JP6712461B2 - 粒子加速システム及び粒子加速システムの調整方法 - Google Patents

粒子加速システム及び粒子加速システムの調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子加速システム及び粒子加速システムの調整方法に関する。
従来、粒子加速システムとして、イオンを生成するイオン源と、イオンを加速させる加速器と、イオン源から加速器へイオンを輸送する輸送部と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような粒子加速システムでは、イオン源内に磁場が形成されると共に、当該イオン源内に電子及び気体分子が導入される。このとき、磁場の強度が適切に調整されていれば、磁場の作用によって電子がイオン源内に閉じ込められる。イオン源内に閉じ込められた電子は気体分子に衝突し、その結果、イオン源においてプラズマの状態のイオンが生成する。
そして、イオン源に設けられた引出電極に引出電圧が印加されると、引出電圧に対応したエネルギーにてイオンがイオン源内から引き出される。引き出されたイオンは、輸送部によって輸送される。このとき、イオンは、輸送部における所定の到達目標点を経由して輸送される場合、輸送部によって適切に案内されて加速器へ到達することができる。このため、イオン源と輸送部とが互いに取り付けられる位置関係は、イオン源内から引き出されて輸送されるイオンが到達目標点を経由するように設定されている。
特開2002−25797号公報
ところで、イオン源が複数種類のイオンを生成可能である場合、複数種類のイオンのそれぞれが同一の到達目標点を経由して輸送されるためには、イオンの種類に応じて、磁場の強度が変更される必要がある。しかしながら、磁場の強度が変更されてしまうと、イオン源におけるプラズマの状態に影響し、イオンを生成することができなくなる虞がある。
そこで、本発明は、イオンの種類によらず、イオンを生成することができると共にイオンを加速器へ輸送することができる粒子加速システム及び粒子加速システムの調整方法を提供することを目的とする。
本発明に係る粒子加速システムは、イオンを生成するイオン源と、イオンを加速させる加速器と、イオン源から加速器へイオンを輸送する輸送部と、を備え、イオン源は、輸送部に対する取付角度及び取付位置を調整可能である。
また、本発明に係る粒子加速システムの調整方法は、イオンを生成するイオン源と、イオンを加速させる加速器と、イオン源から加速器へイオンを輸送する輸送部と、を備える粒子加速システムの調整方法であって、イオンの種類に応じて、輸送部に対してイオン源の取り付けられる取付角度及び取付位置を調整する。
この粒子加速システム及び粒子加速システムの調整方法では、イオンの種類に応じて、輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置が調整される。これにより、イオンの種類に応じて、イオンの輸送経路が適切に調整される。従って、電子をイオン源内に閉じ込めることができるように適切に調整された磁場の強度を変更することなく、所望のエネルギーにてイオン源内から引き出されたイオンを、輸送部における所定の到達目標点を経由して輸送し、加速器へ到達させることができる。よって、イオンの種類によらず、イオンを生成することができると共にイオンを加速器へ輸送することができる。
また、本発明に係る粒子加速システムは、イオン源を支持する支持部を備え、支持部は、イオン源に対して着脱可能であってもよい。この場合、支持部として、輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置を互いに異なった状態で支持できる複数の部材が用意される。そして、イオンの種類に応じて、複数の部材の内の何れかが選択され、選択された部材が支持部として使用可能である。これにより、イオンの種類に応じて、イオンの輸送経路が適切に調整される。従って、イオンの種類に応じて支持部を着脱するだけで、容易に、輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置を調整することができる。
また、本発明に係る粒子加速システムは、イオン源を支持する支持部を備え、支持部は、輸送部に対してイオン源を回動させることで取付角度を調整可能、且つ、輸送部におけるイオンの輸送方向に交差する方向にイオン源の取付位置を調整可能であってもよい。この場合、イオンの種類に応じて、支持部により、輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置を調整可能である。これにより、イオンの種類に応じて、イオンの輸送経路が適切に調整される。従って、容易に、輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置を調整することができる。
