本明細書中に記載されているのは、すべての製薬上許容されるその溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態および結晶形態(すべての多形体を含む)、プロドラッグ、代謝産物ならびにN-オキシド(化合物1)をはじめとする、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、またはすべての製薬上許容されるその溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態および結晶形態(すべての多形体を含む)、プロドラッグ、代謝産物ならびにN-オキシドをはじめとする、化合物1の製薬上許容される塩、ならびにロイコトリエン媒介性疾患、障害または状態の治療のための医薬の製造におけるその使用方法である。同様に記載されているのは、ヒトをはじめとする哺乳動物におけるこのような製剤の薬物動態学的特性および薬力学的特性である。
「化合物1」という用語の範囲内に含まれるのは、すべての製薬上許容される溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態および結晶形態(すべての多形体を含む)、プロドラッグ、代謝産物、ならびにN-オキシドである。
「化合物1の製薬上許容される塩」という用語の範囲内に含まれるのは、前記製薬上許容される塩のすべての製薬上許容される溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態、および結晶形(すべての多形を含む)、プロドラッグ、代謝産物ならびにN-オキシドである。
「化合物2」という用語の範囲内に含まれるのは、すべての製薬上許容される溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態および結晶形態(すべての多形体を含む)、プロドラッグ、代謝産物、ならびにN-オキシドである。
一態様において、記載されているのは、化合物1の製薬上許容される塩である。別の態様において、本明細書中に記載されているのは、化合物1である。
本明細書中に記載されているのは、医薬組成物中の有効成分として、化合物1または製薬上許容されるその塩と、賦形剤、希釈剤、および担体の中から選択される少なくとも1種の製薬上許容される不活性成分とを含む医薬組成物である。
一態様において記載されているのは、陰イオンとして3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオネートおよび以下:Na+、K+、Li+、Ca2+、NH4 +、プロトン化形態のジシクロヘキシルアミン、プロトン化形態のN-メチル-D-グルカミン、プロトン化形態のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、プロトン化形態のアルギニン、およびプロトン化形態のリジンから選択される陽イオンを含む製薬上許容される塩である。一部の実施形態において、陽イオンは、Na+、K+、Li+、Ca2+、およびNH4 +から選択される。一部の実施形態において、陽イオンは、Na+、K+、およびLi+から選択される。一部の実施形態において、陽イオンは、Na+である。
一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、溶媒和されているか、または脱溶媒和されている。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、脱溶媒和されている。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、溶媒和されている。具体的な実施形態において、その製薬上許容される塩は、クラス3の溶媒で溶媒和されている。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、クラス3の溶媒および水で溶媒和されている。具体的な実施形態では、クラス3の溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルtert-ブチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、およびエタノールから選択される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、メチルtert-ブチルエーテルで溶媒和されている。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、検出可能な量の水を含む。
一部の実施形態では、製薬上許容される塩は、20ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。他の一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、10ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。さらに他の実施形態において、製薬上許容される塩は、5ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。さらに他の実施形態において、製薬上許容される塩は、20ppm未満のパラジウムを含む。
一態様において、化合物1または製薬上許容されるその塩は、非晶質相、部分的結晶形態、または結晶形態である。
一部の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩は、非晶質相である。
他の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩は、結晶形態である。
一部の実施形態において、製薬上許容される塩に、メチルtert-ブチルエーテルからの結晶形成(結晶化、固体から固体変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)が生じる。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸ナトリウムの化合物(化合物2)である:
一態様において提供されるのは、化合物2を含む組成物である。一部の実施形態において、化合物2は、非晶質相、部分的結晶形態、結晶形態、粉砕形態、またはナノ微粒子形態である。一部の実施形態において、組成物は、20ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。他の一部の実施形態において、組成物は、10ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。さらに他の実施形態において、組成物は、5ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。
一部の実施形態において、組成物は、20ppm未満のパラジウムを含む。他の一部の実施形態において、組成物は、10ppm未満のパラジウムを含む。さらに他の実施形態において、組成物は、5ppm未満のパラジウムを含む。
一部の実施形態において、組成物は、結晶性の化合物2を含む。一部の実施形態において、結晶性の化合物2は、多形体形態Bである。一部の実施形態において、結晶性の化合物2は、多形体形態Cである。一部の実施形態において、その組成物は、非晶質化合物2を含む。
一部の実施形態において、組成物は、化合物2の結晶性多形体形態Cを含む。一部の実施形態において、組成物は、化合物2の結晶性多形体形態Bを含む。一部の実施形態において、組成物は、化合物2の非晶質を含む。
一部の実施形態において、組成物は、結晶性化合物2および検出可能な量の非晶質化合物2を含む。
一部の実施形態において、組成物は、検出可能な量の水を含む。
一部の実施形態において、化合物2は、結晶であり、メチルtert-ブチルエーテルから結晶化する。
一部の実施形態において、化合物2の組成物は、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される検出可能な量の溶媒を含み、これら溶媒は、約5000ppm未満のレベルで検出される。一部の実施形態において、組成物は、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される検出可能な量の溶媒を含み、これら溶媒は、約4000ppm未満のレベルで検出される。一部の実施形態において、組成物は、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される検出可能な量の溶媒を含み、これらの溶媒は、約3000ppm未満のレベルで検出される。一部の実施形態において、組成物は、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される検出可能な量の溶媒を含み、これらの溶媒は、約2000ppm未満のレベルで検出される。一部の実施形態において、組成物は、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される検出可能な量の溶媒を含み、これらの溶媒は、約1000ppm未満のレベルで検出される。
一部の実施形態において、化合物2は、約pH10および約25℃で、約10mg/mLを超える水への溶解度を有する。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている組成物は、メチルtert-ブチルエーテルから結晶化または析出した化合物2を含む。一部の実施形態において、組成物は、メチルtert-ブチルエーテルから結晶形成(結晶化、固体から固体への変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)が生じた化合物2を含む。
から選択される、検出可能な量の化合物を含む。
一部の実施形態において、化合物2は、純度が97%を超える。さらなる実施形態において、化合物2は、純度が98%を超える。またさらなる実施形態において、化合物2は、純度が99%を超える。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、非晶質形態の化合物2である。一部の実施形態において、本明細書中に記載されているのは、以下から選択される少なくとも1つの性質を有する、非晶質形態の化合物2である:
(1a)結晶化度が乏しいことを示すXRPDパターン、
(2a)示差走査熱量測定(DSC)で観察される、少なくとも1つの吸熱および少なくとも1つの発熱、
(3a)約127℃のガラス転移温度、
(4a)約155℃の融点、これに続く約200℃での再結晶化の事象、これに続く約288℃〜約295℃での第2融点、
(5a)約200℃よりも上に加熱した場合、結晶形態への相転移が生じ、この場合、約200℃よりも上で形成された結晶形態は、図9に記載のXRPDパターンのいずれか1つと実質的に同じXRPDパターンであることを特徴とする、
(6a)図12に記載のものと実質的に同じDSCもしくはTGA、
(5a)吸湿性、ならびに/または
(6a)化学的安定性。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されているのは、(1a)結晶化度が乏しい、ことを示すXRPDパターンを有する化合物2の非晶質形態である。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(2a)示差走査熱量測定(DSC)により観察された、少なくとも1つの吸熱および少なくとも1つの発熱を有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(3a)約127℃のガラス転移温度を有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(4a)約155℃での融点、これに続く約200℃での再結晶化の事象、これに続く約288℃から約295℃での第2融点を有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(5a)約200℃よりも上に加熱した場合、結晶形態への相転移が生じ、この場合、約200℃よりも上で形成された結晶形態は、図9に記載のXRPDパターンのいずれか1つと実質的に同じXRPDパターンであることを特徴とするを有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(6a)図12に記載のものと実質的に同じDSCまたはTGAを有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(5a)吸湿性を有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質形態は、(6a)化学的安定性を有する。
一態様において記載されているのは、化合物2の結晶形態である。一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、以下から選択される少なくとも1つの性質を有する:
(1c)図1に記載のものと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン、
(2c)約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θおよび約23.8°2-θで、ピークを有するXRPDパターン
(3c)示差走査熱量測定(DSC)で測定した場合の、約290℃〜約295℃での単一融点、
(4c)図15に記載のものと実質的に同じDSCもしくは熱重量分析(TGA)、
(5c)物理的および化学的安定性(5℃、25℃/60%相対湿度(RH)、および/または40℃/75%RH、湿度室で少なくとも1ヵ月間)、
(6c)非吸湿性、
(7c)図19に記載のものと実質的に同じIRスペクトル、ならびに/または
(8c)メチルtert-ブチルエーテルまたはアセトニトリルから得た化合物2の結晶に対して得たXRPDパターンと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(1c)図1に記載のものと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン、ならびに(2c)約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θでピークを有するXRPDパターンから選択される、少なくとも1つの性質を有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(1c)図1に記載のものと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(2c)約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θでピークを有するXRPDパターンを有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(3c)示差走査熱量測定(DSC)で測定した場合の、約290℃から約295℃での単一融点を有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(4c)図15に記載のものと実質的に同じDSCまたは熱重量分析(TGA)を有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(5c)物理的なおよび化学的安定性(5℃、25℃/60%相対湿度(RH)、および/または40℃/75%RH、湿度室で、少なくとも1ヵ月間)を有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(6c)非吸湿性である。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(7c)図19に記載のものと実質的に同じIRスペクトルを有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、(8c)メチルtert-ブチルエーテルまたはアセトニトリルから得た化合物2の結晶に対して得たXRPDパターンと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
一部の実施形態において、化合物2は、結晶性多形体形態Bである。
一部の実施形態において、化合物2は、結晶であり、以下の特性のうちの少なくとも1つを有する:(1b)図2に記載のものと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン、(2b)約6.6°2-θ、約8.1°2-θ、約19.7°2-θ、約21.0°2-θ、約21.9°2-θ、および約22.1°2-θにピークを有するXRPDパターン。
一態様において、化合物1は、ヒトでの、喘息を治療するため、運動誘発性気管支収縮を予防するため、鼻炎(アレルギー性および非アレルギー性)を治療もしくは予防するため、慢性閉塞性肺疾患を治療するため、心血管疾患を治療するため、NSAID誘発性胃病変を治療するため、疼痛を治療するため、眼疾患を治療もしくは予防するため、または皮膚疾患を治療するために使用される。一部の実施形態において、化合物1は結晶である。一部の実施形態において、化合物1は、非晶質である。
一態様において、化合物1の製薬上許容される塩は、ヒトでの、喘息を治療するため、運動誘発性気管支収縮を予防するため、鼻炎(アレルギー性および非アレルギー性)を治療もしくは予防するため、慢性閉塞性肺疾患を治療するため、心血管疾患を治療するため、NSAID誘発性胃病変を治療するため、疼痛を治療するため、眼疾患を治療もしくは予防するため、または皮膚疾患を治療するために使用される。一部の実施形態において、製薬上許容される化合物1の塩は、化合物2である。
一態様において、結晶性の化合物2は、ヒトでの、喘息を治療するため、運動誘発性気管支収縮を予防するため、鼻炎(アレルギー性および非アレルギー性)を治療もしくは予防するため、慢性閉塞性肺疾患を治療するため、心血管疾患を治療するため、NSAID誘発性胃病変を治療するため、疼痛を治療するため、眼疾患を治療もしくは予防するため、または皮膚疾患を治療するために使用される。一部の実施形態において、結晶性化合物2は、形態Cである。
一態様において、非晶質の化合物2は、ヒトでの、喘息を治療するため、運動誘発性気管支収縮を予防するため、鼻炎(アレルギー性および非アレルギー性)を治療もしくは予防するため、慢性閉塞性肺疾患を治療するため、心血管疾患を治療するため、NSAID誘発性胃病変を治療するため、疼痛を治療するため、眼疾患を治療もしくは予防するため、または皮膚疾患を治療するために使用される。
一態様において、喘息の治療において使用するための化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、運動誘発性気管支収縮を予防する治療において使用するための化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、鼻炎(アレルギー性および非アレルギー性)の治療および/または予防において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、慢性閉塞性肺疾患の治療において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態においてその製薬上許容される塩は化合物2である。
一態様において、心血管疾患の治療において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、NSAID誘発性胃病変の治療において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、眼疾患の治療において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、疼痛の治療において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において、ヒトでの、皮膚疾患の治療において使用するための、化合物1および/または製薬上許容されるその塩が提供される。一部の実施形態において、製薬上許容される塩は、化合物2である。
本明細書中に記載されているのは、化合物1および/または製薬上許容されるその塩を含む医薬組成物である。一部の実施形態において、医薬組成物は、化合物1を含む。他の実施形態において、医薬組成物は、化合物1の製薬上許容される塩を含む。一部の実施形態において、化合物1の製薬上許容される塩は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、賦形剤、希釈剤、および担体の中から選択される、少なくとも1種の製薬上許容される不活性成分をさらに含む。
一部の実施形態において、化合物1の製薬上許容される塩は、陰イオンとして3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオネートを含み、陽イオンは、金属陽イオンまたはアンモニウム陽イオンである。具体的な実施形態において、陽イオンは、Li+、Na+、K+、およびNH4 +から選択される。より具体的な実施形態において、陽イオンは、Li+、Na+、およびK+から選択される。さらにより具体的な実施形態において、陽イオンは、Na+である。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されているのは、哺乳動物への経口投与に好適な形態である。具体的な実施形態において、組成物は、丸剤、カプセル剤、錠剤、水溶液剤、または水性懸濁剤の形態である。
様々な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物は、約10ppm未満のパラジウムを含む。
一部の実施形態において、化合物1の製薬上許容される塩は、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸ナトリウム(化合物2)であり、化合物2は、非晶質相、部分的な結晶形態、または結晶形態である。具体的な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物は、錠剤として調合され、化合物2は、結晶形態である。
一部の実施形態において、化合物1は、非晶質相、部分的な結晶形態、または結晶形態である。具体的な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物は、錠剤として調合され、化合物1は、結晶形態である。具体的な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物は、錠剤として調合され、化合物1は、非晶質相である。
具体的な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物のうちのいずれかは、約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θにおいて、特徴的な2-θ度数値を示すX線回折パターンを有する化合物2の結晶形態を含む。一部の実施形態において、本明細書中に記載されている化合物2は、図1に記載のものと実質的に同じX線回折パターンを有する結晶形態である。他の具体的な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかは、非晶質相の化合物2を含む。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかは、約6.6°2-θ、約8.1°2-θ、約19.7°2-θ、約21.0°2-θ、約21.9°2-θ、および約22.1°2-θで特徴的な2-θ度数値を示すX線回折パターンを有する、結晶形態の化合物2を含む。さらなる実施形態において、本明細書中に記載されている化合物2は、図2に記載のものと実質的に同じX線回折パターンを有する結晶形態である。
一部の実施形態において、本明細書中に開示されている医薬組成物は、結晶性化合物2および検出可能な量の非晶質化合物2を含む。
一部の実施形態において、化合物2は、約9〜約10のpH、および約25℃において、約10mg/mLを超える水への溶解度を有する形態/相である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、(a)化合物1のアルカリ金属塩と、(b)場合によって、ソルビトールまたはエタノールと、(c)水性緩衝液とを含む経口医薬組成物である。具体的な実施形態において、アルカリ金属はナトリウムである。一態様において、(a)陰イオンとして、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオネートを含む製薬上許容される塩、ならびにNa+、K+、およびLi+から選択される陽イオン、(b)水性緩衝液、ならびに場合によって(c)エタノールまたはPoloxamer124を含む、経口医薬組成物が提供される。一部の実施形態において、陽イオンは、Na+である。一部の実施形態において、水性緩衝液は、水性の炭酸ナトリウム緩衝液である。一部の実施形態において、経口医薬組成物は、製薬上許容される甘味剤をさらに含む。具体的な実施形態において、製薬上許容される甘味剤は、スクロース、スクラロース、単シロップ、およびsyrpaltaから選択される。より具体的な実施形態において、製薬上許容される甘味剤は、スクラロースである。他の具体的な実施形態において、製薬上許容される甘味剤は、アスパルテームである。特定の実施形態において、本明細書中に記載されている経口医薬組成物のいずれかは、約10ppm未満のパラジウムを含む。一部の実施形態において、経口医薬組成物は、約60mg/mLまで、約0.1mg/mL〜約60mg/mL、約1mg/mL〜約50mg/mL、約10mg/mL〜約50mg/mL、約1mg/mL〜約20mg/mL、または約10mg/mLの濃度の化合物2を有する。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、a.約1gの3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸のナトリウム塩(化合物2)、およびb. 1%(w/w)Poloxamer124および99%(w/w)水性炭酸ナトリウム緩衝液(0.010M、pH9〜10)の溶液約100mLを含む、スクラロースで加糖した経口医薬組成物である。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(a)約1グラムまたは約10mg/mLの化合物1のナトリウム塩(化合物2)と、(b)約10%w/w無水エタノールおよび約0.003%w/wアスパルテームを含むpH約9〜10の、約100mLの約10mM炭酸ナトリウム水性緩衝液と、を含む経口医薬組成物である。具体的な実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(a)約10mg/mLの化合物2と、(b)約1%w/wPoloxamer124と、約99%w/w炭酸ナトリウム水性緩衝液(約0.010M、pH約9〜10)とを含む溶液、ならびに(c)スクラロース(約5mg/100mL)を含む経口医薬組成物である。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている、任意の経口医薬組成物は、約10mg〜約1000mgの化合物1の製薬上活性のある塩を含む単回用量を含む、または単回用量で調合される。具体的な実施形態において、単回用量は、約10mg〜約600mg、約20mg〜約600mg、約40mg〜約600mgまたは約50mg〜約600mgの、化合物1の製薬上許容される塩を含む。具体的な実施形態において、単回用量は、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で投与する場合:約0.1μM〜約30μM、約0.2μM〜約30μM、または約0.1μM〜約5μMのCmaxをもたらす。一部の実施形態において、単回用量は、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で投与する場合:約1時間〜約4時間、または約2時間〜約3時間のtmaxをもたらす。一部の実施形態において、単回用量は、健康なヒト被験体に、絶食した状態で投与した場合、約4hr・μM〜約160hr・μM、約5hr・μM〜約110hr・μM、約5hr・μM〜約90hr・μM、約5hr・μM〜約50hr・μM、約5hr・μM〜約25hr・μMのAUC0〜24をもたらす。一部の実施形態において、医薬組成物の単回用量は、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で投与した場合、約5μM未満、約9μM未満、または約12μM未満のCmaxをもたらす。一部の実施形態において、経口医薬組成物の単回用量は、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で投与した場合、約8時間後、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%の血中LTB4レベルの低下をもたらす。一部の実施形態において、単回用量は、約24時間後、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%の血中LTB4レベルの低下をもたらす。一部の実施形態において、単回用量は、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%の尿中LTE4レベルの低下をもたらす。一部の実施形態において、薬剤的に活性のある、化合物1の塩は、化合物2である。一部の実施形態において、単回用量の経口医薬組成物は、約10mg〜約1g、約10mg〜約600mg、約10mg、約50mg、約150mg、約300mg、約600mg、または約1000mgの化合物2を含む。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている、任意の経口医薬組成物は、約10mg〜約1000mgの化合物1を含む単回用量を含むか、または単回用量で製剤化される。さらなる実施形態において、単回用量は、約50mg〜約1g、約10mg〜約600mg、または約50mg〜約600mgの化合物1を含む。さらなる、または代替の実施形態において、単回用量の経口医薬組成物は、約10mg〜約1g、約10mg〜約600mg、約10mg、約50mg、約150mg、約300mg、約600mg、または約1000mgの化合物1を含む。
任意の経口固体剤形医薬組成物は、(a)約10mg〜約1g、または約50mg〜約1g、または約50mg〜約600mgの化合物2と、(b)少なくとも1種の不活性な製薬上の成分とを含む。具体的な実施形態において、経口固体剤形は、約10mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約450mgまたは約600mgの化合物2を含む。具体的な実施形態において、経口固体剤形は、約10mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、または約300mgの化合物2を含む。特定の実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、約10ppm未満のパラジウムを含む。一部の実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、約5000ppm未満の酢酸エチルを含む。一部の実施形態において、経口固体剤形は、約5000ppm未満のエタノールを含む。一部の実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、結晶形態の化合物2を含む。一部の実施形態において、化合物2は、約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θで特徴的な2-θ度数値を示すX線回折パターンを有する結晶形態である。一部の実施形態において、化合物2は、図1に記載のものと実質的に同じX線回折スペクトルを有する結晶形態である。一部の実施形態において、化合物2は、約6.6°2-θ、約8.1°2-θ、約19.7°2-θ、約21.0°2-θ、約21.9°2-θ、および約22.1°2-θで特徴的な2-θ度数値を示すX線回折パターンを有する結晶形態を有する。一部の実施形態において、化合物2は、図2に記載のものと実質的に同じX線回折スペクトルを示す結晶形態である。一部の実施形態において、経口の固体剤形は、化合物2の非晶質の相(相A)を含む。
経口固体剤形医薬組成物は、(a)約10mg〜約1g、または約50mg〜約1g、または約50mg〜約600mgの化合物1と、(b)少なくとも1種の不活性な製薬成分とを含む。具体的な実施形態において、経口固体剤形は、約10mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約450mgまたは約600mgの化合物1を含む。特定の実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、約10ppm未満のパラジウムを含む。一部の実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、約5000ppm未満の酢酸エチルを含む。一部の実施形態において、経口固体剤形は、約5000ppm未満のエタノールを含む。一部の実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、結晶形態の化合物1を含む。一部の実施形態において、化合物1は、非晶質相である。
一態様において、本明細書中に記載されている、経口固体剤形医薬組成物のいずれかは、胃および上部消化管における有効成分の急速な吸収を可能にする。具体的な実施形態において、本明細書中に提供されているのは、錠剤の形態の経口用固体剤形である。より具体的な実施形態において、錠剤は、即放性錠剤である。
一部の実施形態において、化合物2を含む経口用固体剤形は、約10分後、約7のpHおよび約37℃で、約1%ラウリル硫酸ナトリウム溶液中の化合物2の、約90%を超えるインビトロでの放出を示す。具体的な実施形態において、インビトロ放出は、米国薬局方(USP)1型バスケットを用いて、約100rpmで、約500mLの約1%ラウリル硫酸ナトリウム溶液と共に、pH約7および約37℃で、薬物放出試験により測定する。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、化合物2を含む医薬組成物、例えば、経口用固体剤形などであり、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で単回用量の医薬組成物を投与した場合、約5μMより低いCmaxをもたらし、約8時間後には、少なくとも血中LTB4レベルの80%の低下をもたらす。一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、医薬組成物、例えば、経口固体剤形医薬組成物であり、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で単回用量の医薬組成物を投与した場合、約24時間後、血中LTB4レベルの少なくとも30%の低下をもたらす。一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、医薬組成物、例えば、経口固体剤形医薬組成物であり、健康な成人のヒト被験体に、絶食した状態で単回用量の医薬組成物を投与した場合、約24時間後、尿中LTE4レベルの少なくとも50%の低下をもたらす。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている任意の経口用固体剤形は、不活性な製薬上の成分として、結合剤、崩壊剤および流動促進剤を含む。具体的な実施形態において、不活性な製薬上の成分は、ケイ化した微結晶性セルロース(SMCC)、マンニトール、クロスポビドン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されている経口固体剤形医薬組成物は、約1重量%〜約99重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、または約10重量%〜約20重量%の化合物2を含む。
本明細書中に記載されているのは、哺乳動物に投与後、この哺乳動物に、化合物1の少なくとも1種の代謝産物を提供する医薬組成物である。具体的な実施形態において、この少なくとも1種の代謝産物は、3-[3-tert-ブチルスルフィニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-ヒドロキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-N-オキシ-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸のアシルグルコヌリド(acyl gluconuride)、およびこれらの組合せの中から選択される。具体的な実施形態において、この少なくとも1種の代謝産物は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸のアシルグルコヌリドである。一部の実施形態において、医薬組成物は、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸の製薬上許容される(例えば、ナトリウム)塩を含む。
本明細書中の特定の実施形態に記載されているのは、40μMまたは50μMまでの用量で、5-リポキシゲナーゼ-活性化タンパク質(FLAP)を阻害し、CYP3A4、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、およびCYP2E1から選択される少なくとも1つのシトクロムP450酵素を実質的に阻害しない有効成分を含む医薬組成物である。一部の実施形態において、活性のあるFLAP阻害剤を含む医薬組成物は、CYP3A4、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、およびCYP2E1から選択される、少なくとも1種のCytochrome P450酵素に対して、約40μMまたは50μMを超えるIC50を有する。一部の実施形態において、医薬組成物は、40μMまで、または50μMまでの用量で、シトクロムP450 CYP3A4、CYP2C9、CYP1A2、CYP2C19、またはCYP2D6を実質的に誘導しない。一部の実施形態において、活性のあるFLAP阻害剤を含む医薬組成物は、CYP3A4、CYP2C9、CYP1A2、CYP2C19、およびCYP2D6から選択される少なくとも1種のシトクロムP450酵素に対して約40μM、または50μMを超えるIC50を有する。特定の実施形態において、FLAP阻害剤は化合物1または製薬上許容されるその塩である。具体的な実施形態において、FLAP阻害剤は、化合物1である。別の具体的な実施形態において、FLAP阻害剤は、化合物2である。
本明細書中の特定の実施形態において記載されているのは、(a)化合物2と、(b)場合によって少なくとも1種の不活性な製薬上の成分とを含む経口固体剤形医薬組成物である。具体的な実施形態において、経口固体剤形医薬組成物は、カプセル剤の形態である。より具体的な実施形態において、カプセル剤は、硬質ゼラチンカプセル剤である。様々な実施形態において、本明細書中に記載されているカプセル剤は、少なくとも1種の添加剤を含むか、または添加剤を含まない。一部の実施形態において、化合物2の経口用剤形は、非晶質、部分的結晶、または結晶である。具体的な実施形態において、化合物2は、結晶である。
本明細書中に提供されている特定の実施形態において記載されているのは、高密度ポリエチレン(HDPE)キャップを装着した高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル中の、本明細書中に記載されている経口固体剤形医薬組成物のうちのいずれかの複数投与単位を含む製品である。特定の実施形態において、製品は、アルミ箔誘導シールおよび任意選択でのシリカゲル乾燥剤をさらに含む。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの喘息の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの喘息の治療において使用するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの喘息の治療のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの運動誘発性気管支収縮の予防方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの運動誘発性気管支収縮の予防に使用するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの運動誘発性気管支収縮の予防のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている、1つまたは複数の経口医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療方法である。
特定の実施形態において、この方法は、吸入コルチコステロイド、非ステロイド系グルココルチコイド受容体(GR)アゴニスト、短時間作用型βアゴニスト、長時間作用型βアゴニスト、および抗ヒスタミン剤から選択される、少なくとも1種の追加の薬剤をさらに含む。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療または予防において使用するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、アレルギー性鼻炎の治療または予防のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療における、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかをヒトに投与するステップを含む、ヒトでの心血管疾患の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの心血管疾患の治療において使用するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの心血管疾患の治療のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかをヒトに投与するステップを含む、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療における使用のための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかをヒトに投与するステップを含む、ヒトでの疼痛の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの疼痛の治療に使用するための、本明細書中に記載されている1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの疼痛の治療のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかをヒトに投与するステップを含む、ヒトでの皮膚疾患の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの皮膚疾患の治療に使用するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの皮膚疾患の治療のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、本明細書中に記載されている医薬組成物のいずれかをヒトに投与するステップを含む、ヒトでの眼疾患の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの眼疾患の治療または予防に使用するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの眼疾患の治療または予防のための医薬を製造するための、本明細書中に記載されている、1種または複数の医薬組成物の使用である。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、FLAP阻害する有効成分を含み、哺乳動物の肝臓重量の増加を実質的に引き起こさない、哺乳動物への経口投与のための医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1または製薬上許容されるその塩である。ある具体的な実施形態において、有効成分は、化合物1である。別の具体的な実施形態では、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩を含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの喘息の治療方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態では、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの喘息の治療に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの喘息の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態では、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示される経口医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む経口医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの運動誘発性気管支収縮の予防方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの運動誘発性気管支収縮の予防における使用のための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの運動誘発性気管支収縮の予防のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む経口医薬組成物を、ヒトに投与するステップを含む、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療または予防に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療または予防のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
