JP5690487B2 - 電気化学システムの電極用バインダー、該バインダーを含む電極、及び該電極を含む電気化学システム - Google Patents

電気化学システムの電極用バインダー、該バインダーを含む電極、及び該電極を含む電気化学システム Download PDF

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Description

本発明は、非水性電解質を有する電気化学システムの電極用バインダーに関する。
詳細には、本発明は、有機電解質を有する充電式電気化学蓄電池(rechargeable electrochemical accumulators)、特にリチウム電池の電極用バインダーに関する。
さらに、本発明は、このバインダーを含む電極に関する。
また、本発明は、上記電極を含む、非水性電解質を有する電気化学複合体(electrochemical composition)に関する。
また、本発明は、上記バインダーを含む正極及び負極を備える非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池、及び非水性電解質に関する。
最終的に、本発明は、上記バインダーを含む電極の製造方法に関する。
本発明の技術分野は、一般に、非水性有機電解質を有する電気化学複合体において用いられる電極の分野、より詳細には、リチウム蓄電池又は電池等の、有機電解質を有する充電式蓄電池の分野とみなすことができる。
従来の有機電解質を有する充電式蓄電池の電極は、サイクル中にカチオン(例えば、リチウムカチオン)を挿入したり、該カチオンを脱離させる受容構造(receiving structure)を構成する電気化学的活物質を含有する。各電極は、活物質と、任意に導電性添加剤と、ポリマーバインダーと、溶剤とを含有するインク又はペーストを電流集電体上に堆積させることによって得られる。
電極を製造するためのポリマーバインダーを使用する目的は、第一に、電気化学的に活性な表面を実質的に覆い隠すことなしに、粉末形態の活物質の接着を確かなものにするためである。この効果はバインダーの湿潤性に依存する。活物質との良好な結合は、化学結合又は水素結合を誘起するヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミド基等の基がポリマーバインダー中に存在することによって一般に保証される。しかしながら、バインダーと活物質との過度に強力な相互作用は、活物質の粒子の過度に広い領域の被覆をもたらし、このため露出した活性表面の面積が小さくなり、その結果として容量低下が生じるため、折衷的な解決策を見出す必要がある。
バインダーは、電流集電体にインクを付着させるものでなければならず、この付着はポリマー中の極性基の存在によっても保証される。
また、ポリマーバインダーは、電極を扱うための、特に円筒状蓄電池の配置の場合にコイリング工程に耐える十分な可撓性を電極に与えなければならない。
また、ポリマーバインダーは、充電及び放電サイクル中の活物質の寸法変化に対応できなければならない。
また、ポリマーバインダーは、特定の電気化学的特性を備えていなければならない。
特に、ポリマーバインダーは、使用される電解質と相溶性でなければならない。
最後に、活物質として使用される還元剤及び酸化剤は極めて強力であるため、バインダーは劣化することなく極限作動条件に耐えられ得るような可能な限り最小の反応性を有していなければならない。
それゆえ、単独のポリマーバインダーを用いてこれら全ての目的を満たすことは難しいと考えられる。
また、印刷装置で滞りなく用い、そして特にロール・ツー・ロール搬送を保証するために、電極を製造することが意図されるペースト又はインクは、電極を製造するのに予想される加圧タイプに応じる的確なレオロジー特性及び物理化学特性を有していなければならない。
特に、インクの表面張力、より詳細には表面エネルギーの極性成分が完全に制御されていなければならない。
従来の充電式リチウム蓄電池において、バインダーとして、電解質中で優れた安定性を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリマーを使用することが、一般的な方法である。しかしながら、PTFEは非粘着性であるため、箔のような薄い導電性支持体を使用することができない。高いエネルギー密度(容量)を得るためにはかかる薄い導電性支持体が不可欠である。さらに、PTFEは多数のフッ素原子が存在するため、強力な還元剤に対する安定性が低い。
欧州特許第0,492,586号(EP−A2−0492586)は、非水性電解質を有する充電式蓄電池を開示している。
正極及び負極の少なくとも1つは、溶媒中にバインダーと、電気化学的活物質と、任意に電子導電性添加剤とを含有しており、これらは全て薄い金属電流集電体支持体上に塗工される。
このため、粉末形態の活物質及び任意に導電性添加剤を含む粉末状(粉末)混合物を調製する。次に、粉末状混合物を、N−ビニルピロリドン等の有機溶媒中に溶解したポリビニリデンフルオリド(PVDF)から成るバインダー中に分散させる。全体は、濃厚懸濁液又はペーストを構成し、したがって特に活物質及びポリマーバインダーを含むこの懸濁液又はペースト又はインクをその後、薄い銅箔又はアルミニウム箔等の金属箔で形成される電極集電体に塗布する。
その後、懸濁液を乾燥させ、溶媒を除去する。
負極の場合、活物質は炭素系材料であり、且つ電極集電体は、例えば厚み20μmの銅箔で形成される。
正極の場合、活物質は特にLiCoO2であり、この電極混合物は、グラファイト等の導電剤をさらに含み、且つ電流集電体は一般に、例えば厚み80μmのアルミニウム箔から成る。
PVDFの機械的特性及び電気化学的特性によって、上記に説明される達成すべき多数の目的は十分に折衷される。しかしながら、PVDFはその表面張力の極性成分が小さいので、集電体金属、すなわち箔に対する粘着性が低い。それゆえ、銅シート又は箔等の集電体金属から炭素粉末が分離するようになり蓄電池の容量が徐々に減少してしまうため、接着増進剤を添加しなければならない。したがって、PVDFを使用する蓄電池の寿命は短い。
さらに、蓄電池の温度が短絡又は同様の事象の結果として上昇すると、PVDFは分解して、充電時に負極上に形成される化合物と激しく発熱反応するHFを生じ、蓄電池が破裂又は爆発するおそれがある。
