JP5766194B2 - 感熱発色性組成物及び該組成物を用いてなる感熱記録材料 - Google Patents

感熱発色性組成物及び該組成物を用いてなる感熱記録材料 Download PDF

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Description

本発明は高い堅牢度と鮮明な色相を有する発色体を形成する感熱発色性組成物に関する。さらには、該組成物を含有してなる感熱記録材料に関する。
従来、紙、プラスチック、布、缶、ビン等の物体に着色する場合、色を呈したインキ、墨、塗料等を塗工し、溶媒が蒸発することによって物体に付着し、着色物を得るといった方法が通常とられてきたが、近年、どのような文字、図、模様にも即座に対応できるシステムの要求が生じ、予め発色能力を有する層(以下、記録層という)が全面に塗布されている感熱記録材料が登場した。これは電気信号をサーマルヘッドで熱に変換し、さまざまな文字やパターンをたちどころに顕在化させて記録するものであり、簡便な装置で、容易に鮮明な発色像が得られるため、ファクシミリ用紙、ワープロ用紙、各種分析機器のチャート紙、切符、定期券、プリペイドカード、タッグ等として広く実用化されている。

通常、感熱記録材料の記録層には、電子供与性色素(フタリド系やフルオラン系のロイコ色素)を発色剤とし、電子受容性フェノール化合物を顕色剤として用いた系が良く知られている(特許文献1)。しかしながらこの系では、可逆反応を利用しているため、発色像の自然褪色や可塑剤、油、水、熱、光等による消色が簡単に起こることから、発色像の保存安定性が悪いという問題点を有している。
この欠点を克服するため、これまで他の種々の化合物が検討され、堅牢性の高いフタロシアニン化合物を利用する試みも提案されている。これは、フタロシアニン化合物の前駆体を記録層中に含有させ、加熱させることでフタロシアニン化合物を発色像とする方法であり、例えば、1−アミノ−3−イミノイソインドレニンまたはその誘導体と、有機酸金属塩または金属錯塩化合物を記録層に用いる方法が提案されている(特許文献2)。又、1,3−ジイミノイソインドリン等のイミノ化合物を担持させる感熱記録材料が提案されている(特許文献3)。しかしながら、いずれの場合も発色像の色相は鮮明でなく、実際に感熱記録材料として使用するのは困難であった。

さらに、芳香族イソシアナートとイミノ化合物との熱溶融反応による不可逆発色体を記録像として用いる感熱記録材料に用いる方法も提案されているが(特許文献4〜5)、発色像の保存安定性が悪いという欠点があった。

このような点から、従来の問題点を解決し、高い堅牢度と鮮明な色相を同時に満足する感熱記録材料が求められている。
特公昭45−14039号公報 特公昭58−8357号公報 特公平4−16353号公報 特開昭59−115887号公報 特開平2−103180号公報
本発明の課題は高い堅牢度と鮮明な色相を有する発色体を形成する感熱発色性組成物及び該組成物を用いてなる感熱記録材料を提供することである。
本発明者等は、前記課題について鋭意検討した結果、特定構造のヒドロキシキノリン化合物と、特定構造の酸無水物化合物とを用いることにより課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(i)メチル基を有するヒドロキシキノリン化合物と、一般式(1)で表される酸無水物化合物を含有する感熱発色性組成物に関し、
Figure 0005766194

式(1)中、Aは置換または未置換の芳香族炭化水素環を示し、nは1〜3の整数をあらわす。〕

(ii)前記(i)中、メチル基を有するヒドロキシキノリン化合物が、一般式(2)で表される化合物である上記(i)の感熱発色性組成物、
Figure 0005766194
〔式中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアルケニル基、置換または未置換のアルキニル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアラルキル基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアリールチオ基を表す。さらに、R2〜R5から選ばれる互いに隣接する基が互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の5員環以上の環を形成していてもよい。〕

(iii) 一般式(1)で表される置換または未置換の芳香族炭化水素環を有する酸無水物化合物が、下記式(1−1)〜(1−39)で表される化合物、及びこれら化合物に、置換基としてそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルケニル基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルキニル基、炭素原子数6〜30の置換または未置換のアリール基、炭素原子数7〜30の置換または未置換のアラルキル基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールオキシ基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールチオ基を有する化合物である請求項1記載の感熱発色性組成物。
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194

