JP2017193702A - 付加硬化性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

付加硬化性シリコーン樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017193702A
JP2017193702A JP2017043725A JP2017043725A JP2017193702A JP 2017193702 A JP2017193702 A JP 2017193702A JP 2017043725 A JP2017043725 A JP 2017043725A JP 2017043725 A JP2017043725 A JP 2017043725A JP 2017193702 A JP2017193702 A JP 2017193702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
integer
sio
group
component
silicone resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017043725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6776954B2 (ja
Inventor
洋之 井口
Hiroyuki Iguchi
洋之 井口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to TW106109568A priority Critical patent/TWI728074B/zh
Priority to CN201710241725.3A priority patent/CN107298862B/zh
Publication of JP2017193702A publication Critical patent/JP2017193702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6776954B2 publication Critical patent/JP6776954B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】硬化前は低粘度でディスペンス性が良く、硬化後は十分な強度を有し、ダイシング性が良好であり、タックのない硬化物を与える付加硬化性シリコーン樹脂組成物、特にメチルシリコーン樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)アルケニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(B)アルケニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(C)環状ビニルシロキサン;(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して3〜7質量部(D)ヒドロシリル基を分子内に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(E)ヒドロシリル化触媒を含む付加硬化性シリコーン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、付加硬化性シリコーン樹脂組成物に関する。
付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、速硬化性、硬化物の耐熱性、耐候性などに優れることから、以前よりLED等の半導体素子を封止するための封止材として用いられてきた。例えば、特許文献1(特開2007−2234号公報)には、PPAなどの熱可塑性樹脂で作られたLEDパッケージに高い接着力を示す付加硬化型シリコーン樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2(特開2006−93354号公報)には、光半導体素子を付加硬化型シリコーン樹脂組成物の圧縮成型によって封止する方法が提案されている。
このように、付加硬化型シリコーン樹脂は半導体封止材料として広く一般的に使用されているが、その特性は未だ満足できるものではない。一般的にメチルシリコーン樹脂は軟らかく、ダイシング性が悪く、また多くの場合タックがあるという欠点がある。ダイシング性を良くするためにSiO4/2単位[Q単位]やRSiO3/2単位[T単位]成分を増やすと、硬くタックのない硬化物を作製できるが、強度が低く、脆い樹脂となってしまう。
特開2007−2234号公報 特開2006−93354号公報
本発明は、上記問題を鑑みなされたものであり、硬化前は低粘度でディスペンス性が良く、硬化後は十分な強度を有し、ダイシング性が良好であり、タックのない硬化物を与える付加硬化性シリコーン樹脂組成物、特にメチルシリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、下記(A)〜(E)成分
(A)下記式(1)
(R1 3SiO1/2r(R1 2SiO2/2s(R1SiO3/2t(SiO4/2u
(1)
(式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜12の置換又は非置換の一価飽和炭化水素基及び炭素数2〜6のアルケニル基から選ばれる基であり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基である。rは0〜100の整数、sは0〜300の整数、tは0〜200の整数、uは0〜200の整数であり、ただし1≦t+u≦400、3≦r+s+t+u≦800である。)
で示される分岐状オルガノポリシロキサン
(B)下記式(2)
(R1 3SiO1/22(R1 2SiO2/2x (2)
(式中、R1は上記と同じであり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基であり、xは200〜700の整数である。)
で示される直鎖状オルガノポリシロキサン
(C)下記式(3)
Figure 2017193702
(式中、R1は上記と同じであり、nは3〜6の整数である。)
で示される環状ビニルシロキサン;(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して2〜7質量部
(D)ヒドロシリル基を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;(A)〜(C)成分中のアルケニル基1モルに対して(D)成分中のヒドロシリル基が0.4〜4.0モルとなる量、及び