欧州特許第0,606,533号(EP−A2−0606533)は、負極が、炭素粉末の粒子をバインダーにて一体化してなり、該バインダーがポリイミド(PI)樹脂又はポリビニルホルマール(PVF)樹脂である、充電式蓄電池を開示している。NMP等の有機溶媒に溶解させたPI又はPVFの溶液を、炭素粉末、及び必要に応じて導電剤と混合して、懸濁液又はペーストを調製する。このペーストを、ドクターブレードを用いて金属電流集電体に塗布し、懸濁液を集電体の金属上で乾燥させ、溶媒を除去する。その後、樹脂を、高温、例えばPI樹脂の場合には350℃に加熱することにより硬化させる。
これらのバインダーは、電気化学的特性と機械的特性とを十分に折衷させることを可能にするものの、ポリイミドは高価なポリマーである。
その高い耐化学性のために知られているターポリマーエチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)、スチレン/ブタジエン(SBR)ラテックス、アクリロニトリル/ブタジエン(NBR)ラテックス及びSIS又はSBSブロックコポリマー等のエラストマーは、電極に優れた機械的特性を与えるが、サイクル中の容量低下が著しい。
有害な有機溶媒を使用しないという利点を有するポリマーは、上記に挙げられていない水性エマルション中の多数のコポリマーを含むラテックス群のものである。
このため、より最近では、ラテックス群のコポリマー全てが、水性媒体中においてエマルション形態で、増粘剤、特にセルロース誘導体の群、すなわちCMC(カルボキシメチルセルロース)及びHMC(ヒドロキシメチルセルロース)と合わせて、上述のように用いられている。
したがって、仏国特許第2,766,969号(FR−A−2766969)は、非水性電解質を有する電気化学システムの電極用バインダーを開示しており、該バインダーは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムと、カルボキシメチルセルロースとを含有する。全体的に、この文献に記載される、バインダーの付着、並びにアノード(負極)の機械的特性及び電気化学的特性は満足のいくものである。しかしながら、これらのポリマーを使用するバインダーは、カソード(正極)の製造における限界に直面し、かかる限界により良好な電気化学的性能をもたらすことができない。さらに、ラテックスタイプのポリマーを水性溶媒中で使用すると、水による電流集電体、例えばアルミニウムの浸食をもたらす。この問題を取り除くために、仏国特許第2,790,330号(FR−A−2790330)は、バインダーを水中に溶解又は懸濁して使用する場合、腐食されないように電流集電体の表面を保護層で被覆することを提供する。このように処理された電流集電体は良好な電気化学的特性が与えられる。
同様に、相補的な特性を有するポリマーの配合物も電極バインダーとして提案されている。これらの配合物は、例えば、電極に可撓性を与える非フッ化エラストマーの群に属するポリマーの配合物、活物質と強力に結合し得るポリマーの配合物である。これらの配合物の主な欠点は、一方で、構成成分の非相溶性のために均質なペーストを得ることが難しいことであり、他方で、様々な構成成分が溶媒除去工程時に種々の溶解性又は凝結性を有し、最終的な電極におけるバインダーの分布を予測することが難しいことである。とりわけ、これらの配合物は、乾燥中に偏析(demixing)現象を起こす。
したがって、上記を鑑みて、単独のポリマーを含む、又は何種類かのポリマーを含む開示のバインダーは、このようなバインダーについて上述される規準及び要件を全て満たすものでないことが見出されており、また上記の目的を全て達成するものでもない。
したがって、これらの目的を全て達成し、且つ上記に挙げられる要件及び規準を全て満たす、電気化学システムの電極用バインダーに対する需要が存在する。
特に、任意の転写装置又は印刷装置において使用することができるペースト又はインクの形態で容易に塗布することができるようなバインダーに対する需要が存在する。
可撓性及び耐性を示し、電流集電体に完全に接着し且つ優れた電気化学的特性及び機械特性を有する電極を製造するためのかかるバインダーに対する需要も存在する。
最終的に、如何なる腐食又は毒性に関する問題も生じず且つ高価でないバインダーに対する需要が存在する。
本発明の一目的は、とりわけ、これらの需要を満たし且つ特に、上記の要件及び規準を満たす、電気化学システムの電極用バインダーを提供することである。
本発明の別の目的は、従来技術のバインダーの欠点、欠陥、制限及び不利益を有さず、且つ従来技術のバインダーの問題を解決する、電気化学システムの電極用バインダーを提供することである。
これらの目的及び他の目的は、本発明に従い、非水性電解質を有する電気化学的システムの電極用バインダーであって、前記バインダーが架橋剤と反応し得る官能基を有し且つ前記架橋剤と架橋する第1のポリマーを含み、架橋された第1のポリマーが、ビニリデ ンフルオリドポリマー(PVDF)、ビニリデンフルオリドコポリマー、及びそれらの混 合物から選択されるフルオロポリマーである第2のポリマーを閉じ込める三次元網目構造を形成し、前記第1のポリマーが、ビニルアルコール/酢酸ビニル(PVA−co−PV Ac)コポリマーから選択されるヒドロキシル化ポリマーであり、前記架橋剤が、脂肪族 ジアルデヒド及び芳香族ジアルデヒドから選択され、前記バインダーが、前記第1のポリ マーの重量に対して2重量%〜5重量%の前記架橋剤、及び前記バインダーの総重量に対 して10重量%〜90重量%の前記第1のポリマーと10重量%〜90重量%の前記第2 のポリマーとを含む、バインダーによって達成される。
本発明によるバインダーは、各々相補的な特有の性質を示す2つの特定のポリマーの組み合わせを含む。
2つの特定のポリマーの組み合わせを含む本発明によるバインダーは、これまでに記載されていない。
バインダー中におけるこれらの2つのポリマーの関連は、真の相乗効果と同時に、これまでバインダー、特に2つのポリマーを含むバインダーに関して見出されなかった一組の性質をもたらす。
本発明によるバインダーは、上記の全ての要求を満たし、全ての上記の規定及び要件を満たし、且つ従来技術のバインダーで提示されていた問題を解決する。
電極、例えば、実施例1〜実施例4で作製される電極等の、本発明に従って又は従来技術に従って試験される電極を含むボタン電池形態の蓄電池の鉛直略断面図である。 およそD/50から30Dまでの(Dのレートは、実施例1〜実施例4で作製される電極の1時間の放電に対応することが理解される)放電率の関数としての、回復(restored)又は回収(recovered)された放電容量(達成可能な理論容量のパーセンテージとして表される)を示す図である。 およそD/50から30Dまでの(Dのレートは、実施例1〜実施例4で作製される電極の1時間の放電に対応することが理解される)放電率の関数としての、回復又は回収された放電容量(達成可能な理論容量のパーセンテージとして表される)を示す図である。
