JP2002216769A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JP2002216769A
JP2002216769A JP2001011295A JP2001011295A JP2002216769A JP 2002216769 A JP2002216769 A JP 2002216769A JP 2001011295 A JP2001011295 A JP 2001011295A JP 2001011295 A JP2001011295 A JP 2001011295A JP 2002216769 A JP2002216769 A JP 2002216769A
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negative electrode
polymer
secondary battery
carboxyl group
weight
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JP2001011295A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Abe
敏浩 阿部
Tetsuo Kawai
徹夫 川合
Shoji Nishihara
昭二 西原
Ko Shirasawa
香 白澤
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性が優れ、かつ安全性の高い非水
二次電池を提供する。 【解決手段】 正極および負極を有し、非水系の電解液
を用いる非水二次電池において、前記負極に、カルボキ
シル基含有ポリマーと前記カルボキシル基と反応し得る
エポキシ基を2個以上含有する架橋材との架橋体と、電
解液による膨潤率が80℃にて30重量%以上のポリマ
ーとを含有させて非水二次電池を構成する。上記電解液
による膨潤率が80℃にて30重量%以上のポリマーと
しては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水二次電池に関
し、さらに詳しくは、特に携帯用電子機器、電気自動
車、ロードレベリングなどの電源として使用するのに適
したサイクル特性が優れ、かつ安全性の高い非水二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のポータブル化、コード
レス化が急速に進んでいる。それに伴って、駆動用電源
を担う小型、軽量で、かつ高エネルギー密度を有する二
次電池への要望が高まっている。そのような観点から、
非水系二次電池、特にリチウム二次電池は、高電圧、高
エネルギー密度を有する電池としてその期待が大きく、
より高性能の電池の開発が急がれている。
【0003】上記リチウム二次電池の負極活物質として
は、金属リチウムが代表的であるが、金属リチウムを用
いた場合、充放電中にリチウムが樹枝状に成長し、さら
に充放電を繰り返すと、成長した樹枝状リチウムによっ
て充放電効率が低下したり、上記樹枝状リチウムが正極
と接して内部短絡を生じるという問題があった。
【0004】そこで、上記のような問題を解決するため
に、リチウムの樹枝状成長を抑制し、リチウムを吸蔵・
放出することができるリチウム−アルミニウムなどのリ
チウム合金や、リチウムを吸蔵・放出することができる
金属粉末、炭素材料、酸化物、硫化物などを負極活物質
として用いることが検討されている。
【0005】しかしながら、リチウム合金を用いた場
合、深い充放電を繰り返すとリチウム合金が微細化して
負極の崩壊が生じ、充放電サイクル特性が低下するとい
う問題があった。
【0006】また、金属粉末や炭素材料、あるいは酸化
物や硫化物などを用いる場合は、通常、それらの粉末単
体では負極を作製することができないため、それらの粉
末とバインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン、スチレンブタジエン系ゴムな
どのバインダー)を溶剤の存在下で混合して調製した負
極合剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる負極集
電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成することによ
って、負極集電体と負極合剤層とが一体となったシート
状の負極を作製している。そして、そのような負極を用
いる非水二次電池では、高容量化を図るため、従来の金
属リチウムを負極とする非水二次電池とは異なり、正極
側においても、正極集電体の両面に正極合剤層を形成す
ることによって正極を作製し、そのように作製したシー
ト状の正極とシート状の負極をセパレータを介して渦巻
状に巻回して巻回構造の電極体とし、その電極体を電池
缶内に収容するか、あるいはアルミニウム箔などの金属
箔を芯材とするラミネートフィルムからなる外装材内に
収容し、密閉状態に封止することによって電池が作製さ
れている。
【0007】しかしながら、上記のような粉末状の負極
活物質はリチウムの脱離・挿入に伴い膨潤・収縮を繰り
返し、それに伴って負極が膨潤・収縮を繰り返すため、
黒鉛などの炭素材料を負極活物質とし、それとバインダ
ーで構成した負極では、充放電サイクルの増加に伴って
負極活物質間の結着力や負極合剤層と負極集電体との接
着強度が低下し、負極合剤層と負極集電体との電気的接
合状態が悪くなったり、負極合剤層が負極集電体から剥
離して、電池容量が低下するという問題があった。
【0008】さらに、最近は、リチウム二次電池の高容
