JP5677310B2 - 荷電粒子顕微鏡 - Google Patents

荷電粒子顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP5677310B2
JP5677310B2 JP2011539279A JP2011539279A JP5677310B2 JP 5677310 B2 JP5677310 B2 JP 5677310B2 JP 2011539279 A JP2011539279 A JP 2011539279A JP 2011539279 A JP2011539279 A JP 2011539279A JP 5677310 B2 JP5677310 B2 JP 5677310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
charged particle
sample
ion beam
emitter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011539279A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011055521A1 (ja
Inventor
志知 広康
広康 志知
信一 松原
信一 松原
荒井 紀明
紀明 荒井
石谷 亨
亨 石谷
小瀬 洋一
洋一 小瀬
川浪 義実
義実 川浪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2011539279A priority Critical patent/JP5677310B2/ja
Publication of JPWO2011055521A1 publication Critical patent/JPWO2011055521A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5677310B2 publication Critical patent/JP5677310B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/08Ion sources; Ion guns
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J27/00Ion beam tubes
    • H01J27/02Ion sources; Ion guns
    • H01J27/26Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field effect ion sources, thermionic ion sources
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/09Diaphragms; Shields associated with electron or ion-optical arrangements; Compensation of disturbing fields
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/28Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes with scanning beams
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/061Construction
    • H01J2237/062Reducing size of gun
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/08Ion sources
    • H01J2237/0802Field ionization sources
    • H01J2237/0807Gas field ion sources [GFIS]

Description

本発明は、荷電粒子顕微鏡に関する。
電子を走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出すれば、試料表面の構造を観察することができる。これは走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope以下、SEMと略記)と呼ばれる。一方、イオンビームを走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出しても、試料表面の構造を観察することができる。これは走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope以下、SIMと略記)と呼ばれる。特に、水素、ヘリウム、などの質量の軽いイオン種を試料に照射すれば、相対的にスパッタ作用は小さくなり試料を観察するのに好適となる。
さらに、イオンビームは、電子ビームに比べて試料表面の情報に敏感である特徴を有する。これは、二次荷電粒子の励起領域が電子ビームの照射に比べて、試料表面により局在するからである。また、電子ビームでは、電子の波としての性質が無視できないため、回折効果により収差が発生する。一方、イオンビームでは、電子に比べて重いため、回折効果を無視することができる。
また、イオンビームを試料に照射して、試料を透過したイオンを検出すれば、試料内部の構造を反映した情報を得ることもできる。これは透過イオン顕微鏡と呼ばれる。特に、水素、ヘリウム、などの質量の軽いイオン種を試料に照射すれば、試料を透過する割合が大きくなり観察するのに好適となる。
逆に酸素、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン、あるいはガリウム、インジウムなどの質量の重いイオン種を試料に照射すれば、スパッタ作用により試料を加工するのに好適となる。特に、液体金属イオン源(Liquid Metal Ion Source、以下LMIS)を用いた集束イオンビーム装置(Focused Ion Beam、以下FIB)がイオンビーム加工装置として知られている。更に、近年では走査電子顕微鏡(SEM)と集束イオンビーム(FIB)の複合機FIB−SEM装置も用いられる。FIB−SEM装置では、FIBを照射して所望の箇所に角穴を形成することにより、その断面をSEM観察することができる。また、プラズマイオン源やガス電界電離イオン源により、酸素、窒素、アルゴン、クリプトン、およびキセノンなどのガスイオンを生成して試料に照射するようにしても試料の加工は可能である。
ところで、試料観察を主な目的とするイオン顕微鏡では、イオン源として、ガス電界電離イオン源が好適である。ガス電界電離イオン源は先端曲率半径を100nm程度にした金属エミッタティップに水素あるいはヘリウムなどのガスを供給し、エミッタティップに数kV以上の高電圧を印加することにより、ガス分子を電界電離し、これをイオンビームとして引き出すものである。本イオン源の特徴は、エネルギ幅が狭いイオンビームを生成することができ、また、イオン発生源のサイズが小さいため、微細なイオンビームを生成することができることにある。
イオン顕微鏡では、高信号/ノイズ比で試料を観察するためには、試料上で大きな電流密度のイオンビームを得る必要がある。そのためには、電界電離イオン源のイオン放射角電流密度を大きくする必要がある。イオン放射角電流密度を大きくするためには、エミッタティップ近傍のイオン材料ガス(イオン化ガス)の分子密度を大きくすればよい。単位圧力当たりのガス分子密度は、ガスの温度に逆比例する。そのため、エミッタティップを極低温に冷却し、エミッタティップ周辺のガスの温度を低温化すればよい。それによって、エミッタティップ近傍のイオン化ガスの分子密度が大きくすることができる。エミッタティップ周辺のイオン化ガスの圧力を、例えば、10−2〜10Pa程度にすることができる。
しかしながら、イオン材料ガスの圧力を〜1Pa以上にすると、イオンビームが中性ガスと衝突して中性化し、イオン電流が低下する。また、電界電離イオン源内のガス分子の個数が多くなると、高温の真空容器壁に衝突して高温化したガス分子が、エミッタティップに衝突する頻度が高くなる。そのため、エミッタティップの温度が上昇してイオン電流が低下する。そのために、電界電離イオン源では、エミッタティップ周辺を機械的に囲うガスイオン化室が設けられる。ガスイオン化室は、エミッタティップに対向して設けられたイオン引き出し電極を利用して形成される。
特許文献1には、エミッタティップの先端に微小な突出部を形成することによって、イオン源特性が向上することが開示されている。非特許文献1には、エミッタティップ先端の微小な突出部を、エミッタティップ材料とは異なる第2金属を用いて作製することが開示されている。非特許文献2には、ヘリウムをイオン放出するガス電界電離イオン源を搭載した走査イオン顕微鏡が開示されている。
特許文献2には、ガスをイオン化する電界をエミッタの先端近傍に形成する引き出し電極と、エミッタを冷却する冷却手段と、を含むガス電界電離イオン源と、ガス電界電離イオン源から引き出したイオンを集束するレンズ系と、イオンビームを走査するビーム偏向器と、二次粒子を検出する二次粒子検出器と、走査イオン顕微鏡像を表す画像表示手段と、を含む走査荷電粒子顕微鏡が開示されている。また、上段ビーム偏向器/アライナーの偏向作用によりビームを可動ビーム制限絞り上で走査し、この走査信号と同期した信号をXY信号、二次電子検出強度をZ(輝度)信号として走査イオン顕微鏡画像を作り、画像表示手段にモニタ表示することが開示されている。さらに、このモニタ画面の走査イオン顕微鏡画像は、可動ビーム制限絞りの絞り孔に相当するイオン放射立体角で電界イオン顕微鏡像を畳み込みしてぼかした相当画像が得られること開示されている。
特許文献3には、ガス電界電離イオン源を搭載した荷電粒子顕微鏡において、ガス電界電離イオン源のガス分子イオン化室内のフィラメントマウントに取り付けられたエミッタティップから放出されたイオンビームを走査しながら、走査偏向電極したに配置した可動のシャッタで発生する二次粒子を二次粒子検出器で検出して二次粒子像を得るとエミッタティップのイオン放射パターンが観察できること、また、イオン放射パターンを観察しながら、エミッタティップ位置および角度を調整することが開示されている。
特許文献4には、荷電粒子線装置において、電子源の主な排気手段をイオンポンプでは無く非蒸発ゲッタにすることにより装置を小型化することが開示されている。 また、特許文献5には、荷電粒子線装置において、カソードからの電子エミッション電流を測定しながら、2つのマイクロメータを回してカソードの位置を変化させ、エミッション電流が最高値を示した位置をカソードの調整位置とすること、また、電子ビームを放出した状態で、カソードらの電子ビームの放出像を2次電子の放出像を介して観察しながら、2つのマイクロメータを回し、カソードからの電子放出パターンを得る手法が開示されている。
特許文献6には、FIBにより試料の異常箇所近傍に角穴を形成し、当該角穴の断面をSEM装置で観察することにより、欠陥や異物などを観察及び解析する装置が提案されている。
特許文献7には、FIB、及び、プローブを用いて、バルク試料から透過電子顕微鏡観察用の微小試料を摘出する技術が提案されている。
特開昭58−85242号 特開2008−140557 特開2009−163981 特開2007−311117 特開平8−236052号 国際公報WO99/05506号
H.−S. Kuo、 I.−S. Hwang、 T.−Y. Fu、 J.−Y. Wu、 C.−C. Chang、 and T. T. Tsong、 Nano Letters 4 (2004) 2379. J. Morgan、 J. Notte、 R. Hill、 and B. Ward、 Microscopy Today、 July 14 (2006) 24
金属エミッタ先端にナノピラミッド構造を持つガス電界電離イオン源では、次のような課題がある。本イオン源の特徴はナノピラミッドの先端の原子1個近傍から放出されたイオンを用いることである。すなわち、イオンが放出される領域が狭くイオン光源がナノメータ以下に小さい。このためイオン光源を同じ倍率で試料に集束するか、縮小率を2分の1程度に大きくすると、イオン源の特性を最大限に活かすことができる。従来のガリウム液体金属イオン源では、イオン光源の寸法は、約50nmと推定されている。従って、試料上で5nmのビーム径を実現するためには、縮小率を1/10以下にする必要がある。この場合、イオン源のエミッタティップの振動は、試料上では10分の1以下に縮小される。例えば、エミッタティップが10nm振動していても、試料上におけるビームスポットの振動は1nm以下となる。従って、5nmのビーム径に対する、エミッタティップの振動の影響は軽微である。ところが、本例では、縮小率が小さく、1〜1/2程度である。従って、エミッタティップにおける10nmの振動は、縮小率が1/2の場合には試料上では5nmの振動となり、ビーム径に対する試料の振動が大きい。すなわち、例えば0.2nmの分解能を実現するためには、大きくともエミッタティップの振動を0.1nm以下にする必要がある。従来のイオン源はエミッタティップ先端の振動防止という観点では必ずしも十分でなかった。
また、本願発明者は、エミッタティップの機械的傾斜調整手段が大型になることによりガス電界電離イオン源が大型化することでも、エミッタティップの振動振幅が増大する、すなわち像分解能を招くという問題を見出した。
また、本願発明者は、イオン照射系をコンパクトにして、イオン光学長を短くして、かつエミッタティップからのイオンの放出方向を精度よく試料の方向に調整する機構を実現するという課題を解決することが、本イオン源の性能を活かした荷電粒子線装置を実現することに繋がることを見出した。
また、同じくイオン照射系の軸調整という観点で、エミッタティップと引き出し電極の開口部との軸合わせ調整も、イオンビームを細束化する際の収差を低減して超微細ビームを実現するための課題である。
また、エミッタティップはその先端制御のために、高温処理する。このときの温度管理は電圧、電流および抵抗などで可能であるが、極低温冷却時には高精度の温度制御が困難であることを見出した。この高温処理の高精度温度制御の実現が、ガス電界電離イオン源の信頼性を向上することに繋がることを見出した。
本発明の目的は、エミッタティップと試料と相対振動の振幅を小さくし、高分解能の試料観察を可能にする荷電粒子顕微鏡を提供することにある。
本発明は、真空容器と、該真空容器内に配置されたエミッタティップと、該エミッタティップによって生成されたイオンが通過する開口部を有する引き出し電極と、前記エミッタティップと前記引き出し電極を有するイオン源と、該イオン源から放出されたイオンビームを集束する集束レンズと、該集束レンズを通過した前記イオンビームを偏向する第1偏向器とを有する荷電粒子顕微鏡において、前記集束レンズと前記第1偏向器との間に前記集束レンズを通過した前記イオンビームを制限する第1アパーチャを有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡である。
この構成によると、集束レンズと第1偏向器との間に第1アパーチャがあることによってその間の距離を短くできる。集束レンズと第1アパーチャとの間に第1偏向器を置く場合に比べて高さ方向の距離を抑えることができるためである。また、ここで第1偏向器とは、後で詳述するが、エミッタティップからのイオン放射パターンを得るためにイオンビームを走査する偏向器である。また、第1とは、イオン源から試料方向に最初の偏向器という意味である。ただし、第1偏向器と集束レンズ間に、第1偏向器の光学軸方向の長さに比べて短い偏向器を備え、これをイオンビームの偏向軸調整に用いる荷電粒子線装置としても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
さらに、第1アパーチャは略垂直平面内での方向に可動であることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、集束レンズを通過したイオンビームを制限することができる。これにより、第1アパーチャ開口部をイオンビーム光学軸と一致させることができ、イオンビームの歪が少なく極微細なビームを得られるという効果を奏する。さらに、アパーチャ開口部の大きさを可変にする、あるいは大きさの異なる開口部、例えば、直径の異なる複数の穴を用意しておき、開口部大きさを選択する、あるいはある直径の穴を選択してこれにイオンビームを通過させることにより、イオンビームのレンズに対する開き角を選択する。これにより、レンズ収差の大きさを制御することができるので、イオンビーム径およびイオンビーム電流を制御できるという効果を奏する。
さらに前記第1アパーチャを通過した前記イオンビームを偏向する第2偏向器と、前記第1アパーチャを通過した前記イオンビームを制限する第2アパーチャと、前記第1アパーチャを通過した前記イオンビームを試料上に集束する対物レンズと、前記第2アパーチャを通過した前記イオンビームのイオンビーム電流に略比例した信号量を計測する信号量計測手段と、を更に有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡である。これにより、エミッタティップからのイオン放射パターンを得ることができ、エミッタの傾斜角度調整およびイオンビーム光軸へのアライメントが可能になる。また、イオンビーム光学系を短くすることができるため、エミッタと試料の相対振動の振幅が小さくなり、その結果、高分解能の試料観察を可能にする。
さらに、前記第2アパーチャが前記対物レンズを通過する前記イオンビームを制限することを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、イオンビームの放射パターンが取りやすいため、分解能をあげやすい。
さらに、前記信号量計測手段が、前記イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器であることを特徴とした荷電粒子顕微鏡とすることによって、信号量を検出することができる。特に、信号ノイズ比を高くして、エミッタティップからのイオン放射パターンを観察できる。
さらに、イオンビーム調整用の試料が載置されていることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、特に、エミッタティップからのイオン放射パターンを、むらのない状態で観察できる。また、観察対象となる試料を汚染、破損しないという効果を奏する。
さらに、前記信号量計測手段が、前記イオンビーム電流を計測する電流計、試料に接続された電流計、前記イオンビーム電流をチャンネルトロンで増幅して計測する手段、マルチチャンネルプレートで増幅して計測する手段、の少なくとも1つを有することを特徴とした荷電粒子顕微鏡とすることによって、信号量を計測することができる。特に、信号ノイズ比を高くして、エミッタティップからのイオン放射パターンを観察できる。
さらに、前記第2アパーチャが前記対物レンズを構成する電極と兼用していることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、部品を兼用することができる。
さらに、前記エミッタティップの先端をナノピラミッドとしたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることにより、細いビームとすることができ、高分解能で試料を観察できる
さらに、ナノピラミッドのイオン放射パターンを表示する表示手段を有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、表示されたイオン放射パターン画像を参照して、エミッタの傾斜角度調整およびイオンビーム光軸へのアライメントが可能になる。
また、真空容器と、該真空容器内に配置されたエミッタティップと、該エミッタティップによって生成されたイオンが通過する開口部を有する引き出し電極と、前記エミッタティップと前記引き出し電極を有するイオン源と、該イオン源から放出されたイオンビームを集束する集束レンズと、を有する荷電粒子顕微鏡において、前記イオンビームの照射軸に対する傾斜角度を調整可能な傾斜角度調整手段を有し、前記傾斜角度の違いによるイオン放射パターンを表示する表示手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、イオン放射パターンを見ながらエミッタの傾斜角度を調整することができる。さらに、前記傾斜角度調整手段を構成する駆動機構が前記イオン源内に配置されており、前記エミッタティップを有するイオンエミッタの先端位置を略一定に維持したまま傾斜可能であることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、コンパクトにすることができる。
