JPH09213335A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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- JPH09213335A JPH09213335A JP8311920A JP31192096A JPH09213335A JP H09213335 A JPH09213335 A JP H09213335A JP 8311920 A JP8311920 A JP 8311920A JP 31192096 A JP31192096 A JP 31192096A JP H09213335 A JPH09213335 A JP H09213335A
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Abstract
よびサイクル寿命が向上されたリチウム二次電池を提供
することを目的とする。 【解決手段】 正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る炭素質物を含む負極と、非水電解液を具備したリチウ
ム二次電池であって、前記負極の炭素質物は、無定形炭
素構造領域および黒鉛構造領域を有し、粉末X線回折に
0.340nm以下のd002 (但し、d002 は(00
2)面の面間隔を示す)に相当するピークが存在し、か
つ真密度が1.8g/cm3 以上であることを特徴とす
る。
Description
に関し、特に炭素質物を含む負極を改良したリチウム二
次電池に係わる。
た非水電解質電池は高エネルギー密度電池として注目さ
れており、正極活物質に二酸化マンガン(MnO2 )、
フッ化炭素[(CF2 )n ]、塩化チオニル(SOCl
2 )等を用いた一次電池は、既に電卓、時計の電源やメ
モリのバックアップ電池として多用されている。
種の電子機器の小型、軽量化に伴いそれらの電源として
高エネルギー密度の二次電池の要求が高まり、リチウム
を負極活物質とするリチウム二次電池の研究が活発に行
われている。
い、電解液として炭酸プロピレン(PC)、1,2−ジ
メトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(γ−
BL)、テトラヒドロフラン(THF)等の非水溶媒中
にLiClO4 、LiBF4、LiAsF6 等のリチウ
ム塩を溶解した非水電解液やリチウムイオン伝導性固体
電解質を用い、また正極活物質としては主にTiS2 、
MoS2 、V2 O5 、V6 O13、MnO2 等のリチウム
との間でトポケミカル反応する化合物を用いることが研
究されている。
は現在まだ実用化されていない。この主な理由は、充放
電効率が低く、しかも充放電が可能な回数(サイクル寿
命)が短いためである。この原因は、負極のリチウムと
非水電解液との反応によるリチウムの劣化によるところ
が大きいと考えられている。すなわち、放電時にリチウ
ムイオンとして非水電解液中に溶解したリチウムは、充
電時に析出する際に溶媒と反応し、その表面が一部不活
性化される。このため、充放電を繰り返していくとデン
ドライド状(樹枝状)や小球状にリチウムが析出し、さ
らにはリチウムが集電体より脱離するなどの現象が生じ
る。
金属からなる)で表されるリチウム合金を負極として用
いることが検討されている。この負極は単位体積当りの
リチウムイオンの吸蔵放出量が多く、高容量であるもの
の、リチウムイオンが吸蔵放出される際に膨脹収縮する
ためにリチウムイオンの吸蔵放出を繰り返し行うと合金
構造が破壊される。このため、前記負極を備えたリチウ
ム二次電池は、充放電サイクル寿命が短いという問題点
がある。
組み込まれる負極としてリチウムを吸蔵・放出する炭素
質物、例えばコークス、樹脂焼成体、炭素繊維、熱分解
気相炭素などを用いることによって、リチウムと非水電
解液との反応、さらにはデンドライド析出による負極特
性の劣化を改善することが提案されている。
でも主に炭素原子からなる六角網面層が積み重なった構
造(黒鉛構造)の部分において、前記の層と層の間の部
分にリチウムイオンが出入りすることにより充放電を行
うと考えられている。このため、リチウム二次電池の負
極にはある程度黒鉛構造の発達した炭素質物を用いる必
要がある。しかしながら、黒鉛化の進んだ巨大結晶を粉
末化した炭素質物を非水電解液中で負極として用いる
と、非水電解液が分解し、結果として電池の容量および
充放電効率が低くなる。また、充放電サイクルが進むに
従い容量低下が大きくなるため、サイクル寿命が低下す
るという問題点がある。
が検討されている。このようなことから、J.Elec
trochem.Soc.,Vol.142,No.1
1,November 1995の3668頁〜367
7頁のTableIIには、小角X線散乱法による直径が
7.4〜8.8オングストロームの空隙を有するエポキ
シノボラック樹脂焼成体を含むカソードと、リチウム箔
からなるアノードを備えたコイン型電池が開示されてい
る。
oc.,Vol.142,No.2,February
1995の326頁〜332頁には、X線回折による
d002 が3.47オングストロームで、Si原子を1.
8%含有した熱分解気相炭素を含むカソードとリチウム
箔からなるアノードを備え、重量比容量が363mAh
/gのコイン型リチウム二次電池が開示されている。
質物を含む負極の改良により放電容量およびサイクル寿
命が向上されたリチウム二次電池を提供しようとするも
のである。
と、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含む負
極と、非水電解液を具備したリチウム二次電池であっ
て、前記負極の炭素質物は、無定形炭素構造領域および
黒鉛構造領域を有し、粉末X線回折に0.340nm以
下のd002 (但し、d002 は(002)面の面間隔を示
す)に相当するピークが存在し、かつ真密度が1.8g
/cm3 以上であることを特徴とするリチウム二次電池
が提供される。
イオンを吸蔵・放出する炭素質物を含む負極と、非水電
解液を具備したリチウム二次電池であって、前記負極の
炭素質物は、無定形炭素構造領域および黒鉛構造領域を
有し、粉末X線回折に0.340nm以下のd002 (但
し、d002 は(002)面の面間隔を示す)に相当する
ピークが存在し、かつ真密度が1.8g/cm3 以上で
あり、 前記無定形炭素構造領域は小角X線散乱法によ
る直径が0.1〜20nmの空隙を有することを特徴と
するリチウム二次電池が提供される。
ムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含む負極と、非水
電解液を具備したリチウム二次電池であって、前記負極
の炭素質物は、無定形炭素構造領域および黒鉛構造領域
を有し、粉末X線回折に0.340nm以下のd002
(但し、d002 は(002)面の面間隔を示す)に相当
するピークが存在し、かつ真密度が1.8g/cm3 以
上であり、前記無定形炭素構造領域は0.370nm以
上のd002 を有することを特徴とするリチウム二次電池
が提供される。
イオンを吸蔵・放出する炭素質物を含む負極と、非水電
解液を具備したリチウム二次電池であって、前記負極の
炭素質物は、元素M(但し、前記元素MはMg、Al、
Si、Ca、SnおよびPbから選ばれる少なくとも一
種の元素からなる)を含有し、かつ粉末X線回折に0.
344nm以下のd002 (但し、d002 は(002)面
の面間隔を示す)に相当するピークが存在することを特
徴とするリチウム二次電池が提供される。
次電池(例えば円筒形リチウム二次電池)を図1を参照
して詳細に説明する。例えばステンレスからなる有底円
筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。電
極群3は、前記容器 1内に収納されている。前記電極群
3は、正極4、セパレ―タ5及び負極6をこの順序で積
層した帯状物を前記セパレータ5が外側に位置するよう
に渦巻き状に巻回した構造になっている。
る。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内の前
記電極群3の上方に載置されている。絶縁封口板8は、
前記容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部開口
部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口板8
は前記容器1に液密に固定されている。正極端子9は、
前記絶縁封口板8の中央には嵌合されている。正極リ―
ド10の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端子9
にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない
負極リ―ドを介して負極端子である前記容器1に接続さ
れている。
記負極6および前記電解液について詳しく説明する。 1)正極4 正極4は、正極活物質に導電剤および結着剤を適当な溶
媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布、乾燥して薄板
状にすることにより作製される。
例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、
リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト化
合物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム
含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二
硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物
などを挙げることができる。中でも、リチウムコバルト
酸化物{Lix CoO2 (0.8≦x≦1)}、リチウ
ムニッケル酸化物(LiNiO2 )、リチウムマンガン
酸化物(LiMn2 O4 またはLiMnO2 )を用いる
と、高電圧が得られるために好ましい。
ラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができ
る。前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いる
ことができる。
合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜2
0重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ま
しい。
箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることができ
る。 2)セパレータ5 前記セパレータ5としては、例えば合成樹脂製不織布、
ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フ
ィルム等を用いることができる。
を含む。前記炭素質物は、黒鉛構造領域および無定形炭
素構造領域を備え、多相構造である。また、前記炭素質
物は、粉末X線回折に0.340nm以下のd002 に相
当するピークが存在し、かつ真密度が1.8g/cm3
以上である。なお、d002 は、黒鉛結晶子の(002)
面の面間隔を示す。
002 は、粉末X線回折によって得られる回折図のピーク
の位置及び半値幅から求めることができる。算出方法と
しては、学振法に規定された半値幅中点法を用いる。ま
た、粉末X線回折測定においては、CuKαをX線源、
標準物質に高純度シリコンを使用する。なお、半値幅中
点法は、「Tanso(炭素)」、1963、p25の
文献に記載されている。
2に示す。図2に示すように、前記炭素質物は、多相構
造であり、黒鉛構造領域(黒鉛構造部分)を有する。こ
の黒鉛構造領域は、主に、複数の六角網面層20が一定
の規則性をもって配置された構造の黒鉛結晶子Cから形
成される。前記炭素質物は、粉末X線回折において0.
