JP5811117B2 - 硬化性シリコーン組成物の硬化方法 - Google Patents

硬化性シリコーン組成物の硬化方法 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル貼り合わせ用として好適な、紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化方法に関し、詳細には、優れた光学特性、接着性、生産性を有し、更に紫外線が充分に届かない部分や、透明樹脂との界面も充分に硬化することが可能な紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化方法に関する。
製造プロセスにおける簡略化と低コスト化は、環境に配慮した低エネルギー化志向と重なり、様々な分野で積極的に進められている。特に、光・電気電子デバイス、ディスプレイの製造プロセスは、接着・封止・埋め込み材料などの硬化のため、膨大なエネルギー・時間・設備を要する高温加熱工程を伴ったものが多く、改善が求められている。また、この加熱工程の改善は、エネルギーやコストのみならず、他の部材を傷めないという製造技術的な点でも、大きな意味を持つ。
近年、これら課題を解決するため、紫外線硬化型組成物が注目を集めている。紫外線硬化型組成物は、紫外線照射により活性化する光開始剤を含み、これにより重合あるいは架橋反応が進行し、通常数十秒から十数分という短時間で硬化する。このため、他の部材を傷めにくく、また大きな設備も必要としない。最近では、LEDを利用した紫外線照射装置なども開発され、優れた製造プロセスとなっている。
これまで、紫外線硬化型組成物としては、反応性に優れるアクリル基を有するポリマーを主成分とする組成物、あるいはエポキシ基を有するポリマーを主成分とする組成物が主流であり、数多くの発明がなされている(例えば特許文献1:特許第3928713号公報、特許文献2:特許第3894873号公報)。これらの材料は、主に、紫外線照射によりラジカルや酸を発生させる光開始剤を含み、この効果で、組成物を硬化させている。しかしながら、近年、デバイス構造の複雑化により、紫外線がこれら組成物に充分に届かない場合がある。特に、タッチパネルデバイスは、液晶層、ITO電極、保護層などを伴う多層構造を有するため、それらの支持体由来の遮光部が発生する。遮光部の硬化不良が、製造上及びデバイス信頼性上の大きな問題となっている。
なお、本発明に関連する従来技術として、上述した文献と共に下記文献が挙げられる。
特許第3928713号公報 特許第3894873号公報 米国特許第5145886号明細書 米国特許第4510094号明細書 米国特許第4916169号明細書 米国特許第6376569号明細書 米国特許第4530879号明細書 米国特許第6046250号明細書 米国特許第6150546号明細書 米国特許第5523436号明細書 米国特許第5496961号明細書
J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.,1996,34,3141.
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、優れた光学特性、接着性、生産性を有し、更に紫外線が充分に届かない部分や透明樹脂との界面も充分に硬化することが可能な紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A)成分中のアルケニル基1当量に対しケイ素原子に結合した水素原子が0.4〜4.0当量となる量、及び(C)ビス(アセチルアセトナート)白金(II):触媒としての有効量を含有してなる、透明樹脂とガラス、透明樹脂同士又はガラス同士の貼り合わせ用硬化性シリコーン組成物に、紫外線を照射後、80℃以下の温度で硬化させることにより、優れた光学特性、接着性、生産性を有し、更に紫外線が充分に届かない部分も硬化し得ることを知見した。
更に、透明樹脂と、ガラス、透明電極モジュール及び液晶モジュールから選ばれる被着体とを上記硬化性シリコーン組成物を介して貼り合わせた場合に、透明樹脂側から紫外線を照射することにより、透明樹脂との界面も充分に硬化することを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本願発明は、下記に示す硬化性シリコーン組成物の硬化方法を提供する。
〔1〕
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A)成分中のアルケニル基1当量に対しケイ素原子に結合した水素原子が、0.4〜4.0当量となる量
(C)ビス(アセチルアセトナート)白金(II):触媒としての有効量、及び
(D)下記式(1)及び(2)
Figure 0005811117
[式(1)及び式(2)中、R 1 は下記式(3)
Figure 0005811117
(式(3)中、R 4 は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
で示される置換基であり、R 2 は下記式(4)
Figure 0005811117
で示される置換基であり、R 3 は独立に水素原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。Meはメチル基である。xは0〜20の整数であり、yは1〜20の整数であり、p及びqはそれぞれ0〜10の整数であり、但しp+qは1〜20の整数である。x、y、p、qが付されたシロキサン単位は、それぞれランダムに配列されている。]
で示される接着助剤のうち少なくとも一つ
