JP6443333B2 - ポリオレフィン微多孔膜およびその製造方法 - Google Patents
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Description
従って、本発明の課題は、耐酸化性、電解液注液性、およびシャットダウン特性に優れ、さらに透過性および強度バランスに優れたポリオレフィン微多孔膜を提供することである。
ポリプロピレンおよびポリエチレンを含む第1のポリオレフィン樹脂からなるポリオレフィン微多孔膜であって、
電解液注液性が20秒以下であり、シャットダウン温度が132℃以下であり、膜厚を20μmに換算した透気度が700秒/100cm3以下であり、膜厚を20μmに換算した突刺強度が2,000mN以上であり、
ポリオレフィン樹脂が、融点が150〜175℃であるポリプロピレンを0.5重量%以上5.0重量%未満含み、
ポリプロピレン分布(以下、PP分布)が、ラマン分光法により測定した、規格化ポリプロピレン/ポリエチレン比率の平均値が0.5以上、規格化ポリプロピレン/ポリエチレン比率の標準偏差が0.2以下、規格化ポリプロピレン/ポリエチレン比率の尖度が1.0以下−1.0以上の、面内方向で均一であることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜、である。
(a)ポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練してポリオレフィン溶液を調製する工程であって、ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレンを主成分とし、重量平均分子量が1.0×106以上の超高分子量ポリエチレンと、融点が130℃以下のポリエチレンと、融点が150〜175℃であり、重量平均分子量が6.0×104より大きく、3.0×105未満であるポリプロピレンを0.5重量%以上、5重量%未満とを含む工程、
(b)せん断速度60/sec以上で、ポリオレフィン溶液を押し出して成形体を形成する工程、
(c)得られた押出成形体を冷却速度30℃/sec以上で冷却してゲル状シートを形成する工程、
(d)得られたゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸して延伸物を作成する工程、
(e)得られた延伸物から前記成膜用溶剤を除去する工程とを含むポリオレフィン微多孔膜の製造方法、である。
表層の少なくとも一方を構成する第1のポリオレフィン樹脂からなる第1の微多孔層、および、両表層間に配置される第2のポリオレフィン樹脂からなる第2の微多孔層を有し、前記第1の微多孔層または前記第2の微多孔層のいずれか一方、または両方が、融点が130℃以下のポリエチレンを含むことが好ましい。
60≦T(A)/(T(A)+T(B))×100・・・・・(式1)
[ポリオレフィン樹脂]
本発明のポリオレフィン微多孔膜を構成するポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン(PE)を主成分とし、ポリオレフィン樹脂全体を100重量%として、ポリエチレンの割合が好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95%以上含む。ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン以外の樹脂を含む組成物であってもよい。従って、「ポリオレフィン樹脂」という言葉は、ポリオレフィンのみならず、ポリオレフィン以外の樹脂を含むものであってもよい。
前記ポリオレフィン樹脂は、本発明のポリオレフィン微多孔膜が単層の微多孔膜である場合、第1のポリオレフィン樹脂からなる。
一方、前記ポリオレフィン樹脂は、本発明のポリオレフィン微多孔膜が複数の微多孔膜からなる多層微多孔膜である場合、第1の微多孔層を構成する第1のポリオレフィン樹脂および第2の微多孔層を構成する第2のポリオレフィン樹脂であってもよい。
本発明のポリオレフィン微多孔膜において、第1の微多孔層は第1のポリオレフィン樹脂から構成される。第1のポリオレフィン樹脂はポリエチレンの他にポリプロピレンを含む。以下に各成分について詳細を示す。
ポリエチレンは、(a)Mw(重量平均分子量)が1.0×106未満のポリエチレン(以下、「PE(A)」)、又は(b)PE(A)と、Mwが1.0×106以上の超高分子量ポリエチレン(UHMwPE)とからなる組成物(以下、「PE組成物(B)」)であることが好ましい。
PE(A)は、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)のいずれでもよいが、HDPEが好ましい。PE(A)は、エチレンの単独重合体のみならず、他のα−オレフィンを少量含有する共重合体であってもよい。エチレン以外の他のα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。
