JP7310035B1 - 紫外線硬化性シリコーン組成物 - Google Patents

紫外線硬化性シリコーン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7310035B1
JP7310035B1 JP2022577634A JP2022577634A JP7310035B1 JP 7310035 B1 JP7310035 B1 JP 7310035B1 JP 2022577634 A JP2022577634 A JP 2022577634A JP 2022577634 A JP2022577634 A JP 2022577634A JP 7310035 B1 JP7310035 B1 JP 7310035B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
bonded
silicon
curable silicone
silicone composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022577634A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023112926A1 (ja
Inventor
紀久夫 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Inc
Original Assignee
Momentive Performance Materials Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Momentive Performance Materials Inc filed Critical Momentive Performance Materials Inc
Publication of JPWO2023112926A1 publication Critical patent/JPWO2023112926A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7310035B1 publication Critical patent/JP7310035B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/12Polysiloxanes containing silicon bound to hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/20Polysiloxanes containing silicon bound to unsaturated aliphatic groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/10Materials in mouldable or extrudable form for sealing or packing joints or covers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

低粘度かつ透明であり、接着性に優れた硬化物を与える紫外線硬化性シリコーン組成物を提供する。(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン;(B)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;(C)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び(D)紫外線により活性化する付加反応硬化触媒を含む紫外線硬化性シリコーン組成物。(B)成分は、(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR0(R0は、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個及び、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含む。