(iv)式(2)中、R1〜R5がそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルケニル基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルキニル基、炭素原子数6〜30の置換または未置換のアリール基、炭素原子数7〜30の置換または未置換のアラルキル基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールオキシ基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールチオ基を表す。
さらに、R2〜R5から選ばれる互いに隣接する基が結合して、置換している炭素原子と共に形成した、未置換のベンゼン環またはナフタレン環、あるいは、置換基としてそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数6〜18の置換または未置換のアリール基、炭素原子数6〜18の置換または未置換のアリールオキシ基を有するベンゼン環またはナフタレン環である(ii)記載の感熱発色性組成物、
さらに、
(v)上記(i)〜(iv)の感熱発色性組成物を含有する記録層を支持体上に担持させてなる感熱記録材料。
本発明により、高濃度の発色と発色像の保存安定性を同時に満足する感熱記録材料を提供することが可能となった。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明は、メチル基を有するヒドロキシキノリン化合物(以下、発色体形成成分Qの意
で成分Qと略す)と、一般式(1)で表される酸無水物化合物(以下、発色体形成成分Pの意で成分Pと略す)とを含む組成物が、熱エネルギーを加えることにより高濃度に発色することを基にするものである。
<成分Q>
本発明で使用される成分Qは、メチル基を有するヒドロキノリン化合物であり、メチル基の隣接炭素原子にヒドロキシ基が置換しているものが好ましく、より好ましくは、一般式(2)で表される2−メチル−3−ヒドロキシキノリン誘導体である。
Figure 0005766194
〔式中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアルケニル基、置換または未置換のアルキニル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアラルキル基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアリールチオ基を表す。
さらに、R2〜R5から選ばれる互いに隣接する基が互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の5員環以上の環を形成していてもよい。〕

一般式(2)において、R1〜R5は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルケニル基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルキニル基、炭素原子数6〜30の置換または未置換のアリール基、炭素原子数7〜30の置換または未置換のアラルキル基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールオキシ基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールチオ基である。
より好ましくは、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数2〜10の置換または未置換のアルケニル基、炭素原子数2〜10の置換または未置換のアルキニル基、炭素原子数6〜25の置換または未置換のアリール基、炭素原子数7〜25の置換または未置換のアラルキル基、炭素原子数3〜25の置換または未置換のアリールオキシ基、炭素原子数3〜25の置換または未置換のアリールチオ基である。

さらに好ましくは、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数6〜20の置換または未置換のアリール基である。

一般式(2)における、R1〜R5の具体例を以下に示す。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
未置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、n−ブトキシメチル基、n−ブトキシエチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2−(4'−ペンテニルオキシ)エチル基、エトキシプロピル基などの、アルコキシ基またはアルケニルオキシ基を有するアルキル基、例えば、ベンジルオキシメチル基、4−メチルベンジルオキシメチル基、3−クロロベンジルオキシメチル基、2−(ベンジルオキシメトキシ)エチル基などの、アラルキルオキシ基を有するアルキル基、例えば、フェニルオキシメチル基、4−クロロフェニルオキシメチル基、4−(2'−フェニルオキシエトキシ)ブチル基などのアリールオキシ基を有するアルキル基、例えば、n−ブチルチオメチル基、メチルチオエチル基、2−n−オクチルチオエチル基などのチオアルキル基を有するアルキル基、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、4−フルオロシクロヘキシル基、ジクロロメチル基、4−クロロシクロヘキシル基、7−クロロヘプチル基などのハロゲン原子を有するアルキル基が挙げられる。

置換または未置換のアルコキシ基としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有しても良いアルコキシ基であり、前記アルキル基の具体例として示したアルキル基から誘導されるアルコキシ基が挙げられる。

置換または未置換のアルキルチオ基としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有しても良いアルキルチオ基であり、前記アルキル基の具体例として示したアルキル基から誘導されるアルキルチオ基が挙げられる。
置換または未置換のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−シクロペンテニル基、1−ビニルヘキシル基、スチリル基、スチリルメチル基、2−スチリルエチル基などが挙げられる。

