JP5673760B1 - 硫化物固体電解質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能な、硫化物固体電解質の製造方法を提供する。【解決手段】硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料と、エーテル化合物と、溶媒とを混合することにより得られる混合物を粉砕することによって、粉砕物を得る工程と、得られた粉砕物を加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る熱処理工程とを有し、硫化物固体電解質又はその原料の重量をA[g]、エーテル化合物の重量をB[g]、溶媒の重量をC[g]とするとき、0.44≰C/(A+B+C)≰0.70であり、且つ、0.10≰B/(A+B+C)≰0.36である、硫化物固体電解質の製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、硫化物固体電解質の製造方法に関する。
難燃性の固体電解質を用いた固体電解質層を有する金属イオン二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池等。以下において「全固体電池」ということがある。)は、安全性を確保するためのシステムを簡素化しやすい等の長所を有している。
このような全固体電池に関する技術として、例えば特許文献1には、硫化物固体電解質材料の粗粒材料にエーテル化合物を添加し、粗粒材料を粉砕処理により微粒化する微粒化工程を有する硫化物固体電解質材料の製造方法が開示されている。そして、当該文献の明細書の[0031]には、粗粒材料がX(Xは、ハロゲン元素である)を含有していてもよいことが記載されている。また、同明細書の[0027]には、エーテル化合物の添加量は、粗粒材料に対して例えば0.01重量%〜100重量%の範囲内であることが記載されている。さらに、同明細書の[0044]には、エーテル化合物に加えて溶媒を添加しても良く、その添加量は特に限定されないことが記載されており、実施例欄には、粗粒材料とエーテル化合物と溶媒との合計重量に対する溶媒の重量の割合が78%以上である実施例が記載されている。さらにまた、同明細書の[0050]には、微粒化工程の後や、微粒化工程の後に行われるエーテル化合物を除去する乾燥工程の後に、熱処理工程を有していても良い旨、記載されている。
特開2013−20894号公報
特許文献1には、粉砕処理を経て微粒子化された硫化物固体電解質を焼成して結晶化させることにより、結晶化した硫化物固体電解質を製造することが記載されている。ここで、高イオン伝導性の硫化物固体電解質を得るためには、粉砕処理を経て微粒子化された硫化物固体電解質を焼成して結晶化させることが有効である。また、粉砕処理の生産性を高め、且つ、硫化物固体電解質の分散性を向上させる観点からは、粉砕処理を行う際に、硫化物固体電解質を分散させる分散剤を使用することが必要である。しかしながら、本発明者らは、ハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質を製造する際の粉砕処理時に分散剤を使用すると、ハロゲン化物が分散剤に溶解し、狙った組成の硫化物固体電解質を製造することが困難になる結果、硫化物固体電解質のイオン伝導性を高め難くなる場合があることを知見した。このような事態を回避するために、粉砕処理時に分散剤を使用しないようにすると、粉砕処理の生産性が低下したり、硫化物固体電解質の微粒子化が困難になったりする。したがって、微粒子化され且つ分散された硫化物固体電解質を製造するためには、一定以上の分散剤を使用する必要があり、上記事態を回避するためには、適切な量の分散剤を使用することが求められる。
特許文献1には、分散剤の使用量を適切に制御する思想については何ら開示されていない。それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、生産性、回収率(粉砕処理がなされる材料(粗粒材料)の投入量に対する微粒化された硫化物固体電解質材料の回収量の割合。以下において同じ。)、及び、高イオン伝導性の全てを満たす硫化物固体電解質を製造することが困難になる虞があった。
そこで本発明は、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能な、硫化物固体電解質の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造するためには、湿式粉砕処理で使用する分散剤の使用量を所定の範囲内に制御する必要があることを知見した。また、本発明者らは、硫化物固体電解質に含まれるハロゲン化物の種類に応じて、使用すべき分散剤の使用量の範囲が変わることを知見した。さらに、本発明者らは、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造できた製造条件では、すべて、分散剤とともに用いる溶媒の使用量が所定の範囲内であることを知見した。また、本発明者らは、合成された硫化物固体電解質そのものは分散剤に本来不溶であっても、分散剤に溶解する物質(分散剤可溶物質)がその原料に含まれている場合には、メカニカルミリング処理の際に合成された硫化物固体電解質を構成している分散剤可溶物質が分散剤に溶解する虞があることを知見した。本発明は、これらの知見に基づいて完成させた。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料と、エーテル化合物と、溶媒とを含む混合物を粉砕することによって、粉砕物を得る湿式粉砕工程と、得られた粉砕物を加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る熱処理工程と、を有し、硫化物固体電解質又はその原料の重量をA[g]、エーテル化合物の重量をB[g]、溶媒の重量をC[g]とするとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、硫化物固体電解質の製造方法である。
0.44≦C/(A+B+C)≦0.70 式(1)
0.10≦B/(A+B+C)≦0.36 式(2)
硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質を製造する場合、式(1)を満たすことにより、回収率を高めることが可能になる。また、0.10≦B/(A+B+C)とすることにより、生産性及び回収率を高めることが可能になる。また、B/(A+B+C)≦0.36とすることにより、イオン伝導度の高い硫化物固体電解質を製造することが可能になる。したがって、式(1)及び式(2)を満たすことにより、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能になる。
また、上記本発明の第1の態様において、上記1種類のハロゲン化物のハロゲンは、F、Cl、Br、及び、Iからなる群より選択された1種であることが好ましい。このような形態にすることにより、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造しやすくなる。