340nm以下のd002 に相当するピークを有する。こ
のようなピークは、前記黒鉛構造領域に起因すると考え
られる。一方、前記炭素質物は無定形炭素構造領域(無
定形炭素構造部分)も備えている。前記無定形炭素構造
領域では、黒鉛結晶子の六角網面層20の配置に規則性
がなく、例えば領域Dのような空隙(欠陥)が存在す
る。このような無定形炭素構造領域においては、前記空
隙の小角X線散乱法による直径が0.1〜20nmであ
る構造にするか、(002)面の面間隔d002 に0.3
70nm以上のものが存在する構造にするか、あるいは
前記空隙の小角X線散乱法による直径を0.1〜20n
mにし、かつ(002)面の面間隔d002 に0.370
nm以上のものが存在する構造にすると良い。この0.
370nm以上の面間隔の多くは、前記空隙に起因する
(ただし、前記炭素質物は、0.370nm以上のd
002 の存在比率が粉末X線回折の検出限界(約10重量
%)以下の場合、粉末X線回折によって0.370nm
以上のd002 に相当するピークを検出できない)。
0nm以下のd002 に相当するピークを有する。このよ
うなピークが存在しない炭素質物は、リチウム二次電池
の放電容量を改善することが困難である。前記炭素質物
は、粉末X線回折において0.340nm以下のd002
に相当するピークのみを有していても良いが、0.34
0nmを越えるd002 に相当するピークが存在していて
も良い。しかしながら、粉末X線回折によって0.37
0nm以上のd002 に相当するピークが検出される炭素
質物は、真密度が1.8g/cm3 よりも小さくなる恐
れがあり、負極の体積比容量(mAh/cc)が低下す
る恐れがある。より好ましい炭素質物は、粉末X線回折
において0.338nm以下のd002 に相当するピーク
を有するものである。さらに好ましい炭素質物は、0.
3354〜0.340nm(さらに好ましくは0.33
54〜0.338nm)のd002 に相当するピークを有
するものである。
3 以上にする。前記炭素質物の真密度を1.8g/cm
3 未満にすると、前記炭素質物中の黒鉛構造領域の不足
や、黒鉛構造領域の黒鉛化度の低下が生じ、負極の体積
比容量が低下する。微細組織が黒鉛構造領域のみからな
る炭素質物の真密度は2.25g/cm3 であり、黒鉛
構造領域と無定形炭素構造領域とが適度な割合で共存し
た微細組織を有する炭素質物にする観点から、前記炭素
質物の真密度の上限値は2.2g/cm3 にすることが
好ましい。より好ましい真密度は、2.0〜2.2g/
cm3 の範囲である。
は、以下に説明する方法で行われる。すなわち、シーメ
ンス(Siemens)社製の商品名がD5000の粉
末XX線装置を用い、管球としてCu・Kαを使用し、
透過型の配置で測定を行った。また、測定条件は以下の
通りである。試料ホルダーとしては、縦と横のサイズが
それぞれ13mmで、高さが9mmで、厚さが1.5m
mのチャンバからなるものを使用した。前記試料ホルダ
ーは、前記装置内に一次光線と直交するように配置し
た。窓材料として厚さが25μmの高分子フィルム(K
apton箔)を使用した。前記試料ホルダーに収容す
る炭素質物の量は150mg〜200mgの範囲にし
た。入射角及び対散乱角はそれぞれ0.1°に設定し
た。受光スリットの幅は、0.1mmにした。
10°まで上昇させ、各散乱角における小角散乱強度を
測定した。得られた散乱強度の平均値をI(q)とし、
下記数1に示す(1)式から前記空隙の回転半径Rg を
求めた。
中の空隙の数、Vは前記空隙の総体積を示す。得られた
回転半径Rg を下記(2)式に代入し、前記炭素質物の
空隙の小角X線散乱法による直径Rs を得る。
角X線散乱法による直径は、0.1〜20nmの範囲に
することが好ましい。前記空隙の直径がこの範囲を逸脱
すると、無定形炭素構造領域に吸蔵されるリチウムイオ
ンの量が減少し、リチウム二次電池の高容量化を達成で
きなくなる恐れがある。より好ましい直径は、0.5〜
5nmの範囲である。さらに好ましい直径は、0.5〜
2nmの範囲である。
か、もしくは繊維状粒子と球状粒子の混合物の形態で負
極中に存在することができる。なお、繊維状炭素質物粒
子には、炭素繊維の他に、炭素繊維を粉砕することによ
り得られるものも包含される。
0μmの範囲にすることが好ましい。
1〜20μmの範囲にすることが好ましい。また、前記
繊維状炭素質物粒子の比表面積は、0.1〜5m2 /g
であることが好ましい。
が10〜100μmの範囲で、かつ平均繊維径が1〜2
0μmの範囲である場合、アスペクト比(繊維長さ/繊
維径)を2〜10の範囲にすることが好ましい。前記繊
維状の炭素質物粒子のアスペクト比を2未満にすると、
前記繊維状の炭素質物粒子の横断面が負極表面に露出す
る比率が増加する。その結果、Liイオンの吸蔵・放出
反応において、前記繊維状の炭素質物粒子の横断面から
の吸蔵・放出反応の比率が高くなるため、繊維状の炭素
質物粒子内部へのLiイオンの移動が遅くなって大電流
放電性能が低下する恐れがある。また、電解液の分解が
生じて充放電効率が低下する恐れがある。さらに、前記
繊維状の炭素質物粒子の負極中の充填密度を例えば1.