を含有してなる、透明樹脂とガラス、透明樹脂同士又はガラス同士の貼り合わせ用硬化性シリコーン組成物の硬化方法であって、該硬化性シリコーン組成物に紫外線を照射後、80℃以下の温度で硬化させることを特徴とする硬化性シリコーン組成物の硬化方法。
〔2〕
(C)成分の配合量が、(A)成分と(B)成分と(D)成分の合計量に対して、白金族金属の質量換算で、0.1〜1,000ppmであり、(D)成分の配合量が、(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部である〔1〕に記載の硬化方法
〔3〕
硬化性シリコーン組成物が、タッチパネル貼り合わせ用である〔1〕又は〔2〕に記載の硬化方法。
〔4〕
透明樹脂と、ガラス、透明電極モジュール及び液晶モジュールから選ばれる被着体とを硬化性シリコーン組成物を介して貼り合わせ、透明樹脂側から紫外線を照射することにより硬化性シリコーン組成物を硬化させることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化方法。
〔5〕
透明樹脂が、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化方法。
本発明の硬化性シリコーン組成物の硬化方法によれば、紫外線照射によりヒドロシリル化反応性を発現する白金錯体を利用することで、紫外線照射により簡単に硬化物とすることができる。更に、紫外線照射によりヒドロシリル化反応性を発現した白金錯体は、紫外線照射後も活性を失うことがなく、紫外線が充分に当たらなかった部分も硬化することができるため、硬化不良を防ぐことができる。また、硬化不良や硬化遅延を起こしやすい透明樹脂を貼り合わせることもできる。本発明の硬化方法は、光デバイスやディスプレイ、特にタッチパネルの接着貼り合わせに有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる硬化性シリコーン組成物は、以下の(A)〜(C)成分、好ましくは更に(D)成分を含有してなるものである。
[(A)成分]
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、組成物の主剤となる成分であり、平均で、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜20個のケイ素原子に結合したアルケニル基(以下、「ケイ素原子結合アルケニル基」という)を含有するものである。
前記ケイ素原子結合アルケニル基は、炭素原子数が、通常、2〜8、好ましくは2〜4のものである。その具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
このケイ素原子結合アルケニル基のオルガノポリシロキサン分子中における結合位置は、分子鎖末端であっても、分子鎖非末端(即ち、分子鎖側鎖)であっても、あるいはこれらの両方であってもよい。
本成分中、前記ケイ素原子結合アルケニル基の含有量は、本成分100g中、好ましくは0.001〜10モル、特に好ましくは0.01〜5モルである。
本成分のオルガノポリシロキサン分子中において、前記ケイ素原子結合アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(以下、「ケイ素原子結合有機基」という)は、脂肪族不飽和結合を有しないものであれば特に限定されず、例えば、非置換又は置換の、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10の、脂肪族不飽和結合を除く一価炭化水素基等が挙げられる。この非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。
本成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状、一部分岐した直鎖状、環状、分岐鎖状等が挙げられるが、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状ジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
本成分の25℃における粘度は、組成物の作業性や硬化物の光学あるいは力学特性がより優れたものとなるので、好ましくは100〜500,000mPa・s、特に好ましくは300〜100,000mPa・sである。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定できる。
本成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(5)
5 a6 bSiO(4-a-b)/2 (5)
(式中、R5は脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R6はアルケニル基であり、aは0.00001〜0.1の正数、bは1.7〜2.1の正数であり、但し、a+bは1.8〜2.2を満たす数である。)
で表されるものが挙げられる。
上記平均組成式(5)中、R5で表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基は、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10のものである。その具体例としては、前記ケイ素原子結合アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基として例示したものと同様のものが挙げられる。
