JP2002260673A - リチウム二次電池、リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池、リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二次電池の製造方法

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JP2002260673A
JP2002260673A JP2001061739A JP2001061739A JP2002260673A JP 2002260673 A JP2002260673 A JP 2002260673A JP 2001061739 A JP2001061739 A JP 2001061739A JP 2001061739 A JP2001061739 A JP 2001061739A JP 2002260673 A JP2002260673 A JP 2002260673A
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electrode
positive electrode
secondary battery
negative electrode
current collector
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Hideki Kaido
英樹 海藤
Koji Fujita
宏次 藤田
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極群に短時間のうちに液状非水電解質を均
一に含浸させることが可能で、高レートで放電した際に
高容量が得られるリチウム二次電池を提供することを目
的とする。 【解決手段】 正極集電体15及び前記正極集電体15
に担持される正極活物質含有層を有する正極と、負極集
電体及び前記負極集電体に担持される負極活物質含有層
を有する負極とを含む積層物が捲回もしくは折り曲げら
れている構造を有する電極群と、前記電極群に保持され
る非水電解質とを具備するリチウム二次電池において、
前記正極集電体15及び前記負極集電体のうち少なくと
も一方の集電体は、複数の切り込み4が形成されている
導電性シート3であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電
池、リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二
次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR、ラップトッ
プパソコン、携帯電話などの各種電子機器の小型化、軽
量化に伴って、それらの電源である二次電池の高エネル
ギー密度化の要求が高まっており、例えば、リチウムコ
バルト酸化物、リチウムニッケル酸化物やリチウムマン
ガン酸化物などを正極活物質として用いると共に炭素材
料などを負極活物質として用いるリチウム二次電池の研
究が盛んになされている。
【0003】リチウム二次電池の形状としては、従来、
コイン型、筒型が主流であったが、機器の薄型化と省ス
ペース化の要請から、角型、長円筒型、薄型に代表され
る収納時の体積効率に優れた形状のリチウム二次電池の
要求が高まっている。
【0004】ところで、リチウム二次電池に代表される
非水電解質電池においては、非水電解質の電気伝導度
が、アルカリ二次電池等で使用される水系電解液に比べ
て低いため、大電流を得るには、正負両電極を反応面積
の大きいシート状にし、電極群の形状を渦巻形か、扁平
形状に捲回された構造か、もしくは折り曲げ構造にする
ことが好ましい。
【0005】渦巻形電極群は、例えば、以下に説明する
方法により作製される。活物質、導電剤及び結着剤を水
または有機溶媒中で混練することによりペーストを調製
する。得られたペーストを集電体に塗布し、乾燥するこ
とによりシート状の正極及び負極を作製する。つづい
て、正極と負極をその間にポリエチレン等からなるフィ
ルムを介在させながら渦巻き状に捲回することにより、
渦巻形電極群を得る。また、扁平形状に捲回された構造
の電極群は、例えば、渦巻形電極群を径方向に加圧する
ことにより得られる。一方、折り曲げ構造の電極群は、
例えば、正極と負極をその間にポリエチレン等からなる
フィルムを介在させながら折り曲げた後、積層方向に加
圧成形することにより得られる。
【0006】ところで、渦巻形電極群、扁平形状に捲回
された構造の電極群並びに折り曲げ構造の電極群におい
ては、電極群作製時に正極集電体及び負極集電体が破断
するのを防止するために、正極集電体としてアルミニウ
ム箔が、負極集電体として銅箔が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、渦巻形
電極群、扁平形状に捲回された構造の電極群並びに折り
曲げ構造の電極群において、正極集電体及び負極集電体
として金属箔を使用すると、非水電解液やゲル状非水電
解質前駆体の拡散が金属箔で遮られるため、電解液及び
ゲル状電解質前駆体の拡散速度が低下するという問題点
を生じる。電解液及びゲル状電解質前駆体の含浸速度が
遅くなると、生産性の低下を招くだけでなく、電解液及
びゲル状電解質前駆体の分布が偏りやすくなるため、内
部抵抗が上昇し、高レートで放電した際に高い放電容量
が得られ難くなる。
【0008】特に、扁平形状に捲回された構造の電極群
並びに折り曲げ構造の電極群においては、正極と負極と