明細書中に記載されている治療方法のいずれかにおいて、方法は、吸入コルチコステロイド、短時間作用型βアゴニスト、長時間作用型βアゴニスト、抗ヒスタミン剤、抗コリンアゴニスト、非ステロイド系GRアゴニスト、抗感染性および抗ウィルス剤から選択される、少なくとも1種の追加の薬剤を投与するステップをさらに含む。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療方法である。一部の実施形態において、その有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物をヒトに投与するステップを含むヒトでの心血管疾患の治療方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの心血管疾患の治療に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの心血管疾患の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの疼痛の治療方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの疼痛の治療に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている、経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの疼痛の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている、経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、経口医薬組成物中に化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、ヒトでの眼疾患の治療方法である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの眼疾患の治療または予防に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、ヒトでの眼疾患の治療または予防のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、その有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、これだけに限らないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺性高血圧症、間質性肺線維症、アレルギー性鼻炎、成人呼吸窮迫症候群、および炎症性の状態をはじめとするロイコトリエン依存性の状態または疾患を患っている患者を治療するために使用される。
一態様において提供されるのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を、少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物において直接的または間接的に、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質の活性を低下および/または阻害することをはじめとして、これを調節するための方法である。
一態様において提供されるのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物において直接または間接的に、ロイコトリエンの活性を低下および/または阻害することをはじめとして、これを調節するための方法である。
一態様において提供されるのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療方法である。
一態様において提供されるのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、炎症性および/またはアレルギー性状態を有する哺乳動物の治療方法である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、哺乳動物での炎症性および/またはアレルギー性状態の治療または予防に使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている経口医薬組成物である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。
一態様において、本明細書中に提供されているのは、哺乳動物での炎症性および/またはアレルギー性状態の治療または予防のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩を有効成分として含む、本明細書中に記載されている医薬組成物の使用である。一部の実施形態において、有効成分は、化合物1である。他の実施形態において、有効成分は、化合物2である。一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に開示されている経口医薬組成物である。
一態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での炎症の治療方法である。
一態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での呼吸器系疾患の治療方法である。この態様の具体的な実施形態において、呼吸器系疾患は、喘息である。
呼吸器系疾患として、成人呼吸窮迫症候群およびアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、重症急性喘息、慢性喘息、臨床喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス過呼吸、小児発症喘息、成人発症喘息、咳喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、季節性喘息、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、血管反応、エンドトキシンショック、線維形成、肺線維症、アレルギー性疾患、慢性炎症、ならびに成人呼吸窮迫症候群が挙げられるが、これらに限らない。
一態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での慢性閉塞性肺疾患の治療方法である。
慢性閉塞性肺疾患として、慢性気管支炎または肺気腫、肺性高血圧症、間質性肺線維症および/または気道炎症ならびに嚢胞性線維症が挙げられるが、これらに限らない。
一態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での粘膜分泌および/または浮腫の増加の予防方法である。
一態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での好酸球および/または好塩基性球および/または樹状細胞および/または好中球および/または単球の動員の予防方法である。
別の態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での眼疾患(例えば、眼炎症、アレルギー性結膜炎、春季カタルおよび乳頭結膜炎)の予防方法である。
別の態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物での好酸球の動員または活性化に関連する急性または慢性の障害の予防または治療方法である。
別の態様において提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を少なくとも1度哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物でのNSAID誘発性胃病変の予防または治療方法である。
上述の態様のいずれかにおいて、哺乳動物はヒトである。上述の態様のいずれかにおいて、哺乳動物は、ヒトであり、これには、(ある)ヒトが喘息の状態、またはアレルギー性(外因性の)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、重症急性喘息、慢性喘息、臨床喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス過呼吸、小児発症喘息、成人発症喘息、咳喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、または季節性喘息、もしくは慢性閉塞性肺疾患、もしくは肺性高血圧症、もしくは間質性肺線維症からなる群から選択される、1つもしくは複数の他の状態を有する実施形態が含まれる。上述の態様のいずれかにおいて提供されるのは、哺乳動物が肺炎症の動物モデルであるさらなる実施形態であり、この例は、本明細書中で提供されている。
上述の態様のいずれかにおいて提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量の単回投与を含み、さらなる実施形態は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を(i)1日1回投与する、(ii)1日2回投与する、または(iii)1日の期間にわたり複数回投与するステップを含む、さらなる実施形態である。
上述の態様のいずれかにおいて提供されているのは、化合物の有効量の複数回投与を含み、さらなる実施形態は、(i)化合物を単回用量で投与する、(ii)複数回投与の間の時間は、6時間おきである、(iii)複数回投与の間の時間は、8時間おきである、(iv)複数回投与の間の時間は、12時間おきであることを含む、さらなる実施形態である。
一部の実施形態において、本明細書中に開示されている治療または予防方法は、休薬期間を含み、この場合化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば、化合物2)の投与を一時的に中止するか、または投与する用量を一時的に減らし、休薬期間の最後の時点で投薬を再開する。一部の実施形態において、休薬期間の長さは、2日から1年と様々である。
一態様において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、モンテルカストに反応しない、ヒトでのロイコトリエン依存性状態、障害、または疾患の治療のための医薬の製造において使用される。一部の実施形態において、ロイコトリエン依存性状態、障害、または疾患は、呼吸器系疾患または状態である。具体的な実施形態において、呼吸器系疾患または状態は、喘息である。
本明細書中に開示されている疾患または状態のいずれかを治療するための化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)である。
本明細書中に開示されている使用および方法のいずれかにおいて使用するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
哺乳動物での本明細書中に開示されている疾患のいずれかを治療または予防するための医薬の製造における化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでの喘息の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでのアレルギー性鼻炎の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでのアレルギー性鼻炎の予防のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでの慢性閉塞性肺疾患の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでの眼疾患の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでの心血管疾患の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでの皮膚疾患の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでのNSAID誘発性胃病変の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。一態様において記載されているのは、ヒトでの疼痛の治療のための医薬を製造するための、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の使用である。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、モンテルカストに反応しない、ヒトでのロイコトリエン依存性状態、疾患、または障害の治療である。一部の実施形態において、ロイコトリエン依存性状態、障害、または疾患は、呼吸器系疾患または状態である。具体的な実施形態において、呼吸器系疾患または状態は、喘息である。具体的な実施形態では、モンテルカストに反応しないものに対して、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)が投与される。
一態様において、健康なヒト患者に投与される化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の用量は、ヒトに通常存在するUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ酵素が不足または欠如しているヒト患者では削減される。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、哺乳動物に以下:(1)化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の投与、および(2)哺乳動物に通常存在するUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤、を経口的に投与するステップを含む、健康なヒト患者において、経口的に投与した用量の化合物1または製薬上許容される塩(例えば化合物2)の用量のバイオアベイラビリティーを増加させる方法である。一部の実施形態において、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ酵素は、UGT1A1、UGT1A3、UGT1A6、UGT1A9、およびUGT2B7から選択される。
炎症の予防または治療を含む上述の態様のいずれかにおいて提供されているのは、以下:(a)哺乳動物での炎症をモニターすること、(b)哺乳動物での気管支収縮を測定すること、(c)哺乳動物での好酸球および/または好塩基性および/または樹状細胞および/または好中球および/または単球および/またはリンパ球動員を測定すること、(d)哺乳動物の粘膜の分泌をモニターすること、(e)哺乳動物の粘膜の浮腫を測定すること、(e)哺乳動物でのカルシウムイオノフォアに曝露された血液のおけるLTB4のレベルを測定すること、(f)哺乳動物の尿中排泄物中のLTE4のレベルを測定すること、または(g)ロイコトリエン駆動による炎症性バイオマーカー、例えばLTB4、LTC4、II-6、CRP、SAA、MPO、EPO、MCP-1、MIP-α、sICAMs、II-4、II-13などを測定することによって患者を識別すること、を含むさらなる実施形態である。
ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防または治療を含む上述の態様のいずれかにおいて提供されるのは、ロイコトリエン遺伝子ハプロタイプのスクリーニングを行うことにより、患者を識別することを含むさらなる実施形態である。一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子ハプロタイプは、ロイコトリエン経路遺伝子である。具体的な実施形態では、ロイコトリエン遺伝子ハプロタイプは、FLAPハプロタイプである。
ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防または治療を含む上述の態様のいずれかにおいて提供されているのは、以下:
(i)少なくとも1種のロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカー、または
(ii)ロイコトリエン調節剤に反応する少なくとも1種の機能的マーカー、または
(iii)少なくとも1種のロイコトリエン関連炎症性バイオマーカーと、ロイコトリエン調節剤に反応する少なくとも1種の機能的マーカー、
のいずれかについて、患者をモニターすることによって、患者を識別すること、を含むさらなる実施形態である。
一部の実施形態において、ロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーは、LTB4、システイニルロイコトリエン、CRP、SAA、MPO、EPO、MCP-1、MIP-α、sICAM、IL-6、IL-4、およびIL-13からなる群から選択される。一部の実施形態において、機能的マーカーの反応は、有意な肺気量(FEV1)である。
ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防または治療を含む上述の態様のいずれかにおいて提供されているのは、以下:
(i)イントロンまたはエキソンの位置にあるSNPをはじめとする、少なくとも1種のロイコトリエン遺伝子SNPおよび/またはハプロタイプについて、患者をスクリーニングすること、または
(ii)少なくとも1種のロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーについて、患者をモニターすること、または
(iii)ロイコトリエン調節剤に対する少なくとも1種の機能的マーカー反応について、患者をモニターすること、
のいずれかにより、患者を識別することを含む、さらなる実施形態である。
一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、ロイコトリエン経路遺伝子である。具体的な実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、FLAP SNPまたはハプロタイプである。一部の実施形態において、ロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーは、LTB4、システイニルロイコトリエン、CRP、SAA、MPO、EPO、MCP-1、MIP-α、sICAM、IL-6、IL-4、およびIL-13からなる群から選択される。一部の実施形態において、機能的マーカー反応は、有意な肺気量(FEV1)である。
ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防または治療を含む上述の態様のいずれかにおいて提供されるのは、以下:
(i)少なくとも1種のロイコトリエン遺伝子SNPおよび/またはハプロタイプについて、患者をスクリーニングすること、
(ii)少なくとも1種のロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーについて、患者をモニターすること
(iii)ロイコトリエン調節剤に対する少なくとも1種の機能的マーカー反応について、患者をモニターすること、
のうちの患者を識別することを含むさらなる実施形態である。
一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、ロイコトリエン経路遺伝子である。一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、FLAP SNPまたはハプロタイプである。一部の実施形態において、ロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーはLTB4、システイニルロイコトリエン、CRP、SAA、MPO、EPO、MCP-1、MIP-α、sICAM、IL-6、IL-4およびIL-13からなる群から選択される。一部の実施形態において、機能的マーカー反応は、有意な肺気量(FEV1)である。
ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防または治療を含む上述の態様のいずれかにおいて提供されるのは、以下:
(i)少なくとも1種のロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプについて、患者をスクリーニングすること、
(ii)少なくとも1種のロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーについて、患者をモニターすること、および
(iii)ロイコトリエン調節剤に対する少なくとも1種の機能的マーカー反応について、患者をモニターすること、
により患者を認識することを含む、さらなる実施形態である。
一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、ロイコトリエン経路遺伝子である。一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、FLAP SNPまたはハプロタイプである。一部の実施形態において、ロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーは、LTB4、システイニルロイコトリエン、CRP、SAA、MPO、EPO、MCP-1、MIP-α、sICAM、IL-6、IL-4、およびIL-13からなる群から選択される。一部の実施形態において、機能的マーカー反応は、有意な肺気量(FEV1)である。
別の態様において提供されるのは、化合物1または製薬上許容されるその塩および/または溶媒和物の有効量を患者に投与するステップを含む、ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防または治療であり、患者は、以下:
(i)少なくとも1種のロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプについて、患者をスクリーニングすること、
(ii)少なくとも1種のロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーについて、患者をモニターすること、および
(iii)ロイコトリエン調節剤に対する少なくとも1種の機能的マーカー反応について、患者をモニターすること、
により得た情報を用いて識別される。
一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、ロイコトリエン経路遺伝子である。一部の実施形態において、ロイコトリエン遺伝子SNPまたはハプロタイプは、FLAP SNPまたはハプロタイプである。一部の実施形態において、ロイコトリエンに関連する炎症性バイオマーカーは、LTB4、システイニルロイコトリエン、CRP、SAA、MPO、EPO、MCP-1、MIP-α、sICAM、IL-6、IL-4、およびIL-13からなる群から選択される。一部の実施形態において、機能的マーカー反応は、有意な肺気量(FEV1)である。一部の実施形態において、3つの診断方法から得た情報を分析するアルゴリズムを用いることによって、治療化合物1または製薬上許容されるその塩および治療レジメンを必要とする患者を識別する。
上述の態様のいずれかにおいて、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態として、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺性高血圧症、間質性肺線維症、鼻炎、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群が挙げられるが、これらに限らない。
同様に本明細書中に記載されているのは、化合物1および製薬上許容されるその塩を調製するためのプロセスである。一態様において、化合物1の製薬上許容される塩は、化合物2である。
一態様において記載されているのは、
(1)化合物2をメチルtert-ブチルエーテルに加えることによって、混合物を形成するステップと、
(2)ステップ(1)からの混合物を加熱し、次いでこの溶液を冷却するステップと、
(3)ステップ(2)から形成される固体を単離することによって、結晶形態の化合物2を得るステップと、
を含む、結晶形態の3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸ナトリウム(化合物2)を調製するためのプロセスである。
一部の実施形態において、結晶形態の化合物2は、約6.6°2-θ、約8.1°2-θ、約19.7°2-θ、約21.0°2-θ、約21.9°2-θ、および約22.1°2-θで特徴的な2-θ度数値を示すX線回折パターンを有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、図2に示されているX線回折パターンと相関するX線回折パターンを有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θで特徴的な2-θ度数値を示すX線回折パターンを有する。
一部の実施形態において、化合物2の結晶形態は、図1で示されているX線回折パターンと相関するX線回折パターンを有する。
一態様において記載されているのは、
(a)4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩と、4-ブロモベンジルブロミドとを、トリエチルアミンおよびトルエンの存在下で反応させることによって、N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩を得るステップと、
(b)ステップ(a)の生成物を、HClで処理することによって、N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩を得るステップと、
(c)N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩と、酢酸、5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸エチルエステル、および酢酸ナトリウムとを、トルエン中で反応させることによって、3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-メトキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを得るステップと、
(d)3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-メトキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルと、2-メチル-2-プロパンチオールおよび塩化アルミニウムとを、ジクロロメタン中で反応させることによって、3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを得るステップと、
(e)パラジウム媒介による反応条件を用いて、3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルと、ビス(ピナコラト)ジボロンとを反応させることによって、3-{3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを得るステップと、
(f)パラジウム媒介による反応条件を用いて、3-{3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルと、5-ブロモ-2-エトキシピリジンとを反応させることによって、3-{3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを得るステップと、
(g)塩基および溶媒の存在下で、3-{3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルと、2-クロロ-5-メチルピリジン塩酸塩とを反応させることによって、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを得るステップと、
(h)3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルから、残留パラジウムの量を削減するステップと、および
(i)3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルから化合物2を形成させるステップと、
を含む化合物2を調製するためのプロセスである。
一部の実施形態において、ステップ(h)は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを、チオール誘導体化シリカゲルで処理するステップを含む。
一部の実施形態において、ステップ(h)は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを、チオール誘導体化シリカゲルまたは活性炭素で処理するステップを含む。一部の実施形態において、ステップ(h)は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを、チオール誘導体化シリカゲルおよび活性炭素で処理するステップを含む。一部の実施形態において、ステップ(h)は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを、チオール誘導体化シリカゲルで処理するステップを含む。一部の実施形態において、ステップ(h)は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルを、活性炭素で処理するステップを含む。
一部の実施形態において、ステップ(i)は、3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルと、NaOHとを、適切な溶媒中で反応させるステップを含む。
一部の実施形態において、ステップ(i)は、結晶形成(結晶化、固体から固体への変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)またはメチルtert-ブチルエーテルから化合物2を析出させるステップをさらに含む。
一部の実施形態において、化合物2の試料は、20ppm未満の検出可能な量のパラジウムを含む。一態様において、化合物2の試料は、20ppm未満のパラジウムを含む。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、
(A)式(III)の化合物を、
(式中、R
1は、C
1〜C
6アルキルである。)、
式(II)の化合物と
(式中、X'は、脱離基である)、
塩基および溶媒の存在下で、反応させることによって、式(I)の化合物を形成させるステップと、
(B)ステップ(A)の式(I)の化合物から化合物2を形成させるステップと、
を含む、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸ナトリウム(化合物2)を調製するためのプロセスである。
一部の実施形態において、ステップ(A)は、ステップ(B)の前に、式(I)の化合物を単離するステップをさらに含む。
一部の実施形態において、ステップ(A)は、パラジウムの量を約20ppm未満へ削減するステップをさらに含む。一態様において、パラジウムの量を削減するステップは、式(I)の化合物をチオール誘導体化シリカゲルで処理するステップを含む。
一部の実施形態において、ステップ(A)からの生成物を単離する。一部の実施形態において、ステップ(A)からの生成物を単離しない。一部の実施形態において、式(III)の化合物は、パラジウムカップリング反応を用いて調製され、残留パラジウムを含有する。一部の実施形態において、ステップ(A)からの生成物を単離するステップは、残留パラジウムを削減するステップを含む。
一部の実施形態において、活性炭素を使用することによって、残留パラジウムを削減する。具体的な実施形態において、活性炭素は、DARCO(登録商標)KB-G、DARCO(登録商標)KB-WJである。一部の実施形態において、残留パラジウムを削減することは、誘導体化シリカゲルを含む。一部の実施形態において、残留パラジウムを削減することは、チオール誘導体化シリカゲルを含む。
一部の実施形態において、ステップ(A)の反応は、約50℃〜約90℃の温度へ加熱される。
一部の実施形態において、ステップ(B)は、ステップ(A)の生成物のエステル部分の加水分解を含む。
一部の実施形態において、ステップ(B)は、ステップ(A)からの式(I)の化合物の以下の処理:
(a)LiOH、KOH、またはCa(OH)2での処理、これに続くpH調整による、カルボン酸の形成、これに続くNaOHでの処理、または
(b)NaOHでの処理、
を含む。
一部の実施形態において、ステップ(B)は、ステップ(i)からの式(I)の化合物のLiOHでの処理、続いてNaOHでの処理を含む。他のいくつかの実施形態において、ステップ(B)は、ステップ(i)からの式(I)の化合物のNaOHでの処理を含む。
一部の実施形態において、ステップ(B)は、テトラヒドロフラン、水ならびにメタノールおよびエタノールから選択されるアルコールを含む溶媒系の中で行われる。一部の実施形態において、ステップ(B)は、テトラヒドロフラン、水およびエタノールを含む溶媒系の中で行われる。
一態様において、化合物2の調製のためのプロセスは、メチルtert-ブチルエーテルを用いて化合物2の結晶を形成するステップをさらに含む。結晶形成は、結晶化、固体から固体への変換または結晶性の相互変換により起こり得る。
一部の実施形態において、R1は、-CH3または-CH2CH3である。具体的な実施形態では、R1は、-CH2CH3である。
一部の実施形態において、ステップ(A)の塩基は、セシウム塩基、カリウム塩基またはナトリウム塩基である。一部の実施形態において、塩基は、セシウム塩基である。具体的な実施形態において、塩基は、炭酸セシウムである。
一部の実施形態において、X'は、Cl、Br、I、-OSO2CF3、-OSO2(4-メチルフェニル)、-OSO2(フェニル)および-OSO2CH3から選択される。具体的な実施形態において、X'は、Clである。
一態様において、式(III)の化合物は、
式(IV)の化合物と
(式中、R
1は、C
1〜C
6アルキルであり、Bは、ボロン酸またはボロン酸エステルである。)、
式(V)の化合物とを
(式中、Xは、脱離基である。)、
第1カップリング触媒の存在下で、反応させることによって、
式(III)の化合物:
を得ることにより調製される。
一部の実施形態において、Xは、ハロゲン化物またはトリフレートである。一部の実施形態において、Xは、Cl、Br、I、-OSO2CF3、-OSO2(4-メチルフェニル)、-OSO2(フェニル)および-OSO2CH3から選択される。一部の実施形態において、Xは、Cl、Br、I、および-OSO2CF3から選択される。一部の実施形態において、Xは、Brである。
から選択される。
である。
一態様において、第1カップリング触媒は、パラジウム触媒である。一部の実施形態において、パラジウム触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)である。一部の実施形態において、式(III)の化合物の合成のための反応は、約60℃〜約95℃の温度へ加熱することをさらに含む。
一態様において、式(IV)の化合物は、式(VI)の化合物:
(式中、X"は、脱離基であり、R
1は、C
1〜C
6アルキルである)を、
第2カップリング触媒の存在下で、ホウ素化試薬と反応させることによって、式(IV)の化合物:
を得ることによって調製される。
一部の実施形態において、X"は、Cl、Br、I、および-OSO2CF3から選択される。
一部の実施形態において、ホウ素化試薬は、ピナコールボラン、カテコールボラン、ビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン、ビス(ピナコラート)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラート)ジボロン、およびビス(カテコラート)ジボロンから選択される。具体的な実施形態において、ホウ素化試薬は、ビス(ピナコラート)ジボロンである。
一態様において、第2カップリング触媒は、第2パラジウム触媒である。具体的な実施形態において、第2パラジウム触媒は、ジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(Pd(dppf)Cl2)である。一部の実施形態において、反応は、約60℃〜約95℃の温度への加熱をさらに含む。
一態様において、式(VI)は、
(C)式(VII)の化合物:
(式中、X"は、ハロゲン化物である)を、
式(VIII)の化合物:
(式中、R
1は、C
1〜C
6アルキルである)と反応させるステップと、
(D)ステップ(i)の生成物を脱メチル化することによって、式(VI):
の対応するフェノールを得るステップと、により調製される。
一部の実施形態において、ステップ(C)は、約10℃〜約35℃の温度で実施される。
一部の実施形態において、X"は、Br、Cl、およびIから選択される。具体的な実施形態において、R1は、-CH2CH3である。
一部の実施形態において、ステップ(D)は、ステップ(i)の生成物と、2-メチル-2-プロパンチオールおよびAlCl3とを、溶媒中で反応させるステップを含む。
一部の実施形態において、ステップ(D)は、ステップ(i)の生成物と、ルイス酸試薬とを、溶媒中で反応させるステップを含む。一部の実施形態において、ルイス酸試薬は、三塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化鉄(III)、三フッ化ホウ素、五塩化ニオブ、およびランタニドトリフラート(例えば、一例として、イッテルビウム(III)トリフレートなど)から選択される。さらなる実施形態において、ステップ(D)の溶媒は、ジクロロメタンである。一実施形態においてステップ(D)は、ステップ(i)の生成物と、2-メチル-2-プロパンチオールおよびAlCl3とを、溶媒中で反応させるステップを含む。
開示されたプロセスは、化合物1および製薬上許容されるその塩の合成のために提供される。本明細書中に開示されているプロセスは、化合物1および製薬上許容されるその塩の大規模な化学的な製造に特に応用できる。同様に本明細書中に記載されているのは、優れた溶解度および優れた経口でのバイオアベイラビリティーを有する化合物2を好収率で調製するためのプロセスである。
本明細書中に記載されている方法および組成物の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な記載から明らかになるであろう。しかし、詳細な記載および特定の例は、具体的な実施形態を示す一方で、例示として与えられているものにすぎないので、本発明の趣旨および範囲内での様々な変更および修正が、詳細な記載から当業者には明らかとなることを理解されたい。
ロイコトリエン(LT)は、いくつかの生物過程において重要な役割を果たすアラキドン酸由来の、炎症促進性脂質メディエーターの一種である。アラキドン酸は、酵素5-リポキシゲナーゼ(5-LO)で媒介される2段階プロセスで、ロイコトリエンA4(LTA4)へと変換される。最初のステップは、アラキドン酸が酸素化することによって、5(S)-ヒドロペルオキシ-6,8,11,14(E,Z,Z,Z)-エイコサテトラエン酸(5-HPETE)を形成し、続いて脱水により不安定なエポキシドLTA4を産生する。LTA4は、LTA4の加水分解酵素を介してLTB4へ、またはLTC4シンターゼにより媒介されたグルタチオンへの結合を介してLTC4へと変換されるかのいずれかにより変換される。アミド結合の切断により、LTC4がLTD4に変換され、次いでその後LTE4へと変換される。最初の酸化ステップは、5-LOと5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)に結合した膜の両方の密接な介入が必要とされるプロセスである。FLAPまたは5-LOのいずれかの阻害は、すべてのロイコトリエン産生の阻害を生じる。LTB4は、Gタンパク質結合した受容体(GPCR)BLT1およびBLT2に対するリガンドであり、両受容体は、炎症反応におけるケモタキシスおよび細胞刺激作用に関与している。気管支収縮、気道浮腫および粘液の分泌過多は、システイニルロイコトリエン(cysLT)LTC4、LTD4およびLTE4の作用の結果である。LTD4およびLTE4は、両方ともcysLT1受容体に対するリガンドである。
ロイコトリエンは、呼吸器系および心血管疾患の病気の発生に関与している炎症の脂質メディエーターである。免疫複合体および他の炎症性の刺激による細胞の活性化は、細胞内カルシウムの増加およびサイトゾルから核膜への、サイトゾルホスホリパーゼA2(cPLA2)および5-リポキシゲナーゼ(5-LO)の移動を生じる結果となる。5-リポキシゲナーゼ-活性化タンパク質(FLAP)の存在下で、cPLA2により核膜から放出されたアラキドン酸(AA)は、5-LOに送達され、5-(S)-ヒドロペルオキシ-6,8,11,14-エイコサテトラエン酸(5-HpETE)、次いでロイコトリエンA4(LTA4)へと変換される。5-LOとFLAPとの膜相互作用は、ロイコトリエン生合成に欠くことができない。FLAPは、MAPEG(エイコサノイドおよびグルタチオン代謝における膜結合タンパク質)スーパーファミリーに属する内在性膜タンパク質である。他のMAPEGとは対照的に、FLAPは、酵素活性を有すること、またはグルタチオンにより機能調節されていることが示されていない。
ロイコトリエンは、炎症および気管支攣縮の強力なメディエーターである。ロイコトリエンは、アレルギー性または炎症性の刺激に対する反応において、肥満細胞、好酸球、単球/マクロファージ、および好中球により主に産生される。ロイコトリエンの細胞合成のため、5-リポキシゲナーゼは、非膜区画(サイトゾルまたはヌクレオゾル)から膜(核または小胞体)へと位置を変え、FLAPと相互作用する。FLAPは、ホスホリパーゼにより膜リン脂質から放出されたアラキドン酸を5-LOへと移動させる。次いで、2つの逐次反応が生じることによって、アラキドン酸をLTA4に変換する。LTA4は、経細胞代謝のために細胞から搬出されるか、LTB4またはLTC4のいずれかへ変換が可能である。LTC4は、細胞から搬出され、LTD4へと変換され、次いで血中でLTE4へと変換される。LTB4は、BLT1およびBLT2受容体を活性化し、システイニルロイコトリエンは、cysLT1およびcysLT2受容体(さらにおそらくcysLT3受容体)を活性化する。
