JP5246340B2 - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中のエンジンの始動時に発生する異音を抑制させる車両用駆動装置の制御装置に関するものである。
エンジンの出力が伝達されることによってそれぞれ回転駆動される第1駆動輪および第2駆動輪と、その第1駆動輪と第2駆動輪との差動回転を制限する差動制限装置とを有する車両用駆動装置が知られている。例えば、特許文献1の車両用駆動装置がその一例である。特許文献1では、エンジンおよび電動機を有する駆動力源からの出力がトランスファを介して前側駆動輪および後側駆動輪に分配される四輪駆動用のハイブリッド車両が開示されている。
特開2005−29063号公報
ところで、上記従来の車両用駆動装置においては、前記エンジンが停止している電動機走行中に予め定められたエンジンの自動始動条件が満たされると、そのエンジンを自動始動するエンジン自動始動制御が行われる場合がある。このエンジン自動始動によって比較的大きな駆動トルクが伝達されると、エンジンと第1および第2駆動輪との間の動力伝達経路に存在するガタに起因して、異音すなわちガタ打ち音が発生するという問題があった。この問題に対して、例えば、車両用駆動装置で発生したガタ打ち音の車室空間内への伝達を抑制するために車両用駆動装置と車室空間との間に防音材を設けたり、或いは、上記ガタ打ち音の発生を抑制するために前記エンジン始動時の駆動トルク変動を小さくするように車両用駆動装置に設けられた電動機を作動させる等の解決策が考えられる。しかしながら、上記防音材を設けると部品が増加してコストが高まるという欠点があり、また、上記電動機を作動させる制御は難しい上にガタ打ち音を完全に無くすことはできないという欠点があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、走行中のエンジン始動時に発生する異音を低コスト且つ容易に抑制することができる車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(1)エンジンの出力が伝達されることによってそれぞれ回転駆動される第1駆動輪および第2駆動輪と、その第1駆動輪と第2駆動輪との差動回転を制限する差動制限装置とを有する車両用駆動装置において、前記エンジンが停止している走行中に予め定められたエンジン自動始動条件が満たされたか否かを判定するエンジン自動始動判定手段と、そのエンジン自動始動条件が満たされたと判定された場合に前記エンジンを自動始動するエンジン自動始動制御手段とを、備えた車両用駆動装置の制御装置であって、(2)前記エンジン自動始動制御手段による前記エンジンの自動始動に際して、前記差動制限装置により前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段を含み、(3)前記エンジン始動時差動制限手段は、予め記憶された関係から、前記エンジン自動始動制御手段により前記エンジンが始動されることで変動する駆動トルクに基づいて、前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との差動回転を制限することにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、(1)前記第1駆動輪および前記第2駆動輪は、前記エンジンにより中央差動歯車装置を介して駆動される前側駆動輪および後側駆動輪であり、(2)前記差動制限装置は、前記中央差動歯車装置に設けられ、前記前側および後側駆動輪間の差動回転を制限するものであることにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、(1)前記第1駆動輪および前記第2駆動輪は、前記エンジンにより差動歯車装置を介して駆動される左右一対の駆動輪であり、(2)前記差動制限装置は、前記差動歯車装置に設けられ、前記左右一対の駆動輪間の差動回転を制限するものであることにある。
請求項1にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記エンジン自動始動制御手段による前記エンジンの自動始動に際して、前記差動制限装置により前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段を含むことから、上記差動制限装置による第1および第2駆動輪間の差動制限が付与されると、第1駆動輪および第2駆動輪の僅かな径差による循環トルクの発生によってエンジンと第1および第2駆動輪との間の動力伝達経路に存在するガタが詰められた状態でエンジン始動が行われるので、走行中のエンジン始動時に発生する異音すなわち上記ガタに起因するガタ打ち音を低コスト且つ容易に抑制することができる。例えば、車両用駆動装置で発生したガタ打ち音の車室空間内への伝達を抑制するために車両用駆動装置と車室空間との間に新たに防音材を設ける等の対策が必要なく、それによる部品増加によりコストが高まることもない。また、上記ガタ打ち音の発生を抑制するためにエンジン始動時の駆動トルク変動を小さくするように車両用駆動装置に設けられた電動機を作動させる等の難しい制御を実施する必要もない。また、前記エンジン始動時差動制限手段は、予め記憶された関係から、前記エンジン自動始動制御手段により前記エンジンが始動されることで変動する駆動力関連値に基づいて、前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との差動回転を制限するものであることから、前記駆動力関連値たとえば駆動トルクが大きいときほど第1および第2駆動輪の差動回転の制限力(作動制限トルク)が大きくなるように制御することで、差動制限装置による必要最小限の差動制限によってエンジンと第1および第2駆動輪との間の動力伝達経路のガタ詰めが行われるので、差動制限装置による差動制限が必要以上に行われることによってドライバビリティや燃費が低下することが抑制される。