さらに、前記傾斜角度調整手段を駆動する駆動機構は圧電素子を用いていることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、コンパクトにすることができる。
また、真空容器と、該真空容器内に配置されたエミッタと、該エミッタによって生成されたイオンが通過する開口部を有する引き出し電極と、前記エミッタと前記引き出し電極を有するイオン源と、該イオン源から放出されたイオンビームを集束する集束レンズと、該集束レンズを通過した前記イオンビームを偏向する第1偏向器とを有する荷電粒子顕微鏡において、前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントから発生する光を前記開口部から検出する光検出手段を備えることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、エミッタ又はエミッタに接続されたフィラメントを観察することができる。
さらに、前記エミッタと前記引き出し電極との相対位置を変更する変更手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、エミッタを調整することができる。
さらに、前記光検出手段により検出された信号に基づいて、前記フィラメントに印可する電圧、電流、抵抗、温度のうち少なくとも1つを制御する制御手段を有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによってフィラメントの温度を調整することができるのでエミッタのナノピラミッド構造の作製または再生の信頼性が向上でき、イオンビームを適切にできる。
さらに、前記光検出手段が、前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントを、前記開口部を通して前記真空容器外で観察可能とする手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、エミッタ又はエミッタに接続されたフィラメントを観察することができる。
さらに、試料を載置する試料ステージが前記イオンビームに対して略垂直平面内での移動機能を有し、前記試料ステージに前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントを、前記開口部を通して前記真空容器外で観察可能とする手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、エミッタ又はエミッタに接続されたフィラメントを観察することができる。
さらに、前記集束レンズと前記対物レンズの間に、前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントを、前記開口部を通して前記真空容器外で観察可能とする手段を備えることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることでエミッタ又はエミッタに接続されたフィラメントを観察することができる。
さらに、前記集束レンズと前記第1偏向器との間に第1アパーチャを有し、前記光検出手段の少なくとも一部を前記第1アパーチャに備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることで、エミッタ又はエミッタに接続されたフィラメントを観察することができる。
本発明によると、荷電粒子を試料に照射して試料を観察する荷電粒子線装置において、高分解能の試料観察を可能にできる。
本発明による荷電粒子線装置の一例の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例の制御系の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源の冷却機構の概略構造図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源で、傾斜機構の概略構成図である。(傾斜調整前) 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源で、傾斜機構の概略構成図である。(傾斜調整後) 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源で、傾斜機構の概略構成図である。(傾斜調整前) 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源で、傾斜機構の概略構成図である。(傾斜調整後) 本発明による荷電粒子線装置の計算処理装置に画像表示されたイオン放射パターンの一例。(原子1個) 本発明による荷電粒子線装置の計算処理装置に画像表示されたイオン放射パターンの一例。(原子6個) 本発明による荷電粒子線装置の一例の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例の制御系の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例の制御系の概略構成図である。 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源で、ガス分子イオン化室周辺の概略構成図である。(蓋部材が開状態) 本発明による荷電粒子線装置の一例のガス電界電離イオン源で、ガス分子イオン化室周辺の概略構成図である。(蓋部材が閉状態) 本発明による荷電粒子線装置の計算処理装置に画像表示された、エミッタエミッタティップ、およびフィラメント画像の一例。
図1を参照して本発明による荷電粒子線装置の例を説明する。以下に、イオンビーム装置として、走査イオン顕微鏡装置の第1の例を説明する。本例の走査イオン顕微鏡は、ガス電界電離イオン源1、イオンビーム照射系カラム2、試料室3、及び、冷却機構4を有する。ここでガス電界電離イオン源1、イオンビーム照射系カラム2、及び、試料室3内は真空容器である。
ガス電界電離イオン源の構成は後で詳細に述べるが、針状のエミッタティップ21、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部27を有する引き出し電極24が含まれる。また、イオンビーム照射系は、上記ガス電界電離イオン源1から放出されたイオンを集束する集束レンズ5、該集束レンズを通過したイオンビーム14を制限する可動な第1アパーチャ6、該第1アパーチャを通過したイオンビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器35、該第1アパーチャを通過したイオンビームを偏向する第2偏向器7、該第1アパーチャを通過したイオンビーム14を制限する第2アパーチャ36、該第1アパーチャを通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ8から構成される。
ここで第1偏向器とは、後で詳述するが、エミッタティップからのイオン放射パターンを得るためにイオンビームを走査する偏向器である。また、第1とは、イオン源から試料方向に最初の偏向器という意味である。ただし、第1偏向器と集束レンズ間に、第1偏向器の光学軸方向の長さに比べて短い偏向器を備え、これをイオンビームの偏向軸調整に用いる荷電粒子線装置としても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
また、試料室3内には、試料9を載置する試料ステージ10、及び、二次粒子検出器11が設けられている。ガス電界電離イオン源1からのイオンビーム14は、イオンビーム照射系を経由して、試料9に照射される。試料9からの二次粒子は、二次粒子検出器11によって検出される。ここで、二次粒子検出器11で計測される信号量は、該第2アパーチャ36を通過したイオンビーム電流にほぼ比例している。
また、図示してないが、イオンビームを照射したときの試料のチャージアップを中和するための電子銃や、試料近傍にエッチングやデポジションガスを供給するガス銃を設ける。
本例のイオン顕微鏡は、更に、ガス電界電離イオン源1を真空排気するイオン源真空排気用ポンプ12、及び、試料室3を真空排気する試料室真空排気用ポンプ13を有する。床20の上に配置された装置架台17の上には、防振機構19を介して、ベースプレート18が配置されている。電界電離イオン源1、カラム2、及び、試料室3は、ベースプレート18によって支持されている。冷却機構4は、電界電離イオン源1の内部、エミッタティップ21、引き出し電極24などを冷却する。冷却機構4は例えばギフォード・マクマホン型(GM型)冷凍機を用いる場合には、床20には、図示してないがヘリウムガスを作業ガスとする圧縮機ユニット(コンプレッサ)が設置される。圧縮機ユニット(コンプレッサ)の振動は、床20を経由して、装置架台17に伝達される。装置架台17とベースプレート18との間には除振機構19が配置されており、床の高周波数の振動は電界電離イオン源1、イオンビーム照射系カラム2、真空試料室3などには伝達しにくいという特徴を持つ。従って、圧縮機ユニット(コンプレッサ)の振動が、床20を経由して、電界電離イオン源1、イオンビーム照射系カラム2、及び、試料室3に伝達しにくいという特徴を持つ。ここでは、床20の振動の原因として、冷凍機40及びコンプレッサ16を説明した。しかしながら、床20の振動の原因はこれに限定されるものではない。
また、防振機構19は、防振ゴム、バネ、ダンパ、又は、これらの組合せによって構成されてよい。
本例では、装置架台17の上に防振機構19を設けたが、装置架台17の脚に防振機構19を設ける、あるいは両者を併用してもよい。
図2は、図1に示した本発明によるイオン顕微鏡の制御装置の例を示す。本例の制御装置は、ガス電界電離イオン源1を制御する電界電離イオン源制御装置91、冷凍機40を制御する冷凍機制御装置92、集束レンズ5および対物レンズを制御するレンズ制御装置93、可動な第1アパーチャ6を制御する第1アパーチャ制御装置94、第1偏向器を制御する第1偏向器制御装置195、第2偏向器を制御する第2偏向器制御装置95、二次粒子検出器11を制御する二次電子検出器制御装置96、試料ステージ10を制御する試料ステージ制御装置97、試料室真空排気用ポンプ13を制御する真空排気用ポンプ制御装置98、及び、演算装置を含む計算処理装置99を有する。計算処理装置99は画像表示部を備える。画像表示部は、二次粒子検出器11の検出信号から生成された画像、及び、入力手段によって入力した情報を表示する。
試料ステージ10は、試料9を試料載置面内にて直交2方向へ直線移動させる機構、試料9を試料載置面に垂直な方向への直線移動させる機構、及び、試料9を試料載置面内にて回転させる機構を有する。試料ステージ10は、更に、試料9を傾斜軸周りに回転させることによりイオンビーム14の試料9への照射角度を可変できる傾斜機能を備える。これらの制御は計算処理装置99からの指令によって、試料ステージ制御装置97によって実行される。
本例のイオン顕微鏡のイオンビーム照射系の動作を説明する。イオンビーム照射系の動作は、計算処理装置99からの指令により制御される。ガス電界電離イオン源1によって生成されたイオンビーム14は、集束レンズ5によって集束され、ビーム制限アパーチャ6によって、ビーム径が制限され、対物レンズ8によって、集束される。集束されたビームは、試料ステージ10上の試料9の上に走査されながら、照射される。
試料から放出された二次粒子は、二次粒子検出器11によって検出する。二次粒子検出器11からの信号は、輝度変調され、計算処理装置99に送られる。計算処理装置99は、走査イオン顕微鏡像を生成し、それを画像表示部に表示する。こうして、試料表面の高分解能観察を実現することができる。
なお、第1アパーチャはイオンビーム照射軸14aに対して略垂直平面内での方向に可動であり、第1アパーチャ開口部をイオンビーム光学軸と一致させることができ、イオンビームの歪が少なく極微細なビームを得られるという効果を奏する。さらに、アパーチャ開口部の大きさを可変にする、あるいは大きさの異なる開口部、例えば、直径の異なる複数の穴を用意しておき、開口部大きさを選択する、あるいはある直径の穴を選択してこれにイオンビームを通過させることにより、イオンビームのレンズに対する開き角を選択する。これにより、レンズ収差の大きさを制御することができるので、イオンビーム径およびイオンビーム電流を制御できるという効果を奏する。
次に図3を参照して、本発明による荷電粒子線装置の一例を説明する。本図では、図1に示した荷電粒子線装置の冷却機構4の一例について詳細に説明する。本例の冷却機構4は、ヘリウム循環方式を採用している。本例の冷却機構4は、冷媒となるヘリウムガスをGM型冷凍機401および熱交換器402、406、407、408を用いて冷却して、これを圧縮機ユニット400により循環させる。コンプレッサ403で加圧された例えば0.9MPaの常温の温度300Kのヘリウムガスは配管409を通じて熱交換器402に流入し、後述する戻りの低温のヘリウムガスと熱交換して温度約60Kに冷却される。冷却されたヘリウムガスは断熱されたトランスファーチューブ404内の配管403を通じて輸送され、ガス電界電離イオン源1近くに配置された熱交換器405に流入する。ここで、熱交換器405に熱的に一体化された熱伝導体406を温度約65Kに冷却し、前記した輻射シールド等を冷却する。加温されたヘリウムガスは熱交換器405を流出し配管407を通じて、GM型冷凍機401の第1冷却ステージ408に熱的に一体化された熱交換器409に流入し、温度約50Kに冷却され、熱交換器410に流入する。後述する戻りの低温のヘリウムガスと熱交換して温度約15Kに冷却され、そののち、GM型冷凍機401の第2冷却ステージ411に熱的に一体化された熱交換器412に流入し、温度約9Kに冷却され、トランスファーチューブ404内の配管413を通じて輸送され、ガス電界電離イオン源1近くに配置された熱交換器414に流入し、熱交換器414で熱的に接続された良熱伝導体の冷却伝導棒53を温度約10Kに冷却する。熱交換器414で加温されたヘリウムガスは配管415を通じて熱交換器410、402に順次流入し、前述のヘリウムガスと熱交換してほぼ常温お温度約275Kになって、配管415を通じて圧縮機ユニット400に回収される。なお、前述した低音部は真空断熱容器416ないに収納され、トランスファーチューブ404とは、図示していないが断熱的に接続されている。また、真空断熱容器416内において、図示していないが低温部は輻射シールド板や、積層断熱材等により室温部からの輻射熱による熱侵入を防止している。
また、トランスファーチューブ404は床20または床20に設置された支持体417に強固に固定支持されている。ここで、図示していないが熱伝導率が低い断熱材であるガラス繊維入りのプラスチック製に断熱体でトランスファーチューブ404の内部で固定支持された配管403、407、413、415も床20で固定支持されている。また、ガス電界電離イオン源1近くにおいて、トランスファーチューブ404は、ベースプレート18に支持固定されており、同様にここで、図示していないが熱伝導率が低い断熱材であるガラス繊維入りのプラスチック製に断熱体でトランスファーチューブ404の内部で固定支持された配管403、407、413、415もベースプレート18で固定支持されている。
すなわち、本冷却機構は、圧縮機ユニット16で発生させた第1の高圧ガスを膨張させて寒冷を発生する寒冷発生手段と、この寒冷発生手段の寒冷で冷却し、圧縮機ユニット400で循環する第2の移動する冷媒であるヘリウムガスで被冷却体を冷却する冷却機構である。
冷却伝導棒53は変形可能な銅網線54およびサファイアベースを経てエミッタティップ21に接続される。これによりエミッタティップ21の冷却が実現する。この実施例では、GM型冷凍機は床を振動させる原因になるが、ガス電界電離イオン源1、イオンビーム照射系カラム2、真空試料室3などはGM冷凍機とは隔離されて設置されており、さらにガス電界電離イオン源1近傍に設置した熱交換器405、414に連結された配管403、407、413、415は殆ど振動しない床20やベース18に強固に固定支持されて振動せず、さらに床から振動絶縁されているため機械振動の伝達の極めて少ないシステムとなることが特徴である。
以上、本発明のガス電界電離イオン源および荷電粒子線装置によれば、冷却機構からの振動は、エミッタティップに伝達されにくく、エミッタベースマウントの固定機構が備えられているためエミッタティップの振動が防止され高分解能観察が可能となる。
更に、本願の発明者は、コンプレッサ16又は400の音が電界電離イオン源1を振動させてその分解能を劣化させることを突き止めた。そのため、本例では、コンプレッサと電界電離イオン源を空間的に分離するカバー417を設けた。これにより、コンプレッサの音に起因した振動の影響を低減することができる。それによって、高分解能観察が可能となる。
また、本実施例の場合、ヘリウム圧縮機400を用いて第2のヘリウムガスを循環させたが、図示しないが流量調整弁を介して、ヘリウム圧縮機16の 配管111、112と、それぞれ流量調整弁を介して、配管409、416を連通し、配管409内にヘリウム圧縮機16の一部のヘリウムガスを第2のヘリウムガスとして循環ヘリウムガスを供給し、配管416でガスをヘリウム圧縮機16に回収しても、同様な効果を生じる。
また、本例では、GM型冷凍機40を用いたが、その代わりに、パルス管冷凍機、又はスターリング型冷凍機を用いてもよい。また、本例では、冷凍機は、2つの冷却ステージを有するが、単一の冷却ステージを有するものでもよく、冷却ステージの数は特に限定されるものではない。例えば、1段の冷却ステージを持つ小型のスターリング型冷凍を用いて、最低冷却温度を50Kとしたヘリウム循環冷凍機とすれば、コンパクトで低コストのイオンビーム装置を実現できる。また、この場合には、ヘリウムガスの代わりにネオンガスや水素を用いてもよい。
図4は、図1に示した本発明による荷電粒子線装置のガス電界電離イオン源1とその冷却機構4の一例を示す。ガス電界電離イオン源1については、図5にて詳細に説明する。ここでは、冷却機構4を説明する。本例ではガス電界電離イオン源1の冷却機構4として、GM型冷凍機40とヘリウムガスポット43を組み合わせた冷却機構を用いる。GM型冷凍機の中心軸線は、イオン顕微鏡のエミッタティップ21を通るイオンビーム照射系の光軸に平行に配置されている。これにより、イオンビームの集束性の向上と冷凍機能の向上を両立できる。
GM型冷凍機40は、本体41と第1冷却ステージ42Aと第2冷却ステージ42Bを有する。本体41は支柱103によって支持されている。第1冷却ステージ42A及び第2冷却ステージ42Bは、本体41より吊り下げられた構造を有する。
第1冷却ステージ42Aの外径は、第2冷却ステージ42Bの外径より大きい。第1冷却ステージ42Aの冷凍能力は約5Wであり、第2冷却ステージ42Bの冷凍能力は約0.2Wである。第1冷却ステージ42Aは、約50Kまで冷却される。第2冷却ステージ42Bは、4Kまで冷却可能である。
第1冷却ステージ42Aの上端部は、ベローズ69によって囲まれている。第1冷却ステージ42Aの下端部と第2冷却ステージ42Bは、ガス密封型のポット43によって覆われている。ポット43は、第1冷却ステージ42Aを囲むように構成された径が大きい部分43Aと、第2冷却ステージ42Bを囲むように構成された径が小さい部分43Bを有する。ポット43は支柱104によって支持されている。支柱104は図1に示したように、ベースプレート18に支持されている。
ベローズ69及びポット43は、密閉構造を有し、その内部に、熱伝導媒体としてヘリウムガス46が充填されている。2つの冷却ステージ42A、42Bはヘリウムガス46に囲まれているが、ポット43には接触していない。なお、ヘリウムガスの代わりにネオンガスや水素を用いてもよい。
本例のGM型冷凍機40では、第1冷却ステージ42Aは約50Kまで冷却される。そのため第1冷却ステージ42Aの周囲のヘリウムガス46は、約70Kに冷却される。第2冷却ステージ42Bは、4Kまで冷却される。第2冷却ステージ42Bの周囲のヘリウムガス46は約6Kまで冷却される。こうして、ポット43の下端は、約6Kまで冷却される。
GM型冷凍機40の本体41の振動は、支柱103と2つの冷却ステージ42A、42Bに伝達される。冷却ステージ42A、42Bに伝達された振動は、ヘリウムガス46にて減衰する。GM型冷凍機の冷却ステージ42A、42Bが振動しても、ヘリウムガスが中間に存在するため熱は伝導されるが、機械振動は減衰し、第1冷却ステージ41および第2冷却ステージ42で冷却される密封型のポット43に振動が伝播し難い。特に高い振動数の振動は伝達しにくい。すなわち、ポット43の機械振動はGM型冷凍機の冷却ステージ42A、42Bの機械振動に比べて極めて低減するという効果を奏する。図1を参照して説明したように、コンプレッサ16の振動は、床20を経由して、装置架台17に伝達されるが、防振機構19によって、ベースプレート18に伝達されることが防止される。従って、コンプレッサ16の振動は、支柱104、及び、ポット43に伝達されることはない。