6で表されるアルケニル基は、炭素原子数が、通常、2〜8、好ましくは2〜4のものである。その具体例としては、前記ケイ素原子結合アルケニル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
aは0.00001〜0.1の正数であり、0.0001〜0.05の正数であることが好ましく、bは1.7〜2.1の正数であり、1.9〜2.0の正数であることが好ましく、a+bは1.8〜2.2を満たす数であり、1.95〜2.05を満たす数であることが好ましい。
本成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、式:R5 3SiO1/2(式中、R5は上記のとおりであり、以下、同じ)で表されるシロキサン単位と式:R5 26SiO1/2(式中、R6は上記のとおりであり、以下、同じ)表されるシロキサン単位と式:R5 2SiOで表されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で表されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R5 3SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:R5 26SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO2で表されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R5 26SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:R5 2SiOで表されるシロキサン単位と少量の式:SiO2で表されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R56SiOで表されるシロキサン単位と少量の式:R5SiO3/2で表されるシロキサン単位もしくは少量の式:R6SiO3/2で表されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、これらのオルガノポリシロキサンの二種以上からなる混合物等が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[(B)成分]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分との付加硬化反応において、架橋剤として作用し、更に硬化物に接着性を付与する成分である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、平均で、1分子中に少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは上限が500個、更に好ましくは上限が200個、特に好ましくは上限が100個のケイ素原子に結合した水素原子(以下、「ケイ素原子結合水素原子」(即ち、SiH基)という)を有するものであって、好ましくは分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン分子中におけるケイ素原子結合水素原子の結合位置は、分子鎖末端であっても、分子鎖非末端であっても、あるいはこれらの両方であってもよい。
本成分中、前記ケイ素原子結合水素原子の含有量は、本成分100g中、好ましくは0.001〜10モル、特に好ましくは0.01〜5モルである。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサン分子中において、前記ケイ素原子結合水素原子以外のケイ素原子結合有機基は、特に限定されないが、例えば、非置換又は置換の、炭素原子数が、通常、1〜10、好ましくは1〜6の一価炭化水素基等が挙げられる。その具体例としては、(A)成分の説明において、前記ケイ素原子結合アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基として例示したものと同様のもの、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられ、好ましくは脂肪族不飽和結合を有しないものである。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず従来製造されているものを用いることができ、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等が挙げられ、直鎖状又は環状が好ましい。
本成分の25℃における粘度は、組成物の作業性や硬化物の光学あるいは力学特性がより優れたものとなるので、好ましくは0.1〜5,000mPa・s、より好ましくは0.5〜1,000mPa・s、特に好ましくは2〜500mPa・sの範囲を満たす、室温(25℃)で液状である範囲が望ましい。かかる粘度を満たす場合には、オルガノハイドロジェンポリシロキサン1分子中のケイ素原子数(又は重合度)は、通常、2〜1,000個、好ましくは3〜300個、より好ましくは4〜150個である。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(6)
7 cdSiO(4-c-d)/2 (6)
(式中、R7は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、cは0.7〜2.1の正数であり、dは0.001〜1.0の正数であり、但し、c+dは0.8〜3.0を満たす数である。)
で表されるものが挙げられる。
