JP5807388B2 - 多孔性ポリプロピレンフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透気性、生産性に優れるだけでなく、突き刺し強度、破断強度、押出安定性に優れた多孔性ポリプロピレンフィルムに関する。
ポリプロピレンフィルムは優れた機械特性、熱特性、電気特性、光学特性により、工業材料用途、包装材料用途、光学材料用途、電機材料用途など多様な用途で使用されている。このポリプロピレンフィルムに空隙を設け、多孔化した多孔性ポリプロピレンフィルムについても、ポリプロピレンフィルムとしての特性に加えて、透過性や低比重などの優れた特性を併せ持つことから、電池や電解コンデンサーのセパレータや各種分離膜、衣料、医療用途における透湿防水膜、フラットパネルディスプレイの反射板や感熱転写記録シートなど多岐に渡る用途への展開が検討されている。
ポリプロピレンフィルムを多孔化する手法としては、様々な提案がなされている。多孔化の方法を大別すると湿式法と乾式法に分類することができる。湿式法とは、ポリプロピレンをマトリックス樹脂とし、シート化後に抽出する被抽出物を添加、混合し、被抽出物の良溶媒を用いて添加剤のみを抽出することで、マトリックス樹脂中に空隙を生成せしめる方法であり、種々の提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。該方法を用いると、溶媒を含有させることにより押出時の樹脂粘度を低下させることができ、高分子量原料での製膜が可能となるため、突き刺し強度や破断強度などの機械物性が向上するが、溶媒の抽出工程に時間と労力を要し、生産性の向上が困難であった。
一方、乾式法としては、たとえば、溶融押出時に低温押出、高ドラフト比を採用することにより、シート化した延伸前のフィルム中のラメラ構造を制御し、これを一軸延伸することでラメラ界面での開裂を発生させ、空隙を形成する方法(所謂、ラメラ延伸法)が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。該方法は、抽出工程を必要としないため湿式法に比べ生産性に優れるが、一軸延伸であるため製品を広幅化しにくいことや、延伸速度を低くする必要があるため、更なる生産性向上が困難であった。また、延伸方向と直交方向の破断強度を向上させるのが困難であった。
乾式法であり、かつ二軸延伸により製膜される多孔性ポリプロピレンフィルムとしては、ポリプロピレンの結晶多形であるα型結晶(α晶)とβ型結晶(β晶)の結晶密度の差と結晶転移を利用してフィルム中に空隙を形成させる、所謂β晶法と呼ばれる方法の提案も数多くなされている(たとえば、特許文献3〜5参照)。該方法は透気性に優れた多孔性フィルムを生産性よく製膜可能であるが、得られるフィルムの突き刺し強度、破断強度などの機械物性が低く、改善が必要であった。
特開昭55−131028号公報 特公昭55−32531号公報 特開昭63−199742号公報 特開平6−100720号公報 特開平9−255804号公報
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、透気性、生産性に優れるだけでなく、突き刺し強度、破断強度、押出安定性に優れた多孔性ポリプロピレンフィルムを提供することにある。
上記した課題は、ポリプロピレン樹脂とβ晶核剤とを含むポリプロピレン組成物からなる層を少なくとも1層有する多孔性ポリプロピレンフィルムであって、ポリプロピレン樹脂が以下の条件(I)〜(VI)を満足する、多孔性ポリプロピレンフィルムによって達成可能である。
条件(I):230℃、2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が2〜10g/10分である
条件(II):ポリプロピレン樹脂が成分1と成分2の少なくとも2種類のポリプロピレンからなり、成分1のメルトフローレート(MFR)よりも成分2のメルトフローレート(MFR)の方が小さい
条件(III):成分1のメルトフローレート(MFR)が5g/10分以上である
条件(IV):成分2のメルトフローレート(MFR)が4g/10分以下である
条件(V):MFR/MFR<0.25
条件(VI):分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が6以上20以下である
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、透気性、生産性に優れるだけでなく、突き刺し強度、破断強度、押出安定性に優れることから、蓄電デバイス用セパレータに好適な優れたイオン電導性を発現し、なおかつ安全性や製膜性や加工性に優れたセパレータとして好適に使用することができる。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、フィルムの両表面を貫通し、透気性を有する孔(以下、貫通孔という)を有している。この貫通孔は、例えば二軸延伸によりフィルム中に形成することが好ましい。具体的な方法としては、β晶法を挙げることができる。これにより、均一物性、薄膜化を達成することができる。
β晶法を用いてフィルムに貫通孔を形成せしめるためには、ポリプロピレン組成物のβ晶形成能が40〜90%であることが好ましい。β晶形成能が40%未満ではフィルム製造時にβ晶量が少ないためにα晶への転移を利用してフィルム中に形成される空隙数が少なくなり、その結果、透過性の低いフィルムしか得られない場合がある。一方、β晶形成能が90%を超えるようにするのは、後述するβ晶核剤を多量に添加したり、使用するポリプロピレン樹脂の立体規則性を極めて高くしたりする必要があり、製膜安定性が悪化するなど工業的な実用価値が低い。工業的にはβ晶形成能は60〜85%が好ましく、65〜80%が特に好ましい。
β晶形成能を40〜90%に制御するためには、アイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂を使用したり、β晶核剤と呼ばれる、ポリプロピレン樹脂中に添加することでβ晶を選択的に形成させる結晶化核剤を添加剤として用いたりすることが好ましい。
本発明においては、後述するように、特定の分子量分布を持ったポリプロピレン樹脂を用いることにより、β晶形成を阻害することなく、従来のβ晶法による多孔性ポリプロピレンフィルムに比べ、突き刺し強度や破断強度に優れた多孔性ポリプロピレンフィルムを製膜することが可能となるため好ましい。