Description

本発明は、紫外線硬化性シリコーン組成物に関し、特に、その硬化物が電子部品封止材、光学部品封止材、貼り合わせ材等の封止材に好適に使用できる紫外線硬化性シリコーン組成物に関する。
近年、液晶、プラズマ、有機EL等のフラットパネル型の画像表示装置が着目されている。フラットパネル型の画像表示装置は、通常、少なくとも一方がガラス等の光透過性をもつ一対の基板の間に、アクティブ素子を構成する半導体層及び蛍光体層、あるいは発光層からなる多数の画素をマトリクス状に配置した表示領域(画像表示部)を有する。一般に、この表示領域(画像表示部)と、ガラス、又はアクリル樹脂のような光学用プラスチックで形成される保護部との周囲は、接着剤で気密に封止されている。
このような画像表示装置においては、屋外光又は室内照明の反射等による可視性(視認性)の低下を防ぐため、保護部と画像表示部との間に、紫外線硬化型樹脂組成物を介在させた薄型の画像表示装置が製造され、ここで使用される紫外線硬化型樹脂組成物として、紫外線硬化型アクリル樹脂又は紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が使用されている(特許文献1及び2)。
また、接着剤で気密に封止されている必要がある装置の一つに、LED素子がある。有機発光素子(OLED、Organic Light Emitting Diode)のような有機電子素子は、水分及び酸素に極めて脆弱であり、大気中に曝された時又は外部から水分が流入した時に発光効率及び寿命が顕著に減少するというデメリットを有している。そのため、有機電子素子の寿命を向上させ、外部から流入される酸素、水分等を効果的に遮断できる封止材として、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が使用されている(特許文献3)。
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物は、白金触媒でのヒドロシリル化反応を利用することができ、紫外線の届かない部分を十分に硬化させる手段が必要となる場合があるものの、比較的温和な条件で硬化可能な組成物として利用されている(特許文献4~8)。
特開2008-282000号公報 特開平7-134538号公報 特表2020-504202号公報 特開2019-218495号公報 特開2019-210351号公報 特開2003-213132号公報 特開2014-169412号公報 特開2013-87199号公報
近年のオプティカルボンディング及びLEDの封止剤では、プラスチックスへの接着性が要求されるが、特許文献1~8の紫外線硬化型樹脂組成物は、この点について不十分であった。また、画像表示装置の用途では、視認性の観点から、透明な硬化物を与える紫外線硬化型樹脂組成物が求められている。
本発明は、低粘度かつ透明であり、接着性に優れた硬化物を与える紫外線硬化性シリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノハイドロジェンシロキサンを使用し、両者の配合比率を所定の範囲とすることにより、低粘度かつ透明であり、接着性に優れた硬化物を与える組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の[1]~[14]に関する。
[1](A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン;(B)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;(C)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び(D)紫外線により活性化する付加反応硬化触媒を含む紫外線硬化性シリコーン組成物であって、
(B)成分が、(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個、及びケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、(B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数に対する、ケイ素原子に結合したアルコキシ基のモル数の比(SiOR/SiH比)が0より大きく0.3未満であり、
(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/SiVi比)が0.12~1.5である、紫外線硬化性シリコーン組成物。
[2](A)成分が、直鎖状ポリオルガノシロキサンを含む、[1]に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[3](B)成分が、HMeSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含むポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり;(E)成分が、HMeSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含み、さらにSiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)で示される構造を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、[1]又は[2]に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[4](B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数とケイ素原子に結合したメチル基のモル数の合計に対する、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/(SiH+SiMe)比)が1/3以上である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[5](C)成分が、1分子中にさらにケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、[1]~[4]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[6](D)成分が、紫外線により活性化する白金系触媒である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[7](D)成分が環状ジエン化合物を配位子に有する白金系触媒である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[8]さらに、チタン酸塩化合物を含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[9]さらに、紫外線非活性白金系触媒を含む、[1]~[8]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[10]紫外線硬化性シリコーン組成物に含まれるLi、Na及びKの含有量がそれぞれ5ppm以下である、[1]~[9]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[11]前記紫外線硬化性シリコーン組成物に照度100mW/cmの紫外線を45秒間照射後、23℃50%RHで24時間放置して得られた硬化物について、ASTM D 1403に準拠して測定される針入度が40以下である、[1]~[10]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
[12][1]~[11]のいずれか一つに記載の紫外線硬化性シリコーン組成物を含み、23℃で50mPa・s~1,000mPa・sの粘度を有するポッティング材料。
[13][1]~[11]のいずれかつ項に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物を含む、封止材。
[14]電子部品封止材、光学部品封止材又は貼り合わせ材である、[13]に記載の封止材。
本発明によれば、低粘度かつ透明であり、接着性に優れた硬化物を与える紫外線硬化性シリコーン組成物が提供される。
紫外線硬化性シリコーン組成物は、(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン;(B)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;(C)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び(D)紫外線により活性化する付加反応硬化触媒を含み;(B)成分が、(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個及び、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、(B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数に対する、ケイ素原子に結合したアルコキシ基のモル数の比(SiOR/SiH比)が0より大きく0.3未満であり;(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/SiVi比)が0.12~1.5である。(B)成分が(E)成分を所定の割合で含み、(A)成分及び(B)成分を所定の割合で配合することにより、低粘度かつ透明であり、接着性に優れた硬化物を与える紫外線硬化性シリコーン組成物とすることができる。
本明細書において用いられる場合、「有機基」とは、炭素を含有する基を意味する。有機基の価数はnを任意の自然数として「n価の」と記載することにより示される。したがって、例えば「1価の有機基」とは、結合手を1つのみ有する、炭素を含有する基を意味する。結合手は、炭素以外の元素が有していてもよい。価数を特に明示しない場合でも、当業者であれば文脈から適した価数を把握することができる。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素及び水素を含む基であって、分子から少なくとも1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つ又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい、炭化水素基としては、炭素数1~20の炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つ又はそれ以上の環構造を含んでいてもよい。なお、かかる炭化水素基は、その末端又は分子鎖中に、1つ又はそれ以上の窒素原子(N)、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、ケイ素原子(Si)、アミド結合、スルホニル結合、シロキサン結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基等の、ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む構造を有していてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子;1個又はそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、5~10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基及び5~10員のヘテロアリール基から選択される基が挙げられる。
本明細書において、アルキル基及びフェニル基は、特記しない限り、非置換であっても、置換されていてもよい。かかる基の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基及びC2-6アルキニル基から選択される1個又はそれ以上の基が挙げられる。
本明細書においてシロキサン化合物の構造を説明する場合、シロキサン化合物の構造単位を以下のような略号によって記載することがある。以下、これらの構造単位をそれぞれ「M単位」「D単位」等ということがある。
M:(CHSiO1/2
:H(CHSiO1/2
Vi:CH=CH(CHSiO1/2
D:(CHSiO2/2
:H(CH)SiO2/2
Vi:CH=CH(CH)SiO2/2
T:CHSiO3/2
Q:SiO4/2(四官能性)
シロキサン化合物は、上記の構造単位を組み合わせて構築されるものであるが、上記構造単位のメチル基がフッ素のようなハロゲン、フェニル基のような炭化水素基等、他の基に置き換わったものを少なくとも部分的に含んでいてもよい。また、例えばD 2020と記した場合には、D単位が20個続いた後D単位が20個続くことを意図するものではなく、各々の単位は任意に配列していてもよいことが理解される。シロキサン化合物は、T単位又はQ単位により、3次元的に様々な構造を取ることができる。
本明細書において、直鎖状とは、RSiO2/2単位から形成され、両末端がRSiO1/2単位で封鎖された構造を意味し、分岐状とは、直鎖状の一部にRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を含む構造を意味する。環状とは、通常RSiO2/2単位のみで形成される環構造を少なくとも1つ有する構造を意味する。前記環構造中の一部がRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位であってもよい。三次元網目構造とは、SiO4/2単位を少なくとも20単位%以上含み、SiO4/2単位が密集した構造を意味する。ここで、Rは、一価の有機基を表す。
本明細書において、粘度は、JIS K 6249に準拠して、回転粘度計を用いて、No.1、2又は3ローター、60rps、23℃の条件で測定した値である。
<(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン>
(A)成分は、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンである。(A)成分は、紫外線硬化性シリコーン組成物のベースポリマーとして機能する。アルケニル基は、分子主鎖の分子鎖末端に結合していても、分子鎖途中の側鎖に結合していても、両方に結合していてもよい。本明細書において、分子主鎖とは、分子中で相対的に最も長い結合鎖を表す。(A)成分の分子構造は、シロキサン結合が主骨格であるものであれば、特に制限されず、直鎖状、分岐鎖状、環状又は三次元網目状のいずれでもよく、シロキサン骨格が2価の有機基により中断されていてもよい。(A)成分は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
アルケニル基は、炭素-炭素二重結合を有しており付加反応が可能な基であれば特に制限はされない。アルケニル基の炭素数は、2~20であることが好ましく、2~8であることがより好ましく、2~6であることがさらに好ましい。アルケニル基は分岐構造又は環構造を有していてもよい。アルケニル基を構成する炭化水素における炭素-炭素二重結合の位置は、任意の位置を採ることができる。反応性の点から、炭素-炭素二重結合は基の末端にあることが好ましい。アルケニル基の好ましい例としては、ポリオルガノシロキサンの合成が容易であることから、ビニル基が挙げられる。
(A)成分は、後述する(B)及び(C)成分のヒドロシリル基(Si-H基)との付加反応により、網状構造を形成する。(A)成分は、代表的には、一般式(1):
SiO(4-m-n)/2 (1)
(式中、
は、脂肪族不飽和結合を有しない、非置換又は置換の1価の炭化水素基であり;
は、アルケニル基であり;
mは、0~2の整数であり;
nは、1~3の整数であり、但し、m+nは1~3である。)
で示されるアルケニル基含有シロキサン単位を、分子中に少なくとも2個有する。
は、脂肪族不飽和結合を有しない、非置換又は置換の1価の炭化水素基である。Rは、具体的には、アルキル基、例えばC-Cアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等);シクロアルキル基、例えばC~C10シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル等);アリール基、例えばC~C20アリール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アントラセニル等);アラルキル基、例えばC~C13アラルキル基(例えば、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル等);置換炭化水素基、例えばハロゲン置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、クロロフェニル、3,3,3-トリフルオロプロピル等)が挙げられる。合成の容易さ等の点からアルキル基が好ましく、中でもメチル、エチル及びプロピルが好ましく、より好ましくはメチルである。屈折率を調整するために、アリール基を併用することができ、中でも、合成の容易さ等の点からフェニルが好ましい。
組成物に適度な流動性を付与する観点から、(A)成分は、直鎖状ポリオルガノシロキサンを含むことが好ましく、分子主鎖の両末端に各1つのアルケニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンを含むことがより好ましい。分子主鎖の両末端に各1つのアルケニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンは、例えば、式(I):
Figure 0007310035000001

