JP2005032688A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】
γ−ブチロラクトンを含む非水電解質を用いる際に好適で、充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】
正極と、炭素材料を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とするものである。
【選択図】 図5
γ−ブチロラクトンを含む非水電解質を用いる際に好適で、充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】
正極と、炭素材料を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とするものである。
【選択図】 図5
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
近年、移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤー、コードレス電話等の電子機器の普及が著しい。このような電子機器は、小形化、軽量化の要請が高いため、特に、その電源として小型で大容量の電池が求められている。
一般的に、これらの電子機器の電源として普及している電池の中でも、非水電解質二次電池が注目されている。この非水電解質二次電池では、正極活物質に例えばリチウム複合酸化物が用いられ、負極活物質に例えばリチウム金属若しくはその合金や、リチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料が用いられ、小型軽量で単電池電圧が高く、高エネルギー密度を得られることから、優れた電源としての利用が期待されている。
この非水電解質二次電池においては、非水電解質のイオン伝導性が水系二次電池と比較して低いので、大電流を取り出すためには、水系二次電池に比して正極及び負極の面積を大きくとる必要がある。このため、電極群としては、例えば、薄いシート状の正極及び負極をセパレータを介して渦巻状(コイル状)に巻回したものが用いられている。
このような薄いシート状の正極及び負極は、一般的に、導電性基板である金属箔に、正極活物質若しくは負極活物質を含む混合物の層を形成することによって製造されている。そして、通常の非水電解質二次電池は、上記電極群を、電解液の保持及び電気的絶縁、形状の保持等のために容器に収容し、容器内に非水電解液を注入して、電極群を構成する正極、負極及びセパレータに非水電解液を含浸させることによって構成されている。
この非水電解質二次電池では、高温貯蔵時や初充電時のガス発生を抑制するために、γ−ブチロラクトンを含む非水溶媒を用いることが行われている。しかしながら、γ−ブチロラクトンは、負極の炭素質材料に吸蔵されたリチウムイオンと反応して負極表面に高抵抗な皮膜を形成するため、充放電を繰り返すと内部インピーダンスが上昇し、長い充放電サイクル寿命を得られないという問題点を生じる。
ところで、特開平7−122262号公開公報(特許文献1)には、電極の比表面積を4m2/g以上にすることによって、電極のイオン拡散性を高くし、放電容量の電極膜厚依存性を解消することが記載されている。
特許文献1のように電極の重量(1g)当りの面積(比表面積)を規定するのは、電極材の空隙量を評価するのに有効であるものの(段落[0015]に記載)、電極の重量、すなわち電極材の厚さによって変化する値であることから電極材の表面性状の評価には不向きである。このため、特許文献1に記載の電極では、γ−ブチロラクトンを含む非水電解質による負極の炭素材料の劣化を十分に抑えることが難しい。
特開平7−122262号公報
本発明は、γ−ブチロラクトンを含む非水電解質を用いる際に好適で、充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極と、炭素材料を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とするものである。
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、γ−ブチロラクトンを含む非水電解質を用いる際に好適で、充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極と、炭素材料を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とするものである。
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とするものである。
以下、正極、負極及び非水電解質について説明する。
1)正極
この正極は、集電体と、集電体の片面または両面に担持され、活物質および結着剤を含む正極活物質層とを含む。
この正極は、集電体と、集電体の片面または両面に担持され、活物質および結着剤を含む正極活物質層とを含む。
前記集電体は、例えばアルミニウムから形成することができる。
