JP5638533B2 - ポリビニルアルコール系重合体フィルム - Google Patents
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Description
本発明はポリビニルアルコール(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と略記することがある)系重合体フィルムおよびその製造方法ならびに当該PVA系重合体フィルムの保管方法に関する。
PVA系重合体を用いて形成されるPVA系重合体フィルムは、水溶性というユニークな特徴とその他の様々な優れた物性を生かして、偏光フィルム製造原料等の光学用途、農薬・洗剤等の化学薬品の包装用途、繊維製品の包装用途など、各種の用途に使用されている。
ところで、Tダイ等を用いてPVA系重合体フィルムを製膜する際におけるダイラインの発生や異物の発生を抑制し、製膜性を改善する方法としてノニオン系界面活性剤を配合する方法が提案されている(特許文献1参照)。また光学的スジや光学的色ムラ等のない優れた光学特性を有し、耐ブロッキング性に優れた効果を発揮することができるPVA系重合体フィルムを提供する方法として、特定の界面活性剤を複数種配合する方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、界面活性剤を配合して製造されたPVA系重合体フィルムをロール状に巻いて、これを常温近辺に温度コントロールした倉庫内に数ヶ月間程度保管した時に、ロールの色が著しく黄色味を帯びる問題があることが近年明らかになってきた。この黄変はPVA系重合体フィルムの機械的強度・延伸性・ヘイズ等の物性にはほとんど影響を与えないが、包装材料として使用した場合に内容物の色が黄色味を帯びたり、偏光フィルムを製造する際の原料として使用した場合に得られる偏光フィルムを透過した光線が黄色味を帯びたりして、消費者や使用者に対して悪印象を与える可能性があった。
本発明は、常温近辺に温度コントロールした倉庫内などに数ヶ月間程度保管した後であってもフィルムの色が黄色味を帯びにくいPVA系重合体フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、PVA系重合体および界面活性剤を含むPVA系重合体フィルムであって、水に溶解させた際のpHが一定範囲にあるPVA系重合体フィルムにより上記目的が達成されることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]PVA系重合体(A)、および当該PVA系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部含むPVA系重合体フィルムであって、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜8.0であるPVA系重合体フィルム、
[2]PVA系重合体(A)のけん化度が90モル%以上である、上記[1]のPVA系重合体フィルム、
[3]酸性物質(C)を用いて得られたものである、上記[1]または[2]のPVA系重合体フィルム、
[4]酸性物質(C)の25℃におけるpKa(酸解離定数)が3.5以上であり、且つ当該酸性物質(C)の常圧下での沸点が120℃を超える、上記[3]のPVA系重合体フィルム、
[5]界面活性剤(B)がノニオン系界面活性剤である、上記[1]〜[4]のいずれか1つのPVA系重合体フィルム、
[6]ノニオン系界面活性剤がアルカノールアミド型の界面活性剤である、上記[5]のPVA系重合体フィルム、
[7]酸化防止剤(D)を界面活性剤(B)に対して0.01〜3質量%含む、上記[1]〜[6]のいずれか1つのPVA系重合体フィルム、
[8]水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜6.8である、上記[1]〜[7]のいずれか1つのPVA系重合体フィルム、
[9]PVA系重合体(A)および当該PVA系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部含む製膜原液を調製する工程と、当該製膜原液を製膜する工程とを含み、上記製膜原液が、界面活性剤(B)を70質量%以上含む混合物を用いて得られたものである、上記[1]〜[8]のいずれか1つのPVA系重合体フィルムの製造方法、
[10]上記製膜原液が酸性物質(C)を用いて得られたものである、上記[9]の製造方法、
[11]上記混合物が、水に0.1質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが8.0以上となるものである、上記[9]または[10]の製造方法、
[12]上記混合物が、
・界面活性剤(B)、および、
・当該界面活性剤(B)を製造する際に使用した原料、触媒、溶媒、当該界面活性剤(B)が分解して生じた分解物、および、安定剤のうちのいずれか
を含む、上記[9]〜[11]のいずれか1つの製造方法、
[13]上記混合物が、
・アルカノールアミド型のノニオン系界面活性剤、および、
・それに対応するアルカノールアミン
を含む、上記[9]〜[11]のいずれか1つの製造方法、
[14]上記[1]〜[8]のいずれか1つのPVA系重合体フィルムを、温度0〜40℃および湿度75%RH以下の条件下に保管することを特徴とする、PVA系重合体フィルムの保管方法、
に関する。
[1]PVA系重合体(A)、および当該PVA系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部含むPVA系重合体フィルムであって、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜8.0であるPVA系重合体フィルム、
[2]PVA系重合体(A)のけん化度が90モル%以上である、上記[1]のPVA系重合体フィルム、
[3]酸性物質(C)を用いて得られたものである、上記[1]または[2]のPVA系重合体フィルム、
[4]酸性物質(C)の25℃におけるpKa(酸解離定数)が3.5以上であり、且つ当該酸性物質(C)の常圧下での沸点が120℃を超える、上記[3]のPVA系重合体フィルム、
[5]界面活性剤(B)がノニオン系界面活性剤である、上記[1]〜[4]のいずれか1つのPVA系重合体フィルム、
[6]ノニオン系界面活性剤がアルカノールアミド型の界面活性剤である、上記[5]のPVA系重合体フィルム、
[7]酸化防止剤(D)を界面活性剤(B)に対して0.01〜3質量%含む、上記[1]〜[6]のいずれか1つのPVA系重合体フィルム、
[8]水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜6.8である、上記[1]〜[7]のいずれか1つのPVA系重合体フィルム、
