JP6664553B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、a)式(I)の化合物と、b)式(II)の化合物とを含む感熱記録材料、この感熱記録材料の使用、およびこの感熱記録材料の製造方法に関する。
感熱記録材料は多年にわたり公知であり、かつ好評を博している。この好評は、とりわけ、この使用が、発色成分が記録材料自体の中に含まれていて、それによりトナーカートリッジなしのおよびカラーカートリッジなしのプリンターを使用できるという利点を伴うことに起因している。したがって、もはや、トナーカートリッジまたはカラーカートリッジを入手し、保管し、交換し、または補充する必要はなくなる。よって、この革新的な技術は、ことに公共交通機関および小売業において広範囲に受け入れられている。
しかしながら、最近では、ことに、カラーアクセプタ−ともいわれる特定の(カラー)顕色剤の、部分的にはまた、熱供給時に(カラー)顕色剤と反応して視覚的に認識可能な色を形成する染料前駆体の環境調和性についての懸念が増し、工業およびことに商業により留意されるようになってきている。例えば、最近では、(カラー)顕色剤において、例えばよく知られかつ自然科学で特に研究された
・ ビスフェノールA(これは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである)および
・ ビスフェノールS(これは4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンである)
として公知の成分は、公然の批判の中心にあり、したがって、しばしば、
・ BASF SE社のPergafest(登録商標)201(これはN−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−(3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル)尿素である)、
・ D8(これは4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホンである)、および
・ N−{2−[(フェニルカルバモイル)アミノ]フェニル}ベンゼンスルホンアミドに置き換えられる。
感熱記録材料を、ことにチケットまたは宝くじ券として使用する場合、熱、湿分および化学薬品のような環境の影響に対するその耐性に関して改善する目的で、このような記録材料を製造するための基礎化学および製造技術が絶えずさらに開発されていた。
感熱記録材料上に得られる感熱印刷出力物(熱誘導記録)の、水、アルコール水溶液および可塑剤に対する耐久性を向上させるため、独国特許出願公開第102004004204号明細書(DE 10 2004 004 204 A1)は、感熱記録層が通常の染料前駆体およびフェノール系顕色剤と尿素−ウレタンを基礎とする顕色剤との組合せを有する感熱記録材料を提案している。
独国特許出願公開第102015104306号明細書(DE 10 2015 104 306 A1)には、支持基材、ならびに少なくとも1つの発色剤と少なくとも1つのフェノール不含の顕色剤とを含む感熱発色層を含む感熱記録材料が記載されていて、ここで、フェノール不含の顕色剤として、例えばN−フェニル−N′[(フェニルアミノ)スルホニル]−尿素、N−(4−メチルフェニル)−N′[(4−エチルフェニルアミノ)スルホニル]−尿素、N−(4−エトキシカルボニルフェニル)−N′[(4−エトキシカルボニルフェニルアミノ)スルホニル]−尿素または類似した構造の化合物が使用される。
特開2014−218062号公報(JP 2014-218062 A)には、支持体上に少なくとも1つのロイコ染料と顕色剤とを含む感熱記録層を有する感熱記録材料が記載されている。顕色剤として、4,4′−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンとN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドとの混合物が使用される。
国際特許出願の国際公開第2016/136203号(WO 2016/136203 A1)には、N−(2−(3−フェニルウレイド)フェニル)フェニルスルホンアミドの結晶形および記録材料中でのこの結晶形の使用が記載されている。この結晶形は、X線粉末回折図または回折図における回折反射のデータによりおよび融点により特徴付けられ、それによりこの化合物の他の結晶形と区別される。さらに、この結晶形は、同様にIRスペクトルにおける吸収バンドにより相互に区別することができることが言及される。化合物の異なる結晶形は、この化合物を使用して製造された記録材料の異なる特性を生じさせることができることも示される。
米国特許出願公開第2005/0148467号明細書(US 2005/0148467 A1)の主題は、不可逆印刷画像を形成するために少なくとも、一方がキレート型の系でありかつ他方が慣用のロイコ染料系である2つの発色系の成分を含む感熱記録材料である。
しかしながら、厳しい競争の市場で大量の販売量に基づき低い製造コストで製造可能でなければならず、したがって簡単な構造を有していなければならない、最も多様な用途のための他の感熱記録材料の恒常的な需要が生じる。他の課題は、印刷された感熱記録材料が、チケット、入場券、乗車券、駐車券などとしての典型的な使用の際に、湿分、熱または化学薬品のような様々な異なる環境の影響に曝されることにある。
このように、感熱記録材料は、通常の使用の間に、感熱印刷出力物の耐久性に影響を及ぼすことがある様々な異なる物質と接触することがある。これらの物質は、水および有機溶媒の他に、例えばハンドケア製品中に含まれていてかつ感熱記録材料との接触の際にこの感熱記録材料に移ることがある油脂を含む。したがって、ことに、油脂に対する耐久性は極めて重要である。
感熱記録材料と接触することがある化学薬品に対する耐久性の他に、感熱記録材料は、熱的影響に対する高い耐久性も有していなければならない。一方では、感熱記録材料は、例えばモバイル用途であまりエネルギーを消費しないために、省エネルギーでかつ簡単に印刷することができることが好ましい。他方では、印刷された画像は、印刷後に維持されることが好ましく、熱の作用下で印刷された画像は退色しないことが好ましく、また印刷されていない背景は変色しないことが好ましく、そうでないと印刷はもはや読みにくくなりかねない。例えば、印刷後にフロントガラスの下に保管されそれにより夏の場合に高温および直射日光に曝される駐車券の場合に、耐熱性は非常に重要である。
頻繁にあらかじめずっと前に作成されるコンサートチケットまたは航空券のようなチケットの場合でも、または長い保証期間にわたり購入証明として必要であるレシートまたは領収書の場合でも、感熱記録材料の長期耐久性は極めて重要である。
したがって、多様な環境の影響に対して感熱印刷出力物の耐久性を改善するという恒久的な需要が生じる。したがって、本発明の課題は、印刷された状態で、湿分、熱または化学薬品のような環境の影響に対して高い耐久性を有する感熱記録材料を提供することにある。
好ましくは、感熱記録材料は、高温(40〜60℃)でかつ場合により高い空気湿度であっても低い長期老化を有し、かつこの場合、脂肪に対して、先行技術と比べて改善されたまたは少なくとも同じ耐久性を有するべきである。
この課題は、
i)支持基材と、
ii)感熱記録層と
を含み、この感熱記録層は、発色剤と顕色剤混合物とを含み、かつこの顕色剤混合物は、
a)式(I)
Figure 0006664553
の化合物と、
b)式(II)
Figure 0006664553
の化合物とを含み、
ここで、式(I)の化合物は、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1で吸収バンドを有する結晶形で存在する、感熱記録材料により解決される。
