JP5817931B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主駆動輪および従駆動輪に付与する駆動トルクの配分率を変更することが可能な車両の制御装置に係る。特に、本発明は、この種の車両の旋回時における制御に関する。
エンジン等の駆動力源が搭載された車両として、前後輪に付与する駆動トルクの配分率を変更することが可能な駆動トルク配分装置を備え、この駆動トルクの配分率の変更により、前輪または後輪の一方で車両を駆動する二輪駆動状態と、前輪および後輪の両方で車両を駆動する四輪駆動状態とを切り換えることが可能な車両が知られている(例えば下記の特許文献1および特許文献2を参照)。
この種の車両では、走行状態に応じ、前後輪に所定の配分率で駆動トルクを配分する四輪駆動状態にして車両の走行性能の向上を図ったり、前輪または後輪の一方のみに駆動トルクを伝達する二輪駆動状態にして燃料消費率の改善を図ったりすることが可能である。
また、下記の特許文献1にも開示されているように、二輪駆動状態での走行中に主駆動輪にスリップが生じる等といった四輪駆動移行条件が成立した場合には、駆動トルク配分装置を作動させることによって従駆動輪に駆動トルクの一部を配分して四輪駆動状態に切り換えて走行安定性を図るようにしている。
特開2005−145334号公報 特開2011−230613号公報 特開2008−290665号公報 特開2009−281314号公報
ところで、特許文献3や特許文献4にも開示されているように、一般に車両の旋回時には、操舵輪(前輪)に作用するコーナリングドラッグ(コーナリング抵抗)によって車両が減速してしまうことが知られている。このコーナリングドラッグによる車両の減速は、上述した二輪駆動状態と四輪駆動状態とが切り換え可能な車両においても同様に発生する。つまり、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式を基本とする四輪駆動車の場合、二輪駆動状態での走行中に旋回する際、コーナリングドラッグによって車両が減速する。また、それに伴って従駆動輪である後輪の回転速度も減速することになる。
また、このような二輪駆動状態での旋回中において、仮に運転者の加速要求が生じた場合には、主駆動輪である前輪の駆動力が増大することで車速が上昇し、これに伴って後輪の回転速度も上昇していく。
そして、このような状況で四輪駆動状態への移行条件が成立すると、駆動トルク配分装置の締結力を高めて四輪駆動状態へ移行することになる。
ところが、この場合、四輪駆動状態への移行条件が成立した時点では、後輪には駆動力が発生しておらず、後輪は路面との摩擦力による被回転状態となっている。つまり、後輪の回転慣性は低くなっている。このため、四輪駆動状態への移行条件の成立に伴って駆動トルク配分装置の締結力を高めたとしても、後輪の回転慣性を所定値に上昇させるまでの期間中は後輪に駆動力を発生させることができなくなってしまう。つまり、四輪駆動状態への移行条件が成立してから実際に四輪駆動状態への移行が完了するまでに時間を要してしまうことになる。その結果、上記車両の旋回中における四輪駆動状態への移行に応答遅れが生じてしまい、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の旋回中に四輪駆動状態への移行条件が成立した場合の応答遅れを短縮化することが可能な車両の制御装置を提供することにある。
具体的に、本発明は、走行用の駆動トルクを出力する駆動力源を備え、前輪および後輪のうち一方を主駆動輪とし、他方を従駆動輪として、主駆動輪および従駆動輪に対する駆動トルクの配分率を変更することにより、主駆動輪のみに駆動トルクを伝達する二輪駆動状態と、主駆動輪および従駆動輪の両方に駆動トルクを伝達する四輪駆動状態とを切り換え可能な車両の制御装置を前提とする。この車両の制御装置に対し、車両が旋回時に加速する場合、操舵輪に作用するコーナリングドラッグが大きいほど大きく設定されるプレトルクを従駆動輪に付与し、その後、四輪駆動状態への移行条件が成立した場合に、上記四輪駆動状態にするための駆動トルクを上記従駆動輪に付与する構成としている。
本解決手段における従駆動輪へのプレトルクの付与は、車両が旋回時に加速することを条件として実行され、四輪駆動状態への移行条件が成立していなくても実行されるものとなっている。そして、四輪駆動状態への移行条件が成立した場合には、プレトルクよりも大きな駆動トルクを従駆動輪に付与することで四輪駆動状態に移行する。
本解決手段の特定事項による作用について以下に説明する。まず、車両が旋回する際には、コーナリングドラッグの影響による車速の低下に伴って従駆動輪の回転慣性が低くなっている。このため、旋回時に車両が加速していることを条件として、この低くなっている従駆動輪の回転慣性を高めておくように、操舵輪に作用するコーナリングドラッグが大きいほど大きく設定されるプレトルクを従駆動輪に付与しておく。その後、四輪駆動状態への移行条件が成立した場合には、従駆動輪への駆動トルクの配分率を高めて、四輪駆動状態に移行させることになるが、この四輪駆動状態への移行時にあっては、上述した如く従駆動輪に予めプレトルクが付与されており、従駆動輪の回転慣性が高くなっている。このため、四輪駆動状態への移行条件が成立して従駆動輪への駆動トルクの配分率を高めるのと略同時に従駆動輪に駆動力を発生させることができ、直ちに四輪駆動状態への移行が完了することになる。つまり、車両の旋回中における四輪駆動状態への移行の応答性を高めることができる。また、コーナリングドラッグに適したプレトルクを従駆動輪に付与しておくことができ、四輪駆動状態への移行条件が成立してから四輪駆動状態への移行が完了するまでの時間を、従駆動輪の回転慣性に関わらず均一化できる。
また、上記従駆動輪に付与するプレトルクを、走行用の駆動トルクの一部を従駆動輪に配分することにより得られるものとする。また、このプレトルクを、後輪の回転速度を前輪の回転速度よりも高くして旋回時における車両の回頭性を高めるように、前輪の回転速度と後輪の回転速度との差が小さいほど低く設定されるプレトルク上限値に制限するようにしている。つまり、上記コーナリングドラッグに応じて求められたプレトルクがプレトルク上限値を超える場合には、従駆動輪に付与されるプレトルクとしてはプレトルク上限値に制限される。