3g/cm3 以上に高めることが困難になる恐れがあ
る。一方、前記繊維状の炭素質物粒子のアスペクト比が
10を越えると前記繊維状の炭素質物粒子が前記セパレ
ータを貫通し易くなり、正極と負極の短絡を招く恐れが
ある。
維を粉砕することにより得られる繊維状炭素質粒子につ
いては、平均粒径を1〜100μm、より好ましくは2
〜40μmの範囲にすることが望ましい。
結晶子の配向は、放射型であることが好ましい。ここ
で、黒鉛結晶子の配向が放射型であるとは、繊維状炭素
質物粒子に存在する黒鉛結晶子の六角網面層間が繊維状
炭素質物粒子の外周面を向いていることを意味する。こ
の放射型配向には、ラメラ型、ブルックステーラ型に属
する配向も包含される。図3に、放射型配向を有する繊
維状炭素質物粒子21のうち、繊維状炭素質物粒子21
に含まれる全ての黒鉛結晶子22の六角網面層間が繊維
状炭素質物粒子21の外周面を向いている例を示す。な
お、この繊維状炭素質物粒子21は、無定形炭素構造領
域に空隙23を有する。黒鉛結晶子の配向が放射型に属
する繊維状炭素質物粒子の中でも、その配向に適度な乱
れを有しているものが好ましい。この配向に適度な乱れ
を有する繊維状の炭素質物粒子は強度が高く、Liイオ
ンの吸蔵・放出反応に伴う構造劣化が少ないため、寿命
特性が向上される。特に、繊維状炭素質物粒子の内部に
存在する黒鉛結晶子の配向が乱れていると良い。このよ
うな繊維状炭素質物粒子は、外周面からのLiイオンの
吸蔵・放出反応が容易であり、寿命特性が向上されるば
かりか急速充放電性能が向上される。ただし、繊維状炭
素質物粒子の黒鉛結晶の配向を同軸同管状(オニオン
型)にすると、リチウムイオンの内部拡散を妨げる恐れ
がある。
繊維状炭素質物粒子は、メソフェーズピッチ系炭素繊維
を炭素化または黒鉛化したものから形成することが好ま
しい。
m、より好ましくは2〜40μmの範囲にすることが望
ましい。
1/10以上にすることが望ましい。より好ましくは、
1/2以上として真球状に近い形状にすることが望まし
い。また、球状炭素質物粒子は、メソフェーズ小球体を
炭素化または黒鉛化したものから形成することが好まし
い。
晶子の配向は、放射型、ラメラ型又はラメラ(薄層)型
と放射型とが複合されたブルックス−テーラー型などに
することができる。なお、前記ブルックス−テーラ型の
定義については「Chemi−cal&Phisics
Carbon」Vol4、1968、p243の文
献、及び「Carbon」Vol3、1965、p18
5の文献にそれぞれ記載されている。また、配向性が同
心球状のもの知られている。
え、粉末X線回折に0.340nm以下のd002 に相当
するピークを有し、かつ真密度が1.8g/cm3 以上
である炭素質物は、例えば、以下の(1)〜(3)に示
す方法により作製できる。
油ピッチ、石炭ピッチを原料としたメソフェーズピッ
チ、コークスなど)と、難黒鉛化性の炭素前駆体(例え
ば等方性ピッチ、ポリアクリルニトリル、フルフリール
アルコール、フラン樹脂、フェノール系樹脂、セルロー
ス、砂糖、ポリ塩化ビニリデンなど)との混合物を80
0〜3000℃の範囲で熱処理することにより前記炭素
質物を作製する。
るいは前記難黒鉛化性の炭素前駆体にFe,Co,N
i,Ca,Cr,Mn,Al,Siのような触媒を添加
し、前記易黒鉛化性の炭素前駆体の場合には1000〜
2000℃の範囲で、前記難黒鉛化性の炭素前駆体の場
合には1500〜3000℃の範囲で熱処理することに
よって前記炭素質物を作製する。
ピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体の黒鉛化物の黒
鉛結晶に酸処理、イオン注入、気相酸化処理などによっ
て空隙(欠陥)を機械的に形成させることにより前記炭
素質物を作製する。
ば、有機溶媒)に分散された結着剤と前記炭素質物を混
合し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、
プレスすることにより作製することができる。なお、プ
レス工程において、2〜5回の多段階プレスを行っても
良い。
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いること
ができる。
炭素材90〜98重量%、結着剤2〜10重量%の範囲
にすることが好ましい。特に、前記負極6は、炭素質物
の含有量を5〜20mg/cm2 の範囲することが好ま
しい。
レス箔、ニッケル箔等を用いることができる。 4)電解液 前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することに
より調製される。
の溶媒として公知の非水溶媒を用いることができ、特に
限定はされないが、エチレンカーボネート(EC)と前
記エチレンカーボネートより低融点であり且つドナー数
が18以下である1種以上の非水溶媒(以下第2溶媒と
称す)との混合溶媒を主体とする非水溶媒を用いること
が好ましい。このような非水溶媒は、前記負極を構成す
る黒鉛構造の発達した炭素質物に対して安定で、電解液
の還元分解または酸化分解が起き難く、さらに導電性が
高いという利点がある。
液では、黒鉛化した炭素質物に対して還元分解されに難
い性質を持つ利点があるが、融点が高く(39℃〜40
℃)粘度が高いため、導電率が小さく常温作動の二次電
池では不向きである。エチレンカーボネートに混合する
第2の溶媒は混合溶媒を前記エチレンカーボネートより
も粘度を小さくして導電性を向上させる。また、ドナー
数が18以下の第2の溶媒(ただし、エチレンカーボネ
ートのドナー数は16.4)を用いることにより前記エ
チレンカーボネートがリチウムイオンに選択的に溶媒和
し易くなくなり、黒鉛構造の発達した炭素質物に対して
前記第2の溶媒の還元反応が抑制されることが考えられ
る。また、前記第2の溶媒のドナー数を18以下にする
ことによって、酸化分解電位がリチウム電極に対して4
V以上となり易く、高電圧なリチウム二次電池を実現で
きる利点も有している。
ーボンが好ましく、中でもジメチルカーボネート(DM
C)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチル
カーボネート(DEC)、プロピオン酸エチル、プロピ
オン酸メチル、またはプロピレンカーボネート(P
C)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、アセトニトリ
ル(AN)、酢酸エチル(EA)、ギ酸プロピル(P
F)、ギ酸メチル(MF)、トルエン、キシレンまた
は、酢酸メチル(MA)などが挙げられる。これらの第
2の溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用い
ることができる。特に、前記第2種の溶媒はドナー数が
16.5以下であることがより好ましい。
8cp以下であることが好ましい。前記混合溶媒中の前
記エチレンカーボネートの配合量は、体積比率で10〜
80%であることが好ましい。この範囲を逸脱すると、
導電性の低下あるいは溶媒の分解がおき、充放電効率が
低下する恐れがある。より好ましい前記エチレンカーボ
ネートの配合量は体積比率で20〜75%である。非水
溶媒中のエチレンカーボネートの配合量を20体積%以
上に高めることによりエチレンカーボネートのリチウム
イオンへの溶媒和が容易になるため、溶媒の分解抑制効
果を向上することが可能になる。
とMEC、ECとPCとMEC、ECとMECとDE
C、ECとMECとDMC、ECとMECとPCとDE
Cの混合溶媒で、MECの体積比率は30〜80%とす
ることが好ましい。このようにMECの体積比率を30
〜80%、より好ましくは40〜70%にすることによ
り、導電率を向上できる。一方、溶媒の還元分解反応を
抑える観点から、炭酸ガス(CO2 )を溶解した電解液
を用いると、容量とサイクル寿命の向上に効果的であ
る。
な不純物としては、水分と、有機過酸化物(例えばグリ
コール類、アルコール類、カルボン酸類)などが挙げら
れる。前記各不純物は、黒鉛化物の表面に絶縁性の被膜
を形成し、電極の界面抵抗を増大させるものと考えられ
る。したがって、サイクル寿命や容量の低下に影響を与
える恐れがある。また高温(60℃以上)貯蔵時の自己
放電も増大する恐れがある。このようなことから、非水
溶媒を含む電解液においては前記不純物はできるだけ低
減されることが好ましい。具体的には、水分は50pp
m以下、有機過酸化物は1000ppm以下であること
が好ましい。
は、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ
化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウフッ化リチウム