(式中、
a1は、独立して、C-Cアルケニル基であり、
b1は、独立して、C-Cアルキル基又はC-C20アリール基であり、
n1は、23℃における粘度を0.1~500Pa・sとする数である)で表すことができる。
-Cアルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、3-ブテニル基、及び5-ヘキセニル基等が挙げられる。C-Cアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。C-C20アリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基等が挙げられる。
a1は、合成が容易で、また硬化前の組成物の流動性及び硬化物の耐熱性を損ねないという点から、ビニル基が好ましい。屈折率等の物性を制御する観点から、Rb1の少なくとも一部がフェニル基等のアリール基であってもよい。Rb1が全てメチルであるようなポリオルガノシロキサンが、入手の容易性から好ましく用いられる。また、屈折率の調整が必要となる場合、Rb1のうち、1~40モル%がC~C12アリール基であることが好ましく、粘性及び耐寒性の向上の点から、Rb1のうち、1~20モル%がC~C12アリール基であることが好ましい。
(A)成分100質量%中の、分子主鎖の両末端に各1つのアルケニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンの含有量は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限は100質量%である。
(A)成分は、分子主鎖の両末端に各1つのアルケニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、その他の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとの混合物であってもよい。
(A)成分は、市販されているものを利用することができる。また、公知の反応によりアルケニル基を導入したポリオルガノシロキサンを用いてもよい。(A)成分としては、置換基の位置又は種類、重合度等により区分して、1種類の化合物のみを用いてもよいし、2種類以上の化合物を混合して用いてもよい。(A)成分はポリオルガノシロキサンであるので、種々の重合度を有するポリオルガノシロキサンの混合物であってもよい。
取り扱い性及び硬化性のバランスの観点から、(A)成分の配合量は、紫外線硬化性シリコーン組成物100質量%に対して70.0~99.8質量%であることが好ましく、80.0~99.0質量%であることがより好ましく、84.0~98.0質量%であることがさらに好ましい。
<(B)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン>
(B)成分は、分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。(B)成分は、架橋剤として機能し、(A)成分のアルケニル基との付加反応により、網状構造を形成する。(B)成分の水素原子は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両方に結合していてもよい。(B)成分は、シロキサン結合を主骨格に有するが、シロキサン骨格が2価の有機基により中断されていてもよい。(B)成分は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
(B)成分は、代表的には、一般式(2):
SiO(4-p-q)/2 (2)
(式中、
は、脂肪族不飽和結合を有しない、非置換又は置換の1価の炭化水素基であり;
pは、0~2の整数であり;
qは、1~3の整数であり、但し、p+qは1~3である。)
で示されるケイ素原子に結合した水素原子を含有するシロキサン単位を、分子中に少なくとも3個有する。(B)成分において、ケイ素原子に結合した水素原子は、一分子中、3~100個であることが好ましく、より好ましくは、5~50個である。Rとしては、一般式(1)におけるRと同様のものが挙げられ、例えばアルキル基又はアリール基、特にメチル基又は置換もしくは非置換のフェニル基であることが好ましい。屈折率等の物性を制御する場合には、Rの少なくとも一部が置換又は非置換のフェニル基であることが好ましい。
さらに、(B)成分は、(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個、及びケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、(B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数に対する、ケイ素原子に結合したアルコキシ基のモル数の比(SiOR/SiH比)が0より大きく0.3未満である。本発明者らは、(B)成分中に、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を含有する(E)成分を所定の割合で含有させることにより、紫外線硬化性シリコーン組成物の低粘度及び透明性を維持し、硬化物の接着性及び硬度等の機械的特性を向上させることができることを見出した。(E)成分中のSiOR基は、電子部品、光学部品等の部材中の反応性基と架橋し、これらの部材との接着性向上に寄与しているのではないかと考えられる。
SiOR/SiH比が0であると、硬化物の接着性に劣り、SiOR/SiH比が0.3以上であると、組成物及びその硬化物の透明性に劣る。SiOR/SiH比は、0.01~0.30未満であることが好ましく、0.01~0.15であることがより好ましく、0.01~0.10であることがさらに好ましく、0.03~0.10であることが特に好ましい。
[(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個、及びケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン]
(E)成分は、前記一般式(2)で示されるケイ素原子に結合した水素原子を含有するシロキサン単位を分子中に少なくとも3個有し、かつ、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個有する。(E)成分において、ケイ素原子に結合した水素原子は、一分子中、3~100個であることが好ましく、より好ましくは、5~50個である。反応性の観点から、Rは、メチル基、エチル基又はプロピル基であることが好ましく、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。合成が容易なことから、ケイ素原子に結合した水素原子とケイ素原子に結合したアルコキシ基とは、別個のケイ素原子に結合していることが好ましい。
[(B)成分及び(E)成分の好ましい態様]
硬化物の接着性、透明性及び機械的特性の観点から、(B)成分が、HMeSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含むポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり;(E)成分が、HMeSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含み、さらにSiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)で示される構造を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであることが好ましい。式中、Meはメチル基を意味する。上記(B)成分を使用することにより、硬化物を網状化して硬度を調整するとともに、接着性の向上にも寄与することができる。Rは、メチル基、エチル基又はプロピル基であることが好ましく、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
(E)成分を含めた(B)成分の合計100質量%に対する、SiORで示される構造を有さない(B)成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。(E)成分を含めた(B)成分の合計100質量%に対する、SiORで示される構造を有する上記(E)成分の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。
適度な硬さ及び機械的強度を有する硬化物を得る観点から、(B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数とケイ素原子に結合したメチル基のモル数の合計に対する、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/(SiH+SiMe)比)が1/3以上であることが好ましい。SiH/(SiH+SiMe)比は、1/3~5/11であることがより好ましく、1/3~3/7であることが特に好ましい。
(B)成分の23℃における粘度は、1~100mPa・sが好ましく、1~50mPa・sがより好ましい。
(B)成分は、市販されているものを利用することができる。また、公知の反応により(B)成分を合成することもできる。(B)成分としては、置換基の位置又は種類、重合度等により区分して、1種類の化合物のみを用いてもよいし、2種類以上の化合物を混合して用いてもよい。(B)成分はポリオルガノハイドロジェンシロキサンであるので、種々の重合度を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンの混合物であってもよい。
硬化物の接着性及び機械的特性の観点から、(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/SiVi比)は、0.12~1.5である。SiH/SiVi比は、0.12~1.3であることが好ましく、0.12~1.0であることが特に好ましい。
<(C)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン>
(C)成分は、直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。(C)成分は、アルケニル基を含まない。(C)成分は、(A)成分のアルケニル基との付加反応により、(A)成分の鎖長を延長する機能を有する。(C)成分の水素原子は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両方に結合していてもよい。(C)成分は、シロキサン結合を主骨格に有するが、シロキサン骨格が2価の有機基により中断されていてもよい。(C)成分は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
(C)成分は、代表的には、前記一般式(2)で示されるケイ素原子に結合した水素原子を含有するシロキサン単位を、分子中に2個有する。一般式(2)におけるRとしては、一般式(1)におけるRと同様のものが挙げられ、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
硬化物の接着性の観点から、(C)成分が、1分子中にさらにケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであると好ましい。すなわち、(C)成分は、(C2)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個、及びケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含むと好ましい。アルコキシ基としては、炭素数が1~4個のアルコキシ基、2-メトキシエトキシ基等が挙げられる。
(C2)成分としては、ケイ素原子に一般式(3):

