JP2008154394A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリープトルクが出力される際に車両のエネルギ効率の向上を優先するか否かを運転者等が任意に選択できるようにする。
【解決手段】ハイブリッド自動車20では、クリープトルク出力条件が成立したときにECOスイッチ88がオンされている場合、運転者によるペダル踏力Fpdと通常時クリープトルク設定用マップに比べて目標クリープトルクTcr*を小さくする傾向を有するECOモード時クリープトルク設定用マップとを用いて目標クリープトルクTcr*が設定され(ステップS160)、設定された目標クリープトルクTcr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにモータMG2が制御される(ステップS170〜S180)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両およびその制御方法に関し、特に、走行用のトルクとクリープトルクとを出力可能な動力出力手段を備えた車両およびその制御方法に関する。
従来から、電気自動車の駆動力制御システムとして、ブレーキ装置の作動量を計測する計測部を有し、ブレーキ装置の作動量が大きい時にクリープトルクを小さくし、ブレーキ装置の作動量が小さい時にクリープトルクを大きくするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この駆動力制御システムによれば、停車中にクリープトルクを発生させるための余分な電力を節減することが可能となる。
特開2001−8305号公報(図14、図15)
上記駆動力制御システムを備えた電気自動車においては、運転者によるブレーキペダルの踏込量が大きくなれば停車中のクリープトルクを減少させて電力消費量の低減化すなわちエネルギ効率の向上を図ることができる。ただし、ブレーキペダルの踏込量は、あくまで運転者が要求する制動力の大きさに応じて決まるものであるから、上記駆動力制御システムでは、クリープトルクが出力される際のエネルギ効率を運転者の意志により向上させることは実質的に困難である。従って、上記従来技術には、クリープトルクが出力される際のエネルギ効率を向上させるという点になお改善の余地がある。ただし、エネルギ効率の向上を図ることに起因したドライバビリティの低下は、運転に支障のない範囲内に抑える必要がある。
そこで、本発明による車両および車両の制御方法は、クリープトルクが出力される際に車両のエネルギ効率の向上を優先するか否かを運転者等が任意に選択できるようにすることを目的の一つとする。また、本発明による車両および車両の制御方法は、ドライバビリティの低下を抑制しつつクリープトルクが出力される際のエネルギ効率を向上させることを目的の一つとする。
本発明による車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による車両は、
走行用のトルクとクリープトルクとを出力可能な動力出力手段と、
運転者による制動操作量に応じた制動力を発生可能な制動手段と、
エネルギ効率を優先する効率優先モードを選択するための効率優先モード選択スイッチと、
所定のクリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオフされている場合には、前記制動操作量と第1のクリープトルク設定制約とを用いて前記動力出力手段に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクを設定すると共に、前記クリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオンされている場合には、前記制動操作量と前記第1のクリープトルク設定制約に比べてエネルギ効率を優先する第2のクリープトルク設定制約とを用いて前記目標クリープトルクを設定する目標クリープトルク設定手段と、
前記設定された前記目標クリープトルクに基づくトルクを出力するように前記動力出力手段を制御する制御手段と、
を備えるものである。
この車両では、所定のクリープトルク出力条件が成立したときに効率優先モード選択スイッチがオフされている場合には、運転者による制動操作量と第1のクリープトルク設定制約とを用いて動力出力手段に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクが設定され、設定された目標クリープトルクに基づくトルクを出力するように動力出力手段が制御される。また、クリープトルク出力条件が成立したときに効率優先モード選択スイッチがオンされている場合には、運転者による制動操作量と第1のクリープトルク設定制約に比べてエネルギ効率を優先する第2のクリープトルク設定制約とを用いて目標クリープトルクが設定され、設定された目標クリープトルクに基づくトルクを出力するように動力出力手段が制御される。これにより、この車両では、効率優先モード選択スイッチを操作するだけで、クリープトルクが出力される際に車両のエネルギ効率の向上を優先するか否かを任意に選択することが可能となる。そして、効率優先スイッチがオンされていれば、クリープトルクが出力される際に運転者による制動操作量とエネルギ効率を優先した第2のクリープトルク設定制約とを用いて目標クリープトルクが設定されることになるので、その際の車両のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