ポリマーの1つはフルオロポリマーであるのに対し、他のポリマーは、架橋剤と反応し得る官能基、例えばヒドロキシル官能基を含むポリマーである。
このため、第1のポリマーは、例えば、ヒドロキシル化ポリマー、特に高度にヒドロキシル化されたポリマーと規定してもよい。
それゆえ、この第1のポリマーは、ポリマー1g当たりKOH8mg〜200mg(それぞれ±5mg〜20mg)のエステル価を有し得る。
本発明によれば、これらの2つのポリマーの配合物は驚くべきことに、熱力学的に安定、すなわち永久に均質であり、且つ堆積されたペースト又はインクを乾燥させる工程中に偏析を起こさない。本発明によれば、この熱力学的安定性は、第1のポリマー、例えばヒドロキシル化ポリマーが、架橋剤と、第1のポリマーによって保持される、架橋剤と反応し得る官能基との架橋反応によって得られる三次元構造形態であること、及び第2のフルオロポリマーがこの三次元網目構造中に交絡、封入及び閉じ込められることに起因する。
本発明によるバインダーを用いて製造される電極は、可塑剤の添加(これにより、可能なコイリング操作がより容易となる)がなくとも可撓性であり、耐性であり、且つ接着促進剤の添加を要することなく電流集電体に対して完全に接着性である。また、電極は優れた電気化学的特性を有する。腐食現象は観測されず、且つ使用されるポリマーは無毒性及び安価である。
本発明によるバインダーの別の利点は、それを使用して、あらゆる種類の電極、すなわちアノード及びカソードの両方を、カソードの場合に製造条件を変更することなく且つ付加的な構成成分を添加することなく、製造することができることである。
したがってまず、本発明によるバインダーは、架橋剤と反応し得る官能基を有する第1のポリマーを含む。
上記官能基は、ヒドロキシル官能基、アミド官能基、カルボン酸官能基及びそれらのエステルから選択され得る。
好ましくは、第1のポリマーは、上記のようなエステル価を有し得る、ヒドロキシル化、好ましくは高度にヒドロキシル化されたポリマーであるため、強力な極性成分を有し、50mJ/m2に近い高表面エネルギーを保証し、これにより、電流集電体に対する良好な接着、及び例えば印刷装置、好ましくはフレキソ印刷装置における良好な転写性を確実なものにすることができる。
それゆえ、第1のポリマーは、有機媒体に可溶性の、架橋しているか又は架橋していない(これは、三次元構造を形成する架橋剤との続く架橋を意味するものではない)ヒドロキシル化ポリマーであってもよく、そしてフルオロポリマーと混和性の非ヒドロキシル化ポリマーの加水分解によって得ることができる。
このヒドロキシル化ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/酢酸ビニル(PVA−co−PVAc)コポリマー、及びそれらの混合物から選択され得る。
好ましくは、PVA−co−PVAcコポリマーは、5%以上、好ましくは5%〜99%、及びより好ましくは5%〜95%の加水分解度、すなわち、5%以上、好ましくは5%〜99%、及びより好ましくは5%〜95%のPVA含量(mol%)を有する。PVAcが第2のフルオロポリマーと混和性であり且つその存在により過度の急激な偏析、すなわち、架橋前における調製された配合物中での2つのポリマーの分離を抑えるため、最大PVA含量は、好ましくは95%以下であり、より好ましくは95%未満であり、このため残留PVAc部分は保持される。
PVA−co−PVAcコポリマーは、5000g/mol〜600000g/molの重量平均分子量を一般に有する。
架橋剤は、特に架橋剤と反応し得る第1のポリマーの官能基がヒドロキシル官能基である場合にジアルデヒド化合物から一般に選択される。
これらのジアルデヒド化合物は、エタンジアール(グリオキサール)及びグルタルアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒド;並びにo−フタルアルデヒド(フタルアルデヒド)、m−フタルアルデヒド(イソフタルアルデヒド)、p−フタルアルデヒド(テレフタルアルデヒド)、2,6−ピリジンジカルバルデヒド及び2,5−チオフェンジカルバルデヒド等の芳香族ジアルデヒドから選択され得る。
バインダーは、第1のポリマーの重量に対して2重量%〜5重量%の架橋剤を一般に含む。
PVA−co−PVAcである場合、上記のジアルデヒド化合物の架橋剤による架橋後の第1のポリマーの構造は、下記式:
Figure 0005690487
(式中、Rは、
Figure 0005690487
(式中、nは0(エタンジアールでは)〜10の整数、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)を示す)を満たす。
言及されるジアルデヒドの中でエタンジアールが最も反応性があり、それにより20℃〜50℃の温度で非常に急速な架橋が起こるのが可能となるため、n=0であるのが好ましい。また、エタンジアールは50℃の沸点を有するため、80℃での乾燥工程後に最終電極中に未反応のエタンジアールが残留しないことが確実となる。
第2のポリマーは、ビニリデンフルオリドポリマー(PVDF)、例えばヘキサフルオロプロピレンを伴うビニリデンフルオリドコポリマー、すなわち、ポリ(ビニリデンフルオリド/ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)、及びそれらの混合物から選択され得る。
本発明によるバインダーは、バインダーの総重量に対して10重量%〜90重量%の第1のポリマーと、10重量%〜90重量%の第2のポリマーとを含む。
さらに、本発明は、上記のバインダーと、正極又は負極と、電気化学的活物質と、任意に1つ以上の電子導電性添加剤と、電流集電体とを含む、非水性電解質を有する電気化学システム用電極に関する。
特に、この電極は、非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池の正極であってもよい。
