JP5131650B2 - 蛍光体含有シリコーン樹脂製レンズの製造方法 - Google Patents

蛍光体含有シリコーン樹脂製レンズの製造方法 Download PDF

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本発明は、特にLED用途などに好適に使用されるレンズに関する。詳細には光の波長を長波長側にシフトする蛍光物質の性質を利用してモールド部材内に蛍光物質を混入させ、LEDチップの発光色を変換するようにしたLED装置などに使用されるシリコーン製レンズ及び該レンズ成形に好適な付加硬化型のシリコーン樹脂組成物に関する。本発明は特に透明性と成形加工性が良好であり、表面のタック性が殆どなく、耐衝撃性に優れる蛍光体含有シリコーン製レンズ及び該レンズ成形用のシリコーン樹脂組成物に関する。
LED発光装置用レンズは、射出成形等の機械成形よって大量に製造されている。従来はアクリル、ポリカーボネート等の熱可塑樹脂を用いて成形されているが、LED発光装置の高出力化に伴い、熱可塑樹脂では耐熱性、耐変色性が不十分であるという問題が出てきた。
最近、鉛フリー半田が多く使用されるようになってきた。鉛フリー半田は従来の半田に比べ溶融温度が高いため、通常260℃以上の温度をかけて光学素子を基板に半田付けしている。このような温度で半田付けを行った場合、従来の熱可塑性材料からなるレンズでは変形が起ったり、高温のため黄変すると言った不具合が発生し使用することが出来なくなることがある。
このような状況からLED等のレンズにシリコーン樹脂を使用する検討が数多くなされており、さらには蛍光体を含有するレンズが求められている。従来シリコーンレンズに用いられてきた材料で成形した蛍光体含有レンズは成形、硬化時に蛍光体と樹脂の分離が起こりやすく、均一な硬質系材料では耐衝撃性が悪く、軟質ラバー系材料では変形が生じ易くその結果レンズとしての光り特性の低下、装置内部においてLEDチップ、ワイヤー等へストレスが発生するという問題があった。レンズに蛍光体を添加した場合には、従来の液状シリコーンでは成型時、保管時に蛍光体の分離が発生し、硬化後のレンズ成形体中で蛍光体の分散が不十分のため色斑が発生する問題があった。
したがって、本発明は、上記の従来技術の欠点を解消し、一般デバイスの落下試験でも破損しない耐衝撃性に優れると同時に、透明性と成形加工性が良好であり、表面のタック性が殆どなく、蛍光体が良好に分散したシリコーン製レンズ及び該レンズ成形用のシリコーン樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のレジン構造を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと特定のレジン構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを用いた付加硬化型シリコーン樹脂組成物でレンズを成形することによりこの課題を解決することができることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記シリコーン製レンズ及び該レンズ成形用シリコーン樹脂組成物を提供する。
即ち、第一に、
(A)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は独立にメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を示し、R4はビニル基又はアリル基を示し、aは0,1又は2で、bは1又は2で、a+bは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるレジン構造のオルガノポリシロキサン、
(B)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 cdSiO(4-c-d)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は上記の通りであり、cは0、1又は2で、dは1又は2で、c+dは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるレジン構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のビニル基又はアリル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子がモル比で0.1〜4.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:有効量、及び
(D)蛍光体
を含有してなるシリコーン樹脂組成物を加熱硬化してなるシリコーン製レンズを提供する。
このレンズは、好ましくは、前記シリコーン樹脂組成物を金型内で加圧下に加熱硬化させてなるものである。
前記シリコーン樹脂組成物は好ましくは常温で固体である。そのために、組成物中に分散した(D)成分の蛍光体は長期の保管においても、成形、硬化の過程でも沈降したりせず、均一に分散したレンズを得ることができる。
前記シリコーン樹脂組成物において、好ましくは、(A)成分及び/又は(B)成分がシラノール基を含有するものである。そのために、シラノール基をシリル化処理等で封鎖していないため吸水時の白濁を低減することができる。
前記シリコーン樹脂組成物は、好ましくは、(D)成分を除いた場合の組成物の硬化物が400nmから可視光領域で90%以上の光透過率を有するものである。これにより、光特性に優れたレンズが得られる。
前記のシリコーン樹脂組成物において、好ましくは、(D)成分の蛍光体は粒径10nm以上の無機蛍光体である。光の変換効率の面から有利であるからである。
本発明のシリコーン製レンズはこのように光特性に優れるためLED素子用として特に好適である。
かくして、本発明は、第二に、
(A)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は独立にメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を示し、R4はビニル基又はアリル基を示し、aは0,1又は2で、bは1又は2で、a+bは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるレジン構造のオルガノポリシロキサン、