本発明の第2の態様は、硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料と、エーテル化合物と、溶媒とを含む混合物を粉砕することによって、粉砕物を得る湿式粉砕工程と、得られた粉砕物を加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る熱処理工程と、を有し、硫化物固体電解質又はその原料の重量をX[g]、エーテル化合物の重量をY[g]、溶媒の重量をZ[g]とするとき、下記式(i)及び式(ii)を満たす、硫化物固体電解質の製造方法である。
0.40≦Z/(X+Y+Z)≦0.795 式(i)
0.0050≦Y/(X+Y+Z)≦0.40 式(ii)
硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質を製造する場合、式(i)を満たすことにより、回収率を高めることが可能になる。また、0.0050≦Y/(X+Y+Z)とすることにより、生産性及び回収率を高めることが可能になる。また、Y/(X+Y+Z)≦0.40とすることにより、イオン伝導度の高い硫化物固体電解質を製造することが可能になる。したがって、式(i)及び式(ii)を満たすことにより、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能になる。
また、上記本発明の第2の態様において、上記2種類のハロゲン化物のハロゲンは、F、Cl、Br、及び、Iからなる群より選択された2種であることが好ましい。このような形態にすることにより、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造しやすくなる。
また、上記本発明の第1の態様及び上記本発明の第2の態様において、上記硫化物は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、Al、及び、Bの少なくとも1種である。)、Sを有することが好ましい。このような形態にすることにより、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造しやすくなる。
本発明によれば、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能な、硫化物固体電解質の製造方法を提供することができる。
第1実施形態にかかる本発明の硫化物固体電解質の製造方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかる本発明の硫化物固体電解質の製造方法を説明するフローチャートである。 1種類のハロゲン化物を含む場合の、回収率とリチウムイオン伝導度とC/(A+B+C)との関係を示す図である。 1種類のハロゲン化物を含む場合の、回収率とリチウムイオン伝導度とB/(A+B+C)との関係を示す図である。 1種類のハロゲン化物を含む場合の、リチウムイオン伝導度と回収率との関係を示す図である。 2種類のハロゲン化物を含む場合の、回収率とリチウムイオン伝導度とZ/(X+Y+Z)との関係を示す図である。 2種類のハロゲン化物を含む場合の、回収率とリチウムイオン伝導度とY/(X+Y+Z)との関係を示す図である。 2種類のハロゲン化物を含む場合の、リチウムイオン伝導度と回収率との関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
本発明の硫化物固体電解質の製造方法は、硫化物固体電解質又はその原料を湿式粉砕する過程を経て微粒化された硫化物固体電解質を製造する際に、重量に関する所定の条件を満たす、硫化物固体電解質又はその原料A[g]、エーテル化合物B[g]、及び、溶媒C[g]を用いることを特徴とする。本発明では、製造される硫化物固体電解質に含まれているハロゲン化物の種類に応じて、上記所定の条件を設定する。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる本発明の硫化物固体電解質の製造方法の一例を示すフローチャートである。第1実施形態にかかる本発明は、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質を製造する際に用いられる。図1に示した第1実施形態にかかる本発明は、調製工程(S11)と、湿式粉砕工程(S12)と、乾燥工程(S13)と、熱処理工程(S14)と、を有している。
1.1.調製工程(S11)
調製工程(以下において、「S11」ということがある。)は、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料(例えばLiI−LiS−Pガラス)と、エーテル化合物(例えばブチルエーテル)と、溶媒(例えば脱水ヘプタン)とを混合することにより、混合物を調製する工程である。ここで、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料の重量をA[g]、エーテル化合物の重量をB[g]、溶媒の重量をC[g]とするとき、S11では、下記式(1)及び式(2)を満たす重量の、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料、エーテル化合物、及び、溶媒を用いて、混合物を調製する。
0.44≦C/(A+B+C)≦0.70 式(1)
0.10≦B/(A+B+C)≦0.36 式(2)
1.2.湿式粉砕工程(S12)
湿式粉砕工程(以下において、「S12」ということがある。)では、S11で調製した混合物を所定のポット(例えばジルコニアポット)へと投入し、さらに所定のボール(例えばジルコニアボール)を投入してからポットを密閉する。その後、このポットを遊星型ボールミル機に取り付け、所定の条件でメカニカルミリング(湿式メカニカルミリング)を行うことにより、微粒化された硫化物固体電解質を得る。
1.3.乾燥工程(S13)
乾燥工程(以下において、「S13」ということがある。)は、S12の後に、微粒化された硫化物固体電解質を乾燥することにより、エーテル化合物及び溶媒を除去する工程である。S13の乾燥温度は特に限定されず、例えば、結晶化温度未満の温度で乾燥を行う。
1.4.熱処理工程(S14)
熱処理工程(以下において、「S14」ということがある。)は、S13の後に、微粒化された硫化物固体電解質を、結晶化温度以上の温度で加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る工程である。S14における熱処理温度は、結晶化温度以上の温度であれば特に限定されず、イオン伝導度の高い結晶相が生成されるように(不要な結晶相が生成されないように)調整することが好ましい。熱処理時間についても同様である。
