JP2010076679A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプリット型のハイブリッド駆動装置において、構成部品数の増加を抑えつつ、主に電動走行時における駆動特性を向上させる。
【解決手段】エンジンEに接続される入力部材Iと、車輪に接続される出力部材Oと、回転電機MG1と、回転電機MG1に接続される第一回転要素s、入力部材Iに接続される第二回転要素ca、及び第三回転要素r、の3つの回転要素を有する差動歯車装置Pと、第二回転要素caと出力部材Oとを選択的に接続する第一係合要素C1と、第三回転要素rと出力部材Oとを選択的に接続する第二係合要素C2と、第三回転要素rを非回転部材2に選択的に固定する第三係合要素Bと、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンEに接続される入力部材Iと、車輪に接続される出力部材Oと、回転電機MG1と、回転電機MG1に接続される第一回転要素s、入力部材Iに接続される第二回転要素ca、及び第三回転要素r、の3つの回転要素を有する差動歯車装置Pと、第二回転要素caと出力部材Oとを選択的に接続する第一係合要素C1と、第三回転要素rと出力部材Oとを選択的に接続する第二係合要素C2と、第三回転要素rを非回転部材2に選択的に固定する第三係合要素Bと、を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンに接続される入力部材と、車輪に接続される出力部材と、回転電機と、3つの回転要素を有する差動歯車装置と、を備えたハイブリッド駆動装置に関する。
近年、車両の駆動源としてエンジン及びモータやジェネレータ等の回転電機を備えた、いわゆるハイブリッド車両が、燃費、環境保護等の点から注目を集めている。このようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置の一例として、例えば下記の特許文献1には、エンジンと、車輪に接続された出力部材と、第1の電動発電機と、第2の電動発電機と、3つの回転要素を有する遊星歯車装置と、を備えた構成が開示されている。また、出力部材に制動をかけて選択的に固定するブレーキと、第2の電動発電機と出力部材側と選択的に接続するクラッチと、を備えた構成が開示されている。
このハイブリッド駆動装置では、エンジン、第1の電動発電機、及び第2の電動発電機の駆動状態、並びにブレーキ及びクラッチの係合状態を切り替えることにより、エンジンが停止されるとともに電動発電機の回転駆動力が車輪に伝達されるモータ走行モード、エンジンの回転駆動力により第1の電動発電機を駆動し、第1の電動発電機の発生する電力を用いて駆動される第2の電動発電機の回転駆動力が車輪に伝達されるシリーズモード、及び機械的に合成されたエンジン及び電動発電機の回転駆動力が車輪に伝達されるパラレルモード、が切替可能とされている。さらに、モータ走行モードに関しては、ブレーキ及びクラッチの作動状態を切り替えることにより、第1の電動発電機の回転駆動力のみが車輪に伝達されるモード、第2の電動発電機の回転駆動力のみが車輪に伝達されるモード、並びに第1の電動発電機及び第2の電動発電機の回転駆動力が合成されて車輪に伝達されるモード、が切替可能とされている。
しかし、特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置では、モータ走行モードにおいては、第1の電動発電機及び第2の電動発電機はそれぞれ固定された変速比で回転駆動力が出力される。そのため、これらの電動発電機の出力可能トルクが小さい場合等には、第1の電動発電機及び第2の電動発電機の双方を駆動したとしても、要求駆動力に対して回転駆動力が不足してしまい、エンジンを始動することにより、回転駆動力の不足分を補う必要があるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、スプリット型のハイブリッド駆動装置において、構成部品数の増加を抑えつつ、主に電動走行時における駆動特性を向上させることを目的とする。
この目的を達成するための、本発明に係るハイブリッド駆動装置の特徴構成は、エンジンに接続される入力部材と、車輪に接続される出力部材と、回転電機と、前記回転電機に接続される第一回転要素と、前記入力部材に接続される第二回転要素と、第三回転要素と、の3つの回転要素を有する差動歯車装置と、前記第二回転要素と前記出力部材とを選択的に接続する第一係合要素と、前記第三回転要素と前記出力部材とを選択的に接続する第二係合要素と、前記第三回転要素を非回転部材に選択的に固定する第三係合要素と、を備えた点にある。
なお、本願では、「接続」とは、回転の伝達を直接的に行う構造を含むほか、一又は二以上の部材を介して回転の伝達を間接的に行う構造も含む。また、本願では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
上記の特徴構成によれば、回転電機に接続される第一回転要素、入力部材に接続される第二回転要素、及び出力部材に接続される第三回転要素、の3つの回転要素を有する差動歯車装置を備えたスプリット型のハイブリッド駆動装置において、第一係合要素、第二係合要素、及び第三係合要素の作動状態を切り替えることにより、差動歯車装置の第一回転要素に接続される回転電機の回転駆動力を複数の異なる変速比で変速して出力部材に出力することができる。そのため、主に回転電機の回転駆動力により車両を走行させる場合において、走行のために必要となる回転駆動力に応じて回転電機の回転駆動力を適切に変速して出力することが可能となり、駆動特性を向上させることができる。その際、第二回転要素と出力部材、第三回転要素と出力部材、及び第三回転要素と非回転部材、のそれぞれの係合状態を切り替えるための三つの係合要素を設けるだけで良いので、ハイブリッド駆動装置の構成部品数が大幅に増加することもない。したがって、構成部品数の増加を抑えつつ、主に電動走行時における駆動特性を向上させることが可能となる。
ここで、前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、エンジン及び第一回転電機の一方又は双方の回転駆動力に、第二回転電機の回転駆動力を補助的に加えることができる。したがって、回転電機の回転駆動力のみにより車両を走行させる電動走行時、並びにエンジン及び回転電機の双方の回転駆動力により車両を走行させるパラレル走行時において、駆動装置全体として、車両の要求駆動力に応じて適切な駆動力を出力させることが可能となる。
また、前記第二回転電機と前記車輪とを選択的に接続する第四係合要素をさらに備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、第二回転電機の回転駆動力を必要としない場合に、第二回転電機と車輪とを選択的に分離することができる。したがって、第二回転電機が動作することによるエネルギー損失を抑え、エネルギー効率を向上させることができる。
また、前記入力部材と前記エンジンとを選択的に接続する第五係合要素をさらに備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、エンジンの回転駆動力を必要としない電動走行時に、入力部材とエンジンとを選択的に分離することにより、エンジンが入力部材に連れ回ることを回避することができる。したがって、エンジン内部における摩擦抵抗によるエネルギー損失を抑え、エネルギー効率を向上させることができる。
上記の特徴構成を備えたハイブリッド駆動装置において、前記第一係合要素を係合状態とするとともに、前記第二係合要素及び前記第三係合要素のいずれか一方を係合状態、他方を係合解除状態として、前記差動歯車装置により、前記回転電機の回転を異なる変速比で変速して前記出力部材に伝達する2つの変速段を切替可能に備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、第一係合要素を係合状態に維持したまま、第二係合要素及び第三係合要素の、一方が係合状態、他方が係合解除状態となる組み合わせを切り替えるだけの簡単な構成で、回転電機の回転駆動力を2つの異なる変速比で変速して出力することができる。また、回転電機の回転駆動力を2つの異なる変速比で変速して出力することで、車両の走行のために必要となる回転駆動力に応じて回転電機の回転駆動力を適切に変速して出力することが可能となる。
ここで、前記2つの変速段の少なくとも一方で、前記回転電機を駆動状態とするとともに前記エンジンを非駆動状態とすることにより実現される第一EVモードを備えた構成とすると好適である。
なお、本願では、「駆動状態」は、回転電機又はエンジンが回転駆動力を出力している状態を表す概念として用いている。また、「非駆動状態」は、回転電機又はエンジンが回転駆動力を出力していない状態を表し、回転が停止している状態及び空転している状態(トルクを出力せずに回転させられている状態)を含む概念として用いている。
この構成によれば、上記で説明した2つの変速段の少なくとも一方で実現される、回転電機の回転駆動力を主に用いて車両を走行させる第一EVモードにおいて、車両の走行のために必要となる回転駆動力に応じて回転電機の回転駆動力を適切に変速して出力することが可能となる。したがって、第一EVモードを広い速度域に適用することが可能となる。例えば、第一EVモードが実現される2つの変速段のうちの一方が減速段である場合には、回転電機の回転速度を減速するとともに、一個の回転電機により大きな回転駆動力を出力させて車両を走行させることが可能となる。また、2つの変速段のうちの一方が増速段である場合には、回転電機の回転速度を増速して、比較的高速で車両を走行させることが可能となる。
また、前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備え、前記第一回転電機に加えて前記第二回転電機を駆動状態とすることにより実現される第二EVモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、上記第一EVモードにおいて、第一回転電機の回転駆動力にさらに第二回転電機の回転駆動力を補助的に加えることにより、車両の要求駆動力に応じて適切な駆動力を出力させることが可能となる。
また、前記第一係合要素及び前記第二係合要素を係合解除状態として、前記第二回転電機を駆動状態とするとともに前記エンジン及び前記第一回転電機を非駆動状態とすることにより実現される第三EVモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、第二回転電機の回転駆動力のみを用いて車両を走行させることができる。このとき、第二回転電機は、前記差動歯車装置を介さずに車輪に接続させることができるので、一個の回転電機の回転駆動力のみにより車両を走行させるいわゆる1モータの電動走行を行なう場合において、第一回転電機を駆動させる場合と比較して、前記差動歯車装置の各機械要素や各係合要素の摩擦抵抗によるエネルギー損失を低減し、エネルギー効率を向上させることができる。
また、前記差動歯車装置により、前記回転電機の回転を異なる変速比で変速して前記出力部材に伝達する2つの変速段を切替可能に備えた構成において、前記2つの変速段の少なくとも一方で、前記エンジン及び前記回転電機を駆動状態とすることにより実現される第一パラレルモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、エンジンの回転駆動力と、上記で説明した2つの変速段の少なくとも一方で実現される回転電機の回転駆動力と、を合成して車両を走行させる第一パラレルモードにおいて、車両の走行のために必要となる回転駆動力に応じて回転電機の回転駆動力を適切に変速して出力することが可能となる。したがって、第一パラレルモードを広い速度域に適用することが可能となる。
また、前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備え、前記第一回転電機に加えて前記第二回転電機を駆動状態とすることにより実現される第二パラレルモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、上記第一パラレルモードにおいて、第一回転電機の回転駆動力にさらに第二回転電機の回転駆動力を補助的に加えることにより、車両の要求駆動力に応じて適切な駆動力を出力させることが可能となる。