PE(A)の融点は130℃を超えることが好ましい。
ポリエチレンがPE組成物(B)である場合、PE(A)の上限は、第1のポリオレフィン樹脂全体の重量を100重量%として98.5重量%であることが好ましく、より好ましくは94.0重量%である。PE(A)の下限は、45.0重量%であることが好ましく、より好ましくは46.5重量%である。
ポリプロピレンの含有量は、第1のポリオレフィン樹脂全体の重量を100重量%として5.0重量%未満であることが好ましい。ポリプロピレンの含有量の上限は好ましくは3.5重量%である。ポリプロピレンの含有量の下限は、好ましくは0.5重量%、より好ましくは1.0重量%である。ポリプロピレンの含有量が上記範囲内であると耐酸化性、膜厚均一性および強度が向上する。
第2の微多孔層を構成する第2のポリオレフィン樹脂の態様は以下のとおりである。
前述のとおり、第1および第2のポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン以外のポリオレフィンや、ポリオレフィン以外の樹脂を含む組成物であってもよい。ポリエチレン、ポリプロピレン以外のポリオレフィンとしては、ポリブテン−1以外に、例えばペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン等の単独重合体および共重合体が挙げられる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜が単層膜である場合、第1のポリオレフィン樹脂中のPE(A)の一部が、融点が130℃以下のポリエチレン(PE(C))に置き換えられることが好ましい。
本発明のポリオレフィン微多孔膜が複数の微多孔層からなる多層微多孔膜である場合、第1のポリオレフィン樹脂中のPE(A)または第2のポリオレフィン樹脂中のPE(A)のいずれか一方、または両方が、部分的にPE(C)に置き換えられることが好ましい。より好ましくは、第1のポリオレフィン樹脂中のPE(A)または第2のポリオレフィン樹脂中のPE(A)のいずれか一方が、部分的にPE(C)に置き換えられる。中でも、第1のポリオレフィン樹脂にPE(C)が含まれることが好ましい。より低いシャットダウン温度を得ることができるからである。
PE(C)の含有量の上限は、PE(C)を含む第1のポリオレフィン樹脂または第2のポリオレフィン樹脂全体の重量を100重量%として38.0重量%、より好ましくは35.0重量%である。PE(C)の含有量の下限は、10.0重量%、より好ましくは15.0重量%である。PE(C)を10.0重量%以上含むことで132℃以下のシャットダウン温度を保ちつつ、耐酸化性が良好で物性バランスに優れたポリオレフィン微多孔膜を得ることができる。
次に、本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法を説明する。なお、本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、これに限定されるものではない。
(a)ポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練してポリオレフィン溶液を調製する工程であって、
ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレンを主成分とし、
重量平均分子量が1.0×106以上の超高分子量ポリエチレン、
融点が130℃以下のポリエチレン、および
重量平均分子量が6.0×104より大きく、3.0×105未満であるポリプロピレンを0.5重量%以上、5重量%未満を含む工程と、
(b)せん断速度60/sec以上で、ポリオレフィン溶液を押し出して成形体を形成する工程と、
(c)得られた押出成形体を冷却速度30℃/sec以上で冷却してゲル状シートを形成する工程と、
(d)得られたゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸して延伸物を作成する工程と、
(e)得られた延伸物から前記成膜用溶剤を除去する工程とを含む。
(2−1)第1の製造方法
ポリオレフィン多層微多孔膜を製造する第1の製造方法は、(i)第1のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第1のポリオレフィン溶液を調製し、(ii)第2のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第2のポリオレフィン溶液を調製し、(iii)第1および第2のポリオレフィン溶液を1つのダイより同時に押し出し、(iv)得られた押出成形体を冷却してゲル状シートを形成する。さらに、(v)ゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸して延伸物を作成する工程(第1の延伸工程)、(vi)延伸物から成膜用溶剤を除去(洗浄)する工程、および(vii)洗浄後の膜を乾燥する工程を含む。(i)〜(vii)の工程の後、さらに(viii)乾燥した膜を少なくとも一軸方向に再び延伸する工程(第2の延伸工程)、および(ix)熱処理する工程を含んでもよい。必要に応じて、(vi)の成膜用溶剤除去工程の前に熱固定処理工程、熱ロール処理工程および熱溶剤処理工程のいずれかを設けてもよい。さらに(i)〜(ix)の工程の後、乾燥工程、熱処理工程、電離放射による架橋処理工程、親水化処理工程、表面被覆処理工程等を設けてもよい。さらに(v)第1の延伸工程の後に延伸物を熱処理する工程を設けてもよい。