(E)ヒドロシリル化触媒;ヒドロシリル化反応を進行させるのに十分な量
を含む付加硬化性シリコーン樹脂組成物が、硬化前は低粘度でディスペンス性が良く、硬化後は十分な強度を有し、ダイシング性が良好であり、タックのない硬化物を与えることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の付加硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
〔1〕
下記(A)〜(E)成分
(A)下記式(1)
(R1 3SiO1/2r(R1 2SiO2/2s(R1SiO3/2t(SiO4/2u
(1)
(式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜12の置換又は非置換の一価飽和炭化水素基及び炭素数2〜6のアルケニル基から選ばれる基であり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基である。rは0〜100の整数、sは0〜300の整数、tは0〜200の整数、uは0〜200の整数であり、ただし1≦t+u≦400、3≦r+s+t+u≦800である。)
で示される分岐状オルガノポリシロキサン
(B)下記式(2)
(R1 3SiO1/22(R1 2SiO2/2x (2)
(式中、R1は上記と同じであり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基であり、xは200〜700の整数である。)
で示される直鎖状オルガノポリシロキサン
(C)下記式(3)
Figure 2017193702
(式中、R1は上記と同じであり、nは3〜6の整数である。)
で示される環状ビニルシロキサン;(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して2〜7質量部
(D)ヒドロシリル基を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;(A)〜(C)成分中のアルケニル基1モルに対して(D)成分中のヒドロシリル基が0.4〜4.0モルとなる量、及び
(E)ヒドロシリル化触媒;ヒドロシリル化反応を進行させるのに十分な量
を含むことを特徴とする付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
〔2〕
前記(A)成分と(B)成分との配合比が、質量比で(A):(B)=1:1〜2:1であることを特徴とする〔1〕記載の付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
〔3〕
前記(D)成分が、下記式(4)
(R2 3SiO1/2r'(R2 2SiO2/2s'(R2SiO3/2t'(SiO4/2u'
(4)
(式中、R2は互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基であり、R2の少なくとも2個は水素原子である。r’は0〜100の整数、s’は0〜300の整数、t’は0〜200の整数、u’は0〜200の整数であり、ただし、2≦r’+s’+t’+u’≦800である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンである〔1〕又は〔2〕に記載の付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
〔4〕
前記(E)成分の配合量が、(A)〜(D)成分の合計質量に対して5〜20ppmとなる量である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
本発明によれば、環状ビニルシロキサンを十分な量加えることで、硬化前は低粘度でディスペンス性が良く、硬化後は十分な強度を有し、ダイシング性が良好であり、タックのない硬化物を与える付加硬化性シリコーン樹脂組成物が得られる。
以下、本発明の各成分について説明する。
[(A)分岐状(樹脂状)オルガノポリシロキサン]
本発明の(A)成分は、本発明の付加硬化性シリコーン樹脂組成物の主成分となるものであり、下記式(1)
(R1 3SiO1/2r(R1 2SiO2/2s(R1SiO3/2t(SiO4/2u
(1)
(式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜12の置換又は非置換の一価飽和炭化水素基及び炭素数2〜6のアルケニル基から選ばれる基であり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基である。rは0〜100の整数、sは0〜300の整数、tは0〜200の整数、uは0〜200の整数であり、ただし1≦t+u≦400、3≦r+s+t+u≦800である。)
で示されるオルガノポリシロキサンである。
ここで、R1は炭素数1〜12,好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4の置換又は非置換の一価飽和炭化水素基及び炭素数2〜6のアルケニル基から選ばれる基である。一価飽和炭化水素基の例としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、及びこれらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基、(メタ)アクリルオキシ基、グリシジルオキシ基、メルカプト基、アミノ基等で置換したもの、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化一価飽和炭化水素基;β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基等のシアノアルキル基;3−メタクリルオキシプロピル基、3−グリシジルオキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−アミノプロピル基等が例示される。アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基、スチリル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、シクロヘキシル基などが好ましく、メチル基が特に好ましい。ただし、R1の少なくとも2個はアルケニル基であり、アルケニル基としてはビニル基が好ましい。
なお、アルケニル基は一分子中に少なくとも2個有するものであるが、(A)成分のオルガノポリシロキサン中0.005〜0.5モル/100g、特に0.01〜0.2モル/100g含有していることが好ましい。