かかる正極では、電気化学的活物質が、LiCoO2;好ましくはAl、Ti、Mg、Ni及びMnによる置換によって得られるLiCoO2から誘導される化合物、例えばLiAlxNiyCo(1-x-y)2(式中、x<0.5であり、y<1である)及びLiNixMnxCo1-2x2;LiMn24;LiNiO2;好ましくはAl、Ni及びCoによる置換によって得られるLiMn24から誘導される化合物;LiMnO2;好ましくはAl、Ni、Co、Fe、Cr及びCuによる置換によって得られるLiMnO2から誘導される化合物、例えばLiNi0.52;オリビン型LiFePO4、Li2FeSiO4、LiMnPO4及びLiCoPO4;リン酸鉄水和物又は無水物、及び硫酸鉄水和物又は無水物;LiFe2(PO43;リン酸バナジル水和物又は無水物、及び硫酸バナジル水和物又は無水物、例えばVOSO4・nH2O及びLixVOPO4・nH2O(0<x<3及び0<n<2);Li(1+x)38(0<x<4);Lix25・nH2O(0<x<3及び0<n<2);並びにそれらの混合物から選択され得る。
また、上記電極は、非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池の負極であってもよい。
かかる負極では、電気化学的活物質が、天然又は合成グラファイト及び無秩序炭素等の炭素系化合物;LixM型のリチウム合金(式中、M=Sn、Sb又はSiである);LixCu6Sn5化合物(式中、0<x<13である);ホウ酸鉄;可逆分解性の単純酸化物、例えば、CoO、Co23、Fe23;ピニクチュア(pnicures)、例えば、Li(3-x-y)CoyN、Li(3-x-y)FeyN、LixMnP4、LixFeP2及びLixFeSb2;チタネート等の挿入酸化物、例えばTiO2、Li4Ti512、LixNiP2、LixNiP3、MoO3及びWO3;並びにそれらの混合物、又は当該技術分野の当業者に既知の任意の材料から選択され得る。
任意の電子導電性添加剤は、Ag粒子等の金属粒子、グラファイト、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノワイヤ及びカーボンナノチューブ、並びに電子導電性ポリマー、並びにそれらの混合物から選択され得る。
また、本発明は、上記の少なくとも1つの電極を含む、非水性電解質を有する電気化学システムに関する。
特に、電気化学システムは、上記の正極と、上記の負極と、非水性電解質とを含む、非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池であり得る。
この電解質は、固体であっても又は液体であってもよい。
電解質が液体である場合、電解質は例えば、有機溶媒に溶解させた、リチウム塩等の少なくとも1つの導電性塩の溶液から成る。
電解質が固体である場合、電解質はポリマー材料とリチウム塩とを含む。
前記リチウム塩は、例えば、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiBOB、LiODBF、LiB(C65)、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22(LiTFSI)、及びLiC(CF3SO23(LiTFSM)から選択され得る。
好ましくは、有機溶媒は、電極の構成成分と相溶性である溶媒であり、比較的不揮発性であり、非プロトン性であり、且つ相対的に極性である。例えば、エーテル、エステル及びそれらの混合物について言及することができる。
エーテルは、特に、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)及びジプロピルカーボネート(DPC)等の線形カーボネート;プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びブチレンカーボネート等の環状カーボネート;ギ酸エステル、アセテート、プロピオネート及びブチレート等のアルキルエステル;γ−ブチロラクトン;トリグライム;テトラグライム;ラクトン;ジメチルスルホキシド;ジオキソラン;スルホラン、並びにそれらの混合物から選択される。溶媒は好ましくは、EC/DMC、EC/DEC、EC/DPC及びEC/DMCを含む混合物である。
蓄電池は特にボタン電池形態を有し得る。
316Lステンレス鋼から成るボタン電池の各種構成要素を図1に記載する。
これらの構成要素は:
ステンレス鋼ケースの上蓋部(5)及び底部(6)、
ポリプロピレンシール(8)、
リチウム金属を区切る(cutting)と共に、その後電池の外部との電流集電体の良好な接触を保証するように機能するステンレス鋼挿入片(4)、
全ての構成要素間の接触を保証するスプリング(7)、
微多孔質セパレータ(2)、並びに
電極(1)及び(3)である。
また、本発明は、上記の電極の製造方法であって、
活性電極材料及び任意に1つ以上の電子導電性添加剤の粉末状混合物を調製し、
第1の溶媒に溶解させた、架橋剤と反応し得る官能基を有する第1のポリマーの第1の溶液、及び第2の溶媒に溶解させた、フルオロポリマーから選択される第2のポリマーの第2の溶液を調製し、
第1の溶液及び第2の溶液を混合及び攪拌し、2つの溶液の均質混合物を得て、
架橋剤を、2つのポリマー溶液の均質混合物に添加し、
活性電極材料及び任意に1つ以上の電子導電性添加剤の粉末状混合物を、2つのポリマー溶液の均質混合物及び架橋剤に添加した後、攪拌し、インク又はペーストと称される均質混合物を得て、
上記インク又はペーストを、印刷装置を用いて電流集電体上に塗工、堆積又は印刷し、
堆積されたインク又はペーストを乾燥させ、そして
堆積され乾燥されたインク又はペースト及び電流集電体をカレンダー処理又は加圧する、電極の製造方法に関する。
一般に、インクは、塗工、グラビア印刷(gravure printing)、積層、グラビア印刷(photogravure)、オフセット印刷、スクリーン印刷及びインクジェット印刷から選択されるプロセスによって塗布(塗工)する。
架橋、すなわち、第1のポリマーと架橋剤との反応は、本発明によれば、インク又はペーストを乾燥させる工程中に一般に起きる。
最終的に、本発明は、溶媒中に、70重量%〜90重量%の上記の活物質、任意に1重量%〜15重量%の1つ以上の電子導電性添加剤、及び1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜10重量%の上記の本発明によるバインダーを含むペースト又はインクに関し、これらのパーセンテージは固形分(乾燥抽出物)に対して表される。
乾燥抽出物によって定められるインクの固形分は一般に20重量%〜80重量%である。
非限定的な例示により且つ添付の図面を参照して示される以下の説明において、より詳細に本発明を説明する。
図2中、カーブ2及び1はそれぞれ、本発明のバインダーを用いた実施例に従って製造される正極の性能を、従来技術による従来のPVDFバインダーを用いた実施例1に従って作製される電極と比して示している。