式(II)の化合物は、すでに公知の化合物のN−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−(3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル)尿素であり、これはPergafast 201の名称で販売され、例えば欧州特許第1140515号明細書(EP 1 140 515 B1)に記載されている。Pergafast 201は、最も頻繁に使用されているフェノール不含の顕色剤である。
式(I)の化合物も同様にすでに公知であり、例えば欧州特許出願公開第2923851号明細書(EP 2 923 851 A1)に記載されている。これは、NKKの名称で販売されている。しかしながら、式(I)の化合物は、異なる2つの結晶形で存在することができることが明らかとなった。両方の結晶形は、感熱記録材料に影響を及ぼすことがある異なる物理特性を有する。
式(I)の化合物の一方の結晶形は、約158℃の融点を有するのに対し、式(I)の化合物の本発明により使用される第二の結晶形は、175℃の融点を有する。感熱記録材料との関連で、文献には今までに、約158℃の融点を有する結晶形である式(I)の化合物が記載されていただけであった(例えば欧州特許出願公開第2923851号明細書(EP 2 923 851 A1)、段落[0084]参照)。約175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形の製造も、その使用も、文献には記載されていない。したがって、相応する文献において融点が明確に言及されていない場合であっても、約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形が常に使用されていたことが当然のはずである。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形は、最近になって市場で入手可能となっている。
したがって、本発明によると、式(I)の化合物の結晶形が、10K/minの加熱速度で動的示差熱量測定(DKK)により決定して、170℃〜178℃、好ましくは173℃〜177℃、特に好ましくは174℃〜176℃の温度で(好ましくは吸熱性の)転移を示す感熱記録材料が好ましい。
式(I)の化合物の両方の結晶形は、同様にIR吸収スペクトルにおいても互いに区別することができる。特に、式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形では、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1での吸収バンドが特徴的である。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形では、このバンドは存在せず、それぞれ3322および3229cm-1にバンドが存在する。
本発明の場合には、式(I)の化合物の結晶形が、IRスペクトルにおいて、689±10cm-1、731±10cm-1、1653±10cm-1、3364±20cm-1および3401±20cm-1で吸収バンドを有する感熱記録材料が好ましい。
本発明の場合には、式(I)の化合物の結晶形のIR吸収スペクトルが、図1a)、2a)および/または3a)に示されたIR吸収スペクトルとほぼ一致する感熱記録材料が好ましい。
式(I)の化合物の両方の結晶形は、同様にX線粉末回折図または回折図において互いに区別することができる。本発明の場合には、式(I)の化合物の結晶形が、10.00±0.20、11.00±0.20、12.40±0.20、13.80±0.20および15.00±0.20の°2θ値で回折反射を有するX線粉末回折図を有する感熱記録材料が好ましい。
本発明の場合には、式(I)の化合物の結晶形が、図4bで示されたX線粉末回折図とほぼ一致するX線粉末回折図を有する感熱記録材料が好ましい。
式(I)の化合物の中では、本明細書の範囲内で、他の結晶構造の存在が明確には記載されていない限り、常に、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1で吸収バンドを有する、もしくは175℃の融点を有する、もしくは(10K/minの加熱速度で動的示差熱量測定(DKK)により決定して)170℃〜178℃の間の温度で転移を有する、もしくはX線粉末回折図において少なくとも10.00±0.20、11.00±0.20、12.40±0.20、13.80±0.20および15.00±0.20の°2θ値で回折反射を有する結晶形を述べる。
a)融点、b)X線粉末回折図における回折反射、またはc)IRスペクトルにおける吸収バンドの詳細は、化合物の結晶形を説明するためだけに利用されかつそれによりこの結晶形を化合物の他の結晶形と区別することを可能にすることは自明である。これらの測定量のうち1つの詳細は、この場合、通常では、異なる結晶形の区別を行うためにすでに十分である。この場合、IRスペクトルにおける吸収バンドの詳細が特に好ましい、というのも、IRスペクトルは当業者にとって極めて容易にかつ高い再現性で測定することができ、かつIR分光計は化学実験室での標準設備に属するためである。
意外にも、本発明による感熱記録材料は、顕色剤混合物を同じ質量部で式(I)の化合物または式(II)の化合物に置き換えた感熱記録材料よりも有意に改善された長期安定性を有することが明らかとなった。したがって、本発明により使用された、式(I)の化合物と式(II)の化合物との組合せは、予測不能であり、したがって全く意外である相乗効果を有する。
本発明の場合に、90℃で24時間の貯蔵の際の感熱記録材料の老化が、顕色剤混合物を同じ質量部で式(I)の化合物または式(II)の化合物に置き換えた感熱記録材料の老化よりも少ない感熱記録材料が好ましい。
同様に本発明の場合に、40℃でかつ90%の相対空気湿度で38日間の貯蔵の際の感熱記録材料の老化が、顕色剤混合物を同じ質量部で式(I)の化合物または式(II)の化合物に置き換えた感熱記録材料の老化よりも少ない感熱記録材料が好ましい。
感熱記録材料の老化は、印刷された領域の印刷濃度が比較試料の場合よりもあまり著しくは低下していない場合により少ないと見なされる。
意外にも、本発明による感熱記録材料は、改善された長期安定性の他に、本発明による顕色剤混合物を同じ質量部の式(I)の化合物に置き換えた感熱記録材料よりも、脂肪、ことにラノリンに対して改善された耐久性も有することが明らかとなった。この場合、脂肪、ことにラノリンに対する耐久性は、本発明による顕色剤混合物を同じ質量部で式(I)または(II)の化合物に置き換えた感熱記録材料の耐脂性よりも良好であることもある。したがって、相応して、脂肪に対する耐久性の観点でも、予測不能であり、したがって全く意外である相乗効果が存在する。
本発明の場合に、ラノリンに対する感熱記録材料の14日後の耐久性は、顕色剤混合物を同じ質量部で式(I)の化合物に置き換えた感熱記録材料の耐久性よりも高い感熱記録材料が好ましい。
本発明の場合に、ラノリンに対する感熱記録材料の14日後の耐久性は、顕色剤混合物を同じ質量部で式(II)の化合物に置き換えた感熱記録材料の耐久性よりも高いかまたは同じである感熱記録材料が同様に好ましい。
ラノリンに対する感熱記録材料の耐久性は、印刷された領域の印刷濃度が比較試料の場合よりもあまり著しくは低下していない場合により高いと見なされる。
当業者には、式(I)または(II)の化合物のような異なる顕色剤の組合せは、通常では感熱記録材料の特性の悪化を引き起こすことは公知である。通常では、2つ以上の顕色剤の組合せは、感熱記録材料の色の不所望な変化を引き起こすため、感熱記録材料は、この場合その他の特性は改善されずに、例えば灰色に見える。したがって、当業者は、上述の課題の解決を試みる際に、異なる顕色剤を相互に組み合わせることを考慮に入れず、かつ相応する試験を実施しないであろう。この理由からも、ここで示された本発明による解決策は意外である、というのも当業者はこの課題の解決のために、2つの顕色剤を相互に組み合わせるべきではないという技術的先入観をまず克服しなければならなかったためである。