(B)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 cdSiO(4-c-d)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は上記の通りであり、cは0、1又は2で、dは1又は2で、c+dは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるレジン構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のビニル基又はアリル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子がモル比で0.1〜4.0となる量、
(C)白金族金属系触媒:有効量、及び
(D)蛍光体
を含有してなるレンズ成形用シリコーン樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、硬質レジンでありながら可撓性に優れ、透明性と成形加工性が良好で表面のタックが少ない硬化物を形成し、かつ従来の成型装置でも容易に成型可能な蛍光体を分散したシリコーン製レンズ及び該レンズ成形用のシリコーン樹脂組成物が得られる。
実施例においてシリコーンレンズの機械的特性を測定するためにサンプル成形レンズを示す正面図。 実施例において耐衝撃性を測定するために落下試験に供したサンプル成形レンズを示す正面図。 実施例においてレンズ硬化物中の蛍光体の分散性を測定するためのサンプル成形レンズの正面図。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
[硬化性シリコーン樹脂組成物]
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
−(A)レジン構造のオルガノポリシロキサン−
本発明組成物の重要な構成成分であるレジン構造(即ち、三次元網状構造)のオルガノポリシロキサンは、(A)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は独立にメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を示し、R4はビニル基又はアリル基を示し、aは0,1又は2で、bは1又は2で、a+bは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるオルガノポリシロキサンである。該R2 2SiO単位の繰り返し数は5〜300個であり、好ましくは10〜300個、より好ましくは15〜200個、更に好ましくは20〜100個である。
上記において、R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるとは、R2 2SiO単位が5〜300個連続して繰り返される構造が存在することを意味する。即ち(A)成分の分子中に式(1):
Figure 0005131650
(1)
(但し、mは5〜300の整数)
で表される直鎖状ジオルガノポリシロキサン連鎖構造が存在していることを意味する。
2 2SiO単位は(A)成分中において式(1)で表される構造を構成しないで(例えば、単独で又は4個以下の連鎖構造で)存在してもよい。しかし、(A)成分中に存在するR2 2SiO単位全体の50モル%以上(50〜100モル%)、好ましくは80モル%以上(80〜100モル%)が、式(1)で表される構造を構成して存在することが望ましい。
ここで、R2 2SiO単位は鎖状のポリマーを形成し、これにR1SiO1.5単位を導入することによって、鎖状のポリマーを分岐化或いは三次元網状化させることができる。R3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位の中のR4(ビニル基又はアリル基)は、後述する(B)成分のR3 cdSiO(4-c-d)/2単位のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)とヒドロシリル化付加反応することにより硬化物を形成する。
(A)成分を構成する各単位の割合は、得られる硬化物の特性(特に、物理的強度)の点から、好ましくは、
1SiO1.5単位が、90〜24モル%、より好ましくは、70〜28モル%、
2 2SiO単位が、75〜9モル%、より好ましくは、70〜20モル%
3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位が、50〜1モル%、より好ましくは10〜2モル%
(但し、これら3種の単位の合計が100モル%)
である。
なお、本明細書において、オルガノポリシロキサンが「レジン構造を有する」とか「レジン状である」とは、オルガノポリシロキサンを構成する全シロキサン単位に対する三官能性シロキサン単位R1SiO1.5単位の比率が20モル%以上であって、三次元網状のシロキサン構造を形成していることを意味する。
また、この(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、3,000〜1,000,000、特に10,000〜100,000の範囲にあることが、常温で該(A)成分が固体もしくは半固体状であるので作業性、硬化性などから好適である。
このような(A)成分のレジン構造のオルガノポリシロキサンは、当業者には周知である方法により、各単位の原料となる化合物を、上記の各単位が得られる生成物中で上記の割合となるように組み合わせ、例えば酸の存在下で共加水分解縮合を行うことによって合成することができる。
ここで、R1SiO1.5単位の原料としては、MeSiCl3、EtSiCl3、PhSiCl3(Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。以下同様。)、プロピルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシランや、それぞれのクロロシランに対応するメトキシシランなどのアルコキシシラン等が例示できる。
