JP3350186B2 - イオンビーム発生装置 - Google Patents

イオンビーム発生装置

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JP3350186B2
JP3350186B2 JP31570093A JP31570093A JP3350186B2 JP 3350186 B2 JP3350186 B2 JP 3350186B2 JP 31570093 A JP31570093 A JP 31570093A JP 31570093 A JP31570093 A JP 31570093A JP 3350186 B2 JP3350186 B2 JP 3350186B2
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房男 斎藤
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Toshiba System Technology Corp
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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  • Particle Accelerators (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核融合プラズマ加熱用
中性粒子入射装置に用いられるイオンビーム発生装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】イオンビーム発生装置は、核融合プラズ
マ加熱用中性粒子入射装置や各種ビーム生成装置に用い
られているイオンビームを発生させるものである。図3
は従来のイオンビーム発生装置の一例を示す概略構成図
であり、また図4はイオン加速部のビーム引き出し電極
の部分平面図である。
【0003】図3において、1はプラズマ源であり、
2,3,4はそれぞれの間に真空境界を兼ねる絶縁スペ
ーサ5を存して配設された電極支持フランジである。
6,7,8はそれぞれ支持フランジ2,3,4により支
持された電極であり、例えば電極6においては図4に示
すように縦方向、横方向に多数のビーム引き出し穴6a
を有している。
【0004】次にイオンビーム発生装置の動作について
説明する。図3において、電極6の上部に設置されるプ
ラズマ源1で図示しないフィラメント電源及びアーク電
源によりソースプラズマが生成され、イオン加速部にお
いて、電極6,7間に図示しない電源により印加される
電位により、イオンをソースプラズマ中から引き出す。
ソースプラズマ中から引き出されたイオンは、電極7と
8との間に図示していない電源により電位が与えらるこ
とにより加速されてイオンビームが形成される。
【0005】このようにイオン加速部は、イオンビーム
を得るためのものであるが、近年のビーム引き出し技術
の進歩、ビームエネルギー増大の要求によりイオンビー
ムの多段加速が行われている。例えば、数百keV程度
のイオンビームを得るためには、図3において電極8の
下流に図示していない2枚の電極を配置し、各々の電極
に図示していない電源により電位を与えることにより、
イオンビームはさらに高エネルギーに加速される。
【0006】また、核融合装置の大形化に伴い、数百k
eV〜MeV級のビームエネルギーが要求され、従来主
に行われていた正イオン引き出しの代りに負イオン引き
出し型のイオン源が開発されようとしている。
【0007】この負イオン源は、プラズマ源1において
負イオンのソースプラズマを生成し、これをイオン加速
部の各電極間に正イオン引き出しとは逆極性の電位を印
加して負イオンを引き出すものであり、構造は基本的に
図3と同様のものである。しかしながら、この負イオン
源は、負イオンを引き出しの電流密度が低いため、正イ
オン源に比べてさらに大きな面積の電極が必要となり、
イオン源が大形化している
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のイオ
ンビーム発生装置では、ビームエネルギーの増大に伴
い、例えば250keVの場合で5枚程度の電極が必要
になり、且つ引き出すイオンビーム電流の増加に伴いイ
オン加速部はさらに大形となり、イオン源も大形のもの
が要求される。
【0009】一般にプラズマ源とイオン加速部は構造的
に接続されており、絶縁スペーサはイオン加速部の真空
境界を兼ねている。また、このイオン加速部は支持フラ
ンジを介して中性粒子入射装置の真空容器本体に取付け
られる。
【0010】通常、中性粒子入射装置では、ビームライ
ンは核融合装置のビーム入射要求により水平方向あるい
は水平方向より傾斜を持った方向に設置されるため、イ
オン加速部とプラズマ源は水平設置あるいは傾いた状態
で設置される。このため、イオン加速部の絶縁スペーサ
はイオン加速部とプラズマ源の自重を支えることにな
る。
【0011】従って、絶縁スペーサは構造部分としての
十分な剛性を保有しなければならず、強固に製作しなけ
ればならないため、大形化すると共に、自重が増えると
いう欠点がある。
【0012】また、イオンビームの軸合わせを行う場合
は、現状ではイオン源毎に角度調整を実施しているが、
上記のようにイオン源の重量が増すために角度調整機構
が大形化してしまう。
【0013】一方、ビームエネルギーの増加が望まれる
今日においては、数個のイオン源を並べて大パワーのイ
オンビームをプラズマに入射する場合、各々のイオン源
の絶縁距離が問題となり、イオン源を据え付ける真空容
器が大形化してしまう。
【0014】本発明は、イオン源の自重が真空境界を兼
ねる絶縁管に直接かかることがなく、さらに複数のイオ
ン源を最小スペースで設置することができるイオンビー
ム発生装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段によりイオンビーム発生装
置を構成したものである。 (1)プラズマ源と、このプラズマ源で生成されるソー
スプラズマから複数段の電極間に印加された電圧により
イオンを引き出して加速するイオン加速部とからなるイ
オン源を備えたイオンビーム発生装置において、イオン
源取付フランジを有し、イオン引出し方向が水平方向と
なるように前記イオン源を複数台並設する絶縁管と、前
記プラズマ源に接続されることにより前記イオン源の自
重を支持する碍子とを具備する。 (2)上記(1)において、イオン源取付フランジとイ
オン源とはベローズを介して接続される。 (3)上記(1)において、絶縁管は、イオン源の高電
位部のフランジと絶縁接続される。
【0016】
【作用】上記のような構成のイオンビーム発生装置にあ