(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF
6 )、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF
3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド
リチウム[LiN(CF3 SO2 )2 ]などのリチウム
塩(電解質)が挙げられる。中でもLiPF6 、LiB
F4 、LiN(CF3 SO2 )2 を用いるのが好まし
い。
は、0.5〜2.0モル/1とすることが望ましい。な
お、前述した図1においては、円筒形リチウム二次電池
に適用した例を説明したが、角形リチウム二次電池にも
同様に適用できる。また、前記電池の容器内に収納され
る電極群は渦巻形に限らず、正極、セパレータおよび負
極をこの順序で複数積層した形態にしてもよい。
極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物を含む
負極と、非水電解液を具備したリチウム二次電池であっ
て、前記負極の炭素質物は、元素M(但し、前記元素M
はMg、Al、Si、Ca、SnおよびPbから選ばれ
る少なくとも一種の元素からなる)を含有し、かつ粉末
X線回折に0.344nm以下のd002 (但し、d002
は(002)面の面間隔を示す)に相当するピークが存
在することを特徴とするものである。
有する円筒形リチウム二次電池に適用することができ
る。また、複数の負極および複数の正極の間にセパレー
タをそれぞれ介在して積層物とし、この積層物を有底矩
形筒状の容器内に収納した構造の角形リチウム二次電池
にも適用することができる。
としては、前述したものと同様なものを用いることがで
きる。 1)負極 前記負極は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物を
含む。前記炭素質物は、Mg、Al、Si、Ca、Sn
およびPbから選ばれる一種以上の元素M(異種元素
M)からなり、かつ粉末X線回折において0.344n
m以下のd002 に相当するピークを有する。なお、d
002 は、黒鉛結晶子の(002)面の面間隔を示す。
d002 の測定、定義は、前述した通りである。前記炭素
質物は、粉末X線回折に0.344nm以下のd002 に
相当するピークを有する。このようなピークが存在しな
い炭素質物は、リチウム二次電池の放電容量を改善する
ことが困難である。前記炭素質物は、粉末X線回折にお
いて0.344nm以下のd002 に相当するピークのみ
を有していても良いが、0.344nmを越えるd002
に相当するピークが存在していても良い。しかしなが
ら、0.344nmを越えるd002 に相当するピークが
存在する炭素質物は、0.344nm以下のd002 の割
合が低下し、黒鉛化度が低くなり、真密度が低下する恐
れがある。真密度が低下すると、負極の体積比容量(m
Ah/cc)が低下する恐れがある。より好ましい炭素
質物は、粉末X線回折に0.340nm以下のd002 に
相当するピークが存在するものである。さらに好ましい
炭素質物は、粉末X線回折に0.3354〜0.344
nm(好ましくは0.3354〜0.340nm)d
002 に相当するピークを有するものである。
間や、黒鉛結晶子の六角網面層間に存在しているものと
推測される。この元素Mは、単位体積当りのリチウムイ
オン吸蔵放出量が炭素質物に比べて多い。このため、前
述した特定のピークを有する炭素質物に元素Mを含有さ
せると、負極の容量を向上させることができる。中で
も、Si、Pb、Al、Caを用いるのが好ましい。ま
た、前記炭素質物に2種類以上の元素Mを含有させる場
合には、SiとAlからなる元素Mか、もしくはCaと
Mgからなる元素Mを用いるのが良い。
(前記炭素質物中の炭素原子数に対する前記元素Mの原
子数)で0.1〜10%含有することが好ましい。前記
炭素質物の元素Mの含有量を原子比率で0.1%未満に
すると、元素Mの含有量が少ないため、元素M導入によ
る負極の容量増大の効果が不十分になる恐れがある。一
方、前記元素Mの含有量が原子比率で10%を越える
と、前記炭素質物において多量の金属炭素化物が生成し
てサイクル寿命が低下する恐れがある。より好ましい含
有量は、原子比率で1〜8%の範囲である。
3 以上にすることが好ましい。前記炭素質物の真密度を
1.7g/cm3 未満にすると、0.344nm以下の
d002 の割合が減少して前記炭素質物を含む負極の体積
比容量が低下する恐れがある。前記炭素質物の真密度
は、2.0g/cm3 以上にすることがより好ましい。
なお、真密度の上限値は、炭素質物のd002 に0.34
4nm以下のものが高い比率で存在するように設定する
と良い。また、真密度の上限値は、炭素質物に含有され
る元素Mの種類及び含有量によって変動する。
か、もしくは繊維状粒子と球状粒子の混合物の形態で負
極中に存在することができる。なお、繊維状炭素質物粒
子には、炭素繊維の他に、炭素繊維を粉砕することによ
り得られるものも包含される。
0μmの範囲にすることが好ましい。
1〜20μmの範囲にすることが好ましい。また、前記
繊維状炭素質物粒子の比表面積は、0.1〜5m2 /g
であることが好ましい。
が10〜100μmの範囲で、かつ平均繊維径が1〜2
0μmの範囲である場合、前述したのと同様な理由によ
りアスペクト比(繊維長さ/繊維径)を2〜10の範囲
にすることが好ましい。
維を粉砕することにより得られる繊維状炭素質粒子につ
いては、平均粒径を1〜100μm、より好ましくは2
〜40μmの範囲にすることが望ましい。
結晶子の配向は、放射型であることが好ましい。この放
射型配向には、ラメラ型、ブルックステーラ型に属する
配向も包含される。黒鉛結晶子の配向が放射型に属する
繊維状炭素質物粒子の中でも、その配向に適度な乱れを
有しているものが好ましい。この配向に適度な乱れを有
する繊維状の炭素質物粒子は強度が高く、Liイオンの
吸蔵・放出反応に伴う構造劣化が少ないため、寿命特性
が向上される。特に、繊維状炭素質物粒子の内部に存在
する黒鉛結晶子の配向が乱れていると良い。このような
繊維状炭素質物粒子は、外周面からのLiイオンの吸蔵
・放出反応が容易であり、寿命特性が向上されるばかり
か急速充放電性能が向上される。ただし、繊維状炭素質
物粒子の黒鉛結晶の配向を同軸同管状(オニオン型)に
すると、リチウムイオンの内部拡散を妨げる恐れがあ
る。
繊維状炭素質物粒子は、メソフェーズピッチ系炭素繊維
を炭素化または黒鉛化したものから形成することが好ま
しい。
m、より好ましくは2〜40μmの範囲にすることが望
ましい。
1/10以上にすることが望ましい。より好ましくは、
1/2以上として真球状に近い形状にすることが望まし
い。また、球状炭素質物粒子は、メソフェーズ小球体を
炭素化または黒鉛化したものから形成することが好まし
い。
晶子の配向は、放射型、ラメラ型又はラメラ(薄層)型
と放射型とが複合されたブルックス−テーラー型などに
することができる。また、配向性が同心球状のもの知ら
れている。
素前駆体(例えば石油ピッチ、石炭ピッチを原料とした
メソフェーズピッチ、コークスなど)か、あるいは難黒
鉛化性の炭素前駆体(例えば等方性ピッチ、ポリアクリ
ルニトリル、フルフリールアルコール、フラン樹脂、フ
ェノール系樹脂、セルロース、砂糖、ポリ塩化ビニリデ
ンなど)か、または両者の混合物に元素Mを含む化合物
を添加し、600〜3000℃の範囲で熱処理すること
により作製することができる。このような方法によれ
ば、600〜3000℃の熱処理温度で炭素前駆体に元
素Mを導入しつつ前記炭素前駆体を高い黒鉛化度まで黒
鉛化できるため、元素Mを含有し、かつ粉末X線回折に
0.344nm以下のd002 に相当するピークを有する
炭素質物を作製できる。
l、Si、Ca、Sn、またはPbの単体も包含され
る。中でも、炭化硅素(SiC)、ケイ化マグネシウム
(Mg2Si)、炭化アルミニウム(Al4 C3 )、シ
ュウ酸錫、炭化カルシウム(CaC3 )、炭酸鉛のよう
な炭素前駆体中に均一に溶解、あるいは炭素前駆体と均
一に混合するものが好ましい。
は次のような理由によるものである。前記熱処理の温度
を600℃未満にすると、炭素前駆体の縮重合反応が不
十分となり、炭素前駆体の黒鉛化が進行しない恐れがあ
る。一方、前記熱処理の温度が3000℃を越えると、
前記元素Mが揮発し、前記元素Mを炭素前駆体に導入す
ることが困難になる恐れがある。前記炭素質物の黒鉛化
度を向上する観点から、前記熱処理の温度を1500〜
3000℃、更に好ましくは2000〜3000℃の範