また、アルケニル基は、R1 3SiO1/2単位にあっても、R1 2SiO2/2単位にあっても、R1SiO3/2単位にあっても、これら複数にあってもよいが、R1 3SiO1/2単位に有することが好ましい。
また、rは0〜100の整数であり、好ましくは0〜75の整数であり、より好ましくは0〜50の整数であるが、さらに好ましくはrが2以上、特には2〜50、とりわけ3〜40、最も好ましくは3〜35であり、この場合、R1 3SiO1/2単位がアルケニル基を有するときは、当該アルケニル基を有するR1 3SiO1/2単位のrは2〜50であることが好ましい。sは0〜300の整数であり、好ましくは0〜200の整数であり、さらに好ましくは0〜100の整数であり、tは0〜200の整数であり、好ましくは0〜100の整数であり、さらに好ましくは0〜50の整数であり、uは0〜200の整数であり、好ましくは0〜100の整数であり、さらに好ましくは0〜50の整数である。ただし、1≦t+u≦400であり、好ましくは1≦t+u≦200であり、より好ましくは1≦t+u≦100である。また、3≦r+s+t+u≦800であり、好ましくは4≦r+s+t+u≦600である。該オルガノポリシロキサンは、R1SiO3/2単位(T単位)、及び/又はSiO4/2単位(Q単位)を必須とするので、分岐状(樹脂状)構造を有する。
[(B)直鎖状オルガノポリシロキサン]
本発明の(B)成分も、本発明の付加硬化性シリコーン樹脂組成物の主成分となるものであり、(A)成分の分岐状オルガノポリシロキサンと併用することによって、粘度を低下させ、更には硬化物の強度を向上させる等の役割を担うものである。該オルガノポリシロキサンは、下記式(2)
(R1 3SiO1/22(R1 2SiO2/2x (2)
(式中、R1の定義は上記と同じであり、R1の少なくとも2個はアルケニル基であり、xは200〜700の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサンである。R1については、上記(A)成分における具体例に挙げられた基と同じものが例示でき、xは200〜700の整数であり、好ましくは300〜600である。xが200より小さいと、硬化物が十分な強度が得られず、xが700より大きいと硬化物が白濁してしまう。
なお、アルケニル基は一分子中に少なくとも2個有するものであり、(B)成分中10×10-3〜10×10-1モル/100g、特に10×10-3〜10×10-2モル/100g含有していることが好ましい。
また、アルケニル基は、R1 3SiO1/2単位にあっても、R1 2SiO2/2単位にあっても、これら複数にあってもよいが、R1 3SiO1/2単位に有することが好ましい。
(B)成分の配合量は、(A)成分と合わせて100質量部となる量であり、前記(A)成分と(B)成分との配合比率としては、質量比で(A):(B)=1:1〜2:1であることが好ましく、1.2:1〜2:1であることがより好ましく、1.4:1〜2:1であることが更に好ましい。この範囲内であれば、硬化物のタックがなく、ダイシング性が良好であるので好適である。
[(C)環状ビニルシロキサン]
本発明の(C)成分は、前記(A)及び(B)成分とともに用いることで、架橋密度を調整し、その結果組成物の粘度や硬化物の硬度、強度を改善することができる。該環状シロキサンは、下記式(3)
Figure 2017193702
(式中、R1は上記と同じであり、nは3〜6の整数である。)
で示される環状シロキサンであって、R1については、上記(A)成分における具体例に挙げた基と同じものが例示でき、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。nは3〜6の整数であり、好ましくは3又は4である。
具体的には、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタビニルシクロペンタシロキサン等が例示される。
(C)成分の添加量としては、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して2〜7質量部となる量であり、好ましくは2〜6質量部、より好ましくは3〜6質量部である。2質量部未満では十分に粘度を下げることができず、更に得られる硬化物は十分な強度を有さない。また、環状ビニルシロキサンはヒドロシリル化の抑制作用を持つことが知られているため、7質量部より多く添加すると硬化時間が長くなってしまい、更に架橋密度が大きくなりすぎるため、脆くなってしまう。
[(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
本発明の(D)成分は、前記(A)〜(C)成分とヒドロシリル化反応によって架橋構造を形成し、該シリコーン樹脂組成物を硬化させる架橋剤の役割を担うものである。
(D)ヒドロシリル基を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは特に限定されるものではないが、下記式(4)
(R2 3SiO1/2r'(R2 2SiO2/2s'(R2SiO3/2t'(SiO4/2u'
(4)
(式中、R2は互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基であり、R2の少なくとも2個は水素原子である。r’は0〜100の整数、s’は0〜300の整数、t’は0〜200の整数、u’は0〜200の整数であり、ただし、2≦r’+s’+t’+u’≦800である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを好適に用いることができる。ここで、R2は水素原子、又は炭素数1〜12,特に1〜6の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基であり、一価飽和炭化水素基の例としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、及びこれらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの等が例示されるが、R2のうち少なくとも2個は水素原子であり、その他の置換基はメチル基が好ましい。
r’は0〜100の整数であり、好ましくは0〜75の整数であり、さらに好ましくは0〜50の整数であるが、特に2以上であり、s’は0〜300の整数であり、好ましくは0〜200の整数であり、さらに好ましくは0〜100の整数であるが、特に1以上、とりわけ2以上が好ましい。t’は0〜200の整数であり、好ましくは0〜100の整数であり、さらに好ましくは0〜50の整数であり、u’は0〜200の整数であり、好ましくは0〜100の整数であり、さらに好ましくは0〜50の整数であり、2≦r’+s’+t’+u’≦800の範囲であることが好ましく、3≦r’+s’+t’+u’≦400の範囲であることがより好ましく、4≦r’+s’+t’+u’≦200の範囲であることがさらに好ましい。