前記活物質としては、エネルギー密度の高いリチウム複合酸化物が好ましい。具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LixNiyCo1-yO2(ただし、x、yは、電池の充電状態で異なり、通常は0<x<1、0.7<y<1である。)、LixCoySnzO2(ただし、x、y、zは各々0.05≦x≦1.1、0.85≦y≦1、0.001≦z≦0.1の数を表す。)が挙げられる。リチウム複合酸化物は、リチウムの炭酸塩、硝酸塩、酸化物あるいは水酸化物と、コバルト、マンガンあるいはニッケル等の炭酸塩、硝酸塩、酸化物あるいは水酸化物とを所定の組成で混合粉砕し、酸素雰囲気下で600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。中でも、LiCoySnzO2(ただし、x、y、zは各々0.05≦x≦1.1、0.85≦y≦1、0.001≦z≦0.1の数を表す。)は、少量のSnの添加によりリチウム含有化合物の粒径が小さくて均一になるので、サイクル特性の優れた電池が得られる。0.001≦z≦0.1としたのは、zを0.001未満にすると、粒径を十分に制御することが困難になり、一方、zが0.1を超えると容量が小さくなる恐れがあるからである。
前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
前記正極活物質層には、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の導電剤を含有することを許容する。
2)負極
この負極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、リチウムを吸蔵・放出する炭素材料および結着剤を含む負極活物質層とを含み、前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にする。
この負極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、リチウムを吸蔵・放出する炭素材料および結着剤を含む負極活物質層とを含み、前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にする。
前記集電体としては、例えば銅、ニッケルの板またはメッシュ等を挙げることができる。
前記炭素材料は、リチウムをドープ・脱ドープできるものであればよく、例えばグラファイト類、コークス類(石油コークス、ピッチコークス、ニードルコークス等)、熱分解炭素類、有機高分子化合物の焼成体(フェノール樹脂等を適切な温度で焼成し、炭化したもの)等があげられる。炭素材料の種類は1種類あるいは2種類以上にすることができる。炭素材料の種類を2種類以上にする場合、各炭素材料について比表面積と存在比との積を求め、これを合計したもの(平均比表面積)を炭素材料の比表面積として使用する。
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオロライド、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
炭素材料の比表面積と負極の表面積を前述した範囲に規定する理由を説明する。
負極の表面積{1cm2当りの面積(m2)}は、負極の重量(負極の厚さ)が変化しても一定の値を取るため、負極の表面積から負極表面の凹凸状態を知ることができる。負極の表面積を小さくすると、負極表面に存在する炭素材料の表面を結着剤で十分に被覆することができるため、負極と非水電解質との反応、特に負極とγ−ブチロラクトンを含む非水電解質との反応を抑えることができる。負極と非水電解質との反応性は、炭素材料の比表面積が大きい方が高く、また、負極表面での炭素材料表面の露出量をどの程度に抑えれば非水電解質との反応が抑制されるのかは、炭素材料の比表面積により異なるため、負極の表面積の上限値は、炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際には0.06m2/cm2にし、炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には0.04m2/cm2にし、炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際には0.03m2/cm2に設定する。
一方、負極表面積を大きくすることによって、炭素材料と結着剤間の結着強度を低下させて炭素材料の表面を多く露出させることができるため、炭素材料の反応性を高くすることができると共に、負極表面の空隙が多くなるために負極の非水電解質の保持性を高くすることができる。炭素材料の比表面積を小さくするほど、非水電解質との反応性が低くなるものの、充放電反応性も低くなる傾向があり、また、充放電反応性を確保するために必要な表面露出量と空隙量は、炭素材料の比表面積により変わるため、負極の表面積の下限値は、炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際には0.03m2/cm2にし、炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には0.02m2/cm2にし、炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際には0.005m2/cm2に設定する。
負極表面積のより好ましい範囲は、炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際には0.04m2/cm2〜0.05m2/cm2で、炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には0.025m2/cm2〜0.035m2/cm2で、炭素材料の比表面積が10m2/g以上である際には0.01m2/cm2〜0.02m2/cm2である。