また、前記第一係合要素を係合状態、前記第二係合要素を係合解除状態として、前記エンジン及び前記第二回転電機を駆動状態とするとともに前記第一回転電機を非駆動状態とすることにより実現される第三パラレルモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、エンジン及び第二回転電機の回転駆動力を用いて車両を走行させることができる。このとき、第二回転電機は例えば差動歯車装置等を介さずに車輪に接続させることができるので、一個の回転電機の回転駆動力のみをエンジンの回転駆動力と合成して車両を走行させるいわゆる1モータのパラレル走行を行なう場合において、第一回転電機を駆動させる場合と比較して、差動歯車装置等の各機械要素の摩擦抵抗によるエネルギー損失を低減し、エネルギー効率を向上させることができる。
また、前記第二係合要素を係合状態とするとともに、前記第一係合要素及び前記第三係合要素を係合解除状態として、前記エンジンの回転駆動力を前記回転電機と前記出力部材とに分配して伝達するスプリットモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、エンジンを最適燃費特性に沿うように維持されるように制御しつつ、回転電機の回転速度を制御することにより、エンジンの回転駆動力を無段階に変速して出力部材に伝達する電気的無段変速が実現される。したがって、広い車速域においてエネルギー効率の高い走行を行なわせることができる。
また、前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備え、前記第三係合要素を係合状態とするとともに、前記第一係合要素及び前記第二係合要素を係合解除状態として、前記エンジンの回転駆動力により前記第一回転電機を駆動することによって発電された電力を用いて前記第二回転電機を駆動し、前記第二回転電機の回転駆動力を前記車輪に伝達するシリーズモードを備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、入力部材及び第一回転電機と、第二回転電機及び車輪とを独立に動作させ、エンジンの回転駆動力を第一回転電機に伝達して発電を行わせるとともに、その発電された電力を用いて第二回転電機に力行させ、その回転駆動力を車輪に伝達して車両を走行させることが可能となる。したがって、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置の蓄電量が少ない状態であっても、長時間にわたって第二回転電機の回転駆動力のみを車輪に伝達して車両を走行させることができる。
これまで説明してきたハイブリッド駆動装置において、前記差動歯車装置の3つの回転要素は、回転速度の順に前記第一回転要素、前記第二回転要素、前記第三回転要素とされている構成とすると好適である。
なお本願では、「回転速度の順」は、高速側から低速側に向かう順、又は低速側から高速側に向かう順のいずれかであり、差動歯車装置の回転状態によりいずれともなり得るが、いずれの場合にも回転要素の順は変わらない。
この構成によれば、回転電機の回転駆動力により車両を走行させる場合において、第三係合要素を係合状態とすることにより、回転電機の回転速度を減速し、その回転駆動力を増大させて出力することが可能となる。したがって、車両を走行させるために大きな回転駆動力が必要となる場合であっても、一個の回転電機により大きな回転駆動力を出力して車両を走行させることができる。
なお、本発明に係るハイブリッド駆動装置は、第一係合要素、第二係合要素、及び第三係合要素の作動状態を切り替えることにより、走行のために必要となる回転駆動力に応じて回転電機の回転駆動力を適切に変速して出力することが可能である。そのため、比較的広い車速域において電動走行を行なうことが可能となっている。したがって、このハイブリッド駆動装置は、前記第一回転電機及び前記第二回転電機に電力を供給するための蓄電手段が、外部電源により充電可能に構成された、いわゆるプラグインハイブリッド車両の駆動装置として特に適している。
以下に、本発明に係るハイブリッド駆動装置1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置1の構成を示すスケルトン図である。この図1においては、中心軸に対称な下半分の構成を、一部省略して示している。図2は、ハイブリッド駆動装置1のシステム構成を示す模式図である。図2において、実線の矢印は各種情報の伝達経路を示し、破線は電力の伝達経路を示し、白抜きの矢印は油圧の伝達経路を示している。
図1に示すように、このハイブリッド駆動装置1は、エンジンEに接続される入力軸Iと、カウンタ減速機構C及びディファレンシャル装置18を介して車輪W(図2を参照)に接続される出力部材Oと、第一モータ・ジェネレータMG1と、遊星歯車装置Pと、を備えている。ここで、遊星歯車装置Pは、第一モータ・ジェネレータMG1に接続される第一回転要素、入力軸Iに接続される第二回転要素、及び第三回転要素、の3つの回転要素を有している。また、本実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1は、さらに、第二モータ・ジェネレータMG2を備え、第二モータ・ジェネレータMG2は、カウンタ減速機構C及びディファレンシャル装置18を介して車輪Wに接続されている。そして、このハイブリッド駆動装置1は、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の回転状態、及び2つのモータ・ジェネレータMGの回転駆動力の出力状態を切り替えることによって、複数のモード及び各モードが備える変速段を切替可能に備えている。また、ハイブリッド駆動装置1の各構成は、車体に固定される非回転部材としての駆動装置ケース2(以下、単に「ケース2」という。)内に収容されている。本実施形態においては、第一モータ・ジェネレータMG1が本発明における「第一回転電機」に相当し、第二モータ・ジェネレータMG2が本発明における「第二回転電機」に相当する。また、入力軸Iが本発明における「入力部材」に相当し、遊星歯車装置Pが本発明における「差動歯車装置」に相当する。
1.ハイブリッド駆動装置の機械的構成
まず、ハイブリッド駆動装置1の各部の機械的構成について説明する。図1に示すように、入力軸Iは、エンジンEに接続されている。ここで、エンジンEは、燃料の燃焼により駆動される内燃機関であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の各種エンジンを用いることができる。本例では、入力軸Iは、第四クラッチC4を介してエンジンEのクランクシャフト等のエンジン出力軸Eoに接続されている。なお、入力軸Iが、ダンパ等の他の部材を介してエンジンEに接続された構成としても好適である。なお、本実施形態においては、入力軸IはエンジンEの出力軸Eoと一体的に回転するため、入力軸Iの回転はエンジンEの回転と同じであり、入力軸Iの回転駆動力(トルク)はエンジンEの回転駆動力(トルク)と同じである。したがって、以下では、特に区別する必要が有る場合を除き、適宜、入力軸I及びエンジンEの回転を単にエンジンEの回転と呼び、入力軸I及びエンジンEの回転駆動力(トルク)を単にエンジンEの回転駆動力(トルク)と呼ぶ。また、入力軸Iは、遊星歯車装置Pのキャリアcaに接続されるととともに、第一クラッチC1を介して出力部材Oに選択的に接続される。
まず、ハイブリッド駆動装置1の各部の機械的構成について説明する。図1に示すように、入力軸Iは、エンジンEに接続されている。ここで、エンジンEは、燃料の燃焼により駆動される内燃機関であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の各種エンジンを用いることができる。本例では、入力軸Iは、第四クラッチC4を介してエンジンEのクランクシャフト等のエンジン出力軸Eoに接続されている。なお、入力軸Iが、ダンパ等の他の部材を介してエンジンEに接続された構成としても好適である。なお、本実施形態においては、入力軸IはエンジンEの出力軸Eoと一体的に回転するため、入力軸Iの回転はエンジンEの回転と同じであり、入力軸Iの回転駆動力(トルク)はエンジンEの回転駆動力(トルク)と同じである。したがって、以下では、特に区別する必要が有る場合を除き、適宜、入力軸I及びエンジンEの回転を単にエンジンEの回転と呼び、入力軸I及びエンジンEの回転駆動力(トルク)を単にエンジンEの回転駆動力(トルク)と呼ぶ。また、入力軸Iは、遊星歯車装置Pのキャリアcaに接続されるととともに、第一クラッチC1を介して出力部材Oに選択的に接続される。
第一モータ・ジェネレータMG1は、ケース2に固定されたステータSt1と、このステータSt1の径方向内側に回転自在に支持されたロータRo1と、を有している。第一モータ・ジェネレータMG1は、遊星歯車装置PよりもエンジンE側における入力軸Iの径方向外側に、入力軸Iと同軸上に配置されている。第一モータ・ジェネレータMG1のロータRo1は、遊星歯車装置Pのサンギヤsと一体回転するように接続されている。また、第二モータ・ジェネレータMG2は、ケース2に固定されたステータSt2と、このステータSt2の径方向内側に回転自在に支持されたロータRo2と、を有している。この第二モータ・ジェネレータMG2のロータRo2は、第三クラッチC3を介して第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13と一体回転するように接続されている。第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、図2に示すように、それぞれ第一インバータ22、第二インバータ23を介して蓄電手段としてのバッテリ21に電気的に接続されている。そして、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、それぞれ電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能を果たすことが可能とされている。
ここで、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2に電力を供給するバッテリ21は、家庭用電源等の外部電源により充電可能に構成されている。すなわち、図示は省略するが、バッテリ21は、外部電源に接続されるコネクタや、外部電源が交流電源である場合には直流に変換するインバータ等の構成に電気的に接続され、外部電源によって充電される構成となっている。これにより、ハイブリッド駆動装置1は、プラグインハイブリッド車両の駆動装置として構成されている。なお、バッテリ21は蓄電手段の一例であり、キャパシタなどの他の蓄電手段を用い、或いは複数種類の蓄電手段を併用することも可能である。
後述するように、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、それぞれ回転方向と回転駆動力の向きとの関係に応じてジェネレータ及びモータのいずれか一方として機能する。そして、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、ジェネレータとして機能する場合には、発電した電力をバッテリ21に供給して充電し、或いは当該電力をモータとして機能する他方のモータ・ジェネレータMG1、MG2に供給して力行させる。また、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、モータとして機能する場合には、バッテリ21に充電され、或いはジェネレータとして機能する他方のモータ・ジェネレータMG1、MG2により発電された電力の供給を受けて力行する。そして、第一モータ・ジェネレータMG1の動作は、第一モータ・ジェネレータ制御部33からの制御指令に従って第一インバータ22を介して行われ、第二モータ・ジェネレータMG2の動作は、第二モータ・ジェネレータ制御部34からの制御指令に従って第二インバータ23を介して行われる。
図1に示すように、本実施形態においては、遊星歯車装置Pは、入力軸Iと同軸上に配置されたシングルピニオン型の遊星歯車機構とされている。すなわち、遊星歯車装置Pは、複数のピニオンギヤを支持するキャリアcaと、前記ピニオンギヤにそれぞれ噛み合うサンギヤs及びリングギヤrと、を回転要素として有している。サンギヤsは、第一モータ・ジェネレータMG1のロータRo1の回転軸と一体回転するように接続されている。キャリアcaは、入力軸Iと一体回転するように接続されている。リングギヤrは、中間部材11と一体回転するように接続されている。このように、差動歯車装置としての遊星歯車装置Pは3つの回転要素を有しており、本実施形態においては、サンギヤs、キャリアca、及びリングギヤrが、それぞれ本発明における「第一回転要素」、「第二回転要素」、及び「第三回転要素」に相当する。なお、この遊星歯車装置Pでは、3つの回転要素は、回転速度の順にサンギヤs(第一回転要素)、キャリアca(第二回転要素)、及びリングギヤr(第三回転要素)となっている。