置換または未置換のアルキニル基としては、例えば、アセチレニル基、プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、2−メチル−1−ペンチニル基、フェニルアセチレニル基などが挙げられる。

置換または未置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アントラセニル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、2−ペリレニル基、3−ペリレニル基、2−フルオランテニル基、3−フルオランテニル基、7−フルオランテニル基、8−フルオランテニル基などの未置換のアリール基、例えば、1−メチル−2−ピレニル基、2−メチルフェニル基、3−エチニルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−(4'−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、2,4−ジメチルフェニル基などのアルキル基を有するアリール基、例えば、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、3−イソプロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、2−フェニルオキシフェニル基などのアルコキシ基またはアリールオキシ基を有するアリール基、例えば、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、2,6−ジフェニルフェニル基、4−(2'−ナフチル)フェニル基、2−フェニル−1−ナフチル基、1−フェニル−2−ナフチル基、7−フェニル−1−ピレニル基などのアリール基を有するアリール基、例えば、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基などのハロゲン原子を有するアリール基、更には、例えば、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ビストリフルオロメチルフェニル基、4−パーフルオロエチルフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−エチルチオフェニル基、4−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基などが挙げられる。
置換または未置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基などの、無置換またはアルキル基を有するアラルキル基、例えば、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基などのアリール基またはアラルキル基を有するアラルキル基、例えば、4−メトキシベンジル基、4−n−テトラデシルオキシベンジル基、4−n−ヘプタデシルオキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−メトキシメチルベンジル基、4−ビニルオキシメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、4−フェネチルオキシベンジル基などの置換オキシ基を有するアラルキル基。例えば、4−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基などの水酸基を有するアラルキル基、例えば、4−フルオロベンジル基、3−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基などのハロゲン原子を有するアラルキル基、更には、例えば、2−フルフリル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などが挙げられる。

置換または未置換のアリールオキシ基としては、前記に挙げた置換のアリール基と同様な置換基を有しても良いアリールオキシ基であり、前記に挙げた置換のアリール基の具体例として示した置換基から誘導される置換または未置換のアリールオキシ基が挙げられる。

置換または未置換のアリールチオ基としては、前記に挙げた置換のアリール基と同様な置換基を有しても良いアリールチオ基であり、前記に挙げた置換のアリール基の具体例として示した置換基から誘導される置換または未置換のアリールチオ基が挙げることができる。
一般式(2)中、R2〜R5から選ばれる互いに隣接する基が結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の5員環以上の環を形成している場合の環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、インデン環、フェナントレン環等を挙げることができ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環である。
又、前記5員環以上の環の置換基としては、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアリールオキシ基である。
好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数6〜18の置換または未置換のアリール基、炭素原子数6〜18の置換または未置換のアリールオキシ基である。
より好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜4の置換または未置換のアルコキシ基である。

これら置換基の具体例としては前記R1〜R5について示した置換基の例示と同じものがあげられ、そのうち好ましい置換基についても同様である。
本発明に係る式(2)で表わされる成分Qの具体例としては、例えば以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
<成分Qの製造法>
一般式(2)で表される成分Qは、それ自体公知の方法を参考にして製造することができる。すなわち、式(2)で表される化合物は、例えば,一般式(3)で表される化合物を、ヒドロキシアセトン化合物と縮合することにより製造することができる〔例えば、Biochemische Zeitschrift.,vol89,P280(1918)に記載の方法を参考にすることができる〕。
Figure 0005766194
<成分P>
本発明で使用される成分Pは、一般式(1)で表される酸無水物化合物であり、芳香族炭化水素環に置換している隣接したカルボキシル基同士が脱水縮合した無水物基を少なくとも1組有する。
Figure 0005766194