本発明の場合に、式(I)の化合物と式(II)の化合物との質量比は、0.5:99.5〜99.5:0.5である感熱記録材料が好ましい。個別の調査において、式(I)および(II)の化合物の全質量を基準として、式(I)または(II)の化合物の0.5質量%より少ない割合の場合、それぞれの化合物の好ましい影響はそれほど強く表れないことが明らかになった。
本発明の場合に、式(I)の化合物と式(II)の化合物との質量比は、35:65〜65:35、好ましくは40:60〜60:40、特に好ましくは45:55〜55:45である感熱記録材料が特に好ましい。
個別の調査において、式(I)の化合物と式(II)の化合物との約1:1の質量比を有するか、または35:65〜65:35、好ましくは40:60〜60:40、特に好ましくは45:55〜55:45の上述に定義された範囲内の質量比を有する混合物は、改善された長期安定性に関しても、ラノリンに対する改善された耐久性に関しても相乗効果を有することが明らかになった。顕色剤混合物として、この質量比を有する混合物、つまり式(I)の化合物と式(II)の化合物との同じまたはほぼ同じ質量割合を有する混合物を有する感熱記録材料は、顕色剤混合物を同じ質量部の式(II)または(I)の化合物の一方だけと置き換えた感熱記録材料よりも良好な特性を示す。
本発明の場合に、支持基材が紙、合成紙またはプラスチックフィルムである感熱記録材料が好ましい。支持基材として、表面処理されていない塗工原紙が特に好ましい、というのもこれは良好なリサイクル性および良好な環境調和性を有するためである。表面処理されていない塗工原紙とは、サイズプレスまたは塗工装置において処理されていない塗工原紙であると解釈される。プラスチックフィルムとして、ポリプロピレンまたは他のポリオレフィンからなるフィルムが好ましい。本発明の場合に、1つ以上のポリオレフィン(ことにポリプロピレン)で被覆されている紙も好ましい。
極めて特に好ましい変更態様の場合に、支持基材は、紙中の全繊維素割合を基準として少なくとも70質量%のリサイクル繊維の割合を有する紙である。
本発明の場合に、支持基材と感熱記録層との間に配置された中間層をさらに含み、この中間層は、好ましくは顔料を含む感熱記録材料が好ましい。顔料は、有機顔料、無機顔料、または有機顔料と無機顔料との混合物であってよい。
本発明の場合に、中間層の面積基準の質量は、5〜20g/m2の範囲内、好ましくは7〜12g/m2の範囲内にある場合が好ましい。
中間層が顔料を含む場合に、本発明の一実施態様において、顔料が有機顔料、好ましくは有機中空体顔料である場合が好ましい。
個別の調査は、有機顔料の中間層内への結合が好ましいことを示した、というのも有機顔料は高い熱反射能を有するためである。有機顔料を備えた中間層の向上された熱反射により、熱に対する感熱記録層の応答挙動が高められる、というのも入射された熱は、支持基材に伝達されるのではなく、少なくとも部分的に感熱層内へ反射されるためである。それにより、感熱記録材料の感度および解像度は明らかに高められ、かつさらにサーマルプリンターにおける印刷速度は向上する。さらに、印刷過程の間のエネルギー消費量を低下することができ、このことは、ことにモバイル機器で好ましい。中空体顔料は、その内部に空気を有し、それにより、この中空体顔料は、通常ではさらにより高い熱反射を有し、かつ感熱記録材料の感度および解像度をさらにもっと高めることができる。
中間層が顔料を含む場合に、本発明の別の実施態様において、顔料が、好ましくは焼成カオリン、酸化ケイ素、ベントナイト、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムおよびベーマイトからなるリストから選択される無機顔料である場合が好ましい。
記録層と基材との間に配置された中間層内へ無機顔料が結合されている場合、この顔料は、サーマルヘッドの熱の作用により液化された感熱記録層の成分(例えばワックス)を字面形成の際に吸収し、かつそれにより熱により誘導された記録のよりいっそう確実でかつ迅速な運転モードを促進することができる。
中間層の無機顔料は、日本工業規格JIS K 5101により決定して少なくとも80cm3/100g、さらに良好に100cm3/100gの吸油量を有する場合が特に好ましい。焼成カオリンは、空洞部内でのその大きな吸収貯蔵に基づき特に有利であることが実証された。複数の異なる種類の無機顔料の混合物も考えられる。
有機顔料と無機顔料との量比は、この両方の種類の顔料により生じる効果の組合せであり、この効果は特に好ましくは、顔料混合物の5〜30質量%、より良好には8〜20質量%が有機顔料からなり、かつ95〜70質量%、より良好には92〜80質量%が無機顔料からなる場合に達成される。異なる有機顔料および/または無機顔料からなる顔料混合物が考えられる。
本発明の場合に、中間層が場合により無機顔料および/または有機顔料の他に、好ましくは合成ポリマーを基礎とする、少なくとも1つの結合剤を含む感熱記録材料が好ましく、ここでスチレン−ブタジエン−ラテックスが特に良好な結果を提供する。特に好ましくはデンプンのような少なくとも1つの天然ポリマーと混合して合成結合剤を使用することは、特に良好な実施形態である。無機顔料を用いた試験の範囲内で、さらに、中間層中での質量%を基準としてそれぞれ、3:7〜1:9の中間層内での結合剤−顔料比が特に適した実施形態であることが確認された。
本発明の場合に、発色剤が、フルオラン、フタリド、ラクタム、トリフェニルメタン、フェノチアジンおよびスピロピランからなる群からなる化合物の誘導体から選択される感熱記録材料が好ましい。
個別の調査は、この発色剤が、本発明により使用された顕色剤混合物との組合せにおいて特に良好な特性を有することを示した。
好ましい本発明による感熱記録材料は、発色剤として、好ましくは、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3′−メチルフェニルアミノ)フルオラン(6′−(ジエチルアミノ)−3′−メチル−2′−(m−トリルアミノ)−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9′−キサンテン]−3−オン;ODB−7)、3−ジ−n−ペンチル−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(ジエチルアミノ)−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−(4−n−ブチル−フェニルアミノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ジブチルアミン−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB−2)、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン)、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−(4−トルイジノ)フルオランおよび3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランからなる群から選択されるフルオラン型の化合物を有する。
発色剤として欧州特許出願公開第2923851号明細書(EP 2 923 851 A1)の段落[0049]〜[0052]に挙げられた化合物を含む本発明による感熱記録材料が同様に好ましい。
本発明の場合に、発色剤が3−N−ジ−n−ブチルアミン−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB−2)および3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランからなる群から選択される感熱記録材料が特に好ましい。
本発明の場合に、感熱記録層が増感剤を含む感熱記録材料が好ましい。
増感剤を使用する場合、この増感剤は、印刷過程の際の熱の供給の間にまず溶融し、この溶融した増感剤が、感熱記録層内に同時に存在する発色剤と顕色剤とを溶解させ、かつ/または発色剤と顕色剤との溶融温度を低下させて、顕色反応を引き起こす。増感剤は、顕色反応自体には関与しない。