量化に対する要請が益々高くなってきており、そのよう
な背景から、さらなる高エネルギー密度化と高電圧化を
達成するため、負極活物質として、例えば、結晶性の高
い炭素材料を用いるなど、高容量化が期待できる活物質
を用いる傾向がある。しかしながら、上記のような高容
量化が期待できる活物質は、負極集電体への接着性が悪
い上に、その表面の活性が高く、特に充電時において
は、フリーな状態の電解液との反応性が高いため、安全
性を確保することが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、電池内にゲル
状電解質を形成し、フリーな状態の電解液を減少させる
ことによって、安全性を向上させようとする試みがなさ
れている。しかしながら、それらの多くは、ゲルを形成
するために、リチウム塩などの水と容易に反応する電解
質塩を含有する電解液にポリマーを高温で溶解して電極
あるいはセパレータに塗布するプロセスが必要であるた
め(特開平10−311474号公報)、その乾燥に多
大なドライ工程が必要になり、製造コストが高くなると
いう問題があった。
【0010】そのため、電極内にゲルを形成するための
ポリマーをバインダーの一部として使用し、電解液を注
入した後に加熱処理を施し、電極内の電解液を一部をゲ
ル化するという方法も提案されている。この方法による
場合は、ドライ工程を低減でき、製造コストを大幅に低
減することが可能となる。
【0011】しかしながら、負極内にポリマーが電解液
で膨潤したゲル状ポリマー電解質を形成した場合には、
前記のような充放電サイクルに伴う負極合剤層と導電性
基体との電気的接合状態の劣化が著しくなり、電池容量
が著しく低下するという問題があった。
【0012】本発明は、上記のような従来の非水二次電
池における問題点を解決し、サイクル特性が優れ、かつ
安全性の高い非水二次電池を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、非水二次電池
の負極中に、活物質以外に、カルボキシル基含有ポリマ
ーと上記カルボキシル基と反応し得るエポキシ基を2個
以上含有する架橋材との架橋体と、電解液による膨潤率
が80℃にて30重量%以上のポリマーを含有させるこ
とによって、上記課題を解決したものである。
【0014】すなわち、カルボキシル基含有ポリマーを
上記カルボキシル基と反応し得るエポキシ基を分子内に
2個以上含有する架橋材により架橋することによって、
3次元的な網目構造が形成され、その結果、カルボキシ
ル基含有ポリマーの耐溶剤性が高いなどの電極用バイン
ダーとしての優れた特性を保持したまま、その架橋構造
によって負極活物質の保持力を高めることができる。し
たがって、このようなカルボキシル基含有ポリマーと上
記カルボキシル基と反応し得るエポキシ基を分子内に2
個以上含有する架橋材との架橋体をバインダーとして用
いることにより、負極活物質が負極集電体の表面に強固
に保持され、充放電サイクルに伴う負極合剤層と負極集
電体との接着強度の低下や負極合剤層の負極集電体から
の剥離が防止され、充放電サイクルに伴う電池容量の低
下が少ない高容量の非水二次電池が得られるようにな
る。このような特性は、負極集電体との接着強度が低い
天然黒鉛や天然黒鉛形状を持つ黒鉛などの結晶性の高い
黒鉛を負極活物質として用いる際に顕著に発現し、高容
量で、かつ充放電サイクルに伴う電池容量の低下が少な
い非水二次電池が得られる。
【0015】また、あらかじめ架橋した樹脂をバインダ
ーとして用いると負極合剤含有ペーストの粘度が上昇す
るため、ペースト化に際しての溶剤の使用量が多くなる
などの問題があるが、本発明では、ペーストの調製時に
は架橋前のものを添加し、その後の加熱処理により架橋
できるので、負極合剤含有ペーストの粘度は従来のバイ
ンダーを用いていたときとそれほど変わらず、ペースト
調製にあたっての作業性の低下や溶剤の多量使用などの
不都合を招くことがない。
【0016】また、電解液による膨潤率が80℃にて3
0重量%以上のポリマーは、電池組立時にはバインダー
として働き、負極合剤層の柔軟性を向上させるとともに
粉落ちを防ぎ、生産性を向上させ、電解液注入後の加熱
処理により、負極内にゲル状電解質を形成することによ
って、負極中のフリーの電解液を減少させるとともに、
その一部は負極中から溶出して電解液によって膨潤して
ゲル状になるので、電池内のフリーの電解液が少なくな
り、安全性を向上させることができる。さらに、上記ポ
リマーが負極中から溶出するので、負極中のバインダー
の絶対量が減少して、放電特性も向上する。ただし、前
記のカルボキシル基含有ポリマーと上記カルボキシル基
と反応し得るエポキシ基を2個以上含有する架橋材との
架橋体は、電解液に溶出せず、負極中に残っていて、前
記のように負極活物質同士および負極合剤層と負極集電
体とを強力に接着するので、充放電サイクルを長期間繰
り返しても負極合剤層の負極集電体からの剥離などが抑
制され、充放電サイクルの増加に伴う容量劣化を防止す
ることができる。なお、上記ポリマーに関して電解液に
よる膨潤率が80℃にて30重量%以上としているの
は、電解液による膨潤率が80℃にて30重量%以上で
ないと、所望とするゲル化が生じないからである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において用いるカルボキシ
ル基含有ポリマーとしては、例えば、フッ素系樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル樹脂、アリル樹脂、ブタジエン樹
