JP2018197351A - 硬化性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性および屈折率が高く、かつ接着性、耐熱性、耐ガス透過性および表面非粘着性に優れた硬化物を与えるシリコーン樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)ケイ素原子結合アルケニル基を有し、25℃粘度が10〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン、(B)10〜80mol%のSiO4/2単位、0.1〜80mol%の(R1)2SiO2/2単位及び1〜60mol%の(R2)3SiO1/2単位からなるレジン構造のオルガノポリシロキサンで、R1は炭素数2〜8のアルケニル基、又は一価炭化水素基であり、R2は炭素数2〜8のアルケニル基、又は一価炭化水素基であり、全R2のうちの少なくとも1がアルケニル基で、(B)のケイ素原子に結合した水酸基の量が、(B)量の0.01〜15.0質量%で、(C)1分子中に複数のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、を含む組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、付加硬化型の硬化性シリコーン樹脂組成物に関する。
LED用の封止材やレンズには、透明性、屈折率、機械特性(引張強さおよび切断時伸び等)および耐熱・耐光性に優れた材料が求められており、従来はエポキシ樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートが多用されていた。しかし、これらの樹脂は、LED発光装置の高出力化及び長期にわたる高温環境下では、耐熱性および耐変色性が十分でない。
また、LEDを基板に半田付けするとき、最近は、鉛フリー半田が多く使用されている。鉛フリー半田は従来の半田に比べて溶融温度が高いため、通常260℃以上の温度で半田付けが行われる。このような高い温度で半田付けを行った場合、従来の熱可塑性樹脂からなる封止材やレンズでは、変形を生じたり、黄変したりする場合がある。
そこで、MQレジンと呼ばれるM単位とQ単位から成るシリコーン樹脂を含む組成物が提案されている(特許文献1〜3)。この組成物の硬化物は、透明性および耐熱性に優れるが、機械的強度に劣り、また、ガス透過性が高く、その結果、電極の硫化などによりLEDの輝度が低下するという欠点を有する。
ガス透過性を低下させるために、T単位であるPhSiO3/2を有するビニルレジンとSiH基を有するMQレジンを含む組成物が提案されている(特許文献4)。この組成物の硬化物は、機械的強度は十分であるものの、耐熱性に劣り、長時間の加熱により着色してしまうという欠点がある。
また、M単位、D単位およびQ単位から成るシリコーン樹脂を含む組成物も提案されている(特許文献5)。この組成物は、取扱性および自己接着性に優れる。この組成物の硬化物は、屈折率および機械特性が十分でなく、またガス透過性が高い。
特開2006−213789号公報 特開2007−131694号公報 特開2011−252175号公報 特許第4180474号公報 特開2008−156578号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性および屈折率が高く、かつ接着性、耐熱性、機械特性、耐ガス透過性および表面非粘着性(タックフリー性)に優れた硬化物を与えるシリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討を行った結果、M単位、D単位およびQ単位から成りかつケイ素原子結合水酸基およびケイ素原子結合アルコキシ基を特定量有するオルガノポリシロキサンを含有し、かつ特定量のケイ素原子結合アリール基を有するシリコーン樹脂組成物により上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(A)1分子中に少なくとも2つのケイ素原子結合アルケニル基を有し、25℃での粘度が10〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン、
(B)10〜80mol%のSiO4/2単位、0.1〜80mol%の(RSiO2/2単位及び1〜60mol%の(RSiO1/2単位からなり、重量平均分子量が1,000〜10,000であるレジン構造のオルガノポリシロキサン、ここで、上記式中、Rは独立して炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、Rは独立して炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、全Rのうちの少なくとも1がアルケニル基であり、(B)成分中のケイ素原子に結合した水酸基の量が(B)成分の総質量の0.01〜15.0質量%であり、(B)成分中のケイ素原子に結合したアルコキシ基の量が、(B)成分の総質量に対して0.01〜15.0質量%である、
(C)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、および
(D)白金族金属系触媒
を含む硬化性シリコーン樹脂組成物であって、(B)成分の量が、(A)成分と(B)成分との合計質量に対して70〜100質量%であり、ケイ素原子結合アリール基の数が、該組成物中のケイ素原子に結合した水素原子及び基(ケイ素原子結合アリール基を含む)の合計個数の10〜90%である、前記硬化性シリコーン樹脂組成物である。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、透明性および屈折率が高く、かつ接着性、耐熱性、機械特性および耐ガス透過性に優れた硬化物を与える。また、表面非粘着性(タックフリー性)にも優れるため、硬化物表面にほこりなどが付着しづらい。したがって、LED用の封止材やレンズとして極めて有用である。