したがって、増感剤とは、感熱記録層の溶融温度を調節するために使用され、かつこれにより、増感剤自体は顕色反応に関与することなしに、好ましくは約70〜80℃の溶融温度に調節することができる物質であると解釈される。
本発明の場合に、増感剤として、例えば脂肪酸塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミド(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド)、ナフタレン誘導体、ビフェニル誘導体、フタラートおよびテレフタラートを使用することができる。
本発明の場合に、増感剤が、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジ(m−メチルフェノキシ)エタン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、4,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホン、4−アセチルアセトフェノン、4−ベンジルビフェニル、アセト酢酸アニリド、ベンジル−2−ナフチルエーテル、ベンジルナフチルエーテル、ベンジル−4−(ベンジルオキシ)ベンゾアート、ベンジルパラベン、ビス(4−クロロベンジル)オキサラートエステル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、ジベンジルオキサラート、ジベンジルテレフタラート、ジメチルテレフタラート、ジメチルスルホン、ジフェニルアジパート、ジフェニルスルホン、エチレンビスステアリン酸アミド、脂肪酸アニリド、m−テルペニル、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−メチロールステアラミド、N−ステアリル尿素、N−ステアリルステアリン酸アミド、p−ベンジルビフェニル、フェニルベンゼンスルホナートエステル、サリチル酸アニリド、ステアラミドおよびα,α′−ジフェノキシキシレンからなる群から選択される感熱記録材料が特に好ましく、ここで、ベンジルナフチルエーテル、ジフェニルスルホン、1,2−ジ(m−メチルフェノキシ)エタンおよび1,2−ジフェノキシエタンが特に好ましい。
増感剤として、欧州特許出願公開第2923851号明細書(EP 2 923 851 A1)の段落[0059]〜[0061]に挙げられた化合物を含む本発明による感熱記録材料が同様に好ましい。
第一の好ましい実施態様の場合には、この増感剤はそれぞれ単独で使用され、すなわち、上述のリストから挙げられた他の増感剤と組合せて使用しない。第二の、いわば好ましい実施態様の場合には、上述のリストから選択された少なくとも2つの増感剤が、感熱記録層内へ結合される。
本発明の場合に、増感剤は、60℃〜180℃の融点、好ましくは80℃〜140℃の融点を有する感熱記録材料が好ましい。
さらに、本発明による感熱記録材料において、感熱記録層中での付加的添加剤としての4,4′−ジアミノジフェニルスルホン(4,4′−DDS、Dapson)の使用も場合により適切であることが証明されうる。感熱紙中の4,4′−ジアミノジフェニルスルホンの使用は、例えば国際公開第2014/143174号(WO 2014/143174 A1)に記載されている。本発明は、この場合に、4,4′−ジアミノジフェニルスルホンが感熱層中に、ことに付加的に添加剤として含まれている感熱記録材料に関する。
本発明の場合に、感熱記録層が結合剤、好ましくは、ポリビニルアルコール、カルボキシル基で変性されたポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール−コポリマー、ポリビニルアルコールとエチレン−ビニルアルコール−コポリマーとの組合せ、シラノール基で変性されたポリビニルアルコール、ジアセトンで変性されたポリビニルアルコール、アクリラート−コポリマーおよび塗膜形成アクリルコポリマーからなる群から選択される架橋されたまたは未架橋の結合剤を含む感熱記録材料が好ましい。
所望の場合に、本発明による感熱記録材料の感熱記録層を形成するための被覆材料は、1つ以上の結合剤の他に、この1つ以上の結合剤のための1つ以上の架橋剤を含む。好ましくは、この架橋剤は、炭酸ジルコニウム、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂、ホウ酸、グリオキサール、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクタト)チタン(IV)(CAS番号65104−06−5;Tyzor(登録商標)LA)およびグリオキサール誘導体からなる群から選択される。
1つ以上の結合剤と、この1つ以上の結合剤のための1つ以上の架橋剤とを含む被覆材料から感熱記録層が形成されている本発明による感熱記録材料は、感熱記録層中に1つ以上の架橋剤との反応により架橋された1つ以上の結合剤を含み、ここで、この1つ以上の架橋剤は、炭酸ジルコニウム、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂、ホウ酸、グリオキサール、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクタト)チタン(IV)(CAS番号65104−06−5;Tyzor(登録商標)LA)およびグリオキサール誘導体からなる群から選択される。「架橋された結合剤」とは、この場合、結合剤と1つ以上の架橋剤との反応により形成された反応生成物であると解釈される。
本発明の場合に、感熱記録層の面積基準の質量は、1.5〜6g/m2の範囲内、好ましくは2.0〜5.5g/m2の範囲内、特に好ましくは2.0〜4.8g/m2の範囲内にある感熱記録材料が好ましい。
同様に本発明の場合に、感熱記録層中の顕色剤混合物の割合は、感熱記録層の全固形分を基準として35〜15質量%、好ましくは31〜19質量%、特に好ましくは28〜22質量%である感熱記録材料が好ましい。
本発明による記録材料中で、付加的にさらに、先行技術において公知のような画像安定剤、分散剤、酸化防止剤、分離剤、消泡剤、光安定剤、増白剤が使用されてよい。これらの成分のいずれも、通常では、感熱記録層の全固形分を基準として0.01〜15質量%、ことに―消泡剤を除いて―0.1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%の量で使用される。これに関する配合物中に消泡剤を使用する場合、本発明による記録材料中に、消泡剤は、感熱記録層の全固形分を基準として0.03〜0.05質量%の量で存在してよい。
本発明による感熱記録材料の一実施態様の場合に、感熱記録層は完全にまたは部分的に保護層で覆われている。
感熱記録層を覆う保護層を配置することにより、感熱記録層は、外側に向けてまたはロール内の次の層の支持基材に対しても遮断されるので、外部の影響からの保護が行われる。
この種の保護層は、このような場合に、保護層の下に配置された感熱記録層の環境の影響からの保護の他に、頻繁に、ことにインディゴ印刷、オフセット印刷およびフレキソ印刷において、本発明による感熱記録材料の印刷適性を改善するという付加的な好ましい効果を有する。この理由から、特定の用途のために、本発明による感熱記録材料は保護層を有することが望ましいことがあるが、本発明による感熱記録材料の感熱記録層中に先に定義されたような顕色剤混合物が存在することにより、本発明による感熱記録材料上に得られた感熱印刷出力物の、水、アルコール、脂肪、油およびこれらの混合物からなる群から選択される材料に対する耐久性は、保護層なしでも十分である。
好ましくは、本発明による感熱記録材料の保護層は、カルボキシル基で変性されたポリビニルアルコール、シラノール基で変性されたポリビニルアルコール、ジアセトンで変性されたポリビニルアルコール、部分けん化されたおよび完全にけん化されたポリビニルアルコールおよび塗膜形成アクリルコポリマーからなる群から選択される1つ以上の架橋されたまたは未架橋の結合剤を含む。