で示される基が結合した化合物を例示することができる。式中、Qは、ケイ素原子とエステル結合の間に2個以上の炭素原子を有する炭素鎖を形成する、直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し;Qは、酸素原子と当該基に示されるケイ素原子の間に3個以上の炭素原子を有する炭素鎖を形成する、直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し;Rは、炭素数1~4のアルキル基又は2-メトキシエチル基を表す。
(C2)成分は、組成物の硬化の際に(A)成分と付加反応して、(A)及び(B)成分との付加反応によって架橋したシロキサン構造に導入され、一般式(3)で示される基が接着性を発現する部分として、組成物の室温における接着性に寄与する。(C2)成分は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
一般式(3)において、Qは、合成及び取扱いが容易なことから、エチレン基及び2-メチルエチレン基が好ましい。Qは、合成及び取扱いが容易なことから、トリメチレン基が好ましい。Rは、良好な接着性を与え、かつ加水分解によって生じるアルコールが揮発しやすいことから、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(C2)成分において、ケイ素原子に結合した水素原子と一般式(3)で示される基とは、合成が容易なことから、別個のケイ素原子に結合していることが好ましい。
(C2)成分の例としては、直鎖状又は環状のポリオルガノハイドロジェンシロキサンとアクリル基又はメタクリル基を有するシラン化合物との反応生成物が挙げられる。このような化合物は合成経路が確立されていること、及び1分子あたりのSi-H結合の数及び加水分解可能な基の数を制御しやすく組成物全体の物性を均一に制御することが容易になる観点から好ましい。より具体的な(C2)成分としては、下記の化合物が挙げられる。
硬化物の接着性の観点から、(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル数の比((SiH+SiH)/SiVi比)は、0.20~2.0であることが好ましく、0.80~1.5であることがより好ましい。また、(B)及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル数に対する、(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/(SiH+SiH)比)は、0.10~0.90であることが好ましい。
さらに、硬化物の接着性の観点から、(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(C2)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiHC2/SiVi比)は、0.05~0.30であることが好ましく、0.07~0.20であることがより好ましい。
<(D)紫外線により活性化する付加反応硬化触媒>
(D)成分は、紫外線により活性化し、(A)成分のアルケニル基と、(B)及び(C)成分のヒドロシリル基(Si-H基)との間の付加反応を促進するための触媒である。触媒活性が良好な観点から、白金系触媒が好適に用いられる。なかでも、(D)成分は、環状ジエン化合物を配位子に有する白金系触媒であると好ましい。(D)成分は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
環状ジエン化合物を配位子に有する白金系触媒としては、(1,5-シクロオクタジエニル)ジフェニル白金錯体、(1,5-シクロオクタジエニル)ジプロピル白金錯体、(2,5-ノルボラジエン)ジメチル白金錯体、(2,5-ノルボラジエン)ジフェニル白金錯体、(シクロペンタジエニル)ジメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)ジエチル白金錯体、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジフェニル白金錯体、(メチルシクロオクタ-1,5-ジエニル)ジエチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)エチルジメチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)アセチルジメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)トリヘキシル白金錯体、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)トリフェニル白金錯体、(シクロペンタジエニル)ジメチルトリメチルシリルメチル白金錯体等を挙げることができる。
(D)成分の配合量は、(A)~(C)成分の合計質量に対して、白金金属質量として0.1~500ppmとなる量であることが好ましく、1~100ppmとなる量であることがより好ましく、3~70ppmとなる量であることがさらに好ましく、5~50ppmとなる量であることが特に好ましい。(D)成分の配合量が0.1ppm未満では、紫外線照射による付加反応が遅くなる、又は硬化しなくなる場合があり、500ppmを超えると、紫外線硬化性シリコーン組成物の保存安定性の悪化及び硬化物の黄変が発生しやすくなり、高コストになる。
<その他の成分>
紫外線硬化性シリコーン組成物は、その目的・効果を損なうものでない限り、その他の成分を配合することができる。その他の成分としては、チタン酸塩化合物、難燃剤、接着性付与剤、耐熱付与剤、希釈剤、フュームドシリカ等のチクソ性付与剤、無機又は有機顔料、付加反応硬化触媒の抑制剤、ポリオルガノシロキサン以外の樹脂等を適宜配合することができる。また、紫外線硬化性シリコーン組成物は、(A)成分以外のポリオルガノシロキサン、例えば、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を1個以下有するポリオルガノシロキサン;(B)及び(C)成分以外のポリオルガノハイドロジェンシロキサン、例えば、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;(D)成分以外の付加反応硬化触媒、例えば、加熱により活性化する、紫外線非活性白金系触媒;等を配合することができる。その他の成分は、それぞれ単独でも、2種以上の組合せであってもよい。
[チタン酸塩化合物]
紫外線硬化性シリコーン組成物は、さらにチタン酸塩化合物を含むことが好ましい。チタン酸塩化合物を配合することにより、紫外線硬化性シリコーン組成物の接着性を向上することができる。チタン酸塩化合物としては、テトラエトキシチタン、テトラ-n-プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、チタンテトライソプロペニルオキシドのようなチタンアルコキシド等が挙げられ、なかでも、テトラ-n-ブトキシチタンが好ましい。
接着性の観点から、チタン酸塩化合物の配合量は、(A)成分100質量部に対して1質量部未満であることが好ましく、0.01~0.1質量部であることがより好ましい。
[紫外線非活性白金系触媒]
紫外線硬化性シリコーン組成物は、さらに紫外線非活性白金系触媒を含むことが好ましい。紫外線非活性白金系触媒は、加熱により活性化し、(A)成分のアルケニル基と、(B)及び(C)成分のヒドロシリル基(Si-H基)との間の付加反応を促進するための触媒である。紫外線非活性白金系触媒を配合することにより、紫外線硬化性シリコーン組成物の紫外線照射が困難な部分の硬化性を向上することができる。
紫外線非活性白金系触媒としては、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体等の白金-ビニルシロキサン錯体、白金-2,4,6,8-テトラビニル-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体等の白金-ビニルメチルシクロシロキサン錯体、白金ビスアセトアセテート等を挙げることができ、なかでも、白金-ビニルシロキサン錯体が好ましい。
過剰な白金添加は硬化物の黄変の原因になるため、紫外線非活性白金系触媒の配合量は、(A)~(C)成分の合計質量に対して、白金金属質量として20ppm以下となる量であることが好ましく、0.1~10ppmとなる量であることがより好ましく、0.3~5.0ppmとなる量であることがさらに好ましく、0.50~3.0ppmとなる量であることが特に好ましい。
紫外線硬化性シリコーン組成物が紫外線非活性白金系触媒を含む場合、より長いポットライフを得るために、反応抑制剤の添加により、触媒の活性を抑制することができる。公知の白金族金属用の反応抑制剤として、2-メチル-3-ブチン-2-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1-エチニル-2-シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール、ビニルテトラマー等のビニル基含有低分子環状シロキサン等が挙げられる。