囲にすると良い。
rのような触媒を添加しても良い。前記触媒を添加する
と、より低い熱処理温度で前記炭素質物を作製できる。
この方法によって本発明に係る炭素質物を作製すると、
炭素質物中に前記触媒が残留することがある。残留した
触媒によって負極の特性が損なわれることはない。ま
た、前記触媒として硼素(B)を用いて炭素質物を作製
し、前記硼素が前記炭素質物中に残留すると、この硼素
は単位体積当りのリチウムイオン吸蔵放出量が多いた
め、前記炭素質物を含む負極の容量を向上させることが
可能である。従って、本発明に係る二次電池の負極に用
いられる炭素質物は、微量のB、Mn、Crを含むこと
を許容する。
ば、有機溶媒)に分散された結着剤と前記炭素質物を混
合し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、
プレスすることにより作製することができる。なお、プ
レス工程において、2〜5回の多段階プレスを行っても
良い。
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いること
ができる。
炭素材90〜98重量%、結着剤2〜10重量%の範囲
にすることが好ましい。特に、前記負極6は、炭素質物
の含有量を5〜20mg/cm2 の範囲することが好ま
しい。
レス箔、ニッケル箔等を用いることができる。本発明に
係るリチウム二次電池に備えられた負極は、黒鉛構造領
域および無定形炭素構造領域を有し、粉末X線回折に
0.340nm以下のd002 に相当するピークを有し、
かつ真密度が1.8g/cm3 以上である炭素質物を含
む。このような負極は、単位体積当りの容量を飛躍的に
向上する(例えば900mAh/cc以上にする)こと
ができる。従って、前記負極を備えたリチウム二次電池
は、放電容量を大幅に向上することができ、放電サイク
ル寿命を改善することができる。これは次のようなメカ
ニズムによるものと推測される。
以下のd002 に相当するピークが存在し、かつ真密度が
1.8g/cm3 以上である炭素質物は、適度な比率で
黒鉛構造領域と無定形炭素構造領域が共存しており、か
つ黒鉛構造領域のd002 に占める0.340nm以下の
d002 の割合が高い。このような炭素質物は、黒鉛構造
領域におけるリチウムイオンの拡散速度を大幅に向上す
ることができるため、リチウムイオンの吸蔵・放出に無
定形炭素構造領域を寄与させることができる。無定形炭
素構造領域を有していても、このようなピークが存在し
ない炭素質物は、黒鉛構造領域の黒鉛化度が低く、黒鉛
構造領域におけるリチウムイオンの拡散速度が遅いた
め、リチウムイオンの吸蔵放出に無定形炭素構造領域を
関与させることがほとんどできない。このような炭素質
物を含む負極は、リチウムイオンの吸蔵放出量が少ない
ため、単位体積当りの容量が低下する。また、前記負極
を備えたリチウム二次電池は、充放電効率が劣る。無定
形炭素構造領域には多量のリチウムイオンを吸蔵させる
ことができるため、本願発明のように炭素質物の無定形
炭素構造領域をリチウムイオンサイトとして利用できる
と、負極の単位体積当りのリチウムイオン吸蔵放出量を
増大させることができる。また、リチウムイオンの吸蔵
放出に伴う炭素質物の膨脹収縮分を無定形炭素構造領域
で吸収することができるため、前記負極は、充放電サイ
クルの進行に伴って炭素質物の黒鉛構造が崩壊するのを
抑制することができ、充放電サイクルの進行に伴う放電
容量の低下を低く抑えることができる。その結果、前記
負極を備えたリチウム二次電池は、飛躍的に放電容量を
向上させることができ、充放電サイクル寿命を改善する
ことができる。また、前記リチウム二次電池は、負極の
リチウムイオン吸蔵放出速度が速いため、初充放電効率
を改善することができる。
X線散乱法による直径が0.1〜20nmの空隙を形成
することによって、無定形炭素構造領域におけるリチウ
ムイオン吸蔵放出量を増大させることができる。その結
果、このような炭素質物を含む負極を備えたリチウム二
次電池は、放電容量を飛躍的に向上することができるた
め、充放電サイクル寿命を更に改善することができる。
が0.370nm以上のd002 を有することによって、
無定形炭素構造領域におけるリチウムイオン吸蔵放出量
を増大させることができる。その結果、このような炭素
質物を含む負極を備えたリチウム二次電池は、放電容量
を飛躍的に向上することができるため、充放電サイクル
寿命を更に改善することができる。
に小角X線散乱法による直径が0.1〜20nmの空隙
を形成すると共に、この領域が0.370nm以上の面
間隔d002 を有することによって、無定形炭素構造領域
におけるリチウムイオン吸蔵放出量を増大させることが
できる。その結果、このような炭素質物を含む負極を備
えたリチウム二次電池は、放電容量を飛躍的に向上する
ことができるため、充放電サイクル寿命を更に改善する
ことができる。
る繊維状炭素質物粒子は、横断面のみならず外周面にお
いてもリチウムイオンを吸蔵放出することができるた
め、負極のリチウムイオン吸蔵放出速度及び吸蔵放出量
を向上することができる。この放射状型配向の繊維状炭
素質物粒子を、前述した黒鉛構造領域と無定形炭素構造
領域を有し、粉末X線回折に0.340nm以下のd
002 に相当するピークが存在し、真密度が1.8g/c
m3 以上である炭素質物から形成することによって、放
射状型配向の繊維状炭素質物粒子のリチウムイオンの吸
蔵放出速度及び吸蔵放出量を効果的に改善することがで
きる。このため、このような炭素質物粒子を含む負極を
備えたリチウム二次電池は、急速充放電の際の放電容量
を飛躍的に向上することができる。
素M(但し、前記MはMg、Al、Si、Ca、Snお
よびPbから選ばれる少なくとも一種の元素からなる)
を含有し、かつ粉末X線回折において(002)面の面
間隔d002 に0.344nm以下のものが存在すること
を示すピークが存在する炭素質物を含む負極を備える。
このような負極を備えたリチウム二次電池は、放電容量
を飛躍的に向上することができ、急速充放電の際にも高
容量を確保することができ、かつ充放電サイクル寿命を
向上することができる。これは次のようなメカニズムに
よるものと推測される。
4nm以下のd002 に相当するピークが存在する炭素質
物は、面間隔d002 中に0.344nm以下のものが多
く存在するため、リチウムイオンの拡散速度を向上する
ことができる。このため、前記炭素質物は、リチウムイ
オンの吸蔵放出反応に寄与できる元素Mの割合を高める
ことができる。また、前記炭素質物は、黒鉛構造が発達
した結晶子が骨格になっているため、真密度が高い。従
って、このような負極は、黒鉛結晶構造領域内にLiC
6 を形成するまでリチウムイオンを速やかに吸蔵するこ
とができ、かつ元素Mが多量のリチウムイオンを迅速に
吸蔵できるため、重量比容量(mAh/g)及び体積比
容量(mAh/cc)を前記ピークが検出されない炭素
材料に元素Mを導入した負極と比較して大幅に向上でき
る。その結果、前記負極を備えたリチウム二次電池は、
飛躍的に放電容量を向上させることができ、充放電サイ
クル寿命を改善することができる。また、前記リチウム
二次電池は、負極のリチウムイオン吸蔵放出速度が速い
ため、急速充放電効率を改善することができる。
を原子比率で0.1〜10%の範囲にすることによっ
て、炭素質物に元素Mを添加することによる放電容量増
大の効果を効果的に発現することができるため、リチウ
ム二次電池の放電容量をより一層向上することができ
る。
繊維状炭素質物粒子を、前述した炭素質物、つまり、粉
末X線回折に0.344nm以下のd002 に相当するピ
ークが存在し、前記元素Mを含有する炭素質物から形成
することによって、放射状型配向の繊維状炭素質物粒子
のリチウムイオンの吸蔵放出速度及び吸蔵放出量を効果
的に改善することができる。このため、このような炭素
質物粒子を含む負極を備えたリチウム二次電池は、急速
充放電の際の放電容量を飛躍的に向上することができ
る。
して詳細に説明する。 実施例1 まず、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2 )粉末9
1重量%をアセチレンブラック3.5重量%、グラファ
イト3.5重量%及びエチレンプロピレンジエンモノマ
粉末2重量%とトルエンを加えて共に混合し、アルミニ
ウム箔(30μm)集電体に塗布した後、プレスするこ
とにより正極を作製した。
ズピッチにフェノール樹脂を20%添加し、これを紡
糸、不融化し、アルゴンガス雰囲気下、600℃で炭素
化し、平均粒径が11μmで、粒度1〜80μmの範囲
に90体積%以上が存在するように、かつ粒径0.5μ
m以下の粒子を少なく(5%以下)になるように適度に