図3中、カーブ4及び3はそれぞれ、本発明のバインダーを用いた実施例4に従って製造される負極の性能を、従来技術による従来のPVDFバインダーを用いた実施例3による電極と比して示している。
この説明は、より詳細には、第1のポリマーがPVA又はPVA−co−PVAc等のヒドロキシル化ポリマーであり、且つ架橋剤がジアルデヒドであるバインダーを含む電極が製造される実施形態に言及するものだが、以下の説明は任意のポリマー及び任意の架橋剤に容易に拡大することができる。
正極又は負極の製造又は作製時の第1の工程は、活物質と、任意の材料、すなわち電子導電性添加剤とを均質に配合することをなす。
したがって、上記の活性アノード又はカソード材料、及び上記の1つ以上の電子導電性添加剤を事前に秤量し、その後、手動型ボウルミル又は乳鉢等の粉砕装置に入れる。
ヘキサン等の少量の希釈剤を、粉砕を容易にするために粉末配合物に添加してもよい。
粉砕を、必要な時間、例えば15分〜20分間続け、全ての構成成分の均質(intimate)配合物を得る。用語「均質混合物」は、例えば、凝離(segregation)がないことを意味すると理解される。
その後、例えば、ヘキサン等の希釈剤を、一般的に50℃〜80℃、例えば55℃の温度の炉内に入れることによって粉末配合物から蒸発させる。
本発明は詳細には、PVDF等のフルオロポリマー、又はPVDF−HFP等のその誘導体の1つを、ヒドロキシル化ポリマーと併せて含有するポリマー配合物を安定化させることに基づくと考えられる。このため架橋前に、ポリマーの分離が静止状態で数時間後、例えば1時間〜2時間後にしか起き得ないように、2つのポリマーを溶液中で配合する。
それゆえ、この分離又は偏析現象が直ぐに(例えば1時間未満で)生じないように、共に高分子量の、第1のポリマー(P1)、例えばヒドロキシル化ポリマー、好ましくはPVA−co−PVAc、及び第2のポリマー(P2)、すなわちフルオロポリマー、好ましくはPVDFが好ましくは使用され、且つ激しく混合される。
一般的な溶媒、好ましくはN−メチルピロリドンに高分子長鎖を溶解することによって、例えば1Pa・sに近い高粘度のポリマー配合物が結果的に形成される。
このため、高分子鎖のレプテーションにより交絡を解くことはより困難であることから、偏析が起こる前のポリマーP1への架橋剤の添加によって、配合物を安定化することができる。液体状態、すなわち、例えばポリマーP1及びポリマーP2と、溶媒、例えばNMPと、架橋剤とから成る系では、水素結合が、架橋剤と、ポリマーP1によって保有されるヒドロキシル官能基との間に確立され、PVA−co−PVAcゲルが形成される。続いて共有結合が水分子の除去のために乾燥中に形成される。
架橋した後に三次元網目構造を形成する第1のポリマーは、例えば、ポリ(酢酸ビニル)−コ−ポリ(ビニルアルコール)、又は有機媒体に可溶性の、架橋しているか又は架橋していない任意の他のヒドロキシル化ポリマー、及びその非ヒドロキシル化誘導体、すなわち、加水分解反応によってヒドロキシル化ポリマーを調製する誘導体であり、例えばPVDF又はPVDF−HFPタイプのフルオロポリマーと相溶性である。
本発明により使用されるPVA−co−PVAcコポリは、加水分解度が5%以上(すなわち、少なくとも5mol%のポリビニルアルコール、例えば5mol%〜99mol%を含有する)、且つ5000g/mol〜数十万g/mol、例えば600000g/molの重量平均分子量を一般に有する。
完全に(99%)加水分解したPVAは、残留アセテート官能基を常に含有する。下記スキームは、アセテート官能基をヒドロキシル官能基に加水分解する加水分解反応を示す:
Figure 0005690487
第2のポリマーは、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、又は例えばポリ(ビニリデンフルオリド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)等のその誘導体の1つであり得るフルオロポオリマーである。
第1の(例えばヒドロキシル化)ポリマー(P1)、及び第2のポリマー、すなわちフルオロポリマー(P2)は、共通の溶液に2重量%〜30重量%の量で溶解性でなければならない。
分子量が高いほど、共通の溶媒における所与のポリマーの最大重量濃度は低くなるため、濃度はポリマー各々の分子(モル)量に応じて選択され、この最大重量濃度を超えると、ゲル化が起こる。
好ましくは、用いられる溶媒はN−メチル−2−ピロリドンである。好ましくは、160000g/molの分子量を有するPVDFは、最大12%N−メチルピロリドンに溶解するのに対し、250000g/molの分子量を有するPVA−co−PVAcは、同一の溶液に最大5%溶解し、2つの溶液S1及びS2は同様の粘性を有する。
純(非加水分解)PVAcは、タイプP2のフルオロポリマーと完全に混和する。PVA−co−PVAcの加水分解度が高い(すなわち、PVA−PVAcコポリマー中のPVA部分が増大する)ほど、タイプP2のフルオロポリマーとの相溶性は減少する。
PVAへのPVA−co−PVAcの略完全な加水分解は、タイプP2のポリマーと非混和性のポリマーをもたらし、両ポリマーが存在する場合には、急速な偏析が観測される。
2つのポリマーP1及びP2の均質配合物を作製するためには、乾燥工程中に架橋反応を主に起こし、同様の粘性、例えば1Pa・sを有する出発ポリマー溶液を使用することが好ましい。
好ましくは、また過度に急速な偏析(2つのポリマーの分離)を避けるために、95%未満の最大PVA含量を有するPVA−co−PVAcを使用することが好ましい。第2のポリマー、すなわちフルオロポリマーと混和性の残留PVAc部分を保持する。
タイプP2のフルオロポリマーは、23mN/m以下の表面張力を有する。完全に加水分解されたPVAポリマーP1は、60mN/mに近い表面張力を有する。印刷システムにおける使用を可能にするために、インクは、35mN/m〜40mN/mの表面張力を有していなければならない。タイプP2のポリマーの低い表面張力を補うには、混合物、すなわちバインダー中のポリマーP1の含量が高いことが重要であり、ポリマーP1の含量は一般に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%近く、及びポリマーP2(フルオロポリマー)の含量はそれゆえ一般に、20重量%〜60重量%、好ましくは50重量%である。