本発明によれば、イオンの種類によらず、イオンを生成することができると共にイオンを加速器へ輸送することができる。
本発明の実施形態に係る粒子加速システムを示す正面図である。 図1のイオン源の内部構造を示す断面図である。 支持部の変形例を示す図である。 輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置を模式的に示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る粒子加速システムを示す正面図である。図1に示すように、粒子加速システム1Aは、イオン源10、加速器20、輸送部30及び支持部40Aを備える。以下の説明においては、粒子加速システム1Aを水平面に載置した状態における装置の上下方向をZ軸方向とし、後述するイオンの輸送経路Pを含む平面内、且つ、Z軸方向に垂直な方向をX軸方向とし、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。粒子加速システム1Aは、例えばα粒子、陽子、重陽子等のイオンを生成すると共に加速させるシステムである。粒子加速システム1Aは、加速させたイオンを、例えばPET(Positron Emission Tomography)、BNCT(Boron Neutron Capture Therapy)等を行う装置に供給する。
粒子加速システム1Aにおいて、イオン源10と加速器20とは、輸送部30によって接続されている。イオン源10、加速器20及び輸送部30は、ZX平面上に配置されている。イオン源10に対してX軸正方向側に輸送部30が配置され、輸送部30のZ軸正方向側に加速器20が配置されている。また、イオン源10の下方(Z軸負方向)側に支持部40Aが設けられている。粒子加速システム1Aは、台座S上に載置されている。
イオン源10は、気体分子からプラズマの状態のイオンを生成する装置である。イオン源10は、複数種類のイオンを生成可能である。イオン源10は、例えばヘリウムからα粒子を生成可能であり、また、水素から陽子を生成可能である。なお、イオン源10は、必ずしもα粒子及び陽子を生成可能でなくてもよい。
イオン源10は、加速器20の外部に設けられた外部イオン源である。イオン源10は、略円筒形状を呈し、その中心軸線L1はZX平面内に位置している。イオン源10は、延在方向における一端において、中心軸線L1に対して斜めに傾斜した端面10aを有している。イオン源10は、端面10aが略垂直となるように配置されている。端面10aは、輸送部30のアインツェルレンズ31の筐体31b(詳しくは後述)のX軸負方向側の外面に対向している。イオン源10は、ZX平面内において、端面10a側である一端側が他端側よりもZ軸方向において高い位置となるように、中心軸線L1が傾いて配置されている。イオン源10は、真空箱11、気体分子流路12、電極13、電磁石14及び引出電極15を有する。
図2は、図1のイオン源の内部構造を示す断面図である。図1及び図2に示すように、真空箱11は、その内部に、イオンを閉じ込めるための空間が形成されている。真空箱11は、イオン源10の内部に配置されている。真空箱11は、図示しない真空ポンプと接続されており、その内部を真空状態に保持することができる。真空箱11は、気体分子流路12を介して、内部に気体分子を導入する。例えば、イオンとしてα粒子が生成される場合には、気体分子としてヘリウムが用いられる。なお、α粒子以外のイオンが生成される場合には、そのイオンに対応した気体分子が用いられる。
電磁石14は、真空箱11内に磁場を形成するためのものである。電磁石14は、Y軸方向における真空箱11の両側に対を成して設けられている。これにより、電磁石14は、真空箱11内に、Y軸方向に概略沿った方向の磁場を形成する。電磁石14は、真空箱11内に形成する磁場の強度を適切に調整することにより、磁場の作用によって真空箱11内に電子を閉じ込める。
電極13は、例えば熱電子放出によって真空箱11内に電子を供給する。電極13は、サポート16によって真空箱11に対し支持されて真空箱11内に設けられており、一例として、Y軸方向視における真空箱11の中央付近に設けられている。電極13は、円筒状のアノード電極13aと、中心軸線L1と交差する方向にアノード電極13aを挟むように設けられた一対のカソード電極13b,13bと、を含む。カソード電極13bは、冷却配管17に接続され、冷却配管17によって真空箱11に対し支持されると共に冷却配管17中を流通する冷媒によって冷却される。冷却配管17と真空箱11との接点には真空シール18が配置されている。なお、アノード電極13aの円筒軸方向は、イオン源10の中心軸線L1に沿った方向としてもよい。