ポリプロピレン樹脂の分子量分布を特定の範囲内とするためには、例えば、メルトフローレート(MFR)の異なる2種類以上のポリプロピレン樹脂を混合する方法、重合条件の異なる多段連続重合を行う方法、重合速度の異なる複数の活性点を有する重合触媒系により重合する方法などの方法を適用可能であるが、ポリプロピレン樹脂をMFRの異なる少なくとも2種類のポリプロピレンから構成させることが好ましい。ここで、MFRの高い方の成分を成分1、MFRの低い方の成分を成分2とすると、MFRの低い成分2の結晶性をMFRの高い成分1に比べて低くすることにより、透気性を悪化させることなく、得られる多孔性ポリプロピレンフィルムの機械物性を飛躍的に向上せしめることが可能となる。このメカニズムは明らかになっていないが、以下のように考えられる。後述するβ晶法による製膜方法において、キャスト後の未延伸シートにはα晶、および、孔形成に大きく寄与するβ晶および非晶部分が存在するが、この非晶部分に存在する分子鎖がα晶やβ晶などの結晶同士を結ぶタイ分子として存在することが、フィルムの機械物性向上に寄与するものと考えられる。タイ分子を多くするためには、ポリプロピレン樹脂の分子量を高くすることが好ましいが、単に分子量を高くするとβ晶形成能が低下したり、透気性が低下する場合がある。そこで、ポリプロピレン樹脂の分子量分布を特定の範囲内に制御することにより、透気性と機械物性を両立させることが可能となる。更には、低MFR成分(成分2)の結晶性を低くすることにより、低MFR成分が、より非晶部分のタイ分子になりやすくなり、飛躍的に機械物性を向上させられるものと考えられる。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が6以上20以下であることが好ましい。より好ましくは7以上15以下、更に好ましくは8以上11以下である。分子量分布を上記範囲内とすることで、ポリプロピレン樹脂中に適量の高分子量成分が含有されるため、機械物性と製膜性や透気性の両立が可能となる。分子量分布が6未満の場合、得られる多孔性ポリプロピレンフィルムの機械物性が不十分な場合がある。20を超えると、低剪断速度領域での樹脂粘度が高くなりすぎて、高精度な濾過が困難となったり、押出安定性や透気性が低下する場合がある。分子量分布を上記範囲内とするためには、例えば、前述したようにMFRの異なる2種類以上のポリプロピレン樹脂を混合する方法、重合条件の異なる多段連続重合を行う方法、重合速度の異なる複数の活性点を有する重合触媒系により重合する方法などが適用可能である。
MFRの異なる2種類以上のポリプロピレン樹脂を混合する方法を用いる場合は、MFRの高い成分を成分1、MFRの低い成分を成分2としたとき、成分1と成分2のMFRや各成分の分子量分布および混合割合を適宜調整することにより、分子量分布を調整可能である。2種類以上の原料を均一に混合するためには、フィルム製造時にMFRの異なる樹脂をドライブレンドして押出するのではなく、事前に二軸押出機(スクリュウ有効長(L)とスクリュウ径(D)の比:L/D=60)を使用するなどして、コンパウンドしておくことが好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂とβ晶核剤とを含むポリプロピレン組成物からなる層を少なくとも1層有しているが、このポリプロピレン樹脂は以下に述べる特性を有していることが好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、230℃、2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が2〜10g/10分であることが好ましい。より好ましくは4.5〜10g/10分、更に好ましくは4.5〜8g/10分である。MFRが2g/10分未満となると樹脂粘度が高くなりすぎて、高精度な濾過が困難となったり、押出安定性が低下する場合がある。MFRが10g/10分を超える場合、機械強度が不足する場合がある。MFRを上記範囲内とするには、上述のように異なるMFRを有するポリプロピレン樹脂、すなわち、ポリプロピレン樹脂が成分1と成分2の少なくとも2種類のポリプロピレンからなり、成分1のメルトフローレート(MFR)よりも成分2のメルトフローレート(MFR)の方が小さいポリプロピレン樹脂を用い、成分1のメルトフローレート(MFR)が5g/10分以上、より好ましくは7g/10分以上、成分2のメルトフローレート(MFR)が4g/10分以下、より好ましくは2g/10分以下、より好ましくは1g/10分以下とすることが好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、成分1のメルトフローレート(MFR)と、成分2のメルトフローレート(MFR)の比が、MFR/MFR<0.25を満たすことが好ましい。より好ましくは0.15未満である。メルトフローレートの比が0.25以上となると、高分子量成分がタイ分子となりにくく、本発明における機械物性向上の効果が低くなる場合がある。
また、成分1と成分2のMFRの差が大きくなりすぎると均一なブレンドが困難となる場合があるが、第3成分として、成分1と成分2の間のMFRを有する成分3を添加して均一化を図ることが可能である。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、成分1と成分2の融点(℃)をそれぞれ、Tm、Tmとしたとき、融点の差が、Tm−Tm>2を満足することが好ましく、Tm−Tm>4を満足することがより好ましい。高分子量成分(成分2)の融点を成分1に比べ2℃以上低下させることにより、高分子量成分の結晶性が低下し、上述した理由により多孔性ポリプロピレンフィルムの機械物性を向上せしめることが可能となる。また、成分1の融点はβ晶を形成させ透気性を向上させる観点から160℃以上であることが好ましく、成分2の融点は非晶部分のタイ分子を形成させ機械物性を向上させる観点から145℃〜165℃であることが好ましい。
さらに、本発明においては成分2の分子量分布が成分1の分子量分布より大きいことが好ましい。成分2の分子量分布を大きくすることにより、効果的に機械物性を向上可能であり、また、製膜安定性も向上するため好ましい。成分2の分子量分布は6以上であることが好ましく、より好ましくは、8以上である。分子量分布は大きすぎると低分子量成分が多くなりブリードアウトなどが生じる場合があり、上限は20程度である。
