JP2012022911A - 積層セパレータおよび蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 セパレータを製造する際にセパレータ内に耐熱層を一挙に形成することで、生産性を著しく向上させ、加えてセパレータの中間層に耐熱層を形成することで耐熱性に優れ、なおかつ表裏の剛性差がないため取扱性にも優れる蓄電デバイス用の積層セパレータを提供する。
【解決手段】 無機粒子と熱可塑性樹脂とを含む粒子層の両面に、ポリオレフィンを構成成分とし、かつ貫通孔を有する多孔層が配置されてなる、少なくとも3層の積層構成を有し、以下A〜Cの特徴を備えた積層セパレータ。
A:粒子層に含まれる無機粒子と熱可塑性樹脂との含有割合が70:30〜20:80(質量比)である。
B:積層セパレータの透気抵抗が50〜800秒である。
C:多孔層と粒子層との積層厚み比が2:1:2〜15:1:15(多孔層:粒子層:多孔層)である。
【選択図】 なし
【解決手段】 無機粒子と熱可塑性樹脂とを含む粒子層の両面に、ポリオレフィンを構成成分とし、かつ貫通孔を有する多孔層が配置されてなる、少なくとも3層の積層構成を有し、以下A〜Cの特徴を備えた積層セパレータ。
A:粒子層に含まれる無機粒子と熱可塑性樹脂との含有割合が70:30〜20:80(質量比)である。
B:積層セパレータの透気抵抗が50〜800秒である。
C:多孔層と粒子層との積層厚み比が2:1:2〜15:1:15(多孔層:粒子層:多孔層)である。
【選択図】 なし
Description
本発明は粒子層と多孔層を積層した積層膜からなる積層セパレータに関する。詳しくは、多孔層に挟まれた中間層として、高濃度で無機粒子を含有する粒子層を配置することで、熱寸法安定性などの耐熱性が向上し、蓄電デバイス用のセパレータとしての安全性を大幅に向上させた積層セパレータに関する。
容量密度、出力密度に優れた蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池が注目され、電池を構成する各部材の検討が精力的になされている。たとえば、正極部材では、従来の携帯電話などの小型移動機器の電源用途では、電池の小型化が志向されることから、容量密度を重視した正極部材が採用されていたが、最近では電気自動車用途など、容量よりも出力密度が志向されるに際して、高出力に適した正極部材の探究や、熱安定性に優れ、安全に用いることができる正極剤の検討が積極的に行われている。
リチウムイオン二次電池の部材の中でも電池性能、安全性双方に寄与する部材として、セパレータを挙げることができる。従来のセパレータは主にポリオレフィン製の多孔フィルムが用いられており、種々の製造方法により多孔フィルムが多数提案されている(たとえば、特許文献1〜6参照)。
特許文献1には、ポリオレフィンをマトリックス樹脂とし、シート化後に抽出する被抽出物として、有機液状体と無機粒子を添加、混合し、これら被抽出物のみ溶剤で抽出することで、マトリックス樹脂中に空隙を生成せしめる方法が記載されている。また、特許文献2には、溶融押出時に低温押出、高ドラフト比を採用することにより、シート化した延伸前のフィルム中のラメラ構造を制御し、これを一軸延伸することでラメラ界面での開裂を発生させ、空隙を形成する方法(所謂、ラメラ延伸法)が提案されている。さらに、特許文献3には、無機粒子またはマトリックス樹脂であるポリプロピレンなどに非相溶な樹脂を粒子として多量添加し、シートを形成して延伸することにより粒子とポリプロピレン樹脂界面で開裂を発生させ、空隙を形成する方法も提案されている。そして、特許文献4〜6には、ポリプロピレンの結晶多形であるα型結晶(α晶)とβ型結晶(β晶)の結晶密度の差と結晶転移を利用してフィルム中に空隙を形成させる、所謂β晶法と呼ばれる方法の提案も数多くなされている。これら、基本的にはポリオレフィン樹脂や熱可塑性樹脂からなる多孔性セパレータでは、過酷な気象条件でも安定した性能の実現が求められる自動車用途などでは、特に熱寸法安定性に代表される耐熱性が求められる場合がある。また、大型電池の場合、従来のセパレータが有していた130℃付近で孔が閉塞し電流を遮断する、所謂シャットダウン機能では、電池の熱暴走を抑制するには不十分であり、セパレータを構成するポリオレフィン樹脂の融点近傍で樹脂が流動してしまい、正負極が短絡してしまう、メルトダウンと呼ばれる現象が発生してしまう場合があった。
ポリオレフィン製のセパレータの耐熱性を向上させる手法として、無機粒子とバインダー樹脂の混合物をポリオレフィン製セパレータ上に塗工することが提案されている(たとえば、特許文献7参照)。また、耐熱性樹脂であるアラミドに無機粒子を混合して、塗工する方法も提案されている(たとえば、特許文献8参照)。しかしながら、これらの手法では、ポリオレフィン製セパレータである多孔性フィルムの製造後に、改めて耐熱層を塗工する工程が必要になることから、生産性の点で不利であり、大きな価格上昇の要因となり、性能が向上するにしても、積極的に採用されにくいという状況であった。また、無機粒子を含有した層と含有していない層を2層共押出して、セパレータを得る方法も提案されている(たとえば、特許文献9参照)。しかしながら、この提案では無機粒子含有層をセパレータ表層に設けることで高機能セパレータが得られるとしているが、耐熱層を塗工する提案と同じく、耐熱層が片側表層にだけ設置されていると、表裏の剛性差によりセパレータがカールしてしまい、取扱性が悪化してしまうという課題があった。
