JP6652029B2 - ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法 - Google Patents

ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6652029B2
JP6652029B2 JP2016202741A JP2016202741A JP6652029B2 JP 6652029 B2 JP6652029 B2 JP 6652029B2 JP 2016202741 A JP2016202741 A JP 2016202741A JP 2016202741 A JP2016202741 A JP 2016202741A JP 6652029 B2 JP6652029 B2 JP 6652029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
silicone resin
curable silicone
nanoparticles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016202741A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018062607A (ja
Inventor
洋之 井口
洋之 井口
友之 水梨
友之 水梨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2016202741A priority Critical patent/JP6652029B2/ja
Publication of JP2018062607A publication Critical patent/JP2018062607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6652029B2 publication Critical patent/JP6652029B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、耐クラック性、耐熱性、耐光性及び透明性等の特性に優れる硬化物を与えるものであり、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光及び電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の用途に有用なシリコーン樹脂組成物及びその硬化方法に関する。
光学材料の分野において、樹脂材料の屈折率は光の速度、進路、反射を決定する重要な特性である。中でも高屈折率の材料は小さな曲率でも光の進路を曲げることができるため、レンズの薄膜化、高解像度化するために利用されている。
発光ダイオード(LED)の分野では、屈折率の低い樹脂材料を封止材として用いた場合、LEDチップと樹脂との屈折率差により光が全反射してしまい、光の取り出し効率が悪くなってしまうため、高屈折率の樹脂材料を用いた方がLEDの輝度が向上する。
近年LEDチップの出力が大きくなり、出力が大きくなるにつれて発熱量も多くなることから、従来のエポキシ樹脂に代わって高耐熱性及び高耐光性を有するシリコーン樹脂が使用されているが、シリコーン樹脂は他の有機物と比べて屈折率が低いという欠点がある。屈折率を向上させるために、芳香族置換基を導入する方法が知られているが、白金族金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)を触媒とした付加硬化型樹脂では、耐熱性及び耐光性が悪くなってしまう。また、芳香族基を導入するにつれ粘度が上昇するため、実用性の面から導入量は限られてしまう。
また、高屈折率を有するナノ粒子を樹脂材料中に分散させる方法も検討されているが、親水性のナノ粒子を、疎水性の樹脂中に均一に分散させることは困難である。疎水性の低い低分子には均一分散が容易であるが、硬化後の樹脂強度が弱く、クラックが入りやすかった。
下記の特許文献1及び特許文献2には、酸化金属粒子の処理方法及びジメチルシリコーン樹脂が紹介されているが、ジメチルシリコーン樹脂の場合、シリコーン樹脂の鎖長を長くすると分散性が悪く、短くすると樹脂強度が弱いという問題がある。
また、下記の特許文献3及び特許文献4には、アルコキシシリル基を有するシリコーン樹脂と金属酸化物粒子を反応させた樹脂組成物が報告されているが、アルコキシシリル基の加水分解硬化速度は小さく、深部まで硬化させるのが困難であった。
従って、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、高強度であり、且つ、速硬化性を有するシリコーン樹脂組成物を開発することが求められていた。
国際公開第2010/26992号 特開2011−144272号公報 特開2014−099651号公報 特開2010−144137号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ナノ粒子がシリコーン樹脂組成物中に均一に分散し、屈折率が高い硬化物を与える硬化性シリコーン樹脂組成物、及び該シリコーン樹脂組成物の硬化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記(A)及び(B)成分、
(A)動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmであるナノ粒子、及び
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基と1分子中に1個以上の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
を必須成分とする硬化性シリコーン樹脂組成物を用いることにより、ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高くなり、強度も十分となり、そのうえ、速硬化性を有するものであることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法を提供する。
〔1〕下記(A)及び(B)成分、
(A)動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmであるナノ粒子、及び
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基と1分子中に1個以上の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
を含むものであり、前記(A)成分のナノ粒子が、シランカップリング剤によって表面処理された酸化ジルコニウムまたは酸化チタンであることを特徴とするナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物。
〔2〕前記(A)成分のナノ粒子において、表面処理に用いるシランカップリング剤は、ケイ素原子を1個有するシランカップリング剤とケイ素原子を2個以上有するシランカップリング剤とを併用したものである〔1〕記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
〕前記ナノ粒子が、該粒子表面に前記(B)成分のヒドロシリル基との脱水素反応性を有する官能基を少なくとも3個以上有するものである〔1〕又は〔2〕記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