また、請求項2にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記第1駆動輪および前記第2駆動輪は、前記エンジンにより中央差動歯車装置を介して駆動される前側駆動輪および後側駆動輪であり、前記差動制限装置は、前記中央差動歯車装置に設けられ、前記前側および後側駆動輪間の差動回転を制限するものであることから、走行中のエンジン始動に際して、差動制限装置による前側および後側駆動輪間の差動制限によってエンジンと前側および後側駆動輪との間の動力伝達経路のガタ詰めが行われるので、走行中のエンジン始動時に発生する異音を低コスト且つ容易に抑制することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記第1駆動輪および前記第2駆動輪は、前記エンジンにより差動歯車装置を介して駆動される左右一対の駆動輪であり、前記差動制限装置は、前記差動歯車装置に設けられ、前記左右一対の駆動輪間の差動回転を制限するものであることから、前輪駆動車両や後輪駆動車両であっても、走行中のエンジン始動に際して、差動制限装置による左右一対の駆動輪間の差動制限によってエンジンと左右一対の駆動輪との間の動力伝達経路のガタ詰めが行われるので、走行中のエンジン始動時に発生する異音を低コスト且つ容易に抑制することができる。
本発明の一実施例の車両用駆動装置およびそれを制御するための本発明の制御装置に相当する電子制御装置を説明する図である。 図1に示す動力伝達装置およびトランスファの構成を説明する骨子図である。 図2の変速部において各ギヤ段を成立させるための予め記憶された各クラッチおよび各ブレーキの係合作動表を示す図である。 図1に示す電子制御装置による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図1に示す差動制限クラッチの差動制限トルクとその差動制限クラッチの油圧アクチュエータの油圧との予め記憶された関係を示す図である。 図1に示す電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、エンジン停止中且つモータ走行中においてエンジン自動始動要求に従ってエンジンを自動起動させるための制御作動を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施例の車両用駆動装置の構成を説明する図である。 本発明の他の実施例の車両用駆動装置の構成を説明する図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の車両用駆動装置8およびそれを制御するための本発明の制御装置に相当する電子制御装置10を説明する図である。この車両用駆動装置8は、前置エンジン後輪駆動方式(FR)を基本とする前後輪駆動(四輪駆動)のハイブリッド車両に好適に用いられるものである。図1において、車両用駆動装置8は、エンジン12と、動力伝達装置14と、トランスファ16と、フロントプロペラシャフト18と、前輪用差動歯車装置(フロントデフ)20と、左右一対の前輪車軸22と、リアプロペラシャフト24と、後輪用差動歯車装置(リアデフ)26と、左右一対の後輪車軸28とを備えている。上記エンジン12は、走行用の駆動力源として機能するものであって、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。このエンジン12により発生させられた駆動力(トルク)は、後に詳述する動力伝達装置14を介してトランスファ16に伝達される。上記トランスファ16は、動力伝達装置14から入力された駆動力を前側駆動輪30および後側駆動輪32に分配する前後輪駆動力分配装置である。このトランスファ16に伝達された駆動力は、フロントプロペラシャフト18およびリアプロペラシャフト24に分配される。そして、フロントプロペラシャフト18に伝達された駆動力は、前輪用差動歯車装置20および前輪車軸22を介して左右一対の前側駆動輪30へ伝達される。上記前輪用差動歯車装置20は、良く知られた所謂傘歯車式のものであって、回転差を許容しつつ左右一対の前輪車軸22を回転駆動する。一方、リアプロペラシャフト24に伝達された駆動力は、後輪用差動歯車装置26および後輪車軸28を介して左右一対の後側駆動輪32へ伝達される。上記後輪用差動歯車装置26は、良く知られた所謂傘歯車式のものであって、回転差を許容しつつ左右一対の後輪車軸28を回転駆動する。
図2は、図1に示す動力伝達装置14およびトランスファ16の構成を説明する骨子図である。図2において、動力伝達装置14は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース34(以下、ケース34と表す)内において共通の軸心C上に直列的に配設され、エンジン12のクランク軸に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)などを介して間接に連結された入力軸36を有する電気的無段変速部38と、その電気的無段変速部38に伝達部材40を介して連結された変速部42と、この変速部42に連結された出力軸44とを備えている。なお、動力伝達装置14および軸心C上に直列的に配設されたトランスファ16の一部は、軸心Cに対して対称的に構成されているため、図2の骨子図においてはその下側が省略されている。