第1実施形態にかかる本発明では、上記式(1)及び式(2)を満たす重量の、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料、エーテル化合物、並びに、溶媒を用いる。上記式(1)を満たすことにより、硫化物固体電解質の回収率を高めることが可能になる。また、上記式(2)のうち、0.10≦B/(A+B+C)とすることにより、硫化物固体電解質の生産性及び回収率を高めることが可能になる。また、上記式(2)のうち、B/(A+B+C)≦0.36とすることにより、エーテル化合物にハロゲン化物が過度に溶解する事態を回避することが可能になるので、イオン伝導度の高い硫化物固体電解質を製造することが可能になる。したがって、S11乃至S14を有する第1実施形態にかかる本発明によれば、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能な、硫化物固体電解質の製造方法を提供することができる。
また、第1実施形態にかかる本発明では、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造しやすい形態にする観点から、上記式(1)及び式(2)に加えて、0.05≦A/(A+B+C)≦0.5を満たすことが好ましい。同様の観点から、上記式(1)及び式(2)に加えて、0.1≦A/(A+B+C)≦0.3を満たすことがさらに好ましい。
(1)硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質
調製工程で硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質を用いる場合、この硫化物固体電解質は、微粒化される前の材料(以下において、「微粒化前の固体電解質」ということがある。)である。より具体的には、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有し、且つ、イオン伝導性を有する、微粒化される前の材料である。この微粒化前の固体電解質に含まれる硫化物は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、Al、及び、Bの少なくとも1種である)、Sを有することが好ましい。リチウムイオン伝導性が良好な微粒化前の固体電解質とすることができるからである。また、微粒化前の固体電解質に含まれる1種類のハロゲン化物のハロゲンは、F、Cl、Br、及び、Iからなる群より選択された1種であることが好ましい。リチウムイオン伝導性が良好な微粒化前の固体電解質とすることができるからである。当該1種類のハロゲン化物は、ハロゲン化リチウム(LiF、LiCl、LiBr、LiI)であることが好ましい。
微粒化前の固体電解質は、微粒化前の固体電解質におけるLi、A、及び、Sの総含有量が70mol%以上であることが好ましい。また、微粒化前の固体電解質が、Li、A、及び、Sを有する硫化物と1種類のハロゲン化リチウムとを含有している場合、微粒化前の固体電解質に含有されているハロゲン化リチウムは、1mol%以上60mol%以下であることが好ましく、5mol%以上50mol%以下であることがより好ましく、10mol%以上30mol%以下であることがさらに好ましい。
微粒化前の固体電解質は、Li、A、及び、Sを有するイオン伝導体を備えることが好ましい。さらに、このイオン伝導体は、後述するオルト組成のアニオン構造(PS 3−構造、SiS 4−構造、GeS 4−構造、AlS 3−構造、BS 3−構造)を主体とすることが好ましい。化学安定性の高い微粒化前の固体電解質とすることができるからである。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。なお、オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
また、微粒化前の固体電解質は、LiSと、Aの硫化物と、1種類のハロゲン化物とを含有する原料組成物を用いて製造されていることが好ましい。この原料組成物については、「(2)硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質の原料」の欄で説明する。
微粒化前の固体電解質は、LiSを実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素発生量の少ない微粒化前の固体電解質とすることができるからである。LiSは水と反応することで、硫化水素が発生する。例えば、原料組成物に含まれるLiSの割合が大きいと、LiSが残存しやすい。「LiSを実質的に含有しない」ことは、X線回折により確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。
また、微粒化前の固体電解質は、架橋硫黄を実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素発生量の少ない微粒化前の固体電解質とすることができるからである。ここで、「架橋硫黄」とは、LiSとAの硫化物とが反応することによって形成された化合物における架橋硫黄をいう。例えば、LiS及びPが反応して形成された化合物における、SP−S−PS構造の架橋硫黄が該当する。このような架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化硫黄が発生しやすい。さらに、「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定により、確認することができる。例えば、微粒化前の固体電解質がLiS−P系の材料である場合、SP−S−PS構造のピークが、通常402cm−1に現れる。そのため、このピークが検出されないことが好ましい。また、PS 3−構造のピークは、通常417cm−1に現れる。本発明においては、402cm−1における強度I402が、417cm−1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば、70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。また、微粒化前の固体電解質がLiS−P系以外の材料である場合についても、架橋硫黄を含有するユニットを特定し、そのユニットのピークを測定することにより、架橋硫黄を実質的に含有していないことを判断することができる。
また、微粒化前の固体電解質が、LiS及び架橋硫黄を実質的に含有しない場合、通常、微粒化前の固体電解質は、オルト組成又はその近傍の組成を有している。ここで、オルトとは、一般的に、同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、最も水和度の高いものをいう。本発明においては、硫化物で最もLiSが付加している結晶組成をオルト組成という。例えば、LiS−P系ではLiPSがオルト組成に該当し、LiS−Al系ではLiAlSがオルト組成に該当し、LiS−B系ではLiBSがオルト組成に該当し、LiS−SiS系ではLiSiSがオルト組成に該当し、LiS−GeS系ではLiGeSがオルト組成に該当する。