〕ヒドロシリル基との脱水素反応性を有する官能基がヒドロキシ基である〔〕記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
〕JIS K 0062:1992記載の方法で測定した25℃での589nmでの屈折率が1.58以上である硬化物を与える〔1〕〜〔〕のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
〕上記〔1〕〜〔〕のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱し、(A)成分と(B)成分との脱水素反応によって硬化させることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化方法。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物によれば、ナノ粒子がシリコーン樹脂組成物中に均一に分散することができると共に、硬化物の屈折率が高く、強度も十分であり、且つ、速硬化性を有するものである。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、下記(A)及び(B)成分、
(A)動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmであるナノ粒子、及び
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基と1分子中に1個以上の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
を必須成分とするものである。なお、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、付加反応硬化に寄与するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを主ポリマーとして含有しないものである。(A)成分及び(B)成分について以下に説明する。
[(A)動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmであるナノ粒子]
(A)成分は、動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmの範囲のナノ粒子である。また、平均1次粒子径は、シリコーン樹脂組成物を成形体としたときの透明性の観点から、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜30nmである。なお、上記平均1次粒子径は、動的光散乱法で測定される値(D50)である。なお、上記の平均粒子径を測定した動的光散乱法とは、粒子に光を照射したときの散乱光を検出することで粒径を測定するものであり、小さい粒子は素速い揺らぎを示し、大きい粒子はゆっくりした揺らぎを示すことを利用した測定法である。
前記ナノ粒子としては、金属酸化物を用いることが好適であり、具体的には、シリカ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化マンガン(IV)、及び酸化鉄(II)及び酸化銅(II)の群から選ばれる無機金属酸化物が挙げられる。上記の無機金属酸化物の群からは、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタンを用いることが好ましく、より好ましくは酸化ジルコニウム、酸化チタンである。これらは1種単独で使用してもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。また、上記の金属酸化物は、他の元素を若干量含む材料、所謂、ドーピングされた材料としてナノ粒子として使用してもよい。
金属酸化物ナノ粒子を採用する場合、該金属酸化物の屈折率としては、特に制限はないが、本発明の目的から1.7〜2.8であることが好ましい。
また、上記の金属酸化物(ナノ粒子)は、シランカップリング剤によって表面処理されていてもよい。このシランカップリング剤の例としては、以下のとおりである。
ケイ素原子を1個有するシランカップリング剤としては、例えば、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]−トリメトキシシラン、メトキシトリ(エチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
ケイ素原子を2個以上有するシランカップリング剤としては、下記式(1)及び(2)で示される末端アルコキシシリル基変性オルガノポリシロキサンが挙げられる。
Figure 0006652029
上記式中、上記R1は互いに独立に、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の1価飽和炭化水素基、或いは、炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10の1価芳香族炭化水素基から選ばれる基である。飽和炭化水素基の例として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;この中でも、メチル基、シクロヘキシル基などが好ましく、メチル基が特に好ましい。一方、芳香族炭化水素基の例として具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基や、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記式中、R2は炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3の1価飽和炭化水素基である。この1価飽和炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられ、特に、メチル基、エチル基が好ましい。
上記式中、Xは、酸素原子、または炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6である2価炭化水素基であって、該2価炭化水素基は、途中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい。Xの具体例としては、酸素原子、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基、シクロへキシレン基、及び下記式
−CH2CH2OCH2CH2CH2
−CH2CH2NHCH2CH2CH2
(但し、上記式においては、左側の遊離基にシロキサン末端のケイ素原子が結合し、右側の遊離基にアルコキシシリル基のケイ素原子が結合するものとする。)
で示される2価炭化水素基などが挙げられ、好ましくは酸素原子、エチレン基、プロピレン基、−CH2CH2OCH2CH2CH2−である。
上記式中、aは1〜3の整数であり、好ましくは2又は3の整数であり、更に好ましくは3の整数である。また、nは5〜50の整数であり、好ましくは10〜40の整数である。
上記式(1)及び(2)で示される末端アルコキシシリル基変性オルガノポリシロキサンの具体例としては、α−トリメトキシ(ジメチル)ポリシロキサン、α−トリエトキシ(ジメチル)ポリシロキサン、α−トリメトキシ(メチルフェニル)ポリシロキサン、α−トリエトキシ(メチルフェニル)ポリシロキサン、α−トリメトキシ(ジフェニル)ポリシロキサン、α−トリエトキシ(ジフェニル)ポリシロキサン、α−(2−トリメトキシシリルエチル)(ジメチル)ポリシロキサン、α−(2−トリエトキシシリルエチル)(ジメチル)ポリシロキサン、α,ω−ビストリメトキシ(ジメチル)ポリシロキサン、α,ω−ビストリエトキシ(ジメチル)ポリシロキサン、α,ω−ビス(2−トリメトキシシリルエチル)(ジメチル)ポリシロキサン等が例示される。