以上の観点から、成分1はホモポリプロピレンであることが好ましく、成分2はホモポリプロピレンまたは、結晶性や融点を低下させる目的でエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下の範囲で共重合したポリプロピレン樹脂、メタロセン触媒を用いて重合したポリプロピレンを用いることが好ましい。5質量%を超えると、多孔性ポリプロピレンフィルムの機械物性が低下する場合がある。共重合の方法としては、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれを用いても構わないが、機械物性の低下を抑制しつつ、結晶性や融点を低下させることが可能なことから、ランダム共重合が好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、成分1と成分2の合計質量に対する、成分2の割合が1〜35質量%であることが好ましい。より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。成分2の割合が1質量%未満であると、本発明における機械物性向上の効果が低くなる場合がある。成分2の割合が35質量%を超えると、透気性が悪化したり、押出時の粘度が高くなり高精度な濾過ができなくなる場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、冷キシレン可溶成分(CXS)が2%未満であることが好ましい。より好ましくは1.5%未満である。CXSが2%以上となると低分子量成分が多くなり、多孔性ポリプロピレンフィルムの機械物性が悪化する場合がある。CXSを2%未満とするためには、CXSを低減可能な重合触媒系で重合する方法、重合反応後に洗浄工程を設けてアタクティックポリマーを除去する方法などの方法を用いることができる。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂中のハイドロタルサイト量が100ppm以下(質量基準、以下同じ)であることが好ましい。より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である。ハイドロタルサイトはβ晶形成を阻害する場合があり、ハイドロタルサイト量が100ppmを超えると、多孔性ポリプロピレンフィルムの透気性が低下する場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂中の灰分量が100ppm以下(質量基準、以下同じ)であることが好ましい。灰分量が100ppmを超えると、蓄電デバイス用セパレータに用いたとき、耐電圧が低下したり、電池寿命が低下する場合がある。
本発明においては上述したポリプロピレン樹脂にβ晶核剤や他の添加剤を添加したポリプロピレン組成物を製膜原料として用いる。β晶核剤としては種々の顔料系化合物やアミド系化合物などを挙げることができるが、特に特開平5−310665号公報に開示されているアミド系化合物を好ましく用いることができる。β晶核剤の含有量としては、ポリプロピレン組成物全体を基準とした場合に、0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.3質量%であればより好ましい。0.05質量%未満では、β晶の形成が不十分となり、多孔性ポリプロピレンフィルムの透気性が低下する場合がある。0.5質量%を超えると、粗大ボイドを形成し、蓄電デバイス用セパレータに用いたとき、安全性が低下する場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤や無機あるいは有機粒子からなる滑剤、さらにはブロッキング防止剤や充填剤、非相溶性ポリマーなどの各種添加剤を含有させてもよい。特に、ポリプロピレン樹脂の熱履歴による酸化劣化を抑制する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましいが、ポリプロピレン組成物100質量部に対して酸化防止剤添加量は2質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、無機あるいは有機粒子からなる孔形成助剤を含有させてもよい。含有量はポリプロピレン組成物100質量部に対して5質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。5質量部を超えると、セパレータとして使用したとき、脱落した粒子が電池性能を低下させたり、原料コストが高くなり、生産性が低下する場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン組成物としては、ホモポリプロピレンを用いることができるのはもちろんのこと、製膜工程での安定性や造膜性、物性の均一性の観点から、ポリプロピレンにエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下の範囲で共重合した樹脂を用いることもできる。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを形成するポリプロピレン組成物は、二軸延伸を行って貫通孔を形成する場合、延伸時の空隙形成効率の向上や、孔径が拡大することによる透気性向上の観点から、ポリプロピレン80〜99質量部とエチレン・α−オレフィン共重合体20〜1質量部の質量比率とした混合物とすることが好ましい。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体としては直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレンを挙げることができ、中でも、オクテン−1を共重合した、融点が60〜90℃の共重合ポリエチレン樹脂(共重合PE樹脂)を好ましく用いることができる。この共重合ポリエチレンは市販されている樹脂、たとえば、ダウ・ケミカル製“Engage(エンゲージ)(登録商標)”(タイプ名:8411、8452、8100など)を挙げることができる。
上記共重合ポリエチレン樹脂は本発明のフィルムを構成するポリプロピレン組成物全体を100質量%としたときに、1〜10質量%含有することが透気向上の観点から好ましい。フィルムの機械特性の観点からは1〜7質量%であればより好ましく、より好ましくは1〜2.5質量%である。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、A層、B層およびC層の3層の積層構成を有することが好ましい。上述したような成分1と成分2のポリプロピレンを含む原料を用いて製膜する場合、特にMFRの差が大きい場合や成分2の融点が低い場合に、フィルム破れや平面性の低下が生じる場合があるが、以下に示すような積層構成とすることにより改善せしめることが可能である。この場合、A層およびC層が最外層を構成し、B層は両表層以外の中間層を構成することが好ましく、さらに、B層を構成するポリプロピレン樹脂は上述したような分子量分布や結晶性を制御したポリプロピレン樹脂からなることが好ましい。また、A層、B層およびC層を構成するポリプロピレン樹脂のメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、MFRとし、A層、B層およびC層を構成するポリプロピレン樹脂の融点をそれぞれTm、Tm、Tmとしたとき、以下の条件(1)および条件(2)を満足することが好ましい。A層およびC層が製膜安定性の向上に、B層が機械物性の向上にそれぞれ寄与するが、下記条件(1)および条件(2)の範囲を外れると、破れが発生して製膜安定性が低下したり、フィルムの平面性が低下する場合がある。
条件(1):MFR、MFR>MFR
条件(2):Tm、Tm>Tm