硬化物の耐熱性及び絶縁性を向上させる観点から、紫外線硬化性シリコーン組成物に含まれるLi、Na及びKの含有量は、それぞれ5ppm以下であることが好ましく、3ppm以下であることがより好ましい。Li、Na及びKの含有量の制御は、(A)~(D)成分及びその他の任意成分の精製をし、これらの元素の含有量が少ないものを使用することにより行うことができる。
<紫外線硬化性シリコーン組成物の製造方法>
紫外線硬化性シリコーン組成物は、(A)~(D)成分、さらに必要に応じてその他の成分をプラネタリー型ミキサー等の混合機で混合することにより得ることができる。混合時には、必要に応じて50~150℃の範囲で加熱しながら混合してもよい。紫外線硬化性シリコーン組成物が粉体を含む場合、均一仕上げのために、高剪断力下で混練操作を行うことが好ましい。混練装置としては、3本ロール、コロイドミル、サンドグラインダー等があるが、中でも3本ロールによる方法が好ましい。
紫外線硬化性シリコーン組成物は、23℃における粘度が、塗布時の展延性の点から、100,000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは、50~50,000mPa・sである。ポッティング材料として使用する場合、組成物の流動性の観点から、紫外線硬化性シリコーン組成物の23℃における粘度は、50mPa・s~1,000mPa・sであることが好ましい。紫外線硬化性シリコーン組成物は、遮光下、常温以下の温度で保存されるのが好ましい。
<紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化方法>
紫外線硬化性シリコーン組成物は、紫外線の照射により硬化させることができる。照射量は、100~10,000mJ/cmが好ましく、より好ましくは300~6,000mJ/cmであり、さらに好ましくは500~5,000mJ/cmである。なお、照射量は、UVAの測定値である。ここで、UVAは、315~400nmの範囲の紫外線をいう。組成物は、紫外線の波長、例えば、250~450nmの範囲を有する紫外線を照射したときの硬化性が良好である。このような波長の紫外線を放出する光源として、例えば、ウシオ電機株式会社製の高圧水銀ランプ(UV-7000)、メタルハライドランプ(UVL-4001M3-N1)、韓国:JM tech社製のメタルハライドランプ(JM-MTL 2KW)、三菱電機株式会社製の紫外線照射灯(OSBL360)、株式会社GSユアサ製の紫外線照射機(UD-20-2)、株式会社東芝製の蛍光ランプ(FL-20BLB))、Heraeus社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Vバルブ、Dバルブ、Qバルブ及びMバルブ、シーシーエス株式会社製のLEDランプ(HLDL-155UV)等が挙げられる。
組成物の硬化時間は、紫外線の照射量にもよるが、概ね30分以下であり、好ましくは10分以下である。組成物の硬化が進行したかどうかは、目視によって判断することもできるが、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”が等しくなるまでの時間、貯蔵弾性率G’が所定の値に達するまでの時間等によって定量的に評価することもできる。例えば、紫外線照射後23℃の条件で、貯蔵弾性率G’が100Paに達するまでの時間が30分以内、好ましくは10分以内であると、硬化にかかる時間が短く取り扱い性に優れているといえるため、好ましい。
<紫外線硬化性シリコーン組成物の好ましい態様>
硬化物表面のべたつきを抑える観点から、紫外線硬化性シリコーン組成物に照度100mW/cmの紫外線を45秒間照射後、23℃50%RHで24時間放置して得られた硬化物について、ASTM D 1403に準拠して測定される針入度が40以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましい。
クラックの発生を防止し、適度な硬度を有する硬化物を得る観点から、紫外線硬化性シリコーン組成物に照度100mW/cmの紫外線を45秒間照射後、23℃50%RHで24時間放置して得られた硬化物について、ASTM D 2240に準拠して測定されるショア00硬度が0~90であることが好ましく、0~75であることがより好ましい。
<紫外線硬化性シリコーン組成物の用途>
紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物は、透明かつ接着性に優れるため、ポッティング材料に好適に使用できる。ポッティング材料とは、液状組成物であって、該組成物をケース状のデバイスに流し込み、硬化させることによって、デバイス中の部品を保護するための材料である。本発明の一態様では、紫外線硬化性シリコーン組成物を含み、23℃で50mPa・s~1,000mPa・sの粘度を有するポッティング材料が提供される。ポッティング材料の粘度は、70~800mPa・sであることが好ましく、100~500mPa・sであることがより好ましい。
本発明の別の態様では、紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物は、封止材として好適に使用することができる。紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物を封止剤として用いた物品は、接着面及び封止箇所の耐水性及び耐久性能に優れているため、該硬化物は、電子部品封止材、光学部品封止材又は貼り合わせ材として、好適に使用することができる。また、紫外線硬化性シリコーン組成物は、例えば、液晶、プラズマ、有機EL等の画像表示装置の貼り合わせ用の接着剤として、あるいは、LED素子又はOLED素子の封止のための封止剤として用いることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。表示は、特に断りがない限り、質量部又は質量%である。
<使用成分>
使用した各成分は、以下のとおりである。ここで、記号は以下を意味する。
M:(CHSiO1/2
:H(CHSiO1/2
Vi:CH=CH(CHSiO1/2
D:(CHSiO2/2
:H(CH)SiO2/2
Vi:CH=CH(CH)SiO2/2
Q:SiO4/2(四官能性)
(A)成分:1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン
以下に示す、両末端がMVi単位で閉塞され、中間単位がD単位からなる直鎖状ポリメチルビニルシロキサンを使用した。
(A1)MVim1Vi(23℃における粘度:400mPa・s)
(A2)MVim2Vi(23℃における粘度:250mPa・s)
(A3)MVim3Vi(23℃における粘度:100mPa・s)
(B)成分:分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン((E)成分含有、SiOR/SiH比:0より大きく0.3未満)
(B1)平均単位式がM で示される架橋性ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:10.30mmol/g、SiOR/SiH比:0.03、R:メチル基、SiH/(SiH+SiMe)比:1/3)
(B2)平均単位式がM で示される架橋性ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:9.41mmol/g、SiOR/SiH比:0.13、R:メチル基、SiH/(SiH+SiMe)比:1/3)
(B3)平均単位式がM で示される架橋性ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:9.21mmol/g、SiOR/SiH比:0.29、R:メチル基、SiH/(SiH+SiMe)比:1/3)
(B’)成分:1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン(SiOR/SiH比:0又は0.3以上)
(B’1)平均単位式がM で示される架橋性ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:9.20mmol/g、SiOR/SiH比:0.34、R:メチル基、SiH/(SiH+SiMe)比:1/3)
(B’2)平均単位式がMD15 24Mで示される架橋性ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:8.90mmol/g、(E)成分非含有、SiOR/SiH比:0、SiH/(SiH+SiMe)比:2/7)