なお、水素原子は一分子中に少なくとも2個有するものであり、(D)成分中0.1〜10モル/100g、特に0.5〜5モル/100g含有していることが好ましい。
また、水素原子は、R2 3SiO1/2単位にあっても、R2 2SiO2/2単位にあっても、R2SiO3/2単位にあっても、これら複数にあってもよいが、R2 3SiO2/2単位に有することが好ましい。
(D)成分のヒドロシリル基を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、(A)〜(C)成分中に含まれるアルケニル基1モルに対して(D)成分中のヒドロシリル基が0.4〜4.0モルとなる量であり、好ましくは0.6〜2.0モルとなる量であり、更に好ましくは0.8〜1.6モルとなる量である。0.4モル未満ではSiH基が不足するため硬化不良となり、4.0モルを超えると残存SiH基による脱水素などの副反応が生じやすくなる。
[(E)ヒドロシリル化触媒]
(E)成分はヒドロシリル化触媒である。該触媒は、ヒドロシリル化反応を進行させ得る能力を有するものであればよく、特に限定されるものでない。中でも、白金族金属単体及び白金族金属化合物から選ばれる触媒が好ましい。例えば、白金(白金黒を含む)、塩化白金、塩化白金酸、白金−ジビニルシロキサン錯体等の白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体等の白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられる。これらの触媒は、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも特に好ましくは、塩化白金酸、及び白金−ジビニルシロキサン錯体等の白金−オレフィン錯体である。
(E)成分の配合量は触媒量でよい。触媒量とは、ヒドロシリル化反応を進行できる量であればよく、希望する硬化速度に応じて適宜調整すればよい。例えば、白金族金属触媒である場合には、反応速度の観点から、白金族金属原子に換算した質量基準で、上記(A)〜(D)成分の合計質量に対して5〜20ppmとなる量が好ましく、更には5〜10ppmとなる量がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、上述した(A)〜(E)成分以外に、必要に応じて、蛍光体、無機充填材、接着助剤、硬化抑制剤等を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
[蛍光体]
蛍光体は、特に制限されるものでなく、従来公知の蛍光体を使用すればよい。例えば、半導体素子、特に窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであることが好ましい。このような蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属硫化物蛍光体、アルカリ土類金属チオガレート蛍光体、アルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機錯体蛍光体、Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等から選ばれる1種以上であることが好ましい。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体としては、M2Si58:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。また、MSi710:Eu、M1.8Si50.28:Eu、及びM0.9Si70.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などが挙げられる。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体としては、MSi222:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体としては、M5(PO43X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu、Mn、Eu及びMnのいずれか1種以上である。)が挙げられる。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体としては、M259X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu、Mn、Eu及びMnのいずれか1種以上である。)が挙げられる。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体としては、SrAl24:R、Sr4Al1425:R、CaAl24:R、BaMg2Al1627:R、BaMg2Al1612:R、及びBaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、Eu及びMnのいずれか1種以上である。)が挙げられる。
アルカリ土類金属硫化物蛍光体としては、La22S:Eu、Y22S:Eu、及びGd22S:Euなどが挙げられる。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体としては、Y3Al512:Ce、(Y0.8Gd0.23Al512:Ce、Y3(Al0.8Ga0.2512:Ce、及び(Y,Gd)3(Al,Ga)512の組成式で表されるYAG系蛍光体が挙げられる。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、Zn2GeO4:Mn、MGa24:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)等が挙げられる。
上記蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることができる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%表示で、CaCO3をCaOに換算して20〜50モル%、Al23を0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物又は遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体である。なお、オキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体では、窒素含有量が15モル%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光ガラス中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体を使用することもできる。