〔式中、Aは置換または未置換の芳香族炭化水素環を示し、nは1〜3の整数をあらわす。〕
一般式(1)のAである置換または未置換の芳香族炭化水素環としては、置換または未置換のベンゼン環、置換または未置換のナフタレン環、置換または未置換のアントラセン環、置換または未置換のフェナントレン環、置換または未置換のフルオレン環、置換または未置換のアセナフテン環、置換または未置換のインデン環、置換または未置換のピレン環、置換または未置換のペリレン環、置換または未置換のフルオランテン環、置換または未置換のアントラキノン環などを挙げることができる。
なお、該環が有していても良い置換基は、既述の一般式(2)中のR1〜R5で表される
置換基の例示と同義であり、その好ましい態様も同義である。
本発明に係る一般式(1)で表わされる成分Pの具体例としては、例えば以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
Figure 0005766194
<成分Pの製造法>
一般式(1)で表される成分Pは、それ自体公知の方法を参考にして製造することができる。
すなわち、式(1)で表される化合物は、例えば、それぞれ一般式(1−a)で表されるジカルボン酸化合物を、所望により脱水剤(例えば、硫酸)を使用して脱水閉環することにより製造することができる〔例えば、J.Am.Chem. Soc.,73 1371 (1951) に記載の方法を参考にすることができる〕。
Figure 0005766194

また、例えば、式(1−4)で表される化合物は、式(1−4a)で表されるメチレン置換芳香族化合物を、酸化剤として重クロム酸ナトリウムを用いて酸化することにより製造することもできる〔例えば、J.Org.Chem.,25 32 (1960) に記載の方法を参考にすることができる〕。
Figure 0005766194

<感熱発色性組成物>
本発明の成分Qと成分Pを含有する感熱発色性組成物について以下に説明する。
本発明の感熱発色性組成物は、本発明の成分Qと成分Pとを必須成分として含有するが、必要に応じバインダー等の他成分を含有する。他成分の種類や量は、感熱発色性組成物が適用される発色性材料の態様により異なる。
本発明の成分Qと成分Pは、常温で固体であることが感熱発色性組成物の適用において好ましいが、必須の条件ではない。常温で液体の場合にもマイクロカプセル化等の手段により適用可能である。又、成分Qと成分Pは単独で、あるいは2種以上混合して使用することもできる。
成分Qと成分Pの組成比は、適用される発色性材料の態様により異なるが、通常、モル比で成分Q:成分P=1:0.1〜1:10が好ましく、1:0.3〜1:3がより好ましい。
発色性材料としては、例えば感熱記録材料、通電発色記録材料、レーザー光記録材料等の発色性記録材料が挙げられ、他の記録方法、例えば磁気記録、金属薄膜記録、白濁記録等と組み合わせて使用することも可能である。
発色性記録材料の場合、成分Q及び成分Pをそれぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、必要に応じ、バインダー及びその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工し、乾燥する。得られた発色性記録材料に、80〜300℃の温度範囲において熱エネルギーを与えることにより、発色体を形成することができる。発色体を記録層全体に形成することも可能であるし、所望の箇所のみに形成することも可能である。加熱温度が80℃より低温であると発色に長時間を要するか、あるいは発色濃度が低く、300℃より高温であると成分Q、Pの分解を伴い易くなる傾向がある。
発色体を形成する際に用いられる熱エネルギーとしては、例えば、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペンのような熱エネルギーでも良いし、レーザー光のような光エネルギーであっても良く、結果として熱エネルギーに変換され得るエネルギー源であればなんでも用いることができる。

得られた発色体は、さまざまな色相を呈し、光、熱、湿度、可塑剤、油等に対して高堅牢性を示す。例えば、支持体として紙あるいはプラスチックシート等を選び、該支持体上に本発明の感熱発色性組成物を含有する記録層を担持させて得られる感熱記録材料では、該感熱記録材料の発色像は、堅牢度に極めて優れている。

本発明の感熱発色性組成物はまた、溶剤に溶解あるいは分散させ、インキあるいは塗料としても用いることができる。こうした塗料は、加熱処理を済ませたか、否かの判定に用いることができる。例えば、食品類の缶詰・ビン詰等の生産やゴムの生産の際に、缶、ビン、ゴムの一部に塗っておけば、未処理のものは変化がなく、加熱処理したものはあざやかな色相に変化するので、一目瞭然に区別できる。

また、本発明の感熱発色性組成物に熱エネルギーを与えて、濃色で堅牢な発色体を得、この発色体を粉砕して有機顔料とすることもできる。この有機顔料を用いてペイントを製造すると、強く堅牢なペイントを得ることができる。
<感熱記録材料>
本発明の感熱発色性組成物を含有する感熱記録材料について以下に説明する。