[9]PVA系重合体(A)および当該PVA系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部含む製膜原液を調製する工程と、当該製膜原液を製膜する工程とを含み、上記製膜原液が、界面活性剤(B)を70質量%以上含む混合物を用いて得られたものである、上記[1]〜[8]のいずれか1つのPVA系重合体フィルムの製造方法、
[10]上記製膜原液が酸性物質(C)を用いて得られたものである、上記[9]の製造方法、
[11]上記混合物が、水に0.1質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが8.0以上となるものである、上記[9]または[10]の製造方法、
[12]上記混合物が、
・界面活性剤(B)、および、
・当該界面活性剤(B)を製造する際に使用した原料、触媒、溶媒、当該界面活性剤(B)が分解して生じた分解物、および、安定剤のうちのいずれか
を含む、上記[9]〜[11]のいずれか1つの製造方法、
[13]上記混合物が、
・アルカノールアミド型のノニオン系界面活性剤、および、
・それに対応するアルカノールアミン
を含む、上記[9]〜[11]のいずれか1つの製造方法、
[14]上記[1]〜[8]のいずれか1つのPVA系重合体フィルムを、温度0〜40℃および湿度75%RH以下の条件下に保管することを特徴とする、PVA系重合体フィルムの保管方法、
に関する。
本発明のPVA系重合体フィルムは、倉庫内などに長期間保管してもフィルムの色が黄色味を帯びにくい。そのため、当該PVA系重合体フィルムを包装材料や偏光フィルムを製造する際の原料として使用した場合にも、消費者や使用者に対して悪印象を与えにくい。また、本発明の製造方法によれば、上記のPVA系重合体フィルムを容易に且つ安価に製造することができる。
さらに、本発明の保管方法によりPVA系重合体フィルムを保管すれば、フィルムの黄変をより効果的に抑制することができる。
さらに、本発明の保管方法によりPVA系重合体フィルムを保管すれば、フィルムの黄変をより効果的に抑制することができる。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のPVA系重合体フィルムは、PVA系重合体(A)と界面活性剤(B)とを含む。
本発明のPVA系重合体フィルムは、PVA系重合体(A)と界面活性剤(B)とを含む。
PVA系重合体(A)としては、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化することにより製造されたものを使用することができる。ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルが好ましい。
上記のビニルエステル系重合体は、単量体として1種または2種以上のビニルエステル系モノマーのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステル系モノマーのみを用いて得られたものがより好ましいが、1種または2種以上のビニルエステル系モノマーと、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
このようなビニルエステル系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数3〜30のオレフィン;アクリル酸またはその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸またはその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N−メチロールアクリルアミドまたはその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N−メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。上記のビニルエステル系重合体は、これらの他のモノマーのうちの1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記のビニルエステル系重合体に占める上記他のモノマーに由来する構造単位の割合は、ビニルエステル系重合体を構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
PVA系重合体(A)の重合度に特に制限はないが、フィルム強度などの点から200以上であることが好ましく、200〜15,000の範囲内であることがより好ましく、300〜5,000の範囲内であることがさらに好ましい。ここで重合度とは、JIS K6726−1994の記載に準じて測定される平均重合度を意味し、PVA系重合体を再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
Po = ([η]×103/8.29)(1/0.62)
Po = ([η]×103/8.29)(1/0.62)
またPVA系重合体(A)のけん化度は90モル%以上であることが好ましく、93モル%以上であることがより好ましい。けん化度が90モル%未満の場合には、PVA系重合体フィルムの耐水性・耐久性が不十分になるおそれがある。ここでPVA系重合体のけん化度は、PVA系重合体が有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル系モノマー単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。PVA系重合体のけん化度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定することができる。
本発明のPVA系重合体フィルムを製造する際には、PVA系重合体(A)として、1種類のPVA系重合体を単独で用いてもよいし、重合度やけん化度あるいは変性度などが互いに異なる2種以上のPVA系重合体をブレンドして用いてもよい。但し、本発明のPVA系重合体フィルムがカルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有するPVA系重合体;酸無水物基を有するPVA系重合体;アミノ基等の塩基性官能基を有するPVA系重合体;これらの中和物など、架橋反応を促進させる官能基を有するPVA系重合体を含むと、PVA系重合体分子間の架橋反応によってPVA系重合体フィルムの二次加工性が低下する場合がある。そのため、特に光学用途に代表されるように優れた二次加工性が求められる場合などにおいては、PVA系重合体フィルムは、酸性官能基を有するPVA系重合体、酸無水物基を有するPVA系重合体、塩基性官能基を有するPVA系重合体およびこれらの中和物のいずれも含まないことが好ましく、PVA系重合体(A)として、ビニルエステル系モノマーのみを単量体に用いて得られたビニルエステル系重合体をけん化することにより製造されたPVA系重合体、および/または、ビニルエステル系モノマーとエチレンおよび/または炭素数3〜30のオレフィンのみを単量体に用いて得られたビニルエステル系重合体をけん化することにより製造されたPVA系重合体のみを含むことがより好ましく、PVA系重合体(A)として、ビニルエステル系モノマーのみを単量体に用いて得られたビニルエステル系重合体をけん化することにより製造されたPVA系重合体のみを含むことがさらに好ましい。