例えば、微粒化前の固体電解質にLiS−P系の物質が含まれる場合、オルト組成を得るLiS及びPの割合は、モル基準で、LiS:P=75:25である。LiS−Al系の物質が含まれる場合も同様である。一方、微粒化前の固体電解質にLiS−SiS系の物質が含まれる場合、オルト組成を得るLiS及びSiSの割合は、モル基準で、LiS:SiS=66.7:33.3である。LiS−GeS系の物質が含まれる場合も同様である。
微粒化前の固体電解質の形状は、例えば粒子状にすることができる。微粒化前の固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。なお、上記平均粒径は、例えば、粒度分布計により決定することができる。
また、微粒化前の固体電解質は、例えば硫化物ガラスであっても良い。なお、硫化物ガラスは、例えば原料組成物に対してメカニカルミリング(ボールミル等)を行うことにより得ることができる。メカニカルミリングを行うことによって微粒化前の固体電解質を製造する場合、その製造条件は特に限定されない。例えば、ボールの材質は、ジルコニア、アルミナ、めのう、ステンレス鋼(SUS)、ガラス等を用いることができ、ボール径(φ)は1〜10mmの範囲内とすることができ、処理時間は10〜100時間の範囲内とすることができる。また、メカニカルミリングで溶媒を用いる場合には、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の環状炭化水素等を挙げることができる。メカニカルミリング後の乾燥には、ホットプレートや乾燥炉等、公知の機器を用いることができる。
微粒化前の固体電解質が硫化物ガラスの場合、特に軟らかい材料となるため、粉砕時における硫化物固体電解質の造粒、及び、メディアへの硫化物固体電解質の付着を防止する効果を発揮しやすいという利点がある。また、微粒化前の固体電解質が硫化物ガラスである場合、微粒化前の固体電解質に大きなエネルギーを付与できない場合がある。例えば、付与するエネルギーの熱によって硫化物ガラスがガラスセラミックスになり、イオン伝導性が低下する場合には、微粒化前の固体電解質に大きなエネルギーを付与できない。このような場合、微粒化のために付与するエネルギーの上限が限定されるため、より少ないエネルギーで微粒化を図る必要が生じるが、エーテル化合物を用いることにより、過度に高いエネルギーを付与することなく、微粒化した硫化物固体電解質を得ることができる。
(2)硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質の原料
調製工程で硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質の原料を用いる場合、この原料としては、上記「硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質」を製造するための原料組成物を用いる。このような原料組成物としては、例えば、LiSと、Aの硫化物と、ハロゲン化物(例えばハロゲン化リチウム)と、を含有する原料組成物であることが好ましい。
原料組成物に含まれるLiSは、不純物が少ないことが好ましい。副反応を抑制することができるからである。LiSの合成方法としては、例えば、特開平7−330312号公報に記載された方法等を挙げることができる。さらに、LiSは、WO2005/040039に記載された方法等を用いて精製されていることが好ましい。一方、原料組成物に含まれるAの硫化物としては、例えば、P、P、SiS、GeS、Al、B等を挙げることができる。
原料組成物に含まれるハロゲン化物としては、F含有化合物、Cl含有化合物、Br含有化合物、I含有化合物等を例示することができる。F含有化合物としては、フッ素を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、LiFやLiPF等を挙げることができる。また、Cl含有化合物としては、塩素を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、LiCl等を挙げることができる。また、Br含有化合物としては、臭素を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、LiBr等を挙げることができる。また、I含有化合物としては、ヨウ素を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、LiI等を挙げることができる。
原料組成物が、LiS及びPを含有する場合、LiS及びPの合計に対するLiSの割合は、70mol%〜80mol%の範囲内であることが好ましく、72mol%〜78mol%の範囲内であることがより好ましく、74mol%〜76mol%の範囲内であることがさらに好ましい。なお、上記原料組成物が、LiS及びAlを含有する場合や、LiS及びBを含有する場合も同様である。一方、上記原料組成物が、LiS及びSiSを含有する場合、LiS及びSiSの合計に対するLiSの割合は、62.5mol%〜70.9mol%の範囲内であることが好ましく、63mol%〜70mol%の範囲内であることがより好ましく、64mol%〜68mol%の範囲内であることがさらに好ましい。なお、上記原料組成物がLiS及びGeSを含有する場合も同様である。
(3)エーテル化合物
本発明におけるエーテル化合物は、エーテル基(C−O−C)を含有する化合物であれば特に限定されない。中でも、エーテル化合物は、酸素元素に結合した2つの炭化水素基を有することが好ましい。微粒化前の固体電解質との反応性が低いからである。また、上記炭化水素基の炭素数は、それぞれ10以下であることが好ましい。炭素数が大き過ぎると、乾燥によるエーテル化合物の除去が困難になる可能性があるからである。
上記炭化水素基は、鎖状であっても良く、環状であっても良い。また、上記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基等を例示することができる。エーテル化合物の具体例としては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール等を挙げることができる。また、エーテル化合物の分子量は、例えば46〜278の範囲内であることが好ましく、74〜186の範囲内であることがより好ましい。
(4)溶媒
本発明では、溶媒を用いて湿式粉砕するので、粉砕時における硫化物固体電解質の造粒、及び、メディアへの硫化物固体電解質の付着を防止することが可能である。溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の環状炭化水素等を挙げることができる。また、本発明では、水分量が少ない溶媒を用いることが好ましい。硫化水素の発生(硫化物固体電解質の劣化)を抑制できるからである。
(5)粉砕
