(2)と式(3)の含有割合が重要にな
り、oo/pp(ooは式(3)の化合物の総モル数、p
pは式(2)の化合物の総モル数)が、−0.03×D+
2.7(Dは、フェノール樹脂中のn=1の分子の含有
割合(重量%)を示す)以上であるものが好ましい。
尚、本発明のフェノール樹脂中のo−配位数/p−配位
数は塩基性物質の添加量(モル比)によって制御するこ
とができる。
【0018】本発明のエポキシ樹脂は、本発明のフェノ
ール樹脂とエピハロヒドリン類とを反応させて(エポキ
シ化反応)得ることができる。エポキシ化反応に使用さ
れるエピハロヒドリン類の用いうる具体例としては、エ
ピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エ
ピブロムヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン、エ
ピヨードヒドリン、β−エチルエピクロルヒドリン等が
挙げられるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒ
ドリンもしくはエピブロムヒドリンが好ましい。
【0019】反応は、例えば本発明のフェノール樹脂と
エピハロヒドリン類の混合物に触媒として水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固
体を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃
で0.5〜10時間反応させる。この際アルカリ金属水
酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該ア
ルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応混合
物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハ
ロヒドリン類を留出せしめ更に分液し水は除去しエピハ
ロヒドリン類は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよ
い(尚、固形アルカリ金属水酸化物を使用するときも減
圧脱水してもよい)。また、全ハロゲン量の低いエポキ
シ樹脂を得る場合は、アルカリ金属水酸化物は徐々に添
加し、反応系内の温度は20〜50℃に保つことが好ま
しい。反応系内の水分は、エピハロヒドリンに対して
0.5〜10重量%に保つことが好ましい。0.5重量
%以下だと反応が進み難くなり、10重量%以上だと全
ハロゲン量が多くなる傾向がある。
【0020】上記の反応においてエピハロヒドリン類の
使用量は本発明のフェノール樹脂の水酸基1当量に対し
て、通常1.0〜20モル、好ましくは2.0〜15モ
ル、より好ましくは3.0〜10モルである。アルカリ
金属水酸化物の使用量は式(1)のフェノール樹脂の水
酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好ましくは
0.7〜1.2モルである。
【0021】また、反応は非プロトン性極性溶媒、アル
コール類等の触媒能のある溶媒を使用して行っても良
い。用いうる非プロトン性極性溶媒の具体例としては、
ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。非プロトン性
極性溶媒の使用量はエピハロヒドリン類の重量に対し通
常5〜200重量%、好ましくは10〜150重量%で
ある。用いうるアルコール類の具体例としては、メタノ
ール、エタノール等が挙げられる。アルコール類の使用
量はエピハロヒドリン類の重量に対し通常5〜100重
量%、好ましくは5〜50重量%である。アルコール類
を使用することによって反応は進み易くなり、全ハロゲ
ン量も非プロトン性極性溶媒を使用した場合よりは多い
が、これら溶媒を使用しないときよりは少なくなる。特
に、得られたエポキシ樹脂を半導体を始めとする電子電
気部品用途に使用する場合は、全ハロゲン量が0.00
0023mol/g以下であることが好ましく、このよ
うなエポキシ樹脂を得るためには非プロトン性極性溶媒
を使用して製造することが好ましい。
【0022】また、反応に際してテトラメチルアンモニ
ウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの
第四級アンモニウム塩を触媒として使用することもでき
る。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量は本発明
のフェノール樹脂の水酸基1当量に対して通常0.00
1〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルであ
る。これらは、上記の溶媒と併用してもよい。
【0023】通常、これらの反応生成物は水洗後、また
は水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリン類や、
その他使用した溶媒等を除去した後、トルエン、メチル
イソブチルケトン、メチルエチルケトン等の溶媒に溶解
し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行うことによ
り全ハロゲン量の低いエポキシ樹脂を得ることが出来
る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明の
フェノール樹脂の水酸基1当量に対して通常0.01〜
0.2モル、好ましくは0.05〜0.15モルであ
る。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常
0.5〜2時間である。反応終了後副生した塩をろ過、
水洗などにより除去し、さらに加熱減圧下トルエン、メ
チルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の溶媒を
留去することにより本発明のエポキシ樹脂を得ることが
できる。
【0024】以下、本発明の硬化性樹脂組成物について
説明する。本発明の硬化性組成物は本発明のフェノール
樹脂又はエポキシ樹脂の少なくとも一方を含有する。本
発明の硬化性樹脂組成物が、本発明のフェノール樹脂を
含有する場合、他の成分としてエポキシ樹脂を含有す
る。本発明のフェノール樹脂を必須成分とする硬化性樹
脂組成物において、本発明のフェノール樹脂を単独でま
たは他の硬化剤と併用することが出来る。併用する場
