JP6510468B2 - 硬化性シリコーン樹脂組成物及び硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物及び硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性シリコーン樹脂組成物及び硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法に関する。
シリコーン樹脂は耐熱、耐光性などに優れることから、高耐久性が求められる電子材料分野で広く使用されている。特に発光ダイオード(LED)の分野では、近年LEDチップの出力が大きくなり、出力が大きくなるにつれて発熱量も多くなることから、従来のエポキシ樹脂に代わって高耐熱、高耐光性を有するシリコーン樹脂が使用されてきた。
しかし、シリコーン樹脂は他の有機物と比べて屈折率が低いという欠点があった。屈折率が低いと光取り出し効率が悪くなることから、シリコーン樹脂の屈折率向上が求められてきた。
屈折率を向上させる方法としてシリコーン樹脂に芳香族置換基を導入する方法が知られているが、芳香族置換基を導入するにつれて耐熱、耐光性が悪くなってしまう。
また、高屈折率を有する無機金属酸化物ナノ粒子をシリコーン樹脂中に分散させる方法も検討されているが、親水性の金属酸化物粒子を、疎水性のシリコーン樹脂中に均一に分散させることは困難であり、特に透明性が要求される用途には適用が難しい。また、均一に分散できたとしても強度が弱く、クラックが入りやすかった。
特許文献1では金属酸化物粒子をシリコーン樹脂中に均一に分散させているものの、芳香族基を含んでいるため、求められる耐熱、耐光性を有さない。また、特許文献2ではシリコーン樹脂に対して分散性・透明性に優れた金属酸化物粒子分散液の製造方法が紹介されているが、脱水素により表面処理するため安全性に問題があり、また低分子による修飾であるため、十分に反応させないと分散性が不十分となる。また、特許文献3ではポリシルセスキオキサンによって安定的に粒子を分散させる方法が紹介されているが、シルセスキオキサンによって粘度が高くなり、作業性が悪くなるという問題が考えられる。
特開2010―144137号公報 特開2014−076923号公報 特表2015−528829号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、硬化物を高強度のものとすることができる硬化性シリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。また、そのような組成物を容易に調製することができる硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液、及び
(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、シロキサン単位の数が50〜300であるオルガノポリシロキサン、
を含むものであり、
前記(A)成分が下記(A−1)成分及び(A−2)成分からなるものであることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
(A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子。
(A−2)下記式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)
このような硬化性シリコーン樹脂組成物であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、官能基を有する長鎖のオルガノポリシロキサンによって架橋しているため、その硬化物を高強度のものとすることができる硬化性シリコーン樹脂組成物となる。
また、前記(A−1)成分の金属酸化物ナノ粒子が、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物ナノ粒子であることが好ましい。
このような金属酸化物ナノ粒子を本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に好適に用いることができる。
また、本発明では、硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法であって、
(A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子を、(A−2)下記式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)、
に分散させることで(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液を準備する工程と、
該準備した(A)成分と(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、シロキサン単位の数が50〜300であるオルガノポリシロキサンを混合して硬化性シリコーン樹脂組成物を調製する工程、
を有することを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法を提供する。
このような調製方法であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散した硬化性シリコーン樹脂組成物を容易に調製することができる。
以上のように、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、良好な耐熱性を有し、硬化物を高強度のものとすることができる硬化性シリコーン樹脂組成物となる。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散した硬化性シリコーン樹脂組成物を容易に調製することができる。
上述のように、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、硬化物を高強度のものとすることができる硬化性シリコーン樹脂組成物が求められていた。
本発明者らは上記の課題について鋭意検討した結果、金属酸化物ナノ粒子を、直鎖状のオルガノポリシロキサンに分散させた分散液を含む硬化性シリコーン樹脂組成物であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、硬化物を高強度のものとすることができる硬化性シリコーン樹脂組成物となることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<硬化性シリコーン樹脂組成物>
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液、及び(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、シロキサン単位の数が50〜300であるオルガノポリシロキサンを含むものであり、上記(A)成分が下記(A−1)成分及び(A−2)成分からなるものである。
(A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子
(A−2)下記式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)
以下、各成分について説明する。