また、前記第2のクリープトルク設定制約は、前記目標クリープトルクを前記第1のクリープトルク設定制約に比べて小さくする傾向を有していてもよい。
更に、前記第1および第2のクリープトルク設定制約は、前記制動操作量と前記目標クリープトルクとの関係をそれぞれ規定しており、前記第2のクリープトルク設定制約は、前記制動操作量が所定値以上であるときの前記目標クリープトルクを前記第1のクリープトルク設定制約に比べて小さく規定するものであってもよい。これにより、効率優先モード選択スイッチがオンされていても、運転者による制動操作量が比較的小さいときには、クリープトルクが充分に確保されることになるので、発進性能の低下といったドライバビリティの低下を抑制しつつクリープトルクが出力される際のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
また、前記動力出力手段は、動力を出力可能な電動機であってもよい。この場合、上記車両は、内燃機関と、所定の車軸に接続される車軸側回転要素と前記内燃機関の機関軸に接続されると共に前記車軸側回転要素に対して差回転可能な機関側回転要素とを有し、前記機関軸からの動力の少なくとも一部を前記車軸側に出力可能な動力伝達手段と、前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを更に備えてもよく、前記電動機は、前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能であってもよい。すなわち、本発明による車両を動力を出力可能な電動機を備えた電気自動車やハイブリッド自動車として構成すれば、クリープトルクを容易に任意の値に設定可能となり、効率優先モード選択スイッチをオンすれば、クリープトルクが出力される際の電動機による電力消費量を低減して車両のエネルギ効率を向上させることができる。
更に、前記動力伝達手段は、前記車軸と前記内燃機関の前記機関軸とに接続されて電力と動力との入出力を伴って前記内燃機関の動力の少なくとも一部を前記車軸側に出力すると共に前記蓄電手段と電力をやり取り可能な電力動力入出力手段であってもよい。この場合、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電用電動機と、前記車軸と前記内燃機関の前記機関軸と前記発電用電動機の回転軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを含むものであってもよい。そして、前記動力伝達手段は、無段変速機であってもよい。
また、前記動力出力手段は、内燃機関と、前記内燃機関と車軸側との結合状態の変更を伴って前記内燃機関からのトルクを前記車軸側に伝達可能なトルク伝達手段とを含むものであってもよい。すなわち、このようなトルク伝達手段により内燃機関と車軸側との結合状態を変更することにより、内燃機関から車軸にクリープトルクを出力させると共に当該クリープトルクを任意の値に容易に設定することが可能となる。そして、このような車両では、トルク伝達手段により内燃機関の負荷が減少するように内燃機関と車軸側との結合状態を設定すれば、クリープトルクを減少させると共にクリープトルクが出力される際の内燃機関による燃料消費量を低減することができる。
本発明による車両の制御方法は、走行用のトルクとクリープトルクとを出力可能な動力出力手段と、運転者による制動操作量に応じた制動力を発生可能な制動手段と、エネルギ効率を優先する効率優先モードを選択するための効率優先モード選択スイッチとを備えた車両の制御方法であって、
(a)所定のクリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオフされている場合には、前記制動操作量と第1のクリープトルク設定制約とを用いて前記動力出力手段に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクを設定すると共に、前記クリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオンされている場合には、前記制動操作量と前記第1のクリープトルク設定制約に比べてエネルギ効率を優先する第2のクリープトルク設定制約とを用いて前記目標クリープトルクを設定するステップと、
(b)前記設定された前記目標クリープトルクに基づくトルクを出力するように前記動力出力手段を制御するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、効率優先モード選択スイッチを操作するだけで、クリープトルクが出力される際に車両のエネルギ効率の向上を優先するか否かを任意に選択することが可能となる。そして、効率優先スイッチがオンされていれば、クリープトルクが出力される際に、運転者による制動操作量とエネルギ効率を優先した第2のクリープトルク設定制約とを用いて目標クリープトルクが設定されることになるので、その際の車両のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る自動車としてのハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された車軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、制動力を出力可能な制動手段である電子制御式油圧ブレーキユニット(以下、単に「ブレーキユニット」という)90と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備えるものである。