感熱記録材料は、支持体上に本発明の感熱発色性組成物を含有し、熱により発色状態を具現できる記録層を設けたものである。支持体としては、紙、合成紙、合成樹脂フィルム、ラミネート紙、不織布シート等が目的に応じて用いられる。
記録層は、基本的には、成分Q、成分P、バインダーの三成分を含有する。まず、成分Qと成分Pの二成分を、アトライターあるいはサンドミルで分散し、バインダーを加え感熱塗液とする。この時、成分Qと成分Pの二成分は、併せて分散してもよいし、別々に分散した後、混合しても良い。この様にして得られた感熱塗液を支持体上に塗布・乾燥することにより記録層が形成できる。
なお、感熱塗液は、成分Qと成分Pの二成分が微粒子として含有した分散状態であってもよいし、完全に溶解してしまい溶液状態であってもよい。
発色前駆体である成分Qと成分Pとのモル比は1:0.1〜1:6が好ましく、1:0.4〜1:3がさらに好ましい。また、発色前駆体混合物とバインダーの重量比は1:1〜1:0.01が好ましく、1:0.5〜1:0.05がさらに好ましい。

この記録層中には、目的に応じて融点降下剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機顔料等を添加することができる。
融点降下剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸及びそのエステル類等のワックス、ステアリン酸アミドのような酸アミド類、4,4’−ジメチルビフェニ−ルのようなジフェニル類、メチロールアミド類、1,3−ジニトロナフタリンのようなナフタリン類、尿素類、無水フタル酸のような酸類、アセトアニリド、ベンズアニリド、アルキルカルボン酸アニリドのようなアニリド類、トリフェニル類、フタロニトリル類、ビスレゾルシノールエチレンエーテルのようなエーテル類、4−t−ブチルサリシレートのようなサリチル酸誘導体、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、ベンゾトリアゾール類、フルオレン、ジメチルイソフタレート、ジフェニルスルホン、マンデル酸、ベンゾイン、エチルアントラキノン、クマロン化合物、N−エチルカルバゾールのようなカルバゾール類、スルホンアミド類、トリフェニルメタン類、ジベンゾチアジルジスルフィドのようなチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドのようなスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムジスルフィドのようなチウラム類、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛のようなジチオ酸塩類、ジフェニルグアニジンのようなグアニジン類、N,N−ジフェニルチオ尿素のようなチオ尿素類、カルボン酸のフェニルヒドラジド誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、N,N−ジフェニルホルムアミドのようなアミド類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、ベンゾイン及びその誘導体、2−クロロアントラキノン、ベンゾールパーオキサイド、サリチル酸p−t−ブチルフェニルのようなサリチル酸エステル類、ジフェニルアクリル酸エチルのようなシアノアクリレート類が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ジ(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)チオエーテル、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンのようなヒンダードフェノール類、セバシン酸ジ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)のようなヒンダードアミン類が挙げられる。

顔料としては、タルク、クレー、シリカ、焼成カオリン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、尿素−ホルマリン樹脂が挙げられる。
バインダーの分散媒としては、水や有機溶媒(トルエン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタノール、エチルシクロヘキサン、ジオキサン等)が用いられる。

分散媒が水の時のバインダーとしては、ポリビニルアルコール樹脂、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、アクリルアマイド樹脂、ゼラチン、アラビアゴム等が使用できる。

分散媒が有機溶媒の時のバインダーとしては、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、テルペン樹脂、ビニルトルエン/ブタジエン共重合体樹脂、ビニルトルエン/アクリレート共重合体樹脂、スチレン/アクリレート共重合体樹脂、ビニル/イソブチルエーテル共重合体樹脂等が使用できる。