システイニルロイコトリエンで媒介されたヒトの気管支収縮は、cysLT1受容体活性化により生じる一方で、cysLT1およびcysLT2受容体の両方が、肥満細胞、好酸球、および単球をはじめとする、アレルギー性炎症に関与している細胞上に存在している。
いくつかの経口的に活性のある薬物は、ロイコトリエン経路に影響を与える。モンテルカストは、ロイコトリエン受容体アンタゴニストである。プランルカストおよびザフィルルカストは、喘息およびアレルギー性鼻炎の治療に使用されるロイコトリエン受容体アンタゴニストである。このような薬物は、cysLT1受容体をアンタゴナイズするが、cysLT2またはLTB4受容体はアンタゴナイズしない。cysLT1受容体アンタゴニストを用いた臨床研究により、システイニルロイコトリエンが、アレルゲン誘発性の肺気量の低下(初期および後期)ならびに慢性喘息の重要なメディエーターであることが実証されている。ある5-リポキシゲナーゼ阻害剤である、ジロートンは、慢性喘息において臨床効果を示しているが、ただし、これはアレルゲン検証研究においては有効ではない。
治験において、3つのFLAP阻害剤(MK-0591、MK-866、およびBAYX-1005)が、アレルゲン誘導性の、初期および後期の肺気量低下に対し効力を示している。MK-0591はまた、慢性喘息の研究においても効力を示している。
吸入による薬物適用、例えばβアゴニストおよびコルチコステロイドは、有効であり、全身曝露を最小限に抑えることができるが、そのような薬物送達デバイスへの患者のコンプライアンスは、最適には達していない。さらに、吸入によりステロイドを使用している患者の中で、例えば、子供達の間では成長を遅延させ、成人では、白内障を誘導する恐れがある。
化合物1は、ロイコトリエン経路、すなわち、5-リポキシゲナーゼ活性化の初期段階を遮断する強力なFLAP阻害剤である。化合物1は、インビトロおよび経口投与後薬理学的に活性があり、非臨床研究において優れた耐容性を示している。さらに、これは、LTB4およびシステイニルロイコトリエンの形成を阻害するので、化合物1は、モンテルカストなどのロイコトリエン受容体アンタゴニストを上回る、追加的な臨床上の利益をもたらす。
FLAPは、5-リポキシゲナーゼと協調して、ロイコトリエンの合成のための経路における第一段階を実施するので、ロイコトリエン合成経路におけるFLAPの役割は、重要である。したがってFLAPの阻害は、一例として、血管および炎症性の障害、増殖性疾患、呼吸器および非癌性の障害をはじめとする、ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の治療に有用な化合物の標的となる。FLAP阻害剤は、ロイコトリエン依存性もしくはロイコトリエン媒介性疾患または状態の治療に有用である。
本明細書中に記載されているのは、化合物1またはその塩を用いた、組成物、医薬組成物、治療方法、配合方法、産生方法、製造方法、治療戦略、薬物動態学的戦略である。
「化合物1」または「3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパン酸」とは、以下の構造:
を有する、製薬上許容されるその溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態および結晶形態(すべての多形体を含む)、プロドラッグ、代謝産物ならびにN-オキシドをはじめとする化合物を指す。
「化合物2」または「3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸ナトリウム」とは、製薬上許容されるその溶媒和物(水和物を含む)、非晶質相、部分的結晶形態および結晶形態(すべての多形体を含む)、プロドラッグ、代謝産物ならびにN-オキシドをはじめとする、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパン酸のナトリウム塩を指す。
3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸ナトリウム(化合物2としても知られている)は、以下の構造を有する:
化合物1は、2つの塩基性部位(ピリジニル基)と1つの酸性部位(カルボン酸)とを含有する。多種多様な塩が、形成される。化合物1の塩は、以下を含む:
(A)化合物1のカルボン酸の酸性プロトンが、金属イオンにより置き換えられる場合に形成される塩、例えば、アルカリ金属イオン(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えばマグネシウム、またはカルシウム)、またはアルミニウムイオンなど、またはアンモニウム陽イオン(NH4 +)で置き換えられる場合に形成される塩、
(B)化合物1と、製薬上許容される有機塩基とを反応させることによって形成される塩であり、これに含まれるのは、アルキルアミン、例えばコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなど、および化合物1とアミノ酸との塩、例えばアルギニン、リジンなど、
(C)化合物1と、製薬上許容される酸とを反応させることによって形成される塩であり、これにより酸付加塩が得られる。製薬上許容される酸として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸など、または有機酸、例えば、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸の酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン二スルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4'-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などとの塩が挙げられる。
「製薬上許容される賦形剤」という用語は、本明細書で使用する場合、例えば担体、希釈剤、安定化剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤などの物質を指し、これらによって、活性医薬成分(API)が、哺乳動物への投与に好適な形態へと加工されることが可能になる。一態様において、哺乳動物は、ヒトである。製薬上許容される賦形剤とは、化合物(すなわちAPI)の所望の生物活性または所望の特性を実質的に抑止せず、比較的に無毒である物質を指す、すなわち、この物質が望ましくない生物学的効果をもたらすことなしに、またはそれが含有されている組成物の成分のいずれかに有害となるような相互作用を起こすことなしに、個体に投与されることを指す。
「活性医薬成分」またはAPIとは、所望の生物活性または所望の特性を所有する化合物を指す。一部の実施形態において、APIは化合物1である。一部の実施形態において、APIは化合物2である。
「製薬上許容される塩」という用語は、化合物1を参照した場合、化合物1の塩を指し、塩は、これが投与された哺乳動物に有意な刺激作用を引き起こさず、化合物の生物活性および特性を実質的に抑止しない。
製薬上許容される塩への言及は、溶媒付加形態(溶媒和物)を含むことを理解されたい。溶媒和物は、化学量論または非化学量論の量の溶媒のいずれかを含有し、製薬上許容される溶媒、例えば水、エタノール、メチルtert-ブチルエーテル、イソプロパノール、MeCNなどを用いた結晶形成(結晶化、固体から固体への変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)のプロセス中に形成される。一態様において、溶媒和物は、これだけに限らないが、クラス3の溶媒(複数可)を用いて形成される。溶媒の種類は、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (ICH)、「Impurities: Guidelines for Residual Solvents, Q3C(R3), (2005年11月)」において定義されている。水和物は、溶媒が水の場合に形成され、またはアルコラートは、溶媒がアルコールの場合に形成される。一実施形態において、化合物1の溶媒和物、またはその塩は、本明細書中に記載されているプロセスの間に利便的に調製または形成される。加えて、化合物1またはその塩は、溶媒和されていない形態で存在する。
「製薬の組合せ」という用語は、本明細書で使用する場合、2つ以上の有効成分を混合または組み合わせた結果生じた生成物を意味し、固定と非固定の両方の、有効成分の組合せを含む。「固定の組合せ」という用語は、有効成分、例えば化合物1と、共薬剤との両方が、単一の単位または製剤の形態で、同時に患者に投与されることを意味する。「非固定の組合せ」という用語は、有効成分、例えば化合物1と、共薬剤とが、同時に、並行して、または逐次的のいずれかにより、特定の介在時間制限なしで、分離した単位で患者に投与されることを意味し、このような投与により、患者の体内では、2つの化合物の有効な濃度が得られる。カクテル療法、例えば3種以上の有効成分の投与も後者に当てはまる。
「医薬組成物」という用語は、化合物1または製薬上許容されるその塩および/または溶媒和物と、他の化学成分、例えば担体、安定化剤、希釈剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤、賦形剤などとの混合物を指す。医薬組成物は、哺乳動物への化合物の投与を促進する。
薬剤の組合せの投与とは、本明細書で使用する場合、記載の薬剤を単一の組成物中に入れて投与すること、または1つまたは複数の薬剤を、少なくとも1種の他の薬剤と別に投与する併用療法で投与するステップを含む。
形態および相
多形性、すなわち、物質が2つ以上の結晶相で存在できる能力は、結晶格子における分子の異なる配列および/またはコンホメーションを可能にする。この配列は、生理化学、配合およびプロセスにおけるパラメータならびにその物質および添加剤の有効期間または安定性に著明な影響を与え得る。一般的に、多形体はまた、溶解度の向上をもたらし、溶解速度を改善する。熱力学的特性、例えば熱容量、自由エネルギーおよび化学ポテンシャル、蒸気圧、溶解度、および熱力学的活性、ならびに動力学的特性、例えば溶解速度および安定度は、多形体により異なる。本明細書中に提供されているのは、化合物2の多形体を含む組成物である。
本明細書中に提供されているのは、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、96%を超える、97%を超える、98%を超える、98%を超える、または99%を超える純度を有する活性医薬成分(API)、化合物1または製薬上許容されるその塩である。具体的な実施形態において、本明細書中に提供されているのは、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、96%を超える、97%を超える、98%を超える、99%を超える純度を有する活性医薬成分(API)、化合物2である。
化合物1および製薬上許容されるその塩の様々な形態が本明細書中で提供される。特定の実施形態において、本明細書中に記載されている形態のいずれかが、医薬組成物の調製に利用される。特定の実施形態において、製薬上許容されるその塩をはじめとする化合物1、および本明細書中に開示されている製薬上許容される溶媒和物の形態として、非晶質形態、部分結晶形態、結晶形態、粉砕された形態、およびナノ微粒子形態が挙げられるが、これらに限らない。様々な結晶形態は、多形体として知られている。多形体は、化合物の同じ元素組成の異なる結晶パッキング配列を含む。特定の実施形態において、多形体は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形、光学特性および電気特性、安定性、および/または溶解度を有する。結晶形成溶媒、結晶形成(結晶化、固体から固体への変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)の速度、および/または保存温度など、様々な要因が原因となって、ある特定の多形体が調製されることになる。
一部の実施形態において、化合物2は、メチル-t-ブチル-エーテルから析出される。
一部の実施形態において、化合物2には、メチル-t-ブチル-エーテルからの結晶形成がなされる。
一部の実施形態において、化合物2には、アセトニトリルからの結晶形成が起こる。
一部の実施形態において、化合物2には、イソプロパノールからの結晶形成が起こる。
一部の実施形態において、化合物2には、ジメチルスルホキシドからの結晶形成が起こる。
一部の実施形態において、化合物2にはメチル-t-ブチル-エーテル/水からの結晶形成が起こる。
一部の実施形態において、化合物2には、結晶形成が起こり、溶媒和される。具体的な実施形態において、この溶媒和物は、水、MTBEまたはこれらの組合せを含む。
一部の実施形態において、化合物2は脱溶媒和されている。
一部の実施形態において、化合物2は、結晶である。
本明細書中で提示されているのは、化合物2の多形体である。一態様において、本明細書中に記載されていのは、化合物2の多形体であり、この多形体は、非晶質または結晶である。一実施形態において、化合物2の多形体は、非晶質である。別の実施形態において、化合物2の多形体は、結晶形態である。別の実施形態において、化合物2の多形体は、結晶形態であり、溶媒和されている。別の実施形態において、化合物2の多形体は、結晶形態であり、脱溶媒和されている。
非晶相A
一部の実施形態において、化合物2は、非晶質相Aである。図3は、非晶質の化合物2のXRPDパターンを図示している。特定の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、以下から選択される少なくとも1種の性質を有する:
(1a)結晶化度が乏しいことを示すXRPDパターン、
(2a)示差走査熱量測定(DSC)で観察される、少なくとも1つの吸熱および少なくとも1つの発熱、
(3a)約127℃のガラス転移温度、
(4a)約155℃の融点、これに続く約200℃での再結晶化の事象、これに続く約288℃〜約295℃での第2融点、
(5a)約200℃よりも上に加熱した場合の結晶形態への相転移、この場合、約200℃よりも上で形成された結晶形態は、図9に記載のXRPDパターンのいずれか1つと実質的に同じXRPDパターンであることを特徴とする、
(6a)図12に記載のものと実質的に同じDSCもしくはTGA、
(5a)吸湿性、ならびに/または
(6a)化学的安定性(5℃、25℃/60%RH、および/または40℃/75%RHで少なくとも1ヵ月)。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(1a)〜(6a)から選択される少なくとも2つ特性を有する。一部の実施形態において、化合物2の非晶質の相Aは、(1a)〜(6a)から選択される少なくとも3つの特性を有する。一部の実施形態において、化合物2の非晶質の相Aは、(1a)〜(6a)から選択される少なくとも4つの特性を有する。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(1a)結晶化度が乏しいことを示すXRPDパターンを有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(2a)示差走査熱量測定(DSC)で観察される、少なくとも1つの吸熱および少なくとも1つの発熱を有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(3a)約127℃のガラス転移温度を有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(4a)約155℃の融点、これに続く約200℃での再結晶化の事象、これに続く約288℃〜約295℃での第2融点を有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(5a)約200℃よりも上に加熱した場合の結晶形態への相転移、この場合、約200℃よりも上で形成された結晶形態は、図9に記載のXRPDパターンのいずれか1つと実質的に同じXRPDパターンであることを特徴とする、を有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(6a)図12に記載のものと実質的に同じDSCもしくはTGAを有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(5a)吸湿性を有すると定義される。
一部の実施形態において、化合物2の非晶質相Aは、(6a)化学的安定性を有すると定義される。
多形体形態B
一態様において、本明細書中に提供されているのは、以下から選択される少なくとも1つの性質を有する化合物2の結晶形態Bである:
(1b)図2に記載のものと実質的に同じXRPDパターン、
(2b)約6.6°2-θ、約8.1°2-θ、約19.7°2-θ、約21.0°2-θ、約21.9°2-θ、および約22.1°2-θでピークを有するXRPDパターン、
(3b)メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)またはイソプロパノールから得た化合物2の結晶に対するXRPDパターンと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン、
(4b)示差走査熱量測定(DSC)で観察される、少なくとも1つの吸熱および少なくとも1つの発熱、
(5b)約180℃よりも上に加熱した場合の第2の結晶形態への相転移、この場合、約180℃よりも上で形成された第2の結晶形態は、図11に記載のXRPDパターンのいずれか1つと実質的に同じXRPDパターンであることを特徴とする、
(6b)吸湿性、ならびに/または
(7b)GVS実験の完全な吸着/脱着サイクル後の、結晶化度の損失。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(1b)〜(7b)から選択される少なくとも2つの特性を有する化合物2の結晶形態Bである。一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(1b)〜(7b)から選択される少なくとも3つの特性を有する化合物2の結晶形態Bである。一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(1b)〜(7b)から選択される少なくとも4つの特性を有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(1b)図2に記載のものと実質的に同じXRPDパターンを有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(2b)約6.6°2-θ、約8.1°2-θ、約19.7°2-θ、約21.0°2-θ、約21.9°2-θ、および約22.1°2-θでピークを有するXRPDパターンを有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(3b)メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)またはイソプロパノールから得た化合物2の結晶に対するXRPDパターンと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(4b)示差走査熱量測定(DSC)で観察される、少なくとも1つの吸熱および少なくとも1つの発熱を有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(5b)約180℃よりも上に加熱した場合の第2の結晶形態への相転移、この場合、約180℃よりも上で形成された第2の結晶形態は、図11に記載のXRPDパターンのいずれか1つと実質的に同じXRPDパターンであることを特徴とする、を有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(6b)吸湿性、である性質を有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、(7b)GVS実験の完全な吸着/脱着サイクル後の結晶化度の損失を有する化合物2の結晶形態Bである。
一部の実施形態において、形態Bは、MTBEまたはイソプロパノールから晶出される。一部の実施形態において、形態Bは、イソプロパノールから晶出される。一部の実施形態において、形態Bは、結晶形成(結晶化、固体から固体変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)の間、プロトン性共溶媒(例えば水またはエタノール)が溶液内に存在するMTBE溶液から得られる。一部の実施形態において、形態Bは、例えば、これだけに限らないが、イソプロパノールなどのプロトン性溶媒から結晶形成により得られる。一部の実施形態において、形態Bは、形態Bの結晶からプロトン性溶媒を除去(脱水)することによって、形態Cへと変換される。
多形体形態C
一部の実施形態において、結晶性の化合物2は、多形体形態Cである。化合物2の多形体形態Cは、以下から選択される少なくとも1つの性質を有する:
(1c)図1に記載のものと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン、
(2c)約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θでピークを有するXRPDパターン、
(3c)約290℃〜約295℃での単一融点、
(4c)図15に記載のものと実質的に同じDSCまたはTGA、
(5c)物理的および化学的安定性(5℃、25℃/60%RH、および/または40°C/75%RHで少なくとも1ヵ月間)、
(6c)非吸湿性、
(7c)図19に記載のものと実質的に同じIRスペクトル、ならびに/または、
(8c)メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)またはアセトニトリルから得た化合物2の結晶に対するXRPDパターンと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターン。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(1c)〜(8c)から選択される少なくとも2つの特性を有する。特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(1c)〜(8c)から選択される少なくとも3つの特性を有する。特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(1c)〜(8c)から選択される少なくとも4つの特性を有する。特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(1c)〜(8c)から選択される少なくとも5つの特性を有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(1c)図1に記載のものと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(2c)約17.2°2-θ、約18.4°2-θ、約19.1°2-θ、約20.8°2-θ、および約23.8°2-θでピークを有するXRPDパターンを有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(3c)約290℃〜約295℃での単一融点を有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(4c)図15に記載のものと実質的に同じDSCもしくはTGAを有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(5c)物理的および化学的安定(5℃、25℃/60%RH、および/または40℃/75%RHに対して少なくとも1ヵ月間)を有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(6c)非吸湿性を有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(7c)図19に記載のものと実質的に同じIRスペクトルを有する。
特定の実施形態において、化合物2の多形体形態Cは、(8c)XRPDパターンメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)またはアセトニトリルから得た化合物2の結晶に対するXRPDパターンと実質的に同じ粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。
特定の実施形態において、多形体形態Cは、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)から形成される。別の態様において、多形体形態Cは、アセトニトリルから形成される。
特定の実施形態において、形態Cは、形態Bの結晶からプロトン性溶媒を除去(脱水)することによって得られる。
本明細書中に記載されているXRPDパターンは、任意の方法、例えば非限定的な例を挙げると、(a)Siemens D5000回折計、または(b)Bruker AXS C2 GADDS回折計上で得られる。具体的な実施形態において、XRPDパターンは、CuKα照射(40kV、40mA)、θ-θ角度計、ダイバージェンスV20および受光スリット、グラファイト製第二次モノクロメーター、ならびに/またはシンチレーションカウンターを用いて、Siemens D5000回折計上に得られる。別の具体的な実施形態では、XRPDパターンは、CuKα照射(40kV、40mA)、自動化XYZステージ、試料の自動位置決め用レーザービデオ顕微鏡、HiStar2次元領域検出器、0.3mmピンホールコリメータ付きGobelマルチレイヤーミラー、ビームダイバージェンス:約4mm、θ-θ連続スキャンモード、試料検出器距離:20cm、有効2θ範囲:3.2°〜29.7°および/またはX線ビームへの試料曝露:約120秒を用いて、Bruker AXS C2 GADDS回折計上に得られる。
本明細書中に記載されている、融点は、任意の方法、例えば非限定的な例を挙げると、ホットステージ光学顕微鏡法(HSM)または示差走査熱量測定(DSC)などにより求めることができる。具体的な実施形態において、ホットステージ光学顕微鏡法は、Mettler-Toledo MTFP82HTホットステージと組み合わせたLeica LM/DM偏光顕微鏡であり、周辺温度から、約10℃/分〜約20℃/分の速度で加熱する。特定の実施形態において、そのDSC測定は、任意の方法、例えば非限定的な例を挙げると、(a)TA Instrument Q1000、または(b)Mettler DSC 823eなどにより行われる。具体的な実施形態において、TA Instrument Q1000は、認定されたインジウム、約0.5mg〜約3mgの試料、ピンホールの開いたアルミニウムパン、加熱速度約10℃/分で25℃〜350℃、窒素パージ速度約50mL/分を用いて、エネルギーおよび温度の較正が行われ、Thermal Advantage v4.6.6を装置制御ソフトウェアとして、および/またはUniversal Analysis4.3Aをデータ解析ソフトウェアとして使用する。他の具体的な実施形態において、Mettler DSC 823eは、認定されたインジウム、約0.5mg〜約3mgの試料、ピンホールの開いたアルミニウムパン、加熱速度:約10℃/分で25℃〜350℃、窒素パージ速度:約50mL/分を用いてエネルギーおよび温度の較正が行われ、および/またはSTARe v9.01を装置制御およびデータ解析ソフトウェアとして使用する。
FLAP阻害剤の合成
本明細書中に記載されているのは、化合物1および製薬上許容されるその塩の調製のためのプロセスである。
化合物1の合成は、2-クロロメチル-5-メチル-ピリジン塩酸塩および5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステル(構造体2-4、スキーム2)の調製から始まる。2-クロロメチル-5-メチル-ピリジン塩酸塩の調製は、スキーム1にその概要が述べられている。
スキーム1. 2-クロロメチル-5-メチル-ピリジン塩酸塩の合成
2,5-ジメチルピリジンの酸化により、2,5-ジメチルピリジンN-オキシドを得る。2,5-ジメチルピリジンN-オキシドを無水酢酸で処理し、続いて塩基、例えば、NaOHなどで処理することによって、(5-メチル-ピリジン-2-イル)-メタノールを得る。次いで(5-メチル-ピリジン-2-イル)-メタノールを塩化チオニルで処理することによって、2-クロロメチル-5-メチル-ピリジン塩酸塩を得る。
5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステルを、スキーム2に概要が述べられているように調製する。
スキーム2: 5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステルの調製
構造2-1のアルキルイソ酪酸(式中R1は、アルキルである)を、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)で処理し、続いて2,3-ジクロロ-1-プロペンで処理する。これによって、構造2-2の4-クロロ-2,2-ジメチル-ペント-4-エン酸アルキルエステルを得る。一態様において、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびブチルから選択される。別の態様において、R1は、メチルまたはエチルである。別の態様において、R1はエチルである。構造2-2の4-クロロ-2,2-ジメチル-ペント-4-エン酸アルキルエステルを、臭素で処理することによって、構造2-3の5-ブロモ-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステルを得る。構造2-3の5-ブロモ-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステルを、塩基の存在下で、2-メチル-2-プロパンチオールで処理することによって、構造2-4の5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステルを得る。
3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパン酸(構造3-5の化合物)のアルキルエステルの合成は、スキーム3において概要が述べられている。
4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩を、塩基の存在下で、4-ブロモベンジルブロミドと反応させることによって、N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩を得る。N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩を、構造2-4の5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸アルキルエステル(式中、R1は、C1〜C6アルキルである)と反応させることによって、構造3-1の3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-メトキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸アルキルエステルを得る。一態様において、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびブチルから選択される。別の態様において、R1は、メチルまたはエチルである。別の態様において、R1は、エチルである。
2-メチル-2-プロパンチオールおよび塩化アルミニウムを用いて、構造3-1のアルキルエステルの脱メチル化を行い、これによって、構造3-2のアルキルエステルを得る。
臭化物のボロン酸エステルへの変換は、ビス(ピナコラート)ジボロン、酢酸カリウム、およびパラジウム触媒を用いて達成される。一態様において、パラジウム触媒は、Pd(dppf)Cl2である。次いで構造3-3のアルキルエステルを、Suzuki媒介カップリング条件下で5-ブロモ-2-エトキシピリジンと結合させることによって、構造3-4のアルキルエステルを得る。一態様において、Suzuki媒介カップリング条件は、無機塩基およびパラジウム触媒を含む。一態様において、Suzuki媒介カップリング条件は、炭酸カリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを含む。
パラジウム媒介反応に使用される塩基として、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、トリブチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、およびリン酸カリウムが挙げられるが、これらに限らない。
次いで、構造3-4のアルキルエステルを、塩基で処理し、続いて2-クロロ-5-メチルピリジン塩酸塩で処理することによって、構造3-5の化合物を得る。一態様において、塩基は、炭酸セシウムである。
一部の実施形態において、構造3-5の化合物は、パラジウムの量を約20ppm未満へと削減するための精製手段により処理される。一態様において、パラジウムの量を削減するための精製手段として挙げられるのは、チオール誘導体化シリカゲルである。
一態様において、構造3-5の化合物は、エステルの加水分解前に単離する。別の態様において、構造3-5の化合物は、エステルの加水分解前に単離しない。一態様において、構造3-5の化合物を単離するステップは、残留するパラジウムを削減する手段を含む。一態様において、残留するパラジウムを削減するための手段は、活性炭素を含む。またさらなる実施形態において、活性炭素は、DARCO(登録商標)KB-G、DARCO(登録商標)KB-WJである。他の実施形態において、残留パラジウムを削減するための手段は、誘導体化シリカゲルを含む。別の実施形態において、残留パラジウムを削減するための手段は、チオール誘導体化シリカゲルを含む。
一態様において、スキーム4に概要が述べられているように、構造3-5の化合物は、2段階の手順を介して、化合物2へと変換される。
構造3-5のアルキルエステルとLiOHとの適切な溶媒中での加水分解によって、カルボン酸を形成するためのpH調整後、化合物1が得られる。次いで、エタノール中で化合物1を水酸化ナトリウムで処理することによって、化合物2を得る。
一態様において、1段階の加水分解および塩形態反応を実施することによって、高収率、高純度で、構造3-5の化合物から化合物2が調製される。一態様において、スキーム5で概要を述べたように、構造3-5のアルキルエステルは、1段階手順で、化合物2へと高収率で変換される。
適切な溶媒中で、構造3-5のアルキルエステルを50%水性NaOH溶液で処理することによって、化合物2を形成する。一態様において、反応は加熱される。
一態様において、化合物2が形成される(結晶化、固体-固体変換または結晶性の相互変換によるものかどうかにかかわらず)か、またはクラス3溶媒から析出される。一態様において、化合物2は、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)から形成または析出される。一態様において、化合物2は、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)から晶出される。
一態様において、本明細書中に記載されているのは、クラス3溶媒と溶媒和した化合物2の結晶形態である。一態様において、クラス3溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルtert-ブチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、およびエタノールから選択される。一態様において、化合物2の結晶形態は、MTBEと溶媒和している。一態様において、化合物2の結晶形態は、メチルtert-ブチルエーテルおよび水と溶媒和している。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1を水酸化カリウムで処理することによって、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸カリウムを形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1を水酸化リチウムで処理することによって、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸リチウムを形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1を水酸化カルシウムで処理することによって、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパン酸のカルシウム塩を形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1をジシクロヘキシルアミンで処理することによって、対応する塩を形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1をN-メチル-D-グルカミンで処理することによって、対応する塩を形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1をトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンで処理することによって、対応する塩を形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1をアルギニンで処理することによって、対応する塩を形成させる。
一部の実施形態において、溶媒中で、化合物1をリジンで処理することによって、対応する塩を形成させる。
特定の用語
特に明記しない限り、明細書および請求項をはじめとする、本出願中で使用されている以下の用語は、以下に与えられている定義を有することに注意されたい。明細書および付随する請求項において使用される場合、そうでないことが文脈により明らかに指示されていない限り、単数の形態「ある(a)」「ある(an)」および「その(the)」は、複数の指示対象を含む。特に指定しない限り、従来の方法である質量分析、NMR、HPLC、タンパク質化学、有機合成、生化学、組換えDNA技法および薬理学が、当業者の技量内で使用される。本出願において、特に明記しない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。さらに、「含めた(including)」という用語、ならびに他の形、例えば「含む(include)」、「含む(includes)」および「含まれた(included)」などの使用は、限定的ではない。
「アルキル」基は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は、分枝、直鎖、または環状である。アルキル基は、「C1〜C6アルキル」として明示することができる。一態様において、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、アリル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどから選択される。
「検出可能な量」は、標準的な分析方法(例えばイオンクロマトグラフィー、質量分析、NMR、HPLC、ガスクロマトグラフィー、元素分析、IR分光法、誘導結合プラズマ発光分光分析法、USP<231>方法IIなど)(ICH guidances, Q2A Text on Validation of Analytical Procedures (March1995)およびQ2B Validation of Analytical Procedures: Methodology (November 1996))を用いて測定可能な量を指す。
製剤、組成物または成分に関する「許容される」という用語は、本明細書で使用する場合、治療している被験体の全般的な健康状態に持続性の有害な影響をもたらさないことを意味する。
「呼吸器系疾患」という用語は、本明細書で使用する場合、鼻、喉、喉頭、気管、気管支、および肺などの呼吸に関与する器官に影響を及ぼす疾患を指す。呼吸器系疾患として、喘息、成人呼吸窮迫症候群およびアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、重症急性喘息、慢性喘息、臨床喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス過呼吸、小児発症喘息、成人発症の喘息、咳喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、季節性喘息、季節性アレルギー性鼻炎、慢性アレルギー性鼻炎、慢性気管支炎もしくは肺気腫、肺性高血圧症、間質性肺線維症および/または気道炎症および嚢胞性線維症をはじめとする慢性閉塞性肺疾患、ならびに低酸素症が挙げられるが、これらに限らない。
「喘息」という用語は、本明細書で使用する場合、原因にかかわらず(内因性、外因性、またはこの両方、アレルギー性または非アレルギー性)、気道狭窄に伴う肺のガスの流れの変化を特徴とする、肺のいずれかの障害を指す。喘息という用語は、原因を示す1つまたは複数の形容詞と共に使用されることがある。
「心血管疾患」という用語は、本明細書で使用する場合、心臓もしくは血管または両方に影響を与える疾患を指し、これだけに限らないが:不整脈、アテローム性動脈硬化症および続発症、アンギナ、心筋虚血、心筋梗塞、心臓または血管動脈瘤、脈管炎、脳卒中、肢、器官、または組織の末梢性閉塞性動脈症、脳、心臓または他の器官もしくは組織の虚血に続く再灌流傷害、内毒素性ショック、手術ショック、または外傷性ショック、高血圧、弁膜症、心不全、異常血圧、ショック、血管収縮(片頭痛に伴うものも含む)、血管異常、炎症、単一器官または組織に限定される欠乏性疾患などが挙げられる。
「眼疾患」という用語は、本明細書で使用する場合、眼(片眼または両眼)および潜在的に周囲組織にも同様に影響を及ぼす疾患を指す。眼疾患として、眼の炎症、結膜炎、網膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、アレルギー性結膜炎、春季カタル、乳頭結膜炎、およびぶどう膜網膜炎が挙げられるが、これらに限らない。
「疼痛」という用語は、本明細書で使用する場合、中心性疼痛または末梢性疼痛である可能性のある急性または慢性疼痛を指す。疼痛として、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛および非炎症性疼痛、例えば、末梢性神経障害性疼痛などが挙げられるが、これらに限らない。
「皮膚疾患」という用語は、本明細書で使用する場合、湿疹、乾癬、皮膚疾患、神経皮膚炎、そう痒症、剥脱性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、天疱瘡および過敏性反応などが挙げられるが、これらに限らない。
「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、治療している疾患または状態のうちの1つまたは複数の症状をある程度緩和する、投与される薬剤の十分な量を指す。結果は、疾患の徴候、症状、または原因の軽減および/または緩和、または生物系の他の任意の所望の変化であってよい。例えば、治療的使用のための「有効量」は、疾患症状の臨床的に有意な減少を提供するのに必要とされる、本明細書中に開示されている化合物を含む組成物の量である。「治療有効量」という用語は、例えば、予防上の有効量を含む。有効量は、特定の患者およびその疾患レベルに基づいて選択されることになる。「効果のある量」または「治療有効量」は、対象となる薬物の代謝、年齢、体重、全身状態、治療している状態、治療している状態の重症度、および処方する内科医の判断などにより差があるため、対象により異なると理解されている。一実施形態において、任意の個々の場合における適切な「有効」量は、例えば用量漸増試験などの技法を用いて決定される。
「共投与」などの用語は、本明細書で使用する場合、単一の患者への、選択された治療薬の投与を包含することを意味し、薬剤が、同一もしくは異なる投与経路で、または同一もしくは異なる時間に投与される治療レジメンを含むことを意図する。
「強化する」または「強化すること」という用語は、本明細書で使用する場合、作用強度または持続時間のいずれかにおいて、所望の効果を増加または延長させることを意味する。したがって、治療薬の効果を強化することに関して、「強化すること」という用語は、作用強度または持続時間のいずれかにおいて、ある系での他の治療薬の効果を増加または延長する能力を指す。「有効量を強化する」とは、本明細書で使用する場合、所望の系において別の治療薬の効果を強化するのに十分な量を指す。