第1のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練し、第1のポリオレフィン溶液を調製する。前述した第1のポリオレフィン樹脂に適当な成膜用溶剤を配合した後、溶融混練し、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する。溶融混練方法として、例えば特許第2132327号および特許第3347835号の明細書に記載の二軸押出機を用いる方法を利用することができる。溶融混練方法は公知であるので説明を省略する。ただしポリオレフィン樹脂溶液のポリオレフィン樹脂濃度は、ポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤の合計を100重量%として、ポリオレフィン樹脂が20〜50重量%であり、好ましくは25〜45重量%である。ポリオレフィン樹脂溶液のポリオレフィン樹脂濃度が上記範囲内であると、生産性の低下や、ゲル状シートの成形性の低下が防止される。
第2のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練し、第2のポリオレフィン溶液を調製する。第2のポリオレフィン溶液に用いる成膜用溶剤は、第1のポリオレフィン溶液に用いる成膜用溶剤と同じでもよいし、異なってもよいが、同じであることが好ましい。それ以外の調製方法は第1のポリオレフィン溶液の調製の場合と同じでよい。
第2のポリオレフィン樹脂としては、前記したとおりのものが使用可能である。
第1および第2のポリオレフィン溶液をそれぞれ押出機から1つのダイに送給し、そこで両溶液を層状に組合せ、シート状に押し出す。三層以上の構造を有するポリオレフィン多層微多孔膜を製造する場合、第1のポリオレフィン溶液が少なくとも一方の表層(第1の微多孔層)を形成し、第2のポリオレフィン溶液が両表層間の少なくとも一層(第2の微多孔層)を形成するように(好ましくは、両表層の一方又は両方に接触するように)両溶液を層状に組合せ、シート状に押し出す。
(iii)により得られた押出成形体を冷却してゲル状シートを形成する。ゲル状シートの形成方法として、例えば特許第2132327号および特許第3347835号に開示の方法を利用することができる。冷却は押出成形体が40℃以下になるまで行うことが好ましい。冷却により、成膜用溶剤によって分離されたポリオレフィンのミクロ相を固定化することができる。冷却方法としては冷風、冷却水等の冷媒に接触させる方法、冷却ロールに接触させる方法等を用いることができる。
得られたゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸する。第1の延伸によりポリエチレン結晶ラメラ層間の開裂が起こり、ポリエチレン相が微細化し、多数のフィブリルが形成される。得られるフィブリルは三次元網目構造(三次元的に不規則に連結したネットワーク構造)を形成する。ゲル状シートは成膜用溶剤を含むので、均一に延伸できる。第1の延伸は、ゲル状シートを加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法又はこれらの方法の組合せにより所定の倍率で行うことができる。第1の延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸又は逐次延伸のいずれを施してもよい。
次に、洗浄溶剤を用いて、延伸したゲル状シート(延伸物)中に残留する成膜用溶剤を除去する。ポリオレフィン相は成膜用溶剤と相分離しているので、成膜用溶剤を除去すると多孔質の膜が得られる。洗浄溶剤およびこれを用いた成膜用溶剤の除去方法は公知であるので説明を省略する。例えば特許第2132327号明細書や特開2002−256099号公報に開示の方法を利用することができる。
成膜用溶剤除去により得られたポリオレフィン微多孔膜は、加熱乾燥法、風乾法等により乾燥する。
さらに、乾燥後の膜を再び少なくとも一軸方向に延伸してもよい。第2の延伸は、膜を加熱しながら、第1の延伸と同様にテンター法等により行うことができる。第2の延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。