好ましくは、存在する場合、本発明による感熱記録材料の保護層の形成のための被覆材料は、1つ以上の結合剤の他に、この1つ以上の結合剤のための1つ以上の架橋剤を含む。好ましくは、架橋剤は、ホウ酸、ポリアミン、エポキシ樹脂、ジアルデヒド、ホルムアルデヒドオリゴマー、エピクロロヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジド、メラミンホルムアルデヒド、尿素、メチロール尿素、炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドエピクロロヒドリン樹脂からなる群から選択される。
保護層が1つ以上の結合剤と、この1つ以上の結合剤のための1つ以上の架橋剤とを含む被覆材料から形成されている本発明による感熱記録材料は、保護層中に、1つ以上の架橋剤との反応により架橋された1つ以上の結合剤を含み、ここで、この1つ以上の架橋剤は、ホウ酸、ポリアミン、エポキシ樹脂、ジアルデヒド、ホルムアルデヒドオリゴマー、エピクロロヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジド、メラミンホルムアルデヒド、尿素、メチロール尿素、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂およびジヒドロキシビス(アンモニウムラクタト)チタン(IV)Tyzor(登録商標)LA(CAS番号65104−06−5)からなる群から選択される。「架橋された結合剤」とは、この場合、結合剤と1つ以上の架橋剤との反応により形成された反応生成物であると解釈される。
第一の変更態様の場合に、感熱記録層を完全にまたは部分的に覆う保護層は、1つ以上のポリビニルアルコールと1つ以上の架橋剤とを含む被覆材料から得られる。保護層のポリビニルアルコールは、カルボキシル基またはことにシラノール基で変性されていることが好ましい。多様なカルボキシル基またはシラノールで変性されたポリビニルアルコールの混合物も、好ましくは使用可能である。このような保護層は、オフセット印刷プロセスにおいて使用される、好ましくはUV架橋性印刷インキに対して高い親和性を有する。これは、この場合、オフセット印刷の範囲内で優れた印刷適性の要求を満たすことを決定的に補助する。
この変更態様による保護層用の1つ以上の架橋剤は、好ましくは、ホウ酸、ポリアミン、エポキシ樹脂、ジアルデヒド、ホルムアルデヒドオリゴマー、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジド、メラミンホルムアルデヒドおよびジヒドロキシビス(アンモニウムラクタト)チタン(IV)Tyzor(登録商標)LA(CAS番号65104−06−5)からなる群から選択される。異なる架橋剤の混合物も可能である。
好ましくは、この変更態様による保護層を形成するための被覆材料中で、変性されたポリビニルアルコール対架橋剤の質量比は、20:1〜5:1の範囲内、特に好ましくは12:1〜7:1の範囲内にある。特に好ましくは、変性されたポリビニルアルコール対架橋剤の比率は、100質量部対8〜11質量部の範囲内にある。
特に良好な結果は、この変更態様による保護層が、さらに無機顔料を含む場合に達成された。この場合、無機顔料は、好ましくは二酸化ケイ素、ベントナイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリンおよび上述の無機顔料からなる混合物から選択される。
この変更態様による保護層は、1.0g/m2〜6g/m2、特に好ましくは1.2g/m2〜3.8g/m2の範囲内の面積基準の質量で塗工することが好ましい。この場合、保護層は、好ましくは単層で形成される。
第二の変更態様の場合に、保護層の形成のための被覆材料は、結合剤としての水不溶性の自己架橋性アクリルポリマーと、架橋剤と、顔料成分とを含み、ここで、保護層の顔料成分は、1つ以上の無機顔料からなり、かつ少なくとも80質量%は高度に精製されたアルカリ処理されたベントナイトから形成されていて、保護層の結合剤は、1つ以上の水不溶性の自己架橋性アクリルポリマーからなり、かつ結合剤/顔料比は、7:1〜9:1の範囲内にある。
ここに記載された第二の変更態様による保護層内の自己架橋性アクリルポリマーは、好ましくは、スチレン−アクリル酸エステルコポリマー、アクリルアミド基を含む、スチレンおよびアクリル酸エステルのコポリマー、ならびにアクリロニトリル、メタクリルアミドおよびアクリルエステルを基礎とするコポリマーからなる群から選択される。後者が好ましい。顔料として、アルカリ処理されたベントナイト、天然または沈降炭酸カルシウム、カオリン、ケイ酸または水酸化アルミニウムが保護層内へ結合されていてよい。好ましい架橋剤は、環状尿素、メチロール尿素、炭酸ジルコニウムアンモニウムおよびポリアミドエピクロロヒドリン樹脂からなる群から選択される。
結合剤としての水不溶性の自己架橋性アクリルポリマーの選択および7:1〜9:1の範囲内のこのアクリルポリマー対顔料の質量比(i)、ならびに5超:1のこのアクリルポリマー対架橋剤の質量比(ii)により、比較的低い面積基準の質量を有する保護層の場合でもすでに、本発明による感熱記録材料の高い耐環境性が生じる。したがって、このような質量比が好ましい。
保護層自体は、通常の塗工機を用いて、好ましくは1.0〜4.5g/m2の範囲内の面積基準の質量で、塗工することができ、そのために、とりわけ、塗工インキが利用可能である。別の変型の場合に、保護層は印刷されている。加工技術的におよびその技術特性に関して、化学線により硬化可能な保護層が特に適している。「化学線」の概念とは、UV線または電離放射線、例えば電子線であると解釈される。
保護層の外観は、平滑化の種類およびならし機およびカレンダー中での摩擦に影響を及ぼすロール表面およびその材料によってほぼ決定される。ことに、存在する市場ニーズにより、(ISO規格8791第4部に従って決定して)1.5μm未満の保護層の粗さ(Parker Print Surf粗さ)が好ましいと見なされる。特に、本発明に先行する試験作業の範囲内で、NipcoFlexTMロールまたは区域制御されたNipco-PTMロールを使用するならし機の使用は好ましいことが判明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の他の態様は、入場券、航空券、鉄道乗車券、乗船券、バス乗車券、賭博券、駐車券、ラベル、レシート、銀行取引明細書、自己接着ラベル、医療用記録紙、ファックス用紙、証券用紙またはバーコードラベルとしての本発明による感熱記録材料の使用に関する。
本発明の他の態様は、本発明による感熱記録材料を含む製品、好ましくは入場券、航空券、鉄道乗車券、乗船券、バス乗車券、賭博券、駐車券、ラベル、レシート、銀行取引明細書、自己接着ラベル、医療用記録紙、ファックス用紙、証券用紙またはバーコードラベルに関する。
本発明の他の態様は、式(I)
Figure 0006664553
の化合物の、式(II)
Figure 0006664553
の化合物を顕色剤として含んでいる感熱記録材料の印刷画像の耐水性(ことに40℃でかつ90%r.F.(相対湿度)で)を改善するための使用に関し、ここで式(I)の化合物は、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1で吸収バンドを有する結晶形で存在し、式(I)の化合物と式(II)の化合物との質量比は、0.5:99.5〜99.5:0.5、好ましくは35:65〜65:35、さらに好ましくは40:60〜60:40、さらに好ましくは45:55〜55:45である。
本発明の他の態様は、少なくとも次の方法工程:
i.支持基材を準備または製造し;
ii.本発明による感熱記録材料中に使用される式(I)の化合物と本発明による感熱記録材料中に使用される式(II)の化合物とを含む被覆組成物を準備または製造し;
iii.準備または製造した支持基材上へ準備または製造した被覆組成物を塗工し;
iv.塗工した被覆組成物を乾燥させて感熱記録層を形成すること
を含む感熱記録材料の製造方法に関する。
本発明の場合に、方法工程
a)顔料を含む被覆組成物を準備または製造し;