なお、ポット43の下端は、熱伝導率の高い銅製の冷却伝導棒53に接続されている。冷却伝導棒53内にはガス供給配管25が設けられている。冷却伝導棒53は、銅製の冷却伝導管57によって覆われている。
本例では、ポット43の径が大きい部分43Aに、図示しない輻射シールドが接続されており、この輻射シールドは、銅製の冷却伝導管57に接続されている。従って、冷却伝導棒53及び冷却伝導管57は常にポット43と同一の温度に保持される。
本例では、GM型冷凍機40を用いたが、その代わりに、パルス管冷凍機、又はスターリング型冷凍機を用いてもよい。また、本例では、冷凍機は、2つの冷却ステージを有するが、単一の冷却ステージを有するものでもよく、冷却ステージの数は特に限定されるものではない。
図5を参照して、本発明による荷電粒子線装置のガス電界電離イオン源1の構成を更に詳細に説明する。本例のガス電界電離イオン源は、エミッタティップ21、1対のフィラメント22、フィラメントマウント23、支持棒26、及び、エミッタベースマウント64を有する。エミッタティップ21は、フィラメント22に接続されている。フィラメント22は支持棒26に固定されている。支持棒26はフィラメントマウント23に支持されている。フィラメントマウント23は、絶縁材62を挟んで、圧電素子を用いた傾斜機構61、エミッタベースマウント64に固定されている。エミッタベースマウント64は、図4に示したように、上部フランジ51に装着されている。なお、圧電素子を用いた傾斜機構61については後で詳細に説明する。
本例の電界電離イオン源は、更に、引き出し電極24、円筒状の抵抗加熱器30、円筒状の側壁28、及び、天板29を有する。引き出し電極24はエミッタティップ21に対向して配置され、イオンビーム14が通るための開口部27を有する。側壁28には、絶縁材63が挿入されており、引き出し電極に高電圧を印加できる。
側壁28及び天板29は、エミッタティップ21を囲んでいる。引き出し電極24、側壁28、天板29、絶縁材63、及び、フィラメントマウント23によって囲まれる空間を、ガス分子イオン化室15と呼ぶ。なお、ガス分子イオン化室はエミッタティップ周辺のガス圧力を高めるための部屋であり、その壁を構成する要素に限定されるものではない。
また、ガス分子イオン化室15にはガス供給配管25が接続されている。このガス供給配管25によって、エミッタティップ21に、イオン材料ガス(イオン化ガス)が供給される。イオン材料ガス(イオン化ガス)は、ヘリウム又は水素である。
ガス分子イオン化室15は、引き出し電極24の孔27とガス供給配管25を除いて、密閉されている。ガス供給配管25を経由してガス分子イオン化室内には供給されたガスは、引き出し電極の孔27とガス供給配管25以外の領域から漏洩することは無い。引き出し電極24の開口部27の面積を十分小さくすることによって、ガス分子イオン化室内を高い気密性及び密閉性を保持することができる。引き出し電極24の開口部を、例えば円形孔27とすると、その直径は、例えば、0.3mmである。それによって、ガス供給管25からガスイオン化室15にイオン化ガスを供給すると、ガスイオン化室15のガス圧力は真空容器のガス圧力よりも少なくとも1桁以上大きくなる。それによってイオンビームが真空中のガスと衝突して中性化する割合が減少し、大電流のイオンビームを生成することができる。
抵抗加熱器30は、引き出し電極24、側壁28等を脱ガス処理するために用いる。引き出し電極24、側壁28等を加熱することによって、それより脱ガス化する。抵抗加熱器30は、ガス分子イオン化室15の外側に配置する。従って、抵抗加熱器自身が脱ガス化しても、それはガス分子イオン化室外で行われるから、ガス分子イオン化室内は高真空化することができる。
本例では脱ガス処理に、抵抗加熱器を用いたが、代わりに、加熱用ランプを用いてもよい。加熱用ランプは、引き出し電極24を非接触で加熱できるため、引き出し電極の周囲構造を簡単にできる。更に、加熱用ランプでは、高電圧を印加する必要が無いため、加熱用ランプ電源の構造が簡単である。更に、抵抗加熱器を用いる代わりに、ガス供給配管25を介して高温の不活性ガスを供給して、引き出し電極、側壁等を加熱し、脱ガス処理してもよい。この場合、ガス加熱機構を接地電位にすることができる。更に、引き出し電極の周囲構造が簡単になり、且つ、配線及び電源が不要である。
試料室3、及び、試料室真空排気用ポンプ13に装着された抵抗加熱器によって、試料室3、及び、試料室真空排気用ポンプ13を約200℃まで加熱し、試料室3の真空度を大きくとも10−7Pa以下にするとよい。それによって、イオンビームを試料に照射したときに、試料の表面にコンタミネーションが付着することが回避され、試料の表面を良好に観察できる。従来の技術では、試料の表面にヘリウムイオン又は水素イオンのビームを照射すると、コンタミネーションによるデポジションの成長が早いため、試料表面の観察が困難になる場合があった。そこで、試料室3、及び、試料室真空排気用ポンプ13を真空の状態で加熱処理し、試料室3の真空内のハイドロカーボン系の残留ガスを微量化する。それによって、試料の最表面を高分解能で観察できる。
また、図5では、イオン化室に非蒸発ゲッタ材料を用いている。本実施例では、イオン材料ガス供給配管25から放出されるガスが衝突する壁にゲッタ材料520を配置した。また、イオン化室外壁には加熱ヒータ30が備えられておりイオン化ガス導入前に、非蒸発ゲッタ材料520を加熱して活性化する。そして、イオン源を極低温に冷却した後、イオン化ガスをイオン材料ガス供給配管25から供給する。このようにすると、エミッタティップに付着する不純物ガス分子が飛躍的に減少し、イオンビーム電流が安定して、観察像に明るさのムラが無い試料観察を可能にするイオンビーム装置が提供される。
次に、図6を参照して、圧電素子を用いた傾斜機構について説明する。フィラメントマウント23を通る中心軸線66は、鉛直線65に対して、即ち、ガス分子イオン化室15の中心軸線に対して傾斜可能である。図6Aは、フィラメントマウント23を通る中心軸線66が鉛直線65に対して傾斜していない状態を示す(図では2つの線は重なっている)。図6Bは、フィラメントマウント23を通る中心軸線66が鉛直線65に対して傾斜した状態を示す。
フィラメントマウント23は傾斜機構の可動部601に固定されている。可動部601は非可動部602とすべり面603を介して接続されている。このすべり面603はエミッタティップ21の先端を中心とした円筒面あるいは球面の一部となっており、このすべり量の制御によりエミッタティップ21の先端を略移動させる事無く、傾斜制御することができる。ここで略とは0.5mm以内であれば問題ない。この範囲内であれば偏向器で調整することができる。すべり面603が円筒面の一部となっている場合は、イオンビーム照射軸を中心とした該円筒面の回転角制御により傾斜面の方位角制御が実施できる。すべり面603が球面の一部となっている場合は、所望の方位角で傾斜制御をすればよい。傾斜手段のすべり面はエミッタティップ21の先端を中心とした円筒面あるいは球面の一部であり、平面ではない。そのためエミッタティップ1の先端の中心から円筒面あるいは球面までのすべり面半径が小さければすべり面も小さくでき、ガス電界電離イオン源を小型化できる。また、本発明では、傾斜手段の可動部601、非可動部602および両部間のすべり面603もイオン源室内にあり、すべり面の半径はイオン源の真空筐体半径よりも小さい。すべり面には大気圧力はかかっておらず、可動部および非可動部は小型化かつ軽量化できる。小型の傾斜手段をイオン源真空容器、さらにイオン化室内に収めたことからイオン源自体もコンパクトにできた。すなわち、小型かつ軽量にできた。すなわち、荷電粒子顕微鏡の対振動の強化および顕微鏡自体の小型化に効果を奏する。
また、製作容易性と制御容易性の観点から傾斜手段の最も有用な構造は、エミッタ21先端に中心軸を置き、すべり面がエミッタティップ1の先端を中心とした円筒面持つ構造で、直交2方向のすべり面が各々異なった半径を有する円筒の部分面である傾斜手段を2個組み合わせた構造である。2つのすべり面はイオンビーム照射軸を中心として相対的に90度回転させて上下に組み合わされ、2つのすべり面を独立に制御することで直交方向の傾斜が可能なため、この合成によって任意方向への傾斜が可能となる。この場合、各すべり面は該すべり方向に一致したアーチ上のガイドに沿って1次元的に圧電素子を配置しておけば良いので、構造および制御が簡便である。一方すべり面を球面とする場合には、すべり面は1つで済むものの球面上に2次元的に圧電素子を配置する必要があるため圧電素子の数が増加し、球面に配置する工作精度も非常に高くなる。また、圧電素子の制御も複雑になる。
図6の圧電素子604はすべり面603と平行な傾斜手段の非可動部601側の面に沿って配列され、すべり面603は該素子に密着されている。圧電素子604にパルス状の電圧を印加することで該素子は一方向に伸縮が可能であり、すべり面603を摩擦力によって移動させることが可能である。
また、傾斜力の発生手段には、以上で説明した圧電素子を用いる場合の他にも、モータに繋がれた歯車の組合せによる回転機構、およびリニアアクチュエータによるプッシュプル機構なども用いることも可能である。
図7A、図7Bを参照して、別のティップ傾斜機構について説明する。エミッタベースマウント64を通る中心軸線66は、鉛直線65に対して、即ち、ガス分子イオン化室15の中心軸線に対して傾斜可能である。図7Aは、フィラメントマウント23とエミッタベースマウント64を通る中心軸線66が鉛直線65に対して傾斜していない状態を示す(図では2つの線は重なっている)。図7Bは、フィラメントマウント23とエミッタベースマウント64を通る中心軸線66が鉛直線65に対して傾斜した状態を示す。
本例では、エミッタベースマウント64は傾斜機構の可動部701に装着されており、真空容器68とは、ベローズ161によって接続されている。また、天板29には、絶縁材63が接続されている。絶縁材63とフィラメントマウント23の間には、ベローズ162が装着されている。非可動部702は真空容器68に固定されており、可動部701は非可動部702とすべり面703を介して接続されている。このすべり面703はエミッタティップ21の先端を中心とした円筒面あるいは球面の一部となっており、このすべり量の制御によりエミッタティップ21の先端をほぼ移動させる事無く、傾斜制御することができる。なお、本例の場合には、可動部701の駆動手段、すなわち傾斜力の発生手段は大気中に配置できるため、回転−直進変換機構と回転モータの組み合わせなど、その手段の選択肢は多い。
本構造の特徴は、エミッタティップ21が変形可能なベローズ162および、絶縁材63を介して引き出し電極24と接続されることである。これにより、引き出し電極を固定構造として、同時にエミッタティップ21が傾斜を含めて移動可能でありながら、エミッタティップ周辺を囲んで、引き出し電極の小穴27およびガス供給配管25以外にはヘリウムの漏洩は無い。これは、変形可能なベローズ162を挟んでエミッタティップ21と引き出し電極24を接続したことによるものであり、ガス分子イオン化室の気密を高める効果を奏する。なお、本例では金属ベローズを用いたが、ゴムなどの変形可能な材料で接続しても同様な効果が得られる。また、エミッタベースマウント、形状可変な機構部品、引き出し電極などによってエミッタティップが概ね囲まれるイオン化室が前記真空容器内で変形可能であることが特徴である。さらに、このイオン化室が概ね室温の真空容器と接していないことが特徴となる。これによりイオンビームの集束性が高く、さらにガス分子イオン化室の密閉度が高まり、ガス分子イオン化室の高ガス圧力を実現できる。
次に、本例の電界電離イオン源の動作を説明する。イオン源真空排気用ポンプ12によって真空容器内を真空排気する。抵抗加熱器30によって、引き出し電極24、側壁28、及び、天板29の脱ガス処理を行う。即ち、引き出し電極24、側壁28、及び、天板29を加熱することにより脱ガス化する。尚、同時に、真空容器の外側に別の抵抗加熱器を配置し、真空容器を加熱してよい。それによって、真空容器内の真空度が向上し、残留ガス濃度が低下する。この操作によりイオン放出電流の時間安定性を向上させることができる。
脱ガス処理が終了すると、抵抗加熱器30による加熱を停止し、十分な時間が経過した後、冷凍機を運転する。それによってエミッタティップ21、および引き出し電極24等が冷却される。次に、ガス供給配管25によりイオン化ガスをガス分子イオン化室15に導入する。イオン化ガスはヘリウム又は水素であるが、ここでは、ヘリウムであるとして説明する。上述のように、ガス分子イオン化室内は高い真空度を有する。従って、エミッタティップ21によって生成されたイオンビームがガス分子イオン化室内の残留ガスと衝突して中性化する割合が少なくなる。そのため、大電流のイオンビームを生成することができる。また、高温のヘリウムガス分子が引き出し電極と衝突する個数は減少する。そのため、エミッタティップ、及び、引き出し電極の冷却温度を下げることができる。したがって、大電流のイオンビームを試料に照射できる。
次に、エミッタティップ21と引き出し電極24の間に電圧を印加する。エミッタティップの先端に強電界が形成される。ガス供給配管25から供給されたヘリウムの多くが、強電界によってエミッタティップ面に引っ張られる。ヘリウムは、最も電界の強いエミッタティップの先端近傍に到達する。そこでヘリウムが電界電離し、ヘリウムイオンビームが生成される。ヘリウムイオンビームは、引き出し電極24の孔27を経由して、イオンビーム照射系に導かれる。
次に、エミッタティップ21の構造及び作製方法を説明する。先ず、直径約100〜400μm、軸方位<111>のタングステン線を用意し、その先端を鋭利に成形する。それによって、曲率半径が数10nmの先端を有するエミッタティップが得られる。このエミッタティップの先端に、別の真空容器注で白金を真空蒸着させる。次に、高温加熱下にて、白金原子をエミッタティップの先端に移動させる。それによって、白金原子によるナノメートルオーダのピラミッド型構造が形成される。これをナノピラミッドと呼ぶことにする。ナノピラミッドは、典型的には、先端に1個の原子を有し、その下に3個又は6個の原子の層を有し、さらにその下に10個以上の原子の層を有する。
なお、本例では、タングステンの細線を用いたがモリブデンの細線を用いることもできる。また、本例では、白金の被覆を用いたが、イリジウム、レニウム、オスミウム、パラジュウム、ロジュウム等の被覆を用いることもできる。
イオン化ガスとしてヘリウムを用いる場合には、ヘリウムが電離する電界強度よりも金属の蒸発強度が大きいことが重要である。従って、白金、レニウム、オスミウム、イリジウムの被覆が好適となる。イオン化ガスとして水素を用いる場合には、白金、レニウム、オスミウム、パラジュウム、ロジュウム、イリジウムの被覆が好適である。なお、これらの金属の被覆の形成は、真空蒸着法によっても可能であるが、溶液中でのメッキによっても可能である。
また、エミッタティップの先端にナノピラミッドを形成する方法として、他に、真空中での電界蒸発、イオンビーム照射等を用いてもよい。このような方法によって、タングステン線、又はモリブデン線先端にタングステン原子又はモリブデン原子ナノピラミッドを形成することができる。例えば<111>のタングステン線を用いた場合には、先端が3個のタングステン原子で構成されるのが特徴となる。また、これとは別に、白金、イリジウム、レニウム、オスミウム、パラジュウム、ロジュウムなどの、細線の先端に真空中でのエッチング作用により同様なナノピラミッドを形成してもよい。これらの原子オーダの鋭利な先端構造をもつエミッタティップをナノティップと呼ぶことにする。
上述のように、本実施例によるガス電界電離イオン源のエミッタティップ21の特徴は、ナノピラミッドにある。エミッタティップ21の先端に形成される電界強度を調整することによって、エミッタティップの先端の1個の原子の近傍でヘリウムイオンを生成させることができる。従って、イオンが放出される領域、即ち、イオン光源は極めて狭い領域であり、ナノメータ以下である。このように、非常に限定された領域からイオンを発生させることによって、ビーム径を1nm以下とすることができる。そのため、イオン源の単位面積及び単位立体角当たりの電流値は大きくなる。これは試料上で微細径・大電流のイオンビームを得るためには重要な特性である。
特に、タングステンに白金を蒸着した場合には、先端に1個の原子が存在するナノピラミッド構造が安定して形成される。この場合、ヘリウムイオン発生箇所は、先端の1個の原子近傍に集中される。タングステン<111>の先端の3個の原子の場合には、ヘリウムイオン発生箇所は、3個の原子近傍に分散される。したがって、ヘリウムガスが1個の原子に集中して供給される白金のナノピラミッド構造を持つイオン源の方が単位面積・単位立体角から放出される電流は大きくできる。すなわち、タングステンに白金を蒸着したエミッタティップとすれば、イオン顕微鏡の試料上のビーム径を小さくしたり、電流を増大したりするのに好適となる効果を奏する。なお、レニウム、オスミウム、イリジウム、パラジュウム、ロジュウム、などを用いても、先端原子1個のナノピラミッドが形成された場合には、同様に単位面積・単位立体角から放出される電流を大きくすることができ、イオン顕微鏡の試料上のビーム径を小さくしたり、電流を増大したりするのに好適となる。ただし、エミッタティップが十分冷却され、かつガス供給が十分な場合には、必ずしも先端を1個に形成する必要はなく、3個、7個、10個などの原子数であっても十分な性能を発揮できる。
次に、エミッタティップの傾斜角度調整を説明する。第1アパーチャの開口部を大きいものを選択する。例えば、直径3mmの円形開口部を選択する。すなわち、集束レンズを構成するドーナッツ状の円盤の開口部を通過したイオンビームはこの第1アパーチャの開口部をすべて通過できる条件とするのである。第1アパーチャを通過したイオンビームは第1偏向器を通過し、次に第1偏向器、第2アパーチャ、対物レンズを通過して試料に到達する。試料から放出された二次粒子は既に述べたように、二次粒子検出器11によって検出する。二次粒子検出器11からの信号は、輝度変調され、計算処理装置99に送られる。ここで、第1偏向器によってイオンビームを走査させる。すると、エミッタティップから放出されたイオンビームの内で、第2アパーチャを通過したイオンビームのみが試料に到達する。イオンビーム照射によって試料から放出された二次粒子は、二次粒子検出器11によって検出する。二次粒子検出器11からの信号は、輝度変調され、計算処理装置99に送られる。ここでエミッタティップが、その先端が原子1個で形成されるナノティップである場合には、計算処理装置99の画像表示装置には、図8Aに示すように、イオン放射パターンとして1個所のみ明るいパターンが得られる。すなわち、エミッタティップ傾斜角度としては、この明るい点が得られる角度に設定すればよく、表示されたイオン放射パターン画像を参照して、エミッタの傾斜角度調整、さらにイオンビーム光軸へのアライメントについても可能になる。
なお、このように、先端1個の原子のみから、ほぼ全てのイオンビームが得られている場合には、ガス供給が原子1個に集中しており、例えば原子3個以上の場合に比べて、特に輝度の高いイオン源が実現されるという特徴を持つ。先端原子1個の場合には、アパーチャで他の原子からのイオンエミッションを遮る必要はなく、イオン放射パターンから、原子を選択する必要はない。
以上、本実施例によると、エミッタティップからのイオン放射パターンを得ることができ、エミッタの傾斜角度調整およびイオンビーム光軸へのアライメントが可能になる。また、イオンビーム光学系を短くすることができるため、エミッタと試料の相対振動の振幅が小さくなり、その結果、高分解能の試料観察を可能にする。
さらに、前記第2アパーチャが前記対物レンズを通過する前記イオンビームを制限することによって、イオンビームの放射パターンが取りやすいため、分解能をあげやすい。
また、エミッタティップが、その先端が複数の原子例えば原子6個で形成されるナノティップである場合には、第2アパーチャ位置において、エミッタティップの先端原子1個周辺から放出されたイオンビームの面積、あるいはその直径が、第2アパーチャの開口部の面積、あるいはその直径に比べて、少なくとも同じか大きくなるような条件では、エミッタティップの複数の原子個々からのイオンビームを分離して試料に到達させることができる。これはすなわち、第1偏向器によってイオンビームを走査させことによって、エミッタティップからのイオン放射パターンを観察することができることを意味する。なお、このイオン放射パターンは、図8Bに示すように、計算処理装置99の画像表示部に表示される。このイオン放射パターンを観察しながらエミッタティップの角度を調整する。すなわち、イオン放射パターンの中で、6個の輝点から所望の1個の輝点、あるいは複数の輝点を選択して、これが試料に到達するように、エミッタティップの角度を調整する。なお、イオン放射パターンは図8Bに示すような6個のパターンのみならず、典型的には、3個、10個、15個、あるいは15個を超える原子のパターンが得られる。特に、先端原子4個から15個の原子の状態でイオン放射されている場合には、原子1個から3個に比べて電流は少ないが、安定してイオンエミションすることを見出した。すなわち、イオン電流が安定して、長寿命のイオン源が実現されるという効果を奏する。