第2の延伸後の膜を熱処理してもよい。第2の延伸により形成されたフィブリルからなる網状組織が保持され、細孔径が大きく、強度に優れたポリオレフィン微多孔膜を製造できる。熱処理は、熱固定処理および/又は熱緩和処理を用いることができる。熱固定処理とは、膜の寸法が変わらないように保持しながら加熱する熱処理である。熱緩和処理とは、膜を加熱中にMD方向やTD方向に熱収縮させる熱処理である。特に熱固定処理により膜の結晶が安定化する。熱処理は、テンター方式、ロール方式又は圧延方式といった従来の方法で行うことができる。例えば、熱緩和処理方法としては特開2002−256099号公報に開示の方法があげられる。
第1の延伸を施したゲル状シートから成膜用溶剤を除去する前に、熱固定処理工程、熱ロール処理工程および熱溶剤処理工程のいずれかを設けてもよい。また洗浄後や第2の延伸工程中の膜に対して熱固定処理する工程を設けてもよい。洗浄前および/又は後の延伸ゲル状シート、並びに第2の延伸工程中の膜を熱固定処理する方法は上記と同じでよい。
ポリオレフィン多層微多孔膜を製造する第2の方法は、(i)第1のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第1のポリオレフィン溶液を調製し、(ii)第2のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第2のポリオレフィン溶液を調製し、(iii−2)第1および第2のポリオレフィン溶液を別個のダイより押出した直後に積層し、(iv)得られた押出成形体(積層体)を冷却してゲル状シートを形成することを特徴とする。すなわち、第1の製造方法が1つのダイの中でポリオレフィン溶液を積層して押出成形体を形成するのに対し、第2の製造方法は溶液を別個のダイより押出した直後に積層する点でのみ異なり、以下の工程は第1の製造方法と同じ方法を採用することができる。
ポリオレフィン多層微多孔膜を製造する第3の製造方法は、(i)第1のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第1のポリオレフィン溶液を調製し、(ii)第2のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第2のポリオレフィン溶液を調製し、(iii−3−1)第1のポリオレフィン溶液を一つのダイより押し出して第1の押出成形体を形成し、(iii−3−2)第2のポリオレフィン溶液を別のダイより押し出して第2の押出成形体を形成し、(iv−3)得られた第1および第2の押出成形体をそれぞれ冷却して第1および第2のゲル状シートを形成し、(v−3)第1および第2のゲル状シートをそれぞれ延伸し、(xi−3)延伸した第1および第2の延伸物を積層し、(vi)得られた延伸物から成膜用溶剤を除去することを特徴とする。すなわち、ゲル状シートを延伸するまでは別々に行い、その後に積層するものであって、以下の工程は第1の製造方法と同じ方法を採用することができる。工程(vi−3)と(vii−3)の間に、(viii−3)ゲル状積層シートの延伸工程等を設けてもよい。工程(iii−3−1)及び(iii−3−2)は、第1及び第2のポリオレフィン溶液を層状に組合せない点でのみ、第1の製造方法における工程(iii)と異なる。使用するダイは第2の製造方法における工程(iii−2)で使用するダイと同じである。工程(iv−3)は、第1および第2の押出成形体をそれぞれ別々に冷却する点でのみ第1の製造方法における工程(iv)と異なる。工程(v−3)は、第1および第2のゲル状シートをそれぞれ延伸する点でのみ第1の製造方法における工程(v)と異なる。一方、工程(xi−3)は、第1および第2の延伸物を積層するという第1及び第2の製造方法にはない工程であるが、延伸物の積層は公知の方法を用いればよい。
ポリオレフィン多層微多孔膜を製造する第4の製造方法は、(i)第1のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第1のポリオレフィン溶液を調製し、(ii)第2のポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練して第2のポリオレフィン溶液を調製し、(iii−4−1)第1のポリオレフィン溶液を一つのダイより押し出し、(iii−4−2)第2のポリオレフィン溶液を別のダイより押し出し、(iv−4)得られた各押出成形体をそれぞれ冷却して第1および第2のゲル状シートを形成し、(v−4)第1および第2のゲル状シートをそれぞれ延伸し、(vi−4)延伸した各延伸物から成膜用溶剤を除去し、(vii−4)得られた第1および第2のポリオレフィン微多孔膜を乾燥し、(viii−4)少なくとも第2のポリオレフィン微多孔膜を延伸し、(xi−4)第1および第2のポリオレフィン微多孔膜を積層する工程を有する。すなわち、多孔膜とするまでは別々に行い、その後に積層して多層微多孔膜とするものである。必要に応じて、工程(vii)と(viii−4)の間に(ix−4)第1および第2のポリオレフィン微多孔膜のそれぞれに熱処理工程を行ってもよい。また以下の工程は第1の製造方法と同じ方法を採ることができる。