出力部材Oは、動力伝達経路上における遊星歯車装置Pの下流側において、入力軸Iと同軸上に配置されている。出力部材Oは、第一クラッチC1及び第二クラッチC2の2つのクラッチを介して、それぞれ入力軸I及び中間部材11に接続されている。また、出力部材Oは、出力ギヤ12と一体回転するように接続されている。出力ギヤ12は、後述するカウンタ減速機構Cの第一ギヤ14に噛み合っており、出力部材Oに伝達された回転駆動力は、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、及び出力軸19を介して車輪W(図2を参照)に伝達可能とされている。なお、第一ギヤ14には第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13も噛み合っており、これにより、第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力も、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、及び出力軸19を介して車輪Wに伝達可能とされている。また、本実施形態においては、第一モータ・ジェネレータMG1、遊星歯車装置P、及び出力部材Oが入力軸Iと同軸上に配置されるとともに、第二モータ・ジェネレータMG2、カウンタ減速機構C、及びディファレンシャル装置18は、それぞれ入力軸Iと異なる軸上に互いに平行に配置されている。すなわち、このハイブリッド駆動装置1は、入力軸I、第一モータ・ジェネレータMG1、遊星歯車装置P、及び出力ギヤ12が配置される第一軸、第二モータ・ジェネレータMG2が配置される第二軸、カウンタ減速機構Cが配置される第三軸、並びにディファレンシャル装置18が配置される第四軸、を備えた4軸構成とされている。
遊星歯車装置Pのキャリアca及び入力軸Iは、第四クラッチC4を介してエンジンEのエンジン出力軸Eoに選択的に接続される。言い換えれば、第四クラッチC4は、遊星歯車装置Pのキャリアca及び入力軸IとエンジンEとを選択的に分離するように機能する。すなわち、遊星歯車装置Pのキャリアca及び入力軸Iは、第四クラッチC4の係合状態ではエンジンE(エンジン出力軸Eo)と一体回転するように接続され、第四クラッチC4の係合解除(解放)状態ではエンジンEから分離される。また、遊星歯車装置Pのキャリアca及び入力軸Iは、第一クラッチC1を介して出力部材Oに選択的に接続される。言い換えれば、第一クラッチC1は、遊星歯車装置Pのキャリアca及び入力軸Iと出力部材Oとを選択的に分離するように機能する。すなわち、遊星歯車装置Pのキャリアca及び入力軸Iは、第一クラッチC1の係合状態では出力部材Oと一体回転するように接続され、第一クラッチC1の係合解除(解放)状態では出力部材Oから分離される。
遊星歯車装置Pのリングギヤr及び中間部材11は、ブレーキBにより非回転部材としてのケース2に選択的に固定される。すなわち、遊星歯車装置Pのリングギヤr及び中間部材11は、ブレーキBの係合状態ではケース2に固定され、ブレーキBの係合解除(解放)状態ではその回転が許容される。また、遊星歯車装置Pのリングギヤr及び中間部材11は、第二クラッチC2を介して出力部材Oに選択的に接続される。言い換えれば、第二クラッチC2は、遊星歯車装置Pのリングギヤr及び中間部材11と出力部材Oとを選択的に分離するように機能する。すなわち、遊星歯車装置Pのリングギヤr及び中間部材11は、第二クラッチC2の係合状態では出力部材Oと一体回転するように接続され、第二クラッチC2の係合解除(解放)状態では出力部材Oから分離される。
また、第二モータ・ジェネレータMG2のロータRo2は、第三クラッチC3を介して第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13に選択的に接続される。言い換えれば、第三クラッチC3は、第二モータ・ジェネレータMG2と第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13とを選択的に分離するように機能する。すなわち、第二モータ・ジェネレータMG2は、第三クラッチC3の係合状態では第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13と一体回転するように接続され、第二クラッチC2の係合解除(解放)状態では第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13から分離される。上記のとおり、第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13はカウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、及び出力軸19を介して車輪Wに接続されているので、第二モータ・ジェネレータMG2は、第三クラッチC3を介して車輪Wに選択的に接続されることになる。本実施形態においては、第一クラッチC1、第二クラッチC2、及びブレーキBが、それぞれ本発明における「第一係合要素」、「第二係合要素」、及び「第三係合要素」に相当する。また、第三クラッチC3が本発明における「第四係合要素」に相当し、第四クラッチC4が本発明における「第五係合要素」に相当する。
これらの第一係合要素、第二係合要素、第三係合要素、第四係合要素、及び第五係合要素は、いずれも摩擦係合要素としてのブレーキ又はクラッチにより構成されている。これらは、いずれも油圧により動作する多板式クラッチや多板式ブレーキを用いることができる。図2に示すように、これらの係合要素B、C1、C2、C3、C4へは、制御ユニット31からの制御指令により動作する油圧制御装置41から油圧が供給され、この油圧により、各係合要素B、C1、C2、C3、C4の作動状態、すなわち、係合状態又は係合解除(解放)状態が制御される。
図1に示すように、カウンタ減速機構Cは、出力ギヤ12に噛み合う第一ギヤ14と、差動入力ギヤ17に噛み合う第二ギヤ16と、第一ギヤ14と第二ギヤ16とを連結するカウンタシャフト15と、を備えている。ここで、第二ギヤ16は、第一ギヤ14に対して径が小さく、歯数も少なく設定されている。これにより、第一ギヤ14の回転は、歯数の上で減速されて第二ギヤ16に伝達される。また、第一ギヤ14には、第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13が噛み合っている。すなわち、第一ギヤ14には出力ギヤ12及び第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13が共通に噛み合う構成となっている。したがって、出力ギヤ12の回転駆動力及び第二モータ・ジェネレータ出力ギヤ13の回転駆動力は、第一ギヤ14に伝達されるとともに、カウンタシャフト15、第二ギヤ16及び差動入力ギヤ17を介してディファレンシャル装置18に伝達される。
ディファレンシャル装置18は、差動入力ギヤ17に伝達された回転駆動力を分配し、出力軸19を介して二つの車輪Wに伝達する。上記のとおり、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、カウンタ減速機構C(第二ギヤ16)に接続されている。したがって、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置1は、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2により発生され、差動入力ギヤ17に伝達された回転駆動力を、ディファレンシャル装置18及び出力軸19を介して左右二つの車輪Wに伝達し、車両7を走行させることができる。その際、ハイブリッド駆動装置1は、油圧制御装置41から供給される油圧により、ブレーキB、第一クラッチC1、第一クラッチC1、第二クラッチC2、第三クラッチC3、及び第四クラッチC4の係合状態又は係合解除(解放)状態を切り替え、複数の動作モードを実現することが可能とされている。各モードにおける動作については後述する。
2.ハイブリッド駆動装置の制御システムの構成
図2に示すように、ハイブリッド駆動装置1は、装置の各部を制御するための制御ユニット31を備えている。制御ユニット31は、車両の各部に設けられたセンサSe1〜Se4で取得される情報を用いて、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1、及び第二モータ・ジェネレータMG2等の運転制御を行う。本例では、センサとして、バッテリ状態検出センサSe1、車速センサSe2、アクセル操作検出センサSe3、及びブレーキ操作検出センサSe4が設けられている。
図2に示すように、ハイブリッド駆動装置1は、装置の各部を制御するための制御ユニット31を備えている。制御ユニット31は、車両の各部に設けられたセンサSe1〜Se4で取得される情報を用いて、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1、及び第二モータ・ジェネレータMG2等の運転制御を行う。本例では、センサとして、バッテリ状態検出センサSe1、車速センサSe2、アクセル操作検出センサSe3、及びブレーキ操作検出センサSe4が設けられている。
バッテリ状態検出センサSe1は、バッテリ21の充電量、バッテリ21を流れる電流値、及びバッテリ21の電圧値等を検出するためのセンサである。車速センサSe2は、車速を検出するために出力軸19の回転速度を検出するためのセンサである。アクセル操作検出センサSe3は、アクセルペダル24の操作量を検出するためのセンサである。ブレーキ操作検出センサSe4は、図示しないホイールブレーキに連動するブレーキペダル25の操作量を検出するためのセンサである。
制御ユニット31は、エンジン制御部32と、第一モータ・ジェネレータ制御部33と、第二モータ・ジェネレータ制御部34と、モード選択部35と、切替制御部36と、を備えている。制御ユニット31におけるこれらの各手段は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。これらの各手段は、それぞれ相互に情報伝達が可能な状態で接続されている。
エンジン制御部32は、エンジンEの各部を制御することにより、エンジンEが所望の回転速度やトルクを出力するように制御する。第一モータ・ジェネレータ制御部33は、第一インバータ22を制御することにより、第一モータ・ジェネレータMG1が所望の回転速度やトルクを出力するように制御する。第二モータ・ジェネレータ制御部34は、第二インバータ23を制御することにより、第二モータ・ジェネレータMG2が所望の回転速度やトルクを出力するように制御する。
モード選択部35は、バッテリ状態検出センサSe1により検出されるバッテリ状態、車速センサSe2により検出される車速、アクセル操作検出センサSe3により検出されるアクセルペダル24の操作量、及びブレーキ操作検出センサSe4により検出されるブレーキペダル25の操作量等に応じて、図示しない所定の制御マップに従って適切なモードの選択及び各モードの変速段の選択を行う。本実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1は、第一EVモード、第二EVモード、第三EVモード、スプリットモード、第一パラレルモード、第二パラレルモード、第三パラレルモード、及びシリーズモード、の8つのモードを備えており、このうち、第一EVモード、第二EVモード、第一パラレルモード、及び第二パラレルモード、のそれぞれについて、低速段(Lo)及び高速段(Hi)の2つの変速段を切替可能に備えている。モード選択部35は、所定の制御マップに従い、これらの中から一つのモード及び変速段を選択する。なお、モード選択の際に参照される車両の各部の状態としては、バッテリ状態、車速、アクセル開度(アクセルペダル24の操作量)、及びブレーキ操作量(ブレーキペダル25の操作量)の他にも、冷却水温度、油温等の各種条件を用いても好適である。各モード及び変速段の詳細については後述する。切替制御部36は、モード選択部35により選択されたモード及び変速段に応じて油圧制御装置41の動作を制御することにより、ハイブリッド駆動装置1のモード及び変速段を切り替える制御を行う。
油圧制御装置41は、図示しないオイルポンプから供給される油圧を調整し、ブレーキB、第一クラッチC1、第二クラッチC2、第三クラッチC3、及び第四クラッチC4に分配供給することにより、各係合要素B、C1、C2、C3、C4の係合又は係合解除(解放)を制御する。このような各係合要素B、C1、C2、C3、C4の係合又は係合解除(解放)は、制御ユニット31の切替制御部36からの制御指令に基づいて行われる。
3.ハイブリッド駆動装置の動作モード