ここで、本発明において、2種類以上のポリプロピレン原料を使用して層を構成する場合、その層の融点は、各ポリプロピレン原料の融点と混合割合から下記式により加成則で求めた融点で代表されるものとする。本発明においては、上記加成則で求めた融点が各層において150℃以上であることが好ましい。より好ましくは153℃以上、さらに好ましくは156℃以上である。融点が150℃未満では、結晶性が低すぎてキャストフィルム中のβ晶形成が阻害され、透気性能が低下する場合がある。
Tm = x×Tm/X + x×Tm/X + ・・・ + x×Tm/X
ここで、x〜xは各成分の質量、Xはx〜xの合計質量、Tm〜Tmは各成分の融点を示す。
上記条件(1)は、A層およびC層を構成するポリプロピレン樹脂のいずれのMFRの値も、B層を構成するポリプロピレン樹脂のMFRの値よりも大きいことを示し、条件(2)は、同様にA層およびC層を構成するポリプロピレン樹脂のいずれの融点についても、B層を構成するポリプロピレン樹脂の融点よりも大きいことを示している。なお、より好ましくは、条件(1)、(2)を満たしかつ、MFR=MFR、Tm=Tmを満たすことであり、さらに好ましくはA層/B層/A層の層構成を有することである。
また、層構成については、必要に応じて、A層とB層の間や、B層とC層の間に他の層が挿入された4層以上の層構成としても構わない。
さらに、表層を構成する樹脂にはポリエチレン系樹脂、エチレン共重合樹脂を含まないことが好ましい。表層にエチレン成分が存在すると電池用セパレータとして使用したとき耐酸化性が低下する場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、フィルムの長手方向および幅方向に測定した破断強度が、いずれも60MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは100MPa以上、もっとも好ましくは140MPa以上である。破断強度が60MPa未満であると、電池組立工程において、走行中のフィルムが破断したり、強度が低いためシワが入りやすくなる場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、JIS Z 1707(1997)に準じて測定(ただし、針侵入速度は0.1mm/分)した突き刺し強度が70N/mm以上であることが好ましい。より好ましくは100N/mm以上、更に好ましくは120N/mm以上である。突き刺し強度が70N/mm未満であると、蓄電デバイス用セパレータとして用いたときに、安全性が低下する場合がある。セパレータの突き刺し強度は、電池として使用した際の耐デンドライト性の指標として用いられることが多く、一般的にJIS Z 1707(1997)(針進入速度:50mm/分)にて測定されるが、実際のデンドライトの生成速度は50mm/分に比べ非常に遅いため、上記した低速(0.1mm/分の針侵入速度)での突き刺し強度が電池の安全性とよく相関するものと考えられる。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムはセパレータとして用いた際のイオン電導性の観点から空孔率が35〜80%であることが好ましい。空孔率が35%未満ではセパレータとして使用したときに電気抵抗が大きくなる場合がある。一方、空孔率が80%を超えると、フィルムの強度が低くなりすぎてしまい、電池内部に収納するために電極と共に捲回する際に破断してしまうなど、取扱性に劣る場合がある。優れた電池特性と強度を両立させる観点からフィルムの空孔率は40〜80%であればより好ましく、45〜75%であれば特に好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、フィルム総厚みが10〜50μmであることが好ましい。総厚みが10μm未満では使用時にフィルムが破断する場合があり、50μmを超えると蓄電デバイス内に占める多孔性フィルムの体積割合が高くなりすぎてしまい、高いエネルギー密度を得ることができなくなる。フィルム総厚みは12〜30μmであればより好ましく、14〜25μmであればなお好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、透気抵抗が50〜1,000秒/100mlであることが好ましい。より好ましくは80〜500秒/100ml、更に好ましくは80〜250秒/100mlである。透気抵抗が50秒/100ml未満であると、フィルムの機械強度が低下してハンドリング性が低下したり、強度が低下してセパレータに用いたとき安全性が低下する場合がある。透気抵抗が1,000秒/100mlを超えると、セパレータに用いたとき出力特性が低下する場合がある。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、破膜温度とシャットダウン温度の差(ΔT)が7℃以上であることが好ましい。ΔTが小さいと、電池の使用環境の異常などにより、電池温度が上昇したとき、セパレータの孔が閉じる前に破膜して熱暴走に至り、安全性が低下する場合がある。ΔTは8℃以上であることがより好ましく、9℃以上がさらに好ましい。
さらに、本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、シャットダウン温度が160℃以上であることが好ましい。携帯電話やノートパソコンなど小型のリチウムイオン電池では、ポリエチレンの融点である130℃付近で孔が閉じる、いわゆる低温シャットダウンが必要となる場合があるが、自動車用などの大型電池では、電池構成によっては必要とされない場合がある。低温シャットダウンが必要とされない電池構成の場合シャットダウン温度が160℃未満であると、セパレータの熱収縮率が大きくなったり、高温での電池特性が低下する場合がある。シャットダウン温度はより好ましくは165℃以上である。
以下に本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムの製造方法を具体的に説明する。なお、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、ポリプロピレン樹脂として、融点が163℃でMFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂85質量部、同じく市販の融点が158℃でMFR0.5g/10分のポリプロピレン樹脂15質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン原料(イ)を作成する。得られたポリプロピレン原料(イ)65質量部にメルトインデックス18g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂30質量部、さらに酸化防止剤を5質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(ロ)を作成する。また、ポリプロピレン原料(イ)99.5質量部にβ晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド0.3質量部、さらに酸化防止剤を0.2質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(ハ)を作成する。