電気的無段変速部38は、動力分配機構46と、動力分配機構46に動力伝達可能に連結されて動力分配機構46の差動状態を制御する第1電動機M1と、伝達部材40と一体的に回転するようにその伝達部材40に連結されている第2電動機M2とを備え、入力軸36に対する伝達部材40の回転数比である変速比を無段階に変化させる。なお、伝達部材40は、電気的無段変速部38の出力側回転部材であるが、変速部42の入力側回転部材にも相当するものである。
第1電動機M1及び第2電動機M2(以下、特に区別しない場合には電動機Mと記載する)は、電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる発動機としての機能、および機械的な駆動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。第2電動機M2は、主駆動力源であるエンジン12の代替として、或いはそのエンジン12と共に走行用の駆動力を発生させる駆動力源(副駆動力源)として機能する。また、第1電動機M1は、回生により電気エネルギを発生させ、インバータ48(図1参照)を介して他の電動機Mに供給したり、或いはその電気エネルギを蓄電装置50(図1参照)に蓄積する。
動力分配機構46は、エンジン12に動力伝達可能に連結された差動歯車機構であって、例えばシングルピニオン型の差動部遊星歯車装置として構成されており、入力軸36に入力されたエンジン12の出力を機械的に第1電動機M1および伝達部材40に分配する機械的機構である。この動力分配機構46は、差動部サンギヤS0、差動部遊星歯車P0、その差動部遊星歯車P0を自転及び公転可能に支持する差動部キャリヤCA0、差動部遊星歯車P0を介して差動部サンギヤS0と噛み合う差動部リングギヤR0を回転要素として備えている。
上記動力分配機構46においては、差動部キャリヤCA0は入力軸36すなわちエンジン12に連結され、差動部サンギヤS0は第1電動機M1に連結され、差動部リングギヤR0は伝達部材40に連結されている。このように構成された動力分配機構46では、各回転要素がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が働く差動状態とされることで、エンジン12の出力が第1電動機M1と伝達部材40とに分配されると共に、分配されたエンジン12の出力の一部で第1電動機M1から発生させられた電気エネルギで蓄電されたり第2電動機M2が回転駆動される。そして、第1電動機M1の回転数が制御されてエンジン12の所定回転に拘わらず伝達部材40の回転が連続的に変化させられることで、動力動力分配機構46の変速比γ0(入力軸36の回転速度NIN/伝達部材40の回転速度N40)が最小値γ0min から最大値γ0max まで連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する無段変速状態とされる。
変速部42は、たとえば、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置54及びシングルピニオン型の第2遊星歯車装置56を備え、機械的に複数の変速比が段階的に設定される有段式の自動変速機として機能する遊星歯車式の多段式自動変速機である。第1遊星歯車装置54は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転及び公転可能に支持する第1キャリヤCA1、および第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えている。第2遊星歯車装置56は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転及び公転可能に支持する第2キャリヤCA2、および第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えている。
上記第1遊星歯車装置54および第2遊星歯車装置56において、第1サンギヤS1は、第3クラッチC3を介して伝達部材40に選択的に連結されると共に、第1ブレーキB1を介してケース34に選択的に連結される。第1キャリヤCA1は、第2リングギヤR2と一体的に設けられている。上記第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2は、第2クラッチC2を介して伝達部材40に選択的に連結されると共に、第2ブレーキB2を介してケース34に選択的に連結される。更に、第1キャリヤCA1および第2リングギヤR2は、一方向クラッチF1を介して非回転部材であるケース34に連結されており、エンジン12と同方向の回転が許容され逆方向の回転が禁止されている。第1リングギヤR1は、第2キャリヤCA2と一体的に設けられている。上記第1リングギヤR1および第2キャリヤCA2は、出力軸44に連結されている。第2サンギヤS2は、第1クラッチC1を介して伝達部材40に選択的に連結される。
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、および第2ブレーキB2(以下、特に区別しない場合はクラッチC、ブレーキBと表す)は、よく知られた油圧式摩擦係合装置である。なお、上記油圧アクチュエータは、図1に示す油圧制御回路58から供給される油圧に従って作動する。