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22に対して設けられて当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。機関側回転要素としてのキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、車軸側回転要素としてのリングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、何れも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになり、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。また、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tb等が入力されている。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCも算出している。
ブレーキユニット90は、マスタシリンダ91や流体圧式(油圧式)のブレーキアクチュエータ92、駆動輪たる車輪39a,39bや他の車輪に対して設けられ、各車輪に取り付けられたブレーキディスクを挟持して対応する車輪に摩擦制動力を付与可能なブレーキパッドを駆動するホイールシリンダ93a〜93d、ホイールシリンダ93a〜93dごとに設けられて対応するホイールシリンダの油圧(ホイールシリンダ圧)を検出するホイールシリンダ圧センサ94a〜94d、ブレーキアクチュエータ92を制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)95等を含む。ブレーキアクチュエータ92は、図示しない油圧発生源としてのポンプやアキュムレータ、マスタシリンダ91とホイールシリンダ93a〜93dとの連通状態を制御するマスタシリンダカットソレノイドバルブ、ブレーキペダル85の踏み込み量に応じてペダル踏力に対する反力を創出するストロークシミュレータ等を有する。また、ブレーキECU95は、図示しない信号ラインを介して、マスタシリンダ圧を検出する図示しないマスタシリンダ圧センサからのマスタシリンダ圧や、ホイールシリンダ圧センサ94a〜94dからのホイールシリンダ圧、図示しない車輪速センサからの車輪速、図示しない操舵角センサからの操舵角等を入力すると共に、ハイブリッドECU70等との間で通信により各種信号のやり取りを行う。そして、ブレーキECU95は、ブレーキペダル85の踏み込み量を示すブレーキペダルストロークBSや車速V等に基づいてハイブリッド自動車20に作用させるべき制動トルクのうちのブレーキユニット90による分担分に応じた制動トルクが車輪39a,39bや他の車輪に作用するようにブレーキアクチュエータ92を制御する。また、ブレーキECU95は、図示しないセンサにより検出される車輪速、車両前後および横方向の加速度、ヨーレート、操舵角といった各種パラメータに基づいていわゆるABS制御やトラクションコントロール(TRC)、車両安定化制御(VSC)等をも実行可能である。更に、ブレーキECU95は、所定条件が成立した場合、運転者によるブレーキペダル85の踏み込み操作とは無関係に、車輪39a,39bや他の車輪に制動トルクが作用するようにブレーキアクチュエータ92を制御することができる。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V、車両の前後方向の路面勾配を検出する勾配センサ89からの路面勾配θ等が入力ポートを介して入力される。また、実施例のハイブリッド自動車20の運転席近傍には、走行時の制御モードとして、ドライバビリティよりも燃費等のエネルギ効率を優先するECOモード(効率優先モード)を選択するためのECOスイッチ(効率優先モード選択スイッチ)88が設けられており、このECOスイッチ88もハイブリッドECU70に接続されている。ECOスイッチ88が運転者等によりオンされると、通常時(スイッチオフ時)には値0に設定される所定のECOフラグFecoが値1に設定されると共に、予め定められた効率優先時用の各種制御手順に従ってハイブリッド自動車20が制御されることになる。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52、ブレーキECU95等と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52、ブレーキECU95等と各種制御信号やデータのやり取りを行っている。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクが計算され、この要求トルクに対応する動力がリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求トルクに見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するように運転制御するモータ運転モード等がある。