旋回時における車両の回頭性を高めるためには、後輪が、前輪の移動軌跡に対して外側(コーナの外寄り)の移動軌跡を通過することが望ましい。つまり、後輪の回転速度が前輪の回転速度よりも高くなった状態で車両が旋回することが望ましい。そして、後輪の回転速度が前輪の回転速度程度まで低下してしまうと車両の回頭性を高めることができなくなる可能性がある。このため、前輪の回転速度と後輪の回転速度との差に基づいてプレトルク上限値を設定しておき、後輪の回転速度が前輪の回転速度よりも十分に高くなるようにプレトルクを制限して車両の回頭性を確保するようにしている。つまり、車両の回頭性を確保しながらも、必要最小限のプレトルクを後輪に付与しておく。これにより、車両の回頭性の確保と四輪駆動状態への応答性の向上とを両立できる。
また、上記従駆動輪にプレトルクが付与された状態で、四輪駆動状態への移行条件が成立することなく車両の旋回および加速の少なくとも一方が解除された場合には、上記四輪駆動状態にするための駆動トルクを上記従駆動輪に付与することなく、プレトルクの付与を解除するようにしている。
これにより、上述した如く、四輪駆動状態への移行条件が成立しなかった場合であっても、車両の旋回加速中、従駆動輪にはプレトルクの付与に伴う駆動力が生じているため、車両の旋回性能が高められた状態で旋回が行われることになる。そして、車両の旋回および加速の少なくとも一方が解除された場合には、プレトルクの付与が解除されるため、燃料消費率の改善を図ることが可能な二輪駆動状態での走行に移ることが可能になる。
本発明では、車両の旋回加速中に、従駆動輪にプレトルクを付与している。このため、その後に四輪駆動移行条件が成立した場合には、応答遅れを生じさせることなく四輪駆動状態への移行を完了することができる。
実施形態に係る車両を示す概略構成図である。 車両の制御系の概略構成を示すブロック図である。 電子制御カップリングへの励磁電流と、電子制御カップリングの伝達トルクとの関係を示す図である。 プレトルク制御の手順を示すフローチャート図である。 コーナリングドラッグマップを示す図である。 操舵角に応じたコーナリングドラッグを説明するための概念図である。 プレトルク上限値マップを示す図である。 旋回中に二輪駆動状態から四輪駆動状態に切り換わる際の後輪トルクの時間的変化であって、実施形態における後輪トルクの時間的変化を実線で、従来技術における後輪トルクの時間的変化を破線でそれぞれ示す図である。 変形例1において操舵角およびタイヤスリップ角に応じたコーナリングドラッグを説明するための概念図である。 変形例2におけるプレトルク上限値マップを示す図である。 変形例3に係る車両を示す概略構成図である。 変形例3に係る車両の制御系の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式を基本とするスタンバイ四輪駆動方式を採用したコンベンショナル車両(駆動力源としてエンジンのみを搭載した車両)に本発明を適用した場合について説明する。
図1は本実施形態に係る車両を示す概略構成図である。
図1に示すように、車両は、車両走行用の駆動トルクを発生するエンジン(内燃機関)1、トルクコンバータ2、自動変速機3、前輪用デファレンシャル装置41、前輪車軸(フロントドライブシャフト)42、前輪(主駆動輪)43L,43R、トランスファ51、プロペラシャフト52、電子制御カップリング6、後輪用デファレンシャル装置71、後輪車軸(リヤドライブシャフト)72、後輪(従駆動輪)73L,73R、および、ECU10などを備えている。また、このECU10により実行されるプログラムによって本発明に係る車両の制御装置が実現される。
次に、エンジン1、トルクコンバータ2、自動変速機3、トランスファ51、電子制御カップリング6、および、ECU10などの各部について説明する。
−エンジン−
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどで構成され、燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置である。また、このエンジン1は、例えば、吸気通路に設けられたスロットルバルブ(図示省略)のスロットル開度(吸入空気量を調整するための開度)、燃料噴射量、点火時期(ガソリンエンジンの場合)などの運転状態を制御できるように構成されている。
−トルクコンバータ・自動変速機等−
トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラおよび出力側のタービンランナなどを備えており、それらポンプインペラとタービンランナとの間で流体(作動油)を介して動力伝達を行う。ポンプインペラはエンジン1の出力軸であるクランクシャフト(図示省略)に連結されている。タービンランナはタービンシャフトを介して自動変速機3の入力軸に連結されている。
自動変速機3は、例えば、クラッチおよびブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機である。なお、自動変速機3は、変速比を無段階に調整するベルト式などの無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であってもよい。また、変速機としては、マニュアルトランスミッション(手動変速機)であってもよい。
自動変速機3の出力軸には出力ギヤ(図示省略)が回転一体に連結されている。その出力ギヤは前輪用デファレンシャル装置41のデフドリブンギヤ41aに噛み合っており、自動変速機3の出力軸に伝達された駆動トルクは、前輪用デファレンシャル装置41および前輪車軸42を介して左右の前輪43L,43Rに伝達される。これら左右の前輪43L,43Rの回転速度は、左前輪速度センサ94Lおよび右前輪速度センサ94Rによってそれぞれ検出される。
−トランスファ−
トランスファ51は、前輪用デファレンシャル装置41に回転一体に連結されたドライブギヤ51aと、このドライブギヤ51aに噛み合うドリブンギヤ51bとを備え、トルクの伝達方向を車幅方向から車体後方に変更するものである。上記ドリブンギヤ51bにはプロペラシャフト52が回転一体に連結されている。プロペラシャフト52は、電子制御カップリング6、後輪用デファレンシャル装置71、後輪車軸72を介して左右の後輪73L,73Rに連結されている。そして、上記前輪用デファレンシャル装置41からトランスファ51に伝達された駆動トルクは、プロペラシャフト52および電子制御カップリング6に伝達され、その電子制御カップリング6が係合状態(カップリングトルク伝達状態;以下、締結状態という場合もある)であるときに、駆動トルクが後輪用デファレンシャル装置71、後輪車軸72を介して左右の後輪73L,73Rに伝達(配分)される。これら左右の後輪73L,73Rの回転速度は、左後輪速度センサ95Lおよび右後輪速度センサ95Rによってそれぞれ検出される。