[(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、(A)成分として、金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液を含む。(A)成分は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の主成分となるものであり、(A−1)成分及び(A−2)成分から成る。
((A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子)
本発明において、(A)成分は、(A−1)成分として、屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子を含む。金属酸化物ナノ粒子の屈折率は組成物を成形体としたときの屈折率の観点から、2以上とする。なお、上記屈折率はプリズムカップリング法で測定される値である。また、平均1次粒子径は、組成物を成形体としたときの透明性の観点から、1〜100nm、好ましくは1〜50nm、更に好ましくは1〜30nmである。上記平均1次粒子径は、動的光散乱法で測定される値である。
本発明において使用される金属酸化物ナノ粒子の例としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル等の無機金属酸化物ナノ粒子が挙げられ、好ましくは酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウムであり、より好ましくは酸化チタン、酸化ジルコニウムである。これらは1種単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。また、金属酸化物ナノ粒子は、他の元素を若干量含む材料、いわゆるドーピングされた材料であってもよい。
また、本発明において使用される金属酸化物ナノ粒子はシランカップリング剤によって表面処理されていてもよい。このシランカップリング剤の例として、ケイ素原子を1個有するシランカップリング剤としては、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]−トリメトキシシラン、メトキシトリ(エチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が例示される。ケイ素原子を2個以上有するシランカップリング剤としては、α−トリメトキシ(ジメチル)ポリシロキサン、α−トリエトキシ(ジメチル)ポリシロキサン、α−トリメトキシ(メチルフェニル)ポリシロキサン、α−トリエトキシ(メチルフェニル)ポリシロキサン、α−トリメトキシ(ジフェニル)ポリシロキサン、α−トリエトキシ(ジフェニル)ポリシロキサン等が例示される。
((A−2)式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン)
本発明において、(A)成分は、(A−2)成分として下記式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンを含む。(A−2)成分は上記(A−1)成分の分散剤である。
(R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)
は互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基から選ばれる基であり、飽和炭化水素基の例としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子で置換したもの、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化一価炭化水素基が例示される。この中でも、メチル基、シクロヘキシル基などが好ましく、メチル基が特に好ましい。また、芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基やベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子で置換したものであってもよい。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
xは10〜300の整数であり、好ましくは50〜250の整数であり、より好ましくは50〜200の整数である。
[(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、(B)成分として、ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、シロキサン単位の数が50〜300であるオルガノポリシロキサンを含む。(B)成分は、(A−1)成分を架橋する成分であって、ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、好ましくは、直鎖状のオルガノポリシロキサンであって、該分子鎖の両末端のみにケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基をそれぞれ少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンである。また、そのシロキサン単位の数が、50〜300個であり、好ましくは、100〜300個であり、さらに好ましくは、150〜270個である。ただし、(A)成分と(B)成分との相溶性や、硬化物の物性などの観点から前記(A−2)成分のシロキサン鎖長よりも長いことが好ましい。
(B)成分の好ましい例としてより具体的には、下記に示す構造を例示できるがこれらに限定されない。
Figure 0006510468
上記式中nは50〜300の整数であり、好ましくは100〜270の整数である。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述した(A)、(B)成分以外に、必要に応じて、蛍光体、無機充填材、接着助剤等を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
[蛍光体]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、必要に応じて、蛍光体を含有することができる。蛍光体は、特に制限されるものでなく、従来公知の蛍光体を使用すればよい。例えば、半導体素子、特に窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであることが好ましい。このような蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体;Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属硫化物蛍光体、希土類硫化物蛍光体、アルカリ土類金属チオガレート蛍光体、アルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体;Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体;及びEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機錯体蛍光体、Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等を挙げることができる。