なお、表面処理に用いるシランカップリング剤は、1種を単独で或いは2種以上を併用してもよく、特に、2種以上を併用して用いることが好ましい。より好ましくはケイ素原子を1個有するシランカップリング剤とケイ素原子を2個以上有するシランカップリング剤とを併用することである。このようなシランカップリング剤による表面処理を行うことにより、ナノ粒子表面の処理度が増加し、後述する(B)成分の有機ケイ素化合物中への分散性がより一層向上することになる。
(A)成分であるナノ粒子を上記シランカップリング剤により表面処理する方法については公知の方法を採用し得る。なお、上記ナノ粒子は、該粒子表面上に多数のヒドロキシ基が存在しており、上記のシランカップリング剤処理によりヒドロキシ基を保護し得るが、通常、完全にヒドロキシ基が無くなることはない。つまり、上記のように表面処理されたナノ粒子の表面には、後述する(B)成分のヒドロシリル基と脱水素反応し得る官能基、特にヒドロキシ基が存在していることが好適であり、この官能基の数は、ナノ粒子の表面に3個以上残存していることが好ましく、3〜100個残存していることがより好ましい。
[(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基と1分子中に1個以上の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有する有機ケイ素化合物]
(B)成分は、1分子中に2個以上のヒドロシリル基と1分子中に1個以上の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を含む有機ケイ素化合物である。即ち、(B)成分は(A)成分を架橋する成分であり、(A)成分の表面に残存する官能基、特にヒドロキシ基と、(B)成分のヒドロシリル基とが脱水素反応して架橋する。この架橋方法であればアルコキシシリル基の加水分解による架橋反応よりも速く架橋することができるため好ましい。更には、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を含むことによって屈折率が上がり、シリコーン樹脂硬化物の強度を向上させることができる。
(B)成分の好ましい例としては、下記式(3)又は(4)に示す構造を例示できるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006652029
上記式(3)において、R3は互いに独立に、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の1価飽和炭化水素基であり、或いは、炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基から選ばれる基である。飽和炭化水素基の例としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;この中でも、メチル基、シクロヘキシル基などが好ましく、メチル基が特に好ましい。また、芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基や、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。中でも、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。R4は、互いに独立に、水素原子、または炭素数1〜12の1価飽和炭化水素基、或いは、炭素数6〜12の置換又は非置換の1価芳香族炭化水素基から選ばれる基である。これらの炭化水素基の具体例としては、前記R3において例示されたものと同様のものを挙げることができる。各々のR3、R4は同一であっても異なっていても良い。但し、R4のうち少なくとも2個、好ましくは2〜10個は水素原子であり、1分子中に1個以上、好ましくは1〜20個の芳香族炭化水素基を有することが好ましい。xは1〜50、好ましくは1〜30の整数、yは0〜50、好ましくは0〜30の整数である。x及びyのシロキサン単位の並びは、ランダムであってもブロックであっても良い。
上記式(4)において、R5は炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。pは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述した(A)成分及び(B)成分のほかに、必要に応じて、蛍光体、無機充填材、接着助剤等の各種添加剤を含有してもよい。以下、各種添加剤の各成分について説明する。
[蛍光体]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物には、必要に応じて、蛍光体を含有することができる。この蛍光体は、特に制限されるものでなく、従来公知の蛍光体を使用すればよい。例えば、半導体素子、特に窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであることが好ましい。このような蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体;Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属硫化物蛍光体、希土類硫化物蛍光体、アルカリ土類金属チオガレート蛍光体、アルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体;Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体;及びEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機錯体蛍光体、Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等を挙げることができる。なお、これらの蛍光体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。具体例としては、以下の蛍光体を例示できるが、これに限定されるものではない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体としては、M2Si58:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。また、MSi710:Eu、M1.8Si50.28:Eu、及びM0.9Si70.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)などが挙げられる。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体としては、MSi222:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体としては、M5(PO43X:R(Mは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu及びMnのいずれか1種であり、即ち、Eu単独、Mn単独、Eu及びMnの両方である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体としては、M259X:R(Mは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種である。