電極13においては、一方のカソード電極13bから電子(e)が放出され、一対のカソード電極13b,13b間で電子が往復する。この際、電磁石14により、アノード電極13aの円筒軸方向に磁場が生成されると、電子は、螺旋運動をしながら、アノード電極13aに衝突することなくアノード電極13a内に閉じ込められる。アノード電極13a内において一対のカソード電極13b,13b間を往復する電子が、気体分子流路12により導入されたヘリウム等の気体分子と衝突することで、α粒子等のイオンが生成される。
引出電極15は、引出電圧が印加されることによって、真空箱11内からイオンを引き出す。引出電極15は、印加される引出電圧に対応したエネルギーにて、真空箱11内からイオンを引き出す。引出電極15は、アノード電極13aの近傍に設けられている。真空箱11内から引き出されたイオンは、イオン源10の端面10aに形成された開口を通過して、後述する輸送部30側へ輸送される。
このように構成されたイオン源10では、真空ポンプによって真空状態とされた真空箱11内に、気体分子流路12を介して気体分子が導入される。また、電極13によって、真空箱11内に電子が供給される。このとき、電磁石14に通電されることにより真空箱11内に磁場が形成されており、且つ、磁場の強度及び方向が適切に調整されていると、磁場の作用によって真空箱11内に電子が閉じ込められる。真空箱11内に閉じ込められた電子が気体分子に衝突すると、気体分子がイオン化して、イオンがプラズマの状態で生成される。そして、引出電極15に引出電圧が印加されると、引出電圧に対応したエネルギーにて、真空箱11内からイオンが引き出される。
図1に示すように、加速器20は、イオン源10によって生成されたイオンを加速して、荷電粒子線を作り出す装置である。本実施形態においては、加速器20として、サイクロトロンを例示している。なお、加速器20は、サイクロトロンに限定されず、シンクロトロン、シンクロサイクロトロン、ライナック等であってもよい。
加速器20は、略円筒形状を呈し、その中心軸線L2がZ軸方向に延在する向きに配置されている。加速器20は、イオン源10よりも、Z軸方向において高い位置に配置されている。加速器20は、加速されるべきイオンが加速器20の所定位置に入射されると、そのイオンを加速する。この加速器20では、加速されるべきイオンは、加速器20の下面(Z軸負方向の面)側の中心部に開口した入射部20aに入射される。なお、加速器20の中心軸線L2は、Z軸方向に延在していなくてもよく、例えば、図中に示す粒子加速システム1A全体がY軸を中心として90°回転した状態とされて、中心軸線L2がX軸方向に延在していてもよい。また、図中に示す粒子加速システム1A全体がX軸を中心として90°回転した状態とされて、中心軸線L2がY軸方向に延在していてもよい。この場合、イオン源10の中心軸線L1はXY平面内に位置することとなる。
輸送部30は、イオン源10によって生成されたイオンを、イオン源10から加速器20へ輸送する。輸送部30は、アインツェルレンズ31、偏向電磁石32及びベローズ33を有する。
アインツェルレンズ31は、輸送されるイオンを収束させるためのものである。アインツェルレンズ31は、レンズ部31aと、レンズ部31aを収容する箱型の筐体31bと、を含む。レンズ部31aは、正負の電位を交互に付与された三枚の電極によって構成され、これらの電極によって形成される電場により、通過するイオンを収束させる。筐体31bのイオン源10側(X軸負方向側)の外面は、イオン源10の端面10aに対向しており、端面10aとの間が可撓性を有するベローズ33によって接続されている。また、筐体31bのイオン源10側とは反対側(X軸正方向側)の外面は、偏向電磁石32に直接接続されている。
偏向電磁石32は、磁場を生成し、当該磁場によって、アインツェルレンズ31を通過したイオンの輸送方向をZX平面内において曲げるものである。具体的に、偏向電磁石32は、アインツェルレンズ31を通過してX軸正方向に輸送されているイオンの輸送方向を、Z軸正方向に曲げる。これにより、偏向電磁石32は、イオンを加速器20の入射部20aへ案内する。
輸送部30において、例えばベローズ33及びアインツェルレンズ31の内部には、真空箱11から漏れ出た磁場である漏れ磁場が形成されている。このため、輸送部30によって輸送されるイオンの実際の輸送経路Pは、漏れ磁場の作用によってカーブしている。具体的には、イオンの輸送経路Pは、X軸正方向とZ軸正方向との合成方向である斜め上方向から、漏れ磁場の作用によって、X軸正方向へ向かって徐々にカーブしている。なお、この漏れ磁場の作用の強さは、イオンの種類及びエネルギーに応じて異なる。よって、所望のエネルギーにてイオンをイオン源10内から引き出す場合、イオンの輸送経路Pは、イオンの種類に応じて異なる軌跡にてカーブする。