このような変速部42では、図3に示すような予め設定されて記憶された係合作動表に従って各クラッチCおよび各ブレーキBが係合させられることにより、複数のギヤ段(変速段)が選択的に成立させられる。そして、各ギヤ段に応じて各変速比γ(=伝達部材40の回転速度N40/出力軸44の回転速度NOUT)が得られる。
図2において、トランスファ16は、変速部42から出力された駆動力をフロントプロペラシャフト18とリアプロペラシャフト24とに分配する中央差動歯車装置(センターデフ)60と、フロントプロペラシャフト18とリアプロペラシャフト24との差動回転すなわち上記中央差動歯車装置60の差動を制限して前後駆動力配分を制御する差動制限装置としての差動制限クラッチCLとを備えている。
上記中央差動歯車装置60は、軸心C上に動力伝達装置14と直列的に配設されたシングルピニオン型の遊星歯車装置から主体的に構成されている。すなわち、中央差動歯車装置60は、第3サンギヤS3と、その第3サンギヤS3と同心状に配置された第3リングギヤR3と、それら第3サンギヤS3および第3リングギヤR3に噛み合わされた第3遊星歯車P3と、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3とを備えている。上記第3キャリヤCA3は、出力軸44に連結されており、上記第3リングギヤR3は、リアプロペラシャフト24に連結されている。また、上記第3サンギヤS3は、フロントプロペラシャフト18と同心に且つ動力伝達可能に設けられた回転軸64に伝動装置62を介して連結されている。上記伝動装置62は、第3サンギヤS3に連結されたドライブギヤ66と、回転軸64に連結されたドリブンギヤ68と、上記ドライブギヤ66およびドリブンギヤ68の外周部に巻き掛けられてそれらドライブギヤ66とドリブンギヤ68との間で駆動力を伝達する伝動ベルト70とを備えるものである。このような中央差動歯車装置60では、前記遊星歯車装置の各回転要素がそれぞれ相互に相対回転可能となる差動状態とされることで、変速部42から第3キャリヤCA3に入力された駆動力が、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3とに分配されるようになっている。
前記差動制限クラッチCLは、中央差動歯車装置60の第3キャリヤCA3とドライブギヤ66とを選択的に連結するものである。この差動制限クラッチCLは、前記クラッチCやブレーキBと同じような油圧式摩擦係合装置であって、例えば、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型のものである。上記油圧アクチュエータは、図1に示す油圧制御回路58から供給される油圧に従って作動するようになっている。そして、差動制限クラッチCLは、上記油圧アクチュエータの油圧が制御されることでトルク容量すなわち差動制限トルクTLが連続的に制御されるようになっている。
図1に戻って、電子制御装置10は、車両用駆動装置8の作動を制御するためのものであり、本発明の車両用駆動装置の制御装置に相当するものである。この電子制御装置10は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを複数含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより各種制御をそれぞれ実行する。上記各種制御には、例えば、エンジン12および各電動機Mの要求出力を算出してその要求出力が得られるように各装置に指令を行うハイブリッド駆動制御、上記指令に従ってエンジンの出力を制御するエンジン出力制御、上記指令に従って各電動機Mによる駆動力源又は発電機としての作動を制御する電動機出力制御、および前後駆動力分配を制御するために差動制限クラッチCLの差動制限トルクTLを制御する差動制限トルク制御などがある。本実施例の電子制御装置10には、上記エンジン出力制御などを実行するための所謂エンジン制御用コンピュータE/G ECUから成るエンジン出力制御部72と、上記ハイブリッド駆動制御および電動機出力制御などを実行するための所謂ハイブリッド制御用コンピュータHV ECUから成るハイブリッド制御部74と、上記差動制限トルク制御などを実行するための所謂四輪駆動制御用コンピュータ4WD ECUから成る四輪駆動制御部76となどが、相互に通信可能に設けられている。
また、上記電子制御装置10には、車両に設けられた各センサやスイッチなどから、例えば、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Nを表す信号、エンジン12の冷却水温Tを表す信号、第1電動機M1の回転速度NM1を表す信号、第2電動機M2の回転速度NM2を表す信号、車速Vを表す信号、シフトポジションを表す信号、運転者の出力要求量に対応するアクセルペダルの操作量であるアクセル開度Accを表す信号、蓄電装置50の充電容量(充電状態)SOCを表す信号、および蓄電装置50のバッテリ温度を表す信号などの各種信号が、それぞれ供給される。
上記電子制御装置10からは、例えば、エンジン12の吸気管78に備えられた電子スロットル弁80のスロットル弁開度を操作するスロットルアクチュエータ82への駆動信号、燃料噴射装置84によるエンジン12の筒内への燃料供給量を制御する燃料供給量信号、点火装置86によるエンジン12の点火時期を指令する点火信号、各電動機Mの作動を指令する指令信号、電気的無段変速部38や変速部42の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路58に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させるバルブ指令信号、油圧制御回路58に設けられたレギュレータバルブ(調圧弁)によりライン油圧を調圧するための信号、およびそのライン油圧が調圧されるための元圧の油圧源である電動油圧ポンプを作動させるための駆動指令信号などの各種信号が、それぞれ出力される。