次に、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置1により実現可能な動作モードについて説明する。図3は、各モード及び変速段での各係合要素B、C1、C2、C3、C4の作動状態を示す作動表である。この図において、「●」は各係合要素が係合状態にあることを示しており、「無印」は、各係合要素が係合解除(解放)状態にあることを示している。図4〜図9は、遊星歯車装置Pの速度線図を示しており、図4は第一EVモード(及び第二EVモード)の低速段(Lo)での速度線図、図5は第一EVモード(及び第二EVモード)の高速段(Hi)での速度線図、図6はスプリットモードでの速度線図、図7は第一パラレルモード(及び第二パラレルモード)の低速段(Lo)での速度線図、図8は第一パラレルモード(及び第二パラレルモード)の高速段(Hi)での速度線図、図9はシリーズモードでの速度線図をそれぞれ示している。これらの速度線図において、縦軸は、各回転要素の回転速度に対応している。すなわち、縦軸に対応して記載している「0」は回転速度がゼロであることを示しており、上側が正回転(回転速度が正)、下側が負回転(回転速度が負)である。そして、並列配置された複数本の縦線のそれぞれが、遊星歯車装置Pの各回転要素に対応している。すなわち、各縦線の上側に記載されている「s」、「ca」、「r」はそれぞれ遊星歯車装置Pのサンギヤs、キャリアca、リングギヤrに対応している。
次に、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置1により実現可能な動作モードについて説明する。図3は、各モード及び変速段での各係合要素B、C1、C2、C3、C4の作動状態を示す作動表である。この図において、「●」は各係合要素が係合状態にあることを示しており、「無印」は、各係合要素が係合解除(解放)状態にあることを示している。図4〜図9は、遊星歯車装置Pの速度線図を示しており、図4は第一EVモード(及び第二EVモード)の低速段(Lo)での速度線図、図5は第一EVモード(及び第二EVモード)の高速段(Hi)での速度線図、図6はスプリットモードでの速度線図、図7は第一パラレルモード(及び第二パラレルモード)の低速段(Lo)での速度線図、図8は第一パラレルモード(及び第二パラレルモード)の高速段(Hi)での速度線図、図9はシリーズモードでの速度線図をそれぞれ示している。これらの速度線図において、縦軸は、各回転要素の回転速度に対応している。すなわち、縦軸に対応して記載している「0」は回転速度がゼロであることを示しており、上側が正回転(回転速度が正)、下側が負回転(回転速度が負)である。そして、並列配置された複数本の縦線のそれぞれが、遊星歯車装置Pの各回転要素に対応している。すなわち、各縦線の上側に記載されている「s」、「ca」、「r」はそれぞれ遊星歯車装置Pのサンギヤs、キャリアca、リングギヤrに対応している。
一方、各縦線の下側に記載されている「E」、「MG1」、「MG2」、「O」は、それぞれ遊星歯車装置Pの各回転要素に接続されているエンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1、第二モータ・ジェネレータMG2、出力部材Oに対応している。また、「×」は、ブレーキBにより回転要素がケース2に固定された状態を示している。また、各回転要素の回転速度を示す点に隣接配置された矢印は、各モードでの通常走行時に各回転要素に作用するトルクの方向を示しており、上向き矢印が正トルク(正方向のトルク)を表し、下向き矢印が負トルク(負方向のトルク)を表している。そして、「TE」はエンジンEからキャリアcaに伝達されるエンジントルクTE、「T1」は第一モータ・ジェネレータMG1からサンギヤsに伝達されるMG1トルクT1、「T2」は第二モータ・ジェネレータMG2からリングギヤrに伝達されるMG2トルクT2、「TO」は出力部材11(車輪W)側からリングギヤrに伝達される走行抵抗TOを示している。以下、複数のモード及び変速段のそれぞれについて、ハイブリッド駆動装置1の動作状態を詳細に説明する。
3−1.第一EVモード
まず、第一EVモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第一EVモードは、第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力のみが車輪Wに伝達されるモードである。すなわち、第一EVモードは、バッテリ21の電力を消費して第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力のみにより車両を走行させるEV(Electric Vehicle:電動車両)走行を行うモードである。本実施形態においては、この第一EVモードは、後述する2つの変速段の双方で、第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とするとともに、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2を非駆動状態とすることにより実現される。また、本実施形態においては、第一EVモードでは第一クラッチC1が係合状態とされることにより第一モータ・ジェネレータMG1が駆動状態とされ、第三クラッチC3及び第四クラッチC4が係合解除(解放)状態とされることにより、それぞれ第二モータ・ジェネレータMG2及びエンジンEが非駆動状態とされる。
まず、第一EVモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第一EVモードは、第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力のみが車輪Wに伝達されるモードである。すなわち、第一EVモードは、バッテリ21の電力を消費して第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力のみにより車両を走行させるEV(Electric Vehicle:電動車両)走行を行うモードである。本実施形態においては、この第一EVモードは、後述する2つの変速段の双方で、第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とするとともに、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2を非駆動状態とすることにより実現される。また、本実施形態においては、第一EVモードでは第一クラッチC1が係合状態とされることにより第一モータ・ジェネレータMG1が駆動状態とされ、第三クラッチC3及び第四クラッチC4が係合解除(解放)状態とされることにより、それぞれ第二モータ・ジェネレータMG2及びエンジンEが非駆動状態とされる。
第一EVモードは、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の回転状態を切り替えることによって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を異なる変速比で変速して出力部材Oに伝達する2つの変速段を切替可能に備えている。具体的には、図4及び図5に示すように、第一EVモードは、低速段(Lo)と高速段(Hi)の2つの変速段を切替可能に備えている。そして、第一EVモードの低速段(Lo)は、第一クラッチC1及びブレーキBを係合状態とするとともに、第二クラッチC2を係合解除(解放)状態として実現される。また、第一EVモードの高速段(Hi)は、第一クラッチC1及び第二クラッチC2を係合状態とするとともに、ブレーキBを係合解除(解放)状態として実現される。このように、第一EVモードは、低速段(Lo)と高速段(Hi)の2つの変速段を切替可能に備えているため、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を出力部材O側に伝達する際の変速比を、車両の走行状態に応じて適切に切り替えることができる。
図4に示すように、第一EVモードの低速段(Lo)では、ブレーキBを係合状態とすることにより、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の中で、回転速度の順で一方端となるリングギヤrがケース2に固定されて回転が停止される。これにより、回転速度の順で他方端となるサンギヤsに接続された第一モータ・ジェネレータMG1の正方向の回転が、正方向の回転を保ったまま減速されて、回転速度の順で中間となるキャリアcaに伝達される。この際、遊星歯車装置Pの歯数比(=〔サンギヤの歯数〕/〔リングギヤの歯数〕)に応じて第一モータ・ジェネレータMG1の回転速度が減速されてキャリアcaに伝達される。すなわち、この低速段(Lo)は、遊星歯車装置Pが第一モータ・ジェネレータMG1の回転を減速して出力する減速段である。また、その際、遊星歯車装置Pの歯数比に応じて第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力(トルク)が増大してキャリアcaに伝達される。そして、遊星歯車装置Pのキャリアcaの回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。したがって、第一EVモードの低速段(Lo)では、第一モータ・ジェネレータMG1のみを駆動させる場合であっても、大きな駆動力で車両を走行させることができる。
この第一EVモードの低速段(Lo)では、第一モータ・ジェネレータMG1は、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びMG1トルクT1を出力するように制御される。この際、第一モータ・ジェネレータMG1は、正回転しつつ正方向のMG1トルクT1を出力して力行する。一方、車両の減速時には、第一モータ・ジェネレータMG1は、回生制動を行い発電する。この回生制動の際には、第一モータ・ジェネレータMG1は正回転しつつ負方向のMG1トルクT1を出力する。
図5に示すように、第一EVモードの高速段(Hi)では、第一クラッチC1及び第二クラッチC2を係合状態とすることにより、遊星歯車装置Pは、サンギヤsが第一モータ・ジェネレータMG1と一体的に回転する状態で、当該遊星歯車装置Pの全体(3つの回転要素)が一体回転する直結状態とされる。すなわち、この高速段(Hi)は、遊星歯車装置Pが第一モータ・ジェネレータMG1の回転を同速のまま出力する直結段である。したがって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転は同速のままキャリアca及びリングギヤrから出力される。その際、第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力(トルク)がそのままキャリアcaに伝達される。そして、遊星歯車装置Pのキャリアca及びリングギヤrの回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。
この第一EVモードの高速段(Hi)では、低速段(Lo)と同様に、第一モータ・ジェネレータMG1は、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びMG1トルクT1を出力するように制御される。この際、第一モータ・ジェネレータMG1は、正回転しつつ正方向のMG1トルクT1を出力して力行する。一方、車両の減速時には、第一モータ・ジェネレータMG1は、回生制動を行い発電する。この回生制動の際には、第一モータ・ジェネレータMG1は正回転しつつ負方向のトルクを出力する。
3−2.第二EVモード
次に、第二EVモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第二EVモードは、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。すなわち、第二EVモードは、バッテリ21の電力を消費して第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力により車両を走行させるEV(Electric Vehicle:電動車両)走行を行うモードである。この第二EVモードは、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2を駆動状態とするとともに、エンジンEを非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第二EVモードでは第一クラッチC1及び第三クラッチC3が係合状態とされることにより第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2が駆動状態とされ、第四クラッチC4が係合解除(解放)状態とされることにより、エンジンEが分離される。このようにして、エンジンEが非駆動状態とされる。