Rは、Eu及びMnのいずれか1種以上である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体としては、SrAl24:R、Sr4Al1425:R、CaAl24:R、BaMg2Al1627:R、及びBaMg2Al1612:R、及びBaMgAl1017:R(Rは、Eu及びMnのいずれか1種以上である。)が挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体としては、(Ba,Mg)Si25:Eu、及び(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属硫化物蛍光体としては、(Ba,Sr,Ca)(Al,Ga)24:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活される希土類硫化物蛍光体としては、La22S:Eu、Y22S:Eu、及びGd22S:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属チオガレート蛍光体としては、MGa24:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mgから選ばれる1種以上である)などが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)AlSiN3:Eu、(Ca,Sr,Ba)2Si58:Eu、及びSrAlSi47:Euなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるゲルマン酸塩蛍光体としては、Zn2GeO4:Mnなどが挙げられる。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体としては、Y3Al512:Ce、(Y0.8Gd0.23Al512:Ce、Y3(Al0.8Ga0.2512:Ce、及び(Y,Gd)3(Al,Ga)512の組成式で表されるYAG系蛍光体が挙げられる。また、Yの一部又は全部をTb、Lu等で置換したTb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ceなどもある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類ケイ酸塩蛍光体としては、Y2SiO5:Ce,Tbなどが挙げられる。
Eu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機錯体蛍光体としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体などが挙げられる。
Ca−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体とは、モル%表示で、CaCO3をCaOに換算して20〜50モル%、Al23を0〜30モル%、SiOを25〜60モル%、AlNを5〜50モル%、希土類酸化物又は遷移金属酸化物を0.1〜20モル%とし、5成分の合計が100モル%となるオキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体である。なお、オキシ窒化物ガラスを母体材料とした蛍光体では、窒素含有量が15質量%以下であることが好ましく、希土類酸化物イオンの他に増感剤となる他の希土類元素イオンを希土類酸化物として蛍光体中に0.1〜10モル%の範囲の含有量で共賦活剤として含むことが好ましい。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、ZnGa24:Eu等が挙げられる。
上記で例示した蛍光体は、所望に応じて、Euに代えて、或いは、Euに加えて、Tb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることができる。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体を使用することもできる。
蛍光体の配合量は、特に制限はないが、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、0.1〜2,000質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜100質量部である。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させて、蛍光体含有波長変換フィルムとして使用する場合は、蛍光体の配合量を10〜2,000質量部とするのが好ましい。また、蛍光体の平均粒径は、10nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm〜10μm、更に好ましくは10nm〜1μmである。なお、上記平均粒径は、シーラスレーザー測定装置などのレーザー光回折法による粒度分布測定で測定される。
[無機充填材]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、必要に応じて、(A)成分として挙げられるナノ粒子以外の無機充填材を含有することができる。無機充填材としては、例えば、シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化亜鉛等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を併せて使用することができる。無機充填材の配合量は、特に制限はないが、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部あたり、好ましくは20質量部以下、より好ましくは0.1〜10質量部で適宜配合することができる。
[接着助剤]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、接着性を付与するため、必要に応じて接着助剤を含有することができる。接着助剤としては、例えば、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子、アルケニル基、アルコキシ基及びエポキシ基の群から選ばれる官能性基を少なくとも2種、好ましくは3種有するオルガノシロキサンオリゴマーが挙げられる。このオルガノシロキサンオリゴマーのケイ素原子数は、特に制限はないが、好ましくは4〜50個であり、より好ましくは4〜20個である。また、接着助剤として、下記一般式(5)で示されるオルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物、及びその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)を使用することができる。
Figure 0006652029
上記式(5)中、R6は、互いに独立に、下記式(6)で示される有機基又は酸素原子を有していてもよい脂肪族不飽和一価炭化水素基である。但し、R6の少なくとも1個は下記式(6)で示される基とする。
Figure 0006652029
7は、水素原子又は炭素数1〜6のメチル基、エチル基等の1価炭化水素基である。kは1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数である。