上記平均組成式(6)中、R7で表される非置換又は置換の一価炭化水素基は、炭素原子数が、通常、1〜10、好ましくは1〜6のものである。この非置換又は置換の一価炭化水素基の具体例としては、(A)成分の説明において、前記ケイ素原子結合アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基として例示したものと同様のもの、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられ、好ましくは脂肪族不飽和結合を有しないものである。
cは、0.7〜2.1の正数であり、1.0〜2.0の正数であることが好ましく、dは、0.001〜1.0の正数であり、0.01〜1.0の正数であることが好ましく、c+dは0.8〜3.0を満たす数であり、1.5〜2.5を満たす数であることが好ましい。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:(CH32HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH33SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位とからなる共重合体、式:(CH32HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位とからなる共重合体、これらのオルガノポリシロキサンの二種以上からなる混合物等が挙げられる。
中でも、脂肪族不飽和結合を有しない、分子鎖両末端が、式:R7 3SiO1/2で表されるシロキサン単位及び/又は式:R7 2HSiO1/2で表されるシロキサン単位で封鎖され、主鎖が式:R7 2SiO2/2で表されるシロキサン単位及び/又は式:R7HSiO2/2で表されるシロキサン単位とのランダムな繰り返しからなる、ジオルガノシロキサン及び/又はオルガノハイドロジェンシロキサン(共)重合体、及びR7 3SiO1/2で表されるシロキサン単位とR7 2HSiO1/2で表されるシロキサン単位とSiO4/2で表されるシロキサン単位とからなる共重合体のうち二種以上を併用したものが好ましい。具体的には、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体と、式:(CH32HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH33SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位とからなる共重合体を併用したものがより好ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、前記(A)成分中のアルケニル基1モルに対し、ケイ素原子に結合した水素原子が0.4〜4.0モルとなる量であり、好ましくは0.6〜3.0モルとなる量である。ケイ素原子に結合した水素原子が少なすぎると硬化物の強度が充分に得られず、多すぎると硬化物の光学特性、力学特性が劣るおそれがある。
[(C)成分]
(C)ビス(アセチルアセトナート)白金(II)は、紫外線照射によりヒドロシリル化反応活性を発現し、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分及び(D)成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を、進行・促進させるための触媒成分である。このような触媒としては、特許文献3〜11及び非特許文献1記載の白金錯体も挙げられるが、本発明においては、触媒活性が高く、また容易に入手できることなどから、ビス(アセチルアセトナート)白金(II)を用いる。
(C)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよいが、通常、(A)成分と(B)成分と(D)成分の合計量に対して、白金族金属の質量換算で、0.1〜1,000ppmであり、好ましくは1〜500ppmであり、より好ましくは5〜100ppmである。この配合量を適切なものとすると、紫外線照射後、付加反応をより効果的に促進させることができる。
[(D)成分]
(D)成分の接着助剤は、本発明の硬化性シリコーン組成物に基材への接着性を付与するものであり、下記式(1)及び(2)で示される。
Figure 0005811117
[式(1)及び式(2)中、R1は下記式(3)
Figure 0005811117
(式(3)中、R4は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
で示される置換基であり、R2は下記式(4)
Figure 0005811117
で示される置換基であり、R3は独立に水素原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。Meはメチル基である。xは0〜20の整数であり、yは1〜20の整数であり、p及びqはそれぞれ0〜10の整数であり、但しp+qは1〜20の整数である。x、y、p、qが付されたシロキサン単位は、それぞれランダムに配列されている。]
式(1)中のR3は、独立に水素原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。この非置換又は置換の一価炭化水素基としては、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を有しないものであることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。また、炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシル基等のアルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルコキシ基などが挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