−電子制御カップリング−
電子制御カップリング(駆動トルク配分装置)6は、例えばパイロットクラッチ式のものであって、多板摩擦クラッチで構成されたメインクラッチ、パイロットクラッチ(電磁多板クラッチ)、カム機構および電磁石などを備えており、電磁石の電磁力によってパイロットクラッチが係合され、その係合力をカム機構にてメインクラッチに伝達することにより、当該メインクラッチが係合するように構成されている(具体的な構成については、例えば特開2010−254135号公報を参照)。
そして、この電子制御カップリング6においては、上記電磁石に供給する励磁電流Ieを制御することによってトルク容量つまりカップリングトルクTcが制御されるようになっており、全駆動トルクに対する後輪73L,73R側への駆動トルク配分率を、例えば0〜50%の範囲で無段階に調整することができる。電子制御カップリング6の電磁石への励磁電流IeはECU10によって制御される。
図3は、この電子制御カップリング6の電磁石への励磁電流Ieと、電子制御カップリング6の伝達トルク(カップリングトルク)Tcとの関係を示している。このように、アクチュエータ操作量である励磁電流Ieに従って電子制御カップリング6の伝達トルクTcを可変に制御することが可能となっている。
例えば、電子制御カップリング6への励磁電流Ieが「0」のときは、上記メインクラッチは非係合(解放)状態とされて、伝達トルクTcの伝達率は「0%」となるので、前輪駆動状態(前輪駆動による二輪駆動状態)と同等の走行状態が実現されることになる。一方、電子制御カップリング6への励磁電流Ieを増加させると、伝達トルクTcは増大し、励磁電流Ieが図中のI1のときに伝達トルクTcの伝達率は「100%(駆動トルク配分率は50%)」、すなわち後輪73L,73Rへの駆動トルク配分を最大として直結四輪駆動状態と同等の走行状態が実現されることになる。このようにして電子制御カップリング6への励磁電流Ieに応じて、前後輪間での駆動トルク配分を可変に制御できる。
なお、このECU10による電子制御カップリング6の基本制御の一つとしては、例えば、電子制御カップリング6の電磁石への励磁電流Ieが「0」とされた二輪駆動状態での走行中において、前輪43L,43Rでスリップが発生した場合に、上記励磁電流Ieが供給され、上記カップリングトルクTcを発生させる。これにより、車両は二輪駆動状態から四輪駆動状態に移行して走行安定性が確保されることになる。また、この場合の励磁電流Ieの値は、前輪43L,43Rのスリップ量が多いほど高い値とされ、カップリングトルクTcを高く設定することになる。なお、上記前輪43L,43Rでのスリップの発生の有無は、各車輪速度センサ94L,94R,95L,95Rによって検出される各車輪速度を比較することにより行われる。また、車室内に配置された2WD−4WD選択スイッチによって運転者が4WD走行モードを選択した場合にも、上記励磁電流Ieが供給されて上記カップリングトルクTcを発生させ、これにより、車両は二輪駆動状態から四輪駆動状態に移行することになる。
−ECU−
ECU10は、エンジン1の運転制御などを実行する電子制御装置であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU10には、図2に示すように、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度accを検出するアクセル開度センサ91、ステアリングの操舵角deltaを検出する操舵角センサ92、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトが所定角度だけ回転する度にパルス信号を発信するクランクポジションセンサ93、左前輪43Lの回転速度(回転数)を検出する左前輪速度センサ94L、右前輪43Rの回転速度を検出する右前輪速度センサ94R、左後輪73Lの回転速度を検出する左後輪速度センサ95L、右後輪73Rの回転速度を検出する右後輪速度センサ95R、および、ブレーキペダルのON/OFFを検出(ブレーキ踏力の検出も含む)するブレーキペダルセンサ96などが接続されている。さらに、ECU10には、エンジン冷却水温を検出する水温センサ、吸気通路に配置されたスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ、および、吸入空気量を検出するエアフロメータなどが接続されており、これらセンサからの信号がECU10に入力される。
そして、ECU10は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットル開度制御(吸入空気量制御)、燃料噴射量制御、および、点火時期制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。また、ECU10は、電子制御カップリング6を制御することにより、上述した二輪駆動状態と四輪駆動状態との間での切り換え制御のほか、後述する「旋回時プレトルク制御」を実行する。
−旋回時プレトルク制御−
次に、本実施形態の特徴とする制御である旋回時プレトルク制御について説明する。
一般に車両の旋回時には、操舵輪である前輪43L,43Rに作用するコーナリングドラッグ(コーナリング抵抗)によって車速が低下する。そして、二輪駆動状態での走行中に車両が旋回する場合、コーナリングドラッグによって車速が低下し、それに伴って従駆動輪である後輪73L,73Rの回転速度も低下することになる。
また、このような二輪駆動状態での旋回中において、仮に運転者の加速要求が生じた場合(アクセルペダルの踏み込み量が大きくなった場合等)には、エンジン1の出力トルクの増大に伴い前輪43L,43Rの駆動力が増大することで車速が上昇し、これに伴って後輪73L,73Rの回転速度も上昇していく。
そして、このような状況で四輪駆動状態への移行条件(前輪43L,43Rにスリップが発生した場合等)が成立すると、電子制御カップリング6の締結力(係合力)を高めて四輪駆動状態へ移行することになる。
ところが、この場合、二輪駆動状態での旋回時において低くなっていた後輪73L,73Rの回転慣性を所定値まで上昇させる期間中は後輪73L,73Rに駆動力を発生させることができない。その結果、四輪駆動状態への移行条件が成立してから実際に後輪73L,73Rに駆動力が発生して四輪駆動状態への移行が完了するまでに時間を要してしまうことになる。つまり、上記車両の旋回中における四輪駆動状態への移行に応答遅れが生じてしまうことになる。