蛍光体を配合する場合の配合量は、(A)〜(D)成分100質量部に対して、0.1〜2,000質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜100質量部である。本発明の硬化物を蛍光体含有波長変換フィルムとする場合は、蛍光体の配合量を10〜2,000質量部とするのが好ましい。また、蛍光体は、平均粒径10nm以上を有することが好ましく、より好ましくは10nm〜10μm、更に好ましくは10nm〜1μmを有するのがよい。上記平均粒径は、シーラスレーザー測定装置などのレーザー光回折法による粒度分布測定で測定される。
[無機充填材]
無機充填材としては、例えば、シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化亜鉛等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を併せて使用することができる。無機充填材を配合する場合の配合量は特に制限されないが、(A)〜(D)成分の合計100質量部あたり20質量部以下、好ましくは0.1〜10質量部の範囲で適宜配合すればよい。
[接着助剤]
本発明の硬化性組成物は、接着性を付与するため、必要に応じて接着助剤を含有してよい。接着助剤としては、例えば、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子、アルケニル基、アルコキシ基、エポキシ基から選ばれる官能性基を少なくとも2種、好ましくは3種有するオルガノシロキサンオリゴマーが挙げられる。該オルガノシロキサンオリゴマーは、ケイ素原子数4〜50個であることが好ましく、より好ましくは4〜20個である。また、接着助剤として、下記一般式(5)で示されるオルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物、及びその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)を使用することができる。
Figure 2017193702
上記式(5)中、R3は互いに独立に、下記式(6)で示される有機基、又は酸素原子を有していてもよい脂肪族不飽和一価炭化水素基である。ただし、R3の少なくとも1個は下記式(6)で示される基である。
Figure 2017193702
(R4は水素原子又は炭素数1〜6のメチル基、エチル基等の一価炭化水素基であり、kは1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数である。)
上記式(5)において、R3の酸素原子を有していてもよい一価脂肪族不飽和炭化水素基としては、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜6の直鎖状又は分岐のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−メチルプロペニル基や、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
接着助剤を配合する場合の配合量は、(A)〜(D)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部、特に好ましくは0.2〜5質量部である。配合量が上記上限値以下であれば硬化物硬度が高いものとなり、表面タック性も抑えられる。
また、接着助剤を配合する場合の配合量として、本接着助剤を含む全組成物中のアルケニル基の合計個数に対して、全組成物中のヒドロシリル基の合計個数の比が0.4〜4となる量が好ましく、0.6〜3となる量がより好ましく、0.8〜2となる量が更に好ましい。
[硬化抑制剤]
本発明の硬化性組成物は、反応性を制御して貯蔵安定性を高めるために、硬化抑制剤を含んでよい。硬化抑制剤としては、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類、及びそのシラン変性物及びシロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物が挙げられる。硬化抑制剤を配合する場合の配合量は、(E)成分のヒドロシリル化触媒中の触媒有効量に対して、モル比で5〜100倍の量が好ましく、より好ましくは5〜50倍の量である。
[その他の添加剤]
本発明の硬化性組成物には、上記成分のほかに、その他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、老化防止剤、ラジカル禁止剤、難燃剤、界面活性剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤、有機溶剤等が挙げられる。これらの任意成分は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物の最も単純な実施形態は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分からなる組成物である。好ましくは、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び蛍光体からなる組成物である。特には、高い透明性を有する硬化物を得るために、シリカ等の無機充填材を含有しないものがよい。該無機充填材の例は上述の通りである。
本発明の硬化性組成物の調製方法は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよい。例えば、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を任意の方法により混合して調製することができる。または、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分と蛍光体、もしくは(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分、及び任意成分を任意の方法により混合して調製すればよい。例えば、市販の攪拌機(THINKY CONDITIONING MIXER((株)シンキー製)等)に入れて、1〜5分間程度、均一に混合することによって調製することができる。