式(3)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルコキシ基であり、R3のアルコキシ基と同様のものが例示できる。
式(1)及び式(2)中のxは0〜20の整数であり、yは1〜20の整数であり、p及びqはそれぞれ0〜10の整数であり、但しp+qは1〜20の整数である。好ましくは、xは0〜7の整数、yは1〜10の整数、p及びqは0〜5の整数、但しp+qは1〜6の整数である。
このような化合物の具体例としては、下記に示すもの等が挙げられるが、(D)成分はこれらに限定されるものではない。なお、下記式中、Meはメチル基を示し、各シロキサン単位は、それぞれランダムに配列されている。
Figure 0005811117
Figure 0005811117
Figure 0005811117
従来、接着性を付与する接着助剤としては、アクリル系の官能基を含む化合物、有機チタン化合物、イソシアヌレート化合物などが挙げられる。しかしながら、これらの化合物は、本発明により得られるシリコーン硬化物の光学特性、特に透明性を損なう場合があり、また、(C)成分の白金錯体のヒドロシリル化反応活性の低下を引き起こし、生産性を著しく損なう場合があるため好ましくない。
(D)成分の接着助剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明に用いる硬化性シリコーン組成物は、(A)成分以外のケイ素原子結合アルケニル基を有する成分、(B)成分又は(D)成分以外のケイ素原子結合水素原子を有する成分も含有することができる。本発明においては、組成物中の全ケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、組成物中の全ケイ素原子結合水素原子が0.4〜4.0モルとなる量とすることが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0モルとなる量とする。これは、該ケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して該ケイ素原子結合水素原子が0.4モル未満である場合には、硬化物の強度が充分に得られないおそれがあり、4.0モルを超える場合には、硬化物の光学特性、力学特性が劣るおそれがあるためである。
但し、(D)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。この配合量が0.1質量部未満である場合には、硬化物は充分な接着性を有しないことがあり、この配合量が10質量部を超える場合には、硬化物の光学特性や力学特性が悪くなる場合がある。
[任意成分]
本発明の組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の目的・効果を損なわない範囲で他の成分を配合してもよい。これらの任意成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(反応制御剤)
反応制御剤は、上記(C)成分のビス(アセチルアセトナート)白金(II)に対して硬化反応の反応速度を調節する作用を有する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素原子を含有する化合物;硫黄原子を含有する化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
反応制御剤の配合量は、反応制御剤の有する硬化反応の反応速度を調節する作用の度合いがその化学構造により異なるため、使用する反応制御剤ごとの最適な量に調整することが好ましい。最適な量の反応制御剤を配合することにより、作業性や生産性を向上させることができる。
(無機充填剤)
無機充填剤としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ガラス繊維等の無機充填剤;これらをオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した無機充填剤;シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー等が挙げられる。
無機充填剤の配合は、得られるシリコーン硬化物の力学特性の向上に寄与する一方、紫外線の透過を妨げ硬化性を低下させる可能性があるため、目的に応じ最適な量に調整することが好ましい。
更に、本発明の組成物は有機溶剤を配合することなく好適に用いることができるものであるが、該組成物を各種基材にコーティングする際、コーティング装置等の条件により、トルエン、キシレン等の有機溶剤で該組成物を任意の濃度に希釈してもよい。
本発明の硬化性シリコーン組成物は、上記各成分を常法に準じて混合することにより得ることができる。
本発明の硬化性シリコーン組成物を硬化させるのに有用な紫外線源としては、種々の紫外線波長帯域において紫外線エネルギーを発出するように設計された通常の水銀蒸気ランプや、メタルハライドランプ、発光ダイオード(LED)素子が挙げられる。例えば、有用な紫外線波長範囲は、220〜400nmである。また、硬化に有用な紫外線照射量は、硬化に充分な照射量であれば特に制限されないが、好ましくは1,000〜10,000mJ/cm2であり、より好ましくは1,500〜7,500mJ/cm2である。