脂などの熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマーなど
でカルボキシル基を含有するものが挙げられ、それらは
それぞれ単独でまたは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。そして、それらの中でもフッ素系樹脂は耐
溶剤性が高いので好ましい。そのフッ素系樹脂のモノマ
ー群としては、例えば、ビニリデンフルオライド単独、
あるいは、ビニリデンフルオライドと他のモノマーの少
なくとも一種との混合物が挙げられる。この他のモノマ
ーとしては、例えば、ビニルフルオライド、トリフルオ
ロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフル
オロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロア
ルキルビニルエーテルなどを挙げることができる。
【0018】上記カルボキシル基含有ポリマーにおける
カルボキシル基の含有量としては、架橋密度の点からポ
リマー中0.1mol%以上が好ましく、0.5mol
%以上がより好ましく、また80mol%以下が好まし
く、30mol%以下がより好ましい。すなわち、カル
ボキシル基の含有量が0.1mol以上であることによ
って架橋密度を充分に高めることができ、また、80m
ol%以下であることによって架橋密度の高すぎによる
電池の内部抵抗の増加を抑制して電池特性を良好に保つ
ことができる。
【0019】上記カルボキシル基含有ポリマーの好適な
分子量は、ポリマーの種類によっても異なるが、一般に
数平均分子量で1万以上が好ましく、10万以上がより
好ましく、また100万以下が好ましく、50万以下が
より好ましい。すなわち、カルボキシル基含有ポリマー
の数平均分子量が1万以上であることによってバインダ
ーの活物質保持力を充分に発揮させ、また、100万以
下であることによって負極合剤含有ペーストの粘度上昇
を抑制し、ペースト化にあたって多量の溶剤が必要にな
るのを避けることができる。
【0020】本発明において用いるエポキシ基を分子内
に2個以上含有する架橋材としては、例えば、グリシジ
ルアミン、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、
グリシジルアミン、環式脂肪族化合物(シクロヘキセン
オキサイド基、トリシクロデセンオキサイド基、シクロ
ペンテンオキサイド基などを有する化合物)などが挙げ
られ、それらの中でも室温で安定に存在し、負極作製時
の加熱処理によりカルボキシル基と反応するグリシジル
アミンが特に好ましい。そのようなグリシジルアミンに
属していて市販されているものとしては、例えば、N,
N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジア
ミン〔三菱ガス化学社製のTETRAD−X(商品
名)〕、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメ
チル)シクロヘキサン〔三菱ガス化学社製のTETRA
D−C(商品名)〕などが挙げられる。
【0021】上記エポキシ基を含有する架橋材における
エポキシ基の含有量としては、カルボキシル基と反応し
得る反応点を多くするためにも、分子内に2個以上であ
ることが必要であり、4個以上が好ましい。
【0022】本発明において、上記カルボキシル基含有
ポリマーとエポキシ基を分子内に2個以上含有する架橋
材との混合比としては、カルボキシル基に対するエポキ
シ基の当量比(エポキシ基の当量/カルボキシル基の当
量)で0.2当量比以上が好ましく、1当量比以上がよ
り好ましく、また、20当量比以下が好ましく、10当
量比以下がより好ましい。すなわち、カルボキシル基に
対するエポキシ基の比率を0.2当量比以上とすること
により、カルボキシル基とエポキシ基との反応を充分に
進行させ、架橋体とした時に充放電時における負極合剤
層と負極集電体との接着強度を高めて電気的接合状態を
向上させ、充放電サイクルに伴う電池容量の低下を効率
よく抑制することができる。一方、カルボキシル基に対
するエポキシ基の比率を20当量比以下とすることによ
り、架橋材の電解液への溶出を抑制し、電池容量の低下
を抑制して所望の電池容量を確保することができる。
【0023】また、電解液による膨潤率が80℃にて3
0重量%以上のポリマーとしては、電解液注入後の加熱
処理によって速やかに膨潤し、冷却後には電解液と分離
することなく均一なゲル構造を形成する必要があり、そ
のため、分子内に結晶部分と非晶質部分とを適度に併せ
持つものが好ましい。このようなポリマーとしては、例
えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プ
ロピレンオキシド共重合体、ポリアクリルニトリル、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフ
ルオロエチレン共重合体などが挙げられるが、特にフッ
化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体
であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体が好ましい。
【0024】上記フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体において、ヘキサフルオロプロピレン
の共重合率(ヘキサフルオロプロピレンの割合)は、該
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