(A)オルガノポリシロキサン
(A)成分は、一分子中に少なくとも2つのケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。上記アルケニル基は、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基およびオクテニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、特に炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。また、(A)成分は、25℃で10〜1,000,000mPa・s、特に100〜500,000mPa・sの粘度を有する。粘度が上記下限未満であると成形が困難であり、上記上限を超えると取り扱いが困難になり、またボイド発生の要因となる場合がある。(A)成分は、ケイ素原子に結合した基として、上記アルケニル基の他に、炭素数1〜10(好ましくは1〜6)の一価炭化水素基、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子やシアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等を有していてもよい。(A)成分として、下記一般式(1)で表される、分子鎖両末端のケイ素原子上にそれぞれ少なくとも1個のアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましいが、少量(例えば、30mol%以下)の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有してもよい。
尚、本明細書において、粘度は、25℃において回転粘度計を用いて測定した値である。
Figure 2018197351
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、Rは互いに同一又は異種の、脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換一価炭化水素基であり、kおよびmは0以上の整数である。)
上記Rとしては、炭素数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;およびこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子やシアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
上記Rとしては、炭素数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、上記Rの具体例と同様のものが例示できるが、但しアルケニル基は含まない。
上記kおよびmは、0以上の整数であり、好ましくは0<k+m≦10,000を満たす整数であり、より好ましくは5≦k+m≦2,000および0<k/(k+m)≦0.2を満たす整数である。
(A)成分は好ましくは、ケイ素原子結合アリール基を有する。屈折率、ガス透過性および粘度の点から、(A)成分中のケイ素原子に結合した基の合計個数に対するケイ素原子結合アリール基の合計個数の割合が10〜80%であるのが好ましく、さらに好ましくは30〜75%、さらに好ましくは40〜70%である。アリール基としては、フェニル基、トリル基およびベンジル基等が好ましく、特に好ましくはフェニル基である。
(A)成分として具体的には、以下のものを例示できる。
Figure 2018197351
(式中、sおよびtは8〜2,000の整数である。)
Figure 2018197351
Figure 2018197351
(式中、kおよびmは0以上の整数である。)
(B)レジン構造を有するオルガノポリシロキサン
(B)成分は、10〜80mol%、好ましくは20〜70mol%のSiO4/2単位(Q単位)、0.1〜80mol%、好ましくは0.1〜70mol%の(RSiO2/2単位(D単位)及び1〜60mol%、好ましくは5〜55mol%の(RSiO1/2単位(M単位)からなる、レジン構造(すなわち三次元網状構造)を有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分はRSiO3/2単位(T単位)を有しない。これは、T単位を有すると耐熱性に劣るからである。
上記式中、Rは独立に炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、Rは独立に炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、全Rのうちの少なくとも1がアルケニル基である。
前記RおよびRにおけるアルケニル基の好ましい例としては、ビニル基およびアリル基が例示される。(B)成分は、少なくとも1のケイ素原子結合アルケニル基を有し、例えば、RおよびRの合計個数の1〜50%、好ましくは2〜40%、より好ましくは3〜30%をアルケニル基とすることができる。
前記RおよびRにおける脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基としては、炭素原子数が1〜10、特に1〜6のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子およびシアノ基等で置換した基、例えば、クロロメチル基、シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。屈折率およびガス透過性の点から、全RおよびRの少なくとも1個がアリール基であるのが好ましく、例えば、RおよびRの合計個数の1〜90%、更に好ましくは10〜80%、特に好ましくは20〜70%をアリール基(好ましくはフェニル基)とすることができる。