セパレータを密着させるために加圧成形が施されている
ため、正極とセパレータの界面並びに負極とセパレータ
の界面における拡散速度も遅く、電解液やゲル状電解質
前駆体の含浸速度が著しく遅くなる。
【0009】本発明は、電極群に短時間のうちに液状非
水電解質を均一に含浸させることが可能で、高レートで
放電した際に高容量が得られるリチウム二次電池を提供
することを目的とする。
【0010】本発明は、電極群作製時の集電体の破断が
少なく、電極群に短時間のうちに液状非水電解質を均一
に含浸させることが可能で、かつ高レートで放電した際
に高容量が得られるリチウム二次電池用電極の製造方法
及びリチウム二次電池の製造方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るリチウム二
次電池は、正極集電体及び前記正極集電体に担持される
正極活物質含有層を有する正極と、負極集電体及び前記
負極集電体に担持される負極活物質含有層を有する負極
とを含む積層物が捲回もしくは折り曲げられている構造
を有する電極群と、前記電極群に保持される非水電解質
とを具備するリチウム二次電池において、前記正極集電
体及び前記負極集電体のうち少なくとも一方の集電体
は、複数の切り込みが形成されている導電性シートであ
ることを特徴とするものである。
【0012】本発明に係るリチウム二次電池用電極の製
造方法は、導電性シートに活物質含有層を保持させるこ
とにより電極前駆体を得る工程と、前記電極前駆体に、
先端がテーパ状の切裂手段を貫通させることにより、前
記電極前駆体中の前記導電性シートに切り込みを形成す
る工程と、前記電極前駆体にプレスを施す工程とを具備
することを特徴とするものである。
【0013】本発明に係るリチウム二次電池の製造方法
は、正極と負極とを含む積層物が捲回もしくは折り曲げ
られている構造を有する電極群と、前記電極群に保持さ
れる非水電解質とを具備するリチウム二次電池の製造方
法において、前記正極及び前記負極のうち少なくとも一
方の電極は、導電性シートに活物質含有層を保持させる
ことにより電極前駆体を得る工程と、前記電極前駆体
に、先端がテーパ状の切裂手段を貫通させることによ
り、前記電極前駆体中の前記導電性シートに切り込みを
形成する工程と、前記電極前駆体にプレスを施す工程と
を備える方法により作製されることを特徴とするもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るリチウム二次電池
は、正極集電体及び前記正極集電体の片面もしくは両面
に担持される正極活物質含有層を有する正極と、負極集
電体及び前記負極集電体の片面もしくは両面に担持され
る負極活物質含有層を有する負極とを含む積層物が捲回
もしくは折り曲げられている構造を有する電極群と、前
記電極群に保持される非水電解質と前記電極群及び前記
非水電解質が収納される外装体とを具備する。前記正極
集電体及び前記負極集電体のうち少なくとも一方の集電
体は、複数の切り込みが形成されている導電性シートで
ある。
【0015】この電極群は、例えば、以下の(1)〜
(3)に説明する方法で作製される。
【0016】(1)正極と負極をその間にセパレータを
介在させながら渦巻き状に捲回した後、得られた捲回物
を径方向に沿って加圧することにより扁平型電極群を得
る。この扁平型電極群1の一例を図1に示す。
【0017】(2)正極と負極をその間にセパレータを
介在させて1回以上折り曲げた後、加圧成形することに
より扁平型電極群を得る。この扁平型電極群の一例を図
2に示す。
【0018】図2に示すように、この扁平型電極群2
は、正極と負極をその間にセパレータを介在させて10
回折り曲げることにより作製されたものである。
【0019】(3)正極と負極をその間にセパレータを
介在させながら渦巻き状に捲回することにより渦巻型電
極群を得る。
【0020】以下、正極、負極、セパレータ及び非水電
解質について説明する。
【0021】(正極)この正極は、例えば、以下の
(1)または(2)の方法により作製される。
【0022】(1)活物質、導電性材料及び結着剤を溶
媒と共に混練することによりスラリーを調製する。得ら
れたスラリーを切り込み未形成の導電性シートの片面も
しくは両面に塗布し、乾燥させることにより、導電性シ
ートに正極活物質含有層を担持させ、電極前駆体を得
る。電極前駆体に、先端がテーパ状の切裂手段を通過さ
せ、前記電極前駆体中の導電性シートに切り込みを形成
する。導電性シートに形成される切り込みの形状には、
切裂手段の横断面形状が反映される。次いで、プレスを
施すことにより正極を得る。
【0023】先端がテーパ状の切裂手段としては、例え
ば、針形状の先端部を有するもの、刃形状の先端部を有
するもの等を挙げることができる。
【0024】切裂手段の横断面形状は、例えば、円形、
楕円形、三角形、矩形、多角形、V字形、山形、コの字
形等にすることができる。
【0025】(2)複数の切り込みが形成されている導
電性シートの片面もしくは両面に、前述した(1)で説
明した方法で調製されたスラリーを塗布し、乾燥させ、
プレスを施すことにより正極を得る。
【0026】前記活物質としては、種々の酸化物(例え
ば、LiMn2 4 などのリチウムマンガン複合酸化
物、二酸化マンガン、例えば、LiNiO2 などのリチ
ウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリ
チウム含有コバルト酸化物、リチウム含有コバルトニッ
ケル酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムな
ど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二
硫化モリブデンなど)等を挙げることができる。中で
も、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバル
ト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好
ましい。
【0027】前記導電性材料としては、例えば、人造黒
鉛、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカ
ーボンブラック、ニッケル粉末等を挙げることができ
る。かかる導電性材料には、前述した種類の中から選ば
れる1種または2種以上を使用することができる。
【0028】前記結着剤としては、例えば、ポリビニリ
デンフルオライド(PVdF)、ビニリデンフルオライ
ド(VdF)をモノマー成分として含む共重合体等を挙
げることができる。前記共重合体としては、例えば、ビ
ニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピ
レン(HFP)との共重合体、VdF、HFP及びテト
ラフルオロエチレン(TFE)の3種からなる共重合
体、(メタ)アクリル酸及びそのエステル類、アルキレ
ンオキサイド付加物等を挙げることができる。かかる結
着剤には、前述した種類の中から選ばれる1種または2
種以上のポリマーを使用することができる。
【0029】切り込み未形成の導電性シートには、例え
ば、金属板を使用することができる。金属板は、例え
ば、アルミニウム、ニッケル等から形成することができ
る。
【0030】導電性シートに形成される切り込みの形状
は、例えば、円形、楕円形、三角形、矩形、多角形、V
字形、山形、コの字形等にすることができる。
【0031】切り込みの数は、導電性シートの活物質含
有層が保持される面1cm2当り1〜5個の範囲内にす
ることが好ましい。これは次のような理由によるもので
ある。導電性シート1cm2に切り込みが全く存在して
いないと、液体状の非水電解質の浸透速度を十分に向上
させることが困難になる恐れがある。一方、導電性シー
ト1cm2当りの切り込み数が5個を超えると、集電体
の強度が低下して電極群を作製する際に集電体が千切れ
る恐れがある。導電性シート1cm2当りの切り込み数
は、1〜3個にすることがより好ましく、さらに好まし
い範囲は1〜2個である。
【0032】導電性シートの厚さは、5〜30μmの範
囲内にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、1
0〜25μmである。
【0033】なお、本発明においては、負極集電体に複
数の切り込みが形成されている導電性シートが使用され
ている場合、正極として以下に説明する方法で作製され
たものを使用することができる。すなわち、活物質、導
電性材料及び結着剤を含むスラリーを、アルミニウム箔
やニッケル箔のような金属箔に塗布し、乾燥させた後、
プレスを施すことにより得られる正極を使用することが
できる。
【0034】(負極)この負極は、例えば、以下の
(1)または(2)の方法により作製される。
【0035】(1)活物質及び結着剤を溶媒と共に混練
することによりスラリーを調製する。得られたスラリー
を切り込み未形成の導電性シートの片面もしくは両面に
塗布し、乾燥させることにより、導電性シートに負極活
物質含有層を担持させ、電極前駆体を得る。電極前駆体
に、先端がテーパ状の切裂手段を通過させ、電極前駆体
中の導電性シートに切り込みを形成する。導電性シート
に形成される切り込みの形状には、切裂手段の横断面形
状が反映される。次いで、プレスを施すことにより負極
を得る。
【0036】先端がテーパ状の切裂手段としては、例え
ば、針形状の先端部を有するもの、刃形状の先端部を有
するもの等を挙げることができる。
【0037】切裂手段の横断面形状は、例えば、円形、
楕円形、三角形、矩形、多角形、V字形、山形、コの字
形等にすることができる。
【0038】(2)複数の切り込みが形成されている導
電性シートの片面もしくは両面に、前述した(1)で説
明した方法で調製されたスラリーを塗布し、乾燥させ、
プレスを施すことにより負極を得る。
【0039】活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵
・放出する炭素質材料を使用することができる。
【0040】前記炭素質材料としては、フェノール樹
脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等の有機高分子
化合物を焼成することにより得られるもの、コークス
や、ピッチを焼成することにより得られるもの、人造グ
ラファイト、天然グラファイト等に代表される炭素質材
料を挙げることができる。中でも、アルゴンガス、窒素
ガス等の不活性ガス雰囲気中において、500℃〜30
00℃の温度で、常圧または減圧下にて前記有機高分子
化合物を焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好ま
しい。
【0041】前記結着剤としては、前述した正極で説明
したのと同様なものを挙げることができる。
【0042】前記負極は、導電性を向上する観点から、
導電性材料を含んでいても良い。前記導電性材料として
は、例えば、人造黒鉛、アセチレンブラックやケッチェ
ンブラックのようなカーボンブラック、ニッケル粉末等
を挙げることができる。