2 2SiO単位の原料としては、
ClMe2SiO(Me2SiO)nSiMe2Cl、
ClMe2SiO(Me2SiO)m(PhMeSiO)nSiMe2Cl、
ClMe2SiO(Me2SiO)m(Ph2SiO)nSiMe2Cl、
HOMe2SiO(Me2SiO)nSiMe2OH、
HOMe2SiO(Me2SiO)m(PhMeSiO)nSiMe2OH、
HOMe2SiO(Me2SiO)m(Ph2SiO)nSiMe2OH、
MeOMe2SiO(Me2SiO)nSiMe2OMe、
MeOMe2SiO(Me2SiO)m(PhMeSiO)nSiMe2OMe、
MeOMe2SiO(Me2SiO)m(Ph2SiO)nSiMe2OMe
(但し、m=5〜150の整数、n=5〜300の整数)
等を例示することができる。
また、R3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位は、R34SiO単位、R3 24SiO0.5単位、R4 2SiO単位、R34 2SiO0.5単位から選ばれる1種又は2種以上のシロキサン単位の任意の組み合わせであることを示し、その原料としては、Me2ViSiCl、MeViSiCl2、Ph2ViSiCl(Viはビニル基を示す。以下同様。)、PhViSiCl2や、それぞれのクロロシランに対応するメトキシシランなどのアルコキシシラン等を例示することができる。
なお、(A)成分において、R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位及び/又はR3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位中に共加水分解並びに縮合反応の途中で副生するシラノール基含有シロキサン単位を、通常、(A)成分中の全シロキサン単位に対して10モル%以下(0〜10モル%)、好ましくは5モル%以下(0〜5モル%)程度含有するものであってもよい。上記各シロキサン単位に対応するシラノール基含有シロキサン単位としては、R1(HO)SiO単位、R1(HO)2SiO0.5単位、R2 2(HO)SiO0.5単位、R3 a4 b(HO)SiO(3-a-b)/2単位、R3 a4 b(HO)2SiO(2-a-b)/2単位(ここでaは0又は1、bは1又は2、a+bは1又は2である。)が挙げられる。
−(B)レジン構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサン−
本発明組成物の重要な構成成分であるレジン構造(即ち、三次元網状構造)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 cdSiO(4-c-d)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は上記の通りであり、cは0,1又は2で、dは1又は2で、c+dは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個である、該R2 2SiO単位の繰り返し数は、好ましくは10〜300個、より好ましくは15〜200個、更に好ましくは20〜100個である。
上記において、R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるとは、R2 2SiO単位が5〜300個連続して繰り返される構造が存在することを意味する。即ち、(A)成分の場合と同様に、(B)成分の分子中に式(1):
Figure 0005131650
(1)
で表される直鎖状ジオルガノポリシロキサン連鎖構造が存在していることを意味する。
2 2SiO単位は(B)成分中において式(1)で表される構造を構成しないで(例えば、それぞれ単独で又は4個以下の連鎖構造で)存在してもよい。しかし、(B)成分中に存在するR2 2SiO単位全体の50モル%以上(50〜100モル%)、好ましくは80モル%以上(80〜100モル%)が、式(1)で表される構造を構成して存在することが望ましい。
この場合、R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 cdSiO(4-c-d)/2単位のそれぞれの機能は(A)成分に関して説明した通りである。
(B)成分を構成する各単位の割合は、得られる硬化物の特性(特に、物理的強度)の点から、好ましくは、
1SiO1.5単位が、90〜24モル%、より好ましくは、70〜28モル%、
2 2SiO単位が、75〜9モル%、より好ましくは、70〜20モル%
3 cdSiO(4-c-d)/2単位が、50〜1モル%、より好ましくは10〜2モル%
(但し、これら3種の単位の合計が100モル%)
である。
また、この(B)成分のGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、3,000〜1,000,000、特に10,000〜100,000の範囲にあるものが作業性、硬化物特性などの点から好適である。
このようなレジン構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、当業者には周知である方法により、各単位の原料となる化合物を、上記の各単位が得られる生成物中で上記の割合となるように組み合わせ、共加水分解を行うことによって合成することができる。
ここで、R1SiO1.5単位の原料としては、MeSiCl3、EtSiCl3、PhSiCl3、プロピルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシランや、それぞれのクロロシランに対応するメトキシシランなどのアルコキシシラン等が例示できる。
2 2SiO単位の原料としては、
ClMe2SiO(Me2SiO)nSiMe2Cl、
ClMe2SiO(Me2SiO)m(PhMeSiO)nSiMe2Cl、
ClMe2SiO(Me2SiO)m(Ph2SiO)nSiMe2Cl、
HOMe2SiO(Me2SiO)nSiMe2OH、
HOMe2SiO(Me2SiO)m(PhMeSiO)nSiMe2OH、
HOMe2SiO(Me2SiO)m(Ph2SiO)nSiMe2OH、
MeOMe2SiO(Me2SiO)nSiMe2OMe、