(B)成分は、1,000〜10,000、好ましくは1,200〜8,000、より好ましくは1,500〜5,000の重量平均分子量(以下Mwと言う)を有する。Mwが上記下限未満であると、保存安定性および硬化物の機械特性が悪い。Mwが上記上限を超えると粘度が高くなりすぎて取扱いが困難である。
尚、本明細書中で言及するMwとは、下記条件でのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として得られる値である。
[測定条件]
展開溶媒:THF
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5質量%のTHF溶液)
(B)成分は、ケイ素原子に結合した水酸基を、(B)成分の総質量に対して0.01〜15.0質量%、好ましくは0.01〜12.0質量%、より好ましくは0.05〜10.0質量%の量で有する。上記下限未満の場合には、接着性が悪くなり、上記上限を超えると、経時で縮合が進み保存安定性が低下したり、表面タックによる埃の付着を生じたりする場合がある。また、(B)成分は、ケイ素原子に結合したアルコキシ基(好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基)を、(B)成分の総質量に対して0.01〜15.0質量%、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.05〜8.0質量%の量で含む。上記アルコキシ基の量が上記上限を超えると、保存安定性の低下や表面タックによる埃の付着を生じる場合があり、また下限を下回ると接着性に劣る場合がある。上記水酸基およびアルコキシ基の量は、H−NMRにより決定される。
(B)成分は、上記Q単位、D単位及びM単位の単位源となる化合物を上記モル比となるように組み合わせ、例えば、酸触媒または塩基触媒の存在下での共加水分解縮合反応もしくは金属塩や金属水酸化物による脱アルコキシ反応を行い、そして縮合させることによって容易に合成することができる。
SiO4/2単位源としては、例えば、ケイ酸ソーダ、テトラアルコキシシラン、またはその縮合反応物を使用することができる。
(RSiO2/2単位源としては、例えば、下記構造式で表されるジオルガノクロロシラン、ジオルガノアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、これらに限定されない。下記式において、Rは水素原子もしくは炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基である。Rのためのアルケニル基および一価炭化水素基としては、上記RおよびRに関して例示されたものが包含される。
Figure 2018197351
(RSiO1/2単位源としては、例えば、下記構造式で表されるトリオルガノクロロシラン、トリオルガノアルコキシシラン、ヘキサオルガノジシロキサン等の有機ケイ素化合物が例示できるが、これらに限定されない。
Figure 2018197351
Figure 2018197351
Figure 2018197351
(B)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。(B)成分の量は、(A)成分と(B)成分との合計質量の70〜100質量%、好ましくは75〜90質量%である。(B)成分の量が上記下限未満であると、得られる硬化物の機械的強度および耐ガス透過性が十分でない場合がある。
(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)成分は、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。(C)成分は架橋剤として作用するものであり、(C)成分中のSiH基と(A)成分及び(B)成分中のアルケニル基とが付加反応することにより硬化物を形成する。(C)成分の構造としては特に制限はなく、直鎖状、分岐鎖状、環状、樹脂状でもよいが、好ましくは直鎖状、分岐鎖状、樹脂状である。また、SiH基の結合位置は特に制限はなく、分子鎖の末端であっても末端でなくてもよい。両末端に少なくとも1のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。(C)成分は1種類を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分は、好ましくは、SiO4/2単位を5mol%未満の量で有し、より好ましくは、SiO4/2単位を有しない。SiO4/2単位の量が5mol%以上であると、組成物の粘度が増加して取り扱いが困難となり、また、脆い硬化物を与える場合がある。
(C)成分は、屈折率およびガス透過性の点から、ケイ素原子に結合する水素原子及び基の合計個数の5〜90%がアリール基(好ましくはフェニル基)であるのが好ましく、より好ましくは10〜80%である。
(C)成分中のケイ素原子に結合した、水素原子以外の基(Rと言う)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した基(例えば、クロロメチル基、シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基)等の、脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換一価炭化水素基が例示され、好ましくはメチル基とフェニル基である。
(C)成分の粘度は特に制限はないが、25℃における粘度が1〜100,000mPa・s、好ましくは1〜10,000mPa・sである。
(C)成分としては、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CSiO2/2単位とCHSiO3/2単位とから成る共重合体、SiO4/2単位と(CSiO2/2単位と(C)(CHSiO1/2単位と(CHHSiO1/2単位とから、もしくはそのいずれかから成る共重合体等を例示することができるが、これらに限定されない。