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、セパレータの製造工程と耐熱層を塗工する工程を個別に行うのではなく、セパレータを製造する際にセパレータ内に耐熱層を一挙に形成することで、生産性を著しく向上させ、加えてセパレータの中間層に耐熱層を形成することで耐熱性に優れ、なおかつ表裏の剛性差がないため取扱性にも優れる蓄電デバイス用の積層セパレータおよび蓄電デバイスを提供することにある。
上記した課題を解決するための本発明は、以下の特徴を有する。
(1)無機粒子と熱可塑性樹脂とを含む粒子層の両面に、ポリオレフィンを構成成分とし、かつ貫通孔を有する多孔層が配置されてなる、少なくとも3層の積層構成を有し、以下A〜Cの特徴を備えた積層セパレータ。
A:粒子層に含まれる無機粒子と熱可塑性樹脂との含有割合が70:30〜20:80(質量比)である。
B:積層セパレータの透気抵抗が50〜800秒である。
C:多孔層と粒子層との積層厚み比が2:1:2〜15:1:15(多孔層:粒子層:多孔層)である。
(2)多孔層を構成するポリオレフィンが、β晶形成能が50〜99%であるポリプロピレン樹脂である、上記(1)に記載の積層セパレータ。
(3)粒子層における無機粒子の体積割合が5〜30%である、上記(1)または(2)に記載の積層セパレータ。
(4)無機粒子の平均粒子径が0.01〜2μmである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層セパレータ。
(5)多孔層中に、芳香族ジカルボン酸残基を有するアミド系化合物を0.01〜0.5質量%含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層セパレータ。
(6)上記(5)に記載の積層セパレータを用いた蓄電デバイス。
本発明の積層セパレータは、単に耐熱性に優れるだけでなく、通常のポリオレフィン製セパレータを作製するのとほぼ同じ工程で製造することができ、なおかつ従来の両面塗工という手間を省略できる、生産性にも優れるセパレータを提供することができる。
本発明の積層セパレータは、無機粒子と熱可塑性樹脂とを含む粒子層の両面に、ポリオレフィンを構成成分とし、かつ貫通孔を有する多孔層が配置されてなる、少なくとも3層の積層構成を有している。
本発明の積層セパレータを構成するポリオレフィンを含む多孔層は、溶融押出、延伸により貫通孔を形成し多孔化されていることが望ましい。溶融押出、延伸により貫通孔を形成し多孔化するには、上記したラメラ延伸法とβ晶法が挙げられるが、粒子層と同時に成型可能であるという観点からはβ晶法が好ましい。
本発明で好ましく用いることができるポリプロピレンとしては、メルトフローレート(MFR、条件230℃、2.16kg)が2〜30g/10分の範囲のアイソタクチックポリプロピレン樹脂であることが好ましい。MFRが5〜20g/10分であれば高空孔率と製膜安定性が両立できるという点でより好ましい。ここで、MFRはJIS K 7210(1995)で規定されている樹脂の溶融粘度を示す指標であり、ポリオレフィンの特徴を示す物性値として広く用いられているものである。ポリプロピレンの場合はJIS K 7210の条件M、すなわち温度230℃、荷重2.16kgで測定を行う。
また、アイソタクチックポリプロピレン樹脂のアイソタクチックインデックスが90〜99.9%であれば、結晶性が高いために効率よく空隙をフィルム中に形成することができるので好ましい。アイソタクチックインデックスが90%未満であると高透気性の多孔層や積層セパレータを得ることが困難な場合がある。
本発明の積層セパレータの多孔層は、上記したアイソタクチックポリプロピレン樹脂100質量%から構成されてもよいが、高い透気性、空孔率を実現する観点からアイソタクチックポリプロピレン樹脂を90〜99.9質量%含むポリオレフィンから構成されてもよい。耐熱性の観点から92〜99質量%がポリプロピレンであればより好ましい。ここで、ポリプロピレンとはプロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレンはもちろんのこと、コモノマー残基を含むポリプロピレン共重合体であってもよい。コモノマーとしては、不飽和炭化水素が好ましく、たとえばエチレンやα−オレフィンである1−ブテンや1−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−オクテンを挙げることができる。ポリプロピレンへのこれらコモノマーの共重合率は好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本発明における多孔層は、エチレン・α−オレフィン共重合体を0.1〜10質量%含んでなるポリプロピレン樹脂から構成されることが、高透気性、高空孔率を実現する観点から好ましい。2〜10質量%であるとより好ましく、3〜8質量%であれば特に好ましい。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体としては直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレンなどを挙げることができ、中でも、1−オクテンを共重合したエチレン・1−オクテン共重合体からなる超低密度ポリエチレンを好ましく用いることができる。これらエチレン・α−オレフィン共重合体は市販されている、たとえばダウ・ケミカル製“Engage(エンゲージ)(登録商標)”(タイプ名:8411、8452、8100など)を用いることができる。