あるいは、このイオン放射パターンの画像情報は、画像表示されない場合でも、計算処理装置の演算装置に記憶され、例えば、イオン放射パターンを画像解析して、その結果から、エミッタティップの位置・角度調整、あるいは第1偏向器の電圧調整することもできる。また、ここで、対物レンズが複数のドーナッツ型円盤電極で構成されるとき、第2アパーチャが対物レンズの構成電極を兼用しても同様の機能が得られる。このとき、対物レンズの複数のドーナッツ型円盤電極のいずれの電極でもこの機能が得られるが、最もエミッタティップに近い電極を第2アパーチャとして用いると、他の電極を用いる場合と比べて対物レンズ内で二次電子の発生が少なく、放電などによる装置不安定を避けることができるという効果を奏する。
また、次に第1偏向器の直流電圧を調整してイオンビームを対物レンズの軸に合わせると、イオンビームを細束化するのに好適な条件が実現できる。次に、試料ステージを駆動することにより実際の観察対象試料をイオンビーム照射可能領域に移動する。次に第1偏向器に比べて対物レンズに近い、第2偏向器によってイオンビームを走査偏向して、該試料に照射して、試料から放出された二次粒子を二次粒子検出器11によって検出することにより、観察対象試料の表面の走査イオン顕微鏡像を得ることができる。
また、第2アパーチャ位置において、エミッタティップの先端原子1個周辺から放出されたイオンビームの面積、あるいはその直径が、第2アパーチャの開口部の面積、あるいはその直径に比べて、少なくとも同じか大きくなるような条件を満足するように、本実施例で集束レンズに電圧を印加してイオンビームを集束することによって、信号ノイズ比の高いイオン放射パターンが得られることを見出した。これは、少なくとも、集束レンズの電圧条件が、第2アパーチャの開口部へのイオンビーム集束条件に対して、少なくともアンダーフォーカス条件となる必要がある。
また、イオン放射パターン取得時に第1アパーチャの開口部の面積が、第2アパーチャの開口部の面積に比べ大であれば、パターン解析に対して充分広い範囲のイオン放射パターンが得られることを見出した。
また、イオン放射パターン取得時の第1アパーチャの開口部の面積を、試料上のイオンビームを大きくとも10nm以下に細束化する際の第1アパーチャの開口部の面積に比べて大きくすると、パターン解析に対して充分広い範囲のイオン放射パターンが得られることを見出した。
また、第2アパーチャ位置における第1偏向器によるイオンビーム走査面積が、第2アパーチャ開口部面積の少なくとも4倍以上にすると分解能が良好なイオン放射パターンが得られる。
また、本実施例では、第2アパーチャを通過したイオンビーム電流にほぼ比例した信号量を計測する手段が、試料から放出された二次粒子を二次粒子検出器11によって検出する手段であるが、他にイオンビーム電流を計測する電流計、例えば試料に接続された電流計、イオンビーム電流をチャンネルトロンで増幅して計測する手段、あるいはマルチチャンネルプレートで増幅して計測する手段のいずれかを含む手段であっても同様の機能が得られる、すなわちイオン放射パターンを観察することができ、特に、信号ノイズ比を高くして観察できる。
また、本実施例で、集束レンズ下端から第1アパーチャまでの間隔を、第1偏向器の長さに比べて短くすると、照射系の光学長において無駄な空間を無くし、かつイオンエミッションパターンが得られ、さらに光学長を短縮できる。すなわち、本発明によると、ガス電界電離イオン源を備えた荷電粒子線装置において、イオン照射系がコンパクトになり、イオン光学長が短くなり、それによりエミッタティップと試料と相対振動の振幅が小さくなり、高分解能の試料観察が可能にあるという効果を奏する。また、かつエミッタティップからのイオンの放出方向を精度よく試料の方向に調整でき、それによりガス電界電離イオン源の性能を最大限活かした荷電粒子線装置を実現することができるという効果を奏する。
次に、図9を参照して、本発明による一例で、イオンエミッタのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を機械的に変更してイオンエミッタからのイオン放射パターンを観察する荷電粒子線装置を説明する。本装置では、既に述べたように、針状のエミッタティップ21、エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極24を含むガス電界電離イオン源1、イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ5、集束レンズを通過したイオンビーム14を制限する可動のアパーチャ6、該アパーチャを通過したイオンビーム14を偏向する偏向器7、偏向器を通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ8、およびイオンビーム14の照射によって試料9から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器11などによって構成される。ここで、エミッタティップ先端を略傾斜軸として、エミッタティップをイオンビーム照射軸に対して傾斜できる傾斜機構を備える。
図10に本例の制御装置を示す。本例の制御装置は、ガス電界電離イオン源1を制御する電界電離イオン源制御装置91、エミッタティップ傾斜機構を制御するティップ傾斜機構制御装置196、集束レンズ5および対物レンズを制御するレンズ制御装置93、可動アパーチャ6を制御するアパーチャ制御装置94、偏向器を制御する偏向器制御装置95、二次粒子検出器11を制御する二次電子検出器制御装置96、試料ステージ10を制御する試料ステージ制御装置97、試料室真空排気用ポンプ13を制御する真空排気用ポンプ制御装置98、及び、演算装置を含む計算処理装置99を有し、計算処理装置99は画像表示部を備える。画像表示部は、二次粒子検出器11の検出信号から生成された画像、及び、入力手段によって入力した情報を表示する。
可動アパーチャは、アパーチャをイオンビーム照射軸に対して略垂直平面内での直交2方向へ移動させる機構を有する。この制御は計算処理装置99からの指令によって、可動アパーチャ制御装置97によって実行される。
本例のイオン顕微鏡のイオンビーム照射系の動作を説明する。イオンビーム照射系の動作は、計算処理装置99からの指令により制御される。ガス電界電離イオン源1によって生成されたイオンビーム14は、集束レンズ5によって集束され、可動アパーチャ6を通過し、対物レンズ8によって、集束される。集束されたビームは、試料ステージ10上の試料9の上に走査されながら、照射される。
試料から放出された二次粒子は、二次粒子検出器11によって検出する。二次粒子検出器11からの信号は、輝度変調され、計算処理装置99に送られる。計算処理装置99は、走査イオン顕微鏡像を生成し、それを画像表示部に表示する。こうして、試料表面の高分解能観察を実現することができる。
次に、本装置でのエミッタティップの角度調整を説明する。可動アパーチャの開口部を例えば、直径0.01mmの円形開口部を選択する。次に、ティップ傾斜機構制御装置196の制御により、エミッタティップのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を逐次変化させる。ここで、エミッタティップから放出されるイオンビームが可動アパーチャを通過したときのみ、試料9まで到達する。イオンビーム照射によって試料から放出された二次粒子は、二次粒子検出器11によって検出する。二次粒子検出器11からの信号は、輝度変調され、計算処理装置99に送られる。ここでエミッタティップが、その先端が原子1個で形成されるナノティップである場合には、計算処理装置99の画像表示装置には、イオン放射パターンとして1個所のみ明るいパターンが得られる。すなわち、エミッタティップ傾斜角度としては、この明るい点が得られる角度に設定すればよい。すなわち、表示されたイオン放射パターン画像を参照して、エミッタの傾斜角度調整、さらにイオンビーム光軸へのアライメントについても可能になる。
また、ここで、エミッタティップが、その先端が複数の原子例えば原子6個で形成されるナノティップである場合には、可動アパーチャ位置において、原子1個周辺から放出されたイオンビームが、可動アパーチャ位置で開口部に比べて少なくとも同じか大きくなるような条件では、エミッタティップの複数の原子個々からのイオンビームを分離して試料に到達させることができる。これはすなわち、エミッタティップのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を逐次変更させことによって、エミッタティップからのイオン放射パターンを観察することができることを意味する。なお、このイオン放射パターンは、計算処理装置の画像表示部に表示される。このイオン放射パターンを観察しながらエミッタティップの角度を調整する。すなわち、イオン放射パターンの中で、6個の輝点から所望の1個の輝点、あるいは複数の輝点を選択して、これが試料に到達するように、エミッタティップの角度を調整すれば良い。
あるいは、このイオン放射パターンの画像情報は、画像表示されない場合でも、計算処理装置の演算装置に記憶され、例えば、イオン放射パターンを画像解析して、その結果から、エミッタティップの角度を調整することができる。
また、可動アパーチャ位置において、エミッタティップの先端原子1個周辺から放出されたイオンビームの面積、あるいはその直径が、可動アパーチャの開口部の面積、あるいはその直径に比べて、少なくとも同じか大きくなるような条件を満足するように、本実施例で集束レンズに電圧を印加してイオンビームを集束することによって、信号ノイズ比の高いイオン放射パターンが得られることを見出した。これは、少なくとも、集束レンズの電圧条件が、可動アパーチャの開口部へのイオンビーム集束条件に対して、少なくともアンダーフォーカス条件となる必要がある。
また、可動アパーチャの代わりに、偏向器と対物レンズの間に固定アパーチャを配置して、これを用いてイオン放射パターンを観察してエミッタティップを調整することもできる。この場合には、イオンビームを対物レンズの軸に合わせるのに好適となり、対物レンズの収差を低減することにより、より微細なイオンビーム径が得られる、すなわち超高分解能な観察が可能になるという効果を奏する。
本実施例の場合には、イオン放射パターンを得るのに偏向器を用いないため制御装置構成が単純になり、コストが低減できるという効果を奏する。また、本実施例で、集束レンズ下端から可動アパーチャまでの間隔を、偏向器の長さに比べて短くすると、照射系の光学長において無駄な空間を無くし、かつイオンエミッションパターンが得られ、さらに光学長を短縮できる。すなわち、本発明によると、ガス電界電離イオン源を備えた荷電粒子線装置において、イオン照射系がコンパクトになり、イオン光学長が短くなり、それによりエミッタティップと試料と相対振動の振幅が小さくなり、高分解能の試料観察が可能にあるという効果を奏する。また、かつエミッタティップからのイオンの放出方向を精度よく試料の方向に調整でき、それによりガス電界電離イオン源の性能を最大限活かした荷電粒子線装置を実現することができるという効果を奏する。
次に、図9を参照して本発明による一例で、可動アパーチャ位置をイオンビームに対して該垂直平面内で移動する手段を用いて、イオンエミッタからのイオン放射パターンを観察する荷電粒子線装置を説明する。まず、可動アパーチャの開口部中心をイオンビーム照射軸に合わせておく、また、可動アパーチャの開口部を例えば、直径0.01mmの円形開口部を選択する。次に、可動アパーチャ制御装置の制御により、可動アパーチャ位置をイオンビーム照射軸に該垂直平面内で、直行2方向に走査移動させる。ここで、エミッタティップから放出されるイオンビームが可動アパーチャを通過したときのみ、試料まで到達する。イオンビーム照射によって試料から放出された二次粒子は、二次粒子検出器11によって検出する。二次粒子検出器11からの信号は、輝度変調され、計算処理装置99に送られる。ここでエミッタティップが、その先端が原子1個で形成されるナノティップである場合には、計算処理装置の画像表示装置には、イオン放射パターンとして1個所のみ明るいパターンが得られる。そして、エミッタティップのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を逐次変化させながら、このパターンを観察する。そして、輝点が画像中心になれば、エミッタティップ傾斜角度が調整できたことになる。
また、ここで、エミッタティップが、その先端が複数の原子例えば原子6個で形成されるナノティップである場合には、原子1個周辺から放出されたイオンビームが、可動アパーチャ位置で開口部に比べて少なくとも同じか大きくなるような条件では、エミッタティップの複数の原子個々からのイオンビームを分離して試料に到達させることができる。これは、上記と同様に、可動アパーチャ制御装置の制御により、可動アパーチャ位置をイオンビーム照射軸に該垂直平面内で、直行2方向に走査移動させると、エミッタティップからのイオン放射パターンを観察することができることを意味する。このイオン放射パターンを観察しながらエミッタティップの角度を調整する。すなわち、イオン放射パターンの中で、6個の輝点から所望の1個の輝点、あるいは複数の輝点を選択して、これが試料に到達するように、エミッタティップの角度を調整すれば良い。
あるいは、このイオン放射パターンの画像情報は、画像表示されない場合でも、計算処理装置の演算装置に記憶され、例えば、イオン放射パターンを画像解析して、その結果から、エミッタティップの角度を調整することができる。
以上の実施例では、可動アパーチャや固定アパーチャを用いているが、スリットを用いても良い。例えば、直交2方向に配置した2組みのスリットを用いれば、X、Y各々の方向を独立して調整可能となる。
以上の実施例では、イオン放射パターン画像は2次元画像である場合を説明したが、一方向の二次粒子強度プロファイルでも良い。この場合には、計算処理装置の画像表示装置上には、二次粒子強度プロファイルが表示されても良い。
以上の実施例では、イオン放射パターンを観察する際の調整試料は、平坦でイオンビームが照射されるほぼ全て領域で二次粒子生成効率がほぼ一定であることが好適である。例えば、シリコン単結晶ウエハなどの単結晶試料、あるいは表面研磨されたステンレススチールなどが好適である。これにより,エミッタティップからのイオン放射パターンを,むらのない状態で観察できる。
また、エミッタティップ傾斜角度調整時には、試料ステージを移動させて、イオンビーム照射領域に、イオン放射パターン観察用として調整試料を配置して、観察対象のイオンビームが照射されないようにする。そして、試料観察する際には、試料ステージ移動により、イオンビーム照射領域に対象試料を配置すれば良い。これにより、軸調整時に観察対象となる試料を汚染、破損しにくいという効果を奏する。
また、以上の実施例では、可動アパーチャを通過したイオンビーム電流にほぼ比例した信号量を計測する手段が、試料から放出された二次粒子を二次粒子検出器11によって検出する手段であるが、他にイオンビーム電流を計測する電流計、例えば試料に接続された電流計、イオンビーム電流をチャンネルトロンで増幅して計測する手段、あるいはマルチチャンネルプレートで増幅して計測する手段のいずれかを含む手段であっても同様の機能が得られる、すなわちイオン放射パターンを観察することができる。これにより,信号ノイズ比の特に高い放射パターンを得ることができるという効果を奏する。
また,第2アパーチャが対物レンズを構成する電極と兼用することができる。すなわち対物レンズ開口部を第2アパーチャとして用いれば、部品を兼用することができるという効果を奏する。
以上の実施例では、ガス電界電離イオン源のイオンエミッタからのイオン放射パターンを観察可能な荷電粒子線装置として(1)第1偏向器と第2偏向器下の固定アパーチャを有し、イオンビームを第1偏向器で走査する手段を有する装置(2)イオンエミッタのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を機械的に変更する手段を有する装置(3)可動アパーチャ位置をイオンビームに対して該垂直平面内で移動する手段を有する装置、を説明したが、これらのうち、2つあるいは3つを組み合わせてもよい。これにより特に、パターンの観察領域が広くパターン解析精度が高い、かつエミッタティップの角度調整精度の良い装置が構成できるという効果を奏する。
また、これらの手段をエミッタティップの角度調整に用いた例を説明したが、エミッタティップの位置調整に用いてもよい。これによると、イオンビーム照射軸との調整精度が高く、レンズ歪み収差を少なくして極微細なイオンビームを形成できる、ずなわち、超高分解能観察や高精度加工が可能という効果を奏する。
以上、本実施例では、本発明によると、ガス電界電離イオン源を備えた荷電粒子線装置において、イオン照射系がコンパクトになり、イオン光学長が短くなり、それによりエミッタティップと試料と相対振動の振幅が小さくなり、高分解能の試料観察が可能にあるという効果を奏する。また、かつエミッタティップからのイオンの放出方向を精度よく試料の方向に調整でき、それによりガス電界電離イオン源の性能を最大限活かした荷電粒子線装置を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明によると、ガス電界電離イオン源を備えた荷電粒子線装置において、イオンビームが安定するという効果を奏する。
図11を参照して、本発明による一例で、エミッタまたはエミッタに接続されたフィラメントから放出または反射される光を該引き出し電極の開口部を通して検出する手段を備える荷電粒子線装置を説明する。本装置では、針状のエミッタティップ21、エミッタティップ21に対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源1、イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ5、集束レンズ5を通過したイオンビームを制限する可動のアパーチャ6、アパーチャを通過したイオンビームを偏向する偏向器7、該偏向器を通過したイオンビームを試料9上に集束する対物レンズ8、およびイオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器11などによって構成される。ここで、エミッタティップ21は、イオン源からイオンビームを引き出す方向に対して、ほぼ垂直平面内で移動できる平面移動機構71と、エミッタティップ先端を傾斜軸として、エミッタティップをイオンビーム照射軸に対して傾斜できる傾斜機構61を備える。また、試料ステージ10はイオンビームに対して垂直平面内で移動機能71を持つ。また、試料ステージ上10にはプリズム、光ファイバまたは反射鏡72などの光路変更手段が取り付けられている。イオンビーム照射軸方向からの光を略垂直方向に反射する。また、試料室真空容器には光を通過させるビューポート73を備える。
本例の制御装置は、ガス電界電離イオン源1を制御する電界電離イオン源制御装置91、エミッタティップ位置移動機構を制御するティップ位置移動制御装置197、エミッタティップ傾斜移動機構を制御するティップ傾斜移動制御装置196、集束レンズ5および対物レンズを制御するレンズ制御装置93、可動アパーチャ6を制御するアパーチャ制御装置94、偏向器を制御する偏向器制御装置95、二次粒子検出器11を制御する二次電子検出器制御装置96、試料ステージ10を制御する試料ステージ制御装置97、試料室真空排気用ポンプ13を制御する真空排気用ポンプ制御装置98、及び、演算装置を含む計算処理装置99を有する。計算処理装置99は画像表示部を備える。画像表示部は、二次粒子検出器11の検出信号から生成された画像、及び、入力手段によって入力した情報を表示する。
まず、本発明による一例で、エミッタティップまたはエミッタティップに接続されたフィラメントから放出または反射される光により、エミッタティップとイオン引き出し電極開口部との軸合わせする荷電粒子線装置を説明する。
ガス電界電離イオン源で、エミッタティップ21に接続されたフィラメント22に電圧を印加して、フィラメントを加熱し光を放出させる。すると、引き出し電極の開口部27からは、フィラメントおよびエミッタティップから放出または反射された光が射出されることになる。この光の進路を、試料ステージ10上のプリズム、光ファイバまたは反射鏡72などの光路変更手段で垂直方向に変え、これを試料室真空容器に取り付けられたビューポートを通して検出する。例えば光学カメラ74で観察する。このようにすれば、図12のように引き出し電極の開口部27の影と、フィラメント22およびフィラメントに取り付けられたエミッタティップ21を観察することができることになる。すなわち、エミッタティップ21と引き出し電極の開口部27との相対位置を把握することができる。そして、この画像を観察しながらエミッタティップを引き出し電極の開口部の中心に移動させる。あるいは、この画像情報を計算処理装置99で解析して、エミッタティップ位置移動制御装置197により、エミッタティップを引き出し電極の開口部の中心に移動させる。これで、エミッタティップと引き出し電極の開口部の軸合わせ調整が可能となる。これにより、引き出し電極の開口部でのイオンビーム軌道の乱れが少なくなり、イオンビームを極微細に集束できる、すなわち超高分解能の観察あるいは高精度の加工が可能になるという効果を奏する。