接着助剤の配合量については、特に制限はないが、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部、特に好ましくは0.2〜5質量部である。この配合量が上記範囲を逸脱すると、シリコーン樹脂硬化物の硬度が高いものとなり、表面タック性も抑えられる場合がある。
[その他の添加剤]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物には、上記成分のほかに、その他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、老化防止剤、ラジカル禁止剤、難燃剤、界面活性剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤、有機溶剤等が挙げられる。これらの任意成分は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物の最も単純な実施形態は、(A)成分及び(B)成分からなる組成物である。好ましくは(A)成分、(B)成分及び蛍光体からなる組成物である。特には、高い透明性を有する硬化物を得るためには、シリカ等の無機充填材を含有しないものがよい。該無機充填材の例は上述の通りである。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化する方法は、好ましくは(B)成分のヒドロシリル基と(A)成分の表面に存在するヒドロシリル基反応性官能基、特にヒドロキシ基との脱水素反応による方法である。例えば、60〜180℃、1〜12時間程度で硬化することができる。特には、60〜150℃でステップキュアによって硬化させることが好ましい。ステップキュアでは、以下の2段階を経ることがより好ましい。先ず、硬化性シリコーン樹脂組成物を10〜100℃の温度で0.5〜2時間加熱し、十分に脱泡させる。次いで、硬化性シリコーン樹脂組成物を120〜180℃の温度で1〜10時間加熱硬化させる。これらの段階を経ることにより、シリコーン樹脂硬化物が厚い場合であっても十分に硬化し、無色透明の硬化物を得ることができる。
なお、本発明において無色透明の硬化物とは、1mm厚に対する450nmにおける直線光透過率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上であるものを意味する。光透過率の測定には、例えば、日立製分光光度計U−4100を用いることができる。
また、上記硬化物は、JIS K 0062:1992記載の方法で測定した25℃での589nmでの屈折率が、1.58以上、好ましくは1.58〜1.65である。このような高屈折率の硬化物が得られるので、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、LEDの封止材や蛍光体フィルム、蛍光体層の接着剤などに好適に用いられる。
このような本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物であれば、金属酸化物ナノ粒子が均一に分散し、屈折率が高く、強度も十分であり、且つ、速硬化性を有するものとなる。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、高い光透過性を有する硬化物を与えることができる。従って、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、LED素子封止用、特に青色LEDや紫外LEDの素子封止用として有用なものである。なお、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を用いてLED素子等を封止する方法については、従来公知の方法に従えばよい。例えば、ディスペンス法、コンプレッションモールド法、及びインジェクションモールド法等により行うことができる。
[産業上の利用可能性]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物は、優れた耐クラック性、耐熱性、耐光性、透明性等の特性から、上述した用途以外にも、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、及び半導体集積回路周辺材料等の用途にも有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例1〜7及び比較例1〜5に記載された原料を混合し、「組成物1〜12」を調製した。なお、下記の化学式において、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。
[実施例1]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を30g、フェニルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で40個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物1」を調製した。
Figure 0006652029
[実施例2]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を10g、フェニルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で80個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物2」を調製した。
Figure 0006652029
[実施例3]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を20g、メチルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で70個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物3」を調製した。
Figure 0006652029
[実施例4]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、n−オクチルトリエトキシシラン20gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で60個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物4」を調製した。
Figure 0006652029
[実施例5]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、KBM−5103(信越化学工業社製)を10g、フェニルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で70個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物5」を調製した。
Figure 0006652029
[実施例6]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を30g、フェニルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で50個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物6」を調製した。