輸送部30において、アインツェルレンズ31の筐体31bと偏向電磁石32との境界におけるYZ平面内の所定領域には、イオンの到達目標点Tが設定されている。到達目標点Tとは、輸送部30において、この到達目標点Tを経由してイオンが輸送される場合、当該イオンが適切に案内されて加速器20の入射部20aに到達することができる領域である。なお、本実施形態では、到達目標点Tは、アインツェルレンズ31の筐体31bと偏向電磁石32との境界に設定されているが、輸送部30(特に、偏向電磁石32)の構成に応じて、別の位置に設定されていてもよい。
支持部40Aは、イオン源10を支持する機構である。支持部40Aは、イオン源10に対して着脱可能な複数の架台である。支持部40Aを構成する複数の架台のそれぞれは、輸送部30に対してイオン源10が互いに異なる取付角度及び取付位置となるように、イオン源10を支持する。すなわち、支持部40Aは、これら着脱可能な複数の架台を交換することにより、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を調整可能である。支持部40Aは、イオン源10と接続される側とは反対側において、台座Sに支持されている。
ここで、輸送部30に対するイオン源10の取付角度とは、イオン源10が輸送部30に取り付けられた状態(すなわち、支持部40Aによって支持されたイオン源10が、ベローズ33を介してアインツェルレンズ31の筐体31bに取り付けられた状態)において、Z軸方向と、イオン源10の中心軸線L1と、の成す角度(Z軸方向に対する中心軸線L1の倒れ角)としている。なお、輸送部30に対するイオン源10の取付角度は、イオン源10が輸送部30に取り付けられた状態において、到達目標点Tにおけるイオンの輸送方向と、イオン源10の中心軸線L1と、の成す角度としてもよく、また、イオン源10に設けられた一対の電磁石14の対向する方向に垂直な所定の一方向と、イオン源10の中心軸線L1と、の成す角度としてもよい。
輸送部30に対するイオン源10の取付位置とは、イオン源10が輸送部30に取り付けられた状態において、輸送部30における何れか一点を基準とした、イオン源10における何れか一点のZX平面内における位置である。具体的に、輸送部30における何れか一点とは、例えば到達目標点Tに設定されていてもよく、アインツェルレンズ31の筐体31bとベローズ33との接続部の中央部に設定されていてもよく、輸送部30の重心に設定されていてもよい。また、イオン源10における何れか一点とは、例えば一対の電磁石14の対向する方向から見た当該一対の電磁石14の中央部に設定されていてもよく、イオン源10の端面10aの中央部に設定されていてもよく、イオン源10の重心に設定されていてもよい。
支持部40Aを構成する複数の架台のそれぞれは、例えば柱状を呈し、略鉛直方向(Z軸方向)に延在している。複数の架台のそれぞれは、支持部40Aとして使用される際には、その上端側においてイオン源10に接続され、その下端側において台座Sに接続される。複数の架台のそれぞれは、その上端側にイオン源10を載置して固定するための支持面40aが形成されている。支持面40aは、Z軸方向に対して傾斜して形成されており、その傾斜角に応じてイオン源10の取付角度が決定される。複数の架台のそれぞれは、支持面40aの傾斜角が互いに異なっている。このため、支持部40Aとして選択される架台に応じて、輸送部30に対するイオン源10の取付角度が異なることとなる。なお、支持部40Aは、複数の架台毎に支持面40aの傾斜角が異なることによって取付角度を変える構成に限定されない。
また、複数の架台のそれぞれは、延在方向における長さが互いに異なっている。このため、支持部40Aとして選択される架台に応じて、輸送部30に対するイオン源10の取付位置が異なることとなる。なお、支持部40Aは、複数の架台毎に延在方向における長さが互いに異なることによって取付位置を変える構成に限定されない。
なお、支持部40Aは、イオン源10を支持することができれば架台に限られない。ここで、図3は支持部40Aの変形例を示す図である。例えば、支持部40Aは、図3(a)に示すようなボールねじ機構であってもよい。ここでは、支持部40Aは、例えばX軸方向に移動可能な可動ステージ41上に配置されている。或いは、支持部40Aは、図3(b)に示すようなリンク機構又はベローズ等であってもよい。
次に、本実施形態に係る粒子加速システム1Aの動作及び粒子加速システム1Aの調整方法について説明する。