本発明において使用される界面活性剤(B)の種類に特に制限はないが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが挙げられる。
界面活性剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、製膜時の膜面異常の低減効果に優れることから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、また本発明の効果がより顕著に奏されることから、アルカノールアミド型の界面活性剤がより好ましく、脂肪族カルボン酸(例えば、炭素数8〜30の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸など)のジアルカノールアミド(例えば、ジエタノールアミド等)がさらに好ましい。
界面活性剤(B)は、入手が容易であり安価でもあることから、界面活性剤(B)を含む混合物の形態で使用することが好ましい。当該混合物における界面活性剤(B)の含有率は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。また当該混合物における界面活性剤(B)の含有率の上限としては、例えば、99.99質量%が挙げられる。当該混合物が含む界面活性剤(B)以外の成分に特に制限はないが、例えば、界面活性剤(B)を製造する際に使用した原料、触媒、溶媒;界面活性剤(B)が分解して生じた分解物;界面活性剤(B)の安定性を向上させるために添加される安定剤などが挙げられ、より具体的には、界面活性剤(B)がアルカノールアミド型のノニオン系界面活性剤である場合に、対応するアルカノールアミンが挙げられる。
上記の界面活性剤(B)を含む混合物は、本発明の効果がより顕著に奏されることから、水に0.1質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpH(得られる水溶液のpH)が8.0以上となるものであることが好ましく、8.5〜12.0の範囲内となるものであることがより好ましい。なお、界面活性剤(B)を含む混合物を0.1質量%となるように水に添加して攪拌し(必要に応じてさらに加熱および/または冷却をしてもよい)、その後20℃に温度を維持した際に、当該界面活性剤(B)を含む混合物に含まれる成分の一部が完全には溶解しておらず分散液の形態になっている場合においても、当該分散液のpHを測定することにより得られる値を上記のpHとみなすことができる。
PVA系重合体フィルムにおける界面活性剤(B)の含有率はPVA系重合体100質量部に対して0.001〜1質量部の範囲内であることが必要であり、0.01〜0.7質量部の範囲内であることが好ましく、0.05〜0.5質量部の範囲内であることがより好ましい。上記含有率が0.001質量部より少ないと製膜時の膜面異常の低減効果が現れにくく、1質量部より多いとフィルム表面に溶出してブロッキングの原因になり取り扱い性が低下する。
本発明のPVA系重合体フィルムは、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpH(得られる水溶液のpH)が2.0〜8.0の範囲内にあることが、長期保管時のフィルムの黄変を抑制する上で極めて重要である。上記のpHが2.0未満の場合には、PVA系重合体自体の劣化によるものと思われる黄変が生じやすくなる。また上記のpHが2.0未満のフィルムは、製膜の際に防腐加工が施された特殊な製膜設備が必要となる。この観点より、上記のpHは2.5以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましい。一方、上記のpHが8.0を超える場合には、十分な黄変抑制効果が得られない。この観点より、上記のpHは7.5以下であることが好ましく、7.0以下であることがより好ましく、6.8以下であることがさらに好ましく、6.5以下であることが特に好ましく、6.0以下であることが最も好ましい。なお、PVA系重合体フィルムを7質量%となるように水に添加して攪拌し(必要に応じてさらに加熱および/または冷却をしてもよい)、その後20℃に温度を維持した際に、当該PVA系重合体フィルムに含まれる成分の一部が完全には溶解しておらず分散液の形態になっている場合においても、当該分散液のpHを測定することにより得られる値を上記のpHとみなすことができる。
本発明のPVA系重合体フィルムについて、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHを2.0〜8.0の範囲内にコントロールする方法は必ずしも限定されないが、コントロールが容易であることからPVA系重合体フィルムの製造過程において酸性物質(C)を適量配合する方法が好適である。
酸性物質(C)の種類に特に制限はないが、25℃におけるpKa(酸解離定数)が3.5以上の酸性物質であることが好ましい。上記のpKaが3.5未満である強い酸性物質を使用すると、酸性物質の使用量のわずかな変動によって得られるPVA系重合体フィルムを水に溶解させた際の上記pHが大きく変わる可能性があり目的とするPVA系重合体フィルムを得ることが困難になったり、またPVA系重合体フィルム中においてこのような強い酸性物質の濃度にバラツキが生じた場合には、濃度の高い部位に黄変などの問題を生じたりする可能性もある。
また酸性物質(C)の常圧下(絶対圧力で1atm)での沸点は120℃を超えることが好ましい。常圧下での沸点が120℃以下である場合、長期保管中に酸性物質がPVA系重合体フィルムから徐々に揮発して、黄変の抑制効果が低下するおそれがある。なお本明細書においては、酸性物質が常圧下120℃において実質的に揮発性を有さないものも常圧下での沸点が120℃を超えると考えるものとする。ここで実質的に揮発性を有さない酸性物質としては、例えば、蒸発皿に精秤された当該酸性物質を約1g載せ、これを常圧下120℃で10分間保持した後においても、当該酸性物質の質量の減少量が10質量%以下である酸性物質などが挙げられる。酸性物質(C)の沸点は125℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることがさらに好ましい。
25℃におけるpKaが3.5以上で常圧下の沸点が120℃を超える酸性物質としては、例えば、乳酸、コハク酸、アジピン酸、安息香酸、カプリン酸、クエン酸、ラウリン酸等の有機酸;ホウ酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機酸性物質;アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸などを挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。これらの酸性物質は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、揮発による散逸が実質的に無視できることから無機酸性物質が好ましい。