図4は、電子制御装置10による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図4において、ハイブリッド制御部74にはハイブリッド制御手段88が備えられており、このハイブリッド制御手段88は、各センサやスイッチ等から電子制御装置10に供給される各種信号に基づいてエンジン12および各電動機Mの作動を制御する。例えば、エンジン12を効率のよい作動域で作動させるようにエンジン出力制御部72に指令する一方で、エンジン12と第2電動機M2との駆動力の配分や第1電動機M1の発電による反力を最適に変化させて電気的無段変速部38の電気的な無段変速機としての変速比γ0を制御する。具体的には、例えばアクセル開度Accおよび車速Vから算出した運転者の要求出力が得られるエンジン回転速度Nおよびエンジントルクとなるようにエンジン出力制御部72に指令すると共に、電気的無段変速機38および変速部42の変速比を制御する。
ハイブリッド制御手段88は、エンジン12の停止中に蓄電装置50からの電力により第2電動機M2を駆動してその第2電動機M2のみを走行用の駆動力源とするモータ走行(電動走行、EV走行)を実行することができる。例えば、上記モータ走行は、蓄電装置50の充電容量SOCが所定値以上である、車速Vが所定値以下である、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセル開度Accが所定値以下である、エンジン冷却水温Tが所定値以上である等のモータ走行許可条件が全て満たされる場合に実行される。
また、ハイブリッド制御手段88は、エンジン12が停止しているか否かを判定するエンジン停止判定手段と、車両がモータ走行しているか否かを判定するモータ走行判定手段とを機能的に備えている。そして、エンジン停止判定手段によりエンジン12が停止していると判定され且つモータ走行判定手段によりモータ走行していると判定されたときに、予め定められたエンジン自動始動条件が満たされたか否かを判定するエンジン自動始動判定手段90を備えている。本実施例では、上記エンジン自動始動条件が満たされたか否かは、前記モータ走行許可条件が少なくとも1つ満たされなくなったか否かに基づき判定される。
エンジン出力制御部72は、エンジン自動始動判定手段90により上記エンジン自動始動条件が満たされたと判定された場合にエンジン12を自動始動させるエンジン自動始動制御手段92を備えている。例えば、エンジン自動始動制御手段92は、上記エンジン12の自動始動に際して、第2電動機M2にエンジン始動時の反力トルクを付加的に出させつつ第1電動機M1を作動させて第1電動機回転速度NM1を引き上げることでエンジン回転速度Nを始動可能である予め設定された始動回転速度以上に引き上げるとともに、燃料噴射装置84により燃料を供給させて点火装置86により点火させるようにエンジン出力制御部72に指令を行う。また、エンジン自動始動制御手段92は、エンジン12が始動完了したか否かを、エンジン回転速度Nが所定の始動完了判定用エンジン回転速度N’に達したか否かで判定する。上記始動完了判定用エンジン回転速度N’は、エンジン12が自律回転可能となるエンジン回転速度のうちの可及的に低いエンジン回転速度Nであり、予め実験的に求められる。言い換えれば、エンジン自動始動制御手段92はエンジン完爆判定手段を機能的に備えている。
エンジン出力制御部72にはエンジン出力制御手段96が備えられており、このエンジン出力制御手段96は、ハイブリッド制御手段88からの指令に基づきエンジン出力制御を行う。例えば、スロットルアクチュエータ82により電子スロットル弁80を開閉制御するスロットル制御を行う他、燃料噴射装置84による燃料噴射量や噴射時期を制御する燃料噴射制御を行い、イグナイタ等の点火装置86による点火時期を制御する点火時期制御を行う。
四輪駆動制御部76は、差動制限クラッチCLの差動制限トルクTLを制御する差動制限トルク制御手段を機能的に備えている。具体的には、四輪駆動制御部76は、たとえば、低摩擦路、荒地、悪路走行時において、予め定められた差動制限クラッチCLの油圧アクチュエータの油圧と差動制限トルクTLとの関係に従って油圧制御回路58から上記油圧アクチュエータへ供給される油圧を制御することにより、差動制限トルクTLを制御する。
また、四輪駆動制御部76は、エンジン自動始動制御手段92によるエンジン12の自動始動に際して、差動制限クラッチCLによりフロントプロペラシャフト18とリアプロペラシャフト24との差動回転すなわち前側駆動輪30と後側駆動輪32との差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段94を備えている。本実施例では、エンジン始動時差動制限手段94は、エンジン自動始動判定手段90により上記エンジン自動始動条件が満たされたと判定された場合に、そのエンジン自動始動制御手段92によるエンジン12の自動始動に先立って、差動制限クラッチCLによる差動制限を一時的に行う。また、エンジン始動時差動制限手段94は、エンジン自動始動制御手段92によりエンジン12が始動されるときの車両状態に基づいて変動する車両駆動力関連値例えば駆動トルクTを算出し、例えば図5に示すような予め記憶された関係から、上記算出された駆動トルクTに応じて差動制限クラッチCLによる差動制限を行う。本実施例では、エンジン始動時差動制限手段94は、図5に示すように上記算出された駆動トルクTが大きいほど差動制限クラッチCLによる差動制限トルクTLが大きくなるように、差動制限クラッチCLの油圧アクチュエータの油圧を制御する。また、エンジン始動時差動制限手段94は、エンジン自動始動制御手段92によりエンジン12の始動が完了したと判定された場合には、上記差動制限クラッチCLによる差動制限制御を完了(終了)させる。