次に、第二EVモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第二EVモードは、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。すなわち、第二EVモードは、バッテリ21の電力を消費して第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力により車両を走行させるEV(Electric Vehicle:電動車両)走行を行うモードである。この第二EVモードは、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2を駆動状態とするとともに、エンジンEを非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第二EVモードでは第一クラッチC1及び第三クラッチC3が係合状態とされることにより第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2が駆動状態とされ、第四クラッチC4が係合解除(解放)状態とされることにより、エンジンEが分離される。このようにして、エンジンEが非駆動状態とされる。
第二EVモードは、上述した第一EVモードにおいて、第三クラッチC3を係合状態とするとともに、第一モータ・ジェネレータMG1に加えて第二モータ・ジェネレータMG2が回転駆動力を出力する状態(力行を行う状態)に制御されることにより実現される。したがって、第二EVモードは第一EVモードと同様に、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の回転状態を切り替えることによって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を異なる変速比で変速して出力部材Oに伝達する2つの変速段、具体的には、低速段(Lo)と高速段(Hi)、を切替可能に備えている。そして、第二EVモードの低速段(Lo)は、第一クラッチC1及びブレーキBを係合状態とするとともに、第二クラッチC2を係合解除(解放)状態として実現される。また、第二EVモードの高速段(Hi)は、第一クラッチC1及び第二クラッチC2を係合状態とするとともに、ブレーキBを係合解除(解放)状態として実現される。このように、第二EVモードは、低速段(Lo)と高速段(Hi)の2つの変速段を切替可能に備えているため、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を出力部材O側に伝達する際の変速比を車両の走行状態に応じて適切に切り替えることにより、駆動装置全体として、適切な回転駆動力を出力して車両を走行させることができる。
なお、第二EVモードの低速段(Lo)及び高速段(Hi)における遊星歯車装置Pの速度線図は、図4及び図5に示した第一EVモードの低速段(Lo)及び高速段(Hi)におけるものと同様であるので、図4及び図5を参照して説明する。第二EVモードの低速段(Lo)及び高速段(Hi)では、第一モータ・ジェネレータMG1は、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びMG1トルクT1を出力するように制御される。この際、第一モータ・ジェネレータMG1は、正回転しつつ正方向のMG1トルクT1を出力して力行する。また、第二モータ・ジェネレータMG2は、車両側からの要求トルクに対して出力部材Oに伝達されるMG1トルクT1が不足する場合等には、必要に応じて正回転しつつ正方向のMG2トルクT2を出力して出力部材Oに伝達されるMG1トルクT1を補助する。一方、車両の減速時には、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の一方又は双方は、回生制動を行い発電する。この回生制動の際には、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、正回転しつつ負方向のトルクを出力する。なお、第一EVモードの2つの変速段の速度線図を表す図4及び図5中、括弧書きで示された(MG2)及び(T2)はそれぞれ、第二EVモードにおいて、第二モータ・ジェネレータMG2がキャリアcaに接続されていること、及び第二モータ・ジェネレータMG2の出力トルクを示している。
第二EVモードの低速段(Lo)は、第一EVモードの低速段(Lo)と同様に、遊星歯車装置Pが第一モータ・ジェネレータMG1の回転を減速して出力する減速段である。その際、遊星歯車装置Pの歯数比に応じて第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力(トルク)が増大してキャリアcaに伝達される。そして、遊星歯車装置Pのキャリアcaの回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。したがって、第二EVモードの低速段(Lo)では、増大された第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力(トルク)と、第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力とを合成して、大きな駆動力で車両を走行させることができる。
3−3.第三EVモード
次に、第三EVモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第三EVモードは、第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力のみが車輪Wに伝達されるモードである。すなわち、第三EVモードは、バッテリ21の電力を消費して第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力のみにより車両を走行させるEV(Electric Vehicle:電動車両)走行を行うモードである。この第三EVモードは、第二モータ・ジェネレータMG2を駆動状態とするとともに、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1を非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第三EVモードでは第三クラッチC3が係合状態とされることにより第二モータ・ジェネレータMG2が駆動状態とされ、第一クラッチC1及び第二クラッチC2が係合解除(解放)状態とされることにより、それぞれ第一モータ・ジェネレータMG1及びエンジンEが非駆動状態とされる。なお、ブレーキB及び第四クラッチC4は、係合状態及び係合解除(解放)状態のいずれの状態とされていても良い。
次に、第三EVモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第三EVモードは、第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力のみが車輪Wに伝達されるモードである。すなわち、第三EVモードは、バッテリ21の電力を消費して第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力のみにより車両を走行させるEV(Electric Vehicle:電動車両)走行を行うモードである。この第三EVモードは、第二モータ・ジェネレータMG2を駆動状態とするとともに、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1を非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第三EVモードでは第三クラッチC3が係合状態とされることにより第二モータ・ジェネレータMG2が駆動状態とされ、第一クラッチC1及び第二クラッチC2が係合解除(解放)状態とされることにより、それぞれ第一モータ・ジェネレータMG1及びエンジンEが非駆動状態とされる。なお、ブレーキB及び第四クラッチC4は、係合状態及び係合解除(解放)状態のいずれの状態とされていても良い。
この第三EVモードでは、第二モータ・ジェネレータMG2は、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びMG2トルクT2を出力するように制御される。この際、第二モータ・ジェネレータMG2は、正回転しつつ正方向のMG2トルクT2を出力して力行する。
3−4.スプリットモード
次に、スプリットモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。スプリットモードは、エンジンEの回転駆動力を第一モータ・ジェネレータMG1と出力部材Oとに分配して伝達するモードである。このスプリットモードは、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第二クラッチC2及び第四クラッチC4が係合状態とされるとともに、ブレーキB及び第一クラッチC1が係合解除(解放)状態とされることにより、スプリットモードが実現される。
次に、スプリットモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。スプリットモードは、エンジンEの回転駆動力を第一モータ・ジェネレータMG1と出力部材Oとに分配して伝達するモードである。このスプリットモードは、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第二クラッチC2及び第四クラッチC4が係合状態とされるとともに、ブレーキB及び第一クラッチC1が係合解除(解放)状態とされることにより、スプリットモードが実現される。
スプリットモードでは、遊星歯車装置Pは、エンジンEの回転駆動力を第一モータ・ジェネレータMG1と出力部材Oとに分配する動作を行う。すなわち、図6に示すように、遊星歯車装置Pは、回転速度の順で中間となるキャリアcaがエンジンEと一体的に回転する。そして、このキャリアcaの回転が、その回転が回転速度の順で一方端となるサンギヤs、及び回転速度の順で他方端となるリングギヤrに分配される。サンギヤsに分配された回転は第一モータ・ジェネレータMG1に伝達される。リングギヤrに分配された回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。
このスプリットモードにおける車両の通常走行時には、図6に実線で示すように、エンジンEは、効率が高く排気ガスの少ない状態に(一般に最適燃費特性に沿うように)維持されるよう制御されつつ、制御ユニット31からの制御指令に応じた正方向のエンジントルクTEを出力し、このエンジントルクTEが入力軸Iを介してキャリアcaに伝達される。一方、第一モータ・ジェネレータMG1は、負方向のMG1トルクT1を出力することにより、エンジントルクTEの反力をサンギヤsに伝達する。すなわち、第一モータ・ジェネレータMG1は、エンジントルクTEの反力を支持する反力受けとして機能し、それによりエンジントルクTEが出力部材O側のリングギヤrに分配される。この際、エンジンEの回転速度に対して、第一モータ・ジェネレータMG1の回転速度を制御することにより、リングギヤrの回転速度、すなわち出力部材Oの回転速度が決定される。したがって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転速度を制御することにより、エンジンEの回転駆動力を無段階に変速して出力部材Oに伝達する電気的無段変速が実現される。
スプリットモードにおける車両の通常走行時には、第一モータ・ジェネレータMG1は、正回転しつつ負方向のトルクを発生して発電を行う。そして、第二モータ・ジェネレータMG2は、第一モータ・ジェネレータMG1が発電して得た電力を消費して力行し、正方向のMG2トルクT2を出力して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEを補助する。また、車両の減速時には、第二モータ・ジェネレータMG2は正回転しつつ負方向のトルクを発生して回生制動を行い、発電する。したがって、このスプリットモードでは、基本的には、バッテリ21の電力は消費されない。一方、車速(出力軸19の回転速度)が高くなり、リングギヤrの回転速度が一定以上に高くなると、図6に破線で示すように、第一モータ・ジェネレータMG1は、負回転しつつ負方向のトルクを発生して力行を行う状態となる。この場合、第一モータ・ジェネレータMG1を力行させるための電力を発電すべく、第二モータ・ジェネレータMG2は正回転しつつ負方向のトルクを発生して発電を行う。なお、詳しい説明は省略するが、このスプリットモードは、エンジンEの停止状態からのエンジン始動や車両停止状態での発電にも用いられる。
3−5.第一パラレルモード