本発明のPVA系重合体フィルムの製造過程において好ましく使用される酸性物質(C)の量は、最終的に得られるPVA系重合体フィルムを水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜8.0の範囲内となる量である。PVA系重合体フィルム中における使用された酸性物質(C)の含有率(但し、共役塩基の形態になっているものについては当該共役塩基と同じモル数の酸性物質(C)が含まれていると考えるものとする)は、使用される酸性物質(C)の種類などによって一概に定めることはできないが、例えば、PVA系重合体(A)100gに対して0.0001〜0.05モルとなる割合が挙げられる。
本発明のPVA系重合体フィルムは上記のとおり、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜8.0の範囲内にあるが、水に溶解させた際にこのようなpHを示す本発明のPVA系重合体フィルムがさらに酸化防止剤(D)を含むと、理由は定かではないが、黄変の抑制効果をより長期間にわたって持続させることができる。このような酸化防止剤(D)の効果は、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが上記範囲から外れるPVA系重合体フィルムの場合には殆ど認めらない。
酸化防止剤(D)の種類に特に制限はないが、フェノール系、ホスファイト系、チオエステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの有機系酸化防止剤が好適な物として例示される。
酸化防止剤(D)の種類に特に制限はないが、フェノール系、ホスファイト系、チオエステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの有機系酸化防止剤が好適な物として例示される。
本発明のPVA系重合体フィルムにおける酸化防止剤(D)の含有率は、界面活性剤(B)の質量に基づいて0.01〜3質量%の範囲内であることが好ましく、0.05〜1質量%の範囲内であることがより好ましい。当該含有率が界面活性剤(B)の質量に基づいて0.01質量%未満であると黄変の抑制効果をより長期間にわたって持続させることができなくなる場合があり、3質量%を超えると酸化防止剤(D)が凝集してPVA系重合体フィルム上の欠点として表れて外観を損ねるおそれがある。
PVA系重合体フィルムは可塑剤を含まない状態では他のプラスチックフィルムに比べ剛直であり、衝撃強度等の機械的物性や二次加工時の工程通過性などが問題になることがある。それらの問題を防止するために、本発明のPVA系重合体フィルムには可塑剤(E)を含有させることが好ましい。好ましい可塑剤としては多価アルコールが挙げられ、具体的には、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。これらの可塑剤(E)は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの可塑剤の中でも、本発明のPVA系重合体フィルムを延伸して使用する際における延伸性向上効果などの観点から、エチレングリコールまたはグリセリンが好ましい。PVA系重合体フィルムにおける可塑剤(E)の含有率としては、PVA系重合体フィルムに含まれるPVA系重合体100質量部に対して1〜30質量部の範囲内であることが好ましく、3〜25質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。上記の含有率が1質量部未満であると上記の問題が起きやすくなる傾向があり、30質量部を超えるとフィルムが柔軟になりすぎて、取り扱い性が低下する場合がある。
本発明のPVA系重合体フィルムは、PVA系重合体(A)および界面活性剤(B)のみからなっていても、PVA系重合体(A)および界面活性剤(B)と上記した酸性物質(C)(但し、共役塩基の形態になっている場合には当該共役塩基を含む塩を含む)、酸化防止剤(D)および可塑剤(E)のうちの少なくとも1種のみからなっていてもよいが、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、PVA(A)、界面活性剤(B)、酸性物質(C)(但し、共役塩基の形態になっている場合には当該共役塩基を含む塩を含む)、酸化防止剤(D)および可塑剤(E)以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。このような他の成分としては、例えば、水分、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、充填剤、防腐剤、防黴剤、上記した成分以外の他の高分子化合物などが挙げられる。但し、ポリカルボン酸、ポリアミンに代表されるキレート化剤やそれに金属が配位してなるキレート化合物を含むPVA系重合体フィルムはその製造過程においてゲルを生じやすく、用途によっては当該ゲルが最終製品の品質を低下させる場合があることから、PVA系重合体フィルムはキレート化剤およびキレート化合物のいずれも含まないことが好ましい。
PVA系重合体(A)、界面活性剤(B)、酸性物質(C)(但し、共役塩基の形態になっている場合には当該共役塩基を含む塩を含む)、酸化防止剤(D)および可塑剤(E)の各質量の合計値が本発明のPVA系重合体フィルムの全質量に占める割合は、60〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、90〜100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明のPVA系重合体フィルムは、PVA系重合体(A)および当該PVA系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部(好ましくは0.01〜0.7質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部)含む製膜原液を製膜することにより製造することができる。当該製膜原液の具体例としては、例えば、PVA系重合体(A)が溶剤に溶解してなるとともに界面活性剤(B)を上記割合で含むPVA系重合体溶液や、含水状態のPVA系重合体(A)(有機溶剤等をさらに含んでいてもよい)が溶融してなるとともに界面活性剤(B)を上記割合で含む溶融物などが挙げられる。
PVA系重合体フィルムを製造するための具体的な方法としては、例えば、上記PVA系重合体溶液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法(PVA系重合体溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVA系重合体フィルムを得る方法)、あるいはこれらの組み合わせにより製膜する方法や、押出機などを使用して上記溶融物を得てこれをTダイなどから押出すことにより製膜する溶融押出製膜法など、任意の方法を採用することができる。これらの中でも、流延製膜法および溶融押出製膜法が、透明性が高く着色の少ないPVA系重合体フィルムが得られることから好ましい。