一例としてヘリウムからα粒子を生成する場合について説明する。図4は、輸送部に対するイオン源の取付角度及び取付位置を模式的に示す図である。図1及び図4に示すように、まず、支持部40Aが着脱されてα粒子用の架台に交換され、イオン源10がα粒子用の架台によって支持された状態とされる(図4中の状態A参照)。このように、支持部40Aがα粒子用の架台とされている場合において、輸送部30を輸送されるイオンがα粒子であるときには、イオンの輸送経路Pは到達目標点Tを経由して輸送される。
具体的に、状態Aでは、イオン源10において生成されたα粒子は、輸送部30によって輸送される際に、漏れ磁場の作用によってZX平面内にてカーブする。より具体的には、α粒子の輸送方向は、X軸正方向とZ軸正方向との合成方向である斜め上方向から、漏れ磁場の作用によって、X軸正方向へ向かって徐々にカーブする。その後、α粒子は、到達目標点Tを経由して輸送される。そして、α粒子は、偏向電磁石32によってX軸正方向からZ軸正方向へと案内され、加速器20の入射部20aに入射して加速される。
続いて、別の一例として水素から陽子を生成する場合について説明する。まず、支持部40Aが着脱されて陽子用の架台に交換され、イオン源10が陽子用の架台によって支持された状態とされる(図4中の状態B参照)。状態Bでは、状態Aに比較して、イオン源10の中心軸線L1の角度が急勾配となった(Z軸方向に近づいた)状態であり、且つ、イオン源10の位置が低くなった(Z軸負方向に移動した)状態である。このように、支持部40Aが陽子用の架台とされている場合において、輸送部30を輸送されるイオンが陽子であるときには、イオンの輸送経路Pは到達目標点Tを経由して輸送される。
具体的に、状態Bでは、イオン源10において生成された陽子は、輸送部30によって輸送される際に、漏れ磁場の作用によってZX平面内にてカーブする。より具体的には、陽子の輸送方向は、X軸正方向とZ軸正方向との合成方向である斜め上方向から、漏れ磁場の作用によって、X軸正方向へ向かって徐々にカーブする。その後、陽子は、到達目標点Tを経由して輸送される。そして、陽子は、偏向電磁石32によってX軸正向からZ軸正方向へと案内され、加速器20の入射部20aに入射して加速される。陽子の輸送経路Pは、α粒子の輸送経路Pに比較して、イオンの輸送方向のカーブの曲率が大きくなっている。このため、仮に、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を、α粒子に適した状態Aとしていたとすると、陽子は、到達目標点TよりもZ軸負方向側を輸送され、その結果、加速器20の入射部20aに入射できない。
なお、図4中の状態Cは、α粒子、陽子以外のイオンを生成する場合における、イオン源10の輸送部30に対する取付角度及び取付位置と、当該イオンの輸送経路Pと、を例示している。
以上説明したように、本実施形態に係る粒子加速システム1A及び粒子加速システム1Aの調整方法によれば、イオンの種類に応じて、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置が調整される。これにより、イオンの種類に応じて、イオンの輸送経路Pが適切に調整される。従って、電子をイオン源10内に閉じ込めることができるように適切に調整された磁場の強度を変更することなく、所望のエネルギーにてイオン源10内から引き出されたイオンを、輸送部30における所定の到達目標点Tを経由して輸送し、加速器20へ到達させることができる。よって、イオンの種類によらず、イオンを生成することができると共にイオンを加速器20へ輸送することができる。
また、本実施形態に係る粒子加速システム1Aは、イオン源10を支持する支持部40Aを備え、支持部40Aは、イオン源10に対して着脱可能である。支持部40Aとして、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を互いに異なった状態で支持できる複数の部材が用意される。このため、イオンの種類に応じて、複数の部材の内の何れかが選択され、選択された部材が支持部40Aとして使用可能である。これにより、イオンの種類に応じて、イオンの輸送経路Pが適切に調整される。従って、イオンの種類に応じて支持部40Aを着脱するだけで、容易に、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を調整することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る粒子加速システム1Bは、第1実施形態に係る粒子加速システム1Aに比較して、支持部の構成が異なる。以下、第2実施形態に係る支持部40Bの構成について説明する。