中12〜30重量%の範囲にあることが好ましい。共重
合体中において、ヘキサフルオロプロピレンの共重合率
が12重量%以上であることによって、該フッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の電解液によ
る膨潤が充分に生じ、また、ヘキサフルオロプロピレン
の共重合率が30重量%以下であることによって、ゲル
の熱安定性を高く保つことができ、電解液との分離を防
止することができる。
【0025】上記電解液による膨潤するポリマーは、そ
の膨潤するという作用を適切に発揮させるために、電池
組立後の電解液が存在する状態で加熱する必要がある。
その加熱温度としては、60〜100℃が好ましく、6
0〜90℃がより好ましい。これは、ポリマーの電解液
による膨潤の生起とセパレータの機能を喪失させないと
いう要請に基づくものである。すなわち、セパレータと
して、高温で一部溶解して電池内の抵抗を増大させる、
いわゆるシャットダウン機能を有する微多孔性熱可塑性
樹脂フィルムを使用する場合、熱処理温度はセパレータ
を構成する微多孔性熱可塑性樹脂フィルムの耐熱温度以
下でなければならないことと、ある程度の温度以上でな
いとポリマーによる膨潤が生じないためである。
【0026】カルボキシル基含有ポリマーと上記カルボ
キシル基と反応しうるエポキシ基を2個以上含有する架
橋材との架橋体(以下、簡略化して、「架橋ポリマー」
と表現する場合がある)と、電解液による膨潤率が80
℃にて30重量%以上のポリマーとの比率は、負極合剤
中で全ポリマー成分(架橋ポリマーと電解液による膨潤
率が80℃にて30重量%以上のポリマーとを合わせた
もの)の占める比率が11〜15重量%である場合にお
いて、電解液による膨潤率が80℃にて30重量%以上
のポリマーの全ポリマー成分中で占める比率が20〜8
0重量%であることが好ましい。電解液による膨潤率が
80℃にて30重量%以上のポリマーの全ポリマー成分
中で占める比率が20重量%以上であることによって、
該ポリマーによる膨潤で電解液を充分に保持することが
でき、また、80重量%以下であることによって、架橋
ポリマーにより負極合剤層全体の膨潤を抑制して負極合
剤層と負極集電体との剥離を防止することができる。
【0027】本発明において、負極活物質としては、例
えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロ
ビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料などを用いる
ことができる。特に高容量非水二次電池用の負極活物質
としては、天然黒鉛や炭素材料の粒子表面をメソフェー
ズピッチで被覆したものを高温焼成することによって得
られる天然黒鉛形態を持つ2層構造の黒鉛などが好適に
用いられる。そのような黒鉛は(002)面の面間隔d
002 が0.337nm以下(d002 ≦0.337n
m)、c軸方向の結晶子サイズLcが70nm以上(L
c≧70nm)と黒鉛化度が大きく、粒子の長径aと短
径bの比(アスペクト比)a/bが3以上(a/b≧
3)であって、放電容量が350mAh/g以上という
高容量を有し、中には360mAh/gを超える高容量
の黒鉛も提案されている。また、(002)面の面間隔
002 が小さく結晶性が高いほど高容量が期待できる。
現在、面間隔d002 が最も小さい0.335nmで、高
容量の天然黒鉛はアスペクト比が3以上で鱗片状である
が、最近は面間隔d002 を変えることなくアスペクト比
を下げ、黒鉛形状を球形にして、高容量の黒鉛を得る試
みがなされている。このような黒鉛も結晶性が高いため
負極集電体との接着強度が低いが、本発明ではこのよう
な結晶性が高い黒鉛を負極活物質として用いる場合にも
負極活物質を負極集電体の表面に強固に保持させること
ができ、充放電サイクルに伴う負極合剤層と負極集電体
との接着強度の低下や負極合剤層の負極集電体からの剥
離を防止して、充放電サイクルに伴う電池容量の低下が
少ない高容量の非水二次電池を得ることができる。
【0028】本発明において、負極は、例えば、上記負
極活物質に上記のカルボキシル基含有ポリマーと、上記
カルボキシル基と反応し得るエポキシ基を分子内に2個
以上含有する架橋材と、電解液による膨潤率が80℃に
て30重量%以上のポリマーと、要すれば、他のバイン
ダーや電子伝導助剤などを加えて混合し、得られた負極
合剤を有機溶剤などに分散して負極合剤含有ペーストと
し(この場合、バインダーなどはあらかじめ有機溶剤な
どに溶解させておいてから負極活物質などと混合しても
よい)、その負極合剤含有ペーストを基体としての作用
を兼ねる負極集電体に塗布し、乾燥して負極集電体の少
なくとも一方の面に負極合剤層を形成し、それをカルボ
キシル基含有ポリマーのカルボキシル基と架橋材のエポ
キシ基とを反応させるため、加熱処理する工程と、必要
に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製され
る。ただし、上記の加熱処理は、従来からも負極合剤層
形成のために採用されている乾燥工程(すなわち、負極
合剤含有ペーストを負極集電体に塗布した後に負極合剤
含有ペースト中の溶剤成分を除去して負極合剤層を形成
するために採用されている乾燥工程)の中で行い得る。
また、負極合剤層の作製方法は、上記例示の方法に限ら
れることなく、他の方法であってもよい。
【0029】上記加熱処理としては、特に限定されるこ
とはないが、温度は100℃以上で200℃以下、時間
は10時間以上で50時間以下が好ましい。そのような