(C)成分:直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(C1)平均単位式がM20で示される直鎖状ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:1.24mmol/g、ケイ素原子に結合したアルコキシ基非含有)
(C2)以下の構造式で表される環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン(SiH量:3.98mmol/g、ケイ素原子に結合したアルコキシ基含有)
(D)成分:紫外線により活性化する付加反応硬化触媒
(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体(Strem Chemicals, Inc.社製(ドイツ)、白金量:61.1質量%)
(F)成分:チタン酸塩化合物
テトラ-n-ブトキシチタン(TBT、日本曹達株式会社製、B-1)
(G)成分:紫外線非活性白金系触媒
1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン配位白金溶液(ユミコアジャパン株式会社製、Pt-No.8、白金量:5.0質量%)
実施例1
紫外線による触媒の活性化を防止するため、(D)成分の取り扱いは、イエロールーム内で行った。(D)成分及び(G)成分について、(A1)成分を使用して、それぞれ1.0質量%溶液を得た。(A1)成分37.209質量部、(A2)成分51.8質量部及び(A3)成分10.1質量部を混合して得た(A)成分の混合液に、(B1)成分0.30質量部、(C1)成分14.0質量部、(C2)成分0.50質量部及び(F)成分0.030質量部を順次添加、混合した。こうして得た混合液の外観を確認後、イエロールーム内で前記(D)及び(G)成分の希釈溶液を、各成分の配合量がそれぞれ0.006質量部及び0.003質量部となるように添加、混合して、実施例1の紫外線硬化性シリコーン組成物を得た。
実施例2~7及び比較例1~5
実施例1における(A)~(G)成分及びその配合量を、表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2~7及び比較例1~5の紫外線硬化性シリコーン組成物を得た。
Figure 0007310035000005
<測定方法>
[(D)及び(G)成分添加前の混合液の透明性]
実施例1~7及び比較例1~5の組成物の調製時、(D)及び(G)成分の希釈溶液を添加する前の混合液の透明性を、目視にて以下の基準で判定した。結果を表1に示す。
〇:混合液は透明である。
×:混合液にかすみ又は濁りが見られる。
[粘度]
実施例1~7及び比較例1~5の組成物について、JIS K 6249に準拠して、回転粘度計(ビスメトロン VDA2型、芝浦システム株式会社製)を使用して、No.2ローターを使用し、60rpmで、23℃における粘度を測定した。結果を表1に示す。
[Li、Na及びKの含有量]
実施例1~7及び比較例1~5の組成物について、原子吸光法により、Li、Na及びKの含有量を測定した。すべての組成物において、Li、Na及びKの含有量は、それぞれ2ppm未満であった。
硬化物の作製
(D)及び(G)成分の希釈溶液を添加する前の混合液の透明性に劣る比較例5は、それから得られる組成物及び硬化物の透明性にも劣ることが予想されたため、以下の評価は行わなかった。
混合液の透明性の評価が○であった実施例1~7及び比較例1~4の紫外線硬化性シリコーン組成物について、透明性、ショア00硬度及び針入度の評価用の試料(硬化物)を作製した。各組成物を以下に示す型又は容器に流し込み、シーシーエス株式会社製HLDL-155UVを用いて、照度100mW/cmの紫外線を45秒間照射して硬化させた後、さらに23℃50RH%下で24時間保管した。こうして得た硬化物について、透明性、ショア00硬度及び針入度の評価を実施した。
透明性:縦100mm×横100mm×深さ2mmの型
ショア00硬度:縦60mm×横30mm×深さ6mmの型
針入度:直径40mmの容器(組成物の量:30g)
[透明性]
実施例1~7及び比較例1~4の紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物について、透明性を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
〇:硬化物は透明である。
×:硬化物にかすみが発生し、白濁している。
[ショア00硬度]
ASTM D 2240に準拠して、硬化物のショア00硬度を評価した。ショア00硬度は、0~90であると実用上問題なく、0~75であると優れていると判断した。結果を表2に示す。
[針入度]
ASTM D 1403に準拠して、硬化物の針入度を評価した。針入度は、40以下であると、表面のべたつきが少なく良好であり、0~35であると、特に優れていると判断した。実施例2及び比較例4の硬化物について、針入度を測定したところ、それぞれ33及び93であった。
[せん断接着強さ]
[凝集破壊率]
長さ76mm×幅26mm×厚さ1mmのガラス板2枚を使用した。紫外線硬化性シリコーン組成物を接着剤として用い、2枚のガラス板を以下のように貼り合わせてせん断試験体を作製した。1枚のガラス板の一方の面に、一方の幅方向からの塗布長さが10mm、塗布部分が長さ10mm×幅26mm×厚さ100μmになるように、スペーサーを用いて、紫外線硬化性シリコーン組成物を塗布した。組成物が塗布された部分に、もう1枚のガラス板を一方の幅方向から、接着部分が長さ10mm×幅26mmになるように、かつ、各ガラス板の非接着部分の長さ方向が互いに反対を向くように重ね合わせ、重ね合わせた部分を治具で固定した。次いで、シーシーエス株式会社製HLDL-155UVを用いて、照度100mW/cm、波長365nmのLEDを45秒間照射し、23℃で24時間静置し、接着を行い、せん断試験体を作製した。株式会社島津製作所製引張試験機(AG-IS型)を用い、硬化物の長さ方向(10mm)にせん断力がかかるように、各ガラス板を該試験機のつかみ部に固定し、引張速度10mm/分にて引張試験を実施し、せん断接着強さ(MPa)及び凝集破壊率(%)を測定した。せん断接着強さが0.5MPa以上であると、接着性が優れていると判断した。凝集破壊率(%)は、ガラス板上の硬化物の凝集破壊部分の面積Smmを求め、計算式:(100×S)/(10×26)で計算した。凝集破壊率が80%以上であると、接着性が優れていると判断した。結果を表2に示す。
Figure 0007310035000006
表2に示すとおり、(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン;(B)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;(C)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び(D)紫外線により活性化する付加反応硬化触媒を含み;(B)成分が、(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個、及びケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、(B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数に対する、ケイ素原子に結合したアルコキシ基のモル数の比(SiOR/SiH比)が0より大きく0.3未満であり;(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/SiVi比)が0.12~1.5である、実施例1~7の紫外線硬化性シリコーン組成物は、硬化物の接着性及び透明性に優れていた。
(C)成分を含有しない比較例1の組成物は、硬化物のせん断接着強さ及び凝集破壊率に劣っていた。(B)成分を含有しない比較例2は、せん断接着強さ及び凝集破壊率に大きく劣っていた。(B)成分の代わりに、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するもののSiOR/SiH=0であるポリオルガノハイドロジェンシロキサンを配合した比較例3の組成物は、硬化物の凝集破壊率に劣っていた。(A)~(D)成分を配合するもののSiH/SiVi比が0.11である比較例4の組成物は、硬化物が著しく柔らかく、せん断接着強さ及び凝集破壊率に大きく劣っていた。(B)成分の代わりに、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するもののSiOR/SiH=0.34であるポリオルガノハイドロジェンシロキサンを配合した比較例5の組成物は、組成物調製時にかすみが発生し、透明性に劣り、電子部品封止材、光学部品封止材等として不適であった。
紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物は、電子部品封止材、光学部品封止材又は貼り合わせ材として有用である。