合、本発明のフェノール類樹脂の全硬化剤中に占める割
合は10重量%以上が好ましく、特に20重量%以上が
好ましい。また、本発明の硬化性樹脂組成物が本発明の
エポキシ樹脂を含有する場合、他の成分として硬化剤を
含有する。本発明のエポキシ樹脂を必須成分とする硬化
性樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独で
または他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来
る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂のエポキシ樹
脂中に占める割合は20重量%以上が好ましく、特に3
0重量%以上が好ましい。
【0025】本発明のフェノール樹脂と併用されうる他
の硬化剤、あるいは本発明のエポキシ樹脂の硬化剤とし
ては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミ
ド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用
いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメ
タン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミ
ン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレン
ジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マ
レイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビ
スフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノール
AD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フ
ェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキ
ル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置
換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)
と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル
置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、
ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデ
ヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)と
の重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシク
ロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、
ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロ
インデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジ
イソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン
等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
フェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノー
ル類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、
α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニ
ルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメ
タノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジク
ロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロ
ロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール
類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物、
イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体
などが挙げられるがこれらに限定されることはない。
【0026】本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他の
エポキシ樹脂、あるいは本発明のフェノール樹脂と併用
されるエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール
類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェ
ノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香
族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトー
ル、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシ
ベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒ
ド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアル
デヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒ
ド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトン
アルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フ
ェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエ
ン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジ
エン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニ
ルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合
物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベ
ンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族
ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,
α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタ
ノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール
等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチ
ル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチル
ビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種
アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化
したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジル
エステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いら
れるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものでは
ない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いて
もよい。
【0027】本発明の硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂
を含む場合、必要に応じて、エポキシ樹脂の硬化促進剤
として一般的に用いられるものを含有させても良い。硬
化促進剤としては例えば、2−メチルイミダゾール、2
−エチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、三フ
ッ化ホウ素錯体、トリフェニルホスフィン、トリオクチ
ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニ
ルホスホニウム・テトラフェニルボレートの等のリン系
化合物、三級アミン化合物などが挙げられ、その使用量
はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重
量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0028】更に本発明の硬化性樹脂組成物には、必要
に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いう
る添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変
性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニ
レンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミ
ド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエス
テル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並
びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アル
ミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化
鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイ
カ、ガラス粉末、ガラス繊維、ガラス不織布または、カ
ーボン繊維等の無機充填材、シランカップリング剤のよ
うな充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着
色剤が挙げられる。
【0029】本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分
を所定の割合で均一に混合することにより得られる。混
合は必要により上記各成分の軟化点より20〜100℃
程度高い温度で加熱溶融することに依って行うことが出
来る。また、硬化性樹脂組成物の各成分を溶剤等に均一
に分散または溶解させることにより、混合することもで
きる。溶媒は特に限定されないが、用いうる具体例とし
ては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジオキサン、メチルセロソルブ、
ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これら溶媒は樹
脂分100重量部に対して通常5〜300重量部、好ま
しくは10〜150重量部が用いられる。
【0030】本発明の硬化物は、上記の硬化性樹脂組成
物を、通常室温〜250℃で30秒〜50時間で処理す
ることにより得られる。又、熱硬化性樹脂組成物の成分
を溶剤等に均一に分散または溶解させ、溶媒を除去した
後に前記のような条件で硬化させることもできる。
【0031】以上のようにして得られた硬化物は、特に
本発明のフェノール樹脂とエポキシ樹脂を併用した場合
には難燃性に優れている。本発明の電気・電子部品は、
半導体装置を例に採れば、本発明の硬化性樹脂組成物で
封止されたもの等の本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物
を有する。半導体装置としては、例えばDIP(デュア
ルインラインパッケージ)、QFP(クワッドフラット
パッケージ)、BGA(ボールグリッドアレイ)、CS
P(チップサイズパッケージ)、SOP(スモールアウ
トラインパッケージ)、TSOP(シンスモールアウト
ラインパッケージ)、TQFP(シンクワッドフラット