この点に鑑み、本実施形態では、車両の旋回加速時には、後輪73L,73Rの回転慣性(上記コーナリングドラッグの影響を受けて低くなっていた回転慣性)に応じて、この後輪73L,73Rにプレトルクを付与するように電子制御カップリング6の締結力を制御しておく。つまり、四輪駆動状態への移行条件が成立していなくても、車両の旋回加速時であることを条件として、電子制御カップリング6の締結力を制御し、これにより、後輪73L,73Rにプレトルクを付与しておく。
そして、その後、前輪43L,43Rにスリップが発生するなどして四輪駆動状態への移行条件が成立した場合には、電子制御カップリング6の締結力を高めることで、四輪駆動状態にするための駆動トルクを後輪73L,73Rに付与して四輪駆動状態へ移行させるようにしている。これにより、車両の旋回中に四輪駆動状態への移行条件が成立した場合の応答遅れを短縮化できるようにしている。
次に、この旋回時におけるプレトルク制御の具体的な手順について説明する。図4は、プレトルク制御の動作手順を示すフローチャート図である。この図4に示すフローチャートは、車両の二輪駆動状態での走行中、数msec毎に実行される。
なお、上記後輪73L,73Rの回転慣性は、車両が旋回する際に操舵輪(前輪43L,43R)に作用するコーナリングドラッグの影響による車体減速度や、車両が旋回する際に操舵輪に作用するコーナリングドラッグや、車両が旋回する際の操舵角に相関があり、これらのうち何れかを後輪73L,73Rの回転慣性の高さを表す指標として扱うことが可能である。つまり、車体減速度が大きいほど上記回転慣性は低くなり、コーナリングドラッグが大きいほど上記回転慣性は低くなり、操舵角が大きいほど上記回転慣性は低くなる。以下で説明するプレトルク制御では、コーナリングドラッグの影響による車体減速度を、後輪73L,73Rの回転慣性の高さを表す指標として扱った場合について説明する。
まず、ステップST1において、車両の現在の走行状態量を取得する。この走行状態量としては、車輪速度、および、駆動系への入力トルク等である。車輪速度は上記各車輪速度センサ94L,94R,95L,95Rにより各車輪43L,43R,73L,73Rそれぞれについて検出される。また、駆動系への入力トルクは、エンジン1の出力トルクに相当し、上記アクセル開度センサ91によって検出されるアクセル開度accおよびクランクポジションセンサ93からの出力信号に基づいて算出されるエンジン回転速度から求められる。例えば、アクセル開度accに応じて設定される要求駆動力(要求パワー)をエンジン回転速度によって除算することによりエンジン1の出力トルクが算出され、これにより駆動系への入力トルクが求められる。
このようにして車両の現在の走行状態量を取得した後、ステップST2に移り、ドライバ(運転者)による操作量を取得する。この操作量としては、アクセル開度acc、ステアリングの操舵角delta等である。アクセル開度accは、上記アクセル開度センサ91によって検出される。また、ステアリングの操舵角deltaは、上記操舵角センサ92によって検出される。
次に、ステップST3に移り、前輪43L,43Rに作用しているコーナリングドラッグ(コーナリング抵抗)の推定を行う。このコーナリングドラッグの推定は、上記ROMに予め記憶されたコーナリングドラッグマップに基づいて行われる。このコーナリングドラッグマップは、ステアリングの操舵角deltaと前輪43L,43Rに作用しているコーナリングドラッグとの関係を規定するものであって、予め実験やシミュレーションによって作成されている。図5は、コーナリングドラッグマップの一例を示している。このように、操舵角deltaが大きいほど前輪43L,43Rに作用しているコーナリングドラッグも大きな値として得られるようにコーナリングドラッグマップは作成されている。
ここでコーナリングドラッグについて説明する。図6は、一方(例えば左側)の前輪に作用しているコーナリングドラッグの概念図である。なお、この図6では、操舵角に応じたコーナリングドラッグを示している。
この図6に示すように、前輪が所定の操舵角で操舵されている場合、前輪には、操舵方向に垂直な方向に横力が作用している。そして、コーナリングドラッグは、この横力の車体前後方向に沿う成分に相当する力であり、以下の式(1)により求められる。
コーナリングドラッグ=Fs×sinDs …(1)
Fs:横力、Ds:操舵角
このように、操舵角が大きいほどコーナリングドラッグは大きくなる。図5に示すコーナリングドラッグマップは、この関係に基づいて操舵角に応じたコーナリングドラッグが求められるようになっている。また、コーナリングドラッグは、走行抵抗として作用するため、このコーナリングドラッグが大きいほど、つまり、操舵角が大きいほど車両の減速度も大きくなる。そして、この車両の減速度が大きいほど、上記後輪73L,73Rの回転慣性は低くなる。
上記コーナリングドラッグの推定を行った後、ステップST4において、このコーナリングドラッグの影響を受けたことによる車両の減速度を取得する。この車両の減速度はコーナリングドラッグの大きさに比例する。例えば、コーナリングドラッグと車両の減速度との関係を規定するマップを、予め実験やシミュレーションによって作成しておき、このマップから車両の減速度を求めるようにする。
なお、この車両の減速度はセンサ等により計測されたものであってもよい。例えば、上記各車輪速度センサ94L,94R,95L,95Rによって検出される各車輪43L,43R,73L,73Rそれぞれの回転速度や、図示しない加速度センサからの出力や、図示しない車体速度センサからの出力に基づいて車両の減速度を求めてもよい。
次に、ステップST5に移り、後輪73L,73Rの回転慣性を高めるために必要となるプレトルクを求める。このプレトルクは、上記車両の減速度に応じた値として求められる。つまり、車両の減速度が大きいほど後輪73L,73Rの回転慣性は低くなっているため、この場合、プレトルクとしては大きな値として求められる。例えば、車両の減速度を変数とする所定の演算式によってプレトルクを求める。また、予め実験やシミュレーションに基づいて車両の減速度からプレトルクを求めるマップを作成し、このマップ(プレトルクマップ)を上記ROMに記憶させておき、このプレトルクマップからプレトルクを求めるようにしてもよい。ここで求められるプレトルクとしては例えば数十Nm程度であって、四輪駆動時に後輪73L,73Rに付与される駆動トルク(数百Nm程度)に対して1/10程度の低い値となっている。