負極は、例えば、炭素材料と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスすることにより作製される。負極の表面積は、例えば、結着剤の量や負極の製造条件を変更することにより調整することができる。負極の製造条件としては、例えば、活物質スラリーの攪拌手順や条件、集電体への塗布条件、乾燥条件、プレス条件等を挙げることができる。例えば、結着剤量を多くしてプレス条件を低くすると、炭素材料の表面が結着剤で被覆されやすくなるため、負極の表面積を小さくすることができる。一方、結着剤量を少なくしてプレス条件を高くすると、プレスにより結着剤が延伸されやすく、活物質間の結着を弱くすることができるため、炭素材料の結着剤での被覆量が少なくなり、また、負極表面の空隙が多くなる。このため、負極の表面積を大きくすることができる。
3)セパレータ
上述した正極と負極の間に、セパレータを配置することが可能である。このセパレータは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体からなる微多孔性膜またはこれら材料の繊維を有する織布、不織布から形成することができる。なお、セパレータの代わりに後述する高分子ゲル電解質層または全固体型高分子固体電解質層を用いても良い。
上述した正極と負極の間に、セパレータを配置することが可能である。このセパレータは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体からなる微多孔性膜またはこれら材料の繊維を有する織布、不織布から形成することができる。なお、セパレータの代わりに後述する高分子ゲル電解質層または全固体型高分子固体電解質層を用いても良い。
4)非水電解質
非水電解質の形態は、液状、ゲル状または固体状にすることができる。
非水電解質の形態は、液状、ゲル状または固体状にすることができる。
液状非水電解質(非水電解液)は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質とを含む。
電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)、六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)、六フッ化砒素酸リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、LiN(CF3SO2)2、リチウムビス[5−フルオロ−2オラト−1−ベンゼン−スルホナト(2−)]ボレート等を用いることができる。
非水溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を用いることができ、2種類以上混合して使用してもよい。前記非水溶媒に界面活性剤、例えばトリオクチルフォスフェート(TOP)を添加することが好ましい。このような界面活性剤の添加により非水電解液のセパレータに対する濡れ性を改善することが可能になる。
前記非水溶媒中の前記電解質の濃度は、0.5モル/L以上にすることが好ましい。
特に、前記非水電解液としてはエチレンカーボネート(EC)およびγ−ブチロラクトン(γ−BL)の非水溶媒に四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)の電解質を溶解した溶液を用いると、減圧時に真空度を高めても蒸発し難く、泡立ちも少ないため、電池を容易に製造することが可能になる。この場合、ECはγ−BLに比べ粘度が高く、低温で容量が小さくなる。このため、ECが多いほど低温特性が悪化する虞がある。逆に、γ−BLが多いほど低温特性が良好になる。また、γ−BLは高温で負極の炭素材料と反応し易く、高温での容量低下が大きくなる。このため、ECとγ−BLの配合比(EC:γ−BL)は体積比で2:1〜1:5にすることが好ましい。前記LiBF4の添加量は、溶媒総量に対して0.75〜2mol/Lにすることが好ましい。0.75mol/L未満にすると、所望の大きな容量を有する電池を得ることが困難になる。一方、2mol/Lを超えると、電池のサイクル劣化が起き易く、しかも非水電解液が高価になる虞がある。
高分子ゲル電解質は、高分子材料に非水電解液を複合化させたものを主体とする。一方、全固体型高分子固体電解質は、高分子材料に電解質を複合化させたものを主体とする。高分子材料としては特に限定するものではないが、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、負極活物質である炭素材料の非水電解質による劣化防止に、炭素材料の比表面積と負極の表面積との関係が重要であることを究明した。
すなわち、本発明者らは、炭素材料の比表面積に応じて負極の表面積を変化させる、具体的には炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることによって、負極の非水電解質保持性と炭素材料のリチウム吸蔵・放出を損なうことなく、炭素材料の表面を結着剤に由来する保護皮膜で被覆して炭素材料と非水電解質との反応が抑えられることと、前記保護皮膜が特にγ−ブチロラクトンを含む非水電解質と炭素材料との反応を抑える効果が高いこととを見出した。従って、本発明によれば、γ−ブチロラクトンを含む非水電解質を用いる際に好適で、放電容量が高く、かつ充放電サイクル寿命が向上された非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明は、角形、円筒形、薄型、コイン型等の様々な形態の非水電解質二次電池に適用可能である。そのうちの薄型非水電解質二次電池を図1〜図5を参照して説明する。