工程(b)は、第1の製造方法の工程(iii)、第2の製造方法の工程(iii−2)、第3の製造方法の工程(iii−3−1)、及び第4の製造方法の工程(iii−4−1)に該当する。
工程(c)は、第1の製造方法の工程(iv)、第2の製造方法の工程(iv−2)、第3の製造方法の工程(iv−3)、及び第4の製造方法の工程(iv−4)に該当する。
工程(d)は、第1〜第2の製造方法の工程(v)、第3の製造方法の工程(v−3)、及び第4の製造方法の工程(v−4)に該当する。
工程(e)は、第1〜第3の製造方法の工程(vi)、及び第4の製造方法の工程(vi−4)に該当する。
本発明の好ましい実施態様によるポリオレフィン微多孔膜は、次の物性を有する。以下に、構造、物性およびその測定方法を説明する。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、第1の微多孔層のPP分布が面内方向で均一な構造となっている。PP分布の均一性を表現する一例として、顕微ラマン分光法により求めたPPとPEのピーク強度比(PP/PE比率)について、膜表面の最大PP/PE比率を1としたときの相対値を規格化PP/PE比率とすれば、規格化PP/PE比率の平均値/標準偏差/尖度が一定の値を示す構造と表現することができる。すなわち、本発明のポリオレフィン微多孔膜は規格化PP/PE比率が、平均値で0.5以上、標準偏差で0.2以下、分布の形状を示すパラメーターである尖度で1.0以下−1.0以上である構造を有することが好ましい。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の膜厚を20μmに換算した透気度(ガーレー値)の上限は700秒/100cm3であることが好ましく、より好ましくは600秒/100cm3であり、さらに好ましくは550秒/100cm3である。本発明のポリオレフィン微多孔膜の膜厚を20μmに換算した透気度の下限は20秒/100cm3であることが好ましく、より好ましくは100秒/100cm3である。透気度がこの範囲であると、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレータとして用いた場合に電池容量が大きく、電池のサイクル特性も良好で、電池内部の温度上昇時にシャットダウンが十分に行われる一方、電池に利用した場合に充放電時に抵抗値が上がりにくく、平均電気化学的安定性は良好である。なお、透気度は、JIS P 8117により測定し、膜厚を20μmに換算することにより求めた値である。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の空孔率は25〜80%であることが好ましく、より好ましくは30〜50%である。空孔率が上記範囲内であると、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレータとして用いた場合の透過性と強度が適正であり、電極の短絡が抑制される。空孔率は質量法により測定した値である。
空孔率(%)=100×(w2−w1)/w2
w1:微多孔膜の実重量
w2:同じ大きさおよび厚さを有する、(同じポリマーの)同等の非多孔性膜の重量
突刺強度は、直径1mm(0.5mmR)の針を用い、速度2mm/secでポリオレフィン微多孔膜を突刺したときの最大荷重値を測定し、膜厚を20μmに換算することにより求めた値である。本発明のポリオレフィン微多孔膜の膜厚を20μmに換算した突刺強度は2,000mN以上であることが好ましく、より好ましくは4,000mN以上、さらに好ましくは5,000mN以上である。突刺強度が2,000mN/20μm以上であると、ポリオレフィン微多孔膜を電池用セパレータとして電池に組み込んだ場合に、電極の短絡を効果的に抑制できる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の引張破断強度はMD方向およびTD方向のいずれにおいても60,000kPa以上、より好ましくは80,000kPa以上、さらに好ましくは100,000kPa以上である。引張破断強度が60,000kPa以上であることにより、電池製造時の破膜を防止しやすい。引張破断強度は、幅10mmの短冊状試験片を用いてASTM D882により測定した値である。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の引張破断伸度はMD方向およびTD方向のいずれにおいても80%以上であることが好ましく、より好ましくは100%以上である。これにより電池製造時の破膜を防止しやすい。引張破断伸度は、幅10mmの短冊状試験片を用いてASTM D882により測定した値である。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の105℃の温度で8時間暴露後の熱収縮率はMD方向およびTD方向ともに10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。熱収縮率が10%以下であると、ポリオレフィン微多孔膜をリチウム電池用セパレータとして用いた場合、発熱時にセパレータ端部が収縮し、電極の短絡が発生する可能性が低くなる。