なお、このプレトルクとしては、車両の減速度に限らず、上記コーナリングドラッグの大きさや、操舵角の大きさに応じた値として求めるようにしてもよい。つまり、コーナリングドラッグが大きいほど、また、操舵角が大きいほど車両の減速度も大きくなるため、このような場合には、プレトルクを大きな値として求めるようにする。上述した如く、これら車両の減速度、コーナリングドラッグの大きさ、操舵角の大きさは、何れも後輪73L,73Rの回転慣性に相関がある。つまり、車両の減速度が大きいほど後輪73L,73Rの回転慣性は低く、また、コーナリングドラッグが大きいほど後輪73L,73Rの回転慣性は低く、また、操舵角が大きいほど後輪73L,73Rの回転慣性は低くなっている。このため、車両の減速度に応じてプレトルクを求めること、コーナリングドラッグの大きさに応じてプレトルクを求めること、操舵角の大きさに応じてプレトルクを求めることは、何れも後輪73L,73Rの回転慣性に応じてプレトルクを求めることと同義である。
このようにしてプレトルクを求めた後、ステップST6に移り、プレトルクの上限値を設定する。以下、このプレトルクの上限値について説明する。
車両の旋回中に電子制御カップリング6の締結力を高めた場合、前輪43L,43Rの回転速度と後輪73L,73Rの回転速度とが近づくことになる。
一般に、旋回時における車両の回頭性を高めるためには、後輪73L,73Rが、前輪43L,43Rの移動軌跡(コーナリングの軌跡)に対して外側(コーナの外寄り)の移動軌跡を通過することが望ましい(所謂オーバステア傾向で旋回することが望ましい)。つまり、後輪73L,73Rの回転速度(回転数)が前輪43L,43Rの回転速度よりも高くなった状態で車両が旋回することが望ましい。
このため、上記プレトルクを大きくするべく電子制御カップリング6の締結力を高める場合に、その締結力を必要以上に高めてしまうと、前輪43L,43Rの回転速度と後輪73L,73Rの回転速度とが近づく(後輪73L,73Rの回転速度が前輪43L,43Rの回転速度程度まで低下してしまう)ことに伴って車両の回頭性を高めることができなくなってしまう。このような状況を回避するために、上記プレトルクの上限値を設定する。
具体的には、前後輪の差動回転速度(前後輪の回転速度の偏差)を算出し、この差動回転速度が小さいほどプレトルクの上限値を低く設定することになる。つまり、後輪73L,73Rの回転速度が前輪43L,43Rの回転速度程度まで低下してしまうことのないようにプレトルクを制限する。
ここで、前後輪の差動回転速度は以下のようにして算出する。まず、上記左前輪速度センサ94Lによって検出された左前輪43Lの回転速度と、上記右前輪速度センサ94Rによって検出された右前輪43Rの回転速度との平均値を前輪速度として求める。また、上記左後輪速度センサ95Lによって検出された左後輪73Lの回転速度と、上記右後輪速度センサ95Rによって検出された右後輪73Rの回転速度との平均値を後輪速度として求める。そして、後輪速度から前輪速度を減算した値を前後輪の差動回転速度として算出する。
図7は、前後輪の差動回転速度に応じたプレトルク上限値を求めるためのプレトルク上限値マップを示す図である。この図7に示すように、前後輪の差動回転速度が小さいほど、つまり、後輪73L,73Rの回転速度が前輪43L,43Rの回転速度に近づいていることで車両の回頭性が低くなる状況であるほど、プレトルク上限値を低く設定し(電子制御カップリング6の締結力を低くし)、プレトルクの大きさを制限することで車両の回頭性を維持できるようにしている。言い換えると、このプレトルク上限値によってプレトルクを制限することにより、車両の回頭性を高く維持しながらも、必要最小限のプレトルクを後輪73L,73Rに付与しておくことで、その後に四輪駆動状態への移行条件が成立した場合には、四輪駆動状態への応答遅れが短縮化できるようにしている。
このようにしてプレトルクの上限値を設定した後、ステップST7に移り、上記操舵角センサ92によって検出されたステアリングの操舵角(操舵角の絶対値)が所定の閾値αを超えており、且つ上記アクセル開度センサ91によって検出されたアクセル開度が所定の閾値βを超えているか否かを判定する。
この判定は、車両の旋回加速中であるか否かを判定するものであって、後輪73L,73Rへのプレトルクの付与が必要となる車両走行状態であるか否かを判定するものである。例えば、操舵角の閾値αとしては10°が、アクセル開度の閾値βとしては10%がそれぞれ設定されている。これら値はこれに限定されるものではなく、実験やシミュレーションに基づいて適宜設定される。
ステアリングの操舵角が所定の閾値α以下である場合や、アクセル開度が所定の閾値β以下である場合には、ステップST7でNO判定されてステップST8に移り、プレトルクを「0」に設定する。つまり、電子制御カップリング6を解放状態にして、後輪73L,73Rへプレトルクが伝達されない状態にする。これはステアリングの操舵角が小さい場合や操舵角が「0」である場合には、上記コーナリングドラッグが小さいかまたは「0」となっており、車両の減速度も小さいかまたは「0」となっていることから、プレトルクを付与しておく必要がないためである。この場合、上記ステップST3で推定されるコーナリングドラッグは小さい値となっており、ステップST5で求められるプレトルクも小さい値となっている。
また、アクセル開度が小さい場合やアクセル開度が「0」である場合には、エンジン1の出力トルクが小さいか、または「0」であり、電子制御カップリング6を締結しても後輪73L,73Rにはプレトルクが伝達されない状態となっているため、この場合にもプレトルクを「0」に設定する。
一方、ステアリングの操舵角が所定の閾値αを超えており、且つアクセル開度が所定の閾値βを超えている場合には、ステップST7でYES判定されてステップST9に移る。このステップST9では、後輪73L,73Rにプレトルクを付与する。この場合のプレトルクとしては、上記ステップST5で求められたプレトルクが、上記ステップST6で設定されたプレトルクの上限値以下である場合には、ステップST5で求められたプレトルクが後輪73L,73Rに付与されるように電子制御カップリング6が制御される。一方、上記ステップST5で求められたプレトルクが、上記ステップST6で設定されたプレトルクの上限値を超えている場合には、この上限値で規制されたプレトルクが後輪73L,73Rに付与されるように電子制御カップリング6が制御される。
この場合の電子制御カップリング6の制御としては、図3に示す伝達トルクTcが上記プレトルクに一致するように、電子制御カップリング6の電磁石に供給する励磁電流Ieを制御することになる。