(C)成分は、通常、RSiHCl、(RSiCl、(RSiCl、(RSiHCl(Rは、前記の通りである)等のクロロシランを加水分解するか、加水分解して得られたシロキサンを平衡化することにより得ることができるが、製造方法および原料はこれらに限定されない。
(C)成分の量は、(A)成分および(B)成分中のアルケニル基の合計個数に対する(C)成分中のSiH基の合計個数の比が0.1〜4.0となる量が好ましく、より好ましくは0.3〜3.0となる量である。上記下限未満では、硬化反応が十分に進行せず硬化物を得ることが困難であり、上記上限を超えると、未反応SiH基が硬化物中に多量に残存するため、ゴム物性が経時的に変化する原因となる。
(D)白金族金属系触媒
(D)成分は、付加硬化反応を促進するために配合され、白金系、パラジウム系およびロジウム系のものが使用できる。コスト等の見地から白金、白金黒、塩化白金酸等の白金系のものが好ましく、例えば、HPtCl・mHO、KPtCl、KHPtCl・mHO、KPtCl、KPtCl・mHO、PtO・mHO(mは、正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を例示することができる。これらは単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
(D)成分の量は、所謂触媒量でよく、通常、(A)〜(C)成分の合計質量に対して白金族金属換算(質量)で0.1〜1,000ppm、好ましくは0.5〜200ppmの範囲で使用される。上記下限未満では、ヒドロシリル化反応が十分に進行せず、硬化不良が生じる場合があり、上記上限を超えると、着色を生じる場合がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物はケイ素原子結合アリール基を有し、上記ケイ素原子結合アリール基の数が、組成物中のケイ素原子に結合した水素原子及び基(ケイ素原子結合アリール基を含む)の合計個数の10〜90%、好ましくは15〜80%、より好ましくは20〜70%がアリール基(好ましくはフェニル基)である。上記下限未満では、得られる硬化物の機械特性、透過率および耐ガス透過性が十分でない場合がある。上記上限を超えると、耐熱性が低下する場合がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、(A)〜(D)成分以外に、必要に応じて公知の接着付与剤や添加剤を配合することができる。接着付与剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等や、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びそれらのオリゴマー等が挙げられる。これらの接着付与剤は、単独でも2種類以上混合して使用してもよい。該接着付与剤は、(A)〜(D)成分の合計質量に対し、0〜10質量%、特に0〜5質量%となる量で配合するのが好ましい。
添加剤としては、例えば、グラスファイバー、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填材、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック、酸化亜鉛等の非補強性無機充填材が挙げられ、これらを、(A)〜(D)成分の合計100質量部当たり600質量部以下(例えば0〜600質量部、通常、1〜600質量部、好ましくは10〜400質量部程度)の量で適宜配合することができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、上述した各成分を均一に混合することによって調製されるが、通常は、硬化が進行しないように2液に分けて保存され、使用時に2液を混合して硬化を行う。この場合、(C)成分と(D)成分を1液で保存すると脱水素反応を起こす危険があるため、(C)成分と(D)成分を分けて保存するのがよい。また、アセチレンアルコール等の硬化抑制剤を少量添加して1液として用いることもできる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、用途に応じて所定の基材に塗布した後、硬化させることができる。硬化条件は、常温(25℃)でも十分に硬化するが、必要に応じて加熱して硬化してもよい。加熱する場合の温度は、例えば、60〜200℃とすることができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、必要により加熱下で、ただちに硬化して、高い硬さを有しかつ機械的強度の優れた硬化物を形成する。すなわち、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物は、JIS K6249:2003に従って測定されるとき、引張強さが2.0MPa以上であり、切断時伸びが40%以上であり、デュロメータD硬度計によって測定した硬さが20〜60である。また、本発明の組成物を150℃で1時間硬化したときの硬さが、4時間硬化したときの硬さの70%以上である。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、屈折率が1.46〜1.60と高く、また、1mm厚さでの水蒸気透過率が30g/m2・day以下と低い。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、シリコーン硬化物の温度変化によるクラックやガスの透過が問題となる用途や、高い屈折率を必要とする用途において広く使用することができる。具体的には、例えば、電気電子部品及び光電子部品の保護コート剤、モールド剤およびレンズ材料として、ならびにこれらの部品のポッティング材及びキャスティング材として、また、シリコーンゴムキーボードの表面コートとして使用することができる。特に、LED用の封止材やレンズとして有用である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、部は質量部を示し、粘度は25℃における値である。また、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を示す。