本発明における粉砕処理は、微粒化前の固体電解質を所望の大きさに微粒化できる方法であれば特に限定されず、例えば、ビーズミル、遊星型ボールミル等のメディア型粉砕、ジェット粉砕、キャビテーション粉砕等を挙げることができる。粉砕条件は、微粒化前の固体電解質を所望の粒子径に粉砕することができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料、エーテル化合物、溶媒、及び、粉砕用ボール(メディア)を加え、所定の回転数及び時間で粉砕処理を行う。粉砕用ボールの材質は、硫化物固体電解質と反応しない材質であれば特に限定されず、例えば、ジルコニア、アルミナ、めのう、ステンレス鋼(SUS)、ガラス等を用いることができる。また、粉砕用ボールのボール径(φ)は特に限定されず、例えば、0.05〜5mmの範囲内であることが好ましく、0.1〜1mmの範囲内であることがより好ましい。上記ボール径が小さ過ぎると、粉砕用ボールのハンドリングが難しく、コンタミの原因となる可能性があるからであり、上記ボール径が大き過ぎると、所望の大きさに流化された硫化物固体電解質を得ることが困難になる可能性があるからである。また、遊星型ボールミルを行う際の台盤回転数としては、例えば、毎分100〜500回転の範囲内であることが好ましく、毎分150〜250回転の範囲内であることがより好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば1時間〜100時間の範囲内であることが好ましい。
一方、粉砕処理がキャビテーション粉砕である場合、回転数は、例えば毎分1000〜3000回転の範囲内であることが好ましい。また、流量は、例えば、1.0g/min〜3.0g/minの範囲内であることが好ましい。
本発明では、固体電解質を粉砕する際にエーテル化合物を用いているため、エーテル化合物が、微粒化前の固体電解質の分散剤として機能する。その結果、微粒化前の固体電解質の付着及び造粒を防止することができる。したがって、本発明では、微粒化した硫化物固体電解質を高い回収率で得ることができる。硫化物固体電解質の回収率は、例えば90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。なお、当該回収率は、「(微粒化された硫化物固体電解質の回収量)/(微粒化前の固体電解質の投入量)」により算出することができる。
(6)乾燥
本発明における乾燥工程は、エーテル化合物及び溶媒を乾燥させることによって除去可能であれば、その温度及び時間は特に限定されない。乾燥温度は硫化物固体電解質の結晶化温度未満にすることができる。乾燥工程は、公知のホットプレートや乾燥炉等を用いて行うことができる。
(7)熱処理
本発明における熱処理工程の温度(熱処理温度)は、硫化物固体電解質を結晶化させることが可能な温度であれば特に限定されない。熱処理温度は、例えば、130〜250℃の範囲内とすることができ、160〜220℃の範囲内であることが好ましく、170〜210℃の範囲内であることがより好ましい。熱処理は、公知の炉を用いて行うことができる。
湿式粉砕工程を経て得られる硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、微粒化前の固体電解質よりも小さければ特に限定されず、例えば、0.1μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.5μm〜4μmの範囲内であることがより好ましい。なお、この平均粒径は、例えば、粒度分布計により決定することができる。
また、熱処理工程を経て得られる硫化物固体電解質のイオン伝導度は、高ければ高いほど良い。硫化物固体電解質のイオン伝導度は、例えば、交流インピーダンス法により決定することができる。
本発明により得られる硫化物固体電解質は、イオン伝導性を必要とする任意の用途に用いることができる。中でも、本発明により得られる硫化物固体電解質は、全固体電池に用いられることが好ましい。さらに、本発明により得られる硫化物固体電解質は、全固体電池の正極活物質層に用いても良く、負極活物質層に用いても良く、固体電解質層に用いても良い。
2.第2実施形態
図2は、第2実施形態にかかる本発明の硫化物固体電解質の製造方法の一例を示すフローチャートである。第2実施形態にかかる本発明は、硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質を製造する際に用いられる。図2に示した第2実施形態にかかる本発明は、調製工程(S21)と、湿式粉砕工程(S22)と、乾燥工程(S23)と、熱処理工程(S24)と、を有している。
2.1.調製工程(S21)
調製工程(以下において、「S21」ということがある。)は、硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料(例えばLiBr−LiI−LiS−Pガラス)と、エーテル化合物(例えばブチルエーテル)と、溶媒(例えば脱水ヘプタン)とを混合することにより、混合物を調製する工程である。ここで、硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料の重量をX[g]、エーテル化合物の重量をY[g]、溶媒の重量をZ[g]とするとき、S21では、下記式(i)及び式(ii)を満たす重量の、硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料、エーテル化合物、及び、溶媒を用いて、混合物を調製する。
0.40≦Z/(X+Y+Z)≦0.795 式(i)
0.0050≦Y/(X+Y+Z)≦0.40 式(ii)
2.2.湿式粉砕工程(S22)
湿式粉砕工程(以下において、「S22」ということがある。)では、S21で調製した混合物を所定のポット(例えばジルコニアポット)へと投入し、さらに所定のボール(例えばジルコニアボール)を投入してからポットを密閉する。その後、このポットを遊星型ボールミル機に取り付け、所定の条件でメカニカルミリング(湿式メカニカルミリング)を行うことにより、微粒化された硫化物固体電解質を得る。S22は、S11で調製した混合物に代えてS21で調製した混合物を用いるほかは、S12と同様の工程である。
2.3.乾燥工程(S23)
乾燥工程(以下において、「S23」ということがある。)は、S22の後に、微粒化された硫化物固体電解質を乾燥することにより、エーテル化合物及び溶媒を除去する工程である。S23は、S12で微粒化された硫化物固体電解質に代えてS22で微粒化された硫化物固体電解質を乾燥するほかは、S13と同様の工程である。
2.4.熱処理工程(S24)
熱処理工程(以下において、「S24」ということがある。)は、S23の後に、微粒化された硫化物固体電解質を、結晶化温度以上の温度で加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る工程である。S24は、S13で得られた微粒化された硫化物固体電解質に代えてS23で得られた微粒化された硫化物固体電解質を熱処理するほかは、S14と同様の工程である。