本発明に用いる硬化性シリコーン組成物は、紫外線照射によりヒドロシリル化反応活性を発現する(C)ビス(アセチルアセトナート)白金(II)を含有する。この錯体は、紫外線照射後もヒドロシリル化反応活性を失わないため、紫外線が充分に届かなかった部分を硬化することができる。紫外線照射によりヒドロシリル化反応活性を発現した白金錯体は、室温(25℃)においても数時間程度で該シリコーン組成物を硬化することが可能であるが、乾燥機等を用いた加熱により硬化時間を短縮することができる。加熱の際の温度は他の部材を傷めない程度、即ち80℃以下が好ましく、より好ましくは40〜70℃で、10〜120分間、特に10〜90分間の加熱により硬化を促進させることで生産性を向上させることができる。
上記硬化性シリコーン組成物は、透明樹脂とガラス、透明樹脂同士又はガラス同士の貼り合わせに有用であり、該組成物を用いた硬化方法は、構造の微細化や複雑化及び軽量化の進む、光デバイスやディスプレイ、特にタッチパネルの接着貼り合わせに有用である。タッチパネルデバイスでは、これまで保護層としてガラスが用いられてきた。しかしながらデバイスの軽量化や落下時の破損を防ぐため、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂などの透明樹脂が使用されるようになっている。
ここで、硬化性シリコーン組成物を透明樹脂又はガラスへ塗布する方法としては、シリンジなどを用いての吐出法、スクリーン印刷法、あるいは硬化性シリコーン組成物中に透明樹脂又はガラスを浸漬するディッピング法などが挙げられる。硬化性シリコーン組成物の塗布量又は塗布厚みは、デバイスの構造などにより異なるが、一般的には50μm〜1mm、好ましくは100μm〜500μmの厚みになるように塗布される。
本発明の硬化性シリコーン組成物を紫外線照射により硬化して、透明樹脂をガラス、透明電極モジュール又は液晶モジュールなどの被着体と貼り合わせる場合、透明樹脂側から紫外線を照射することで、硬化遅延や硬化不良を防ぐことができる。透明樹脂と、ガラス、透明電極モジュール又は液晶モジュールなどの被着体との間に該硬化性シリコーン組成物を介在させ、被着体側から紫外線を照射すると、透明樹脂と組成物との界面で硬化不良や硬化遅延が発生する場合がある。これは、紫外線により活性化した透明樹脂表面が触媒の活性を低減しているからと考えられる。そこで、透明樹脂側から紫外線を照射することで、該硬化性シリコーン組成物と透明樹脂との接触面が活性化することを抑制し、硬化が迅速に進行するものと考えられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明について具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではない。なお、下記例において、Meはメチル基を示す。
(A)成分
(A−1)粘度が600mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン
(A−2)粘度が100,000mPa・sの分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン
(B)成分
(B−1)粘度が40mPa・sの式:(CH32HSiO1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH33SiO1/2で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位とからなる共重合体
(B−2)粘度が17mPa・sの分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体
(C)成分
(C−1)ビス(アセチルアセトナート)白金(II)溶液(白金原子1質量%の酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル溶液)
(D)成分
(D−1)下記式(7)で示される化合物
Figure 0005811117
(式中、各シロキサン単位は、それぞれランダムに配列されている。)
(D−2)下記式(8)で示される化合物
Figure 0005811117
(式中、各シロキサン単位は、それぞれランダムに配列されている。)
[実施例1〜4、参考例1
上記成分(A)〜(D)を表1の通り配合混合し、シリコーン組成物S1〜S5を調製した。
Figure 0005811117
調製したシリコーン組成物S1〜S5を用いて、硬化性(流動停止時間、硬化時間、硬度)、光学特性、接着力を評価した。結果を表2に示す。なお、紫外線の照射は、紫外線均一照射ユニット(ウシオ電機社製SP−V SPOT CURE)を用いた。
(評価方法)
流動停止時間:
シリコーン組成物をガラスシャーレに高さ1cmとなるように塗布し、所定の照射量となるように紫外線を照射後、ガラスシャーレを90°傾け、シリコーン組成物が流れ出なくなるまでの時間を測定した。
硬化時間:
シリコーン組成物をガラスシャーレに高さ1cmとなるように塗布し、紫外線(照射量5,000mJ/cm2)照射後、25℃と70℃で硬度が変化しなくなるまでの時間を測定した。
硬度:
シリコーン組成物をガラスシャーレに高さ1cmとなるように塗布し、紫外線(照射量5,000mJ/cm2)照射後、70℃で硬度が変化しなくなるまで硬化したサンプルを、JIS K 6253に準じて測定した。
光学特性:
1mmのガラスプレート上に、シリコーン組成物を300μmの厚みで塗布し、紫外線(照射量5,000mJ/cm2)照射後、70℃で硬度が変化しなくなるまで硬化したサンプルを、日本電色工業社製VSS−400を用い、透過法にて測定した。