上記の製膜原液の揮発分濃度(製膜時などに揮発や蒸発によって除去される溶媒等の揮発性成分の濃度)は50〜90質量%の範囲内であることが好ましく、55〜80質量%の範囲内であることがより好ましい。揮発分濃度が50質量%未満であると、粘度が高くなり製膜が困難となる場合がある。一方、揮発分濃度が90質量%を超えると、粘度が低くなり得られるフィルムの厚さ均一性が損なわれやすいため好ましくない。
上記の製膜原液の調製方法に特に制限はなく、例えば、水にPVA系重合体(A)を溶解させたものに、界面活性剤(B)と、必要に応じてさらに酸性物質(C)、酸化防止剤(D)、可塑剤(E)および上記した他の成分のうちの少なくとも1種を添加する方法や、押出機を使用して含水状態のPVA系重合体(A)を溶融混練する際に、界面活性剤(B)と、必要に応じてさらに酸性物質(C)、酸化防止剤(D)、可塑剤(E)および上記した他の成分のうちの少なくとも1種を共に溶融混練する方法などが挙げられる。これらの中でも、流延製膜法でPVA系重合体フィルムを製造する場合には、水にPVA系重合体(A)を溶解させたものに、界面活性剤(B)と、必要に応じてさらに酸性物質(C)、酸化防止剤(D)、可塑剤(E)および上記した他の成分のうちの少なくとも1種を添加する方法が好ましい。
また製膜原液の調製時に界面活性剤(B)を配合するにあたり、上記した界面活性剤(B)を含む混合物の形態で使用すれば、界面活性剤(B)の煩雑な精製作業をせずに、また、より高価な高純度の界面活性剤(B)を使用する必要がなく製膜原液を容易に且つ安価に調製することができることから好ましい。さらに、上記製膜原液が酸性物質(C)を用いて得られたものである場合には、酸性物質(C)の配合時にその配合量を調整することにより得られるPVA系重合体フィルムを水に溶解させた際のpHを容易に上記範囲に調整することができることから好ましい。
本発明のPVA系重合体フィルムの厚みに特に制限はなく、用途に応じて適切な厚みに設定することができる。具体的には、例えば、包装材料用途では平均厚みとして5〜500μmの範囲内であることが好ましく、偏光フィルムの原料として使用する場合には平均厚みとして5〜150μmの範囲内であることが好ましい。なお、PVA系重合体フィルムの平均厚みは任意の10箇所(例えば、PVA系重合体フィルムの幅方向に引いた直線上にある任意の10箇所)の厚みを測定し、それらの平均値として求めることができる。
また本発明は、上記した本発明のPVA系重合体フィルムを温度0〜40℃および湿度75%RH以下の条件下に保管するPVA系重合体フィルムの保管方法を包含する。本発明のPVA系重合体フィルムは、従来のPVA系重合体フィルムに比べて長期間保管した時の黄変が少ない特徴があるが、保管時の温度が高くなるほど黄変しやすくなる傾向があるため、40℃以下の温度で保管するのが好ましい。また保管時の温度が低すぎると、保管場所から使用のために取り出した時にフィルム表面に結露を生じて、それが原因となってフィルムのブロッキングやタルミなどの異常を生じるおそれがある。この観点より、保管時の温度は0℃以上であることが好ましい。同様に、湿度75%RHを超える条件で保管すると、PVA系重合体フィルムの吸湿によりフィルムのブロッキングやタルミなどの異常を生じるおそれがある。PVA系重合体フィルムを保管する際の保管期間に特に限定はないが、あまりに長すぎると、特に高温下に保管した際などにおいて徐々に黄変が進行する可能性があることから、1週間以上2年以内であることが好ましく、1ヶ月以上1.5年以内であることがより好ましく、3ヶ月以上1年以内であることがさらに好ましい。
本発明のPVA系重合体フィルムの用途に特に制限はなく、例えば、包装材料;偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムを製造するための原料;ランドリーバッグ等の水溶性フィルム;人工大理石を製造する際の離型フィルムなどとして使用することができるが、本発明のPVA系重合体フィルムは、倉庫内などに長期間保管してもフィルムの色が黄色味を帯びにくく、消費者や使用者に対して悪印象を与えにくいことから、包装材料、偏光フィルムまたは位相差フィルムを製造するための原料として使用することが好ましい。また、界面活性剤(B)を上記の割合で含み、且つ水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが上記の範囲内にある本発明のPVA系重合体フィルムは、長時間(好ましくは72時間以上、より好ましくは120時間以上、さらに好ましくは180時間以上)連続して製造した場合においても、界面活性剤(B)の凝集物に起因すると推測されるスジ状の欠点(フィルムの流れ方向と平行に連続的または断続的に発生する、フィルムの微細な凹凸による欠点)の発生を高度に抑制することができることから、偏光フィルムや位相差フィルムのように最終製品に高い品質が要求される場合に、これらを製造するための原料として特に好ましく使用することができる。
以下に本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において採用された、PVAフィルムを水に溶解させた際のpHおよびPVAフィルムの黄色度(YI値)の各測定方法を以下に示す。
なお、以下の実施例および比較例において採用された、PVAフィルムを水に溶解させた際のpHおよびPVAフィルムの黄色度(YI値)の各測定方法を以下に示す。
[PVAフィルムを水に溶解させた際のpHの測定]
PVAフィルム7gを室温の脱イオン水93g中に入れ、攪拌下に約90℃に加熱してフィルムを完全に溶解させた後、得られた水溶液を20℃に冷却し、pHメーター(METTLER TOLEDO社製「MP230」)を用いてその水溶液のpHを測定した。
PVAフィルム7gを室温の脱イオン水93g中に入れ、攪拌下に約90℃に加熱してフィルムを完全に溶解させた後、得られた水溶液を20℃に冷却し、pHメーター(METTLER TOLEDO社製「MP230」)を用いてその水溶液のpHを測定した。
[PVAフィルムの黄色度(YI値)の測定]
サンプルとなるフィルムを8枚重ねて、色差計(日本電色工業株式会社製 Model「NF−902」)を用いてフィルムのYI値を8枚全体の値として測定した。
サンプルとなるフィルムを8枚重ねて、色差計(日本電色工業株式会社製 Model「NF−902」)を用いてフィルムのYI値を8枚全体の値として測定した。
[実施例1]
けん化度99.9モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量2.4質量%のPVA(ポリ酢酸ビニルのけん化物)のチップ100質量部を35℃の蒸留水2500質量部に24時間浸漬した後、遠心脱水を行いPVA含水チップを得た。得られたPVA含水チップ中の酢酸ナトリウム含量はPVAに対して0.1質量%であり、またPVA含水チップ中の揮発分濃度は70質量%であった。