MeOMe2SiO(Me2SiO)m(PhMeSiO)nSiMe2OMe、
MeOMe2SiO(Me2SiO)m(Ph2SiO)nSiMe2OMe
(但し、m=5〜150の整数、n=5〜300の整数)
等を例示することができる。
また、R3 cdSiO(4-c-d)/2単位は、R35SiO単位、R3 25SiO0.5単位、R5 2SiO単位、R35 2SiO0.5単位から選ばれる1種又は2種以上のシロキサン単位の任意の組み合わせであることを示し、その原料としては、Me2HSiCl、MeHSiCl2、Ph2HSiCl、PhHSiCl2や、それぞれのクロロシランに対応するメトキシシランなどのアルコキシシラン等を例示することができる。上記各シロキサン単位に対応するシラノール基含有シロキサン単位としては、R1(HO)SiO単位、R1(HO)2SiO0.5単位、R2 2(HO)SiO0.5単位、R3 cd(HO)SiO(3-c-d)/2単位、R3 cd(HO)2SiO(2-c-d)/2単位(ここで、cは0又は1、dは1又は2、c+dは1又は2である。)が挙げられる。
この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分中のビニル基及びアリル基の合計量に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)がモル比で0.1〜4.0となる量、特に好ましくは0.5〜3.0、更に好ましくは0.8〜2.0となる量であることが好ましい。0.1未満では硬化反応が進行せず、シリコーン硬化物を得ることが困難であり、4.0を超えると未反応のSiH基が硬化物中に多量に残存するため、硬化物の物性が経時的に変化する原因となる。
なお、(B)成分において、R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位及び/又はR3 cdSiO(4-c-d)/2単位中に、共加水分解並びに縮合反応の途中で副生するシラノール基含有シロキサン単位が、通常、(B)成分中の全シロキサン単位に対して10モル%以下(0〜10モル%)、好ましくは5モル%以下(0〜5モル%)程度存在してもよい。
−(C)白金族金属系触媒−
この触媒成分は、本発明の組成物の付加硬化反応を生じさせるために配合されるものであり、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがある。コスト等の見地から白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、H2PtCl6・mH2O,K2PtCl6,KHPtCl6・mH2O,K2PtCl4,K2PtCl4・mH2O,PtO2・mH2O(mは、正の整数)等の白金化合物;これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を挙げることができる。これらは一種単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。これらの触媒成分の配合量は、有効量、即ち、所謂触媒量でよく、具体的には、通常、前記(A)成分と(B)成分の合計量に対して白金族金属の質量換算で0.1〜500ppm、特に好ましくは0.5〜100ppmの範囲で使用される。
−(D)蛍光体−
(D)成分の蛍光体は、公知の蛍光体であればいずれのものであってもよく、その配合量は(A)〜(C)の全成分100質量部に対して通常、0.1〜100質量部の範囲とする。(D)成分の蛍光体は、例えば、シーラスレーザー測定装置などのレーザー光回折法による粒度分布測定における粒径の範囲として、通常その粒径が10nm以上であればよく、好適には10nm〜10μm、より好適には10nm〜1μm程度のものが使用される。
蛍光物質は、例えば、窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体蛍光体、Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などがある。また、MSi:EuのほかMSi10:Eu、M1.8Si0.2:Eu、M0.9Si0.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などもある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などがある。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M(POX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1種以上である。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、MX:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl:R、SrAl1425:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、BaMgAl1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1種以上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、LaS:Eu、YS:Eu、GdS:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12の組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTbAl12:Ce、LuAl12:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGeO:Mn、MGa:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。)などがある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%表示で、CaCO をCaOに換算して20〜50モル%、Alを0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物または遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体である。尚、オキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体では、窒素含有量が15wt%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光ガラス中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用することができる。