まず、正極活物質層が例えば集電体両面に担持された正極、セパレータ、負極活物質層が例えば集電体両面に担持された負極およびセパレータを渦巻状に捲回してほぼ円筒状物を作製する。なお、この捲回時に正負極に外部端子を例えば溶接によりそれぞれ接続する。
次いで、得られた円筒状の電極物を加熱加圧成形することにより図1,図2に示す正極活物質層1が集電体2の両面に担持された正極3とセパレータ4と負極活物質層5が集電体6の両面に担持された負極7とを有する扁平状電極群(電極群)8を作製する。前記正負極3,7に接続された外部端子9,10は、それぞれ前記電極群8の同一側面から外部に延出されている。
前記電極群8の長辺より僅かに長く、かつその短辺の例えば2倍の長さの寸法を有する二つ折りのカップ型外装材用フィルム素材を用意し、図3、図4に示すようにこの外装フィルム用素材11の絞り成型により形成されたカップ12内に前記扁平状の電極群8を収納する。前記外装フィルム用素材11は、前記電極群8が位置する内面側からシーラントフィルム13、アルミニウムまたはアルミニウム合金のシート14および剛性を有する樹脂フィルム15をこの順序で積層した積層フィルムにより構成されている。この時、接着性絶縁フィルム16を前記正極の外部端子9の上下面と前記外装フィルム用素材11の熱融着性樹脂フィルム13との間および前記負極の外部端子10の上下面と前記外装フィルム用素材11のシーラントフィルム13との間にそれぞれ介在させる。ひきつづき、前記電極群8の長辺に対応する前記外装フィルム用素材11の左端部および前記外部端子9,10の延出側に対応する前記素材11の端部においてシーラントフィルム13同士およびシーラントフィルム13と接着性絶縁フィルム16を熱シールし、さらに溶融された接着性絶縁フィルム16と外部端子9,10とを密着させてシール部17a,17bを形成する。
非水電解液を前記外装材フィルム用素材11の未シール部(右端部)を通して注液し、前記電極群8の右端部付近の未シール部においてシーラントフィルム13同士を熱シールする。その後、余分な外装材フィルム用素材11を裁断除去することにより図5に示す袋状の外装フィルム18で扁平状電極群8が密封された薄型非水電解質二次電池19を得る。
以下、外部端子9,10、外装フィルム用素材11及び接着性絶縁フィルム16について説明する。
(外部端子9,10)
正極に接続される外部端子の材料は、例えばアルミニウムが、負極に接続される外部端子の材料は例えばニッケル、銅などが用いられる。
正極に接続される外部端子の材料は、例えばアルミニウムが、負極に接続される外部端子の材料は例えばニッケル、銅などが用いられる。
ここでアルミニウムと銅は、電解液により腐食し易く、ニッケルは腐食し難いので、外部端子材料としてはニッケルを用いることが好ましいが、正極側外部端子材として銅やニッケルを使うと、電解液に溶出する恐れがある。また、チタンとかステンレスのSUS2942は電解液に溶出しないが、これら金属は電池のインピーダンスが高くなる可能性がある。したがって、アルミニウムやアルミニウム合金を使用することが望ましい。また、負極リード端子材としては前記理由でニッケルを用いることが好ましい。ニッケルは電解液による腐食が起き難いので、薬液による表面処理を施さない負極側外部端子を用いることが可能である。もちろん、負極側外部端子も薬液による表面処理をしてより信頼性の高い電池を製造することが可能である。
アルミニウムおよびアルミニウム合金の表面処理法としては、例えば(1)100g/Lの燐酸水溶液中15Vでの陽極酸化、(2)100g/Lの硫酸水溶液中15Vでの陽極酸化、(3)75g/Lのクロム酸水溶液中20Vでの陽極酸化、(4)140g/Lのか性ソーダ水浸漬による表面処理、(5)クロム酸ナトリウム/硫酸/水が質量比で3/30/100の水溶液を60〜70℃の温度にして浸漬することによる表面処理などが挙げられる。これら薬液による表面処理により、アルミニウムおよびアルミニウム合金表面には、高さが数nmから数千nm程度の突起を多数有する、開孔状の多孔質のアルミナからなる酸化膜が形成される。
(外装フィルム用素材11)
この外装フィルム用素材11は、シーラントフィルム13、アルミニウムまたはアルミニウム合金のシート14および剛性を有する樹脂フィルム15をこの順序で積層した積層フィルムにより構成されている。
この外装フィルム用素材11は、シーラントフィルム13、アルミニウムまたはアルミニウム合金のシート14および剛性を有する樹脂フィルム15をこの順序で積層した積層フィルムにより構成されている。
前記シーラントフィルムは、シーラントフィルム同士、シーラントフィルムと外部端子間や、シーラントフィルムと接着性絶縁フィルムとを熱圧着することにより前記素材内部の発電要素を封止するものである。
前記シーラントフィルムとしては、非水電解液に溶解したり、膨潤したりしない無延伸のフィルムが好ましい。例えば、延伸してないポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体、アイオノマー(IO)、ポリアミド(PA)、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・ビニルアルコール(EVOH)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、ポリメチルペンテン(PMP)等を用いることができる。特に、これら樹脂をベースポリマーとし、例えば無水マレイン酸等の酸無水物をグラフト重合させた樹脂フィルムは、接着性絶縁フィルムを用いない場合に好適であるばかりか、金属との接着性を増すため有益である。