なお、これらの蛍光体は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。具体例として、下記の蛍光体を例示できるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体としては、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である)が挙げられる。また、MSi10:Eu、M1.8Si0.2:Eu、及びM0.9Si0.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などが挙げられる。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体としては、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体としては、M(POX:R(Mは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu及びMnのいずれか1以上である。すなわち、Eu単独、Mn単独、Eu及びMnの両方である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体としては、MX:R(Mは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu及びMnのいずれか1以上である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体としては、SrAl:R、SrAl1425:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、及びBaMgAl1612:R、及びBaMgAl1017:R(Rは、Eu及びMnのいずれか1以上である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体としては、(Ba,Mg)Si:Eu、及び(Ba,Sr,Ca)SiO:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属硫化物蛍光体としては、(Ba,Sr,Ca)(Al,Ga):Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活される希土類硫化物蛍光体としては、LaS:Eu、YS:Eu、及びGdS:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属チオガレート蛍光体としては、MGa:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mgから選ばれる1種以上である)などが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、及びSrAlSi:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるゲルマン酸塩蛍光体としては、ZnGeO:Mnなどが挙げられる。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体としては、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、及び(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で表されるYAG系蛍光体が挙げられる。また、Yの一部又は全部をTb、Lu等で置換したTbAl12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類ケイ酸塩蛍光体としては、YSiO:Ce,Tbなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機錯体蛍光体としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体などが挙げられる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%表示で、CaCOをCaOに換算して20〜50モル%、Alを0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物又は遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体である。なお、オキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体では、窒素含有量が15質量%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光ガラス中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGa:Eu等が挙げられる。
上記で例示した蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることができる。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体を使用することもできる。
蛍光体を配合する場合の配合量は、(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、0.1〜2,000質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜100質量部である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させて、蛍光体含有波長変換フィルムとして使用する場合は、蛍光体の配合量を10〜2,000質量部とするのが好ましい。また、蛍光体の平均粒径は10nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm〜10μm、更に好ましくは10nm〜1μmである。なお、上記平均粒径は、シーラスレーザー測定装置などのレーザー光回折法による粒度分布測定で測定される。
[無機充填材]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、必要に応じて、無機充填材を含有することができる。無機充填材としては、例えば、シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化亜鉛等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を併せて使用することができる。無機充填材を配合する場合の配合量は特に制限されないが、(A)、(B)成分の合計100質量部あたり20質量部以下、好ましくは0.1〜10質量部の範囲で適宜配合すればよい。