次に、試料観察する際には、イオンビーム照射軸に対してほぼ垂直平面内で、試料ステージを移動させることにより、イオンビーム照射領域に対象試料9を配置すれば良い。なお、本実施例では、試料ステージ10上にプリズム、光ファイバまたは反射鏡などの光路変更手段を配置させた例を説明したが、可動アパーチャ6上にプリズム、光ファイバまたは反射鏡72を配置しても良い。すなわち、エミッタティップとイオン引き出し電極開口部との軸合わせ時には、可動アパーチャ6を移動させて、イオンビーム照射軸上にプリズム、光ファイバまたは反射鏡72などの光路変更手段を配置する。これにより照射系カラム真空容器に取り付けられたビューポート73を通して、エミッタティップまたはエミッタティップに接続されたフィラメントから放出または反射される光を検出すれば良い。例えば光学カメラ74で観察する。この場合には、試料ステージに配置する場合に比べて、エミッタティップに近く観察できるため、より高精度の軸合わせ調整が可能になるという効果を奏する。そして、エミッタティップと引き出し電極の開口部の軸合わせ調整終了時は可動アパーチャを移動させて、アパーチャ開口部をイオンビーム照射軸に合わせて、イオンビームを通過させて、試料観察すれば良い。
さらに、可動シャッタを集束レンズ5と、対物レンズ8間に設け、この可動シャッタ上にプリズム、光ファイバまたは反射鏡などの光路変更手段を配置しても良い。すなわち、エミッタティップとイオン引き出し電極開口部との軸合わせ時には、可動シャッタを移動させて、イオンビーム照射軸上にプリズム、光ファイバまたは反射鏡などの光路変更手段を配置する。これにより照射系カラム真空容器に取り付けられたビューポートを通して、エミッタティップまたはエミッタティップに接続されたフィラメントから放出または反射される光を検出すれば良い。
そして、エミッタティップと引き出し電極の開口部の軸合わせ調整終了時は可動シャッタ6を移動させて、シャッタをイオンビーム照射軸14Aから除去して、イオンビームを通過させて、試料観察すれば良い。この場合には、エミッタティップと集束レンズ間、あるいは対物レンズと試料間に可動シャッタを配置する場合に比べ、レンズ収差を少なくイオン光学系を構成でき、イオンビームを極微細に集束できる、すなわち超高分解能の観察あるいは高精度の加工が可能になるという効果を奏する。
また、以上の実施例では、プリズム、光ファイバまたは反射鏡などの光路変更手段を用いて、エミッタティップに接続されたフィラメントから放出または反射される光を真空容器外に導きこれを検出する例を説明したが、光検出デバイス75を真空容器内に配置して、光検出デバイスからの信号情報を真空容器外に伝達しても良い。例えば、試料ステージ上、可動アパーチャ上に光検出デバイスすれば良い。あるいは、集束レンズ5と、対物レンズ8間に可動のシャッタを設け、この上に光検出デバイスすれば良い。
また、以上の実施例では、本装置構成において、エミッタティップまたはエミッタティップに接続されたフィラメントから放出または反射される光を、エミッタティップと引き出し電極の開口部の軸合わせ調整に利用する例について説明したが、これをエミッタティップの温度制御に利用しても良い。すなわち、エミッタティップまたはエミッタティップに接続されたフィラメントから放出または反射される光を引き出し電極の該開口部を通して検出した信号を用いて、フィラメントに印加する電圧、電流、抵抗、温度のうち少なくとも一つを制御する制御装置を備えた荷電粒子線装置とする。
ガス電界電離イオン源のエミッタティップでは、表面汚染除去やエミッタティップ先端結晶条件制御、ナノピラミッド形成制御のため高温アニール処理をする。この温度を高精度に制御することが、エミッタティップからのイオンビーム安定化あるいは、エミッタティップの長寿命化には必要であることが、本願発明者は見出した。特に、エミッタティップ極低温冷却時は、周囲温度に影響されて、エミッタティップに接続されたフィラメント電力を一定に保つなどの制御のみでは十分な温度管理が困難であることを見出した。このため、温度計測が有効であるが、エミッタティップには高電圧を印加するため、接触させた温度計測は困難である。また、ガス電界電離イオン源では、エミッタティップ周辺のガス圧力を高めるため、エミッタティップは引き出し電極開口部などを除いて、できるだけ密閉する構造が望ましく、エミッタティップからの放出される光を利用した非接触温度計測も困難であった。このため、本発明では、エミッタまたはエミッタに接続されたフィラメントから放出または反射される光を該引き出し電極の開口部を通して検出する手段を備える荷電粒子線装置とした。すなわち、光を検出した信号を用いて、フィラメントに印加する電圧、電流、抵抗、温度のうち少なくとも一つを制御する制御装置を備えた荷電粒子線装置とした。このようにすると、極低温冷却時においても、高精度の温度制御が可能になり、エミッタティップの高温処理において高精度温度制御が実現され、エミッタティップからのイオンビーム安定化あるいは、エミッタティップの長寿命化が実現されて、かつ、イオンビームの大電流化なども同時に実現される。ひいてはガス電界電離イオン源の信頼性および性能が向上するという効果を奏する。
また、エミッタティップ高精度温度制御という課題に対しては、エミッタまたはエミッタに接続されたフィラメントから放出または反射される光の検出手段76をイオンエミッタ周辺にガスを溜めるイオン化室15内に配置して、検出情報を真空容器外に伝達する手段を備えた荷電粒子線装置とすることによりも解決される。この場合には、エミッタに近く配置できるため、より高精度の温度計測が可能になるという効果を奏するが、高電圧が印加されるエミッタ周囲に配置するため、放電などを防ぐ機構を設けるためにコストが高くなるという問題を有する。
以上の実施例では、本発明によると、ガス電界電離イオン源を備えた荷電粒子線装置において、イオン照射系の軸調整という観点で、エミッタティップと引き出し電極の開口部との軸合わせ調整が可能で、イオンビームを細束化する際の収差を低減して超微細ビームを実現できるという効果を奏する。
また、本発明によると、ガス電界電離イオン源を備えた荷電粒子線装置において、エミッタティップ極低温冷却時においても、高精度の温度制御が可能になり、エミッタティップの高温処理において高精度温度制御が実現され、エミッタティップからのイオンビーム安定化あるいは、エミッタティップの長寿命化が実現されて、かつ、イオンビームの大電流化なども同時に実現される。ひいてはガス電界電離イオン源の信頼性および性能が向上するという効果を奏する。
なお、不測の放電現象などによりナノピラミッドが損傷した場合は、エミッタティップを約30分間加熱(1000℃程度)する。それにより、ナノピラミッドを再生することが可能である。すなわち、容易にエミッタティップを修復することができる。そのため、実用的なイオン顕微鏡を実現することができる。
なお、対物レンズ8の先端と試料9の表面までの距離は仕事距離と称される。本イオンビーム装置では仕事距離が2mm未満にすると、分解能は0.5nm未満となり、超分解能が実現する。従来は、ガリウムなどのイオンが用いられていたため試料からのスパッタ粒子が対物レンズを汚染して、正常動作を妨げる懸念があった。本発明によるイオン顕微鏡ではこの懸念が少なく超高分解能を実現できた。
なお、本実施例では、冷却機構4について冷凍機を応用した例を説明したが、冷却タンクを備え、液体窒素や液体ヘリウムなどの寒剤を用いた冷却機構でも良い。特に、冷却タンクに、液体窒素を導入した後に、真空排気口を介して、冷却タンク内を真空排気する。それによって、液体窒素は凝固させ固体窒素とする。固体窒素を用いる場合には、液体窒素の沸騰に起因する振動は生じない。すなわち冷却機構は機械的振動を発生させない。そのため、高分解能観察が可能となるという効果を奏する。
本例では、ガス分子イオン化室15を開閉する開閉バルブが取り付けられている。開閉バルブは、蓋部材34を有する。図12Aは、蓋部材34が開けられた状態を示し、図13Bは、蓋部材34が閉じられた状態を示す。
本例のガス電界電離イオン源の動作を説明する。先ず、図12Aに示すように、ガス分子イオン化室15の蓋部材34を開けた状態で、粗排気を行う。ガス分子イオン化室15の蓋部材34が開いているため、短時間で、ガス分子イオン化室15内の粗排気が完了する。
本例によれば、ガス分子イオン化室15に蓋部材34を設けることにより、引き出し電極の孔の寸法を小さくしても、真空粗引き時のコンダクタンスを増大化することが可能である。また、引き出し電極の孔の寸法を小さくすることにより、ガス分子イオン化室15の密閉化が可能となる。そのため、ガス分子イオン化室15内の高真空化が可能となり、大電流のイオンビームが得られる。
また、エミッタティップ21先端の原子ピラミッド状態を制御、あるいは再生処理のための高温処理時には、図12Aに示すように、ガス分子イオン化室15の蓋部材34を開けた状態にする。このようにすると、高温処理時にガス分子イオン化室15内が超高真空化でき、原子ピラミッド状態を制御、あるいは再生処理の信頼性が向上することを本願発明者は見出した。すなわち、フィラメント22へ電圧印加時に真空粗引き時のコンダクタンスを増大化することにより、エミッタティップの長寿命化が実現するという効果を奏する。
また、第1アパーチャを通過したイオンビームを第1偏向器にて走査し、走査された該イオンビームを第2アパーチャで制限し、該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を荷電粒子検出器にて検出し、その検出器信号を用いた走査画像によりナノティップの電界イオン顕微鏡パターンを観察することを特徴とした走査電界イオン顕微鏡観察方法とすることにより、イオン放射パターンを観察できる。
また、イオン源から放出されたイオンを集束レンズにて集束し、該集束レンズを通過したイオンビームを第1アパーチャで制限し、該第1アパーチャを通過したイオンビームを第2偏向器で走査し、走査される該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を荷電粒子検出器にて検出し、その検出器信号を用いた走査画像により試料を顕微鏡観察することを特徴とした走査イオン顕微鏡観察方法とすることで顕微鏡をコンパクトにすることができる。
また、真空容器と、該真空容器内に針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動のアパーチャ、該アパーチャを通過したイオンビームを偏向する偏向器、該偏向器を通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器、から構成される走査荷電粒子顕微鏡において該可動アパーチャ位置をイオンビーム照射軸に対して該垂直平面内で移動する手段を有し、該可動アパーチャの位置の違いによる試料から放出される二次粒子強度を記録してイオンエミッタからのイオン放射パターンを観察可能とすることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、イオン放射パターンを観察可能とすることができる。
また、エミッタまたは該エミッタに接続されたフィラメントから放出または反射される光を該引き出し電極の該開口部を通して検出する手段を、該真空容器内に備えることを特徴とする荷電粒子顕微鏡エミッタ又はフィラメントの温度を観測することができる。
また、真空容器と、該真空容器内に針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを加速・集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動のアパーチャ、該アパーチャを通過したイオンビームを二段偏向する偏向器、該偏向器を通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、試料を搭載する試料ステージ、および該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器、などを含む荷電粒子顕微鏡において該エミッタまたは該エミッタに接続されたフィラメントから放出または反射される光を検出する手段が、イオンエミッタ周辺にガスを溜めるイオン化室内に配置され、該検出情報を真空容器外に伝達する手段を備えることを特徴とする荷電粒子顕微鏡とすることによって、エミッタの温度を計測することができる。
また、イオン源から放出されたイオンがヘリウムイオンもしくは水素イオンであることを特徴とした荷電粒子顕微鏡とする。
次に,電子ビームを試料に照射する荷電粒子顕微鏡について説明する。本荷電粒子顕微鏡では、真空容器と、該真空容器内に針状の電子エミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、電子が通過する開口部を有する引き出し電極を含む電子源、該電子源から放出された電子を集束する集束レンズ、該集束レンズを通過した電子ビームを制限する可動な第1アパーチャ、該第1アパーチャを通過した電子ビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器該第1アパーチャを通過した電子ビームを偏向する第2偏向器、該第1アパーチャを通過した電子ビームを制限する第2アパーチャ、該第1アパーチャを通過した電子ビームを試料上に集束する対物レンズ、および該第2アパーチャを通過した該電子ビーム電流に略比例した信号量を計測する手段、から構成される荷電粒子顕微鏡とする。これにより,電子ビームを試料に照射して得られる走査電子顕微鏡像を得られる。
また。電子エミッタから電子を引き出す際には,図12Aに示すように,ガス分子イオン化室15の蓋部材34を開けた状態にする。このようにすると,電子ビーム使用時にガス分子イオン化室15内が超高真空化でき,電子ビームを安定化させる,および電子エミッタの破壊を防ぐことができることを本願発明者は見出した。
さらに,本実施例の荷電粒子顕微鏡においては,電子エミッタとなるエミッタティップからイオンビームを引き出すことができる。これは,電子ビームを引き出す際には,エミッタティップに負の高電圧を印加し,イオンビームを引き出す際には,エミッタティップに正の高電圧を印加することによって実現する。特に,電子ビームを試料に照射する際には,試料から放出されるX線またはオージェ電子を検出する。それによって,試料の元素分析が容易となる。さらに,このとき1nm以下の分解能のイオン像と元素分析像を並べ,又は,重ねて表示してよい。それにより,試料表面を好適にキャラクラリゼーションできる。
また,このときには,電子ビームを集束するための対物レンズに磁場型レンズと静電レンズを組み合せた複合型レンズを用いると電子ビームを大電流でかつ微細なビーム径に集束できて,高空間分解能で高感度な元素分析が可能になる。
また,アルゴン,クリプトン,キセノンなどの比較的重い元素を試料に照射して,試料を加工して,次に,ヘリウム,ネオンなどの比較的軽い元素を試料に照射して試料の最も表面の観察をする。次に,電子ビームを試料に照射して,試料を透過した電子を検出して試料内部の観察をすることもできる。透過電子を検出する際に,電子ビームを走査して,走査透過電子顕微鏡像を得る場合と,電子ビームを走査せず,透過電子を結像して検出する透過電子顕微鏡像を得る場合がある。結像する場合には,電子の結像光学系を備える。
また、上述の走査荷電粒子線顕微鏡では、イオンビームをイオンビーム走査電極により走査させることにより走査イオン像を得る。しかしながら、この場合、イオンビームがイオンレンズを通過するときにイオンビームが傾斜するためイオンビームが歪む。そのため、ビーム径が小さくならないという問題があった。そこで、イオンビームを走査させる代わりに、試料ステージを機械的に直交2方向に走査移動させてもよい。この場合、試料から放出される二次粒子を検出し、これを輝度変調することにより、計算処理装置の画像表示手段上に走査イオン像を得ることができる。すなわち、試料表面の0.5nm未満の高分解能観察を実現する。この場合、イオンビームを対物レンズに対して常に同じ方向に保持することができるため、イオンビームの歪を比較的に小さくすることができる。
これは、例えば、第1及び第2のステージを組み合わせた試料ステージを用いて実現可能である。第1のステージは、数センチメートルの移動が可能な4軸可動ステージであり、例えば、平面の垂直2方向(X、Y方向)の移動、高さ方向(Z方向)の移動、及び傾斜(T方向)が可能である。第2のステージは、数マイクロメートルの移動が可能な2軸可動ステージであり、例えば、平面の垂直2方向(X、Y方向)に移動が可能である。
例えば電気モータ駆動の第1のステージの上に、圧電素子駆動による第2のステージを配置することによって構成される。試料の観察位置の探索などの場合には、第1のステージを用いて試料を移動させ、高分解能観察の場合には、第2のステージを用いて微動を行う。これにより、超高分解能観察が可能なイオン顕微鏡が提供される。
以上、本発明の荷電粒子線装置の例として走査イオン顕微鏡を説明した。しかしながら、本発明の荷電粒子線装置は、走査イオン顕微鏡ばかりでなく、透過イオン顕微鏡、イオンビーム加工機にも適用可能である。
次に、電界電離イオン源を真空排気する真空ポンプ12について説明する。真空ポンプ12としては、非蒸発ゲッタポンプとイオンポンプの組合せ、非蒸発ゲッタポンプとノーブルポンプの組合せ、又は、非蒸発ゲッタポンプとエクセルポンプの組合せによって構成するのが好適である。また、サブリメーションポンプでもよい。すなわち,ガス分子の吸着現象を利用し,機械的な運動を伴わない真空ポンプを用いるのが好適である。このようなポンプを用いることによって、真空ポンプ12の振動による影響を低減することができ、高分解能観察が可能となることが判った。なお、真空ポンプ12として、ターボ分子ポンプを用いる時は、イオンビームによる試料観察時にターボ分子ポンプの振動が観察の妨げになることがあることがわかった。ただし、イオンビーム装置のいずれかの真空容器に、ターボ分子ポンプが装着されていたとしても、イオンビームによる試料観察時にターボ分子ポンプを停止させておけば高分解能観察が可能であることがわかった。すなわち、本発明では、イオンビームによる試料観察時の主たる真空排気ポンプを、非蒸発ゲッタポンプとイオンポンプの組合せ、非蒸発ゲッタポンプとノーブルポンプの組合せ、又は、非蒸発ゲッタポンプとエクセルポンプの組合せによって構成するが、ターボ分子ポンプを装着した構成としても本発明の目的を妨げるものではない。
非蒸発ゲッタポンプは、加熱による活性化でガス吸着する合金を用いて構成された真空ポンプである。電界電離イオン源のイオン化ガスとしてヘリウム用いる場合には、ヘリウムが真空容器内に比較的大量に存在する。しかしながら、非蒸発ゲッタポンプはヘリウムをほとんど排気しない。即ち、ゲッタ表面が吸着ガス分子で飽和することがない。そのため、非蒸発ゲッタポンプの動作時間は十分長い。これはヘリウムイオン顕微鏡と非蒸発ゲッタポンプを組み合わせた場合の利点である。また、真空容器中の不純物ガスが減少することによりイオン放射電流が安定するという効果も奏する。
非蒸発ゲッタポンプは大きな排気速度でヘリウム以外の残留ガスを排気するが、これだけではヘリウムがイオン源に停留する。そのため、真空度が不十分となり、電界電離イオン源が正常に動作しない。そこで不活性ガスの排気速度が大きいイオンポンプまたはノーブルポンプを非蒸発ゲッタポンプと組み合わせて用いる。イオンポンプまたはノーブルポンプのみでは、排気速度が不十分である。こうして本発明によると、非蒸発ゲッタポンプとイオンポンプ又はノーブルポンプを組合せることにより、コンパクトで低コストの真空ポンプ12を得ることができる。なお、真空ポンプ12として、チタンなどの金属を加熱蒸発させて金属膜でガス分子を吸着して真空排気するゲッタポンプあるいはチタンサブリメーションポンプを組合せたものを用いてもよい。すなわち,ガス分子の吸着現象を利用し,機械的な運動を伴わない真空ポンプを用いるのが好適である。
従来の技術では、機械振動への配慮が足らずイオン顕微鏡の性能が十分には得られなかったが、本発明により、機械振動の低減が実現し高分解能観察が可能なガス電界電離イオン源およびイオン顕微鏡が提供される。
次に、試料室3を真空排気するための試料室真空排気用ポンプ13について説明する。試料室真空排気用ポンプ13として、ゲッタポンプ、チタンサブリメーションポンプ、非蒸発ゲッタポンプ、イオンポンプ、ノーブルポンプ、エクセルポンプ等を用いてよい。このようなポンプを用いることによって、試料室真空排気用ポンプ13の振動による影響を低減することができ、高分解能観察が可能となることが判った。すなわち、ガス分子の吸着現象を利用し、機械的な運動を伴わない真空ポンプを用いるのが好適である。