b)支持基材上へ準備または製造した被覆組成物を塗工し;
c)塗工した被覆組成物を乾燥させて中間層を形成すること
をさらに含み、
ここで、方法工程a)〜c)は、方法工程ii.の前に実施され、かつ支持基材と感熱記録層との間に中間層が配置されている、方法が好ましい。中間層が形成される場合、本発明による方法の工程iii.において、準備または製造された被覆組成物の塗工は、形成された中間層上に行われ、準備または製造された支持基材上に直接は行われない。
本発明の場合に同様に、方法工程
A)被覆組成物を準備または製造し;
B)感熱記録層上へ準備または製造した被覆組成物を塗工し;
C)塗工した被覆組成物を乾燥させて保護層を形成すること
をさらに含み、
ここで、方法工程A)〜C)は、方法工程iv.の後に実施され、かつ保護層は感熱記録材料上に配置されている、方法が好ましい。
式(I)の化合物の2つの結晶形の約4000〜2000cm-1の波数領域におけるIRスペクトルの比較を示す。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形のIRスペクトルは、上側の部分に示されかつa)で表されている。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形のIRスペクトルは、下側の部分に示されかつb)で表されている。
式(I)の化合物の2つの結晶形の2400〜400cm-1の波数領域におけるIRスペクトルの比較を示す。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形のIRスペクトルは、上側の部分に示されかつa)で表されている。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形のIRスペクトルは、下側の部分に示されかつb)で表されている。
式(I)の化合物の2つの結晶形のIRスペクトルの比較を示す。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形のIRスペクトルは、上側の部分に示されかつa)で表されている。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形のIRスペクトルは、下側の部分に示されかつb)で表されている。
式(I)の化合物の2つの結晶形のX線粉末回折図の比較を示す。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形のX線粉末回折図は、上側の部分に示されかつa)で表されている。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形のX線粉末回折図は、上側の部分に示されかつb)で表されている。
感熱記録材料の長期耐候性(40℃でかつ90%r.F.で)の決定の結果を示す。示されたグラフ中で、印刷濃度(“density”)は、日(“days”)での時間に対して示されている。
感熱記録材料の長期耐候性(60℃で)の決定の結果を示す。示されたグラフ中で、印刷濃度(“density”)は、日(“days”)での時間に対して示されている。
感熱記録材料のラノリンに対する耐久性の決定の結果を示す。示されたグラフ中で、印刷濃度(“density”)は、時間(“h”)での時間に対して示されている。
式(I)の化合物の2つの結晶形の、質量分析に接続された液体クロマトグラフィー(LC−MS)を使用した測定の測定結果を示す。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形のクロマトグラムは、上側の部分に示されかつa)で表されている。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形のクロマトグラムは、下側の部分に示されかつb)で表されている。式(I)の両方の測定された化合物が不純物を含まないことが明らかに確認できる。下側の領域に、175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形のマススペクトル(“Mass spectrum”)が示されている。ベースピーク(最も強い強度を有するイオンピーク)は、366.09m/zのモル質量を有し、これはHを差し引いた式(I)の化合物のモル質量に相当する。したがって、融点の変化を引き起こしかねない溶媒和物の形成または不純物の存在は、排除することができる。さらに、下側の領域に、式(I)の化合物の構造、および式(I)の化合物の可能なイオン化されたフラグメントの構造が示されている。
式(I)の化合物の2つの結晶形の熱分析(示差熱分析(DTA)および熱重量分析(TG))の測定結果を示す。a)で印された線は、175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形に対応する。b)で印された線は、約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形に対応する。式(I)の化合物の両方の結晶形において、150℃を越える温度まで、熱重量曲線における質量変化は観察することができない。したがって、溶媒和物の存在は排除することができる、というのも、この場合では溶媒の蒸発は質量変化を伴い観察されうるためである。熱重量曲線における第一変曲点は、両方の化合物において約186℃である。示差熱分析において、158℃と174℃とで異なる融点を観察することができる。
式(I)の化合物の2つの結晶形の動的示差熱量測定(DSC)の測定結果を示す。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形の曲線は、上側部分に示されかつa)で表されている。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形の曲線は、下側の部分に示されかつb)で表されている。式(I)の化合物の両方の結晶形では、この化合物のそれぞれの融点までエンタルピー変化を観察することができない。したがって、溶媒和物の存在は排除することができる、というのも、この場合では溶媒の蒸発の際にエンタルピー変化は観察されうるためである。
式(I)の化合物の2つの結晶形の1H−NMRスペクトルを示す。175℃の融点を有する式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形の1H−NMRスペクトルは、上側の部分に示されかつa)で表されている。約158℃の融点を有する式(I)の化合物の結晶形の1H−NMRスペクトルは、下側の部分に示されかつb)で表されている。図11ではさらに下方に、約10〜6ppmの芳香族領域の部分拡大図がそれぞれ示される。同じ化合物であることが明らかに確認することができる。約3.3ppmと2.5ppmとでの脂肪族シグナルは、重水素化されたジメチルスルホキシドDMSO−d5溶媒のシグナルであるか、または溶解したモノ重水素化された水分子DOHである。1H−NMR分光分析(核スピン共鳴分光分析(英語Nuclear Magnetic ResonanceからNMR分光分析))では、1H核の吸収挙動が検出される。
以下の例および比較例は、本発明をさらに説明する:
例1〜3および比較例1および2:
長網抄紙機で、支持基材として、通常の添加剤を通常の量で添加しながら、67g/m2の面積基準の質量を有する漂白しかつ粉砕した広葉樹および針葉樹パルプから紙匹を製造した。前側にロールブレード塗工機を用いて、顔料として中空顔料および焼成カオリン、結合剤としてスチレンブタジエンラテックスおよび共結合剤としてデンプンを含む、9g/m2の面積基準の質量を有する中間層を塗工し、慣用のように乾燥する。
塗工装置の使用下で、中間層上に、ロールブレード塗工機を用いて6.0g/m2の面積基準の質量を有する感熱記録層を塗工し、塗工後に慣用のように乾燥する。
感熱記録層のために、結合剤としてポリビニルアルコールとアクリラートコポリマーとを含む混合物、および顔料として炭酸カルシウムを含む配合物を使用する。個々の実施例の感熱記録層の他の成分は、次の表1に示されている:
Figure 0006664553
製紙において、紙およびパルプの乾燥度についての3つの等級「atro(絶乾)」、「lutro(気乾)」および「otro(炉乾燥)」は区別される。この記載は、それぞれ「% atro」、「% lutro」および「% otro」で行われる。ここで、「atro」は、紙またはパルプについて、0%の含水量を表す。「lutro」については、この場合、「通常の」(紙にとって基本的に必要な)湿分含有量が計算の基礎として使用される。パルプおよび砕木パルプの場合、この計算質量は、原則として90:100、つまりパルプ90部、水10部に関する。規定され定義された条件下で乾燥後の紙またはパルプの状態は、「otro」といわれる。
例4〜6
例4〜6を、例1〜3と同様に実施した。しかしながら、中間層は、ロールブレード塗工機を用いて塗工するのではなく、ブレードで引いて中間層として輪郭塗工を行う。
感熱記録層は、カーテン塗工機を用いて塗工し、この場合、面積基準の質量は、1.5〜6.0g/m2、好ましくは2〜5.5g/m2である。3−N−ジ−n−ブチルアミン−6−メチル−7−アニリノフルオラン(発色剤)を40〜60atro質量部の量で添加する。
感熱記録材料の長期耐候性の決定(40℃および90%r.F.);
本発明による例1、2および3ならびに比較例1および2の感熱記録材料上の感熱印刷出力物の耐候性を測定技術的に記録するために、それぞれ試験されるべき感熱記録材料上に、白黒市松模様の感熱サンプル印刷出力物をPrintrex社(USA)のAtlantek 400型の機器を用いて作製し、ここで300dpiの解像度および16mJ/mm2の単位面積当たりのエネルギーを有するサーマルヘッドを使用した。
白黒市松模様の感熱サンプル印刷出力物の作製後に、5分を越える休止時間の後に、この感熱サンプル印刷出力物の黒色に着色された面のそれぞれ3つの箇所で、濃度計のTECHKON(登録商標)SpectroDens Advanced分光濃度計を用いて印刷濃度の決定を実施した。黒色に着色された面のそれぞれの測定値から、それぞれ平均値を算出した。
感熱サンプル印刷出力物は、40℃でかつ90%の相対湿度で恒温恒湿器内に懸吊した。1、2、3、6、10、20および38日後に、感熱紙印刷出力物を取り出し、室温に冷却し、改めて感熱サンプル印刷出力物の黒色に着色された面のそれぞれ3つの箇所で、濃度計のTECHKON(登録商標)SpectroDens Advanced分光濃度計を用いて印刷濃度の決定を実施した。黒色に着色された面のそれぞれの測定値から、それぞれ平均値を算出した。各測定後に、感熱サンプル印刷出力物を、次の測定まで改めて40℃でかつ90%の相対湿度で、恒温恒湿器内に懸吊した。
こうして得られた測定結果は、表2に列挙されかつ図5に示されている。
Figure 0006664553
表2中に表された測定結果は、例1、2および3の印刷濃度が、比較例1および2からの印刷濃度よりもあまり低下しないことを示す。よって、40℃でかつ90%r.F.での印刷画像の耐久性は、本発明による例の場合に、比較例1および2の場合よりも高い。したがって、本発明により使用された、式(I)の化合物と式(II)の化合物との組合せは、相乗効果を有する、というのも式(I)および(II)の化合物の混合物は、それぞれの化合物単独よりも良好な特性を有するためである。
本発明による例4〜6も同様に測定され、かつ同様に、この印刷濃度は、比較例1および2の印刷濃度よりあまり低下しないことを示した。
感熱記録材料の耐候性(60℃で)の決定;
この決定は、感熱記録材料の耐候性(40℃でかつ90%r.F.で)の決定と同様に実施したが、この貯蔵は恒温恒湿器中ではなく乾燥器中で60℃で行った。
こうして得られた測定結果は、表3に列挙されかつ図6に示されている。
Figure 0006664553
表3中に表された測定結果は、例1、2および3の印刷濃度が、比較例1および2からの印刷濃度よりもあまり低下しないことを示す。よって、60℃での印刷画像の耐久性は、本発明による例の場合に、比較例1および2の場合よりも高い。したがって、本発明により使用された、式(I)の化合物と式(II)の化合物との組合せは、相乗効果を有する、というのも式(I)および(II)の化合物の混合物は、それぞれの化合物単独よりも良好な特性を有するためである。
本発明による例4〜6も同様に測定され、かつ同様に、この印刷濃度は、比較例1および2の印刷濃度よりあまり低下しないことを示した。
感熱記録材料のラノリンに対する耐久性の決定:
本発明による例1、2および3ならびに比較例1および2の感熱記録材料上の感熱印刷出力物の、ラノリンに対する耐久性を測定技術的に記録するために、それぞれ試験されるべき感熱記録材料上に、白黒市松模様の感熱サンプル印刷出力物をPrintrex社(USA)のAtlantek 400型の機器を用いて作製し、ここで300dpiの解像度および16mJ/mm2の単位面積当たりのエネルギーを有するサーマルヘッドを使用した。
白黒市松模様の感熱サンプル印刷出力物の作製後に、5分を越える休止時間の後に、この感熱サンプル印刷出力物の黒色に着色された面の3つの箇所で、濃度計のTECHKON(登録商標)SpectroDens Advanced分光濃度計を用いて印刷濃度の決定を実施した。それぞれの測定値から、平均値を算出した。
引き続き、試験されるべき感熱記録材料の作製された感熱サンプル印刷出力物に、ラノリンを十分に塗りつけた。10分の作用時間の後に、ラノリンを注意深くぬぐい取り、引き続き23℃でかつ50%の空気湿度で貯蔵する。1、2、4、24および96時間後に、感熱紙印刷出力物を取り出し、改めて感熱サンプル印刷出力物の黒色に着色された面のそれぞれ3つの箇所で、濃度計のTECHKON(登録商標)SpectroDens Advanced分光濃度計を用いて印刷濃度の決定を実施した。各測定後に、感熱サンプル印刷出力物を、次の測定まで改めて23℃でかつ50%の相対湿度で、恒温恒湿器内に懸吊した。
それぞれの測定値から、平均値を算出した。
こうして得られた測定結果は、表4に列挙されかつ図7に示されている。
Figure 0006664553
表4中に表された測定結果は、例1および3の印刷濃度が、比較例1および2からの印刷濃度よりもあまり低下しないことを示す。よって例1および3の印刷画像のラノリンに対する耐久性は、本発明による例の場合に、比較例1および2の場合よりも高い。例2においては、印刷濃度が比較例1よりもあまり低下していない。したがって、本発明により使用された、式(I)の化合物と式(II)の化合物との組合せは、相乗効果を有する、というのも式(I)および(II)の化合物の混合物は、それぞれの化合物単独よりも良好な特性を有するためである。
本発明による例4〜6も同様に測定され、かつ同様に、この印刷濃度は、比較例1および2の印刷濃度よりもあまり低下しないことが示された。
水およびエタノール水溶液に対する耐久性(23℃、50%r.F.、24h):
この試験を用いて、水および水溶液に対する、記録層上に作成された画像の耐久性を評価する。ATLANTEK Model 400 -Thermal Response Test Systemの印刷機を用いてエネルギーレベルMedium、段階10で作製された印刷面上に、蒸留水または選択された25%のエタノール水溶液1滴を施す。余剰の試験液体を、20分の作用時間後に、濾紙または綿布で拭き取り、引き続きこの試験紙を、室内気候(23℃、50%相対湿度)で24時間貯蔵する。それぞれの試験液体を施す前および貯蔵時間の経過の後に、TECHKON(登録商標)SpectroDens Advanced分光濃度計を用いて印刷面の光学濃度ならびにその差を決定する。
水またはエタノール水溶液に対する耐久性は、それぞれの試験液体での処理前および処理後の印刷濃度の算出された平均値の商に100を掛けた値に相当する。
こうして得られた測定結果は、次の表5に列挙されている。
Figure 0006664553
示された測定結果は、水およびエタノール水溶液に対する印刷画像の耐久性が、本発明による例1〜3の場合には、比較例1および2と比較して悪化しなかったことを示す。