N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解させたポリマーP1の溶液S1、及び好ましくは同一溶媒に溶解させたポリマーP2の溶液である、同様の粘性を有するこれらの2つの溶液を所望の割合で、例えば機械剪断攪拌機を用いて、所要時間、例えば10分間〜30分間、特に30分間混合して、均質混合物を得る。
次に、所望量の架橋剤を溶液S1及び溶液S2のこの均質混合物に添加し、その後、上記の1つによる装置において、所要時間、例えば2分間〜10分間、特に5分間攪拌を行い、均質混合物を得る。
PVA−co−PVAcの重量平均分子量及び加水分解度が、上記のように、例えば250000g/mol及び95%加水分解に選択される場合には、ヒドロキシル官能基と反応する架橋剤を過剰に添加すると、乾燥工程中に起きる架橋中にヒドロキシル官能基が全て消費される。
それゆえ、ポリマーP1、例えば250000g/molの重量平均分子量及び95%加水分解のPVA−co−PVAcの全てのヒドロキシル官能基を消費するには、混合物中に導入されるポリマーP1の質量に対して、約2%の架橋剤、例えばエタンジアールを混合物に添加することが必要である。
一般的に、架橋剤の添加量は、ポリマーP1の重量に対して、2重量%〜5重量%、好ましくは2重量%を示す。
媒体への架橋剤の添加により、ポリマーP1のヒドロキシル官能基と、架橋剤のアルデヒド官能基との間に水素結合が作られる。カップリング反応は、乾燥工程中に主に、さらには乾燥工程中にのみ起こると共に、水分子が縮合により形成及び除去される。存在するポリマーの粘弾性はコーン/プレートレオメータを用いて予め確認する。
上記のように調製される活物質及び任意に電子導電性材料の粉末配合物をその後、架橋剤を含有する溶液S1及び溶液S2の混合物に添加する。これら全体を、例えば、上記で既に使用されたものと類似の装置において、一般に10分〜30分、例えば30分の時間、攪拌する。
この操作中、温度の上昇により、インク又はペーストが容器(ミキシングポット)内で架橋する可能性があるため、粘度が高くなり過ぎないことが必要である。粘度は、例えば、溶媒の不連続的な添加によって確認することができる。
例えば、グリオキサールは、PVA−co−PVAcコポリマーのPVA単位のヒドロキシル官能基と35℃付近の温度で反応することができる。混合物が極めて粘性であれば、ミキサーのインペラによって混合物中の温度が急激に上昇することにより、グリオキサールが乾燥前に部分的に反応し易くなる。
この影響は、例えば、温度を制御するように恒温(thermostatted)ポットを用いることによって、且つ攪拌速度を低減させることによって回避することができる。グリオキサールが反応しなくとも、水素結合は形成されると思われる。
架橋剤及び混合物中におけるその相対割合の適切な選択によって、インクの表面張力、粘度及びレオロジー特性は容易に制御及び調整され得るため、該インクを任意の転写装置又は印刷装置において、すなわち、塗工、グラビア印刷、積層、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等のために使用することができる。
得られるインク又はペーストは、70重量%〜95重量%、例えば70重量%の活物質と、任意に1重量%〜15重量%の1つ以上の電子導電性添加剤と、1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜10重量%の本発明のバインダーとを一般に含有する。
上記に表されるパーセンテージは、インクの固形分に対して表され、一般に乾燥及び溶媒の蒸発前の総重量に対して20重量%〜80重量%であるその乾燥抽出物(不揮発性物質)(「エクストレ・セック(extrait sec:純エキス分)」)(すなわち、乾燥後に残存する固形分)によって定められる。インクはまた、所望の粘稠度を得るような或る特定量の溶媒を含有する。
次に、このように作製されたインクを、カソードの場合にはアルミニウムシート又は箔、及びアノードの場合には銅、ニッケル又はアルミニウムシート又は箔であり得る電流集電体上に塗工又は堆積する。
堆積されたインク又はペーストをその後、一般に以下の条件:55℃で約12時間で乾燥させる。使用前には、電極を80℃で、真空中24時間再度乾燥させる。
この乾燥中に、電極をインクで印刷又は塗工する工程に続いて、架橋性官能基の一部、例えば、ポリマーP1のヒドロキシル官能基、例えば、ジアルデヒド群の1つをいくらか、架橋剤と反応させて、フルオロポリマーP2を閉じ込め、交絡させた三次元網目構造を作成する。この構造のために、2つのポリマーの配合物は、安定なままであり、且つ偏析は乾燥工程中に観測されない。
非限定的な例示によって示される以下の実施例を参照して本発明を説明する。
続く実施例1〜実施例4では、本発明によるバインダーを含む電極(実施例2及び実施例4)又は従来技術の従来のバインダー(比較例1及び比較例3)を作製した。
(比較例1)
この比較例では、本発明によるものでないバインダー、すなわち、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)を含む電極を作製した。
最終的な電極中のバインダー含量は6重量%であった。
N−メチルピロリドン(NMP)に溶解させた12%のPVDF溶液は、44gのNMPに6gのPVDFを溶解することによって調製した。
6gの炭素及び6gのグラファイト(電子導電性添加剤)と事前配合させた後で粉砕した、ヘキサンに溶解させた82gのLiCoO2を、この溶液に徐々に添加した。
得られたインクをアルミニウム箔上に塗工し、その後、30%〜40%の多孔性を得るように加圧前に電極を80℃で真空乾燥させた。
(実施例2)
この実施例では、本発明によるバインダー、すなわち、PVA−co−PVAcの重量に対して2重量%のエタンジアールと架橋するポリ(ビニルアルコール)−コ−ポリ(酢酸ビニル)(PVA−co−PVAc)を伴うポリビニリデンフルオリド(PVDF)を含む電極を作製した。
最終的な電極中の全バインダー含量は6重量%であった。
N−メチルピロリドン(NMP)に溶解させた12%のPVDF溶液は、22gのNMPに3gのPVDFを溶解することによって調製し、その後、60gのNMPに3gのPVA−co−PVAcを溶解することによって調製したPVA−co−PVAc溶液と混合させた。
6gの炭素及び6gのグラファイト(電子導電性添加剤)と予め混合した後で粉砕した、ヘキサンに溶解させた82gのLiCoO2を、この溶液に徐々に添加した。