前記アルミニウムまたはアルミニウム合金のシートは、非水電解液やガスの透過を防ぐバリアとして作用する。
前記剛性を有する樹脂フィルム(表材)は、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金のシートを保護し、電池の機械的構造特性を維持する機能を持つ。
前記剛性を有する樹脂としては、例えば二軸延伸したポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)などのフィルムが使用できる。
(接着性絶縁フィルム16)
この接着性絶縁フィルムとしては、シーラントフィルムと同等の特性、成形性を備えつつ、正負極側外部端子である金属との接着性が優れたものを用いることが好ましい。具体的には、前述したシーラントフィルムに使用した樹脂からなるベースポリマーに無水マレイン酸等の酸無水物をグラフト重合させたものを用いることができる。なお、接着性絶縁フィルムは電池の構造上、必須なものではなく、必要に応じて使用しなくてもよい。
この接着性絶縁フィルムとしては、シーラントフィルムと同等の特性、成形性を備えつつ、正負極側外部端子である金属との接着性が優れたものを用いることが好ましい。具体的には、前述したシーラントフィルムに使用した樹脂からなるベースポリマーに無水マレイン酸等の酸無水物をグラフト重合させたものを用いることができる。なお、接着性絶縁フィルムは電池の構造上、必須なものではなく、必要に応じて使用しなくてもよい。
なお、前記接着性絶縁フィルムは前記シーラントフィルムと同一系統でも、異なっていてもよい。前記接着性絶縁フィルムと前記シーラントフィルムとを同一組成のものから作れば、正負極側外部端子部まわりが均質で信頼性の高い封止構造が得られる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
<負極の作製>
(実施例1)
下記条件でのBET法による比表面積が0.6m2/gの球状人造黒鉛100重量部と、前記BET法による比表面積が5m2/gの鱗片状黒鉛3重量部との混合物を炭素材料として用意した。
(実施例1)
下記条件でのBET法による比表面積が0.6m2/gの球状人造黒鉛100重量部と、前記BET法による比表面積が5m2/gの鱗片状黒鉛3重量部との混合物を炭素材料として用意した。
<炭素材料のBET法による比表面積の測定>
炭素材料の表面積は、QANTACHROME社のQUANTASOBEを用いてBET1点法により測定される。具体的には、炭素材料を約0.5g採取し、ガラスセルへ挿入し、120℃−15分の脱気処理を行った後に、N2ガス吸着によって測定を行った。
炭素材料の表面積は、QANTACHROME社のQUANTASOBEを用いてBET1点法により測定される。具体的には、炭素材料を約0.5g採取し、ガラスセルへ挿入し、120℃−15分の脱気処理を行った後に、N2ガス吸着によって測定を行った。
炭素材料の比表面積(以下、平均比表面積と称す)には、比表面積と存在比率の積の合計値を使用した。すなわち、実施例1の場合、0.6×(100/103)+5×(3/103)から算出される0.75m2/gを平均比表面積とした。
上記球状人造黒鉛と鱗片状黒鉛の合計100重量部に、カルボキシメチルセルロース(CMC)を2重量部と、スチレンブタジエンゴム(SBR)のラテックスを1.5重量部とを添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、この負極スラリーを集電体である厚さ10μmの帯状銅箔の両面に均一に塗付し、溶剤を乾燥させ、更にロールプレス機で1.3g/cm3で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより集電体の両面に負極活物質層が形成された帯状の負極を作製した。
得られた負極の表面積を以下に説明する方法で測定し、その結果を下記表1に示す。
<負極の表面積>
負極の表面積は、QANTACHROME社のQUANTASOBEを用いてBET1点法により測定される。具体的には、負極を2cm×2cmに切り取り、これを3分割してコック付きのガラスセルへ挿入してN2ガス吸着によって測定を行った。
負極の表面積は、QANTACHROME社のQUANTASOBEを用いてBET1点法により測定される。具体的には、負極を2cm×2cmに切り取り、これを3分割してコック付きのガラスセルへ挿入してN2ガス吸着によって測定を行った。
(実施例2〜3)
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整して下記表1に示す表面積を有する負極を作製した。
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整して下記表1に示す表面積を有する負極を作製した。
(実施例4〜6)
炭素材料としてのBET法による比表面積が2m2/gの繊維状人造黒鉛100重量部に、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムラテックスを下記表1に示す配合比で添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、実施例1で説明したのと同様にして下記表1に示す表面積を有する帯状負極を作製した。