また、記録層の上に保護層、記録層の下に下塗り層を設けることもできる。

保護層には、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂が使用できる。

下塗り層は、発色性を向上させるために断熱性の微小中空粒子、焼成カオリン、有機顔料、熱膨張性マイクロカプセル等を使用することができる。
以下、合成例、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)成分Q:化合物番号(2−4)の製造
Biochemische Zeitschrift., vol89, P280(1918)に記載の方法に従って、一般式(3)で表される5−iso−プロピル−2−アミノベンズアルデヒドと、ヒドロキシアセトンとを縮合することにより実施例1〜4で使用した成分Qを合成した。
(合成例2)成分Qの製造
実施例5〜20で使用した、化合物番号(2−1)、化合物番号(2−12)、化合物番号(2−21)、化合物番号(2−24)、化合物番号(2−25)、化合物番号(2−26)、化合物番号(2−34)、化合物番号(2−37)は、Biochemische Zeitschrift.,vol89, P280 (1918)に記載の方法に従って、それぞれ対応する、一般式(3)で表される誘導体と、ヒドロキシアセトンとを縮合することにより合成した。
(合成例3)成分P:化合物番号(1−1)の製造
J.Am.Chem.Soc., 73 1371 (1951)に記載の方法に従って、フタル酸を脱水閉環することにより実施例1で使用した成分Pを合成した。
(合成例4)成分P:化合物番号(1−4)の製造
J.Org.Chem., 25 32 (1960)に記載の方法に従って、アセナフテンを、重クロム酸ナトリウムを用いて酸化することにより実施例2で使用した成分Pを合成した。
(合成例5)成分P:化合物番号(1−7)の製造
J.Am.Chem.Soc., 73 1371 (1951)に記載の方法に従って、1,10−アントラセンカルボン酸を脱水閉環することにより実施例3で使用した成分Pを合成した。
(合成例6)成分P:化合物番号(1−35)の製造
J.Am.Chem. Soc., 73 1371 (1951) に記載の方法に従って、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸を脱水閉環することにより実施例4で使用した成分Pを合成した。
(合成例7)成分Pの製造
実施例5〜20で使用した、化合物番号(1−1)、化合物番号(1−2)、化合物番号(1−3)、化合物番号(1−9)、化合物番号(1−20)、化合物番号(1−21)、化合物番号(1−24)、化合物番号(1−29)、化合物番号(1−32)、化合物番号(1−36)、化合物番号(1−38)、化合物番号(1−39)、化合物番号(1−81)、化合物番号(1−89)、化合物番号(1−97)、化合物番号(1−98)は、J.Am.Chem.Soc., 73 1371 (1951)に記載の方法に従って、それぞれ対応する、カルボン酸を脱水閉環することにより合成した。
(実施例1) 感熱記録材料の作製
成分Qとして、化合物番号(2−4)で示される化合物5gと、成分Pとして、化合物番号(1−1)で示される化合物5gをそれぞれサンドミルで2時間粉砕した。次いで、粉砕した成分Qと粉砕した成分Pにバインダーとして「アルマテックス」(商品名:三井化学製)1gを加えよく混合し感熱発色性組成物を作製した。この感熱発色性組成物を上質紙上に乾燥塗布量が6g/mとなるように塗布・乾燥し、感熱記録材料を得た。
得られた感熱記録材料に130℃のアイロンを3秒間接触させ、全面発色像を得た。この発色像は鮮やかな黄色であった。
なお、上記で得た感熱記録材料の発色像を以下の項目に付いて測定、評価した。評価結果を表2に示した。
(I)濃度
マクベス濃度計(TR−254型)により測定し、アンバーフィルターを用いた時のOD値を表す。
(II)発色像堅牢度
次式に示す残存率で評価した。
残存率(%)=(試験後の発色像濃度/試験前の発色像濃度)×100
(II−1)耐光性試験
発色像に、紫外線カーボンアーク(スガ試験機製)を24時間照射後の残存率で表した。
(II−2)耐湿性試験
発色像を、60℃、相対湿度90%で24時間保った後の濃度を測定し、残存率を求めた。
(II−3)可塑剤安定性試験
発色像に、ジオクチルフタレートを含有したカプセル塗工液を塗布した紙を重ね合わせ、加圧ロールを通過させた後、25℃で1週間保った後の濃度を測定し、残存率を求めた。
(II−4)ラップ安定性試験
発色像に、ハイラップ(三井化学製)を接触させ、100g/cmの荷をかけて40℃で24時間保った後の濃度を測定し、残存率を求めた。