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81のシフトポジションSPとして、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用の通常のドライブポジション(Dポジション)、および主として例えば下り坂を比較的高速で走行しているような場合に選択されるブレーキポジション(Bポジション)が用意されている。そして、実施例のハイブリッド自動車20では、例えば、運転者がシフトポジションSPを走行用のDポジション、BポジションあるいはRポジションに設定しており、かつ停車時等の車速Vがごく小さい所定値以下であることをクリープトルク出力条件として、モータMG2から車軸としてのリングギヤ軸32aにクリープトルクを出力することにより、いわゆるクリープ現象を創出している。
次に、上記ハイブリッド自動車20の動作、特に停車時等の車速Vがごく小さく車軸としてのリングギヤ軸32aにクリープトルクが出力されるときの動作について説明する。図2は、実施例のハイブリッドECU70により実行されるクリープトルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、その実行条件が成立している際に、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、その停車時等に基本的にエンジン22が停止されることから、ここでは、エンジン22が停止しているときの動作を例にとって説明する。
図2のクリープトルク設定ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V、モータMG2の回転数Nm2、勾配センサ89からの路面勾配θ、ECOフラグFecoの値といった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。なお、モータMG2の回転数Nm2は、モータECU40から通信により入力するものとした。ステップS100のデータ入力処理の後、ステップS100にて入力したシフトポジションSPが走行用のDポジション、BポジションあるいはRポジションの何れかであるか否かを判定する(ステップS110)。シフトポジションSPがPポジションまたはNポジションである場合には、クリープ現象を創出する必要がないことから、以降の処理を実行することなく本ルーチンを終了させる。一方、シフトポジションSPがDポジション、BポジションあるいはRポジションの何れかである場合には、更にステップS100にて入力したアクセル開度Accに基づいて運転者によりアクセルペダル83が踏み込まれていないアクセルオフ状態にあるか否か(アクセル開度Accが値0であるか否か)を判定する(ステップS120)。運転者によりアクセルペダル83が踏み込まれておりアクセル開度Accが値0を上回っている場合には、クリープ現象を創出する必要がないことから、以降の処理を実行することなく本ルーチンを終了させる。一方、運転者によりアクセルペダル83が踏み込まれていないアクセルオフ状態にある場合には、ステップS100にて入力したブレーキペダルストロークBSに基づいて運転者によりブレーキペダル85に加えられたペダル踏力Fpdを計算する(ステップS130)。実施例では、ブレーキペダルストロークBSとペダル踏力Fpdとの関係が予め定められて図示しないペダル踏力設定用マップとしてハイブリッドECU70のROM74に記憶されており、ペダル踏力Fpdとしては、与えられたブレーキペダルストロークBSに対応するものが当該マップから導出・設定される。
続いて、ECOフラグFecoが値0であるか否か、すなわち運転者等によりECOスイッチ88がオフされているか否かを判定し(ステップS140)、ECOフラグFecoが値0である場合には、ステップS100にて入力した路面勾配θとステップS130にて設定したペダル踏力Fpdと第1のクリープトルク設定制約としての通常時クリープトルク設定用マップとを用いてモータMG2に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクTcr*を設定する(ステップS150)。また、運転者等によりECOスイッチ88がオンされており、ECOフラグFecoが値1に設定されている場合には、ステップS100にて入力した勾配θとステップS130にて設定したペダル踏力Fpdと第2のクリープトルク設定制約としてのECOモード時クリープトルク設定用マップとを用いて目標クリープトルクTcr*を設定する(ステップS160)。