「線維症」または「線維化障害」という用語は、本明細書で使用する場合、急性または慢性炎症に続き、細胞および/またはコラーゲンの異常蓄積に伴うもので、例えば、心臓、腎臓、関節、肺、または皮膚などの個々の器官または組織の線維化を含むこれらに限らない状態を指し、特発性の肺線維症および原因不明の線維化肺胞炎などの障害を含む。
「ロイコトリエン駆動性メディエーター」という用語は、本明細書で使用する場合、例えば、一例として、LTB4、LTC4、LTE4、システイニルロイコトリエン、単球炎症性タンパク質(MIP-1α)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-13(IL-13)、単球走化性タンパク質(MCP-1)、可溶性細胞内接着分子(sICAM、可溶性ICAM)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)、および一般の炎症分子、例えばインターロイキン-6(Il-6)、C反応性タンパク質(CRP)、および血清アミロイドAタンパク質(SAA)など、細胞のロイコトリエン刺激の過剰生成から生じる、患者の中で生成可能な分子を指す。
「ロイコトリエンに関連するメディエーター」という用語は、本明細書で使用する場合、例えば、一例として、LTB4、LTC4、LTE4、システイニルロイコトリエン、単球炎症性タンパク質(MIP-1α)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-13(IL-13)、単球走化性タンパク質(MCP-1)、可溶性細胞内接着分子(sICAM、可溶性ICAM)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)、および一般の炎症分子、例えばインターロイキン-6(Il-6)、C反応性タンパク質(CRP)、および血清アミロイドAタンパク質(SAA)など、細胞のロイコトリエン刺激の過剰生成から生じる、患者の中で生成可能な分子を指す。
「ロイコトリエン依存性」という用語は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数のロイコトリエンの存在なしでは生じないと思われる、または同程度には生じないと思われる状態または障害を指す。
「ロイコトリエン媒介性」という用語は、本明細書で使用する場合、ロイコトリエンの存在なしで生じるが、1つまたは複数のロイコトリエンの存在下でも生じる状態または障害を指す。
「ロイコトリエンに反応する患者」という用語は、本明細書で使用する場合、ロイコトリエン経路内のFLAPハプロタイプの遺伝子型同定、または1つもしくは複数の他の遺伝子の遺伝子型同定のいずれかにより、および/または、一例として、ジロートン、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカストをはじめとする別のロイコトリエンモジュレーターに対する以前の陽性の臨床反応、および/または炎症細胞のロイコトリエンの過剰刺激を示すロイコトリエン駆動性メディエーターのプロファイルのいずれかについて患者の表現パターンの検査を行うことにより、ロイコトリエンモジュレーター療法に好適に反応しやすいことが明らかになった患者を指す。
「キット」および「製品」という用語は、同義語として使用される。
本明細書中に開示される化合物の「代謝産物」は、化合物が代謝される場合、形成される化合物の誘導体である。「活性代謝産物」という用語は、化合物が代謝される場合(生体内変換される)、形成される化合物の生物活性誘導体を指す。「代謝する」という用語は、本明細書で使用する場合、生物により特定物質を変化させるプロセスの総計(これだけに限らないが、加水分解反応および酵素で触媒された反応を含む)を指す。したがって、酵素は、特定の構造変化を化合物に生成し得る。例えば、シトクロムP450は、様々な酸化反応および還元反応を触媒する一方、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)は、活性化したグルクロン酸分子の、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミンおよび遊離スルフィドリル基(例えば結合反応)への転移を触媒する。代謝についてのさらなる情報は、Pharmacological Basis of Therapeutics、第9版、McGraw-Hill (1996)から得ることができる。一実施形態において、本明細書中に開示されている化合物の代謝産物は、宿主への化合物の投与および宿主からの組織試料の分析、またはインビトロでの化合物と肝細胞とのインキュベーションおよびこの生成した化合物の分析のいずれかにより識別される。
「調節する」という用語は、本明細書で使用する場合、直接または間接的のいずれかで、標的と相互作用することによって、一例として、標的活性を強化する、標的活性を阻害する、標的活性を制限する、または標的活性を拡張することをはじめとして、標的活性を変更することを意味する。
「モジュレーター」という用語は、本明細書で使用する場合、直接または間接的のいずれかで、標的と相互作用する分子を指す。相互作用として、アゴニストおよびアンタゴニストの相互作用が挙げられるが、これらに限らない。
「プロドラッグ」という用語は、本明細書で使用する場合、インビボで親薬物に変換される薬剤を指す。場合によっては、親薬剤よりも投与しやすい場合があるため、プロドラッグは有用であることが多い。例えば、親薬物ではそうではないのに、プロドラッグでは経口投与により、体内に吸収されて利用され得る。プロドラッグはまた、親薬物と比較して、医薬組成物において、より優れた溶解度を有することができる。制限なしで、プロドラッグの一例は、化合物1(「そのプロドラッグ」)であり、エステルとして投与されることによって、化合物1は、水溶解性が可動性に弊害をもたらす細胞膜を横断して透過することを促進し、しかも次に、水への溶解度が有利な細胞内へ入ってしまえば、活性実体であるカルボン酸へと代謝により加水分解される。プロドラッグのさらなる例は、酸性基に結合した短いペプチド(ポリアミノ酸)であり、この場合ペプチドは代謝により動員され、活性部分を曝露する。
「被験体」または「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。一態様において、哺乳動物はヒトである。別の態様において、哺乳動物は、非ヒトの霊長類、例えばチンパンジーなど、および他の類人猿およびサルの種属である。一態様において、哺乳動物は、家畜、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、またはブタなどである。一態様において、哺乳動物は、家庭用動物、例えばウサギ、イヌ、またはネコなどである。一態様において、哺乳動物は、実験動物、例えばラット、マウスおよびモルモットなどをはじめとするげっ歯類である。
「バイオアベイラビリティー」とは、投与された化合物1または製薬上許容されるその塩および/または溶媒和物が試験されている動物またはヒトの体循環へと送達された、その重量のパーセンテージを指す。静脈内に投与した場合、薬物の総曝露(AUC(0〜∞))は、通常100%バイオアベイラブル(F%)として定義される。「経口でのバイオアベイラビリティー」とは、医薬組成物を経口的に摂取した場合、静脈内投与と比較して、化合物1または製薬上許容されるその塩および/または溶媒和物がどの程度体循環に吸収されたかを指す。
「血漿濃度」とは、哺乳動物の血液の血漿成分中の化合物1の濃度を指す。化合物1の血漿中濃度は、代謝および/または他の治療薬との相互作用に関するばらつきが原因で、被験体により有意に異なる場合があることが理解されている。一態様において、化合物1の血漿濃度は、対象により異なる。同様に、最大血漿中濃度(Cmax)または最大血漿中濃度(Tmax)に到達する時間、またはその血漿中濃度時間曲線(AUC(0-∞))下総面積などの値は、被験体により異なる。このばらつきにより、一実施形態において、化合物1の「治療有効量」を構成するのに必要な量は、被験体により異なる。
「薬物吸収」または「吸収」は通常、薬物の投与部位から、バリアを横切って、血管内または作用部位への移動、例えば、消化管から門脈またはリンパ系へと移動する薬物など、薬物移動のプロセスを指す。
「測定可能な血清中濃度」または「測定可能な血漿中濃度」は通常、投与後血流に吸収された治療薬の血清濃度または血漿濃度を、血清1ml、1dl、または1lあたりのmg、μg、またはngで測定して記載している。本明細書で使用する場合、測定可能な血漿中濃度は、通常、ng/mlまたはμg/mlで測定される。
「薬力学」とは、作用部位での薬物の濃度に対して、観察された生物学的反応を決定する要因を指す。
「薬物動態」とは、作用部位での薬物の適切な濃度の達成および維持を決定する要因を指す。
「定常状態」とは、本明細書で使用する場合、1つの投薬間隔内で、投与される薬物の量が、除去される薬物の量と同じである結果、プラトーに達しているまたは血漿の薬物曝露が一定となる場合である。
「治療する」または「治療」とは、本明細書で使用する場合、障害または疾患の任意の治療、例えば、障害または疾患に罹る可能性があるが、障害または疾患に罹っているとまだ診断されていない対象が、障害または疾患に罹らないように予防すること、障害または疾患を阻害すること、例えば、障害または疾患の発症を抑止すること、障害または疾患を緩和すること、障害または疾患の退縮を起こすこと、疾患または障害により引き起こされた状態を緩和すること、または予防および/または治療のいずれかにより疾患または障害の症状を停止することを指す。したがって、本明細書で使用する場合、「治療する」という用語は、「予防する」という用語と同義に使用される。
「パラジウムの量を削減する精製手段」または「残留パラジウムを削減するための手段」(または同様な言葉で表された句)は、パラジウム規格ガイドライン(「Guideline on the Specification Limits for Residues of Metal Catalysts」 European Medicines Agency Pre-authorisation Evaluation of Medicines for Human Use、London、January 2007、Doc. Ref. CPMP/SWP/QWP/4446/00 corr)を満たすよう、活性医薬成分を含む試料中のパラジウム量を削減するために使用する手段を指す。一態様において、パラジウムの量を削減することは、固体トリメルカプトトリアジン(TMT)、ポリスチレン結合TMT、メルカプト多孔性ポリスチレン結合TMT、ポリスチレン結合エチレンジアミン、活性炭素、ガラス製ビーズスポンジ、Smopex(登録商標)、シリカ結合捕捉剤、チオール誘導体化シリカゲル、N-アセチルシステイン、n-Bu
3P、結晶化、抽出、l-システイン、n-Bu
3P/乳酸(Garrettら、Adv. Synth. Catal. 2004、346、889-900)での処理が挙げられるが、これに限らない。一態様において、活性炭素として、DARCO(登録商標)KB-G、DARCO(登録商標)KB-WJが挙げられるが、これらに限らない。一態様においてシリカ結合捕捉剤として、以下が挙げられるが、これらに限らない:
は、シリカゲルを意味する)。
好適な溶媒
哺乳動物、例えばヒトに投与可能な治療薬は、以下の規制ガイドラインにより調製しなければならない。このような政府による規制ガイドラインは、Good Manufacturing Practice(医薬品適正製造規準(GMP))と呼ばれる。GMPガイドラインは、活性のある治療薬の許容可能なコンタミネーションレベル、例えば、最終生成物中に残留する溶媒の量について大まかに述べている。好ましい溶媒は、GMP施設においての使用に好適であり、産業安全性の懸念と一致したものである。溶媒の種類は、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (ICH), “Impurities: Guidelines for Residual Solvents, Q3C(R3), (November 2005)において定義されている。
溶媒は、3つのクラスに分類される。クラス1の溶媒は、有毒なので、回避するものとする。クラス2の溶媒は、治療薬の製造中にのみ使用が限定される溶媒である。クラス3の溶媒は、潜在的毒性は低く、ヒトの健康へのリスクがより低い溶媒である。クラス3の溶媒に対するデータでは、クラス3の溶媒は、集中的または短期的研究において毒性が少なく、遺伝毒性研究において陰性を示している。
回避すべきであるクラス1の溶媒として、ベンゼン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、および1,1,1-トリクロロエタンが挙げられる。
クラス2の溶媒の例は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N-メチルピロリジン、ニトロメタン、ピリジン、スルホレーン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテンおよびキシレンである。
クラス3の溶媒は、低い毒性を有するが、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、エチルアセテート、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびテトラヒドロフランなどが挙げられる。
活性医薬成分(API)中に残留する溶媒は、APIの製造で作られたものである。溶媒は、実際的な製造技術により完全に除去されていない場合がある。APIの合成に好適な溶媒の選択は、収量を向上でき、または結晶形、純度、および溶解度などの特徴を決定することができる。したがって、溶媒は、合成方法における重大なパラメーターである。
一部の実施形態において、組成物は有機溶媒(複数可)を含む化合物1の塩を含む。一部の実施形態において、組成物は、残留量の有機溶媒(複数可)を含む化合物1の塩を含む。一部の実施形態において、組成物は、残留量のクラス3溶媒を含む化合物1の塩を含む。一部の実施形態において、有機溶媒は、クラス3溶媒である。一部の実施形態において、そのクラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される。一部の実施形態において、クラス3溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert-ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、およびエタノールから選択される。
一態様において記載されているのは、化合物1の塩の多形体を含む組成物である。一態様において、多形体は、非晶質、半結晶性、または結晶性である。一態様において、多形体は、結晶性である。別の態様において、多形体は、非晶質である。
一態様において記載されているのは、化合物1の塩の結晶形態を含む組成物である。一態様において記載されているのは、化合物2の結晶形態を含む組成物である。
一態様において記載されているのは、化合物1の塩の非晶質形態を含む組成物である。一態様において記載されているのは、化合物2の非晶質形態を含む組成物である。
一態様において、組成物は、検出可能な量の有機溶媒を含む化合物1の塩を含む。一部の実施形態において、化合物1の塩は、ナトリウム塩である。一部の実施形態において、有機溶媒は、クラス3溶媒である。一部の実施形態において、クラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される。またさらなる実施形態において、クラス3溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert-ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノール、およびエタノールから選択される。他の実施形態において有機溶媒は、イソプロパノール、アセトニトリル、エタノール、プロピレングリコール、および水中メチルセルロースから選択される。
一態様において、化合物1の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、プロトン化ジシクロヘキシルアミン塩、プロトン化N-メチル-D-グルカミン塩、プロトン化トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、アルギニン塩、またはリジン塩である。一態様において、化合物1の塩は、ナトリウム塩である。
他の実施形態において提供されているのは、化合物2を含む組成物であり、この組成物は、約1%未満の検出可能な量の溶媒を含み、この溶媒は、1,2-ジメトキシエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、ヘプタン、および2-プロパノールから選択される。さらなる実施形態において提供されているのは、化合物2を含む組成物であり、この組成物は、約5000ppm未満の検出可能な量の溶媒を含む。またさらなる実施形態において提供されているのは、化合物2を含む組成物であり、検出可能な量の溶媒は、約5000ppm未満、約4000ppm未満、約3000ppm未満、約2000ppm未満、約1000ppm未満、約500ppm未満、または約100ppm未満である。
医薬組成物/製剤
医薬組成物は、製薬として使用される調製物への活性化合物の加工を促進する賦形剤および助剤を含む1つまたは複数の生理学的に許容可能な担体を用いて従来の方法により製剤化される。適切な技法、担体、および賦形剤は、その全体が本明細書中に参考として組み込まれている、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、Pa.: Mack Publishing Company、1995)、Hoover、John E.、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania 1975、Liberman、H.A. and Lachman、L.、編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版 (Lippincott Williams & Wilkins1999)などの中に見出されるものを含む。
経口投与に対して、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、活性化合物を製薬上許容される担体または賦形剤と組み合わせることによって製剤化される。このような担体により、治療する患者の経口摂取用に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、錠剤、散剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化することが可能となる。
医薬組成物は、遊離酸もしくは遊離塩基の形態で、または製薬上許容される塩の形態で、少なくとも1種の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤および有効成分として化合物1を含むことになる。
本明細書中に記載されている経口固体剤形は、化合物1の粒子、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、結晶形態、非晶質形態、半結晶性の形態、半非晶質形態で、またはこれらの混合物として含む。一態様において、本明細書中に記載されている経口固体剤形は、化合物2の結晶性粒子を含む。一態様において、その本明細書中に記載されている経口固体剤形は、化合物1(遊離酸)の結晶性粒子を含む。一態様において、本明細書中に記載されている経口固体剤形は、化合物1(遊離酸)の非晶質粒子を含む。
本明細書中に記載されている医薬組成物は、(a)化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、および1つまたは複数の以下:(b)結合剤、(c)崩壊剤、(d)充填剤、(e)滑沢剤、(f)流動促進剤、(g)圧縮助剤、(h)染色剤、(i)甘味剤、(j)保存剤、(k)懸濁化剤/分散化剤、(l)膜形成剤/コーティング剤、(m)香味剤、(o)印刷インクを含む。
一態様において、本明細書中に記載されている医薬組成物は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)に加えて、1つまたは複数の以下:(a)ステアリン酸マグネシウム、(b)ラクトース、(c)微結晶性セルロース、(d)ケイ化微結晶性セルロース、(e)マンニトール、(f)デンプン(トウモロコシ)、(g)二酸化ケイ素、(h)二酸化チタン、(i)ステアリン酸、(j)デンプングリコール酸ナトリウム、(k)ゼラチン、(l)タルク、(m)スクロース、(n)アスパルテーム、(o)ステアリン酸カルシウム、(p)ポビドン、(q)アルファ化デンプン、(r)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(s)OPA生成物(コーティングとインク)、(t)クロスカルメロース、(u)ヒドロキシプロピルセルロース、(v)エチルセルロース、(w)リン酸カルシウム(二塩基性)、(x)クロスポビドン、(y)シェラック(および釉薬)、(z)炭酸ナトリウムを含む。
一実施形態において、1つまたは複数の固体賦形剤と、本明細書中に記載されている1つまたは複数の化合物とを混合することによって、経口での使用のための製剤を得るが、場合によって、適切な助剤の添加後、必要に応じて、生成した混合物を粉砕し、顆粒剤の混合物へと加工することによって、錠剤を得る。適切な賦形剤は、特に充填剤、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールなどをはじめとする糖、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、または他のもの、例えば、ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどである。必要に応じて、崩壊剤、例えば架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどが加えられる。
一実施形態において本明細書中に記載されている医薬組成物は、任意の適切な剤形に製剤化され、これらの剤形として、水性の経口分散剤、固体経口剤形、即溶性製剤、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、カプセル剤、持続放出性製剤、吸入用粉末、吸入用分散液、IV製剤が挙げられるが、これらだけに限らない。
一部の実施形態において、製剤は、例えば、必要に応じて、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1日おきに1度、1日1回、1日2回(b.i.d)、または1日3回(t.i.d)の投与が可能となる、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の治療有効量を提供する。一実施形態において製剤は、1日1回の投与が可能となる、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の治療有効量を提供する。
特定の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量は、1回の投与につき約1mg〜約5gであり、1回の投与につき約10mg〜約2gであり、1回の投与につき約10mg〜約1gであり、1回の投与につき約10mg〜約1gであり、1回の投与につき約10mg〜約0.5gであり、または1回の投与につき約10mg〜約0.4gである。一部の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量は、一日あたり約1mg〜約5gであり、一日あたり約10mg〜約2gであり、一日あたり約10mg〜約1gであり、一日あたり約10mg〜約0.6gであり、一日あたり約10mg〜約0.5gであり、または一日あたり約10mg〜約0.4gである。
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量は、1回の投与につき約5mg、1回の投与につき約10mgであり、1回の投与につき約50mgであり、1回の投与につき約150mgであり、1回の投与につき約300mgであり、1回の投与につき約450mgであり、1回の投与につき約600mgであり、または1回の投与につき約1000mgである。
一態様において、経口薬剤溶液は、約10mg/ml〜約50mg/mlの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一態様において、経口用薬剤溶液は、約10mg/ml〜約40mg/ml、約10mg/ml〜約30mg/ml、または約10mg/ml〜約20mg/mlの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一態様において、経口薬剤溶液は、約10mg/mlの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。
一実施形態において小児用経口薬剤溶液は、約1mg/ml〜約20mg/mlの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一実施形態において小児用経口薬剤溶液は、約1mg/ml〜約15mg/ml、または約5mg/ml〜約15mg/mlの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一部の実施形態において、小児用経口薬剤溶液は、約10mg/mlの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。
一態様において、即放性錠剤は、約5%w/w〜約50%w/wの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一部の実施形態において、即放性錠剤は、約5%w/w〜約40%w/w、または約10%w/w〜約40%w/wの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一部の実施形態において、即放性錠剤は、約5%w/w、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約33%w/w、約35%w/w、約40%w/wの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。
一態様において、即放性カプセル剤は、約1.25%w/w〜約50%w/wの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一部の実施形態において、即放性カプセル剤は、約5%w/w〜約40%w/w、約10%w/w〜約30%w/wの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。一部の実施形態において、即放性カプセル剤は、約5%w/w、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、または約30%w/wの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む。
一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、1日1回の投与用に提供される即放性形態へと製剤化される。一般的に述べると、治療効果を引き出すのに有効な期間中、インビボで有効であると判明した濃度と釣り合った血漿濃度を達成するのに有効である、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の量を投与することが望まれることになる。
結合剤は、凝集性の特性を提供する。一態様において、固体経口剤形は、約2%w/w〜約10%w/wの結合剤を含む。一部の実施形態において、固体経口剤形は、約5%w/wの結合剤を含む。一部の実施形態において、固体経口剤形は、約2%w/w〜約25%w/wの結合剤を含む。一部の実施形態において、固体経口剤形は、約5%w/w〜約25%w/wの結合剤を含む。一部の実施形態において、固体経口剤形は、約18%w/wの結合剤を含む。
一態様において、結合剤は、ヒプロメロース(例えば、MethocelE5)である。別の態様において、結合剤は、ポビドン、またはデンプンである。
担体の材料は、製薬上の任意の賦形剤を含み、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)との相容性および所望の剤形の放出プロファイル特性に基づき選択されるべきである。代表的な担体の材料は、例えば、結合剤、懸濁化剤、分解剤、充填剤、界面活性、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤などを含む。
分散化剤および/または粘度調節剤は、液体溶媒を通じて薬物の拡散および均一性または造粒方法またはブレンド方法を制御する物質を含む。一部の実施形態において、このような薬剤はまた、コーティングの有効性またはマトリックスの破壊を促進する。
希釈剤は、組成物のかさを増大させることによって加圧を促進、またはカプセル剤に充填するための均質のブレンド用に十分な塊を創製する。
「崩壊する」という用語は、消化器の液体と接触させた場合の剤形の溶解および分散の両方を含む。「分解剤または崩壊剤」は、物質の破壊または分解を促進させる。
一態様において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。別の態様において、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムまたはクロスポビドンである。
一態様において、固体経口剤形は、15%w/wまでの崩壊剤を含む。一部の実施形態において、固体経口剤形は、約0.5%w/w〜約10%w/wの崩壊剤を含む。一部の実施形態において、固体経口剤形は、約0.5%w/w〜約5%w/wの崩壊剤を含む。
充填剤は、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、ブドウ糖、デキストレート、デキストラン、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどの化合物を含む。
一態様において、充填剤は、ラクトース(例えば一水和物)である。別の態様において、充填剤は、マンニトール、または第二リン酸カルシウムである。別の態様において、充填剤は、マンニトール、微結晶性セルロース、第二リン酸カルシウムまたはソルビトールである。
消化液は、本明細書中に記載されている組成物、またはこの同等物の経口投与後の、被験体の胃分泌物の液体または被験体の唾液である。「胃分泌液の同等物」として、例えば、胃分泌液と同様の含量および/またはpHを有するインビトロの液体、例えば1%ドデシル硫酸ナトリウム溶液または0.1N HCl水溶液などが挙げられる。加えて、シミュレートした腸液(USP)は、pH6.8で、水性ホスフェート緩衝系である。
滑沢剤および流動促進剤は、物質の接着または摩擦を防止、低減または阻害する化合物である。一態様において、固体経口剤形は、約0.25%w/w〜約2.5%w/wの滑沢剤を含む。別の態様において固体経口剤形は、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの滑沢剤を含む。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている固体剤形は、錠剤(即放性錠剤、持続放出性錠剤、懸濁錠剤、即溶性錠剤、噛むことで崩壊する錠剤、速崩壊錠剤、発泡性錠剤、またはカプレットを含む)、丸剤、散剤(無菌包装した散剤、調剤可能な散剤、または発泡性散剤を含む)、カプセル剤(軟質または硬質の両カプセル、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られたカプセル剤、または「スプリンクルカプセル」を含む)、固体分散剤、多微粒子剤形、ペレット、または顆粒剤の形態である。
他の実施形態において、医薬製剤は、散剤の形態である。さらに他の実施形態において、医薬製剤は、これだけに限らないが、即放性錠剤を含めた錠剤の形態である。さらに、本明細書中に記載されている医薬製剤は、単回用量または複数回用量で投与される。一部の実施形態において、医薬製剤は、2、または3、または4つの錠剤で投与される。
一部の実施形態において、固体剤形、例えば、錠剤、発泡性錠剤、およびカプセル剤は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)と、1つまたは複数の製薬上の賦形剤とを混合し、塊状のブレンド組成物を形成することによって調製される。このような塊状ブレンド組成物を均質なものとして参照する場合、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の粒子は、組成物が同じように有効な単位剤形、例えば錠剤、丸剤、またはカプセル剤などに容易に細区画されることが可能であるように、組成物全体に均等に分散していることを意味する。一実施形態において、個々の単位用量はまた、薄膜コーティングを含み、この薄膜コーティングは、経口による摂取によりまたは希釈剤と接触させた際に崩壊する。一実施形態において、このような製剤は、従来の技法により製造される。
従来の技法は、例えば、(1)乾式混合、(2)直接加圧、(3)粉砕、(4)乾式または非水性の造粒、(5)湿式造粒、または(6)融合、のうちの1つの方法またはこれらの組合せを含む。例えば、Lachmanら、The Theory and Practice of Industrial Pharmacy(1986)を参照されたい。他の方法は、例えば、スプレー乾燥、パンコーティング、溶融造粒、造粒、流動層スプレー乾燥またはコーティング(例えば、wursterコーティング)、接線コーティング、トップスプレー、打錠、押出加工などを含む。
本明細書中に記載されている製薬としての固体剤形は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の本明細書中に記載されている組成物および1つまたは複数の製薬上許容される添加剤、例えば、相容性の担体、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散化剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿剤、可塑剤、安定化剤、浸透促進剤、湿潤剤、抗発泡剤、抗酸化剤、保存剤、またはこれらの1つもしくは複数の組合せなどを含む。
化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、上部消化管において急速に吸収され、したがって、溶解速度とバイオアベイラビリティーとの間に強い相関関係が存在する。したがって、生物マトリックスでの溶解速度を最適化することによって、インビボ吸収を強化することが重要である。化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、固体剤形のマトリックスから可能な限り効率的に放出するために、特に剤形が結合剤と共に圧縮されている場合、製剤に崩壊剤を使用することが多い。崩壊剤は、水分が剤形に吸収された際に、膨張またはキャピラリー作用によって、剤形マトリックスを破壊するのに役立つ。
結合剤は、固体経口剤形製剤に接着性を与える:粉末充填したカプセル剤製剤に対して、結合剤は、軟質または硬質シェルカプセル剤に充填されるプラグの形成を補助し、錠剤製剤に対しては、加圧後、錠剤が影響を受けないままでいることを確実にし、加圧または充填のステップの前に、確実に均一にブレンドされるようにする手助けをする。
一般的に、結合剤レベル20〜70%が、粉末充填したゼラチンカプセル製剤に使用されている。錠剤製剤における結合剤の使用レベルは、直接加圧、湿式造粒、ローラー圧縮、または他の添加剤、例えば、それ自体が中等度の結合剤として作用する充填剤などを使用するかどうかにより異なる。
圧縮錠剤は、上述した塊状ブレンド製剤を圧縮することによって調製される固体剤形である。様々な実施形態において、口内で溶解するように設計された圧縮錠剤は、1つまたは複数の香味剤を含むことになる。他の実施形態において、圧縮錠剤は、最終の圧縮錠剤を囲む薄膜を含むことになる。一部の実施形態において、薄膜コーティングは、患者の服薬率(例えば、Opadry(登録商標)コーティングまたは糖衣)に役立つ。薄膜コーティングは、錠剤重量の通常約1%から約3%の範囲のOpadry(登録商標)を含む。他の実施形態において、圧縮された錠剤は、1つまたは複数の添加剤を含む。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、約5〜約20Kp、または約5〜約15Kpまたは約8〜12Kpの硬度を有する錠剤である。さらなるまたは代替の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、1%未満の脆砕性を有する錠剤である。
一実施形態において、カプセル剤は、例えば、上述した塊状ブレンド製剤をカプセル剤の内側に入れることにより調製される。一部の実施形態において、製剤(非水性の懸濁剤および溶液剤)を、軟質ゼラチンカプセルに入れる。他の実施形態において、製剤は、標準的なゼラチンカプセル剤または非ゼラチンカプセル剤、例えばHPMCを含むカプセル剤などの中に入れる。他の実施形態において、製剤は、スプリンクルカプセルの中に入れるが、この場合、カプセル剤は、丸ごと飲み込むか、またはカプセル剤を開けて、食べる前に中身を食料の上にかける。一部の実施形態において、治療量は、複数の(例えば、2、3、または4つの)カプセル剤に分割される。一部の実施形態において、製剤の全部の用量は、カプセル剤の形態で送達される。
一態様において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)および1つまたは複数の添加剤は、乾式ブレンドされ、塊、例えば、経口投与後、約10分間未満、約15分間未満、約20分間未満、約25分間未満、約30分間未満、約35分間未満、または約40分間未満以内に実質的に崩壊し、これによって化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の製剤が消化器液中に放出される医薬組成物を提供するのに十分な硬度を有する錠剤などに圧縮される。
他の実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の本明細書中に記載されている製剤を含む散剤が、1つまたは複数の製薬上の賦形剤および香味剤を含むように製剤化される。このような散剤は、例えば、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の製剤と、任意により製薬上の賦形剤とを混合して塊状ブレンド組成物を形成することによって調製される。追加の実施形態はまた、懸濁化剤および/または湿潤剤も含む。この塊状ブレンドは、単位用量のパッケージング単位または複数回用量のパッケージング単位へと均一に細区画される。「均一な」という用語は、塊状ブレンドの均一性が、パッケージングプロセスの間に実質的に維持されることを意味する。
さらに他の実施形態において、発泡性散剤を調製する。発泡性の塩を使用して、経口投与用に、医薬品を水中に分散させる。発泡性の塩は、通常、重炭酸ナトリウム、クエン酸および/または酒石酸で構成される乾性の混合物中に薬用の薬剤を含有する顆粒剤または粗い粉末である。
本明細書中に記載されている発泡性の顆粒の調製方法は、3つの基本的なプロセス:湿式造粒、乾式造粒および融合、を使用する。融合法は、大部分の市販の発泡性散剤の調製に使用されている。これらの方法は、顆粒剤の調製を目的とするものではあるが、一実施形態における、本明細書中に記載されている発泡性の塩の調合物は、錠剤の調製に対する技術に従い、錠剤としても調製されることに注意されたい。
湿式造粒は、顆粒剤の調製では最も古い方法である。錠剤調製の湿式造粒プロセスにおける個々のステップは、成分の粉砕および篩分け、粉末混合物の乾燥、湿塊の生成、造粒、乾燥および最終粉砕を含む。様々な実施形態において、組成物は、湿式造粒した後で、医薬製剤の他の添加剤に加える。
乾式造粒は、強力な回転式打錠機上で粉末混合物を加圧して粗い錠剤または「スラグ」にするステップを含む。次いでこれらのスラグは、通常振動造粒機を介する経路で、粉砕作業により粒状の粒子へと分断する。個々のステップは、粉末の混合、加圧(スラッギング)および粉砕(スラグの縮小または造粒)を含む。これらのステップのうちのいずれかにおいても、湿った結合剤または水分の関わりはない。一部の実施形態において、製剤は、医薬製剤中の他の添加剤と共に乾式造粒する。他の実施形態において、製剤は、乾式造粒した後で、医薬製剤の他の賦形剤に加える。
一部の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)および被験体への経口投与用に少なくとも1種の分散化剤または懸濁化剤を含む医薬製剤が提供される。一実施形態において、製剤は、懸濁剤用の散剤および/または顆粒剤であり、水と混和した際に、実質的に均一な懸濁剤が得られる。
懸濁剤は、それがおおかた均質である場合、すなわち、懸濁剤が、懸濁剤中のどの点においてもほぼ同じ濃度の化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)で構成される場合、懸濁剤は「実質的に均一」である(USP第905章)。
経口投与用の液体製剤剤形は、これだけに限らないが、製薬上許容される水性経口用分散剤、乳剤、溶液剤、およびシロップ剤から選択される水性懸濁剤である。例えば、Singhら、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、第2版、pp.754-757(2002)を参照されたい。化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含めることに加えて、この液体剤形は、添加剤、例えば:(a)崩壊剤、(b)分散化剤、(c)湿潤剤、(d)少なくとも1種の保存剤、(e)粘度増強剤、(f)少なくとも1種の甘味剤、および(g)少なくとも1種の香味剤などを含む。
一実施形態において、本明細書中に記載されている水性懸濁剤および分散剤は、少なくとも4時間、USP第905章で上記に定義された通り、均質のままである。均一性は、全体の組成物の均一性を判定することに関しては、一貫したサンプリング方法によって判定されるべきである。一実施形態において、水性懸濁剤は、物理的な撹拌を1分間未満持続することによって、均質な懸濁剤へと再懸濁される。別の実施形態において、水性懸濁剤は、物理的な撹拌を45秒未満持続することによって、均質な懸濁剤へと再懸濁される。さらに別の実施形態において、水性の懸濁剤は、物理的な撹拌を30秒未満持続することによって均質な懸濁剤へと再懸濁される。さらに別の実施形態において、均質な水性分散剤を維持するために撹拌は、必要とされない。
一実施形態において、本明細書中に記載されている水性の懸濁剤、溶液剤または分散剤は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、溶液剤の約5mg/ml〜約50mg/mlの濃度で含む。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている水性懸濁剤、溶液剤または分散剤は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、溶液剤の約5mg/ml〜約30mg/mlの濃度で含む。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている水性懸濁剤、溶液剤または分散剤は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を溶液剤の約10mg/mlの濃度で含む。
本明細書中に記載されている水性分散剤は、乳幼児(2才未満)、10才より下の年齢の小児および固体の経口剤形を飲み込むまたは摂取できない任意の患者群への投与に有利である。
口腔または舌下投与用として、一実施形態において、組成物は、従来の方法(例えば米国特許第4,229,447号、同第4,596,795号、同第4,755,386号、および同第5,739,136号を参照)で製剤化した錠剤、ロゼンジ剤、またはゲル剤の形態をとる。