接着力評価:
二枚のガラスプレートを十字に重ねて80μmの厚みでシリコーン組成物を挟み込み、紫外線(照射量5,000mJ/cm2)照射後、70℃で60分硬化し、その試験片の引き剥がし試験を島津製作所製AG−ISを用いて行い、評価した。
Figure 0005811117
[実施例
シリコーン組成物S2を用い、暗部硬化試験を行った。試験法を以下に示す。
暗部硬化試験:
直径6cmのアルミシャーレにシリコーン組成物S2を高さが6mmとなるように充填し、その上を2cm角の穴を持つ光を通さない黒色シートで覆った。2cm角の穴から、紫外線均一照射ユニット(ウシオ電機社製SP−V SPOT CURE)を用いて、紫外線(照射量5,000mJ/cm2)を照射し、25℃及び70℃で所定の時間硬化後、硬化した面積を測定して評価した。結果を表3に示す。
[比較例1]
ラジカル発生型の光開始剤を含有する光紫外線硬化型アクリル変性シリコーン組成物である、信越化学工業社製KER4000−UV(シリコーン組成物S6とする)を用いて、暗部硬化試験を行った。結果を表3に示す。試験方法は、実施例と同様であるが、すべての操作を窒素雰囲気下で行った。
Figure 0005811117
[実施例
シリコーン組成物S2を用い、透明樹脂界面硬化試験を行った。試験法を以下に示す。透明樹脂は、ポリアクリル樹脂(以下、PMMA)(日東樹脂工業社製クラレックス001クリヤー)、ポリカーボネート樹脂(以下、PC)(帝人社製パンライトシートPC1151)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET)(タキロン社製スーパーPETプレート6010)を用いた。
透明樹脂界面硬化試験:
透明樹脂とガラスプレートの間に、約1gのシリコーン組成物S2を挟んだ。樹脂側及びガラス側から紫外線均一照射ユニット(ウシオ電機社製SP−V SPOT CURE)を用いて、それぞれ紫外線(照射量5,000mJ/cm2)を照射した。70℃で60分硬化後、透明樹脂とガラスプレートを引き剥がし、透明樹脂及びガラスとの界面硬化状態を確認した。結果を表4及び表5に示す。
Figure 0005811117
Figure 0005811117
[評価]
以上の結果は、本発明の硬化性シリコーン組成物の硬化方法が、生産性に優れることを示している。更に、紫外線が充分に届かない部分も硬化できることを示している。また、透明樹脂を用いた場合でも硬化不良を起こすことなく、迅速に硬化させることができることを示している。よって、本発明の硬化性シリコーン組成物の硬化方法は、構造の微細化や複雑化及び軽量化の進む、光デバイスやディスプレイ、特にタッチパネルの接着貼り合わせに有用である。

Claims (5)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
    (B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(A)成分中のアルケニル基1当量に対しケイ素原子に結合した水素原子が、0.4〜4.0当量となる量
    (C)ビス(アセチルアセトナート)白金(II):触媒としての有効量、及び
    (D)下記式(1)及び(2)
    Figure 0005811117
    [式(1)及び式(2)中、R 1 は下記式(3)
    Figure 0005811117
    (式(3)中、R 4 は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)
    で示される置換基であり、R 2 は下記式(4)
    Figure 0005811117
    で示される置換基であり、R 3 は独立に水素原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。Meはメチル基である。xは0〜20の整数であり、yは1〜20の整数であり、p及びqはそれぞれ0〜10の整数であり、但しp+qは1〜20の整数である。x、y、p、qが付されたシロキサン単位は、それぞれランダムに配列されている。]
    で示される接着助剤のうち少なくとも一つ
    を含有してなる、透明樹脂とガラス、透明樹脂同士又はガラス同士の貼り合わせ用硬化性シリコーン組成物の硬化方法であって、該硬化性シリコーン組成物に紫外線を照射後、80℃以下の温度で硬化させることを特徴とする硬化性シリコーン組成物の硬化方法。
  2. (C)成分の配合量が、(A)成分と(B)成分と(D)成分の合計量に対して、白金族金属の質量換算で、0.1〜1,000ppmであり、(D)成分の配合量が、(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部である請求項1に記載の硬化方法
  3. 硬化性シリコーン組成物が、タッチパネル貼り合わせ用である請求項1又は2に記載の硬化方法。
  4. 透明樹脂と、ガラス、透明電極モジュール及び液晶モジュールから選ばれる被着体とを硬化性シリコーン組成物を介して貼り合わせ、透明樹脂側から紫外線を照射することにより硬化性シリコーン組成物を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化方法。
  5. 透明樹脂が、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化方法。
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