(実施例2) 感熱記録材料の作製
実施例1において、化合物番号(1−1)で示される化合物5gの代わりに、化合物番号(1−4)で示される化合物5gを成分Pとして用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、感熱記録材料及び全面発色像を得た。この発色像は鮮やかな赤色であった。
作製した感熱記録材料の発色像に関して、実施例1と同様に測定、評価した結果を表2に示した。
(実施例3) 感熱記録材料の作製
実施例1において、化合物番号(1−1)で示される化合物5gの代わりに、化合物番号(1−7)で示される化合物5gを成分Pとして用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、感熱記録材料及び全面発色像を得た。この発色像は鮮やかな紫色であった。
作製した感熱記録材料の発色像に関して、実施例1と同様に測定、評価した結果を表2に示した。
(実施例4) 感熱記録材料の作製
実施例1において、化合物番号(1−1)で示される化合物5gの代わりに、化合物番号(1−35)で示される化合物2.5gを成分Pとして用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、感熱記録材料及び全面発色像を得た。この発色像は鮮やかな紺青色であった。
作製した感熱記録材料の発色像に関して、実施例1と同様に測定、評価した結果を表2に示した。
(実施例5〜20)感熱記録材料の作製
実施例1における成分Pと成分Qの代わりに、表1に記載した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、それぞれ発色体を形成した。
作製した感熱記録材料の発色像に関して、実施例1と同様に測定、評価した結果を表2に示した。
(比較例1) 感熱記録材料の作製
実施例1において、化合物番号(2−4)で示される化合物の代わりに、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、化合物番号(1−1)で示される化合物の代わりに、ビスフェノールAを用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、感熱記録材料及び全面発色像を得た。この発色像は黒色であった。
作製した感熱記録材料の発色像に関して、実施例1と同様に測定、評価した結果を表2に示した。

表1
Figure 0005766194

表2
Figure 0005766194

表2から判るように、本発明の感熱発色性組成物を用いた感熱記録材料は、特に発色像の堅牢性に優れるため非常に有用である。
本発明により、高い堅牢度と鮮明な色相を有する発色体を形成する感熱発色性組成物及び該組成物を用いてなる感熱記録材料を提供することが可能になった。

Claims (5)

  1. メチル基を有するヒドロキシキノリン化合物と、一般式(1)で表される酸無水物化合物を含有する感熱発色性組成物。
    Figure 0005766194

    式(1)中、Aは置換または未置換の芳香族炭化水素環を示し、nは1〜3の整数をあらわす。〕
  2. 請求項(1)中、メチル基を有するヒドロキシキノリン化合物が、一般式(2)で表される化合物である請求項1記載の感熱発色性組成物。
    Figure 0005766194
    〔式中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアルケニル基、置換または未置換のアルキニル基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアラルキル基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアリールチオ基を表す。さらに、R2〜R5から選ばれる互いに隣接する基が互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の5員環以上の環を形成していてもよい。〕
  3. 一般式(1)で表される置換または未置換の芳香族炭化水素環を有する酸無水物化合物が、下記式(1−1)〜(1−39)で表される化合物、及びこれら化合物に、置換基としてそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルケニル基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルキニル基、炭素原子数6〜30の置換または未置換のアリール基、炭素原子数7〜30の置換または未置換のアラルキル基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールオキシ基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールチオ基を有する化合物である請求項1記載の感熱発色性組成物。
    Figure 0005766194

    Figure 0005766194
    Figure 0005766194
    Figure 0005766194
  4. 式(2)中、R1〜R5がそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルケニル基、炭素原子数2〜20の置換または未置換のアルキニル基、炭素原子数6〜30の置換または未置換のアリール基、炭素原子数7〜30の置換または未置換のアラルキル基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールオキシ基、炭素原子数3〜30の置換または未置換のアリールチオ基を表す。
    さらに、R2〜R5から選ばれる互いに隣接する基が結合して、置換している炭素原子と共に形成した、未置換のベンゼン環またはナフタレン環、
    あるいは、置換基としてそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルコキシ基、炭素原子数1〜10の置換または未置換のアルキルチオ基、炭素原子数6〜18の置換または未置換のアリール基、炭素原子数6〜18の置換または未置換のアリールオキシ基を有するベンゼン環またはナフタレン環である請求項2記載の感熱発色性組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかの感熱発色性組成物を含有する記録層を支持体上に担持させてなる感熱記録材料。
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