本発明における多孔層は、ポリプロピレン樹脂を用いてβ晶法によりフィルムに貫通孔を形成することが好ましいが、ポリプロピレン樹脂のβ晶形成能が50〜99%であることが好ましい。β晶形成能が50%未満ではフィルム製造時にβ晶量が少ないためにα晶への転移を利用してフィルム中に形成される空隙数が少なくなり、その結果、透過性に劣るフィルムしか得られない場合がある。一方、β晶形成能が99%を超えるようにするのは、実際には極めて困難であり、工業的にはβ晶形成能は60〜90%が好ましく、70〜90%が特に好ましい。
β晶形成能を50〜99%に制御するためには、アイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂を使用したり、β晶核剤と呼ばれる、ポリプロピレン樹脂中に添加することでβ晶を選択的に形成させる結晶化核剤を添加剤として用いたりすることが望ましい。β晶核剤としては種々の顔料系化合物やアミド系化合物を好ましく用いることができる。β晶核剤の含有量としては、ポリプロピレン樹脂全体を基準とした場合に、0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.4質量%であればより好ましい。
本発明において使用するβ晶核剤としては、芳香族ジカルボン酸残基を有するアミド系化合物であることが特に好ましい。
本発明の積層セパレータを構成する粒子層は、無機粒子と熱可塑性樹脂とを含んでいる。好ましくは両者の混合物からなることである。ここで、無機粒子と熱可塑性樹脂の混合割合(含有割合)としては、質量比で70:30〜20:80であることが望ましい。耐熱性とセパレータとしての特性の両面からより好ましい混合割合は70:30〜30:70であり、60:40〜40:60であれば特に好ましい。
本発明における粒子層中の無機粒子としては、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物、ケイ酸アルミ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウムやマイカ、カオリン、クレーなどの天然鉱物由来の無機粒子などを好ましく用いることができる。中でも、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの金属酸化物粒子を好ましく採用することができる。これら無機粒子の粒子層中に占める体積割合は5〜30%が好ましく、10〜30%であればより好ましい。体積割合で高い含有量を満たすには、無機粒子の比重が低く、用いる熱可塑性樹脂の比重と近いほど好ましく、その観点からはシリカ、アルミナを好ましく用いることができる。また、これら無機粒子は複数の粒子を混合して用いてもよく、単一の粒子種であっても、平均粒子径の異なる粒子を混合して用いてもよい。
本発明で用いる無機粒子の平均粒子径としては0.01〜2μmであることが好ましい。ここで、平均粒子径は、電子顕微鏡観察で得られた粒子像から円相当径を算出し、粒子100個について相加平均により算出した平均値である。平均粒子径が0.01μm未満であると、多孔層の貫通孔にまで無機粒子が浸透し、目詰まりの原因となる場合があり、逆に2μmを超える平均粒子径の場合は粒子間に熱可塑性樹脂が浸透してしまい、セパレータ抵抗が高く、電池性能を低下させる場合がある。平均粒子径としては0.1〜1.5μmであればより好ましく、0.2〜1.2μmであれば特に好ましい。
本発明における粒子層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル化合物、ポリフッ化ビニリデンなどのポリビニリデン化合物などを挙げることができるが、共押出、同時延伸により一気に積層セパレータを得るという観点からはポリオレフィンが好ましく、中でもポリプロピレンが特に好ましい。ポリプロピレン以外のポリオレフィンとしては、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1などを好ましい樹脂として挙げることができる。
本発明の積層セパレータは透気抵抗が50〜800秒であることが望ましい。積層セパレータの透気抵抗が50秒未満であると、蓄電デバイスの自己放電が著しい場合があり、実用上問題となる場合がある。一方、透気抵抗が800秒を超えるとセパレータ抵抗が高すぎて、充放電容量が小さくなってしまう場合がある。80〜600秒であればより好ましい。100〜400秒であれば特に好ましい。
本発明の積層セパレータは粒子層の両面に多孔層を積層した少なくとも3層の積層構成を有しているが、その積層厚み比は多孔層:粒子層:多孔層=2:1:2〜15:1:15であることが望ましい。多孔層と粒子層の厚み比が2:1未満であると透気抵抗が低くなりすぎて、自己放電が著しくなる場合があり、逆に厚み比が15:1を超えると粒子層を中間層に設ける効果が得られない場合がある。より好ましい積層厚み比としては3:1:3〜10:1:10である。
本発明の積層セパレータは粒子層の両面に多孔層を積層した少なくとも3層の積層構成を有しているが、多孔層が組成の異なる複数層の積層体であってもよく、また、セパレータ中に粒子層が複数層存在する構成であってもよい。その場合の好ましい積層厚み比としては、連続する多孔層(粒子層を中間に有さない多孔層の連続層)は一体の多孔層とみなして、上記した望ましい厚み比を満足することが好ましい。また、粒子層が複数存在する場合は、一つ一つの粒子層が一体の多孔層に対して1:2〜1:15の厚み比を有することが望ましい。多孔層の厚みがバラバラの場合、最も厚い一体の多孔層に対して、上記した望ましい範囲の厚み比率を有することが望ましい。
本発明の積層セパレータの多孔層には、上記した粒子層に添加する無機粒子が含まれてもよい。多孔層に粒子を含む場合には、粒子の含有量が5質量%以下であることが好ましい。多孔層の粒子含有量が5質量%を超えると、表層からの粒子の脱落が起こる場合があり、蓄電デバイスの寿命、安定性に影響を及ぼす場合がある。より好ましくは、3質量%以下である。多孔層に無機粒子を添加する場合、粒子層に用いる無機粒子と同じ粒子を用いても、異なる粒子を用いてもよい。