パッケージ)等が挙げられる。また、溶剤を含有する本
発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板やフレキシ
ブルプリント配線板を構成する材料の接着剤や絶縁材料
としても使用可能であり、これら配線板も本発明の電気
・電子装置に包含される。
【0032】
【実施例】以下本発明を合成例、実施例により更に詳細
に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また実施例において、エポキシ当量、溶融
粘度、軟化点は以下の条件で測定した。 1)エポキシ当量 JIS K−7236に準じた方法で測定した。 2)溶融粘度 150℃におけるコーンプレート法における溶融粘度測
定機械: コーンプレート(ICI)高温粘度計(RESEARCH EQUI
PMENT(LONDON)LTD. 製) コーンNo.3(測定範囲0〜20ポイズ) 試料量:0.15±0.005(g) 3)軟化点 JIS K−7234に準じた方法で測定 4)o−配位数/p−配位数(o/p)13 C−NMRの測定により、水酸基に対するメチレン
基の結合位置のo,p比をo位への配位数をp位への配
位数で割った値(以下o/p)として算出した 5)oo,pp比(oo/pp) 高速液体クロマトグラフィーにより測定 検出:UV(274nm) 6)n=1である分子の含有割合(n=1体の割合) GPC分析装置により測定した ・分析条件 カラム:Shodex KF−803(2本)+KF−
802.5(2本) 温度:40℃ 溶剤:テトラヒドロフラン 検出:UV(254nm) 流量:1ml/min
【0033】実施例1 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、フ
ェノール195重量部、フレーク状の水酸化ナトリウム
50重量部、メタノール20重量部を仕込、撹拌、溶解
後、加熱して温度を100℃に保ちながら4,4’−ビ
スクロロメチルビフェニル151重量部を4時間かけて
連続的に添加した。添加終了後、p−トルエンスルホン
酸を11重量部添加し、同温度で更に3時間反応を行っ
た。反応終了後、水洗により副生する塩化ナトリウムを
除去し、油層から加熱減圧下において過剰のフェノール
を留去し、残留物に400重量部のメチルイソブチルケ
トンを添加して溶解した。この樹脂溶液を洗浄液が中性
になるまで水洗を繰り返した後、油層から加熱減圧下に
おいてメチルイソブチルケトンを留去することにより本
発明のフェノール樹脂(P1)180重量部を得た。得
られたフェノール樹脂(P1)の溶融粘度は0.09Pa
・s、軟化点は68℃、o/pは2.50、oo/pp
は6.1、n=1体の割合は35.6重量%であった。
【0034】実施例2 実施例1で得られたフェノール樹脂(P1)107重量
部に対してエピクロルヒドリン(ECH、以下同様)2
30重量部、ジメチルスルホキシド(DMSO、以下同
様)60重量部を反応容器に仕込、加熱、撹拌、溶解
後、温度を45℃に保持しながら、フレーク状の水酸化
ナトリウム21重量部を2時間かけて連続的に添加し
た。水酸化ナトリウム添加完了後、45℃で2時間、7
0℃で1時間更に反応を行った。ついで水洗を繰り返
し、副成塩とジメチルスルホキシドを除去した後、油層
から加熱減圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留
去し、残留物に300重量部のメチルイソブチルケトン
を添加し溶解した。このメチルイソブチルケトン溶液を
70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液10重量
部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄
液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減
圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することに
より本発明のエポキシ樹脂(E1)130重量部を得
た。エポキシ樹脂(E1)のエポキシ当量は278g/
eq、溶融粘度は0.1Pa・s、軟化点は58℃であっ
た。
【0035】実施例3 実施例1において、フェノールを98重量部に、水酸化
ナトリウムを33重量部に、4,4’−ビスクロロメチ
ルビフェニルを110重量部に変えた以外は同様の操作
を行ったところ、本発明のフェノール樹脂(P2)13
5重量部を得た。得られたフェノール樹脂(P2)の溶
融粘度は0.32Pa・s、軟化点は79℃、o/pは
2.33、oo/ppは7.8、n=1体の割合は2
3.9重量%であった。
【0036】実施例4 実施例2において、フェノール樹脂(P1)をフェノー
ル樹脂(P2)87重量部に、ECHを190重量部
に、DMSOを50重量部に、MIBKを170重量部
に、30%水酸化ナトリウム水溶液を5重量部に変えた
以外は同様の操作を行ったところ、本発明のエポキシ樹
脂(E2)105重量部を得た。エポキシ樹脂(E2)
のエポキシ当量は288g/eq、溶融粘度は0.33
Pa・s、軟化点は70℃であった。
【0037】実施例5 実施例1において、フェノールを94重量部に、水酸化
ナトリウムを炭酸ソーダ8重量部に、4,4’−ビスク
ロロメチルビフェニルを100重量部に変え、p−トル
エンスルホン酸とメタノールを使用しなかった以外は同
様の操作を行ったところ、本発明のフェノール樹脂(P
3)123重量部を得た。得られたフェノール樹脂(P
3)の溶融粘度は0.32Pa・s、軟化点は80℃、o
o/ppは2.1、n=1体の割合は25.3重量%で
あった。
【0038】実施例6 実施例1において、フェノールを127重量部に、水酸
化ナトリウムを5重量部に、4,4’−ビスクロロメチ
ルビフェニルを76重量部に変えた以外は同様の操作を
行ったところ、本発明のフェノール樹脂(P4)135
重量部を得た。得られたフェノール樹脂(P4)の溶融
粘度は0.08Pa・s、軟化点は67℃、oo/ppは
1.5、n=1体の割合は44.1重量%であった。
【0039】比較例1 撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、フ
ェノール195重量部、4,4’−ビス(メトキシメチ
ル)ビフェニル146重量部を仕込み、硫酸ジエチル
5.3重量部を添加し、温度を160℃に保ちながら4