【0043】切り込み未形成の導電性シートには、例え
ば、金属板を使用することができる。金属板は、例え
ば、銅、ニッケル等から形成することができる。
【0044】導電性シートに形成される切り込みの形状
としては、前述した正極で説明したのと同様なものを挙
げることができる。
【0045】切り込みの数は、前述した正極で説明した
のと同様な理由により導電性シートの活物質含有層が保
持される面1cm2当り1〜5個の範囲内にすることが
好ましい。導電性シート1cm2当りの切り込み数は、
1〜3個にすることがより好ましく、さらに好ましい範
囲は1〜2個である。
【0046】導電性シートの厚さは、5〜30μmの範
囲内にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、5
〜20μmである。
【0047】なお、本発明においては、正極集電体に複
数の切り込みが形成されている導電性シートが使用され
ている場合、負極として以下に説明する方法で作製され
たものを使用することができる。すなわち、リチウムイ
オンを吸蔵・放出する炭素質材料及び結着剤を含むスラ
リーを、銅箔やニッケル箔のような金属箔に塗布し、乾
燥させた後、プレスを施すことにより得られる負極を使
用することができる。
【0048】(セパレータ)このセパレータとしては、
例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン)製の多孔質シートを用いることができる。
【0049】(非水電解質)この非水電解質としては、
例えば、非水電解液、ゲル状非水電解質を使用すること
ができる。
【0050】非水電解液は、例えば、非水溶媒にリチウ
ム塩を溶解させることにより調製される。
【0051】前記非水溶媒としては、例えば、エチレン
カーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボ
ネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、
エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラク
トン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,
2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2
−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。
前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して
使用してもよい。
【0052】前記リチウム塩としては、例えば、過塩素
酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、
六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロ
メタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )等を挙
げることができる。
【0053】ゲル状非水電解質は、電極群に液体状態の
ゲル状非水電解質前駆体を含浸させた後、前記前駆体を
ゲル化させることにより得られる。ゲル化は、例えば、
熱処理、電子線の照射等により行うことができる。
【0054】ゲル状非水電解質前駆体は、非水電解液及
びゲル化剤を含む。ゲル化剤としては、例えば、物理架
橋型ポリマー及び化学架橋型ポリマーのうち少なくとも
1種類のポリマーから形成することができる。
【0055】物理架橋型ポリマーとしては、ポリアクリ
ロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレン
オキサイド、アクリロニトリルモノマーを含むポリマ
ー、エチレンオキサイドモノマーを含むポリマー等を挙
げることができる。アクリロニトリルモノマーを含むポ
リマーとしては、例えば、ポリアクリロニトリル−メチ
ルアクリレート共重合体やポリアクリロニトリル−ビニ
ルアセテート共重合体のようなコポリマー等を挙げるこ
とができる。アクリロニトリルモノマーを含むポリマー
におけるアクリロニトリルモノマーの重合比率は50%
以上であることが望ましい。一方、エチレンオキサイド
モノマーを含むポリマーにおけるエチレンオキサイドモ
ノマーの重合比率は50%以上であることが望ましい。
【0056】化学架橋型ポリマーとしては、1分子中に
重合可能な官能基を2つ以上有するモノマーを重合させ
て形成したポリマーを挙げることができる。1分子中の
重合可能な官能基数は、3以上であることがより好まし
い。重合可能な官能基のうち好ましいのは、アクリロイ
ル基及びアリル基である。1分子中に重合可能な官能基
を2つ以上有するモノマーとしては、例えば、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート
等を挙げることができる。
【0057】(外装体)外装体は、例えば、金属、フィ
ルム材料等から形成することができる。
【0058】フィルム材料としては、例えば、熱可塑性
樹脂層と樹脂層の間に金属層が介在されたラミネートフ
ィルムを挙げることができる。
【0059】前記熱可塑性樹脂層は、外装体のヒートシ
ール面としての役割を担う。前記熱融着性樹脂として
は、例えば、変性ポリエチレンフタレート、酸変性ポリ
エチレン、酸変性ポリプロピレン、アイオノマー、エチ
レンビニルアセテート(EVA)等を挙げることができ