以下に本発明における積層セパレータの製造方法を具体的に説明する。なお、本発明はこれら製造方法に限定されるものではない。
まず、多孔層用の原料として、MFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂100質量部にN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド0.3質量部を混合し、二軸押出機を使用して予め所定の割合で混合した原料を準備する。この際、溶融温度は270〜300℃とすることが好ましい。
また、粒子層用の原料として、MFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂40質量部に平均粒子径0.25μmの酸化チタン粒子60質量部を混合し、二軸押出機を使用して無機粒子を混合した原料を準備する。この際の溶融温度は、酸化チタン粒子が均一に分散するように設定することが重要であり、220〜260℃が好ましい。
次に、上述の多孔層用原料と、粒子層用の原料を各々別の単軸押出機に供給し、200〜240℃にて溶融押出を行う。この際、粒子層は酸化チタン粒子を添加していないポリプロピレン原料と混合して原料供給することで、所望の粒子添加量に調整することが望ましい。
そして、別々の押出機から別々のポリマー管を通してフィルターに導き、異物などを除去した後、Tダイ上部に設置したフィードブロック、もしくはマルチマニホールドタイプのTダイにより粒子層の両面に多孔層を積層した3層構成にして、Tダイから吐出し、キャストドラム上にキャストして未延伸シートを得る。この際、使用する押出機の口径およびスクリュー回転数を調整することにより、各層の厚み比を調整することができる。
この際、キャストドラムは表面温度が105〜130℃であることが、多孔層を構成するポリプロピレン樹脂のβ晶分率を高く制御する観点から好ましい。β晶分率は好ましくは40〜80%であることが貫通孔の形成を均一にし、透気性、空孔率の均一性を高める観点から好ましい。β晶分率は45〜80%であればより好ましく、50〜75%であれば特に好ましい。また、シートをドラムへ密着させるためにエアナイフを用いて空気を吹き付ける方法を採用することが好ましい。
次に得られた未延伸シートを二軸延伸してフィルム中に空孔(貫通孔)を形成する。二軸延伸の方法としては、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸、あるいは幅方向に延伸後長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、またはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸法などを用いることができるが、貫通孔の形成を効率よく達成できる点で逐次二軸延伸法を採用することが好ましく、特に長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
具体的な延伸条件としては、まず未延伸シートを長手方向に延伸可能な温度に制御する。温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向の延伸温度としてはフィルム特性とその均一性の観点から、110〜140℃、さらに好ましくは115〜130℃の温度を採用することが好ましい。延伸倍率としては4〜6倍、より好ましくは4.2〜5.5倍である。ここで、特に粒子層の均一性を確保する観点からは長手方向の延伸温度としては、120〜130℃が好ましい。また、延伸倍率が6倍を超えると、縦延伸でフィルムが破断したり、次の横延伸工程でフィルム破れが起きやすくなったりする場合がある。
次に、一軸延伸フィルムをステンター式延伸機にフィルム端部を把持させて導入する。そして、好ましくは140〜155℃に加熱して幅方向に4〜10倍、より好ましくは5〜8倍延伸を行う(いずれも最終倍率)。なお、このときの横延伸速度としては500〜6,000%/分で行うことが好ましく、1,000〜5,000%/分であればより好ましい。
ついで、そのままステンター内で熱固定を行うが、その温度は横延伸温度以上165℃以下が好ましく、熱固定時間は5〜30秒間であることが好ましい。さらに、熱固定時にはフィルムの長手方向および/もしくは幅方向に弛緩させながら行ってもよく、特に幅方向の弛緩率を7〜25%とすることが、熱寸法安定性の観点から好ましい。
以上のような条件で製膜、延伸を行った積層フィルムについてクリップで把持していたフィルム端部をトリミングしてフィルムの中央部のみを、紙製、プラスチック製、金属製なからなり、トリミング後のフィルムの幅以上の幅を有する管を巻芯にして、フィルムを長手方向に連続して巻取ることで、積層セパレータのフィルムロールを得る。この際、巻取り張力は、フィルムにシワが発生せず、かつ弛みが起こらない範囲で低張力であることが、巻取った後の特性変化を抑制する観点から好ましく、巻取り張力は5〜50N/mであることが好ましい。特に巻取り張力が5〜30N/mであると、フィルムロールを放置しておいても、圧縮でのロール巻芯側の特性変化を抑制することができる点で好ましい。