第2実施形態にかかる本発明では、上記式(i)及び式(ii)を満たす重量の、硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料、エーテル化合物、及び、溶媒を用いる。上記式(i)を満たすことにより、硫化物固体電解質の回収率を高めることが可能になる。また、上記式(ii)のうち、0.0050≦Y/(X+Y+Z)とすることにより、硫化物固体電解質の生産性及び回収率を高めることが可能になる。また、上記式(ii)のうち、Y/(X+Y+Z)≦0.40とすることにより、エーテル化合物にハロゲン化物が過度に溶解する事態を回避することが可能になるので、イオン伝導度の高い硫化物固体電解質を製造することが可能になる。したがって、S21乃至S24を有する第2実施形態にかかる本発明によれば、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能な、硫化物固体電解質の製造方法を提供することができる。
第2実施形態にかかる本発明は、第1実施形態では1種類であったハロゲン化物を2種類とし、且つ、上記式(1)及び式(2)に代えて上記式(i)及び(ii)を満たすようにするほかは、第1実施形態にかかる本発明と同様の形態にすることができる。
微粒化前の固体電解質に含まれる2種類のハロゲン化物のハロゲンは、F、Cl、Br、及び、Iからなる群より選択された2種であることが好ましい。リチウムイオン伝導性が良好な微粒化前の固体電解質とすることができるからである。当該2種類のハロゲン化物は、ハロゲン化リチウム(LiF、LiCl、LiBr、LiI)であることが好ましい。
また、微粒化前の固体電解質が、Li、A、及び、Sを有する硫化物と2種類のハロゲン化リチウムとを含有している場合、微粒化前の固体電解質に含有されている2種類のハロゲン化リチウムの総量は、1mol%以上60mol%以下であることが好ましく、5mol%以上50mol%以下であることがより好ましく、10mol%以上30mol%以下であることがさらに好ましい。また、メカニカルミリングを行うことによって微粒化前の固体電解質を製造する場合、ボール径(φ)は0.05〜5mmの範囲内とすることができ、0.1〜1mmの範囲内とすることが好ましい。
また、第2実施形態にかかる本発明では、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造しやすい形態にする観点から、上記式(i)及び式(ii)に加えて、0.05≦X/(X+Y+Z)≦0.5を満たすことが好ましい。同様の観点から、上記式(i)及び式(ii)に加えて、0.1≦X/(X+Y+Z)≦0.3を満たすことがさらに好ましい。
このほかは、上記第1実施形態にかかる本発明の硫化物固体電解質の製造方法と同様であるため、第2実施形態にかかる本発明の硫化物固体電解質の製造方法については、以下の説明を省略する。
[試料の作製]
<実施例1>
・ハロゲンを1つ含む硫化物固体電解質の作製
出発原料として、硫化リチウム(LiS、フルウチ化学製、純度99.9%)、五硫化二リン(P、Aldrich製、純度99%)、及び、ヨウ化リチウム(LiI、日宝化学製、純度99%)を用いた。次に、Ar雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、LiS及びPを、75LiS・25Pのモル比(LiPS、オルト組成)となるように秤量した。次に、LiIが20mol%となるように、LiIを秤量した。この混合物2gを、遊星型ボールミルの容器(45ml、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下、4g)を投入し、さらにZrOボール(φ=5mm、53g)を投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数毎分500回転で、1時間処理及び15分休止のメカニカルミリングを40回行った。その後、得られた試料を、ホットプレート上でヘプタンを除去するように120℃で2時間に亘って乾燥することにより、硫化物固体電解質を得た。得られた硫化物固体電解質の組成は、20LiI・80(0.75LiS・0.25P)であった。
・混合物の調製
得られた硫化物固体電解質の粗材料2g、エーテル化合物(ブチルエーテル、1g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、7g)、及び、ZrOボール(φ=0.6mm、40g)を、遊星型ボールミルの容器(45ml、ZrO製)に投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。
・湿式粉砕
硫化物固体電解質の粗材料、エーテル化合物、溶媒、及び、ZrOボールを入れた上記容器を、遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、自公転回転数毎分200回転で、20時間に亘るメカニカルミリングを行った。
・乾燥
20時間に亘る上記メカニカルミリングの終了後、得られた試料を、ホットプレートの上でブチルエーテル及びヘプタンを除去するように120℃で2時間に亘って乾燥することにより、硫化物固体電解質粉末を得た。そして、得られた硫化物固体電解質粉末を電子天秤にて秤量することにより、回収率を算出した。
・熱処理
得られた硫化物固体電解質粉末1gをアルミニウム製のシャーレに入れ、このシャーレをホットプレートの上に置いた。その後、200℃で2時間に亘る熱処理(結晶化処理)を行うことにより、実施例1にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例2>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、1.8g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、6.2g)、及び、ZrOボール(φ=1mm、40g)を用いたほかは、実施例1と同様にして、実施例2にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例3>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、2.8g)、及び、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、5.2g)を用いたほかは、実施例1と同様にして、実施例3にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例4>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、3.6g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、4.4g)、及び、ZrOボール(φ=0.3mm、40g)を用いたほかは、実施例1と同様にして、実施例4にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例5>
・ハロゲンを2つ含む硫化物固体電解質の作製