[接着助剤]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、接着性を付与するため、必要に応じて接着助剤を含有することができる。接着助剤としては、例えば、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子、アルケニル基、アルコキシ基、及びエポキシ基から選ばれる官能性基を少なくとも2種、好ましくは3種有するオルガノシロキサンオリゴマーが挙げられる。該オルガノシロキサンオリゴマーは、ケイ素原子数4〜50個であることが好ましく、より好ましくは4〜20個である。また、接着助剤として、下記一般式(2)で示されるオルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物、及びその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)を使用することができる。
Figure 0006510468
上記式(2)中、Rは互いに独立に、下記式(3)で示される有機基又は酸素原子を有していてもよい脂肪族不飽和一価炭化水素基である。ただし、Rの少なくとも1個は下記式(3)で示される基である。
Figure 0006510468
(Rは水素原子又は炭素数1〜6のメチル基、エチル基等の一価炭化水素基であり、kは1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数である。)
上記式(2)において、Rの酸素原子を有していてもよい一価脂肪族不飽和炭化水素基としては、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜6の直鎖状又は分岐のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−メチルプロペニル基や、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
接着助剤を配合する場合の配合量は、(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部、特に好ましくは0.2〜5質量部である。配合量が上記上限値以下であれば硬化物硬度が高いものとなり、表面タック性も抑えられる。
[その他の添加剤]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物には、上記成分のほかに、その他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、老化防止剤、ラジカル禁止剤、難燃剤、界面活性剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤、有機溶剤等が挙げられる。これらの任意成分は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の最も単純な実施形態は、(A)成分、(B)成分からなる組成物である。好ましくは、(A)成分、(B)成分及び蛍光体からなる組成物である。特には、高い透明性を有する硬化物を得るためには、シリカ等の無機充填材を含有しないものがよい。該無機充填材の例は上述の通りである。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化する方法は特に制限されるものでなく、従来公知の方法に従えばよい。例えば、60〜180℃、1〜12時間程度で硬化することができる。特には、60〜150℃でステップキュアによって硬化させることが好ましい。ステップキュアでは、以下の2段階を経ることがより好ましい。まず、硬化性シリコーン樹脂組成物を10〜100℃の温度で0.5〜2時間加熱し、十分に脱泡させる。次いで、硬化性シリコーン樹脂組成物を120〜180℃の温度で1〜10時間加熱硬化させる。これらの段階を経ることにより、硬化物が厚い場合であっても十分に硬化し、気泡の発生がなく、無色透明の硬化物を得ることができる。なお、本発明において無色透明の硬化物とは、1mm厚に対する450nmにおける光透過率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上であるものを意味する。光透過率の測定には、例えば日立製分光光度計U−4100を用いることができる。
このような本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、良好な耐熱性を有し、硬化物を高強度のものとすることができる硬化性シリコーン樹脂組成物となる。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は高い光学的透過性を有する硬化物を与えることができる。従って、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、LED素子封止用、特に青色LEDや紫外LEDの素子封止用として有用なものである。なお、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物でLED素子等を封止する方法は従来公知の方法に従えばよい。例えば、ディスペンス法、コンプレッションモールド法などによって行うことができる。
(産業上の利用可能性)
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物は、その他にも、その優れた耐クラック性、耐熱性、耐光性、透明性等の特性から、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の用途にも有用である。
<硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法>
また、本発明では、硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法であって、
(A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子を、(A−2)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)、に分散させることで(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液を準備する工程と、該準備した(A)成分と(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを混合して硬化性シリコーン樹脂組成物を調製する工程、を有する硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法を提供する。
[分散液を準備する工程]
まず、上記(A−1)成分を上記(A−2)成分に分散させることで、(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液を準備する。(A−1)成分を(A−2)成分に分散させる方法としては、有機溶剤に分散した(A−1)成分及び(A−2)成分を混合し、溶剤を留去することによって(A−1)成分を(A−2)成分に分散させる方法が挙げられる。(A−1)成分と(A−2)成分の配合比(質量比)は特に限定されないが、例えば(A−1):(A−2)=1:9〜9:1とすることができる。このような比率であれば容易に分散液を準備することができる。(A−1)成分は、縮合触媒作用があるため、直接(B)成分のような長鎖のアルコキシ基又は水酸基を有するオルガノポリシロキサンと混合すると白濁、またはゲル化が進行してしまう。(B)成分よりも十分に短い鎖長のアルコキシ基又は水酸基を有するオルガノポリシロキサンでは均一に分散可能であるが、粘度上昇が速く、短鎖のポリシロキサンが混在するため硬化物の強度が低下してしまう。しかしながら、本発明のように予め(A−1)成分を(A−2)成分の直鎖状オルガノポリシロキサンに分散させ、分散液を準備し、その後、後述のように(B)成分と混合することによって、(A−1)成分の金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、硬化物が十分な強度を有する硬化性シリコーン樹脂組成物を調製することができる。