このようにして後輪73L,73Rにプレトルクが付与された状態で、ステップST10に移り、四輪駆動移行条件が成立したか否かを判定する。具体的には、前輪43L,43Rにスリップが発生するなどして四輪駆動状態への移行条件が成立したか否かを判定する。なお、四輪駆動移行条件が成立したか否かの判定は、図4に示したプレトルク制御ルーチンとは別の四輪駆動制御ルーチン(図示省略)において行われており、この四輪駆動制御ルーチンにおいて四輪駆動移行条件が成立したと判定された場合(例えば前輪43L,43Rにスリップが発生したことで四輪駆動フラグが「1」となった場合など)には、本プレトルク制御ルーチンにおけるステップST10でYES判定されることになる。
四輪駆動移行条件が成立しておらず、ステップST10でNO判定された場合には、後輪73L,73Rにプレトルクを付与した状態を維持してリターンされる。そして、次回以降のルーチンにあっては、上記ステップST7でYES判定される操作状態であることを条件に(旋回加速中であることを条件に)、上述したステップST1〜ステップST10の動作が繰り返される。つまり、車両の走行状態に応じたプレトルクが後輪73L,73Rに付与される状態が継続される。この場合、ステアリングの操舵角が変化すると、コーナリングドラッグも変化し、それに伴って車両の減速度も変化するため、ステップST5で求められるプレトルクの値も変化することになる。つまり、ステップST1〜ステップST10の動作が繰り返される度に、ステアリングの操舵角に応じて、後輪73L,73Rに付与されるプレトルクが変化していく(ステップST5で求められたプレトルクがプレトルク上限値の制限を受けない場合)。
また、後輪73L,73Rにプレトルクを付与した状態で、上記ステップST7でNO判定された場合には、プレトルクを「0」に設定する。つまり、プレトルクを必要とする走行状態では無くなったとしてプレトルクを「0」に設定する。
一方、上記プレトルクを付与した状態で四輪駆動移行条件が成立し、ステップST10でYES判定された場合には、ステップST11に移り、車両を四輪駆動状態に移行させるべく、プレトルクの付与を解除し、四輪駆動状態とするに当たって必要となる駆動トルクを後輪73L,73Rに伝達させるべく電子制御カップリング6が制御される。つまり、上述した四輪駆動制御ルーチンにおいて駆動トルクの配分制御(例えば前輪43L,43Rのスリップ量に応じた配分制御)が行われる。
以上の動作が繰り返されることにより、車両の旋回加速時には、電子制御カップリング6が制御されて後輪73L,73Rにプレトルクが付与されることになる。
図8は、旋回中に二輪駆動状態から四輪駆動状態に移行する際に後輪73L,73Rに付与されるトルクの変化を示し、破線は従来技術における後輪トルクの時間的変化を、実線は本実施形態における後輪トルクの時間的変化をそれぞれ示している。この図8では、タイミングt1で車両の旋回加速が開始され、タイミングt2で前輪43L,43Rにスリップが発生して四輪駆動移行条件が成立している。
従来技術のものにあっては、四輪駆動移行条件が成立するまでは、後輪73L,73Rにトルクは付与されておらず、四輪駆動移行条件が成立した時点(タイミングt2)から電子制御カップリング6が制御されて後輪73L,73Rへ駆動トルクが配分されていき、タイミングt4で四輪駆動状態への移行が完了している。
これに対し、本実施形態のものにあっては、車両の旋回加速が開始された時点(タイミングt1)から電子制御カップリング6が制御されて後輪73L,73Rへプレトルクが付与され、四輪駆動移行条件が成立した時点(タイミングt2)から電子制御カップリング6が更に制御されて後輪73L,73Rへ駆動トルクが配分されていき、タイミングt3で四輪駆動状態への移行が完了している。
このように、タイミングt3とタイミングt4との偏差分だけ、本実施形態のものでは、従来技術のものに対して四輪駆動状態への移行が早期に完了しており、四輪駆動状態への応答遅れが大幅に改善されている。
以上説明したように、本実施形態では、車両の旋回加速時に、後輪73L,73Rにプレトルクを付与しているため、上記コーナリングドラッグの影響によって回転慣性が低くなっている後輪73L,73Rの回転慣性を高めておくことができ、その後に、四輪駆動移行条件が成立した場合には、電子制御カップリング6の締結力を高めるのと略同時に後輪73L,73Rに駆動力を発生させることができ、直ちに四輪駆動状態への移行が完了することになる。つまり、車両の旋回中における四輪駆動状態への移行に応答遅れが生じてしまうことがなくなり、この応答遅れに起因する運転者の違和感を招くことがなくなる。
また、後輪73L,73Rにプレトルクを付与した状態において四輪駆動移行条件が成立しなかった場合には、その後、プレトルクの付与が解除されることになるが、車両の旋回中に後輪73L,73Rに適切なプレトルクを付与させておくことで、車両の旋回性能を高く維持することが可能である。また、この場合のプレトルクは、上記プレトルクの上限値によって制限されており、高い回頭性を維持することができるものとなっている。
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。上記実施形態では、操舵角に応じてコーナリングドラッグが決定される場合について説明したが、このコーナリングドラッグを高い精度で求めるためには、操舵角および車速を考慮することが望ましい。以下、この操舵角および車速から求められるコーナリングドラッグについて説明する。
図9は、一方(例えば左側)の前輪に作用しているコーナリングドラッグの概念図である。この図9に示すように、前輪が所定の操舵角で操舵されている場合、前輪には、タイヤと路面との摩擦により、前輪回転方向である操舵方向と直交する方向に横力が作用している。また、タイヤと路面との間のスリップにより、操舵方向に対して実際の車両進行方向は、タイヤスリップ角分だけ偏差を生じている。そして、横力はタイヤスリップ角(即ち、操舵角)が大きいほど大きなものとなる。そして、この横力に転がり抵抗を合成した力Fを求め、この力Fにおける車両進行方向とは反対方向の成分がコーナリングドラッグとなる。
上記タイヤスリップ角は、車速が高いほど大きくなるため、結果的に、コーナリングドラッグは操舵角と車速とに基づいて求められることになる。つまり、同じ操舵角であっても、車速が高いほどタイヤスリップ角が大きくなるため、コーナリングドラッグも大きな値として求められることになる。言い換えると、操舵角が大きいほど、また、車速が高いほどコーナリングドラッグは大きくなり、後輪73L,73Rの回転慣性は低くなる。
このように、車速を考慮することによりコーナリングドラッグを高い精度で求めることが可能になり、その結果、コーナリングドラッグの影響による車体減速度が高い精度で求められ、上記プレトルクの適正化を図ることができる。