次に、ポリプロピレン組成物(ロ)10質量部とポリプロピレン組成物(ハ)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、200〜230℃にて溶融押出を行う。そして、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて異物や変性ポリマーなどを除去した後、Tダイよりキャストドラム上に吐出し、未延伸シートを得る。未延伸シートを得る際のキャストドラムは表面温度が105〜130℃であることが、未延伸シート中のβ晶分率を高く制御する観点から好ましい。この際、特にシートの端部の成形が後の延伸性に影響するため、端部にスポットエアーを吹き付けてドラムに密着させることが好ましい。また、シート全体のドラム上への密着状態に基づき、必要に応じて全面にエアナイフを用いて空気を吹き付けてもよい。
次に得られた未延伸シートを二軸延伸してフィルム中に空孔(貫通孔)を形成する。二軸延伸の方法としては、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸、あるいは幅方向に延伸後長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、またはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸法などを用いることができるが、高透気性フィルムを得やすいという点で逐次二軸延伸法を採用することが好ましく、特に長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
具体的な延伸条件としては、まず未延伸シートを長手方向に延伸可能な温度に制御する。温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向の延伸温度としてはフィルム特性とその均一性の観点から、110〜140℃、さらに好ましくは120〜135℃、特に好ましくは123〜130℃の温度を採用することが好ましい。延伸倍率としては4〜6倍、より好ましくは4.5〜5.8倍である。また、延伸倍率を高くするほど高空孔率化するが、6倍を超えて延伸すると、次の横延伸工程でフィルム破れが起きやすくなってしまう場合がある。
次に、一軸延伸ポリプロピレンフィルムをテンター式延伸機にフィルム端部を把持させて導入する。そして、好ましくは130〜155℃に加熱して幅方向に4〜12倍、より好ましくは6〜11倍、より好ましくは6〜10倍、さらに好ましくは6.5〜10倍延伸を行う。なお、このときの横延伸速度としては500〜6,000%/分で行うことが好ましく、1,000〜5,000%/分であればより好ましい。
ついで、そのままテンター内で熱固定を行うが、その温度は横延伸温度以上160℃以下が好ましく、より好ましくは横延伸温度以上155℃以下であり、熱固定時間は5〜30秒間であることが好ましい。さらに、熱固定時にはフィルムの長手方向および/もしくは幅方向に弛緩させながら行ってもよく、特に幅方向の弛緩率を5〜20%、より好ましくは7〜12%とすることが、熱寸法安定性の観点から好ましい。さらに、熱固定の温度は、前述した成分2の融点Tmより高く、かつ、成分1の融点Tm未満であることが好ましい。通常熱固定は、フィルムの破膜や透気性低下を防ぐためフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の融点未満でおこなうが、本発明においては、前記温度範囲で熱固定することにより、透気性を維持したまま強度を向上可能であるため好ましい。
本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムは、透気性、生産性に優れるだけでなく、突き刺し強度、破断強度、押出安定性に優れることから、蓄電デバイス用のセパレータとして好ましく用いることができる。ここで、蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池や、リチウムイオンキャパシタなどの電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。このような蓄電デバイスは充放電することで繰り返し使用することができるので、産業装置や生活機器、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電源装置として使用することができる。本発明の多孔性ポリプロピレンフィルムを用いたセパレータを使用した蓄電デバイスは、セパレータの優れた特性から産業機器や自動車の電源装置に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)β晶形成能
ポリプロピレン組成物または多孔性ポリプロピレンフィルム5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から260℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、20℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピークにについて、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
β晶形成能(%) = 〔ΔHβ / (ΔHα + ΔHβ)〕 × 100
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
(2)融点(Tm)
上記β晶形成能の測定方法と同様の方法で原料のポリプロピレン樹脂を測定し、セカンドランのピーク温度(α晶)を融点(Tm)とした。ただし、融点の測定においてはβ晶核剤を未添加のポリプロピレン原料を用いて測定した。
(3)分子量分布測定
Waters社製150C/GPCを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定を行った。溶出温度を140℃とし、カラムは東ソー製 TSKgelGMH6−HT(3本)を使用し、分子量標準物質にはポリスチレン(東ソー社製、分子量500〜6,770,000)を用いた。得られたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)から、これらの比(Mw/Mn)を分子量分布として求めた。測定サンプルは約5mgのポリプロピレン樹脂を5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/mlの濃度とした。得られたサンプル溶液の400μlをインジェクションした。溶出溶媒流量は1.0ml/分とし、屈折率検出器にて検出した。