熱収縮率(%)=100×(加熱前の長さ−加熱後の長さ)/加熱前の長さ
本発明のポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度は132℃以下、より好ましくは128℃以下、さらに好ましくは126℃以下である。なお、シャットダウン温度は、国際公開第2007/052663号に開示されている方法によって測定する。この方法に従い、ポリオレフィン微多孔膜を30℃の雰囲気中にさらして、5℃/分で昇温し、その間に膜の透気度を測定する。ポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度は、ポリオレフィン微多孔膜の透気度(ガーレー値)が最初に100,000秒/100cm3を超える時の温度と定義した。ポリオレフィン微多孔膜の透気度は、透気度計(旭精工株式会社製、EGO−1T)を用いてJIS P 8117に従って測定する。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の電解液注液性は20秒以下である。より好ましくは10秒以下、さらには5秒以下が特に好ましい。電解液注液性はプロピレンカーボネートの浸透時間にて評価した。50mm×50mmのサンプルをガラス板の上に載せ、サンプルの約2cm上からプロピレンカーボネートを0.5ml滴下し、滴下終了から時間の計測を開始する。滴下終了直後、プロピレンカーボネートは膜上に表面張力で盛り上がるが、滴下したプロピレンカーボネートは時間の経過とともに浸透する。膜上のプロピレンカーボネートが全て透過したところで時間の計測を停止し、浸透時間とする。浸透時間が20秒以下を良好、20秒より大きく50秒以下をやや良好、50秒を超えたものを不適とする。
電気化学的安定性を測定するために、70mmの長さ(MD)および60mmの幅(TD)を有する膜を膜と同じ面積を有する負極と正極の間に配置する。負極は天然黒鉛製であり、正極はLiCoO2製である。電解質は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)(3/7、V/V)との混合物中にLiPF6を1M溶液として溶解させることにより調製する。負極と正極の間の領域にある膜の中に電解質を含浸させ、電池を完成させる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜の膜厚は、例えば電池用セパレータとして使用する場合は5〜50μmが好ましく、5〜35μmがより好ましく、10〜25μmがさらに好ましい。膜厚の測定方法は、接触式厚さ測定方法でも非接触式厚さ測定方法でもかまわない。例えば、縦方向に1.0cm間隔で10.0cmの幅にわたって接触式厚さ計により測定することができ、次いで平均値を出して膜厚を得ることができる。接触式厚さ計としては、例えば株式会社ミツトヨ製ライトマチック等の厚さ計が好適である。
60≦T(A)/(T(A)+T(B))×100・・・・・(式1)
式1の関係を満たすことにより、より低シャットダウン温度に優れたポリオレフィン微多孔膜を得ることができる。式2の関係を満たすことがより好ましい。
60≦T(A)/(T(A)+T(B))×100<90・・・・・(式2)
式2の関係を満たすことにより、強度および透過性のバランスに優れ、低シャットダウン温度により優れたポリオレフィン微多孔膜を得ることができる。
また、式3の関係を満たすことがさらに好ましい。
60≦T(A)/(T(A)+T(B))×100<85・・・・・(式3)
膜の外観は目視/多点膜厚測定にて評価した。目視により厚みの変動が小さいものについて「良好」とした。「良好」は、多点における膜厚測定において、膜厚変動が5ミクロン未満である場合に相当する。
(13)融点
樹脂の融点はJIS K 7122に準じて以下の手順で測定した。すなわち、樹脂サンプルを走査型示差熱量計(Perkin Elmer, Inc.製、DSC−System7型)のサンプルホルダー内に静置し、窒素雰囲気中、230℃で10分間熱処理し、10℃/分で40℃まで冷却した後、40℃に2分間保持し、その後10℃/分の速度で230℃まで加熱した。最大吸熱量となった温度(ピーク温度)を融点とした。
以上のように、本発明のポリオレフィン微多孔膜は、耐酸化性および電解液注液性に優れ、電池として充放電を繰り返した後も黒色化等が起こりにくく、透過性および強度バランスに優れるので、特に電池用セパレータとして好適である。
(1)第1のポリオレフィン溶液の調製