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。本変形例2は、プレトルク上限値マップの変形例である。上記実施形態では、前後輪差動回転速度とプレトルク上限値との関係を線形としていた(図7のプレトルク上限値マップを参照)。これに対し、本変形例のプレトルク上限値マップは図10に示すものとなっている。
この図10に示すプレトルク上限値マップでは、横軸である前後輪差動回転速度軸の正側は、後輪73L,73Rの回転速度が前輪43L,43Rの回転速度よりも高い範囲であり、負側は、前輪43L,43Rの回転速度が後輪73L,73Rの回転速度よりも高い範囲である。
そして、このプレトルク上限値マップでは、前後輪差動回転速度が比較的小さい範囲(図10における−ΔN1から+ΔN1の範囲)にある場合、つまり、後輪73L,73Rの回転速度が前輪43L,43Rの回転速度に近づいていることに伴って車両の回頭性を高めることができない状況では、プレトルク上限値を低い値(図中のPT1)に設定する。一方、前後輪差動回転速度が比較的大きい範囲(図10における−ΔN2以下の範囲および+ΔN2以上の範囲)にある場合、つまり、前輪43L,43Rの回転速度と後輪73L,73Rの回転速度との差が十分に大きく、車両の回頭性を高めることができる状況では、プレトルク上限値を高い値(図中のPT2)に設定する。なお、このプレトルク上限値PT2は、上記図4のフローチャートのステップST5で求められるプレトルクを制限しない程度の値、つまり、このステップST5で求められたプレトルクが後輪73L,73Rにそのまま付与される程度の値として設定されている。
また、前後輪差動回転速度が図10における−ΔN1から−ΔN2の範囲にある場合や、+ΔN1から+ΔN2の範囲にある場合には、前後輪差動回転速度の絶対値が小さいほどプレトルク上限値を低い値に設定するようにしている。
このようなプレトルク上限値マップによってプレトルクを制限した場合、プレトルク上限値を低い値(図中のPT1)に設定する領域を確保することで、車両の回頭性を確実に高めることが可能になる。
(変形例3)
次に、変形例3について説明する。前述した実施形態ではFF方式を基本とするスタンバイ四輪駆動方式を採用したコンベンショナル車両を例に挙げて説明した。本変形例ではFF方式を基本とするスタンバイ四輪駆動方式を採用したハイブリッド車両(駆動力源としてエンジンおよび電動モータを搭載した車両)について説明する。
図11は本変形例における車両を示す概略構成図である。本実施形態に係るハイブリッド車両は、車両走行用の駆動トルクを発生するエンジン1、主に発電機として機能する第1モータジェネレータMG1、主に電動機として機能する第2モータジェネレータMG2、動力分割機構100、リダクション機構110、カウンタドライブギヤ121、カウンタドリブンギヤ122、ファイナルギヤ123、前輪用デファレンシャル装置41、前輪車軸(フロントドライブシャフト)42、前輪(主駆動輪)43L,43R、トランスファ51、プロペラシャフト52、電子制御カップリング6、後輪用デファレンシャル装置71、後輪車軸(リヤドライブシャフト)72、後輪(従駆動輪)73L,73R、および、ECU10などを備えている。
なお、ECU10は、例えば、HV(ハイブリッド)ECU、エンジンECU、バッテリECUなどによって構成されており、これらのECUが互いに通信可能に接続されている。
エンジン1、トランスファ51、電子制御カップリング6の構成は、上述した実施形態のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、エンジン1の出力は、クランクシャフト11およびダンパ12を介してインプットシャフト13に伝達されるようになっている。ダンパ12は、例えばコイルスプリング式トランスアクスルダンパであってエンジン1のトルク変動を吸収する。
以下、モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構100、リダクション機構110について説明する。
−モータジェネレータ−
第1モータジェネレータMG1は、インプットシャフト13に対して回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを備えた交流同期発電機であって、発電機として機能するとともに電動機(電動モータ)としても機能する。また、第2モータジェネレータMG2も同様に、インプットシャフト13に対して回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを備えた交流同期発電機であって、電動機(電動モータ)として機能するとともに発電機としても機能する。
図12に示すように、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、それぞれインバータ200を介してバッテリ(蓄電装置)300に接続されている。インバータ200はECU10によって制御され、そのインバータ200の制御により各モータジェネレータMG1,MG2の回生または力行(アシスト)が設定される。その際の回生電力はインバータ200を介してバッテリ300に充電される。また、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力はバッテリ300からインバータ200を介して供給される。
−動力分割機構−
図11に示すように、動力分割機構100は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS3と、サンギヤS3に外接しながらその周辺を自転しつつ公転する外歯歯車のピニオンギヤP3と、ピニオンギヤP3と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR3と、ピニオンギヤP3を支持するとともに、このピニオンギヤP3の公転を通じて自転するプラネタリキャリアCA3とを有する遊星歯車機構によって構成されている。プラネタリキャリアCA3はエンジン1側のインプットシャフト13に回転一体に連結されている。サンギヤS3は、第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rに回転一体に連結されている。
この動力分割機構100は、エンジン1および第2モータジェネレータMG2の少なくとも一方の駆動力を、カウンタドライブギヤ121、カウンタドリブンギヤ122、ファイナルギヤ123、前輪用デファレンシャル装置41、および、前輪車軸42を介して左右の前輪43L,43Rに伝達する。