(4)メルトフローレート(MFR)
ポリプロピレン樹脂のMFRは、JIS K 7210(1995)の条件M(230℃、2.16kg)に準拠して測定する。ポリエチレン樹脂は、JIS K 7210(1995)の条件D(190℃、2.16kg)に準拠して測定する。
(5)空孔率
多孔性ポリプロピレンフィルムを30mm×40mmの大きさに切取り試料とした。電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD−120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて比重の測定を行った。測定を3回行い、平均値をそのフィルムの比重ρとした。
次に、測定したフィルムを280℃、5MPaで熱プレスを行い、その後、25℃の水で急冷して、空孔を完全に消去したシートを作成した。このシートの比重を上記した方法で同様に測定し、平均値を樹脂の比重(d)とした。なお、後述する実施例においては、いずれの場合も樹脂の比重dは0.91であった。フィルムの比重と樹脂の比重から、以下の式により空孔率を算出した。
空孔率(%) = 〔( d − ρ ) / d 〕 × 100
(6)冷キシレン可溶成分(CXS)
ポリプロピレン樹脂1gを200mlの沸騰キシレンに溶解したのち、50℃まで徐冷し、次いで氷水に浸し撹拌しながら20℃まで冷却し、20℃で3時間放置したのち、析出したポリマーを濾別した。濾液からキシレンを蒸発させ、60℃で減圧乾燥して20℃のキシレンに可溶なポリマーを回収・秤量し、全ポリマーに対する質量%を求めた。
(7)透気抵抗
多孔性ポリプロピレンフィルムから100mm×100mmの大きさの正方形を切取り試料とした。JIS P 8117(1998)のB形ガーレー試験器を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を行った。測定は試料を替えて3回行い、透過時間の平均値をそのフィルムの透気性とした。なお、フィルムに貫通孔が形成されていることは、この透気性の値が有限値であることをもって確認できる。
(8)破断強度
多孔性ポリプロピレンフィルムを長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。なお、150mmの長さ方向をフィルムの長手方向および幅方向に合わせた。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向および幅方向に引張試験を行った。サンプルが破断した時にフィルムにかかっていた荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×幅(10mm))で除した値を破断強度の指標とした。測定は各サンプル5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
なお、フィルムの厚みは以下のように測定を行った。フィルム厚みはダイヤルゲージを用い、JIS K 7130(1992)A−2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5ヶ所について厚みを測定した。その5ヶ所の値の平均値を10で割り、1枚あたりのフィルム厚みを算出し、その値をフィルム厚みとした。
(9)突き刺し強度
万能試験機(島津製作所製オートグラフAG−IS)を用いて、針進入速度を0.1mm/分とし、それ以外はJIS Z 1707(1997)に準じて23℃で測定をおこなった。サンプルが破膜した時にフィルムにかかっていた荷重を読み取り、試験前の試料のフィルム厚みで除した値を突き刺し強度(N/mm)とした。測定は各サンプル5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
なお、フィルムの厚みは上記(8)において記載したのと同様に測定した。
(10)シャットダウン温度、メルトダウン温度、ΔT
シャットダウン温度は、所定温度に加熱することによって、透気抵抗が5,000秒/100mlとなる温度を測定した。メルトダウン温度は、四方を枠貼りした多孔性フィルムを所定温度に加熱し、膜が溶けて破膜する温度を測定した。ΔTは以下の式により求めた。
ΔT=(メルトダウン温度)−(破膜温度)
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂として、融点163℃、MFR=7.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4を85質量部、融点163℃、MFR=0.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンD101を15質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン原料(ポリプロピレン樹脂a)とした。ポリプロピレン樹脂aのMFRは5.0g/10分であった。
次に、ポリプロピレン樹脂aを70質量部に、共重合PE樹脂としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 Engage8411、メルトインデックス:18g/10分)を25質量部に加えて、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々3.0、2.0質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(あ)を得た。
また、ポリプロピレン樹脂aを99.5質量部に、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1質量部ずつがこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(い)を得た。
得られたポリプロピレン組成物(あ)10質量部とポリプロピレン組成物(い)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、220℃で溶融押出を行い、20μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、125℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、150℃で6.5倍に、延伸速度1,800%/分で延伸した。そのまま、幅方向に10%のリラックスを掛けながら155℃で7秒間の熱処理を行い、厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。多孔性ポリプロピレンフィルムのシャットダウン温度は170℃であった。
(実施例2)