本発明の硬化性組成物を硬化する方法は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよい。例えば、60〜180℃、1〜12時間程度で硬化することができる。特には、60〜180℃、好ましくは60〜150℃でステップキュアによって硬化させることが好ましい。ステップキュアでは、以下の2段階を経ることがより好ましい。まず、硬化性組成物を60〜100℃の温度で0.5〜2時間加熱し、十分に脱泡させる。次いで、硬化性組成物を120〜180℃の温度で1〜10時間加熱硬化させる。これらの段階を経ることにより、硬化物が厚い場合であっても十分に硬化し、気泡の発生がなく、無色透明を有することができる。なお、本発明において無色透明の硬化物とは、1mm厚に対する450nmにおける光透過率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上であるものを意味する。光透過率の測定は後述する通りである。
本発明の硬化性組成物は高い光学的透過性を有する硬化物を与える。従って、本発明の硬化性組成物は、LED素子封止用、特に青色LEDや紫外LEDの素子封止用として有用なものである。本発明の硬化性組成物でLED素子等を封止する方法は従来公知の方法に従えばよい。例えば、ディスペンス法、コンプレッションモールド法などによって行うことができる。
本発明の硬化性組成物及び硬化物は、その他にも、その優れた耐クラック性、耐熱性、耐光性、透明性等の特性から、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の用途にも有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例に示した重量平均分子量(Mw)はポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した値である。以下に測定条件を示す。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL (試料濃度:0.5質量%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
下記実施例に示したVi(ビニル)価(モル/100g)及びSiH価(モル/100g)は、化合物の400MHzの1H−NMRスペクトルを測定し、ジメチルスルホキシドを内部標準として得られたビニル基又はヒドロシリル基の水素原子の積分値から計算したものである。
実施例及び比較例において使用した(C)成分を以下に示す。なお、下記式中Meはメチル基を示す。
(C−1)1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン(Vi価=1.16モル/100g)
(C−2)1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン(Vi価=1.16モル/100g)
(C−1’)下記式で表される両末端ビニルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、Vi価=0.217モル/100g)
Figure 2017193702
(C−2’)下記式で表される両末端ビニル(ジメチル)(メチルビニル)シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、Vi価=1.14モル/100g)
Figure 2017193702
(C−3’)1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(SiH価=1.18モル/100g)
以下に、実施例及び比較例において使用した(A)成分、(B)成分、(D)成分及び(E)成分を示す。なお、下記式中Meはメチル基を示す。
(A)下記式で表されるメチル系シリコーンレジン(信越化学工業株式会社製、Vi価=9.12×10-2モル/100g)
Figure 2017193702
(B)下記式で表される両末端ビニルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、Vi価=5.12×10-3モル/100g)
Figure 2017193702
(D)下記式で表されるSiH基含有直鎖状シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、SiH価=1.63モル/100g)
Figure 2017193702
(E)塩化白金酸のジビニルシロキサン錯体
[実施例1]
(A)53質量部、(B)36質量部、(C)4質量部、(D)7質量部を混合し、(E)塩化白金酸のジビニルシロキサン錯体を白金量として5ppm加えて混合し、硬化性組成物を調製した。
[実施例2〜4及び比較例1〜5]
各成分の配合量を表1に記載の通り変更した他は実施例1と同様の操作を繰返し、硬化性組成物を調製した。
上記実施例1〜4及び比較例1〜5で調製した硬化性組成物について以下に示す試験を行った。
[硬化性組成物の粘度]
JIS Z 8803:2011に準じ、B型粘度計を用いて23℃での硬化性組成物の粘度を測定した。結果を表1に記載する。
[硬化物の硬さ]
50mm径×10mm厚のアルミシャーレに調製した硬化性組成物を流し込み、60℃×1時間、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアし、サンプルを作製した。得られた硬化物の硬さ(デュロメータShoreAもしくはShoreD)をJIS K 6253−3:2012に記載の方法に準拠して測定した。結果を表1に記載する。
[硬化物の光透過率]
50mm×20mm×1mm厚のスライドガラス2枚の間に凹型の1mm厚テフロン(登録商標)スペーサーを挟み、それらを固定した後、硬化性組成物を流し込み、60℃×1時間、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアし、透過率測定サンプルを作製した。得られたサンプルの450nmにおける光透過率を分光光度計 U−4100(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて測定した。結果を表1に記載する。
[硬化物の引張強さ及び切断時伸び]
150mm×200mm×2mm厚の凹型テフロン(登録商標)金型に調製した硬化性組成物を流し込み、60℃×1時間、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアし、試験サンプルを作製した。JIS K 6251:2010に準拠して、EZ TEST(EZ−L、株式会社島津製作所製)を用いて、試験速度500mm/min、つかみ具間距離80mm、標点間距離40mmの条件でサンプルの引張強さと切断時伸びを測定した。
結果を表1に記載する。
[硬化物のタック性]
硬化物の表面に親指を1秒間押しつけ、引き剥がす時の抵抗を官能評価した。抵抗を感じたものを「あり」、感じなかったものを「なし」とした。結果を表1に示す。