加熱処理を行うことにより、カルボキシル基含有ポリマ
ーとエポキシ基を2個以上含有する架橋材の官能基の一
部または全部が反応して架橋体が得られる。
【0030】本発明において負極合剤含有ペーストの調
製にあたって使用する溶剤としては、カルボキシル基含
有ポリマーとエポキシ基を分子内に2個以上有する架橋
材と、電解液とによる膨潤率が80℃にて30重量%以
上のポリマーとを共に溶解させるような溶剤であること
が好ましく、そのような溶剤の具体例としては、例え
ば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどが
挙げられ、それらはそれぞれ単独でまたは2種以上混合
して用いることができる。
【0031】本発明において、上記負極合剤含有ペース
トを基体としての作用を兼ねる負極集電体に塗布する際
の塗布方法としては、例えば、押出しコーター、リバー
スローラー、ドクターブレード、アプリケーターなどを
はじめ、各種の塗布方法を採用することができる。
【0032】本発明において、正極活物質としては、例
えば、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化
物、リチウムマンガン酸化物(これらは通常、LiNi
2、LiCoO2 、LiMn2 4 で表されるが、L
iとNiの比、LiとCoの比、LiとMnとの比は化
学量論組成から若干ずれている場合が多い。しかし、そ
のようなずれがあっても正極活物質として使用するのに
問題はない)などのリチウム含有複合金属酸化物、二酸
化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金
属酸化物などが単独でまたは2種以上の混合物として、
あるいはそれらの固溶体として用いることができる。
【0033】そして、正極の作製にあたっては、必要に
応じ、上記正極活物質に鱗片状黒鉛、カーボンブラック
などの電子伝導助剤を添加することができる。
【0034】正極は、例えば、上記正極活物質に、必要
に応じて、鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝
導助剤を加え、さらにポリフッ化ビニリデン、ポリテト
ラフルオロエチレン、スチレンブタジエン系ラバーなど
のバインダーを加えて混合して調製した正極合剤を溶剤
などに分散させて正極合剤含有ペーストとし(この場
合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてか
ら、上記正極活物質などと混合してもよい)、その正極
合剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる正極集電
体に塗布し、乾燥して正極集電体の少なくとも一方の面
に正極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程
を経て作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例
示の方法に限られることなく、他の方法であってもよ
い。
【0035】上記正極や負極などの電極の集電体として
は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス
鋼などの金属性導電材料を箔、網、パンチドメタル、フ
ォームメタルなどに加工したものなどが用いられるが、
正極集電体としては特にアルミニウム箔が適しており、
また、負極集電体としては特に銅箔が適している。
【0036】本発明において、電解液は、例えば、有機
溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解
させることによって調製される。そして、その溶媒とし
てはエステルが好適に用いられ、特に鎖状エステルは、
電解液の粘度を下げ、イオン伝導度を高めることから好
適に用いられる。このような鎖状エステルとしては、例
えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
メチルエチルカーボネートなどの鎖状のカーボネート
類、プロピオン酸メチルなどの鎖状アルキルエステル
類、リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステルな
どが挙げられるが、それらの中でも特に鎖状のカーボネ
ート類が好ましい。
【0037】また、上記鎖状エステルなどに下記の誘電
率が高いエステル(誘電率30以上のエステル)を混合
して用いると負荷特性などが向上するので好ましい。こ
のような誘電率が高いエステルとしては、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる
が、それらの中でも、特に環状構造のものが好ましく、
とりわけ環状のカーボネートが好ましく、エチレンカー
ボネートが最も好ましい。
【0038】上記エステル以外に併用可能な溶媒として
は、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオ
キソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。その
ほか、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系
または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
そして、これらの溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上