次に、第一パラレルモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第一パラレルモードは、本実施形態においては、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。本実施形態においては、この第一パラレルモードは、後述する2つの変速段の双方で、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とするとともに、第二モータ・ジェネレータMG2を非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第一パラレルモードでは第一クラッチC1及び第四クラッチC4が係合状態とされることにより、それぞれ第一モータ・ジェネレータMG1及びエンジンEが駆動状態とされ、第三クラッチC3が係合解除(解放)状態とされることにより、第二モータ・ジェネレータMG2が非駆動状態とされる。
次に、第一パラレルモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第一パラレルモードは、本実施形態においては、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。本実施形態においては、この第一パラレルモードは、後述する2つの変速段の双方で、エンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とするとともに、第二モータ・ジェネレータMG2を非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第一パラレルモードでは第一クラッチC1及び第四クラッチC4が係合状態とされることにより、それぞれ第一モータ・ジェネレータMG1及びエンジンEが駆動状態とされ、第三クラッチC3が係合解除(解放)状態とされることにより、第二モータ・ジェネレータMG2が非駆動状態とされる。
第一パラレルモードは、上述した第一EVモードにおいて、第四クラッチC4を係合状態とすることにより実現される。したがって、第一パラレルモードは第一EVモードと同様に、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の回転状態を切り替えることによって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を異なる変速比で変速して出力部材Oに伝達する2つの変速段、具体的には低速段(Lo)と高速段(Hi)、を切替可能に備えている。そして、第一パラレルモードの低速段(Lo)は、第一クラッチC1、第四クラッチC4及びブレーキBを係合状態とするとともに、第二クラッチC2を係合解除(解放)状態として実現される。また、第一EVモードの高速段(Hi)は、第一クラッチC1、第四クラッチC4及び第二クラッチC2を係合状態とするとともに、ブレーキBを係合解除(解放)状態として実現される。
図7に示すように、第一パラレルモードの低速段(Lo)では、第一EVモードの低速段(Lo)と同様に、ブレーキBを係合状態とすることにより、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の中で、回転速度の順で一方端となるリングギヤrがケース2に固定されて回転が停止される。これにより、回転速度の順で他方端となるサンギヤsに接続された第一モータ・ジェネレータMG1の正方向の回転が、正方向の回転を保ったまま減速されて、回転速度の順で中間となるキャリアcaに伝達される。この際、遊星歯車装置Pの歯数比(=〔サンギヤの歯数〕/〔リングギヤの歯数〕)に応じて第一モータ・ジェネレータMG1の回転速度が減速されてキャリアcaに伝達される。すなわち、この低速段(Lo)は、遊星歯車装置Pが第一モータ・ジェネレータMG1の回転を減速して出力する減速段である。また、その際、遊星歯車装置Pの歯数比に応じて第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力(トルク)が増大してキャリアcaに伝達される。ここで、第一パラレルモードでは、第四クラッチC4が係合状態とされることにより、遊星歯車装置PのキャリアcaにはエンジンEの回転駆動力も伝達される構成となっている。つまり、遊星歯車装置Pのキャリアcaに共に伝達されるエンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。したがって、第一パラレルモードの低速段(Lo)では、第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力と、エンジンEの回転駆動力とを合成して、大きな駆動力で車両を走行させることができる。
この第一パラレルモードの低速段(Lo)では、エンジンEは、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びエンジントルクTEを出力するように制御される。また、第一モータ・ジェネレータMG1は、車両側からの要求トルクに対して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEが不足する場合等には、必要に応じてエンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で正回転しつつ正方向のMG1トルクT1を出力して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEを補助する。
図8に示すように、第一パラレルモードの高速段(Hi)では、第一EVモードの高速段(Hi)と同様に、第一クラッチC1及び第二クラッチC2を係合状態とすることにより、遊星歯車装置Pは、サンギヤsが第一モータ・ジェネレータMG1と一体的に回転する状態で、当該遊星歯車装置Pの全体(3つの回転要素)が一体回転する直結状態とされる。すなわち、この高速段(Hi)は、遊星歯車装置Pが第一モータ・ジェネレータMG1の回転を同速のまま出力する直結段である。ただし、第一パラレルモードでは、第四クラッチC4が係合状態とされることにより、遊星歯車装置PのキャリアcaにはエンジンEの回転駆動力も伝達される構成となっている。したがって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転は同速のままキャリアca及びリングギヤrから出力される。その際、第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力(トルク)がそのままキャリアcaに伝達される。そして、この第一パラレルモードの高速段(Hi)では、遊星歯車装置Pのキャリアcaに伝達されるエンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。
この第一EVモードの高速段(Hi)では、低速段(Lo)と同様に、エンジンEは、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びエンジントルクTEを出力するように制御される。また、第一モータ・ジェネレータMG1は、車両側からの要求トルクに対して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEが不足する場合等には、必要に応じてエンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で正回転しつつ正方向のMG1トルクT1を出力して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEを補助する。
3−6.第二パラレルモード
次に、第二パラレルモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第二パラレルモードは、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。この第二パラレルモードは、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の全てを駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第二パラレルモードでは第一クラッチC1及び第四クラッチC4、並びに第三クラッチC3が係合状態とされることにより、それぞれエンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2が駆動状態とされる。また、第一モータ・ジェネレータMG1が、エンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で回転しつつ回転駆動力を出力する状態(力行を行う状態)に制御されることにより、第一モータ・ジェネレータMG1が駆動状態とされる。
次に、第二パラレルモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第二パラレルモードは、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。この第二パラレルモードは、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の全てを駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第二パラレルモードでは第一クラッチC1及び第四クラッチC4、並びに第三クラッチC3が係合状態とされることにより、それぞれエンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2が駆動状態とされる。また、第一モータ・ジェネレータMG1が、エンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で回転しつつ回転駆動力を出力する状態(力行を行う状態)に制御されることにより、第一モータ・ジェネレータMG1が駆動状態とされる。
第二パラレルモードは、上述した第一パラレルモードにおいて、第三クラッチC3を係合状態とするとともに、第二モータ・ジェネレータMG2が回転駆動力を出力する状態(力行を行う状態)に制御されることにより実現される。或いは、上述した第二EVモードにおいて、第四クラッチC4を係合状態とすることにより実現される。したがって、第二パラレルモードは第一パラレルモードや第二EVモードと同様に、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の回転状態を切り替えることによって、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を異なる変速比で変速して出力部材Oに伝達する2つの変速段、具体的には、低速段(Lo)と高速段(Hi)、を切替可能に備えている。そして、第二パラレルモードの低速段(Lo)は、第一クラッチC1、第四クラッチC4及びブレーキBを係合状態とするとともに、第二クラッチC2を係合解除(解放)状態として実現される。また、第二EVモードの高速段(Hi)は、第一クラッチC1、第四クラッチC4及び第二クラッチC2を係合状態とするとともに、ブレーキBを係合解除(解放)状態として実現される。
なお、第二パラレルモードの低速段(Lo)及び高速段(Hi)における遊星歯車装置Pの速度線図は、図7及び図8に示した第一パラレルモードの低速段(Lo)及び高速段(Hi)におけるものと同様であるので、図7及び図8を参照して説明する。第二パラレルモードの低速段(Lo)及び高速段(Hi)では、エンジンEは、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びエンジントルクTEを出力するように制御される。また、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2は、車両側からの要求トルクに対して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEが不足する場合等には、必要に応じて正回転しつつ正方向のMG1トルクT1及びMG2トルクT2を出力して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEを補助する。一方、車両の減速時には、第二モータ・ジェネレータMG2は、回生制動を行い発電する。この回生制動の際には、第二モータ・ジェネレータMG2は、正回転しつつ負方向のトルクを出力する。なお、第一パラレルモードの2つの変速段の速度線図を表す図7及び図8中、括弧書きで示された(MG2)及び(T2)はそれぞれ、第二パラレルモードにおいて、第二モータ・ジェネレータMG2がキャリアcaに接続されていること、及び第二モータ・ジェネレータMG2の出力トルクを示している。