図3に例示するように、通常時クリープトルク設定用マップ(図中実線参照)とECOモード時クリープトルク設定用マップ(図中破線参照)とは、運転者による制動操作量を示すペダル踏力Fpdと目標クリープトルクTcr*との関係をそれぞれ規定するものであり、予め実験、解析を経て路面勾配θごとに作成されてROM74に記憶されている。従って、ステップS150またはS160では、与えられたペダル踏力Fpdに対応する目標クリープトルクTcr*が路面勾配θに対応した通常時クリープトルク設定用マップまたはECOモード時クリープトルク設定用マップから導出・設定される。ここで、実施例では、ECOスイッチ88がオフされている場合、エネルギ効率よりもブレーキペダル85の踏み込みが解除された際の発進性能といったドライバビリティの良好な確保を優先すると共に、運転者により大きな制動力が要求されている際に過剰なクリープトルクの出力を抑制してモータMG2の電力消費を抑えることとしている。このため、ECOスイッチ88がオフされている場合、ペダル踏力Fpdが値0から第1移行値F1までの範囲内にあるときにはモータMG2に比較的大きな値Tcr1のクリープトルクを出力させ、ペダル踏力Fpdが第1移行値F1から第2移行値F2(ただし、F2>F1)までの範囲内にあるときにはモータMG2にクリープトルクをペダル踏力Fpdに例えば比例するように出力させ、ペダル踏力Fpdが第2移行値F2以上であればペダル踏力Fpdの大きさに拘わらずモータMG2に値Tcr1よりも小さい所定値Tcr2のクリープトルクを出力させる。そして、通常時クリープトルク設定用マップは、このようなエネルギ効率よりもドライバビリティを優先した通常時用の制約を満たすように作成される(図3の実線参照)。また、実施例では、ECOスイッチ88がオンされている場合、ペダル踏力Fpdが値0から第1移行値F1までの範囲内にあるときには、ECOスイッチ88がオフされている場合と同様にドライバビリティを良好に確保すべくモータMG2に上述の値Tcr1のクリープトルクを出力させる。ただし、ECOスイッチ88がオンされている場合には、ドライバビリティよりも燃費等のエネルギ効率をより優先することとし、ペダル踏力Fpdが第1移行値F1から上記第2移行値F2よりも大きい第2移行値F2′までの範囲内にあるときにはモータMG2にクリープトルクをペダル踏力Fpdに例えば比例するように出力させ、ペダル踏力Fpdが第2移行値F2′以上であればペダル踏力Fpdの大きさに拘わらずモータMG2に上記値Tcr2よりも小さい所定値Tcr2′のクリープトルクを出力させる。そして、ECOモード時クリープトルク設定用マップは、このようなドライバビリティよりもエネルギ効率を優先したECOモード時用の制約を満たすように作成される(図4の破線参照)。すなわち、ECOモード時クリープトルク設定用マップは、制動操作量としてのペダル踏力Fpdが値F2以上であるときの目標クリープトルクTcr*を通常時クリープトルク設定用マップに比べて小さく規定しており、目標クリープトルクTcr*を通常時クリープトルク設定用マップに比べて小さくする傾向を有している。
ステップS150またはS160にて目標クリープトルクTcr*を設定したならば、モータMG1に対するトルク指令Tm1*を値0に設定すると共に目標クリープトルクTcr*をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS170)。そして、トルク指令Tm1*およびTm2*をモータECU40に送信し(ステップS180)、再度ステップS100以降の処理を実行する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*に従ってモータMG1,MG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。なお、実施例では、ブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBSがブレーキECU95に与えられており、上述のクリープトルク設定ルーチンが実行される間、ブレーキECU95は、ブレーキペダルストロークBSに基づいて運転者により要求されている要求制動力を求めた上で、当該要求制動力に応じた制動トルクが駆動輪である車輪39a,39bや他の車輪に付与されるようにブレーキアクチュエータ92を制御する。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、クリープトルク出力条件が成立したときにECOスイッチ88がオフされている場合には、運転者による制動操作量としてのペダル踏力Fpdと通常時クリープトルク設定用マップとを用いてモータMG2に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクTcr*が設定され(ステップS150)、設定された目標クリープトルクTcr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにモータMG2が制御される(ステップS170〜S180)。また、クリープトルク出力条件が成立したときにECOスイッチ88がオンされている場合には、運転者によるペダル踏力Fpdと通常時クリープトルク設定用マップに比べてエネルギ効率を優先するECOモード時クリープトルク設定用マップとを用いて目標クリープトルクTcr*が設定され(ステップS160)、設定された目標クリープトルクTcr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにモータMG2が制御される(ステップS170〜S180)。これにより、ハイブリッド自動車20では、ECOスイッチ88を操作するだけで、リングギヤ軸32aにクリープトルクが出力される際にエネルギ効率の向上を優先するか否かを任意に選択することが可能となる。そして、ECOスイッチ88がオンされていれば、リングギヤ軸32aにクリープトルクが出力される際に、目標クリープトルクTcr*を通常時クリープトルク設定用マップに比べて小さくする傾向を有したECOモード時クリープトルク設定用マップを用いて目標クリープトルクTcr*が設定されることになるので、モータMG2による消費電力を低減してその際のエネルギ効率を向上させることが可能となる。