混合して用いることができる。
【0039】電解液の調製にあたって使用するリチウム
塩などの電解質塩としては、例えば、LiClO4 、L
iPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO
3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2
2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、Li
C(CF3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧
2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfはフルオ
ロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用
いられるが、特にLiPF6 やLiC4 9 SO 3 など
が好ましい。電解液中における電解質塩の濃度は、特に
限定されるものではないが、0.3mol/l以上が好
ましく、0.4mol/l以上がより好ましく、また、
1.7mol/l以下が好ましく、1.5mol/l以
下がより好ましい。
【0040】上記電解液はゲル化してゲル状にして用い
てもよい。そのゲル化にあたっては、例えば、ポリフッ
化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロ
ニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマ
ー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマ
ー化する多官能モノマー(例えば、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記ア
クリレートと同様の四官能以上のメタクリレートなど)
などが用いられる。ただし、モノマーの場合、モノマー
そのものが電解液をゲル化させるのではなく、上記モノ
マーをポリマー化したポリマーがゲル化剤として作用す
る。
【0041】上記のように多官能モノマーを用いて電解
液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができ、さら
に重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミノ
エステル類なども使用することもできる。
【0042】本発明においては、通常、上記正極と負極
との間にセパレータを介在させるが、そのようなセパレ
ータとしては、例えば、微多孔性樹脂フィルム、不織布
などが好適に用いられる。上記微多孔性樹脂フィルム材
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン−プロピレン共重合体などが挙げられ、上記
不織布材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートなどが挙げられる。特にシャットダウン機能
を有する微多孔性樹脂フィルムからなるセパレータが好
ましい。
【0043】本発明の非水二次電池は、例えば、上記の
ようにして作製される正極と負極との間にセパレータを
介在させて渦巻状に巻回して作製した渦巻状電極体ある
いはそれらを積層した積層電極体を、ニッケルメッキを
施した鉄やステンレス鋼製の電池缶あるいはアルミニウ
ム箔などの金属箔を芯材とするラミネートフィルムで構
成される外装材内に収容し、電解液を注入した後、密閉
する工程を経て組み立てられ、その組み立て後に加熱処
理することによって、電解液による膨潤率が80℃にて
30重量%以上のポリマーにより電解液をゲル状にする
ことによって得られる。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例に関して説明する。た
だし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0045】実施例1 正極の作製:正極活物質であるLiCoO2 80重量部
と、電子伝導助剤であるアセチレンブラック10重量部
と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン8重量部
と、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体〔アトケムジャパン社製、Kynar2801(商
品名)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」
と略す)共重合率12重量%〕2重量部とを、N−メチ
ル−2−ピロリドンを溶剤として均一になるように混合
し、正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合
剤含有ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔からな
る正極集電体の両面にリード体との接合部となる部分を
除いて塗布し、加熱乾燥して溶剤のN−メチル−2−ピ
ロリドンを除去することにより、アルミニウム箔からな
る正極集電体の両面に正極合剤層を形成した後、ローラ
ープレス機により加圧成形して、正極合剤層の厚みを調
整し、所定サイズに切断後、リード体を正極集電体の露
出部分に溶接して、シート状の正極を得た。
【0046】負極の作製:負極活物質である黒鉛40重
量部と、カルボキシル基を0.5mol%含むポリフッ
化ビニリデン(ポリフッ化ビニリデンを酸変成し、その