る。前記熱可塑性樹脂層は、単層か、もしくは複数の熱
可塑性樹脂からなる多層構造にすることができる。
【0060】前記金属層は、水分の侵入を防止する役割
を担う。前記金属層は、例えば、アルミニウム、ニッケ
ル、ステンレスから形成することができる。
【0061】前記樹脂層は、前記金属層を保護する役割
を担っている。前記樹脂層は、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリプロピレンのようなポリ
オレフィンから形成することができる。前記樹脂層は、
単層か、もしくは複数の樹脂からなる多層構造にするこ
とができる。
【0062】以上説明したように本発明に係るリチウム
二次電池は、正極集電体及び前記正極集電体に担持され
る正極活物質含有層を有する正極と、負極集電体及び前
記負極集電体に担持される負極活物質含有層を有する負
極とを含む積層物が捲回もしくは折り曲げられている構
造を有する電極群と、前記電極群に保持される非水電解
質とを具備する。
【0063】このような二次電池において、前記正極集
電体及び前記負極集電体のうち少なくとも一方の集電体
に、複数の切り込みが形成されている導電性シートを用
いることによって、エキスパンドメタルのような多孔質
集電体に比べて高い集電体強度を得ることができ、かつ
電極群に非水電解液やゲル状非水電解質前駆体のような
液体状非水電解質を短時間のうちに均一に含浸させるこ
とができる。特に、物理型架橋ポリマーを含むゲル状非
水電解質前駆体を使用する際、前駆体の浸透速度が遅い
と、電極群に前駆体が行き渡る前にゲル化が始まり、ゲ
ル状非水電解質の分布が大きく偏ってしまうが、本発明
により前駆体の含浸速度が向上されたため、前駆体のゲ
ル化が始まる前に電極群に前駆体を均一に含浸させるこ
とができ、電極群にゲル状非水電解質を均一に分散させ
ることが可能になる。従って、二次電池の内部抵抗を低
くすることができるため、高レートで放電した際にも高
い放電容量を得ることができ、かつ充放電サイクル寿命
を向上することができる。
【0064】本発明に係るリチウム二次電池用電極の製
造方法によれば、切り込み未形成の導電性シートに活物
質含有層を保持させることによって、導電性シートを破
断させることなく、電極前駆体を形成することができ
る。次いで、前記電極前駆体に、先端がテーパ状の切裂
手段を貫通させることにより、電極前駆体中の導電性シ
ートに切り込みを形成することができると共に、活物質
含有層に亀裂もしくは微細な割れを生じさせることがで
きる。次いで、電極前駆体にプレスを施す。このような
方法により正極か、負極か、もしくは正極及び負極の双
方の電極を作製し、正極と負極とを含む積層物が捲回も
しくは折り曲げられた構造の電極群を形成すると、集電
体に破断が生じる率を少なくすることができる。得られ
た電極群には、非水電解液やゲル状非水電解質前駆体の
ような液体状非水電解質を速やかに浸透させることがで
きるため、電極群に非水電解質を均一に保持させること
ができる。その結果、二次電池の内部抵抗を低くするこ
とができるため、高レートで放電した際にも高い放電容
量が得られ、かつ充放電サイクル寿命の長いリチウム二
次電池を実現することができる。
【0065】但し、切裂手段により活物質含有層に形成
される亀裂あるいは微細な割れは、液体状非水電解質が
含浸されることによる活物質含有層の膨潤や、充放電反
応時のリチウムの吸蔵・放出に伴う活物質含有層の膨張
収縮のために活物質含有層の微細構造が変動するため、
現状の技術ではその存在を確認することが困難である。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0067】(実施例1) <正極の作製>N−メチルピロリドン25質量部にポリ
フッ化ビニリデン(呉羽化学工業製商品名:#110
0)3質量部を溶解させた後、正極活物質として平均粒
径3μmのLiCoO289質量部と導電フィラーとし
てグラファイト(ロンザ社製商品名:KS6)8質量部
とを添加し、ディゾルバー及びビーズミルを用いて攪拌
混合し、正極スラリーを調製した。このスラリーを厚さ
15μmのアルミニウム箔の片面にダイスコータを用い
て一定間隔を開けて塗付し、乾燥させ、フープ状に巻き
取り、アルミニウム箔の片面に活物質含有層を形成し
た。ひきつづき、前記アルミニウム箔のもう片方の面に
スラリーをダイスコータを用いて一定間隔を開けて塗付
し、乾燥させ、アルミニウム箔の両面に活物質含有層を
形成した。次いで、両面に活物質含有層が保持されてい
るアルミニウム箔に、ピアッシング装置により、図8に
示すような横断面形状が円形で、かつ直径が0.3mm
の針31をピッチ間隔10mmで貫通させ、活物質含有
層に亀裂を生じさせると共に、正極集電体に切り込みを
形成した。針の貫通により活物質含有層の表面にバリ
(かえり)が突出したが、次いで行われるプレスにより
活物質含有層の表面は平らに戻った。ひきつづき、スリ
ットすることにより、厚さが120μmで、幅が48m
mのリール状正極を得た。
【0068】このようにして得られた正極に含まれる正
極集電体の形状を確認するため、活物質含有層を引き剥
がした。図3に示すように、アルミニウム箔3の表面に
円形の切り込み4が形成されていた。また、アルミニウ
ム箔の表面1cm2当りの切り込みの数は1個であっ
た。
【0069】<負極の作製>メソフェーズピッチ系炭素
繊維粉末(ペトカ社製)100質量部に対して、グラフ
ァイト粉末(ロンザ社製商品名:KS15)を10質量
部添加して混合し、さらにスチレン/ブタジエンラテッ