[実施例1]
(A)成分として、下記式
Figure 2018197351
(式中、l=10、n=8である)
で示されるオルガノポリシロキサン(粘度:4,000mPa・s)を5部、(B)成分として、SiO4/2単位36mol%、PhSiO2/2単位36mol%、ViMeSiO1/2単位28mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を30部(Mw=2,000、ケイ素原子結合水酸基量:6質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.2質量%)、(C)成分として、(A)及び(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基の合計個数に対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子の合計個数の比(以下、SiH/SiVi比と表す場合がある)が1.0となる量の、下記式:
Figure 2018197351
(式中、p=2である)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子に結合した水素原子および基の合計個数に対する組成物中のケイ素原子結合フェニル基の個数の割合(以降、「組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量」という):48%)。この組成物を150℃にて4時間加熱成形して硬化物(120mm×110mm×1mm)を形成し、下記物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で用いた(A)成分を5部、(B)成分として、SiO4/2単位40mol%、PhSiO2/2単位40mol%、MePhViSiO1/2単位20mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を50部(Mw=2,300、ケイ素原子結合水酸基量:13質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.6質量%)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:60%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
(A)成分として、下記式
Figure 2018197351
(式中、p=30である)
で示されるオルガノポリシロキサン(粘度:4,500mPa・s)を7部、実施例1で用いた(B)成分を30部、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:46%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例3で用いた(A)成分を7部、実施例2で用いた(B)成分を30部、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の、下記式:
Figure 2018197351
(式中、p=1である)

で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:40%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1で用いた(A)成分を10部、(B)成分として、SiO4/2単位40mol%、MeSiO2/2単位20mol%、PhSiO2/2単位20mol%、MePhViSiO1/2単位20mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を30部(Mw=3,000、ケイ素原子結合水酸基量:5質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.6質量%)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例4で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:30%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いた(A)成分を20部、実施例1で用いた(B)成分を30部、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:48%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
(A)成分として、下記式:
Figure 2018197351
(式中、l=50、n=10である)