第1ポリオレフィン組成物の全重量に対し(a)Mwが2.0×106のHDPE(Mw/Mn:8、融点:136℃)20重量%、(b)Mwが2.5×105のHDPE(Mw/Mn:8.6、末端ビニル基濃度0.1個/10000炭素あたり、融点:134℃)57重量%、(c)Mwが1.8×104のHDPE(Mw/Mn:2.6、融点:123℃)20重量%、(d)Mwが9.7×104のポリプロピレン(Mw/Mn:2.6、融点:155℃)3重量%含む第1ポリオレフィン組成物をドライブレンドにより調製した。酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを、第1ポリオレフィン組成物100重量部当たり0.2重量部ドライブレンドし、第1ポリオレフィン樹脂を調製した。
第1のポリオレフィン溶液を二軸押出機からダイへ供給して押出成形体を形成した。押出成形体を20℃に制御された冷却ロールに通して冷却してゲル状シートを形成した。なお、押出成形体のダイ中でのせん断速度を205/sec、冷却ロールでの冷却速度を37℃/secとした。得られたゲル状シートに対して、テンター延伸機を用いて、115℃の温度で延伸倍率5×5倍の同時二軸延伸(第1の延伸)を施し、巻き取った。次いで巻き取った延伸物から一部を採取し、枠板[サイズ:20cm×20cm、アルミニウム製(以下同じ)]に固定し、25℃に温調した塩化メチレンの洗浄槽中に浸漬し、100rpmで3分間揺動させながら洗浄した。洗浄した膜を室温で風乾した。乾燥した微多孔膜をバッチ延伸機により118.3℃でTD方向に1.2倍の延伸倍率で第2の延伸(再延伸)をした後、同温度下でTD方向に延伸倍率1.0倍まで熱緩和処理し、その後バッチ延伸機に取り付けたままの状態で、再延伸の温度で10分間熱固定処理してポリオレフィン微多孔膜を作製した。
(1)第1のポリオレフィン溶液の調製
第1ポリオレフィン組成物の全重量に対し(a)Mwが2.0×106のHDPE(Mw/Mn:8、融点:136℃)20重量%、(b)Mwが2.5×105のHDPE(Mw/Mn:8.6、末端ビニル基濃度0.1個/10000炭素あたり、融点:134℃)52重量%、(c)Mwが2.4×104のHDPE(Mw/Mn:3.0、融点:123℃)25重量%、(d)Mwが9.7×104のポリプロピレン(Mw/Mn:2.6、融点:155℃)3重量%含む第1ポリオレフィン組成物をドライブレンドにより調製した。酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを、第1ポリオレフィン組成物100重量部当たり0.2重量部ドライブレンドし、第1ポリオレフィン樹脂を調製した。
第2のポリオレフィン溶液は、以下の点を除き第1のポリオレフィン溶液の調整方法と同様にして調製した。第2ポリオレフィン組成物の全重量に対し(a)Mwが2.0×106のUHMwPE(Mw/Mn:8.0、融点:136℃)20重量%、(b)Mwが2.5×105のHDPE(Mw/Mn:8.6、末端ビニル基濃度0.1個/10000炭素あたり、融点:134℃)80重量%含む第2ポリオレフィン組成物をドライブレンドにより調製した。酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを、第2ポリオレフィン組成物100重量部当たり0.2重量部ドライブレンドし、第2ポリオレフィン樹脂を調製した。得られた第2ポリオレフィン組成物25重量部を強混練二軸押出機に供給し、75重量部の液体パラフィン(40℃で50cSt)をサイドフィーダーから二軸押出機に供給した。210℃、200rpmで溶融混練して第2のポリオレフィン溶液を調製した。
第1および第2のポリオレフィン溶液をそれぞれの二軸押出機から三層Tダイへ供給して、層構成が第1のポリオレフィン溶液/第2のポリオレフィン溶液/第1のポリオレフィン溶液で、層厚み比が35/30/35の三層の押出成形体を形成した。この押出成形体を20℃に制御された冷却ロールに通して冷却して三層のゲル状積層シートを形成した。なお、押出成形体のダイ中でのせん断速度を200/sec、冷却ロールでの冷却速度を36.5℃/secとした。得られたゲル状積層シートに対して、テンター延伸機を用いて、115℃の温度で延伸倍率5×5倍の同時二軸延伸(第1の延伸)を施し、巻き取った。次いで巻き取った延伸物から一部を採取し、枠板[サイズ:20cm×20cm、アルミニウム製(以下同じ)]に固定し、25℃に温調した塩化メチレンの洗浄槽中に浸漬し、100rpmで3分間揺動させながら洗浄した。洗浄した膜を室温で風乾した。乾燥した微多孔膜をバッチ延伸機により122℃でTD方向に1.4倍の延伸倍率で第2の延伸(再延伸)をした後、同温度下でTD方向に延伸倍率1.2倍まで熱緩和させ、その後バッチ延伸機に取り付けたままの状態で、再延伸の温度で10分間熱固定処理してポリオレフィン多層微多孔膜を作製した。
表1および表2に示す原料・条件にて比較例1は実施例1と、実施例2〜10および比較例2〜8は実施例2と同様にポリオレフィン微多孔膜を作製した。なお、表1および表2における「−」は、表中のUHMwPEまたはHDPE2を含まないことを示す。