次に、0.06gのエタンジアールを、攪拌しながら混合物に添加した。
得られたインクをアルミニウム箔上に塗工し、その後、30%〜40%の多孔性を得るように加圧前に電極を80℃で真空乾燥させた。
(比較例3)
この比較例では、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)から成る本発明によるものでないバインダーを含む電極を作製した。
最終的な電極中のバインダー含量は6重量%であった。
N−メチルピロリドン(NMP)に溶解させた12%のPVDF溶液は、44gのNMPに6gのPVDFを溶解することによって調製した。
6gの炭素及び6gのグラファイト(電子導電性添加剤)と予め配合させた後で粉砕した、ヘキサンに溶解させた82gのLi4Ti512を、この溶液に徐々に添加した。
得られたインクをアルミニウム箔上に塗工し、その後、40%〜60%の多孔性を得るように加圧前に電極を80℃で真空乾燥させた。
(実施例4)
この実施例では、PVA−co−PVAcの重量に対して2重量%のエタンジアールと架橋するポリ(ビニルアルコール)−コ−ポリ(酢酸ビニル)(PVA−co−PVAc)を伴うポリビニリデンフルオリド(PVDF)から成る本発明によるバインダーを含む電極を作製した。
最終的な電極中の全バインダー含量は6重量%であった。
N−メチルピロリドン(NMP)に溶解させた12%のPVDF溶液は、22gのNMPに3gのPVDFを溶解することによって調製した後、60gのNMPに3gのPVA−co−PVAcを溶解することによって調製したPVA−co−PVAc溶液と混合させた。
6gの炭素及び6gのグラファイト(電子導電性添加剤)と予め配合させた後で粉砕した、ヘキサンに溶解させた82gのLi Ti 12 を、この溶液に徐々に添加した。
次に、0.06gのエタンジアールを、攪拌しながら混合物に添加した。
次に、得られたインクをアルミニウム箔上に塗工し、その後、30%〜40%の多孔性を得るように加圧前に電極を80℃で真空乾燥させた。
比較例1〜実施例4における上記の作製した全ての電極を、ボタン電池型の電池として電気化学的試験を行った。
ボタン電池型として試験を行う前に、比較例1〜実施例4において作製した電極は、蓄電池を組み立てるためのグローブボックスに導入する前に、24時間の間、80℃で真空乾燥させた。
その後、同一プロトコルを厳密に尊守することにより各ボタン電池を組み立てた。したがって、以下のもの:
試験される14mm直径の電極(1)、
200μlの電解質、すなわち、1/1のEC/DMC混合物に溶解させた1mol/リットルのLiPF6
直径16.5mmの微孔質Celgard(登録商標)ポリプロピレンセパレータ(2)、
直径16mmのリチウムディスク(3)、又は非水性媒体における正極又は負極用に従来技術で用いられている従来の材料から選択される別のタイプの電極、
ステンレス鋼ディスク又はスペーサー(4)、
ステンレス鋼蓋(5)及びステンレス鋼底部(6)、並びに
ステンレス鋼スプリング(7)及びポリプロピレンシール(8)
を、図1に示すように電池のケースの底部から積み重ねていった。
その後、クリンパ(crimper)を用いてステンレス鋼ケースを封止し、完全に気密化させた。電池が動作可能であったかを検証するために、フローティング電圧("tension ae l'abandon")を測定することによって確認した。
酸素及び水に対するリチウム及びその塩の高反応性から、ボタン電池は、グローブボックス内で組み立てた。グローブボックスは、わずかに過圧下、無水アルゴン雰囲気に維持した。センサーにより、酸素濃度及び水濃度を絶えずモニタリングすることが可能であった。典型的に、これらの濃度は1ppm未満に維持しなければならなかった。
リチウム金属、又は非水性媒体における正極又は負極用に従来技術で用いられている従来の材料から選択される別のタイプの電極から成る対向電極を、種々の実施例に記載される組成の電極に対向させて用いた。電解質は、1:1のEC/DMC混合物1リットル当たり1molのLiPF6を含有するものとした。
比較例1〜実施例4で作製され且つ上記手順に従ってボタン電池に取り付けられた電極を、電極が正極である場合(比較例1及び実施例2)には140mAh/gのLiCoO2、及び電極が負極である場合(比較例3及び実施例4)には160mAh/gのLi4Ti512におけるサイクルにかけた。
サイクル結果を図2及び図3に示す。
図2中の曲線1は、比較例1に従って作製され且つ加圧後に30%の多孔性を有する0.6mAh/cm2電極上で得られたサイクル結果を示す。140mAh/gの材料に関する計算理論総容量はD/50で回収された。電極は、30Dで、すなわち2分のうちに、その容量を最大33%回復し得る。
図2中の曲線2は、実施例2に従って作製され且つ加圧後に35%の多孔性を有する0.6mAh/cm2電極上で得られたサイクル結果を示す。材料の140mAh/gに関する計算理論総容量はD/50で回収された。電極は、30Dで、すなわち2分のうちに、その容量を最大80%回復し得る。
図3中の曲線3は、比較例3に従って作製され且つ加圧後に30%の多孔性を有する電極上で得られたサイクル結果を示す。材料の160mAh/gに関する計算理論総容量はD/50で回収された。電極は、30Dで、すなわち2分のうちに、その容量を最大5.3%回復し得る。
図3中の曲線4は、実施例4に従って作製され且つ加圧後に35%の多孔性を有する0.6mAh/cm2電極上で得られたサイクル結果を示す。材料の140mAh/gに関する計算理論総容量はD/50で回収された。電極は、30Dで、すなわち2分のうちに、その容量を最大13.5%回復し得る。
実施した試験から、本発明による特定のバインダーを用いて作製された本発明による電極を用いて得られた結果が優れていることが示される。

Claims (26)

  1. 非水性電解質を有する電気化学システムの電極用バインダーであって、前記バインダーが、架橋剤と反応し得る官能基を有し且つ前記架橋剤と架橋する第1のポリマーを含み、架橋された前記第1のポリマーが、ビニリデンフルオリドポリマー(PVDF)、ビニリデンフルオリドコポリマー、及びそれらの混合物から選択されるフルオロポリマーである第2のポリマーを閉じ込める三次元網目構造を形成し、前記第1のポリマーが、ビニルアルコール/酢酸ビニル(PVA−co−PVAc)コポリマーから選択されるヒドロキシル化ポリマーであり、前記架橋剤が、脂肪族ジアルデヒド及び芳香族ジアルデヒドから選択され、前記バインダーが、前記第1のポリマーの重量に対して2重量%〜5重量%の前記架橋剤、及び前記バインダーの総重量に対して10重量%〜90重量%の前記第1のポリマーと10重量%〜90重量%の前記第2のポリマーとを含む、バインダー。