っては、高電圧絶縁管の開口面に真空境界面として設け
られたイオン源取付フランジにより、複数台のイオン源
を取付ける構成として高電圧絶縁管を各イオン源に対し
て共有にしているので、それぞれのイオン加速部の電極
をユニット化できる。またイオン源の自重を碍子で支え
ているので高電圧絶縁管にかかる重力を軽減できる。ま
た、各イオン源の高電位部が絶縁されているので、各々
異なるエネルギーのビームを生成することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。図1及び図2は本発明によるイオンビーム発生装
置の構成例をそれぞれ示し、図1は横断面図、図2は縦
断面図である。
【0020】図1及び図2において、11は並設される
2台のプラズマ源で、これらプラズマ減11は高電圧絶
縁管12の開口端を閉塞するように設けられたイオン源
取付フランジ13にベローズ14を介してそれぞれ取付
られる。この場合、2台のプラズマ源11は大気側に
置された碍子15により支持され、また高電圧絶縁管1
2のイオン源取付面は真空境界を兼ねている。
【0021】また、高電圧絶縁管12内のプラズマ源1
1に複数の電極支持フランジ16,17,18,19,
20がそれぞれの間に設けられた絶縁スペーサ21によ
り支持されて取付けられ、さらにこれら電極支持フラン
ジ16,17,18,19,20には図4に示すように
多数のビーム引き出し孔を有する電極22,23,2
4,25,26がそれぞれ支持され、プラズマ源11か
らのイオンビームを加速するイオン加速部を構成してい
る。
【0022】このような構成のイオンビーム発生装置と
すれば、2台のイオン源を高電圧絶縁管12の真空境界
面に取付けているので、1つのイオン源の電極部をユニ
ット化できる。また、イオン源の自重を碍子15で支え
るようにしているので、高電圧絶縁管12にかかる重力
を軽減でき、絶縁管の軽量化を図ることができる。
【0023】次に本発明によるイオンビーム発生装置の
適用実施例について述べる。核融合装置の大形化に伴
い、より高エネルギーのイオンビーム発生装置が必要と
されている。例えば、500keV以上のビームエネル
ギーを必要としている核融合装置では、高エネルギー領
域で中性粒子ビームの生成効率が高い負イオン源の使用
が考えられている。負イオン源は開発途上であり、数々
の課題が残されている。その1つは以下のようなもので
ある。負イオンビームは中性化の反応断面積が大きいた
め、電極間の残留ガスと衝突すると加速途中で容易に電
子が剥離して負イオンが損失する。この割合は無視でき
るものではない。これを防ぐには電極間に存在する残留
ガスの密度を極力低減すればよい。
【0024】本発明によるイオンビーム発生装置では図
1及び図2に示す絶縁スペーサが真空境界を持たず、ま
たイオン加速部が真空容器中に設置されることから電極
間のガス抜け効率が高く、加速途中での負イオンの電子
剥離損失を低減することが可能である。
【0025】一方、核融合装置のビーム入射要求によっ
ては各々のイオン源から異なるエネルギーのビームを発
生することが必要となることがある。そのためには2台
またはそれ以上のイオン源を絶縁しなければならない
が、2台のイオン源の絶縁距離は大気中に設置されるプ
ラズマ源により限定される。そこで、真空境界を兼ねる
イオン源取付けフランジを絶縁物で構成し、2台のイオ
ン源の高電位部を絶縁することにより各々異なるエネル
ギーのビームを生成することが可能となる。これによ
り、本発明の効果はさらに大きくなる。
【0026】なお、上記実施例では2台のイオン源を絶
縁管の真空境界面に配置する場合について述べたが、必
要に応じて3台以上のイオン源を絶縁管の真空境界面に
配置するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、大電
流、高エネルギーイオン源の必要性からイオン源が大形
化してもイオン源の自重を支持碍子により支えるため絶
縁管にかかる重力を軽減できる。これにより絶縁管は、
真空境界と必要絶縁距離から決定される外形寸法、肉厚
を確保すればよく、従来構造に比べて肉厚、軽量化が図
られ、安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイオンビーム発生装置の一実施例
を示す横断面図。
【図2】同実施例を示す縦断面図。
【図3】従来のイオンビーム発生装置の構成を示す断面
図。
【図4】同じくイオン加速部のビーム引き出し電極を示
す部分平面図。
【符号の説明】
11……プラズマ源、12……高電圧絶縁管、13……
イオン源取付フランジ、14……ベローズ、15……碍
子、16〜20……電極支持フランジ、21……絶縁ス
ペーサ、22〜26……電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 靖生 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東芝システムテクノロジー株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−159937(JP,A) 特開 平4−329249(JP,A) 実開 平1−89449(JP,U) 実公 昭38−22298(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/08 H01J 27/02 G21B 1/00 G21K 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ源と、このプラズマ源で生成さ
    れるソースプラズマから複数段の電極間に印加された電
    圧によりイオンを引き出して加速するイオン加速部とか
    らなるイオン源を備えたイオンビーム発生装置におい
    て、イオン源取付フランジを有し、イオン引出し方向が水平
    方向となるように前記イオン源を複数台並設する絶縁管
    と、 前記プラズマ源に接続されることにより前記イオン源の
    自重を支持する碍子とを、 具備する ことを特徴とするイオンビーム発生装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン源取付フランジと前記イオン
    源とはベローズを介して接続されてなることを特徴とす
    る請求項1記載のイオンビーム発生装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁管は、前記イオン源の高電位部
    のフランジと絶縁接続されてなることを特徴とする請求
    項1記載のイオンビーム発生装置。
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