そのPVA含水チップ333質量部(乾燥状態PVA換算で100質量部)に対してグリセリン12質量部、界面活性剤を含む混合物(ラウリン酸ジエタノールアミドを95質量%の割合で含有し、且つジエタノールアミンを不純物として含む混合物。当該混合物を水に0.1質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpH(PVAフィルムの場合について上記したのと同様の方法により測定)は9.64。)0.3質量部、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(フェノール系酸化防止剤)0.003質量部を添加し、さらに1mol/lのリン酸二水素カリウム水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加した後、よく混合して混合物とし、これを最高温度130℃の二軸押出機で加熱溶融した。熱交換機で100℃に冷却した後、95℃の金属ドラム上に溶融押出製膜して乾燥することにより、フィルム幅1.2mで平均厚さ60μmのPVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。得られたPVAフィルムを用いて、水に溶解させた際のpHを上記した方法により測定したところ6.0であった。
けん化度99.9モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量2.4質量%のPVA(ポリ酢酸ビニルのけん化物)のチップ100質量部を35℃の蒸留水2500質量部に24時間浸漬した後、遠心脱水を行いPVA含水チップを得た。得られたPVA含水チップ中の酢酸ナトリウム含量はPVAに対して0.1質量%であり、またPVA含水チップ中の揮発分濃度は70質量%であった。
そのPVA含水チップ333質量部(乾燥状態PVA換算で100質量部)に対してグリセリン12質量部、界面活性剤を含む混合物(ラウリン酸ジエタノールアミドを95質量%の割合で含有し、且つジエタノールアミンを不純物として含む混合物。当該混合物を水に0.1質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpH(PVAフィルムの場合について上記したのと同様の方法により測定)は9.64。)0.3質量部、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(フェノール系酸化防止剤)0.003質量部を添加し、さらに1mol/lのリン酸二水素カリウム水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加した後、よく混合して混合物とし、これを最高温度130℃の二軸押出機で加熱溶融した。熱交換機で100℃に冷却した後、95℃の金属ドラム上に溶融押出製膜して乾燥することにより、フィルム幅1.2mで平均厚さ60μmのPVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。得られたPVAフィルムを用いて、水に溶解させた際のpHを上記した方法により測定したところ6.0であった。
また得られたPVAフィルムをA4サイズにカットして、まず初期状態での黄色度(YI値)を上記した方法により測定したところ4.6であった。このPVAフィルムを80℃に調整された熱風乾燥機中に吊り下げて放置した。そして放置してから3日後、5日後および10日後のフィルムの黄色度(YI値)を上記した方法により測定したところ、それぞれ7.6、9.0、10.1であった。したがって、黄色度(YI値)の初期値からの増加量である黄変度(ΔYI)は、それぞれ3.0、4.4、5.5と計算された。
以上の各種評価の結果を表1に示した。なお、240時間連続して上記の製膜を行ったが、スジ状の欠点の発生は認められなかった。
以上の各種評価の結果を表1に示した。なお、240時間連続して上記の製膜を行ったが、スジ状の欠点の発生は認められなかった。
[実施例2]
実施例1において、1mol/lのリン酸二水素カリウム水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加したことに代えて、1mol/lの乳酸水溶液をPVA100gに対して5mlとなる割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、1mol/lのリン酸二水素カリウム水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加したことに代えて、1mol/lの乳酸水溶液をPVA100gに対して5mlとなる割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例3]
実施例1において、1mol/lのリン酸二水素カリウム水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加したことに代えて、1mol/lの酢酸水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、1mol/lのリン酸二水素カリウム水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加したことに代えて、1mol/lの酢酸水溶液をPVA100gに対して10mlとなる割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
実施例2において、乳酸水溶液の添加量をPVA100gに対して5mlとなる割合からPVA100gに対して2mlとなる割合に変更したこと以外は実施例2と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例2において、乳酸水溶液の添加量をPVA100gに対して5mlとなる割合からPVA100gに対して2mlとなる割合に変更したこと以外は実施例2と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例5]
PVAのチップとして、けん化度88.0モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量2.0質量%のPVA(ポリ酢酸ビニルのけん化物)のチップを使用して、実施例1と同様にしてPVA含水チップを得た。得られたPVA含水チップ中の酢酸ナトリウム含量はPVAに対して0.08質量%であり、またPVA含水チップ中の揮発分濃度は86質量%であった。このPVA含水チップを20℃で減圧乾燥して、揮発分濃度を70質量%に調整した。