なお、上記でトリミングしたフィルム端部は別途、カッターなどで粉砕し、溶融押出することで再チップ化するなどして回収原料化し、セパレータの原料として使用することは、原料資源の有効利用、低コスト化の観点から望ましい。その場合は、回収原料を多孔層、粒子層のいずれに混合してもよいが、セパレータ表層からの粒子の脱落を防止する観点からは、粒子層に用いることが好ましい。また、回収原料の混合比率としては、回収原料を混合する層の全原料を基準として、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%であればより好ましい。また、上記のような自己回収原料を使用せず、他のフィルム製造時に発生したフィルム屑等を利用した回収原料を再利用することもセパレータの品質確保、資源の有効活用などの観点から好ましいことである。
このようにして得られた積層セパレータは多孔層の内部に粒子層を有することから、熱寸法安定性などの耐熱性が向上し、蓄電デバイス用のセパレータとしての安全性を大幅に向上させた積層セパレータを提供することができる。
ここで、蓄電デバイスとは、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池や、リチウムイオンキャパシタなどの電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。このような蓄電デバイスは充放電することで繰り返し使用することができるので、産業装置や生活機器、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電源装置として使用することができる。本発明の積層セパレータは、中でもリチウムイオン二次電池用に好適に用いることができ、特に、産業機器や自動車用などの高出力が求められるリチウムイオン二次電池用のセパレータとして好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)β晶形成能
樹脂またはフィルム5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から240℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、20℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピーク(小数点以下は四捨五入)について、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
樹脂またはフィルム5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から240℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、20℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピーク(小数点以下は四捨五入)について、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
β晶形成能(%) = 〔ΔHβ / (ΔHα + ΔHβ)〕 × 100
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
(2)透気抵抗
セパレータから100mm×100mmの大きさの正方形を切取り試料とした。JIS P 8117(1998)のB形ガーレー試験器を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を行った。測定は3回行い、透過時間の平均値をそのセパレータの透気抵抗とした。
セパレータから100mm×100mmの大きさの正方形を切取り試料とした。JIS P 8117(1998)のB形ガーレー試験器を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を行った。測定は3回行い、透過時間の平均値をそのセパレータの透気抵抗とした。
(3)積層厚み比
透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kVでセパレータ断面を超薄切片法で観察し、無機粒子の有無で層界面を判別し、積層厚みを求めた。なお、測定は各実験例とも任意の5カ所について倍率20,000倍で観察し、その平均値から積層厚み比を求めた。なお、フィルム全体の厚みはダイアルゲージを用いて任意の5ヶ所を測定し平均値を採用した。
透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kVでセパレータ断面を超薄切片法で観察し、無機粒子の有無で層界面を判別し、積層厚みを求めた。なお、測定は各実験例とも任意の5カ所について倍率20,000倍で観察し、その平均値から積層厚み比を求めた。なお、フィルム全体の厚みはダイアルゲージを用いて任意の5ヶ所を測定し平均値を採用した。
(4)平均粒子径・無機粒子含有量
積層セパレータをPPテープなどでへき開はく離して粒子層を取り出し(多孔層が残存していても問題ない)、取り出した粒子層の表面から熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂が灰化されるが、粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を変更して粒子数500個以上で次の数値処理を行いそれによって求めた数平均粒子径Dを平均粒子径(円相当径)とする。また、同時にX線マイクロアナライザーを使用して粒子濃度(質量濃度)を決定した。