第二パラレルモードの低速段(Lo)は、第一パラレルモードの低速段(Lo)と同様に、遊星歯車装置Pが第一モータ・ジェネレータMG1の回転を減速して出力する減速段である。その際、遊星歯車装置Pの歯数比に応じて第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力が増大してキャリアcaに伝達される。そして、遊星歯車装置Pのキャリアcaに共に伝達されるエンジンE及び第一モータ・ジェネレータMG1回転駆動力は、出力部材O、カウンタ減速機構C、ディファレンシャル装置18、出力軸19を介して車輪Wに伝達される。したがって、第二EVモードの低速段(Lo)では、増大された第一モータ・ジェネレータMG1の回転駆動力と、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力とを合成して、大きな駆動力で車両を走行させることができる。
3−7.第三パラレルモード
次に、第三パラレルモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第三パラレルモードは、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。この第三パラレルモードは、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2を駆動状態とするとともに、第一モータ・ジェネレータMG1を非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第三パラレルモードでは第三クラッチC3、並びに第一クラッチC1及び第四クラッチC4が係合状態とされることにより、それぞれ第二モータ・ジェネレータMG2及びエンジンEが駆動状態とされ、第一モータ・ジェネレータMG1が、エンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で回転しつつ回転駆動力を出力しない状態(力行も発電も行わない状態)に制御されることにより、第一モータ・ジェネレータMG1が非駆動状態とされる。なお、ブレーキB及び第二クラッチC2は、いずれか一方が係合解除(解放)状態とされていれば、他方は係合状態又は係合解除(解放)状態のいずれの状態とされていても良い。
次に、第三パラレルモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。第三パラレルモードは、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力が車輪Wに伝達されるモードである。この第三パラレルモードは、エンジンE及び第二モータ・ジェネレータMG2を駆動状態とするとともに、第一モータ・ジェネレータMG1を非駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、第三パラレルモードでは第三クラッチC3、並びに第一クラッチC1及び第四クラッチC4が係合状態とされることにより、それぞれ第二モータ・ジェネレータMG2及びエンジンEが駆動状態とされ、第一モータ・ジェネレータMG1が、エンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で回転しつつ回転駆動力を出力しない状態(力行も発電も行わない状態)に制御されることにより、第一モータ・ジェネレータMG1が非駆動状態とされる。なお、ブレーキB及び第二クラッチC2は、いずれか一方が係合解除(解放)状態とされていれば、他方は係合状態又は係合解除(解放)状態のいずれの状態とされていても良い。
この第三パラレルモードでは、エンジンEは、車速及びアクセル開度等に応じて、適切な回転速度及びエンジントルクTEを出力するように制御される。また、第二モータ・ジェネレータMG2は、車両側からの要求トルクに対して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEが不足する場合等には、必要に応じてエンジンEの回転速度に応じて定まる回転速度で正回転しつつ正方向のMG2トルクT2を出力して出力部材Oに伝達されるエンジントルクTEを補助する。
3−8.シリーズモード
次に、シリーズモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。シリーズモードは、エンジンEの回転駆動力により第一モータ・ジェネレータMG1を駆動することによって発電された電力を用いて第二モータ・ジェネレータMG2を駆動し、第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力を車輪Wに伝達するモードである。このシリーズモードは、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の全てを駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、ブレーキB、第三クラッチC3及び第四クラッチC4が係合状態とされるとともに、第一クラッチC1及び第二クラッチC2が係合解除(解放)状態とされることにより、シリーズモードが実現される。
次に、シリーズモードでのハイブリッド駆動装置1の動作状態について説明する。シリーズモードは、エンジンEの回転駆動力により第一モータ・ジェネレータMG1を駆動することによって発電された電力を用いて第二モータ・ジェネレータMG2を駆動し、第二モータ・ジェネレータMG2の回転駆動力を車輪Wに伝達するモードである。このシリーズモードは、エンジンE、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の全てを駆動状態とすることにより実現される。本実施形態においては、ブレーキB、第三クラッチC3及び第四クラッチC4が係合状態とされるとともに、第一クラッチC1及び第二クラッチC2が係合解除(解放)状態とされることにより、シリーズモードが実現される。
図9に示すように、シリーズモードでは、ブレーキBを係合状態とすることにより、遊星歯車装置Pの3つの回転要素の中で、回転速度の順で一方端となるリングギヤrがケース2に固定されて回転が停止される。これにより、回転速度の順で他方端となるサンギヤsに接続された第一モータ・ジェネレータMG1の正方向の回転速度は、入力軸I(エンジンE)の回転速度に比例して定まる状態となる。この際、遊星歯車装置Pの歯数比(=〔サンギヤの歯数〕/〔リングギヤの歯数〕)に応じて、第一モータ・ジェネレータMG1の回転速度が定まる。また、第一クラッチC1及び第二クラッチC2が係合解除(解放)状態とされることにより、遊星歯車装置PGのいずれの回転要素にも出力部材Oが接続されていない状態となる。したがって、入力軸I及び第一モータ・ジェネレータMG1が接続された遊星歯車装置PGと、出力部材O及び第二モータ・ジェネレータMG2との間で回転駆動力の伝達が行われない状態となる。一方、第三クラッチC3は係合状態とされることにより、第二モータ・ジェネレータMG2は出力軸19に常に接続されている。したがって、第二モータ・ジェネレータMG2と車輪Wとの間では、回転駆動力の伝達が行われる状態となる。
この際、エンジンEは、効率が高く排気ガスの少ない状態に(一般に最適燃費特性に沿うように)維持されるよう制御されつつ、制御ユニット31からの制御指令に応じて、第一モータ・ジェネレータMG1による発電のために必要な要求駆動力に応じた正方向のエンジントルクTEを出力する。また、第一モータ・ジェネレータMG1は、入力軸Iの回転駆動力TEによって正方向に回転させられながら負方向のMG1トルクT1を出力して発電を行う。一方、第二モータ・ジェネレータMG2は正方向に回転しながら正方向のMG2トルクT2を出力して(或いは、負方向に回転しながら負方向のMG2トルクT2を出力して)力行する。第二モータ・ジェネレータMG2のMG2トルクT2はカウンタギヤ機構C、ディファレンシャル装置18及び出力軸19を介して車輪Wに伝達される。したがって、第一モータ・ジェネレータMG1で発電された電力を第二モータ・ジェネレータMG2に供給して力行させることにより、第二モータ・ジェネレータMG2のMG2トルクT2を車輪Wに伝達して車両を走行させることができる。
以上のように、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置1は、複数のモード及び変速段を備えているので、バッテリ状態、車速、アクセル開度、及びブレーキ操作量等の車両の各部の状態に応じて、モード及び変速段を適切に選択して走行することができる。特に、ブレーキB、第一クラッチC1、及び第二クラッチC2の係合状態と係合解除(解放)状態とを切り替えることにより、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を減速して(回転駆動力を増大させて)出力部材Oに伝達する変速段と、第一モータ・ジェネレータMG1の回転を同速のまま(そのままの回転駆動力で)出力部材Oに伝達する直結変速段と、を備えているので、EVモード又はパラレルモードのうち、第一モータ・ジェネレータMG1が駆動状態とされるモードで、要求される駆動力に応じた適切な駆動力で車両を走行させることができる。このとき、キャリアca及び入力軸Iと出力部材O、リングギヤr及び中間部材11と出力部材O、リングギヤr及び中間部材11と非回転部材としてのケース2、のそれぞれを係脱する三つの係合要素(ブレーキB、第一クラッチC1、及び第二クラッチC2)を設け、これらの係合状態と係合解除(解放)状態とを切り替えるだけで各モード及び変速段が実現されるので、駆動装置全体の構成部品数が大幅に増加することもなく、比較的低コストで駆動特性を向上させることができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1が、第一EVモード、第二EVモード、第三EVモード、スプリットモード、第一パラレルモード、第二パラレルモード、第三パラレルモード、及びシリーズモード、の8つのモードを備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ハイブリッド駆動装置1は必ずしもこれら全てのモードを備える必要はなく、設計に応じて適宜必要なモードのみを備えた構成としても良い。例えば、第一EVモード及び第一パラレルモードを省略して、第二EVモード、第三EVモード、スプリットモード、第二パラレルモード、第三パラレルモード、及びシリーズモード、の6つのモードのみを備えた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(1)上記の実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1が、第一EVモード、第二EVモード、第三EVモード、スプリットモード、第一パラレルモード、第二パラレルモード、第三パラレルモード、及びシリーズモード、の8つのモードを備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ハイブリッド駆動装置1は必ずしもこれら全てのモードを備える必要はなく、設計に応じて適宜必要なモードのみを備えた構成としても良い。例えば、第一EVモード及び第一パラレルモードを省略して、第二EVモード、第三EVモード、スプリットモード、第二パラレルモード、第三パラレルモード、及びシリーズモード、の6つのモードのみを備えた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(2)上記の実施形態においては、第一EVモード及び第二EVモードが、それぞれ低速段(Lo)及び高速段(Hi)の双方で、第一モータ・ジェネレータMG1を駆動状態とするとともに、エンジンEを非駆動状態とすることにより実現される場合を例として説明した。同様に、第一パラレルモード及び第二パラレルモードが、それぞれ低速段(Lo)及び高速段(Hi)の双方で、第一モータ・ジェネレータMG1及びエンジンEを駆動状態とすることにより実現される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、これらの各モードのいずれか一つ以上が、低速段(Lo)及び高速段(Hi)のいずれか一方のみで実現されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。言い換えれば、これらの各モードのいずれか一つ以上が、低速段(Lo)及び高速段(Hi)のいずれか一方のみの変速段を備える構成とされていても良い。例えば、上記の4つのモードのうち、第二EVモードのみが低速段(Lo)及び高速段(Hi)の双方を備え、その他のモードでは高速段(Hi)のみを備えた構成としても良い。