図6は、電子制御装置10の制御作動の要部、すなわち、エンジン停止中且つモータ走行中においてエンジン自動始動要求に従ってエンジン12を自動起動させるための制御作動を説明するフローチャートである。このフローチャートは、例えば、エンジン停止中且つモータ走行中であるときに、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図6において、先ず、エンジン自動始動判定手段90に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)S1においては、予め定められたエンジン自動始動条件が満たされたか否かが判定される。本実施例では、前記モータ走行許可条件が少なくとも1つ満たされなくなった場合に、上記エンジン自動始動条件が満たされたと判定される。
上記S1の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、エンジン始動時差動制限手段94に対応するS2において、エンジン始動時のガタ詰めによる異音発生防止のために、差動制限クラッチCLによりフロントプロペラシャフト18とリアプロペラシャフト24との差動回転すなわち前側駆動輪30と後側駆動輪32との差動回転が一時的に制限される。例えば、エンジン12が始動されるときの車両状態に基づいて変動する駆動トルクTが算出され、例えば図5に示すような予め記憶された関係から、上記算出された駆動トルクTに応じて差動制限クラッチCLによる差動制限が行われる。本実施例では、図5に示すように上記算出された駆動トルクTが大きいほど、差動制限クラッチCLによる差動制限トルクTLが大きくなるように差動制限クラッチCLの油圧アクチュエータの油圧が制御される。
次いで、エンジン自動始動制御手段92およびエンジン出力制御手段96に対応するS3において、第1電動機M1に通電されて第1電動機回転速度NM1が引き上げられることでエンジン回転速度Nが例えば始動可能な所定の回転速度例えばアイドル回転速度NEIDL以上に引き上げられ、燃料噴射装置84により燃料が供給されて点火装置86により点火させられることでエンジン12が始動される。
次いで、エンジン自動始動制御手段92に対応するS4において、エンジン12の始動が完了したか否かが、エンジン回転速度Nが、エンジン12の自律回転が可能となったか否か、すなわちエンジン12の完爆状態となったか否かを判定するための所定の始動完了判定用エンジン回転速度N’に達したか否かに基づいて判定される。
上記S4の判定が否定される場合には、S3以下が繰り返し実行されるが、肯定される場合には、エンジン始動時差動制限手段94に対応するS5において、上記S2から行われている差動制限クラッチCLによる差動制限制御が終了させられて、本ルーチンが終了させられる。
上述のように、本実施例の車両用駆動装置8の制御装置としての電子制御装置10によれば、エンジン自動始動制御手段92によるエンジン12の自動始動に先立って、差動制限クラッチ(差動制限装置)CLにより前側駆動輪(第1駆動輪)30と後側駆動輪(第2駆動輪)32との差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段94を含むことから、差動制限クラッチCLによる前側駆動輪30と後側駆動輪32との間の差動制限によってエンジン12と前側駆動輪30および後側駆動輪32との間の動力伝達経路に存在するガタが詰められた状態でエンジン始動が行われるので、走行中のエンジン始動時に発生する異音すなわち上記ガタに起因するガタ打ち音を低コスト且つ容易に抑制することができる。すなわち、エンジン起動時に差動制限クラッチCLに差動制限トルクTLが付与されると、前側駆動輪30と後側駆動輪32との間の僅かな径差すなわち回転差によって車両のドライブライン(動力伝達経路)に循環トルクが発生させられることでスプライン等の噛合いのガタが詰められるので、エンジン起動時のトルク変化が生じても上記ガタに起因する異音の発生が好適に防止される。これにより、車両用駆動装置8で発生したガタ打ち音の車室空間内への伝達を抑制するために車両用駆動装置8と車室空間との間に新たに防音材を設ける等の対策が必要なく、それによりコストが高まることもない。また、上記ガタ打ち音の発生を抑制するためにエンジン始動時の駆動トルク変動を小さくするように電動機Mを作動させる等の難しい制御を実施する必要もない。