また、上記実施例では、制動操作量としてのペダル踏力Fpdが所定値F2以上であるときの目標クリープトルクTcr*を通常時クリープトルク設定用マップに比べて小さく規定するECOモード時クリープトルク設定用マップが採用されているので、ECOスイッチ88がオンされていても、運転者によるペダル踏力Fpdが比較的小さいときには、リングギヤ軸32aに充分なクリープトルクが出力されることになるので、発進性能の低下といったドライバビリティの低下を抑制しつつリングギヤ軸32aにクリープトルクが出力される際のエネルギ効率を向上させることが可能となる。なお、目標クリープトルクTcr*を設定する際には、ペダル踏力Fpd以外に、運転者によるペダルストロークBSやマスタシリンダ圧といった運転者による制動操作量を示す他のパラメータを用いてもよい。
なお、上記実施例は、エンジン22と、モータMG1およびMG2と、車軸側回転要素としてのリングギヤ32および機関側回転要素としてのキャリア34を有する動力分配統合機構30とを有するハイブリッド自動車20についてのものであるが、本発明による車両は、所定の車軸に動力を出力可能な電動機を備えた電気自動車(図示省略)として構成されてもよいことはいうまでもない。このような電気自動車においても、電動機によるクリープトルクを任意の値に容易に設定可能であり、効率優先モード選択スイッチとしてのECOスイッチをオンすれば、クリープトルクが出力される際の電力消費量を低減して車両のエネルギ効率を向上させることができる。
また、上記実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸に出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図4に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Aのように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸(車輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図4における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。また、上記実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して車輪39a,39bに接続される車軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図5に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Bのように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と車輪39a,39bに動力を出力する車軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を車軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えたものに適用されてもよい。
更に、本発明は、車軸側回転要素としてのリングギヤ32と機関側回転要素としてのキャリア34とを有する動力分配統合機構30の代わりに、エンジン22の動力を車軸側に伝達する動力伝達手段として無段変速機(以下「CVT」という)を備えた車両に適用されてもよい。このような車両の一例であるハイブリッド自動車20Cを図6に示す。同図に示す変形例のハイブリッド自動車20Cは、エンジン22からの動力をトルクコンバータ130や前後進切換機構135、ベルト式のCVT140、ギヤ機構37、デファレンシャルギヤ38等を介して例えば前輪である車輪39a,39bに出力する前輪駆動系と、同期発電電動機であるモータMGからの動力をギヤ機構37′、デファレンシャルギヤ38′等を介して例えば後輪である車輪39c,39dに出力する後輪駆動系と、車輪39a〜39dに制動力を付与可能なブレーキユニット90と、車両全体を制御するハイブリッドECU70とを備える。この場合、トルクコンバータ130は、ロックアップ機構を有する流体式トルクコンバータとして構成される。また、前後進切換機構135は、例えばダブルピニオンの遊星歯車機構とブレーキB1とクラッチC1とを含み、前後進の切り換えやトルクコンバータ130とCVT140との接続・切離を実行する。CVT140は、機関側回転要素としてのインプットシャフト141に接続された溝幅を変更可能なプライマリプーリ143と、同様に溝幅を変更可能であって車軸側回転要素としてのアウトプットシャフト142に接続されたセカンダリプーリ144と、プライマリプーリ143およびセカンダリプーリ144の溝に巻き掛けられたベルト145とを有する。そして、CVT140は、CVT用電子制御ユニット146により駆動制御される油圧回路147からの作動油によりプライマリプーリ143およびセカンダリプーリ144の溝幅を変更することにより、インプットシャフト141に入力した動力を無段階に変速してアウトプットシャフト142に出力する。なお、CVT140は、トロイダル式のCVTとして構成されてもよい。そして、モータMGは、インバータ45を介してエンジン22により駆動されるオルタネータ29や、当該オルタネータ29からの電力ラインに出力端子が接続されたバッテリ(高圧バッテリ)50に接続されている。