炭素材料としてのBET法による比表面積が2m2/gの繊維状人造黒鉛100重量部に、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムラテックスを下記表1に示す配合比で添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、実施例1で説明したのと同様にして下記表1に示す表面積を有する帯状負極を作製した。
(実施例7〜9)
炭素材料としてのBET法による比表面積が8m2/gの球状天然黒鉛100重量部に、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムラテックスを下記表1に示す配合比で添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、実施例1で説明したのと同様にして下記表1に示す表面積を有する帯状負極を作製した。
炭素材料としてのBET法による比表面積が8m2/gの球状天然黒鉛100重量部に、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムラテックスを下記表1に示す配合比で添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、実施例1で説明したのと同様にして下記表1に示す表面積を有する帯状負極を作製した。
(実施例10〜12)
炭素材料としてのBET法による比表面積が15m2/gの鱗片状人造黒鉛100重量部に、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムラテックスを下記表1に示す配合比で添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、実施例1で説明したのと同様にして下記表1に示す表面積を有する帯状負極を作製した。
炭素材料としてのBET法による比表面積が15m2/gの鱗片状人造黒鉛100重量部に、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムラテックスを下記表1に示す配合比で添加して均一混合攪拌し、負極スラリーを調製した。つづいて、実施例1で説明したのと同様にして下記表1に示す表面積を有する帯状負極を作製した。
(比較例1〜2)
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
(比較例3〜4)
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例4で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例4で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
(比較例5〜6)
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例7で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例7で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
(比較例7〜8)
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例10で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
カルボキシメチルセルロース添加量、スチレンブタジエンゴムラテックス添加量及びロールプレス圧を下記表1に示すように調整すること以外は、前述した実施例10で説明したのと同様にして表面積が下記表1に示す値の負極を作製した。
得られた実施例1〜12及び比較例1〜8の負極を用いて以下に説明する方法で非水電解質二次電池を製造した。
<正極の作製>
正極活物質として平均粒径3μmのLiCoSn0.02O2を89重量部、導電フィラーとしてグラファイト6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部を溶剤であるN−メチルピロリドン25重量部に加えて分散して正極スラリーを調製した。つづいて、この正極スラリーを集電体である厚さ20μmの帯状アルミニウム箔両面に均一に塗付し、溶剤を乾燥させ、さらにロールプレス機で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより、帯状の正極を作製した。その後、前記正極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのアルミニウム製外部端子を溶接により取り付けた。
正極活物質として平均粒径3μmのLiCoSn0.02O2を89重量部、導電フィラーとしてグラファイト6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部を溶剤であるN−メチルピロリドン25重量部に加えて分散して正極スラリーを調製した。つづいて、この正極スラリーを集電体である厚さ20μmの帯状アルミニウム箔両面に均一に塗付し、溶剤を乾燥させ、さらにロールプレス機で加圧成形した後、所定の大きさに切断することにより、帯状の正極を作製した。その後、前記正極の集電体の一端に厚さ0.1mm、幅5mm、長さ50mmのアルミニウム製外部端子を溶接により取り付けた。