また、本実施例の電子制御装置10によれば、エンジン始動時差動制限手段94は、エンジン自動始動制御手段92によりエンジン12が始動されることで変動する駆動トルクTを算出し、予め記憶された関係から、上記算出された駆動トルクTに基づいて、その駆動トルクTが大きいときほど前側駆動輪30と後側駆動輪32との差動回転の制限力すなわち差動制限トルクTLが大きくなるように制御するものであることから、差動制限クラッチCLによる必要最小限の差動制限によってエンジン12と前側駆動輪30および後側駆動輪32との間の動力伝達経路のガタ詰めを行うことができるので、差動制限クラッチCLによる差動制限が必要以上に行われることによってドライバビリティや燃費が低下することが抑制される。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の他の実施例の車両用駆動装置8を示す図である。図7に示すように、本実施例のトランスファ16では、出力軸44の動力をフロントプロペラシャフト18に伝達するためにその出力軸44に連結されたドライブギヤ66、フロントプロペラシャフト18に連結されたドリブンギヤ68、それらドライブギヤ66およびドリブンギヤ68に巻き掛けられた伝動ベルト70を有する伝動装置62と、リアプロペラシャフト24に一体的に連結された出力軸44を伝動装置62のドライブギヤ66と選択的に連結する差動制限クラッチCLとが設けられている。また、前述の実施例1では設けられていた中央差動歯車装置60が、本実施例のトランスファ16には設けられていない。このようなトランスファ16では、予め定められた差動制限クラッチCLの油圧アクチュエータの油圧と差動制限トルクTLとの関係に従って、所望の差動制限トルクTLが得られるように上記油圧アクチュエータの油圧が制御されることにより、差動制限トルクTLが制御されるようになっている。例えば、実施例1と同様に、エンジン12が始動されることで変動する駆動トルクTが大きいときほど、前側駆動輪30と後側駆動輪32との差動回転の制限力すなわち差動制限トルクTLが大きくなるように、上記油圧アクチュエータの油圧が制御される。
本実施例の車両用駆動装置8の制御装置としての電子制御装置10によれば、上記以外の構成は前述の実施例1と同じであり、エンジン自動始動制御手段92によるエンジン12の自動始動に先立って、差動制限クラッチ(差動制限装置)CLにより前側駆動輪(第1駆動輪)30と後側駆動輪(第2駆動輪)32との差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段94を含むことから、走行中のエンジン始動に際して、差動制限クラッチCLによる前側および後側駆動輪間の差動制限によってエンジン12と前側駆動輪30および後側駆動輪32との間の動力伝達経路のガタ詰めが行われるので、実施例1と同様に走行中のエンジン始動時に発生するガタ打ち音を低コスト且つ容易に抑制することができるという効果が得られる。
図8は、本発明の他の実施例の車両用駆動装置8を説明する図である。本実施例の車両用駆動装置8は、左右一対の後側駆動輪32を駆動輪とする後輪駆動(FR)車両に好適に用いられるものであって、前述の実施例1のトランスファ16が設けられていない。また、後輪用差動歯車装置26には、デフケース98と後輪車軸28の一方とを選択的に連結する差動制限クラッチ(差動制限装置)CLが設けられている。上記差動制限クラッチCLは、左右一対の後側駆動輪32の差動回転を制限するものである。このような後輪用差動歯車装置26では、たとえば実施例1と同様に、予め定められた差動制限クラッチCLの油圧アクチュエータの油圧と差動制限トルクTLとの関係に従って、所望の差動制限トルクTLが得られるように上記油圧アクチュエータの油圧が制御されることにより、差動制限トルクTLが制御されるようになっている。例えば、エンジン12が始動されることで変動する駆動トルクTが大きいときほど、左右一対の後側駆動輪32の間の差動回転の制限力すなわち差動制限トルクTLが大きくなるように、上記油圧アクチュエータの油圧が制御される。
本実施例の車両用駆動装置8の制御装置としての電子制御装置10によれば、上記以外の構成は前述の実施例1と同じであり、エンジン自動始動制御手段92によるエンジン12の自動始動に先立って、差動制限クラッチ(差動制限装置)CLにより左右一対の後側駆動輪(第2駆動輪)32の間の差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段94を含むことから、走行中のエンジン始動に際して、差動制限クラッチCLによる左右一対の後側駆動輪間の差動制限によってエンジン12と後側駆動輪32との間の動力伝達経路のガタ詰めが行われるので、実施例1と同様に走行中のエンジン始動時に発生するガタ打ち音を低コスト且つ容易に抑制することができるという効果が得られる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例において、差動制限クラッチ(差動制限装置)CLは、油圧式クラッチにより構成されていたが、これに限らず、例えば電磁式クラッチ、磁粉式クラッチなどを用いることができる。
また、前述の実施例1において、前後輪駆動車両に用いられるトランスファ16の差動制限クラッチCLは、中央差動歯車装置60の第3サンギヤS3とキャリヤCA3との間に設けられていたが、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3との間や、第3キャリヤCA3と第3リングギヤR3との間に設けられてもよい。
また、前述の実施例2において、前後駆動車両に用いられるトランスファ16の差動制限クラッチCLに替えて、例えば、フロントプロペラシャフト18やリアプロペラシャフト24の途中、フロントプロペラシャフト18と前輪用差動歯車装置20との間、或いはリアプロペラシャフト24と後輪用差動歯車装置26との間に制御カップリング装置が設けられてもよい。
また、前述の実施例3において、後輪駆動車両に用いられる車両用駆動装置8の差動制限クラッチCLは、後輪用差動歯車装置26のデフケース98と後輪車軸28の一方とを選択的に連結するものであったが、これに限らず、例えば、後輪車軸28の一方および他方、或いはデフケース98と後輪車軸28の他方とを選択的に連結するものであってもよい。