一実施形態において、糖衣錠コアは、適切なコーティングと共に調製される。この目的のために、濃縮糖液を用いるが、この濃縮糖液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒または溶媒混合液を場合によって含有する。一実施形態において、活性化合物の用量の識別のため、または異なる組合せを特徴づけるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに加える。
一実施形態において経口的に使用される医薬品は、ゼラチンから作られるプッシュフィットカプセル剤、ならびにゼラチン、および可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールなどから作られる軟質の、封入カプセル剤を含む。一実施形態において、プッシュフィットカプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、場合によって、安定化剤を、有効成分と混合して含有する。一実施形態において、軟質カプセル剤内で、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解または懸濁している。加えて、一実施形態において、安定化剤が加えられる。経口投与用のすべての製剤は、このような投与に好適な用量にすべきである。
液体組成物は、例示的に液体形態を取るが、薬剤(例えば化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2))は、溶液中、懸濁剤中または両方の中に存在する。一実施形態において液体組成物は、水性である。
一実施形態において、水性懸濁剤はまた、1つまたは複数のポリマーを懸濁化剤として含有する。有用なポリマーとして、水溶性ポリマー、例えばセルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、および水不溶性ポリマー、例えば架橋結合したカルボキシル含有ポリマーなどが挙げられる。一実施形態において有用な組成物はまた、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/ブチルアクリレートコポリマー、アルギン酸ナトリウムおよびデキストランから選択される粘膜付着性ポリマーを含む。
一実施形態において医薬組成物はまた、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸などの酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基、ならびにクエン酸塩/ブドウ糖、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどの緩衝液をはじめとする1つまたは複数のpH調整剤または緩衝剤を含む。このような酸、塩基および緩衝剤は、許容可能な範囲で組成物のpHを維持するのに必要とされる量が含まれている。
一実施形態において液体医薬組成物はまた、許容可能な範囲で組成物の重量オスモル濃度を得るために必要とされる量の1つまたは複数の塩を含む。そのような塩は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムの陽イオン、および塩素、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩または亜硫酸水素塩の陰イオンを有するものを含み、適切な塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよび硫安を含む。
一実施形態において医薬組成物はまた、微生物活性を阻害する1つまたは複数の保存剤を含む。適切な保存剤として、例えばメルフェンおよびチオマーサルなどの水銀含有物質、安定化二酸化塩素、ならびに塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよびセチルピリジニウムクロリドなどの第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
さらに他の組成物は、物理的安定性を強化する、または他の目的のために、1つまたは複数の界面活性剤を含む。適切な非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド、および植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油など、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40などが挙げられる。
さらに他の組成物は、必要であれば、化学的安定性を強化するために、1つまたは複数の抗酸化剤を含む。適切な抗酸化剤は、一例として、アスコルビン酸、トコフェロール、およびメタ重亜硫酸ナトリウムなどである。
一実施形態において水性懸濁組成物は、単回用量の密閉できない容器に包装される。あるいは、反復投与の再密閉できる容器が使用され、この場合、組成物中に保存剤を入れるのが通常である。
薬物動態学的分析
一実施形態において、任意の標準的薬物動態学的プロトコルを使用することによって、本明細書中に記載されている製剤(化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含むもの)の投与後の、ヒトでの血漿濃度プロファイルを求め、これによって、本明細書中で設定された薬物動態学的基準を製剤が満足しているかどうか見極める。例えば、無作為抽出の単回投与クロスオーバー試験を、健康な成人のヒト被験体のグループを用いて実施する。被験体の数は、統計分析での差異を十分に制御できるほど十分であり、通常は約10以上であるが、特定の目的のためには、小さいグループで十分である。各被験体は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の製剤の単回用量(例えば、約10mg、約25mg、約50mg、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、または約1000mgの化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含有する用量)の投与を、時間ゼロとして、通常一晩絶食後、午前8時頃に受ける。被験体は、絶食を継続し、製剤投与後約2時間は、直立姿勢を保つ。投与前(例えば、15分前)に各被験体から血液試料を採取し、投与後はいくらかの間隔をあけて採取する。ある特定の場合として、最初の1時間以内に何回か試料を採取し、その後はもっと頻度を下げて採取する。例示として、血液試料は、投与から、0(投与前)、0.25、0.5、1、2、3、4、6、8、12、および16時間後、ならびに投与から、24、36、48、60および72時間後に採取する。同じ被験体が第2の試験製剤の試験に使用される場合、第2の製剤の投与前には、少なくとも10日の期間を経過させるものとする。血漿は、遠心分離により血液試料から分離し、分離した血漿は、確証された高速液体クロマトグラフィー/タンデム型重量分析法(LC/APCI-MS/MS)の手順、例えば、Ramuら、Journal of Chromatography B, 751 (2001) 49-59)により、化合物1について解析される。
所望の薬物動態学的なプロファイルが得られるいずれの製剤も、本方法による投与に好適である。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されている医薬組成物または製剤は、約20μM未満、約15μM未満、約10μM未満、または約5μM未満である化合物1のCmax(ピーク血漿中濃度)を提供する。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されている医薬組成物または製剤は、24時間で少なくとも50%、24時間で少なくとも60%、24時間で少なくとも70%、24時間で少なくとも80%または24時間で少なくとも90%だけ、尿中LTE4濃度を減少させる。一部の実施形態において、本明細書中に提供されている医薬組成物または製剤は、8時間で少なくとも50%、8時間で少なくとも60%、8時間で少なくとも70%、8時間で少なくとも80%または8時間で少なくとも90%だけ、血中LTB4濃度を減少させる。一部の実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物または製剤は、24時間で少なくとも5%、24時間で少なくとも10%、24時間で少なくとも20%、または24時間で少なくとも30%だけ、血中LTB4濃度を減少させる。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されている医薬組成物または製剤は、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、または約2時間未満である化合物1のTmax(ピーク血漿濃度までの時間)を提供する。
一部の実施形態において、本明細書中に提供されている医薬組成物または製剤は、約150hr・μM未満、約120hr・μM未満、約110hr・μM未満、約100hr・μM未満、約90hr・μM未満、約50hr・μM未満、約25hr・μM未満のAUC0〜24(血漿中濃度-時間曲線下面積)を提供する。
投薬方法および治療レジメン
一実施形態において、本明細書中に記載されている化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含有する組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。治療的用途において、組成物は、疾患または状態をすでに患っている患者に、疾患または状態の症状の少なくとも1つを治癒するまたは少なくとも部分的に停止するために十分な量で投与される。特定の実施形態において、この使用に対して有効な量は、疾患もしくは状態の重症度および経過、薬暦、患者の健康状態、体重、および薬物反応ならびに/または治療する医師の判断によって決まる。
予防的用途において、本明細書中に記載されている化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含有する組成物は、ある特定の疾患、障害または状態に罹りやすい、さもなければこれらを引き起こす危険性のある患者に投与される。そのような量は、「予防的有効量または用量」であると定義される。この使用において、正確な量もまた、患者の健康状態、体重などによって決まる。患者に使用される場合、この使用の有効量は、疾患、障害または状態の重症度および経過、薬暦、患者の健康状態および薬物反応、ならびに治療する医師の判断によって決まることになる。
特定の実施形態において、本明細書中に記載されている化合物、組成物または療法の投与は、長期投与を含む。具体的な実施形態において、長期投与は、患者の状態が、改善されず、医師の判断により、特定の場合として利用される。特定の実施形態において、長期投与は、より長い期間の間の投与を含み、これには、例えば、患者の疾患または状態の症状を軽快させる、さもなければ制御または制限するために、患者の生涯を通して持続することも含まれる。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されているの化合物、組成物の投与または治療の適用は持続的に行われる。代替の実施形態において、投与する薬物の用量は、特定の長さの期間だけ一時的に減少するか、または一時的に停止される(すなわち、「休薬期間」)。休薬期間の長さは、2日から1年の間で様々であり、一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、および365日である。休薬中の用量の削減は、10%〜100%であり、一例として挙げると、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%である。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている化合物、組成物または療法は、少なくとも1回の初回用量、続いて少なくとも1回の維持量で投与する。特定の実施形態において、薬剤の初回用量は、治療している障害、疾患または状態の症状が、低下するまで(例えば、満足なレベルまで)投与される。低下した時点で、本明細書中に記載されている化合物、組成物または療法の維持量が、所望する場合または必要に応じて投与される。一部の実施形態において、維持量とは、本明細書中に記載されている薬剤を、初回用量の投与により達成された低下を少なくとも部分的に維持するために十分な量で投与するステップを含む。様々な実施形態において、初回用量と比較して、維持量は、薬剤または本方法で投与される1つまたは複数の薬剤の投与の用量および/または回数の減少を含む。しかし特定の実施形態において、回数および/または用量の量の増加を伴う断続的な治療が、症状が再発したいずれの際にも必要となり得る。
特定の実施形態において、初回用量または維持量に対応する所与の薬剤の量は、以下の要因に応じて異なり、この要因の非限定的な例として挙げられるのは、利用した特定の薬剤(複数可)、疾患の状態およびその重症度、治療を必要としている被験体または宿主の独自性(例えば、重量)、および/または投与経路などである。様々な実施形態において、所望の用量は、単回用量で便利に提示されるか、または同時に(または短い期間にわたり)もしくは適切な間隔をあけて、例えば一日あたり2、3、4回またはそれ以上の部分用量で投与される分割した用量で提示される。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されている医薬組成物は、正確な量の用量の単回投与に好適な単位剤形である。単位剤形において、製剤は、活性のある薬物の適切な量を含有する単位用量へと分割される。一実施形態において単位用量は、製剤の個別の量を含有する包装の形態である。非限定的な例は、包装した錠剤またはカプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤である。一実施形態において、水性懸濁組成物は、単一用量の再密閉不可能な容器に包装される。あるいは、複数回用量の再密閉可能な容器が使用されるが、この場合、組成物中には保存剤が含まれるのが通常である。
ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態
ある態様によると、本明細書中に記載されている組成物および方法は、被験体に化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、またはその医薬組成物もしくは医薬を投与することによって、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態を、これが臨床的に明らかになってから、治療する、予防する、逆転させる、停止するまたは進行を遅らせるための、またはロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態に伴うまたは関連した症状を治療するための組成物および方法を含む。一実施形態において、被験体は、投与時にはすでにロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態を有しているか、またはロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態(例えば、そのような疾患に対する医薬文献において記載されているような症状)を発症する危険性がある。
一実施形態において、哺乳動物における5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質の活性は、哺乳動物に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与することによって(少なくとも一度)、直接的または間接的に調節される。このような調節は、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質の活性を低減および/または阻害することを含むが、これらに限らない。加えて、一実施形態において、哺乳動物でのロイコトリエンの活性は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を、哺乳動物に投与(少なくとも一度)することによって、直接的または間接的に、低減されることおよび/または阻害されることを含めて、調節される。このような調節は、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質の活性を削減するおよび/または阻害することを含むが、これらに限らない。
ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防および/または治療は、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む。一例として、炎症性疾患または状態の予防および/または治療は、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む。哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む方法により治療されるロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態は、炎症性疾患および障害、心血管疾患および障害、ならびに呼吸器系疾患および障害を含むが、これらに限らない。様々な実施形態において、本明細書中に記載されているロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態は、単独でまたは部分的に、直接または間接的に、1種または複数のロイコトリエン(例えば、LTE4、LTB4)に依存するか、または媒介される。
特定の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量は、1回の投与につき約1mg〜約5gであり、1回の投与につき約5mg〜約2gであり、1回の投与につき約10mg〜約1gであり、1回の投与につき約10mg〜約1gであり、1回の投与につき約10mg〜約0.5gであり、または1回の投与につき約10mg〜約0.4gである。一部の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量は、一日あたり約1mg〜約5g、一日あたり約10mg〜約2g、一日あたり約10mg〜約1g、一日あたり約10mg〜約0.6g、一日あたり約10mg〜約0.5g、または一日あたり約10mg〜約0.4gである。
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量は、1回の投与につき約10mgであり、1回の投与につき約50mgであり、1回の投与につき約150mgであり、1回の投与につき約300mgであり、1回の投与につき約450mgであり、1回の投与につき約600mgでありまたは1回の投与につき約1000mgである。
一例として、本明細書中に記載されている予防方法/治療方法に含まれているのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、呼吸器系疾患を治療および/または予防する方法である。一例として、呼吸器系疾患は喘息である。加えて、呼吸器系疾患として、成人呼吸窮迫症候群およびアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、急性の激しい喘息、慢性的な喘息、臨床上の喘息、夜行性の喘息、アレルゲン誘導性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発喘息、等炭酸ガス過呼吸、小児発症喘息、成人発症の喘息、咳喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、季節性喘息、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、血管反応、エンドトキシンショック、線維形成、肺線維症、アレルギー性疾患、慢性炎症、および成人呼吸窮迫症候群が挙げられるが、これらに限らない。
一例として、このような治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、慢性閉塞性肺疾患を予防および/または治療するための方法である。加えて、慢性閉塞性肺疾患として、慢性気管支炎もしくは気腫、肺性高血圧、間質性肺線維症および/または気道炎症および嚢胞性線維症が挙げられるが、これらに限らない。
一例として、このような治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、疾患または状態における粘膜の分泌および/または浮腫の増加を予防および/または治療するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、好酸球および/または好塩基球および/または樹状細胞および/または好中球および/または単球の動員を予防および/または治療するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、眼疾患を予防および/または治療するための方法である。別の態様において、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれているのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、眼の炎症、アレルギー性結膜炎、春季カタル、および乳頭結膜炎を予防するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、運動誘発性気管支収縮を予防および/または治療するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、心血管疾患を予防および/または治療するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、NSAID誘発性胃病変を予防および/または治療するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、疼痛を予防および/または治療するための方法である。
一例として、本明細書中に記載されている予防/治療方法に含まれるのは、哺乳動物に、少なくとも一度、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を投与するステップを含む、皮膚疾患を予防および/または治療するための方法である。
併用療法
一実施形態において、本明細書中に記載されている組成物および方法はまた、治療している状態に対する特定の有用性のために選択される他の治療用試薬と共に使用される。一般的に、本明細書中に記載されている組成物、および併用治療が使用される実施形態での他の薬剤は、同じ医薬組成物中で投与する必要はなく、異なる物理的および化学的特徴のため、異なる経路で投与される。一実施形態において、最初の投与は、確立したプロトコルによって行われ、次いで、観察された効果に基づき、投与の用量、方式および投与の時間が、さらに修正される。
様々な実施形態において、化合物は、疾患の性質、患者の状態、および使用される化合物の実際の選択に応じて、並行して投与されるか(例えば、同時に、基本的には同時に、または同じ治療プロトコル内で)または逐次的に投与される。特定の実施形態において、治療プロトコルの間の投与順序の決定、および各治療薬の投与の反復の数は、治療している疾患および患者の状態の評価に基づく。
一実施形態において、緩和が求められている状態を治療、予防、または回復するための投与計画は、様々な要因に従い修正されることが理解されている。このような要因として挙げられるのは、被験体が受けている障害、さらに被験体の年齢、体重、性別、食習慣、および病状である。したがって、一実施形態において、実際に使用される投与計画は、広い範囲で異なり、したがって本明細書中で記載の投与計画から逸脱する。特定の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)と、第2の薬剤との組合せを用いた、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態の予防および/または治療は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を減少させるという効果がある。
本明細書中に記載されている製剤は、個々の患者の臨床上の状態、投与方法、投与計画作り、および医師に知られている他の要因を考慮に入れて、優れた医療行為に従い、投与および服用される。
想定されている医薬組成物は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回など投与を可能とする、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の治療有効量を提供する。一態様において、医薬組成物は、1日1回の投薬を可能とする、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の有効量を提供する。
特定の場合、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を別の治療薬と組み合わせて投与するのが適切である。
具体的な実施形態では、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の投与を含む喘息のための治療において、喘息用の他の治療薬または療法を患者に提供することにより、治療上の利益が増加する結果となる。様々な実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、第2の薬剤と組み合わせて個々に投与することは、個々に、例えば、付加的または相乗的な利益を付与する。
薬物が治療の組合せにおいて使用される場合、治療上有効な用量は様々である。組合せによる治療レジメンにおいて使用される場合、薬物および他の薬剤の治療上有効な用量の決定は、任意の方法でなされる。例えば、メトロノーム型投薬法、すなわち、有毒な副作用を最小化するために、より頻繁に、より低い用量を提供する方法を使用することができる。特定の場合には、併用療法は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)のどちらかまたは両方、および第2の薬剤が、いずれかの薬剤が単独で投与された場合に得られると思われる量より低い治療有効量を有することを可能にする。
組合せ治療レジメンは、非限定的な例として、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)が、第2の薬剤を用いた治療前、治療中および治療後に開始され、第2の薬剤を用いた治療の途中の任意の時間まで、または第2の薬剤を用いた治療が終了するまで継続する、治療レジメンを包含する。組合せ治療レジメンはまた、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)および組み合わせて使用される第2の薬剤が、同時にもしくは異なる時点で、および/または治療期間の間、間隔を狭めもしくは広げて、投与される治療を含む。組合せ治療は、様々な時間に開始および停止することによって、患者の臨床管理を助ける、定期的治療をさらに含む。
いくつかの態様によると、本明細書中に開示されている任意の医薬組成物は、被験体における呼吸器系疾患、例えば喘息を治療するため、および/または気管支拡張作用を誘発するために使用される。一実施形態において、本明細書中に開示される医薬組成物は、血管炎症により発生する障害、例えばこれだけに限らないが、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、末梢動脈疾患、大動脈瘤、心筋梗塞などを患った被験体を治療するために使用される。
特定の実施形態において、FLAP阻害剤、例えば、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の相互作用、および併用療法からの有益な効果を提供することを意図した特定の治療レジメンの一部として、本明細書中に記載されている併用療法を使用する。特定の実施形態において、緩和が求められている状態を治療、予防、または回復するための投与計画が、一実施形態では、様々な要因に応じて修正されることが理解されている。これら要因は、非限定的な例として、被験体が罹患する呼吸器障害の種類および気管支拡張の種類、ならびに被験体の年齢、体重、性別、食習慣、および/または病状が挙げられる。したがって、一部の実施形態において、使用される投与計画は、様々であり、かつ/または本明細書中に記載の投与計画から逸脱する。
本明細書中に記載されている特定の併用療法において、化合物を共投与する用量は、非限定的な例として、例えば、使用される共薬剤の種類、使用される特定の薬剤、および/または治療している疾患または状態などに応じて異なる。
いずれの場合においても、複数の治療薬(このうちの1つは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2))を、例えば同時投与を含めた、いずれかの順序で投与する。同時投与の場合、複数の治療薬は、様々な実施形態において、単一型、統一型、または複数型(一例として、単一の丸剤または2つの別の丸剤のいずれかとして)で提供される。様々な実施形態において、治療薬の1つが、複数回投与で与えられるか、または両方が、複数回投与として与えられる。特定の実施形態において、複数の薬剤が同時に投与されない場合、複数の薬剤の投与のタイミングは、例えば、0週間から4週間未満を含めた、任意の許容可能な範囲内である。一部の実施形態において、組み合わせによる方法、組成物および製剤は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)と、第2の薬剤と、第3の薬剤とを含む。さらなる実施形態において、追加の薬剤が利用される。
化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、およびその併用療法は、一実施形態において、疾患または状態の発生前、発生中、または発生後に投与され、化合物を含有する組成物を投与するタイミングは様々である。特定の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)(単独でまたは組合せのいずれか)は、予防薬として使用される。特定の実施形態において、予防的治療は、その疾患または状態の発生を予防するために、状態または疾患を発症する傾向がある被験体に継続的に薬剤を投与することを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載されている薬剤および/または組成物は、症状の発症中、または症状の発症後できるだけすみやかに被験体に投与される。ある実施形態において、本明細書中に記載されている薬剤または組成物の投与は、症状の発症から48時間以内に、症状の発症から6時間以内に、または症状の発症から3時間以内に開始される。特定の実施形態において、初期の投与は、例えば、丸剤、カプセル剤、錠剤、溶液剤、懸濁剤などの経口投与、またはこれらの組合せを介して行われる。特定の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、疾患または状態の開始が検出され、または疑われてから実行可能な限り早く、疾患の治療に必要な長さの期間投与される。特定の実施形態において、本明細書中に記載されている薬剤、製剤または組成物の投与は、疾患の治療に必要な長さの期間にわたる。
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を用いた治療と、ロイコトリエン合成阻害剤またはロイコトリエン受容体アンタゴニストを用いた治療とを併用する併用療法である。様々な実施形態において、ロイコトリエン合成またはロイコトリエン受容体アンタゴニストの阻害剤は、ロイコトリエン合成経路の同じ点または他の点で作用する。特定の実施形態において、これら併用療法は、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態を治療するために使用される。
追加の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の投与と、抗炎症剤の投与を併用する療法である。具体的な実施形態において、そのような療法は、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態の治療に使用される。
呼吸器系疾患または状態を治療するための薬剤
特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)および呼吸器の状態または障害、例えば、これだけに限らないが喘息などの治療に使用される別の治療薬を、患者に投与することによる、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療方法である。一部の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)と、呼吸器の状態を治療するのに有用な治療薬とを含む組成物、およびこのような組成物を投与する方法である。呼吸器の状態および障害を治療するのに有用な治療薬は、非限定的な例として:グルココルチコイド、例えば、シクレソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、フルチカゾンフロ酸、フランカルボン酸モメタゾン、およびトリアムシノロンなど、ロイコトリエン調節剤、例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト、およびジロートンなど、肥満細胞安定化剤、例えば、クロモグリケート(クロモグリク酸ナトリウム)、およびネドクロミルなど、抗ムスカリン/抗コリンアゴニスト、例えば、イプラトロピウム、オキシトロピウム、およびチオトロピウムなど、メチルキサンチン、例えば、テオフィリンおよびアミノフィリンなど、抗ヒスタミン剤、例えば、メピラミン(ピリラミン)、アリアゾライン、ジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、ドキシラミン、クレマスチン、ジメンヒドリナート、フェニラミン、クロルフェナミン(クロルフェニラミン)、デキシクロルフェナミン、ブロムフェニラミン、トリプロリジン、シクリジン、クロルシクリジン、ヒドロキシジン、メクリジン、プロメタジン、アリメマジン(トリメプラジン)、シプロヘプタジン、アザタジン、ケトチフェン、アクリバスチン、アステミゾール、セチリジン、ロラタジン、ミゾラスチン、テルフェナジン、フェキソフェナジン、レボセチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、オマリズマブ、オロパチジンおよびアゼラスチンなど、IgEブロッカー、β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、短時間作用型β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、サルブタモール(アルブテロール)、レバルブテロール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、ビトルテロールメシレートなど、および長時間作用型β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、サルメテロール、フォルモテロール、インダカテロールおよびバンブテロールなどが挙げられる。
一態様において、化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、1つもしくは複数の他の治療薬と組み合わせて使用されるか、または化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、例えば、抗炎症剤、抗コリン剤(特に、M1/M2/M3受容体アンタゴニスト)、β2-アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染性薬剤、または抗ヒスタミン剤から選択される1つまたは複数の他の治療薬を含む。ある場合には、抗感染性薬剤は、抗生剤および/または抗ウィルス剤を含む。さらなる態様において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せは、1つまたは複数の他の治療上活性な薬剤を含み、1つまたは複数の他の治療上活性薬剤は、抗炎症剤、例えば、コルチコステロイドもしくはNSAID、抗コリン剤、β2-アドレナリン受容体アゴニストなど、抗感染性薬剤、例えば抗生剤または抗ウィルス剤など、または抗ヒスタミン剤から選択される。ある実施形態は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、β2-アドレナリン受容体アゴニスト、および/または抗コリンアゴニスト、および/またはPDE-4阻害剤、および/または抗ヒスタミン剤と共に含む組合せを包含する。別の実施形態は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、コルチコステロイドまたはNSAIDと共に含む組合せを包含する。
ある実施形態は、1つまたは2つの他の治療薬と、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)のうちの1つとを含む組合せを包含する。
一態様において、もう一方の治療成分は、塩の形態で(例えば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩として、または酸付加塩として)、またはプロドラッグ(例えばエステルの形態で(例えばアルキルエステル))、または溶媒和物として(例えば水和物)使用されることになる。一態様において、適切であれば、治療成分は、光学的に純粋な形態で使用されることになる。別の態様において、適切であれば、治療成分は、ラセミの形態で使用されることになる。
β2-アドレナリン受容体アゴニストの例として、サルメテロール(ラセミ体または単一の光学異性体、例えばR-光学異性体などとして)、サルブタモール(ラセミ体または単一の光学異性体、例えばR-光学異性体などとして)、フォルモテロール(ラセミ体または単一のジアステレオマー、例えばR,R-ジアステレオマーなどとして)、サルメファモール、フェノテロール、カルモテロール、エタンテロール、ナミンテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、フレロブテロール、レプロテロール、バンブテロール、インダカテロール、テルブタリンおよびその塩、例えば、サルメテロールのキシナホ酸塩(1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボキシレート)、サルブタモールのスルフェート塩もしくは遊離塩基またはフォルモテロールのフマル酸塩が挙げられる。一実施形態において、β2-アドレナリン受容体アゴニストは、長時間作用型β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、有効な気管支拡張作用を約12時間またはそれ以上提供する化合物である。
他のβ2-アドレナリン受容体アゴニストとして、WO02/066422、WO02/070490、WO02/076933、WO03/024439、WO03/072539、WO03/091204、WO04/016578、WO04/022547、WO04/037807、WO04/037773、WO04/037768、WO04/039762、WO04/039766、WO01/42193およびWO03/042160に記載のものが挙げられる。
β2-アドレナリン受容体アゴニストの例として、3-(4-{[6-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド; 3-(3-{[7-({(2R)-2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}-アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド; 4-{(1R)-2-[(6-{2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール; 4-{(1R)-2-[(6-{4-[3-(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}ヘキシル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル}-2-(ヒドロキシメチル)フェノール; N-[2-ヒドロキシル-5-[(1R)-1-ヒドロキシ-2-[[2-4-[[(2R)-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル]アミノ]フェニル]エチル]アミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド; N-2{2-[4-(3-フェニル-4-メトキシフェニル)アミノフェニル]エチル}-2-ヒドロキシ-2-(8-ヒドロキシ-2(1H)-キノリノン-5-イル)エチルアミン; および5-[(R)-2-(2-{4-[4-(2-アミノ-2-メチル-プロポキシ)-フェニルアミノ]-フェニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オンが挙げられる。
一態様において、β2-アドレナリン受容体アゴニストは、硫酸、塩酸、フマル酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば1-または3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ケイ皮酸、置換ケイ皮酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ナフタレンアクリル酸、安息香酸、4-メトキシ安息香酸、2-または4-ヒドロキシ安息香酸、4-クロロ安息香酸および4-フェニル安息香酸から選択される製薬上許容される酸と形成した塩の形態である。
適切な抗炎症剤は、コルチコステロイドを含む。コルチコステロイドの例として、抗炎症性の活性を有する、経口用および吸入コルチコステロイドならびにこれらのプロドラッグが挙げられる。コルチコステロイドの例として、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(フルチカゾンフロ酸エステル)、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)エステル、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボン酸シアノメチルエステルおよび6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-(1-メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、ベクロメタゾンエステル(例えばその17-プロピオネートエステルまたはその17,21-二プロピオン酸エステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(例えばフランカルボン酸モメタゾン)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド(16α,17-[[(R)-シクロヘキシルメチレン]ビス(オキシ)]-11β,21-ジヒドロキシ-プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン)、プロピオン酸ブチキソコート、RPR-106541、ならびにST-126が挙げられる。一実施形態においてコルチコステロイドとして、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-[(4-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボニル)オキシ]-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボン酸シアノメチルエステルおよび6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-17α-(1-メチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルが挙げられる。一実施形態において、コルチコステロイドは、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルが挙げられる。