Figure 0006652029
[実施例7]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を30g、メチルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で50個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物7」を調製した。
Figure 0006652029
[比較例1]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を30g、メチルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で30個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物8」を調製した。
Figure 0006652029
[比較例2]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を40g、メチルトリメトキシシラン10gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で30個であった。その後、下記式で表されるヒドロシリル基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物9」を調製した。
Figure 0006652029
[比較例3]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)と下記式で表されるアルコキシ基含有化合物5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去し、「組成物10」を調製した。
Figure 0006652029
[比較例4]
屈折率が2.1、平均粒子径が10nmであるナノ酸化ジルコニウムの50質量%トルエン溶液100g(固形分50g)に、下記式で表されるシランカップリング剤
Figure 0006652029
を30g、フェニルトリメトキシシラン5gを混合し、2時間還流した。なお、得られた表面処理ナノ粒子中に残存するヒドロキシ基の量は、該ナノ粒子1個あたり平均で40個であった。その後、下記式(I)で表されるアルケニル基含有シリコーン樹脂(Vi価=0.37mol/100g)5gを混合し、温度50℃、減圧度1,000mPaの条件でトルエンを減圧留去した後、下記式(II)で表されるヒドロシリル基含有シリコーン(H価=0.89mol/100g)2.5gと、ヒドロシリル化触媒を加えて「組成物11」を調製した。
Figure 0006652029
[比較例5]
下記式(III)で表されるアルケニル基含有シリコーン樹脂(Vi価=0.090mol/100g)10gと、下記式(IV)で表されるヒドロシリル基含有シリコーン樹脂(H価=0.94mol/100g)1.1gと、ヒドロシリル化触媒とを混合し、「組成物12」を調製した。
Figure 0006652029
実施例1〜7及び比較例1〜5の「組成物1〜12」については、粘度、透明性、引張強さ・切断時伸び、屈折率、硬化速度及び耐熱性を以下の記載のとおり評価した。
[粘度]
「組成物1〜12」の各組成物を上述したように調製した後、23℃における粘度をJIS K 7117−1:1999に記載の方法で回転粘度計によって測定した。その結果を表1に示す。
[透明性]
50mm×20mm×1mm厚のスライドガラス2枚の間に、凹型の1mm厚PTFE樹脂製スペーサーを挟み、それらを固定した後、「組成物1〜12」の各組成物を流し込み、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアした後の硬化物を目視により観察し、「透明」「半透明」及び「白濁」を判断した。その結果を表1に示す。
[引張強さ及び切断時伸び]
「組成物1〜12」の各組成物を上述したように調製した後、100℃で1時間、次いで、150℃で4時間の条件で加熱してシート状硬化物をそれぞれ作製した。該硬化物シートを用いて、JIS K 6249:2003に記載の方法により、23℃における引張強さ及び23℃における切断時伸びを測定した。その結果を表1に示す。
[屈折率]
「組成物1〜12」の各組成物を上述したように調製し、硬化させた後、屈折率測定器として、メトリコン社製のプリズムカプラーを用いて、JIS K 0062:1992記載の方法に従って、波長589nmにおける屈折率を25℃で測定した。その結果を表1に示す。
[硬化速度]
150mm×150mm×2mm厚のテフロンコーティングされた金型に、「組成物1〜12」の各組成物を流し込み、100℃で1時間、次いで、150℃で4時間の条件で段階的に加熱した。十分に硬化でき金型から離型できるものを「○」、硬化が十分ではなく離型できないものを「×」として評価した。その結果を表1に示す。
[シリコーン樹脂硬化物の耐熱性]
50mm×20mm×1mm厚のスライドガラス2枚の間に、凹型の1mm厚テフロン(登録商標)スペーサーを挟み、それらを固定した後、「組成物1〜12」の各組成物を流し込み、100℃×1時間、150℃×4時間の順でステップキュアした後、180℃×1,000時間で放置し、分光光度計「U−4100」(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、450nmにおける光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006652029
表1に示されるように、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(実施例1〜7)は、十分な強度、透明性、硬化速度を有し、且つ、高屈折率の硬化物を与えることができることが分かった。
これに対して、比較例1は、芳香族基を含まず、鎖長の短いジメチルシリコーン樹脂により架橋した例であり、その結果、分子間力が弱く、且つ、架橋点間分子量も小さいために十分な強度と屈折率を有さなかった。
比較例2は、十分に鎖長の長いジメチルシリコーンで架橋した例であり、その結果、ナノ粒子が均一に分散せず、白濁してしまい、均一に分散していないため十分な強度も有さなかった。
比較例3は、アルコキシ基の加水分解硬化型の例であり、その結果、硬化速度が遅かった。
比較例4は、付加硬化型の例でありは、その結果、硬化前は透明であったが、硬化後は白濁してしまった。これは、付加反応が進行するにつれて粒子同士が凝集してしまったからだと考えられる。
比較例5は、本発明のナノ粒子を含有せず、芳香族基を多く有することで屈折率の向上を試みた例であり、その結果、本発明のナノ粒子を含有する樹脂ほどは屈折率を向上させることができなかった。

Claims (6)

  1. 下記(A)及び(B)成分、
    (A)動的光散乱法で測定した平均1次粒子径が1〜100nmであるナノ粒子、及び
    (B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基と1分子中に1個以上の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