出発原料として、硫化リチウム(LiS、フルウチ化学製、純度99.9%)、五硫化二リン(P、Aldrich製、純度99%)、ヨウ化リチウム(LiI、日宝化学製、純度99%)、及び、臭化リチウム(LiBr、高純度化学製)を用いた。次に、Ar雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、LiS及びPを、75LiS・25Pのモル比(LiPS、オルト組成)となるように秤量した。次に、LiIが10mol%及びLiBrが15mol%となるように、LiI及びLiBrを秤量した。この混合物2gを、遊星型ボールミルの容器(45ml、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下、4g)を投入し、さらにZrOボール(φ=5mm、53g)を投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数毎分500回転で、1時間処理及び15分休止のメカニカルミリングを40回行った。その後、得られた試料を、ホットプレート上でヘプタンを除去するように120℃で2時間に亘って乾燥することにより、硫化物固体電解質を得た。得られた硫化物固体電解質の組成は、15LiBr・10LiI・75(0.75LiS・0.25P)であった。
・混合物の調製
得られた硫化物固体電解質の粗材料2g、エーテル化合物(ブチルエーテル、0.05g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、7.95g)、及び、ZrOボール(φ=1mm、40g)を、遊星型ボールミルの容器(45ml、ZrO製)に投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。
・湿式粉砕
硫化物固体電解質の粗材料、エーテル化合物、溶媒、及び、ZrOボールを入れた上記容器を、遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、自公転回転数毎分200回転で、20時間に亘るメカニカルミリングを行った。
・乾燥
20時間に亘る上記メカニカルミリングの終了後、得られた試料を、ホットプレートの上でブチルエーテル及びヘプタンを除去するように120℃で2時間に亘って乾燥することにより、硫化物固体電解質粉末を得た。そして、得られた硫化物固体電解質粉末を電子天秤にて秤量することにより、回収率を算出した。
・熱処理
得られた硫化物固体電解質粉末1gをアルミニウム製のシャーレに入れ、このシャーレをホットプレートの上に置いた。その後、200℃で2時間に亘る熱処理(結晶化処理)を行うことにより、実施例5にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例6>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、1g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、7g)、及び、ZrOボール(φ=0.6mm、40g)を用いたほかは、実施例5と同様にして、実施例6にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例7>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、2g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、6g)、及び、ZrOボール(φ=0.3mm、40g)を用いたほかは、実施例5と同様にして、実施例7にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<実施例8>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、4g)、及び、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、4g)を用いたほかは、実施例5と同様にして、実施例8にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<比較例1>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、0.5g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、7.5g)、及び、ZrOボール(φ=0.3mm、40g)を用いたほかは、実施例1と同様にして、比較例1にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<比較例2>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、4g)、及び、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、4g)を用いたほかは、実施例1と同様にして、比較例2にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<比較例3>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、7g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、1g)、及び、ZrOボール(φ=1mm、40g)を用いたほかは、実施例1と同様にして、比較例3にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<比較例4>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、0.025g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、7.975g)、及び、ZrOボール(φ=0.6mm、40g)を用いたほかは、実施例5と同様にして、比較例4にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<比較例5>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、5g)、及び、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、3g)を用いたほかは、実施例5と同様にして、比較例5にかかる硫化物固体電解質を作製した。
<比較例6>
混合物を調製する際に、エーテル化合物(ブチルエーテル、7g)、溶媒(脱水ヘプタン、関東化学製、1g)、及び、ZrOボール(φ=0.3mm、40g)を用いたほかは、実施例5と同様にして、比較例6にかかる硫化物固体電解質を作製した。
実施例1〜4及び比較例1〜3の製造条件を、まとめて表1に示す。また、実施例5〜8及び比較例4〜6の製造条件を、まとめて表2に示す。
Figure 0005673760
Figure 0005673760
[粒度分布測定]