また、前述の実施例1、2において、前後輪駆動車両に用いられる車両用駆動装置8の差動歯車装置20および26は、左右一対の駆動輪30および32の差動回転を制限する差動制限機能を有していなかったが、上記差動制限機能を有するものであってもよい。そして、上記差動制限機能が電気的に実現されるものであってもよいし、機械的に実現されるものであってもよい。なお、差動歯車装置20および26が電気的な差動制限機能を有する場合には、エンジン始動時差動制限手段94による差動制限制御に際して、差動制限クラッチCLに加えて上記差動歯車装置20および26により差動制限を行うように制御されてもよい。この場合には、一層確実にガタ詰めが行われるようになる。
また、前述の実施例において、車両用駆動装置8は、前置エンジン後輪駆動方式(FR)を基本とする前後輪駆動(四輪駆動)車両や、後側駆動輪32を駆動輪とする後輪駆動車両に用いられるものであったが、これに限らず、前置エンジン前輪駆動方式(FF)を基本とする前後輪駆動車両、および前側駆動輪30を駆動輪とする前輪駆動車両など、その他の駆動方式の車両であっても好適に用いられ得る。
また、前述の実施例においては、第1電動機M1がエンジンスターターとして機能させられていたが、これに限らず、例えば始動専用の電動機がエンジンスターターとして設けられてもよい。
また、前述の実施例において、エンジン始動時差動制限手段94は、エンジン自動始動制御手段92によるエンジン12の自動始動に先立って、差動制限クラッチCLにより前側駆動輪30と後側駆動輪32との差動回転を制限するものであったが、これに限らず、例えば、上記エンジン12の自動始動と同時に差動回転制御を行うものであってもよい。
また、前述の実施例では、エンジン始動時差動制限手段94により駆動力関連値として例えば駆動トルクTが算出されて、予め記憶された関係から上記算出された駆動トルクTに応じて差動制限クラッチCLによる差動制限が行われていたが、上記駆動力関連値は、上記駆動トルクTに限らず、例えば、駆動力、変速部42の出力トルク、エンジントルク、車両加速度、アクセル開度、スロットル開度など、その他の駆動力に関連する値を用いることができる。また、差動制限クラッチCLによる差動制限トルクTLは、予め設定された一定のトルクであっても差し支えない。
また、電子制御装置10は、3つのコンピュータすなわちエンジン出力制御部72、ハイブリッド制御部74、および四輪駆動制御部76から構成されていたが、それ以外のコンピュータを含むものであってもよいし、1つのコンピュータから構成されたものであってもよい。
また、前述の実施例1乃至3においては、動力伝達装置14に有段変速式の変速部42が設けられていたが、この変速部42は必ずしも設けられなくてもよく、また、それに替えて例えばCVT等の無段変速式のものが設けられてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
8:車両用駆動装置
10:電子制御装置(制御装置)
12:エンジン
20:前輪用差動歯車装置(差動歯車装置)
26:後輪用差動歯車装置(差動歯車装置)
30:前側駆動輪
32:後側駆動輪
60:中央差動歯車装置
90:エンジン自動始動判定手段
92:エンジン自動始動制御手段
94:エンジン始動時差動制限手段
CL:差動制限クラッチ(差動制限装置)
T:駆動トルク(駆動力関連値)

Claims (3)

  1. エンジンの出力が伝達されることによってそれぞれ回転駆動される第1駆動輪および第2駆動輪と、該第1駆動輪と該第2駆動輪との差動回転を制限する差動制限装置とを有する車両用駆動装置において、該エンジンが停止している走行中に予め定められたエンジン自動始動条件が満たされたか否かを判定するエンジン自動始動判定手段と、該エンジン自動始動条件が満たされたと判定された場合に該エンジンを自動始動するエンジン自動始動制御手段とを、備えた車両用駆動装置の制御装置であって、
    前記エンジン自動始動制御手段による前記エンジンの自動始動に際して、前記差動制限装置により前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との差動回転を制限するエンジン始動時差動制限手段を含み、
    前記エンジン始動時差動制限手段は、予め記憶された関係から、前記エンジン自動始動制御手段により前記エンジンが始動されることで変動する駆動トルクに基づいて、前記第1駆動輪と前記第2駆動輪との差動回転を制限することを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記第1駆動輪および前記第2駆動輪は、前記エンジンにより中央差動歯車装置を介して駆動される前側駆動輪および後側駆動輪であり、
    前記差動制限装置は、該中央差動歯車装置に設けられ、該前側および後側駆動輪間の差動回転を制限するものであることを特徴とする請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記第1駆動輪および前記第2駆動輪は、前記エンジンにより差動歯車装置を介して駆動される左右一対の駆動輪であり、
    前記差動制限装置は、該差動歯車装置に設けられ、該左右一対の駆動輪間の差動回転を制限するものであることを特徴とする請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
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