    を含むものであり、前記(A)成分のナノ粒子が、シランカップリング剤によって表面処理された酸化ジルコニウムまたは酸化チタンであることを特徴とするナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分のナノ粒子において、表面処理に用いるシランカップリング剤は、ケイ素原子を1個有するシランカップリング剤とケイ素原子を2個以上有するシランカップリング剤とを併用したものである請求項1記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記ナノ粒子が、該粒子表面に前記(B)成分のヒドロシリル基との脱水素反応性を有する官能基を少なくとも3個以上有するものである請求項1又は2記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. ヒドロシリル基との脱水素反応性を有する官能基がヒドロキシ基である請求項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  5. JIS K 0062:1992記載の方法で測定した25℃での589nmでの屈折率が1.58以上である硬化物を与える請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を加熱し、(A)成分と(B)成分との脱水素反応によって硬化させることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化方法。
JP2016202741A 2016-10-14 2016-10-14 ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法 Active JP6652029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016202741A JP6652029B2 (ja) 2016-10-14 2016-10-14 ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016202741A JP6652029B2 (ja) 2016-10-14 2016-10-14 ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018062607A JP2018062607A (ja) 2018-04-19
JP6652029B2 true JP6652029B2 (ja) 2020-02-19

Family

ID=61966481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016202741A Active JP6652029B2 (ja) 2016-10-14 2016-10-14 ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6652029B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4454476B2 (ja) * 1998-11-20 2010-04-21 旭化成ケミカルズ株式会社 色素増感光触媒、及びそれを用いた光触媒組成物
JP4771574B2 (ja) * 2000-05-24 2011-09-14 旭化成ケミカルズ株式会社 光触媒組成物
JP4961829B2 (ja) * 2005-08-09 2012-06-27 ソニー株式会社 ナノ粒子−樹脂複合材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018062607A (ja) 2018-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5060654B2 (ja) 光半導体装置用封止剤及び光半導体装置
JP5661657B2 (ja) シリコーン樹脂組成物、蛍光体含有波長変換フィルム、及びそれらの硬化物
KR101986849B1 (ko) Uv 경화형 접착성 실리콘 조성물, uv 경화형 접착성 실리콘 조성물 시트, 광반도체 장치 및 그의 제조 방법
KR101274418B1 (ko) 광 반도체 장치용 밀봉제 및 이를 이용한 광 반도체 장치
JP6657037B2 (ja) 付加硬化性シリコーン樹脂組成物および半導体装置
EP2733178A1 (en) Sealing agent for optical semiconductor devices, and optical semiconductor device
JP6347237B2 (ja) 付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物及び半導体装置
KR20140057166A (ko) 열 경화성 실리콘 수지 시트 및 그의 제조 방법, 상기 열 경화성 실리콘 수지 시트를 사용하는 발광 장치 및 그의 제조 방법
KR20130090351A (ko) 형광체 함유 접착성 실리콘 조성물 시트, 및 그것을 사용하는 발광 장치의 제조 방법
EP3184589B1 (en) Addition-curable silicone resin composition and a semiconductor device
JP6776954B2 (ja) 付加硬化性シリコーン樹脂組成物
CN111116799B (zh) 放射线固化性有机硅树脂组合物
CN107298862B (zh) 加成固化性有机硅树脂组合物
WO2019026754A1 (ja) 硬化性シリコーン組成物、および光半導体装置
US20150158981A1 (en) Curable composition and an optical semiconductor device
JP6428595B2 (ja) 付加硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP6561871B2 (ja) 縮合硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP6652029B2 (ja) ナノ粒子含有硬化性シリコーン樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化方法
JP6672991B2 (ja) 縮合硬化性樹脂組成物及び半導体装置
JP6784637B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6510468B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及び硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法
JP2012241051A (ja) 光半導体装置用封止剤及び光半導体装置
JP2018165348A (ja) 高耐熱性付加硬化型シリコーン樹脂組成物
WO2021229940A1 (ja) 熱硬化性シリコーン組成物、シート、及びシリコーン硬化物
JP2013018900A (ja) 光半導体装置用封止剤及びそれを用いた光半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191128

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191128

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6652029

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150