−その他の成分−
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物には必要に応じて本発明の目的、効果を損なわない限り、以下の説明するような他の任意的成分を添加することができる。
・離型剤
この離型剤成分は本発明のシリコーン樹脂組成物を金型内で加圧成形し硬化させた後、金型から成形品を損傷なく取り出すために、必要に応じて任意に配合し得る成分である。
この離型剤に要求される特性としては、シリコーン樹脂組成物に完全に相溶し、無色で透明な硬化物を与えるものでなければならない。また、青色や白色などのLEDのレンズとして使用する場合は、透明性はもとより短波長の光線による劣化や、高温下での変色などがあってはならない。
このような要求を満足させる離型剤であればいかなるものでも使用可能であるが、なかでも、脂肪酸系(理研ビタミン製、商品名:リケマールAZ-01、リケマールB-100、リケマールHC-100、リケマールHC-200、リケマールS-95、リケマールS-200、リケマールTG-12、リケスターEW-100、リケスターEW-200、リケスターEW-250、リケスターEW-400、リケスターEW-440A、リケスターHT-10)、ポリエチレン系(クラリアント製、商品名:LICOWAX PED 136、LICOWAX PED 153、LICOWAX PED 371FP;ヘキスト製、商品名:HOE WAX PE 130 PDR、HOE WAX PED 191 PDR、HOE WAX PE 191 PDR、HOE WAX PE 191 Flakes、HOE WAX PE 520 Powder)、カルナバ系(東亜化成製、商品名:YTS-040625-03、カルナバキャンデリラ、リファイングラニューカルナバ)あるいはモンタン酸エステル系(クラリアント製、商品名:LICOLUBU WE40など)などが例示される。これらの中でも脂肪酸系離型剤がシリコーン樹脂との相溶性、硬化後の透明性、更には高温で放置した後の耐変色性において優れたものである。
離型剤は前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、通常、5質量%以下(0〜5質量%)、好ましくは0.05〜5質量%の量で配合することで射出成形などで成形したレンズを容易に金型から取り出すことが出来る。配合量が少なすぎると金型からの離型性を高め難く、連続して成形した場合50ショットを超えると離型性が悪くなることがあり、すると金型掃除が必要となるので生産性が低下する。また、5質量%を超えると離型剤の量が多すぎて得られるレンズ表面に滲み出してくることからレンズとしての特性が損なわれてしまう場合がある。離型剤は主剤((A)成分)と硬化剤((B)成分)を混合したものに、またはそれぞれに、またはそれらの一方のみに添加してもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、上述した各成分を均一に混合することによって調製されるが、通常は、硬化が進行しないように2液に分けて保存され、使用時に2液を混合して硬化を行う。勿論、アセチレンアルコール等の硬化抑制剤を少量添加して1液として用いることもできる。
また、本発明の組成物には透明性を阻害しない範囲であれば、従来公知の酸化防止剤やアエロジルのような超微細シリカや屈折率を硬化したシリコーン樹脂に合わせた無機質充填剤なども機械強度の向上や膨張係数を調整するため適宜配合することが出来る。
[シリコーン製レンズ]
本発明の組成物を用いて圧縮成型、トランスファー成型、射出成形などでレンズを成形する場合、粉体を二液タイプで保管し使用したほうが取り扱い上生産性を上げることが出来る。混合は使用前にミキサーやスクリューミキサーなどの混合装置を用い、直接混合したものを成形装置に注入し成形する。なお、成形条件は特に制限されるものではないが、成形条件はシリコーン樹脂組成物の硬化性にもよるが、通常、50〜200℃、特に、70℃〜180℃の温度で30秒〜30分、特に1〜10分で硬化させることが出来る。また、50〜200℃、特に70〜180℃で0.1〜10時間、特に1〜4時間程度のポストキュア(二次硬化)を行うことができる。
本組成物は常温で固体もしくは半固体で取り扱いが容易であり、上記の従来の成型方法に適応できる。
本発明のレンズ成形用シリコーン樹脂組成物は、(D)成分の蛍光体を配合する前の(A)〜(C)成分を含有してなる組成物を加熱硬化させて得られる硬化物が無色透明であり、特に400nmから可視光領域での光透過率が90%以上(90−100%)であることが好ましく、92%以上であることがより好適である。
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で粘度は25℃の値である。また、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。Phはフェニル基、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。
[合成例1]
−ビニル基含有オルガノポリシロキサンレジン(A1)−
PhSiCl3で示されるオルガノシラン:27mol、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:1mol、MeViSiCl2:3molをトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、ビニル基含有レジン(A1)を合成した。このレジンの重量平均分子量は62,000、融点は60℃であった。