本発明のポリオレフィン多層微多孔膜は、キャパシター用途、コンデンサー用途、電池用途等の非水系電解液の蓄電デバイスとして好適な性能を有しており、安全性、及び、信頼性の向上に貢献することができる。中でも電池用セパレータ、より具体的には、リチウムイオン電池用セパレータとして好適に利用でき、電池の長寿命化および安全性を高めることができる。その他の用途として、燃料電池の一構成部品、加湿膜、ろ過膜等の各種分離膜としても用いられるので、それらの分野において産業上の利用可能性がある。
Claims (11)
- ポリプロピレンおよびポリエチレンを含む第1のポリオレフィン樹脂からなるポリオレフィン微多孔膜であって、
電解液注液性が20秒以下であり、シャットダウン温度が132℃以下であり、膜厚を20μmに換算した透気度が700秒/100cm3以下であり、膜厚を20μmに換算した突刺強度が2,000mN以上であり、
ポリオレフィン樹脂が、融点が150〜175℃であるポリプロピレンを0.5重量%以上5.0重量%未満含み、
ポリプロピレン分布が、ラマン分光法により測定した、規格化ポリプロピレン/ポリエチレン比率の平均値が0.5以上、規格化ポリプロピレン/ポリエチレン比率の標準偏差が0.2以下、規格化ポリプロピレン/ポリエチレン比率の尖度が1.0以下−1.0以上の、面内方向で均一であることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。 - 前記ポリプロピレンの重量平均分子量が6.0×104より大きく、3.0×105未満である請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記第1のポリオレフィン樹脂が、重量平均分子量が1.0×106以上のポリエチレンを1.0重量%以上50.0重量%以下含む請求項1または2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 融点が130℃以下のポリエチレンを含んでなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記融点が130℃以下のポリエチレンの含有量が前記第1のポリオレフィン樹脂の10.0重量%以上38.0重量%以下である請求項4に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 3層以上の微多孔層で構成され、表層の少なくとも一方を構成する第1のポリオレフィン樹脂からなる第1の微多孔層および両表層間に配置される第2のポリオレフィン樹脂からなる第2の微多孔層を有し、前記第1の微多孔層または前記第2の微多孔層のいずれか一方、または両方が融点が130℃以下のポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 融点が130℃以下のポリエチレンの含有量が、第1のポリオレフィン樹脂または第2のポリオレフィン樹脂の10.0重量%以上38.0重量%以下である請求項6に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記第2のポリオレフィン樹脂が、重量平均分子量が1.0×106以上のポリエチレンを1.0重量%以上50.0重量%以下含み、ポリプロピレンを含まない請求項6または請求項7に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 両表層の厚さの和T(A)と両表層間に配置される各層の厚さの合計T(B)が式1の関係を満たすことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
60≦ T(A)/(T(A)+T(B))× 100・・・・・(式1) - シャットダウン温度が128℃以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- (a)ポリオレフィン樹脂と成膜用溶剤とを溶融混練してポリオレフィン溶液を調製する工程であって、ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレンを主成分とし、重量平均分子量が1.0×106以上の超高分子量ポリエチレンと、融点が130℃以下のポリエチレンと、融点が150〜175℃であり、重量平均分子量が6.0×104より大きく、3.0×105未満であるポリプロピレンを0.5重量%以上、5重量%未満とを含む工程、
(b)せん断速度60/sec以上で、ポリオレフィン溶液を押し出して成形体を形成する工程、
(c)得られた押出成形体を冷却速度30℃/sec以上で冷却してゲル状シートを形成する工程、
(d)得られたゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸して延伸物を作成する工程、および、
(e)得られた延伸物から前記成膜用溶剤を除去する工程を含むポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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