(3)上記の実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1が、第二モータ・ジェネレータMG2と車輪Wとを選択的に接続する第三クラッチC3を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、そのような第三クラッチC3を備えることなく、第二モータ・ジェネレータMG2と車輪Wとが常時接続されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、第一EVモードや第一パラレルモードにおいては、第二モータ・ジェネレータMG2は、車輪Wの回転速度に応じて定まる回転速度で回転しつつ回転駆動力を出力しない状態(力行も発電も行わない状態)に制御されることにより、非駆動状態とされる。
(4)上記の実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1が、入力軸IとエンジンEのエンジン出力軸Eoとを選択的に接続する第四クラッチC4を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、そのような第四クラッチC4を備えることなく、入力軸IとエンジンEのエンジン出力軸Eoとが常時接続されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、第一EVモード、第二EVモード、及び第三EVモードにおいては、入力軸Iの回転に伴ってエンジンEが連れ回ってしまい、エネルギー効率が多少低下してしまうが、油圧制御装置による油圧の制御を比較的単純化することができる。
(5)上記の実施形態においては、ハイブリッド駆動装置1が、第一モータ・ジェネレータMG1に加えて第二モータ・ジェネレータMG2を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ハイブリッド駆動装置1が第一モータ・ジェネレータMG1のみを備えた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、上記で説明した複数のモードのうち、第一EVモード、スプリットモード、及び第一パラレルモードのみが実現可能となる。なお、第一EVモード及び第一パラレルモードにおいては、それぞれ2つの変速段を切替可能に備えることが可能である。
(6)上記の実施形態においては、シングルピニオン型の遊星歯車機構の、第一回転要素としてのサンギヤsに第一モータ・ジェネレータMG1が接続され、第二回転要素としてのキャリアcaに入力軸Iが接続され、第三回転要素としてのリングギヤrに中間部材11が接続されて、遊星歯車装置Pの3つの回転要素が、回転速度の順に第一回転要素(サンギヤs)、第二回転要素(キャリアca)、第三回転要素(リングギヤr)とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、遊星歯車装置Pの3つの回転要素回転速度の順を、第一回転要素(サンギヤs)、第二回転要素(キャリアca)、第三回転要素(リングギヤr)以外の順とすることも可能である。例えば、第一回転要素としてのキャリアcaに第一モータ・ジェネレータMG1が接続され、第二回転要素としてのサンギヤsに入力軸Iが接続され、第三回転要素としてのリングギヤrに中間部材11が接続されて、遊星歯車装置Pの3つの回転要素が、回転速度の順に第二回転要素(サンギヤs)、第一回転要素(キャリアca)、第三回転要素(リングギヤr)とされることも、本発明の好適な実施形態の一つである。なお、この場合、遊星歯車装置Pの全体(3つの回転要素)が一体回転する直結状態で第一モータ・ジェネレータMG1の回転が同速のまま出力される直結段(低速段)と、第一モータ・ジェネレータMG1の回転が増速されて出力される増速段(高速段)と、の2つの変速段を切替可能に備える構成となる。また、遊星歯車装置Pの3つの回転要素と第一モータ・ジェネレータMG1、入力軸I、及び中間部材11との接続関係はその他の組み合わせも可能であり、適宜変更することができる。
(7)上記の実施形態においては、単一のシングルピニオン型の遊星歯車機構により遊星歯車装置Pが構成される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば単一のダブルピニオン型の遊星歯車機構により遊星歯車装置Pが構成され、或いは、複数のシングルピニオン型又はダブルピニオン型の遊星歯車機構を組み合わせて遊星歯車装置Pが構成されることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(8)上記の実施形態においては、差動歯車装置として、サンギヤs、キャリアca、及びリングギヤrを備える遊星歯車装置Pを用いる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば互いに噛合する複数の傘歯車を用いた差動歯車装置等を用いることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(9)上記の実施形態においては、蓄電手段としてのバッテリ21が外部電源により充電可能に構成され、ハイブリッド駆動装置1がプラグインハイブリッド車両の駆動装置として構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、バッテリ21が外部電源により充電可能ではなく、第一モータ・ジェネレータMG1及び第二モータ・ジェネレータMG2の一方又は双方のみにより充電可能な構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、駆動力源としてエンジンと回転電機とを備えたハイブリッド車両用の駆動装置に好適に利用することができる。
1 ハイブリッド駆動装置
2 駆動装置ケース(非回転部材)
21 バッテリ(蓄電手段)
E エンジン
I 入力軸(入力部材)
O 出力部材
MG1 第一モータ・ジェネレータ(第一回転電機)
MG2 第二モータ・ジェネレータ(第二回転電機)
P 遊星歯車装置(差動歯車装置)
s サンギヤ(第一回転要素)
ca キャリア(第二回転要素)
r リングギヤ(第三回転要素)
B ブレーキ(第三係合要素)
C1 第一クラッチ(第一係合要素)
C2 第二クラッチ(第二係合要素)
C3 第三クラッチ(第四係合要素)
C4 第四クラッチ(第五係合要素)
2 駆動装置ケース(非回転部材)
21 バッテリ(蓄電手段)
E エンジン
I 入力軸(入力部材)
O 出力部材
MG1 第一モータ・ジェネレータ(第一回転電機)
MG2 第二モータ・ジェネレータ(第二回転電機)
P 遊星歯車装置(差動歯車装置)
s サンギヤ(第一回転要素)
ca キャリア(第二回転要素)
r リングギヤ(第三回転要素)
B ブレーキ(第三係合要素)
C1 第一クラッチ(第一係合要素)
C2 第二クラッチ(第二係合要素)
C3 第三クラッチ(第四係合要素)
C4 第四クラッチ(第五係合要素)
Claims (15)
- エンジンに接続される入力部材と、車輪に接続される出力部材と、回転電機と、
前記回転電機に接続される第一回転要素と、前記入力部材に接続される第二回転要素と、第三回転要素と、の3つの回転要素を有する差動歯車装置と、
前記第二回転要素と前記出力部材とを選択的に接続する第一係合要素と、
前記第三回転要素と前記出力部材とを選択的に接続する第二係合要素と、
前記第三回転要素を非回転部材に選択的に固定する第三係合要素と、
を備えたハイブリッド駆動装置。 - 前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備えた請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記第二回転電機と前記車輪とを選択的に接続する第四係合要素をさらに備えた請求項2に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記入力部材と前記エンジンとを選択的に接続する第五係合要素をさらに備えた請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記第一係合要素を係合状態とするとともに、前記第二係合要素及び前記第三係合要素のいずれか一方を係合状態、他方を係合解除状態として、前記差動歯車装置により、前記回転電機の回転を異なる変速比で変速して前記出力部材に伝達する2つの変速段を切替可能に備えた請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記2つの変速段の少なくとも一方で、前記回転電機を駆動状態とするとともに前記エンジンを非駆動状態とすることにより実現される第一EVモードを備えた請求項5に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備え、
前記第一回転電機に加えて前記第二回転電機を駆動状態とすることにより実現される第二EVモードを備えた請求項6に記載のハイブリッド駆動装置。 - 前記第一係合要素及び前記第二係合要素を係合解除状態として、前記第二回転電機を駆動状態とするとともに前記エンジン及び前記第一回転電機を非駆動状態とすることにより実現される第三EVモードを備えた請求項7に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記2つの変速段の少なくとも一方で、前記エンジン及び前記回転電機を駆動状態とすることにより実現される第一パラレルモードを備えた請求項5に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備え、
前記第一回転電機に加えて前記第二回転電機を駆動状態とすることにより実現される第二パラレルモードを備えた請求項9に記載のハイブリッド駆動装置。 - 前記第一係合要素を係合状態、前記第二係合要素を係合解除状態として、前記エンジン及び前記第二回転電機を駆動状態とするとともに前記第一回転電機を非駆動状態とすることにより実現される第三パラレルモードを備えた請求項10に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記第二係合要素を係合状態とするとともに、前記第一係合要素及び前記第三係合要素を係合解除状態として、前記エンジンの回転駆動力を前記回転電機と前記出力部材とに分配して伝達するスプリットモードを備えた請求項に記載5から11のいずれか一項に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記回転電機を第一回転電機とするとともに、前記車輪に接続される第二回転電機を備え、
前記第三係合要素を係合状態とするとともに、前記第一係合要素及び前記第二係合要素を係合解除状態として、前記エンジンの回転駆動力により前記第一回転電機を駆動することによって発電された電力を用いて前記第二回転電機を駆動し、前記第二回転電機の回転駆動力を前記車輪に伝達するシリーズモードを備えた請求項5から12のいずれか一項に記載のハイブリッド駆動装置。 - 前記差動歯車装置の3つの回転要素は、回転速度の順に前記第一回転要素、前記第二回転要素、前記第三回転要素とされている請求項1から13のいずれか一項に記載のハイブリッド駆動装置。
- 前記回転電機に電力を供給するための蓄電手段が、外部電源により充電可能に構成された請求項1から14のいずれか一項に記載のハイブリッド駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008249213A JP2010076679A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | ハイブリッド駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008249213A JP2010076679A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | ハイブリッド駆動装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010076679A true JP2010076679A (ja) | 2010-04-08 |
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ID=42207613
Family Applications (1)
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JP2008249213A Pending JP2010076679A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | ハイブリッド駆動装置 |
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