実施例1で使用した融点163℃、MFR=0.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンD101を15質量部の代わりに、融点147℃、MFR=0.7g/10分のサンアロマー製ポリプロピレンPB222Aを15質量部に変更する以外は実施例1と同様の方法でポリプロピレン原料(ポリプロピレン樹脂b)を得た。得られたポリプロピレン樹脂bのMFRは5.3g/10分であった。
次に、ポリプロピレン樹脂bを70質量部に、共重合PE樹脂としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 Engage8411、メルトインデックス:18g/10分)を25質量部に加えて、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々3.0、2.0質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(う)を得た。
また、ポリプロピレン樹脂bを99.5質量部に、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1質量部ずつがこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(え)を得た。
得られたポリプロピレン組成物(う)10質量部とポリプロピレン組成物(え)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、実施例1と同じ製膜条件で厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(実施例3)
実施例1で使用した融点163℃、MFR=7.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4、100質量部をポリプロピレン樹脂cとし、ポリプロピレン樹脂cを70質量部に、共重合PE樹脂としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 Engage8411、メルトインデックス:18g/10分)を25質量部に加えて、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々3.0、2.0質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(お)を得た。
また、ポリプロピレン樹脂cを99.5質量部に、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1質量部ずつがこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(か)を得た。
続いて、得られた原料を用いてA/B/Aの3層積層を実施した。表層A層の原料には、ポリプロピレン組成物(お)10質量部とポリプロピレン組成物(か)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、中間層B層の原料には、実施例1で使用したポリプロピレン組成物(あ)10質量部とポリプロピレン組成物(い)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、それぞれ220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロックにて3層積層し(A/B/A積層)、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、125℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、150℃で6.5倍に、延伸速度1,800%/分で延伸した。そのまま、幅方向に10%のリラックスを掛けながら155℃で7秒間の熱処理を行い、厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。未延伸フィルムの積層厚み比は1:8:1であった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法でポリプロピレン組成物(あ)およびポリプロピレン組成物(い)を得、ドライブレンドの割合を、ポリプロピレン組成物(あ)5質量部とポリプロピレン組成物(い)95質量部に変更して単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給した以外は、実施例1と同様の方法で厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において、チップ原料に実施例3で使用したポリプロピレン組成物(お)10質量部とポリプロピレン組成物(か)90質量部をドライブレンドして用いた以外は、実施例1と同じ製膜条件で厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
参考例5)
ポリプロピレン樹脂として、融点163℃、MFR=7.5g/10分の住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4を90質量部、融点147℃、MFR=0.7g/10分のサンアロマー製ポリプロピレンPB222Aを10質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン原料(ポリプロピレン樹脂c)とした。ポリプロピレン樹脂cのMFRは5.9g/10分であった。
次に、ポリプロピレン樹脂cを70質量部に、共重合PE樹脂としてエチレン−オクテン−1共重合体(ダウ・ケミカル製 Engage8411、メルトインデックス:18g/10分)を25質量部に加えて、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々3.0、2.0質量部がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、240℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(き)を得た。
また、ポリプロピレン樹脂aを99.5質量部に、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1質量部ずつがこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機(L/D=60)に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてポリプロピレン組成物(く)を得た。