で示されるオルガノポリシロキサン(粘度:3,000mPa・s)を5部、(B)成分として、SiO4/2単位36mol%、MeSiO2/2単位36mol%、MePhViSiO1/2単位28mol%から成るレジン構造のPVMQを30部(Mw=4,400、ケイ素原子結合水酸基量:6質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:1質量%)、(C)成分として、SiH/SiVi比が、1.0となる量の実施例4で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:8%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1で用いた(A)成分を7部、比較(B)成分として、SiO4/2単位36mol%、PhSiO2/2単位36mol%、ViMeSiO1/2単位28mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を30部(Mw=2,000、ケイ素原子結合水酸基量:1質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:20質量%)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:48%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1で用いた(A)成分を7部、比較(B)成分として、SiO4/2単位36mol%、PhSiO2/2単位36mol%、ViMeSiO1/2単位28mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を30部(Mw=2,000、ケイ素原子結合水酸基量:0.005質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.006質量%である)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:48%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例1で用いた(A)成分を7部、比較(B)成分として、SiO4/2単位36mol%、PhSiO2/2単位36mol%、ViMeSiO1/2単位28mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を30部(Mw=2,000、ケイ素原子結合水酸基量:20質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.1質量%)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:46%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例1で用いた(A)成分を7部、比較(B)成分として、PhSiO3/2単位70mol%、PhSiO2/2単位およびMeSiO2/2単位の合計2mol%、ViMeSiO1/2単位28mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサンを30部(Mw=2,000、ケイ素原子結合水酸基量:5質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.01質量%である)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例1で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:47%)実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表2に示す。
実施例及び比較例の物性は下記の方法で測定した。
(1)屈折率
25℃における硬化物の屈折率を、JIS K0061:2001に準拠して、アッベ型屈折率計により測定した。
(2)引張試験
硬化物の引張強さ及び切断時伸びを、JIS K6249:2003に準拠して測定した。
(3)硬さ(タイプD)
得られた組成物を150℃で1時間硬化したときの硬さおよび4時間硬化したときの硬さを、JIS K6249:2003に準拠して、デュロメータD硬度計を用いて測定した。
(4)表面タック性
硬化物の表面の埃の付着の有無を目視にて確認した。
(5)光透過率(耐熱性)
日立分光光度計U−4100を用いて、硬化物(厚さ1mm)の光透過率(450nm)を23℃で測定し(初期透過率)、これを100%とした。次いで、硬化物を150℃で1,000時間熱処理した後、同様に光透過率を測定して、初期透過率に対する熱処理後の透過率の変化を求めた。
(6)水蒸気透過率
1mm厚さの硬化物の水蒸気透過率を、JIS K7129に準拠して、水蒸気透過度計(Lyssy、L80−5000)を用いて測定した。
(7)接着性
得られた組成物0.25gを、表面積が180mmの銀板上に、銀板との接触底面積が45mmとなるように塗布し、150℃で4時間硬化させた。ミクロスパチュラを用いて硬化物と銀板との界面付近を破壊して、銀板から硬化物を剥ぎ取る際の、硬化物が接着界面で剥離しないで凝集破壊した部分の割合を測定し、下記の判断規準に基づいて接着性を評価した。
○:凝集破壊部分の割合が60%以上である(接着性が良い)。
×:凝集破壊部分の割合が60%未満である(接着性が悪い)。
Figure 2018197351
Figure 2018197351
表1に示すように、実施例1〜5の硬化物は、十分な硬さ、屈折率、耐熱性および機械特性を有し、かつ水蒸気透過率が低かった。
一方、表2に示すように、(B)成分の量が本発明の範囲よりも少ない比較例1では、硬化が遅く、また、得られた硬化物は機械特性に劣り、水蒸気透過率が高かった。ケイ素原子結合アリール基の量が本発明の範囲より少ない比較例2の硬化物は、屈折率および機械的特性に劣り、また、水蒸気透過率が高かった。(B)成分中のケイ素原子結合水酸基およびケイ素原子結合アルコキシ基の量がそれぞれ本発明の範囲よりも多い比較例3および5の硬化物は、表面にべたつきがあった。(B)成分中のケイ素原子結合水酸基量およびケイ素原子結合アルコキシ基量が本発明の範囲よりも少ない比較例4の硬化物は、接着性に劣った。(B)成分がT単位を有する比較例6の硬化物は、熱を加えると光透過率の低下が大きく、耐熱性に劣った。
すなわち、本発明は、
(A)1分子中に少なくとも2つのケイ素原子結合アルケニル基を有し、25℃での粘度が10〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン、