[硬化物のダイシング性]
凹型テフロン(登録商標)金型に調製した硬化性組成物を流し込み、60℃×1時間、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアして、100mm×100mm×2mm厚の硬化物シートを作製した。得られたシートについて、ZP07−SD2000−F1B333NBC−ZB1050(株式会社ディスコ)のブレードによるブレードダイシングによって評価した。評価は、ダイシングした部分がへこまないものを「良」、ダイシングした部分がへこむものを「不良」とした。結果を表1に示す。
Figure 2017193702
表1に示されるように、本発明の環状ビニルシロキサンを適量用いた硬化性シリコーン樹脂組成物は、十分な強度を有し、ダイシング性が良好であり、タックのない硬化物を与えるものである。また、樹脂組成物の粘度を低下させることができ、作業効率の向上も期待できるものである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. 下記(A)〜(E)成分
    (A)下記式(1)
    (R1 3SiO1/2r(R1 2SiO2/2s(R1SiO3/2t(SiO4/2u
    (1)
    (式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜12の置換又は非置換の一価飽和炭化水素基及び炭素数2〜6のアルケニル基から選ばれる基であり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基である。rは0〜100の整数、sは0〜300の整数、tは0〜200の整数、uは0〜200の整数であり、ただし1≦t+u≦400、3≦r+s+t+u≦800である。)
    で示される分岐状オルガノポリシロキサン
    (B)下記式(2)
    (R1 3SiO1/22(R1 2SiO2/2x (2)
    (式中、R1は上記と同じであり、ただしR1の少なくとも2個はアルケニル基であり、xは200〜700の整数である。)
    で示される直鎖状オルガノポリシロキサン
    (C)下記式(3)
    Figure 2017193702
    (式中、R1は上記と同じであり、nは3〜6の整数である。)
    で示される環状ビニルシロキサン;(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して2〜7質量部
    (D)ヒドロシリル基を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;(A)〜(C)成分中のアルケニル基1モルに対して(D)成分中のヒドロシリル基が0.4〜4.0モルとなる量、及び
    (E)ヒドロシリル化触媒;ヒドロシリル化反応を進行させるのに十分な量
    を含むことを特徴とする付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分と(B)成分との配合比が、質量比で(A):(B)=1:1〜2:1であることを特徴とする請求項1記載の付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記(D)成分が、下記式(4)
    (R2 3SiO1/2r'(R2 2SiO2/2s'(R2SiO3/2t'(SiO4/2u'
    (4)
    (式中、R2は互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基であり、R2の少なくとも2個は水素原子である。r’は0〜100の整数、s’は0〜300の整数、t’は0〜200の整数、u’は0〜200の整数であり、ただし、2≦r’+s’+t’+u’≦800である。)
    で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1又は2に記載の付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 前記(E)成分の配合量が、(A)〜(D)成分の合計質量に対して5〜20ppmとなる量である請求項1〜3のいずれか1項に記載の付加硬化性シリコーン樹脂組成物。
JP2017043725A 2016-04-15 2017-03-08 付加硬化性シリコーン樹脂組成物 Active JP6776954B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW106109568A TWI728074B (zh) 2016-04-15 2017-03-22 加成硬化性聚矽氧樹脂組成物
CN201710241725.3A CN107298862B (zh) 2016-04-15 2017-04-14 加成固化性有机硅树脂组合物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016082107 2016-04-15
JP2016082107 2016-04-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017193702A true JP2017193702A (ja) 2017-10-26
JP6776954B2 JP6776954B2 (ja) 2020-10-28

Family

ID=60155918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017043725A Active JP6776954B2 (ja) 2016-04-15 2017-03-08 付加硬化性シリコーン樹脂組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6776954B2 (ja)
TW (1) TWI728074B (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018165348A (ja) * 2017-03-29 2018-10-25 信越化学工業株式会社 高耐熱性付加硬化型シリコーン樹脂組成物
WO2020035149A1 (de) * 2018-08-17 2020-02-20 Wacker Chemie Ag Vernetzbare organosiloxan-zusammensetzungen
WO2020129461A1 (ja) 2018-12-19 2020-06-25 信越化学工業株式会社 マイクロエマルション組成物及びその硬化物、並びに、それを含んだ化粧料