得られたPVA含水チップを、実施例1において使用された揮発分濃度が70質量%のPVA含水チップの代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にしてPVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
PVAのチップとして、けん化度88.0モル%、重合度2400、酢酸ナトリウム含量2.0質量%のPVA(ポリ酢酸ビニルのけん化物)のチップを使用して、実施例1と同様にしてPVA含水チップを得た。得られたPVA含水チップ中の酢酸ナトリウム含量はPVAに対して0.08質量%であり、またPVA含水チップ中の揮発分濃度は86質量%であった。このPVA含水チップを20℃で減圧乾燥して、揮発分濃度を70質量%に調整した。
得られたPVA含水チップを、実施例1において使用された揮発分濃度が70質量%のPVA含水チップの代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にしてPVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例6]
実施例1において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例7]
実施例1において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)の添加量を、PVA含水チップ333質量部(乾燥状態PVA換算で100質量部)に対して0.003質量部から0.018質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムには実用上の支障になるほどではないが、日光などの強い光の元で観察すると、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)によって生じたと推定される凝集物状の欠点が薄く見られた。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)の添加量を、PVA含水チップ333質量部(乾燥状態PVA換算で100質量部)に対して0.003質量部から0.018質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムには実用上の支障になるほどではないが、日光などの強い光の元で観察すると、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)によって生じたと推定される凝集物状の欠点が薄く見られた。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例8]
実施例1において、リン酸二水素カリウム水溶液の添加量をPVA100gに対して10mlとなる割合からPVA100gに対して5mlとなる割合に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。なお、240時間連続して上記の製膜を行ったところ、スジ状の欠点の発生がわずかに認められた。
実施例1において、リン酸二水素カリウム水溶液の添加量をPVA100gに対して10mlとなる割合からPVA100gに対して5mlとなる割合に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。なお、240時間連続して上記の製膜を行ったところ、スジ状の欠点の発生がわずかに認められた。
[実施例9]
実施例8において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)を添加しなかったこと以外は実施例8と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例8において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)を添加しなかったこと以外は実施例8と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、グリセリン、界面活性剤を含む混合物、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、リン酸二水素カリウム水溶液のいずれも添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにはスジなどの欠陥が多くて外観が悪かった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、グリセリン、界面活性剤を含む混合物、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、リン酸二水素カリウム水溶液のいずれも添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにはスジなどの欠陥が多くて外観が悪かった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)およびリン酸二水素カリウム水溶液のいずれも添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)およびリン酸二水素カリウム水溶液のいずれも添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例1において、リン酸二水素カリウム水溶液を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。なお、240時間連続して上記の製膜を行ったところ、スジ状の欠点の発生が認められた。
実施例1において、リン酸二水素カリウム水溶液を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにスジなどの欠陥は見られず外観が良好であった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。なお、240時間連続して上記の製膜を行ったところ、スジ状の欠点の発生が認められた。
[比較例4]
実施例2において、1mol/lの乳酸水溶液をPVA100gに対して5mlとなる割合で添加したことに代えて、乳酸を水に希釈せずそのまま用いてそれをPVA100gに対して0.1molとなる割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして、PVA含水チップと各種添加物の混合物を得た。この混合物に水を加えることにより固形分濃度7質量%の水溶液を作製した。得られた水溶液のpHをPVAフィルムの場合について上記したのと同様の方法により測定したところ1.7であった。この混合物を押出機を用いて溶融製膜した場合、溶融樹脂流路に施されているメッキが腐食する可能性があるため、製膜を断念した。