時間反応をおこなった。反応終了後冷却し,水洗水が中
性になるまで水洗を繰り返し、油層から加熱減圧下にお
いて未反応のフェノールを留去することによりフェノー
ル樹脂(PC1)170重量部を得た。得られたフェノ
ール樹脂(PC1)の溶融粘度は1.4Pa・s、軟化点
は73℃、o/pは1.2、oo/ppは1.4、n=
1体の割合は35.8重量%であった。
【0040】比較例2 実施例2において、フェノール樹脂(P1)をフェノー
ル樹脂(PC1)107重量部に変えた以外は同様の操
作を行ったところ、エポキシ樹脂(EC1)128重量
部を得た。エポキシ樹脂(EC1)のエポキシ当量は2
78g/eq、溶融粘度は0.07Pa・s、軟化点は5
7℃であった。
【0041】比較例3 比較例1において、フェノールを98重量部に変えた以
外は同様の操作を行ったところ、フェノール樹脂(PC
2)132重量部を得た。得られたフェノール樹脂(P
C2)の溶融粘度は0.36Pa・s、軟化点は80℃、
o/pは1.6、oo/ppは1.9、n=1体の割合
は24.6重量%であった。
【0042】比較例4 実施例4において、フェノール樹脂(P2)をフェノー
ル樹脂(PC2)87重量部に変えた以外は同様の操作
を行ったところ、エポキシ樹脂(EC2)105重量部
を得た。エポキシ樹脂(EC2)のエポキシ当量は28
8g/eq、溶融粘度は0.33Pa・s、軟化点は70
℃であった。
【0043】実施例7,8、比較例5,6 実施例2,4、比較例2,4で得られたエポキシ樹脂
を、樹脂濃度が70重量%になるようにメチルエチルケ
トンに溶解し、5℃で保管して結晶の析出の有無を観測
した。観測結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例9,10、比較例7,8 下記、表2示した割合で、実施例及び比較例で得られた
エポキシ樹脂、硬化剤(ジシアンジアミド)、硬化促進
剤(2−エチルー4−メチルイミダゾール)を25重量
部のメチルエチルケトンと20重量部のジメチルホルム
アミドに溶解して本発明の硬化性樹脂組成物のワニスを
作成した。このワニスを、5℃で2週間保存後、ガラス
クロスに含浸させ、150℃で5分間乾燥してBステー
ジ状のプリプレグを得た。このプリプレグを3枚と、銅
箔1枚を重ね、180℃で2時間加圧加熱して硬化物と
した。この硬化物について、下記のようにして吸湿率と
耐溶剤(ジメチルホルムアミド)性を測定した。 ・吸湿率:85℃/85%/100時間後の重量増加率 耐溶剤性:ジメチルホルムアミドに10日間浸漬後の重
量増加率
【0046】
【表2】
【0047】以上の結果より、比較用のエポキシ樹脂
は、結晶の析出により成分の偏在化が起こり、微小な未
硬化部分が硬化物中に存在し、そこに水分などが入り込
みやすいことが推測され、半田リフロー時に膨れなどの
不良を起こす可能性が増加する原因となる。
【0048】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂は結晶の析出が
起こりにくいため、これを利用した樹脂組成物におい
て,長期保存後の性能の低下を防止できる。また、この
フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂は、溶剤
に溶解して低温で保存しても、結晶の析出が起こりにく
いため、前記と同様に樹脂組成物の保存安定性の向上に
寄与するものである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中nは繰り返し数を表し、1〜20の整数を示す。)
    で表されるフェノール樹脂であって、水酸基に対してo
    位にメチレン基が結合しているベンゼン環の総モル数
    (o−配位数)と水酸基に対してp位にメチレン基が結
    合しているベンゼン環の総モル数(p−配位数)が、o
    −配位数/p−配位数>1.2の関係を満たすフェノー
    ル樹脂。
  2. 【請求項2】o−配位数/p−配位数≧1.5×V+1
    (Vは150℃における溶融粘度で、単位はPa・sを
    示す)である請求項1記載のフェノール樹脂。
  3. 【請求項3】o−配位数/p−配位数≧1.5×V+
    1.2(Vは150℃における溶融粘度で、単位はPa
    ・sを示す)である請求項1記載のフェノール樹脂。
  4. 【請求項4】式(1)で表されるフェノール樹脂におい
    て、下記式(2)、式(3) 【化2】 で表される成分の存在割合oo/pp(ooは式(3)の
    化合物の総モル数、ppは式(2)の化合物の総モル数)
    が、−0.03×D+2.7(Dは、フェノール樹脂中
    のn=1の分子の含有割合(重量%)を示す)以上であ
    るフェノール樹脂。
  5. 【請求項5】oo/ppが、−0.03×D+3.7以
    上である請求項4記載のフェノール樹脂。
  6. 【請求項6】4,4’−ビスクロロメチルビフェニルと
    フェノールとを、塩基性物質を用いて反応させることを
    特徴とする式(1)で表されるフェノール樹脂の製法。
  7. 【請求項7】塩基性物質がアルカリ金属水酸化物または
    アルカリ金属メトキサイドである請求項6記載のフェノ
    ール樹脂の製法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか1項に記載のフェ
    ノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られる
    エポキシ樹脂。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれか1項に記載のフェ
    ノール樹脂及び/または請求項8記載のエポキシ樹脂を
    含有する硬化性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜5のいずれか1項に記載のフ
    ェノール樹脂及び請求項8記載のエポキシ樹脂を必須成
    分とする硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項9〜10のいずれか1項に記載の
    硬化性樹脂組成物を用いて得られる電気・電子部品。
  12. 【請求項12】請求項9〜10のいずれか1項に記載の
    硬化性樹脂組成物の硬化物。
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