実施例1〜8及び比較例1〜6で得られた硫化物固体電解質を少量サンプリングし、レーザー散乱・回折式粒度分布測定機(日機装製マイクロトラックMT 3300EXII)で粒度分布測定を行うことにより、平均粒径(D50)を決定した。その結果を表3に示す。
[X線回折測定]
実施例1〜8及び比較例1〜6で得られた硫化物固体電解質に対し、組成ズレ(製造目標の組成から組成が変化した程度。以下において同じ。)を調査するために、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。XRD測定には、Rigaku製のX線回折測定装置(smart−lab)を使用した。XRD測定では、非暴露治具の中にサンプルを配置し、Arガス不活性雰囲気で2θ=10°〜60°の範囲でXRD測定を行った。組成ズレの有無は、「(硫化物固体電解質に含まれているハロゲンの結晶ピークの強度)−(ベースライン)」で確認した。その結果を表3に示す。
[リチウムイオン伝導度測定]
実施例1〜8及び比較例1〜6で得られた硫化物固体電解質(熱処理後の硫化物固体電解質)に対して、交流インピーダンス法によるリチウムイオン伝導度(常温)の測定を行った。具体的には、得られた硫化物固体電解質で、上面及び下面の面積1cm、厚さ0.5mmのペレットを作製した後、ペレットに421.4MPaの圧力を付与することにより試料を成型した。成型した試料を6Ncmで拘束しながらインピーダンス測定を行った。測定にはソーラトロン1260を用い、測定条件は、印加電圧5mV、測定周波数域0.01MHz〜1MHzとした。その結果を表3に示す。
Figure 0005673760
[結果]
・ハロゲンを1つ含む硫化物固体電解質の場合
実施例1〜4及び比較例1〜3における、回収率とリチウムイオン伝導度と表1に示したC/(A+B+C)との関係を図3に、回収率とリチウムイオン伝導度と表1に示したB/(A+B+C)との関係を図4に、リチウムイオン伝導度と回収率との関係を図5に、それぞれ示す。図3に示した点線は、それぞれ、C/(A+B+C)=0.44、及び、C/(A+B+C)=0.70を表している。また、図4に示した点線は、それぞれ、B/(A+B+C)=0.10、及び、B/(A+B+C)=0.36を表している。
表1及び図3〜5に示したように、上記式(1)及び式(2)を満たす本発明の硫化物固体電解質の製造方法によって製造した実施例1〜4の硫化物固体電解質は、回収率が高く、且つ、リチウムイオン伝導度が高かった。また、実施例1〜4は、組成ズレが小さく、且つ、硫化物固体電解質の生産性が高かった。これに対し、上記式(1)及び式(2)を満たしていない比較例1の硫化物固体電解質は、リチウムイオン伝導度及び組成ズレは実施例1〜4と同程度であったが、回収率が極めて低かった。また、上記式(2)を満たしていない比較例2〜3の硫化物固体電解質は、回収率は実施例1〜4と同程度であったが、組成ズレが大きく、且つ、リチウムイオン伝導度が極めて低かった。
以上より、上記式(1)及び式(2)を満たす本発明の硫化物固体電解質の製造方法によれば、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能であった。
・ハロゲンを2つ含む硫化物固体電解質の場合
実施例5〜8及び比較例4〜6における、回収率とリチウムイオン伝導度と表2に示したZ/(X+Y+Z)との関係を図6に、回収率とリチウムイオン伝導度と表2に示したY/(X+Y+Z)との関係を図7に、リチウムイオン伝導度と回収率との関係を図8に、それぞれ示す。図6に示した点線は、それぞれ、Z/(X+Y+Z)=0.40、及び、Z/(X+Y+Z)=0.795を表している。また、図7に示した点線は、それぞれ、Y/(X+Y+Z)=0.0050、及び、Y/(X+Y+Z)=0.40を表している。
表2及び図6〜8に示したように、上記式(i)及び式(ii)を満たす本発明の硫化物固体電解質の製造方法によって製造した実施例5〜8の硫化物固体電解質は、回収率が高く、且つ、リチウムイオン伝導度が高かった。また、実施例5〜8は、組成ズレが小さく、且つ、硫化物固体電解質の生産性が高かった。これに対し、上記式(i)及び式(ii)を満たしていない比較例4の硫化物固体電解質は、リチウムイオン伝導度及び組成ズレは実施例5〜8と同程度であったが、回収率が極めて低かった。また、上記式(ii)を満たしていない比較例5〜6の硫化物固体電解質は、回収率は実施例5〜8と同程度であったが、組成ズレが大きく、且つ、リチウムイオン伝導度が極めて低かった。
以上より、上記式(i)及び式(ii)を満たす本発明の硫化物固体電解質の製造方法によれば、生産性及び回収率を高めつつ、イオン伝導度を向上させた硫化物固体電解質を製造することが可能であった。

Claims (5)

  1. 硫化物及び1種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料と、エーテル化合物と、溶媒とを含む混合物を粉砕することによって、粉砕物を得る湿式粉砕工程と、
    得られた前記粉砕物を加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る熱処理工程と、を有し、
    前記硫化物固体電解質又はその原料の重量をA[g]、前記エーテル化合物の重量をB[g]、前記溶媒の重量をC[g]とするとき、下記式(1)及び式(2)を満たす、硫化物固体電解質の製造方法。
    0.44≦C/(A+B+C)≦0.70 式(1)
    0.10≦B/(A+B+C)≦0.36 式(2)
  2. 前記1種類のハロゲン化物のハロゲンは、F、Cl、Br、及び、Iからなる群より選択された1種である、請求項1に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
  3. 硫化物及び2種類のハロゲン化物を含有する硫化物固体電解質又はその原料と、エーテル化合物と、溶媒とを含む混合物を粉砕することによって、粉砕物を得る湿式粉砕工程と、
    得られた前記粉砕物を加熱することにより、結晶化した硫化物固体電解質を得る熱処理工程と、を有し、
    前記硫化物固体電解質又はその原料の重量をX[g]、前記エーテル化合物の重量をY[g]、前記溶媒の重量をZ[g]とするとき、下記式(i)及び式(ii)を満たす、硫化物固体電解質の製造方法。
    0.40≦Z/(X+Y+Z)≦0.795 式(i)
    0.0050≦Y/(X+Y+Z)≦0.40 式(ii)
  4. 前記2種類のハロゲン化物のハロゲンは、F、Cl、Br、及び、Iからなる群より選択された2種である、請求項3に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
  5. 前記硫化物は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、Al、及び、Bの少なくとも1種である)、Sを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫化物固体電解質の製造方法。
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