末端にカルボキシル基を0.5mol%導入したもの)
2.5重量部と、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体〔前出のKynar2801(商品
名)、HFP共重合率12重量%〕2.5重量部と、N
−メチル−2−ピロリドン55重量部と、エポキシ基を
分子内に4個含有するN,N,N′,N′−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミン0.1重量部とを混合し
て(カルボキシル基に対するエポキシ基の混合比は2当
量比である)、負極合剤含有ペーストを調製した。得ら
れた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からな
る負極集電体の両面にリード体との接合部となる部分を
除いて塗布し、110℃で10分間乾燥して負極合剤層
を形成した後、ローラープレス機により加圧成形して負
極合剤層の厚みを調整し、さらに、155℃で10時間
加熱処理して残存するN−メチル−2−ピロリドンを除
去するとともに上記カルボキシル基を含有するポリフッ
化ビニリデンのカルボキシル基とN,N,N′,N′−
テトラグリシジル−m−キシレンジアミンのエポキシ基
とを反応させて上記カルボキシル基を含有するポリフッ
化ビニリデンを架橋した後、リード体を負極集電体の露
出部分に溶接して、シート状の負極を得た。
【0047】電解液としては、エチレンカーボネートと
プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体
積比1:1:1の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol
/l溶解させて調製したものを用いた。
【0048】上記シート状の正極とシート状の負極との
間に微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータ
を介在させて渦巻状に巻回して、渦巻状巻回構造の電極
体とした後、これをナイロンフィルム−アルミニウム箔
−変性ポリオレフィン樹脂フィルムの三層ラミネートフ
ィルムで構成される袋状の外装材内に挿入した。
【0049】つぎに、上記電解液を注入した後、真空封
止を行い、その状態で3時間室温に放置し、正極、負極
およびセパレータに電解液を充分に浸透させて非水二次
電池を組み立てた後、さらに80℃で2時間加熱して、
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロエチレン共重合体に
より電解液をゲル化した。このフッ化ビニリデン−ヘキ
サフルオロエチレン共重合体の80℃での電解液による
膨潤を以下に示すように測定した。
【0050】膨潤率の測定方法:フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロエチレン共重合体をN−メチル−2−ピロ
リドンに溶解し、得られた溶液をアルミニウム箔上にす
り切り塗布し、N−メチル−2−ピロリドンを加熱除去
して、厚み0.5μmのポリマー皮膜を形成し、それを
前記の電解液(エチレンカーボネートとプロピレンカー
ボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1:1
の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させて
調製した電解液)に80℃で12時間浸漬した後、取り
出して遠心分離器(1000rpm/10分)にかけ、
遊離の電解液を除去し、浸漬前後の重量からポリマーを
膨潤させている電解液の重量を測定して、膨潤率を以下
の式により算出した。
【0051】上記のようにして測定したフッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロエチレン共重合体(ただし、HFP
共重合率12重量%のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオ
ロエチレン共重合体)の膨潤率は89重量%であった。
【0052】実施例2 負極の作製にあたり、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオ
ロエチレン共重合体として、実施例1のKynar28
01(商品名)に代えて、Kynar2751(商品
名、アトケムジャパン社製、フッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体、HFP共重合率15重量
%)を用いた以外は、実施例1と同様に負極を作製し、
その負極を用いた以外は実施例1と同様に非水二次電池
を作製した。このフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロエ
チレン共重合体の80℃での電解液による膨潤率を実施
例1と同様に測定したところ、このフッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロエチレン共重合体(ただし、HFP共重
合率15重量%のフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロエ
チレン共重合体)の膨潤率は170重量%であった。
【0053】比較例1 負極の作製にあたり、N,N,N′,N′−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミンを用いなかった以外は、