積層セパレータをPPテープなどでへき開はく離して粒子層を取り出し(多孔層が残存していても問題ない)、取り出した粒子層の表面から熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂が灰化されるが、粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を変更して粒子数500個以上で次の数値処理を行いそれによって求めた数平均粒子径Dを平均粒子径(円相当径)とする。また、同時にX線マイクロアナライザーを使用して粒子濃度(質量濃度)を決定した。
D=ΣDi/N
ただし、Di:i番目の粒子の円相当径(iは1〜Nまでの整数)、N:粒子数。
ただし、Di:i番目の粒子の円相当径(iは1〜Nまでの整数)、N:粒子数。
なお、円相当径については、たとえば「新実験化学講座18界面とコロイド」(日本化学会編、丸善株式会社(1997年))の380ページに解説されている。
また、質量濃度から体積濃度への変換は以下のように行った。
体積濃度(%)=(粒子の質量濃度×粒子の比重)/(粒子の質量濃度×粒子の比重)+((100−粒子の質量濃度)×樹脂の比重)×100
なお、以下の実施例、比較例では、樹脂の比重は全て0.91であった。
なお、以下の実施例、比較例では、樹脂の比重は全て0.91であった。
(5)アミド化合物濃度
アミド系化合物の濃度はセパレータ化を通じて保存されるため、原料仕込み時の濃度をもってアミド系化合物濃度とする。
アミド系化合物の濃度はセパレータ化を通じて保存されるため、原料仕込み時の濃度をもってアミド系化合物濃度とする。
原料仕込み時の濃度が不明のときは、デカリンを溶媒として用いてポリプロピレン中の添加剤など化合物を抽出した抽出液を作成し、高速液体クロマトグラフィーを用いることで定量する。具体的には、多孔層のみをテープはく離で取り出し、デカリンに加えてポリプロピレン樹脂中のアミド系化合物や酸化防止剤などを抽出させたのち、高速液体クロマトグラフィーにより定量する。なお、予め秤量したアミド系化合物、酸化防止剤の添加量が既知の標準ポリプロピレン樹脂を作成し、同様の測定を行い検量線を作成しておくことで、ポリプロピレン中のアミド系化合物濃度を定量することができる。
(6)耐熱性評価
熱機械分析装置(TMA)を用いて積層セパレータの幅方向の熱収縮挙動の測定を行った。測定は初期試料長20mm、一定応力490kPa、昇温速度10℃/minの条件で、室温から150℃まで行い、120℃および130℃での収縮率の差を平均収縮率(%/10℃)として、以下の基準で評価を行った。
熱機械分析装置(TMA)を用いて積層セパレータの幅方向の熱収縮挙動の測定を行った。測定は初期試料長20mm、一定応力490kPa、昇温速度10℃/minの条件で、室温から150℃まで行い、120℃および130℃での収縮率の差を平均収縮率(%/10℃)として、以下の基準で評価を行った。
A級:平均収縮率が3%/10℃未満であった。
B級:平均収縮率が3%/10分以上〜10%/10℃未満であった。
C級:平均収縮率が10%/10℃以上であった。
(7)セパレータ抵抗評価
プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒中、LiPF6 を1モル/Lの割合で溶解した電解液を作製した。この電解液中にニッケル製正・負極および該正・負極間に多孔性ポリオレフィンフィルムを配置し、LCRメーターを用いて、複素インピーダンス法にてコール・コールプロットを測定し、20,000Hzでのインピーダンスの実部を求めイオン電導性の指標とした。測定は、アルゴン雰囲気のグローブボックス中、25℃において行った。
プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒中、LiPF6 を1モル/Lの割合で溶解した電解液を作製した。この電解液中にニッケル製正・負極および該正・負極間に多孔性ポリオレフィンフィルムを配置し、LCRメーターを用いて、複素インピーダンス法にてコール・コールプロットを測定し、20,000Hzでのインピーダンスの実部を求めイオン電導性の指標とした。測定は、アルゴン雰囲気のグローブボックス中、25℃において行った。
A級:インピーダンス(実部)が0.15Ω未満であった。
B級:インピーダンス(実部)が0.15Ω以上0.2Ω未満であった。
C級:インピーダンス(実部)が0.2Ω以上であった。
(実施例1)
多孔層の原料樹脂として、住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4(MFR:7g/10分、以下、PP−1と表記)を97質量部、超低密度ポリエチレン樹脂であるダウ・ケミカル製 Engage8411(メルトインデックス:18g/10分、以下、単にPE−1と表記)を3質量部に加えて、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド(新日本理化(株)製、Nu−100、以下、単にβ晶核剤と表記)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.3、0.2質量部(以下、単に酸防剤と表記し、特に記載のない限り3:2の質量比で使用)を、この比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、295℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