[合成例2]
−ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンレジン(B1)−
PhSiCl3で示されるオルガノシラン:27mol、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:1mol、MeHSiCl2:3molをトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、ヒドロシリル基含有レジン(B1)を合成した。このレジンの重量平均分子量は58,000、融点は58℃であった。
[合成例3]
−ビニル基含有オルガノポリシロキサンレジン(A2)−
PhSiCl3で示されるオルガノシラン:27mol、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:1mol、Me2ViSiCl:3molをトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、ビニル基含有レジン(A2)を合成した。このレジンの重量平均分子量は63,000、融点は63℃であった。
[合成例4]
−ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンレジン(B2)−
PhSiCl3で示されるオルガノシラン:27mol、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:1mol、Me2HSiCl:3molをトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、ヒドロシリル基含有レジン(B2)を合成した。このレジンの重量平均分子量は57,000、融点は56℃であった。
[実施例1]
合成例1のビニル基含有レジン(A1):189g、合成例2のヒドロシリル基含有レジン(B1):189g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール:0.2g、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液:0.1gを加えた組成物90質量部に対して、さらに粒径5μm(平均粒径)の蛍光体(YAG)を10質量部加え60℃に加温したプラネタリーミキサーでよく撹拌し、シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物は、25℃において可塑性の固体であった。
この組成物を下記の評価試験に供した。
1)機械的特性
インジェクション成型機にて60℃に加温し射出成型し、150℃,5分で加熱成型して図1(正面図)に示す中空レンズ硬化物1を得た。このレンズは上から見ると(即ち、図示しない平面図では)直径3.0mmの円形であり、高さ1.6mmで、破線2で示すように内側が一方に開いた中空状になっている。内側中空部の高さは1.5mmであり、壁体の厚さは0.1mmである。更にこれを150℃,4時間で2次硬化させたものについて、JIS K 6251及びJIS K 6253に準拠し、引張強度(0.2mm厚)、硬度(タイプD型スプリング試験機を用いて測定)及び伸び率(0.2mm厚)を測定した。
2)耐衝撃性
図2(正面図)に示す形状の上から見ると円形であるドーム型中空レンズ3を成型し、これに3gの錘4を両面粘着テープ5により付着して1mの高さから塩ビ製タイルに落とした。クラック発生の有無を調べた。
2)表面のタック性
上記のように2次硬化させた硬化物表面のタック性を指触にて確認した。更に、市販の銀紛(平均粒径5μm)中に硬化物を置き、取り出し後、エアーを吹き付けて表面に埃のように付着した銀粉が取れるか試験した。
3)蛍光体の分散安定性
アルミナ基盤上に形成された直径6mm、中央部深さ2mmで底が凹曲面である凹部に上記の調製直後の樹脂組成物を入れ、上記と同様の条件で加熱硬化して図3(正面図)に示す形状の上から見ると円形であるレンズ成型物6を成型した。このレンズ成型物6の上部7と下部8のそれぞれから一部切り取り、各々を800℃にて加熱して灰化し、得られた灰中の蛍光体の含有量(質量%)を測定し、上部7と下部8における含有量を比較した。さらに、該組成物を−20℃の冷凍庫内に3月間保管した後に、組成物を上記と同様にレンズ成型物に成型し、同様にして上部と下部における蛍光体の含有量を比較した。こうして蛍光体の分散安定性を測定した。
4)耐熱衝撃性
硬化したサンプルを−50℃〜150℃の冷熱サイクル(1サイクル30分)100サイクルに供し、クラック発生の有無を調べた。
これらの各測定結果を表1に示す。
[実施例2]
合成例3のビニル基含有レジン(A2):189g、合成例4のヒドロシリル基含有レジン(B2):189g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール:0.2g、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液:0.1gを加えた組成物70質量部に対して、さらに粒径5μm(平均粒径)の蛍光体(YAG)を30質量部加えた後、これらを60℃に加温したプラネタリーミキサーでよく撹拌し、シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物は、25℃において可塑性の固体であった。該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例2において、前記蛍光体の添加量を10質量%(即ち、蛍光体配合前の組成物90質量部に対して、蛍光体を10質量部)に変更した以外は実施例2と同様にしてシリコーン樹脂組成物を調製した。さらにこの組成物100質量部に、脂肪酸系離型剤(理研ビタミン製リケスターEW-440A、ペンタエリスリトールテトラステアレート)を1.0質量部加え、よく攪拌混合し、離型剤入りシリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物は、25℃において可塑性の固体であった。該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[合成例5]
