JP5672015B2 - 二軸配向多孔性フィルムおよび蓄電デバイス - Google Patents
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Description
多孔性フィルムにエイコーエンジニアリング社製IB−5型イオンコーターを用いてイオンコートを行い、日本電子社製電界放射走査電子顕微鏡(JSM−6700F)を用いてフィルム表面を撮影倍率1000倍で観察した。得られた画像データ(スケールバーなどの表示がない、観察部のみの画像)をプラネトロン社製Image−ProPlus Ver.4.5を用いて画像解析を行い、フィブリル部の面積割合を算出した。画像解析方法としては、まず平坦化フィルタ(暗い、10ピクセル)を1回実行し輝度斑を修正した後、メディアンフィルタ(カーネルサイズ3×3)を1回実行しノイズを除去した。次いで、局部イコライゼーションフィルタ(対数分布、小ウィンドウ100、ステップ1)を1回実行しフィブリル部を明るく強調させた。さらに、画像の白黒を反転させフィブリル部を黒く表示し、コントラスト調整(コントラスト100)を行った。最後に、空間較正を行い、カウント/サイズ項目において、面積検出の下限値を0.5μm2に設定しカウントを行うことで0.5μm2以下のフィブリルおよび黒点(ノイズ)を除去したフィブリルのみを検出した。その検出されたフィブリルの全面積に対する面積比をカウント/サイズ項目の面積比測定により求めることで、フィブリルの面積割合を算出した。同じ多孔性フィルムの両面において10ヶ所ずつ測定し、その平均値の高い方の面の値を当該サンプルのフィブリルの面積割合とした。
樹脂、またはフィルム5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から240℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、30℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピークにについて、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
ポリプロピレン、および熱可塑性エラストマーのMFRは、JIS K 7210(1995)の条件M(230℃、2.16kg)に準拠して測定する。ポリエチレン樹脂は、JIS K 7210(1995)の条件D(190℃、2.16kg)に準拠して測定する。
フィルムから1辺の長さ100mmの正方形を切取り試料とした。JIS P 8117(1998)のB形のガーレ試験機を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を3回行った。透過時間の平均値をそのフィルムのガーレ透気度とした。
フィルムを30mm×40mmの大きさに切取り試料とした。電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD−120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて比重の測定を行った。測定を3回行い、平均値をそのフィルムの比重ρとした。
(6)フィルム厚み
ダイヤルゲージ式厚み計(JIS B−7503(1997)、PEACOCK製UPRIGHT DIAL GAUGE(0.001×2mm)、No.25、測定子5mmφ平型、125gf荷重)を用いて、フィルムの縦方向および横方向に10mm間隔で10点測定し、それらの平均値を当該サンプルのフィルム厚みとした。
多孔性フィルムの幅方向の断面を切り出し、日本電子社製電界放射走査電子顕微鏡(JSM−6700F)を用いて倍率5000倍で観察し、各層の厚みを測定した。各層の厚みは、各層の界面から界面までの距離を測定し求めた。フィルム幅方向での任意の5ヶ所において測定し、その平均値を当該サンプルの各層の厚みとした。積層厚み比は、各層の厚みより算出した。
フィルムを幅12.7mmのテープ状にスリットしたスリットフィルムを、テープ走行試験器を用いてステンレス製ガイドピン(表面粗度:Raで100nm)上を走行させた(走行速度25m/分、巻き付け角60°、出側張力90g、走行回数1回)。この時にフィルムにシワが発生するかどうかを目視にて100m観察した。5回測定を行い、シワが発生した個数により、以下の基準で判定した。
△:1〜2個
×:3個以上
(9)セパレータとしての評価
A.電解液の調製
LiC4F9SO3をリン酸トリメチルに溶解させた後、プロピレンカーボネートを加えて混合し、プロピレンカーボネートとリン酸トリメチルとの体積比が1:2の混合溶媒にLiC4F9SO3を0.6モル/リットル溶解させた有機電解液を調製した。
厚みが40μmの宝泉社製コバルト酸リチウム正極を、幅200mm、長さ4,000mmに切断した。また、厚みが50μmの宝泉社製球状黒鉛負極を、幅200mm、長さ4,000mmに切断した。さらに、各実施例、比較例の多孔性フィルムを幅220mmにスリットし、長さ4,050mmに切断した。
作製した各二次電池について、25℃の雰囲気下、充電を1,600mAで4.2Vまで3.5時間、放電を1,600mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。さらに、充電を1,600mAで4.2Vまで3.5時間、放電を16,000mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。
△:80%以上85%未満
×:80%未満
(実施例1)
多孔性のポリオレフィンフィルムの原料樹脂として、住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4(以下、PP−1と表記する)を96質量部、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であるBasell製ポリプロピレンPF−814(以下、HMS−PPと表記する)を1質量部、エチレン・オクテン−1共重合体であるダウ・ケミカル製 Engage8411(メルトインデックス:18g/10分、以下、単にEngageと表記する)を3質量部に加えて、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、Nu−100、以下、単にβ晶核剤と表記する)を0.2質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.15、0.1質量部(以下、単に酸防剤と表記し、特に記載のない限り3:2の質量比)の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
実施例1の積層比において、1:60:1とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
実施例1の積層比において、1:1:1とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
実施例1のB層用原料において、PP−1を90質量部、Engageを9質量部とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
実施例1の縦延伸後にフィルムを冷却しないように維持する温度において、90℃とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
実施例1の縦延伸後にフィルムを冷却しないように維持する温度において、140℃とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
PP−1を96質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを3質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
PP−1を94質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを5質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
実施例1の層構成をA層/B層の2層構成となるように積層し、その積層厚み比を5:1とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
PP−1を98質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを1質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。この組成物を単軸押出機に供給し、220℃で溶融押出を行った。30μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、110℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行い、フィルムの長手方向に5倍延伸を行った。フィルムを冷却させないように110℃に制御したオーブンを通して、テンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、幅方向に150℃で6倍に、延伸速度1,500%/分で延伸した。長手方向の延伸終了から横延伸開始までの時間は10秒であった。そのまま、幅方向に5%のリラックスを掛けながら158℃で7秒間の熱処理を行い、厚み20μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
PP−1を96質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを3質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
PP−1を96質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを3質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
PP−1を96質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを3質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
PP−1を98質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを1質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
PP−1を96質量部、HMS−PPを1質量部、Engageを3質量部に加えて、β晶核剤を0.2質量部、さらに酸防剤を0.25質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料(積層フィルムのA層(第1の層)用原料)とした。
実施例1の縦延伸後にフィルムを冷却しないように維持する温度において、160℃とした以外は実施例1と同様に多孔性フィルムを得た。
2・・・空隙部
3・・・未開裂部
Claims (4)
- 少なくとも片面のフィブリルの面積割合が8〜50%であり、ガーレ透気度が10〜400秒/100mlであり、エチレン・α−オレフィン共重合体を含有した第1の層を有し、第1の層の少なくとも片面に第1の層より少ない量のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する第2の層またはエチレン・α−オレフィン共重合体を含有しない第3の層が積層された二軸配向多孔性フィルム。
- 空孔率が50〜90%である、請求項1に記載の二軸配向多孔性フィルム。
- 蓄電デバイス用セパレータに使用される、請求項1または2に記載の二軸配向多孔性フィルム。
- 請求項3に記載の二軸配向多孔性フィルムをセパレータとして用いた蓄電デバイス。
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