Claims (14)

  1. (A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサン;
    (B)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
    (C)直鎖状又は環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
    (D)紫外線により活性化する付加反応硬化触媒
    を含む紫外線硬化性シリコーン組成物であって、
    (B)成分が、(E)分岐状又は三次元網目構造であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基SiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)を少なくとも1個、及びケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、(B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数に対する、ケイ素原子に結合したアルコキシ基のモル数の比(SiOR/SiH比)が0より大きく0.3未満であり、
    (C)成分が、(C2)環状の構造であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個、及びケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含み、
    (A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/SiVi比)が0.12~1.5であり、
    (A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(B)及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル数の比((SiH +SiH )/SiVi 比)が0.20~2.0であり、
    (B)及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル数に対する、(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH /(SiH +SiH )比)が0.10~0.90である、紫外線硬化性シリコーン組成物。
  2. (A)成分が、直鎖状ポリオルガノシロキサンを含む、請求項1に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  3. (B)成分が、HMeSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含むポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり;(E)成分が、HMeSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含み、さらにSiOR(ここで、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である)で示される構造を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  4. (B)成分全体において、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数とケイ素原子に結合したメチル基のモル数の合計に対する、ケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH/(SiH+SiMe)比)が1/3以上である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  5. (A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基のモル数に対する、(C2)成分のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(SiH C2 /SiVi 比)が0.05~0.30である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  6. (D)成分が、紫外線により活性化する白金系触媒である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  7. (D)成分が環状ジエン化合物を配位子に有する白金系触媒である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  8. さらに、チタン酸塩化合物を含む、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  9. さらに、紫外線非活性白金系触媒を含む、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  10. 紫外線硬化性シリコーン組成物に含まれるLi、Na及びKの含有量がそれぞれ5ppm以下である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  11. 前記紫外線硬化性シリコーン組成物に照度100mW/cmの紫外線を45秒間照射後、23℃50%RHで24時間放置して得られた硬化物について、ASTM D 1403に準拠して測定される針入度が40以下である、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物。
  12. 請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物を含み、23℃で50mPa・s~1,000mPa・sの粘度を有するポッティング材料。
  13. 請求項1又は2に記載の紫外線硬化性シリコーン組成物の硬化物を含む、封止材。
  14. 電子部品封止材、光学部品封止材又は貼り合わせ材である、請求項13に記載の封止材。
JP2022577634A 2021-12-17 2022-12-13 紫外線硬化性シリコーン組成物 Active JP7310035B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021205097 2021-12-17
JP2021205097 2021-12-17
PCT/JP2022/045908 WO2023112926A1 (ja) 2021-12-17 2022-12-13 紫外線硬化性シリコーン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2023112926A1 JPWO2023112926A1 (ja) 2023-06-22
JP7310035B1 true JP7310035B1 (ja) 2023-07-18