[硬化性シリコーン樹脂組成物を調製する工程]
次に、上記の工程で準備した(A)成分と(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを混合して硬化性シリコーン樹脂組成物を調製する。この工程における硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法は、少なくとも(A)成分と(B)成分を混合する方法であれば特に限定されるものではなく、従来公知の方法に従えばよい。例えば、(A)、(B)成分を任意の方法により混合して調製することができる。または、(A)、(B)成分と蛍光体、もしくは(A)、(B)成分、及び任意成分を任意の方法により混合して調製すればよい。例えば、市販の攪拌機(THINKY CONDITIONING MIXER((株)シンキー製)等)に入れて、1〜5分間程度、均一に混合することによって調製することができる。
このように、予め(A−1)金属酸化物ナノ粒子を(A−2)オルガノポリシロキサンに分散させることで、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散した硬化性シリコーン樹脂組成物を容易に調製することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例及び比較例に記載された原料を表1に記載された量で配合し硬化性シリコーン樹脂組成物を調製した。
[実施例1]
(A1)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアを下記式で表される両末端トリメチルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)で分散した分散液(ナノジルコニアと両末端トリメチルジメチルシリコーンオイルの質量比は70:30である。)
Figure 0006510468
(B1)下記式で表される両末端シラノールジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)
Figure 0006510468
[実施例2]
(A2)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアを下記式で表される両末端トリメチルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)で分散した分散液(ナノジルコニアと両末端トリメチルジメチルシリコーンオイルの質量比は70:30である。)
Figure 0006510468
(B2)下記式で表される両末端トリメトキシジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)
Figure 0006510468
[比較例1]
(A1’)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアをヘキサメチルジシロキサンで分散した分散液(ナノジルコニアとヘキサメチルジシロキサンの質量比は70:30である。)
(B1)下記式で表される両末端シラノールジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)
Figure 0006510468
[比較例2]
(A2’)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアを下記の(B1’)で分散した分散液(ナノジルコニアと(B1’)の質量比は70:30である。)
(B1’)下記式で表される両末端シラノールジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)
Figure 0006510468
[比較例3]
(A3’)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアを上記の(B1’)で分散した分散液(ナノジルコニアと(B1’)の質量比は70:30である。)
(B1)下記式で表される両末端シラノールジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)
Figure 0006510468
[比較例4]
(A4’)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアを下記式で表される両末端トリメチルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)で分散した分散液(ナノジルコニアと両末端トリメチルジメチルシリコーンオイルの質量比は70:30である。)
Figure 0006510468
(B2)下記式で表される両末端トリメトキシジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製)
Figure 0006510468
[比較例5]
(A1’)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアをヘキサメチルジシロキサンで分散した分散液(ナノジルコニアとヘキサメチルジシロキサンの質量比は70:30である。)
(D1’)下記式で表される両末端ビニルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、Vi価=5.12×10−3モル/100g)
Figure 0006510468
(E1’)下記式で表されるSiH基含有直鎖状シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、SiH価=1.63モル/100g)
Figure 0006510468
(F)白金(0)−1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンコンプレックス(東京化成工業株式会社製)。(F)成分の添加量は触媒量であるため表1には記載しなかった。
[比較例6]
(A1’)屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニアをヘキサメチルジシロキサンで分散した分散液(ナノジルコニアとヘキサメチルジシロキサンの質量比は70:30である。)
(D2’)下記式で表される両末端ビニルジメチルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、Vi価=0.217モル/100g)
Figure 0006510468
(E2’)下記式で表されるSiH基含有直鎖状シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、SiH価=0.138モル/100g)
Figure 0006510468