多孔層の原料樹脂として、住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4(MFR:7g/10分、以下、PP−1と表記)を97質量部、超低密度ポリエチレン樹脂であるダウ・ケミカル製 Engage8411(メルトインデックス:18g/10分、以下、単にPE−1と表記)を3質量部に加えて、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド(新日本理化(株)製、Nu−100、以下、単にβ晶核剤と表記)を0.3質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.3、0.2質量部(以下、単に酸防剤と表記し、特に記載のない限り3:2の質量比で使用)を、この比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、295℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
次に、粒子層用の原料として、PP−1を69.5質量部、平均粒子径0.2μmのアナターゼ型酸化チタン粒子(比重4)を30質量部、β晶核剤を0.2質量部、加えて酸化防止剤を0.3質量部を、この比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、20℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして粒子層用の組成物を得た。
上記した多孔層用原料と、粒子層用の原料を各々別の単軸押出機に供給し、各々220℃にて溶融押出を行う。そして、別々の押出機から別々のポリマー管を通してフィルターに導き、異物などを除去した後、Tダイ上部に設置したフィードブロックにより粒子層の両面に多孔層を積層した3層構成にして、Tダイから吐出し、120℃に温度調整したキャストドラム上にキャストして未延伸シートを得た。この際、エアナイフを用いることで吐出物をドラム上に密着させ、ドラム上で15秒間温度保持した。
次に、125℃に加熱したセラミックロールを用いて加熱を行い、同じく125℃に加熱したロールと50℃に温度制御したロールの周速差を利用して、フィルムの長手方向に5倍延伸を行い、一旦冷却した。
さらに、テンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、150℃で幅方向に6.5倍延伸した。その際、延伸速度は2,000%/分で行った。そして、幅方向に10%のリラックスを掛けながら160℃で5秒間の熱処理を行い、その後、クリップで把持していた両端部をカットしてフィルムの中央部分のみを製品として、厚み25μmの積層セパレータを得た。なお、多孔層と粒子層の積層比率は12:1:12であった。
(実施例2)
実施例1において、粒子層の組成をPP−1が49.5質量部、酸化チタン粒子が50質量部に変更する以外は同じ条件にて原料準備、製膜を行い、実施例1と同様に厚み25μmの積層セパレータを得た。なお、多孔層と粒子層の積層比率は12:1:12であった。
実施例1において、粒子層の組成をPP−1が49.5質量部、酸化チタン粒子が50質量部に変更する以外は同じ条件にて原料準備、製膜を行い、実施例1と同様に厚み25μmの積層セパレータを得た。なお、多孔層と粒子層の積層比率は12:1:12であった。
(実施例3)
多孔層の原料の混合組成をPP−1が97.2質量部、β晶核剤が0.1質量部に変更した。また、粒子層の原料として、PP−1が40質量部、酸化チタン粒子が60質量部の混合物に変更した。それ以外は実施例1と同様にして積層セパレータを得た。
多孔層の原料の混合組成をPP−1が97.2質量部、β晶核剤が0.1質量部に変更した。また、粒子層の原料として、PP−1が40質量部、酸化チタン粒子が60質量部の混合物に変更した。それ以外は実施例1と同様にして積層セパレータを得た。
(実施例4)
実施例1において、多孔層と粒子層の積層比率を2:1:2に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み25μmの積層セパレータを得た。
実施例1において、多孔層と粒子層の積層比率を2:1:2に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み25μmの積層セパレータを得た。
(実施例5)
実施例1において、多孔層と粒子層の積層比率を11:3:11に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み25μmの積層セパレータを得た。
実施例1において、多孔層と粒子層の積層比率を11:3:11に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み25μmの積層セパレータを得た。
(実施例6)
実施例1において、多孔層の原料の混合組成をPP−1が97.25質量部、β晶核剤が0.05質量部に変更した。また、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径1μmの球状シリカ粒子(比重1.2)に変更した。それ以外は同様に製膜を行い、積層セパレータを得た。
実施例1において、多孔層の原料の混合組成をPP−1が97.25質量部、β晶核剤が0.05質量部に変更した。また、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径1μmの球状シリカ粒子(比重1.2)に変更した。それ以外は同様に製膜を行い、積層セパレータを得た。
(実施例7)
実施例1において、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径が0.5μmのα−アルミナ(比重4)に変更する以外は同様に製膜を行い、積層セパレータを得た。
実施例1において、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径が0.5μmのα−アルミナ(比重4)に変更する以外は同様に製膜を行い、積層セパレータを得た。