これにより、モータMGは、オルタネータ29やバッテリ50からの電力により駆動されたり、回生を行って発電した電力によりバッテリ50を充電したりする。このように構成されたハイブリッド自動車20Cは、運転者のアクセルペダル83の操作に応じて主としてエンジン22からの動力を前輪である車輪39a,39bに出力して走行し、必要に応じて車輪39a,39bへの動力の出力に加えてモータMGからの動力を後輪である車輪39c,39dに出力して4輪駆動により走行する。そして、図6のハイブリッド自動車20Cでは、例えば、運転者がシフトポジションSPを走行用のDポジション等に設定しており、かつ停車時等の車速Vがごく小さい所定値以下であることをクリープトルク出力条件として、モータMGから車輪39c,39dが取り付けられた車軸にクリープトルクを出力することによりクリープ現象を創出する。
ところで、図6のハイブリッド自動車20Cでは、エンジン22がトルクコンバータ130とクラッチC1を含む前後進切換機構135とを介してCVT140に接続されていることから、エンジン22から車輪39a,39bが取り付けられている車軸にクリープトルクを出力させてもよい。この場合、トルク伝達手段としてのクラッチC1によるエンジン22とCVT140(車軸側)との結合状態(係合状態)を変更することにより、クリープトルクを任意の値に容易に設定することが可能であり、いわゆるニュートラル制御を実行してクラッチC1によりエンジン22の負荷が減少するようにエンジン22とCVT140(車軸側)との結合状態を設定すれば、クリープトルクが出力される際のエンジン22による燃料消費量を低減することができる。従って、本発明は、図7に例示するようなトルクコンバータ130と例えば多板クラッチ機構として構成されるトルク伝達手段としてのクラッチC0と変速機構GBとを含むオートマチックトランスミッションATMとエンジン22とを備えた一般的な自動車20Dにも適用され得る。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、走行用のトルクとクリープトルクとを出力可能なモータMG,MG2あるいは対ロータ電動機230、更には、エンジン22とクラッチC1またはC0が「動力出力手段」に相当し、制動力を出力可能なブレーキユニット90が「制動手段」に相当する。また、ドライバビリティよりも燃費等のエネルギ効率を優先するECOモードを選択するためのECOスイッチ88が「効率優先モード選択スイッチ」に相当し、図2のクリープトルク設定ルーチンを実行するハイブリッドECU70が「目標クリープトルク設定手段」およびに「制御手段」に相当する。更に、エンジン22が「内燃機関」に相当し、車軸側回転要素としてのリングギヤ32と機関軸側回転要素としてのキャリア34とを有する動力分配統合機構30や車軸側回転要素としてのインプットシャフト141と機関軸側回転要素としてのアウトプットシャフト142とを有するCVT140が「動力伝達手段」に相当する。また、モータMG1および動力分配統合機構30や対ロータ電動機230が「電力動力入出力手段」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、モータMG1、オルタネータ29あるいは対ロータ電動機230が「発電用電動機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。なお、これら実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行われるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、自動車の製造産業等において利用可能である。
本発明の一実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行されるクリープトルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 通常時クリープトルク設定用マップとECOモード時クリープトルク設定用マップとを例示する説明図である。 変形例に係るハイブリッド自動車20Aの概略構成図である。 他の変形例に係るハイブリッド自動車20Bの概略構成図である。 更に他の変形例に係るハイブリッド自動車20Cの概略構成図である。 他の変形例に係る自動車20Dの概略構成図である。
符号の説明
20,20A,20B,20C ハイブリッド自動車、20D 自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、29 オルタネータ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37,37′ ギヤ機構、38,38′ デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,45 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、88 ECOスイッチ、89 勾配センサ、90 ブレーキユニット、91 マスタシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、93a〜93d ホイールシリンダ、94a〜94d ホイールシリンダ圧センサ、95 ブレーキECU、130 トルクコンバータ、135 前後進切換機構、140 CVT、141 インプットシャフト、142 アウトプットシャフト、143 プライマリプーリ、144 セカンダリプーリ、145 ベルト、146 CVT用電子制御ユニット、147 油圧回路、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、B1 ブレーキ、C0,C1、 GB 変速機構、クラッチ、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (10)