−リダクション機構−
リダクション機構110は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS4と、キャリア(トランスアクスルケース)CA4に回転自在に支持され、サンギヤS4に外接しながら自転する外歯歯車のピニオンギヤP4と、ピニオンギヤP4と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR4とを有する遊星歯車機構によって構成されている。リダクション機構110のリングギヤR4と、前記動力分割機構100のリングギヤR3と、カウンタドライブギヤ121とは互いに一体となっている。また、サンギヤS4は第2モータジェネレータMG2のロータMG2Rと回転一体に連結されている。
このリダクション機構110は、エンジン1および第2モータジェネレータMG2の少なくとも一方の駆動力を適宜の減速比で減速する。この減速された駆動力は、カウンタドライブギヤ121、カウンタドリブンギヤ122、ファイナルギヤ123、前輪用デファレンシャル装置41、および、前輪車軸42を介して左右の前輪43L,43Rに伝達される。
以上のように構成されたハイブリッド車両においても、上述した実施形態の場合と同様の旋回時プレトルク制御が実行される。つまり、車両の旋回加速時に、後輪73L,73Rの回転慣性(上記コーナリングドラッグの影響を受けて低くなっていた回転慣性)に応じて、この後輪73L,73Rにプレトルクを付与するように電子制御カップリング6の締結力を制御しておく。そして、その後、前輪43L,43Rにスリップが発生するなどして四輪駆動状態への移行条件が成立した場合には、電子制御カップリング6の締結力を高めることで、四輪駆動状態にするための駆動トルクを後輪73L,73Rに付与して四輪駆動状態へ移行させる。
本変形例においても上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。つまり、コーナリングドラッグの影響によって回転慣性が低くなっている後輪73L,73Rの回転慣性をプレトルクの付与によって高めておくことができ、その後に、四輪駆動移行条件が成立した場合には、電子制御カップリング6の締結力を高めるのと略同時に後輪73L,73Rに駆動力を発生させることができ、直ちに四輪駆動状態への移行が完了することになる。つまり、車両の旋回中における四輪駆動状態への移行に応答遅れが生じてしまうことがなくなる。
また、後輪73L,73Rにプレトルクを付与した状態において四輪駆動移行条件が成立しなかった場合には、その後、プレトルクの付与が解除されることになるが、車両の旋回中に後輪73L,73Rに適切なプレトルクを付与させておくことで、車両の旋回性能を高く維持することが可能である。また、この場合のプレトルクは、上記プレトルクの上限値によって制限されており、高い回頭性を得ることができるものとなっている。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態および各変形例は、FF方式を基本とするスタンバイ四輪駆動方式を採用した車両に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式を基本とするスタンバイ四輪駆動方式を採用した車両(コンベンショナル車両またはハイブリッド車両)に適用することも可能である。この場合、後輪が主駆動輪となり、前輪が従駆動輪となる。
また、上記実施形態および各変形例では、電子制御カップリング6としてパイロットクラッチ式のものを採用していた。本発明はこれに限らず、クラッチ直押付式の電子制御カップリングを用いてもよい。また、このような電子制御カップリング6に限られることなく、前後輪への駆動トルクの配分率を変更することが可能な装置であれば、他の任意の方式の駆動トルク配分装置を用いてもよい。
また、上記実施形態および変形例では、カウンタギヤで構成されるトランスファ51が搭載されたスタンバイ四輪駆動車に本発明を適用した例を示したが、トランスファの形態は特に限定されない。例えば主駆動輪側のスプロケットと従駆動輪側のスプロケットとをチェーンで連結する機構を備えたトランスファであってもよい。
本発明は、前輪または後輪の一方で車両を駆動する二輪駆動状態と、前輪および後輪の両方で車両を駆動する四輪駆動状態とを選択的に切り換えることが可能な車両の旋回時の制御に利用可能である。
1 エンジン(駆動力源)
43L,43R 前輪(主駆動輪)
73L,73R 後輪(従駆動輪)
6 電子制御カップリング
91 アクセル開度センサ
92 操舵角センサ
94L 左前輪速度センサ
94R 右前輪速度センサ
95L 左後輪速度センサ
95R 右後輪速度センサ
10 ECU
MG1,MG2 モータジェネレータ(駆動力源)

Claims (3)

  1. 走行用の駆動トルクを出力する駆動力源を備え、前輪および後輪のうち一方を主駆動輪とし、他方を従駆動輪として、主駆動輪および従駆動輪に対する駆動トルクの配分率を変更することにより、主駆動輪のみに駆動トルクを伝達する二輪駆動状態と、主駆動輪および従駆動輪の両方に駆動トルクを伝達する四輪駆動状態とを切り換え可能な車両の制御装置において、
    車両が旋回時に加速する場合、操舵輪に作用するコーナリングドラッグが大きいほど大きく設定されるプレトルクを従駆動輪に付与し、その後、四輪駆動状態への移行条件が成立した場合に、上記四輪駆動状態にするための駆動トルクを上記従駆動輪に付与する構成となっていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の制御装置において、
    上記プレトルクは、走行用の駆動トルクの一部を従駆動輪に配分することにより得られるものであって、後輪の回転速度を前輪の回転速度よりも高くして旋回時における車両の回頭性を高めるように、前輪の回転速度と後輪の回転速度との差が小さいほど低く設定されるプレトルク上限値に制限されることを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1または7記載の車両の制御装置において、
    上記従駆動輪にプレトルクが付与された状態で、四輪駆動状態への移行条件が成立することなく車両の旋回および加速の少なくとも一方が解除された場合には、上記四輪駆動状態にするための駆動トルクを上記従駆動輪に付与することなく、プレトルクの付与が解除される構成とされていることを特徴とする車両の制御装置。
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