(F)白金(0)−1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンコンプレックス(東京化成工業株式会社製)。(F)成分の添加量は触媒量であるため表1には記載しなかった。
実施例及び比較例で調製した組成物、及びその硬化物の物性は下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
[硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度]
JIS Z 8803:2011に準じ、B型粘度計を用いて実施例及び比較例にて調製した硬化性シリコーン樹脂組成物の23℃での粘度を測定した。
[硬化物の透明性]
50mm×20mm×1mm厚のスライドガラス2枚の間に凹型の1mm厚PTFE樹脂製スペーサーを挟み、それらを固定した後、実施例及び比較例にて調製した硬化性シリコーン樹脂組成物を流し込み、60℃×1時間、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアした後の硬化物を目視により観察し、「透明」と「白濁」を判断した。
[硬化物の引張強さ及び切断時伸び]
150mm×200mm×2mm厚の凹型PTFE樹脂で表面をコーティングした金型に、実施例及び比較例にて調製した硬化性シリコーン樹脂組成物を流し込み、60℃×1時間、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアし、試験サンプルを作製した。JIS K 6251:2010に準拠して、EZ TEST(EZ−L、株式会社島津製作所製)を用いて、試験速度500mm/min、つかみ具間距離80mm、標点間距離40mmの条件で各試験サンプルの引張強さと切断時伸びを測定した。
[屈折率]
硬化物の屈折率はATAGO製デジタル屈折計RX−9000αを用いて波長589nmの光の屈折率を25℃で測定した。
Figure 0006510468
表1に示されるように、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(実施例1及び2)は、十分な強度と透明性を有し、かつ高屈折率の硬化物を与えるものであることが分かった。
一方、(A−2)成分の繰り返し数が0である比較例1では、組成物がゲル化した。これは、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散しなかったためと考えられる。
また、(A−2)成分として(B)成分を用いた比較例2では、硬化物の強度が不十分であった。これは、官能基を持つシリコーン(B)の繰り返し数が20と小さいためと考えられる。
また、(A−2)成分として官能基を持つシリコーン用いた比較例3では、硬化物の強度が不十分であった。これは、(A−2)成分に官能基を持つシリコーンを用いた上に、(A−2)の繰り返し数が20と小さいためと考えられる。
また、(A−2)成分の繰り返し数が300を超える比較例4では、硬化物が白濁し、硬化物の強度が不十分であった。これは、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散せず、凝集した部分が脆くなってしまったためと考えられる。
また、(A−2)成分の繰り返し数が0であり、(B)成分に変えて付加硬化型シリコーンを用いた比較例5では、硬化物が白濁し、硬化物の強度が不十分であった。これは、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散せず、凝集した部分が脆くなってしまったためと考えられる。
また、(A−2)成分の繰り返し数が0であり、(B)成分に変えて付加硬化型シリコーンを用いた比較例6では硬化物の強度が不十分であった。これは、官能基を持つシリコーンの繰り返し数が小さいためと考えられる。
[比較例7]
実施例1で使用した、屈折率が2.1、平均1次粒子径が10nmであるナノジルコニア((A−1)成分)、両末端トリメチルジメチルシリコーンオイル((A−2)成分)、及び両末端シラノールジメチルシリコーンオイル((B)成分)を同時に混合する以外は、実施例1と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物を調製した。
実施例1で使用した(A−1)成分、(A−2)成分及び(B)成分を同時に混合した比較例7では、金属酸化物ナノ粒子が分散し難く、混合中にゲル化してしまった。従って、比較例7では物性の評価を行わなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. 硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
    (A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液、及び
    (B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、シロキサン単位の数が50〜300であるオルガノポリシロキサン、
    を含むものであり、
    前記(A)成分が下記(A−1)成分及び(A−2)成分からなるものであることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子
    (A−2)下記式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン
    (R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
    (式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)
  2. 前記(A−1)成分の金属酸化物ナノ粒子が、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物ナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法であって、
    (A−1)屈折率が2以上であり、かつ動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmである金属酸化物ナノ粒子を、(A−2)下記式(1)で表される直鎖状オルガノポリシロキサン
    (R SiO1/2(R SiO2/2 (1)
    (式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、xは10〜300の整数である。)、
    に分散させることで(A)金属酸化物ナノ粒子のオルガノポリシロキサン分散液を準備する工程と、
    該準備した(A)成分と(B)ケイ素原子に結合した炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を1分子中に少なくとも2個有し、シロキサン単位の数が50〜300であるオルガノポリシロキサンを混合して硬化性シリコーン樹脂組成物を調製する工程、
    を有することを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法。
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