粉砕する。その後、不活性ガス雰囲気下で2700℃に
て黒鉛化することにより繊維状の炭素質物粒子を製造し
た。
径が7μm、平均繊維長が40μmであり、平均粒径が
20μmであった。粒度分布で1〜80μmの範囲に9
0体積%以上が存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の
粒度分布は0体積%であった。N2 ガス吸着BET法に
よる比表面積は、1.2m2 /gであった。真密度は、
2.0g/cm3 であった。X線回折による(002)
格子像から、前記繊維状炭素質物粒子の微細組織が黒鉛
構造領域および無定形炭素構造領域が共存したものであ
ることを確認した。前記無定形炭素構造領域に多数存在
する微細空隙の直径を小角X線散乱法によって測定した
ところ、直径は0.5〜20nmであった。また、前記
炭素質物粒子は、粉末X線回折において0.336nm
のd002に相当するピークと、0.370nmのd002
に相当するピークが得られた。この0.336nmのd
002 に相当するピークは炭素質物粒子の黒鉛構造領域に
起因するものと考えられる。一方、0.370nmのd
002 に相当するピークは炭素質物の無定形炭素構造領域
に起因するものと考えられる。さらに、前記繊維状炭素
質物粒子の横断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察
したところ、この粒子の黒鉛結晶子の配向は放射型に属
するものであった。ただし、配向性に若干の乱れを有し
ていた。
炭素質物粒子96.7重量%をスチレンブタジエンゴム
2.2重量%とカルボキシメチルセルロース1.1重量
%と共に混合し、これを集電体としての銅箔に塗布し、
乾燥し、プレスすることにより負極を作製した。
からなるセパレ―タおよび前記負極をそれぞれこの順序
で積層した後、前記負極が外側に位置するように渦巻き
状に巻回して電極群を作製した。
F6 )をエチレンカーボネート(EC)とメチルエチル
カーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比率5
0:50)に1.0モル/1溶解して非水電解液を調製
した。
の有底円筒状容器内にそれぞれ収納して前述した図1に
示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。実施例2以
下に説明する炭素質物を用いたこと以外は、実施例1と
同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次電
池を組み立てた。
うに微粉砕した後、これに等方性ピッチを20%添加し
た混合物を1100℃で炭素化処理及び粉砕処理を施す
ことによって平均粒径が15μmの球状をなす炭素質物
粒子を作製した。
m3 であった。X線回折による(002)格子像から、
前記炭素質物粒子の微細組織が黒鉛構造領域及び無定形
炭素構造領域からなることを確認した。前記無定形炭素
構造領域に多数存在する微細空隙の直径を小角X線散乱
法によって測定したところ、直径は0.5〜20nmで
あった。また、前記炭素質物粒子は、粉末X線回折にお
いて0.3358nmのd002 に相当するピークと、
0.380nmのd002 に相当するピークが得られた。
この0.3358nmのd002 に相当するピークは炭素
質物粒子の黒鉛構造領域に起因するものと考えられる。
一方、0.380nmのd002 に相当するピークは炭素
質物粒子の無定形炭素構造領域に起因するものと考えら
れる。さらに、前記球状炭素質物粒子をSEMで観察し
たところ、この粒子は黒鉛結晶子が配向しておらず、配
向性がランダム型であった。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
チにフェノール樹脂を20%添加し、これを紡糸、不融
化し、アルゴンガス雰囲気下、600℃で炭素化し、平
均粒径が11μmで、粒度1〜80μmの範囲に90体
積%以上が存在するように、かつ粒径0.5μm以下の
粒子を少なく(5%以下)になるように適度に粉砕す
る。その後、不活性ガス雰囲気下で2700℃にて黒鉛
化することにより繊維状の炭素質物粒子を製造した。
径が7μm、平均繊維長が40μmであり、平均粒径が
20μmであった。粒度分布で1〜80μmの範囲に9
0体積%以上が存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の
粒度分布は0体積%であった。N2 ガス吸着BET法に
よる比表面積は、1.2m2 /gであった。真密度は、
2.0g/cm3 であった。X線回折による(002)
格子像から、前記繊維状炭素質物粒子の微細組織が黒鉛
構造領域および無定形炭素構造領域が共存したものであ
ることを確認した。前記無定形炭素構造領域に多数存在
する微細空隙の直径を小角X線散乱法によって測定した
ところ、直径は0.5〜20nmであった。また、前記
炭素質物粒子は、粉末X線回折において0.3357n
mのd002 に相当するピークが得られた。この0.33
57nmのd002 に相当するピークは炭素質物粒子の黒
鉛構造領域に起因するものと考えられる。さらに、前記
繊維状炭素質物粒子の横断面をSEMで観察したとこ
ろ、この粒子の黒鉛結晶子の配向は放射型に属するもの
であった。ただし、配向性に若干の乱れを有していた。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
うに微粉砕した後、これに等方性ピッチを20%添加し
た混合物を1100℃で炭素化処理及び粉砕処理を施す
ことによって平均粒径が15μmの球状をなす炭素質物
粒子を作製した。
m3 であった。X線回折による(002)格子像から、
前記炭素質物粒子の微細組織が黒鉛構造領域及び無定形
炭素構造領域からなることを確認した。前記無定形炭素
構造領域に多数存在する微細空隙の直径を小角X線散乱
法によって測定したところ、直径は0.5〜20nmで
あった。また、前記炭素質物粒子は、粉末X線回折にお
いて0.3356nmのd002 に相当するピークが得ら
れた。この0.3356nmのd002 に相当するピーク
は炭素質物粒子の黒鉛構造領域に起因するものと考えら
れる。さらに、前記球状炭素質物粒子をSEMで観察し
たところ、この粒子は黒鉛結晶子が配向しておらず、配
向性がランダム型であった。
折において0.3354nmのd002 に相当するピーク
を有し、粉末X線回折により求められるc軸結晶子の長
さLcが100nm以上で、真密度が2.25g/cm
3 である人造黒鉛粉末を負極の炭素質物として用いるこ
と以外は、実施例1と同様な構成で前述した図1に示す
円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
脂を1100℃で炭素化処理することにより作製され
た。前記炭素質物の真密度は1.55g/cm3 であっ
た。X線回折による(002)格子像から、前記炭素質
物の微細組織が黒鉛構造領域と無定形炭素構造領域とか
らなることを確認した。前記無定形炭素構造領域に多数
存在する空隙の直径を小角X線散乱法によって測定した
ところ、直径は1nmであった。また、前記炭素質物
は、粉末X線回折において0.380nmのd002に相
当するピークが得られた。粉末X線回折によるC軸方向
の結晶子の長さLcは1nmであった。
二次電池について、充電電流1Aで4.2Vまで2.5
時間充電した後、2.7Vまで1Aで放電する充放電サ
イクル試験を行った。その結果から、各二次電池につい
て、初充放電効率、1サイクル目の放電容量および30
0サイクル時における容量維持率(1サイクル目の放電
容量に対する)を測定し、その結果を下記表1に示す。
び無定形炭素構造領域を有し、粉末X線回折に0.34
0nm以下のd002 に相当するピークを有し、真密度が
1.8g/cm3 以上である炭素質物を含む負極を備え
た実施例1〜4の二次電池は、初充放電効率、放電容量
および300サイクル時の容量維持率が高いことがわか
る。
からなり、粉末X線回折に0.3354nmのd002 に
相当するピークを有する炭素質物を含む負極を備えた比
較例1の二次電池は、初充放電効率に優れるものの、放
電容量及び容量維持率が実施例1〜4に比べて低いこと
がわかる。一方、微細組織が黒鉛構造領域と無定形炭素
構造領域とからなり、粉末X線回折に0.380nmの
d002 に相当するピークを有し、真密度が1.55g/
cm3 である炭素質物を含む負極を備えた比較例2の二
次電池は、初充放電効率、放電容量および容量維持率が
実施例1〜4よりも低いことがわかる。
1重量%をアセチレンブラック3.5重量%、グラファ
イト3.5重量%及びエチレンプロピレンジエンモノマ