クス(旭化成工業社製商品名:L1571、固形分が4
8重量%)4.2質量部と、増粘剤としてカルボキシメ
チルセルロース(第1工業製薬製商品名:BSH12)
の水溶液(固形分1重量%)130質量部と、蒸留水2
0質量部とを加えて混合し、スラリーを調製した。この
スラリーを厚さ10μmの銅箔の一方の面にダイスコー
タを用いて一定間隔を開けて塗付し、乾燥し、フープ状
に巻き取ることにより銅箔の片面に活物質含有層を形成
した。ひきつづき、この銅箔の他方の面にスラリーをダ
イスコータを用いて一定間隔を開けて塗付し、乾燥する
ことにより銅箔の両面に活物質含有層を形成した。次い
で、両面に活物質含有層が保持されている銅箔に、ピア
ッシング装置により、横断面形状が円形で、かつ直径が
0.3mmの針をピッチ間隔10mmで貫通させ、活物
質含有層に亀裂を生じさせると共に、負極集電体に切り
込みを形成した。針の貫通により活物質含有層の表面に
バリが突出したが、次いで行われるプレスにより活物質
含有層の表面は平らに戻った。ひきつづき、スリットす
ることにより、厚さが120μmで、幅が50mmのリ
ール状負極を得た。
【0070】このようにして得られた負極に含まれる負
極集電体の形状を確認するため、活物質含有層を引き剥
がしたところ、銅箔の表面に円形の切り込みが形成され
ていた。また、銅箔の表面1cm2当りの切り込みの数
は1個であった。
【0071】<扁平型電極群の作製>得られたリール状
正極と負極を未塗布領域でそれぞれ裁断すると共に、リ
ードタブをそれそれ接合した後、自動捲回機によりポリ
エチレン製微多孔膜(旭化成製)を介してスパイラル状
に捲回した後、扁平形状にプレス成形することにより前
述した図1に示す構造の扁平型の電極群を作製した。
【0072】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)及びγ−ブチロラクトン(GBL)を1:3
の割合で混合した非水溶媒にLiBF4を溶解させるこ
とにより非水電解液を調製した。
【0073】<電池の組立て>最外層からポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム、アルミニウム箔及
び熱可塑性樹脂フィルムの順番に積層された厚さ0.1
5mmのラミネートフィルムで、前記電極群を正負極リ
ードがラミネートフィルムの外部に延出するように被覆
した後、1辺を除いて開口縁部の熱可塑性樹脂フィルム
同士を幅4mmで熱融着させた。次いで、外装体のまだ
開口している1辺から非水電解液2.5gを真空注液し
た後、この辺を前述したのと同様にして封止することに
より、図4及び図5に示す構造を有し、理論容量が50
0mAhで、厚さが3.60mmの薄型リチウムイオン
二次電池を組み立てた。
【0074】すなわち、薄型リチウムイオン二次電池
は、正極11と負極12がセパレータ13を介して扁平
形状に捲回された扁平型電極群と、前記電極群が収納さ
れるラミネートフィルム製の袋状の外装体14とを備え
る。正極11は、円形の切り込みが複数形成されている
アルミニウム箔からなる正極集電体15と、前記正極集
電体15に担持される活物質含有層16とを有する。一
方、負極12は、円形の切り込みが複数形成されている
銅箔からなる負極集電体17と、前記負極集電体17に
担持される活物質含有層18とを有する。前記正極11
の前記正極集電体15には、帯状の正極リード19が接
続されている。一方、前記負極12の負極集電体17に
は、帯状の負極リード20が接続されている。正極リー
ド19及び負極リード20の先端は、前記外装体14の
外部に延出されている。
【0075】(実施例2)アルミニウム箔表面1cm2
当りの切り込み数を2個にし、かつ銅箔表面1cm2
りの切り込み数を2個にすること以外は、前述した実施
例1で説明したのと同様な構成の薄型リチウムイオン二
次電池を製造した。
【0076】(実施例3)針の代わりに図9に示すよう
な横断面形状がV字形の刃32を貫通させ、アルミニウ
ム箔3の表面に形成される切り込み21の形状を図6に
示すようにV字形にし、また銅箔に形成される切り込み
もV字形にすること以外は、前述した実施例1で説明し
たのと同様な構成の薄型リチウムイオン二次電池を製造
した。
【0077】(比較例1) <正極の作製>前述した実施例1で説明したのと同様な
組成の正極スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔の
両面にダイスコータを用いて一定間隔を開けて塗付し、
乾燥させ、プレスした後、スリットすることにより、厚
さが120μmで、幅が48mmのリール状正極を得
た。
【0078】<負極の作製>前述した実施例1で説明し
たのと同様な組成の負極スラリーを厚さ10μmの銅箔
の両面にダイスコータを用いて一定間隔を開けて塗付
し、乾燥させ、プレスした後、スリットすることによ
り、厚さが120μmで、幅が50mmのリール状負極
を得た。
【0079】このような正極及び負極を用いること以外
は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の薄型
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0080】(比較例2) <正極の作製>前述した実施例1で説明したのと同様な
組成の正極スラリーを厚さ15μmのアルミニウム製エ
キスパンドメタルの両面にダイスコータを用いて一定間
隔を開けて塗付したところ、途中でエキスパンドメタル
が破断し、正極を得られなかった。
【0081】<負極の作製>前述した実施例1で説明し