本発明による例4〜6も同様に測定し、かつ同様に水およびエタノール水溶液に対する耐久性の悪化は示さなかった。
式(I)の化合物の本発明により使用される結晶形の製造:
市場で入手可能であるかまたは国際公開第2014/080615号(WO 2014/080615 A1)に記載された、約158℃の融点を有する式(I)の化合物をエタノールから再結晶させる。約175℃の融点を有する式(I)の本発明により使用される化合物が得られる。式(I)の本発明により使用される化合物は、IRスペクトルにおいて、3401±20cm-1で吸収バンドを有する。
エタノールからの再結晶により得られる式(I)の化合物は、溶媒としてDMSO−D6中での1H−NMR分光分析を用いて特性決定する。再結晶により製造された式(I)の化合物の1H−NMRスペクトルは、出発化合物の1H−NMRスペクトルとは相違しない。これも予想できない、というのもDMSO−D6中への結晶形の溶解後に固体はもはや存在しないためである。しかしながら、この調査により、再結晶の間に、―例えばエタノールとの―予想されない化学反応が行われたか、または溶媒和物が形成されたことは排除することができる。エタノールとの溶媒和物は、1H−NMRにおいて付加的なシグナル(約1.06ppmでの三重線(CH3)、約3.44ppmでの四重線(CH2)および約3.39ppmでのOHシグナル)の存在により検出することができるが、この場合これには当てはまらない。
エタノールからの再結晶により得られる式(I)の化合物の熱重量分析(TGA)において、25〜150℃の温度範囲で、試料の加熱の際の質量変化を示さない。例えばエタノールのような揮発性化合物による汚染の場合には、揮発性化合物の沸点で試料の質量変化が観察可能でありうる、というのも揮発性化合物は沸騰し、それにより試料から抜け、それにより質量低下が生じるためである。この場合これには当てはまらない。熱重量分析の結果は、図9に示されている。
動的示差熱量測定(DSC)を用いた測定においても、エタノールからの再結晶により得られる式(I)の化合物の場合に、170℃を越える温度まで、発熱過程または吸熱過程または相変化は観察できない。加熱の際の最初の相変化は、製造された化合物の175℃の融点に相応する。溶媒和物が存在する場合、動的示差熱量測定の際に、例えば溶媒和性化合物の沸点に達する際に相応する相変化が観察されうる。したがって、溶媒和物の存在は、この場合に排除することができる。動的示差熱量測定の結果は、図10に示されている。
出発化合物の試料も、エタノールからの再結晶により製造された式(I)の化合物の結晶形の試料も、質量分析に接続された液体クロマトグラフィー(LC−MS)を用いて調査した。この調査で、両方の試料中に不純物を検出することはできず、両方の化合物は、同じ同位体分布で同じモル質量を有していた。質量分析に接続された液体クロマトグラフィーの結果は、図8に示されている。
これらの調査は、市場で入手可能であるかまたは国際公開第2014/080615号(WO 2014/080615 A1)に記載された約158℃の融点を有する式(I)の化合物は、エタノールからの再結晶により、約175℃の融点を有する式(I)の本発明により使用される化合物に変換することが可能であることを示す。式(I)の化合物において、これらの試験により多形を検出することができ、つまり式(I)の化合物は、多様な形態(変態)で存在することができる物質である。これらは、同じ化学組成(化学量論)を有するが、分子の空間配置が異なり、かつ異なる物理特性を有する。これらの調査により、化合物の不所望な化学反応が行われたかまたは再結晶後の溶媒和物が存在したことは排除することができる。
エタノールからの再結晶の他に、式(I)の本発明により使用される化合物を得るために他の溶媒を使用することも可能である。

Claims (13)

  1. i)支持基材と
    ii)感熱記録層と
    を含み、前記感熱記録層は、発色剤と顕色剤混合物とを含み、かつ前記顕色剤混合物は、
    a)式(I)
    Figure 0006664553
    の化合物と、
    b)式(II)
    Figure 0006664553
    の化合物とを含み、
    ここで、前記式(I)の化合物は、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1で吸収バンドを有する結晶形で存在
    前記発色剤は、フルオラン、フタリド、ラクタム、トリフェニルメタン、フェノチアジンおよびスピロピランからなる群からなる化合物の誘導体から選択される、
    感熱記録材料。
  2. 前記式(I)の化合物と前記式(II)の化合物との質量比は、0.5:99.5〜99.5:0.5である、請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 前記支持基材は、紙、合成紙またはプラスチックフィルムである、請求項1または2記載の感熱記録材料。
  4. 前記感熱記録層中の前記顕色剤混合物の割合は、前記感熱記録層の全固形分を基準として35〜15質量%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の感熱記録材料。
  5. 前記感熱記録層の面積基準の質量は、1.5〜6g/m2の範囲内にある、請求項1から4までのいずれか1項記載の感熱記録材料。
  6. 前記支持基材と前記感熱記録層との間に配置された中間層をさらに含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の感熱記録材料。
  7. 前記中間層は、顔料を含み、
    前記顔料が、
    a)有機顔料
    および/または
    b)無機顔料
    である、請求項6記載の感熱記録材料。
  8. 前記感熱記録層が、完全にまたは部分的に保護層で覆われている、請求項1から7までのいずれか1項記載の感熱記録材料。
  9. 前記感熱記録層は、結合剤を含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の感熱記録材料。
  10. 前記感熱記録層は、増感剤を含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の感熱記録材料。
  11. 入場券、航空券、鉄道乗車券、乗船券、バス乗車券、賭博券、駐車券、ラベル、レシート、銀行取引明細書、自己接着ラベル、医療用記録紙、ファックス用紙、証券用紙またはバーコードラベルとしての、請求項1から10までのいずれか1項記載の感熱記録材料の使用。
  12. フルオラン、フタリド、ラクタム、トリフェニルメタン、フェノチアジンおよびスピロピランからなる群からなる化合物の誘導体から選択される発色剤、および請求項1に定義された式(II)の化合物を顕色剤として含んでいる感熱記録材料の印刷画像の耐水性の改善のための、請求項1に定義された式(I)の化合物の使用において、式(I)の化合物は、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1で吸収バンドを有する結晶形で存在し、かつ前記式(I)の化合物と前記式(II)の化合物との質量比が、0.5:99.5〜35:65である、前記使用。
  13. 少なくとも次の方法工程:
    i.支持基材を準備または製造し;
    ii.フルオラン、フタリド、ラクタム、トリフェニルメタン、フェノチアジンおよびスピロピランからなる群からなる化合物の誘導体から選択される発色剤、および請求項1に定義された式(I)の化合物と請求項1に定義された式(II)の化合物とを含み、式(I)の化合物は、IRスペクトルにおいて3401±20cm-1で吸収バンドを有する結晶形で存在する、被覆組成物を準備または製造し;
    iii.準備または製造した前記被覆組成物を塗工し;
    iv.塗工した前記被覆組成物を乾燥させて感熱記録層を形成すること
    を含む、感熱記録材料の製造方法。
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