フェニルトリクロルシラン698質量部、メチルビニルジクロルシラン169質量部、ジメチルジクロルシラン194質量部、及びトルエン530質量部からなる混合物を水2500質量部中に激しく撹拌しながら60分間で滴下した。更に60分間撹拌を行ったのち、中性となるまで水洗した。水洗後シロキサン濃度を25質量%のトルエン溶液とし、水酸化カリウム0.42質量部添加し、加熱還流下で5時間重合させた。ついでトリメチルクロルシラン13.8質量部添加し、室温で60分間撹拌を行いアルカリを中和した。その後、ろ過し、過熱減圧下でトルエンを留去し、透明なビニル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
[比較例1]
下記式(i)
Figure 0005131650

で示されるポリシロキサン(VF)50質量部に、SiO2単位50モル%、(CH33SiO0.5単位42.5モル%及びVi3SiO0.5単位7.5モル%からなるレジン構造のビニルメチルシロキサン(VMQ)50質量部、SiH基量が前記VF及びVMQ成分中のビニル基の合計量当り1.5倍モルとなる量の下記式(ii)
Figure 0005131650
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液0.05質量部を加えてなる組成物90質量部に対して、さらに粒径5μm(平均粒径)の蛍光体(YAG)を10質量部加え、60℃に加温したプラネタリーミキサーでよく撹拌し、シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物は、25℃において可塑性の固体であった。該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
合成例5のビニル基含有シリコーンを100質量部に下記式で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン30質量部1%塩化白金酸のオクチルアルコール溶液0.05質量部を混合した組成物70質量部に対して、さらに粒径5μm(平均粒径)の蛍光体(YAG)を30質量部加え、60℃に加温したプラネタリーミキサーでよく撹拌し、シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物は、25℃において可塑性の固体であった。該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005131650
Figure 0005131650
1.中空レンズ硬化物
2.中空を示す破線
3.ドーム型中空レンズ
4.錘
5.両面粘着テープ

Claims (9)

  1. (A)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 a4 bSiO(4-a-b)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は独立にメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を示し、R4はビニル基又はアリル基を示し、aは0,1又は2で、bは1又は2で、a+bは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるレジン構造のオルガノポリシロキサン、
    (B)R1SiO1.5単位、R2 2SiO単位、及びR3 cdSiO(4-c-d)/2単位からなり(但し、R1、R2及びR3は上記の通りであり、cは0、1又は2で、dは1又は2で、c+dは2又は3である)、上記R2 2SiO単位の繰り返し数が5〜300個であるレジン構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のビニル基又はアリル基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子がモル比で0.1〜4.0となる量、
    (C)白金族金属系触媒:有効量、及び
    (D)蛍光体
    を含有してなる、常温で可塑性の固体であるシリコーン樹脂組成物を加熱下で成形、硬化させることからなるシリコーン製レンズの製造方法。
  2. 前記の(A)成分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量が3,000〜1,000,000の範囲にある請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記の(B)成分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量が3,000〜1,000,000の範囲にある請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記シリコーン樹脂組成物を金型内で加圧下に加熱硬化させてなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記シリコーン樹脂組成物の(A)成分及び/又は(B)成分がシラノール基を含有するものである請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
  6. 前記シリコーン樹脂組成物は、(D)成分を除いた場合の組成物の硬化物が400nmから可視光領域で90%以上の光透過率を有するものである請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
  7. (D)成分の蛍光体が粒径10nm以上の無機蛍光体である請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 前記シリコーン樹脂組成物を、50〜200℃で成形、硬化させる請求項1〜7のいずれか一項記載の製造方法。
  9. 前記シリコーン樹脂組成物を、50〜200℃で30秒〜30分間成形、硬化させた後、50〜200℃で0.1〜10時間ポストキュアを行う、請求項1〜8のいずれか一項記載の製造方法。
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