Family

ID=86774389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022577634A Active JP7310035B1 (ja) 2021-12-17 2022-12-13 紫外線硬化性シリコーン組成物

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP4450561A1 (ja)
JP (1) JP7310035B1 (ja)
KR (1) KR20240121262A (ja)
CN (1) CN118401613A (ja)
MX (1) MX2024007502A (ja)
PE (1) PE20241480A1 (ja)
TW (1) TW202336157A (ja)
WO (1) WO2023112926A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335899A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP2008156441A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Momentive Performance Materials Japan Kk 接着性ポリオルガノシロキサン組成物
JP2015110752A (ja) * 2013-11-05 2015-06-18 信越化学工業株式会社 紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物
WO2019240122A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 シリコーン硬化物の製造方法、シリコーン硬化物および光学用部材
WO2019240124A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 成形用ポリオルガノシロキサン組成物、光学用部材、および成形方法
WO2020111141A1 (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 硬化性ポリオルガノシロキサン組成物、およびポリオルガノシロキサン硬化物
JP2021038309A (ja) * 2019-09-02 2021-03-11 信越化学工業株式会社 熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置用ダイアタッチ材

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3206855B2 (ja) 1993-11-10 2001-09-10 セントラル硝子株式会社 ホログラフィック表示装置
JP3865638B2 (ja) 2002-01-23 2007-01-10 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサンゲル組成物
KR101379126B1 (ko) 2006-07-14 2014-03-28 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 수지 조성물 및 표시 장치
JP2013087199A (ja) 2011-10-18 2013-05-13 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法
JP5811117B2 (ja) 2013-03-05 2015-11-11 信越化学工業株式会社 硬化性シリコーン組成物の硬化方法
JP6924834B2 (ja) 2016-12-27 2021-08-25 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・コリア・カンパニー・リミテッドMomentive Performance Materials Korea Co.,Ltd 有機電子素子封止材用組成物及びこれを用いて形成された封止材
JP2019210351A (ja) 2018-06-01 2019-12-12 信越化学工業株式会社 画像表示装置用紫外線硬化型液状オルガノポリシロキサン組成物、その硬化方法、画像表示装置部材の貼合方法、及び画像表示装置
JP2019218495A (ja) 2018-06-21 2019-12-26 信越化学工業株式会社 紫外線硬化型シリコーンゴム組成物および硬化物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335899A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Shin Etsu Chem Co Ltd 付加反応硬化型シリコーンゴム用接着剤
JP2008156441A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Momentive Performance Materials Japan Kk 接着性ポリオルガノシロキサン組成物
JP2015110752A (ja) * 2013-11-05 2015-06-18 信越化学工業株式会社 紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物
WO2019240122A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 シリコーン硬化物の製造方法、シリコーン硬化物および光学用部材
WO2019240124A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 成形用ポリオルガノシロキサン組成物、光学用部材、および成形方法
WO2020111141A1 (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 硬化性ポリオルガノシロキサン組成物、およびポリオルガノシロキサン硬化物
JP2021038309A (ja) * 2019-09-02 2021-03-11 信越化学工業株式会社 熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置用ダイアタッチ材

Also Published As

Publication number Publication date
CN118401613A (zh) 2024-07-26
TW202336157A (zh) 2023-09-16
EP4450561A1 (en) 2024-10-23
MX2024007502A (es) 2024-07-10
WO2023112926A1 (ja) 2023-06-22
JPWO2023112926A1 (ja) 2023-06-22
PE20241480A1 (es) 2024-07-17
KR20240121262A (ko) 2024-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104031602B (zh) 固化性有机硅组合物的固化方法
EP3121236B1 (en) Curable silicon rubber composition for led packaging
JP5505991B2 (ja) 高接着性シリコーン樹脂組成物及び当該組成物を使用した光半導体装置
JP6245136B2 (ja) 光半導体素子封止用シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置
CN110291156B (zh) 可固化有机硅组合物、其固化产物和光学显示器
JP2019210351A (ja) 画像表示装置用紫外線硬化型液状オルガノポリシロキサン組成物、その硬化方法、画像表示装置部材の貼合方法、及び画像表示装置
TWI722552B (zh) 矽氧烷組合物
KR102255081B1 (ko) 경화성 실리콘 조성물
JP2017193702A (ja) 付加硬化性シリコーン樹脂組成物
JP7310035B1 (ja) 紫外線硬化性シリコーン組成物
WO2018061754A1 (ja) 架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置
JP2015113348A (ja) 硬化性組成物および光半導体装置
JP6428595B2 (ja) 付加硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP6561871B2 (ja) 縮合硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JPWO2014188872A1 (ja) 一液型オルガノポリシロキサンゲル組成物及びその硬化方法
WO2022004464A1 (ja) 硬化性シリコーン組成物及びその硬化物
JP2012049519A (ja) 半導体発光装置用パッケージ及び発光装置
JP2023105613A (ja) 紫外線硬化性シリコーン組成物及びそれを用いた画像表示装置
JP7536416B2 (ja) 光学用途紫外線活性型液状シリコーン組成物
WO2023189929A1 (ja) 紫外線硬化性シリコーン組成物
JP7337470B1 (ja) 紫外線硬化性シリコーン組成物
JP2018184574A (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化性樹脂組成物からなる封止樹脂、ならびに封止樹脂を用いた発光装置
JP2024033609A (ja) 画像表示装置用紫外線硬化型液状シリコーン組成物、画像表示装置部材の貼合方法、及び画像表示装置
JP2018165348A (ja) 高耐熱性付加硬化型シリコーン樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221216

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20221216

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7310035

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150