コルチコステロイドのさらなる例として、WO02/088167、WO02/100879、WO02/12265、WO02/12266、WO05/005451、WO05/005452、WO06/072599およびWO06/072600に記載のものが挙げられる。
トランス活性化よりもトランス抑圧に対する選択性を所有し、併用療法に有用となり得る、グルココルチコイドアゴニズムを有する非ステロイド系化合物は、以下の公開特許出願および特許でカバーされたものを含む:WO03/082827、WO98/54159、WO04/005229、WO04/009017、WO04/018429、WO03/104195、WO03/082787、WO03/082280、WO03/059899、WO03/101932、WO02/02565、WO01/16128、WO00/66590、WO03/086294、WO04/026248、WO03/061651、WO03/08277、WO06/000401、WO06/000398、WO06/015870、WO06/108699、WO07/000334、WO07/054294、WO07/122165、WO07/144327およびWO08/074814。
非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を含む抗炎症剤の例
NSAIDの例として、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えば、テオフィリン、PDE4阻害剤または混合したPDE3/PDE4阻害剤)、ロイコトリエンアンタゴニスト、ロイコトリエン合成阻害剤(例えばモンテルカスト)、iNOS阻害剤、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害剤、β-2インテグリンアンタゴニストおよびアデノシン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト(例えばアデノシン2aアゴニスト)、サイトカインアンタゴニスト(例えばケモカインアンタゴニスト、例えばCCR3アンタゴニスト)またはサイトカイン合成阻害剤、または5-リポキシゲナーゼ阻害剤が挙げられる。iNOS(誘導型酸化窒素合成酵素阻害剤)は、経口投与が好ましい。iNOS阻害剤の例として、WO93/13055、WO98/30537、WO02/50021、WO95/34534およびWO99/62875で開示されたものが挙げられる。CCR3阻害剤の例は、WO02/26722で開示されたものが挙げられるが、これらに限らない。
一実施形態において化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、特に吸入に適応した製剤の場合には、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤と合わせるか、または組み合わせて投与される。この態様において有用なPDE4特異的阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られているか、またはPDE4阻害剤として作用することがわかっているもので、PDE4のみの阻害剤であり、PDE4と同様に、PDEファミリーの他のメンバー、例えばPDE3およびPDE5を阻害する化合物ではない任意の化合物である。
化合物として、シス-4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オンおよびシス-[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]が挙げられる。また、シス-4-シアノ-4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸(シロミラストとしても知られている)ならびにその塩、エステル、プロドラッグまたは物理的形態が挙げられ、これらは、1996年9月3日に発行された、米国特許第5,552,438号に記載されており、この特許およびこの特許が開示する化合物は、全部が参照により本明細書中に取り込まれている。
他の化合物として、Elbion(Hofgen、N.ら、15th EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10、Edinburgh) 1998、Abst P.98、CAS参照番号247584020-9)からのAWD-12-281、NCS-613(INSERM)と称される9-ベンジルアデニン誘導体、Chiroscience and Schering-PloughからのD-4418、CI-1018(PD-168787)として同定され、Pfizerに帰属するベンゾジアゼピンPDE4阻害剤、WO99/16766においてKyowa Hakkoにより開示されたベンゾジオキソール誘導体、Kyowa HakkoからのK-34、NappからのV-11294A(Landells、L.J.ら、Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23、Geneva)1998]1998、12(Suppl.28):Abst P2393)、Byk-Guldenからのロフルミラスト(CAS参照番号162401-32-3)およびフタラジノン(WO99/47505、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている)、Byk-Gulden(現Altana)により調製され発表された混合したPDE3/PDE4阻害剤である、Pumafentrine、(-)-p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[c][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド、Almirall-Prodesfarmaが開発中のアロフィリン、VernalisからのVM554/UM565、またはT-440(Tanabe Seiyaku、Fuji、K.ら、J Pharmacol Exp Ther,1998、284(1):162)、およびT2585が挙げられる。
さらなる化合物が、公開された国際特許出願WO04/024728、WO04/056823およびWO04/103998において開示されている。
抗コリン剤の例は、ムスカリニック受容体においてアンタゴニストとして作用する化合物、特にM1もしくはM3受容体のアンタゴニスト、M1/M3もしくはM2/M3受容体のデュアルアンタゴニスト、またはM1/M2/M3受容体の汎アンタゴニストである化合物である。吸入によって投与するための代表的化合物として、イプラトロピウム(例えば、臭化物として)、オキシトロピウム(例えば、臭化物として)およびチオトロピウム(例えば、臭化物として)が挙げられる。また重要なのは、レバトロパン酸(例えば、臭化水素酸塩として)およびWO01/04118で開示されているLAS-34273である。経口投与のための代表的化合物として、ピレンゼピン、ダリフェナシン(臭化水素酸塩)、オキシブチニン、テロジリン、トルテロジン、トルテロジン酒石酸塩、オチロニウム(例えば、臭化物として)、塩化トロスピウム、ソリフェナシン、およびソリフェナシンコハク酸塩が挙げられる。
他の抗コリン剤として、米国特許出願第60/487981号に開示されている化合物が挙げられ、これらは、例えば以下を含む:
(3-endo)-3-(2,2-ジ-2-チエニルエテニル)-8,8-ジメチル-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド; (3-endo)-3-(2,2-ジフェニルエテニル)-8,8-ジメチル-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド; (3-endo)-3-(2,2-ジフェニルエテニル)-8,8-ジメチル-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン4-メチルベンゼンスルホネート; (3-endo)-8,8-ジメチル-3-[2-フェニル-2-(2-チエニル)エテニル]-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;および/または(3-endo)-8,8-ジメチル-3-[2-フェニル-2-(2-ピリジニル)エテニル]-8-アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド。
さらなる他のコリン剤として、米国特許出願第60/511009号に開示されている化合物が挙げられ、これらは、例えば以下を含む:(endo)-3-(2-メトキシ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; 3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオニトリル; (endo)-8-メチル-3-(2,2,2-トリフェニル-エチル)-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン; 3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオンアミド; 3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオン酸; (endo)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; (endo)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド; 3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロパン-1-オール; N-ベンジル-3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピオンアミド; (endo)-3-(2-カルバモイル-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; 1-ベンジル-3-[3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-尿素; 1-エチル-3-[3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-尿素; N-[3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-アセトアミド; N-[3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-ベンズアミド; 3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-プロピオニトリル; (endo)-3-(2-シアノ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; N-[3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-ベンゼンスルホンアミド; [3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-尿素; N-[3-((endo)-8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-2,2-ジフェニル-プロピル]-メタンスルホンアミド; および/または(endo)-3-{2,2-ジフェニル-3-[(1-フェニル-メタノイル)-アミノ]-プロピル}-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド。
さらなる化合物として、以下が挙げられる: (endo)-3-(2-メトキシ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; (endo)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; (endo)-3-(2-シアノ-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド; (endo)-3-(2-カルバモイル-2,2-ジフェニル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; (endo)-3-(2-シアノ-2,2-ジ-チオフェン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド; および/または(endo)-3-{2,2-ジフェニル-3-[(1-フェニル-メタノイル)-アミノ]-プロピル}-8,8-ジメチル-8-アゾニア-ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド。
一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、H1アンタゴニストと合わせるか、または組み合わせて投与される。H1アンタゴニストの例として、アメレキサノックス、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、レボセチリジン、エフレチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、オロパタジン、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジンおよびトリプロリジン、特にアゼラスチン、セチリジン、レボセチリジン、エフレチリジンおよびフェキソフェナジンが挙げられるが、これらに限らない。
別の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、H3アンタゴニスト(および/または逆作用薬)と合わせるか、または組み合わせて投与される。H3アンタゴニストの例として、例えば、WO2004/035556、WO2006/045416、WO2006/090142、WO2006/125665、WO2007/009739およびWO2007/009741に開示されている化合物が挙げられる。
別の実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、H1/H3デュアルアンタゴニスト(および/または逆作用薬)と合わせるか、または組み合わせて投与される。H1/H3デュアルアンタゴニストの例として、例えば、WO2004/035556、WO2007/071691、WO2007/122156およびWO2007/135081に開示されている化合物が挙げられる。
さらなる実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、3-(4-{[4-(4-{[3-(3,3-ジメチル-1-ピペリジニル)プロピル]オキシ}フェニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}-1-ナフタレニル)プロパン酸および4-[(4-クロロフェニル)メチル]-2-({(2R)-1-[4-(4-{[3-(ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-イル)プロピル]オキシ}フェニル)ブチル]-2-ピロリジニル}メチル)-1(2H)-フタラジノンから選択されるH1/H3デュアルアンタゴニストと合わせるか、または組み合わせて投与される。他のヒスタミン受容体アンタゴニストとして、H4受容体アンタゴニスト(および/または逆作用薬)、例えば、Jablonowskiら、J. Med. Chem. 46:3957-3960 (2003)に開示されている化合物が挙げられる。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、PDE4阻害剤と一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、β2-アドレナリン受容体アゴニストと一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、コルチコステロイドと一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、別の非ステロイド系GRアゴニストと一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、抗コリンアゴニストと一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、抗ヒスタミン剤と一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、PDE4阻害剤およびβ2-アドレナリン受容体アゴニストと一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、抗コリンアゴニストおよびPDE-4阻害剤と一緒に、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む組合せである。
そのような組合せの個々の化合物は、逐次的または同時のいずれかで、別個のまたは組み合わせた医薬製剤で投与される。一実施形態において、個々の化合物は、組み合わせた医薬製剤で同時に投与されることになる。既知の治療薬の適切な用量は、当業者により理解されている。
本明細書中で呼ばれる組合せとは、製薬上許容される希釈剤または担体と一緒になった医薬組成物の形態で、使用に便利なように提示される。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、PDE4阻害剤と一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、β2-アドレナリン受容体アゴニストと一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、コルチコステロイドと一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、別の非ステロイド性のGRアゴニストと一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、抗コリンアゴニストと一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、抗ヒスタミン剤と一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、PDE4阻害剤およびβ2-アドレナリン受容体アゴニストと一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、抗コリンアゴニストおよびPDE4阻害剤と一緒に、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む医薬組成物である。
特定の態様において、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、喘息を治療するために使用される1つまたは複数の薬剤と合わせるか、または組み合わせて投与され、これらの薬剤として、以下が挙げられるが、これらだけに限らない:組合せた吸入剤(プロピオン酸フルチカゾンおよびキシナホ酸サルメテロール(例えばAdvair)、ブデソニドおよびフォルモテロールフマレート(例えばSymbicort)およびインダカテロールおよびフランカルボン酸モメタゾン)、吸入によるβ-2アゴニスト(アルブテロール吸入器、アルブテロールネブライザー溶液剤、フォルモテロール、イソプロテレノール経口吸入、レバルブテロール、メタプロテレノール吸入、ピルブテロールアセテート経口吸入、サルメテロール煙霧剤吸入、サルメテロール粉末吸入、テルブタリン吸入器)、吸入コルチコステロイド(ベクロメタゾン経口吸入、ブデソニド吸入溶液剤、ブデソニド吸入器、フルニソリド経口吸入、フルチカゾン吸入煙霧剤、経口吸入用フルチカゾン粉末、モメタゾン吸入粉末、経口吸入用トリアムシノロン)、ロイコトリエン調節剤(モンテルカスト、ザフィルルカスト、ジロートン)、肥満細胞安定化剤(クロモグリク酸ナトリウム吸入器、ネドクロミル経口吸入)、モノクローナル抗体(オマリズマブ)、経口用β-2アゴニスト(アルブテロール経口シロップ、アルブテロール経口錠剤、メタプロテレノール、テルブタリン)、気管支拡張剤(アミノフィリン、オクストリフィリン、テオフィリン)。
一態様において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、アレルギーを治療するために使用される、1つまたは複数の薬剤と合わせるか、または組み合わせて投与され、これらの薬剤として、以下が挙げられるが、これらだけに限らない:抗ヒスタミン剤と鬱血除去薬の組合せ(セチリジンとプソイドエフェドリン、デスロラタジンとプソイドエフェドリンER、フェキソフェナジンとプソイドエフェドリン、ロラタジンとプソイドエフェドリン)、抗ヒスタミン剤(アゼラスチン点鼻薬、ブロムフェニラミン、ブロムフェニラミン経口懸濁剤、カルビノキサミン、セチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デスロラタジン、デクスクロルフェニラミンER、デクスクロルフェニラミン経口シロップ、ジフェンヒドラミン経口、フェキソフェナジン、ロラタジン、プロメタジン)、鬱血除去薬(プソイドエフェドリン)、ロイコトリエン調節剤(モンテルカスト、モンテルカスト顆粒剤)、経鼻の抗コリンアゴニスト(イプラトロピウム)、経鼻のコルチコステロイド(ベクロメタゾン経鼻吸入、ブデソニド経鼻吸入器、フルニソリド経鼻吸入、フルチカゾン経鼻吸入、モメタゾン点鼻薬、トリアムシノロン経鼻吸入、トリアムシノロン点鼻薬)、経鼻の鬱血除去薬(フェニレフリン)、経鼻の肥満細胞安定化剤(クロモグリク酸ナトリウム点鼻薬)。
一態様において、3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するために使用される1つまたは複数の薬剤と合わせるか、または組み合わせて投与され、これらの薬剤として、以下が挙げられるが、これらだけに限らない:抗コリンアゴニスト-臭化イプラトロピウム経口用吸入、組合せ吸入器(アルブテロールおよびイプラトロピウム(例えばCombivent、DuoNeb)、フルチカゾンおよびサルメテロール経口用吸入(例えばAdvair))、コルチコステロイド(デキサメタゾン錠剤、フルドロコルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾン錠剤、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン液体、プレドニゾン経口用、トリアムシノロン経口用)、吸入によるβ-2アゴニスト(アルブテロール吸入器、アルブテロールネブライザー溶液剤、フォルモテロール、イソプロテレノール経口吸入、レバルブテロール、メタプロテレノール吸入、ピルブテロール酢酸塩経口吸入、サルメテロール煙霧剤吸入、サルメテロール粉末吸入、テルブタリン吸入器)、吸入用コルチコステロイド(ベクロメタゾン経口吸入、ブデソニド吸入溶液剤、ブデソニド吸入器、フルニソリド経口吸入、フルチカゾン吸入煙霧剤、経口吸入用フルチカゾン粉末、トリアムシノロン経口吸入)、ムコリチック(グアイフェネシン)、経口β-2アゴニスト(アルブテロール経口シロップ、アルブテロール経口錠剤、メタプロテレノール、テルブタリン)、気管支拡張剤(アミノフィリン、オクストリフィリン、テオフィリン)。
一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、ノルアステミゾールと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、ロラタジンと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、デスロラタジンと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、テルフェナジンと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。
一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、セチリジンと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、(-)-セチリジンと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、(+)-セチリジンと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、吸入コルチコステロイドと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、β2-アドレナリン受容体アゴニストと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、短時間作用型β2-アドレナリン受容体アゴニストと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、長時間作用型β2-アドレナリン受容体アゴニストと合わせるか、または組み合わせて患者に投与される。
本明細書中に記載されている組成物、組合せ、治療方法または組み合わせた治療方法のいずれかにおいて、化合物2が使用される。より具体的な実施形態において、化合物2は、形態Cである。他の具体的な実施形態において、化合物2は、相Aまたは溶媒和した形態Bのいずれかである。
本明細書中に記載されている組成物、組合せ、治療方法または組み合わせた治療方法のいずれかにおいて、化合物1(遊離酸)が使用される。より具体的な実施形態において、化合物1は、結晶形態である。他の具体的な実施形態において、化合物1は、非晶質相である。
本明細書中に記載されている一部の実施形態において、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療のための方法は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、例えば、これらに限らないが、CysLT1/CysLT2デュアル受容体アンタゴニストおよびCysLT1受容体アンタゴニストなどと組み合わせて、患者に投与するステップを含む。CysLT1/CysLT2デュアル受容体アンタゴニストとして、BAY u9773、Cuthbertら、EP00791576(1997年8月27日公開)、DUO-LT(2002年5月、American Thoracic Societyで提示したGalczenskiら、D38、Poste F4)およびTsujiら、Org. Biomol. Chem.、1、3139-3141、2003が挙げられるが、これらに限らない。一実施形態において、ある特定の患者に対して、最も適切な製剤またはそのような併用治療の使用の方法は、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性障害の種類、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)が作用することによって、障害を治療する期間、およびCysLT1/CysLT2デュアル受容体アンタゴニストが作用することによって、CysLT受容体活性を阻害する期間によって決まる。一例として、このような併用治療は、呼吸障害を患っている患者を治療するために使用される。
別の実施形態において本明細書中に記載されているのは、本明細書中に記載されている化合物、医薬組成物、または薬物を、CysLT1受容体アンタゴニストと組み合わせて、患者に投与するステップを含む、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療方法である。CysLT1受容体アンタゴニストとして、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランクラスト、およびこれらの誘導体または類似体が挙げられるが、これらに限らない。一実施形態において、このような組合せは、呼吸障害をはじめとする、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性障害を治療するために使用される。
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)と共にCysLT1受容体アンタゴニストまたはデュアルCysLT1/CysLT2受容体アンタゴニストを共投与することは、化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)またはCysLT1Rアンタゴニストのいずれかを単独で投与することから生まれる利益に勝るまたは上回る治療上の利益を有する。ロイコトリエン産生の実質的な阻害が、望まれない効果を有する場合、CysLT1受容体の遮断および/またはデュアルCysLT1/CysLT2受容体の遮断と組み合わせた、炎症促進性LTB4およびシステイニルロイコトリエンの効果の回復を介して、この経路の部分的な阻害は、特に呼吸器系疾患に対する実質的な治療上の利益をもたらす。
一部の実施形態において、本明細書中に記載されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、抗炎症剤と組み合わせて患者に投与するステップを含む、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療方法である。特定の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)および抗炎症剤を含む組成物と、組成物を投与する方法とを含む。抗炎症剤は、非限定的な例として、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)およびコルチコステロイド(グルココルチコイド)が挙げられる。
NSAIDとして、以下が挙げられるが、これらに限らない:アスピリン、サリチル酸、ゲンチシン酸、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム、ジフルニサル、カルプロフェン、フェノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブトン、ケトロラク、ケトロラクトロメタミン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、COX-2特定の阻害剤(例えば、これだけに限らないが、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、CS-502、JTE-522、L-745,337およびNS398)。
コルチコステロイドとして、以下が挙げられるが、これらに限らない:ベタメタゾン(Celestone)、プレドニゾン(Deltasone)、アルクロメタゾン、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デオキシコルチコステロン、デスオニド、デスオキシメタゾン、デゾキシコルトン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、フルクロロロン、フルドロコルチゾン、フルドロキシコルチド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フロオコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカゾン、フォルモコルタール、ハルシノイド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン/コルチゾル、アセポン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンブテプラート、酪酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメサゾン、プレドニカルベート、プレドニゾン/プレドニゾロン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびウロベタゾール。
コルチコステロイドは、ロイコトリエン産生を直接阻害しない、したがって、一実施形態において、ステロイドとの共投与は、追加の抗炎症性利点をもたらす。
別の実施形態において本明細書中に記載されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、これだけに限らないが多価不飽和脂肪酸(PUFA)例えばドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびアルファリノレン酸(ALA)をはじめとする抗炎症剤と組み合わせて、患者に投与するステップを含む、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療方法である。
特定の実施形態において、そのロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患、例えば呼吸器系疾患は、好酸球、好塩基球、および/または肥満細胞の炎症を含む。具体的な実施形態において、好酸球、好塩基球、および/または肥満細胞の炎症は、肺炎症である。より具体的な実施形態において、肺炎症は、慢性的炎症性の状態の結果である。さらにより具体的な実施形態において、慢性的炎症性疾患は、肺炎症および喘息などの気道過敏症を特徴とする。さらに、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患は喘息であり、この場合、ロイコトリエンは、肥満細胞、好酸球、および/または好塩基球から放出されることがある。特定の実施形態において、ロイコトリエンは、気道平滑筋の収縮、血管透過性および粘液分泌の増加に関与し、喘息患者の気道内に炎症細胞を引きつけ、活性化することが報告されている。したがって、本明細書中に記載されている特定の実施形態において、呼吸器系疾患の治療方法は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、単独でまたは抗炎症剤と組み合わせるかのいずれかにより患者に投与するステップを含む。
別の実施形態において本明細書中に記載されているのは、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を、NSAIDと一酸化窒素ドナーまたはNSAIDとプロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、患者に投与するステップを含む、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療方法である。さらなる実施形態において、本明細書中に提供されているのは、そのような薬剤を含む組成物およびそのような組成物の投与方法である。
UGT阻害剤
一実施形態において、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)の阻害剤である1つまたは複数の薬剤と合わせるか、または組み合わせて患者に投与する。UGT阻害剤として、米国第2003/0215462号、米国第2004/0014648号に記載されているものが挙げられる。一部の実施形態において、UGT阻害剤の共投与は、より低い用量の化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)の投与を可能にするという効果がある。
患者識別のための診断法
化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、または本明細書中に記載されている医薬組成物または薬物での治療に対して選択される「ロイコトリエンに反応しやすい患者」のスクリーニングは、本明細書中に記載されている技法および方法を用いて達成される。そのような技法および方法は、一例として、ロイコトリエン経路のモジュレーターの患者の反応を示す、遺伝子ハプロタイプの評価(遺伝子分析)、バイオマーカーのモニター/測定(表現型分析)、機能的マーカーのモニター/測定(表現型分析)、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。
遺伝子型分析:FLAP多型
ヒトのFLAPを精製し、クローン化したが、これは、ヒト好中球の中で最も高発現の18キロダルトン膜結合タンパク質である。FLAP遺伝子は、13q12に位置し、遺伝子は、いくつかの集団において、心筋梗塞および脳卒中の両方に対するリスクの増加と関連している。FLAPをコードしている遺伝子においていくつかの多型およびハプロタイプが個体において同定されている(米国特許出願第2005113408号、Sayers、Clin. Exp. Allergy、33(8):1103-10、2003、Keddaら、Clin. Exp. Allergy、35(3):332-8、2005)。特定の遺伝子の多型が、所与の療法への反応性と相関することが実証されたものもある。したがって、一実施形態において化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、または化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含む薬物の組み合わせを用いた治療が検討されている患者は、FLAP多型、またはハプロタイプ(本明細書中に参照により取り込まれるWO99/052942も参照)に基づき、治療に対する潜在的反応性についてスクリーニングする。
さらに、ロイコトリエン経路特定の合成遺伝子またはシグナル伝達遺伝子のいずれかにおける多型は、ロイコトリエンモジュレーター治療(FLAPもしくは5-LO阻害剤またはロイコトリエン受容体アンタゴニストのいずれか)により反応しやすい、または反応しにくい患者を生むことになる。ロイコトリエン経路特定の遺伝子は、5-リポキシゲナーゼ、5-リポキシゲナーゼ-活性化するタンパク質、LTA4加水分解酵素、LTC4シンターゼ、LTB4受容体1(BLT1)、LTB4受容体2(BLT2)、システイニルロイコトリエン受容体1(CysLT1R)、システイニルロイコトリエン受容体2(CysLT2R)である。例えば、5-LO遺伝子は、アスピリン不耐性の喘息および気道過敏症と関連している(Choi JHら、Hum Genet 114:337-344 (2004)、Kim、SHら、Allergy 60:760〜765 (2005)。5-LOのプロモーター領域の遺伝子の変異体は、喘息において5-LO阻害剤への臨床反応を予測することが示されている(Drazen ら、Nature Genetics、22、p168-170、(1999)。LTC4シンターゼ遺伝子は、アトピーおよび喘息と関連している(Moissidis Iら、Genet Med 7:406-410 (2005)。CysLT2受容体は、喘息およびアトピーと関連している(Thompson MDら、Pharmacogenetics 13:641-649(2003)、Pillai SGら、Pharmacogenetics 14:627-633(2004)、Park JSら、Pharmacogenet Genomics 15:483-492 (2005)、Fukai Hら、Pharmacogenetics 14:683-690 (2004)。任意のロイコトリエン経路遺伝子における任意の多型、または多型の組合せ、またはハプロタイプは、ロイコトリエンの病理学的影響を削減することを目的とする治療に対する患者の感受性を変える結果となり得る。一実施形態において、本明細書中に記載されているロイコトリエンモジュレーター療法に最も反応する患者の選択は、ロイコトリエン経路遺伝子における多型についての知識、さらにロイコトリエン駆動性メディエーターの発現についての知識に部分的に基づく。一実施形態において、患者の選択は、ロイコトリエン経路の遺伝子型だけで、表現型だけで(バイオマーカーまたは機能的マーカー)または遺伝子型および表現型の任意の組合せに基づき行われる。
FLAP遺伝子のいくつかの変異体が、患者における心筋梗塞の発生率と相関することが報告された(Hakonarson、JAMA、293(18):2245-56、2005)、さらに、喘息を発症する危険性に伴うことが報告されているFLAP遺伝子マーカーが、米国特許第6,531,279号に記載されている。FLAP配列の変異体を同定するための方法が、例えば、本明細書中での参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国公開第2005/0113408号、および米国特許第6,531,279号に記載されている。
一実施形態において、ハプロタイプを検出することは、多型の部位での配列を検出するための方法により遂行され、したがって患者は、FLAP、5-LOまたは他のロイコトリエン経路遺伝子多型の遺伝子型の選択を用いて、選択される。一実施形態において、ロイコトリエン経路遺伝子多型またはハプロタイプの存在または不在は、様々な方法で判定することができ、これらの方法として、例えば、酵素の増幅、制限断片長多型分析、核酸シークエンシング、個体からの核酸の泳動分析、またはこれらの任意の組合せを用いることが挙げられる。特定の実施形態において、SNPまたはハプロタイプの測定は、FLAP阻害剤を用いた治療に反応する、または治療の恩恵を受ける患者を同定する。一例として、個体における心筋梗塞または脳卒中に対する感受性を診断する方法は、特定の一塩基多型(SNP)または特定のハプロタイプの存在または不在を確定することを含み、SNPまたはハプロタイプの存在は、心筋梗塞または脳卒中に対する感受性の指標となる。
表現型分析:バイオマーカー
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、またはその薬物の組み合わせでの治療が検討されている患者は、ロイコトリエン駆動による炎症性バイオマーカー表現型に基づき、治療に対する潜在的反応性についてスクリーニングされる。
一実施形態において、ロイコトリエン駆動による炎症性バイオマーカー表現型に基づく患者スクリーニングは、ロイコトリエン経路遺伝子ハプロタイプ検出による患者スクリーニングに変わるものと、または補足的なものとして使用される。「バイオマーカー」という用語は、本明細書で使用する場合、通常の生物過程、病理学的過程、または治療的介入に対する薬理学的反応の指標として測定および評価される特徴を指す。したがってバイオマーカーは、体内、またはその生成物内で測定される任意の物質、構造またはプロセスであり、結果または疾患の発生率に影響を及ぼすかまたは予測を行う。バイオマーカーは、曝露、効果、および感受性のマーカーに分類される。バイオマーカーは、その一例が血圧である生理学的評価項目であり、またはバイオマーカーは、その例が血糖またはコレステロール濃度である、分析的終点である。バイオマーカーを、モニターおよび/または測定するために使用される技法として、NMR、LC-MS、LC-MS/MS、GC-MS、GC-MS/MS、HPLC-MS、HPLC-MS/MS、FT-MS、FT-MS/MS、ICP-MS、ICP-MS/MS、ペプチド/タンパク質配列、核酸配列、泳動技法、免疫アッセイ、免疫ブロッティング、in-situハイブリダイゼーション、蛍光in-situハイブリダイゼーション、PCR、放射性免疫アッセイ、および酵素免疫アッセイなどが挙げられるが、これらに限らない。一塩基多型(SNP)もまた、特定の疾患に対する傾向、さらには、化学療法剤および抗ウィルス剤などの薬剤に対する感受性または反応性に対するバイオマーカーの識別に有用である。一実施形態においてこのような技法、またはこれらの任意の組合せは、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態に対する患者のスクリーニングに使用され、このような患者は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、または本明細書中に記載されている薬物の組み合わせを用いて有利に治療される。
一例として、患者は、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、または本明細書中に記載されている薬物の組み合わせを用いた治療に対して、増強した炎症性血液バイオマーカーについてスクリーニングすることにより選択され、このバイオマーカーとして、例えば、これだけに限らないが、促進LTB4、LTC4、LTE4、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)、C反応性タンパク質(CRP)、可溶性細胞内接着分子(sICAM)、単球走化性タンパク質(MCP-1)、単球炎症性タンパク質(MIP-1α)、インターロイキン-6(IL-6)、そのTH2T細胞活性化インターロイキン4(IL-4)および13(IL-13)ならびに他の炎症性サイトカインなどが挙げられる。特定の実施形態において、これだけに限らないが、喘息およびCOPDをはじめとする炎症性呼吸器疾患を有する患者は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を用いたロイコトリエン合成阻害に最も反応しやすい患者として、ロイコトリエン駆動による炎症性バイオマーカーのパネルを用いて、選択される。