粉末2重量%とトルエンを加えて共に混合し、アルミニ
ウム箔(30μm)集電体に塗布した後、プレスするこ
とにより正極を作製した。
ズピッチに炭化硅素(SiC)の微粉末を添加し、均一
に分散させた後、紡糸し、不融化し、不活性ガス雰囲気
下、600℃で炭素化し、平均粒径が15μmで、粒度
1〜80μmの範囲に90体積%以上が存在するように
粉砕する。その後、不活性ガス雰囲気下で、かつ加圧下
で2600℃にて黒鉛化することにより繊維状の炭素質
物粒子を製造した。
質物粒子は、硅素(Si)を原子比率で8%含有してい
た。また、前記繊維状炭素質物粒子の真密度は、2.1
0g/cm3 であった。前記繊維状炭素質物粒子は、粉
末X線回折に0.3367nmのd002 に相当するピー
クを有していた。また、CuKαをX線源、標準物質に
高純度シリコンを使用した粉末X線回折を行い、得られ
た回折図の回折ピークの位置及び半値幅から学振法に規
定された半値幅中点法によって黒鉛構造領域のC軸方向
の結晶子の長さLcを算出したところ、35nmであっ
た。また、横断面のSEM観察によって黒鉛結晶子の配
向が放射型に属することを確認した。ただし、配向性に
若干の乱れを有していた。さらに、平均繊維径は7μ
m、平均繊維長が40μmであり、平均粒径が20μm
であった。粒度分布で1〜80μmの範囲に90体積%
以上が存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分布
は0体積%であった。N2 ガス吸着BET法による比表
面積は、1.2m2 /gであった。なお、前記半値幅中
点法は、「Tanso(炭素)」、1963、p25の
文献に記載されている。
炭素質物粒子96.7重量%をスチレンブタジエンゴム
2.2重量%とカルボキシメチルセルロース1.1重量
%と共に混合し、これを集電体としての銅箔に塗布し、
乾燥し、プレスすることにより負極を作製した。得られ
た負極の充填密度は、1.4g/cm3 であった。
からなるセパレ―タおよび前記負極をそれぞれこの順序
で積層した後、前記負極が外側に位置するように渦巻き
状に巻回して電極群を作製した。
F6 )をエチレンカーボネート(EC)とメチルエチル
カーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比率1:
1)に1モル/1溶解して非水電解液を調製した。
の有底円筒状容器内にそれぞれ収納して前述した図1に
示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。 実施例6 以下に説明する炭素質物を用いたこと以外は、実施例5
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチにケイ化マグネシウム(Mg2 S
i)の微粉末を添加し、均一に分散させた後、紡糸し、
不融化し、不活性ガス雰囲気下、600℃で炭素化し、
平均粒径が15μmで、粒度1〜80μmの範囲に90
体積%以上が存在するように粉砕する。その後、不活性
ガス雰囲気下で、かつ加圧下で2000℃にて黒鉛化す
ることにより作製された繊維状の炭素質物粒子を用い
た。
ム(Mg)の含有量が原子比率で4%、硅素(Si)の
含有量が原子比率で2%、真密度が2.2g/cm3 、
粉末X線回折によるLcが25nmであった。前記繊維
状炭素質物粒子は、粉末X線回折に0.3380nmの
d002 に相当するピークを有するものであった。また、
横断面のSEM観察によって黒鉛結晶子の配向が放射型
に属することを確認した。ただし、配向性に若干の乱れ
を有していた。さらに、平均繊維径は7μm、平均繊維
長が40μmであり、平均粒径が20μmであった。粒
度分布で1〜80μmの範囲に90体積%以上が存在
し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分布は0体積%
であった。N2 ガス吸着BET法による比表面積は、
1.2m2 /gであった。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチに炭化アルミニウム(Al4 C
3 )を添加した後、紡糸し、不融化し、不活性ガス雰囲
気下、600℃で炭素化し、平均粒径が15μmで、粒
度1〜80μmの範囲に90体積%以上が存在するよう
に粉砕する。その後、不活性ガス雰囲気下で、かつ加圧
下で2800℃にて黒鉛化することにより作製された繊
維状の炭素質物粒子を用いた。
ム(Al)の含有量が原子比率で8%、真密度が2.3
g/cm3 、粉末X線回折によるLcが30nmであっ
た。前記繊維状炭素質物粒子は、粉末X線回折に0.3
375nmのd002 に相当するピークを有するものであ
った。また、横断面のSEM観察によって黒鉛結晶子の
配向が放射型に属することを確認した。ただし、配向性
に若干の乱れを有していた。さらに、平均繊維径は7μ
m、平均繊維長が40μmであり、平均粒径が20μm
であった。粒度分布で1〜80μmの範囲に90体積%
以上が存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分布
は0体積%であった。N2 ガス吸着BET法による比表
面積は、1.2m2 /gであった。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチにシュウ酸スズの微粉末を添加
し、均一に分散させた後、紡糸し、不融化し、不活性ガ
ス雰囲気下、600℃で炭素化し、平均粒径が15μm
で、粒度1〜80μmの範囲に90体積%以上が存在す
るように粉砕する。その後、不活性ガス雰囲気下で、か
つ加圧下で2000℃にて黒鉛化することにより作製さ
れた繊維状の炭素質物粒子を用いた。
n)の含有量が原子比率で5%、真密度が2.3g/c
m3 、粉末X線回折によるLcが25nmであった。前
記繊維状炭素質物粒子は、粉末X線回折に0.3390
nmのd002 に相当するピークを有するものであった。
また、横断面のSEM観察によって黒鉛結晶子の配向が
放射型に属することを確認した。ただし、配向性に若干
の乱れを有していた。さらに、平均繊維径は7μm、平
均繊維長が40μmであり、平均粒径が20μmであっ
た。粒度分布で1〜80μmの範囲に90体積%以上が
存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分布は0体
積%であった。N2 ガス吸着BET法による比表面積
は、1.2m2 /gであった。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチに炭化カルシウム(CaC3 )を
添加した後、紡糸し、不融化し、不活性ガス雰囲気下、
600℃で炭素化し、平均粒径が15μmで、粒度1〜
80μmの範囲に90体積%以上が存在するように粉砕
する。その後、不活性ガス雰囲気下で、かつ加圧下で2
000℃にて黒鉛化することにより作製された繊維状の
炭素質物粒子を用いた。
(Ca)の含有量が原子比率で9%、真密度が2.25
g/cm3 、粉末X線回折によるLcが35nmであっ
た。前記繊維状炭素質物粒子は、粉末X線回折に0.3
370nmのd002 に相当するピークを有するものであ
った。また、横断面のSEM観察によって黒鉛結晶子の
配向が放射型に属することを確認した。ただし、配向性
に若干の乱れを有していた。さらに、平均繊維径は7μ
m、平均繊維長が40μmであり、平均粒径が20μm
であった。粒度分布で1〜80μmの範囲に90体積%
以上が存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分布
は0体積%であった。N2 ガス吸着BET法による比表
面積は、1.2m2 /gであった。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチに炭酸鉛の微粉末を添加し、均一
に分散させた後、紡糸し、不融化し、不活性ガス雰囲気
下、600℃で炭素化し、平均粒径が15μmで、粒度
1〜80μmの範囲に90体積%以上が存在するように
粉砕する。その後、不活性ガス雰囲気下で、かつ加圧下
で2000℃にて黒鉛化することにより作製された繊維
状の炭素質物粒子を用いた。
の含有量が原子比率で8%、真密度が2.5g/cm
3 、粉末X線回折によるLcが35nmであった。前記
繊維状炭素質物粒子は、粉末X線回折に0.3370n
mのd002 に相当するピークを有するものであった。ま
た、横断面のSEM観察によって黒鉛結晶子の配向が放
射型に属することを確認した。ただし、配向性に若干の
乱れを有していた。さらに、平均繊維径は7μm、平均