たのと同様な組成の負極スラリーを厚さ10μmの銅製
エキスパンドメタルの両面にダイスコータを用いて一定
間隔を開けて塗付したところ、途中でエキスパンドメタ
ルが破断し、負極を得られなかった。
【0082】実施例1及び比較例1の二次電池につい
て、二次電池組立て工程後から起算して1時間経過した
ものと、二次電池組立て工程後から起算して12時間経
過したものについて、外装体から電極群を取り出し、電
極群に含浸された電解液量を測定すると共に、電極群を
分解してセパレータの濡れ度合いを観測し、その結果を
下記表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】表1から明らかなように、実施例1の二次
電池は、組立て工程後から12時間で注液した非水電解
液の96%が電極群に含浸されて、セパレータ表面の9
0%に非水電解液が行き渡ることがわかる。
【0085】これに対し、比較例1の二次電池は、組立
て工程後から12時間経過しても注液した非水電解液の
うち84%しか電極群に含浸されず、実施例1に比べて
電解液の含浸速度が低いことがわかる。
【0086】また、得られた実施例1〜3及び比較例1
の二次電池について、室温でエージングを施した。エー
ジングは、組立工程後から起算して12時間で終了し
た。次いで、0.2Cの電流で、終止電圧が4.2Vの
定電流−定電圧充電を施した後、0.2Cの電流で終止
電圧3.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、
放電容量が安定したところで放電容量を測定し、その結
果を下記表2に示す。次いで、1.0Cの電流で、終止
電圧が4.2Vの定電流−定電圧充電を施した後、1C
の電流で終止電圧3.0Vまで放電した際の放電容量を
測定し、その結果を下記表2に併記する。ひきつづき、
1.0Cの電流で、終止電圧が4.2Vの定電流−定電
圧充電を施した後、3Cの電流で終止電圧3.0Vまで
放電した際の放電容量を測定し、その結果を下記表2に
併記する。
【0087】
【表2】
【0088】表2から明らかなように、実施例1〜3の
二次電池は、放電レートを高くしていった際の放電容量
の低下を、比較例1に比べて小さくできることがわか
る。
【0089】(実施例4) <扁平型電極群の作製>実施例1で説明したのと同様な
リール状正極と負極を未塗布領域でそれぞれ裁断すると
共に、リードタブをそれそれ接合した後、自動捲回機に
よりポリエチレン製微多孔膜(旭化成製)を介してスパ
イラル状に捲回した後、扁平形状にプレス成形すること
により前述した図1に示す構造の扁平型の電極群を作製
した。
【0090】<ゲル電解質前駆体の調製>エチレンカー
ボネート及びγ−ブチロラクトンを1:3の割合で混合
した非水溶媒に、LiBF4を溶解させることにより非
水電解液を調製した。この非水電解液中に、重合可能な
官能基モノマーとしてトリエチレングリコールジメタク
リレートを5質量%と、重合開始剤として過酸化物系重
合開始剤を0.25質量%とを添加し、混合することに
より液体状のゲル電解質前駆体を調製した。
【0091】<電池の組立て>実施例1で説明したのと
同様なラミネートフィルムで、前記電極群を正負極リー
ドがラミネートフィルムの外部に延出するように被覆し
た後、1辺を除いて開口縁部の熱可塑性樹脂フィルム同
士を幅4mmで熱融着させた。次いで、外装体のまだ開
口している1辺から液体状のゲル電解質前駆体を真空注
液した後、この辺を前述したのと同様にして封止した
後、80℃で1時間加温した後に室温で冷却することに
よりゲル電解質前駆体をゲル化させ、前述した図4及び
図5に示す構造を有し、理論容量が500mAhで、厚
さが3.60mmの薄型リチウムイオン二次電池を組み
立てた。
【0092】(実施例5)アルミニウム箔表面1cm2
当りの切り込み数を2個にし、かつ銅箔表面1cm2
りの切り込み数を2個にすること以外は、前述した実施
例4で説明したのと同様な構成の薄型リチウムイオン二
次電池を製造した。
【0093】(実施例6)針の代わりに図10に示すよ
うな横断面形状がコの字形の刃33を貫通させ、アルミ
ニウム箔3の表面に形成される切り込み22の形状を図
7に示すようにコの字形にし、また銅箔に形成される切
り込みの形状もコの字形にすること以外は、前述した実
施例1で説明したのと同様な構成の薄型リチウムイオン
二次電池を製造した。
【0094】(比較例3) <正極の作製>前述した実施例1で説明したのと同様な
組成の正極スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔の
両面にダイスコータを用いて一定間隔を開けて塗付し、
乾燥させ、プレスした後、スリットすることにより、厚
さが120μmで、幅が48mmのリール状正極を得
た。
【0095】<負極の作製>前述した実施例1で説明し
たのと同様な組成の負極スラリーを厚さ10μmの銅箔
の両面にダイスコータを用いて一定間隔を開けて塗付
し、乾燥させ、プレスした後、スリットすることによ
り、厚さが120μmで、幅が50mmのリール状負極
を得た。
【0096】このような正極及び負極を用いること以外
は、前述した実施例4で説明したのと同様な構成の薄型
リチウムイオン二次電池を製造した。
【0097】得られた実施例4〜6及び比較例3の二次
電池について、室温でエージングを施した。エージング
は、組立工程後から起算して12時間で終了した。次い
で、0.2Cの電流で、終止電圧が4.2Vの定電流−
定電圧充電を施した後、0.2Cの電流で終止電圧3.