表現型分析:機能的マーカー
一実施形態において、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、または本明細書中に記載されている薬物の組み合わせを用いた治療が検討されている患者は、ロイコトリエン経路の既知のモジュレーターに対する反応についてスクリーニングされる。一実施形態において、ロイコトリエン経路の既知のモジュレーターに対する患者の反応の指標としての機能的マーカーの評価による患者スクリーニングは、ロイコトリエン経路遺伝子ハプロタイプ検出(遺伝子分析)および/またはロイコトリエン駆動による炎症性バイオマーカー表現型のモニター/測定などによる患者スクリーニングに代わるものとして、または補足的なものとして使用される。機能的マーカーとして、ロイコトリエン依存性状態または疾患に伴う任意の物理的特徴、または現在または過去の薬物療法レジメンについての知識が挙げられるが、これらに限らない。
一例として、肺気量および/または機能の評価は、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態、例えば呼吸器疾患などに対する機能的マーカーとして使用される。一実施形態において肺機能試験が、化合物1もしくは製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、またはその医薬組成物または薬物を用いた治療に対して、このようなロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性疾患または状態を有する患者のスクリーニングに使用される。このような試験として、肺気量および肺容量の評価、例えば1回呼吸量、予備吸気量、予備呼気量、残気量、深呼気量、機能的残気量、肺活量、全肺気量、毎分呼吸量、肺胞換気量、時間肺活量、および換気能力などが挙げられるが、これらに限らない。肺気量および肺容量の測定方法として、最大呼気フローボリューム曲線、1秒の努力呼気肺活量(FEV1)、最大呼気流量が挙げられるが、これらに限らない。加えて、本明細書中に記載されている患者評価のための機能的マーカーとして使用した他の肺機能試験として、呼吸筋力、最大吸気圧、最大呼気圧、経横隔膜圧、換気の分配、1回呼吸窒素試験、肺窒素洗い流し、および気体輸送が挙げられるが、これらに限らない。
さらに、患者の過去または現在の治療レジメンについての知識は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、またはその医薬組成物もしくは薬物を用いた、ロイコトリエン依存性状態または疾患の治療に対して患者をスクリーニングする助けとなる機能的マーカーとして使用される。一例として、そのような治療レジメンとして、ジロートン、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカストを用いた、過去または現在の治療が挙げられる。
化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、または本明細書中に記載されている薬物の組み合わせを用いた治療が検討されている患者は、好酸球および/または好塩基球、および/または好中球、および/または単球および/または樹状細胞および/またはリンパ球動員の減少、粘膜分泌の減少、粘膜浮腫の減少、および/または気管支拡張の増加を含むが、これらに限らない機能的マーカーについてもスクリーニングされる。
特定の実施形態において、患者試料は、ロイコトリエン遺伝子ハプロタイプ、一例として、FLAPハプロタイプについて解析され、得た情報により、様々な治療方法を用いた治療が必要な患者を識別する。このような治療方法として、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、またはその医薬組成物もしくは薬物の治療上有効量を、単独で、またはロイコトリエン受容体アンタゴニスト(一例として、CysLT1/CysLT2アンタゴニストまたはCysLT1アンタゴニスト)の治療上有効量と組み合わせて投与することが挙げられるが、これらに限らない。他の実施形態において、患者試料は、ロイコトリエン遺伝子ハプロタイプ、一例として、FLAPハプロタイプ、および/または表現型バイオマーカー、および/またはロイコトリエン調節剤に対して反応する表現型機能的マーカーについて解析される。一実施形態において、患者は、次いで、様々な治療方法を用いて治療される。このような治療方法として、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)、またはその医薬組成物もしくは薬物の治療上有効量を、単独で、またはロイコトリエン受容体アンタゴニスト(一例として、CysLT1/CysLT2アンタゴニストまたはCysLT1アンタゴニスト)、または別の抗炎症剤の治療上有効量と組み合わせて投与することが挙げられるが、これらに限らない。さらに他の実施形態において、患者試料は、ロイコトリエン遺伝子ハプロタイプ、一例として、FLAPハプロタイプ、および表現型バイオマーカー、およびロイコトリエン調節剤に反応する表現型機能的マーカーについて解析される。一実施形態において、患者は次いで、様々な治療方法を用いて治療される。このような治療方法として、FLAP阻害剤、またはFLAP阻害剤を含む医薬組成物もしくは医薬の治療上有効量を投与すること、FLAP阻害剤、またはFLAP阻害剤を含む医薬組成物もしくは医薬の治療上有効量を、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(一例として、CysLT1/CysLT2アンタゴニストまたはCysLT1アンタゴニスト)の治療上有効量と組み合わせて投与すること、またはFLAP阻害剤、またはFLAP阻害剤を含む医薬組成物もしくは医薬の治療上有効量を、別の抗炎症剤の治療上有効量と組み合わせて投与することが挙げられるが、これらに限らない。
キット/製品
本明細書中に記載されている治療的使用方法において使用するため、キットおよび製品もまた本明細書中に記載される。このようなキットとして挙げられるのは、バイアル、チューブなどの、1つまたは複数の容器を受け入れるために区画化された担体、包装、または容器であり、各容器は、本明細書中に記載の方法で使用される別の成分の1つを含んでいる。適切な容器として、例えば、ビン、バイアル、シリンジ、およびチューブが挙げられる。一実施形態において、容器は、様々な材料、例えばガラスまたはプラスチックから形成される。
本明細書中に提供されている製品は、包装材料を含有する。医薬品包装に使用される包装材料として、例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号および同第5,033,252号が挙げられる。製薬用包装材料の例として、ブリスターパック、ビン、チューブ、袋、容器、ビン、ならびに選択した製剤および意図する方式の投与および治療に適した任意の包装材料が挙げられるが、これらに限らない。本明細書中に提供されている化合物および組成物の広範囲の配合は、FLAPの阻害により恩恵を受けることになるあらゆる疾患、障害、もしくは状態、またはFLAPが症状または病因のメディエーターまたは一因となり得るあらゆる疾患、障害、もしくは状態に対する様々な治療を想定している。
例えば、容器は、場合によって、本明細書中に開示されている別の薬剤と一緒に組成物として、または組み合わせて、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)を含有する。そのようなキットは、識別用の記述もしくはラベルまたは本明細書中に記載の方法を使用することに関連する指示書を場合によって含む。
キットは通常、内容物および/または使用説明書を記載したラベル、ならびに使用上の注意を記載した添付文書を含む。通常、指示書も一組含まれている。
一実施形態において、ラベルは、容器の上または容器に添付されている。一実施形態において、ラベルを形成する文字、数または他の字が、容器それ自体に付加、成型またはエッチングされている場合、ラベルは容器上にあり、ラベルは、それが、例えば添付文書として、容器の支持もしている入れ物またはキャリアーの中にある場合、容器に添付されている。一実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に使用されることを示すために使用される。ラベルはまた、本明細書中に記載の方法など、内容物の使用法を示す。
特定の実施形態において、医薬組成物は、明細書中に提供されている化合物を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有するパック、または計量分配装置の形で提供される。パックは、例えば、ブリスターパックのような金属またはプラスチック薄片を含有する。一実施形態においてパックまたは計量分配装置には、投与の指示書が添付されている。一実施形態において、パックまたは計量分配装置にはまた、医薬品の製造、使用、または販売を規制している政府機関によって定められた形式での容器に注意書が添付されており、この注意書は、ヒトまたは動物への投与に対する薬物の形式の政府機関による同意を示す。そのような注意書は、例えば、処方薬の米国食品医薬品局による承認ラベル、またはその認可された製品挿入印刷物である。一実施形態において、相容性の薬学的担体中に配合された本明細書中で提供された化合物を含有する組成物はまた、調製され、適切な容器内に入れられ、示された状態の治療に対して標識される。
本明細書で使用する場合、本明細書中に記載の製薬上許容される塩を含む、記載された医薬組成物、例えば、液体溶液剤は、会合型および/または非会合型の塩の形態を含む医薬組成物を包含することを理解されたい。したがって、例えば、化合物2の水溶液を含む、本明細書中に記載されている医薬組成物は、ナトリウム陽イオンの集団および3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオネート陰イオンの集団を含む組成物を包含する。
本明細書中に開示される方法を実施するための以下の成分、製剤、プロセスおよび手順は、上述したものに対応する。以下の手順では、詳細が例示され、化合物1または製薬上許容可能なその塩および/または溶媒和物を含む製剤の非限定的な実施形態、ならびに薬物動態学的プロファイルおよびその薬力学的効果が記載されている。一例として、化合物1は、US2007/0105866で概要を述べた通りに、または本明細書中で概要を述べた通りに、場合によって調製される。
実施例1
化合物1、そのエステル、溶媒和物、塩、および多形体の合成
ステップ1: 2-クロロメチル-5-メチル-ピリジン塩酸塩の合成
ステップ1-1: 2,5-ジメチル-ピリジン1-オキシドの合成
2,5-ルチジン(1419g)をクロロホルム(13.5L)中に溶解し、10℃未満に冷却した。m-クロロペルオキシ安息香酸(70%、3354.21g)を滴加して、温度を10℃未満に維持し、次いでこの反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。tlc分析で出発物質が発見されなくなったら、この混合物を10℃に冷却し、水性の20%水酸化ナトリウム(2.5L〜3L)の滴加によりクエンチし、その間温度を20℃未満に維持したところ、非常に粘性の高い懸濁液が形成された。この混合物を30分間撹拌し、次いで分離させた。水(5L)を加え、有機層を分離し、水層をクロロホルム(4L)で2回抽出した。合わせた有機層を水性の1%水酸化ナトリウムで洗浄し、続いて水性の1N塩酸で洗浄し、次いで真空下で濃縮することによって、所望の生成物を得た(1365g)。
ステップ1-2: (5-メチル-ピリジン-2-イル)-メタノールの合成
無水酢酸(1.61L)に、2,5-ジメチル-ピリジン1-オキシド(1000g)を90℃で3時間にわたり滴加し、温度を90〜100℃の間で維持した。この反応物を90℃で1.5時間撹拌し、次いで一晩撹拌しながら冷却した。この混合物を4時間にわたりゆっくりと水性の25%NaOH (3L)に注ぎ入れ、次いでCH2Cl2(8L)およびH2O(8L)を加え、この混合物を2日間分離させた。水層を分離し、CH2Cl2およびEtOAcで別々に分離かつ抽出し、合わせた有機層を濃縮乾燥した。この粗製物質をシリカのパッド(約1kg)の上に適用し、溶離液中に生成物が観察されなくなるまで、EtOAcで溶離した。濾液を真空下で濃縮することによって、所望の生成物を得た(320g)。
ステップ1-3: 2-クロロメチル-5-メチル-ピリジン塩酸塩の合成
CH2Cl2(1.2L)中の(5-メチル-ピリジン-2-イル)-メタノール(310g)に、塩化チオニル(200mL)を1.5時間にわたり滴加した。この反応物を2時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。EtOAc(1L)を加え、この混合物を再び乾燥濃縮した。追加のEtOAc(1.5L)を加え、懸濁液を30分間撹拌し、次いで濾過することによって、所望の生成物を固体として単離し、これをN2下で乾燥させた。
スキーム2: 5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸エチルエステルの調製
ステップ2-1: 4-クロロ-2,2-ジメチル-ペント-4-エン酸エチルエステルの合成
N2下で、THF(イソ酪酸エチルの10.0倍、V/W)を含有する反応フラスコに、ジイソプロピルアミン(1.25当量)を加えた。この混合物を-70℃未満に冷却し、n-ブチルリチウム(2.7M、1.14当量)をこの反応混合物に加え、この間温度を-65℃未満で維持した。この反応混合物をゆっくりと室温まで温め、次いでN2下で2時間撹拌した。次いでこの反応混合物を-70℃未満に冷却し、イソ酪酸エチル(1.0当量)を加え、続いて2,3-ジクロロ-1-プロペン(1.09当量)を加え、この間温度を-70℃未満に維持した。この反応物を室温まで温め、N2下で一晩撹拌した。次いでこの反応物を、氷水(出発物質の10.0倍、V/W)でクエンチし、水性の6M HClを用いて、pHをpH7に調整した。有機層を分離し、ブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を真空で除去し、生成物は、さらなる精製なしで、次のステップに引き継いだ。
ステップ2-2: 5-ブロモ-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸エチルエステルの合成
4-クロロ-2,2-ジメチル-ペント-4-エン酸エチルエステル(1.0当量)を、EtOH (出発物質の4.4倍、V/W)およびH2O(出発物質の3.2倍、V/W)を含有する反応フラスコにN2下で加えた。この反応混合物を0℃未満に冷却し、臭素(1.02当量)をこの反応混合物に加え、この間温度を0℃未満に維持した。2時間かき混ぜた後、この反応物をNMR分析にかけることによって、反応の完了を確認した。NMR分析により出発物質が発見されなかったので、この反応物を冷水(出発物質の10.0倍、V/W)で希釈し、5〜10分間撹拌した。有機層(底部にある)を分離し、水層中に生成物が見出せなくなるまで、CH2Cl2で水層を抽出した。次いで、合わせた有機層を水性の5%Na2CO3(出発物質の6倍、V/W)およびブライン(出発物質の3.0倍、V/W)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、真空で濃縮することによって、所望の生成物を得た。
ステップ2-3: 5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸エチルエステルの合成
THF(出発物質の5.0倍、V/W)を含有する反応フラスコに、5-ブロモ-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸エチルエステル(1.0当量)をN2下で加えた。この混合物を-5〜0℃の温度に冷却し、2-メチル-2-プロパンチオール(1.2当量)およびトリエチルアミン(1.25当量)の溶液を加え、この間温度を0℃未満に維持した。この反応物を室温で25時間撹拌し、次いでヘキサン(出発物質の3.0倍、V/W)をゆっくりと加えた。30分間かき混ぜた後、固体の物質を濾過で除去し、50%EtOAc/ヘキサン溶液で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮することによって、所望の生成物を得た。これを、さらなる精製なしで、次のステップに引き継いだ。
スキーム3: 3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、ナトリウム塩の調製
ステップ3-1: N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩の合成
4-メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(1.0当量)を、トルエン(出発物質の16.5倍、V/W)を含有する反応フラスコにN2下で加えた。4-ブロモベンジル臭化物(1.05当量)およびトリエチルアミン(2.1当量)を加え、この混合物を100〜105℃に加熱し、3時間撹拌した。次いでこの反応物を室温に冷却し、分析用薄層クロマトグラフィー(tlc)で反応の完了を確認した。tlc分析で出発物質が発見されなかったので、この反応物をEtOAc(出発物質の10.0倍、V/W)で希釈し、1.5時間かき混ぜた。この混合物を濾過することによって、固体生成物を収集した。これを引き続いてトルエンで洗浄し、真空下60〜65℃で乾燥させた。次いでEtOAc(出発物質の10.0倍、V/W)を生成物に加え、この混合物をよくかき混ぜた。溶液のpHをHCl/EtOAc飽和溶液でpH2に調整し、さらに1時間かき混ぜた。次いでこの固体を濾過で収集し、冷たいEtOAcで洗浄し、空気乾燥させた。この生成物をさらなる精製なしで次のステップに引き継いだ。
ステップ3-2: 3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-メトキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルの合成
N-(4-ブロモ-ベンジル)-N-(4-メトキシ-フェニル)-ヒドラジン塩酸塩(1.0当量)を、トルエン(出発物質の10.0倍、V/W)を含有する反応フラスコにN2下で加えた。酢酸(出発物質の5.0倍、V/W)を加え、続いて5-tert-ブチルスルファニル-2,2-ジメチル-4-オキソ-ペンタン酸エチルエステル(1.05当量)およびEtOAc (2.3当量)を加え、この反応混合物を室温で4日間撹拌した。次いで冷水(出発物質の15.0倍、V/W)をこの反応物に加え、この混合物を30分間かき混ぜた。有機層を分離し、水層をトルエン(出発物質の2.0倍、V/W)で抽出し、追加の生成物を回収した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物質のスラリーをMeOH (出発物質の5.0倍、V/W)中で生成し、この混合物を4時間0〜5℃に冷却した。固体を濾過で収集し、冷たいメタノールで洗浄し、単離した物質を、減圧下、28〜30℃で乾燥させた。
ステップ3-3: 3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルの合成
CH2Cl2(出発物質の3.3倍、V/W)を含有する反応容器に、3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-メトキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(1.0当量)をN2下で加えた。2-メチル-2-プロパンチオール(7.80当量)をこの混合物に加え、この反応物を-5〜0℃の温度に冷却した。この反応物合物を0℃未満に維持しながら、塩化アルミニウム(3.30当量)を滴加し、この反応物を0〜5℃で2時間撹拌した。tlc分析(5%酢酸エチル/ヘキサン)で出発物質が発見されなくなったら、この反応物を室温に温め、氷水(出発物質の6.5倍、V/W)でクエンチした。この混合物を、水性の2.0M HClでpH2に酸性化し、有機層を分離した。水層をCH2Cl2で抽出することによって、残っている生成物を回収し、合わせた有機層を水性の1.0M HCl、水、およびブラインで順次洗浄し、真空で濃縮した。EtOAc(出発物質の1.0倍、V/W)を粗製物質に加え、すべての生成物が溶液中に溶けるまでこの混合物を加熱した。フラスコを徐々に0〜2℃に冷却し、ヘキサン(出発物質の11.0倍、V/W)をゆっくりと加えた。この混合物を2時間かき混ぜ、沈殿物を濾過で単離し、真空下で乾燥させることによって、所望の生成物を得た。
ステップ3-4: 3-{3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルの合成
3-[1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(1.0当量)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.10当量)、および酢酸カリウム(3.0当量)をDMF(出発物質の10.0倍、V/W)中にN2下で溶解した。この溶液を撹拌しながらN2で30分間スパージした。次いでPd(dppf)Cl2(0.057当量)を加え、この混合物を撹拌しながらN2でさらに15分間スパージした。次いでこの反応物を、N2下で2時間80〜85℃に加熱した。tlc分析(7% EtOAc(/ヘキサン)で出発物質が発見されなくなったら、この反応物を室温に冷却し、H2O(出発物質の12.0倍、V/W)で希釈した。水層に生成物が観察されなくなるまでこの混合物をMTBEで抽出した。合わせた有機層をH2O(出発物質の10.0倍、V/W)で2回洗浄し、ブライン(出発物質の6.0倍、V/W)で1回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、次いでシリカのパッド(出発物質の2.0倍、V/W、MTBEで予め洗浄)を介して濾過した。濾液中に生成物が観察されなくなるまで、シリカのパッドをMTBEで洗浄し、溶媒を真空で除去することによって、粗製物質を得た。固体をEtOAc(出発物質の0.85倍V/W)中に溶解し、30分間撹拌し、次いで0〜2℃に冷却した。ヘキサン(出発物質の10.0倍、V/W)を30分間にわたりゆっくりと加え、懸濁液をさらに3時間0〜2℃で撹拌した。沈殿物を濾過で単離し、50%EtOAc/ヘキサンで洗浄し、真空下30〜35℃で乾燥させることによって、所望の生成物を得た。
ステップ3-5: 3-{3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルの合成
50L反応フラスコ内のDME (16.5L)およびH2O(6.6L)の撹拌混合物に、3-{3-tert-ブチルスルファニル-5-ヒドロキシ-1-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(1652.19g)、5-ブロモ-2-エトキシピリジン(650.30g)、および炭酸カリウム(605.03g)をN2下で加えた。この混合物を、30分間N2でスパージすることによって、溶解しているO2を除去し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(59.15g)を加え、この反応物混合物を2時間にわたり65〜85℃に加熱し、N2下、65〜85℃で19時間撹拌した。tlc分析で出発物質が発見されなくなったら、この反応物を40℃に冷却し、H2O(6.6L)を加えた。EtOAc (6.6L)を加え、この混合物を20分間かき混ぜ、次いで1.5時間にわたり分離させた。水層を分離し、追加のH2O(6.6L)を有機層に加えた。この混合物を2分間かき混ぜ、次いで1時間にわたり分離させ、追加のEtOAc(1.4L)を加えることによって、相分離を促進させた。水層を分離し、2つの水層を合わせた。EtOAc(5.0L)を合わせた水層に加え、この混合物を3分間かき混ぜ、2分間分離させた。水層を分離し、2つの有機層を合わせ、活性炭素、Novit Neutral(446.43g)で処理した。この混合物を17時間室温で撹拌し、次いでCeliteの1-2"パッドで濾過した。この反応フラスコをEtOAc(1.25L)で2回すすぎ、Celiteのパッドを介して濾過し、濾液を濃縮することによって、粗製物質を得た。MTBE(8.2L)を固体に加え、この混合物を1.5時間かき混ぜ、濾過した。フラスコをMTBE(1L)で3回すすぎ、次いで濾過ケーキを通して濾過した。単離した固体を、乾燥オーブン内で、真空下、25℃で3日間乾燥させることによって、所望の生成物(1314g)を得た。
ステップ3-6: 3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステルの合成
3-{3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(1313.2g)を、N2下、50L反応フラスコ内のMeCN(20.0L)中に溶解し、この混合物を撹拌し、30〜40℃に加熱した。炭酸セシウム(2118.67g)を加え、続いて2-クロロメチル-5-メチルピリジン塩酸塩(497.17g)を加え、2時間にわたり温度を70〜80℃に上げた。70〜80℃で4時間加熱後、tlc分析で出発物質が発見されなかったので、この混合物を55℃に冷却し、濃縮した。残留物をCH2Cl2(2L)およびH2O(2L)中に溶解し、CH2Cl2(4L)およびH2O(4L)を含有するフラスコに移した。もとのフラスコをCH2Cl2(2L)およびH2O(2L)で2回すすぎ、次いで、合わせた物質を、追加の3LのCH2Cl2および6LのH2O、総量13LまでのCH2Cl2および16LまでのH2Oで希釈した。この混合物を10分間かき混ぜ、10分間にわたり分離させた。有機層を分離し、追加のCH2Cl2(9L)を水層に加えた。この混合物を6分間かき混ぜ、5分間にわたり分離させた。有機層を分離し、2つの有機層を合わせ、活性炭素、Novit Neutral(433.07g)、シリカゲル、誘導体化したチオール(91.17g)で処理した。この混合物を17時間室温で撹拌し、次いでCeliteの1-2"パッドを介して濾過した。このフラスコをCH2Cl2(2.6L)ですすぎ、Celiteのパッドを介して濾過し、濾液を濃縮することによって、粗製物質を得た。EtOH(9.2L)を固体に加え、この混合物をゆっくりと17時間撹拌し、濾過した。単離した固体を、乾燥オーブン内で、真空下、45℃で2日間乾燥させることによって、所望の生成物(1459.4g)を得た。
ステップ3-7: 3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、ナトリウム塩の合成
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(1298.9g)を、50L反応フラスコ内のEtOH(52.L)およびTHF(2.6L)中に溶解した。50%水酸化ナトリウム溶液(148.48g)を加え、この混合物を撹拌し、1.5時間にわたり66〜75℃に加熱した。66〜75℃で16時間加熱後、この反応物をtlcで分析することによって、出発物質が依然として存在しているか判定した。50%水酸化ナトリウム溶液を、約1%増加させながら加え、tlc分析でこの反応が完了するまでこれを続け、その結果、さらに1.56gの50%水性水酸化ナトリウム溶液を加えることとなった。次いでこの反応物を90mmの1ミクロンフィルター膜を介して濾過し、濾液を濃縮することによって、生成物を得た(1344.3g)。
ステップ3-8: 3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2 , 2-ジメチル-プロピオン酸、ナトリウム塩の多形体対照
MTBE(10.6L)を、1ミクロンフィルター膜を介して、50L反応フラスコへと濾過した。3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、ナトリウム塩(1324.3g)を加え、この混合物を撹拌しながら、5時間53〜55℃に加熱した。次いで固体を濾過で単離し、真空下、室温で5日間乾燥させることによって、形態Cとして生成物を得た(1161.4g)。
3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1Η-インドール-2-イル)-2,2-ジメチル-プロピオン酸ナトリウムの多形体
3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸、ナトリウム塩は、pKa値が3.45、4.71、および5.82であり、logPO/Wが5.9である、白色からオフホワイト色の結晶性粉末である。少なくとも3つの多形体形態を特徴づけ、これを非晶質相A、結晶形態B(溶媒和)および結晶形態C(脱溶媒和)と記載する。形態Cは、物理的および化学的に安定した、結晶性、非吸湿性の脱溶媒和したものである。一態様において、多形体形態Bおよび多形体形態Cは、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)からの結晶形成(結晶化、固体から固体への変形または結晶の相互変換によるものかどうかにかかわらず)により得られる。
形態Bは、MTBE溶液から得られ、この中で、プロトン性共溶媒(例えば、H2OまたはEtOHなど)もまた、結晶形成(結晶化、固体から固体への変形または結晶の相互変換によるものかどうかにかかわらず)の事象の間存在する。一態様において、このプロトン性共溶媒は、MTBE溶媒中に存在する。他の態様において、このプロトン性共溶媒は、加水分解反応(すなわち、エステル加水分解)からさらに次へと引き継がれる。
形態Cは、続いて起こる、MTBEからの単離中のあらゆるプロトン性共溶媒の除去(脱水)により得られる。無水MTBEを加熱しながら、粗製の最終物質の再懸濁液を使用することによって、プロトン性溶媒が確実に除去されることを目的とする(これにより、結晶性形態が圧縮されて形態Cとなる)。
形態Bが、最終の結晶形成の事象中に形成される場合、形態Bは、無水MTBE中での懸濁/加熱を介して形態Cに変換され得る(結晶の相互変換が、おそらく脱水過程を通して進行する)。
3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸ナトリウム、形態Bの調製:
制御された加熱を用いて、非晶質相A(50mg)を、200μlのイソプロパノール中に溶解した。生成した溶液は、室温まで冷却させておき、約1時間後、結晶が形成した。単離した結晶のXRPDパターンとDSC温度記録の両方が、結晶形態Bのものと一致した
非晶質相A
非晶質相Aは、化学的に安定しており、非晶質であり、吸湿性がある。吸湿性は、GVSにより評価し、非晶質物質は、90%RHで、20%を超える水を吸着した。非晶質物質に対するTGAは、低温度で4.6%の減量を示し、DSC実験は、より安定した結晶形態への相転移を示した。
多形体形態B
多形体形態Bは結晶であり、MTBEおよびH2Oで溶媒和され、物理的および化学的に安定している。形態Bに対する融点領域は、130〜170℃である。形態Bに対するDSCは、より安定した形態への相転移を示した。形態Bは加熱によって形態Cへと変換する。GVS実験は、形態Bが、吸湿性物質であることを示し、収着/脱着の全サイクル完了後、90%RHで30%を超える水を取り込んでいる。
多形体形態C
多形体形態Cは、物理的および化学的に安定しており(5oC、25oC/60%RH(相対湿度)および40oC/75%RHで少なくとも1ヵ月)、結晶性で、脱溶媒和している。形態Cの融点領域は、295〜300℃である。動的水蒸気吸着分析で、形態Cは、90%相対湿度で<9%の水を可逆的に吸着し、したがって、非吸湿性であると考えられる。形態Cは、分解前、TGAにおいていかなる減量も示さず、DSC温度記録は、溶融しか示さなかった。
非晶質相Aおよび多形体形態Cの両方におけるラットでの経口投与は、等しい血漿曝露をもたらした。
いくつかの他の溶媒を試験することによって、他の結晶形成または析出条件を調査した。この手順は、50mgの物質(非晶質場バッチ)を、制御された加熱で補助しながら、対応する溶媒系の中に溶解することからなった。次いで試料は、室温へ冷却させた。冷却後、固体が生成されなかった場合、溶媒は、ゆっくりと蒸発させた。これらの結果は、以下の表1で要約されている。
アセトニトリルから得た結晶は、形態CのXRPDパターンと関連付けられるXRPDパターンを有する。イソプロパノールまたはジメチルスルホキシドから得た結晶は、異なる結晶性パターンを示す。イソプロパノールから得た結晶は、形態Bに対するXRPDパターンと関連付けられるXRPDパターンを有する。両方の物質に対するDSC温度記録もまた一致する。
実施例3
非晶質の3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸カリウム
化合物1(1.03g、1.62mmol)をエタノール(20mL)中に懸濁し、これに1N水酸化カリウム(1.62mL、1.62mmol)を加え、この溶液を1時間撹拌した。次いで溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解し、急速に凍結し、乾燥するまで凍結乾燥した。
実施例4
非晶質の3-[3-(tert-ブチルスルファニル)-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イル-メトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸コリン塩
化合物1(1.05g、1.64mmol)をエタノール(20mL)中に溶解し、これにコリン水酸化物(0.97mL、1.64mmol)の20%(重量)溶液を加え、懸濁液を1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解し、急速に凍結し、乾燥するまで凍結乾燥した。
実施例5 イオンクロマトグラフィー(IC)
IC Netソフトウェアv2.3を用いて、Metrohm 861 Advanced Compact IC上にデータを収集した。試料を水中の1000ppmストックとして調製した。試料溶解度が低い場合、ジメチルスルホキシドなどの適切な溶媒を使用した。試験前に、試料を適切な溶媒で50ppmまたは100ppmに希釈した。分析するイオン濃度がわかっている標準液と比較することで定量化を達成した。
ナトリウム塩の化学量論をイオンクロマトグラフィーで求め、約1:1であった。
実施例6
HPLCによる熱力学的水性溶解度
十分な量の化合物を水中に懸濁させることによって、水性溶解度を求め、化合物の親化合物を含まない形態の最大最終濃度≧10mg.ml-1を得た。懸濁液を25℃に24時間平衡化し、次いで、pHを測定した。次いで、懸濁液を、グラスファイバーCフィルターを介して96ウェルプレートへと濾過した。次いで濾液を101の係数で希釈した。DMSO中の約0.1mg.ml-1の標準液を参照にして、HPLCにより定量を行った。異なる量の標準試料、希釈試料、不希釈試料の溶液を注入した。標準注入の主要ピークと同じ保持時間に見出したピークの積分によって求めたピーク領域を用いて溶解度を計算した。
分析は、ダイオードアレイ検出器を装備したAgilent HP1100シリーズシステム上で、ChemStationソフトウェアvB.02.01-SR1を用いて実施した。
3つの試料の熱力学的溶解度の測定結果を表4に示す。
化合物2の両バッチについての水中での溶解度は、10mg.ml-1を超える。濾過していない飽和溶液のpHは、両物質とも9を超える。
実施例7
溶解度とpH
異なるpH値での化合物2の溶解度の試験を行った。懸濁剤を、0.15M塩化ナトリウム(水性)中に作製し、希釈した塩酸または水酸化ナトリウムのいずれかを用いて、pHを適切な値に調整することによって、異なる溶解度を有する、異なる塩形態が溶液中で生成することがないようにした。次いで、この懸濁剤を2時間平衡化させ、pHをチェックし、必要な場合には再調整した。
生成した溶液のpHを測定し、溶液中の化合物濃度のHPLC-UVアッセイで溶解度を計算した。
水性の溶解度は、約pH3〜7で最低値を示している。この範囲のpHにおいて、化合物は、中性の形態で存在している。pHが非常に酸性の場合(pH1〜2)、弱い塩基性基はプロトン化することができるので、おそらく期待されるくらいに多量ではないが、溶解度はわずかに増加する。塩基性のpH(pH>8)で、溶解度は著しく増加し始め、対応するカルボン酸ナトリウムのみが溶液中に存在する場合、10を超えるpHでそのピークに達する。
実施例8 一般的な有機溶媒における溶解度のプロファイル
表6は、様々な有機溶媒中での化合物2の溶解度データを提供している。
化合物2は、メタノールおよびエタノール中で極めて可溶性であり、アセトニトリルおよびイソプロパノール中でやや溶けにくい。
実施例9
粉末X線回折(XRPD)パターンの測定
粉末X線回折パターンを、Siemens D5000またはBruker AXS C2 GADDS回折計上に収集した。
粉末X線回折パターンは、Cu Kα照射(40kV、40mA)、θ-θ角度計、ダイバージェンスV20および受光スリット、グラファイト製第二次モノクロメーター、ならびにシンチレーションカウンターを用いて、Siemens D5000上に収集した。装置は、認定されたCorundum標準(NIST1976)を用いて、性能チェックをした。周囲条件下で測定する試料は、平坦なプレート検体として調製した。約35mgの試料を、研磨したゼロバックグラウンド(510)のケイ素ウェーハを切断した空洞に軽く充填した。試料は、分析中、それ自体の面で回転させた。データ収集の詳細は、(1)角度範囲:2〜42°2θ、ステップサイズ:0.05°2θ、収集時間4秒/ステップである。
Bruker AXS C2 GADDS回折計上で得た粉末X線回折パターンは、Cu Kα照射(40kV、40mA)、自動化XYZステージ、自動試料位置決め用レーザービデオ顕微鏡およびHiStar 2次元領域検出器を使用している。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメータに結合した単一のGobel多層ミラーからなる。ビーム広がり、すなわち、化合物2の試料上のX線ビームの有効サイズは、約4mmであった。θ-θ連続スキャンモードを使用し、3.2°〜29.7°の有効2θ範囲が得られる試料と検出器の距離は、20cmであった。通常試料は、X線ビームに120秒曝露した。周囲条件下で測定する試料は、平坦なプレート検体上に載せた。約1〜2mgの試料を、ガラススライド上に軽く押圧することによって平らな表面を得た。非周囲条件下で測定する試料は、加熱を行う化合物と共にケイ素ウェーハ上に載せた。次いで、約10℃/分で、適切な温度に試料を加熱し、続いてデータ収集を開始する約1分間前に等温で維持した。
多形体形態Cに対する粉末X線回折パターンを、図1に示す。特徴的ピークを、表7に作表した。
多形体形態Bに対する粉末X線回折パターンを図2に示す。特徴的ピークを表8に作表した。
イソプロパノール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびアセトニトリル(MeCN)から得た結晶のXRPDパターンを図4に示す。アセトニトリルから得た結晶は、多形体形態Cと相関するXRPDパターンを有する。イソプロパノールまたはジメチルスルホキシドから得た結晶は、異なる結晶性パターンを示した。イソプロパノールから得た結晶は、多形体形態Bに対するXRPDパターンと相関するXRPDパターンを有する。両物質に対するDSC温度記録もまた一致する。
可変温度XRPD
加熱した場合、非晶質物質に相転移が起こる可能性を調査するため、VT-XRPDを行った。XRPDパターンを収集した温度が、DSC実験において観察された事象に基づき選択された。図8は、非晶質相Aに対する可変温度XRPDを示している。180℃よりも低い温度では、物質は非晶質のままである。しかし、より高い温度では、物質は、それが溶融するまで、つまり再び非晶質になる時点まで、結晶性のパターンを示している。
図9は、高温での、非晶質相AのXRPDと、形態CのXRPDとの比較を示している。230℃および280℃での、非晶質相Aに対する新しい結晶性パターンは、形態Cに対するものと一致している。ピークのシフトの差は、熱膨張による、結晶の格子の違いによるものであり得る。
DSC温度記録(以下参照)からの観察に基づき、形態Bから形態Cへの相転移が起こっていたか否かに関する調査が、VT-XRPD実験を用いて行われた。
図10は、多形体形態BのVT-XRPDを示している。形態Bは、低温で安定している。130℃と170℃の間で、相転移が起こり始める。この新しい結晶形態は、約300℃でこれが溶融するまで安定している。次いで、冷却すると、物質は、再結晶化して、形態Cを生成するが、この結晶化度はより低い。これはおそらく、分解がいくらか起こっているからであると考えられる。
図11は、形態Bに対するVT-XRPDと形態Cの比較を示している。形態Bは、加熱により形態Cに変換する。180℃では、2つの形態の混合であるが、この温度より高い温度でのみ、1つの形態しか存在しない(形態C)。これは形態Bに対してDSC温度記録から抽出した観察と一致している。
実施例10
40℃および75%RHでの1週間の安定度
40℃および75%RHでの非晶質相Aの1週間の安定度についての調査を図5に示す。非晶質相Aは、湿度室において1週間経過後、非晶質のままであり、水和物または他のものへの相転移が生じていなかったことを示唆している。
40℃および75%RHでの多形体形態Cの1週間の安定度についての調査を図7に示す。多形体形態Cに対する結晶性パターンは、湿度室内で1週間経過後、変化のないままである。
実施例11
示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)
DSCデータを、TA Instruments Q1000またはMettler DSC 823e上で収集した。DSCデータは、50の自動位置決め機能付きサンプラーを装備した、TA Instruments Q1000上で収集した。認可されたインジウムを用いて、エネルギーおよび温度較正について装置の較正を行った。ピンホールの開いたアルミニウムパンに入れた各試料、通常0.5〜3mgを、25℃から350℃へと10℃.min-1で加熱した。50ml.min-1での窒素パージを試料上で維持した。装置の制御ソフトウェアは、Thermal Advantage v4.6.6であり、Universal Analysis v4.3Aを用いてデータを分析した。
DSCデータを、50の自動位置決め機能付きサンプラーを装備した、Mettler DSC 823e上に収集した。認可されたインジウムを用いて、エネルギーおよび温度較正について装置の較正を行った。ピンホールの開いたアルミニウムパンに入れた各試料、通常0.5〜3mgを、25℃から350℃へと10℃.min-1で加熱した。50ml.min-1での窒素パージを試料上で維持した。装置の制御ソフトウェアおよびデータ解析ソフトウェアは、STARe v9.01であった。
TGAデータを、34の自動位置決め機能付きサンプラーを装備した、Mettler TGA/SDTA 851e上に収集した。認可されたインジウムを用いて、装置の温度較正を行った。各試料、5〜30mgを、予め秤量したアルミニウムるつぼ上に載せ、周辺温度から350℃へと10℃.分-1で加熱した。50ml.分-1での窒素パージを試料上で維持した。装置の制御ソフトウェアおよびデータ解析ソフトウェアは、STARe v9.01であった。
非晶質相A
図12は、非晶質相Aに対するTGA(上のグラフ)およびDSC(下のグラフ)温度記録を示している。非晶質相Aは、低温で4.6%の重量減少を示している。その他の点では、化合物は、300℃よりも高い温度になるまで安定している。DSCにおいて、3つの吸熱の事象が観察され、1つの発熱の相転移が観察される。35℃で起こっている第1の事象は、TGAで観察された重量減少に関連している。126℃で、別の小さな吸熱があり、212℃で発熱がある。これらは、物質の相転移と一致しているようである。次いで化合物は、295℃で溶融する。このような観察は、ホットステージ光学顕微鏡で観察されたものと一致している。DSC実験は、より安定した結晶形態への相転移を示した。この点は、可変温度XRPD実験で後に確認され、ホットステージ光学顕微鏡法でさらに示された。