得られたポリプロピレン組成物(き)10質量部とポリプロピレン組成物(く)90質量部をドライブレンドして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、220℃で溶融押出を行い、20μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、125℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、150℃で6.5倍に、延伸速度1,800%/分で延伸した。そのまま、幅方向に10%のリラックスを掛けながら155℃で7秒間の熱処理を行い、厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
参考例6)
参考例5においてポリプロピレン樹脂cの代わりに、FLX80E4を95質量部、PB222Aを5質量部と変更したポリプロピレン樹脂dを使用し、それ以外は参考例5と同様の方法で多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(比較例2)
参考例6において、サンアロマー製ポリプロピレンPB222Aの代わりに、Basell製ポリプロピレンPF−814(融点160℃、MFR=3g/10分)を用い、それ以外は参考例6と同様の方法で多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(実施例7)
以下の条件でA/B/Aの積層製膜をおこなった。表層A層の原料として、実施例3で用いたポリプロピレン組成物(か)を用い、中間層B層の原料として、実施例2で用いたポリプロピレン組成物(う)10質量部とポリプロピレン組成物(え)90質量部をドライブレンドしてして単軸の溶融押出機(L/D=45)に供給し、それぞれ220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロックにて3層積層し(A/B/A積層)、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、125℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、150℃で6.5倍に、延伸速度1,800%/分で延伸した。そのまま、幅方向に10%のリラックスを掛けながら155℃で7秒間の熱処理を行い、厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。未延伸フィルムの積層厚み比は1:8:1であった。
(実施例8)
実施例7の表層A層と中間層B層の原料を入れ替えて、未延伸フィルムの積層厚み比を1:4:1として、それ以外は実施例7と同様の条件で積層製膜をおこない、厚み25μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの平面性が実施例7に比べやや悪化した。
Figure 0005807388
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本発明の要件を満足する実施例では透気性、生産性に優れるだけでなく、突き刺し強度、破断強度、押出安定性に優れるため、蓄電デバイス用のセパレータとして好適に用いることが可能であると考えられる。一方、比較例では、機械特性に劣り、製膜延伸性に劣り、ΔTが小さいなど、蓄電デバイス用のセパレータとして用いることが困難である。
本発明の多孔性プロピレンフィルムは、透気性、生産性に優れるだけでなく、突き刺し強度、破断強度、押出安定性に優れるため、蓄電デバイス用のセパレータとして好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. ポリプロピレン樹脂とβ晶核剤とを含むポリプロピレン組成物からなる層を少なくとも1層有する多孔性ポリプロピレンフィルムであって、ポリプロピレン樹脂が以下の条件(I)〜(VI)を満足する、多孔性ポリプロピレンフィルム。
    条件(I):230℃、2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が2〜10g/10分である
    条件(II):ポリプロピレン樹脂が成分1と成分2の少なくとも2種類のポリプロピレンからなり、成分1のメルトフローレート(MFR)よりも成分2のメルトフローレート(MFR)の方が小さい
    条件(III):成分1のメルトフローレート(MFR)が5g/10分以上である
    条件(IV):成分2のメルトフローレート(MFR)が4g/10分以下である
    条件(V):MFR/MFR<0.25
    条件(VI):分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が6以上20以下である
  2. ポリプロピレン樹脂が以下の条件(VII)を満足する請求項1に記載の多孔性ポリプロピレンフィルム。
    条件(VII):冷キシレン可溶成分(CXS)が2%未満である
  3. 請求項1に記載の成分1と成分2の融点(℃)をそれぞれ、Tm、Tmとしたとき、以下の条件(VIII)を満足する、請求項1または2に記載の多孔性ポリプロピレンフィルム。
    条件(VIII):Tm−Tm>2
  4. 成分2の分子量分布が、成分1の分子量分布より大きい、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性ポリプロピレンフィルム。
  5. 成分2の分子量分布が6以上である、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性ポリプロピレンフィルム。
  6. ポリプロピレン組成物がβ晶核剤を0.05〜0.5質量%含有している、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性ポリプロピレンフィルム。
  7. ポリプロピレン組成物のβ晶形成能が40〜90%である、請求項1〜のいずれかに記載の多孔性ポリプロピレンフィルム。
  8. A層、B層およびC層の3層の積層構成を有する多孔性ポリプロピレンフィルムであって、A層およびC層が最外層を構成し、B層が両表層以外の中間層を構成し、B層を構成するポリプロピレン樹脂が請求項1〜のいずれかに記載の多孔性ポリプロピレンフィルムからなり、A層、B層およびC層を構成するポリプロピレン樹脂のメルトフローレートをそれぞれMFR、MFR、MFRとし、A層、B層およびC層を構成するポリプロピレン樹脂の融点をそれぞれTm、Tm、Tmとしたとき、以下の条件(1)および条件(2)を満足する多孔性ポリプロピレンフィルム。
    条件(1):MFR、MFR>MFR
    条件(2):Tm、Tm>Tm
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の多孔性ポリプロピレンフィルムを蓄電デバイス用セパレータとして用いた蓄電デバイス。
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