(B)10〜80mol%のSiO4/2単位、0.1〜80mol%の(RSiO2/2単位及び1〜60mol%の(RSiO1/2単位からなり、重量平均分子量が1,000〜10,000であるレジン構造のオルガノポリシロキサン、ここで、上記式中、Rは独立して炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、Rは独立して炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、全Rのうちの少なくとも1がアルケニル基であり、(B)成分中のケイ素原子に結合した水酸基の量が(B)成分の総質量の0.01〜15.0質量%であり、(B)成分中のケイ素原子に結合したアルコキシ基の量が、(B)成分の総質量に対して0.01〜15.0質量%である、
(C)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の合計個数に対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子の合計個数の比が0.1〜4.0となる量
、および
(D)白金族金属系触媒 触媒量
を含む硬化性シリコーン樹脂組成物であって、(B)成分の量が、(A)成分と(B)成分との合計質量に対して81〜100質量%であり、ケイ素原子結合アリール基の数が、該組成物中のケイ素原子に結合した水素原子及び基(ケイ素原子結合アリール基を含む)の合計個数の20〜70%である、前記硬化性シリコーン樹脂組成物である。
比較例7
実施例1で用いた(A)成分を10部、(B)成分として、SiO4/2単位40mol%、MeSiO2/2単位20mol%、PhSiO2/2単位20mol%、MePhViSiO1/2単位20mol%から成るレジン構造のビニルフェニルメチルポリシロキサン(PVMQ)を30部(Mw=3,000、ケイ素原子結合水酸基量:5質量%、ケイ素原子結合アルコキシ基(MeO)量:0.6質量%)、(C)成分として、SiH/SiVi比が1.0となる量の実施例4で用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ならびに、(D)成分として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:2質量%)0.05部を加え、よく撹拌して、シリコーンゴム組成物を調製した(組成物中のケイ素原子結合フェニル基の量:30%)。実施例1と同様にして硬化物を形成し、物性の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018197351

Claims (6)

  1. (A)1分子中に少なくとも2つのケイ素原子結合アルケニル基を有し、25℃での粘度が10〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン、
    (B)10〜80mol%のSiO4/2単位、0.1〜80mol%の(RSiO2/2単位及び1〜60mol%の(RSiO1/2単位からなり、重量平均分子量が1,000〜10,000であるレジン構造のオルガノポリシロキサン、ここで、上記式中、Rは独立して炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、Rは独立して炭素数2〜8のアルケニル基、又は脂肪族不飽和基を含まない置換または非置換の一価炭化水素基であり、全Rのうちの少なくとも1がアルケニル基であり、(B)成分中のケイ素原子に結合した水酸基の量が(B)成分の総質量の0.01〜15.0質量%であり、(B)成分中のケイ素原子に結合したアルコキシ基の量が、(B)成分の総質量に対して0.01〜15.0質量%である、
    (C)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、および
    (D)白金族金属系触媒
    を含む硬化性シリコーン樹脂組成物であって、(B)成分の量が、(A)成分と(B)成分との合計質量に対して70〜100質量%であり、ケイ素原子結合アリール基の数が、該組成物中のケイ素原子に結合した水素原子及び基(ケイ素原子結合アリール基を含む)の合計個数の10〜90%である、前記硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. (C)成分の量が、(A)及び(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の合計個数に対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子の合計個数の比が0.1〜4.0となる量である、請求項1記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 組成物を150℃で1時間硬化したときのJIS K6249:2003に従って測定される硬さが、組成物を150℃で4時間硬化したときの硬さの70%以上である硬化物を与える、請求項1または2記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化して得られた、1.46〜1.60の屈折率を有する硬化物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化して得られた、1mmの厚さでの水蒸気透過率が30g/m・day以下である硬化物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化して得られた、JIS K6249:2003に従って測定される引張強さが2.0MPa以上であり、JIS K6249:2003に従って測定される切断時伸びが40%以上である硬化物。
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