実施例2において、1mol/lの乳酸水溶液をPVA100gに対して5mlとなる割合で添加したことに代えて、乳酸を水に希釈せずそのまま用いてそれをPVA100gに対して0.1molとなる割合で添加したこと以外は実施例1と同様にして、PVA含水チップと各種添加物の混合物を得た。この混合物に水を加えることにより固形分濃度7質量%の水溶液を作製した。得られた水溶液のpHをPVAフィルムの場合について上記したのと同様の方法により測定したところ1.7であった。この混合物を押出機を用いて溶融製膜した場合、溶融樹脂流路に施されているメッキが腐食する可能性があるため、製膜を断念した。
[比較例5]
実施例1において、界面活性剤を含む混合物の添加量を、PVA含水チップ333質量部(乾燥状態PVA換算で100質量部)に対して0.3質量部から3質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにはスジなどの欠陥が多くて外観が悪かった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、界面活性剤を含む混合物の添加量を、PVA含水チップ333質量部(乾燥状態PVA換算で100質量部)に対して0.3質量部から3質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、PVAフィルムを得た。得られたPVAフィルムにはスジなどの欠陥が多くて外観が悪かった。
得られたPVAフィルムを用いて実施例1と同様にして各種測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例10]
実施例1で得られたPVAフィルムを直径3インチの紙管にロール状に50m巻き取り、温度30℃および湿度50%RHに調整した恒温恒湿機内に保管した。6ヶ月後に取り出してPVAフィルムの黄色度(YI値)を上記した方法により測定したところ、保管開始前の4.6に対して5.4であり、黄変度(ΔYI)は0.8と小さかった。また、膜面は保管前と特に変化なく、良好であった。評価結果を表2に示した。
実施例1で得られたPVAフィルムを直径3インチの紙管にロール状に50m巻き取り、温度30℃および湿度50%RHに調整した恒温恒湿機内に保管した。6ヶ月後に取り出してPVAフィルムの黄色度(YI値)を上記した方法により測定したところ、保管開始前の4.6に対して5.4であり、黄変度(ΔYI)は0.8と小さかった。また、膜面は保管前と特に変化なく、良好であった。評価結果を表2に示した。
[比較例6]
実施例10において、実施例1で得られたPVAフィルムを使用する代わりに比較例3で得られたPVAフィルムを使用したこと以外は実施例10と同様にしてPVAフィルムを保管した。6ヶ月間後取り出したPVAフィルムの評価結果を表2に示した。
実施例10において、実施例1で得られたPVAフィルムを使用する代わりに比較例3で得られたPVAフィルムを使用したこと以外は実施例10と同様にしてPVAフィルムを保管した。6ヶ月間後取り出したPVAフィルムの評価結果を表2に示した。
本発明によれば、倉庫内などに長期間保管してもフィルムの色が黄色味を帯びにくいPVA系重合体フィルムが得られることから、当該PVA系重合体フィルムは、例えば、包装材料;偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムを製造するための原料;ランドリーバッグ等の水溶性フィルム;人工大理石を製造する際の離型フィルムなどとして好ましく使用することができる。
Claims (14)
- ポリビニルアルコール系重合体(A)、および当該ポリビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部含むポリビニルアルコール系重合体フィルムであって、水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜8.0であるポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- ポリビニルアルコール系重合体(A)のけん化度が90モル%以上である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- 酸性物質(C)を用いて得られたものである、請求項1または2に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- 酸性物質(C)の25℃におけるpKa(酸解離定数)が3.5以上であり、且つ当該酸性物質(C)の常圧下での沸点が120℃を超える、請求項3に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- 界面活性剤(B)がノニオン系界面活性剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- ノニオン系界面活性剤がアルカノールアミド型の界面活性剤である、請求項5に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- 酸化防止剤(D)を界面活性剤(B)に対して0.01〜3質量%含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- 水に7質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが2.0〜6.8である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- ポリビニルアルコール系重合体(A)および当該ポリビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して界面活性剤(B)を0.001〜1質量部含む製膜原液を調製する工程と、当該製膜原液を製膜する工程とを含み、上記製膜原液が、界面活性剤(B)を70質量%以上含む混合物を用いて得られたものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法。
- 上記製膜原液が酸性物質(C)を用いて得られたものである、請求項9に記載の製造方法。
- 上記混合物が、水に0.1質量%の濃度で溶解させた際の20℃におけるpHが8.0以上となるものである、請求項9または10に記載の製造方法。
- 上記混合物が、
・界面活性剤(B)、および、
・当該界面活性剤(B)を製造する際に使用した原料、触媒、溶媒、当該界面活性剤(B)が分解して生じた分解物、および、安定剤のうちのいずれか
を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。 - 上記混合物が、
・アルカノールアミド型のノニオン系界面活性剤、および、
・それに対応するアルカノールアミン
を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルムを、温度0〜40℃および湿度75%RH以下の条件下に保管することを特徴とする、ポリビニルアルコール系重合体フィルムの保管方法。
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