実施例1と同様に負極を作製し、その負極を用いた以外
は実施例1と同様に非水二次電池を作製した。
【0054】比較例2 負極の作製にあたり、N,N,N′,N′−テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミンを用いなかった以外は、
実施例2と同様に負極を作製し、その負極を用いた以外
は実施例2と同様に非水二次電池を作製した。
【0055】比較例3 負極の作製にあたり、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体を用いなかった以外は、実施例1
と同様に負極を作製し、その負極を用いた以外は実施例
1と同様に非水二次電池を作製した。
【0056】以上のようにして作製した実施例1〜2の
電池および比較例1〜3について充放電を繰り返した時
の電池容量の変化を測定した。その結果を表1に示す。
なお、電池容量の測定方法は次に示す通りである。
【0057】電池容量の測定方法:充電は1Cの電流制
限回路を設けて4.2Vの定電圧で行い、放電は電池の
電極間電圧が2.75Vに低下するまで行う条件下で充
放電を300回繰り返し、1サイクル目および300サ
イクル目の放電容量を測定した。その結果を表1に示す
が、その表示するにあたっては、上記条件下で得られた
実施例1の1サイクル目の放電容量を100%とし、実
施例1の300サイクル目の放電容量、実施例2と比較
例1〜3の1サイクル目および300サイクル目の放電
容量については、上記実施例1の1サイクル目の放電容
量に対する相対値を求め、それを表1に放電容量(%)
という表現で表示した。
【0058】また、表1には、その放電容量(%)とと
もに、各電池について行った釘刺し試験の結果も示す。
なお、釘刺し試験の方法は、次に示す通りである。
【0059】釘刺し試験:室温にて、電池の中央部に直
径3mmのスチール製の釘を50mm/秒の速度にて突
き刺し、貫通させ、突き刺した時の電池の状況を目視で
観察する。
【0060】さらに、表1には、負極の作製にあたって
の架橋材(これらの実施例や比較例では、N,N,
N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミ
ン)の使用の有無および負極の作製にあたって使用した
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
のHFP共重合率についても示す。なお、表1には、上
記フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体を簡略化してVdF−HFP共重合体で示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1に示すように、実施例1〜2の電池
は、比較例1〜3の電池に比べて、300サイクル目の
放電容量(%)が大きく、充放電の繰り返しによる容量
劣化が少なく、サイクル特性が優れていた。また、実施
例1〜2の電池は、釘刺し試験での発火や発煙がなく、
安全性が優れていた。これに対して、架橋材のN,N,
N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン
を用いていない比較例1〜2の電池は、300サイクル
目の放電容量(%)が小さく、充放電の繰り返しにより
容量劣化が生じることを示していた。また、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、すなわち、
電解液による膨潤率が80℃にて30重量%以上のポリ
マーを用いなかった比較例3の電池は、充放電の繰り返
しによる容量劣化は少ないものの、釘刺し試験での発煙
が生じ、安全性に欠けていた。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
サイクル特性が優れ、かつ安全性が高い非水二次電池を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 昭二 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 白澤 香 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AJ11 AJ14 AK02 AK03 AK18 AL06 AL07 AL08 AM02 AM03 AM05 AM07 AM16 CJ02 CJ08 CJ13 DJ08 EJ12 EJ14 HJ01 HJ14 5H050 AA07 AA14 AA15 AA19 BA17 CA02 CA07 CA08 CA09 CA29 CB07 CB08 CB09 DA11 EA23 EA24 EA28 GA02 GA10 GA13 HA01 HA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極を有し、非水系の電解液
    を用いる非水二次電池であって、前記負極が、カルボキ
    シル基含有ポリマーと前記カルボキシル基と反応し得る
    エポキシ基を2個以上含有する架橋材との架橋体と、電
    解液による膨潤率が80℃にて30重量%以上のポリマ
    ーとを含むことを特徴とする非水二次電池。
  2. 【請求項2】 電解液による膨潤率が80℃にて30重
    量%以上のポリマーが、フッ化ビニリデン−ヘキサフル
    オロプロピレン共重合体であることを特徴とする請求項
    1記載の非水二次電池。
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