0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量
が安定したところで放電容量を測定し、その結果を下記
表3に示す。次いで、前述したのと同様にして1.0C
での放電容量と、3.0Cでの放電容量を測定し、その
結果を下記表3に併記する。
【0098】
【表3】
【0099】表3から明らかなように、実施例4〜6の
二次電池は、放電レートを高くしていった際の放電容量
の低下を、比較例3に比べて小さくできることがわか
る。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、電
極群に非水電解質を短時間のうちに均一に保持させるこ
とが可能で、高レートでの放電特性が向上されたリチウ
ム二次電池を提供することができる。また、本発明によ
れば、電極作製時並びに電極群作製時の集電体の破断が
少なく、電極群に非水電解質を短時間のうちに均一に保
持させることが可能で、高レートでの放電特性が向上さ
れたリチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二
次電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム二次電池の電極群の一例
を示す斜視図。
【図2】本発明に係るリチウム二次電池の電極群の別な
例を示す斜視図。
【図3】実施例1の薄型リチウムイオン二次電池の正極
集電体を示す平面図。
【図4】実施例1の薄型リチウムイオン二次電池を示す
平面図。
【図5】図4の薄型リチウムイオン二次電池を示す断面
図。
【図6】実施例3の薄型リチウムイオン二次電池の正極
集電体を示す平面図。
【図7】実施例6の薄型リチウムイオン二次電池の正極
集電体を示す平面図。
【図8】実施例1において切裂手段として使用される針
を示す断面図。
【図9】実施例3において切裂手段として使用される、
横断面形状がV字形の刃を示す斜視図。
【図10】実施例6において切裂手段として使用され
る、横断面形状がコの字形の刃を示す斜視図。
【符号の説明】
1…電極群、 2…電極群、 3…アルミニウム箔、 4…切り込み、 11…正極、 12…負極、 13…セパレータ、 14…外装体、 15…正極集電体、 16…正極活物質含有層、 17…負極集電体、 18…負極活物質含有層、 19…正極リード、 20…負極リード、 21、22…切り込み、 31…針形状の先端を有する切裂手段、 32、33…刃形状の先端を有する切裂手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H017 AA03 BB06 BB19 CC05 DD08 EE04 EE05 5H029 AJ02 AJ11 AJ14 AK02 AK03 AK05 AL06 AL07 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ14 BJ15 CJ03 CJ04 CJ06 CJ07 CJ22 DJ07 DJ14 EJ01 5H050 AA02 AA14 AA19 BA17 BA18 CA02 CA05 CA08 CA09 CA11 CB07 CB08 DA06 DA07 FA05 FA06 FA13 GA03 GA04 GA08 GA09 GA22 GA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体及び前記正極集電体に担持さ
    れる正極活物質含有層を有する正極と、負極集電体及び
    前記負極集電体に担持される負極活物質含有層を有する
    負極とを含む積層物が捲回もしくは折り曲げられている
    構造を有する電極群と、 前記電極群に保持される非水電解質とを具備するリチウ
    ム二次電池において、 前記正極集電体及び前記負極集電体のうち少なくとも一
    方の集電体は、複数の切り込みが形成されている導電性
    シートであることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 導電性シートに活物質含有層を保持させ
    ることにより電極前駆体を得る工程と、 前記電極前駆体に、先端がテーパ状の切裂手段を貫通さ
    せることにより、前記電極前駆体中の前記導電性シート
    に切り込みを形成する工程と、 前記電極前駆体にプレスを施す工程とを具備することを
    特徴とするリチウム二次電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 正極と負極とを含む積層物が捲回もしく
    は折り曲げられている構造を有する電極群と、前記電極
    群に保持される非水電解質とを具備するリチウム二次電
    池の製造方法において、 前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極は、 導電性シートに活物質含有層を保持させることにより電
    極前駆体を得る工程と、 前記電極前駆体に、先端がテーパ状の切裂手段を貫通さ
    せることにより、前記電極前駆体中の前記導電性シート
    に切り込みを形成する工程と、 前記電極前駆体にプレスを施す工程とを備える方法によ
    り作製されることを特徴とするリチウム二次電池の製造
    方法。
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