JP2021169642A (ja) * 2020-04-14 2021-10-28 信越化学工業株式会社 シリル化イソシアヌレート化合物及び金属腐食防止剤

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342200A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Shin Etsu Chem Co Ltd ダイボンディング用シリコーン樹脂組成物
JP2007063538A (ja) * 2005-08-03 2007-03-15 Shin Etsu Chem Co Ltd 発光ダイオード用付加硬化型シリコーン樹脂組成物
JP2012012434A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Dow Corning Toray Co Ltd 硬化性オルガノポリシロキサン組成物および光半導体装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342200A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Shin Etsu Chem Co Ltd ダイボンディング用シリコーン樹脂組成物
JP2007063538A (ja) * 2005-08-03 2007-03-15 Shin Etsu Chem Co Ltd 発光ダイオード用付加硬化型シリコーン樹脂組成物
JP2012012434A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Dow Corning Toray Co Ltd 硬化性オルガノポリシロキサン組成物および光半導体装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018165348A (ja) * 2017-03-29 2018-10-25 信越化学工業株式会社 高耐熱性付加硬化型シリコーン樹脂組成物
WO2020035149A1 (de) * 2018-08-17 2020-02-20 Wacker Chemie Ag Vernetzbare organosiloxan-zusammensetzungen
WO2020129461A1 (ja) 2018-12-19 2020-06-25 信越化学工業株式会社 マイクロエマルション組成物及びその硬化物、並びに、それを含んだ化粧料
KR20210104702A (ko) 2018-12-19 2021-08-25 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 마이크로에멀전 조성물 및 그의 경화물, 그리고, 그것을 포함한 화장료
JP2021169642A (ja) * 2020-04-14 2021-10-28 信越化学工業株式会社 シリル化イソシアヌレート化合物及び金属腐食防止剤
JP7301018B2 (ja) 2020-04-14 2023-06-30 信越化学工業株式会社 シリル化イソシアヌレート化合物の混合物及び金属腐食防止剤

Also Published As

Publication number Publication date
TWI728074B (zh) 2021-05-21
JP6776954B2 (ja) 2020-10-28
TW201803913A (zh) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4927019B2 (ja) 蛍光体含有接着性シリコーン組成物、該組成物からなる組成物シート、及び該シートを使用する発光装置の製造方法
JP5526823B2 (ja) シリコーン樹脂で封止された光半導体装置
JP5505991B2 (ja) 高接着性シリコーン樹脂組成物及び当該組成物を使用した光半導体装置
JP4949130B2 (ja) 蛍光体充填硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物
KR101986849B1 (ko) Uv 경화형 접착성 실리콘 조성물, uv 경화형 접착성 실리콘 조성물 시트, 광반도체 장치 및 그의 제조 방법
JP5661657B2 (ja) シリコーン樹脂組成物、蛍光体含有波長変換フィルム、及びそれらの硬化物
JP6657037B2 (ja) 付加硬化性シリコーン樹脂組成物および半導体装置
JP6347237B2 (ja) 付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物及び半導体装置
JP7170450B2 (ja) 付加硬化型シリコーン樹脂組成物及び半導体装置
JP6601142B2 (ja) 付加縮合併用硬化性シリコーン樹脂シート、波長変換シート、及び発光装置の製造方法
JP6776954B2 (ja) 付加硬化性シリコーン樹脂組成物
JP6313722B2 (ja) 付加硬化型シリコーン組成物および半導体装置
CN107298862B (zh) 加成固化性有机硅树脂组合物
JP2015113348A (ja) 硬化性組成物および光半導体装置
WO2019026754A1 (ja) 硬化性シリコーン組成物、および光半導体装置
JP2021042274A (ja) 硬化性有機ケイ素樹脂組成物
JP6428595B2 (ja) 付加硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP6561871B2 (ja) 縮合硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP6784637B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2016506998A (ja) 蛍光体含有硬化型シリコーン組成物及びそれから作製される硬化型ホットメルトフィルム
JP2018165348A (ja) 高耐熱性付加硬化型シリコーン樹脂組成物
JP6510468B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及び硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法
JP7100600B2 (ja) 硬化性有機ケイ素樹脂組成物
JP2020143206A (ja) 硬化性有機ケイ素樹脂組成物
JP2018062607A (ja) ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6776954

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150