支持部40Bは、輸送部30に対してイオン源10を回動させることで取付角度を調整可能、且つ、輸送部30におけるイオンの輸送方向に交差する方向にイオン源10の取付位置を調整可能な架台である。支持部40Bは、イオン源10を、回動軸線L3回りに回動可能に支持する。回動軸線L3は、Y軸方向に設定されている。支持部40Bは、例えば柱状を呈し、略鉛直方向(Z軸方向)に延在している。架台は、その上端側においてイオン源10に接続され、その下端側において台座Sに接続されている。架台は、その上端側において図示しない支持軸を有し、イオン源10は、その支持軸に対して回動可能に接続されている。すなわち、回動軸線L3は、支持軸の中心と一致している。イオン源10は、支持軸回りに回動することによって、輸送部30に対する取付角度が変化する。なお、支持部40Bは、架台の下端側において支持軸(すなわち、回動軸線)を有し、その支持軸に対して台座Sが接続されていてもよい。或いは、支持部40Bは、その上端側及び下端側の両方に支持軸を有し、それぞれイオン源10及び台座Sと回動可能に接続されていてもよい。
また、架台は、延在方向に伸縮する伸縮機構を有する。架台は、中空の柱状部材が二重に重なることにより伸縮可能とされ、ボルトによって所望の長さに固定できる構成とされる。なお、架台の伸縮機構は、上記構成に限定されず、例えば油圧シリンダ、電動シリンダ、ボールねじ、リニアガイド、ベルト機構、リンク機構等によって伸縮する構成であってもよい。また、支持部40Bが伸縮する方向は、架台の延在方向に限定されない。
支持部40Bによって、輸送部30に対してイオン源10を回動させることで取付角度を調整すると、イオン源10によって生成されたイオンの輸送部30における輸送方向は、イオン源10の取付角度の変化に追従してZX平面内において変化する。また、支持部40Bによって、輸送部30におけるイオンの輸送方向に交差する方向にイオン源10の取付位置を調整すると、イオン源10によって生成されたイオンの輸送部30における輸送方向は、イオン源10の取付位置の変化に追従してZX平面内において変化する。
このように構成された支持部40Bでは、イオンの種類に応じて、輸送部30に対してイオン源10を回動させることで取付角度を調整すると共に、輸送部30におけるイオンの輸送方向に交差する方向にイオン源10の取付位置を調整する。これにより、輸送部30において、イオンを、到達目標点Tを経由する輸送経路Pにて輸送することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る粒子加速システム1Bによれば、イオン源10を支持する支持部40Bを備え、支持部40Bは、輸送部30に対してイオン源10を回動させることで取付角度を調整可能、且つ、輸送部30におけるイオンの輸送方向に交差する方向にイオン源10の取付位置を調整可能である。このため、イオンの種類に応じて、支持部40Bにより、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を調整可能である。これにより、イオンの種類に応じて、イオンの輸送経路Pが適切に調整される。従って、容易に、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を調整することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、イオン源10は、粒子加速システム1A,1BのX軸方向における一方側にのみ設けられている。しかし、イオン源10は、粒子加速システム1A,1BのX軸方向における他方側にも設けられていてもよい。
また、上記第2実施形態においては、支持部40Bは、例えばモータ等の駆動機構によって、回動及び移動を行う構成としてもよい。この場合、一層容易に、輸送部30に対するイオン源10の取付角度及び取付位置を調整することができる。
1A,1B…粒子加速システム、10…イオン源、20…加速器、30…輸送部、40A,40B…支持部。

Claims (2)

  1. イオンを生成するイオン源と、
    前記イオンを加速させる加速器と、
    前記イオン源から前記加速器へ前記イオンを輸送する輸送部と、
    前記イオン源を支持する支持部と、
    を備え、
    前記イオン源は、前記輸送部に対する取付角度及び取付位置を調整可能であり、
    前記支持部は、前記イオン源に対して着脱可能な、粒子加速システム。
  2. イオンを生成するイオン源と、前記イオンを加速させる加速器と、前記イオン源から前記加速器へ前記イオンを輸送する輸送部と、前記イオン源を支持する支持部と、を備える粒子加速システムの調整方法であって、
    前記イオンの種類に応じて、前記支持部を前記イオン源に対して着脱し、前記輸送部に対して前記イオン源の取り付けられる取付角度及び取付位置を調整する、粒子加速システムの調整方法。
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