(比較例1)
実施例1において、粒子層の原料に酸化チタン粒子を添加しない以外は同様に製膜を行い、厚み25μmのセパレータを得た。
実施例1において、粒子層の原料に酸化チタン粒子を添加しない以外は同様に製膜を行い、厚み25μmのセパレータを得た。
(比較例2)
粒子層の原料として、PP−1が25質量部、酸化チタン粒子が75質量部の混合物に変更する以外は実施例1と同様にして、積層セパレータを得ようとしたが、延伸中にフィルムが破断してしまうため、長手方向の延伸を140℃、3倍、幅方向の延伸を160℃、3倍として厚み25μmの積層フィルムを得た。
粒子層の原料として、PP−1が25質量部、酸化チタン粒子が75質量部の混合物に変更する以外は実施例1と同様にして、積層セパレータを得ようとしたが、延伸中にフィルムが破断してしまうため、長手方向の延伸を140℃、3倍、幅方向の延伸を160℃、3倍として厚み25μmの積層フィルムを得た。
(比較例3)
実施例1において、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径2μmの凝集シリカ粒子(比重2)に変更し、多孔層と粒子層の積層比率を10:8:10に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み28μmの積層セパレータを得た。
実施例1において、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径2μmの凝集シリカ粒子(比重2)に変更し、多孔層と粒子層の積層比率を10:8:10に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み28μmの積層セパレータを得た。
(比較例4)
実施例1において、多孔層と粒子層の積層比率を20:1:20に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み22μmの積層セパレータを得た。
実施例1において、多孔層と粒子層の積層比率を20:1:20に変更する以外は同様に製膜を行い、厚み22μmの積層セパレータを得た。
(実施例8)
実施例1において、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径2.5μmの球状シリカ粒子(比重1.2)に変更する以外は同様に製膜を行い、積層セパレータを得た。
実施例1において、粒子層に用いる無機粒子を平均粒子径2.5μmの球状シリカ粒子(比重1.2)に変更する以外は同様に製膜を行い、積層セパレータを得た。
本発明の積層セパレータは、単に耐熱性に優れるだけでなく、通常のポリオレフィン製セパレータを作製するのとほぼ同じ工程で製造する事ができ、なおかつ従来の両面塗工という手間を省略できる、生産性にも優れるセパレータを提供することができる。
Claims (6)
- 無機粒子と熱可塑性樹脂とを含む粒子層の両面に、ポリオレフィンを構成成分とし、かつ貫通孔を有する多孔層が配置されてなる、少なくとも3層の積層構成を有し、以下A〜Cの特徴を備えた積層セパレータ。
A:粒子層に含まれる無機粒子と熱可塑性樹脂との含有割合が70:30〜20:80(質量比)である。
B:積層セパレータの透気抵抗が50〜800秒である。
C:多孔層と粒子層との積層厚み比が2:1:2〜15:1:15(多孔層:粒子層:多孔層)である。 - 多孔層を構成するポリオレフィンが、β晶形成能が50〜99%であるポリプロピレン樹脂である、請求項1に記載の積層セパレータ。
- 粒子層における無機粒子の体積割合が5〜30%である、請求項1または2に記載の積層セパレータ。
- 無機粒子の平均粒子径が0.01〜2μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層セパレータ。
- 多孔層中に、芳香族ジカルボン酸残基を有するアミド系化合物を0.01〜0.5質量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層セパレータ。
- 請求項5に記載の積層セパレータを用いた蓄電デバイス。
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JP2010160316A JP2012022911A (ja) | 2010-07-15 | 2010-07-15 | 積層セパレータおよび蓄電デバイス |
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WO2015034080A1 (ja) | 2013-09-09 | 2015-03-12 | 宇部興産株式会社 | セパレータ及びそれを用いた蓄電デバイス |
JP2016207277A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | トヨタ自動車株式会社 | 電極体 |
JP2023524704A (ja) * | 2020-08-14 | 2023-06-13 | エルジー エナジー ソリューション リミテッド | セパレーター及びこれを含む電気化学素子 |
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2010
- 2010-07-15 JP JP2010160316A patent/JP2012022911A/ja active Pending
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