図13は、非晶質相Aに対する、調節したDSC温度記録を示している。非晶質形態のガラス転移温度を測定するため、調節したDSC実験を行った。Tgを127℃と推定した(標準的DSC実験において観察された弱い吸熱と一致)。温度記録(相転移)の別のステップおよび対応する溶融が、観察されている。このような2つの事象はまた、標準的DSC実験において観察されたものと相関している。
多形体形態B
図14は、多形体形態Bに対するTGA(上段)およびDSC(下段)実験の結果を示す。80℃と160℃の間に4.8%の重量減少がある。これは、溶媒を処理するため、または溶媒和物の脱溶媒和が原因と思われる。このような吸湿性物質であることにより、水分の存在は、除外できない。この後、温度が310℃より高い温度となるまで、すなわち分解が開始する時点まで、重量は一定のままである。TGAで観察された重量減少と相関するDSCのベースラインにおいていくらかの変動がある。より有意な3つの事象をまた、観察することができる。第1に、弱い吸熱(158℃で開始)、直ちにそれに続く発熱(173℃で開始)、新しい形態への相転移および再結晶化が観察できる。同様に、297℃に吸熱の事象があり、これは、以前の結晶性バッチの溶融と相関する。
多形体形態C
図15は、多形体形態Cに対するTGA(上段)およびDSC(下段)温度記録を示している。多形体形態Cに対するTGA実験において有意な重量減少は観察されていない。化合物は、300℃より高い温度で分解し始める。295℃での溶融以外、DSC温度記録において事象は観察されていない。
実施例12
偏光顕微鏡(PLM)
試料を、画像取得用のデジタルビデオカメラのついたLeica LM/DM偏光顕微鏡上で観察した。各試料を少量ずつ、ガラススライド上に置き、浸漬油中に組み込み、ガラスカバーでカバーし、個々の粒子をできるだけよく分離した。試料を、適切な拡大率およびλ偽色フィルターを付け、部分的に偏向した光で観察した。
偏光顕微鏡は、非晶質相Aと多形体形態Cとの間の非常に明白な差を示した。非晶質相Aは、複屈折性をまったく示さず、これは、この物質の非晶質の性質と一致する。この物質の粒子は、異なる形および大きさとして現れる。形態Cは、約40μm直径の針状晶の集団に見える。しかし、非晶質の粒子もいくらかあるが、結晶性の物質が、このバッチの大部分を構成する。
実施例13
ホットステージ光学顕微鏡法(HSM)
Leica LM/DM偏光顕微鏡を、Mettler-Toledo MTFP82HTホットステージおよび画像取得用のデジタルビデオカメラと組み合わせて用いて、ホットステージ光学顕微鏡法を実施した。各試料を少量ずつ、ガラススライド上に置き、個々の粒子をできるだけよく分離した。試料を、周辺温度から通常10〜20℃.分-1で加熱しながら、適切な拡大率およびλ偽色フィルターを付け、部分的に偏向した光で観察した。
ホットステージ光学顕微鏡による実験は、非晶質物質(非晶質相A)には加熱により相転移が起こることを示した。非晶質相Aは、約155℃で溶融し始め、200℃で再結晶化が生じている。新しい結晶は、約288℃で溶融し始め、295℃までに物質は溶融、分解し始める。
形態Cは、単一の主要な事象しか示さない。粒子は、290℃のちょうど上の温度で溶融し始め、295℃までにこれらのすべてが溶融し、分解し始める。
実施例14
重量測定の蒸気吸着(GVS)
CFRSorpソフトウェアで制御されたHiden IGASorp水分吸着分析機器を用いて、吸着等温線を得た。試料温度は、Huber再循環式水槽により25℃で維持した。湿度は、総流速250ml.分-1で、乾性および湿性窒素の混合流により制御した。相対湿度は、試料の付近に置かれた、較正されたVaisala RHプローブ(0〜95%RHダイナミックレンジ)で測定した。%RHの関数としての試料の重量変化(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.001mg)で常にモニタリングした。
試料、通常10〜20mgを、周囲条件下、容器重量を量ったメッシュステンレススチールバスケットの中に置いた。40%RHおよび25℃(典型的な部屋の条件)の場所で試料を載せ、取り出した。
水分吸着等温線実験を、以下に概要が述べられている通り実施した(2回のスキャンで1つの完全なサイクル)。標準的な等温式を、0〜90%RH範囲にわたり、10%RHの間隔で、25℃で実施した。
ソフトウェアは、最小二乗値最小化手順を、質量緩和モデルと共に使用することによって、漸近値を予測した。測定した質量緩和値は、次の%RH値が選択される前に、ソフトウェアで予想した値の5%内でなければならない。最小平衡時間を1時間に設定し、最大平衡時間を4時間に設定した。
非晶質相A
図16は、非晶質の相Aに対するGVS図を示している。非晶質の相Aは、吸湿性の物質であり、すべての吸着/脱着サイクル完了後、90%RHで、22%を超える水を取り込んでいる。GVS実験後、非晶質相Aに対するXRPDパターンで変化は観察されなかった。
多形体形態B
図17は、多形体形態Bに対するGVS図を示している。多形体形態Bは、吸湿性の物質であり、すべての吸着/脱着サイクル完了後、90%RHで、30%を超える水を取り込んでいる。この物質は、非晶質物質よりも、さらに吸湿性がある。すべての吸着/脱着サイクル完了後のこの物質のXRPDによる分析(図6を参照)は、この物質がほぼ完全に非晶質になっていることを示している。ただし、本来の形態からのピークがいくらか確認できる。
多形体形態C
図18は、形態Cに対するGVS図を示している。結晶形態である、多形体形態Cは、非晶質物質に比べて、有意に吸湿性が弱く、90%RHで、8.2%の水しか受け取らない。GVS実験後、多形体形態Cに対するXRPDパターンにおいて、変化は観察されなかった
実施例15
Karl Fischer(KF)による水の測定
各試料の含水量を、Hydranal Coulomat AG試薬およびアルゴンパージを用いてMettler Toledo DL39電量計上で測定した。秤量した固体試料を、水の進入を回避するためのsubasealに結合している白金TGAパン上の容器に導入した。滴定ごとに約10mgの試料を使用し、測定を繰り返した。
非晶質物質(非晶質の相A)中の含水量は、Coulometric Karl Fischer分析により、約5.1%と測定された。この結果であれば、TGA実験において観察された4.6%の減量が説明できた。
多形体形態C中の含水量は、Coulometric Karl Fischer分析により、1%未満と測定された。多形体形態C中の含水量は、Coulometric Karl Fischer分析により1%未満の検出可能量であると測定された。多形体形態C中の含水量は、Coulometric Karl Fischer分析により、約0.54%、約0.56%、または約0.85%であると測定された。
実施例16
HPLCによる化学的純度の測定
純度分析は、ダイオードアレイ検出器を装備したAgilent HP1100シリーズシステムで、ChemStationソフトウェアvB.02.01-SR1を用いて実施した。
化合物1の含有量および薬物関連不純物の含有量の測定に使用した安定度の表示方法は、分離用にWaters150×4.6mm 3.5μm C8カラムを利用した勾配逆相HPLC方法である。移動相は、70%移動相A(水中0.1%トリフルオロ酢酸)から開始し、30%移動相Aに変化する二成分勾配である。移動相Bは、アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸からなる。分析の試料は、メタノール中の設定濃度0.2mg/mLで溶解し、分離用の注入量は、10μlである。化合物1およびその関連物質の検出は、UV、波長260nmによる。
本方法の特異性、精度、直線性(範囲)、正確さ(系および方法)、および安定度の表示能力が方法検証プロセスの間に検討された。結果は、本方法が、0.02mg/mL(約10%設定)から0.30mg/mL(約120%設定)の濃度で直線的であることを示している。本方法の精度は、設定濃度0.2mg/mLの、80%、100%、および120%で調製した試料を注入することで判定された。精度試験の結果は、すべての回収物が、理論値の80〜120%以内であることを示した。
本方法の安定度を示す能力は、酸(0.1N塩酸)、塩基(0.1N水酸化ナトリウム)、酸化(10%過酸化水素)、および強い強度の光(ICH Photostability条件II)の条件下で、強制的に分解させた化合物2の試料を、注入することによって検討した。試料は最小10%分解させた。HPLCクロマトグラムにおける主要化合物1バンドを妨害する分解生成物ピークは、発見されなかった。したがって、本方法は、安定度を表示する方法としての使用に対し、十分な特異性を実証した。
方法の検証の結果は、本方法が、化合物1または製薬上許容されるその塩および/または溶媒和物の放出試験および安定度試験における使用に好適であることを示している。
化合物2を含有す試料中のいくらかの関連した不純物は、これらに限らないが、以下:
を含む。
不純物(HPLC領域に基づく)の総量は、4%未満、3.5%未満、3%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、または0.5%未満である。
本明細書中に記載されている化合物2の試料は、95%を超える、96%を超える、97%を超える、98%を超える、98.2%を超える、98.98%を超える、99%を超える、または99.5%を超える純度(HPLC領域に基づく)を有する。
残留溶媒
残留溶媒に関する試験は、API中に存在し得る、合成に使用した微量の溶媒を検出するために実施する。分析は、ヘッドスペースまたは直接注入分析を介して、水素炎イオン化検出器(FID)を装備したガスクロマトグラフを用いて実施する。合成で使用したすべての残留溶媒は、この方法により検出可能である。
潜在的な残留溶媒は、エタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチル-tert-ブチル-エーテル(MTBE)、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタンを含む。
実施例17
ICP-AESによる重金属(Pd)
合成におけるPdの触媒量の使用から生じる微量のパラジウム(Pd)を、誘導結合プラズマ発光分析(ICP-AES)によりアッセイする。ICP-AESによるPd含有量は、約20ppm未満のパラジウムの検出可能な量である。ICP-AESによるPd含有量は、約20ppm未満である。ICP-AESによるPd含有量は、約20ppm未満、約15ppm未満、約10ppm未満、約9ppm未満、約8ppm未満、約7ppm未満、約6ppm未満、または約5ppm未満の検出可能な量のパラジウムである。ICP-AESによるPd含有量は、約20ppm未満、約15ppm未満、約10ppm未満、約9ppm未満、約8ppm未満、約7ppm未満、約6ppm未満、または約5ppm未満である。ICP-AESによるPd含有量は、約10ppm、約6ppm、約5ppm、約4ppm、約3ppm、約2ppm、または約1ppmである。一態様において、試料または医薬組成物は、検出可能な量のパラジウムを含まない。
実施例18
重金属(鉛として)
この試験は、USP<231>方法IIにより実施する。
実施例19 形態CのIR分光法
Harrick内部反射ナノサンプラーを装備した、Nicolet Model 510M-O赤外分光光度計を使用した。試料の少量の部分を、内部反射率ナノサンプラー上に置き、バックグラウンド補正したスペクトル400cm
-1〜4000cm
-1を収集した。
実施例20
FLAP結合アッセイ
化合物2を、膜結合アッセイを用いて、ヒトFLAPに結合するその能力を検査した。ヒト多形核白血球からの膜およびトリチウム標識したロイコトリエン合成阻害剤、3H-3-[5-(ピリド-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルチオ-1-ベンジル-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸をリガンドとして用いて、ヒトのFLAPに対する化合物2の親和性を評価した。そのようなFLAP結合アッセイの非限定的な例は、以下の通りである。
充填したヒト多形核細胞ペレット(1.8×10
9細胞)(Biological Speciality Corporation)を再懸濁し、溶解し、100,000gの膜を記載の通り調製した(Charlesonら、Mol.Pharmacol、41、873〜879、1992)。100,000gのペレット状の膜を、Tris-Tweenアッセイ緩衝液(100mM Tris HCl pH7.4、140mM NaCl、2mM EDTA、0.5mM DTT、5%グリセロール、0.05% Tween20)中に再懸濁し、タンパク質濃度50〜100μg/mLを生成した。10μLの膜懸濁剤を、96ウェルMilliporeプレート、78μL Tris-Tween緩衝液、10μL
3H3-[5-(ピリド-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルチオ-1-ベンジル-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸(または
125I MK591誘導体、Egglerら、J. Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals、1994、vXXXIV、1147))約30,000cpmまでの、2μLの阻害剤に加え、30分間室温でインキュベートした。100μLの、洗浄した氷冷緩衝液をインキュベーション混合物に加えた。次いでプレートを濾過し、200μLの氷冷Tris-Tween緩衝液で、洗浄し(3×)、シンチレーション下のグラフを密閉し、100mμLのシンチラントを加え、15分間振盪させ、次いでTopCountでカウントした。10μM 3-[5-(ピリド-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルチオ-1-ベンジル-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオン酸の存在下での、総放射性結合マイナス非特異性結合と定義されている通り、特異結合を求めた。薬剤滴定曲線のGraphpadプリズム分析を用いて、IC
50値を求めた。化合物2は、用量依存的に放射リガンド結合を阻害し、平均IC
50は2.9±1.0nMであった。結果を、表12に記載する。
実施例21 ヒトの血中LTB 4 阻害アッセイ
洗浄したヒト白血球およびヒトおよびラットの全血での、イオノフォア刺激後のLTB
4産生を阻害する能力について、化合物2を評価した。そのようなヒト血中LTB
4阻害アッセイの非限定的な例は、以下の通りである。同意したヒトボランティアから血液をヘパリン処理したチューブへと採取し、125μLアリコートを50%ジメチルスルホキシド2.5μL(溶媒)または50%ジメチルスルホキシド中薬物2.5μLを含有するウェルに加えた。試料を、15分間37℃でインキュベートした。2μLのカルシウムイオノフォアA23817(アッセイの直前にHanks平衡塩類溶液(Invitrogen)中50mMジメチルスルホキシドストックから1.25mMに希釈した)を加え、溶液を混合し、37℃で30分間インキュベートした。試料を、1,000rpm(約200×g)で、4
oCで10分間遠心し、血漿を取り除き、ELISA(Assay Designs)を用いてLTB
4濃度について、1:100希釈液をアッセイした。溶媒LTB
4の50%阻害(IC50)を達成する薬物濃度を、%阻害対ログ薬物濃度の非直線性回帰(Graphpad Prism)により求めた。ヒト白血球アッセイからの結果を表13に記載する。
実施例22
代謝経路の解明
化合物2の代謝プロファイルを、(1)ラット、イヌ、サル、およびヒトの肝臓ミクロソーム、(2)ラットおよびヒトの肝実質細胞、ならびに(3)経口用投薬後、スプラーグドーリーラットから採取した胆汁を用いて検討した。
インビトロのミクロソームインキュベーションは、ヒドロキシル化した代謝産物を形成し、これは以下を含む:
(a)ヒドロキシル化した3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(M1)、(b)3-[3-tert-ブチルスルフィニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(M2)、および(c)3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-N-オキシ-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(M3)。
インビトロの肝実質細胞インキュベーションは、代謝産物を形成し、これは以下を含む:
(a)3-[3-tert-ブチルスルフィニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(M2)、(b)3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-N-オキシ-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(M3)および(c)3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸のアシルグルコヌリド(gluconuride)(M4)。
胆汁中で確認した代謝産物は、経口投薬後にスプラーグドーリーラットから採取した以下を含む:
(a)3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-ヒドロキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸(M5)、(b)ヒドロキシル化がフェニル-ピリジン部分で生じる、ヒドロキシル化した代謝産物、および(c)同様にヒドロキシル化したグルクロン酸抱合代謝産物。
ラット、イヌ、サル、およびヒトのミクロソームまたはラットおよびヒトの肝実質細胞は、同様のプロファイルを示した。
実施例23
細胞外シトクロムP450阻害
化合物2が、薬剤と薬物との間の任意の相互作用を引き起こしている可能性があるかどうかを検討するため、ミクロソームを試験基質とインキュベートした。この試験基質は、化合物2有り無しで、CYP酵素を代謝することが知られていた。
各アッセイに対するインキュベーション条件の特定の態様(例えば、タンパク質濃度、インキュベーション時間など)は、Walsky & Obach、2004 (Walsky、R. L., and Obach、R. S. Validated assays for human Cytochrome P450 activities. Drug Met. Disp. 32:647-660、2004)において定義されている。一般的に、表1aおよび1bにおいて定義されたようなタンパク質濃度でのミクロソームを、緩衝液(100mMカリウムリン酸二水素塩、pH7.4)、塩化マグネシウム(3.3mM)および基質と混合し、氷上で維持した。この混合物のアリコート(89μL)を、アリコートの阻害剤(1μL)を含有する96穴ポリプロピレンプレートの各ウェルに送達した。最終溶媒濃度は、1%(v/v)以下であった。10μLのβ-NADPH(10mMストック)を最終容量100μLに添加することによって、インキュベーションを開始した。内標準(ブスピロンまたはCJ-13,610)を含有する1.5〜2×アセトニトリルの添加により、インキュベーションを終結した。試料を遠心し、上清をLC-MS分析に移した。
化合物2の有り無しでのインキュベーションでの基質の既知の代謝産物への変換によると、化合物2は、P450(CYP)酵素の阻害剤でなかった。CYP3A4、1A2、2C9、2C19、および2D6酵素に対して、40μMまで、およびこれを超える濃度で、明らかな阻害は観察されていない。
実施例24
細胞のシトクロムP450誘導の欠乏
化合物2の有り無しでのインキュベーションでの基質の既知の代謝産物への変換によると、化合物2は、凍結保存したヒトの肝実質細胞において、P450、CYP3A4またはCYP2C9の誘発物質ではなかった。短く述べると、凍結保存したヒトの肝実質細胞を解凍し、製造元(In Vitro Technologies、Gathersburg、MD)の指示書に従いプレーティングした。細胞を温め、次いで予め温めたInVitro GRO CP培地中に注ぎ入れ、穏やかに再懸濁し、次いでTrypan Blueによる除外を用いて細胞をカウントした。次いで細胞をCP培地で0.7×10-6生存細胞/mlに希釈した。各ウェルに、0.2mlの生存細胞混合物を提供した。プレートを穏やかに振盪させることによって、ウェル内に細胞を均等に分散し、プレートを37℃、5%二酸化炭素でインキュベートした。24時間の時点で、培地を新鮮なCP培地に置き換えた。48時間後、CP培地を、10μMで試験した化合物2を含有するHI培地に置き換える。陽性対照であるリファンピシンを25μMで試験した。24時間後、培地を、新鮮な培地プラス試験製品に置き換えた。48時間の時点で、ミダゾラム(50μM)およびジクロフェナク(50μM)を、4時間0.15mLのK-H緩衝液中でインキュベートした。内部標準(ブスピロン)を含有するアセトニトリル0.15mLの添加により反応を終了させ、物質を遠心し、上清を、LC-MS分析用に移動した。10μMで試験した場合、CYP3A4およびCYP2C9に対して明らかな誘導は観察されなかった(米国FDA Guidance for Industry、「Drug Interaction Studies - Study Design、Data Analysis、and Implications for Dosing and Labeling」、September 2006)。対照的に、CYP3A4およびCYP2C9を誘発することが知られている治療薬であるリファンピシンは、CYP3A4を11倍および2C9を2.5倍誘導した。図20は、化合物2によるCYP3A4および2C9誘導の欠乏を図示している。
実施例25 血漿結合
化合物2(10μM)は、ラット、イヌ、サルおよびヒトの血漿においてよく結合した。平衡透析を用いて、実験を実施した。表17は、そのような結合の概要を述べている。
実施例26 マウスにおける肝臓の重量変化
4日間にわたる250mg/kg/日の化合物2の経口投与後、ビヒクル対照(n=6/群、表11)と比較した場合、メスのCD-1マウスにおいて、有意な肝臓重量増加が明らかにならなかった。肝臓重量は、有意には変わらず(ビヒクル対照の5%と比較して)、剖検では、全体的な異常を示さなかった。対照的に、ジロートン(250mg/kg/日)は、有意に肝臓重量を増加した(ビヒクル対照と比較して31.0%、P<0.05)。化合物2、ジロートンおよびアセトアミノフェン(APAP)を、0.5%メチルセルロースビヒクル中の均一な懸濁剤として調製し、体重の10ml/kgの容量で投与した。マウス(6/群)には、4日間の間毎日、ビヒクル、化合物2(250mg/kg)、ジロートン(250mg/kg)またはAPAP(250mg/kg)のいずれかを与えた。最終の薬剤投与から24時間後、マウスを密閉したPlexiglasチャンバー内に置き、呼吸が停止するまで、30〜60秒の間CO
2に曝露した。次いでこれらを取り出し、頸椎脱臼を施し、心臓の穿刺を介して血液を採取した。マウスを次に仰臥位に配置し、正中に切り込みを入れた。すべての器官を点検し、慎重な解離により肝臓を取り除いた。肝臓重量ならびに任意の全体的な異常を記録した。
医薬組成物
製薬上許容される塩および/または製薬上許容される溶媒和物をはじめとする、化合物1を含む医薬組成物は、様々な形態を含む。一態様において、医薬組成物は、経口用剤形の形態であった。一態様において、経口用剤形は、経口用溶液、経口用懸濁剤、錠剤、丸剤、またはカプセル剤として配合された。
実施例27
経口用溶液剤/懸濁剤
一実施形態においてヒトが使用するのに適した経口用水溶液を、経口投与用に調製した。一実施形態において、経口用水溶液を、投与前に調製した。
特定の実施形態において、化合物2を、哺乳動物へ経口投与するのに適した溶液剤へと配合した。
化合物2、無水炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、無水エタノール、Syrpalta(商標)(Humco)、Simple syrup(Humco)、および70%ソルビトール溶液剤(Humco)を以下に示すすべての製剤に使用した。報告されたpH値を、pHを示す細片に基づき推定した。化合物1は、約9〜10より低いpH値で、やや溶けにくいことが特定の溶媒系で観察された。したがって、特定の実施形態において本明細書中で提供されるのは、約9より上、約10より上、または約10のpHを有する製剤であった。特定の実施形態において、製剤は、約10のpHで緩衝した。調製したすべての製剤は、約10分間超音波処理した。調製した製剤は、表19に記載した。
24時間約2℃から約8℃で保存後、透明な溶液剤は、透明なままである。
表19に概要を述べた、オスのSpargue-Dawleyラットへの溶液剤の投与の結果、Tmaxが約2時間以下となった。これは、化合物2が胃および上部消化管において、急速に吸収されたことを示している。
即放性小児用製剤の例を表20および21に提示する。
経口用の再調製した顆粒剤製剤の例を表22に提示する。
実施例28 即放性錠剤
錠剤を、表24に記載の成分を用いて調製した。
ステアリン酸マグネシウム以外のすべての成分を秤量してステンレススチール容器に入れた。この粉末混合物を、70-メッシュ篩に通して、別のSS容器に入れた。次いでこの篩にかけた粉末を、増強棒(intensifying bar)(Peterson-Kelly Blend Master 17425102Q)を備えたV-ブレンダーに移し、30分間混合した。次いでステアリン酸マグネシウムをV-ブレンダーに加え、もう1分間混合した。粉末ブレンドをねじ口のついたプラスチックビンに収集した。直径10mm丸型Bツールを備えたColton 4-ステーション回転式打錠機を用いて、特定のロットを作った。新しいセットの直径10mm丸型Bツールを備えた、Piccola 10-ステーション回転式打錠機を用いて、他のロットを作った。錠剤を、平均重量333.3±10mgで、硬さ=8〜12Kpに圧縮した。加圧の間、錠剤重量および硬さをランダムにチェックした。「固化したもの」、「小片」、「穿孔機に付いたもの」、「重量外れのもの」をはじめとする欠陥錠剤を取り除き、錠剤収量の総数を計算した。錠剤は、乾燥剤なしで、HDPEビン内に保存した。
分解:錠剤分解試験を、イオン交換水溶媒、37℃+/-2℃で、29〜32サイクル/分間の速度で、USP分解装置を用いて実施した。測定された平均分解時間は、75秒、標準偏差は7秒であった。
脆砕性:20錠剤を、第10番篩内に入れ、柔らかいブラシを使用して、浮いているちりを取り除いた。錠剤の重量を記録した。次いで錠剤を、USP脆砕性装置のドラム内に入れ、25rpmで100時間回転させた。錠剤をドラムから取り出し、柔らかいブラシで、あらゆる浮いているちりを取り除いた。錠剤の総重量を再び記録することによって、重量の減少のパーセンテージを計算した。重量の減少は、約0.17%であった。
硬度:錠剤の硬度測定を、Schleuniger Model2E/106錠剤テスターを用いて実施した。測定された平均硬度は、8.5Kp、標準偏差0.8であった。
溶解度:6個の錠剤について、USP溶解装置を以下の条件で用いて、溶解試験を実施した:
溶媒:イオン交換水中1%ドデシル硫酸ナトリウム、pH7.0
容量:500mL
温度:37℃
USP方法:USP I型、バスケット
スピード:100rpm
HPLCで測定された、溶解プロファイルを、表25(n=6)に記載する。
安定度:表26〜30は、錠剤について実施した安定度試験の結果を図示する。
別の態様において、本明細書中に提供されているのは、表31および32に記載の即放性(IR)錠剤製剤である。製造方法は、通常、造粒(乾式、湿式または溶融)または直接加圧である。以下に挙げられた例は、50mg錠剤に対するものである。
さらに別の実施形態において、本明細書中に提供されているのは、即放性カプセル製剤である。即放性カプセル製剤の例として、表33および34に記載のものが挙げられる。
実施例30 単回用量での速度
化合物2は、絶食させた、および餌を与えたメスのビーグル犬で、懸濁剤として、および50mg即放性(IR)丸剤の形で検討された。結果を表35に示す。
絶食させた、または餌を与えた、メスビーグル犬への経口懸濁剤、化合物2の投与は、餌を与えた動物における、バイオアベイラビリティー(F)および用量調整されたAUC(それぞれ、52%および19%、26および13.6μg・hr/mL)の減少を示す。IR丸剤はまた、絶食させた、または餌を与えた比較用のイヌにおける経口懸濁剤と比較した場合、経口バイオアベイラビリティーおよび用量調整したAUCの約30%の減少を示す。化合物2は、食物およびIR丸剤形態が存在する場合、経口吸収がわずかに減少する。
実施例31
フェーズ1試験
これは、健康なボランティアにおける化合物2のフェーズ1、単一施設、二重盲検法である。
目的:(1)経口投与後の、化合物2の単回投与および複数回投与の安全性および認容性、および(2)単回投与および複数回投与後の化合物2の薬物動態(PK)、および(3)化合物2の薬力学(PD)マーカー:全血イオノフォア刺激によるロイコトリエンLTB4および尿中LTE4産生についての効果を評価する。
試験設計:単一施設、二重盲検の、無作為化、プラセボ対照、単回漸増用量、続いて複数回漸増用量の試験。
サンプルサイズ:(1)単回投与フェーズ:1つの用量レベルにつき、8名の被験体(実薬6、プラセボ2)、5つまでの用量レベルを予定(5つの用量レベルが完了した場合、合計40名の被験体)、および(2)複数回投与フェーズ:1つの用量レベルにつき8名の被験体(実薬6、プラセボ2)、4つまでの用量レベルを予定(4つの用量レベルをすべて実行する場合、合計32名の被験体)。
製剤:化合物2を再調製用の経口粉末として供給した。プラセボ溶液剤をマッチングした。化合物2(10mg/mL)を、1%(w/w)Lutrol L-44(Poloxamer124)および99%(w/w)炭酸ナトリウム水性緩衝液(0.010M、pH9-10)を含む水溶液中で、スクラロース(甘味剤として、約5mg/100mLの濃度)と共に調製した。プラセボは、活性成分が存在しないということのみ異なる。
投与量および投与の進行:(1)単回投与フェーズ:プラセボ、および化合物2の投与、(2)複数回投与フェーズ:一日あたりのプラセボ、および化合物2の投与を11日間。以下の投薬コホートを使用した。
投与経路:すべての用量は、経口的に投与し、約100mLの水で流した。被験体は、投薬前少なくとも8時間絶食し、投薬後2時間絶食した。複数回投与フェーズでのBID投薬については、適用可能な場合、被験体は、第2の一日量の投与前に少なくとも2時間絶食した。
試験手順:
化合物1の血漿中濃度を、確証されたLC/MS法を用いて測定した。イオノフォア刺激による全血ロイコトリエンLTB4および尿中LTE4の産生を、それぞれELISAおよび質量スペクトル法でアッセイした。
スクリーニングの来診手順:試験薬の投与の21日(3週間)前に、以下の検査および評価を実施することによって、被験体が、組入および除外基準を満たしているか判定した。すべての組入および除外基準を満たしていない被験体は、試験には参加しなかった。スクリーニングの来診手順は、以下の通りである:被験体は、少なくとも8時間の一晩にわたる絶食後、次の朝、朝食前に試験施設に集合しなければならない。同意文書に目を通し、署名する。スクリーニング手順をはじめとする、試験に関連するいかなる手順を実施する前に、インフォームドコンセントを得なければならない。治療歴を収集する。身長および体重を測定する。身体検査を実施し、バイタルサイン(血圧、心拍(パルス)、呼吸数、および体温を含む)を記録する。標準的12リードECGを実施する。併用薬を記録する。血液検査用の空腹時血液試料を採取する。血清HCG(女性の被験体のみ)をはじめとする血清化学検査用の空腹時血液試料を採取する。HIV、HCVおよびHB Agについてのウイルススクリーニングを実施する。尿検査および尿薬物スクリーニング用の空腹時尿試料を採取する。
第1日目の前の晩の手順:被験体は、試験薬の投与第1日目の前日の午後、3:00PM頃に試験施設に集合しなければならない。10:00PM以降はいかなる食べ物も食べてはならない(10:00PM以前の統一した間食はとってよい)。来診手順は、以下の通りである:引き続き適格性があることを確認する。最新の治療歴を得る。最新の併用薬を記録する。バイタルサインを記録する(血圧、心拍(パルス)、呼吸数、および体温を含む)。繰り返される尿薬剤スクリーンを行う。ベースライン(投与前)LTE4に対して尿を採取する。血清HCG妊娠試験を実施する(女性被験体のみ)。
第1日目の手順:投与前のバイタルサインを記録する。血液検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。血清化学検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。ベースラインPKおよびLTB4用の投与前血液試料(5mL EDTAおよび4mLヘパリン処理)を得る。ベースライン(投与前)LTE4に対する試験薬の投与前の「スポット」尿を採取する。試験薬を投与する。バイタルサインを記録する。試験薬の投与から1、2、4および12時間後、AEを記録する。併用薬を記録する。試験薬の投与から2〜4時間後、標準的12リードECGを実施する。化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、0.25、0.5、1、2、3、4、6、8、12、および16時間の時点で採取する。LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を、0.5、1、2、3、4、6、8、および12時間の時点で採取する。LTE4用の尿を、以下の別の間隔で採取し:0〜3、3〜6、6〜9、および9〜12時間、スポット尿を16時間の時点で採取する。1日2回の投薬群に対して(行われた場合):前の投与から12時間±30分間後、試験薬を投与し、その前には、≧2時間の絶食を行う。
第2日目の手順(投薬から24→48時間後まで):すべての被験体に対して(注意:単回投与フェーズ被験体には試験薬は投与されない):投与前のバイタルサインを記録する(第1回目の試験薬投与から24時間後)。血液検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。血清化学検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。AEを記録する。併用薬を記録する。化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、第1回目の試験薬の投与から、24および36時間後の時点で採取する。LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を、第1回目の試験薬の投与から24時間後の時点で採取する。LTE4用の「スポット」尿試料を、第1回目の試験薬の投与から24および36時間後の時点で採取する。複数回投与フェーズ被験体に対して:試験薬を投与する。試験薬の投与から2および12時間後のバイタルサインを記録する。1日2回の投薬群に対して(行われた場合):前の投与から12時間±30分間後、試験薬を投与し、その前には、≧2時間の絶食を行う。
第3日目の手順(投薬後≧48時間):すべての被験体に対して(注意:単回投与フェーズ被験体には試験薬は投与されない):AEを記録する。併用薬を記録する。化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、第1回目の試験薬の投与から48および60時間後の時点で採取する。LTE4用の「スポット」尿試料を、第1回目の試験薬の投与から48時間後の時点で採取する。単回投与被験体のみ:LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を、第1回目の試験薬の投与から48時間後の時点で採取する。複数回投与フェーズ被験体に対して:化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、1、2、3、4、および6時間の時点で採取する。投与前バイタルサインを記録する。試験薬を投与する。バイタルサインを、試験薬の投与から2および12時間後の時点で記録する。1日2回の投薬群に対して(行われた場合):前の投与から12時間±30分間後、試験薬を投与し、その前には、≧2時間の絶食を行う。
第4〜10日の手順:単回投与フェーズ被験体に対して、第4日目:試験の終了手順を参照。複数回投与フェーズ被験体に対して:投与前バイタルサインを記録する。第1回目の試験薬の投与から72時間後の時点で、LTE4用の「スポット」尿試料を採取する。化合物2のPK用の、毎日の投与前空腹時血液試料(5mL EDTA)を採取する。第5日目に、標準的な12リードECGを、試験薬の投与から2〜4時間後の時点で実施する。第5日目および7日目に、血液検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。第5日目および7日目に、血清化学検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。試験薬を毎日投与する。試験薬の投与から2および12時間後のバイタルサインを記録する。AEを記録する。併用薬を記録する。1日2回の投薬群に対して(行われた場合):前の投与から12時間±30分間後、試験薬を投与し、その前には、≧2時間の絶食を行う。
第11日目の手順:投与前バイタルサインを記録する。血液検査用の投与前空腹時血液試料を取る。血清化学検査用の投与前空腹時血液試料を採取する。PKおよびLTB4用の投与前血液試料(5mL EDTAおよび4mLヘパリン処理)を採取する。LTE4用の投与前尿を採取する。試験薬を投与する(最後の薬剤投与)。バイタルサインを、試験薬の投与から2および12時間後の時点で記録する。AEを記録する。併用薬を記録する。標準的12リードECGを、試験薬の投与から2〜4時間の時点で実施する。化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、0.25、0.5、1、2、3、4、6、8、12、および16時間の時点で採取する。血液試料(4mLヘパリン処理)を、LTB4用に0.5、1、2、3、4、6、8、および12時間の時点で採取する。LTE4用の尿を、以下の別の間隔:0〜3、3〜6、6〜9、および9〜12時間で採取し、「スポット」尿を、試験薬の投与後16時間の時点で採取する。
第12日目手順(最後の投与の24→48時間前まで):第11日目の試験薬の投与から24時間後の時点でバイタルサインを記録する。AEを記録する。併用薬を記録する。化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、第11日目の試験薬投与から24および36時間後の時点で採取する。LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を、第11日目の試験薬の投与から24時間後の時点で採取する。LTE4用の「スポット」尿試料を、第11日目の試験薬の投与から24および36時間後の時点で採取する。
第13日目手順:化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、第11日目の試験薬の投与から48および60時間後の時点で採取する。LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を、第11日目の試験薬の投与から48時間後の時点で採取する。LTE4用の「スポット」尿試料を、第11日目の試験薬の投与から48時間後の時点で採取する。
試験終了手順(最後の試験薬の投与から≧72時間後):健康診断を行い、バイタルサインを記録する(血圧、心拍(パルス)、呼吸数、および体温を含む)。血液検査用の空腹時血液試料を採取する。血清化学検査用の空腹時血液試料を採取する。尿検査用の「スポット」空腹時尿試料を採取する。化合物2のPK用の血液試料(5mL EDTA)を、試験薬の投与から72時間後の時点で採取する。LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を、第11日目の試験薬の投与から72時間後の時点で採取する。LTB4用の血液試料(4mLヘパリン処理)を第1日目の試験薬の投与から72時間後の時点で採取する(単回投与フェーズのみ)。LTE4用の「スポット」尿試料を、試験薬の投与から72時間後の時点で採取する。標準的12リードECGを実施する。AEを記録する。併用薬を記録する。
手順の時間枠:以下の時間枠が、本試験において利用される。特に明記しない限り、試験で特定された評価に対して±15分間の枠がある。検査による安全性の評価(空腹時血液検査および血清化学検査)に対して、時間枠は、特定された時間点の±4時間である。尿スポットチェックに対して、時間枠は、特定された時間点の±30分間である。
採取される血液量:以下は、本試験の単回および複数回投与フェーズの間に採取される、推定上の血液量である。BID投薬が、複数回投与フェーズで調査された場合、PKおよびPD評価用に採取された血液量は、以下の表37に記述の量より少ない。
試料の分析:化合物1の濃度は、被験体から採取した血漿試料中で測定した。同様に、血漿中のLTB4および尿中LTE4の濃度は、採取した血液試料および尿試料の中で測定した。
単回投与試験からのpK結果を、表38および図21に提示する。
単回用量が投与された後の薬力学特性(血中LTB
4レベル、尿中LTE
4レベル)を図22および23ならびに表39に提示する。
単回用量および複数回用量が投与された後の薬力学特性(血中LTB
4レベル、尿中LTE
4レベル)を表40および表41に提示する。
複数回投与の薬物動態学的なデータを表42に記載する。
化合物2の単回および複数回投与は、エキソビボで、検討した投与範囲全部にわたり、平均最大阻害61%から102%で、全血中のイオノフォア刺激によるLTB4形成を著しく阻害した。
化合物2の単回および複数回投与は、検討した投与範囲全部にわたり平均最大阻害54%〜98%で、尿中LTE4排出を著しく阻害した。
平均して、Tmaxは、イオノフォア刺激によるLTB4形成の阻害に対して、2時間〜12時間の間であり、LTE4の阻害に対して、9時間〜24時間である。
検討した投与範囲に対して、化合物1の血漿中濃度と、イオノフォア刺激によるLTB4産生の阻害との間には関連があり、EC50値は、約70ng/mLであり、EC90は約320ng/mLであった。
イオノフォア刺激によるLTB4産生の完全な阻害は、化合物1の血漿中濃度、およそ1000〜1500ng/mLで到達した。
図24は、150mg複数回投与コホートで観察された化合物1の血漿中濃度を図示している。第3〜9日に、血漿中濃度を投与前に測定した。
図25は、150mg複数回投与コホートで観察された血液からのイオノフォア刺激によるLTB4形成の阻害を図示している。P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、およびP8は、150mg複数回投与コホートのヒトを指す。P1およびP2は、化合物2を摂取しなかった対照であった。
化合物2の薬物動態学的な測定は、プロトン化された形態(化合物1)の測定を含む。
前述の治験は、化合物1、または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、ヒトの、血液からのイオノフォア刺激されたLTB4形成およびLTE4レベルを低下させることを示した。LTB4およびシステイニルロイコトリエン(LTC4、LTD4およびLTE4)は、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患と共に、ヒトにおいて上昇するロイコトリエンである。ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性の状態または疾患を有するヒトでのロイコトリエンレベルの低下は、状態または疾患に有利となる。前述の治験は、化合物1または製薬上許容されるその塩(例えば化合物2)は、ロイコトリエン依存性またはロイコトリエン媒介性状態または疾患の治療または予防に有用であることを示した。
本明細書中に記載されている実施例および実施形態は、例示的であり、様々な当業者に示唆された修正または変更が、本開示に含まれるものとする。当業者であれば認識されることになるが、上記実施例に挙げた特定の成分は、他の機能上の同等な成分、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、賦形剤などにより、代替され得る。