  1. 走行用のトルクとクリープトルクとを出力可能な動力出力手段と、
    運転者による制動操作量に応じた制動力を発生可能な制動手段と、
    エネルギ効率を優先する効率優先モードを選択するための効率優先モード選択スイッチと、
    所定のクリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオフされている場合には、前記制動操作量と第1のクリープトルク設定制約とを用いて前記動力出力手段に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクを設定すると共に、前記クリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオンされている場合には、前記制動操作量と前記第1のクリープトルク設定制約に比べてエネルギ効率を優先する第2のクリープトルク設定制約とを用いて前記目標クリープトルクを設定する目標クリープトルク設定手段と、
    前記設定された前記目標クリープトルクに基づくトルクを出力するように前記動力出力手段を制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記第2のクリープトルク設定制約は、前記目標クリープトルクを前記第1のクリープトルク設定制約に比べて小さくする傾向を有している請求項1に記載の車両。
  3. 請求項1または2に記載の車両において、
    前記第1および第2のクリープトルク設定制約は、前記制動操作量と前記目標クリープトルクとの関係をそれぞれ規定しており、
    前記第2のクリープトルク設定制約は、前記制動操作量が所定値以上であるときの前記目標クリープトルクを前記第1のクリープトルク設定制約に比べて小さく規定している車両。
  4. 前記動力出力手段は、動力を出力可能な電動機である請求項1から3の何れかに記載の車両。
  5. 請求項4に記載の車両において、
    内燃機関と、
    所定の車軸に接続される車軸側回転要素と前記内燃機関の機関軸に接続されると共に前記車軸側回転要素に対して差回転可能な機関側回転要素とを有し、前記機関軸からの動力の少なくとも一部を前記車軸側に出力可能な動力伝達手段と、
    前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを更に備え、
    前記電動機は、前記車軸または該車軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能である車両。
  6. 前記動力伝達手段は、前記車軸と前記内燃機関の前記機関軸とに接続されて電力と動力との入出力を伴って前記内燃機関の動力の少なくとも一部を前記車軸側に出力すると共に前記蓄電手段と電力をやり取り可能な電力動力入出力手段である請求項5に記載の車両。
  7. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電用電動機と、前記車軸と前記内燃機関の前記機関軸と前記発電用電動機の回転軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを含む請求項6に記載の車両。
  8. 前記動力伝達手段は、無段変速機である請求項5に記載の車両。
  9. 前記動力出力手段は、内燃機関と、前記内燃機関と車軸側との結合状態の変更を伴って前記内燃機関からのトルクを前記車軸側に伝達可能なトルク伝達手段とを含む請求項1から3の何れかに記載の車両。
  10. 走行用のトルクとクリープトルクとを出力可能な動力出力手段と、運転者による制動操作量に応じた制動力を発生可能な制動手段と、エネルギ効率を優先する効率優先モードを選択するための効率優先モード選択スイッチとを備えた車両の制御方法であって、
    (a)所定のクリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオフされている場合には、前記制動操作量と第1のクリープトルク設定制約とを用いて前記動力出力手段に出力させるクリープトルクの目標値である目標クリープトルクを設定すると共に、前記クリープトルク出力条件が成立したときに前記効率優先モード選択スイッチがオンされている場合には、前記制動操作量と前記第1のクリープトルク設定制約に比べてエネルギ効率を優先する第2のクリープトルク設定制約とを用いて前記目標クリープトルクを設定するステップと、
    (b)前記設定された前記目標クリープトルクに基づくトルクを出力するように前記動力出力手段を制御するステップと、
    を含む車両の制御方法。
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