なお、試料室真空排気用ポンプ13として、ターボ分子ポンプを用いる場合があるが、しかしながら、装置の振動軽減構造を実現するのにはコストが要する。また、試料室に、ターボ分子ポンプが装着されていたとしても、イオンビームによる試料観察時にターボ分子ポンプを停止させておけば高分解能観察が可能であることがわかった。すなわち、本発明では、イオンビームによる試料観察時の試料室の主たる真空排気ポンプを、非蒸発ゲッタポンプとイオンポンプの組合せ、非蒸発ゲッタポンプとノーブルポンプの組合せ、又は、非蒸発ゲッタポンプとエクセルポンプの組合せによって構成する。ただし、装置構成として、ターボ分子ポンプを装着して、大気からの真空粗引きに用いたとしても、本発明の目的を妨げるものではない。
走査電子顕微鏡では、ターボ分子ポンプを用いて0.5nm以下の分解能を比較的容易に実現できる。しかし、ガス電界電離イオン源を用いるイオン顕微鏡では、イオン光源から試料までのイオンビームの縮小率が比較的大きく、1から0.5程度である。それによって、イオン源の特性を最大限に活かすことができる。しかしながら、イオンエミッタの振動はほとんど縮小されずに試料上に再現されるため、従来の走査電子顕微鏡などの振動対策に比べても慎重な対策が必要になるのである。
従来技術では、試料室真空排気ポンプの振動が試料ステージに影響を与えることは考慮されていたが、試料室真空排気ポンプの振動がイオンエミッタにまで影響を与えることは考慮されていなかった。そこで、本願発明者は、試料室真空排気ポンプの振動がイオンエミッタに深刻な影響を与えることに見出した。本願発明者は、試料室真空排気用ポンプとして、ゲッタポンプ、チタンサブリメーションポンプ、非蒸発ゲッタポンプ、イオンポンプ、ノーブルポンプ、エクセルポンプ等の非振動型の真空ポンプを主ポンプとして用いることがよいと考えた。それによって、イオンエミッタの振動が低減し、高分解能観察が可能となるのである。なお,ガス分子の吸着現象を利用し,機械的な運動を伴わない真空ポンプであればよく,真空ポンプの名称に限定されない。
また、本実施例で用いた冷凍機のガスの圧縮機ユニット(コンプレッサ)、あるいはヘリウムを循環させる圧縮機ユニット(コンプレッサ)は騒音の音源となる可能性がある。騒音は、イオン顕微鏡を振動させることもある。そこで、本実施例によると、ガスの圧縮機ユニット(コンプレッサ)にカバーを設けて、ガスの圧縮機ユニットが発生する騒音が外部に伝わるのを防止する。尚、カバーの代わりに、音の遮蔽板を設けてもよい。また、圧縮機ユニット(コンプレッサ)を別室に設置してもよい。それによって、音に起因する振動を低減し、高分解能観察が可能となる。
また、ガス分子イオン化室内に、非蒸発ゲッタ材料を配置してもよい。それによって、ガス分子イオン化室内が高真空化し、高安定なイオン放出が可能となる。また、非蒸発ゲッタ材料あるいは水素吸蔵合金に水素を吸着させ、それを加熱する。それによって放出された水素をイオン化ガスとして用いれば、ガス供給配管25からガスを供給する必要がなく、コンパクトで安全なガス供給機構を実現できる。
また、非蒸発ゲッタ材料をガス供給配管25内に配置してもよい。ガス供給配管25を経由して供給するガスの中に不純物ガスは、非蒸発ゲッタ材料によって減少する。そのため、イオン放出電流が安定する。
なお、本発明ではガス供給配管25を経由してガス分子イオン化室15に供給するイオン化ガスとしてヘリウム、水素を用いる。しかしながら、イオン化ガスとして、ネオン、酸素、アルゴン、クリプトン、キセノン等を用いてもよい。特に、ネオン、酸素、アルゴン、クリプトン、キセノン等を用いた場合には、試料を加工する装置、あるいは試料を分析する装置が提供されるという効果を奏する。
また、試料室3内に質量分析計を設けてもよい。質量分析計によって、試料から放出される二次イオンの質量分析を行う。また,質量分析計は,磁場型質量分析計,四重極質量分析計,飛行時間型質量分析計のいずれであっても良い。
あるいは,試料で散乱されるイオンのエネルギを分析するイオン散乱分光分析によって試料元素を分析しても良い。特に扇形エネルギ分析器,あるいは飛行時間型エネルギ分析器を用いる場合には,試料に正の高電圧を印加できるようにすると元素分析が好適にできるという効果を奏する。
あるいは、試料から放出されるオージェ電子をエネルギ分析してもよい。それによって、試料の元素分析が容易になり、イオン顕微鏡による試料観察および元素分析が1台の装置で可能となる。
また、従来のイオンビーム装置では外部磁場の擾乱については考慮されていなかったが、イオンビーム0.5nm未満に集束する場合には、磁気をシールドすると効果があることを突き止めた。このため電界電離イオン源およびイオンビーム照射系、および試料室の真空容器を純鉄もしくはパーマロイで作製することにより超高分解能を達成でききる。また、真空容器中に、磁気シールドとなる板を挿入しても良い。
また、本願の発明者は、イオンビームの加速電圧を50kV以上にして半導体試料上の構造寸法を計測すると精度よく計測できることを見出した。これはイオンビームによる試料のスパッタイールドが低下するため、試料の構造を破壊する程度が低くなり、寸法計測精度が向上することによる。特に、イオン化ガスとして、水素を用いるとスパッタイールドが低下し、寸法計測の精度が向上する。ただし,ヘリウムや水素は,検査試料の内部に侵入して試料内部の原子位置を変える現象に注意が必要である。これは,表面の構造寸法計測精度には大きな影響はないが,デバイスの電気特性に影響を与えることを見出した。従来のイオンビームを用いた試料検査装置では,この点では考慮されてなかった。本願発明者は,デバイス特性に影響が比較的少ない深さにイオンが侵入するようにイオンビームの加速で試料を検査することが問題を解決することを見出した。また,試料表面に膜を積み重ねるデバイスの場合,イオンの侵入する深さを膜厚に合わせてイオンビーム照射電圧を制御することが問題を解決する。すなわち,少なくとも2種類の照射電圧でイオンビームを試料に照射することができるイオンビーム検査装置とすることで問題を解決することができる。
また,特に,イオンビームの試料への侵入分布を考慮すると100kV以上にすると,表面での損傷が無く,かつ,イオンビームが試料内部で深さ方向に広く分布するため,試料内部の特性に影響がなく,かつ表面寸法の測定,試料表面の欠陥検査,汚染評価あるいは付着物検査などが良好に行えることがわかった。
また,加速電圧を正の30kV以上に設定して,試料に負の20kVにして,イオンビームの照射エネルギを50kV以上とすると,すなわち,試料に負の電圧を印加できる構造とすると,イオン源の加速電圧を比較低電圧にしても,エネルギを大きくすることができる。低温・超高真空にするためイオン源の構造は複雑になるが,加速電圧を比較低電圧にすることにより,イオン源構造を簡略することができるという効果を奏する。また,この目的を達成するためには少なくとも5kV以上の高電圧を印加できると好適である。
実施例に示したイオンビーム装置によると,デバイス製造途中の試料をイオンビームで計測および検査した試料をデバイス製造に戻すことが可能であることを見出した。また、以上の実施例によると,デバイス製造,特に半導体デバイス製造のコストを低減するという効果を奏する。
以上、実施例によれば、イオンビームにより試料上の構造寸法を計測するのに好適な解析装置、イオンビームを用いた測長装置または検査装置が提供される。
また、本発明によれば、従来の電子ビームを用いた計測に比べると、得られる画像の焦点深度が深いため精度の良い計測ができる。また、特にイオン化ガスとして、水素を用いると、試料表面を削る量が少なく精度の良い計測ができる。
本発明によると、試料をイオンビームにより加工して断面を形成して、断面を電子顕微鏡で観察する装置に代わりに、イオンビームにより加工して断面を形成して、断面をイオン顕微鏡で観察する装置、及び、断面観察方法を提供することができる。
本発明によると、イオン顕微鏡による試料観察、電子顕微鏡による試料観察、及び、元素分析が1台の装置で可能な装置、欠陥や異物などを観察及び解析する解析装置、及び、検査装置を提供することができる。
イオン顕微鏡は超高分解能の観察を実現する。しかしながら、従来、イオンビーム装置を半導体試料の製造プロセスにおける構造寸法の計測装置あるいは検査装置として用いた時に、イオンビーム照射を、電子ビーム照射として比較して、半導体試料の表面の破壊の製造への影響を考察した例はない。例えば、イオンビームのエネルギを1keV未満にすると、試料が変質する割合が少なく、イオンビームのエネルギを20keVとする場合と比較すると、寸法計測の精度が向上する。この場合に装置のコストも小さくなるという効果を奏する。なお、逆に加速電圧が50kV以上の場合には、加速電圧が低い場合と比較すると観察分解能を小さくできる。
また、本願の発明者は、イオンビームの加速電圧を200kV以上にして、さらにビーム径を0.2nm以下に細束化して試料に照射して、試料からラザフォード後方散乱されるイオンをエネルギ分析すると、試料元素の平面および深さを含めた3次元構造が原子単位で計測できることを見出した。従来のラザフォード後方散乱装置ではイオンビーム径が大きく原子オーダでの3次元計測は困難であったが、本発明を適用することによって実現できる。また、イオンビームの加速電圧を500kV以上にして、さらにビーム径を0.2nm以下に細束化して試料に照射して、試料から放出されるX線のエネルギ分析をすると試料元素の2次元分析が可能になる。
本実施例によると、以下のガス電界電離イオン源、イオンビーム装置、走査荷電粒子線顕微鏡、荷電粒子線装置が開示される。
(1)真空容器と、該真空容器内に、針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動な第1アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを偏向する第2偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを制限する第2アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該第2アパーチャを通過した該イオンビーム電流に略比例した信号量を計測する手段、
から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
第2アパーチャ位置において、エミッタティップの先端原子1個周辺から放出されたイオンビームの面積、あるいはその直径が、第2アパーチャの開口部の面積、あるいはその直径に比べて、少なくとも同じか大きくなるような条件を満足するように、集束レンズに電圧を印加してイオン放射パターンを得ることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(2)上記(1)記載の走査荷電粒子顕微鏡において、
集束レンズの電圧条件が、第2アパーチャの開口部へのイオンビーム集束条件に対して、少なくともアンダーフォーカス条件となることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(3)真空容器と、該真空容器内に、針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動な第1アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを偏向する第2偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを制限する第2アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該第2アパーチャを通過した該イオンビーム電流に略比例した信号量を計測する手段、
から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
イオン放射パターン取得時に第1アパーチャの開口部の面積が、第2アパーチャの開口部の面積に比べ大であることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(4)真空容器と、該真空容器内に、針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動な第1アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを偏向する第2偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを制限する第2アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該第2アパーチャを通過した該イオンビーム電流に略比例した信号量を計測する手段、
から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
イオン放射パターン取得時の第1アパーチャの開口部の面積を、試料上のイオンビームを大きくとも10nm以下に細束化する際の第1アパーチャの開口部の面積に比べて大きくすることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(5)真空容器と、該真空容器内に、針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動な第1アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを偏向する第2偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを制限する第2アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該第2アパーチャを通過した該イオンビーム電流に略比例した信号量を計測する手段、
から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
第2アパーチャ位置における第1偏向器によるイオンビーム走査面積が、第2アパーチャ開口部面積の少なくとも4倍以上にしたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(6)真空容器と、該真空容器内に、針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動な第1アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを走査あるいはアラインメントする第1偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを偏向する第2偏向器、該第1アパーチャを通過したイオンビームを制限する第2アパーチャ、該第1アパーチャを通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該第2アパーチャを通過した該イオンビーム電流に略比例した信号量を計測する手段、から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
集束レンズ下端から第1アパーチャまでの間隔を、第1偏向器の長さに比べて短くしたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(7)真空容器と、該真空容器内に針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動のアパーチャ、該アパーチャを通過したイオンビームを偏向する偏向器、該偏向器を通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および
該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器、から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
該イオンエミッタのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を機械的に変更できる該イオンエミッタ傾斜手段を有し、イオンエミッタ角度の違いによる試料から放出される二次粒子強度を記録してイオンエミッタからのイオン放射パターンを観察可能とし、
可動アパーチャ位置において、エミッタティップの先端原子1個周辺から放出されたイオンビームの面積、あるいはその直径が、可動アパーチャの開口部の面積、あるいはその直径に比べて、少なくとも同じか大きくなるような条件を満足するように、集束レンズに電圧を印加することを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(8)上記(7)記載の走査荷電粒子顕微鏡において
集束レンズの電圧条件が、可動アパーチャの開口部へのイオンビーム集束条件に対して、少なくともアンダーフォーカス条件となることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(9)真空容器と、該真空容器内に針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動のアパーチャ、該アパーチャを通過したイオンビームを偏向する偏向器、該偏向器を通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器、から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
該イオンエミッタのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を機械的に変更できる該イオンエミッタ傾斜手段を有し、イオンエミッタ角度の違いによる試料から放出される二次粒子強度を記録してイオンエミッタからのイオン放射パターンを観察可能とし、
集束レンズ下端から可動アパーチャまでの間隔を、偏向器の長さに比べて短くしたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(10)真空容器と、該真空容器内に針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、該イオン源から放出されたイオンを集束する集束レンズ、該集束レンズを通過したイオンビームを制限する可動のアパーチャ、該アパーチャを通過したイオンビームを偏向する偏向器、該偏向器を通過したイオンビームを試料上に集束する対物レンズ、および該イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器、から構成される走査荷電粒子顕微鏡において、
該偏向器と該対物レンズ間に固定アパーチャを配置して、該イオンエミッタのイオンビーム照射軸に対する傾斜角度を機械的に変更できる該イオンエミッタ傾斜手段を有し、イオンエミッタ角度の違いによる試料から放出される二次粒子強度を記録してイオンエミッタからのイオン放射パターンを観察可能としたことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(11)上記(1)から(10)記載の走査荷電粒子顕微鏡において
針状のイオンエミッタ先端が原子ピラピッドによって構成されるナノティップであって、先端原子数が4から15個であることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(12)上記(1)から(11)記載の走査荷電粒子顕微鏡であって、
イオンエミッタを冷却する冷却機構が、圧縮機ユニットで発生させた高圧ガスを膨張させて寒冷を発生する寒冷発生手段と、前記寒冷発生手段の寒冷でステージを冷却する冷凍機であることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(13)上記(1)から(11)記載の走査荷電粒子顕微鏡であって、
イオンエミッタを冷却する冷却機構が、圧縮機ユニットで発生させた第1の高圧ガスを膨張させて寒冷を発生する寒冷発生手段と、前記寒冷発生手段の寒冷で冷却したガスで被冷却体を冷却する冷却手段であることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(14)上記(1)から(11)記載の走査荷電粒子顕微鏡であって、
イオンエミッタを冷却する冷却機構が、圧縮機ユニットで発生させた第1の高圧ガスを膨張させて寒冷を発生する寒冷発生手段と、前記寒冷発生手段の寒冷で冷却した第2の高圧ガスで被冷却体を冷却する冷却手段であることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(15)上記(12)から(13)記載の走査荷電粒子顕微鏡であって、