  2. 前記ビニルアルコール/酢酸ビニルコポリマーが、5%以上加水分解度を有する請求項1に記載のバインダー。
  3. 前記ビニルアルコール/酢酸ビニルコポリマーが、5000g/mol〜600000g/molの重量平均分子量を有する請求項2に記載のバインダー。
  4. 前記脂肪族ジアルデヒドが、エタンジアール及びグルタルアルデヒドから選択され、前記芳香族ジアルデヒドが、オルト−フタルアルデヒド、メタ−フタルアルデヒド、パラ−フタルアルデヒド、2,6−ピリジンジカルバルデヒド及び2,5−チオフェンジカルバルデヒドから選択される請求項1に記載のバインダー。
  5. 前記第1のポリマーがビニルアルコール/酢酸ビニルコポリマーであり、且つ前記架橋剤と架橋された前記第1のポリマーが、下記式:
    Figure 0005690487
    (式中、Rは、
    Figure 0005690487
    (式中、nは0〜10の整数である)を示す)を満たす請求項4に記載のバインダー。
  6. 前記ビニリデンフルオリドコポリマーが、ポリ(ビニリデンフルオリド/ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)である請求項1〜5のいずれか一項に記載のバインダー。
  7. 非水性電解質を有する電気化学システム用電極であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバインダーと、電気化学的活物質と電流集電体とを含む電極。
  8. 非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池の正極である請求項7に記載の電極。
  9. 前記電気化学的活物質が、LiCoO ;置換によって得られるLiCoOから誘導される化合物LiMn;LiNiO ;置換によって得られるLiMnから誘導される化合物;LiMnO ;置換によって得られるLiMnOから誘導される化合物オリビン型LiFePO、LiFeSiO、LiMnPO及びLiCoPO;リン酸鉄水和物又は無水物、及び硫酸鉄水和物又は無水物;LiFe(PO;リン酸バナジル水和物又は無水物、及び硫酸バナジル水和物又は無水物Li1+x(0<x<4);Li・nHO(0<x<3及び0<n<2);並びにそれらの混合物から選択される請求項8に記載の電極。
  10. 非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池の負極である請求項7に記載の電極。
  11. 前記電気化学的活物質が、炭素系化合物;LiM型のリチウム合金(式中、M=Sn、Sb又はSiである);LiCuSn化合物(式中、0<x<13である);ホウ酸鉄;可逆分解性の単純酸化物ピニクチュア挿入酸化物並びにそれらの混合物から選択される請求項10に記載の電極。
  12. 前記電子導電性添加剤が、金属粒子;グラファイト;カーボンブラック;カーボンファイバ;カーボンナノワイヤ及びカーボンナノチューブ;電子導電性ポリマー;並びにそれらの混合物から選択される請求項7〜11のいずれか一項に記載の電極。
  13. 請求項7〜12のいずれか一項に記載の、少なくとも1つの電極を含む電気化学システム。
  14. 非水性電解質を有する充電式電気化学蓄電池であって、請求項8又は9に記載の正極と、請求項10又は11に記載の負極と、非水性電解質とを含む充電式電気化学蓄電池。
  15. 前記非水性電解質が液体である請求項14に記載の蓄電池。
  16. 前記非水性電解質が固体である請求項14に記載の蓄電池。
  17. 前記非水性電解質が、有機溶媒に溶解させた少なくとも1つのリチウム塩の溶液から成る請求項15に記載の蓄電池。
  18. 前記非水性電解質が、ポリマー材料とリチウム塩とを含む請求項16に記載の蓄電池。
  19. 前記リチウム塩が、LiAsF、LiClO、LiBF、LiPF、LiBOB、LiODBF、LiB(C)、LiCFSO、LiN(CFSO(LiTFSI)、及びLiC(CFSO(LiTFSM)から選択される請求項17又は18に記載の蓄電池。
  20. 前記有機溶媒が、エーテル、エステル及びそれらの混合物から選択される請求項17に記載の蓄電池。
  21. 前記有機溶媒が、線形カーボネート環状カーボネートアルキルエステル;γ−ブチロラクトン;トリグライム;テトラグライム;ラクトン;ジメチルスルホキシド;ジオキソラン;スルホラン、並びにそれらの混合物から選択される請求項20に記載の蓄電池。
  22. 請求項7〜12のいずれか一項に記載の電極の製造方法であって、
    活性電極材料粉末状混合物を調製し、
    第1の溶媒に溶解させた、架橋剤と反応し得る官能基を有する第1のポリマーの第1の溶液、及び第2の溶媒に溶解させた、フルオロポリマーから選択される第2のポリマーの第2の溶液を調製し、
    前記第1の溶液及び前記第2の溶液を混合及び攪拌し、2つのポリマー溶液の均質混合物を得て、
    架橋剤を、前記2つのポリマー溶液の前記均質混合物に添加し、
    活性電極材料前記粉末状混合物を、前記2つのポリマー溶液の前記均質混合物及び前記架橋剤に添加した後、攪拌し、インク又はペーストと称される均質混合物を得て、
    前記インク又はペーストを、印刷装置を用いて電流集電体上に塗工、堆積又は印刷し、
    堆積された前記インク又はペーストを乾燥させ、そして
    堆積され乾燥された前記インク又はペースト及び前記電流集電体をカレンダー処理又は加圧する電極の製造方法。
  23. 前記インクを、塗工、積層、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びインクジェット印刷から選択されるプロセスによって塗布する請求項22に記載の方法。
  24. 溶媒中に、70重量%〜90重量%の活物質と、1重量%〜20重量%の、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバインダーとを含むインク。
  25. 1重量%〜15重量%の1つ以上の電子導電性添加剤をさらに含む請求項24に記載のインク。
  26. 前記バインダーの含有量が1重量%〜10重量%である請求項24又は25に記載のインク。
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