繊維長が40μmであり、平均粒径が20μmであっ
た。粒度分布で1〜80μmの範囲に90体積%以上が
存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分布は0体
積%であった。N2 ガス吸着BET法による比表面積
は、1.2m2 /gであった。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチに炭化硅素微粉末及び炭化アルミ
ニウムを添加し、均一に分散させた後、紡糸し、不融化
し、不活性ガス雰囲気下、600℃で炭素化し、平均粒
径が15μmで、粒度1〜80μmの範囲に90体積%
以上が存在するように粉砕する。その後、不活性ガス雰
囲気下で、かつ加圧下で2000℃にて黒鉛化すること
により作製された繊維状の炭素質物粒子を用いた。
i)の含有量が原子比率で10%で、アルミニウム(A
l)の含有量が原子比率で10%で、真密度が2.2g
/cm3 であった。また、前記炭素質物粒子は、粉末X
線回折に0.3370nmのd002 に相当するピークを
有するものであった。更に、粉末X線回折によるLcが
35nmであった。また、前記繊維状の炭素質物粒子の
横断面をSEMで観察したところ、前記繊維状炭素質物
粒子の黒鉛結晶子の配向は放射型に属するものであっ
た。ただし、配向性に若干の乱れを有していた。さら
に、平均繊維径は7μm、平均繊維長が40μmであ
り、平均粒径が20μmであった。粒度分布で1〜80
μmの範囲に90体積%以上が存在し、粒径が0.5μ
m以下の粒子の粒度分布は0体積%であった。N2 ガス
吸着BET法による比表面積は、1.2m2 /gであっ
た。
と同様な構成で前述した図1に示す円筒形リチウム二次
電池を組み立てた。
たメソフェーズピッチを不融化し、不活性ガス雰囲気
下、600℃で炭素化し、平均粒径が15μmで、粒度
1〜80μmの範囲に90体積%以上が存在するように
粉砕する。その後、不活性ガス雰囲気下で、かつ加圧下
で2600℃にて黒鉛化することにより作製された繊維
状の炭素質物粒子を用いた。
有せず、真密度が2.2g/cm3、粉末X線回折によ
るLcが35nmであった。前記繊維状炭素質物粒子
は、粉末X線回折に0.3375nmのd002 に相当す
るピークを有するものであった。また、横断面のSEM
観察によって黒鉛結晶子の配向が放射型に属することを
確認した。ただし、配向性に若干の乱れを有しているた
め、繊維に欠落部はなかった。さらに、平均繊維径は7
μm、平均繊維長が40μmであり、平均粒径が20μ
mであった。粒度分布で1〜80μmの範囲に90体積
%以上が存在し、粒径が0.5μm以下の粒子の粒度分
布は0体積%であった。N2 ガス吸着BET法による比
表面積は、1.2m2 /gであった。
り作製され、真密度が1.6g/cm3 で、粉末X線回
折に0.380nmd002 に相当するピークが存在し、
粉末X線回折によるLcが1nmである炭素質物を用い
たこと以外は、実施例5と同様な構成で前述した図1に
示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
g/cm3 で、粉末X線回折に0.349nmのd002
に相当するピークが存在し、粉末X線回折によるLcが
2.5nmである気相成長炭素体を炭素質物として用い
ること以外は、実施例5と同様な構成で前述した図1に
示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
金の負極を用いること以外は、実施例5と同様な構成で
前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立て
た。
の二次電池について、充電電流1.5Aで4.2Vまで
2時間充電した後、2.7Vまで1.5Aで放電する充
放電サイクル試験を施し、1サイクル目の放電容量と、
500サイクル目における容量維持率(1サイクル目の
放電容量に対する)を求め、その結果を下記表2に示
す。
i、Ca、SnおよびPbから選ばれる一種以上の元素
Mを含有し、かつ粉末X線回折に0.344nm以下の
d002 に相当するピークを有する炭素質物を含む負極を
備えた実施例5〜11の二次電池は、放電容量が高く、
かつ500サイクル時の容量維持率が高いことがわか
る。
m以下のd002 に相当するピークを有するものの、元素
Mを含有しない炭素質物を含む負極を備えた比較例3の
二次電池、粉末X線回折に0.380nmのd002 に相
当するピークを有する炭素質物を含む負極を備えた比較
例4の二次電池およびSiを含有し、粉末X線回折に
0.349nmのd002 に相当するピークを有する炭素
質物を含む負極を備えた比較例5の二次電池は、実施例
5〜11に比べて放電容量及び容量維持率が低いことが
わかる。一方、リチウム合金からなる負極を備えた比較
例6の二次電池は、放電容量は実施例5〜11より高い
ものの、500サイクル時の容量維持率が著しく低いこ
とがわかる。
充放電効率、放電容量及びサイクル寿命が改善されたリ
チウム二次電池を提供することができる。
図。
る炭素質物の微細組織の一例を示す模式図。
る繊維状炭素質物粒子の一例を示す模式図。
…負極、8…封口板。
Claims (6)
- 【請求項1】 正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る炭素質物を含む負極と、非水電解液を具備したリチウ
ム二次電池であって、 前記負極の炭素質物は、無定形炭素構造領域および黒鉛
構造領域を有し、粉末X線回折に0.340nm以下の
d002 (但し、d002 は(002)面の面間隔を示す)
に相当するピークが存在し、かつ真密度が1.8g/c
m3 以上であることを特徴とするリチウム二次電池。 - 【請求項2】 前記炭素質物は、前記無定形炭素構造領
域に小角X線散乱法による直径が0.1〜20nmの空
隙を有することを特徴とする請求項1記載のリチウム二
次電池。 - 【請求項3】 前記炭素質物は、前記無定形炭素構造領
域に0.370nm以上のd002 を有することを特徴と
する請求項1記載のリチウム二次電池。 - 【請求項4】 正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る炭素質物を含む負極と、非水電解液を具備したリチウ
ム二次電池であって、 前記負極の炭素質物は、無定形炭素構造領域および黒鉛
構造領域を有し、粉末X線回折に0.340nm以下の
d002 (但し、d002 は(002)面の面間隔を示す)
に相当するピークが存在し、かつ真密度が1.8g/c
m3 以上であり、 前記無定形炭素構造領域は小角X線
散乱法による直径が0.1〜20nmの空隙を有するこ
とを特徴とするリチウム二次電池。 - 【請求項5】 正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る炭素質物を含む負極と、非水電解液を具備したリチウ
ム二次電池であって、 前記負極の炭素質物は、無定形炭素構造領域および黒鉛
構造領域を有し、粉末X線回折に0.340nm以下の
d002 (但し、d002 は(002)面の面間隔を示す)
に相当するピークが存在し、かつ真密度が1.8g/c
m3 以上であり、 前記無定形炭素構造領域は0.37
0nm以上のd002 を有することを特徴とするリチウム
二次電池。 - 【請求項6】 正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る炭素質物を含む負極と、非水電解液を具備したリチウ
ム二次電池であって、 前記負極の炭素質物は、元素M(但し、前記元素MはM
g、Al、Si、Ca、SnおよびPbから選ばれる少
なくとも一種の元素からなる)を含有し、かつ粉末X線
回折に0.344nm以下のd002 (但し、d002 は
(002)面の面間隔を示す)に相当するピークが存在
することを特徴とするリチウム二次電池。
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JP31192096A JP3509050B2 (ja) | 1995-11-24 | 1996-11-22 | リチウム二次電池及びその製造方法 |
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JP30910495 | 1995-11-28 | ||
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JP7-309104 | 1995-11-28 | ||
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