前記冷凍機と前記真空容器との間の防振機構が、ヘリウムあるいはネオンガスで振動の伝達を妨げる機構を少なくとも含むことを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
(16)真空容器と、該真空容器内に針状のイオンエミッタ、前記エミッタティップに対向して設けられ、イオンが通過する開口部を有する引き出し電極を含むガス電界電離イオン源、であって、
ガス分子イオン化室を真空排気するコンダクタンスを可変とする機構が、真空容器外部で操作可能なバルブであり、イオン化室の壁構造体と機械的に切り離し可能であることを特徴とするガス電界電離イオン源。
(17)真空容器と,該真空容器内に針状のイオンエミッタ,前記エミッタティップに対向して設けられ,イオンが通過する開口部を有する引き出し電極,イオンエミッタを概略囲むガス分子イオン化室を含み,かつ,イオンエミッタに負の高電圧を印加することにより電子ビームを引き出すガス電界電離イオン源および電子源を含む荷電粒子線装置において,ガス分子イオン化室が真空排気コンダクタクンスを変える開閉可能な開口部を有し,電子ビームを引き出す際にはと,真空排気コンダクタクンスを変える開閉可能な開口部が開状態であることを特徴とする荷電粒子線装置。
(18)上記(17)記載の荷電粒子線装置において,電子ビームを集束するための対物レンズに磁場型レンズと静電レンズを組み合せた複合型レンズを備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
(19)上記(17)記載の荷電粒子線装置を用いて,アルゴン,クリプトン,キセノンなどの比較的重い元素を試料に照射して,試料を加工して,ヘリウム,ネオンなどの比較的軽い元素を試料に照射して試料の最も表面の観察をして,電子ビームを試料に照射して,試料を透過した電子を検出して試料内部の観察をすることを特徴とする試料観察方法。 さらに、上記(17)記載の荷電粒子線装置において,試料を透過した電子を結像して検出する結像光学系を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
(20)真空容器と、真空排気機構と、前記真空容器内に、針状の陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極、前記エミッタティップの冷却機構などから構成され、前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し、前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と、前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと、試料を内蔵する試料室と、試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器とを含むイオンビーム装置において、エミッタティップに負の高電圧を印加して、エミッタティップから電子を引き出して試料に照射して試料から放出されるX線またはオージェ電子を検出して元素分析が可能であり、1nm以下の分解能の走査イオン像と元素分析像を並べるあるいは重ねて表示すれることができるイオンビーム装置。
(21)真空容器と、真空排気機構と、前記真空容器内に、針状の陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極、前記エミッタティップの冷却機構などから構成され、前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し、前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と、前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと、試料を内蔵する試料室と、試料から放出される二次粒子を検出して試料表面の構造寸法を計測するイオンビーム検査装置による検査を含むデバイス製造において、
イオンビームの加速電圧を50kV以上にしてデバイス試料上を検査し、検査した試料をデバイス製造に戻すことを特徴とするデバイス製造方法。
(22)真空容器と,真空排気機構と,前記真空容器内に,針状の陽極となるエミッタティップと,陰極となる引き出し電極,前記エミッタティップの冷却機構などから構成され,前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し,前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と,前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと,試料を内蔵する試料室と,試料から放出される二次粒子を検出して試料表面の構造寸法を計測するイオンビーム検査装置において,少なくとも2種類の照射電圧でイオンビームを試料に照射することができることを特徴とするイオンビーム検査装置。
(23)真空容器と,真空排気機構と,前記真空容器内に,針状の陽極となるエミッタティップと,陰極となる引き出し電極,前記エミッタティップの冷却機構などから構成され,前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し,前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と,前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと,試料を内蔵する試料室と,試料から放出される二次粒子を検出して試料表面の構造寸法を計測するイオンビーム検査装置において,
イオンビームのエネルギを100keV以上にすることを特徴とするイオンビーム検査装置。
(24)上記(21)から(23)記載の荷電粒子線装置で,試料に負の電圧を印加できることを特徴とする荷電粒子線装置。
(25)真空容器と、真空排気機構と、前記真空容器内に、針状の陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極、前記エミッタティップの冷却機構などから構成され、前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し、前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と、前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと、試料を内蔵する試料室と、試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器とを含むイオンビーム装置を用いた試料元素分析方法において、イオンビームの加速電圧を200kV以上にして、さらにビーム径を0.2nm以下に細束化して試料に照射して、試料からラザフォード後方散乱されるイオンをエネルギ分析して、試料元素の平面および深さを含めた3次元構造を原子単位で計測する元素分析方法。
(26)真空容器と、真空排気機構と、前記真空容器内に、針状の陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極、前記エミッタティップの冷却機構などから構成され、前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し、前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と、前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと、試料を内蔵する試料室と、試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器とを含むイオンビーム装置を用いた試料元素分析方法において、500kV以上にして、さらにビーム径を0.2nm以下に細束化して試料に照射して、試料から放出されるX線のエネルギ分析をして2次元元素分析する元素分析方法。
(27)真空容器と、真空排気機構と、前記真空容器内に、針状の陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極、前記エミッタティップの冷却機構などから構成され、前記エミッタティップ先端近傍にガス分子を供給し、前記エミッタティップ先端部にてガス分子を電界にてイオン化するガス電界電離イオン源と、前記エミッタティップから引き出したイオンビームを集束するレンズと対物レンズと、試料を内蔵する試料室と、試料から放出される二次粒子を検出する二次粒子検出器とを含むイオンビーム装置において、エミッタティップを50K以下に冷却して、エミッタティップから放出されるイオンを試料上に投影する倍率を0.2よりも小さくして、さらに、エミッタティップと試料の相対位置の振動を0.1nm以下することにより、走査イオン像分解能を0.2nm以下としたたことを特徴とするイオンビーム装置。
(28)イオンビームを生成するためのガス電界電離イオン源と、
該ガス電界電離イオン源からのイオンビームを試料上に導くためのイオン照射光系と、
前記ガス電界電離イオン源及び前記イオン照射光系を収納する真空容器と、
試料を保持する試料ステージを収納する試料室と、
前記ガス電界電離イオン源を冷却するための冷却機構と、
を有し、
前記冷却機構は、圧縮機ユニットで発生させた第1の高圧ガスを膨張させて寒冷を発生する寒冷発生手段と、この寒冷発生手段の寒冷で冷却し、圧縮機ユニットで循環する第2の移動する冷媒であるヘリウムガスで被冷却体を冷却する冷却機構であることを特徴とするイオンビーム装置。
(29)イオンビームを生成するためのガス電界電離イオン源と、
該ガス電界電離イオン源からのイオンビームを試料上に導くためのイオン照射光系と、
前記ガス電界電離イオン源及び前記イオン照射光系を収納する真空容器と、
試料を保持する試料ステージを収納する試料室と、
前記ガス電界電離イオン源を冷却するための冷却機構と、
前記電界電離イオン源、前記真空容器、及び、前記試料室を支持するベースプレートと、を有しているイオンビーム装置において、
電界電離イオン源およびイオンビーム照射系、および試料室のいずれかの真空容器の主な材料が鉄もしくはパーマロイであり、走査イオン像の分解能が0.5nm以下であることを特徴とするイオンビーム装置。
1…ガス電界電離イオン源、2…イオンビーム照射系カラム、3…試料室、4…冷却機構、5…集束レンズ、6…可動アパーチャ、7…偏向器、8…対物レンズ、9…試料、10…試料ステージ、11…二次粒子検出器、12…イオン源真空排気用ポンプ、13…試料室真空排気用ポンプ、14…イオンビーム、14A…光軸、15…ガス分子イオン化室、16…コンプレッサ、17…装置架台、18…ベースプレート、19…防振機構、20…床、21…エミッタティップ、22…フィラメント、23…フィラメントマウント、24…引き出し電極、25…ガス供給配管、26…支持棒、27…開口部、28…側壁、29…天板、30…抵抗加熱器、34…蓋部材、35…第1偏向器、36…第2アパーチャ、40…冷凍機、40A…中心軸線、41…本体、42A、42B…ステージ、43…ポット、46…ヘリウムガス、53…冷却伝導棒、54…銅網線、57…冷却伝導管、61…傾斜機構、62…絶縁材、63…絶縁材、64…エミッタベースマウント、65…中心軸線、66…鉛直線、68…真空容器、70…平面移動機構、72…反射鏡、73…ビューポート、74…光学カメラ、75…光検出デバイス、76…光の検出手段、91…電界電離イオン源制御装置、92…冷凍機制御装置、93…レンズ制御装置、94…第一アパーチャ制御装置、95…イオンビーム走査制御装置、96…二次電子検出器制御装置、97…試料ステージ制御装置、98…真空排気用ポンプ制御装置、99…計算処理装置、 161、162…ベローズ、195…第一偏向器制御装置、196…傾斜機構制御装置

Claims (18)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器内に配置されたエミッタティップと、
    前記エミッタティップによって生成されたイオンが通過する開口部を有する引き出し電極と、
    前記エミッタティップと前記引き出し電極を有する電界電離イオン源と、
    前記電界電離イオン源から放出されたイオンビームを集束する集束レンズと、
    前記集束レンズを通過した前記イオンビームを制限し、かつ前記イオンビームに対して略垂直面内で可動である第1アパーチャと、
    前記エミッタティップからみて前記集束レンズ及び前記第1アパーチャより下流に設置され、前記第1アパーチャからみて上端から下端までの距離が前記集束レンズの下端と前記第1アパーチャとの距離よりも長く、かつ前記第1アパーチャを通過した前記イオンビームを偏向する第1偏向器と、
    前記第1偏向器を通過した前記イオンビームを偏向する第2偏向器と、
    前記第2偏向器を通過した前記イオンビームを制限する第2アパーチャと、
    前記第2アパーチャを通過した前記イオンビームを試料上に集束する対物レンズと、
    前記第2アパーチャを通過した前記イオンビームのイオンビーム電流に略比例した信号量を計測する信号量計測手段と、を有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記第2アパーチャが前記対物レンズを通過する前記イオンビームを制限することを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記信号量計測手段が、前記イオンビームの照射によって試料から放出される二次粒子を検出する荷電粒子検出器であることを特徴とした荷電粒子顕微鏡。
  4. 請求項3に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    調整用の試料が載置されていることを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記信号量計測手段が、前記イオンビーム電流を計測する電流計、試料に接続された電流計、前記イオンビーム電流をチャンネルトロンで増幅して計測する手段、マルチチャンネルプレートで増幅して計測する手段、の少なくとも1つを有することを特徴とした荷電粒子顕微鏡。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記第2アパーチャが前記対物レンズを構成する電極と兼用していることを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記エミッタティップの先端をナノピラミッドとしたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  8. 請求項7に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記ナノピラミッドのイオン放射パターンを表示する表示手段を有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  9. 請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記イオンビームの照射軸に対する傾斜角度を調整可能な傾斜角度調整手段を有し、
    前記傾斜角度の違いによるイオン放射パターンを表示する表示手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  10. 請求項9に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記傾斜角度調整手段を構成する駆動機構が前記電界電離イオン源内に配置されており、前記エミッタティップを有するイオンエミッタの先端位置を略一定に維持したまま傾斜可能であることを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  11. 請求項9又は10に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記傾斜角度調整手段を駆動する駆動機構は圧電素子を用いていることを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  12. 請求項1に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントから発生する光を前記開口部から検出する光検出手段を備えることを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  13. 請求項12に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記エミッタと前記引き出し電極との相対位置を変更する変更手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  14. 請求項12に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記光検出手段により検出された信号に基づいて、前記フィラメントに印可する電圧、電流、抵抗、温度のうち少なくとも1つを制御する制御手段を有することを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  15. 請求項12に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記光検出手段が、前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントを前記開口部経由にて前記真空容器外で観察可能とする手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  16. 請求項12に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    試料を載置する試料ステージが前記イオンビームに対して略垂直平面内での移動機能を有し、
    前記試料ステージに、前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントを前記開口部経由にて前記真空容器外で観察可能とする手段を備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  17. 請求項12に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記集束レンズと前記対物レンズの間に、前記エミッタ又は前記エミッタに接続されたフィラメントを前記開口部経由にて前記真空容器外で観察可能とする手段を備えることを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
  18. 請求項12に記載の荷電粒子顕微鏡において、
    前記光検出手段の少なくとも一部を前記第1アパーチャに備えたことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。
JP2011539279A 2009-11-06 2010-11-01 荷電粒子顕微鏡 Expired - Fee Related JP5677310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011539279A JP5677310B2 (ja) 2009-11-06 2010-11-01 荷電粒子顕微鏡

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009254562 2009-11-06
JP2009254562 2009-11-06
JP2011539279A JP5677310B2 (ja) 2009-11-06 2010-11-01 荷電粒子顕微鏡
PCT/JP2010/006425 WO2011055521A1 (ja) 2009-11-06 2010-11-01 荷電粒子顕微鏡

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014263843A Division JP6093752B2 (ja) 2009-11-06 2014-12-26 イオンビーム装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011055521A1 JPWO2011055521A1 (ja) 2013-03-21
JP5677310B2 true JP5677310B2 (ja) 2015-02-25

Family

ID=43969764

Family Applications (4)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011539279A Expired - Fee Related JP5677310B2 (ja) 2009-11-06 2010-11-01 荷電粒子顕微鏡