前記帯状の正極と帯状の負極を、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して扁平状に捲回した後、加熱圧縮により成形して扁平状電極群を得た。
次いで、延伸ナイロンフィルムとアルミニウム箔とマレイン化ポリプロピレンフィルム(シーラントフィルム)とをこの順序でウレタン系接着剤を介して積層・接着した外装フィルム用素材を用意し、この素材の前記マレイン化ポリプロピレンフィルム側から成形パンチおよび成形ダイを用いて加熱押圧してカップ成形した。つづいて、これを短冊状に切断して、マレイン化ポリプロピレンフィルム面が内側で対向するように、外装フィルム用素材のカップの短辺側を成形機により180°折り曲げた。ひきつづき、前記扁平状電極群を真空加熱乾燥した後、前記外装フィルム用素材のカップ内にその正負極の外部端子が外装フィルム用素材の外部に突き出すように収納し、平坦な素材部分を前記電極群に重なるように折り曲げた。この状態で、前記外装用フィルム素材の短辺を加熱したプレスヘッドより加圧し、マレイン化ポリプロピレンフィルム同士を接着させて、シール部を形成した。また、前記外装用フィルム素材の外部端子が延出された辺を加熱したプレスヘッドにより加圧し、正負極の外部端子とマレイン化ポリプロピレンフィルム、およびマレイン化ポリプロピレンフィルム同士を接着させて、シール部を形成した。
次いで、非水電解液を外装フィルム用素材の開放された長辺側部分を通して注入・含浸させた。この非水電解液としては、エチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンが体積比(EC:γ−BL)で1:3の割合で混合された混合溶媒にトリオクチルフォスフェート(TOP)を0.5重量%加えた非水溶媒に対してLiBF4を1.25モル/Lとなるように添加したものを用いた。
その後未シール部を加熱したプレスヘッドにより加圧し、マレイン化ポリプロピレンフィルム同士を接着させて、シール部を形成し、余分な外装フィルム用素材部分を裁断除去して未充電状態の薄型非水電解質二次電池を作製した。この後、20℃、0.2Cの条件で初充電を8時間行うことにより外寸法が厚さ3.6mm、幅35mm、高さ62mmで、容量が650mAh(0.2C)の薄型非水電解質二次電池を製造した。
得られた実施例1〜12及び比較例1〜8の薄型非水電解質二次電池について、以下に説明する方法で初期容量と200サイクル時の容量維持率を測定し、その結果を下記表1に併記する。
各二次電池を25℃の環境下にて0.5Cにて4.2Vまで充電を行った後の1C2.7Vまでの放電容量を初期容量とした。
また、初期放電後の電池について、25℃の環境下において、1Cで4.2Vまでの充電と1Cで2.7Vまでの放電サイクル試験を行い、200サイクル時の放電容量を測定した。なお、200サイクル時の容量維持率は、初期容量を100%としたときの値である。
表1に示す結果から、炭素材料の比表面積に応じて負極の表面積を規定することによって、高容量で、かつ充放電サイクル寿命が長い二次電池を得られることが理解できる。すなわち、炭素材料の比表面積が1m2/g未満である場合、負極の表面積が0.03〜0.06m2/cm2の範囲である実施例1〜3の二次電池は、表面積が前記範囲を外れる比較例1,2の二次電池に比較して初期容量と200サイクル時の容量維持率が高かった。
また、炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の場合、負極の表面積が0.02〜0.04m2/cm2の範囲である実施例4〜9の二次電池は、表面積が前記範囲を外れる比較例3〜6の二次電池に比較して200サイクル時の容量維持率が高かった。
一方、炭素材料の比表面積が10m2/g以上の場合、負極の表面積が0.005〜0.03m2/cm2の範囲である実施例10〜12の二次電池は、表面積が前記範囲を外れる比較例3〜6の二次電池に比較して200サイクル時の容量維持率が高かった。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
3…正極、4…セパレータ、7…負極、8…電極群、9…正極端子、10…負極端子、11…外装フィルム用素材、12…カップ、16…接着性絶縁フィルム、17a,17b,17c…シール部。
Claims (2)
- 正極と、炭素材料を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
前記炭素材料の比表面積が1m2/g未満の際に前記負極の表面積を0.03〜0.06m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が1m2/g以上、10m2/g未満の際には前記負極の表面積を0.02〜0.04m2/cm2の範囲にし、前記炭素材料の比表面積が10m2/g以上の際に前記負極の表面積を0.005〜0.03m2/cm2の範囲にすることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記非水電解質がγ−ブチロラクトンを含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090210 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090707 |