JP2014263843A Active JP6093752B2 (ja) 2009-11-06 2014-12-26 イオンビーム装置
JP2017026542A Pending JP2017126570A (ja) 2009-11-06 2017-02-16 イオンビーム装置および試料解析方法
JP2019079805A Pending JP2019114567A (ja) 2009-11-06 2019-04-19 イオンビーム装置および試料解析方法

Family Applications After (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014263843A Active JP6093752B2 (ja) 2009-11-06 2014-12-26 イオンビーム装置
JP2017026542A Pending JP2017126570A (ja) 2009-11-06 2017-02-16 イオンビーム装置および試料解析方法
JP2019079805A Pending JP2019114567A (ja) 2009-11-06 2019-04-19 イオンビーム装置および試料解析方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20120217391A1 (ja)
JP (4) JP5677310B2 (ja)
DE (1) DE112010004286B4 (ja)
WO (1) WO2011055521A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI759966B (zh) * 2019-11-27 2022-04-01 德商卡爾蔡司多重掃描電子顯微鏡有限公司 微粒多束顯微鏡電壓對比成像的方法,電壓對比成像的微粒多束顯微鏡以及微粒多束顯微鏡電壓對比成像的半導體結構

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2301058A1 (en) * 2008-06-13 2011-03-30 Carl Zeiss NTS, LLC. Ion sources, systems and methods
US8633439B2 (en) * 2011-07-01 2014-01-21 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. System and method for electromagnetic interference shielding for critical dimension-scanning electron microscope
JP6043476B2 (ja) 2011-10-12 2016-12-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオン源およびそれを用いたイオンビーム装置
CN104254903B (zh) * 2012-04-26 2017-05-24 莱克公司 具有快速响应的电子轰击离子源
JP5936430B2 (ja) 2012-04-27 2016-06-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子顕微鏡
EP2690648B1 (en) * 2012-07-26 2014-10-15 Fei Company Method of preparing and imaging a lamella in a particle-optical apparatus
JP6112930B2 (ja) * 2013-03-26 2017-04-12 株式会社日立ハイテクサイエンス ガスイオン源、及び集束イオンビーム装置
JP2015018804A (ja) * 2013-07-08 2015-01-29 カール ツァイス マイクロスコーピー エルエルシー 荷電粒子ビームシステム及びその作動方法
EP2991095B1 (en) * 2014-08-25 2018-01-31 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. High voltage feedthrough assembly, electron diffraction apparatus and method of electrode manipulation in a vacuum environment
WO2016084162A1 (ja) * 2014-11-26 2016-06-02 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンビーム装置
JP2017016755A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
JP6712461B2 (ja) * 2015-11-27 2020-06-24 住友重機械工業株式会社 粒子加速システム及び粒子加速システムの調整方法
WO2017134817A1 (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電界電離イオン源、イオンビーム装置、およびビーム照射方法
KR101815850B1 (ko) * 2016-03-23 2018-01-30 한국표준과학연구원 모노크로미터 및 이를 구비한 하전입자선 장치
US10354830B2 (en) * 2016-04-06 2019-07-16 Carl Zeiss Microscopy, Llc Charged particle beam system
US10614994B2 (en) * 2016-09-23 2020-04-07 Hitachi High-Technologies Corporation Electron microscope
JP6771767B2 (ja) * 2017-02-15 2020-10-21 株式会社日立ハイテクサイエンス 集束イオンビーム装置
US10558001B2 (en) * 2017-07-25 2020-02-11 Canon U.S.A., Inc. Optical alignment of fiber-optic rotary joint assembly
CN107452578B (zh) * 2017-09-04 2018-06-22 国家纳米科学中心 一种灯丝定位系统及灯丝定位方法
US10163601B1 (en) * 2017-12-28 2018-12-25 Intel Corporation Probe assembly with high bandwidth beam
WO2019167165A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンミリング装置及びイオンミリング装置のイオン源調整方法
JP7068117B2 (ja) * 2018-09-18 2022-05-16 株式会社日立ハイテク 荷電粒子線装置
DE102018222522A1 (de) * 2018-12-20 2020-06-25 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Verfahren zum Betrieb einer Gaszuführungseinrichtung sowie Gaszuführungseinrichtung zur Durchführung des Verfahrens und Teilchenstrahlgerät mit einer Gaszuführungseinrichtung
JP7347796B2 (ja) 2019-12-17 2023-09-20 国立研究開発法人物質・材料研究機構 電子銃および電子機器
KR102607332B1 (ko) * 2020-03-24 2023-11-29 한국전자통신연구원 전계 방출 장치
WO2021205526A1 (ja) * 2020-04-07 2021-10-14 株式会社日立ハイテク 荷電粒子銃、荷電粒子ビームシステム、およびロックナット
CN113380596B (zh) * 2021-06-07 2024-01-30 中国科学院化学研究所 一种基于光电离的低动能脉冲离子源
CN113984813A (zh) * 2021-09-27 2022-01-28 上海大学 一种高通量薄膜晶体结构表征装置及方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55126949A (en) * 1979-03-26 1980-10-01 Hitachi Ltd Electron beam generator
JP2005063865A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Jeol Ltd 集束イオンビーム装置
JP2006134638A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Univ Waseda 電子光学装置用電子ビーム源
JP2008140557A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Hitachi High-Technologies Corp ガス電界電離イオン源、及び走査荷電粒子顕微鏡
JP2009163981A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Hitachi High-Technologies Corp ガス電界電離イオン源,荷電粒子顕微鏡、及び装置
JP2011524072A (ja) * 2008-06-13 2011-08-25 カール ツァイス エヌティーエス エルエルシー イオン源、システムおよび方法

Family Cites Families (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5724505B2 (ja) * 1973-09-03 1982-05-25
JPS54117059U (ja) * 1978-02-03 1979-08-16
US4629898A (en) * 1981-10-02 1986-12-16 Oregon Graduate Center Electron and ion beam apparatus and passivation milling
JPS5885242A (ja) 1981-11-13 1983-05-21 Hitachi Ltd 点状イオン源
JPS58110956U (ja) * 1982-01-22 1983-07-28 株式会社日立製作所 荷電粒子照射装置
JPS6031655U (ja) * 1983-08-10 1985-03-04 株式会社日立製作所 イオンマイクロアナライザ
GB8401578D0 (en) * 1984-01-19 1984-02-22 Cleaver J R A Ion and electron beam electrostatic and magnetic lens systems
JPH068704B2 (ja) * 1985-05-17 1994-02-02 ダイキン工業株式会社 ヘリウム冷凍機
JPS6251134A (ja) * 1985-08-29 1987-03-05 Fujitsu Ltd 電界電離型ガスイオン源
JPS6443961A (en) * 1987-08-10 1989-02-16 Hitachi Ltd Charged beam device
JP2590146B2 (ja) * 1987-11-16 1997-03-12 株式会社日立製作所 イオン加工装置
JPH03214554A (ja) * 1990-01-17 1991-09-19 Nec Corp 電子ビーム加工装置
JP3331596B2 (ja) * 1990-05-30 2002-10-07 株式会社日立製作所 微小部処理方法及びその装置
JP3112546B2 (ja) * 1992-03-13 2000-11-27 日本電子株式会社 粒子線装置
JPH0784058A (ja) * 1993-09-16 1995-03-31 Toshiba Corp Ge半導体検出器
JPH08236052A (ja) 1995-02-24 1996-09-13 Advantest Corp 荷電粒子線装置における荷電粒子源位置調整方法及びその装置
US6538254B1 (en) 1997-07-22 2003-03-25 Hitachi, Ltd. Method and apparatus for sample fabrication
JP4185604B2 (ja) * 1998-11-18 2008-11-26 株式会社日立製作所 試料解析方法、試料作成方法およびそのための装置
JP2002334663A (ja) * 2001-03-09 2002-11-22 Vacuum Products Kk 荷電粒子発生装置及びその発生方法
US7511279B2 (en) * 2003-10-16 2009-03-31 Alis Corporation Ion sources, systems and methods
US9159527B2 (en) * 2003-10-16 2015-10-13 Carl Zeiss Microscopy, Llc Systems and methods for a gas field ionization source
JP4338593B2 (ja) * 2004-06-15 2009-10-07 株式会社日立ハイテクノロジーズ 集束イオンビーム装置
JP2006128564A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Toshiba Corp 荷電ビーム露光装置および荷電ビーム制御方法
JP4740668B2 (ja) * 2005-07-11 2011-08-03 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電ビーム装置及びそのビーム軸の軸合わせ方法
TW200737267A (en) * 2006-03-20 2007-10-01 Alis Corp Systems and methods for a helium ion pump
JP4795847B2 (ja) 2006-05-17 2011-10-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子レンズ及びそれを用いた荷電粒子線装置
GB2442027B (en) * 2006-09-23 2009-08-26 Zeiss Carl Smt Ltd Charged particle beam instrument and method of detecting charged particles
EP1916694A1 (en) * 2006-10-25 2008-04-30 ICT, Integrated Circuit Testing Gesellschaft für Halbleiterprüftechnik Mbh Adjustable aperture element for particle beam device, method of operating and manufacturing thereof
JP5241195B2 (ja) * 2006-10-30 2013-07-17 アイエムエス ナノファブリカツィオン アーゲー 荷電粒子露光装置
EP1936653B1 (en) * 2006-12-18 2014-01-15 ICT Integrated Circuit Testing Gesellschaft für Halbleiterprüftechnik mbH Gas field ion source for multiple applications
JP5055011B2 (ja) * 2007-04-23 2012-10-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオン源
JP5102580B2 (ja) * 2007-10-18 2012-12-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線応用装置
JP4887344B2 (ja) * 2007-12-14 2012-02-29 株式会社日立ハイテクノロジーズ ガス電界電離イオン源,走査荷電粒子顕微鏡,光軸調整方法、及び試料観察方法
JP2009156141A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Bridgestone Kbg Co Ltd 防音材
US8253118B2 (en) * 2009-10-14 2012-08-28 Fei Company Charged particle beam system having multiple user-selectable operating modes

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55126949A (en) * 1979-03-26 1980-10-01 Hitachi Ltd Electron beam generator
JP2005063865A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Jeol Ltd 集束イオンビーム装置
JP2006134638A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Univ Waseda 電子光学装置用電子ビーム源
JP2008140557A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Hitachi High-Technologies Corp ガス電界電離イオン源、及び走査荷電粒子顕微鏡
JP2009163981A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Hitachi High-Technologies Corp ガス電界電離イオン源,荷電粒子顕微鏡、及び装置
JP2011524072A (ja) * 2008-06-13 2011-08-25 カール ツァイス エヌティーエス エルエルシー イオン源、システムおよび方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI759966B (zh) * 2019-11-27 2022-04-01 德商卡爾蔡司多重掃描電子顯微鏡有限公司 微粒多束顯微鏡電壓對比成像的方法,電壓對比成像的微粒多束顯微鏡以及微粒多束顯微鏡電壓對比成像的半導體結構

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2011055521A1 (ja) 2013-03-21
DE112010004286T5 (de) 2013-01-10
DE112010004286B4 (de) 2021-01-28
US20120217391A1 (en) 2012-08-30
JP2017126570A (ja) 2017-07-20
JP2015057801A (ja) 2015-03-26
JP2019114567A (ja) 2019-07-11
JP6093752B2 (ja) 2017-03-08
WO2011055521A1 (ja) 2011-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6093752B2 (ja) イオンビーム装置
JP6116631B2 (ja) イオンビーム装置
JP5097823B2 (ja) イオンビーム装置
JP5086105B2 (ja) ガス電界電離イオン源
JP6043476B2 (ja) イオン源およびそれを用いたイオンビーム装置
JP5033844B2 (ja) イオン顕微鏡
JP6370085B2 (ja) イオンビーム装置
JP6696019B2 (ja) イオンビーム装置、及びその作動方法
JP7002593B2 (ja) ガリウム集束イオンビームとイオン顕微鏡複合装置
JP6568501B2 (ja) イオンビーム装置
JP5969586B2 (ja) イオンビーム装置
JP6568627B2 (ja) イオンビーム装置
JP5677365B2 (ja) 荷電粒子顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5677310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees